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誰がロビンを殺したか?

#ダークセイヴァー

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#ダークセイヴァー


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●Who killed Cock Robin
 豪雨の中、少女は歩く。
「誰が殺した、駒鳥の雄を」
 身に纏う黒衣は雨よけの代わりにはならない。それでも少女はただ彷徨う。
「それは私よ、スズメはそういった」
 自らの獲物の鎌をゆっくりと、彼女は引き上げる。
「私の弓で、私の矢羽で」
 その目線の先には、おびえてすくむ一人の男性が。
「私が殺した、駒鳥の雄を」
 ――振り下ろされた鎌は、あたりに鮮血を撒き散らす。

●豪雨の中で何想う?
「皆さん、お集まりいただいてありがとうございます。早速ですが説明を始めますね」
 銀の髪を揺らしながらイルリカ・プリュミエ(陽だまりの花・f03743)は入室する。手早く機材の準備をしながら概要について、話し始める。
「今回はダークセイヴァーのとある町での活動で、その町の大きさは中規模程度のもの……少なくとも石畳でしっかり整備された場所になっています」
 プロジェクタの準備が終わったイルリカは何箇所か、向こうの世界の写真を写し出す。
「今回はここに現れた『ゼラの死髪黒衣』という名称のオブリビオンを討伐してもらいます」
 画面は切り替えられ、そこには黒衣が映し出される。
「ゼラという女吸血鬼の遺髪によって編まれた黒衣で、この黒衣はさまざまな存在に憑依し少しづつ相手の自我をゼラの自我で塗り潰す、といった特性を持っています。これを踏まえて正確に言うならば今回の相手はゼラの死髪黒衣を纏った一般人の少女になりますね」
 一気に情報を吐き終えたイルリカは一度周囲を見渡す。猟兵の姿を確認してまた話を続けていくだろう。
「ただ、問題が二点あります。一点は現地が豪雨によってこちらから状況がつかめないこと。そのため相手の詳しい位置がわかってません。二点目はすでに被害が出ていること、そしてその被害者が死霊として町に二次被害を出していること。この二つになります。それを踏まえて、今回の作戦の大まかな流れを説明します」
 映し出されていた画面はまた変わる。画面に書き表された内容をなぞるように彼女は説明を続けていく。
「まず最初に敵の索敵、住民の避難を行ってもらいます。住民に関しては外に出歩かなければ巻き込まれないと思いますが、どの程度まで注意や避難を行うかは皆さんにお任せします。次に死霊化した住民の討伐をしてもらいます。ためらいがあるかもしれませんが……もう、救えません。少なくとも油断はしないでください」
 顔に出そうになった悔しさを飲み込みながら、一呼吸。まだ説明は終っていないといわんばかりにイルリカは言葉をつむぐ。
「最後にゼラの死髪黒衣を纏った少女と戦い、これを撃破してください」
 言い切ってから、大きく吐いて、また吸って。ここからが重要だといわんばかりに声音を変える。
「……それと、黒衣を纏った少女は黒衣のみを破壊すれば救うことができます。……ただ、今現在彼女の意識は顕在です。そのため、町の住民を惨殺した記憶は残ると思われます」
 彼女をどう裁くか。住民を殺したその手は、汚れて見えるか否か。
「罪背負わせたまま生き残されるか、それとも罪とともに眠らせてあげるか……それは私にも彼女にも選ぶことはできません」
 押し付けるようで申し訳ないですが、とイルリカは前置く。そして、まっすぐとあなたたちを見つめて願う。
「選ぶことができるのは、あなた方猟兵のみです。悔いなき決断を、お願いします」
 ――ご武運を。そういってイルリカは猟兵たちを送り出していく。


しゅみる
 だーれがこーろしたくーっくろびん。
 始めましての方は始めまして、また来ていただいた方はありがとうございます、ゆえ氏です。三回目の今回はダークセイヴァーでのシリアスよりのシナリオになります。
 自らの意思でないとしても人を殺めてしまった少女。その事実は消えず、命は戻らず、罪として彼女の人生にへばり付くでしょう。
 最高の選択肢なんてない。だからこそ選び取る最善の選択を、期待しています。

 ●ソロでも複数人での参加でも大歓迎です。しかし執筆者のスペック上4人組み以上になると執筆速度の低下などが懸念されますのでご了承ください。
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第1章 冒険 『惨劇は豪雨と共に』

POW   :    身体を用いて惨劇に対応する

SPD   :    技術を用いて惨劇に対応する

WIZ   :    惨劇を予防する

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

石上・麻琴
さて……ずいぶんと悪趣味なやり方をするオブリビオンも居たものですね。しかし、これ以上の惨劇となるまえに防がねば。ひとまずは、迅速に動く為にユーベルコードで白虎を召喚し、住民の避難を呼びかけましょう。白虎に怯えて家に閉じこもってくれるならよし、動けなくなっている人が居ればかばうようにうごきましょうか……少しでも多くの命を助けるため、全力を尽くしましょう。



