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情熱の向ける先

#アックス&ウィザーズ

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#アックス&ウィザーズ


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「………いや、いくら何でもひどすぎませんかね?」
 何故か自分の胸元を確かめながらウインド・ノーワルド(自称ドクター・f09121)はグリモアを動かした。
「あ、すみません。集まってもらったのに」
 何かあったのだろうか。招集をかけられた猟兵達はウインドの奇行に首をかしげるが、呼ばれた以上オブリビオンによる何かが起きたのだろう。
「っと、そうそう。オブリビオンによる被害がまた起きます。場所はー……アックス&ウィザーズの、とある都市から離れた場所にある防具工房……ですねぇ」
 何故かいつもの勢いがない。流石に気になった一人が聞いてみればようやく彼女は深いため息とともに話し始める。
「予知したんですよ……ええ、この工房、防具作りに特化した工房なんですが、山賊連中に襲撃されるんですよ。こう、酒、金、女ぁって」
 襲撃するにしても、少々都市から離れた場所なのではないか。オブリビオンとはいえ、そんな利益の少ない襲撃はするんだろうか。そんな疑問が出るのは当然のことだった。
「あー、なんというかですね。この防具工房、『ビキニアーマー』に特化した工房らしいんですよ。そのビキニアーマー製造の為に女性型のマネキンを大量確保しているらしく……まー、勘違いですね」
 ああ、とため息が猟兵達から上がる。結局のところ、マネキンを女性と勘違いして襲撃されているという事だろう。
「……まー、その後。襲撃の後に復興の手伝いをしてあげた方がいいという予知が出たんですが、君の胸のサイズはちょっと違うと言われる予知が……いや、そういう気にしてねーですから」
 ああ、とまたため息が上がる。猟兵達の視線がとある一点に集中するが、まぁそれはそれ。
 兎にも角にも山賊退治。それがメインになるだろう。
「ってことで、これから山賊退治になります。終わった後は、防具工房の復興手伝いになりますが……まぁ、語り合いたかったり、ビキニアーマーづくりに協力しても構いませんよ……?」
 終わった後、まぁどうしようかと思わなくもないが、とにかく山賊退治に出発だ。
 準備を整えた猟兵達は、ウインドの転移の後に現地に召喚されることになる。


トビカゼ
 なんかとんでもない工房を守ることになりますが、一応この世界の防具の流通を担う重要な工房なので、結構重要な戦いになります。マスターのトビカゼです。
 基本的には山賊の襲撃から、親分との戦い。その後は復興手伝い……という名のビキニアーマーづくりの協力及び語り合いになります。
 内容が内容ですので、もちろん普通に防具の事を語ったり作ったりでも構いません。

 ともあれ、皆さんの参加をお待ちしております。
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第1章 集団戦 『山賊』

POW   :    山賊斬り
【装備している刃物】が命中した対象を切断する。
SPD   :    つぶて投げ
レベル分の1秒で【石つぶて】を発射できる。
WIZ   :    下賤の雄叫び
【下卑た叫び】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

有栖川・夏介
※アドリブ歓迎

ビキニアーマー…ですか?ああ……えっと、はい。
そういう趣味があってもいいんじゃないでしょうか。
どんな形であれ防具は大事ですしね。
それはともかく、山賊をどうにかしなければ。
私も稀に女性と勘違いされることはありますが、……マネキンを女性と勘違いするなんて、山賊たちも相当……ですね。

相手がなんであれ、油断はできません。気を引き締めていきます。
【第六感】と【見切り】で敵の攻撃を回避。
近接の相手には【カウンター】を狙って処刑人の剣で攻撃します。
遠くの相手には【ジャッジメント・クルセイド】を使用。
「大人しく退散したほうが、身のためですよ」



「ビキニアーマーに特化した工房……ですか。まぁ、はい、そういう趣味もあるんですね……」
 防具工房に向かってくる山賊達を見て、有栖川・夏介(寡黙な青年アリス・f06470)はこの工房で作られている装備を考えていたが、まぁそういう装備も必要性あるという結論を出して山賊達へ向き直る。
 どんな形であれ、防具という存在は大事である以上、このまま荒らされるわけにもいかない。
「しかし、マネキンを女性と勘違いするなんて……」
「おいおい、女がいるぞ!」
「………」
 もはや目が腐っているのでは? 透き通るような白い肌に薄緑の髪、華奢な夏介の姿は確かに女性と思われることもあるが、ここまで迷いなく言われると少々困ってしまう。
 とはいえ山賊相手であっても油断はできない。気を引き締め直して真っ直ぐ向かってくる山賊の剣を見切り、軽くいなすと剣を振るってまず1体切り捨てる。
「しかし数は多いですね」
 離れた場所にはまだまだ山賊の姿が見える。
 ならば、と夏介は山賊達に指を向ける。同時に天から光が降り注ぎ、山賊達を次々と撃ち抜いていく。
「大人しく退散したほうが、身のためですよ」
 無慈悲に仲間を撃ち抜く光を見た山賊達は、夏介の言葉によって大きくたじろいだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

ラウンツ・ハーリッシュ
依頼だから来たが、ビキニアーマーとは一体…いやビキニというからにはビキニなアーマーなのだろうがそれはもう鎧と言っていいのだろうか。むしろ防御力を捨てた鎧はそれはもうビキニなのでは…あぁ、だからビキニアーマーなのか(納得)―ということで、死んでもらう。

