アルダワ魔王戦争9-A〜希望喰らいし嵐の魔物
●グリモアベースにて
「皆様、遂に最終決戦です」
グリモアベースで猟兵たちを出迎えたのはいつものメイド服に身を包んだアマータ・プリムス(人形遣いの人形・f03768)だった。
「皆様の尽力でダンジョンを踏破し、遂に大魔王最終形態の待つ玉座へと辿り着くことができました」
大魔王最終形態『ウームー・ダブルートゥ』。それは相対する者の願いを喰らい、自らを強化する畏敬すら誘う美しき強靭な肉体を持つ大魔王の最後にして最強の形態。おそらくはこれまで相手にしてきた大魔王のどの形態をも凌駕する力を持つだろう。
「希望を喰らい際限なく強化されるこの大魔王はこれまで戦ってきたどの形態よりも強大で倒すことは困難でしょう。ですがここが最後です。この戦いに勝利すればこの戦争を終結に導くことができるのです」
大魔王最終形態。
それが猟兵たちの前に立ちはだかる最後の壁。それを超えなければここまで進んできた意味がない。倒さなければこの世界に平和はもたらせない。
「皆様はこれまでも数多くの困難を乗り越え、数多の世界に平和を取り戻してきました。ですから当機は今回も皆様を信じております。皆様でしたら大魔王を打ち倒しこの世界に平和をもたらすことができる、と」
最期に猟兵たちへ頭を下げ、アマータは告げる。
「どうか皆様ご武運を。これがこの迷宮での最後の戦いとなります。いってらっしゃいませ」
こうしてカーテシーと共に猟兵たちの転移が開始された。
灰色幽霊
どうも、灰色幽霊です。
今回は最終決戦となります。
相手は大魔王最終形態『ウームー・ダブルートゥ』。
また例の如く今回も『敵のユーベルコードへの対処法を編みだす』ことでプレイングボーナスが発生いたします。大魔王は確実に先制してきますのでどう防ぎ、どう反撃するかをお考え下さい。
今回は大魔王戦ですので基本的に『成功』か『大成功』のプレイングのみリプレイを執筆しますのでご了承ください。
その他注意事項などはMSページもご覧ください。
それでは皆様の素敵なプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『『ウームー・ダブルートゥ』』
|
POW : ホープイーター
【敵対者の願い】【敵対者の望み】【敵対者の祈り】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD : ホープブレイカー
【敵が恐れる大魔王形態(恐れなければ全て)】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
WIZ : ホープテイカー
戦場全体に、【触れると急速に若返る『産み直しの繭』】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
エウトティア・ナトゥア
※アドリブ・連携歓迎
まずは『産み直しの繭』による迷宮を突破せぬといかぬのう。
厄介な性質を備えておるようじゃし強度も高い、壁抜き等は考えずに順路を探し出して突破する方が早そうじゃな。
出口がある以上、空気の流れがある筈じゃ。
【精霊石】の力を借りて、風の精霊を呼び出し精霊に風の通り道を教えて貰うとするかの。
順路が判明したら、【巨狼マニトゥ】に【騎乗】し一気に駆け抜けるのじゃ!
折角じゃ、後続の為に【秘伝の篠笛】で呼び出した狼の群れを案内役に配置しておくかの。
む、あれが『ウームー・ダブルートゥ』じゃな。
魔王よ喰らうがよい、これが開戦の狼煙じゃ。
天地に満ちる精霊よ此処に集い我らが敵を討て!
蓮・紅雪
同行者:アイビス(f06280)
なんて、美しい……これが大魔王。
それでも、貴女と一緒なら超えられる!
WIZ対策:風魔法を全身に纏い、迷宮に触れないようにする
アイビスのUCが発動したら、図書迷宮の中からUC発動。
紅雨は素早く奔って撹乱、雪華はブレスで援護を。
隙が出来たらUC解除、妖刀で斬り付けるわ。呪詛を自身にかけて、恐怖などの感情をシャットアウト。
ある程度の怪我は覚悟で、斬ることを優先しましょう。
アイビスに叱られるかしらね……。
アドリブ・連携歓迎!
