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アルダワ魔王戦争1-A〜モフモフ大進撃を止めろ!

#アルダワ魔法学園 #戦争 #アルダワ魔王戦争

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「アルダワ魔法学園で戦争なんだぜ!」
 いつものわふわふとした雰囲気とは違い、キリリとした表情を浮かべている人狼の少年デュオゼルガ・フェンリル(父の背を追う蒼狼少年・f00372)は、グリモアベースにて君たち猟兵を待っていた。
「それじゃ、早速だけど今回の依頼の説明に入るぜー」
 人狼少年は肉球のグリモアを起動させて、進行する迷宮のマップを一部だけ投影する。
「戦争とはいえど迷宮探索はしなくちゃならなくてなー。そこに災魔がたくさん出てくる予知を見たんだぜー」
 多くの隠し通路や隠し部屋が隠された迷宮を、敵の数を減らしつつ探索しなければならないのだという。
「そー言うわけでみんなには、災魔の進行に注意しつつ迷宮の探索をお願いしたいんだぜー」
 迷宮を侵攻してくる災魔達は隠し通路や隠し部屋を利用して、猟兵達の不意を突いてくるはず。探索中は常に周囲に気を配る必要があるだろう。
「もしかしたら、まだ誰も見たことのない隠し扉とか見つけられるかも!?」
 隠された部屋し通路を発見する事ができれば、有利に探索を進められるかもしれない。これは試してみる価値はあるだろう。
「出てくる災魔はもっふもふしてる『モフィンクス』が出てくると思うんだぜ」
 可愛い姿をしているが相手はコレでも災魔である。気を抜いていたら痛い目に合うかも?
「……あ。もしかしたら『モフィンクス』との戦闘を回避することもできるかも?可愛いから殴れない……って人は、エンカウントを避けて迷宮探索に専念するのもありかもなー!」
 見た目が可愛くて倒したくない!なんて猟兵も中にはいるかも知れない。
「エンカウントしちゃったらなにか手段を講じて追い払ってもいいし、やっつけちゃってもいいと思うんだぜ!」
 戦闘を避けて探索するも良し、災魔だからということで撃破するのも良し。どちらにせよ、やり方は色々有るだろう。
「この探索も、今後に響いて来るかも知れないしな!頑張って欲しいんだぜ♪」
 肉球の付いた狼の手に変化させた左手と一緒に尻尾をふりふりと振りながら、君たちはグリモアの光に包まれていく。
「それじゃ、いってらっしゃーい!気をつけてなーっ」
 朗らかな光に包まれて、君たちはアルダワ魔法学園の地下迷宮へ飛ぶのだった───!!


不知火有希哉
 おはこんばんにちわーうるふ!

 どうも、戦争遅刻組の自称モフモフ担当MSの不知火有希哉です!
 今回はアルダワでの戦争ですが、いつもどおりのんびりモフモフした依頼になると思われます。ゆるーい雰囲気のシナリオになったらいいなぁ……。
 戦争とは言えど可愛いモフモフが相手なので、癒やし効果も期待できるかも!?
 戦闘描写はプレイング次第……ということにしますっ(えっ)

●プレイングボーナス
 このシナリオフレームには、『隠し部屋や隠し通路を捜索する』行動を起こすとプレイングボーナスが発生します!是非挑戦してみてください♪

 それでは、今回もよろしくおねがいします♪
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第1章 集団戦 『モフィンクス』

POW   :    モフ~ン
完全な脱力状態でユーベルコードを受けると、それを無効化して【気の抜けた鳴き声 】から排出する。失敗すると被害は2倍。
SPD   :    モフ~zzz
【眠気を誘うアクビ 】を聞いて共感した対象全てを治療する。
WIZ   :    モフッ、モフッ(実は今欲しい物)
質問と共に【質問の解答が具現化する靄 】を放ち、命中した対象が真実を言えば解除、それ以外はダメージ。簡単な質問ほど威力上昇。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ロロ・ゼロロ
【POW】で判定お願いしつつユベコは使わない戦法

隠し通路に隠し部屋。これぞ迷宮の醍醐味である、なー
壁や床を目視で観察し、色や埃の具合の異なる部分には注意。
スイッチ的なタイルなど見つけたら触れないよう(床なら【空中浮遊】で)進軍するとしようー

とはいえ敵との遭遇全てを逃れる事はできまい。因果だが、なー
おお、これが噂のモフィンクス、かー
まこともふもふである。しかも集団でもっふり現れるとは……眼福、眼福

余はもふもふとは戦えぬ。
【恐怖を与える】【言いくるめ】で言葉巧みに追い払うとしよう。
聞け、余は全てのもふもふの征服王である。逆らったもふもふは全て余の部屋で布団や抱き枕になっておるぞ……!


黒玻璃・ミコ
※スライム形態

◆行動
ふーむ、隠し通路の迷宮とは厄介ですね
こう言う時は【空中戦】の要領で
ほよよんと壁や天井を【念動力】で跳ねながら
【暗視】も可能な素敵な【視力】のお目々では迷宮内の壁の色の違いや
【聞き耳】で音の違いを聞き分けて隠された場所を探して進撃しましょう

