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星屑アクアリウム

#スペースシップワールド

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#スペースシップワールド


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「……スペースシップワールドだね」
 非常に端的に、リュカ・エンキアンサス(人間の探索者・f02586)がそう言って目を細めた。ポケットから手帳を書いて、さらさらと何かを書き付ける。
「スペースシップワールドに、銀河帝国……。オブリビオンの艦艇が現れたんだ。そいつらは人々の暮らすスペースシップを攻撃しようと近づいてる。今ならまだ間に合う」
 そして紙を破って、周囲に示した。そこには宇宙服を着た人間と、剣を持った人間が描かれていた。
「こっちが雑魚」
 宇宙服のほうである。
「こっちがボス」
 剣を持ったほうである。
「そいつらのいる戦艦内部に転移するから、やつらが一般人の船を攻撃する前に、彼らを殲滅して助けてあげて欲しい」
 それから指をさす。宇宙服を着たほうである。
「まずは俺たちが潜入したら、こっちの雑魚のほうが駆けつけてくると思う。数が多いから、うまく隠れたり、誘い込んだりして、とにかく囲まれないように気をつけて戦って。……ちなみに」
 ぺら、とリュカは手帳をもう一枚捲る。
「……戦艦内部だけれども、さすがに内部に直接転移してくるなんて、考えてもいないと思う。だから最初は無警戒だろうと予想される。……もちろん、お兄さんやお姉さんたちが侵入して、戦闘をはじめれば、向こうも警戒してくるだろうから、その辺は気をつけて」
 うまいこと戦ってくれればいいよ。とリュカは付け足した。
「それでこっちのボスだけれども……」
 今度は剣を持ったほうを指差して、
「本人自体もそこそこの強さ。ついでに部下も召喚して戦うみたいだから、それなりに頑張って挑んでくれればいい。部下を召喚するんだから、喋るのか、って?」
 ふ、とリュカは首をかしげた。
「さあ、喋るだろうとは思うけれど。殺す相手と会話して何かあるの」
 と、心底不思議そうに答えた後で、
「まあ、命令等はきちっと与えて、集団であたってくるらしい。連携は取れているよ。油断しないで」
 と、そういった。
「戦いが終われば、そのスペースシップ、っていうのにいって、ゆっくりするといい。それがなんだか奇妙な船で……」
 そうして、リュカはしばし言いよどむ。難しい顔をした後で、
「水族館……。魚がいっぱいいるところだろう? 本物じゃないけれど、そういうのを見てゆっくりするのも、よくわからないけれども、いい、らしい」
 ちなみにこんなのだろうか。とリュカがさら、と絵を描いたが、魚があまりにも小さすぎて、これだと星空みたいだと誰かが言った。
「……そうか。とにかくいったことは無いけれども、アクアリウムとやらが存在する船にいくことが出来る。本物の水槽じゃないけれど……」
 ええと。とまたリュカは難しい顔をして、
「水の立体映像が乗った宇宙空間に、ロボットの魚や立体映像の魚を泳がせるのが主流らしい。音楽を変更したり、自分の描いた好きな魚を動かしたりして、色々遊ぶことが出来るらしい……よ?」
 何事もまあ、見聞だ。とリュカは言った。
「時間があるなら行ってみるといいんじゃないかな。でもその前に、気をつけていってきて欲しい」
 よろしくと。そういってリュカは話を締めくくった。


ふじもりみきや
 いつもお世話になり、ありがとうございます。
 ふじもりみきやです。
 大体状況はリュカが述べたとおりです。
 第三話目のみの参加とかも大歓迎ですので、楽しく遊びに来てください。
 第三話目のみ、リュカも声をかけていただけたら、喜んで参加させていただきます。
(本人は、ぶっちょ面しているかもしれませんが、私はとても嬉しいです)
 どうぞ、よろしくお願いしますね。

●補足
 ちょっと返却がまちまちになったり早く閉めたり長くかかったりすることがあるかもしれません。
 また、場合によっては時間切れ返却の可能性もありますが、大体それはプレイングの問題ではなく時間切れですのでご了承ください。
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第1章 集団戦 『クローン騎兵』

POW   :    ジェノサイダー
【自身の寿命】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【ジェノサイドモード】に変化させ、殺傷力を増す。
SPD   :    インペリアル・インテリジェンス
【銀河帝国式戦術ドローン】を召喚し、自身を操らせる事で戦闘力が向上する。
WIZ   :    ブラスターレイン
【熱線銃(ブラスター)】を向けた対象に、【連続射撃】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

榎木・葵桜
私、この世界は初めてだー
宇宙船での戦いって何だか映画みたいでわくわくするっ!
うん、だいじょぶ、お楽しみのためにも、
ちゃんとしっかりお仕事させてもらうよ!

艦艇内への侵入時点は物陰に隠れながら移動するよ
戦闘始まる前にできるだけ艦艇内を丁寧に観察して【情報収集】できたら
防御にも囲まれたりの防止もできるよね

戦闘開始したら、【サモニング・ガイスト】使用
田中さんには【槍】で敵への援護攻撃お願いして
私は【衝撃波】で攻撃するよ

敵の動きはできる限り注意して観察する
攻撃パターンとか、弱点とか見つけたいね
敵の死角とか、攻撃時に生じる隙とかを狙って、
個体を確実に撃破していきたいな

他の人とも連携しながら対応していくよ!


暗峠・マナコ
水のないアクアリウムですか。それは今まで見たことのないキレイなものが見れそうで、わくわくします。

数が多いのであればリュカさんのアドバイスどおり、あまり大暴れはしないで隠れたり誘い込んだりしてみましょうか。
【レプリカクラフト】で偽物の壁を作って、船内を迷路状にしてしまいましょう。
作った壁は随時移動させるので、それで敵を分散させつつ、他の皆さんの所にご案内です。
壁の模倣に気づいたとしても、この壁は触れるとトゲが飛び出る【仕掛け罠】でもあるのでご用心です。

普段は歩き慣れた船内かもですが、歩き慣れてるからこそ船内が違うことに気づかないものです。
敵襲に気がついたとしても、慌てているのであれば尚更ですから


芥辺・有
まずは息を潜めて、隙のありそうな奴から先制攻撃でなるべく音を立てずに倒したいね。
できれば個々に倒したいけど、敵が集まってきて無理そうなら範囲攻撃や蹴りの衝撃波でまとめて蹴散らそう。
あとは、まあ、白蛇を呼び出して大きく尾で薙ぎ払わせるか。ついでに多少でも痺れて動きが鈍れば仕留めやすいだろ。

戦うときは壁や隅に追い込まれて囲まれないように周囲の状況には気をつけて、なるべくひとところに留まらないで動きながら攻撃していこうか。

第六感を駆使しつつ攻撃を避けられるように気を付けたいな。もし攻撃がきそうだったら鋼糸や鎖で絡めとって敵を盾にする。同士討ちしてくれりゃ手間も減るしね。



 館内に滑り込む。まばゆい光が周囲を照らしていた。
「わー。私、この世界は初めてだー。宇宙船での戦いって何だか映画みたいでわくわくするっ!」
 榎木・葵桜(桜舞・f06218)が(もちろん結構抑えていたのだが)思わず声を上げた。かなり大き目の艦隊で、通路の端に出たらしい。葵桜から見て右手の方向には大きめの窓が並んでいて、そこから外の景色を見ることが出来た。
「はじめてみる景色、というのは何でも心躍るものですね」
 暗峠・マナコ(トコヤミヒトツ・f04241)もそういってつっと視線を窓の外へと移す。この後行く予定の船も、このどこかにあるのかもしれない。
「水のないアクアリウムですか。それは今まで見たことのないキレイなものが見れそうで、わくわくします」
「ああ。そのためにも……」
 芥辺・有(ストレイキャット・f00133)がけだるげな口調で途中まで言うと、りょーかい、と葵桜も笑った。それからそっと、少ない物陰や部屋の陰に潜んで葵桜が情報を収集する。
「何か、一定感覚でコースを決めてぐるぐる廻ってるみたいー……?」
「でも適当だね。やる気あるんだろうか」
「んー。」
「では、ほんの少し道に細工をしてしまいましょう」
 マナコがそういって、ぽんと両手を叩く。漆黒の手がゆるっとゆれた。
 レプリカクラフトで偽者の壁を作成して、
「普段は歩き慣れた船内かもですが、歩き慣れてるからこそ船内が違うことに気づかないものです。敵襲に気がついたとしても、慌てているのであれば尚更ですから」
 それで通路の流れを変えていった。へえー!  と葵桜が感心した声を上げる。
「どうしよう。巡回ルートが変わってもぜんっぜん気がつかなかったりして」
「そのときは、敵がおばかさんだということが良くわかります」
「なるほど……!」
「また、この壁は触れるとトゲが飛び出る【仕掛け罠】でもあるのでご用心です」
 お茶目に言ってマナコは微笑む。とはいえ偽装するのは巡回路にはない物陰などなるべくめだたない場所をまずは選んだ。わかった、と有はそう言いながらも物陰から様子を伺った。
「……来た」
 息を呑む。巡回と巡回がすれ違い離れる。一方が遠ざかり一方が近づいてきて、
「あ、あっちも……!」
「そっちは、任せた」
 葵桜の言葉にそういって、有は駆けた。一瞬で距離をつめる。視線は正面。ためらわずその喉元に蹴りを叩き込んで敵の体勢を崩す。
「……!」
 声を上げるまもなく敵が倒れる。しかし追撃せずに一瞬で有は飛びのいた。第六感が何かを告げた。その瞬間、熱線銃が背後から放たれた。
「有ちゃん!」
 葵桜が銃を撃った兵士のほうに駆ける。しかし有もあわてず手袋に仕込んでいた鋼糸で目の前の倒した敵を操っって盾にした。
「大丈夫。同士討ちしてくれりゃ手間も減るしね」
「わあ。すごいです! それじゃあ私も……!」
 葵桜が走る。ふわりと服の裾を翻し、ハイカラに踵を鳴らして軽く飛んだ。
「田中さん、おねがーい、一緒にがんばろー♪」
 召喚した田中さんが敵の槍を捕らえると同時に、葵桜も手のひらから衝撃波を放って倒す。
「よいしょっと!」
 全ては一瞬の出来事であった。
「まあ、なんて素敵で綺麗な戦い方でしょう。それでは失礼いたしまして……」
 よいしょ、とマナコはその死体を己が作った偽物の壁の向こう側に隠す。
「これで、しばらくは大丈夫でしょう。……あら?」
 言うなり、やってきた巡回ではなさそうな兵士が、ぶらぶらと偽者の角を曲がるのが目に入り、三人は顔を見合わせる。
「それでは、頑張っていきましょう?」
 なんてマナコが笑って、ある程度倒したら場所を変えよう、とか有が提案しながらもそちらへと足を向けた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

海月・びいどろ
水族館は初めて見る、けど
ほんものじゃない海、ボクも識ってる
電子の海と似ていたりするのかな…
星の船に浮かぶさかなたちは、きっと『綺麗』だろうね

――ボクは、ここだよ。遊ぼうよ。

なんて、お誘いをかけるボクは囮。
【時間稼ぎ】をして、【迷彩】によるカモフラージュをした
海月型の機械兵たちを喚び出しておいて
敵を囲むように確実に、ゆらゆら、ふわふわと
【フェイント】を仕掛けながら攻撃していくよ。

かくれんぼかな、それとも鬼ごっこ?
ダンスも良いね…
ボクのともだちとも、遊んで。


彼者誰・晶硝子
星空越しの水族館…素敵なものがあるのね
そんな人々の憩いのある船を、攻撃させるわけにはいかないわ

敵船での立ち回りは、見つかりそうになったら都度クリスタライズで隠れて機を伺いましょう
見つかったら良くない時に仲間も近くにいれば、抱きしめて一緒に隠れるわ
敵が倒せそうな…1人か2人しかいない場面があれば、不意をついて誘導弾で攻撃を
仲間と連携すればもう少し多くても戦えるかしら
何にしても、こちらも不意打ちなどに警戒していきたいわ
本格的に迎撃体制に入られたら余計に混乱しそうだし、周辺の注意は大事よね
場面に応じて隠匿、攻撃を

負傷したひとがいれば、回復を
数は多いけれど、ひとりひとり確実に倒していきましょう



 何かが……いる。
 確証はないが巡回する兵士の間で、何かあるかもしれない、とぼんやりとした不安感が広がっていた。
 しかし、外部からの侵入は予想していても、内部に敵がいることなど思いもよらない。彼らは怪訝そうに外側の監視を強め、
「――ボクは、ここだよ。遊ぼうよ。」
 そしてふんわりと揺らぐ姿を見つけた。丁度二人の兵士が、監視の交代へ向かうところであった。
 一見するとこの世のものではないような、海月・びいどろ(ほしづくよ・f11200)の姿だったが、全ては迷彩を織り交ぜた時間稼ぎだ。ふわふわと呼び出していたくらげ型の機会兵が踊っている。
「かくれんぼかな、それとも鬼ごっこ? ダンスも良いね……。ボクのともだちとも、遊んで」
 言うなり、くらげが一斉に機会兵に襲い掛かった。虚をつかれたようにまともに攻撃を食らった兵士は一瞬、体勢を崩す。しかしあわてて反撃を開始する、それを物陰から、
 ぽいっ。と彼者誰・晶硝子(空孕む祝福・f02368)が誘導弾を放り投げた。
 背後からの攻撃に大いに驚いて兵士が銃を構えて振り返るも、晶硝子の姿は見えない。
「どこを見てるの……? ねえ、ボクはこっちだよ」
 しかしそれは大きな隙になった。その声に再び銃を構えて声をしたほうを向こうとするが、それはフェイントである。
 別方向に待機させてあったクラゲ型の機会兵が、いっせいに彼らを攻撃するのであった。

