アルダワ魔王戦争6-E〜もふキラー
●VS歯車
ここは、ファーストダンジョン第六エリア。
まるでアスレチックのように複雑な地形を、歯車が行き来しています。もちろん、ファーストダンジョンがただの歯車を用意しているはずがありません。
殺人歯車です。蒸気の力でレールを駆動する、デストラップです。
ぷしゅー、がこん、と駆動音が響くこの場所で、猟兵を待ち構える災魔は……。
「ほー」
「ほほほー」
もふもふのモリフクさま達でした。人畜無害そうな瞳の奥に殺意をたたえて、猟兵の襲来に備えます。
その一羽の背後から、殺人歯車が迫ります。仲間達が「後ろ! 後ろ!」と羽ばたきますが、振り返った時にはもう目の前。
「ほほー……ほぎゃっ」
「!?!?!?」
モリフクさまが真っ二つになって、キラキラと骸の海に還りました。
御覧の通り、殺人歯車はオブリビオンも殺します。慈悲はない。
●アルダワの戦争は続く
タビタビ・マタタビ(若き猫黒騎士・f10770)は、猟兵達が集ったのを確かめると、ファーストダンジョンの地図を広げた。
猟兵達の探索により、既にかなりの範囲の構造が明らかになっている。凄い。
「みんな、お疲れ様! 次に攻略して欲しいのは……」
タビタビの手では、短くて届かない。
じゃんぷ!
「ここ!」
届いた。
「エリア6-Eだよ。ここではモリフクさまの集団が待ち受けているのと、殺人歯車っていうトラップが仕掛けられてるんだ」
アクションゲームの趣。
床や天井など、あちこちに用意されたレールを行き来し、触れたものをあまねく切断する恐ろしい罠だ。
何が恐ろしいって、切断する対象が猟兵はもちろん、オブリビオンまで含まれるところだ。
「もふ可愛いモリフクさまだって、当たり所が悪いと真っ二つだよ……」
わなわな。罠の恐怖と無惨さに、タビタビのケットシーボディが震える。
殺人歯車を回避する術を用意していなければ、おちおちモリフクさまと戦ってもいられないだろう。
なお、殺人歯車は、設置数こそ多いが、どれも一定のタイミングで同じ箇所を周回している。対処法を見出すのは難しくはないはずだ。
「あ、殺人歯車を利用してモリフクさまを退治するっていう手段もあるよ……」
ぷるぷる。
ちょっと震えながら、タビタビは猟兵達を送り出した。
七尾マサムネ
このシナリオは、アルダワ魔法学園における戦争シナリオです。
1フラグメントで完結します。
●今回のプレイングボーナス条件
殺人歯車を回避したり利用する方法を用意する。
なお、今回のリプレイは、オープニング冒頭のように「~です、~ます」調の童話風味でお届けする予定です。
それでは、歯車の餌食にならないよう、お気をつけて!
第1章 集団戦
『モリフクさま』
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POW : 翼びんた
単純で重い【翼】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : 人をダメにするもふもふ
【胸部のモフモフ】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : うぉーみんぐあっぷ
予め【羽ばたく】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
イラスト:橡こりす
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
黒鵺・瑞樹
アドリブ連携OK
右手に胡、左手に黒鵺の二刀流
一定のタイミングってことなんだからある程度観察して頭にたたきもむしかないだろうな。【罠使い】の応用で覚えやすくならんかな。
【存在感】を消し【目立たない】ように立ち回る。隙を見て一気に接近し、歯車と挟撃できるような位置取りで【マヒ攻撃】を乗せたUC剣刃一閃で【暗殺】攻撃。
攻撃をしたら念のため距離を取り歯車に巻き込まれないように注意する。
相手の攻撃は【第六感】による感知と【見切り】で全力回避。回避しきれなかったら黒鵺で【武器受け】し可能なら【カウンター】を叩き込む。
受け流しできないものは【オーラ防御】【激痛耐性】で耐える。
ウィンディ・アストレイ
別の世界でも、似た様な手合いと戦った記憶がありますね…
後…タビタビさんは、指示棒やレーザーポインタを用意した方が
良いかも知れません。
さて置き。
バーニアとスラスタを噴かして浮揚しつつ
【無念無想】にて、レールを行き来する歯車の速度とタイミングを見切り
あわよくばギリギリのタイミングで体を躱す事で
敵を歯車に引っ掛ける事も試みます
また敵のUCを受けぬ様、その動きを見切りつつ
ライフルやガトリング、余裕があればウィル・オーにて
一体ずつ確実に屠ります
(空中戦&第六感&見切り&スナイパー&カウンター)
「こういうあざとさも、世界共通なんでしょうか?