アイビス・ライブラリアン
同行者: 紅雪(f04969)
大魔王、ですか
凄まじい圧迫感ですね
しかし大切な本たちのために、頑張りましょうか
敵の迷路にはこちらもUCで対抗します
進行を押し留めつつ、高速詠唱+魔法による
属性攻撃を行います
敵攻撃は学習力でパターンを学習
隙があれば敵の周囲に設置していた魔法を
一気にぶつけて、大ダメージを狙えればと
[範囲攻撃+一斉射撃]
もし他の方が危なさそうであれば、
本棚を移動さて防御、もしくは魔法による援護をしましょう[援護射撃]
紅雪が無茶していないとよいのですが
…しかし生死がかかっているので、多少は
目を瞑りましょうか
アドリブ歓迎
夷洞・みさき
興味本位で聞くのだけれど、叶ってしまって願いでも希望での祈りでもなくなってしまったものは君はどう扱うのかな?
【WIZ】
若返るという現象が、昔の頃に戻すのであれば、七身一体の己は如何様になるのか。
もしかすると、喪った心臓腹手足が戻り、代替えになっている同胞達が若い姿に戻るのであろうか。
嘗てそうあるべきとして育った七人の咎人殺し達として。
未来の様を覚えていれば未来の希望は既に亡く。
ならば己達も海に還るまで咎人を禊潰す事だけである。
迷宮を海水で満たし、流水にて出口を探す。
魔王も海水で浸食する。
未来への希望など無い、過去に沈めようとする骸の羨望と呪詛を持って。
絡みアドリブ歓迎
茲乃摘・七曜
心情
これが最終形態ですか
指針
Angels Bitsとの輪唱で砂混じりの風を呼び起こし迷宮に流すことで出口への道を探る
「可能なら繭との間に砂幕を作りたいものですが、魔導すら若返りの対象になると言うならそれも大切な情報ですね
行動
迷路外からの攻撃に警戒しつつら砂塵に紛れて大魔王の赤宝石を観察しながら移動
※産み直しの効果のない場所に魔導杭を目立たないよう撃ち込む
迷路を脱出後は繭へ追い詰められないよう位置取りし、二挺拳銃で属性弾の効果を確かめつつ攻撃
※属性や射撃間隔、戦術を更新し続け対応される前に負傷を重ねるよう行動
『流転』は仲間の動きに合わせ使用
「希望を喰らうですか、ならばそれ以上に抱いて見せましょう
●嵐の中を進む者
地下迷宮ファーストダンジョン。その最終フロアであるはじまりの玄室で猟兵たちを座して待つのは大魔王最終形態『ウームー・ダブルートゥ』。人々が大魔王と呼ぶ世界全てを喰らうものだった。
「来たか」
大魔王の前に現れたのは夷洞・みさき(海に沈んだ六つと一人・f04147)と茲乃摘・七曜(魔導人形の騙り部・f00724)の2人。大魔王の能力はグリモア猟兵たちの予知で既に把握している。故にまずこの2人が先行し偵察を買って出た。
「若返るという現象が、昔の頃に戻すのであれば、七身一体の己は如何様になるのか。もしかすると、喪った心臓腹手足が戻り、代替えになっている同胞達が若い姿に戻るのであろうか」
「どうでしょう? そこまで正確に戻せるかはわかりませんね」
そう、みさきの身体は欠けたものを補ってここにある。つまり多少の若返りであればなんとかなるかもしれない。同様に七曜もその身は人形であり生身ではない。猟兵の中でも比較的若返りに耐性があるがゆえの人選。
「なるほど……では試してみるがいい」
そんな見え透いた目的など大魔王は即座に見抜いている。しかしそれでも大魔王のすることは変わらない。知的生命体が願い、望み、祈る全てがその糧に。迷宮を超え、希望を掴み取った者たちと相対するために。
「この迷宮を超え、我が元へ辿り着けば相手をしよう」
その言葉と共に玄室の中へ現れる『産み直しの繭』。これに触れた物は急速に若返り、その果てに存在が消滅してしまう大魔王第一の試練。
「まずは出口を!」
迷宮の出現と同時に七曜は呼び出しておいた『Angels Bit』と輪唱することで砂塵を含んだ風を巻き起こす。