【第六感】【見切り】を行い最小限の回避で対象へと接近。D/Fenrirで周辺もろとも焼きつつ近接戦闘を仕掛ける。【2回攻撃】【カウンター】で手数を増やし早期殲滅―これが最善というのが俺の持つ【戦闘知識】から導き出された案ではあるが…極力雑魚には時間を掛けたくないものだな



 防具工房を襲う山賊達に対峙するラウンツ・ハーリッシュ(黄昏の獣試作02式【TYPE-D/Fenrir】・f10078)はなかなか拭えぬ疑問を抱えていた。
「……ビキニ……ビキニアーマー……?」
 いったいビキニアーマーとは何なのだろうか。依頼だからやってきたは良いものの、これから守るべき防具工房はビキニアーマーを主に製造する場所だという。
 襲い掛かってくる山賊の腕を抑え、手早く拳を二度打ち込みながら、考えてみる。
 ビキニというからには水着のビキニに似せられた鎧なのだろう。だがそれは防御を捨てており、最低限の面積しかない。それは果たして鎧と言えるのだろうか。
 続けて振り下ろされる武器を躱して、山賊を蹴り倒すと、ふとそれは防御を捨てて形を取るからこそなのでは、とようやく答えがまとまる。
「ああ、そういう事か、だからビキニアーマーなのか」
 正面に向かってきた相手を蹴り飛ばし、ようやく迷いもなくなった。
「という事でだ、死んでもらう」
 山賊達に向けて、ラウンツの腕から放たれる氷が放たれたかと思うと、瞬時に氷は黒炎へと転じ、狼のように駆け巡る事で周囲の山賊達をまとめて焼き払う。
「存外早く行ったな。このまま殲滅させてもらおうか」
 手早く効率的に、ラウンツの中での最善の戦術が次々と山賊達を焼き払っていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

青葉・まどか
マネキンと生身の女性を間違える?なんじゃそりゃ~!!
なめんな!襲撃するならゴブリンだって事前に下調べするよ!

この山賊には教育が必要です。修正してやる。

SPD重視

フック付きワイヤーとダガーを駆使して戦う。
常に動き回り【敵を盾にする】ように位置取り。
『シーブズ・ギャンビット』は【早業】で【2回攻撃】。

こんな間抜けな山賊が、真っ当な職人さんの邪魔するなんて許せません!

…ビキニアーマー。ちょっと気になりますね。



「ひゃっはーっ! 女がいるぜ、奪え奪えーー!」
「いやいやいやいや……なんじゃそりゃ」
 防具工房に向けてわらわらと向かってくる山賊たち。皆目的は工房の窓から見える女性……なのだが。
 青葉・まどか(人間の探索者・f06729)が何度見てもそれはマネキン。つくりは成功だが確かにマネキンだ。ちゃんと下調べすれば簡単にわかる事なのだが。
「ひゃあ! あそこにも女がいるぜぇ!」
「捕まえろぉーーー!」
 あ、だめだこれは。一切調べてない。
 流石にこんな状態だとすれば、下調べもせずにそのまま見つけてやってきたのだろう。
「教育……うん、必要です。修正してやります」
 シーフとしてもだが、とにかく流石に問題しかない。フック付きのワイヤーを構え、迫る山賊に投げつける。
 飛来するフックは山賊の服に引っかかり、まどかがそれを引き寄せれば、くるくるとその場で旋回させられた山賊は目が回ったのか、その場でふらつき始める。
「せぇいっ!」
 ふらついた山賊の首筋を抑えながら、ダガーを用いた連撃で傍にいた山賊を切り捨てるとふらついた山賊を敵に向けて押し飛ばすと、怯んだ相手に向けて突撃していく。
 山賊達は突如飛び込んできたまどかを狙おうとするが、同士討ちになりそうな状況に攻撃を中々仕掛けられない。
「全く、間抜けな山賊が、真っ当な職人さんの邪魔するなんて許せません!」
 まともにまどかを捉えられない山賊達を相手に、次々とまどかは切りかかる。
 だが、ふと気になるものはある。ピキニアーマー、いったいどんなものなのだろうか。それを確認するためにも、戦闘を続行した。

成功 🔵​🔵​🔴​

ニィナ・アンエノン
びきにあーまー?
ああ、にぃなちゃんのプロテクターみたいなやつかぁ!
ほらほら、今日もバイク乗るから着てるよ♪
この世界のプロテクター着心地いいし、作ってくれる人は守ってあげないとね☆
と言う事であっちが石投げてくるならにぃなちゃんはリピーターで撃っちゃう!
【騎乗】したまま【スナイパー】な感じで追い込んで、最後は突っ込んでまとめてミサイルでやっつけちゃうもんね!
味方を巻き込まない様にだけは注意!