 水の槍が降り注ぐかのような雨の中、一つの影が街を駆け抜けていた。
「ずいぶんと悪趣味なやり方をするオブリビオンも居たものですね。しかし、これ以上の惨劇となるまえに防がねば」
 一般人であればだれもが怯むような環境の中、白虎に跨った石上・麻琴(虹の彼方の空の星・f01420)は迅速に行動していく。ダークセイヴァーではあまり見かけない服装、そして白虎に騎乗していることも相まってそのシルエットはこの世界ではかなり異質だ。
「なんだろー……おっきいねこさん?」
「……わかりました。少なくとも雨が降っている間はここから出ないように気を付けます」
「ば、化け物だ……子供たちを奥へ! 俺はバリケードを作る!」
「た、食べないでください!?」
 そんな目立つ格好の麻琴への反応は多種多様だった。冷静に話を聞いてくれるものもいれば不思議そうに眺めるもの。怯えて防衛に走るものや腰を抜かすもの、様々だ。だが麻琴の思惑である『怖がって引きこもればよし、怖がられなければ話をして外に出ないようにお願いする』は十分に達成できていた。
「……少しでも多くの命を助けるため、全力を尽くしましょう」
 腰を抜かした住人を家まで送り届け別れた麻琴は決意をそっとつぶやく。己の信念を貫くために、麻琴はまた町へ駆け出す――

成功 🔵​🔵​🔴​

アーレイラ・モンクスフード
絡みやアドリブは可です。

自らの意思で愛する者達を殺めた者と、意思はなく殺めた行為だけが残るのと、どちらがマシか………いや、きっとどちらもロクでもないのでしょう。けれども…叶うなら生きても良いのだと、伝えましょう。



とりあえずは、索敵ついでの注意喚起を行います。
ユーベルコードで召喚を行い、索敵を行わせながら町を回ります。

敵が居たなら他の猟兵の方に知らせながら討伐、一般人の外出なら家に戻るように勧告。

水汲み、届け物などなら召喚物と共に代理を
技術者など本人が出る必要あればその護衛を行い、被害の出ないように努めます。

「遠慮は不要です。ただの奉仕活動ですので。神に仕える者として当然の行いです。」



「自らの意思で愛する者達を殺めた者と、意思はなく殺めた行為だけが残るのと、どちらがマシか……いや、きっとどちらもロクでもないのでしょう。けれども、叶うなら生きても良いのだと、伝えましょう」
 概要を聞いてから頭の中に浮かんでいた考えをアーレイラ・モンクスフード(真昼の白夜・f02061)はそっと吐露する。自分の過去と少女の未来。照らし合わせて彼女を救えないか。そう考えながらも今なすべきことを進めていく。
「巡り廻る星の子ら、数多にして独りなる者よ、その一握を我が前へ」
 そう唱えたアーレイラの前に星界精霊が現れる。上限まで呼び出したそれに声をかけ、数であたりを索敵、そして同業者への情報共有を行っていく。
「……避難は無事に進んでるみたいね。あとは不自由なく住民が過ごせればいいのだけれど」
 そう言いながらアーレイラは人の集まっている民家へと尋ねて回る。必要なものはないか、急ぎの届け物などがないかなども訪ねつつ現在の状態の危険性を話して回っていく。
「ああ、ありがとうございます。ここ最近不審な死が多かったり巨大な獣の影を見かけたりと不安で、さらにこの雨の中食料の不足を感じていてどうしようかと参っていたのです……」
 どうやら食料の備蓄に不安の覚える者が多かったようで、アーレイラの申し出は快く受け入れられていく。
「遠慮は不要です。ただの奉仕活動ですので。神に仕える者として当然の行いです」
 感謝の言葉にアーレイラはそう答えながら、まず自らのなすべきことをこなしていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

弦切・リョーコ
WIZで対応
さて事件っていうのは被害者がいないと成り立たないからね。起こってしまった過去は仕方がない、が未来に無駄な人死にを出すのは夢見が悪いからね。

可能な範囲で事前に住民に豪雨の日に外を出歩くなと伝える。また、浮遊する炎を見たらすぐその場を離れろと言い含める。
移動中は視力や暗視をフル活用し、死霊やゼラの少女を探す。住民と出くわしたら命の危険がある旨を説明し家に帰す。できれば護衛する。
見通しの悪い路地裏などを重点的に捜索。
発見した場合、UCの炎で包囲し相手の動きを抑制するとともに住民が接近することを防ぐ。
発見した際には何らか光や音で味方に連絡するとともに敵が逃げないよう足止め、時間稼ぎする



「起こってしまった過去は仕方がない、が未来に無駄な人死にを出すのは夢見が悪いからね」
 豪雨の中、索敵を続けていた弦切・リョーコ(世界演算機・f03781)は視界の端に何かの影をとらえて呟きながら立ち止まる。半ば確信がありながらも、警戒しながら弦切・リョーコ(世界演算機・f03781)はその影に近づいていく。
「アンタたち、こんな雨の日に外に出ちゃいけないよ、まったく……」
 そこにいたのはこの町の住民で数人の子供たち。身なりからしてストリートチルドレンでも無いだろう子たちが、雨がよけられる木の陰で、身を寄せ合っていた。
「今はこわーいお化けがこの町にいるんだ。早くお家でおとなしくしなきゃいけないよ。そうじゃないと――」
 そう子供たちに言い聞かせていたと思えば、急に振り向きプラズマ球電の炎を放つ。――その先に目をやれば死霊が炎に焼かれ、苦しんでいるだろう。
「ああいう、お化けにさらわれちまう」
 さあ、立ちな。と声をかけながらリョーコは周囲への警戒レベルを引き上げる。
「事件っていうのは被害者がいないと成り立たないからね」
 守り切る、と。暗にそう告げながら牽制を行いつつリョーコは子供たちとともに安全な場所へ向かっていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ライエル・シュヴァリエ
ふん、随分と傲慢で残酷な選択を迫るのだな。まあ、俺自身の答えは決まっている。そのためにもまずは、これ以上被害を広げないために動かねばならんな。

