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アクアリウムへ伸びる鮮紅の手

#スペースシップワールド

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#スペースシップワールド


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●幻影アクアリウム
 スペースシップワールドに無数に存在する宇宙船の1つ『エメラルドオーシャン』。
 海を模した巨大なアクアリウムが存在していることから、この名がつけられたという。
 宇宙船の一角にあるそこに足を踏み入れた者は、南国の海のように緑色に輝く海が広がっているのを見ることができるだろう。
「わあ、見てみて、綺麗な海」
「魚たちが泳いでいるだろう? 昔は『惑星』という場所が宇宙中にあったんだ。陸の上にたくさんお水があって、こんな風に魚たちが自由に泳いでいたんだよ」
「そうなんだー。すごいねえ。パパ、私そこに行ってみたい!」
 訪れていた客のうち1組、幼い子供が父親と言葉を交わしている。
 ホログラムによって作り出された海には、やはりホログラムの魚たちが泳ぐ。
 観客は、まるで海の中を歩くような感覚を覚えながらかつて存在した海の生き物たちの生態を見物することができるのだ。
 だが、そこに銀河帝国の魔手が迫っていた。
 予告なしに接近した銀河帝国の艦艇から、鮮血のごときオーラをまとい、赤いエネルギーの剣を手にした騎士が降り立つ。
「――なんとくだらぬ施設だ。帝国の版図に見苦しい懐郷主義など必要ない。滅ぼせ」
 冷酷な一言に従い、赤色をした無数の紐状の物質を束ねて、それにいくつも目をつけたような生き物が人々を襲い始める。
 いちごの匂いが漂い始めると、途端にその空間が爆発する。
 爽やかないちごの香りと共に死と破壊を振りまきながら、大量のスパゲティモンスターたちはアクアリウムを壊滅させ、宇宙船を制圧する。
 猟兵たちがいなければ、そうなるはずだった。

●グリモア猟兵の依頼
「スペースシップワールドで事件が起こるのを予知しました」
 猟兵たちに白金・伶奈(プラチナの先導者・f05249)が呼びかけた。
 銀河帝国によって、大型のアクアリウムを搭載した宇宙船が襲撃されるというのだ。
「アクアリウム……つまり、水族館ですね。本物の魚は存在しませんが、立体映像の海に泳ぐ、立体映像の魚たちを見ることができます」
 本物をそのまま再現したような美しさ――と、スペースシップワールドでは言われている。もっとも、本物の海を見たことがある猟兵の目にどう映るかはわからないが。
 なんにしても伶奈が予知した事件を放置しておけば、そのアクアリウムは見ることができなくなってしまう。
「幸いなことに、まだ襲撃は行われておりません。接近する銀河帝国の艦艇に乗り込み、オブリビオンを撃破することができればアクアリウムを守ることができるでしょう」
 襲撃する艦艇にはテレポートで乗り込むことができる。
 中には大量の『空飛ぶいちご味スパゲティモンスター』がいるという。
「鼻腔をつく爽やかないちごの香りを漂わせているのですが、この香りは危険です。どういう理屈かは不明ですが、香りを浴びると爆発します。比喩ではありません」
 また、汁気を出して自分や周囲に存在するものの摩擦係数を極限まで減らし、移動や攻撃を妨げることもできるようだ。
 空中に体当たりを繰り返しながら連続でジャンプを行い、飛行に近い機動能力を発揮することもできる。
「スパゲティモンスターを倒しながら、指揮官である帝国の騎士がいる場所を目指すことになります」
 騎士の居場所ははっきりわかっていないが、普通に考えれば操縦室にいるだろう。
 もちろん、騎士自身はスパゲティモンスターをはるかに超える戦闘能力を持っているので、注意が必要だ。
「無事に宇宙船を撃退したら、アクアリウムを見物していってもいいでしょう。きっと、綺麗だと思いますよ」
 そのためにも、まずは接近してくる銀河帝国を阻止しなければならない。
 守れるのは、猟兵たちだけなのだ。


青葉桂都
 おはようございます、青葉桂都(あおば・けいと)です。
 今回はスペースシップワールドで、水族館の宇宙船を襲う銀河帝国を阻止していただきます。

●戦場について
 襲撃を行おうとしている銀河帝国の艦艇側にグリモア猟兵の力でテレポートし、逆に襲撃をかけることになります。
 オープニングの襲撃描写はあくまで予知であり、帝国艦はシナリオ開始時点ではまだ目的の宇宙船に到達していません。

●スパゲティモンスター
 襲撃を行う帝国の艦艇内に無数に存在するスパゲティ状のモンスターです。
 このモンスターを倒しながら、ボスである帝国騎士のもとに向かうのが第1章の目的になります。あるいは倒し続けていればいずれ敵のほうから現れるかもしれません。

 船やモンスターを運用するための兵士もいるでしょうが、基本的に戦闘には加わってこないと考えてください。

●帝国騎士
 襲撃を行う帝国艦の指揮官で、今回のボスになります。
 赤いオーラの剣を持ち、超能力も操る強敵です。戦うのは第2章になります。

●エメラルドオーシャン
 今回襲撃を受ける宇宙船で、立体映像の水族館があるのが特徴となっています。
 ただし、戦場にはまだなっていません。敵と戦う舞台は接近してくる銀河帝国の艦艇内になりますので、ご注意ください。
 無事にスパゲティモンスターと帝国騎士勝つことができれば、第3章ではアクアリウムを楽しんでいくことができるでしょう。

 ご参加いただければ幸いです。
 どうぞよろしくお願いいたします。
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第1章 集団戦 『空飛ぶいちご味スパゲッティモンスター』

