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爆弾魔の愉悦で非道なる遊戯

#スペースシップワールド

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#スペースシップワールド


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 一機の小型の巡視船が宇宙空間へ飛び出していった。
 その背後には、いくつもの連鎖爆発を起こして崩壊する巨大な宇宙船。
「今回も楽勝だったな。愉悦、愉悦!」
 巡視船の操縦者の正体は銀河帝国の凄腕エージェントであり、非道な爆弾魔であった。
 今まさに、宇宙船の中の罪なき人々の命が爆炎によって吹き飛ばされたのだった。

「これは超ヤバイ……! つらみがヤバくて緊急事態だよっ!」
 予知を見たグリモア猟兵の蛇塚・レモン(叛逆する蛇神の器の娘・f05152)がひどく狼狽していた。
「猟兵のみんな~っ! これからスペースシップワールドで発生する宇宙船爆発事件を阻止してもらいたいんだよっ! かなり緊急の案件だから、本当に時間がないんだよっ!」
 焦るレモンの話をまとめると、こうだ。
 これから猟兵たちが転送される宇宙船には、至る所に爆弾が仕掛けられているというのだ。
 猟兵たちは体力、技術、知恵を総動員して爆弾を発見次第、解除してもらいたい。
「爆弾は2種類あって、ひとつは引火性の起爆式爆弾、もうひとつは時限式爆弾なんだけど、起爆式の爆弾を解除しないと、時限式の爆弾の解除が出来ない仕様になっているんだよ……っ!」
 つまり、先に起爆型爆弾を解除しなければ、時限式爆弾は手を出す事が出来ないという恐ろしい構造の二重爆破装置なのだという。
「爆弾を解除すれば、仕掛けた本人が異変を察知して戻ってくるはず! そこを猟兵のみんなが撃退すれば事件解決だよっ!」
 宇宙船には、多くの住民が存在する。彼らの命は、猟兵たちの双肩に掛かっているのだ。
「みんな、準備はいいかなっ!? オブリビオンの爆弾なんかに負けないでねっ!!」
 レモンのグリモアが輝き、猟兵たちは爆弾がはびこる問題の宇宙船へ転送されてゆく……!


七転 十五起
 スペースシップワールドのオープニングを携わることになりました。
 七転十五起、なぎてんはねきと申します。
 よろしくお願いします。
 今回は二重の爆弾解除が猟兵の皆さんを待ち構えております。
 スリリングなプレイングをお待ちしておりますので、是非ご参加くださいませ!
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第1章 冒険 『宇宙船危機一髪』

POW   :    爆弾を船外に放り投げて爆発させる

SPD   :    爆弾を解体する

WIZ   :    爆弾を探し出す

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

フルーネ・フローライト
ただ爆弾設置するだけならともかく二重に仕掛けておくとはまた巧妙なことをする輩もいたもんだ。

どのみち解体するにも時間がかかるから手あたり次第爆弾を船外に投げ捨てて強引に爆破させた方が手っ取り早いかもしれないから力技で押し切るとしよう



 猟兵たちが転送された宇宙船の内部は、一見特に代わり映えなく、何の変哲もないように見えた。だが、猟兵の勘が違和感のある場所をすぐに示す。幸運にも、フルーネ・フローライト(ウォーマシンの人形遣い・f05947)は天井の排気口付近に爆弾を発見した。
「早速発見、だな。ふむ、時限式爆弾があるのならば、どのみち解体するにも時間がかかる。だったら、よし、これをダストシューターに入れて船外に排出っと……」
 迷うことなくフルーネは爆弾を船外へ排出していった。
 数秒後、宇宙船のはるか後方にて一条の光が窓より視認できた。どうやら先程の爆弾が起爆したようだ。
「さて、他にもあるのかな……?」
 幸先よく1個発見したフルーネだったが、割と雑に、そして大量の爆弾を発見してしまい、今回の事件の深刻さを重く受け止めざるを得なかった。
「ブービートラップ? それにしては雑だし、数が多すぎるな……。もしかすると、時間稼ぎ……?」
 ともあれ、爆弾を慎重に両手に抱えてダストシューターの前までやってきたフルーネは、あまり深く考えない事にした。
「まぁ、いいや。手っ取り早いから力技で押し切るとしよう」
 こうして、まず30個弱の爆弾が船外へ排出された。
 だが、この調子ではまだまだ大量に爆弾が仕掛けられていそうな予感だ。猟兵たちは引き続き、船内の爆弾駆除を行う事にした。

成功 🔵​🔵​🔴​

マリア・フランサスカッチ
……走行モードC《スカイフィッシュ》起動。

この事件の解決はスピード勝負だとボクは分析した
脚部を車輪式の走行モードに変形させて機動性アップ!
〈操縦〉技能により、狭い小型巡視船でも小回りを利かせて走行するぞ
とにかく急いですたこらさっさと爆弾を捜索するのだ


見つけた爆弾の解体は……それを得意とする者におまかせだ!
うむ、合理的じゃあないか
決してそんな細かい作業が面倒くさいとかではないのだ(言い訳)
ひとまずボクは爆弾の捜索に専念することにする