町の見回りを行おう。調査の基本は自分の足で、だ。死霊達にせよ、黒衣の少女にせよ居場所が分からねば対処できんからな。しかし、豪雨の中では視界も悪く、音も聞こえづらい。いつもより集中せねばな。第六感も活かしていこう。見つけたら仕掛けず、物陰から様子をみよう。移動し始めたら音を極力立てないようにして追跡、どこに向かうか確認しよう

豪雨が降っている以上、出歩く住民はそういないと思うがもし出歩いている者がいたら、雨が止むまで家から出ないよう警告し、送っていくとしよう



「まったく、随分と傲慢で残酷な選択を迫るのだな」
 すべての音が雨にかき消されるような環境でライエル・シュヴァリエ(忘却の黒騎士・f11932)はつぶやく。選択しろと迫るもの、そして選択肢を作り上げたオブリビオンへの苛立ちを露にしながら彼は街を歩く。
「――まあ、俺自身の答えは決まっている。そのためにもまずは、これ以上被害を広げないために動かねばならんな」
 その言葉とともにライエルは今一度集中し始める。五感だけでなく第六感まで利用してゆっくりと、確実に索敵を進めていく。
「見つけた」
 その中で死霊へと遭遇する。相手の気づいていないことを確認し、音を極力立てないようにして追跡していく。
「――なるほど、な」
 追跡の先にあったのは被害者の、死霊となった者たちの遺体だった。誰かが弔うために集めたのか、それとも黒衣の少女の狩場が決まっているから自然と集まっているのか、それはわからない。だが死霊たちは確実に遺体を中心として動いているらしいことをライエルは感じ取った。
「これだけわかれば死霊たちの居場所については何とかなるか。あとは、黒衣の少女の行方……」
 手は出さずにライエルはそっとその場を離れる。連絡、警告、そして改めて索敵。やることはまだあるとライエルは豪雨の中歩き出していく。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​

ロベリア・エカルラート
この豪雨なら、人目は気にしなくて良いか……

【血統覚醒】でヴァンパイアの力を引き出して、身体能力に物を言わせて街中を探索するよ

住民に出会ったら声をかけて家に帰るように促すけど、紅くなった目は見られたくないんで会話は一言程度で
雨も凄いしバレないでしょ、多分

屋根の上なんかも移動して、可能な限り早く死霊の居場所を探し出すよ
見つけ次第、被害が拡大しないように周辺の人払い

いざとなったらその辺の石畳でも壊して見せれば危険は理解するでしょ

「さて、あんまりこの姿使いたくないし……さっさと見つけよう」
「今日は危ないから、さっさと帰ったほうが良いよ?」

「ああもう!さっさと離れないとコイツらごと痛い目みせるよ?」



「さて、あんまりこの姿使いたくないし……さっさと見つけよう」
 そう言ったロベリア・エカルラート(花言葉は悪意・f00692)はユーベルコード血統覚醒を利用して街をかけていく。死霊たちの集まる場所の特徴を聞いてその場所を見つけ、さまよう住人がいれば帰るように警告をしていく。非常に手短に切り上げて情報を集めていくその効率の良さには目にみはるものがあるだろう。
「……あれは、人かな?」
 そんな中で一人を一人、屋根の上から発見する。同業者か、住人か。視界を覆う雨のせいで敵でないこと以外ははっきりとはわからなかった。
「今日は危ないから、さっさと帰ったほうが良いよ?」
 屋根から降りてそう声をかける。住民ならそれでよし、猟兵であればそれもまたよし。そう考えて声をかけたのだが。
「っと!?」
 声をかけた人からは返事の代わりに蹴りが飛ぶ。身体能力が著しく上がっているロベリアにとっては当たる要素はあまりない攻撃で、実際に避けられたのだが予想だにしてなかった反撃に反応が一歩遅れてしまう。
「あ、こら!」
 蹴りを放った少年ははじかれたように走り出す。それもロベリアを撒こうと考えているのか、通った道を乱しながら。それがただ逃げていくなら、危険な場所から遠ざかっていくのであればロベリアは別に追わなかったであろう。だがしかし、少年が走っていったのは死霊の集まる遺体が固めてある場所の方へだった。
「ああもう!」
 ロベリアも散乱するものを縫うように走り出す。距離を詰めていき、少年が曲がった角を自分も曲がればその先には彼と死霊が視界に収まる。悪態一つつきながら跳躍、死霊へと一撃入れながら少年の服をむんずと掴む。
「さっさと離れないとコイツらごと痛い目みせるよ? いい?」
 やだったらまっすぐ家に帰るように、とロザリアは言い聞かせる。少年が驚きながらも首を縦に振ったのを確認すれば手を放して背中を押す。
「さ、ここは私に任せて」
 少年を見送りつつロザリアは死霊へと向き直る。本格的にぶつかり合うまでの前哨戦――そう割り切って足止めのための戦闘へ入っていく。

成功 🔵​🔵​🔴​

祷・敬夢
相変わらず辛気くさい世界だな、ここは
しかし、俺が来たからには、あとは解決までの一本道を進むまでだ!期待せよ!