いい加減、慣れましたよ。全く…」
※アドリブ&他猟兵との絡み連携OK
ウィンディ・アストレイ(W-ASTRAY・f09020)は、タビタビに指示棒やレーザーポインターをお勧めした後、殺人歯車エリアへとやってきました。
床や壁はもちろん、空中にもブロックが設置され、ベルトコンベア的なレールが敷かれています。
歯車は、お役目を果たす時を今や遅しと待ち構え、ぎゅんぎゅんと回転しています。
バーニアとスラスタを噴かして浮揚したウィンディは、精神を集中しました。そして無我の境地へ。
同様に、黒鵺・瑞樹(界渡・f17491)も、殺人歯車の動きを注視していました。
きっちりと役目を果たすべく、歯車は実に勤勉です。恐ろしいまでに一定の周期を保ち、ぐるぐるとレール上を動きます。
ですが、これも罠の一種である以上、シーフでもある瑞樹としては、対処可能です。
とは言え、ゆっくりと歯車観察に集中させてはくれません。ここは災魔の巣くうダンジョンなのです。
「ほー」
「ほほー」
もっふり。
ウィンディや瑞樹が振り返ると、そこにはモリフクさまの群れが並んでおりました。
瑞樹が目を細めても、その表情を読み取る事は難しいです。なので、この、死と隣り合わせすぎるエリアに配置された事をどう思っているのかは不明です。
「せっかく2人いることだし、ここは分担して対処だな」
「了承です」
モリフクさま達も、2人それぞれの方へと分かれました。
機動力を発揮するウィンディに負けじと、空中戦を披露します。鳥ですしね。
旋回して敵のもっふりボディをかわし、ウィンディはモリフクさまの背中をバスターライフルで撃ち抜きました。
はらはらと羽根が散る中、右手に『胡』、左手に『黒鵺』を構え、瑞樹はモリフクさまに応戦しました。
力いっぱい翼びんたを繰りだしてきた1羽と交錯します。
「……ほー??」
モリフクさまが、辺りを見回します。瑞樹の姿を見失ったようです。
「こっちだ、災魔」
モリフクさまが再び瑞樹の声をとらえた時には、黒鵺が切れ味を発揮した後でした。
殺人歯車にも劣らぬどころかそれを上回る切れ味で、一瞬でモリフクさまを骸の海へと還します。
瑞樹は、無意識に床を蹴って、その場を離れます。すぐ後を、殺人歯車が駆け抜けます。間一髪でした。
瑞樹が着地したのは、別のモリフクさまの前です。とっさに後ろに逃げようとするモリフクさまでしたが、既に殺人歯車が迫っていました。
偶然ではありません。歯車の周期を読みきった瑞樹の作戦です。
逃げ場を失ったモリフクさまは、観念して目を閉じました。
「ほー……!」
高速回転によって生まれた切断力。キラキラ消えるモリフクさまを見送る暇もなく、瑞樹は、肌を刺す殺気から逃れました。別のモリフクさまです。
空振りした翼の一撃が、床を破砕します。けっこうえらい感じでえぐれます。
「ほー!」
「ほほー!」
数を生かした連続翼攻撃。
瑞樹は、それを見切ってかわし、あるいは頑丈な黒鵺で受けとめ、胡からカウンターを浴びせました。
「ほー!」
なおも襲来するチーム・モリフク。更にそこへ、歯車が襲来するので、気が抜けない戦場です。
歯車がウィンディの外装と火花を散らす寸前、ごく自然な動きで、ウィンディは離脱。
ですが、ウィンディを追ってきていたモリフクさまはそうはいきません。
「ほほー!?」
歯車に巻き込まれたモリフクさまへと、とどめのガトリングガンがウィンディからお見舞いされました。
「ほー!」
仲間の仇討ち……なのかどうか、モリフクさま達が殺意を増して、ウィンディに殺到します。胸をはって、もふもふアタックです。可愛い。
「こういうあざとさも、世界共通なんでしょうか? いい加減、慣れましたよ。全く……」
溜め息のウィンディ。恨みは、殺人歯車にも向けて欲しいところでした。