「マリア、変形パターンC≪スカイフィッシュ≫……起動する」
 開幕ユーベルコード≪スカイフィッシュ≫(ソウコウモード・シー)使用でアドバンテージを取ろうと画策するのは、マリア・フランサスカッチ(パワー・イズ・ロジカル・f06733)、ウォーマシンの鎧装騎兵だ。脚部装甲を車輪式の走行モードに変形させて機動性を向上させると、巧みな操縦技術によって船内を所狭しと小回りを利かせて疾走開始!
「この事件の解決はスピード勝負だとボクは分析した。とにかく急いで、すたこらさっさと爆弾を捜索するのだ」
 マリアの爆走捜索術の機動性は凄まじかった。宇宙船の端から端まで、さほど時間を掛けずに移動できるのは非常に大きな利点だ。だが、彼女の誤算は、爆弾が“判りやすい場所”に“大量に仕掛けられていた”ことだ。
「この数はえげつないな。いちいち解除していたら時限式爆弾が起爆してしまう……」
 ひとまず、マリアは他の猟兵の目が届きにくい船内の隅の区画や遠方の区画の爆弾を積極的に回収することに専念。
「近くの区画は他の猟兵たちに任せる。ボクの労力が大変だが、その方が合理的だ」
 マリアの奮戦の甲斐あって、なんと100個近くの爆弾を回収することに成功する。だが、僻地の区画だけでこれだけ見付かったという事は、手近な区画や中枢区画には一体幾つの爆弾が仕掛けられているのだろうか?
「ちょっと異常すぎるな、この数……。ところで、見つけた爆弾の解体は……それを得意とする者におまかせだ! うむ、僕が見付けた大量の爆弾を他の猟兵たちが解除又は処理する。実に合理的じゃあないか。決してそんな細かい作業が面倒くさいとかではないのだ」
 言い訳ではないぞ、と言い張るマリアであったが、猟兵たちの目の前に積まれた100個近くの爆弾の処理については実際手も足も出ないのだった。下手すると、このまま纏めて起爆しかねない。
そしてまだ手付かずの区画に潜んだ爆弾の回収という課題を前にして、更なる人員が必要なのは明白であった。

成功 🔵​🔵​🔴​

髪塚・鍬丸
「誘爆狙い、って訳か。全部を時限式にしなかったのは、一斉爆破じゃ面白くねぇとか、そういう了見かね。面倒な野郎だぜ。」

SPDで爆弾解除に当たる。自身でも探すが、仲間から連絡を受ければそちらに向かって解除。爆弾が運べる物なら持ってきて貰うのもありかね。

異世界の技術の爆弾だが【世界知識】【第六感】で対応。【鍵開け】を応用して起爆装置を解除していく。
【影分身の術】を使用。自身が解除している間他の爆弾の探索、移送等をさせる。必要が無ければ二人掛かりで解除。
手や工具が届かない箇所の操作に【念動力】【風閂】使用、確度を上げる。
後は間に合うように【祈り】でも唱えとこうか。出来ることは出し惜しみなしだ。


アイ・エイド
こーいう細けェ作業は嫌いなんだけどな!!
カオスリングのオーラを膜のように爆弾周辺に張って万が一爆発した時ようにオーラ防御して安全を確保しながら、気呪の紐を気合いで細くして爆弾内部に侵入させて爆弾の構造を知るぜ!

ふーん…なるほど。
内部構造の解析が終わったら、オーラを強くして、気呪の紐を不要な線に巻きつかせて切る!

あ"ーもう、あったま痛ェ!!
…火薬量的にオーラ内爆破させて問題ねぇようなら、爆弾一個一個をオーラで纏って双気弾銃で撃ちぬいて爆破させる!その方がオレ的に楽!!作業ゲー?知るか!

あと解体した爆弾をスマホで撮影して他の猟兵に解除方法についてメールで教えとく!解除(物理)が可能かどうかも!


七那原・エクル
【SPD】仲間が回収した爆弾の解除を行うよ


ユーベルコードを発動して別人格の「ヒメ」に協力してもらうよ。ボクたちの連携で爆弾を解除だ!

ガジェッティアの腕の魅せどころだね。

ダミーやトラップに注意しつつ慎重かつ素早く爆弾を【ハッキング】するよ。

ボク肩に乗っているドラゴンランスのドラゴンが油断しないように注意を促すかのように鳴くかもしれないけれど「安心」して、ボクたちの肩にはたくさんの命がかかっているんだ、いくら機械に強くたって慢心なんてするもんか

