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アルダワ魔王戦争9-D〜輝く蒼玉の獣達

#アルダワ魔法学園 #戦争 #アルダワ魔王戦争

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●蒸気機械と蒼き獣の群れ
 ファーストダンジョンの深層領域の一つであるそこに群れを成して蒼く輝く体を持った狼がやってきた。
 大魔王との決戦が目前に迫ったこのタイミングでも災魔達はこの広大なファーストダンジョンにて猟兵達を待ち受けようと際限なく増殖し、それぞれの領域にて獲物が来る時を待っていた。

 狼達が所定の位置に陣取るとこの領域の罠が作動し床から通路を塞ぐ様に巨大な砲身が姿を現す……。

 壁に沿うように作られた蒸気の通るパイプが急激に熱を発しながらその蒸気エネルギーを地下へと送りそして砲身へと集めていく。

 砲身はここにやってくる猟兵達を始末する為にガコンと音を立てて鎮座した、その様子を眺めながら狼達はウォォォォォォンっと遠吠えをあげる。

 大魔王の為に災魔の勝利を信じて必ず猟兵を仕留めると決意を込めた遠吠えが機械音と混ざりながら部屋に響いた。

●待ち構えるのは不可避の罠
「魔王戦争お疲れ様ですにゃ! 大魔王の所にもたどり着きクライマックスですにゃー! そんな時に申し訳ないのですがにゃー……」

 と申し訳なさそうにグリモアベースに集まった猟兵達に挨拶をしたのはクゥ・チコット(光風のハーピスト・f03424)だ。
 グリモアをコンコンっと叩いて予知の情報を投影しながら集まった皆に説明を始める。

「どうやら、ダンジョンの中にまだ災魔が居るらしいのですにゃー」

 地図を表示し指示したのは9-D『光の石棺』。

「このエリアに災魔が居るのですが、とっても危険なエリアなのですにゃ、通路に入った瞬間皆さんに目掛けてレーザー攻撃がまっているのですにゃ!」

 予知の内容を詳しく纏めると、
 このエリアは一見、何の変哲もない一本道の通路に見えるのだが、猟兵達が侵入したとたんに罠が作動し、通路を塞ぐように鎮座した巨大な砲身から猟兵目掛けて高密度の光のレーザーが発射される。
 密閉型蒸気反応炉から集めた高密度のエネルギーによるレーザーは猟兵とはいえ喰らえば大ダメージ確実であるのだが、避けようにも通路全体を埋めるように発射されるので避けるのは難しく、避けることよりいかにダメージを軽減して災魔との戦闘に備えるかが重要だ。
 なおこのレーザーは火力と引き換えに連発ができない設計で時間差で追い打ちをかけるようにレーザー攻撃などは無いので安心してほしい。

「災魔もダメージ喰らってくれたら戦いやすいのですが残念ながらレーザー後に出てくるのですにゃー」

 残念そうに災魔の奇襲タイミングを説明しながら、続けて災魔の説明に移る。

「皆さんが戦うのは宝石の様に輝く体を持った狼、ジェムビーストって名前の災魔ですにゃ。体は宝石みたいですがその行動パターンは動物的ですにゃ」

 ただし攻撃手段は災魔らしく接近戦からの爪による斬撃だけでなく、巨大化からの無差別攻撃や、敵意を向けた相手を追尾するレーザー弾幕などがあるらしい。
 本物の狼の群れの様に素早い連携で襲い掛かってくるので注意して戦ってくださいにゃと補足するクゥ。

「消耗した状態での戦闘は過酷だと思いますが、皆さん災魔の討伐よろしくお願いしますにゃ」

 ペコリとお辞儀をしグリモアの力を引き出し戦場に赴く猟兵達を罠が待ち構えている迷宮へと送るのであった。


高月 渚
 初めまして、この度MSとなりました高月 渚です。
 今回の依頼は戦争シナリオで1章で完結するフラグメントとなっております。

 OPに記載通り、猟兵の皆さんはレーザー攻撃を受けた後に災魔との戦闘です。
 特殊ルールとして今回の依頼では以下の行動を行うことでプレイングボーナスが付与されます。