 防具工房の正面、数多の山賊達がバイクの駆動音と共に吹き飛ばされていく姿があった。
「ほぉらぁ! どんどん吹き飛ばしちゃうよぉ!」
 バイクを乗り回すニィナ・アンエノン(スチームライダー・f03174)は山賊達をバイクで轢き飛ばしながら、投擲してくる石つぶてをバイクをターンさせて躱すとリピーターを片手に退路を塞ぐように射撃を繰り返す。
「びきにあーまー、っていうとにぃなちゃんのプロテクターみたいなやつだよねぇ」
 プロテクターとビキニアーマー、確かに似ているところはあるかもしれない。ニィナの体格ならばそのスタイルを強調したうえで映えるデザインになるだろう。
 最も、本人がそれに気づいているかどうかは定かではないが。
「おーっとぉ、こっちに行くと轢いちゃうぞぉー!」
 再びバイクを走らせ、山賊達の逃げ場を封じる様に旋回させ、射撃で追い込んでいく。慌てて走って逃げた山賊達は、気が付けば一か所に追い詰められている。
「よぉーし、目標、射程範囲全部ろっくおーん! れっつだーんす!!!」
 かわいらしく、ややうざったらしい彼女の声と共に、無数のマイクロミサイルがバイクから放たれる。
 無作為な軌道を行ったミサイルは、一か所にまとめられた山賊達をまとめて爆破し、吹き飛ばす。
「よぉーし、見方も巻き込んでない、にぃなちゃんもっとやっちゃうぞー☆」
 山賊からしたらやめてくれと言わんばかりの状況だが、遠慮せず次の獲物へと彼女は迫っていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ウーゴ・ソルデビラ
ビキニアーマーねえ。やられる前にやれとか、当たらなければどうという事は無いって感じのある意味男らしい防具だよな。薄っぺらいけど動きやすさも有るし、相手が見とれてる隙に殴っちまえばいい訳だから、防具なのに攻めてるよな色々と。

しかし、マネキンを女と間違えるなんて頭も獣並みの山賊共だな。
ま、女なんて居ねえって解った所で他所を襲うだけか。

寝苦露腐悪慈威・有獲奔を命中重視でぶち込んでやるぜ。
敵の攻撃は【野生の勘】で避けてく事にして、
後で直す事も考えると建物は【かばう】方がいいだろうな。
もし逃げようとしたら、【ダッシュ】で【追跡】してやる。
武士道も騎士道もねえから、後ろからでもバッサリやるぜ。



「おらぁっ!」
 景気良く響く打撃音。防具工房の傍でウーゴ・ソルデビラ(吸血鬼マイラ・f09730)が工房へ乗り込もうとした山賊の一人を後方から殴り倒した音だ。
「ったく、どっから見たら女と間違えるんだっての」
 一息ついて、防具工房から見えるマネキンを見てウーゴは溜息を吐いた。確かに窓に並ぶマネキンは精巧で、遠くから見れば一瞬勘違いするかもだが、全く動かない人影を見て人と断じるこの山賊は全く持って獣並みといわざるを得ないだろう。
「ま、いないと分かったところで他所を襲うには変わりねぇか」
 ぐ、と腕を振りかぶるとウーゴの元に向かってくる山賊達に向けて腕を振り抜く。
 離れた距離があるが故、当たるわけがないと笑っていた山賊達は、突如目の前に伸びてきた触手に飲まれ、薙ぎ払われる。
「戦いの目も節穴みてぇだな。っと……」
 腕の刻印から延びる触手。流石に危険と判断したのかまとめて石つぶてで攻撃してくるが、その程度の拙い攻撃にあたるウーゴではない。
 避けれるものは避け、工房にぶつかりそうな石つぶてを触手で薙ぎ払う。
「ま、遠慮は無しだ。逃げたいやつは逃げな、後ろからバッサリやってやるけどな!」
 ウーゴが山賊達を吹き飛ばし、蹴散らす。

 しばらくして、猟兵達にぼこぼこにされた山賊達に、凄まじい怒号が響き渡る。
 どうやら、親玉のお出ましのようだ。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『山賊親分』

POW   :    強欲の叫び
【酒!】【金!!】【女!!!欲望に任せた叫び声をあげる事】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD   :    剛斧一閃
【大斧】による素早い一撃を放つ。また、【服を脱ぐ】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ   :    手下を呼ぶ
レベル×5体の、小型の戦闘用【山賊子分】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はアルル・アークライトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「てめぇらぁ! んなちんけな砦落とすのに何ちまちまやってやがんだぁ!?」
 あまりに雑で、それでいて煩い雄たけびが戦場に響き渡る。
 山賊達を引き連れ、のしのしと姿を現した山賊親分は猟兵達に阻まれる山賊達を見て不機嫌な様子だった。
「ちっ、あんな少ねぇ奴らにやられやがって。いいか? ここからでも見えるだろ?」
 親分は工房の窓を指さす。そこにはビキニアーマーを装備したマネキン。
「おれぁあの美しい女に一目惚れだ! てめぇら! あいつを奪うために命でも何でもかけやがれ!!」
 ひえ、と怖気づく山賊達だが、怒号に乗せられて必死になる。
「てめぇらもどきな、あの女は俺のもんだぁぁぁぁ!!」
 親分は猟兵達に真っ直ぐ向かって突撃してくる。
青葉・まどか
節穴!!!!
お前が節穴の親玉か!!

OK!OK!問答無用で潰す!

SPD重視、フットワークを活かして動き回り、相手の攻撃を【見切り】で躱したい。
「節穴でも子分達より強い!気をつけないと」
相手が子分を召喚したらフック付きワイヤーで【範囲攻撃】。
『シーブズ・ギャンビット』は【早業】の【二回攻撃】で【傷口をえぐる】事を狙っていく。

周りの仲間と連携・フォローを忘れずに行動。

もしかして、マネキンと理解した上での行動だったりして?