[ヒメ]
口調:~です ~ます
性格:誇り高い
二人の関係:姉(ヒメ)と手のかかる弟(エクル)のような関係

エクルを強い言葉で叱咤しつつも彼の成長を見守っている



 猟兵たちの奮戦により、宇宙船全体に散らばっていた引火性の起爆式爆弾の数々を回収することに成功。その数、なんと、全部で300個。
「おいおいおいおい……! 仕掛けた爆弾魔、頭イカレてるだろこれ!」
 爆弾の山を前にして既にイライラしているアイ・エイド(変人腐れ狼・f10621)に、髪塚・鍬丸(人間の化身忍者・f10718)が自身の見解を述べた。
「誘爆狙い、って訳か。全部を時限式にしなかったのは、一斉爆破じゃ面白くねぇとか、そういう了見かね。どうあれ、相当面倒な野郎だぜ」
「そういえば、コアマシンの付近におっきな時限式爆弾を発見したそうだよ」
 多重人格者のガジェッティアの七那原・エクル(ダブルキャスト・f07720)は、仲間の報告から爆弾の構造を推測していた。
「多分、先に時限式爆弾を解除しようとすると、何らかの信号が端末の起爆式爆弾に送られて、宇宙船のあちこちで連鎖的に誘爆が起きる仕組みだと思うよ。そうなる前に、何とか起爆式爆弾を全部回収できてよかったけど……」
「これ、全部解除出来てねェよな……」
 アイの言う通り、ここからは3人で全てを素早く爆弾の解除作業を行わなければならない。そのまま船外に排出することも考えられたが、この量の爆弾が排出路の途中でいっぺんに爆発したら、船が吹っ飛ぶのは目に見えている。
「残念だが、俺達だけで解除するしかなさそうだ。腹を括れ、アイ」
「マジかよ……!?」
 諦観の念とともにアイの肩を叩く髪塚。うんざりとした表情で溜息を吐くアイ。一方、七那原はやる気に満ち溢れていた。
「この状況……! ガジェッティアの腕の魅せどころだね! よしっ、頑張るぞ!」
 早速、七那原はユーベルコード『オルタナティブ・ダブル』を発動させる。彼の傍らに、もうひとりの自分――別人格の『ヒメ』を呼び出した。
「ヒメ! ボクたちの連携で爆弾を解除だ!」
「分かったのです、エクル!」
 人手が足りないのならば、増やせばいい! 女性人格のヒメとともに、まずはハッキング技能で爆弾の構造やトラップの有無を確認し始める七那原。
「なるほど、人手を増やすのは妙案だな。なら、俺も増えるとしようか!」
 髪塚はおもむろに九字を唱えながら指を剣になぞらえて空中に線を描く。
「臨む兵 闘う者 皆 陣列べて前に在り」
 これが彼のユーベルコード『影分身の術』の詠唱である。たちまち髪塚と同じ忍装束を纏った二重存在が出現すると、影分身に爆弾の取りこぼしがないか捜索に当たらせる。ただし、移動範囲は半径324m以内に限られるため、本当に髪塚の周囲だけの捜索になってしまう。だが、それでも9個ほど見付かり、猟兵たちは肝を冷やしたのだった。あとは影と協力して、爆弾の解除を進めるだけだ。
「この世界の知識は多少把握している。あとは忍者の第六感と、鍵開けの要領で……、見ろ、これがトラップだ」
 早くも爆弾のトラップを発見した髪塚は、ここからどうやって攻略しようかと精神を集中させてゆく。
 そして、もうひとり、アイは何やら特殊な紐を取り出して念を籠めている真っ最中だ。
「こーいう細けェ作業は嫌いなんだけどな!!」
 そう言葉を漏らしつつ、指に嵌めているカオスリングのオーラを膜のように爆弾周辺に張ると、オーラ防御で万が一の事態に備えた。そして、念を籠めた『気呪の紐』を細く長く生成してゆく。
「よし、あとはこの爆弾に突っ込んで、内部構造を調べれば……」
 紐はまるで意思を持つ生き物ののように爆弾内部を這い回り、アイの指先から様々な情報を教えていった。
「ふーん……、なるほど。爆弾自体の構造はシンプルってェわけだ。信号を受信する電子基板に、燃料の小型の酸素ボンベと水素ガスボンベ、そして火打石の火花が火種になって火薬に引火、そしてボカンッってわけだな。ご丁寧に、宇宙空間でも起爆できるように密閉容器に入ってやがる……」
 シンプルな作りなだけに、量産は容易だったにちがいない。だが裏を返せば、解除も余裕だという事だ。アイの情報は、近くで作業していた髪塚と七那原も解体作業中に気付いている。後は迅速かつ丁寧に、爆弾解除を進めてゆけばいいのだが……。
「あ゛ぁーっもう、あったま痛ェ!!」
 突然、アイが頭を掻きむしりながら絶叫!
「気呪の紐を引っかけて、導線なんかに絡めて断ち切っちまおうと思ったが、面倒臭せェ! こっちのほうがオレ的に楽!!」
 いきなり、1個の爆弾を自身のオーラで取り込むと、彼の師匠の物という気弾銃二丁の銃口が爆弾に向いた!
「えっ!? まさかっ!?」
 七那原はアイがこれから行う事を勘付いて止めようとするも、アイが引き金を引く動作の方が早かった。
「作業ゲーとか知るかァ! 吹っ飛べェ!!」
 二丁拳銃の実弾の無い気弾が連射される! 気弾は爆弾に付随しているボンベを貫通すると、一瞬だけ破裂音を立ててオーラの中で爆発! このままではアイが爆発四散してしまう!
 ……と思いきや?
「オーラ防御の要領でボンベの爆圧を最小限に留めてよォ、燃料のガスの中身を抜いちまえばさ、こんな構造の爆弾は起爆しねェよ。こっちのほうが俺は向いてるぜ!」
 念のため、爆弾に取り付けられた火打石を怪力で捩じり取ると、アイは残る火薬部分をゴミとしてダストシューターへ放り込んだ。これを繰り返してゆくと、確かに迅速に“解体”が可能だ。
 唖然とする髪塚と七那原だったが、あれはアイしかできない芸当だと察すると、自分たちの方法で爆弾解除を再開する。

 まずは髪塚が挑む。彼は影を自分の元へ呼び戻し、分担して爆弾解除に当たり始める。
「なるほどな。アイの言う通り、攻略すべき箇所が分かれば楽勝だな。これなら、念動力や奥の手を使う必要はなさそうだ」
 そうと決まればやることはひとつ。起爆させないようにトラップを回避しながら、2人でボンベと火打石を爆弾から取り外してゆく。
(時間がない。頼む、間に合ってくれ!)
 髪塚は作業中、祈りながら持てる技能の全てを総動員させて爆弾の山に立ち向かってゆく。
 同時進行で七那原も、女性人格『ヒメ』と一緒に順調に爆弾解除を進めている。
「あら、どうしたのです? 不安なのですか?」
 ヒメは七那原の肩に留まるドラゴンランスのドラゴンが鳴き声を上げているのが気になるようだ。それを七那原がドラゴンの気持ちを代弁するように答えた。
「ボクに油断するな、って注意してくれてるんだよ」
「まあ、偉い子ですね。エルク、この子の言う通り、いくらガジェッティアだからといって油断大敵なのですよ?」
 強い言葉で叱咤するヒメに対し、七那原は力強く答えた。
「大丈夫。“安心”して、ヒメ、ドラゴン。ボクたちの肩にはたくさんの命がかかっているんだ、いくら機械に強くたって慢心なんてするもんか」
 この言葉に、ヒメははっと胸を打たれた。
(エルク、すっかり猟兵としての自覚に芽生えていたのですね)
 手の掛かる弟のような存在だと思っていたら、もうすっかり立派になっていた主人格の成長ぶりに、思わずヒメ自身も奮い立たされる。
「エルク、こんな爆弾、ちゃっちゃと解除してしまうのです!」
「そうだね、ヒメ! どんどん片付けてゆこう!」