「……怪我をしてるわ」
 戦いが終わった後、晶硝子が言った。
「え……。こんなの。たいしたことないよ」
「そうはいかないわよ。ね?」
 どこか他人事のような口調のびいどろに、晶硝子は首を横にふる。宝石の身に宿す夜明けの光がま叩いて、消えた頃にはその傷は完全にうせていた。
「ほら、もう大丈夫よ。少しの怪我でも、きちんと治しておくことも大事よね」
「うん……」
 こういうとき、ひとはありがとうっていうんだろうなと。びいどろは思いながらも、こくり、と小さく頷いた。まったく気にしていないように晶硝子は微笑んだ。
「……あら」
 そして喋りながらも周囲を警戒していた晶硝子は気づく。足音がこちらに近づいてきていた。
「もう一回、する?」
「いえ……なんだかたくさんの足音がするわ。慎重にいきましょう……さあ」
 いらっしゃい、と晶硝子が手を広げると、びいどろはその中に納まった。それですっぽり周りから二人は見えなくなる。
 たくさんの兵隊が二人の前を通り過ぎる。その向こう側はガラス越し、宇宙が広がっていた。
「星空越しの水族館……素敵なものがあるのね」
「水族館は初めて見る、けど。ほんものじゃない海、ボクも識ってる。電子の海と似ていたりするのかな……」
 その空を見ながら、ポツリと晶硝子がいったので、
「星の船に浮かぶさかなたちは、きっと『綺麗』だろうね」
 びいどろがそう答えると、晶硝子も頷いた。
「そんな綺麗な人々の憩いのある船を、攻撃させるわけにはいかないわ」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

屍蝋火・灰人
ああ、いい。頭がすっきりする。
人型のものを殺すとなぜかとても「しっくり」くる。
何故だろう、俺はひとなのにひとを……
人を、守らなくては。いままでずっとそうしてきただろ。


戦艦内部の情報を事前に頭に叩き込み地形を利用して袋小路に追い詰められない様に、居場所を察知されない様に移動しながら戦う

倒したクローン騎兵をシャーマンズゴースト人間化して陽動に使う
物音を立てさせて寄ってきた所を捨て身の一撃で暗殺したり
逆に隠れさせておいて挟み撃ちにして殲滅してやる
囲まれそうになればシャーマンズゴースト人間を突撃させて逃げる

ゴースト・リボーンで利用できそうな敵がいない時は通気口等に隠れて一人になった所で暗殺を狙う


ステラ・ハーシェル
POW

敵の戦艦内に直接行くのであれば、船への損害を気にしなくて済むと言う事だな。ならば存分に暴れるとしよう。
攻撃回数重視の【ヴァリアブル・ウェポン】で攻撃を行いつつ、敵の攻撃を【見切り】で回避、更に【残像】で敵の照準を一瞬でも惑わす。そこに【2回攻撃】で攻撃をしかける。敵に囲まれないように【騎乗】と【ヘール・ボップ】の機動力を使いながら行動する。
近くの味方と共闘できるようならし、味方が隠密行動をするようであれば私に敵の目が集中する様な立ち回りをするとする。


アール・ダファディル
連携、ねえ。
所詮統率なんてモノは僅かな綻びで崩れるものさ。
「……ふん、偶には余興も必要か」
折角だ。踊り狂う有象無象を眺めてやるとしよう。
手を汚すのは嫌いでね。仕留めるのは任せるさ。

【錬成カミヤドリ】でテディベアな己の分身を増やし、
彼らひとつひとつに【目立たない】繰糸を結んでは四方八方へ放る。
足元に縋りつかせ、味方の盾にし、操る儘戦場を自在に駆け回らせる。
目障りになれば上等。所詮は目眩ましの【フェイント】でしかない。

本命は戦場に張り巡らした糸の方。
【ロープワーク】知識のもと設置させた糸を引けばあっという間に雁字搦め。
襲い掛かる敵も既に操師の掌の上というもの。
【敵を盾に】し、悲劇の演出と行こう。



 どうしてだろう。
 どうしてこんなことがしっくり来るのだろう。
 屍蝋火・灰人(ロストマン・f01130)の最初の暗殺は通気孔に隠れて行った。
 その後その死体をシャーマンズゴースト人間に変えて操り、戦闘を行い、そしてまた死体が回収できたらそれを使用する。
 そうやって着実に、灰人は敵を倒していった。
 一人、倒すたびに頭がすっきりする。
 ひとつ。人型を殺すたびに「しっくり」とした気持ちが落ちる。
 なぜだろう。自分は人のはずなのに
 ……と。
 そこまで考えて、灰人ははっとした。
 その視線の先には……、

「さて。ならばこれより、存分に暴れるとしよう」
 ステラ・ハーシェル(星屑のサンダーボルト・f00960)が美しくも鋭い日本刀を抜いた。彼女はたくさんの兵士に囲まれていたが、むしろそれを待っていたとでもいうように不適に笑っている。
 銃が放たれる。それを驚異的な速度でステラは交わす。しかし移動先にもまた、銃を向ける兵士がいた。……だが、
「遅い!」
 それも残像。一呼吸する隙もなくステラは目の前の敵を切り伏せ、返す刃でその隣の敵の首を刎ねた。
「さあ、こっちだ。私はここにいるぞ!」
 はやい。刀を賦って地を飛ばしながらもステラは次の動作にもう入っている。どちらかと言うと攻撃回数重視のその動き方に、敵のほうもまた視線を交わすような動きをとる。連携して囲い込むらしいというのが見て取れたが、
「連携、ねえ。所詮統率なんてモノは僅かな綻びで崩れるものさ」
 アール・ダファディル(ヤドリガミの人形遣い・f00052)の声がした。それと同時に現れたのはテディベアだ。……とは言え、
「……ふん、偶には余興も必要か」
 テディベアたちは目立たないように工夫を凝らしている。アールはそれを操り兵士たちの足を動かし、味方を盾にさせ、同士討ちを演じさせ、その動きを阻害していく。
「そら、気合が足りていないんじゃないか!?」
 それに気づいてステラが大きな声を上げながら再び刀を翻した。わざと派手な動きを見せて、仲間たちから目をそらせようとする。アールのほうを見ると、アールもちょこまかと意図があるように動く。……本番はこの後かと、ステラは刀を振るいながらも囲まれぬように突破口を探した。
 背後。数歩下がってステラは退避しようとしたが若干敵が邪魔をしていた。それを倒したかったのだけれど、近くにいた兵士の一人が銃を捨てて剣のようなものを取り出し襲い掛かってきたので、ステラはそれを捌く。
「やるじゃないか……だが」
 遅い、と、再び切り捨てたところで、背後から執拗に彼女を狙っていた敵も倒れた。はっと振り返ると、兵士の死体が動いて彼女の邪魔をしていた兵士を倒したところであった。
「さて、もう良いだろうか?」
「……ああ」
 しかしアールの声にステラは頷く。一息でその敵の包囲網を離脱すると、
「では儂も手を出させてもらおう。といっても手を汚すのは嫌いでね。仕留めるのは任せるさ」
 と、アールが手を掲げた。その手にはたくさんの糸が握られていた。
「折角だ。踊り狂う有象無象を眺めてやるとしよう」
 糸は既に張り巡らされていた。糸を使っての同士討ちは壮絶なものとなる。敵対的の戦いが始まり、その和をかろうじて抜けてきたものもステラが的確に倒した。
「よし、じゃあ次にいこう」
「なんと……元気だな」
 まだまだ、足りないんだと、ステラはそんなことを言って走り出す。やれやれとアールは歩き出す。しかし二人はふと、
 立ち止まって物陰に視線を向けた。ステラは軽く手を振った。助けてくれてありがとうとでも言うように。
 そうして戦場は沈黙した。

 そうして戦場は沈黙した。
 後にはただ死体と、隠れていた灰人が残された。
「何故だろう、俺は……」
 確かに。死体を操って援護していたのは灰人だ。
「そうか……」
 今、守ってくれてありがとうと、彼女は言ったのだと初めて灰人は理解した。
「人を、守らなくては。いままでずっとそうしてきただろ。そうしなくては。それが「しっくり」くるもののはずだ……」
 呟いて。
 呟いて。
 灰人は歩き出した。
 人を助けるために、そのために何かを殺すために……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

マリス・ステラ
【WIZ】を駆使して戦います
他の猟兵に協力して「援護射撃」で隙を作りましょう
負傷する人がいれば【生まれながらの光】で治療

「無理をする必要はありません。怪我をしたなら申し出てください」

独力よりは連携を重視、クローン騎兵とは距離を取りながら戦います
「破魔」の力が宿るとされる弦音を響かせて弓を射ます
敵が誰かに偏り過ぎているなら、弓で「おびき寄せ」ましょう
攻撃には射線から遮蔽物に隠れたり「オーラ防御」で対応します

「一人ずつ確実に屠れば大丈夫です」

味方を「鼓舞」して「祈り」絶やさず、後衛としての役割に徹する
今はまだ奇襲直後で敵も乱れていますが、じきに立て直してくるでしょう
油断は禁物、警戒して進みます


スーリア・マクスティス
へぇー。この世界のお魚さんってどんなのですかね。
その前に頑張って敵兵さんを倒さないとね。

転移後周囲を確認してコソコソ状況確認し行動開始ですね。
周囲の部屋・通路等で敵兵の存在を確認し背後に回られないよう注意です。基本的には囲まれそうになったら離脱です。
部屋の火災報知機等センサーを破壊し異常を示させ誘導し迎え撃つ。私は近くで潜んでいる。
狭い通路や部屋などで迎え撃ちたいです。
基本はドラゴンランスで攻撃です。
通路なら【串刺し】で纏めてやってしまいたいところです。
そして【ドラゴニック・エンド】でドカンとやってしまいたいです。
銃もあるし角や扉を盾にしたい。

アドリブ、他の方の連携大歓迎です。


鴛海・真魚
WIS

宇宙の危機に颯爽と現れる……とか素敵だと思わない?
召喚したサモニング・ガイストにうっとりと問いかけるの。
素敵な人、敵が沢山いるみたい。一緒に戦ってくれる?とても怖いの…

古代の戦士の影に隠れて後ろから衝撃波を使って行くわ
はぐれないようにそして囲まれないように皆と一緒に戦うの。
敵の攻撃はオーラ防御で防ぐの。
歌うことと占うこと以外はとても苦手だから、皆の足を引っ張らないようにするね。
だから代わりに敵の動きを良く見ておくの。
あっちから攻撃が来ているわ!気をつけて!


静海・終
宇宙の水族館
なかなか魅力的な場所でございますね
そんな場所にでも悲劇が起こるなんて、なんて悲劇でございましょう
悲劇は壊して、殺す、それしかございません、ね

【野生の勘】を程よく使いつつ
周囲に警戒して仲間の猟兵が囲まれないように見ておきましょう
殲滅に参加しつつ取り逃しは的確に槍で射止めておきましょうねえ
召喚したドラゴンを撫でながら
貴方もお願いいたしますよ、しっかり働いてくださいませ
敵が多いと乱戦になりましょう
侵入者はこちらに逃げたなど叫びミスリードで誘い込み叩きましょう



 火災警報器がなっている。
 飛び交う兵士たちのビームはしかし、見事な猟兵たちの行動によってでたらめな方向に飛び、あるいは同士討ちをはじめ、もしくは撃つ前に沈黙しとあまり効果を発揮することは無かった。
 とはいえ相手はクローン兵士という生き物らしく、倒しても倒しても沸いてくる。
 なので……、
「よし、よく分からないけど頑張りますよ! そーっとそーっと、回り込んで……」
 スーリア・マクスティス(人狼のビーストマスター・f10916)が入り口の扉付近に潜んでいた。へやからはけたたましく以上を伝える音がなっている。それを聞いて聞いて駆けつけてきた兵士が、部屋の中に飛び込んだ瞬間、
「ドカン!」
 槍を叩き付けると同時にドラゴンも召喚し、共に攻撃を叩きつける。ぎゃああああ、という声が上がって転がる兵士。あたらなかったほうが即座に反撃してきてスーリアの腕を熱光線が掠った。
「さっせないよ!」
 即座に後退する。扉を立てに転がるようにして外に出る。
 兵士もまた追いかけて、音を立てて扉を開けて飛び出したところで、
「一人ずつ確実に屠れば大丈夫です。参りましょう」
 マリス・ステラ(星を宿す者・f03202)が援護射撃を行った。遠くから「破魔」の力が宿るとされる弦音を響かせて弓を射る。
「ありがと! そーれ!」
 そしてさらに串刺しをする。しか指摘も徐々に状況に対応してきたのか。廊下の向こう側から増援が見えてくる。
「んんー。こいつは囲まれる前に撤退なのかな?」
「大丈夫です……。その必要は、ありません」
 正面からかけてくる敵。しかし反対側からも足音が聞こえてスーリアが言うも、マリスが首を横に振った。
「一体どこから入った! 何者だ!?」
「自分が何者か……。とっても難しい問題だわ。けれど……宇宙の危機に颯爽と現れる……とか素敵だと思わない?」
 背後の敵がスーリアの前にたどり着く前に、鴛海・真魚(恋心・f02571)が召喚したサモニング・ガイストによって阻まれる。
「素敵な人、敵が沢山いるみたい。一緒に戦ってくれる? とても怖いの……」
 召喚した古代の戦士は何も語りはしないが、真魚を庇うように一歩前に出る。
 真魚もまたそっと寄り添うようにその影に隠れて、
「歌うことと占うこと以外はとても苦手だから……。このくらいしか出来ないけれど……」
 影から古代兵の動きに合わせて衝撃波を放つ。言葉通り倒すまでには行かないが、牽制にはなる。そして、
「では、破壊は私が。悲劇は壊して、殺す、それしかございません、ね」
 静海・終(キマイラの人形遣い・f00289)がドラゴンランスを投げた。真魚の攻撃に二の足を踏んでいた兵士たちを的確に射止めて、
「貴方もお願いいたしますよ、しっかり働いてくださいませ」
 召喚したドラゴンを軽くなでてけしかけた。
 槍が触れるたびにドラゴンが敵を食いちぎり、その後ろから衝撃波が放たれる。
「んじゃ、そっちは任せたよ!」
 言って、スーリアもまたドラゴンランスを持って正面の敵へと走った。
「無理をする必要はありません。怪我をしたなら申し出てください」
 マリスがそういうと、お願い、とスーリアが返答をする。
「では……」
「ん、ありがとうねー」
 マリスが光を放つ。その隙を狙うかのように、天井の辺りが動いた。
「ああ! あっちから攻撃が来ているわ! 気をつけて!」
 攻撃は得意ではないからと。かわりに周囲の動きを良く見ていた真魚が声を上げた。通風孔だろうか。天井にあったなにかのふたが落ちて、そこから白い姿の兵隊が顔を出す。
「私が。仕事は的確に。禍根を残さぬようきっちりと、行わせていただくのがよろしいかと」
 終が丁寧に言ってから、即座に槍を投げる。顔を出した兵士の首に槍が突き刺さり、音を立てて落ちた。その隙を狙って終と相対していた兵士が銃を捨てて剣で切りかかるも、
「ふふ……。私から目を離すなんて、寂しいことを言わないで。泣いてしまいそうよ」
 真魚が衝撃波を放って敵のバランスを崩させる。終も頷いて、
「私は、隙を見せるようなものではございませんゆえ」
 言葉と共にドラゴンが動き、その身を砕いた。