空中を自在に飛び回り、一羽ずつ丁寧に、確実に仕留めていきます。
ここでダメにされたりしては、歯車のいい的です。もふもふアタックを回避すると、ウィンディは肩と下腿の装甲を展開、ウィル・オーを起動しました。
モリフクさまをレーザーの集中が焼きました。
「ほー……」
焼き鳥になって落下していくモリフクさまを見届けると、ウィンディはスラスタを稼働させて、次のモリフクさまの相手に向かったのでした。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
黒木・摩那
むき出しの殺人歯車がレール走ってる光景は
工場では一発アウトですが、ここはアルダワ迷宮。
何でもありですね。さすがです。
そんな安全度外視ならば、それを使わない手はないですね。
殺人歯車はスマートグラス『ガリレオ』のセンサーと、上空で滞空させたドローン『マリオネット』からの探査情報で動きを監視します【情報収集】。
そして、モリフクさまの相手はヨーヨー『エクリプス』で。
重さを軽く反応重視で設定をします。
歯車が走るタイミングを計って、ヨーヨーをモリフクさまに投擲。
【先制攻撃】【なぎ払い】しながら、歯車のレールに落としていきます。
モリフクさまのもふもふ羽毛で枕作りたいですが……ちょっと無理かな?
コトト・スターチス
ぞくにいう『死にゲー』の配信をやったばかりのコトトです!
パターンを見切るのはおまかせくださいっ
空を飛べるモリフクさま相手なら、こちらも【空中戦】をいどむため『ねこへんしん』しますにゃー!
(黒猫耳尻尾と天使の翼が生える)
かわいい見た目のモリフクさまですが、心をオニにして戦います!
モリフクさまにちょっかいを出して羽ばたくことを阻止しつつ、
ゲーム配信で鍛えたパターン構築力を生かして、歯車の動きを【情報収集】しますにゃー
歯車を避けて飛行しながら、隙を見つけてモリフクさまへ急接近!
メイスをぽかりとフルスイングして、歯車に【吹き飛ばし】ますにゃー!
「次に生まれ変わる時は敵になりませんように、ですにゃー…」
がこんがこん、ぷしゅーぷしゅー。
黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)達も、殺人歯車がせっせと働くエリアに足を踏み入れました。踏み入れてしまいました。
むき出しの殺人歯車がレールを走り回るという、光景が広がっています。
「工場なら一発アウトですが、さすがのアルダワ迷宮。安全基準が災魔級です」
ダンジョンを守る災魔すら容赦なしとは、ブラック過ぎやしないでしょうか。ですがそれを利用しない手はありません。
いざ、攻略開始です。摩那はスマートグラス『ガリレオ』のスイッチを入れました。
災魔&トラップ攻略とあって、コトト・スターチス(バーチャルネット辻ヒーラー・f04869)は、やる気満々でした。
「コトトもぞくにいう『死にゲー』の配信をやったばかりです! パターンを見切るのはおまかせくださいっ」
きらっ。目力を全開にして、殺人歯車ギミックの動きを追うコトトです。
しかし、この場所の敵はもう一種類いるのです。
「ほー」
「ほほー」
編隊を組んでコトト達へと襲来するもふい影……モリフクさまです。おまんじゅうみたいに安定感のあるお姿ですが、フクロウなので飛びます。やるな。
しかも、敵は殺人歯車だけではありません。というかモリフクさまが本命なのですが、グリモア猟兵から話を聞いた後だと、どうにもモブ感がぬぐえない摩那です。
モブ? いいえモフです。
「ほっほーう」
ばっさばっさ。
モリフクさまが雄々しく羽ばたきます。ずむん、と一回りもふ度が増しました。
対する摩那は、ヨーヨー『エクリプス』をカスタマイズ。軽量かつ反応重視のセッティングで、ごー・シュート!