「入口があるなら出口もある……道理だね」
みさきも同様に【浸食領海・潮騒は鳴り響く】を発動し足元から周囲を侵食する水気を放つ。
風と水は物理法則にしたがい迷宮の中へ。そしてそのまま迷宮を潜り抜け出口へと―――。
「そう甘くはないぞ」
大魔王の言葉通り風も水も出口の先にいる大魔王の元へ辿り着くことはなかった。繭が若返らせるのは人だけではなく物も、魔導ですら若返りの対象となる。つまり壁に触れ続けた水と風は出口へ辿り着く前に大気となり消えていた。
「魔導も、ですか」
「でも若返りの速度はそこまで早くないようだよ」
みさきの言葉通り魔導やユーベルコ―ド由来の物は若返りのスピードがさほど早くはなかった。みさきの感覚が告げている。水気は迷宮を抜けることはなかったがその中ほどまでを澱んだ海水で一度は覆っていた。
「対象次第で若返りのスピードが異なるということですか……」
「かもしれないね」
それを断言づけるには些かサンプルが足りていない。しかし今ここにサンプル足りえるモノは2つしかない。そしてその2つは既に己が為すべきことを理解していた。
「ほう、若返ると知っていてなお進むか」
七曜は再び輪唱による風を巻き起こし、みさきはユーベルコ―ドを発動して迷宮の中を駆ける。繭に触れぬように細心の注意を払い2人は進む。風も水も入口から入って迷宮の中ほどまで到達したのであれば中心から放てば出口へと辿り着くはず。そう信じて2人は進む。
しかし大魔王の迷宮は2人に牙を剥く。侵入者を感知した繭は蠢き、駆ける2人を狙う。
どれだけ注意を払っても周囲の壁は総て繭。蠢くその総てを避けることは不可能に近かった。掠る繭が2人から時間を奪う。
一瞬触れれば数年分の時間を生身であれば若返る。
人形の身であれば精々数か月。
そこには明らかな差があった。人の手が加えられた物ほど若返りは遅く、それ以上に超常の力は遅い。
その事実がわかっただけでも大きな収穫だった。しかしその事実を暴くために払った代償は軽くはなかった。
みさきの身体を補う六の同胞は消えかかり、七曜の身体もまた組み上げられる前に戻ろうと軋みをあげていた。
「消える前に汝らの希望を口にするがいい」
「未来への希望など無い」
それは嘘偽りのないみさきの言葉。しかしそれでも―――。
「口にした希望を喰らうのでしょう。ならばそれ以上に抱いてみせましょう」
後を続く者たちへ希望を託す。
ここへ至るまでの道に七曜は魔導杭を撃ち込んだ。今は効果を及ぼさずともそれはきっと意味はある。
「―――そうか」
繭がもはや動けぬ2人を狙い再び蠢くが、既に転移を終えた2人の姿はそこにはなかった。
●希望を託され進む者
「どうやらこの壁は触れた物を例外なく若返らせてしまうようじゃな。ユーベルコ―ドですら、じゃ」
「ええ、しかし策はあります」
「私たちなら超えられる!」
先の2人と代わる様に転移してきたのはエウトティア・ナトゥア(緋色線条の巫女姫・f04161)、蓮・紅雪(新雪・f04969)、アイビス・ライブラリアン(新米司書人形・f06280)の3人。既に情報の共有は済んでいる。
そしてこの迷宮を超えるための策もある。
「希望を託された汝らは何を見せてくれる?」
「人の生み出した叡智の結晶などいかがでしょうか」
アイビスが発動したのは【知識の迷宮】。それは大魔王のユーベルコ―ドと同様に迷宮を作り出すユーベルコ―ド。繭が蠢く迷宮の中に突如として現れる数多の本棚。それが猟兵たちを繭から守る壁となる。
もちろん例外なく本棚も若返る。しかし人の手により生み出された本と本棚は人の身よりも若返りに猶予が存在する。
「行くぞマニトゥ!」
「おいで、雪華と紅雨。あなた達の力が必要なの」
ならば本棚が壁になっている間に迷宮を踏破すればいい。そんな単純明快な答えを現実のものにすべくエウトティアは『巨狼マニトゥ』を呼び出しその背にまたがる。紅雪もまた【氷斬炎舞】により氷狼雪華と炎狼紅雨を召喚する。