 そうして、周囲は沈黙した。
「……」
 マリスが祈るような仕草をして、ふーっとスーリアが息をつく。真魚が微笑んで古代兵を見つめた。
 そのとき……、
「第三班! どこだ、お前たち! 警護をおろそかにしてどこに行った!」
 遠くから、声が聞えた。複数の足音がして、終は仲間たちを見回す。仲間たちは頷いた。まだ余裕があった。
「こっちだ! 侵入者はこちらに逃げた!」
「そっちか、今行く!」
 足音がこっちへ向かってくる。
「素敵な人、もう少しです。共に頑張りましょう」
 真魚が微笑む。スーリアがぐるぐる腕を回して、
「頑張って敵兵さんを倒さないとね。それにしても、この世界のお魚さんってどんなのですかね」
「宇宙の水族館……ですね。なかなか聞く限りでは魅力的な場所でございますね」
 体をほぐすように言うスーリアに、終も頷く。
「そんな場所にでも悲劇が起こるなんて、なんて悲劇でございましょう。なんとしてでも、終わらせなくては」
「そうですね。今はまだ奇襲直後で敵も乱れていますが、じきに立て直してくるでしょう。油断は禁物、警戒して進みましょう」
 マリスが言って、一同は頷いた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『帝国近衛騎士』

POW   :    ダークフォースソード
【レベルmまで伸長する闇黒のフォースソード】が命中した対象を切断する。
SPD   :    リミッター解除
対象の攻撃を軽減する【フォース全開状態】に変身しつつ、【対象の動きを鈍らせる闇黒の念動力場の形成】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    死の先を行く兵(つわもの)達
【闇鋼によって仮受肉した死せる帝国騎士達】の霊を召喚する。これは【念動力による斬撃等の直接攻撃】や【高い錬度で成立する集団戦術】で攻撃する能力を持つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は神酒坂・恭二郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「し、侵入者です……!」
「ええい。そんなもの、とっくにわかっている!」
 艦内はもはやどうしようもないほどに混乱し、それに乗じてたくさんの兵士が命を落とした。
 未だうろたえる部下を叱責し、帝国近衛騎士は報告があった方向へと向かう。
 ダークフォースソードが音を立てて振られる。高らかな足音が響く。
「不意を衝かれたとはいえ、このような兵士いくらでも作り出せる。まずは侵入者を残らず殲滅するとしよう……!」
 兵士たちの死体が転がる廊下を歩きながら、騎士が声をあげる。それはきっと、当の侵入者たちにもしっかりと聞えただろう……。
ステラ・ハーシェル
SPD

「私の名はステラ・ハーシェル。戦士としての誇りがあるのならば、この言葉の意味……分かるな?」

名乗り返すようであれば1人の戦士として敬意を払い戦おう。名乗り返さないのであれば、ただ名も無き少し強い戦士として斬るだけだ。
【ヘール・ボップ】で近づき、動きが鈍ったと同時に【ゴッドスピードライド】と【騎乗】で力づくで突破。鈍らせたと思った敵が鈍らないと言う事で一瞬動揺が走るかもしれない。そこに【残像】で更なる動揺を狙う。そして攻撃を行い続けて【2回攻撃】でもう一度攻撃。敵の攻撃は【見切り】で回避を試みる。防御が上がっているならば、手数と速度で翻弄するとしよう。
味方との連携も忘れずに戦うとする。



 星が瞬いている。船自体は自動で移動しているからだろうか。ゆったりとその景色が流れていく。
 それを背に佇む者は、本来ならいないはずのものであった。黒のスーツに身を包み、禍々しいフォースソードを持っている。
 最初に、ちらりと仲間たちに視線を送ったのはステラであった。確認するような顔に、ほかの仲間も頷く。何人かは姿を消し、移動を開始した。
 ステラは物陰から姿を現す。正々堂々と。近衛騎士もまた足を止めた。
「私の名はステラ・ハーシェル。戦士としての誇りがあるのならば、この言葉の意味……分かるな?」
 ステラが名乗りを上げると近衛騎士は方を竦める。くるりと己の剣を回転させて、構えた。
「やれやれ。解放軍にも古風なものがいたものだ」
 近衛騎士は言う。彼女たちは過去からの亡霊であるから、そう思うのも無理はないだろう。
 故にステラは黙して続きを促す。名乗り返さないのであれば、ただ名も無き少し強い戦士として斬るだけだ。
「我が名はシュトリ。いいだろう。どこから侵入したのかは聞かぬ。……来い!」
 その瞬間、ステラはなマットブラックの宇宙バイク二騎乗して書ける。スピードをあげて片手に日本刀を手にしたまま、騎士へと突っ込んだ。
「――!」
 それを、騎士もまたフォースを操って受け止める。剣がありえない強度を持って、そのバイクを弾き返す。
「ならば!」
 騎乗したままステラも刃を振るう相手が固いのであれば、手数と速度で応対する。だが……、
「は……。その程度か!」
 しかし敵も甘くはない。ステラの攻撃を受けて浅い傷をつけながらも、的確に己のフォースソードを唸らせる。
 目の前。紙一重でよけたと後退したところに、その剣が伸びた。ステラの右肩のあたりがぱっくりと裂け、血が流れる。
「……なるほど、さすがに伊達ではないな」
 むしろどこか楽しげにステラは言って。そうして刀を構えなおした。
「ならば何度でも、立ち上がるだけだ! この世界の人々を守るために」
 傷を負ってなお力強く前に出る。そんなステラに騎士は目を細める。
「ふむ。やはり騎士としての戦いは心地いいが……。私たちにはまだ、次の仕事がある。こんなところでゆっくりはしていられない。……誇り高き、帝国騎士達よ!」
 そうして騎士は闇鋼によって仮受肉した死せる帝国騎士達の霊を召喚した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鴛海・真魚
WIS

悪い子はだあれ?
おいたはいけないと思うの。
みんなのお陰で私も無事だから今度は私が皆のお役にたてるように。
歌うことは得意と言ったでしょ?
だから歌うわ。

シンフォニック・キュアで傷付いた皆を癒すの。
歌の邪魔をするのはマナー違反よ。邪魔をしないでちょうだい。
敵の攻撃はオーラ防御で防ぐわ。
歌唱を使ったら共感しやすくなるかな。傷付いた皆にこの歌が届きますように。

皆を癒し終えたら衝撃波で攻撃するわね。
前に出るのはやっぱり怖いの。後ろから戦うわ。


静海・終
おやぁ、何やらブラック企業の上司みたいな言葉が聞こえますねえ
けれど強さについては言及されておりますので油断せずに、でございますね

兵を作れるとなれば敵の増援は必至でしょうか
また囲まれない様、周囲にも警戒をしつつ
先ほどご一緒した戦いが苦手なお嬢さんが居られましたら
少しばかりは守備などでお役に立ちたいところですね
私も戦いなれている訳ではございませんが
力を合わせれば蹴散らせましょう

腕を獅子に変え敵の喉に食らいく
そこが一番おいしそうでございますからね
無粋な悲劇のアナタ、いなくなってくださいませ



 近衛騎士。シュトリが召喚した死せる帝国騎士達の霊は、ふらふらと立ち上がる。
 それを見て、猟兵たちも武器を構えた。
 名乗りをあげるのであればある程度手出しをしないのが浪漫だろうとは思っていたが、向こうがそう来るのならばこちらも黙っている必要はない。
「ああ。そうでしょうね。一騎打ちなんて。無粋な亡霊たちには勿体無いぐらいです」
 最初に終が動く。敵の群れに風穴を開けるべく、己の腕を獅子へと変えた。
「やれやれ、邪魔ですよ! アナタはおいしくなさそうでございます!」
 まずは亡霊に食らいつく。その強い一撃で霊の一体が消滅し、また一体が即座に対応して衝撃波を放った。
「……っ、血肉などない、終わりの概念がなかなか粋なことをなさいます」
 衝撃波が終の体に直接叩き込まれ、その身を揺らす。一撃一撃ならたいしたことがないが、ほかの霊たちも同じくいっせいに攻撃を開始する。……そこに、
「悪い子はだあれ? おいたはいけないと思うの」
「おや、お嬢さん」
 終の後ろ。少し遠い物陰に真魚が立っていて、終は表情を少し崩す。
「歌うことは得意と言ったでしょ? だから歌うわ。みんなのお陰で私も無事だから、今度は私が皆のお役にたてるように」
 真魚は唇を開く。その姿に敵もまたいっせいに真魚のほうを見た。思わず身をすくませる真魚。けれども彼女は歌を歌う。
 その癒しの歌を敵が止めようと、衝撃波を放った。ぐ、と真魚のお腹の辺りに目には見えない痛みが走る。
「……っ、歌の邪魔をするのはマナー違反よ。邪魔をしないでちょうだい」
 オーラ防御しながらも届く其の痛みに、けれども歌を歌うことを真魚はやめない。
 どうか少しでも、この祈りが届きますようにと声を上げる。
「ふふ。私も戦いなれている訳ではございませんが、力を合わせれば蹴散らせましょう」
 それに痛みが引いていくのを感じながら、終はそう声をかけた。
「守備などは、お任せください。お嬢さんに危険が無いよう、精一杯頑張らせていただきます」
「ありがとう。でもやっぱり……」
 怖いから。と、真魚は物影から衝撃波を放った。終に襲いかかろうとしていた亡霊が倒れる。
「はい。それでよろしゅうございます。……では」
 再び終わりは腕を獅子へと変えて突撃する。亡霊をなぎ払い、せめて一撃、
「そこが一番おいしそうでございますからね。……無粋な悲劇のアナタ、いなくなってくださいませ」
 騎士の喉元に、叩き込んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

スーリア・マクスティス
さて、これからが本当の戦いですね。
近衛騎士って強そうな響きですね。油断するとさっくりやられてしまいそうですね。
不意を突かれないように注意し騎士に迫りましょう。
騎士が誰かと戦っているならこっそり加勢に行きましょう。
敵は一体ということで皆さんで囲んでゴーと行きたいところですが【死の先を行く兵達】とかあるとのでそうは行かなそうですね。
兵が出てきたら囲まれないよう注意しつつ纏めて【串刺し】にしていきたいですね。近衛騎士にもついでに刺さればより良いですね。
【ライオンライド】を用いつつその機動力にて突撃するとともにドラゴンランスで【串刺し】と行きたいところです。
単独行動は控え戦いたいですね。
アドリブ等歓迎


彼者誰・晶硝子
ボスのお出まし、というやつね
正念場、がんばりましょう

基本は後方での援護に回るわ
深手を負ったひとには集中して、多くが傷付いたなら多くに「きみに贈る祝福」を
祝福を与えるのが、わたしの存在してきた意味だから
疲労なんて、がまんできるわ
…仇なす君たちは祝福してあけられないけれど、せめて星になったら祈りましょう

敵の連携も厄介よね
囲まれたり、誰かひとりを集中攻撃されないよう、「うつくしきもの」の二体で上手く部下たちを攻撃したり翻弄したりして連携を崩したいわ
仲間のみんなはしっかりしているから、杞憂で済めば良いのだけれど
もちろん、自分がその対象にならないように立ち回りを気をつけて

過去に生きたものたち、安らかに



「いよいよまさに、ボスのお出まし、というやつね。正念場、がんばりましょう」
「うんうん。さて、これからが本当の戦いですね。近衛騎士って強そうな響きですね。油断するとさっくりやられてしまいそうですね」
 晶硝子の言葉にスーリアが頷く。なんだかわくわくしているようであった。正面から戦っている仲間たちへの加勢にと、こっそりスーリアは足を伸ばす。
「おいで、うつくしい子たち」
 その背後に向かう亡霊に気がついて、朝焼けを閉じ込めた宝石の烏と星空を閉じ込めた宝石の猫を召喚する。美しい鳥と猫は亡霊の背後をつくように立ち回っていく。
「わ、ありがとうね! ……と!」
 と、言いながらもスーリアは己のドラゴンランスで目の前の亡霊を串刺しにした。
 串刺しにする。それと同時に刃は近衛騎士へとも届く。正面からの攻撃に専念していた騎士は驚いたようにこちらを見た。
「!? いつの間に……!」
 反応は早かった。即座にフォースの剣が走る。
 刃が伸びた。少しはなれたところにいたスーリアの足をその剣が貫く。
「っ。いつの間にって、最初っからここにいたよ! ……そして!」
 痛みにスーリアはよろける。しかし構わずにライオンへと騎乗した。
「あなたが倒れるまで! ずっとここにいるつもりなのよ!」
 ドラゴンランスを手に突撃する。その勢いを利よして亡霊を貫く。貫いたまま近衛騎士のほうにも激突した。
「この、こしゃくな……!」
 腹を抉られながらも近衛騎士は声をあげて剣を振るう。同じように腹に刃を突き立てられ、るーリアは唇をかんだ。
「きみにしあわせあれ」
 しかし。そこに晶硝子が声を上げる。宝石の身に宿す夜明けの光はスーリアの身を包み、その傷を癒していく。
「ん。ありがとう。……負けない!」
「いいえ。いいえ。きにしないで。祝福を与えるのが、わたしの存在してきた意味だから」
 晶硝子がかすかに微笑む。疲労なんていくらでも我慢できると。
「おのれ……! つまらぬまねを……!」
 近衛騎士が憎憎しげに晶硝子を見る。確かに単純な戦闘力では近衛騎士は強いけれど、それだけでは勝てない何かを感じ取った。
「……仇なす君たちは祝福してあけられないけれど、せめて星になったら祈りましょう」
 晶硝子が両手を胸の前に組む。其のときが近づいているのを感じながら。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

マリス・ステラ
【WIZ】を働かせて冷静沈着に戦います

他の猟兵との連携を意識して孤立しないように注意
弓による「援護射撃」を絶やさず、負傷した味方には【生まれながらの光】

「降伏を勧めても受け入れてくれないでしょう」

近衛騎士の言動や態度は『支配する側』のそれです
しかし、それだけに強さは侮れません。警戒して臨みましょう
呼び出された『騎士たちの霊』の幾人かを「第六感」と「オーラ防御」で対応
ダメージを受けても「激痛耐性」で表情には出さずに味方を「鼓舞」します

「私は大丈夫です。落ち着いて自分の役割を果たしてください」

「祈り」はどんな時でもできます
それは私の癒しの力を高めてくれるでしょう
疲労しても毅然と前を向く「覚悟」です


榎木・葵桜
へぇぇ、ボスさんのダークフォースソードって通常の剣と違ってリーチは可変式なんだね?
宇宙っぽくておもしろーい!なんかカッコいい!
宇宙チャンバラっぽくて楽しいかもっ
俄然やる気が出るね!私達もがんばってこー!