 『プレイングボーナス……大出力レーザーのダメージを軽減する工夫』

 プレイングはシナリオ公開時から受付しています。初依頼なので執筆にはお時間を頂くかもしれませんのでお急ぎの方はご注意ください。
 ご参加お待ちしています。
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第1章 集団戦 『ジェムビースト』

POW   :    宝石一閃
【超高速で対象に接近した後、爪】が命中した対象を切断する。
SPD   :    ジェム・オーバーロード
【超高速で対象に接近した後、身体】を巨大化し、自身からレベルm半径内の敵全員を攻撃する。敵味方の区別をしないなら3回攻撃できる。
WIZ   :    スティレットレーザー改
【超高速で対象に接近した後、敵意を向ける事】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【超光速で対象を追尾する誘導レーザーの弾幕】で攻撃する。

イラスト:嵩地

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

黒木・摩那
大魔王が出た!と只今大騒ぎになっているところではありますが、
残った災魔もそのままにはしておけませんからね。
せっせと片づけていかなくては。

でも、迷宮の奥底で大出力レーザーとか変なところでオーバーテクノロジーなのよね。
弾幕なら【念動力】で何とかするんですけど、光の速度は困ります。

ここは寿命とバーターですかね……

レーザーの初撃はUC【月光幻影】で緊急回避。テレポートで回避します。

あとは貴重な寿命を費やしてしまった鬱憤を災魔たちにぶつけます。
ヨーヨー『エクリプス』に【衝撃波】を籠めて【先制攻撃】【なぎ払い】。
ヨーヨーのワイヤーで災魔に絡めとって引っ張ることで【敵を盾にする】します。



「大魔王が出て大騒ぎですが、残った災魔もそのままにはしておけませんからね」
 せっせと片づけていかなくては、と罠が待ち受ける通路にやってきたのは黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)だ。

 迷宮のギミックが変にオーバーテクノロジーなのよねとふと頭によぎった彼女に対し、猟兵達の侵入に反応した砲身へと蒸気パイプからエネルギーが供給され輝きと共に猟兵達を巻き込む高密度のレーザーが放たれた。
 その光速の速さに瞬時に摩那は反応するとユーベルコードを発動させてレーザーの脅威に立ち向かった。
 セーフティ解除。……と心の中で念じた摩那の体はその姿をこの場から消失させた。
 敵ならレーザーによって肉体が掻き消えた様に思ったかもしれないが、これは摩那のユーベルコード・月光幻影の力だ。
 その力は摩那のサイキッカーとしての力の使用制限を全て解除することによって行う、短距離連続テレポートによる高速移動の力だ。
 通路いっぱいを埋め尽くすレーザー光線を避けるのは確かに難しい……だが、テレポートでの短距離移動の僅かな時間は姿が消える、それを利用すれば全てを防ぐのは無理でも最小限のダメージで災魔と戦える。
 寿命代償にする力ではあるが、この局面を乗り切る為ならばと覚悟を決めた彼女の体がレーザーの輝きの中で現れては消える……。
 レーザーの輝きの中でその長髪をふわっと舞いさせながら連続テレポートをする彼女を見ている者が居たのならその凛とした所作から美しさを感じ見惚れていたかもしれない。

 何度目かのテレポートを終えた時、レーザーの輝きが弱まりダメージこそ受けたものの、その被害を最小限に抑えた彼女が立っていた。
「さぁ、ここから反撃よ」
 ユーベルコードを解除しながら彼女は超可変ヨーヨー『エクリプス』を構えた。
 覚悟して臨んだことでも貴重な寿命を使ったことは少しばかり思うところがある彼女は猟兵達を倒そうと唸りながら現れたジェムビースト達へとその鬱憤をぶつける。
 何匹もいる群れの中からウォンっと合図を送り数匹のジェムビーストが彼女に襲い掛かる。
 摩那は落ち着いた所作でエクリプスに衝撃波のサイキックを籠めて敵目掛けて投げた。
 ジェムビーストは瞬時に避けようとするがエクリプスがジェムビーストに当たるより前にその体は両断された。
 摩那の意思に呼応し刃を出現させたエクリプスから放たれた衝撃波によってだ。
 仲間が不可視の力で両断されたことに驚愕しながらも別個体が摩那に襲い掛かろうとするが、摩那は一体目を倒した動作のまま流れるようにエクリプスをその個体の首に巻き付けると、勢いのまま引っ張りそして何匹かを巻き込む様にジェムビースト達をなぎ払った。