有栖川・夏介
※アドリブ歓迎

手下が手下なら親分も親分、ですね。
こうも欲望一直線だと女性の猟兵が狙われないか心配です。
が……みなさんお強いでしょうから、いらぬ心配かもしれませんね。

見かけによらず、素早い動作をするのですね。
とはいえ、欲望まみれのその短絡的な思考では次の一手は読みやすいな。
【絶望の福音】で攻撃を回避。
敵をいなしつつ【カウンター】、処刑人の剣で攻撃します。
一度攻撃が通ったら、その後は同じ場所を狙って【傷口をえぐり】ます。
【恐怖を与え】て、今後一切襲撃しようなんて気が起きないようにしてあげよう。


ラウンツ・ハーリッシュ
子が子なら親も親か…この世界まさかこんなやつばっかりじゃない、よな?
【カウンター】【2回攻撃】を主軸に戦闘、【先制攻撃】で【鎧砕き】を【早業】で行い防御を削りたい所。仮に手下を呼ばれたとしても手下は無視。厳しいようなら【敵を盾にする】ことでダメージ回避。斧の一閃は可能なら【見切り】たいところだが、【オーラ防御】、【激痛耐性】でダメージを押さえ込み反撃。状況次第では斬撃より深い間合いに入り込んで【武器改造】を施したヨルムンガンドの【零距離射撃】も視野に入れたい。


ニィナ・アンエノン
え、どの女の子……あのマネキン?
もうあげちゃったらいいんじゃないかなぁ……
まぁこれじゃない!って暴れられても困るしやっつけちゃうか。
あのアーマーがにぃなちゃんのサイズだったらちょっと悔しいしね。
とゆーことで、にぃなちゃん的にはやっぱりスピード勝負!
斧は武器受けしたりしてかわしつつ隙を見てレンチで殴ったりして……
最後はゴッドスピードライド!
最大スピードで、いっけー!!


ウーゴ・ソルデビラ
やれやれだぜ。親分からして駄目だったパターンかよ。ここまで来ると、本気でマネキンを女として勘定してるんじゃねーかって思えて来るぜ。勘違いじゃなくて、単にマネキンマニアの山賊団だったっつーオチな。

他の猟兵とも連携して、山賊親分を袋叩きにするつもりだぜ。
【ガチキマイラ】で【2回攻撃】してやる。ワンツーパンチだな。
基本的に親分を狙うが手下を呼んだらそっちの数を減らしに行く。
敵からの攻撃は【野生の勘】で避けて、逃げようとしたら、
【ダッシュ】で【追跡】。逃がしゃしねえぜ。
ここで逃すと他所で悪さしそうだからきっちり潰しとかねーとな。