戦闘は引き続き【サモニング・ガイスト】使用
田中さんは【槍】、私はなぎなたで応戦
フォースソードの剣先がこっちに向かってきたら【なぎ払い】するよ

剣を構えてる場合、それを持つ手の部分とかに攻撃当てたら怯みそうかなって思うけど
ダークフォースソードの場合はどうだろ?
この辺は【衝撃波】使って試してみる
ボスさんの動きに隙が生じたら田中さんと一斉攻撃しかけるね

必要なら他の仲間とも連携してしっかり対応していくね!


暗峠・マナコ
あら、もうバレてしまいましたか。壁作りのコツを掴んできたところだったのですが、作戦変更ですね。
兵士さんがムゲンワキというのであれば、その大元のボスを叩きましょうか。

ふむ…あの人の持つ刀、光ってますよね?
であれば、【ガジェットショータイム】で魚型の弾を射出するガトリング銃っぽいガジェットを呼び出します。
[2回攻撃]でまずはこの場の照明を破壊してこの場を暗闇に、その次に混乱に乗じてあの光る剣を目印に攻撃しましょう。
私は[暗視]で確認しつつ、もしも兵士が追加されたら邪魔なので【闇狩の腕】を仕込んだ【バウンドボディ】の腕で纏めて[範囲攻撃]で[なぎ払い]ましょう。



 近衛騎士が悲鳴を上げる。召喚された亡霊もまた霧散していく。残るは数体となっていた。
「あら、もうおしまいですか。壁作りのコツを掴んできたところだったのですが、作戦変更ですね」
 マナコがそんなことを言って、肩を竦めた。
「それでは、また召喚されてムゲンワキ去れる前に……大元のボスを叩きましょうか」
「降伏を勧めても受け入れてくれないでしょう」
 マナコの言葉にマリスも冷静に頷いた。正面では葵桜が今、敵と相対している。
「へぇぇ、シュトリさんのダークフォースソードって通常の剣と違ってリーチは可変式なんだね? 宇宙っぽくておもしろーい! なんかカッコいい! 宇宙チャンバラっぽくて楽しいかもっ」
「ええい。懐くな、喜ぶな!」
「俄然やる気が出るね! 私達もがんばってこー! ね、田中さん!」
 もはや葵桜の体も傷だらけだが、まったくそんなそぶりは見せずに葵桜はなぎなたをふるい、田中さんの槍と共に応戦する。
 騎士のほうも追い詰められてはいるが、いまひとつ決め手にかけているようだった。
「ふむ……あの人の持つ刀、光ってますよね?」
 その様子に、背後から援護していたマナコがマリスに声を書ける。なにやら小声で、
「……と、言うわけなのですが、よろしいでしょうか?」
「……なるほど」
「そういうわけなので、よろしくお願いしますね葵桜さん」
「えええ。う、うん、多分大丈夫、まっかせて!」
 突然話を振られる葵桜。まったく彼女には説明が無かったがどういうわけなんだろう。
 葵桜の言葉にマナコは頷いた。彼女なら大丈夫だと思った。マリスも大丈夫です、援護します。と同意すると、
「では……!」
 マナコは【ガジェットショータイム】で魚型の弾を射出するガトリング銃っぽいガジェットを呼び出した。
「……っ。中まで魚っぽいのはいかがなものかと思いますね……!」
 思わず声を上げたのは、ファンシー方向ではなくリアル方向に魚っぽかった体。しかし気にせずマナコは銃を連射する。
「何だ? 当たらないぞ、そんなもの……!」
 近衛騎士が声を上げる。そんなことはマナコもわかっていた。目標はそれではなく……、
「今です!」
 証明に当たる。そしてそれは音を立てて砕けた。一瞬廊下が真っ暗狩りになって、そして騎士の剣だけが光る。
「あ、そっか。了解!」
 その隙に葵桜が踏み込んだ。しかし同時に、目に頼らない亡霊もまた動いていた。まっすぐにかける葵桜には目に入っていない。だから、
「故に……私がいるのです」
 マナコが暗視で確認しながら、闇狩の腕を仕込んだ腕でないだ。バウンドモードに変化させた腕が、敵をばいん、となぎ払っていく。
 辛うじて動けた亡霊が衝撃波を放った。マリスのカンが働いて、そして足を蹴った。
「……っ」
「ええ、大丈夫!?」
 暗闇の中葵桜を庇うように受けた衝撃。オーラ防御があるがそれでもきついものはきつい。だが、構わずマリスは微笑んだ。顔は見えないだろうが、それとわかるようにしっかりと。
「私は大丈夫です。落ち着いて自分の役割を果たしてください」
 声を上げる。大丈夫だと、それに頷く気配がした。どうかお気をつけてと、マリスは毅然と祈りの言葉を投げかけた。
「そう。じゃあ、せーのでいくよ!」
「……、この!」
「後退は……させません!」
 既に背後にはマナコの腕が伸びていて騎士は後退出来なかった。闇の中光る剣を頼りに、葵桜のなぎなたが閃く。
「せー……の!」
 田中さんの槍が一戦する。それと同時に葵桜のなぎなたが、深々と騎士の胸を貫いたのであった……。

「く……っ」
 致命傷を受けて、騎士はよろめく。
「無念だ。だが……」
 手にしていたダークフォースソードが滑り落ち地面に音を立てて当たり、そして消えていった。
「見事で、あった……」
 それきり。騎士は消滅した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『スペースアクアリウム』

POW   :    歩き回って楽しむ

SPD   :    自分のデザインした生き物を泳がせる

WIZ   :    音楽などで雰囲気を演出する

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 そうして、戦いは終わった。
 その後猟兵たちが訪れたのは、船の中にある不思議な水族館であった。
 船の外観はほぼガラスのようなもので覆われていて、満天の星の中を歩いているような錯覚に陥る。
 そしてその館内には、あちこちに水槽のようなものが置かれていた。

 ……スペースアクアリウム。
 本物の水はない。
 ただの立体映像である。そこに魚が泳いでいた。
 魚といっても本物の魚ではない。これも立体映像である。だが……。

 子供たちが笑顔でお絵かきをしている。自分の描いた魚を泳がせるのだと笑っていた。
 あるものは水槽の前でかける音楽に悩んでいた。デートに適した歌はなんだろう。なんて真剣に議論している。
 もちろん、昔ながらの魚もいくつも存在していて、この魚は何だ、あの魚は何だと話をしながら通り過ぎる人々も存在していた。
 ところどころにベンチがあり、のんびりと休憩することも出来る。
 暗いからだろうか、転寝している人もいた。
 ……そんな世界が、猟兵たちの守った幸福であった。

 さあ。脅威は去った。
 今はただ、羽を休めて楽しむのがいいだろう。
 世界には彼らの助けを待つ人が未だに数多くいる。
 だからこそ……休めるときには休むことも、必要なのだ。
榎木・葵桜
リュカちゃん(f02586)お誘いするね
他の人とも一緒に皆でアクアリウム歩き回って楽しみたいな!

こないだの自然な星空もすっごく綺麗だったけど、こういうのもいいよね♪
星の中を歩くって経験できない体験だと思うし!

あ、水槽ー、ねぇねぇ、リュカちゃん、あの魚おいしそうじゃない?
こう、お刺身とか焙り焼きとか絶対いいと思うんだー
え、風情ない?
でもでも、私からしたらすっごい褒め言葉だよ?
もちろん、ああいう大きなのも好きだけどね!
(笑いながら指差す先には大きなジンベイザメ)
あのサメの隣で自分のデザインしたお魚泳いでたらきっと楽しくなるね?
今度はあっちでデザインもしてみよーよ?
(にっこにこでお誘いかけてみたり)


スーリア・マクスティス
ふ~。無事終わりましたし、まったり楽しもうっと。
スペースアクアリウムって気になりすね。
星空と海が同居している感じですかね~。南国かな?

とテクテクと見物ですね。
守った子供達や見物人の笑顔とか見れたグッドですね。
自分が見物するのは本物(ぽい)魚ですね。
きっと、ここでは無い世界ではいるのかもしれないなーと口に出さず思ってます。
巨大で雄大な魚とかいたら実物が見たいなーと思いそうです。
カフェでもあればそこで休みながら風景を楽しんでいようと考えます。戦闘の後ですしね。
他の方やリュカさんがどう楽しんでいるかも気になるところ。
私はあっこれ美味しそう!なんて思ってないですよ。

アドリブ、絡み等大歓迎です。


マリス・ステラ
【POW】歩き回って楽しむ

「立体映像の水族館でしたか」

リュカは何事も見聞だと言っていたが、たしかにこうした経験はありません
どのようなものが観れるでしょうか?

興味を惹かれたのは、自分でデザインした生き物を泳がせるというもの
きっとこの場でしか見ることのできないものもいるでしょう

「それにしても……」

周囲を見回せば家族連れや恋人同士などが多く、独りで歩いてる人は少なく見えます
誰か誘えば良かったかと思いつつ、ゆっくりするのも良いと思い直す
日常に触れることで、日常の大切さを実感することもできる
クラゲかタコかわからない謎の生き物を前にそう思うのでした

「あなたを食べられたらどんな味がするのでしょう?」



 巨大な水槽の中で悠々と魚たちが泳いでいる。
「ね、ね、いこう、リュカちゃん!」
「……えー」
「そこ、またかって顔しない!」
 なんだかんだ言いながら、葵桜がリュカの手を引くと、リュカはそういいながらもついてきた。
「こないだの自然な星空もすっごく綺麗だったけど、こういうのもいいよね♪ 星の中を歩くって経験できない体験だと思うし!」
「そうだね。正直魚は要らないぐらい」
「ええー。魚もいるよ。魚も。ほら綺麗じゃない!」
「……。まあ、綺麗だろうとは思うけれど」
 食えないから。という言葉をリュカは飲み込んだ。さすがに女の子と手を繋いで歩いているのだから、そんな風情のないことはいうべきではないと思っていたから。
「あ、ねぇねぇ、リュカちゃん、あの魚おいしそうじゃない? こう、お刺身とか焙り焼きとか絶対いいと思うんだー」
 しかし、ほかならぬ葵桜がそれを台無しにした。
「……」
「……?」
「…………」
「え、風情ない? でもでも、私からしたらすっごい褒め言葉だよ?」
「いや、褒めてないから」
「もちろん、ああいう大きなのも好きだけどね! あのサメの隣で自分のデザインしたお魚泳いでたらきっと楽しくなるね?」
 テンションについていけないって顔をリュカはしていた。しかし葵桜はにっこにこで、
「今度はあっちでデザインもしてみよーよ?」
 っていうので、そっちに向かうことにした。つづく。

「ふ~」
 ひと仕事終えてスーリアはカフェでお茶をしていた。
 激しい戦いであった。しかしその後のいっぱいのお茶は、疲れが吹き飛ぶものであった。
 子供がはしゃいでスーリアの前を通り過ぎていく。
 カフェの隣では幸せそうなカップルがお茶をしている。
「なんだか南国のリゾート地みたいですね~」
 なんだかそういうのを見るだけで、自分が守ったものの姿をしっかりと見ることが出来て、
 スーリアはとても満足そうな気持ちでカップに口をつけるのであった。
 近くの水槽では魚が泳いでいる。
 リアルっぽい魚もいれば、本当に漫画のような魚もいた。
 スーリアが目にするのは、主に本物っぽい魚のほうだ。
 きっと、ここではない世界には、もしかしたら本当にこんな魚もいるのかもしれないなー。なんて。
 翼の生えたいるかのような魚を見ながら、スーリアは思いをはせるのであった。
「あれ、いるかって、魚でしたっけ?」
 確か違うはずだ。
 とか自分で言って、自分で否定したりして。
 そうしてのんびりと一息つけば、そういえば気になったのは一緒に戦った仲間たち。
 どうしているかな? と丁度考えたところで、スーリアはその姿を見つけて、
 そして席を立った。