 グルゥゥゥゥっと仲間が倒されている隙に高速で接近した個体がユーべルコードで巨大化しその鋭い爪と牙で攻撃した。
 その仲間を巻き込みながらの攻撃はそれほど摩那を脅威と見ての行動だった。
 だが、その決死の攻撃は摩那に届くことはなかった。エクリプスで捉えた個体を盾にするように操りその攻撃を防いだからだ。
「あなたも仲間と共に逝きなさい」
 盾にされ砕け散った仲間の姿を見て動きが鈍ったジェムビーストにそう言い放ちながら摩那はその巨体にエクリプスを纏わりつかせると、そのワイヤーである糸に電撃の力を込めた。
 全身を強力な電撃で攻められたジェムビーストの体にヒビが入り豪快な音とともに砕け散った。
 エクリプスを手元に戻しながら摩那はふぅ……と息を吐きながら自分に襲い掛かってきた個体達の残骸を見て自身の勝利を噛み締めた。

成功 🔵​🔵​🔴​

トリテレイア・ゼロナイン
中々に困難な戦場ですが、後ろに護るべき人々が居ると仮定すれば絶対に対応が必要となる環境
見事、戦い抜いて後の戦いに活かしたいものですね

通路の横の壁か天井をUCを使用した●怪力での●シールドバッシュで破壊
瓦礫による防壁を構築します
どうせレーザーで瓦礫は掃除されるでしょう
それに加えて●防具改造で対レーザーコーティングを施した大盾で●盾受けすることで二重防壁とし、被害を抑えます

盾を犠牲に攻撃を凌げばセンサーによる●情報収集で移動コースを●見切ったビーストに格納銃器での●スナイパー射撃
接近されれば●怪力での●武器受けで爪をいなし、空いた片手でのUC鉄拳や蹴りで止めを刺してゆきます



 困難な戦場ではあるが、護るべき人々が居ると仮定すれば絶対に対応が必要となる環境だな……と心の内に秘め戦場にやってきたのはトリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)だ。
 己の記憶領域にある騎士道の元、この困難を乗り越え後の経験につなげると決意した彼は、その身を狙う砲身がレーザーを発射するより早くに動いた。
「はぁぁぁぁ!!」
 気合と共に己が愛用の重質量大型シールドを壁や天井へと叩き込んだ。
 凄まじい強度である大盾とトリテレイアの鍛え抜かれた怪力のユーベルコードにより、強度であった通路の壁すらもミシミシと音を立てながら瓦礫と化した。
 その瓦礫の山を利用するように彼は陣取るとシールドを構えた。
 こんな瓦礫はレーザーにかかればすぐに跡形もないかもしれない……だが、より盤石にレーザーに挑む為の二重防壁として利用しようと考えた。
 そんな彼にもついに強烈な輝きと共にレーザーの奔流が襲い掛かる。
「くっ……」
 瓦礫を破壊しながらもその勢いでトリテレイアの体は徐々に後退していく。
 負けてなるものか私の後ろには護るべき人々が居る!
 その決意を胸に強大なレーザーを跳ねのけるかの如く前に進む。
 実際にこの場に護るべき存在は居ない、けれどこのファーストダンジョンの外にはアルダワで暮らす人々が居る。彼の決意とこの行動はそんな名前も姿も知らない人々を護る事に繋がっているだろう。
 やがて光の奔流は止み、その場にいたのは己の騎士道に準した彼だった。