「ほほっ」
もっふりモリフクさまが薙ぎ払われて行きます。ヨーヨーの殺意は高いです。電流つきなので感電もします。
そして、摩那もただ闇雲に攻撃を仕掛けたわけではありません。落下していくモリフクさまを受け止めるように、殺人歯車が巡ってきました。
空中で殺人歯車の動きを監視していたドローン『マリオネット』から情報を『ガリレオ』のそれとリンク、精査。殺人歯車のパターンを確定したのです。
「ほー!?」
ざしゅっ。
摩那の目の前、割と壮絶な音を立てて、モリフクさまが両断されていきます。歯車の回転力が凄いので、もはやギロチンレベルです。
幸い傷口はモザイクがかかったようにドット化してくれたので、グロテスク度は下がりました。
「ひぇっ……と、とりあえずコトトもいきますにゃー!」
きゅいんっ。
ひらりひらひらと手を振った途端、コトトの姿が、ねこになりました。ねこです。
黒猫耳に尻尾、そして天使の翼が生えて、空へと浮かびます。ねこです。
「ほー」
「ほほー」
心の内は殺気で満ちたりしているかもわかりませんが、見た目は確実に可愛いモリフクさまです。コトトは心を鬼にします。
「ほー」
「にゃにゃっ」
とりVSねこ。
空中でコトトにちょっかいを出されたモリフクさまは、思うように羽ばたけません。
その間にも、迫る歯車。ゲーム配信で鍛えたパターン構築力を生かして、歯車の動きをチェックしていたコトトは、ねこのひらきにされるのをなんとか避けました。
「ほー!」
モリフクさまの編隊が、ねこコトトを追撃します。
誰彼構わず牙を剥く歯車の数々をくぐり抜け、急旋回。コトトの動きにびっくりしたモリフクさまの頭を、フルスイングのメイスが強打しました。
水蒸気の白い輪を生む、凄い勢いで吹き飛ばされたモリフクさまを待っていたのは、味方ではなく……。
「ほー!?」
歯車でした。
キラキラキラリと消えていくモリフクさま。はらはらと舞い落ちた羽根を拾い、摩那は、これでもふもふ羽毛枕を作りたいと思いました。
「次に生まれ変わる時は敵になりませんように、ですにゃー……」
摩那に集められた羽毛の前で、コトトは、ぽむっ、と手を合わせるのでした。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
宇冠・龍
由(f01211)と参加
あらあら、可愛い災魔ですね
殺人歯車は非常に危険ですが、進行速度も同じというならやり方はいくらでもあります
【画竜点睛】で全体の半分の腕を私の足元から召喚
「由は向こうの方のをお願いね」
あまりこの方法は娘に教育的にも親心的にも見せたくはないので、由が別方向を向いている隙に実行します
相手は飛べますから、腕を見れば勿論羽ばたいて距離を置くでしょう
そこでもう半分の腕約150強を、数か所の殺人歯車から生やします
どこまでも伸びる怨霊の腕で、うぉーみんぐあっぷ中の個体をそれぞれ沢山掴んで、歯車まで引き込ませます
これはスピード勝負、娘が振り返る前に何事もなくすべて終わらせましょう
宇冠・由
お母様(f00173)と参加
凄いですわ、もふもふが沢山いらっしゃいます
(てぃーちゃんと合わせたかったですけど、歯車に挟まっては大変ですし残念ですの)
お母様とは別方面からくる敵を相手
私は空飛ぶヒーローマスク歯車の軌道に注意しながら戦います
とはいえ、このような場所で長居してはお互いいつ歯車の餌食になるか分かったものではありません
【熾天使の群れ】をモリフクさまたち放って、その羽毛を燃やして追い払います
それでも向かってくるなら容赦はしませんが、お互いスプラッタは嫌ですものね
(なんでしょう? なにか助けを呼ぶ声が聞こえた気が……)
「ほー」
「ほほー」
「あらあら、可愛い災魔ですね」
宇冠・龍(過去に生きる未亡人・f00173)は、にっこりとモリフクさまのお出迎えを受けました。
可愛げのある、しかももふもふな災魔。なので、宇冠・由(宙に浮く焔盾・f01211)も大歓迎です。
「凄いですわ、もふもふが沢山いらっしゃいます」
由としては、もふもふティラノのてぃーちゃんともご対面させたかったのですが、あいにくの歯車エリア。うっかり挟まってしまっては大変なので、涙を呑んで断念した次第です。