POW   :    いちご味
【鼻腔をつく爽やかないちごの香り】が命中した対象を爆破し、更に互いを【味の固定概念への疑問】で繋ぐ。
SPD   :    できたてパスタぁ!
【汁気を出すことで】、自身や対象の摩擦抵抗を極限まで減らす。
WIZ   :    空を飛ぶ
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ヒカゲ・カタワレ
私もこの世界で造られた実験体…だけどアレといっしょにしてほしくないなぁ…。
さておき危険な相手なのは確かだし、香りが爆発するってんなら近づきたくないよね!
ということで私の【試作型刻印 触手仕様】なら近づかなくても攻撃できるでしょ!
まぁ多少爆発に巻き込まれる気もするけど【捨て身の一撃】ででも数を減らすよ!
こういうところさ、なじみはないけど大事なんだってのは分かるんだ。
だからちょっと頑張っちゃおうかな。


マハティ・キースリング
アクアリウムの擬似熱帯魚の代わりに赤黒の理解に苦しむ生物が泳いでる、綺麗だね~
そんなわけあるか

存在だけでも見目麗しくないというのに
眼が一杯あってうにょうにょしてしかもすばしっこく一杯いる
やつは悪魔だ……

敵艦なら、別に不幸にも隕石が衝突してもいいよね
バンバン砲撃を撒いてヘイトを稼ぎ
スペースシップのハッチ周辺まで化け物共を引き付け、UC発動
私目掛けて落ちてくる隕石で艇に穴を開けて押し潰し、ついでにふわふわ浮いている悪魔を宇宙空間に放り出す
最後に緊急シャッターで穴を塞ぎ
自分ごと投げ出されていたら鎧装騎兵のプラズマジェットで艦内まで戻ろう

……あいつら宇宙でも生きてたりしないだろうな



●モンスターどもを放り出せ
 テレポートしてきた宇宙船内は、ほどなく異様な光景となった。
 空中を無秩序に飛び回るスパゲティモンスターたち。その存在だけでも十分に異様だが、さらにいちごに似た赤色をしているとなれば異常性はさらに高まる。
「アクアリウムの擬似熱帯魚の代わりに赤黒の理解に苦しむ生物が泳いでる、綺麗だね~」
 言葉を発したのは、マハティ・キースリング(はぐれ砲兵・f00682)だった。
 大雑把で明るく前向きなのが彼女の特徴ではあるが、しかし少しばかり前向きすぎる発言だと聞いたものは感じたかもしれない。
「……って、そんなわけあるか」
 もとい、さすがのマハティもすでに精神は限界を突破していた。
「私もこの世界で造られた実験体……だけどアレといっしょにしてほしくないなぁ……」
 セーラー服を身につけた少女が言った。ヒカゲ・カタワレ(ソル・エンバー・f03017)はそのまま疲れた息を吐く。
「存在だけでも見目麗しくないというのに、眼が一杯あってうにょうにょしてしかもすばしっこく一杯いる。やつは悪魔だ……」
 マハティの言葉に、ヒカゲは頷く。
「危険な相手なのは確かだし、香りが爆発するってんなら近づきたくないよね!」
 ヒカゲの背中から触手が伸びる。彼女専用に調整された刻印から伸びたそれは、スパゲティモンスターに絡みつく。
 敵は周囲を爆発させるが、まだ本人を巻き込むほどの距離ではない。
 触手はオブリビオンを引きちぎり、撃破していく。だが、敵は次から次へと通路の向こうから迫ってくる。
「あいつらを外に放り出そう」
「それができたらいいけど、でもどうやって?」
 マハティの言葉にヒカゲが聞いた。
「ここは敵艦だからな。不幸にも隕石が衝突してもいいだろう?」
 黒迷彩のアームドフォートから放たれる砲撃で敵を攻撃しながら、マハティは言った。
 体から外れることのない呪いの大砲が、今日は敵に対する呪いとなってくれるはずだ。
「あいつらをハッチまで誘導しよう」
「うん」
 敵と共にイチゴの香りが迫ってきて、そして爆発が2人にも襲ってきた。いったいどんな理屈で香りが爆発するのかはわからないが、バカにできない威力であることは間違いない。
 外につながるハッチを見つけると、マハティはその前に立った。
 異形の怪物が、イチゴの香りと爆発を伴って迫ってくる。
「コイツに呪われたからか、帝国軍の攻撃か、ただ運が悪いのか、これが解らないんだ」
 ただ、間違いなく今、賞金首の彼女を狙って飛んでくるものがある。
 スパゲティモンスターが起こすよりもはるかに大きな爆発が、マハティの背後で起こった。
「マハティさん!」
 爆発の中に隠れた彼女へとヒカゲは呼びかけた。
 だが、答えの代わりに宇宙船から空気の漏れる音が聞こえてきた。
 スパゲティモンスターたちがハッチから外に吸い出されていく。
 少なくない敵が飛ばされる中、ヒカゲは壁につかまって耐えようとしている敵がいるのに気づいた。
「ああいうところさ、なじみはないけど大事なんだってのは分かるんだ。だからちょっと頑張っちゃおうかな」
 自分も吹き飛ばされる危険を犯して接近し、捨て身の攻撃で吹き飛ばす。
 入れ替わりにプラズマジェットを使ってマハティが戻ってきた。
「よかった、無事だったんだ」
「なんとかね。うまくいってよかったよ」
 緊急シャッターを見つけ出して下ろしながら、マハティがヒカゲに応じた。
 これでスパゲティ・モンスターはかなり数を減らしたはずだ。仲間たちのところに戻りながら、2人はさらに残った敵を減らすべく攻撃をしかけた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アロ・ソロ
オブリビオンとはいえ娯楽を解せないとは狭量、あとシリアスるには連れてるモンスターがネタ過ぎて無理でしょ。成敗成敗。
【SPD】
本体が麺類なのと摩擦抵抗なくすとかってのを考えると刺突や斬撃は効果が薄そう。『アマリア』の魔法で「属性攻撃」、食べ物なら火を通すのがいいかな?炎の魔法で固定砲台よろしく。空中での機動力もあるって話だから、飛んでるのは『ヴェスパ』の「誘導弾」でロックオンして確実に落としていきたいなー。
キャラクターが抜かれたら『フォースセイバー』で対応だね。
香りで爆発(物理)らしいけど、テレビウムの自分にも効果あるんだろうか?まー爆発したらしたで仕方ない。UC発動してやり返すとしよーか。