 耐えきったとその結果を噛み締めるのもそこそこに彼を打ち倒そうと集まってきたジェムビーストと相対した。
 蒼玉の獣達はトリテレイアの持つ大盾視線を向ける……大盾は事前にレーザー対策を成されていたが、レーザーの強大な威力によりヒビが入っていた。
 そんなボロボロの盾で我らを倒せるか……とでも言いたげに獣達は目配せると一斉に彼に襲い掛かる。
 だか彼は落ち着いた様子で自身に内蔵されたセンサーを起動、即座に情報収集により敵群の進行ルートを割り出すと、格納された銃器を起動させ迎撃を行う。
 脚部格納型スラスターを起動し、重量のある身体の機動性を補助しながら滑る様に地面を移動し、肩部・両腕部の多目的単装銃、並びに頭部の展開式機銃おも展開し、ジェムビーストが近寄るより早くその無数の弾幕から繰り出す、狙いすました一撃の数々で大多数の押し寄せていた獣の群れを次々と粉砕しその身を砕けた蒼玉に変えていく。
 そんな彼の弾幕でその身を砕かれながらも決死の覚悟で接近した個体が現れた。
 砕かれてもなお切断力の衰えないその爪をトリテレイアは大盾で受け流す。
 その勢いで吹き飛ばされたジェムビーストは壁に激突すると共に活動を停止したが、トリテレイアの自慢の大盾を一部を両断し破損させていた。
 よくやった同胞よ……と仲間の犠牲によりできたチャンスを活かそうと残った獣達による総力戦でトリテレイアを切断しようと襲い掛かる。
「見事だ……だが、実際の戦場の騎士は道具や手段を選ばないものです」
 襲い掛かる獣達へとトリテレイア壁すら破壊する力強い拳による一撃がお見舞いされる。
 戦場の騎士の名を関するユーベルコードの本質は鍛え抜かれた肉体とありとあらゆるモノを用いた必殺の一撃を放つ技だ。
 その証拠に己が拳や蹴り技だけでなく切断されて脆くなった大盾すらも、一撃を加えるたびに破損が酷くなろうとも獣達の体を捉え力強い一撃のもと粉砕していく。
 襲い掛かってきた最後の一体を砕いた頃にはトリテレイア大盾はボロボロに破損していた。
 だが、清廉と佇む彼には後悔などない。人々を護る為ならばこれくらい代償としては安い方だ。
 人々を護ると決意して戦い抜いた今回の経験は今後、彼の騎士道に繋がって行くだろう……。

成功 🔵​🔵​🔴​

マックス・アーキボルト
※アドリブ歓迎

罠を仕掛けて獲物を待つ…か
狼らしい狩りの仕方だね…
最初っから被弾前提なら割り切って行くだけだ!

レーザーは〈激痛耐性〉で耐えつつ、そのエネルギーを〈生命力吸収〉に利用!エンジンによる治癒魔法をかけて軽減するよ!
…痛みに耐えるのは!散々慣れっこになったんだよねっ!

レーザー通過後の狼たち相手には【加速魔法式】発動!
巨大な図体でも恐れる所はない。
加速による高速移動の中、ダッシュ・ジャンプ・クライミングを利用して身体の表面を駆け巡って攻撃を避ける!
さらに〈スナイパー〉技能で目の部分を〈鎧砕き〉の強化魔力弾で破壊して、無差別攻撃を敵側に当てやすくするよ!



「最初っから被弾前提なら割り切って行くだけだ!」
 明るく言い放ちながら深層領域へと足を踏み入れたのはマックス・アーキボルト(ブラスハート・マクスウェル・f10252)、罠を仕掛けての狩りだなんて実に狼らしい戦い方だと予知の情報を思い出しながら考える。
 砲身がエネルギーをチャージする中、彼が取った作戦はシンプルなものだ。
 どれだけレーザーによる罠が強力でも己の激痛への耐性によって耐えきってみせるというものだ。
 一見無謀にも思えるその作戦だが彼だからこそ行える秘策を使えば無謀ではないと確信していた。
 不敵に笑った彼に対して輝くレーザーがその身を包みむ。
「痛たた! っ……痛みに耐えるのは!散々慣れっこになったんだよねっ!」
 レーザー攻撃によるダメージで彼の魔導蒸気機械人形としての体が軋みながらもその胸部で光り輝くコアが輝いた。
 学園の制服の上から纏っている胸当てのパーツに見えるそのコアはマックスが迷宮にてオブリビオンと遭遇した際、自身の動力部が変質した魔心炉……無限魔心炉『マキナ・エンジン』だ。
 無限大の魔力を発生させ常にマックスの全身へとその力を供給するマックスに欠かせない機関の一つだが、今回の作戦でとても重要な役割を担っている。
 レーザーの黄金色の輝きとは違う生命力を感じさせる淡い翡翠色の輝きが膨大なエネルギーである黄金色のレーザーを吸収し始める。
 生命力吸収機能を解放したマキナ・エンジンはその吸収したエネルギーを即座に治療魔法としてマックスの全身へと行き渡らせる。
 ダメージを受けて破損を始めていた身体は瞬く間に修復され、余剰分のエネルギーは関節と背中に備え付けられている放熱口から放出される。
 この循環機構を用いれば例えどれだけレーザーの威力が強大でも耐えきれるというわけだ。
 だが、いくら瞬時にダメージが修復されるとはいえ、全身に走るその激痛を絶えれるかは別の話だ。
 常人なら到底堪えれないはずの激痛をマックスは耐えている、それができるのは彼が猟兵として培ってきた経験によるものだろう。
「っうぅぅぅぅぅ……何とか耐えきったぁぁぁ!」
 レーザーが止みそこに居たのは年相応のあどけない笑顔を浮かべ、自身の作戦の成功を喜ぶ彼だった。