実際、龍達のあちこちでは、可愛げのない殺人歯車が徘徊しています。
ですが、一定のエリアを一定の速度でせっせと稼働しているのなら、対処のしようもあるというもの。これでランダムな急加速などが混じったら大変でした。
ひとまず龍は、足元から怨霊の腕を召喚しました。ただしその数は、最大の半分ほどです。それでも100は軽く越えているのですが。
「由は向こうの方のをお願いね」
「わかりましたわ」
龍は、由と手分けして対処に当たりました。
そのココロは、これから披露する方法は、娘に教育的にも親心的にもあまり見せたくはないから、なのです……。
龍に任されたからには、張り切ります。由は、モリフクさま&殺人歯車の対処にあたります。
相手は鳥類災魔、空を飛ぶことなどわけもないですが、それを言うなら由も空飛ぶヒーローマスク。
モリフクさまと、お互い、歯車の接近には気を付けながら、空を飛び回って牽制し合います。
「ほー」
どちらが先に仕掛けるか。
あまり戦いが長引けば集中力がそがれ、いつしか歯車の餌食になってしまうでしょう。
先に仕掛けたのは、由でした。炎の不死鳥の群れが、モリフクさまへと飛翔します。
「ほほー!?」
羽毛に引火しました。
慌てて羽ばたいたり、駆け付けた味方にばさばさしてもらったりして、鎮火に努めます。由の相手をしているどころの話ではなくなりました。もふもふもしんなりです……。
それでも頑張って由に突撃してくるモリフクさまもいましたが、再びの不死鳥を受け、追い払われていきます。
「素敵なもふもふで危うくダメにされてしまうところでしたわ。お母さまの方は……心配しなくても大丈夫ですわね、きっと」
そんな龍の方は、というと。
怨念を帯びた腕が、次々とモリフクさまをつかんでいます。
「ほほー!」
地面から手が伸びてくるのなら、飛べばいい。
龍の攻撃に対して、モリフクさまがそう考えるのは当然の流れでした。
羽ばたくついでにパワーアップして、空中へと逃れます。表情は読み取りにくいですが、龍にはモリフクさまがどこか得意げにも見えました。
さて先ほど、龍は全体の半分の腕を召喚した、と言いました。つまり、残り半分があるということです。
そんな事を知るはずもないモリフクさま達は、殺人歯車から突然生えて来た腕に、びっくり仰天です。しかも150本以上です。2度びっくり。
「ほほほ!?!?」
範囲の決まっている殺人歯車と異なり、怨霊の腕は伸びます。羽ばたいてやる気満々のモリフクさまへとぐぃーんと伸びて捕まえ、引き寄せます。……歯車の方へと。
「!?!?」
ざしゅっ。
ぐしゃっ。
腕に力を奪われた事もあり、モリフクさま達が歯車の餌食になって、骸の海へと還っていきます。
その頃、由は、かなりの数のモリフクさまたちを追い払っていました。
執拗に追いかけてくる不死鳥に、恐れをなしたようです。
「順調ですわね、スプラッタはお互い避けたいですし……」
「ほー! ほほー!!!」
(「なんでしょう? 今なにか助けを呼ぶ声が聞こえた気が……」)
由は、龍の方を振り返りました。
ですがそこには、母の笑顔があるだけです。粛々と、かつ手早く追い払われたらしく、既にモリフクさまの姿はあまり見えません。
さすがお母さまですわ、と由は思いました。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
パルピ・ペルポル
ああせっかくのモリフクさまが…。
ここは歯車にやられる前にモリフクさまをもふらないといけないわね。
まずは念動力で雨紡ぎの風糸を自らの周囲に張り巡らせておいて、敵の行動を阻兼盾として使用するわ。
次に歯車の動きをよく観察して、歯車の移動ラインからわずかに外れるくらいの位置にもこっそり網を張っておくわ。
あとはモリフクさまを上手く誘導して、網にかかったところで穢れを知らぬ薔薇の蕾を投げつけて拘束して火事場のなんとやらも使用して全力でもふるわ。
もちろん、歯車への注意は怠らないわ。音はよく聞いておきましょう。
せめてもふってるのだけは歯車じゃなくてわたし自身が始末してあげるから安心してもふられてね!