町の状況はわからないが、避難誘導が必要ということだな。
それなら俺様の圧倒的な存在感を用いながら、周囲の人間を一ヶ所に固めたり、安全そうなところに誘導しようか
そのときにバトルキャラクターズで手広く誘導できるだろう

だが、もし万が一敵が襲ってきたら、人間を遠ざけるまでバトルキャラクターズや俺自身が挑発し、囮になろう
そのあとは援軍を待つか俺一人でやるかは敵の数で判断しようか

ただ倒すだけでなく、人間を生かすというのが今回のミッションだ
なかなか難易度が高くて楽しそうじゃないか!



「相変わらず辛気くさい世界だな、ここは。しかし、俺が来たからには、あとは解決までの一本道を進むまでだ!期待せよ!」
 雨が降りしきる中、祷・敬夢(プレイ・ゲーム・f03234)はそう宣言し避難誘導を始める。ほかの猟兵が連れてきたもの、危険な場所から逃げてきたという者、視界が利かず迷子になっていたものなど様々だ。この豪雨の中では考えられないほど敬夢の周りには人が集まり安全な場所へ向かって歩いていた。それも敬夢の圧倒的存在感のおかげ。この豪雨の中で指標となる人物になりえたことを証明していた。
 だがしかし、それはいいことばかりではない。集まるのは人ばかりでなく、死霊たちもその存在感にひかれて何体も集まってくる。
「ただ倒すだけでなく、人間を生かすというのが今回のミッション、か」
呟きながらも敬夢は自身のユーベルコードで召喚したバトルキャラクターとともに前に躍り出る。住民たちのカバーをしながら順次敵を蹴散らしていくだろう。
「ふふふ……ハハハハハ! いいぞ! なかなか難易度が高くて楽しそうじゃないか!」
 雨音の中に笑い声を響かせながら死霊を一人、また一人と沈めていく。その姿に住民たちの沸き立ちながら確実に安全な場所に向かっていった。
「なぁカッコいい兄さん、あそこにも人が見えないか?」
 そんな道の途中一人の少年が指を差す。敬夢が刺された場所を見ればちょうど黒衣の少女が路地の中に消えていくのが見えるだろう。
「……ああ、確かにいたな。だがまずはお前たちだ」
 黒衣の少女――今回のターゲットとなる少女が消えていった方向を記憶しつつ、敬夢は今なすべきことを進めていく――

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『残影』

POW   :    怨恨の炎
レベル×1個の【復讐に燃える炎の魂】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
SPD   :    同化への意思
【憐憫】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【異形の肉塊】から、高命中力の【絡みつく傷だらけの手】を飛ばす。
WIZ   :    潰えた希望の果て
【悲観に満ちた絶叫】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 情報は集まった。住民の安全も確保できた。猟兵たちの行動はひとまず、しごく順調であった。ただ、同時にそれは事態が動き始めているということでもある。獲物が居なくなった死霊は自分の遺体の元に戻る、または猟兵の存在に引かれてさまよい続けるなどそれぞれ行動を改めていく。そしてそのすべてはいくつかのグループを形成していった。
 それを各個撃破のチャンスと取るか、戦力が集中したと嘆くべきか、猟兵によってさまざまだろう。明確に言える事があるとすれば、死霊との戦いの時間が近づいていることただひとつ。

 誰もが見上げる空はまだ晴れず、雨音は続いていく……
アーレイラ・モンクスフード
食料を届け終えたら、一声かけて戦場に向かいましょうか。
「終わるまで外出は控えて下さいね。皆で解決してきます」

一先ず優先するのは死霊集団ですね、目標の取り巻きを無くさないと叩き難そうですし。

お行儀悪いですが、路地などの壁蹴って屋根に上り高所を確保してから向かいます。

見下ろして敵がまとまっている所を狙ってユーベルコードで
光の津波呼び出し攻撃します。
「浄化します!」

纏まっている所を範囲攻撃で

一波目は、フェイント光量少なく足止めと他の猟兵の方が巻き込まれても退避しリカバリ聞く程度にして

二回攻撃での二波目を本命に多数の敵を攻撃します。

「さぁ、星の海まで流されなさい。貴方達の未来来世での幸福を祈ります。」



「終わるまで外出は控えて下さいね。皆で解決してきます」
 食料を届けたアーレイラ・モンクスフード(真昼の白夜・f02061)は住民に別れを告げながら走りだす。すでに情報は十分。順次死霊から撃破に移る。そんな連絡が猟兵の中ですでに回っていた。
「……お行儀悪いですが」
 あたりに人がいないことを確認してからアーレイラは跳び上がる。壁で跳ねて、凹凸を利用してあっという間に屋根の上へ。視界を広げながらも彼女は走り続ける。
「ここは私が一番乗りみたいね」
 発見した死霊のグループを見下ろしながら戦いの準備に移る。路地の形、敵の散らばり方、建物の耐久……周囲の状況の把握ののちに、アーレイラはユーベルコードを発動する。
「――浄化します!」
 その言葉とともに放たれるのは光を内包する大津波。あたりを覆うそれは死霊たちを呑み込んでいく。
「我が左手の大鎌よ、力を統べよ。我が右手の聖典よ、魔たる力を解放せよ」
 そしてアーレイラの攻撃は一度で終わらない。一度目の津波で流しまとめ上げたところへ、もう一度同じ攻撃を仕掛けていく。
「星は晴、晴天聖典共に堕す。黎明薄暮混じり合え、顕現せよ渾沌!」
 否、それは同じ攻撃だと言えるのだろうか。アーレイラが放つのは「属性」と「自然現象」を合成した一撃。最初の一撃とは違い周囲を満たすモノ――大雨という自然現象を利用して、最大限威力を高めた必殺の災害は、明らかに規模が変わっていた。
「さぁ、星の海まで流されなさい。貴方達の未来来世での幸福を祈ります」
 雨に濡らされていた町が、津波に呑み込まれる。降り注ぐ轟音とともに死霊は砕け、流れていく――