 目前に躍り出た山賊親分。対する猟兵達は全員総じて同じ考えを持っていた。
 この親分が元凶か、と。
「子が子なら親も親か……」
「手下が手下なら親分も親分、ですね」
 ラウンツ・ハーリッシュ(黄昏の獣試作02式【TYPE-D/Fenrir】・f10078)と有栖川・夏介(寡黙な青年アリス・f06470)が同時にそう吐き捨てた。
「この世界、こんな奴ばかりじゃないよな……?」
「やれやれだ、流石親分だけはねぇかな?」
 ラウンツの疑問に答えたウーゴ・ソルデビラ(吸血鬼マイラ・f09730)が手下達を見回せば……俺達も女が欲しいだの、美人だよなとかいう山賊達の姿が見え、あんまりそうでもない気もしてきた。
「うるせえええええ、女を寄こしなあああああ!!」
「……喧しい」
 ただただ欲望に身を任せた咆哮。斧を構えて突っ込んできた親分の叩きつける一撃が大地を割るが、紙一重で攻撃を躱したラウンツが即座に構えた二丁一対の拳銃の引き金を引く。
「これで存外早いのが……!」
 大きな銃身に装填された弾丸が親分の斧に連続で突き刺さり、構えた防御を弾くと同時に同じように回避から踏み込んだ夏介の剣戟が親分の胴を抉る。
「この、こざかしい!」
 その強大な体躯は単純に刃の通りを軽減し、僅かに切り傷をつけるに収まった。早いうえにタフで火力も高い、厄介な相手であることは変わりない。
「女の子ってあのマネキン?」
「は? んなわけねぇだろ、あんないい女がよぉ!」
 ニィナ・アンエノン(スチームライダー・f03174)が先ほどからいう女性が誰かと確認してみれば、やっぱり持ってあのマネキンのようだった。
「だがお前も悪くねぇなぁ!?」
「にぃなちゃん? でしょでしょ☆」
 豊満な一部だけを確認して、突進してきた親分の斧を受け止めて、にへらと笑う。にしても随分重い、パワー勝負はやめた方がよさそうだ。
「ああ、マネキンだと理解すらしてない……本気で節穴ね、節穴!」
 ニィナが攻撃を受け止めたタイミングを見計らい、ダガーを構えて突撃した青葉・まどか(人間の探索者・f06729)の一撃が親分の背に突き刺さる。
 そのまま傷を抉るようにダガーをぐりぐりと動かし、引き裂く。
「ってぇなこのやろ……ほぉ」
 ナイフを背中に突き刺したまどかを振り払うようにして斧を振り回す。着地したと同時に視線がまどかの一部に注がれると、親分は満足そうな笑みを浮かべる。
「デカけりゃ何でもいいって類か!!」
 斧を振り終えた隙を狙い、ウーゴの拳が親分の頬を捉えて一瞬の怯みを取った隙に、ライオンの頭部となった拳が親分の頭にかみついた。
 ワンツーパンチの要領で放たれた連撃に噛みつかれた親分はじたばたともがく。
「お、おいてめぇら! 助けやがれ!」
 親分が情けない声を上げれば、周囲の子分たちが慌てて戦線になだれ込んでくる。
 流石にこのまま抑え続けるわけにもいかないと、ある程度噛みつき終えたウーゴは投げ捨てるようにして親分を放り捨て、向かってきた子分へと向かう。
「全くどこにいるんだか、節穴でもこの子分たちよりよっぽど強いし!」
 振り回すフック付きワイヤーで周囲に沸いて出た子分達をまとめて薙ぎ払いながらも、親分の行動に警戒を続ける。
 再び懐に潜り込んだラウンツが剣を振り抜くが、親分は傷を受けるのも厭わず腕で強引に受け止めた。
「こいつ……っ!」
「男なんざに用はねぇんだ、女を出しやがれ!」
 空いた腕で振るわれる斧の一閃。
「そうか、だがその前にこれを持っていけ……!」
 振るわれる斧の軌道を見切り、躱すことは不可能ではないが、それでは反撃が見込めない。ならば、とラウンツは振り抜かれる斧の軌道に合わせて剣を差し込み、更にオーラを展開して攻撃に備える。
 剣が吹き飛ばされ、オーラの上からラウンツの肌に傷が入るも、致命傷ではない。痛みを抑え込み、完全に懐に踏み込んだラウンツは零式収束砲・ヨルムンガンドの銃口を押し付ける。
「少々射程は短いが、威力は折り紙付きだ……!」
 高出力化されたうえで、圧縮されたエネルギーが炸裂するように解放され、凄まじい衝撃が親分を吹き飛ばす。
「くっ……」
「にゃは、無茶しすぎだよ。後は任せて☆」
 ラウンツの傍で、バイクのエンジン音が響く。ニィナがバイクにまたがり、子分達を蹴散らした仲間たちはそれぞれ親分を包囲するように展開している。
「ああ、頼もう」
 ラウンツの言葉にニィナは笑顔を浮かべると、フルスロットルでバイクを走らせる。
「最大出力、ゴッドスピード……ライドー!」
 ウィリーで駆けだしたバイクは、その形態を鋭く突撃用の形態に変形させていく。
「くそっ、なんなんだこいつら!」
 吹き飛ばされ、転がった親分は耐性を立て直すと、突撃してくるニィナを迎撃せんと斧を振りかぶる。
 が、その斧は振り下ろす前に親分の手から離れていた。
「フォローは万全よ。これは返すから、そのまま轢かれていってよね!」
「て、てめっ……ごあっ!?」
 ワイヤーで斧をからめとり、手にした斧を投げ返したまどかに気を取られた親分は斧を腹部に直撃させられる。
「最大スピードで、いっけー!!」
 そのうえで、最大速度まで加速したニィナのバイクが直撃し、凄まじい衝撃と共に吹き飛んでいく。
「おっと、逃がさねぇぜ!!」
 だが、これで終わる猟兵達ではない。全力のダッシュで走り出したウーゴが吹き飛ばされ転がった親分を捕まえるように、ライオンの頭部となった腕で再び食らいつく。
「さて、欲望塗れな素の思考はそろそろ終わりにしてもらいましょうか」
 噛みつかれ、ゆっくりと持ち上げられる親分の背後から夏介が処刑人の剣を構えてゆっくりと近づいてくる。
「これ以上、このような襲撃をする気が起きないようにしてあげよう」
 ぐさり、ゆっくりと突き刺された剣。親分の悲鳴もさておき、そんな事は一切気にせず、その傷口を広げるように、ゆっくりゆっくりと抉りじわじわと恐怖を与えていく。
「や、やめろ! 俺が悪かった、悪かったからああああああ!?」
 そんな情けない悲鳴を最後に。山賊親分はゆっくりと消滅していった。
「おや」
「消えちまったな。まぁ、このことを覚えてりゃあもうやらねぇだろ」
 覚えてればだが、と付け加えて戦いが無事に終わったことを確信する。
 周囲の山賊の子分の残党はまどかやニィナが蹴散らしているし、倒しきれなかった相手は完全にどこかへ逃げ去っている。
 追撃してもいいが、探しきるのは少々骨だろうしあれらだけでは大きな被害を出すことはできないだろう。
「全く頭のおかしい山賊だったわ……とにかく、これで戦うのはおしまい、後は工房の方ね」
 多少なりに傷ついてはいるが、被害は最小限だ。最後の仕上げというところだろう、猟兵達は工房へと足を運ぶことになる。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『ビキニアーマー職人の朝は早い』