「おぬしたちはこ奴らに!」
エウトティアはマニトゥを呼び出すと同時に『秘伝の篠笛』で狼の群れも呼び出していた。その中から選りすぐりの2体をアイビスと紅雪の足として貸し出す。
これで速度は足りる。問題は道順だがそれも先の2人が遺した杭と水が教えてくれる。
3人は濡れた床を狼に跨り杭の示す道を駆け抜ける。
「そう来るか……」
大魔王の元へ狼と共に迫る猟兵。確かにそれはいい。だが迷宮の中に迷宮を作り出すというのはよろしくない。繭を活性化させ若返りを早めようとした大魔王だったがここで違和感に気づく。
繭の若返らせる速度が通常よりも遅い。しかし狼に跨る猟兵たちが何かを仕込んでいる様子はなかったしそんな余裕も今はないはず。つまり答えは先ほど消えた2人が仕込んでいたということになる。
そう、繭の持つ若返りの力は七曜の【封印術式『流転』】によりその力を弱めていた。繭と繭の隙間に撃ち込まれた杭たちが描く魔導回路が若返りの力の一度を封じ込め時間を稼いでいた。今から大魔王が繭の力を活性化させたとしても本棚の壁が消える前にエウトティアたちは迷宮を抜けるだろう。
遺された意思をと希望を引き継いで迷宮を踏破するだろう。
「見えた!」
大魔王に誤算など無い。在るのはただ猟兵たちが積み上げた意思のみ。
大魔王の生み出した迷宮を超えた猟兵たちが大魔王の元へと辿り着く。
「―――辿り着いたな」
エウトティアたちが出口を潜ると役目を終えた迷宮は存在していなかったのかの如く音もたてずに消える。大魔王との戦いはここからが本番。
役目を終えたアイビスの本棚も共に消えてしまったがアイビスには魔法がある。紡がれる詠唱により呼び出されたのは紫電の雷光。アイビスの手から放たれた迸る稲妻が大魔王へ迫ると同時に雪華と紅雨の2匹も戦場を駆ける。
大魔王を撹乱するように2匹は位置を入れ替えながらアイビスの魔法と共にその口から氷と炎の吐息を放つ。アイビスと2匹の攻撃では大魔王へダメージを与えることはできないがそれでいい。注意を引き付け動きを止めること、それがアイビスたちの担う役目。
大魔王の注意が雪華と紅雨に向いた瞬間、紅雪は2匹の召喚を解除。同時に黒曜石の妖刀『黒紅の刀』を抜き放ち大魔王へと斬りかかる。風を纏い、己の身すら厭わぬその一撃は大魔王の腕へ刃を突き立て斬り開き鮮血が舞う。
「魔王よ喰らうがよい、これが開戦の狼煙じゃ。天地に満ちる精霊よ此処に集い我らが敵を討て!」
紅雪への反撃へ動き出す大魔王へ向けられる精霊光の鏃。
紅く輝くそれは【天穹貫く緋色の光条】と名付けられた様々な精霊の放つ光を収束させた純粋な破壊の力を宿す力場。
それが今引き絞られたエウトティアの手から放たれ、光の雨となって大魔王へと降り注いだ。
こうして猟兵たちは希望を託し、意思を引き継ぎ、迷宮を超え最後の戦いの火蓋を落とす。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
塩崎・曲人
テメェが魔王の真の姿って奴か
良いぜ、いっちょ喧嘩しようじゃねぇか
オレが怖い大魔王形態?
怖いものなんざねぇよと言いたいが
第三形態の得体のしれないグロさは確かにちと怖い
だから結局直接やり合わなかったしな
で、その第三形態と本体で挟み撃ちな訳だが
本体のUCは第三を呼び出すとこまで
第三のUCは体を呪詛粘液に変えるとこまで
捕まったら終わりだろうが…捕まらない内に1手、かますチャンスは有る
敵の通常攻撃をこっちも普通に武器で捌きつつ、第三の呪詛攻撃を待つ
呪詛粘液が来たら1回でいい、【フェイント】をかけてそれを躱す
んでその僅かな隙の中
【捨て身の一撃】になる【覚悟】で喰らえ【咎力封じ】!
極まれば第三は消えるな?