 三者三様のアプローチによって300個もあった爆弾の山は、今や最後のひとつを残すだけになった。
「これで、ラストォ!!」
 アイの裂帛の気合と共にボンベの破裂音が船内の廊下に響き渡った。投げ捨てられる火打石、踏み潰される回路基板。そしてダストシューターから排出される火薬を見送ると、猟兵たちに歓声が起こった!
「300個の爆弾解除、完了だな。お疲れ様だ」
 髪塚はユーベルコードを解除して、深く息を吐いた。
 同じくユーベルコードを解除した七那原だったが、彼はこの船の中枢部、つまりコアマシンのある方向へ視線を向けた。
「まだ、終わってないよ。むしろこれからが本番だから……!」
 いよいよ猟兵たちは、コアマシンの付近に設置された時限式爆弾との直接対決に挑む!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『時限爆弾を阻止せよ!』

POW   :    力づくで爆弾を止める

SPD   :    導線を切るなどの技術で爆弾を止める

WIZ   :    ハッキングや魔法で爆弾を止める

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 コアマシンのある中枢部に足を踏み入れた猟兵たち。
 その先に、明らかに不自然なジュラルミンケースが放置されているのを視認した。
 恐る恐るケースの中身を確かめてみると、複雑な配線と基盤の数々、そしてタイマーの数字が『15:00』から徐々に減少してゆくではないか!
 これは残り15分を切っているという証左だ。
 猟兵たちよ、時間がない! 15分以内に、この時限爆弾を解除せよ!!
髪塚・鍬丸
SPDで爆弾解除。
こういうのは焦ったら負けだ。スリルを楽しむくらいが丁度いい、ってもんさ。

【鍵開け】【破壊工作】【早業】【第六感】【視力】【念動力】【風閂】と、技術を尽くして迅速且つ冷静に解除。
まず構造や回路図の解析、把握。遠回りだが失敗は許されねぇ。仲間とも相談し様々な方向から解除手段を検討、即実行。技術に力技や妖術を組み合わせればより確実で迅速な解除方法がある筈だ。

まず起爆型を解除させる事が前提だった事、妙に解除が簡単だった事が引っかかる。あの解除法に慣れさせて裏をかくのが目的か?慎重に行こう。

【覚悟】を決めて最後の1秒まで冷静に解除を続けるぜ。冷や汗流すのは全部終わってからでも遅くねぇ。



 目の前で爆発までの時を刻む時限式爆弾。一般人ならばここで取り乱して無力感に苛まれることであろう。だが、髪塚・鍬丸(人間の化身忍者・f10718)はクールに口角を吊り上げると、ゆっくり時限式爆弾の前へ進み出た。
「こういうのは焦ったら負けだ。スリルを楽しむくらいが丁度いい、ってもんさ」
 だが、口振りとは裏腹に、手元の作業速度は迅速だ。
「さて、繰るか……」
 ユーベルコード『風閂(カザカンヌキ)』を発動させると、不可視の糸を生成させて爆弾の隙間に潜らせた。
 鍵開け、破壊工作、早業、第六感、、念動力、そして視力など、様々な技能を総動員させて髪塚は爆弾の構造や回路図の解析を開始。
(遠回りだが失敗は許されねぇ……)
 この後にやってくる後続の猟兵たちのためにも、ここで内部構造を把握する必要がある。
 だが、ここで髪塚は思い知ることになる。
「こいつは……、まずいな。悪い予感が的中しそうだ……」
 髪塚は腑に落ちない事があった。前提条件の引火性起爆式爆弾が大量にあったとはいえ、見付けやすい場所に散在していた点や構造が簡素だった点に違和感を覚えていたのだ。だからこそ、彼はあの大量の爆弾こそが心理的トラップだったのではないかと睨んでいた。
(300個の爆弾を解除すれば、ヒトってもんは否応にも達成感を覚える。そして、こう思うんだ。次の時限式爆弾も、大したことがないだろうってな。気が緩むんだ……どうしてもな)
 だが、髪塚が解除しようとしている時限式爆弾には、幾重にもトラップが仕込まれており、構造も複雑怪奇。一歩間違えば、何が起きるか分からない。最悪、その場で起爆してしまうかもしれない恐怖が髪塚に襲い掛かろうとしていた。
「なるほどな。爆弾魔のやつめ、俺達の心を折ろうって魂胆か」
 明らかに解除難易度が段違いに高くなっているこの時限式爆弾は、生半可な覚悟で挑んでいたら猟兵と言えどもギブアップ宣言をしたくなるだろう。幸い、髪塚は投げ出すような覚悟を抱いてはいなかったが、どうしても気持ちが急いてしまうのを必死に抑えていた。
「奴の掌で踊らされてたまるかよ。最後の1秒まで冷静に、慎重にいくぜ……。冷や汗流すのは全部終わってからでも遅くねぇ……」
 今は、仲間が駆け付けてくれるのを待つしかない。
 残り時間は、13分を切った。

成功 🔵​🔵​🔴​

モルツクルス・ゼーレヴェックス
「お待たせしました魔法使いっす。……ちちんぷいぷいで、解決っすよ」
敢えて明るく自分と、みんなを【鼓舞】して

【世界知識】の基礎を元にこの場で爆弾を【学習】っす!