POW   :    天が与えた大いなる至宝を毎日の節制とトレーニングで磨いた、これこそ最高の形なり。

SPD   :    あまり大きいものは実用的ではない、アッパーミドルクラス釣鐘型、これ。

WIZ   :    貧しいではなく品のある胸、それが時代の選択です、それを分からずして何が職人か。

👑5
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「ええ、皆さんのおかげでこの工房は無事でした。ありがとうございます」
 山賊達を蹴散らした猟兵達にビキニアーマー職人は深く頭を下げた。
「修復まで手伝っていただけて……本当にありがとうございます」
 工房の被害は小さく、ほとんど被害なしだったこともあり修復作業はすぐに終わりを迎え、後は小さな傷を治す程度だ。
 マネキンもすべて無事で、この工房が作業を続けていくくことに何の問題もないだろう。
「お礼……というのもなんですが、私達の工房を見ていきませんか?」
 工房を? 確かに、防具はどうやって作られているのかは店に並んでいる状況ではわからない。それを見学していくのもいいだろう。
「もしくは、良かったら皆さんにビキニアーマーを特注させていただくことも可能です。他の防具でもいいですが……」
 ビキニアーマーの話題を出した瞬間、妙に饒舌になった。やっぱりビキニアーマーが好きなのだろう。
「ああ、すみません。それに、ただ単純に防具の意見を聞かせていただくのも今後の参考になります。……ええ、最高のビキニアーマーを作っていきたいですから」
 何か、話がずれてきた気もするが、とにかくゆっくりするチャンスではあるだろう。
 君達は戦いで疲れた気を休め、一旦工房で思い思いに過ごすことになる。
「あ、もちろんビキニアーマーについて知りたい方がいれば読んでくれても構いませんし、愛好家がいればぜひ……ぜひ呼んでください!!」
 謎の全推しであるが、とにかく好きにしてしまおう

※本シナリオでアイテムの配布はございません。ご注意ください。
ウーゴ・ソルデビラ
【SPD】内容については触れないでおくぜ。

他の防具でもいいなら、クロースアーマーを特注させて貰っていいか?
これなら男でも着れるし同じ布製なら難しくないと思ってさ。
俺は蝙蝠のキマイラだから、皮膜が引っ掛からない様に頼むぜ。

防具が出来るまでの間、職人や他の皆のビキニアーマー談議を聴いたり、ビキニアーマーが出来ていく過程を見学しながら過ごすぜ。知識を深めるっつーよりも、どうしてビキニアーマーがこの世に生まれちまったのか少し気になったからだな。あんまり多くないけど、着てる人は時々見かけるし必要とされてはいる・・筈だと思うんだが、やっぱ不思議なんだよな。


青葉・まどか
おおー!ビキニアーマー!!ゲームやアニメなんかだと割かし見かけますけど実在するんですね!
もちろんビキニアーマー作っていただきます。

職人さんと意見を交わしたり、要望を出して良い物を作っていただきたいですね。
「もう少し大きなサイズでお願いします」

屈伸運動しながら着け心地をチェックして気になるところを報告。
「やっぱり動き易さを重視ですね」

職人さんの熱意と仕事には感心しますね。

ええっと、ウインド・ノーワルドさん。お呼びした方がいいんでしょうか?
OP、あれはフリなんですかね?


ニィナ・アンエノン
ふー、終わった終わったー!
皆おつかれー☆
マネキンさんも変な山賊に連れていかれないで良かったね♪
見学も楽しそう!
男の子用のとかもあったりするのかなぁ?
あ、じゃあせっかくだしにぃなちゃん特注しちゃおうかな?
デザインはおまかせでもいい?
どうせ作って貰うならならこの世界っぽいのがいいしね☆
採寸とかもする?
どっちかって言うとしっかり安定感のあるサイズ感が好みだからきっちり測ってね!
出来上がりどうなるかな、楽しみー!


有栖川・夏介
※アドリブ歓迎

私あまり人と話すことが得意ではないので、何を話してよいのか…。
ええと……
「…ご主人はなぜそこまで、ビキニアーマーにこだわりを?」
ありきたりな質問でしょうか。

饒舌な語り口に圧倒されつつも、話は興味深く聞かせていただきます。
ご主人をここまでアツくさせるなんて、すごいですね。
ビキニアーマーって他の防具にはない華やかさがある…とは思います。
女性を美しく魅せる防具ですよね。
だからこそ、あの山賊たちもこの工房を襲撃した……のかもしれませんね。
「これからも良い防具を作ってください」

……あ、いや、俺はビキニアーマーは着ない。
ので、特注は遠慮しておきますね。


ラウンツ・ハーリッシュ
女性専用防具を作ってた事が今回の悲劇を引き起こした気がするんだよね〜。だから僕は第四の選択肢を選ぶよ!
常識を捨て、限界を超え、ビキニアーマーは新たなステージへ!男性用ビキニアーマー「FUNDOSHI」。防御力は筋肉で差をつけろ! 今なら猫耳もセットで付いてくる!
まぁ、勢いで言ったけど、筋骨隆々の男性がビキニアーマー着て猫耳つけて素敵な笑顔でこっち見てきたらそれはもう悪夢だよね〜♪僕は着ないから別にいいんだけど☆