「立体映像の水族館でしたか」
 これはすごい。興味深いと。
 マリスは巨大な水槽の中を覗きこんだ。
「本当に、何事も見聞です。確かにこうした経験はありません。どのようなものが……っ」
 そこまで言って、マリスは息を呑んだ。目の前に超巨大なピンクのトドが現れたからだ。
 誰が描いたのだろう。それはものすごく『絵』の感じがする。立体感のない、ペラペラの紙のようなトド。
 けれどもそれがとても色鮮やかで。とても綺麗だった。
「きっとこの場でしか、見ることのできないものもいるのでしょうね……」
 感慨深く、マリスは呟く。
 きっと、誰かの頭の中にしかなかった素敵な生き物が、この水槽の中に無数に溢れている……。
「…………」
 ただ少し、感極まったように。穏やかに。マリスはそれを見つめていて、
「…………」
 ……見つめて、いて、
「それにしても……」
 なんだか周囲にカップルとか多すぎませんか。
 恋人同士だけではない。家族連れとか。友達同士とか。
 ちょっとしまったなあ。とマリスがなんとなく思うその横を、
 のんびり、蛸だかクラゲだか解らない謎の軟体的生き物が通り過ぎていく。
 んーって、マリスはそれに目をやって。
「あなたを食べられたらどんな味がするのでしょう?」
 思わず呟いた。そんな時、声が聞えた。

「ねえねえ、ほら見てリュカちゃん、エビフライ! わかる?」
 葵桜の描いた絵が、ふわりとその手を離れて泳いでいく。
「……見たことない。それ、食べ物?」
 それを目で追って、リュカは首をかしげた。そもそものきっかけは、彼の粗末な食生活から来ていたのだが、
「ええー。じゃ、じゃあ、スーリアちゃん、お願いー。リュカちゃんが美味しそうって思う魚がお題!」
「よし、よく分からないけど頑張りますよ!」
 葵桜の言葉にスーリアが腕まくりをした。リュカは若干あきれているようだった。
「私の思う、あ、これ美味しそう! はですねえ~」
 こんな感じ? いや多分こんな感じ?
 悩んで描きかけて。んーって首を傾げたり。
「あ。あれとかも、美味しそうじゃないですか?」
「あら。私も今丁度、この子を食べられたらどんな味がするだろうかと、思っていたところです」
 蛸のようなクラゲのような生き物に、マリスも会話に加わった。スーリアは頷いて。
「あ。やっぱりそう思う? なんだかこう、たこ焼きにしたくなるかんじなのよね~」
「たこ焼きかぁ。いいよねぇ。私なら……そうだねお好み焼きに入れちゃうのも美味しいと思うんだよね」
 うっとりとする葵桜。リュカはそんな三人を見て頬をかいた。「魚見て第一の感想が美味しいとかありえない」って顔してた。だが、
「んー。話してたらお腹空いちゃった!」
 葵桜は軽く伸びをした。
「わかります。ここは綺麗で……少しお腹がすく場所ですね」
「じゃ、あっちに美味しいカフェがあったのよね。よかったら行かない?」
 マリスが言うと、スーリアが提案する。賛成! と葵桜が明るく返答をした。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

屍蝋火・灰人
これが、守ったもの。
ずっと戦場に身を置いているからだろうか、「しっくり」こない。
でも、とても大切なものだ。

妻と初めてデートをしたのも、水族館だった。
その時は魚よりも彼女のポニーテールの項を見ていた。
娘を水族館に連れて行った事もある。
小さな手で水槽を叩くものだから、結局叩かない様に抱っこして回ったんだ。
男の子だからやんちゃなのは仕方ないと妻が言っていたけど、俺は君に似たんじゃないのかとあの頃と同じボーイッシュなショートヘアを撫でたんだ

今は会ってもらえないけど、いつかまたあの時のように過ごせたらいいのに


自分が守った人々を見て回っています
家族連れやカップルを見て昔の穏やかな出来事を思い返しています



 ゆったりと魚が流れている。
 ゆったりと世界が流れている。
 ここには襲い掛かる亡霊も、剣を向ける騎士もいない。
 武器を構える人も、血を流し涙する人もいない。
 灰人は顔を上げる。作られた水槽。作られた魚がぼんやりと目の前を通過する。
 どうやら、マンボウという魚を描いたもののようだった。
「しってる? 本物のマンボウは、ちょっとしたことですぐに傷だらけになって死んじゃうんだって」
 道行くカップルが笑いながら話していて、灰人はぼんやりとそのマンボウを見つめた。
 誰かが作ったマンボウに、傷は無かった。
 ……どうしてだろうか。「しっくり」こない。
 ずっと戦場に身を置いていたからだろうか。何かが少しだけずれている気がする。
 けれども。大切なものだと灰人は自分に言い聞かせた。
 とても、大切なものだと。
 妻とはじめてデートした時のことを思い出す。
 彼女のポニーテールの項をずっと見つめていたことも覚えている。
 突然振り返った彼女と目があって、俺はなんて返答したんだったっけかな。
 娘を水族館に連れて行ったこともある。
 小さな手で水槽を叩いて……。
 男の子だから……/男の子?
 あの頃と同じボーイッシュな、ショートヘアを……そう、ショートヘアを……。
 泣き声が聞えて灰人は我に帰った。子供が転んでいて、それを年若い父親が起こしていた。
「……」
 違和感を飲み下し、灰人は顔を上げる。
 そうだ。とにかく。
 幸せで楽しかった思い出が、そこにはある。
 それで……それでいいじゃないか。
 傷のないマンボウが、ゆっくりと灰人の前を通り過ぎていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

浮舟・航
SPD

戦いは終わった――みたいですね
僕は、戦うことは出来ないけれど……どうしてもここに来たいと思った
絵を描く右手は、絶対に傷を付けたくないから


いつもの水族館とは違うけど、こういうのも結構アリですね
他の方が描いた魚をじっくりと眺める
自分にない発想って、創作をするにあたってはすごく大事なコトですので


でも、きっと僕の描く魚も劣らず素晴らしいでしょうけどね
ペンでリュウグウノツカイをさらさらと描く

想像と創造の世界は、自由だから
鮮やかなブルーの鱗に、華やかなイエローの星を乗せて
深海に生きるはずの彼女が、この水槽を泳いだならば
それは素敵なことだろう


僕は、やっぱりきらきらと光るものが好きなんだ



 そうして。
 航は巨大水槽の前にいた。
「あっ」
「あ、ごめんなさい……っ!」
 子供が駆けてきて、航にぶつかった。それから後ろの母親が何度か謝るので、いいからと航は首を横に振った。
 謝りながら歩いていく親子連れから視線を外し、ようやく航はさりげなく右腕を庇うようにしていた体の緊張を解いた。
「……」
 暗い世界にたくさんの星と魚が散らばっていた。航の手には特別なペンが握られていた。これで描いたものが水槽のなかに解き放たれる。そういう世界らしい。
「いつもの水族館とは違うけど、こういうのも結構アリですね」
 つい。と航の前を魚が泳いで、そして通り過ぎていった。誰が描いたか、水玉模様の金魚のような姿をしていた。
 真剣に。真剣にその魚を目で追う。その視線をさえぎるように、翼の生えたいかにも漫画っぽい、デフォルメされた魚が通り過ぎていく。
「……っ」
 一瞬、きょとんとして思わず変な顔になってしまった。おいしそうな焼き魚が泳いでいった。やけに上手だった。
「自分にない発想って、創作をするにあたってはすごく大事なコトですね……」
 綺麗なものも、妙に生々しいものも。よくできたものも、子供の落書きのようなものも。
 そのどれもが航には素晴らしいものに見えた。
 誰かが誰かの考えのもと生み出したものは、そのどれもが尊く見えて、
「……どうしてもここに来たいと思った。来られてよかった」
 ぽつ、と航は呟いた。……そして、
「でも、きっと僕の描く魚も劣らず素晴らしいでしょうけどね」
 なんとなく。負けず嫌いのようにいって航はさらさらと絵を描く。
 作り出したのは、リュウグウノツカイだ。長くて、大きくて、本当ならちょっと怖いかもしれないその姿。……けれど、
「想像と創造の世界は、自由だから」
 航はその姿に鮮やかなブルーの鱗に、華やかなイエローの星を乗せた。すっとペンを放すと、一度。震えるように彼女はその身を震わせる。
「いっておいで。そうして、好きなようにこの空を、泳いでいくのがいいでしょう」
 そう、航が声を駆けると同時に彼女は飛び立った。その見に星を散らせながら、スーッとすべるように優雅な軌跡を持って魚の群れの中に飛び込んでいく。
「わあ……」
 きれい、と誰かが彼女のことを指さしていた。航はそんなことにも気づかない。ただただ真剣に、彼女のいく末を見守っていて、
「……僕は、やっぱりきらきらと光るものが好きなんだ」
 その背中は、星のように瞬いて。悠々と色とりどりの魚が泳ぐ世界を通り抜けていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

海月・びいどろ
さかな。ほし。うみ。
はじめての水族館。

潮の匂いはしないけど、
ほんものじゃなくても、『きれい』だね。
立体映像で作り出された、透き通るような青い海は
やっぱり、識ってる海に似ていて
だけど知らない世界。

…でも、どうしてか、すこし懐かしいような気もするの。
ここで生きてきたヒトも、海にあこがれたのかな。

ふわふわ、ゆらゆら。
機械の海月とお散歩しながら
たたかい、おつかれさまと労って
みんなもゆっくり休めてると、いいな。
暗いところの光は、なんだか落ち着くもの。

…ねぇ、リュカも。おつかれさま。
おきにいりのさかな、見つかった?
ボクはね、……ひらひらの子。
名前はあとでいいの。
今は、この景色を焼き付けておきたいから。



 ふわふわ、ゆらりと。
 立体画像の海月がゆれる。
 あわせるようにびいどろのつれた、
 海月が宙を漂った。
「さかな。ほし。うみ」
 歌うようにびいどろは声を上げる。
「はじめての水族館」
 それはどこか嬉しいようなそうでもないような。ふわふわと空を漂うような不思議な気持ちがした。
「ほんものじゃなくても、『きれい』だね」
 びいどろのつれる機械の海月は返事はしない。ただ同じように漂っていると、
 自分たちもまた、海を漂っているような気になった。
「……」
 どうしてだろう。懐かしいのは。
 びいどろはかすかに首をかしげる。
「ここで生きてきたヒトも、海にあこがれたのかな」
 言いながら、きっとそうだろう、とびいどろも思った。
 真っ暗で、穏やかで。そして優しい空間がすると。
 その中で漂うように歩くと、本当に自分がくらげになったような気がした。

「ああ、リュカ」
「……ああ」
 どれくらい、そうしていただろうか。同じようにぶらぶらしていたリュカを見かけて、声をかける。
「たたかい、おつかれさま」
「それは、こっちのせりふ」
 頑張ったのはそっちだろうと言うと、そうだったっけ? とびいどろは首をかしげた。
「おきにいりのさかな、見つかった?」
「さあ」
「さあ?」
「好きって、正直よく解らない。そっちの『好き』は?」
 言われて、びいどろはふんわりと指をさす。
「ボクはね、……ひらひらの子。あのこ、ほら」
 魚が通り抜けていく。びいどろが指を刺したのは、ひらひらした長い尾を持った、透明感のある美しい魚だった。
「似てるな」
「そうかな?」
 リュカは何に、とは言わなかったし、びいどろも何が? とは聞かなかった。
「なんて魚?」
「名前はあとでいいの。今は」
 そう、びいどろは答えてほんの少し笑った。
「この景色を焼き付けておきたいから」
 魚はひらひらと、上へ向かって泳いでいった。どんどんどんどん、星のほうへ……。

成功 🔵​🔵​🔴​

アール・ダファディル
アクアリウム館内を≪彼女≫…Echoと共に見て廻る。

はしゃぐ様子はくるくると幼子のよう。
踊り回りながら動く≪彼女≫の糸引きながら苦笑する。
「ほら、Echo。行儀良くしないと魚も見る事が出来ないよ」
何時まで経ってもお転婆な妹には困ったものだ。
先導に続きながら立体映像を眺めていく。
優雅に泳ぎ回る魚の数々は作り物だと分かっていても見事なもの。
まるで、まるで――ああ、いきているかのようだ。
「――…彼等も、誰かに愛されたらヤドリガミになれるのだろうか」
魅入った末に口にした独り言に顔を顰める。
なんでもない、と案ずる≪彼女≫を抱き上げ水槽に背を向けた。

≪彼女≫の柔らかな真綿は今日も陽だまりの薫がした。



 星の中をアールと≪彼女≫……Echoは共に歩いた。
 ≪彼女≫はくるくると舞い踊る。それは本当に本当に楽しそうに。それは本当に本当に生きているみたいに。
「ほら、Echo。行儀良くしないと魚も見る事が出来ないよ」
 ≪彼女≫の糸を引きながら、アールは優しく苦笑した。
 くるり、と≪彼女≫はふりかえる。小首をかしげる仕草ははたから見ていれば可愛らしくごめんなさい、とでもいっているようで、アールも目元を和らげた。
「やれやれ。何時まで経ってもお転婆な妹には困ったものだ」
 そんなアールの言葉をどう取ったのか。≪彼女≫はご機嫌に再び歩き出す。魚が頭上を通ればそれを目で追って。可愛らしい子が寄ってくればぴょんと跳ねる。
 ≪彼女≫の頭の上に、揺れるように魚が降り立った。それは誰が描いたのだろうか。美しい姿に真っ白い翼を持っていた。
 魚は≪彼女≫がガラスに触れると、その前にちょこっと寄って来る。一度、≪彼女≫がガラスを叩くと魚もまた水槽越しにキスをするように軽く顔を当ててまた上方へと泳いでいった。
「まるで、まるで――ああ、いきているかのようだ」
 その姿は、にせものとわかっていても、見惚れずにはいられなかった。
 天を泳いだ魚は他の魚と合流し、ともに力強く泳いでいく。
「――…彼等も、誰かに愛されたらヤドリガミになれるのだろうか」
 思わず、そんな呟きが漏れた。漏れた瞬間、自分で顔を顰めた。
 アールのその、ささやかな気配の違い。≪彼女≫は顔を上げた。アールは微笑んだ。
「……なんでもない」
 首を横に振って、アールは≪彼女≫を抱き上げる。水槽に背を向けて歩き出した。
 ≪彼女≫の柔らかな真綿は今日も陽だまりの薫がした。

成功 🔵​🔵​🔴​

暗峠・マナコ
本物の水族館がある宇宙船もあると聞きましたが、本物ではない美しさというのもあるんですね。
みんな各々好きなもので飾って、好き勝手しているハズなのに、そこがステキなとてもキレイな光景です。