ブイバル・ブランドー
【SPD】
この船、なんか滅茶苦茶甘ったりぃニオイしてるぞ?

まあとりあえず、ここはスピーディに突破する方針で行くぜ!
【早業】に【2回攻撃】、そして極め付けにSPDタイプのユーベルコードで手数を多くしてどんどんスパゲッティをなぎ倒していく!

汁を出されて回避されたらそれはそれでもうしょうがねぇから、1匹1匹に気を取るよりは、全体的にダメージを与えていくことに徹するぜ!他の皆が弱った奴らをバッチリ仕留めてくれるだろうからな!



●駆け抜ける猟兵たち
 通路をふさいでいたスパゲティ・モンスターたちの数が減ったところで、猟兵たちは宇宙船の内部を進み始めた。
「この船、なんか滅茶苦茶甘ったりぃニオイしてるぞ?」
 ブイバル・ブランドー(ソニックアタッカー・f05082)が両肩についた車輪を回転させながら不満を述べる。
「そうですねえ。どう考えても、連れてるモンスターがネタ過ぎで、シリアスるのは無理ですね。予知ではなにか語っていたそうですけれど」
 テレビ画面を敵へと向けたままで、テレビウムのアロ・ソロ(賑やかな孤独・f11947)は宇宙船内をふよふよと漂う。
「オブリビオンとはいえ娯楽を解さないとは狭量ですね。成敗成敗」
 のんびりとした調子で言いながら彼は携帯ゲーム機を手に戦いを始めた。
 もちろんそれが遊ぶためのアイテムではなく、ゲームのキャラクターを召喚して襲い来る敵を迎え撃つための武器だということを、猟兵なら誰でも知っている。
「刺突や斬撃は効果が薄そうですからね。アマリア、頼みますよ。固定砲台をよろしく」
 4属性を操る魔女の名を呼び、アロは炎の魔法を放たせる。
 敵が食品なら、さらに炎を加えるのが有効ではないかと考えたのだ。
 ゲームの魔法さながらに、渦を巻いた炎がスパゲティ・モンスターを焼く。
「派手な攻撃だな。そんじゃ、オレも派手にかっ飛ばすとするか!」
 ウォーマシンのブイバルは自らの体を赤と金で彩られたバイク形態に変えて、スパゲティ・モンスターの群れに突入する。
「ここはスピーディに突破する方針で行くぜ!」
 素早い動きで、連続して敵を轢きつぶす。
 ブイバルの車輪は加速を重ね、ついには音速を超えた。
 敵の中には茹で上がった汁を出して車輪を滑らせて防いでくるものもいたが、その1つ1つを気にしたりはしない。
 ごちゃごちゃ考えるよりスピード任せにすっ飛んでいくのがブイバルの戦い方だ。
「まとめてダメージを与えておくぜ! そしたらバッチリ仕留めておいてくれるだろ?」
 後方で戦っているアロや他の猟兵たちに言葉を投げかけ、ブイバルは通路を突っ走る。
「それじゃ、ヴェスパで仕留めさせてもらおうかね」
 アロが呟いた名は多彩な兵器を装備したSTG機の最終強化形態だ。
 誘導弾がアマリアの魔法やブイバルの突撃で傷ついた敵を撃ち落としていく。
 時に本人まで接近されることもある。イチゴの香りと共に爆発を受けるが、アロはそれを顔に写し出して逆にスパゲティモンスターを爆破し返していた。
「香りでテレビウムの自分やウォーマシンでも爆発させるなんて理不尽な話ですけどね」
 駆け抜けるブイバルをヴェスパが追い、その後ろからアロや他の猟兵たちが走る。
 宇宙船のブリッジまで、もうすぐたどり着けるはずだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

髪塚・鍬丸
「水族館船たぁ、粋な船じゃねぇか。ぶっ壊そうなんざ、ふざけた野郎どもだぜ。」
海の無い世界への悲哀も感じるが、どの世界もお互い様だ。素直に風流を讃えよう。

敵艦内に転送されたら【先制攻撃】で先手を取って攻撃していこう。
【求蓋の外法】で自己強化しつつ、視界にモンスター達を捉えたら手裏剣で攻撃。回避されない様【2回攻撃】【範囲攻撃】で複数の手裏剣を同時に投げ、線ではなく面で攻撃。
摩擦を減らされ滑るなら、目を狙うなり皮膚に対して直角に当てるなりしよう。【念動力】【誘導弾】【風閂】で投げた手裏剣の軌道を曲げる。
自身の摩擦を減らされたら【念動力】【風閂】【空中戦】で自分の体を宙に張った糸で固定し投擲する。