大成功 🔵​🔵​🔵​

ライエル・シュヴァリエ
さて、本命の少女の前に死霊狩りといこうじゃないか。元が何であろうと今は人々に仇なす存在。一片の情けもかけない。殲滅あるのみだ。

ゲイルに騎乗して高速で街を駆け抜けながら、錬成剣雨で16本の黒剣を複製、死霊達に接敵したらスピードを落とさずに突っ込み、16本の黒剣を全てバラバラに操作して薙ぎ払い、そのまま離脱していく。要はヒット&アウェイというやつだ。雨の中でのバイクの高速運転、細心の注意を払わねばな。次の死霊達に接敵したら同じように行っていく。

奴らが憐憫の感情を与えたものに有効なユーベルコードを使えるのは知っている。だからこそ、作業のように淡々とこなしていく。



「さて、本命の少女の前に死霊狩りといこうじゃないか」
 そう言いながらもライエル・シュヴァリエ(忘却の黒騎士・f11932)は自らの相棒(バイク)のゲイルに火を入れる。答えるようにエンジンの音を鳴らすゲイルに跨り、人の気配の少なくなった通りを邁進していけばすぐに残影達の集まる場所へと到達するだろう。
「元が何であろうと今は人々に仇なす存在。一片の情けもかけない。殲滅あるのみだ」
 呟きとともにユーベルコードを発動する。表れたのは十六の剣。各々別の軌道を描きながらも死霊たちを切り裂き、地に伏せさせていく。そうする間もバイクの速度は緩めずに、敵の間を通り過ぎる。ヒット&アウェイ。騎乗しているからこその優位性を持って単体で複数を相手取っていく。
「よし……次だ」
 振り返ることもなく、敵を振り切って次のポイントへ。残影の集まる点と点をつなぎながら、ライエルはその行動を繰り返す。すでに一度似たような相手と相対していたこともあってその手際は見事であった。かつて戦ったことがあるからこそ冷静に。奴らが憐憫の感情を与えたものに有効なユーベルコードを使えるのは知っている。だからこそ、作業のように淡々とこなしていく。
「剣よ、雨の如く降り注げ――」
 詠唱とともにまた、ライエルの念じる通りに剣は舞う。雨空を切り裂くために、今はただ殲滅のために繰り返していく――

成功 🔵​🔵​🔴​

弦切・リョーコ
単独で戦うほど自惚れちゃいない。可能なら他の猟兵と一緒に行動し見敵必殺。【視力】【暗視】で早期発見を目指す。先手を打てるなら【スナイパー】として狙撃。もし単独で戦闘になったら【時間稼ぎ】しつつ応援を呼ぶ。
戦闘になったらUCによるレーザーの包囲射撃で【援護射撃】し追い詰めたり掃射したりする。

死人の恨みも悲しみも、最早どうしようもない過去。それが未来を曳く手になるなら、憐れみはいらない。今、この私が踏み潰す。
死霊の想いなど生者の感傷でしかないし、それが引き起こす怪異もただの現象。ならばこの私の領分だ。
降りしきる雨より冷厳なスペースシップワールドの理、物理法則をもってアンタらを元の屍に返してやろう。


レイラ・ツェレンスカヤ
まあ! 被害者が新たな霊となって襲うだなんて!
なんて……なんて残酷で素敵な趣向かしら!
レイラがもう一度、死の恐怖を味あわせてあげるのだわ!
忘れられない記憶になるかしら!

目立つところがいいかしら、塔の上か、高い建物の屋根の上!
存在感をアピールするのだわ!
そうすればきっと、あっちから来てくれるかしら!

現れた残影を、片っ端から槍を放って串刺しにするのだわ!
レイラの槍と敵の数、どっちが先に尽きるかしら!
レイラはあなた達の失われた命を浴びて、もっともっと生きるのだわ!
血を流して流して、最後の一滴が溢れるまで!
レイラと一緒に踊り狂いましょ!



 ●見敵必殺
 死人の恨みも悲しみも、最早どうしようもない過去。それが未来を曳く手になるなら、憐れみはいらない。
「今、この私が踏み潰す」
 弦切・リョーコ(世界演算機・f03781)は小さな呟くとともに残影を狙い撃つ。自らの索敵範囲に入らない場所からの狙撃に孤立していたその個体は助けを呼ぶことも出来ずに消失していくだろう。
「死霊の想いなど生者の感傷でしかないし、それが引き起こす怪異もただの現象――ならばこの私の領分だ」
 通常であればこの大雨の中の狙撃は無理無茶を通り越して無謀と言えるものだろう。だがしかし、リョーコの類まれなる視力と暗視能力、そして演算能力を持ってこの狙撃は成立していた。孤立している敵を撃破しながら、他の猟兵と合流しようと移動をしていく。
「――は?」
 そんな計画的に戦いを進めていたリョーコにとってはありえないものをそこで目撃する。見間違いかと凝視すれども変わらない、異常な戦場がそこに存在していた。
 尖塔に沿って飛び上がる死霊、それに降り注ぐ槍。そして戦闘の先で笑みを絶やさぬ少女の姿――