私も魚を一匹泳がせますね。
全身真っ暗で、金色の傷跡のある、小さい魚。

私はキレイなモノが好きです。
だって、キレイなモノが沢山あれば、キレイじゃないモノも少しくらいあったって、許される気がするでしょう?
この小さな空間にこれだけキレイなモノが沢山あるんです。
きっと、この世界、この世界以外の世界にも、もっともっとキレイなモノが沢山あるんでしょうね。
ふふ、このキレイなモノたちを守るため、これからも頑張りましょうね。



 マナコが見つめる世界は美しい。
「本物の水族館がある宇宙船もあると聞きましたが、本物ではない美しさというのもあるんですね」
 巨大水槽を眺める。視界いっぱいに、偽ものの世界が広がっていた。
「みんな各々好きなもので飾って、好き勝手しているハズなのに、そこがステキなとてもキレイな光景です」
 そっとマナコが水槽に手を触れる。
 そこは偽物であったが、
 確かに、たくさんの人の心が行きかう本物の世界であった。
「でしたら……でしたら」
 私もと、マナコはペンを取る。
 魚を描く。全身真っ黒な魚だった。
 魚は真っ黒で、ぺたぺたしていて、本当に何もない真っ黒で。
 これだけなら、その水槽の中とけて消えてしまいそうなくらい黒い姿で。
 だからこそ、彼女はそこに金色を走らせた。
 黒の魚に金の線を。
 それはまるで夜に浮かぶ星の導のようで。
 そしてやっぱり……醜い醜い傷跡のようで。
「私は……キレイなモノが好きです」
 そうして魚はマナコの手を離れた。ふわりと浮かび上がるように魚は動き出し、やがて美しい魚たちと一緒に泳ぎだす。
 くるくると魚たちは色とりどり。綺麗に踊って人々の心を和ませる。
 その中に……確かに黒くて、金の傷を持つ小さい魚もいた。
「だって、キレイなモノが沢山あれば、キレイじゃないモノも少しくらいあったって、許される気がするでしょう?」
 呟きは誰に聞かれることもない。ただ魚を目で追って、マナコはそっと目を細める。
 だから、この素晴らしき世界の中で、
 マナコは今、ここに。たくさんの人の中で立っているのだ。
「きっと、この世界、この世界以外の世界にも、もっともっとキレイなモノが沢山あるんでしょうね……。ふふ、このキレイなモノたちを守るため、これからも頑張りましょうね」
 遠くに泳いでいく魚に声をかける。綺麗なものに囲まれて、それでも懸命に泳ぐその姿に。小さく彼女は手を振った。

成功 🔵​🔵​🔴​

マリアドール・シュシュ
アドリブ歓迎
青のドレスに白のふわふわケープ

一人で居た少年(エミール・シュテルン)へ声掛けて自己紹介

「まぁ!本当に船の中なのかしら?
あなたも一人で此処に?マリアもなのだわ!ねぇ、良かったら一緒に見て回りましょう?
アクアリウムを見るのはマリア初めてで色々教えて欲しいのよ(手取り)
星の中を泳ぐお魚さん綺麗…本物みたいなの」

エミールに連れられ沢山の水槽をあちこち見ながらはしゃぐ

「焦らなくてもお魚さんは逃げないのだわ(ふふ)
あの魚はなんと言うのかしら、エミール」

描いた魚を泳がせると聞き絵を描こうと誘う
綺麗な女の人魚の絵を描き、過去の朧げな記憶(育て親の顔)が霞む

(マリアはどうして、人魚を描いたのかしら


エミール・シュテルン
アドリブ歓迎
ブラウスにリボンタイ、細身のパンツ姿

入るか迷っていたらふわりとした印象の少女(マリアドール・シュシュ(f03102)に声をかけられたので、軽く自己紹介
「私も初めてなので、うまく案内出来るか不安ですが…エスコートは、お任せください(手を差し伸べ」

手を引きつつ魚の解説をしていると
パッと目に入った美しい魚を追いかけるように、
マリアをつれて駆け出しかけ
「レディ、ほら、あそこに…と、すみません(はにかむように」

不器用ながら、金と銀をつかった可愛らしい魚を描き泳がせつつ、少し視線を外し
「ありがとうございました、レディ。貴女のお陰で、とても楽しい時間を過ごせました。願わくば、また…」



 青いドレスが揺れていた。
 白いケープがなんともふわふわで、
 一瞬。エミールは目を奪われた。
「あら、ごきげんよう」
 視線に気付いて、マリアドールが微笑むと、エミールは思わずぺこりと頭を下げる。
「こんにちは。貴女もこの水族館を見に来られたのですか?」
「ええ! ここは本当に船の中なのかしら? とってもとっても素敵ですのよ。貴女も、ということは? あなたも一人で此処に?」
 マリアはくるりと回って微笑んだ。その微笑にエミールも思わず笑う。それを見て取って。
「ええ。私も。けれどもどうにも気後れしてしまって」
「マリアもなのだわ!ねぇ、良かったら一緒に見て回りましょう?」
 エミールの言葉に、マリアが手を叩いて笑う。その姿があんまりに可愛かったので、
「私も初めてなので、うまく案内出来るか不安ですが……エスコートは、お任せください」
 エミールも頷いて手を差し出した。
「申し送れました。私はエミール」
「ふふ、ありがとうエミール。マリアはマリアなのよ」
 マリアドールが手を取る。簡単に自己紹介をして、二人は水族館の中へと足を向けた。

「アクアリウムを見るのはマリア初めてで色々教えて欲しいのよ」
「そうなのですか? でしたら、私がわかる範囲で、簡単に説明させていただきますよ」
 マリアドールの言葉に、エミールはそう声をかける。
「星の中を泳ぐお魚さん綺麗……本物みたいなの」
「そうですね……。レディ、ほら、あそこに……」
 不意に、エミールが手を引いた。少し小さめだが、珍しい魚の姿が見えたからだ。
「あそこです、レディ。よく見てください。ほら……」
 いって。
 エミールはマリアドールの手をぎゅっと握り締めていたことに気がついた。
「と、すみません」
 さすがに照れて、エミールはその手を緩める。
「焦らなくてもお魚さんは逃げないのだわ。あの魚はなんと言うのかしら、エミール」
「は、はい。あれはですね……」
 マリアドールが優しくそう視線を向けると、エミールは少し照れた用意笑って、その魚の珍しさと綺麗さを語った……。

 そして少し歩くと二人は魚の絵を描いている人たちを見つける。
 どうやら特別なペンで描いたら、それが水槽の中を泳ぐらしい。
「まあ。素敵素敵! だったらマリアも、描いてみようかしら!」
 明るくマリアドールがいったので、エミールも嬉しげに同意する。
「そうですね。折角ですから……」
 不器用なので、うまくは行かないかもしれませんが、とエミールは言うと、
「損なのは関係ないのではないかしら。楽しく好きなものを描けばいいと思うの!」
 ほらほら。と言いながらもマリアドールもはしゃいでペンをとる。何をかこうかと頭の中で考えて、
「……」
 自然と彼女は人魚の絵を描いた。綺麗な女の人であった。
「……?」
 それが泳いでいくのを見送って、マリアドールは首をかしげる。どこかで見たような。霞む記憶を思い出すようにその背中を追って、
「? どうかなさいましたか?」
「え? ううん、なんでもないのー」
 エミールの視線にマリアドールは首を横にふる。
 金と銀をつかった可愛らしい魚をエミールが描くと、それは人魚の後を追う様にかけていった……。
「ありがとうございました、レディ。貴女のお陰で、とても楽しい時間を過ごせました。願わくば、また……」
 一通り見回って、別れ際に、エミールがいった。マリアドールは微笑む。そして、
「――ええ。またおあいしましょう、なの!」
 嬉しげに微笑んだ……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

鴛海・真魚
さっき協力してくれた素敵な方がいれば
ありがとうと伝えたいわ。
貴方が協力してくれたから皆無事よ、ありがとう素敵な紳士様。


お礼を伝えたら羽休めを。
とても不思議な空間ね、これら全てが本物のようで
前の彼も、その前の彼もきっとこの素敵な空間を知らないわ。
もったいないね。

アクアマリンは海にとけてしまうの
でも、この海なら私も私でいられるわ
綺麗なお魚さん、私の姿は見えるかしら?
それともあなたたちみたいに透けて見える?

宇宙はとても神秘的で魅力的で、また誰かと来たいわ。



 水槽をゆっくり見つめていた真魚は、ふっと顔を上げた。
 さっき彼女を助けてくれた終が水槽の前で転がっていていたので、ころあいを見計らって声をかける。
「貴方が協力してくれたから皆無事よ、ありがとう素敵な紳士様」
「いえ、礼には及びません。ですが、そういっていただけると嬉しいものでございますね」
「ふふ、お疲れのようね」
 そんな簡単な挨拶をして、真魚はその場から離れる。後は水槽を覗きこんだり。戯れに絵を描いてみたりして過ごす。
「とても不思議な空間ね。これら全てが本物のようでいて、本物でないなんて」
 ぽつ、と呟く真魚の傍らを、煌くようにリュウグウノツカイが通り抜けていった。
「……あら。綺麗。お星様」
 そこには本物には無い可愛らしい模様がえがかれていて、
「前の彼も、その前の彼もきっとこの素敵な空間を知らないわ。もったいないね」
 さして惜しくもなさそうな口ぶりで、真魚は言った。それは過去を見るよりも、未来を見ていたからかもしれなかった。
 描かれたにせものの魚は、作り出された水の中を泳ぐ。ぱち、と瞬きをひとつすれば、真魚は水槽に軽く触れた。
「アクアマリンは海にとけてしまうの。でも、この海なら私も私でいられるわ」
 歌うような声。通り過ぎる魚の群れに呼びかける。
「綺麗なお魚さん、私の姿は見えるかしら? それともあなたたちみたいに透けて見える?」
 返答はない。ただ魚の何匹かが、真魚の手元にやってきた。それはたまたまかもしれないし、真魚のことに気がついていたのかもしれなかった。
「……そうね。それはあなたたちにしかわからない、のよね……」
 他人が自分のことをどう見ているかなんて、本人にしかわからない。
 そして残念ながら、真魚は魚ではないので魚の声が聞けなかったから、確認しようのないことだった。
「でも、それはきっととても、ロマンチックなことなのね」
 つっと真魚は水槽から手を離す。魚があちこちに散っていって、
「宇宙はとても神秘的で魅力的で、また誰かと来たいわ」
 今度は、誰かと……。囁くようにいって、真魚はその場を後にした。

成功 🔵​🔵​🔴​

静海・終
これにて悲劇が幕を閉じました
楽しむ前に休憩を
少し戦いと疲れたと寝転がり目を閉じる
暫くしてからわき腹に走る衝撃に目を開くとクロエ/f02406が目に入る
休んでたんですよ…何か、何か私に恨みがおありで
思いっきり蹴られたわき腹を抱えながら縮こまる
クレム/f03413にちゃんと見ておいてくれと視線を投げる

さて折角ですし一つ…絵でも描いてみますか?
おや、そこ行くリュカ少年
貴方も一緒に描いてみません?
私、絵には自信は…
ここに泳がせるのは魚でなくとも良いのでしょうか
でしたら私は猫をかきましょう
(真剣に、筆を走らせる)
(タコの様な手足を持つ猫のような生物を生み出す)
…みなさま描けましたか? …お上手ですね


クレム・クラウベル
ぐいぐい引っ張る手に観念してずるずる引き摺られつつ
……他所見してるとお前こそ躓くぞ、とクロエ(f02406)に注意した矢先
つんのめる姿には言わんことないと目線で呆れ
というか終(f00289)、何でこんなところで寝てるんだ……
これ(クロエ)の粗相は諦めてくれ、俺は保護者じゃない

あぁ、リュカ。……騒がしくてすまないな
良ければ少し付き合ってやってくれ
満足すればいくらかおとなしくなるだろうし
筆を押し付けられれば面くらい
育ち柄魚にあまり覚えはないが
仕方ないなと描くのは以前絵本で見た魚
長いヒレに虹色の鱗……確か、こんな
(絵本の挿絵を真似たものに仕上げ)
二人のはなんだか別ベクトルで個性的だな


クロエ・アルページュ
今日も今日とてクレム/f03413の手をひっぱり
今回はスペースシップでデートですわ
クレム、足元が見えにくいので気をつけ…
(思いっきり躓く)
もう!誰ですこんなところに…終/f00289ではないですの
あらまぁ此処で転がっていたら危ないですわよ
思いっきり蹴ってしまいましたわ(撫でる
そうですわ、わたくしがクレムの保護者ですの!