●たどり着いた操縦室
 宇宙船の通路にイチゴ味のスパゲティ。モンスターたちの残骸が飛び散っていた。
 鮮烈だった香りはまだ残っているが、もう爆発を起こす力はないようだ。もっとも、そもそもどんな理屈で爆発しているのかはいまだにわからなかったが。
「水族館船たぁ、粋な船じゃねぇか。ぶっ壊そうなんざ、ふざけた野郎どもだぜ」
 緑色の軌跡を通路に描きながら髪塚・鍬丸(人間の化身忍者・f10718)が駆けていく。
 下忍として育てられた彼だが、粋なものがなんなのかくらいはわかる。いや、むしろ下忍として生まれたからこそなのか。
 もっとも、くだんの船の粋は海がない世界の悲哀と表裏一体ではあるが……。
 宇宙の粋を守るためにもまずは戦わなければならない。鋤丸の目の前に広がるスパゲティ・モンスターまみれの通路は、なにをどう考えても粋ではない。
 操縦室の扉が見えてきた。その前にまだ残っているスパゲティ・モンスターたちも鋤丸の視界に入る。
「臨む兵、闘う者、皆 陣列べて前を行く」
 即座に九字を切り、外法を発動させて彼は未来の可能性を召喚する。
 未来の可能性に操られるままに、鋤丸は素早く両手に構えた手裏剣を連続で放った。通路をふさぐイチゴ色のモンスターたちを手裏剣が貫いていく。
 手裏剣は敵の多くを貫くが、離れた位置にいる敵は汁気を吹き出して攻撃を滑らせる。 空中に体当たりを繰り返しながら高速で接近してきたスパゲティ・モンスターは、通路に汁気を流して鋤丸の体までも滑らせてきた。
「なんの!」
 だが、今よりもさらに先、成長を遂げた鋤丸はその攻撃にも対応する。
 とっさに飛ばした糸が彼の体を空中に固定した。体の真下をイチゴの香りが通り過ぎ、爆発が体を浮かばせる。
 念動力で操った手裏剣が軌道を変えて敵の目に突き刺さる。
 さらなる爆発を背後に残して、鋤丸は一気に通路を駆け抜けた。
 他の猟兵たちもそれぞれにスパゲティ・モンスターに対抗しながら通路を進んでいた。
 今やほとんどのモンスターは倒れ、オブリビオンが操る宇宙船の操縦席は、もう目の前まで迫っていた。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『帝国騎士』

POW   :    インペリアルブレイド
【念動力を宿した「飛ぶ斬撃」】が命中した対象を爆破し、更に互いを【念動力の鎖】で繋ぐ。
SPD   :    ダークフォースバリア
自身に【鮮血の如きオーラ】をまとい、高速移動と【赤黒い電撃】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    インペリアルフラッグ
【念動力で形成した帝国の旗】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を『帝国の領土』であると見る者に認識させ】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●騎士の出陣
 猟兵の1人が手を伸ばしたところで、操縦室の扉が音もなく開いた。
 半円形をした部屋の中央で無骨で巨大な船長席の椅子がこちらを向いており、帝国の騎士がそこに座って猟兵たちを見ている。
 部屋にいるのはどうやら彼だけのようだ。
 壁際に船長席以外にもいくつか席があるが、誰も座っていない。
 赤黒いオーラが体から立ち上ったかと思うと、瞬きする間に敵は立ち上がっていた。
 右の手にはすでに剣を抜いていた。赤く輝くエネルギーの剣。イチゴ味のスパゲティ・モンスターたちも赤かったが、騎士の剣はより禍々しい雰囲気を持つ赤だ。
 操縦室に存在する無数の機器は、誰も手を触れていないにも関わらず勝手に動き、今もなお『エメラルドオーシャン』へと近づいているようだ。
 おそらく騎士の力が船を動かしているのだ。扉を開けたのも同じ力だろう。
「……乗船を許可した覚えはないのだがな」
 自分がこれから行おうとしていることを棚に上げて、帝国騎士が告げた。
 剣を持っているのとは逆の手に、赤い光で帝国の旗が生み出された。
 船長席の椅子とコンソール以外に、障害物になりそうなものは見当たらない。
 前方の大きなディスプレイと椅子の間には星図が浮かんでいるが、ホログラムのそれは戦いの障害にはなるまい。誰も座っていない他の椅子はすべて壁際に並んでいる。
「偉大なる銀河帝国の船に土足で踏み込む不作法者ども――騎士の誇りに賭けて1人も生かしては帰さん!」
 念動力で形作った剣を振り上げ、帝国騎士は猟兵たちに襲いかかってきた。
アロ・ソロ
おおこりゃ失敬失敬、ちゃんと話は通しておくべきでしたねぇ…あなた達を倒しまーすって。というワケでーこの後アクアリウム散策が待ってるのでーさっさか倒れてくださいねー。
しかし部下連れずに一人だし、佇まいからして強い感じビンビンだなー。自分は変わらずヴェスパに乗ったまま飛び回って、搭載火器フル稼働で空間的な戦闘で気を散らそうか。正面戦闘はセリンとタウロン、お互い別方向から力と手数で仕掛けて貰おう。他の猟兵とも少しずつタイミングをずらして休みなく攻め続けて情報処理能力に負荷をかけるように。自分はあなたと違って個の力は弱いのでねー頼もしい味方に頼るんだ。悪しからずー。
敵UC被弾したらUCでお返しだー。


ブイバル・ブランドー
スパゲッティ船の奥にはどんな変質者がいるのかと思えば、中々気骨のありそうなやつだぜ…!

【ATK】
恐らく、真の姿になったとはいえオレのスペックでは正攻法で討てる敵じゃねぇ。騎士の誇りがどうとか言う辺り、相手はかなりの優等生だろうな

奴のPOWユーベルコード…斬撃で爆破した後、念動力の鎖で繋ぐんだろ?ならばその攻撃、利用させてもらうぜ!タイミングを見計らってあえてその攻撃を受ける!