「ふー、終わった終わったー! 皆おつかれー☆」
 防具工房の入り口を開け、バイクの手入れを終えたニィナ・アンエノン(スチームライダー・f03174)は工房内に入るなり、ゆっくりくつろいでいる猟兵達に挨拶と共に笑顔を向けた。
「マネキンさんも変な山賊に連れていかれないで良かったね♪」
 窓際に立ち並ぶ精巧なマネキン。ビキニアーマーを装備したそれらは今日も今日とて抜群のプロポーションを窓から店外にさらけ出している。
「ええと……」
 にゃ? と、ニィナが聞こえてきた声に反応して振り向けば、そこには職人に話をしようとしてしどろもどろに言葉に悩む有栖川・夏介(寡黙な青年アリス・f06470)の姿があった。
 実際、人とあまり話すことが得意でもないこともあり、いったい何を聞けば……と困っていた。
「……ご主人はなぜそこまで、ビキニアーマーにこだわりを?」
 ありきたりな質問だが、とりあえず聞いておこう。実際に、何故そこまで熱くさせるのかは知っておきたかったこともある。
「ああ。なるほど、確かにあまり主流ではありませんからね」
 確かにあまりビキニアーマー自体を着用する人は多くはない。しかし、これだけの工房と技術、それを持つ職人はゆっくりと語りだす。
「まずビキニアーマーというものは水着に似た形状をしております。これは非常に優れたデザインであり、装備者そのもののプロポーションを抜群に活かすという素晴らしいデザインです。しかし、それでありながら人体の急所である局部を確実に守る最低限の防御力に、一切体の動きを阻害しない作りによって確保された躍動感のある機動性、これらを合わせ、とても美しい女性の女性らしい体のラインをしっかりと見せたうえで強調させるという機能美を兼ね備えた素晴らしい防具だと思っています」
 凄まじい速度で職人は語り始めた。夏介がストップをかけようとするも止まらない。
「現に私は女性の女性らしい体をより多くの人に、よりしっかりと見てほしい。そのうえで、その女性を守りたい……そんな思いとこだわりともってこの仕事に当たらせていただいております」
「な、なるほど……」
 全てが理解できたかどうかは定かではないが、これだけ熱く語るのだ、しっかり聞かねば失礼にあたる。
「ここまでご主人をアツくさせるんですね……凄いものです」
 確かに言われてみれば、このビキニアーマーという物には他の鎧にはない華やかさがある。
「確かに、女性を美しく見せる防具ですよね……」
 ああ、だからこそ、この鎧に魅せられてあの山賊達は襲撃してきたのかもしれない。最も、今となってはわからないことだが。
「うん、これからも良い防具を作ってください」
「はい、勿論です。ところで……」
「……あ、いや、俺はビキニアーマーは着ない」
 笑顔を向けて頷いた職人に対して、夏介はささっと距離を取る。流石に男で着るのはどうなのだ。
「あれ、着ないの?」
 後ずさりながら振り向けば、そこには青葉・まどか(人間の探索者・f06729)の姿があった。
「いや、あたり前です……」
 全くと、呟きながら工房内の見学に歩いていく夏介を見送ると、ニィナがばぁんとまどかを背中を叩きながらやってきた。
「いったぁ!?」
「いえーい、にぃなちゃんにもビキニアーマー作ってー!」
 背中をさすりながら、職人の元に駆け寄っていくニィナを見ながら、まどかは傍でぶつくさ言っているウインドの姿を見つけた。
「あれ、せっかく呼んだのにどうしたの?」
「いや、あのですね」
 ぶつくさ文句を言うウインドをしり目に、職人はニィナ、まどか、そしてウインドの姿をそれぞれ見比べた。
「ふむ……すみませんが、ウインドさんには少し……」
「うるせー! 気にしてるんですよこんちくしょーが!」
 何かがダメだったのだろう、何かが。職人に首を振られたウインドはさておくとして二人はさっそく特注してくれるというビキニアーマーについて話を始めた。
「お二人に向けたアーマーでしたら……このような形はどうでしょうか」
 しゃしゃっと職人はなれた手つきでビキニアーマーの図面を引く。
「おーっ! なんかすごーい、おまかせしちゃう!」
 単純なビキニだけではなく、細部にこだわったデザインが見て取れる。それだけで満足できる出来栄えに期待しながらニィナはうんうんと頷く。
「ありがとうございます。では、少々採寸の方よろしいでしょうか」
「はーい♪」
 ニィナの許可を得ると職人は採寸用のメジャーを取り出すと、最大限体に触れないように、丁寧な採寸を始めた。
「にゃは、くすぐったいけど、しっかりお願いね」
「なるほど、しっかりと体に合わせた安定感をお求めですね……かしこまりました」
「おー……」
 言わんとしたことを先に言われた。これが職人、ビキニアーマーに生涯を捧げた者なのだろう。
 一通りニィナの採寸が終われば次はまどかの番だった。
「ふむ……そうねデザインは確かに、でもこう……もう少し大きなサイズでお願いしても?」
「おや……なるほど、もう少し通気性を良くしつつ見栄えを合わせさせていただきますね」
 まどかと職人は熱心に意見を交わし、彼女の理想を伝えながら職人側も熱心に意見を取り入れていく。まさに仕事をする男といった様子だ。
「はー、すげぇな。防具ってこうやってちゃんとやってくんだな」
 そんな様子を見ながらウーゴ・ソルデビラ(吸血鬼マイラ・f09730)は感心した様子で頷いた。
「おや、そちらはどうします? 男性用のビキニアーマーも受け付けていますよ」
 あるのかよ。という突っ込みはさておき、どうするかとウーゴは少し考える。
「んじゃ、他の防具でも良ければクロースアーマーを頼んでいいか?」
「クロースアーマーですか……」
 ふむ、と考えながら職人はウーゴの背を見る。彼の腕には蝙蝠の皮膜が存在している。確かに普通の鎧であれば、そこが引っ掛かって動きが阻害されてしまう。
「ビキニアーマーでしたら一切問題ありませんが。もちろん問題はありません、皆さん少々お時間いただきますね」
 職人はそう言って店内の奥に消えていき、しばらく作業音が店内に響く。