木元・杏
まつりん(祭莉・f16554)と
殺人歯車…、もふもふをもまっぷたつ(ぶるっと震える)
もふもふ…(まつりんの頭を見て)
まつりん、歯車に引っかからないようにね
真白な帽子を被せてふわ耳保護
【絶望の福音】で歯車の動きを予知し、地形とレールの位置も調べて情報収集
まつりん、こっち
安全地帯を確認しながら進んでいく
とりあえずもふは守りたい…(はっ
もりふくさま、ぴーんち!
ダッシュでもりふくさまに体当たりしてもふー
そのまま歯車に引かれない場所に飛び込む
もふー
もふもふを堪能しない歯車にもりふくさまは渡さない
ふわっとして心地よくて…
(はっ)
でもダメにはならない
もふもふして寿命を削り取る高度な作戦
さ、骸の海に帰ってね?
木元・祭莉
アンちゃん(f16565)と。
もふがまっぷたつ……もふったつ。
……コダちゃん、どこにいるかなぁ?(語呂で思い出す幼馴染)
あー。
ホントだ、一定のリズムで動いてるね?
そうするとー。(うーん)
ん、閃いた♪
リズムにはリズム!
動きに合わせて歌いながら、振り付けあてて踊ってみるよー♪
もふもっふもっふ、ふもふっふー♪
ふもっふもっふー、もっふっふー♪
ホラ、モリフクさまも、こんなかんじで動けば!
(ひょいっと足上げ)
歯車、くぐりぬけて、ね?
(ぴょいっと飛ぶ)
アンちゃんのもふ愛は、意外と痛いかもだし?
おいらがすっきり、骸の海に戻らせてあげるねー♪
(ひょいひょいと近付いて)
バイバーイ♪
(右正拳突き灰燼拳どっかーん☆)
「ほー……ぷぎゃっ!」
また一羽のモリフクさまが事故死しました。
歯車に巻き込まれ、マイルドなエフェクトと共に消えていく災魔。
衝撃映像を見てしまい、パルピ・ペルポル(見た目詐欺が否定できない・f06499)は、フェアリーの小さな体をふるふるさせておりました。
「ああせっかくのモリフクさまが……」
ファーストダンジョン、過酷。災魔にも厳しいです。
「恐怖のとらっぷ……もふもふをもまっぷたつ」
木元きょうだいの双子の妹さん、木元・杏(たれあん・f16565)も、殺人歯車を見てぶるりと震えました。転校生も災魔も一緒くた。ある意味平等です。
「もふがまっぷたつ……もふったつ。……コダちゃん、どこにいるかなぁ?」
お兄さん、木元・祭莉(まつりんこ・f16554)は、語呂でふと幼馴染の事を思い出しました。
「もふもふ……」
ちらっ。杏は祭莉の頭を見ました。……人狼のふわふわケモ耳を。
「まつりん、歯車に引っかからないようにね」
「アンちゃん、ありがと!」
杏は、祭莉に真白な帽子を被せて、ふわ耳を保護しました。
「ほー」
「ほほー!」
そこへ、祭莉達を追い立てるように、モリフクさまの群れがやってきます。
せっかくモリフクさまと戯れられる機会です。もふチャンスを逃すまいと、パルピは羽を広げました。
危険が危ないダンジョンを駆け巡りながら、杏は【絶望の福音】で、歯車の動きを予知しながら、最悪の事態を避けていきます。
走りながら、周囲に設置された殺人歯車専用レールやブロックの位置も把握できるので一石二鳥です。
「まつりん、こっち」
「わ」
ぐいっ。
杏が祭莉を引っ張ると、ぎりぎりで殺人歯車が戻っていきました。
「アンちゃんすごい! なんでタイミングわかったのー?」
「歯車、同じところ、行ったり来たりしてる」
「あー。ホントだ、一定のリズムで動いてるね? そうするとー」
あちこちに設置されたレール上を行き来する殺人歯車を見て、祭莉は、うーん、と首を捻りました。
「ん、閃いた♪ リズムにはリズム!」
名案! 祭莉は歯車の動きに合わせて、踊り始めました。うきうきと。
「もふもっふもっふ、ふもふっふー♪
ふもっふもっふー、もっふっふー♪」
がったんごっとん。歯車の進行に、祭莉の即席ソング&振付が重なります。
すると、あれだけ恐ろしかった殺人歯車が、なんだか楽しいアトラクションみたいに思えて来ました。不思議。
「ほー」
「ほほー」