 ●Shall We Dance?
「まあ! 被害者が新たな霊となって襲うだなんて! なんて……なんて残酷で素敵な趣向かしら!」
 尖塔の先に陣取ったレイラ・ツェレンスカヤ(スラートキーカンタレラ・f00758)は笑っていた。冷たい雨を浴びながら、ただ楽しそうにこれから起こる戦いに期待を膨らませて。
「レイラがもう一度、死の恐怖を味あわせてあげるのだわ! 忘れられない記憶になるかしら!」
 そんな宣誓に、残霊は引き寄せられる。肉への未練が断ち切れないものが、確かな存在感を放つ楽しそうな少女へと群がりはじめる。
「レイラの槍と敵の数、どっちが先に尽きるかしら!」
 その動きに答えるようにレイラは片っ端から槍を放って串刺しにしていく。余さぬように、残さぬようにそのすべてに狙いを定めて撃ち放つ。
 だがしかし、その槍の数は押し寄せる残影の数に比べて明らかに足りていない。彼女が鮮血の槍を作るよりも、残影が集まる速度の方が明らかに上回っていた。
「ふふふふ……あははははは!」
 それでも彼女は怯むことは無い。むしろそんな状況ですら楽しむかのように踊り狂う。
「レイラは――レイラはあなた達の失われた命を浴びて、もっともっと生きるのだわ!」
 ついにその体に残影の手が伸びる。小さな体躯を、ただ欲望のままに嬲り蹂躙するためだけに。『恨めしい』と、笑う少女にただそれだけを伝えるために。

「ルーティン01。波長選定、光波収束、完了。――これより疾い弾丸を知っていたら教えてくれ」

 手をかけようとしたその瞬間、それは光の光線によって遮られる。
「まったく……よくこんな無茶をする気になるね」
 光の弾丸から遅れてかけつけたキョーコはため息をつきながらレイラの隣に立つ。突然の事に不思議そうにしながらも、そんな味方の登場にもレイラ調子を崩さずにまた笑うだろう。
「あら、あなたもレイラと一緒に踊りたいのかしら! いいわ、皆で踊った方が楽しいもの!」
 さっきまで危機的な状況にあったはずなのに、最初に見た時と変わらずな少女を見て半分呆れながらもリョーコも覚悟を決める。どの道、ここが敵がいる場所より高所であるという優位なポジションであることは違いない。一人では捌ききれない数だが二人ならば――そう考えて首を縦に振る。
「ああ、よろしく頼むよ。降りしきる雨より冷厳なスペースシップワールドの理、物理法則をもってコイツらを元の屍に返してやろう」
 宣言とともにリョーコはレイラと背中を合わせる。それは相手への信頼を現すことと、戦闘再開の合図。
「血を流して流して、最後の一滴が溢れるまで! レイラと一緒に踊り狂いましょ!」
 言葉とともに、雨粒の代わりに凶器が注がれる。四方八方に現れる死霊、それらを全て倒しきるまで降り注ぐ槍と光はもう止まることは無かった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『ゼラの死髪黒衣』

POW   :    囚われの慟哭
【憑依された少女の悲痛な慟哭】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD   :    小さな十字架(ベル・クロス)
【呪われた大鎌】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
WIZ   :    眷族召喚
レベル×5体の、小型の戦闘用【眷族】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は吾唐木・貫二です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 少しだけ雨の勢いが弱まっていけば、教会の上に少女の姿が浮かび上がる。黒衣を纏う彼女は何も物を言わぬまま、町の各地で起こっている戦いの気配を感じ取っていた。
「わたしは……」
 黒衣によって支配されつつある少女にはもう確固たる意識は無い。ただ心の内から漏れ出す無意識だけが呟かれていく。
「わたしは、どうなるのかな」
 何人もこの手で殺した。神様がいるならきっと罰が下るだろう。人が見ればきっとギロチンで首を跳ねられるであろう。そんな人数を、訳も分からず何人も、何人も何人も何人も……
「わたしは、どうすればいいのかな」
 その疑問に答えるものは今は周囲にいない。ただ自分の意思を蹂躙されて、塗り替えられていく恐怖に揺られながら、彼女は裁きを与える者を待つ。

 ――雨は、まだ止まない。
石上・麻琴
■心情:……ようやく、見つけましたよ。あなたもまた被害者だ。けれど……罪を背負って生きるのか、罪と共に眠るのか、どちらがより残酷なのでしょうね?■戦闘:基本的には黒衣のみを攻撃する形でユーベルコードを使用しつつ、技能の破魔が通用するか試します。少しでも、あの黒衣を剥がす役立てになればよいのですが……もし通用しなければ、もっと精進しなければなりませんね。