 そして彼を倒す為に出てきたジェムビースト達だが……。
「ガゥ!?」
 おい、なんか全然ダメージ受けてないぞどうなっているんだとうろたえるビースト達。
 ダメージは受けているのだがそれをマキナ・エンジンによって修復してほぼ無傷の状態だ。
 一連の動作を見てない災魔からしたら何が起こったのか解らない光景だっただろう。
 「ウォ、ウォォォン!!」
 とにかく攻撃だと言わんばかりに、マックスへと襲い掛かるジェムビースト、群れの中から素早く3匹が接近しその身をユーベルコードで巨大化させる。
 3方向から攻撃を受けてみろと爪による斬撃を繰り出す災魔達だが、そんな彼らに恐れも抱かず、マックスはユーベルコードの力を解放する。
「加速魔法発動! 避けきってみせる!」
 宣言した通り三方向からの攻撃を掻い潜る様に避けるマックス。
 今の彼は加速魔法式:防性により、周囲の事象がスローモーションで見える状態だ。
 落ち着いて敵の攻撃を見切りながら身体を加速させたマックスはクライミングの要領でジェムビーストの巨体を駆け上がるとその頭部に陣取った。
 気がついた他の2匹が動くなよと視線を送りながらマックスのみを狙って飛び掛かる。
 だが、そんな彼らにマックスは左腕に装備したスチーム・アームキャノンの砲身を向け狙いを定める。
「この状況で目を潰したらどうなるだろうね?」
 ジャンプでジェムビーストの頭部から飛び退きながら彼はスナイパーのごとく一撃を放つ。
 放たれたその弾丸は鎧すら砕く強化魔力弾だ。
「きゃん!?」
 見事命中し目を砕かれた二匹は子犬の様な悲鳴をあげながらバランスを崩し、倒れこみながらその爪による斬撃を仲間であるジェムビーストに叩き込む。
「アゥゥゥゥ……」
 仲間からの強烈な一撃を受けた個体もバランスを崩し、周りにいた他の災魔をも巻き込み全滅し、消滅していった。

「作戦成功だね」
 着地と共にユーベルコードを解きながら誇らしげにマックスは笑うのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ラリー・マーレイ
レーザー光線か。学園で習った科学知識を思い出し対策を考える。
光なら透明なものは素通りする筈。ここは【透衣の呪文】を使う。
入り口で「守りの指輪」の魔法防壁を展開し衝撃に備えて【火炎耐性】【オーラ防御】。
本来レーザー光線は目に直撃しないと見えない。それが光って見えるって事は余剰エネルギーが空気を熱してるのかもしれない。熱は透明化だけじゃ防げない。耐えきるしかない。

透明化と同時に通路内へテレポート。レーザーを軽減、耐える。
凌いだらそのまま敵に【ダッシュ】。【忍び足】で気配を消し【暗殺】を狙う。
敵のレーザーも透明化で軽減。見えなければ撃てないと見た。隠密性を活かして懐に飛び込み喉首を長剣で切り裂こう。