 しばらくすれば、皆に用意された防具の試製品が渡される。
「おおーーっ、すごーい!」
 ニィナに渡されたアーマーを服の上から装着してみれば、しっかりと体にフィットする。簡単に動いた程度で落ちることはないだろう。
「なるほど……これは確かに」
 ぐいぐいと体を動かしてみれば、まどかの身体にしっかりフィットするビキニアーマーは見事なもので、一切体の動きを阻害しない。
 それでいて、鎧自体がしっかりと局部を守る事により、まどかのスタイルをより強調していることもわかる。普段よりも、セクシーに自分が見えてしまうほどだ。
「このまま、お願いしましょう」
「はい、ありがとうございます」
 二人から詩製品を預かった職人は、次にウーゴの様子を見に回る。
「どうでしょうか?」
「ああ、すげぇなこれ……動きやすいぜ」
 ウーゴの身体には、腕の部分に大きな空間を持たせたクロースアーマーが渡されていた。余剰に作られた部分は皮膜を広げても動きを阻害することはなく、それでいてクロースアーマーしての防具の性能は保持されている。
「布で作るがゆえにできた逸品です。他の鎧では、ビキニアーマー以外には実現できなかったでしょう」
 やはりそこに帰結するのか、という突っ込みを飲み込みながらも、鎧の様子を確かめていく。
「ああ、このまま頼むぜ。こりゃあいい」
 満足げに仕上げを頼むと、ウーゴは職人やまどか、ニィナ達の作業を眺めた。
 何故ビキニアーマーという物が存在し、生まれたのかは気になっている。一説には剣闘士の女性が唯一身につけられた最低限の防具という説もあるが、ここではそんな目的では作っていない。
 熱心な彼の様子、そしてより自分を強調して見せていきたい女性たち。そんな人々の思いが合わさり、ここではビキニアーマーという防具が作られているのだろう。
 一通りの意見の交換は終わり、後は仕上げを待つだけ。猟兵達はゆっくりとその時を待つ……はずだった。
「やっほー☆ ところで僕も提案があるんだよね♪」
 そんな空気を破壊するように、戦闘中とは打って変わって、人が変わったように仮面を装着したラウンツ・ハーリッシュ(黄昏の獣試作02式【TYPE-D/Fenrir】・f10078)が割り込んできた。
「おや、ラウンツ様。提案とは?」
「今回の襲撃、女性専用防具を作ってたことが今回の悲劇を引き起こした気がするんだよね~」
 確かに、今回の山賊の襲撃はビキニアーマーを装着したマネキンを女性と勘違いした山賊がいたから発生したもの。そういう点では確かにビキニアーマーに原因があった。
「だから僕はね、第四の選択肢を選ぶよ!」
 第四。いったいどこに三までの選択肢があったのかはさておき、提案という事であれば職人もしっかりと話を聞かざるを得ない。
「男性用のビキニアーマー。確かにあるらしいけど、見た目は女性用と変わらないらしいじゃない? だから、常識も捨て、限界も声、ビキニアーマーは新たなステージへと向かうべきだと思うんだ!」
「新たな……ステージ……!」
 衝撃だった。性能もデザイン性も優れたビキニアーマーにさらに上があるというのか、まだ可能性があるのか、そんな未来を見出した職人は衝撃を受け、ラウンツの言葉に耳を傾けた。
「まず捨てるべきは女性向けという点。そして限界を超えるのはその防御性!」
 すなわち、と強く協調してラウンツは続ける。
「男性用……いや、筋骨隆々の男性用ビキニアーマー『FUNDOSHI』だ!」
「『FUNDOSHI』……!」
「そう、筋骨隆々の男性の筋力を大いにアピールし、その筋肉を見せつけ……更に可憐さも備えるために猫耳もセットにする!」
 力強く語るラウンツの言葉に、職人は大いに感銘を受けている。女性ばかりではない、男性も自らのスタイルを見せつける時代が来ているのだ、と。
「ありがとう! 素晴らしい提案です! 今、ビキニアーマーは次の世代へ進めます……本当に、本当にありがとうございます!」
「いやぁ、それほどでも☆」
 勢いで言っただけなのだが、思った以上に大いに受けてしまった。
 だが、それだけ可能性がある装備なのだ、ビキニアーマーは。あらゆるものを力強く、包み隠さず、そして包み込む。
 猟兵達の活躍もあり、この防具工房は無事に守られた。後日それぞれ特注した防具がそれぞれに届けられるが、ラウンツの手元には新型ビキニアーマー『FUNDOSHI』が届けられたという。
 それらをどう扱ったのか、この工房から生まれた新型ビキニアーマーがどう世界に影響を与えていくのか、それは語られていない。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月19日


挿絵イラスト