多分、鎖で互いを繋ぐのは迫撃を確実に喰らわせるためのものだ。

奴が攻撃を当てやすくなるのは当然だが、逆もまた然り。
繋がれた側も当てやすくなる筈だぜ。そこで奴が攻撃するより先に【早業】、【二回攻撃】でオレのUCをお見舞いする!


ヒカゲ・カタワレ
こちらも乗船を許可された覚えも申請した覚えもないよー。
とか言ってられる相手じゃないんだよね。
高速移動が可能ならユーべルコード【異形の印】!
触腕で捕まえちゃうよ。むこうの念動力の鎖とやらもこっちで引き受けて囮になる。
こうみえて【怪力】持ちのパワーキャラなんだから"私とは"真っ向勝負してもらう…。
…こっちは騎士でもなんでもないんだから、みんなで囲んでかかっても卑怯じゃないんだなー!



●操縦室の攻防
「おおこりゃ失敬失敬、ちゃんと話は通しておくべきでしたねぇ……あなた達を倒しまーすって」
 最強形態の戦闘機に乗ったまま、アロが告げた。
「戯れ言を言いにここまで来たのか」
 鼻を鳴らしてみせる騎士の周囲をゲームキャラクターの戦闘機が旋回する。
「そんなつもりはありませんよー。戯れ言にじゃなくて本気ですからねえ。というワケでーこの後アクアリウム散策が待ってるのでーさっさか倒れてくださいねー」
 重戦闘機から放つ弾丸を騎士のエネルギー剣が切り落とす。
 もっとも手練の帝国騎士と言えども攻撃のすべてを防ぎきることなどできはしない。
 弾丸の一部が命中する……と、思った瞬間、赤黒いオーラが騎士の体を包んだ。高速で移動して、オブリビオンはヴェスパの弾丸をかわしてみせる。
「しかし部下連れずに一人だし、佇まいからして強い感じビンビンだなー」
 だが、攻撃をかわされても、アロは動揺しなかった。
 攻撃をかわした先で、両肩に車輪をつけたウォーマシンとセーラー服を着た少女が、騎士へと接近していくのがテレビウムの画面に映っていた。
「スパゲッティ船の奥にはどんな変質者がいるのかと思えば、中々気骨のありそうなやつだぜ……!」
 真の姿を現しながらブイバルが突撃をしかけるが、また赤黒いオーラを放って高速移動し、その攻撃を回避する。
「こちらも乗船を許可された覚えも申請した覚えもないよー。……とか言ってられる相手じゃないんだよね」
「ああ。予想通り、オレのスペックじゃ正攻法で撃てる相手じゃねぇ。だが……」
 ヒカゲの言葉にブイバルが頷く。
「ならまずは動きを止めてやらなきゃね」
 少女の背中に施された刻印から触腕が伸びた。命中率を重視して敵を追いかけた腕が帝国騎士に巻き付き、捕まえる。
「邪魔だっ――!」
 とっさに騎士がエネルギーの剣を振るう。
 輝く刀身は届かなかった。だが、斬撃は少女の体を捉え、爆発させる。
 吹き飛ばされぬよう彼女は足に力を入れる。だが、その必要はなかった斬られた身体が念動力の鎖によって縛られていたからだ。
「捕まえたつもりなのかな? それはこっちのほうだよ!」
 ヒカゲは縛られた身体に力を込めた。
「こうみえてパワーキャラなんだから『私とは』真っ向勝負してもらう……」
 追撃をしかけてきた騎士を鉄塊剣で迎え撃とうとする。それをすり抜けるようにエネルギーの剣がヒカゲに命中するが、少女は倒れなかった。
 触腕を引き寄せて騎士の動きを止めたところに、ブイバルが銃火器を撃った。
 さらにタイミングをずらしてアロも攻撃をしかける。槍兵の『セリン』と人馬一体の剣士『タウロン』、2人のキャラクターが別々の方向から敵へと迫る。
「ちょこまかとまとわりついてきおって……群れねば戦えぬ者どもがっ!」
 苛立たしげに敵が叫んだ。叫ぶと同時にまた赤黒いオーラをまとって電撃を放つ。
「……こっちは騎士でもなんでもないんだから、みんなで囲んでかかっても卑怯じゃないんだなー!」
 電撃に焼かれながらもヒカゲが応じた。
「自分はあなたと違って個の力は弱いのでねー頼もしい味方に頼るんだ。悪しからずー」
 ヴェスパで背後に回り込んだアロがさらに攻撃をしかけた。
 エネルギーの剣で触腕を切り落とし、騎士がアロへと振り向く。
 飛ぶ斬撃を、今度はアロへと放とうとしている。
 だが、ブイバルはその攻撃を待ち構えていた。
「その攻撃、利用させてもらうぜ!」
「なんのつもりだ? 貴様から死にたいというわけか?」
 爆発したウォーマシンの体を念動力の鎖でとらえたまま騎士がブイバルへ接近する。
「思った通り、騎士の誇りがどうとか言う辺り、あんたかなりの優等生らしいな。鎖でつなげば攻撃を当てやすくなるだろうが、逆もまた然りだぜ!」
 オーラをまとって高速で接近してこようとする敵よりも素早く、ブイバルはスクラップを用いて鋼の拳を作り出した。
「オォォオバァヒィィト!」
 追撃の剣が命中する直前に強烈な拳が騎士へと命中した。
 騎士が吹き飛び、念動力の鎖がちぎれた。操縦室の壁にぶつかった騎士が倒れこむ。
「よくもこの私に恥をかかせてくれたな!」
 だが、怒りの声を上げる騎士は、まだ戦う力を残しているようだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