「シーンザンメ・ペーイチェー……」
 透衣の呪文を発動させながらラリー・マーレイ(少年冒険者・f15107)は通路の入り口でレーザーへと備えた。
 アルダワ魔法学園で勉学に励む彼は今回の予知の内容と科学の授業で習った知識からレーザーへの対策を導き出していた。
 レーザーは光でできている、なら自身を透明にすればその威力をある程度透過できるのではないかと。
 これだけだと光の持つ熱量は防げないかもしれないが、彼はそれに対しての対策も同時に行う。
 指にはめた守りの指輪へと祈り捧げその秘めた力を解放する。
 指輪の力によって自身を囲む様に魔法の障壁を展開させつつ、それとは別に全身を包み込む魔力によってオーラを纏い熱への耐性力を向上させていく。
 そして全ての準備が整った時、レーザーの発射される直前に通路内部へとテレポートした。
 熱い……!
 魔法障壁やオーラ越しでも伝わってくる肌を焼く熱量に歯を食いしばりながらラリーは耐えた。
 守りの指輪に秘められた防御力をさらに引き出しながら全身を蝕む脅威をものともせずに一歩、一歩……歩み始める。
 冒険者に憧れて故郷を飛び出したあの日の一歩の様にその歩みを大事にしながらふと--脳裏に過った。
 冒険者になってからというもの、何かと失敗続きではあるが勇者に憧れを抱き、このアルダワ魔法学園で学んだ日々、それらの積み重ねで少しは成長できただろうかと……。
 まだまだ勇者には程遠いかもしれない、だけど今こうして戦場に集った仲間と共に困難に立ち向かえている彼は勇者への夢へと一歩……また一歩と進めているだろう。
 そんな未来の勇者かもしれない彼もレーザーによる脅威を耐え抜くことができたのだ。

 透衣の呪文は使っているほどその身に疲労感をため込むデメリットがある。
 レーザーを耐える為の僅かな時間で蓄積した疲労で体にだるさを覚えるが、彼は仲間を援護する為に気合を入れなおし、透過したままジェムビーストの群れへと突撃した。
 身体を加速させながらもその足運びは音をたてないように細心の注意を払っており、独学とはいえ盗賊の気配遮断スキルは十分な実力で災魔に気づかれぬまま接近できた。
 そのままクリーヴァーの名を関する長剣による一閃によってジェムビーストの喉元から一刀両断した。
 姿の見えぬ謎の攻撃に群れの獣達は必死に捕えようと周囲を警戒する。
 だが、気配遮断と透明化の合わせ技の前ではどうしようもなく次々とまた、一体……一体とその首を打ち取られていく。
 獣としての優れた聴覚でどうにか弾幕を放つ個体も中には居るが、目に見えぬ敵に敵意を向けるのはうまくいかず、その追尾能力を持ったレーザー弾幕の本来の威力を発揮できないでいた。
 例え、ラリーの体に掠ったとしてもあの極悪なレーザーと比べたらジェムビーストのレーザーなど些細なものだ。
 科学知識の元、透過による軽減と熱に対しての耐性力を上げた今の彼を傷つけるにはその威力は弱弱しすぎる。
 謎の敵による攻撃から逃げようと撤退を決めこもうとした敵をクリーヴァーで両断し終えた時……彼の周りには敵の姿は無くなっていた。
 敵を倒しつくしたことで透衣の呪文を解いた彼の体に長時間の使用による疲労感が襲い掛かったが、うまく敵を倒せた喜びの感情がその疲れを打ち消すのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

紬雁・紅葉
…光なんですよね?
では

羅刹紋を顕わに戦笑み
先制でUC発動
空の魔力を攻撃力に
光の魔力を防御力に
付与
全体を光のオーラで包む

地形を利用し光線を取り込み魔力を増幅
UC効果とオーラ防御を強化し熱ダメージを減少させる

九曜、巴、鳳翔を適宜使い分け
正面からゆるゆると接敵
射程に入り次第破魔空属性衝撃波UCを以て回数に任せ範囲を薙ぎ払う

敵の攻撃は躱せるかを見切り
躱せるなら残像などで躱し
そうでなければUC破魔衝撃波オーラ防御武器受け等で受ける
いずれもカウンター破魔空属性衝撃波UCを以て薙ぎ払う

窮地の仲間は積極的にかばい援護射撃

猟兵を猟せんと企むか
片腹痛い
去り罷りませ!