鍬丸殿に話を聞いて【情報収集】

【コミュ力】で彼の抱いているイメージを共有して爆弾の「爆薬」を正確にイメージ

「爆弾処理の最上は……そも冷凍等の手段で爆発事態させない事……」

魔術的に【火属性】の爆薬、その【属性】自体を【攻撃】して無力化する

秘術【物質変換】の応用っす!

「さあ、変形せよ変身せよ変転せよ変換せよ我が示す真実を現したまえ……」

【範囲】を精密操作して【高速】で作業に挑むっす!

実際、超ギリギリなんで、最後は【祈る】っす!

神とかいうやつに



「お待たせしました魔法使いっす。……ちちんぷいぷいで、解決っすよ!」
 モルツクルス・ゼーレヴェックス(近眼の鷹・f10673)が時限式爆弾の場所へ駆け付けてきた。彼はこの危機感ある中、味方を鼓舞すべくにこやかに他の猟兵に接し始めた。
「鍬丸殿、現状は……? ふむ、なるほど。把握したっす!」
 彼のずば抜けた知識欲は、この世界知識をもとに爆弾の構造を理解。
 その会話力を活かして爆薬の種類を把握すると、彼はひとつの考えに至った。
「爆弾処理の最上は……そも冷凍等の手段で爆発事態させない事……。だったらこうっす!」
 爆弾は火属性、そしてそれを無効化するように属性へダイレクトアタック。
 彼の手の中に魔法陣が生まれ、高速演算が発生する。
「さあ、ユーベルコード『物質変換(アート・オブ・ザ・トランス)』の応用っす!」
 魔法陣が目まぐるしく形が変わってゆき、部品がぽとり、ぽとりと地面に落下してゆく。
「変形せよ変身せよ変転せよ変換せよ我が示す真実を現したまえ……」
 すると、時限式爆弾の一部に霜が降り始める! 火属性を破壊された証左だ!
「くっ、正直、時間が間に合わないっすね! でも、このまま続ければ……!」
 モルツクルスの『火属性を破壊する』という発想は、おそらく爆弾魔も思いつかなかったであろう。しかし、残念だが完全に停止するには至らない。
「あと残り10分っすか。こうなったら祈るしかないっすね。その、神とやらに」
 モルツクルスは諦めようとせず、術式を発動させ続けるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フルーネ・フローライト
爆発させないように【火属性】を【破壊】して尚且つ解体も開始されている状況でそれでも止まらないというならば【武器改造】【メカニック】を使って爆弾そのものを改造して爆破しないように、それが無理であるならば時限式の時間を延長するように弄ってしまえばいいのではないだろうか

爆弾を武器と仮定した場合でなら出来ることではあるがこのまま放置しててもどうにもならないならば一か八かやるしかない



 霜が生えても今だ稼働する時限式爆弾。
 その爆弾にフルーネ・フローライト(ウォーマシンの人形遣い・f05947)が近付く。
「爆発させないように火属性を破壊して尚且つ解体も開始されている状況でそれでも止まらないというならば……」
 フルーネは試したいことがあると猟兵たちに告げた。
「爆弾は武器だ。これを仕掛けた奴の目的が、この船の人たちを殺すためなら、それは立派な武器に該当する。そして武器であるならば……」
 フルーネの両手に工具が握られていた。
「私の武器改造とメカニックの技能で、一か八かやるしかない。このまま放置しててもどうにもならないからね」
 ブービートラップ? 関係ない。元より弄るつもりはないのだから。
「確かにこれは複雑だ。これを10分で解体するのは玄人でも厳しいよ。敵はかなりの爆弾の知識がある手練れだね」
 彼女は工具を突っ込むと、電子タイマーの基盤を探り当て、ここぞとばかりに精神を集中させて作業に没頭。
 そして3分後、彼女が大きく息を吐いた。
「完全な解体は出来なかった。だが、爆弾を改造して威力の大幅減退と爆発までの時間を大幅に延長した。これでまだまだ解体作業に取り組めるよ」
 フルーネの言葉通り、爆発までの残り時間が31分まで延長されていた。
 仮に本当に爆発の威力も最小限に抑えられるのならば、別の方法も見えてくるかもしれない。

成功 🔵​🔵​🔴​

モルツクルス・ゼーレヴェックス
「ナイスっすよフルーネ殿!さ、がしがし爆弾解体いってみるっす!」

時間的に余裕ができた明るい事実を強調して【鼓舞】しながら【コミュ力】を十全に発揮して、チームとして爆弾に挑むっす!

「ま、自分達なら?元の制限時間でも余裕綽々だったっすけど?」

剽軽に振る舞いながらも術式は細やか、仲間への気遣いは【礼儀作法】を伴って然り気無く

【高速詠唱】で爆弾の【属性】を解体する基本方針に変更はなく、ただ成すべきを成す!

「成せば成る!成さねば成らぬ、何事も!」

さあ、もう一頑張り!