描いたものは動くなんて素敵ですわ
リュカ!リュカもぜひ描いて見せてくださいな
見て下さいまし、わたくしのサメ!ギザギザ歯!
(ゆるきゃら風味の画風)
終、それは邪神というやつですわね!
クレムはどこか懐かしくなる優しいお魚ですわ

本当に、素敵
これが立体映像…本当に海の中にいるみたいですの



 終は水族館の真ん中に寝転んでいた。
 丁度そういうスペースらしい。あちこちに座り込んでのんびりと空を見ている人がいる。
 終のように寝転がっている人はちょっとまれだ。でも恥ずかしくない。
「貴方が協力してくれたから皆無事よ、ありがとう素敵な紳士様」
「いえ、礼には及びません。ですが、そういっていただけると嬉しいものでございますね」
「ふふ、お疲れのようね」
 不意に、さっき戦闘で助けた人に声をかけられた。なんでもないことのように返答したが、早速ちょっと恥ずかしかったかもしれない。
 簡単に話をして、再びその場に寝転がる。
「これにて、悲劇が幕を閉じました。さて楽しむ前にほんの少しの休憩を。それもまた紳士たる……ったァ!」
 何か呟いているところで、思いっきりわき腹に衝撃が走った。具体的に言うと、蹴られた。もんどりうって転がって。
「もう! 誰ですこんなところに……って、あら終ではないですの」
 声が振ってきた。何事かと苦しげに目を開けると、目の前に綺麗な赤い髪が、踊った。
「あらまぁ此処で転がっていたら危ないですわよ。思いっきり蹴ってしまいましたわ」
 あっさりと悪びれも無く言うのはクロエであった。その手には一人のクレムを引きずっていた。ごめんあそばせ、なんて言いながらも、蹴飛ばしてしまった足を引く。
「いえ、ここはそういう場所でございまして……休んでたんですよ。何か、何か私に恨みがおありで……?」
 あまりにもあっけらかんとした物言いに、思わずわき腹を抱えてうずくまる終。ものいいたげな視線をクレムに向けると、
「危ないと注意はした。そうは言っても座っているのは兎も角寝ているのは終だけだろう。何でこんなところで寝てるんだ……」
 何から言ったものかと、クレムはひとまず、とりあえずはそう釈明する。しかしいいたいことはわかっている。そんなものではないのだ。そんなものでは。
 故にそっとクレムは視線をそらした。
「あと、これ(クロエ)の粗相は諦めてくれ、俺は保護者じゃない」
「そうですわ、わたくしがクレムの保護者ですの!」
「そういうわけだ。俺はもう諦めている。終も受けいれたほうが、早いぞ」
「うう、この悲劇、私の力で破壊できるのでございましょうか……」
 思わず、終は抗議の声を上げるのであった。言いながらもなんだかクレムも終も楽しそうだったので、まあ。とクロエはちょっと拗ねたような声を上げて、笑った。

「それで、ここでは皆さん、休んでいる以外では何をなさっているのかしら?」
「ああ。描いたものが魚になって水槽を泳ぐので、みんなして魚を描いているようでございますよ」
「ああ……道理で。いろんな雰囲気の魚があると思った」
「描いたものは動くなんて素敵ですわ!」
 終が丁寧に解説すると、クレムが納得して。そしてクロエが目を輝かせたので、終も頷く、
「ええ。もちろんわかっておりますとも。折角ですし一つ……絵でも描いてみますか」
 既にペンは用意しておりますと、終はさ、と専用ペンを差し出した。
「あら、ありがとう! ええと、ええと。では何から描こうかしら。……あ!」
 きょろ、と他の人はどんな絵を描いているのだろうかと。周囲を見回すとクロエは声を上げる。
「リュカ! リュカもぜひ描いて見せてくださいな」
「え」
 人ごみの中にリュカの姿を見かけて声をかけた。
「おや、確かにそこ行くはリュカ少年。貴方も一緒に描いてみません?」
「俺が?」
「あぁ、リュカ。……騒がしくてすまないな。良ければ少し付き合ってやってくれ。満足すればいくらかおとなしくなるだろうし」
「……クレムお兄さん、…………ん、わかった。そんなに、うまくないけれど」
 あんまりこういう遊びとは縁遠いので。ちょっと緊張したようにリュカも頷いた。
「ふふふ、誰が一番強そうな子を描けるか、勝負ですわ!」
「……かわいいとか、そういうのじゃなくて、強そうなのか?」
「だってかわいいでしたら、私がぶっちぎりで優勝でしょう?」
「ううん、勝負といわれれば、私、絵には自信は……」
「ないの? 終お兄さん器用出なんでも出来そうそうなのに」
「く、そんな目で見ないでくださいませ。ええ。あります。ありますとも(別の方向で)。……ところでここに泳がせるのは魚でなくとも良いのでしょうか」
 あれやこれや。話をしながら絵を描く。
 クレムは最初こそ面食らっていたが、丁寧に線を引いていく。
「育ち柄魚にあまり覚えはないが……確か、こんな」
 長いヒレに虹色の鱗で……。可愛らしい顔をしていて……。
 思い出すのは、やけに優しくてかわいい。絵本の中にいるような姿だ。
 描き始めるときは、なんだか照れるかもしれないなんて思ったけれど。仕上がってみればそれはどこか優しくて、暖かくて、そう。うまく出来たな、と思わず笑った。
「見て下さいまし、わたくしのサメ! ギザギザ歯! ほら! シマシマにしてしまおうかしら!」
 隣でクロエがはしゃいでいる。画風はゆるきゃら風味である。大きな口をあけて、若干筋肉質かもしれない。強そうで、そして優しそうだった。いわゆる気は優しくて力持ち、って感じだ。
「……」
 一方終は無言で筆を走らせる。なんだかかつてないほどに真剣な面持ちであった。
 真面目な顔で終が描き出したのは、
「……それ、見たらいけないものじゃないの」
 主にUDCアースにいそうな類の、とリュカが真面目腐った顔でいった。
「猫ですよ? ええもちろん猫でございますよ?」
 タコの様な手足を持つ猫のような生物を猫と言い張って、それで、皆さんは……と言いながら終は周囲を見回して絶句する。
「……お上手ですね」
 ぐう。とぐうの音をあげながら終は素直に敗北を認めるのであった。
「クレムはどこか懐かしくなる優しいお魚ですわ。そして終、それは邪神というやつですわね! すごいですわね、もしかしたら一番強そうかもしれません!」
 フォローになっているのかいないのか。わからない感じでクロエは言って笑う。
「そしてリュカのこれは、鮎ですね」
「そうだね。ごめん、みんなみたいに可愛くかけない」
「いや。ネタにあえて走る必要はないだろう」
「そうですよ。私だって真面目に描かせていただきましたとも」
 何てことない魚を描くリュカに、終が全力で主張した。真面目に真剣に描いてあれである、という事実に思わずクレムが、
「三人とも……なんだか別ベクトルで個性的だな」
 なんて、声を漏らした。
 そうこういっている間にも、魚たちは彼らの手元を飛び立った。立体画像の海の中、仲良くみんなで泳いでいく。
「……本当に、素敵。これが立体映像……本当に海の中にいるみたいですの」
 思わずクロエがそれを追いかけようと手を伸ばして、ガラスに触れて阻まれる。
 だから四人でしばらく、泳いでいく魚たちを遠く目で追っていた……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

リル・ルリ
【Siemen】

「星穹を游いでみたかった。それに描いた魚が泳ぐなんてすごい。どんな絵を描くのだろう」

楽しげな雰囲気に心が踊り皆の魚をのせて游げるような星の歌を歌う
皆がどんな魚を描くのか気になる
そう、リュカも一緒に描こう
オズの魚はおいしそうだし、メーリの魚もキラキラ綺麗。銀の鱗に親近感
晶硝子の魚も可愛いよ。初めてなのに上手だよ?ルーナのお魚は星飾りのオシャレさんだね。綾華の金魚……ひらひら、君みたいだ。リインルインの魚も探さなければ
僕の描いた魚はこの歌そのもの
だから僕の歌も、褒めてもらえてうれしい
メーリが添えてくれたハミングに微笑んで
星泳ぐ皆の魚をみやる
どこまでも一緒に游いでいけるといいな


彼者誰・晶硝子
‪【Siemen】の‪皆と
リュカもご一緒、いかが?‬

‪星空を泳ぐさかな‬
‪とても不思議なのに、描いたものまで泳ぐなんて‬
‪子どもたちに混じるオズの明るい声に誘われて‬
‪そわそわ、わたしも描いてみようか‬
‪絵を描くのは始めてで…むつかしい‬
‪小さくて、細い、あおいさかな‬
‪まるまるさせたかったのに、と目線はオズの魚に‬
‪同じ青でも星を飾った子は、ルーナみたいにお洒落‬
‪小さな銀は、誰の子かしら…人懐こくて、メーリの魚?‬
‪縞々の子はユニークで、賑やかなアクセントね‬
‪夢から浮き出たような金魚も視界に‬
‪リルの歌と合わさって、その水槽は幻想的で‬

‪ふしぎ…眩しいわ‬
‪みんなと一緒の、この空間が‬


浮世・綾華
【Siemen】
初めて訪れる世界の不思議な船内
興味深いとゆるり眺めながら
子供のように輪に入ろうとするオズに続けば
なぁに描いてんの?と屈んで

あてっこを楽しむ皆は見守り
自分は心の中で

リルの煌めく華やかな旋律には穏やかに耳を澄ませ
浮かぶ星模様や銀色を目で追う
きれーネ

答え合わせが済んだなら
晶硝子ちゃんやリインちゃんの努力には
俺は好きだよ。この子も、この子も
オズのは…まあうん、いいと思うぜ?
曖昧に褒め反応には彼らしいと笑う

こっそり
自分は得意ではないから描かないと言っていたが気が変わった
そう話した理由は胸の奥にしまい
放っていたのは紅衣纏う金魚を模した子

ここにしかない世界に
ちょっと加わりたかったんだよ


オズ・ケストナー
【Siemen】リュカも一緒に行こう
すごい、星と魚が泳いでる

子供たちに
まーぜーてっ

わたしも泳がせてみたい
アケガラスも描こうっ

リュカは絵、とくい?
そわそわ
覗いてみたいけどあとのおたのしみ

描く絵はふとくでっかくめいっぱい
ギョウザとか餅巾着に似た何か(魚のつもり
アヤカみてみて
褒められ
やったあ

あのかわいい子はルーナかな
リインルインはこの子?
しましまかわいい
きらきらな子はメーリ?
なつく姿に笑い合い
わたしの魚もぽよんと応えて
魚もみんななかよし

そしたら赤い子は…
赤い着物を連想して微笑む

リルの歌、ずっと聞いてみたかったんだ
合わさる声に耳澄まし
きれい

ずっと見ててもあきないね
みんなで作った水槽は世界でひとつだもの


メーリ・フルメヴァーラ
【Siemen】
みんなとリュカくんと一緒!
星のきらきらがぷかぷかしてる
それだけで目が輝くのに
次々現れる新たな彩に呆けたような感嘆が溶ける

私の魚はこれだよ
銀色の鱗が光を弾く小さな子
波打つようにひらめいたら
みんなの魚にじゃれるみたいにくっつくの
みんなになついてるんだね
私とおんなじ!

美味しそうな子
可愛い金魚
あおい子はきれい
星模様を指先で辿って
耳に届いた優しい歌へ
なぞるようにハミングを添える

きらきらしているのに儚くなくて
たからばこみたいな星空の海
ぎゅっと幸せが詰まってるね
手が届かないのにちゃんと届く心地

私もずっと一緒に泳いでいたいな
なんて囁きが泡になって消えてしまうまで
みんなと肩を揃えて揺蕩っていよう


リインルイン・ミュール
【Siemen】
綺麗な船! 見ているだけでも心が跳ねて泳ぎだしソウ
皆で描くお魚、今からとっても楽しみデス
ワタシも絵心が無いなりに頑張り……頑張りまシタ!(ちょっと不細工な、細長い縞々魚が放たれた)

ではでは此処で当てっこを。リュカもご一緒ニ!
さて、この食べ応えのありそうなのがオズのですネ!
この赤いひらひら、きっと綾華のお魚。和風と言うのでしたっけ
小さい流星のような青……この子が晶硝子の?
となると星と空のお魚がルーナの、此方の綺麗な銀魚がメーリのですカ

こう見ると、何だか皆さんらしいお魚達デス
リルの歌に合わせて踊っているみたい
記憶に残る宇宙は暗いものでしたガ
まるで光のような、良い思い出が出来まシタ


ルーナ・リェナ
【Siemen】
お誘いありがと、リュカ
よかったら一緒にどう?
みんなで絵を描いたらあてっこしてみない?
わたしが描くのは深い空の青に星の模様がついたおさかな
ゆらゆらするひれがのんびりしてていいかなって
餃子に餅巾着は美味しそう
わああ、金魚は綺麗でよく見える
青い小さなおさかなもかわいいなぁ
しましまのはおしゃれさん!
リルの歌もあってわたしたちだけのアクアリウムだね



「わあ、わあ、星のきらきらがぷかぷかしてる! ねえ、みて、流れ星みたい!」
 【Siemen】のメーリが指をさした。その先できらきらと輝く魚が鮮やかな奇跡を描いてまっすぐ、天から地まで落ちるように通り過ぎていった。
「本当ね。星空を泳ぐさかな‬。‪とても不思議なのに、描いたものまで泳ぐなんて‬……」
 晶硝子がほんの少し、目を見張るようにしてメーリの指差した魚を目でおう。
「綺麗な船! 綺麗な魚たち! 見ているだけでも心が跳ねて泳ぎだしソウ」
 言いながら、リインルインはくるりと一回転。既に飛び跳ねそうな様子でご機嫌である。
「星穹を游いでいるみたいだた。それにこの魚たちが描いた魚で、泳ぐなんてすごい」
  リルも感心したように進む。まるで星の中を泳いでいるような錯覚に陥って。それはとても楽しそうであった。
「うんうん。すごい、星と魚が泳いでる」
 オズも楽しそうに笑う。その隣でルーナが面白そうに、
「ねえねえ、次はどの水槽見に行く? ……って、あら?」
 言いかけて首をかしげた。妙に魚の少ない水槽があったからだ。オズもそれに気がついて首をかしげるも、それからすぐに、あ! と声を上げて。
「ねえねえ、何して遊んでるのかな? まーぜーてっ」
 その水槽の前にしゃがみこむ子供たちのところにとんでいった。
「わ!」
「なーに? どうしてもっていうならおしえてあげなくもないけどー」
「うん、どうしても! どうしてもー」
 すぐに子供たちに混じってオズはなじんでいる。
「なぁに。もしかして何か描いてんの?」
 綾華がオズの後を追いかけて声をかける。あたり、と子供たちが顔を輝かすので、当たりか。って綾華もにやりと笑った。
「んじゃ、俺たちも仲間に入れてくれるか?」
「うん、いーよ!」