※アドリブ、緊急連携、とっさの絡み、大歓迎です※


赤星・緋色
ほむほむ、レーザーかー何か厄介そう
災魔もいるっぽいし、気を付けて攻略しないとね

光なら屈折も反射もできそう
それに通路に入った瞬間にくるってことは入る前なら準備できるってことだね!

入る前にスモーク撒いて通路に充満させておこ
長い通路ならそれだけで結構減衰できそう
光は直進するからできるだけ当たる面積が少なくなるように伏せたりして
反射率が一番高い物質は銀だから、最小限の角度の銀の板で光を逸らしつつ
熱とかは技能火炎耐性でなんやかんやできるって信じるよ

まっすぐな通路なら適当に撃っても大体当たりそう
技能の制圧射撃で相手の移動を妨害しつつ
わんこの攻撃は見切りで回避、ダッシュで距離を取ってガトリングかな



 ほむほむ、レーザーかー何か厄介そうと通路の入り口で考えるのは赤星・緋色(サンプルキャラクター・f03675)だ。
 光なら屈折や反射もできるし、何より罠が作動するのが通路に侵入してからなら、その前に色々準備をすればいいもんね! と持ち前の明るさで対策に及んだ。
 彼女の第一の対策はスモークによるレーザーの減衰だ。用意したスモークを罠が作動しないように注意しながら充満させていく。
 他の猟兵へのサポートもできるぐらいスモークを撒けたらよかったが通路は複数の猟兵が問題なく戦えるぐらい広いのでさすがにそれは難しく……だが、緋色を含め数名分は護る事ができそうな範囲はスモークを充満させれた。
「よーし張り切って耐えるぞ」
 と緋色が元気よく通路に侵入を始めようとした時、同じく通路に歩んでいたのは紬雁・紅葉(剣樹の貴女・f03588)であった。
 紅葉はしとやかであるが、内に秘めた羅刹としての本能からくる笑みを浮かべながら、己が剣神の鬼巫女として選ばれた証である羅刹紋を顕わにしながらユーベルコードを発動した。
「零の式…来たれ」
 詠唱と共に独特の紋様の羅刹紋が共鳴するように紅葉の全身に力を行き渡らせる。
 トリニティ・エンハンス零式と名付けられたその技は一般的な同種のユーベルコードとは違い、【光の魔力】【闇の魔力】【空の魔力】の魔力により肉体を強化する技である。
 光に光を--と光の魔力により己の防御力を際限なく高めながら、同時に空の魔力で攻撃力も高めていく。
 そんな光のオーラを纏い万全の準備を整えた紅葉に緋色が声をかけた。
「ねーねーよかったら一緒にスモークの中に入ろうよ、その方がもっと安全だよ」
 にかっと効果音が聞こえてきそうな……いや実際に緋色の持ち得るエフェクトパーツからコミカルに音がなっているのだが彼女の明るい笑顔を彩る様にポン! とかキュルーンなどの音もなる。
 そんな彼女の様子に羅刹の本能からくるものとは違う親愛の笑みを浮かべた紅葉はその申し出を受けて二人でレーザーの脅威に立ち向かうことにした。

「解っていたけど眩しいー!!」
 きゃーと叫びながらもどこか楽し気なのは緋色の方だ。
 スモークの効果である程度眩しさが軽減されてはいるがやはり眩さは目に来るらしく目を瞑りながら銀の板で遮った。
 これが緋色の用意した二つ目の策だ。反射率が一番高い銀を用いた光の反射を行うことでのダメージ軽減、それだけでなく光の当たる面積を小さくしようと伏せた体制もとってある。
 紅葉の方に反射ししないように気を付けている緋色であるがそんな彼女に紅葉が驚愕の申し出をした。
「あの、その光をわたしの方に向けて頂けませんか?」
「えっ!?」
 そんなことしたら眩しいし熱いよ?と言いたげに首をかしげる緋色だが紅葉は大丈夫ですからと優しく微笑んだ。
 何か狙いがあるのかなーと思いながら緋色は恐る恐る紅葉へ光を反射させるように銀板を傾ける。
「高まりなさい光の力よ……」
 紅葉の祈りと共に自身の光の魔力がレーザーの光と同調、吸収することでユーベルコードの力を増幅し全身に纏ったオーラを増強させていく。
 やがてそれは近くにいた緋色も包み込むぐらいに大きくなった。
「わぁ、すごいね! こんなこともできるだ!」
「一時的なものですけどね」
 と微笑みながら断りを入れる。あくまでオーラが巨大化して緋色を巻き込む様に紅葉を包み込んでいるだけだ。
 紅葉のユーべルードは自身のみに作用するもの……今回はレーザーの凶悪な火力を利用してのオーラの強化による結果であり今後同じ結果をもたらせるかはわからない。
 だが、結果として二人の熱によるダメージを軽減する良い結果をもたらせたのだ。
 この後の戦いもほぼ無傷に近い状態で挑めるだろう……。