アーレイラ・モンクスフード
「裁きの時が来ました。神は貴女の行いを見ていましたよ。」

祈り、十字の印を切り問いかけます。

「主は仰るでしょう。……生きよと。」
間違いなく言うだろうな、私が殺めたあの子なら…自然と笑みが零れる。

「死ぬ方が楽ですよ。例え皆が許しても自分で自分を許せない。でもね、背負い贖えるのは生きている者だけなんです。」

生かすために闘います。

取り巻きを召喚され近付けなくなるとやりにくいです。ダッシュで距離を詰め、外れてもいいので銃で外套を狙い射撃、
二回攻撃で大ぶりの少女ごと切り裂く軌道で斬撃。

少女の身体を盾にしようとしてくれれば想定通り、ユーベルコード発動、鎌を花びらに変えるフェイントで、衣と取り巻きを攻撃します


ライエル・シュヴァリエ
生かすか、殺すか…ナンセンスだ。生きたいか、死にたいかだろう。決めるのは少女自身の意思でなくてはならない。故に黒衣のみの破壊を狙う。

少女に手傷をつけないためにもカウンターで一撃で決めにいくのを狙う。こちらが突っ込み少女がユーベルコードとか大技を使えば、その瞬間は隙ができる。その攻撃を光盾による盾受け、オーラ防御でダメージを軽減し、激痛耐性でダメージを受けても支障なく動けるようにし、早業で陽炎による残影閃で黒衣のみを縦一文字に切り裂く。

少女が生き残ったら生きたいのか死にたいのかを問う。俺から言えることはお前の人生なんだからお前が決めろということ、死にたいならいつでも介錯してやるということだけだ


弦切・リョーコ
自分は黒衣のみを破壊する方針を近場の味方に共有。
少女は目立つ場所にいるので先に発見できれば【スナイパー】で狙撃する。
常に遠距離で【援護射撃】中心に戦闘しながら相手のUCを【学習力】で解析し、『結合分解』で消去して隙を作る。

「どうすればいい」なんて知らん。神様なんてこの私は信じていないしアンタを裁けるほど偉くもない。
「何がしたい」かなら聞いてやるしそれが「死にたい」なら止めやしない。
だが、一人で絶てるほどにアンタの命は軽いかい?
殺した人達含め、過去関わった全ての人間がアンタを作っている。
それを自分が楽になりたいからという理由で絶つのは、アンタに関わった全てに対する冒涜だろう。まぁ、よく考えなよ。


ロベリア・エカルラート
さて、残りは趣味の悪い黒ローブだけか

場所は教会……ね

このまま屋根の上を移動してこっちから仕掛けるよ

●行動
私はローブだけを狙って攻撃する算段
他の猟兵がどう動くかわからないけど、私はこれを変えるつもりはない
結果として取り憑かれた人ごと殺す事になっても、まあ……私の力不足だから仕方ないか

「さて、とりあえずそのボロ布だけ剥ぎ取らせてもらうよ!」
「……聞こえてるか知らないけど、私の狙いはオブリビオンだけだ。それ以外は後回しだよ!」
「ま、償いがしたいなら私に言いなよ。罰が欲しければ街の人の前で相応の目に合わせてあげるからさ」

罰の内容は助けてから考える

戦闘では「眠り姫の夢」で茨の壁を作って逃亡を防ぐよ



●戦闘開始
「さて、それじゃあ始めようか……!」
 猟兵の集結を確認しながら、もっとも攻撃のレンジの広い弦切・リョーコ(世界演算機・f03781)は雨の中、視界が悪いながらも攻撃を開始する。まずは味方の接近を支援する遠距離からの援護射撃。複数人で戦うからこそ、己の役割を全うしようと動き始める。
「……そう来る。なら」
 リョーコの狙撃に対して黒衣の少女が行ったのは眷族の召喚。狙撃に対する自らの盾に、そして接近する猟兵の足止めのために。そういった意図がわかったからこそリョーコは眷族の撃破に狙いを絞っていく。
 早期決戦、少しでも早く彼女を解放するために。

●抗戦の調べ
「……ようやく見つけましたよ」
 黒衣の少女を確かに捉えた石上・麻琴(虹の彼方の空の星・f01420)は戦闘態勢を整えながら呟く。
「あなたもまた被害者だ。けれど……罪を背負って生きるのか、罪と共に眠るのか、どちらがより残酷なのでしょうね?」
 雨にかき消されながら発した疑問は自分以外の誰にも届くことは無い。そうであればその疑問が解決することもないだろう――それでも麻琴は自らのなすことは一つだと、決めていた。
「……聞こえてるか知らないけど、私の狙いはオブリビオンだけだ。それ以外は後回しだよ!」
 考えを巡らせていた麻琴の付近に、同じ猟兵に注意を飛ばしていたロベリア・エカルラート(花言葉は悪意・f00692)が通りかかる。まずは少女を救って、話はそれからだと。そんなロベリアの声に麻琴は返す。
「大丈夫だと思います。一人でも救いたい、と思うのは他の皆さんも同じだと思いますから」
「そう……そうだといいけど」
 そう交わしながら二人は黒衣の少女に向き直る。彼女を救うのが最優先ならこれ以上の会話は野暮だ。救うための戦いを……そう二人は動き始める。
「名就けしは十二天将が一つ、前二朱雀火神家在午主口舌懸官凶将!」
 麻琴は雨で決して消えることのない炎を放つ。眷族を焼き、あわよくば黒衣のみにダメージを与えようと奮闘していく。
「深い、深い森の奥。茨が囲う城の中……夢の中こそ私の居場所。」
 対してロベリアは鋏による投擲攻撃を行い黒衣の少女に攻撃を仕掛ける。それこそ眷族に阻まれて届くことは無かったが、あくまで攻撃が主目的ではなかった彼女は想定道理だと笑う。
「――連れ出せるなら……やってみなよ!」
 その地点からに呪いの茨を根付き、茨の壁で戦場を囲み始める。あくまで少女を逃がさないための檻、自らの戦いやすい戦場を作るための攻撃。
「さて、とりあえずそのボロ布だけ剥ぎ取らせてもらうよ!」