芦屋・晴久
【WIZ】
おや、見知った顔もいますねぇ。
モルツ君、フルーネ君、ご助力致しましょう。
先ずはフルーネ君が行ってくれた処理の後に私の式神、高天奉隠者(カクレガミ)を挟み込み【破壊工作】を試みます。
水に連なる属性の術式を発動させているモルツ君の援護も同時に、私の【五行相生】で後押しを、発生されている霜を更に凍結させ中の装置、爆薬諸共破壊を試みますね。



 爆弾そのものを変質させられるとか、爆弾魔が知ったら卒倒ものだろう。
「ナイスっすよフルーネ殿! さぁ、がしがし爆弾解体いってみるっす!」
 この機を逃すまいとモルツクルス・ゼーレヴェックス(近眼の鷹・f10673)はユーベルコード『物質変換(アート・オブ・ザ・トランス)』を継続発動中。
「変形せよ変身せよ変転せよ変換せよ我が示す真実を現したまえ……! やることは変わらないっすよ、ひたすら爆薬の火属性を破壊するっす! 高速詠唱もオマケするっすよ!!」
 先程とは比べ物にならないほどの速度で爆弾が凍結を始めてゆくではないか!
「いける、いけるっすよ! ここまで頑張ってくれた猟兵の皆さんのおかげっす!」
 初めて手応えを感じたモルツクルスは、まるで難解な数式が解けた時のように満面の笑みを浮かべていた。
 そこへサングラスを掛けたスーツの男がモルツクルスの背後に歩み寄る!
「おや、モルツ君に、フルーネ君? よければ、御助力いたしましょうか?」
「晴久殿! 来てくれたっすか!?」
 芦屋・晴久(謎に包まれた怪しき医師・f00321)は鉄扇をひらひらさせながら笑みを返した。既知の友人の登場に、モルツクルスに安堵の気配がようやく漂う。
「ええ、何やら見知った友人が困っているようでしたので。……なかなか苦戦しているようですが?」
「だ、大丈夫っすよ! 爆発までの時間も伸ばせたっす。手応えもバッチリっす! ま、自分達チームなら? 元の制限時間でも余裕綽々だったっすけど?」
「それは心強い言葉ですね。なら私もチームに加えていただけませんでしょうか? きっとお役に立てますよ」
「もちろんっす! 百人力っすよ! よろしくお願いするっす!」
「モルツ君の礼儀正しいところ、好感が持てますね。では、その期待に応えるとしましょうか」
 さてさて懐から取り出したるは轟天の符と呼ばれる呪符。これを使って式神、高天奉隠者(カクレガミ)を呼び出すと、基盤と基盤の隙間にすっと入り込んでいくではないか。
「高天奉隠者(カクレガミ)、凍り付いたところからブン殴って壊しなさい」
 すると命令された式神が内部から暴れまわり、凍結した爆弾の部品が次々に砕けて飛び散ってゆく! その間もモルツクルスは火薬の火属性を破壊し続け、無害になったところから芦屋の式神が内部から破壊するというコンボが見事にハマってゆく。
 気が付けば、残るは信管と火薬部分のみ。万が一を考え、2人はここで全力を惜しまず出し切る事にした。
「変形せよ変身せよ変転せよ変換せよ我が示す真実を現したまえ!」
「其は五行を重ねて理を創生する軌跡也。水に連なる属性をもって、火を滅せよ!」
 一気に爆弾が白く凍ったかと思えば、局地的なブリザードがコアマシンルーム全体を襲う!
「水剋火! 爆ぜよ、爆弾!」
 ビシッと何かがひび割れる音が響いたかと思えば、時限式爆弾から一瞬だけ火花が散った。
 ……だが、それで終わりだった。爆弾は完全に、沈黙したまま二度と作動することはなかった。
「さ、寒いっす! コアマシンが壊れなくてよかったっす!」
「やっぱりこのユーベルコードは制御が難しいですね。ですが、結果オーライってことで」
「そうっすね! 爆弾解除、大成功っす! 成せば成る! 成さねば成らぬ、何事も!」
 猟兵たちはようやくこの宇宙船の安全を確保できたことを喜び合った。
 だが、モルツクルスは船外を眺めて呟いた。
「さあ、もう一頑張り! 爆弾魔のお出ましっすよ!」
 船外には、怪しい小型の巡視船が猛スピードで接近してくる様子がはっきり肉眼で確認できる。
 決戦はもう、目の前に迫っている。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『帝国エージェント』

POW   :    ゴールドアイ
【金色の瞳】に覚醒して【歴戦の白兵戦型ウォーマシン】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD   :    仕込み帽子
自身が装備する【鋭利な刃を仕込んだ帽子】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ   :    ハッキング
対象のユーベルコードに対し【電脳魔術のハッキング】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠グロリア・グルッグです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 おかしい。既にあの船は木っ端微塵になっているはずだが。
 何故だ? 何かトラブルがあったのか?
 ……まさか、猟兵の邪魔が入ったか?
 どうする? 戻るか? それとも……。
 それとも? そんな選択が俺にあるのか?
 俺は今まで依頼された仕事は100%ミスなくこなしてきたんだ。
 ここで他の船に標的を変えて爆発させたとしても、俺の中で負けたという感情が残る……!
 おのれ、なくなる上は俺の手で猟兵どもと宇宙船の市民を皆殺しにしてやる!
 待ってろ、猟兵ども!!
フルーネ・フローライト
散々大量に爆弾を設置して迷惑かけてくれた分きっちりお礼をしないとね…
手持ちのからくり人形とUCを総動員して数の暴力でかわいがってあげるよ

ついでに【フェイント】【毒使い】【怪力】【誘導弾】【衝撃波】【零距離射撃】もおまけでつけて揚げるから覚悟してもらおうかな…爆弾魔


モルツクルス・ゼーレヴェックス
【世界知識】と【情報収集】で集めたこの艦の構造等の知識を【学習力】で勉強したのを前提に【拠点防御】と【戦闘知識】で敵の侵入経路を予測

「ヤツはまず間違いなくここから入るんで、迎え撃つのはこのポイントっす!ここなら広くて多少派手にやっても大丈夫!」

まあここまで手子摺ったっすけど

「戦いとなれば、自分達猟兵に負けはないって爆弾魔に教えてやるっす!」と【鼓舞】

戦いとなれば【光翼】で舞い【存在感】で意識を惹き付けて術の攻撃条件を満たすっす!