髪塚・鍬丸
「邪魔するぜ、騎士さん。宣戦布告もなしにわりぃが、ちょいと侵略させて貰おうか。……髪塚鍬彦、推して参る。」

【求蓋の外法】を使用。『修行を極めれば至れるかもしれない境地』の可能性を召喚、身を任せる。
敵は高機動力と遠近自在の攻撃を使いこなす。なら俺も、敵との間合いに応じて刀での接近戦と手裏剣での遠距離戦を使い分け、【猿飛の術】での三次元機動で正面から対抗。同じ土俵に上がれば後は地力の勝負。俺の可能性がこいつに至れるか、だ。【戦闘知識】【2回攻撃】【空中戦】【見切り】で戦う。

接近戦の間合いに入れれば、【フェイント】【残像】【暗殺】で鎧の隙間から急所を狙う。同じ土俵で正々堂々戦ったのはこの瞬間の為さ。


触叢・アン
仲間らが戦ってるのを確認し、忍び足5・暗殺2・騎乗6・操縦8を駆使し、敵の脇腹目がけ鎧無視攻撃7っ、で宇宙原付ど~~~ん!
「ほれ、ど~~~ん」
その弾みで…騎乗6、操縦8、逃げ足4、ジャンプ、地形の利用、等と機体に付いたワイヤーを活用しそのまま高い場所に移動

「ほんならまぁ、ここで決めちゃらぁ!(タンクトップ破り捨て)」
ミリオンライドアタック(+鎧無視攻撃7)、それは宇宙エネルギーをその身に吸収し体内生成した幻影分身を放出…つまり露出が多いほど分身が増えその威力が増すのだ!
「とぉ! ふぅらっしゅ!Ah~~~♪」
敵目がけ降り注ぐ無数の原付サーフィン乗りセクシーネーチャン、それが1点に集束し蹴り貫く!



●帝国の領地を侵略せよ
 痛打を受けながらも立ち上がった帝国騎士は、念動力で赤黒く光る旗を作り上げた。
 振り下ろしたそれは誰にも命中しない。だが禍々しい光を撒き散らして揺らめくその旗は、見る者にここが帝国の領地であることを強く認識させる。
「銀河帝国の名にかけて、この艦も私も沈むわけにはゆかぬ! 踏み込むならば、覚悟するがいい!」
 むろん猟兵たちに帝国を畏怖する感情などあるはずもないが、しかしそれでも気圧されてしまうのは、その旗に精神に作用するなんらかの力があるためか。
 だが、猟兵たちは旗の力を超えて前進する。
「邪魔するぜ、騎士さん。宣戦布告もなしにわりぃが、ちょいと侵略させて貰おうか」
 告げたのは緑に輝くバイザーをつけた忍者だ。もっとも心根はもはや忍者ではないが。
「……髪塚鍬丸、推して参る」
 外法を用いて身に下ろすのは、彼の未来の可能性。修行を極めれば、いずれ至れるかもしれない境地を体得した自分。
 帝国の領地へと踏み込んだ鋤丸は松明丸の名を持つ刀を振るい、騎士が手にしたエネルギーの剣と切り結ぶ。
 断続的に高速移動する騎士に、宙を蹴って三次元的な機動で鋤丸は対決する。
 他の猟兵たちも騎士へと攻撃を加えている。
 操縦室の入り口の辺りから猛烈な勢いで騎士へと突撃をしかけた者がいた。
「ほれ、ど~~~ん」
 宇宙原付にセットされたビーム衝角による体当たりが帝国騎士の側面からぶち当たる。
 触叢・アン(銀河疾風・f01011)はタンクトップに収まり切らない胸を揺らして、突進してきたのだ。
 彼女はそのままワイヤーを利用して跳躍し、操縦室の中央にある椅子に飛び乗る。
 吹き飛ばされた帝国騎士が、空中で一回転をしながら赤黒いオーラをまとい、猟兵たちへと電撃を放った。
 鋤丸が電撃を飛び越えて跳躍し、空中で手裏剣を放つ。
 手裏剣をエネルギー剣が切り落とすが、しかし連続で放っていた2つ目の手裏剣が帝国騎士へと突き刺さった。
「ほんならまぁ、ここで決めちゃらぁ!」
 訛りが強い声でアンが叫んだ。
 攻防の間に、彼女は身に着けていたタンクトップを破り捨てていた。
「なんのつもりだ!?」
 騎士が問いかけてくるが、無論答えてやる義理はない。
 アンは宇宙エネルギーを身体に吸収して使う技を発動しようとしていたのだ。宇宙のエネルギーは露出している部分が多いほど吸収しやすくなる。
 鋤丸との空中戦を繰り広げている帝国騎士にそれを防ぐ術はない。
 操縦室いっぱいに、破れたタンクトップの上からデニムの上着だけを羽織ったセクシーな女性が出現する。
「とぉ! ふぅらっしゅ! Ah~~~♪」
 原付サーフィンに乗った無数のアンが一点に集中し、帝国騎士を貫いた。
「格好もすごいが、やることもすごいな、あんた」
 鋤丸の言葉に、口の端をあげてアンが応じる。
「く……妙な技を!」
 深い傷を負った帝国騎士がオーラをまとい、一瞬のうちに1人に戻ったアンと鋤丸の間に踏み込んできた。
 神速の斬撃が2人を薙ぎ払う……だが、斬られた瞬間、鋤丸の姿が消えた。
 残像だけを残して、忍者は騎士の背後に接近していたのだ。
「悪いな。真正面から戦っていたのはこの瞬間のためなんでね」
 鎧の継ぎ目から、深々と刃が突き刺さっていた。
 血を吐いた騎士が、また赤黒いオーラをまとう。
「まだだ! ここで負けるわけにはいかんのだ!」
 もはや寿命を気にすることもなく撒き散らされる電撃が、操縦室を荒れ狂う。
 だが、それは騎士の命が尽きようとしていることを示していた。
 最後の抵抗が行われる中、宇宙船はなおもエメラルドオーシャンへ近づいていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