●選択の果てにあるもの
「生かすか殺すか……ナンセンスだ。生きたいか、死にたいかだろう」
「裁きの時が来ました。神は貴女の行いを見ていましたよ」
 それぞれの思いを言葉にしながらもライエル・シュヴァリエ(忘却の黒騎士・f11932)とアーレイラ・モンクスフード(真昼の白夜・f02061)は他の三人が作り上げた道を走りぬける。考えは違えども、目的は変わらない。まずはその忌々しい黒衣をはぎ取るために、二人は戦闘を開始する。
「時知らず咲き誇れ、黎明たる者の名の花よ。日の眼見開き過去を切り裂け。汝の涙よ、衆生を救え!」
 我先に、と仕掛けるのはアーレイラ。大鎌による一撃は確かに黒衣と少女を捉え、振り下ろされていく。
 ただ、そんな一撃に少女は笑う。あたかもこの体が救いたいと考えていることかが分かっているかのように、少女の意識を塗りつぶしていくゼラが攻撃を受け入れる。
「ええ、わかっていましたとも」
 ただ、それはアーレイラにとって想定内の出来事でしかなかった。想定内なら、事前に用意してあった対応していくだけ。そう攻撃を続ければ彼女の鎌はいつの間にかにあたりを彩る花びらに変わるだろう。晒された体に大きな一撃ではなく、衣のみを狙う小さな一撃によって穿っていく。
「……この一閃、見切れるか」
 そして、その隙を見逃すライエルではなかった。一歩、また一歩と自身の間合いに入るために踏み込む。刀を振るうには最適な距離。そう白刃をきらめかせたところで少女がこちらに気づき迎撃体制をとる。ここまで詰められれば十分、そう思いカウンターを狙おうと思っていたライエルは想定外の事態に直面する。
 少女から放たれると思っていたユーベルコードはいつの間にかかき消され、少女は――いや、ゼラが苦しんでいることが分かる。一瞬迷いながら周囲を見渡せばそこにはリョーコが観測――ユーベルコードを発動している姿が、そして麻琴が札による破魔をしていることが見て取れる。それを見て納得すると同時にゆるんでしまっていた剣閃を加速させていく。
「お前が決めるのは生きたいか、死にたいかだ。決めるのは、お前でなくてはいけない……!」
 気合とともに縦一文字――衣は耐えきれなくなったように引き裂かれ、地面に舞う。ゆらり、少女が倒れ込むのと同時に戦闘が、終わっていった。

●誰が鳴らすか、鐘を鳴らすか
 少女が倒れていたのはほんの少しの時間。雨に打たれてほどなく彼女は意識を取り戻した。
「……わたしは」
ポツリ、と呟く彼女の頬には涙が伝う。生きてしまったと、あの事を、あの感触を覚えていると嘆きながら。
「主は仰るでしょう。……生きよと」
 そんな思考をさえぎるようにアーレイラは少女に語りかける。自らの記憶を振り返りながら、微笑んで。
「死ぬ方が楽ですよ。例え皆が許しても自分で自分を許せない。でもね、背負い贖えるのは生きている者だけなんです」
 ゆったりと、生きてほしいとそう願う。そんな中、やってきた麻琴も同調するように言う。
「少なくとも、ここにいる皆さんは皆同じ思いだと思いますよ……こうして、協力してあなたを助けたんですから」
 そう言って集まってきている猟兵へと目を向ける。
「俺から言えることはお前の人生なんだからお前が決めろということ、死にたいならいつでも介錯してやるということだけだ」
 静かに息を付きながら、そんなにお人よしじゃないとライエルは言う。ただ望むとおりに、その手伝いはすると解釈できるそんな言葉を告げながらも。そんな分かりにくい宣言に見かねたリョーコが少女の前に顔を出す。
「何がしたいかなら聞いてやるしそれが死にたいなら止めやしない――だが、一人で絶てるほどにアンタの命は軽いかい? 殺した人達含め、過去関わった全ての人間がアンタを作っている」
 過去は消せない。いなくなった人は戻らない。ならば、とリョーコは続ける。
「それを自分が楽になりたいからという理由で絶つのは、アンタに関わった全てに対する冒涜だろう。まぁ、よく考えなよ」
 ぽかんと、想像もしてなかった答えに少女は口をあけているだろう。そんな中ロベリアも言葉を重ねる。
「ま、償いがしたいなら私に言いなよ。罰が欲しければ街の人の前で相応の目に合わせてあげるからさ」
 だから死なせはしない。罪を償うために最善を尽くすと。そう伝えれば少女は目を伏せ、考え始めるだろう。

 雨は、気がつけば小雨に。気がつけばあれだけ厚かったはずの雲は切れ、光が差し込んできていた。
「わたしは……鐘を鳴らすよ」
 そんな中、小さく、だけども確かに少女は宣言する。
「死んだ人のために、生きている人のために、そして何よりもわたしのために」
 想いを語る。聞いてくれている猟兵たちに向けて自らの行いを吐露しながらも、でも、と。そう続ける。
「無様に生きることになると思う。誰も、わたしを信じてくれないと思う。それでも……――わたしにはやりたいことが、やらなくちゃいけないことがあるから」
 決意を露わに、自らを救ってくれた猟兵たちに彼女はそう微笑みかけた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月23日


挿絵イラスト