「自分に、注目せずにいられるっすかね!ふははは!」

【属性攻撃】で【光】を強化して【高速詠唱】で絶え間なく光線発射

【空中戦】で敵の攻撃躱して無理なの【オーラ防御】っす!


芦屋・晴久
自身のプライドを守る事を選択しましたか。
情報も足りない中で猟兵相手に突撃とは最後の最後で焦りが過ぎましたね。

ここは私も攻勢にでるとしますか。
辰子鏡姫(カガミヒメ)、【全力魔法】にて一人の剣士を模倣し現界させましょう。
話す事も考える事も出来ませんがアレを斬る事はできましょう。
力を借ります、刀のヤドリガミである友よ。

同時に私は水舞転身環にて姿を隠しながら相手の隙を探し、次の攻撃の布石を作ります。



 爆弾魔の帝国エージェントを迎え討つため、猟兵たちは宇宙船内の船渠で待ち構えていた。モルツクルス・ゼーレヴェックス(近眼の鷹・f10673)は宇宙船の知識(世界知識・情報収集)を学習したうえで、宇宙船全体を拠点と考えた際に敵がどこから侵入するか、戦闘知識を振り絞って推測した結果である。
「ヤツはまず間違いなくここから入るんで、迎え撃つのはこのポイントっす! ここなら広くて多少派手にやっても大丈夫!」
 確かに、巡視艇や戦闘機をメンテナンスするために設けられた船渠は広大だ。防壁は頑丈で、これなら乱暴に戦っても宇宙船に損害を与える心配はない。
(ようやくっすね。まぁ、ここまで手こずったっすけど……)
 モルツクルスは猟兵たちを鼓舞するために、勢いよく拳を突き上げた。
「戦いとなれば、自分達猟兵に負けはないって爆弾魔に教えてやるっす!」
「それに、散々大量に爆弾を設置して迷惑かけてくれた分きっちりお礼をしないとね……。手持ちのからくり人形とユーベルコードを総動員して、数の暴力でかわいがってあげるよ」
 フルーネ・フローライト(ウォーマシンの人形遣い・f05947)が黒い笑みを浮かべ、爆弾魔の帝国エージェントを虎視眈々と待ち構えている。
 そこへまんまと戻ってきた爆弾魔。
「猟兵め……! やはりお前たちの仕業か!!」
 怒りを露わにして猟兵たちを指差す爆弾魔に、芦屋・晴久(謎に包まれた怪しき医師・f00321)が帽子を目深に被ると、それを一蹴した。
「おやおや、自身のプライドを守る事を選択しましたか。情報も足りない中で猟兵相手に突撃とは、最後の最後で焦りが過ぎましたね」
「焦り? いいや、これは英断だ! すぐにそれを証明してやるさ! さぁ、来い!」
 受けて立つ、と言わんばかりに身構える敵に対して、まったくの遠慮は無用と判断したフルーネが真っ先に動く。
「……さぁ人形劇の始まりだよ」
 ユーベルコードの人形劇『戦乙女の騎行(マリオネットシアター)』を発動させ、戦乙女を模った18体の人形を出現させると一気に爆弾魔へ向けて物量で押し潰さんとけしかける!
 だが、爆弾魔は動揺する素振りもなく、自身の帽子のつばに手を掛ける。
「その程度の数で、俺を止められると思うな!!」
 帽子を人形へ投げ付けると、それは見る見るうちに増殖してゆく!
「物量には物量だ! かわせるか? 俺の仕込み帽子の刃をな!?」
 合計40個の仕込み帽子が念力で不規則に飛来すると、人形を次々と切り刻んでゆく!
「怯むな! 使えるものは何でも使う! だから覚悟しろ、爆弾魔!」
 人形から衝撃波が放たれ、零距離から弾丸を放ち、毒やフェイントなどあらゆる手段をフルーネは尽くす。
 だが、彼女の人形と爆弾魔の帽子は全て相殺されてしまう!
「まさか、あの物量を止めただと!?」
 驚く爆弾魔の視界に、先程からチラチラと視界に入るモルツクルスの姿があった。
「どうっすか!? 自分に、注目せずにいられるっすかね!? ふははは!」
 そこには光の翼を広げて宙を舞いながら、誰よりも存在感を放っていた。
「だあああああ!? お前、ふざけてるのか!? さっきから戦闘に集中できねぇ! 一体、何のつもりだ!?」
 爆弾魔の狼狽する言動に、モルツクルスはしめた、とほくそ笑む。
「今、“困惑”したっすね? まぁ、こちらとしては“興味”を引いてくれるだけで充分だったっすけど!」
「しまった! やはり罠か!!」
「もう遅いっすよ! 天使という幻想にこそ帰依し、光という力でこそ天駆ける! 光翼(アート・オブ・ザ・ウィング)!」
 彼の高速飛行補助用の魔術の光翼から、高命中力の無数の束縛術式からなる光線が射出される! だが爆弾魔の帝国エージェント、すかさずユーベルコードをハッキングして相殺を試みる!
「術式バトルなら負けないっす! 高速詠唱っす! 属性攻撃も強化するっす!」
「ぬかせ! 俺は、完璧な帝国エージェントなんだ!!」
 術式の突破と防御が空間上にせめぎ合い、互いの魔法陣を描く手の速度が人知を超えたものになりつつある! だが一手、敵の方が上手だ!
「これで、無効だ……!」
 爆弾魔がARエンターキーを押そうと右手の指を振り下ろす!
 そこへ放たれる大太刀の一閃が、爆弾魔の右腕を斬り落とした!
「ぎゃあああっ!?」
「盛り上がっている最中、水を差して恐縮ですが……」
 式神である辰子鏡姫(カガミヒメ)を操る芦屋が、してやったりと口元を緩ませた。
「私の存在、忘れてませんか?」
「お前……! よくも、俺の右腕を……!」
「その腕では、ご自慢のハッキングは困難でしょう。では、もう一太刀いかがでしょうか。……力を借ります、刀のヤドリガミである友よ」
 彼の全力の魔力を籠められた式神の剣士は上段に構えると、無慈悲に爆弾魔を袈裟斬りに伏した。
 同時に、芦屋は二之式・水舞転身環(ミズマイノテンシンカン)を用いて、その身と所持品を全て透明化して身を潜めてしまう。
「まだ、こんなところで負けるわけには……!」
 瀕死の爆弾魔の帝国エージェント。決着の時は、刻一刻と近付いていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