シーマリネィア・シーン
「皆さん、遅くなってごめんなさい!参戦します!」
「貴方が首謀者ですね!不埒な侵略もここまでです!観念して下さい!」
と剣を垂直に構えて、騎士として正式な開戦の礼を行います。

ドラゴンに乗って、エストックで騎乗突撃を仕掛けます。
小柄な体格と、自身の羽にドラゴンの翼を合わせた機動力で敵の攻撃をかわしつつ、移動力を乗せた刺突で攻撃を積み重ねます。
鎖で繋がれ機動力を奪われたら、覚悟を決めて勝負を仕掛けます。
ドラゴンをランスの形状に返還。全長3mの突撃槍を抱え、防御を捨てた全力移動で突貫。突き刺さったらそのままランスを小型のドラゴンに再転換、体内をブレスで焼き払います!

水族館を楽しむ為にも、頑張りますよ!



●駆けつけた竜騎士
 開けっ放しになっていた操縦室の扉から、飛び込んでくる者がいた。
「皆さん、遅くなってごめんなさい! 参戦します!」
 竜に乗って剣を構えているのは、シーマリネィア・シーン(フェアリーのパラディン・f12208)だった。
 漆黒の髪を持つフェアリーは、小さな体で赤黒いオーラをまとう帝国騎士と対峙する。
「貴方が首謀者ですね! 私はシーマリネィア・シーン! 不埒な侵略もここまでです! 観念して下さい!」
 オブリビオンに対しても騎士としての礼を失することなく、彼女は名乗りを上げた。
 そして、フェアリーに合わせて作られた白金のエストックを構えて突撃する。
「何人でも来るがいい! 銀河帝国の名のもとに、すべて滅ぼしてやる!」
 重傷を負っているものの、帝国騎士は目にもとまらぬ速度で操縦室内を移動する。もはや寿命を気にする気はないようだ。
 騎士の放つ雷鳴が操縦室内を乱舞し、シーマリネィアへと襲いかかる。
 だが、網の目のように広がりながらも雷撃はその体に触れることはなかった。
「素早い動きですが、私には追いつけません!」
 竜の羽ばたきと妖精の羽ばたきが重なり合い、加速と減速を繰り返しながら彼女は敵の攻撃をすり抜け、エストックで幾度も敵の体を貫く。
「ちょこまかと……目障りだ!」
 すれ違いざまに騎士がエネルギーの剣を振り下ろす。シーマリネィアはそれを避けて横を通過した。
 だが、刀身を避けてもそこから飛んだ波動まではかわせなかった。
 フェアリーの小さな体が切り裂かれ、念動力の鎖がその体に絡みつく。
「これでもう逃げられんぞ……」
「確かに、そうですね……だったら!」
 身体が引き寄せられるのを感じた瞬間、シーマリネィアは乗っていたドラゴンをランスへと変化させた。
 鎖で引き寄せられる勢いを利用し、自分の10倍以上も長さのある槍を抱えて帝国騎士へと突撃をかける。
 騎士と妖精が正面からぶつかり合う。
 エネルギーの刃がシーマリネィアの肩に食い込んでいた。
 だが同時に、ドラゴンが変じた槍が敵の胴体を貫いている。
「マリクリール、ブレスを!」
 シーマリネィアの命令に応じてランスが小型のドラゴンに戻り、ブレスを吐いた。
 貫いた傷跡から炎が広がり、帝国騎士の姿がその中に消えていく。
「勝てましたか……。頑張りましたから、ゆっくり水族館を楽しみたいですね」
 傷口を押さえながら、シーマリネィアは呟く。
 騎士が消滅すると操縦室内の計器類がいっせいに停止した。おそらく念動力で帝国騎士が操っていたのだろう。
 狙われた宇宙船、エメラルドオーシャンの危機は回避されたのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『スペースアクアリウム』

POW   :    歩き回って楽しむ

SPD   :    自分のデザインした生き物を泳がせる

WIZ   :    音楽などで雰囲気を演出する

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●幻影のアクアリウム
 戦力を失った宇宙船から猟兵たちが降り立つと、エメラルドオーシャンの人々は歓声を上げて彼らを迎え入れた。
 手当てや武具の破損の修理は宇宙船の人々が申し出てくれる。
 そして、人々は猟兵たちに、是非とも宇宙船が誇るアクアリウムを見物していってほしいと言ってきた。
 普通に散策するもよし。望むなら自分の好きな生き物や、自分で考えた生き物を泳がせることも可能だという。
 ここはすべてホログラムでできているので、表示は自由自在だ。
 得意分野によっては他の猟兵たちや見物人のために、音楽を奏でるなどしてアクアリウムの空間を演出して楽しむこともできるだろう。
 いずれにしても、住民たちは猟兵に感謝している。
 思うままに楽しんでいってほしいと、彼らは言った。
髪塚・鍬丸
SPD使用。

何とか勝てたみたいだな。後は、ゆっくりアクアリウムを楽しもうか。
まずはこの船の人達が作った映像の海を眺めさせて貰おう。
本物を見た事がないのに、これだけのものを作れるってのは凄いもんだねぇ、人間ってのは。純粋な分、侘び寂びすら感じるってもんだ。