●恐怖を超えて
「汝の恐怖、それを形にしよう。そして希望を打ち砕く」
大魔王の最終形態が持つ最も強力な力。それは相手が恐怖を感じる大魔王の姿をもう一人の自分として呼び出す反則の様な技。他の形態も最終形態より劣るわけではない。単純に大魔王の戦力が倍増していくこのユーベルコ―ドをどうにかしなければ迷宮を超えたとしても猟兵たちに勝ち目はない。
「オレが怖い大魔王?」
相対する者が多くなれば恐怖の対象も増え大魔王の数も増えてしまう。故にたった独りで大魔王と相対するのは塩崎・曲人(正義の在り処・f00257)。曲人がこのユーベルコ―ドを超えなければならない。
「怖いものなんざねぇよと言いたいが……第三形態の得体のしれないグロさは確かにちと怖い。だから結局直接やり合わなかったしな」
第三形態『セレブラム・オルクス』こそが曲人の恐怖を煽る大魔王。殴れるのならば大抵なんとかする曲人だがわざわざ得体のしれない物に近づいたりはしない。
「汝の恐怖、それが今ここに」
曲人が恐怖を抱いたことにより顕現する第三形態。最終と第三が立ち塞がるというこの絶望的な状況を曲人はたった独りで超えなければならない。
「っぶねぇ!」
幾度目かわからぬ最終形態の振るう腕を『鉄パイプ』で逸らし直撃を避ける。ただでさえ神経を削る最終形態の攻撃を第三形態の動きに注意しながら防がなければならないという状況は刻一刻と曲人を限界へと追い込んでいた。
どうやら最終形態は他の形態を呼び出している間は他のユーベルコ―ドを使うことができないらしい。つまり今警戒すべきはその身を呪詛の塊へと変異させた第三形態。それを超えるために曲人はチャンスを待っていた。
(―――来たぜチャンス!)
そしてそれはすぐにやってきた。
自身の攻撃が曲人に届かない最終形態は第三形態へ指示を飛ばす。確かに粘性を帯びた呪詛の塊を防ぐのは難しい。だが一度だけ、一度だけなら避けられる。
第三形態が振るう呪詛の腕を『鉄パイプ』で受けるフリをして曲人は跳躍した。フルスイングするはずだった『鉄パイプ』を足場に第三形態を飛び越える大ジャンプ。重力に従い落下しながら狙うのは最終形態。
「―――なに!?」
「これでも喰らっとけ!」
驚愕する最終形態へ投げつけられたのは何の変哲もない手枷。しかしそれは大魔王を捕らえることなく振るわれる腕に弾かれる。続けざまに投げられたナニカも弾き、最終形態の掌が未だ空中にいる曲人へと迫る。
「おおっと!」
その掌にロープを引っ掛け振り子のように回避。
そしてこれで条件は整った。
攻撃を躱された第三形態が振り向き再びその腕を振るおうとしたがそれは叶わなかった。
「カマさせてもらったぜ!!!」
曲人が発動したユーベルコ―ド。それは【咎力封じ】と名付けられた対象のユーベルコ―ドを封じるユーベルコ―ド。その発動の前提条件として手枷と猿轡と拘束ロープを最終形態に命中させる必要があった。
そう、命中すればいい。だから曲人は本来の使い方をするのではなく投げつけ防御させることで条件を満たした。
これでもう大魔王は大魔王を呼び出すことはできない。
「これでお前はもうお仲間は呼べねぇな? じゃあな!」
してやったりと悪戯の成功した子どもの様に笑い最終形態の追撃が来る前に曲人は転移し姿を消した。
たった独りの覚悟と策―――それは大魔王を欺き切り札を潰す最高の鬼札。
大成功
🔵🔵🔵
ソラスティベル・グラスラン
【勇気】は、負けませんッ!!
この物語は過去の英雄たちから続く英雄譚
世界の誰もが望み、書き記せなかった決着を綴る戦い!
誰に願う必要がありましょう、我らこそが『勇者』なのです!!
【オーラ防御・盾受け】で守り【怪力・見切り】で受け流す
【第六感】で察知し可能な限り万全な【継戦】を
攻撃を縫い【ダッシュ】、我が大斧を叩き込む為に!
『願い』は不要
刃を構え、勝利を拾うのは我が【勇気】
『望み』も
傷を癒し、危機を祓うのは我が【気合い】
『祈り』も
賦活を与え、前進せしめるは我が【根性】
『勇者』とは勝利を願われ、望まれ、祈られる者
艱難辛苦が迫り来ようとも逆は無く
わたしだけは!己の力で立ち向かうしかないのですッ!!!