 そして調査の結果。オズたちは魔法のペンを手に入れた!
 これで絵を描けば、それが水槽の中で動き出して泳いでいくらしいというので、
「わーわーわー。いいないいないいな。わたしも泳がせてみたい。アケガラスも描こうっ」
 ぽんとオズが手を振った。わくわく今にも走り出しそうな声でそういうと、
「……わたしも描いてみようか‬」
 説明をオズの背中越しにふんふん、ふんふん、って聞いていた晶硝子は小さく。決意をこめたような声で言う。
「そうねそうね、たのしそうよ」
「うん、やってみる」
 ルーナの後押しにぐ、とペンを握ったまま拳を握り締めて、晶硝子も壁へと向き直った。
「楽しそうで、踊りだしそうな。皆の魚をのせて游げるような星の歌を……」
 リルはペンを持たない。そのかわりみんなが絵を描いている間、星の歌を歌うことにして。それが自分の絵のかわりだと笑っていた。
「あ、リュカ。リュカもご一緒、いかが?」
 ふと。魚と星の間でなんとなくぼんやりしていたリュカを晶硝子が見つけて声を上げる。
 リュカは一度不思議そうに考え込んだ後、
「いいの?」
「勿論! リュカもご一緒ニ!」
 問いかけに即座にご機嫌で答えながらも、リインルインはペンを手に取る。
「当てっこするんデスヨ。だから見てはいけまセン。皆が描くお魚、今からとっても楽しみデス。ワタシも絵心が無いなりに頑張り……頑張りまス!」
 なにやら闘志を燃やすリインルインである。ぎゅぎゅぎゅ、と描くのは、細長~~~い、シマシマの。ちょっと不細工な。でも可愛らしい感じのお魚であった。
「え……っと、面白いネタとか無くてもいい?」
「あら、ネタってなあに? 」
 深い空の青に星の模様がついたおさかなをルーナは描きながらも首をかしげる。ネタってなんだろうって思いながら、ひらひら長い尾びれを付け足した。そのとなりで、
「ねーねー。出来た出来た、おっきくて太くて大きいの!」
 おっきいの二回いった。オズが描いたのはギョウザとか餅巾着に似た何かとても太い線のとにかくとても大きいものであった。
「アヤカみてみて!」
「見せてどうするよ。当てっこするんじゃねぇの? ……こんなのの後で言うのもなんだが、別にネタじゃなくてもいいと思うぜ」
「‪絵を描くのは始めてで……むつかしい‬」
 そんな彼らの横で晶硝子は至ってマイペースであった。小さくて、丸くて。青くて。呪文のように呟いて。……けど、
「まるまるさせたかったのに……」
「ふふ。でもきっときれいだと思……あ、見ちゃだめだよね、ごめんね」
 ちょっとうまくいかなかった。肩を落とす晶硝子にメーリは振り返りかけて笑う。
「早く見たいねー」
「うん」
 次々に出来た、とか、そんな声が届いて綾華は手を差し出した。
「ん」
「ん?」
「終わったんだろ?」
 ほら、といわれると、ああ。と察してオズはペンを綾華の手に置いた。
「……」
「……」
 描かないからいらないって言ってたのに、とはオズは言わなかった。綾華もなにも言わなかった。
 そうして綾華は、紅い衣を纏った金魚の絵を描いた。
「とってもすごい。壮観だね」
 リルがひとまず歌を止めてそういった。すぐに、その魚たちにあう新しい歌を考えていた。その頃には魚たちは大体手を離れていて、
「ほんとだ。本当だね。すごいすごい」
 メーリは目を輝かせた。一斉に飛び立つ魚たちは本当に色とりどりできれいで……、
「あ、私の魚も……!」
 思わず見ほれていた。
「じゃーん! 私の魚はこれだよ。おっけー、みんな出来た?」
 きゅ、とメーリは最後の一線をかきたした。描かれたのは銀色の鱗を持つ魚。泳いだ加減で光をはじいて、明るくなったり少し沈んだり。様々な面を見せるだろう。
 その子が無事に旅立つのを確認してから、再びみんなで集合する。さあ、当てっこの始まりだ。

 メーリが最初に選んだのは。
「それじゃあ、結果発表だよ。まずはー……オズさん!」
「さて、この食べ応えのありそうなのがオズのですネ!」
「オズの魚はおいしそうだね」
「ほんとだ。餃子に餅巾着は美味しそう」
「わたしもこんな風に、丸々したかった……」
 なお、発言順はメーリの次にリインルイン、リル、ルーナ、晶硝子である。
「おいしそう? おいしそうって上手ってこと? やった!」
 そしてオズは嬉しそうであった。
「えーっと、じゃあ次はー」
「はい。わたしのをお願いするわ。まるまるのなの」
 晶硝子が挙手する。丸々にずいぶんこだわっているようだが、
「え、どの子だろどの子だろ」
「あれかな? 晶硝子の魚も可愛いよ。初めてなのに上手だよ?」
「そうだね。小さい流星のような青……この子が晶硝子のだとおもう」
「ほんと。青い小さなおさかなもかわいいなぁ」
 オズ、リル、リインルイン、ルーナの順に。それに晶硝子は微笑ひとつ。
「あたり。次は……もっと丸く出来るよう、頑張ろうかしら」
 なんて言葉は冗談めかして。

「それじゃ、次はワタシのを見るでーす!」
「あ、その前に。俺のはあれだからね」
「! リュカさんなんで言いました!」
「え、いや、選択肢は減らしておこうと思って」
 丁度リュカが描いたのもシマシマのだったからだ。
「オゥ……。なるほど大丈夫です。では、改めてワタシのを見るといいです!」
「ああ、待って待って。探さなければ」
「リインルインはこの子? しましまかわいい」
「そうね。‪縞々の子はユニークで、賑やかなアクセントね‬」
「あれかな? しましまの! おしゃれさん!」
「ふふふ、正解デース。もっと皆さん褒めるとイイデス!」
 リルが悩み、ルーナとオズ。そして晶硝子がさっと指をさした。リインルインは得意げに笑った。

「ルーナのお魚は星飾りのオシャレさんだね」」
「星と空のお魚がルーナの……でショウカ?」
「ああ。あのかわいい子はルーナかな」
 リルとリインルイン、オズがいっせいにそう指をさす。
「ああ。確かに。同じ青でも星を飾った子は、ルーナみたいにお洒落‬」
「もう、みんなおしゃれおしゃれって。そんな本当のこと……」
 晶硝子が言ったのがなんだかトドメみたいに。妙にルーナは照れているようだった。

 と、なると……、
「あら。‪小さな銀は、誰の子かしら……人懐こくて、メーリの魚?‬」
「きらきらな子はメーリ?」
「ああ。では此方の綺麗な銀魚がメーリのです」
「メーリの魚もキラキラ綺麗。銀の鱗に親近感」
「ほんとだ、きらきらしていてきれい!」
 晶硝子が声をあげる。オズとリインルインが顔をあわせて言い合った。リルにルーナまでそういうと、
「ふふ、そういうことー。みんなになついてるんだね。私とおんなじ!」
 メーリは指をさす。すぐに遠くへ飛び出してしまうかと思ったら、そうは行かずに他の魚たちにじゃれ付くように引っ付いて泳いでいた。

 そして最後に。
「綾華の金魚……ひらひら、君みたいだ」
「わああ、金魚は綺麗でよく見える」
「この赤いひらひら、きっと綾華のお魚。和風と言うのでしたっけ」
「ああ……」
 リルが微笑み、ルーナとリインルインが指でおう。オズに至っては、綾華のほうを見て微笑んだりもしている。
「……夢から浮き出たようね」
 晶硝子がそういうと、綾華はそっぽを向いて肩をすくめるだけであった。

 みんなが当てっこをしている最中に、綾華は心の中でそれを追う。
「……さすがに俺には解らないな。すごく仲がいいんだね」
 リュカがそれを見ながら綾華に言った。他意はなく、とてもほほえましそうな声だったので、
「……ああ」
 短く。けれども誇らしげに綾華も頷いた。そして顔を上げると、いつしか自分の番になっていて、
「……」
 口には出さないけど、ちょっと照れた。
「俺は好きだよ。この子も、この子も。オズのは……まあうん、いいと思うぜ?」
 なんていうと、やったあ、って明るい声が返った。

 そうして残り時間をみんなでゆっくり過ごす。
 リルがまた歌を歌っている。それはとても綺麗な星の歌。
「美味しそうな子、可愛い金魚。あおい子はきれい、星模様を指先で辿って……」
 添えるようにメーリが魚たちを指差してハミングしている。
 歌声はリルの歌に混ざり合い、きれいに流れていく。
「リルの歌、ずっと聞いてみたかったんだ」
 メーリのハミングと合わさって。きれい、とオズは耳を澄ます。
「どこまでも一緒に游いでいけるといいな」
 リルが呟く。
「リルの歌もあってわたしたちだけのアクアリウムだね
 ルーナも水槽を見上げながら、笑った」
「ええ。こう見ると、何だか皆さんらしいお魚達デス。リルの歌に合わせて踊っているみたい」
 リインルインが眩しげに目を細め、
「記憶に残る宇宙は暗いものでしたガ、まるで光のような、良い思い出が出来まシタ」
「ふしぎ…眩しいわ‬。みんなと一緒の、この空間が‬」
 晶硝子が頷き同じように目をすがめ。綾華が小さく頷いた。言葉は無くても、その場所に加われるのが幸せだというように。
「きらきらしているのに儚くなくて、たからばこみたいな星空の海。ぎゅっと幸せが詰まってるね」
 メーリがそんな彼らを見つめながらも微笑んでいる。その景色を絶対に忘れないようにと、添えるハミング。
「私もずっと一緒に泳いでいたいな。なんて……」
 囁きが泡になって消えてしまうまで……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

レイブル・クライツァ
水が無いけれどアクアリウム……
想像でも作れる水槽は賑やかで、見たことがない姿も幾つか有るのは
実在していたのか、誰かが生み出したものなのかしら?
静かに、うっかり水槽の面を触らないように気をつけて眺めるわ

ゆうらり、ふらふら
細かく浮かぶ泡も
何年か経っていそうな石の苔具合も再現されていて
忘れなければ、無くならないのだという言葉を思い出す。
穏やかな記憶だけならば、過去が今を潰す事など無いのに、と

作られた世界の温度は、触れられない冷たさと集う人々の想いの暖かさで絶妙なバランスを保ってる。
何だかとても、親近感が湧いてくるのよ。ほんの少ししか、変わらない気がしてくるから

嗚呼、こうしていたら水槽の中に居るみたい



 アクアリウムに静かに音楽が流れている。
 対照的に水槽の中は賑やかだ。
「水が無いけれどアクアリウム……。この子達は実在していたのか。それとも誰かが生み出したものなのかしら?」
 呟いて。レイブルは手を伸ばした。触れるか。触れないかの瞬間で、やっぱり触れずに、手を下ろす。
 ゆうらり、ふらふら。
 星の中に魚たちがたゆたっている。
 細かく浮かぶ泡も全部にせもの。
 苔むしたともすれば洞窟の入り口のようないわばも全部再現のもの。
「でも……きっとこの世界の人たちは、本物の洞窟なんて見たことが無いわ」
 だからこれはきっと情念の産物。
 誰かが忘れまいとしてあがいたかけらなのだろう。
「忘れなければ、無くならない……か」
 素敵な言葉だ。それと同時に、
「穏やかな記憶だけならば、過去が今を潰す事など無いのに……」
 手を伸ばす。水槽に触れようとして、やっぱりやめる。
 触れたとしても、きっと何もないだろう。壊れはするまい。怒る人もいないだろう。
 けれども彼女は、触れたくなかった。
 作られた世界の温度は、冷たいのか暖かいのか。それとも何も感じないのか。
 それを知るくらいなら、遠くて近くて、触れられない冷たさと集う人々の想いの暖かさで。この境界は絶妙なバランスを保ってる。
 ……そう、思っていたほうがきっといい。
「何だかとても、親近感が湧いてくるのよ。ほんの少ししか、変わらない気がしてくるから」
 独白を聞くものはいない。勿論聞いてほしいとも思わない。けれど、ほんの少しだけ寂しそうに、レイブルは微笑んだ。
「……嗚呼、こうしていたら水槽の中に居るみたい」
 宇宙の中で、作られた魚がかりそめの命を持って、はねた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ステラ・ハーシェル
右肩付近の傷を左手で押さえ、目立たない端の方で【ヘール・ボップ】に座りながら。暗いならば、端に居る私に好き好んで近づいてくる者は居ないだろう。
私は宙の星と水槽の星、そしてその水槽の前に居る者達ただ見ていよう。その光景全てが私にとっての星だ。

「やはり星は良いな……私には少し、眩しすぎる位だ……」

……まるで今から死ぬみたいだな。
だが、シュトリと言ったか。あの騎士とは再び戦いたいものだ。今度は誰にも邪魔されず、1体1でな……その時は

「ヴァルハラで会おう」

こちらの世界にこの概念があるかは分からないが、戦士として私が送れる最高の言葉だ……まぁ、当分そちらに行く予定は無いがな。



 水族館の片隅は静かだった。
 ステラはそっと右肩付近の傷を左手で押さえる。
 仲間に言えばきっと癒してもらえただろう。けれどもステラはあえてそれを辞退した。
 【ヘール・ボップ】に座りながら、ステラはただ。宇宙に浮かぶ星と水槽の星星と。その両方を、ただ見つめていた。
「……ああ」
 感嘆の声が漏れる。
 それは幸せだろうか。
 それとも苦悩だろうか。
 ステラ自身にも、それはわからなかった。
 ただ……。
「まるで星だな。この、全てが」
 目の前を通り過ぎる幸福に目がくらむ。
「やはり星は良いな……私には少し、眩しすぎる位だ……」
 言って。ステラは微笑んだ。まるで今から死ぬみたいだな、と。
「シュトリと言ったか。あの騎士とは再び戦いたいものだ。今度は誰にも邪魔されず、1体1でな……」
 暗がりでそんな、世界の星を見ながら倒した女騎士に思いをはせる。
 もしかしたら、また会うこともあるかもしれない。彼女は過去のものだから。
 けれどもそれはまた違う彼女であり、
 1対1など望むべくもないことは、ステラにも勿論解っていた。だから……。
「ヴァルハラで会おう」
 そういって一度、天を仰いだ。この世界にその概念があるかどうかは、わからないけれど。
「戦士として私が送れる最高の言葉だ……まぁ、当分そちらに行く予定は無いがな」
 天にあった魚が、星のように瞬いて流れ落ちた……。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年01月21日
宿敵 『帝国近衛騎士』 を撃破!


挿絵イラスト