髪塚・鍬丸
「なかなか良い爆弾だったぜ。正直、正攻法じゃ解除出来なかったかもしれねぇ。」
凝った肩をほぐしながら挨拶。
「だがまぁ、これだけ異才の持ち主が集まれば何とかなるもんさ。もうお前さんは負けてんだ、これ以上は恥の上塗りってもんだぜ」

帽子を操ってくるなら【見切り】【ジャンプ】【空中戦】【猿飛の術】で宙を駆けて回避。
この手の誘導兵器は間合いを詰めて超近接戦に持ち込めば、迂闊に攻撃出来なくなる。そのまま宙を【ダッシュ】して帽子をすり抜けて敵の間近に飛び込む。
敵さんがウォーマシンになってるなら装甲の隙間を狙って【暗殺】で刀を突き込み、重要な配線や動力を断ち切る。あの爆弾に比べれば。お前さんの構造は読み易いな。



「あとは任せてくれ」
 後方から疾風の如く姿を現したのは髪塚・鍬丸(人間の化身忍者・f10718)だ。彼は敬意を表して爆弾魔に挨拶を行った。
「俺の名前は髪塚・鍬丸。あれ、なかなか良い爆弾だったぜ。正直、正攻法じゃ解除出来なかったかもしれねぇ」
 彼は解体作業で凝り固まった肩を回しながらほぐしてゆく。
「だがまぁ、これだけ異才の持ち主が集まれば何とかなるもんさ。もうお前さんは負けてんだ、これ以上は恥の上塗りってもんだぜ」
「それでも……」
 爆弾魔は仕込み帽子に手を掛ける。最後まで戦う意思を髪塚に示したのだ。
「俺は、誇りを抱いて死ぬことを選ぶ……!」
「だったら、俺も引く気はないぜ?」
 髪塚も松明丸を鞘から抜くと正眼に構えた。
「ここからは、男と男の信念のぶつかり合いだ。先に折れた方が負けだ。小細工なし、真正面から行かせてもらうぜ」
「……望むところだ! かかってこい!」
 瞬間、氷のような静寂が船渠を満たした。1秒が永遠にも思える感覚の中、不意に爆弾魔は指が動き、髪塚はつま先から地面を蹴り出した!
「「うおおおおおおおっ!!」」
 40個の仕込み帽子が自在に宙を舞い、髪塚を全方位から刻もうと襲い掛かる!
「見え見えだぜ!」
 右手に松明丸、左手に苦無を持ち、体を回転させるように迫りくる刃をパリング防御! そのまま空間上部の空白地帯へ、全脚力を籠めてユーベルコード『猿飛の術』を発動!
「踏!」
「なに!? 飛んだだと!?」
 飛んだ、というのは正確な表現ではない。猿飛の術は多段ジャンプのユーベルコード、これにより髪塚は疑似的に空中移動を可能にしているのだ。
 刃の包囲網を抜けても、なおも追ってくる仕掛け帽子の数々!
 だが彼には空中戦の心得がある。ひとつ、またひとつと帽子を確実に叩き落としてゆく。
「知ってるか? この手の誘導兵器はな、間合いを詰めて超近接戦に持ち込めば、迂闊に攻撃出来なくなる。でないと自分に当たっちまうからな!」
 ここで急降下めいた空中ダッシュで一気に爆弾魔との距離を詰める髪塚。苦無を投げ付け、爆弾魔の身体に突き刺したのち、そこから強引に松明丸の刀身を苦無ごとねじ込んでゆく!
 刀身は爆弾魔の心臓付近まで達し、ブチブチブチと小気味の良い配線の立たれる音が聞こえると、髪塚は爆弾魔の顔の間近で言い放った。
「あの爆弾に比べれば、お前さんの構造は随分と読み易いな!」
 そのまま力任せに爆弾魔を叩ッ斬る! 飛び散る火花、明滅する電子アイ! 散らばる仕込み帽子の数々、破壊されたボディと電子基板の残骸たち!!
「悪いな、この勝負、俺の勝ちだ」
 髪塚がその場を飛び退くと、数秒後には火柱を立ち昇らせて自爆する爆弾魔だったものが、そこにあった。

 かくして、消火活動こそ必要になったが、無事に爆弾魔の帝国エージェントの魔の手から宇宙船を救い出した猟兵たち。彼らの戦いがまたひとつ、多くの未来を守ったのだ。
 ありがとう、猟兵たち! これからも負けるな、猟兵たち!

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月21日


挿絵イラスト