黒玻璃・ミコ
※美少女形態
◆行動
あぁ、未熟極まりない
剣禅一如の境地に独力で達せず
精神安定剤の投薬により心を保たないと行けないと、とは
願いや望みなぞ必要ありません
ただ幾多の戦闘を重ねて身体に染み着いた
戦闘技巧の極致を此の『煉獄』を通して奮うのみ
わざわざ祈らずとも五感や六感が確かに動きを察します
何かに願わずとも限界を越えた身体は溢れんばかりのフォースを生み出します
誰かに望まずともこの身には魔王さえ恐れる爪……【黒竜の恩寵】が宿っています
明鏡止水の如く必殺を交わし、反らし、暗黒の光剣を振い続けます
時には空中戦の要領で宙を駆けて切り裂きましょう
願うまでもなく私は戦士であり魔女なのです
※他猟兵との連携、アドリブ歓迎
フランチェスカ・ヴァレンタイン
願いはしません。何があろうとこの翼を以て圧し通ると決めておりますので
望みはしません。己の道往き程度、この穂先で穿ち拓きますので
祈りはしません。祈る相手など、とうの昔に斬り捨てましたので
ええ、鉄と火の掟とは何とも無情なもので。喰らえるほどの”ホープ”があるといいですわね?
敵の攻撃を見切り、空中戦機動でカウンターを叩き込みながらのヒット&アウェイで応戦を
属性攻撃での砲撃や光子マイクロミサイルを乱れ撃ち、着弾に紛れて懐に防御無視の一撃をお見舞いすると致しましょう
UCの騎槍光焔を集束、超巨大な突撃騎槍と成し、その余の炎槍を従えて
オーバーブーストの超加速によるランスチャージをどうぞ、召し、あが…れッ!
●前へ
迷宮も踏破され、最強の技を封じられても大魔王は自身の勝利を疑わない。
「汝らが抱く希望。それが我の糧になるのだ」
希望とはすなわち願いであり、欲望であり、祈りである。知性を有する者が得た未来への渇望である。
それが大魔王の糧になり、大魔王を強化する。
「さぁ、汝らの願いはなんだ? 望みはなんだ? 祈りはなんだ?」
希望を喰らう大魔王が猟兵たちへ問いかける。
「願いは不要。刃を構え、勝利を拾うのはわが勇気」
「何かに願わずとも限界を越えた身体は溢れんばかりのフォースを生み出します」
「願いはしません。何があろうとこの翼を以て圧し通ると決めておりますので」
願う暇があればソラスティベル・グラスラン(暁と空の勇者・f05892)は一歩でも前へ。
「望みも不要。傷を癒し、危機を祓うのは我が気合い」
「誰かに望まずともこの身には魔王さえ恐れる爪が宿っています」
「望みはしません。己の道往き程度、この穂先で穿ち拓きますので」
望まずとも黒玻璃・ミコ(屠竜の魔女・f00148)は前へ進む。
「祈りも不要。賦活を与え、前進せしめるは我が根性」
「わざわざ祈らずとも五感や六感が確かに動きを察します」
「祈りはしません。祈る相手など、とうの昔に斬り捨てましたので」
祈ることはないと知っているからフランチェスカ・ヴァレンタイン(九天華めき舞い穿つもの・f04189)はただ前へ。
「なぜだ……なぜ汝らは希望を抱かない……」
迫る猟兵を前に大魔王は困惑する。己の知る知的生命体は希望を抱く存在である。しかしこの3人はどうだ? 願わず、望まず、祈らずただ前へと進んでくる。
「この物語は過去の英雄たちから続く英雄譚。世界の誰もが望み、書き記せなかった決着を綴る戦い! 誰に願う必要がありましょう、我らこそが勇者なのです!!」
かつて数多の英雄が犠牲になり封印した大魔王。それが復活し再び世界を脅かす。
これはそれを止める戦い。この世界の人々を守る戦い。
そして猟兵はそれ為す者だとソラスティベルは知っている。それこそがソラスティベルの【勇者理論】なのだから。
「ああ、未熟極まりない……」
願いや望みなど必要ない。そんなものが無くともミコは戦士であり魔女なのだから。
未だ剣禅一如の境地に辿り着かずとも幾多の戦いはミコの身体に染み着き、練り上げた技巧を奮う。それこそミコに宿る【黒竜の恩寵】である。