 ……そして、レーザーの脅威が過ぎ去った後、無傷の二人はお互いの武器を構えやってきたジェムビーストとの戦闘を開始する。
 まず、ジェムビーストへと接近したのは紅葉の方だ。
 その身を纏うオーラは既に彼女自身しか包み込んでいないが蓄えた防御力は健全だ。
 向かってくるジェムビーストの動きをよく見切り、その爪が当たるか解らないギリギリの所で残像を残しながら巫女としての舞の動作でその攻撃を避け、ルーンソード「九曜」に破魔の力を込めた空属性の魔力による衝撃波によってその肉体を切断する。
 続けざまに薙刀「巴」に持ち替えての中距離から攻撃の機会を伺っていた獣へ突き技、並びに回転を主軸に置いた薙刀による槍術により衝撃波を飛ばし次々と獣達を真っ二つにしていく。
 より遠くに陣取る敵への対応をしようとした時に紅葉をサポートするように放たれ弾丸がその横をすり抜けた。
「ひっさーつ!」
 ズキューン、ドカーン!!っと効果音をあげながら蒸気ガトリングガンのミニさんを構えた緋色のユーベルコード、セミオートバーストによる援護射撃だ。
 連射力を抑え命中力を上げたその弾丸は炎、氷、雷などのさまざまな属性の弾丸で構成されており、カラフルな色による攻撃は緋色らしさもありつつも威力は絶大で、撃ち抜かれたビーストは一撃のもと粉々に粉砕されていった。
 戦闘中は無口になってしまう紅葉は緋色へと目線と頷きにより感謝を示しながら自身の武器を振るいその連携により獣の群れのその数を減らしていく。
 やがて最後の一体になってしまったジェムビーストだが、ならばせめて一人でも道ずれにと決死の行動に出た。
 紅葉の攻撃を掻い潜る様にかわし、その勢いのまま壁を駆け走り、緋色の元に向かった。
「うわぁぁ! 近寄ってきた!?」
 慌ててブースターレッドの機能を使い機動力をあげて後退しながら敵を撃ち抜こうとする緋色だが、ジェムビーストはその身を巨大化させて道連れの一撃を放とうとする。
 セミオートバーストによってその巨体は砕け散りながらも敵を打ち倒すと怨念めいた攻撃の軌道は止まらないでいた。
 どうにか攻撃を耐えるしかないと目をぎゅっと瞑り覚悟した緋色だが、そこへ紅葉の声が響いた。
「去り罷りませ!」
 仲間を助ける想いを込めた言霊と共に、紅葉は破魔重弓「鳳翔」を構え、その矢にありったけの魔力を籠め矢を放つ。
 一直線に伸びるその起動は寸分狂わずにジェムビーストの頭部を射抜き、その全身へと込められた破魔の力を宿した魔力を轟かせ、爪による斬撃が緋色に届くより前に災魔の体を砕けさせたのであった。
「助けてくれてありがとう!」
 間一髪の所で救ってくれた紅葉へと緋色はやはり持ち前の明るい笑顔でお礼を言うのであった。
 紅葉もご無事で何よりですと戦闘を終え物腰の柔らかい口調に戻り、お互いに勝利を称えあうのであった。

 こうしてこの場に集った猟兵達の戦いは災魔の全滅で幕を閉じた。
 アルダワ魔王戦争への勝利に向かってまた一つ猟兵達は戦果を得たのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年02月20日


挿絵イラスト