モリフクさま達が、祭莉達の周りに集まってきます。今まで来た『転校生』とはちょっと違う事やってるほー、と興味津々でした。
「なんだかおもしろそうね!」
「ほー!」
祭莉ダンスに体が反応していたパルピの方へも、モリフクさまが飛んできます。
ですが、その行く手を阻んだのは、パルピの張り巡らせた、雨紡ぎの糸でした。歯車に加えて、糸もまたモリフクさまの自由な空を邪魔します。
「安心して、歯車に追い込んだりはしないから」
「そう、もふは守る……はっ」
歯車死は避けたい。
そう願う杏の視線に、モリフクさまの背後から迫る歯車、という光景が飛び込んできました。
「もりふくさま、ぴーんち!」
ダッシュ! 杏は、その場でわたわたしていたモリフクさまに体当たりを敢行しました。
もふっ。胸元のもふもふが、杏を至福の感触で包みます。
2人は、何とか歯車の餌食を回避しました。
「ナイスれすきゅー! ホラ、モリフクさまも、こんなかんじで動けば!」
ひょいっ。
祭莉が足を上げたのに合わせて、モリフクさまもひょいっと足を上げました。短いので、体がちょっと傾いた感じです。
「そうそう! そんな感じで歯車、くぐりぬけて、ね?」
「ほー?」
祭莉、ぴょいっ。
モリフクさま、ぴょいっ。
いつの間にか、楽し気な感じになってきました。
「ほら、こっちもこっちも!」
パルピが手を振って、モリフクさまを誘います。
『転校生』のいる方ならむしろ安全安心では? ダンスしてる仲間も楽しそうだし。
そう考えたモリフクさま達は、積極的にパルピの方へと向かいます。
さっ。道すがら、迫って来た歯車を避けるモリフクさま。仲間の二の舞はごめんです。
が、そうやって避けることさえパルピはお見通しでした。
「ほほー!?」
レールのそばに用意していた網に、まんまとかかりました。
ばっさばっさと暴れるモリフクさま目がけ、パルピから白い薔薇の蕾が投じられました。茨が、モリフクさまのもっふりボディを縛り上げてしまいます。
ずずいっ。身動きできないモリフクさまに、パルピが迫ります。
もふっ。もふもふっ。
「至福……!」
モリフクさまが動けないのをいいことに、パルピはもふりました。全力で。もふもふを売りにしている以上、もふられても文句は言えないはずです。
「もふもふを堪能しない歯車にもりふくさまは渡さない」
きりっ。殺鳥未遂の歯車を、杏は睨みました。歯車がすごすごと戻っていきます。
「もりふくさま、ふわっとして心地よくて……」
「ほー」
「心地よく……」
「ほほー」
「はっ」
杏、我に返りました。モリフクさまの顔に、ずぉっ、と悪いヤツの影が差していました。
ダメにされたらそれはそれでアウトです。
気を引き締め直した杏は、引き続きもふもふを堪能し続けました。もふもふ増量の代償は、モリフクさまの命です。
もふもふすると寿命が削れる……高度な作戦!
パルピが、クッションにしたモリフクさまをぽふぽふしました。
「大丈夫! もふられてる君はわたし自身が始末してあげるから! 安心してもふられてね!」
「ほほー!」
安心できるかー!
じったばったとパルピに抗議するモリフクさまでしたが、後の祭りでした。
「さ、骸の海に帰ってね?」
「もふ~ん」
杏にもふられたまま、何だか別の災魔みたいな鳴き声で、モリフクさまがキラキラと消えていきました。
もふもふされると倒される。実例を2つも見せられ、モリフクさまたちに戦慄が走りました。
そこへ、祭莉が、ふっふーん、と胸を張ってみせました。
「アンちゃんのもふ愛は、意外と痛いかもだし? おいらがすっきり、骸の海に戻らせてあげるねー♪」
祭莉は、ぐるぐると腕を回しました。勢いよく。
「せー、のっ! バイバーイ♪」
「ほほーん!」
どっかーん☆
必殺の灰塵拳が、モリフクさまを星に変えました。
そんなこんなで、みんなの活躍で、モリフクさま達は退治されました。
放置しておくとなんだかよくない気がするので、殺人歯車も壊しておきました。
大成功
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