「ええ、鉄と火の掟とは何とも無情なもので。喰らえるほどの希望があるといいですわね?」
誰かに強制されたのではなくすべては自分が選び自分で決めたこと。
だからフランチェスカ折れることなく曲がることもない。
「勇者とは勝利を願われ、望まれ、祈られる者。艱難辛苦が迫り来ようとも逆は無く―――わたしたちだけは! 己の力で立ち向かうしかないのですッ!!!」
勇者とは救う者。救われる者ではない。
何があろうと己の足で立ち上がり、前へ進まなければならない。
「いいだろう……汝らが希望を示さぬのなら我も我のままで戦おう」
嵐の魔物は背の翼をはためかせ空を舞う。
地下迷宮の最深部、その空を翔る巨躯と周囲を飛ぶ3つの影。巨躯が腕を振るえば影はそれを躱し、反撃を繰り出す。例えそれがどれだけ些細なダメージであろうと繰り返し、繰り返し反撃し続ける。
勇者は諦めない。どれだけ敵が強大であろうと剣を振り続ける。
攻撃を躱し、大魔王の頭部へ撃ち込まれる光子マイクロミサイルの乱れ撃ち。視界を奪われた隙を見逃さず続けざまに斬りつける暗黒の光剣と蒼空色の巨大斧。その刃は大魔王へ浅くは無い傷を刻み込む。
大魔王の尾による反撃も命中する直前に見切られ回避され、3つの影は再び大きく距離をとる。
大魔王の攻撃は猟兵たちに見切られ空を切る。
猟兵たちの攻撃は大魔王へ決定打を与えられていない。
そんな攻防がかれこれどれくらい続いたか。猟兵たちの息が上がり始め、大魔王の巨躯に刻まれた傷が数え切れなくなった時、戦況は再び動き出す。
大魔王の全力の羽ばたき。そしてそれが巻き起こす乱気流が玄室の中を駆け巡る。その圧倒的は風圧が猟兵たちを襲い、空を翔る自由を奪う。
吹き飛ばぬ様に体勢を維持することで精いっぱいの猟兵たちへと迫る大魔王の凶爪。
恐らく1人であればこのまま堕とされていた。しかしここには3人の猟兵がいる。
ソラスティベルとミコが2人がかりで大魔王の攻撃を受け止め、受け流す。もし大魔王が希望で強化されていたら2人でも防ぐことはできなかっただろう。
そして2人だけならば追撃を行えず、大魔王は距離をとっていただろう。しかしここには3人目がいる。
フランチェスカは防御を2人任せながら【九天に舞い 灼き穿つもの】を発動し、収束させた光焔で超巨大な突撃騎槍を形成。そしてオーバーブーストの超加速によるランスチャージを攻撃が受け流され体勢を崩している大魔王へと叩き込む。
一条の光となった騎槍光焔が大魔王の翼を貫き、飛べなくなった嵐の魔物は地に落ちる。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
小日向・いすゞ
【狐剣】
彼を手に
精々彼を殺してしまわぬ様
己の血で刀身へ施す不壊の加護の戦化粧
おまけでお守りも巻いて神頼み
望みも祈りもセンセと共に
まあまあ愉快な世界を守るっス
へぇ、へぇ
ええい
ワクワクするんじゃァ無いっスよ
アンタがあっしを信じてアンタを預けてくれるならば
あっしは相棒と世界を護る為に、大魔王を斬るだけっス!
雑な鼓舞っスねもう!
それでも
あっしは少し武器受けの良い女
剣からの受けも良いし、剣を受け流す事も得意
精々あっしの手の中で折れぬ様に、気合をいれて欲しいっス
気張るっスよ、相棒
耐える事に成功すれば
飛んで跳ねて警句に従い
刃の届く一瞬を、しかと見計らいましょう
少しばかり世界を平和にしちゃいましょうか、相棒!
オブシダン・ソード
【狐剣】
いすゞの剣として
ああ、僕の願いは君と一緒に大魔王を斬る事さ
気合を入れてよ、相棒
この感じだと敵も何かすごい剣を取り出すのかな、楽しみ
初撃はどうしようもないからねぇ、死ぬ気で受け流してよ相棒
僕もこう…全力で鼓舞するから!
今日も最高に輝いてるよいすゞ! 大丈夫君ならでできるって!