良いもんを見せて貰った礼と言っちゃあ何だが、故郷の南の海で見たイワシの群れを映像にして披露させて貰おうか。銀色に光る小さな魚が群れになって大きな魚の姿を模して、大きくうねりながら泳いでるんだ。ありゃあ凄かったぜ。
あの臨場感をどこまで再現出来るか、一つ腕の見せ所だ。船の皆も、良かったら楽しんでやってくんな。


アロ・ソロ
いやーここまで歓迎してもらえるなんて、猟兵冥利に尽きるってものですねー。お言葉に甘えて、のーんびりさせてもらいましょー。

まずは普通に散策。ほーほー、これがアクアリウムかー。ホログラムとは言え…いや、ホログラムだからこそ幻想的だし没入感も得られるって感じかなー。
え、自分の考えたナニカを泳がせることもできるんです?なるほどなるほど面白そう。じゃあそうだな…この前UDCアースで戦った巨大マグロ(邪神)を。サイズはあれ、鯨くらいだったかなー。実際見たからディテールは任せろー。
これは嘘のようなホントの話。世界は喜びと驚きに満ちているんだよって、この船の皆にも知って貰えたら自分も嬉しいよー。



●故郷の魚
 宇宙船エメラルドオーシャンの住民たちは、銀河帝国の宇宙船を撃退した猟兵たちを歓喜の声で迎えた。
「いやーここまで歓迎してもらえるなんて、猟兵冥利に尽きるってものですねー。お言葉に甘えて、のーんびりさせてもらいましょー」
 アロが画面に人々の笑顔を映しながら言った。
「感謝されて悪い気はしないよな。後は、アクアリウムをゆっくり楽しませてもらおうか」
 鍬丸が下半分だけ覗いた顔に微笑を浮かべていた。
 他に戦いに参加していた猟兵たちもそれぞれに歓待を受けているようだ。
 休息や手当を終えればそのまま帰ることももちろんできたが、アロや鍬丸を含む幾人かはその船が誇るアクアリウムを見物に行くことにした。
 無機質な通路を抜け、真っ暗な入り口を通る。
 視界が一気に鮮やかな色へと塗り変わった。
 紺碧の空間に、いつの間にか立っていることに気づく。
 頭上からは宝石のように揺らめく光が海水を通して降り注いでいた。そして、光の中を熱帯のカラフルな魚たちが自在に泳ぎ回る。
 いや、熱帯の魚だけではない。大小さまざまな魚が猟兵たちの回りを通りすぎては消えていく。
 頭上の彼方、擬似的に作り出された水面に見える巨大な影は鯨だろうか? 斜め下から見上げるそれが、高々と潮を吹くところまでが見えた。
「ほーほー、これがアクアリウムかー。ホログラムとは言え……いや、ホログラムだからこそ幻想的だし没入感も得られるって感じかなー」
「本物を見た事がないのに、これだけのものを作れるってのは凄いもんだねぇ、人間ってのは。純粋な分、侘び寂びすら感じるってもんだ」
 水底の空間を歩きながら、アロと鍬丸は言葉を交わしていた。
「猟兵の方ですね。いかがですか、この船のアクアリウムは」
 通りかかった親子連れの、親のほうが声をかけてきた。
「いや、大したもんだ。お世辞じゃなくそう思うよ」
 鍬丸が褒めると、子供が無邪気に『すごいでしょ!』と胸を張る。
「映像を作ることもできるんだよな。良いもんを見せて貰った礼と言っちゃあ何だが、俺の故郷の海で泳ぐ魚を披露させてもらおうか」
 是非と彼は答えた。
「え、自分の考えたナニカを泳がせることもできるんです?なるほどなるほど面白そう」
 アロも首をひねって、なにか見せようと頭をひねりはじめた。
 映像を準備している間に、話を聞きつけた他の客たちも集まってくる。
 彼らの前で、銀色に光る大きな魚が泳ぎ始めた。
「これは大物ですね……いや、小さな魚が集まっているのですか?」
「そうさ。イワシの群れだ」
 鍬丸が問いかけてきた客の1人に答える。
「銀色に光る小さな魚が群れになって大きな魚の姿を模して、大きくうねりながら泳いでるんだ。ありゃあ凄かったぜ」
 かつて見た光景は、鍬丸の目に焼き付いている。あの臨場感を、しっかり再現できているだろうか?
 人々が皆、感嘆の息を漏らしていることを思えば、うまくいったと考えていいだろう。
 雄大なイワシの群れが過ぎ去ると、次に泳いできたのは今度こそ本当に巨大な魚だった。
 おそらくはマグロだろう。しかし、マグロというのはこれほど大きかっただろうか?
「どうです? 自分がこの前戦った巨大マグロですよ。鯨ぐらい大きかったんじゃないかな。ディティールもしっかりしてるでしょう」
「えーっ、こんな魚がどこかに本当にいるの?」
 それが別世界の邪神だということを知らず、子供の1人が目を丸くする。
「そうそう。これは嘘のようなホントの話。世界は喜びと驚きに満ちているんだよって、この船の皆にも知って貰えたら自分も嬉しいよー」
 初めて見る魚たちの姿に、エメラルドオーシャンの人々が次々に近づいてくる。
 銀河帝国の魔手から彼らを守るばかりか、鍬丸やアロは新たな希望を与えることさえ成功したのだった。
 エメラルドオーシャンは、これからも海原の光景を映し続けるだろう。その中には、猟兵たちが作った魚の姿も加わっているのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月31日


挿絵イラスト