発動が間に合えばUCで、砕けぬ剣として君を守ろう
どうにか、できれば刀身が削れるくらいで済んで欲しいけど
凌いだら一転こちらの番だ
敵の攻撃に応じて警句を飛ばして、時にはオーラ防御で時間稼ぎを
刃が敵に届くよう努めるよ
斬撃に合わせてUCを発動
――うん、君が望んでくれるなら
僕は何だって斬ってみせる
さあ、行こうか相棒
●世界を救うたった一つの冴えたやり方
地に堕ちた大魔王。その翼はもはや空を飛ぶことは叶わない。
「なぜ何の希望も抱かぬ……」
「抱いてないわけじゃないっス」
「うん、僕たちは自分自身でその願いを叶えるんだ」
黒耀石でできた剣をその手に持ち、現れたのは狐耳をした一人の陰陽師。現れたのは一人のはずだがどうしてか声は2つ聞こえる。
「ああ、僕の願いは君と一緒に大魔王を斬る事さ。気合を入れてよ、相棒」
「アンタがあっしを信じてアンタを預けてくれるならば。あっしは相棒と世界を護る為に、大魔王を斬るだけっス!」
握られた剣はオブシダン・ソード(黒耀石の剣・f00250)と呼ばれる一人の猟兵。
握るのは小日向・いすゞ(妖狐の陰陽師・f09058)という名の一人の猟兵。
「―――我を斬りたい、汝らはそう願うのだな」
ここにきて初めてはっきりと口にされた希望。
それが大魔王へと宿り、その身を強化する。既に満身創痍である大魔王。だが願いが届けばその身は再び立ち上がる。
斬りたい、そう願われることで大魔王の手の中に生み出される一振りの剣。それはもう羽ばたき、空を飛ぶことができなくなった大魔王の翼が形を変え、作り上げられた魔剣。
「ならば我も汝らを斬ろう」
振り上げられるその圧倒的なまでの暴力の塊。ただの剣がアレをうければひとたまりもないだろう。
「へぇ、へぇ」
「今日も最高に輝いてるよいすゞ! 大丈夫君ならでできるって!」
もはや握られ、その生殺与奪もいすゞに握られたオブシダンは全力でいすゞを応援するしかできない。もちろんそれはいすゞもわかっている。
だからこそオブシダンを殺してしまわぬ様にその刀身へ自らの血で不壊の加護を籠めた戦化粧を施した。
そして狐の加護の宿った『稲荷守』も巻き付けた。
これが気休めだとはわかっている。全てが己に掛かっていることもわかっている。
それでも少しでも可能性を上げるために願い、望み、祈るのだ。
逸る気持ちを抑えながらいすゞは振り下ろされる風の魔剣へその手に握る黒耀石の剣を合わせる。
受けるのではなく受け流す。重さも速さも強さも劣る以上できることは限られる。
いかにうまく受け流そうと黒耀石の刀身大魔王の振るう圧倒的な暴力で軋みを上げ、徐々に刀身が削れていく。
「気張るっスよ、相棒」
「僕が守ってあげるよ、相棒」
しかし黒耀石の剣は砕けない。削れたとしても相棒の手の中にある限りその刀身が折れることはない。
折れることがなければ受け流せる。
渾身の振り下ろしが受け流され、身体が横に流れる大魔王。
文字通り身を削って紡いだこの最高の好機を2人は見逃さない。
「剣を足場に跳べ! 相棒!」
「少しばかり世界を平和にしちゃいましょうか、相棒!」
大魔王の剣を足場に跳躍するいすゞ。
振り上げられる黒耀石の剣。
「――うん、君が望んでくれるなら。僕は何だって斬ってみせる」
それこそが【剣の本懐】。
振り下ろされる黒耀石の剣が大魔王を頭上から迫る。
「さあ、行こうか相棒」
「さあ行くっスよ、相棒」
相棒たる黒耀石の剣が大魔王と接触する。
いすゞのユーベルコ―ド【君が私の剣になる】、これがある限り、オブシダンがいすゞの相棒がその手の中にいる限り2人に断てぬモノはない。
たった一振りの剣とその相棒。その一刀が世界を脅かす嵐の魔物を両断し、その身を塵へと還す。
こうして迷宮を駆け抜けた勇者たちの手により大魔王は討伐され、世界はほんの僅かだけ平和になった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