折角ですのでモフィンクスを積極的に探すようにし
【範囲攻撃】にも等しい【念動力】を使って
もふもふしましょう、はいもふもふを

思う存分いじり倒したら後は
禍根が残らないように【黒竜の遊戯】による
物量で封殺してお片付けしましょう

まぁ、危険な兆候を【第六感】が感じ取ったら
緊急回避するなどして対応しましょう

◆補足
他の猟兵さんとの連携、アドリブOK




「隠し通路に隠し部屋。これぞ迷宮の醍醐味である、なー」
 アリス適合者の少年、ロロ・ゼロロ(ゆるチュウニ王子・f23416)は、転送の光から解き放たれた後、迷宮を歩き回っていた。
「ふーむ、隠し通路の迷宮とは厄介ですね……」
 ぷにょん、ぽよん。黒いぷにぷにした物体が言語を発しながら迷宮を弾むように進んでいく。
 この黒いぷにぷにはれっきとしたブラックタールの猟兵だ。……可愛らしいタイプの災魔ではない。断じて。
 そんな『彼女』は黒玻璃・ミコ(屠竜の魔女・f00148)である。
 アリス適合者の王子様とスライム然としたブラックタールの少女は、迷宮を手分けして探索することにするのであった。


「何が起こるかわからないから、注意しなければ、なー」
 きょろきょろと周囲を見渡すように注意深く眺めつつも、何か異変を感じられるかを調べながらロロは迷宮の探索を進める。
「んむ……?」
 何かありそうな気配を感じて、ロロは進行方法を空中浮遊へ切り替える。
 それが功を奏した?のか、床にスイッチが隠れていたらしく、何かがスイッチを起動したのか天井の一部が目の前に落っこちてきた。
「ぷぎゅぅ」
 どしゃあ!!と板のようなものに下敷きにされて情けない声が聴こえる。足元をみると……。
「おお、これが噂のモフィンクス、かー」
 一匹だけ、迷宮のトラップに引っかかってしまったのかジタバタ暴れている。
「このまま放置するのも……なー。うぅむ」
 災魔とは言え、苦しんでいる姿を見るのは辛いものがあったのか、仕方なくトラップを解除してやる。
「モフ、モフフ!モフー♪」
 嬉しそうにモフィンクスがロロへ集まってくる。
「まこともふもふである。しかも集団でもっふり現れるとは……眼福、眼福」
 甘えてくるようにも見える一匹を抱きかかえて、なでこなでこ。
(余はもふもふとは戦えぬ。愛い者を蔑ろになんてできぬ……)
 スリスリと甘えてくる姿が可愛くて、ついついナデナデしてしまう。彼らから少しばかり幸せオーラを分けてもらおう。

 一方その頃ミコとはいうと……。
 ぽにん。ぽにん。ぽにん。
 空中戦の要領で天井の隙間を弾むように移動していくミコ。
 暗視も可能な索敵能力に秀でる自身の眼を最大限活用して、仕掛けが隠されていそうな壁や扉を探して回る。
 一箇所だけ、妙な違和感を感じる壁を見つける。壁を伝っていた場所から降りて念入りに調べてみると。
「如何にも『何かあります』とでも言っているようです……。確認してみましょう」
 ぺちっとタックルをかましてみる。するとどうだろう?壁がくるりと回転して別の部屋に入ってきた様子だ。
「おぉ、これは大当たりですかね」
 入ってきた部屋は薄暗いが、自身の眼に掛かれば造作もない。
「モフィンクスは本当にいるのでしょうか……?」
 予知に出ていたとグリモア猟兵の狼少年は話していたけど、果たして……?
 そんな考えも、杞憂に終わったわけだけれど。
「モフ~ン……Zzz」
 警戒心ゼロである。スヤスヤと寝息を立てているモフィンクスを一匹モフモフしてみる。
「なんとモフモフですか……此れが癒やしですね」
 範囲攻撃にも等しい念動力を使ってモフモフ。モフモフモフ。癒やしの時間。
「いやぁ、こういうのも中々良いものですねぇ……」
 ナデナデモフモフ。うーん、可愛い……。


 程々に楽しんだところで、そろそろ探索を再開せねば。そう思い立ったロロは、モフィンクスを床へ下ろして。 
「聞け、余は全てのもふもふの征服王である。逆らったもふもふは全て余の部屋で布団や抱き枕になっておるぞ……!」
「モフッ……!?」
「も、もふぅぅぅぅぅ!?」
 うまく恐怖心を煽れたのか、集まってきていたモフィンクスが一目散に散っていく。
 恐怖を与えつつ言いくるめで言葉巧みに追い払うことに成功するロロなのであった。

 一方ミコの方でも動きがあった。
 ほわほわ癒やされていると、不届き者の気配を察知。
「むっ」
 なにか迫ってくる感覚を瞬間的に感じ取って、ミコはぽゆんっと高く跳ねる。
「モフンっ!?」
 後ろから不意打ちしようとしたのか、モフィンクスの一匹がずでーっと地面に直撃。
「可愛らしい見た目だとしても、オブリビオンですし容赦はしません」
 空中で人の姿に一瞬だけ戻して、力を開放する。見えない7000個にもなる屠竜の魔女に宿る魔力を放って禍根が残らないように、一思いにユーベルコード『黒竜の遊戯(コクリュウノユウギ)』を発動させてぷちっとな。
「ぷにぃぃぃぃぃ……」
 地べたに直撃した一匹を心配するようにわらわら群がるモフィンクスたちをまとめて物量で封殺、ささっとお掃除を済ませてしまう。黒い霧が上がってモフィンクスの群れを退治したことを確認して、ふぅっと一息ついて。
 後から気づいた?ことだが、わらわらと隠し扉へ集まってきたモフィンクスたちは、ロロから退避してきたモフィンクスたちだったようだ。結果としてまとめて数を減らすことに成功したわけだけれど……。
「さて、次のフロアはーっと……」
 スライム型に戻って、ぽにんぽにんと跳ねながらその場を後にするミコであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

栗花落・澪
とりあえず杖で壁をコンコンして
【聞き耳】で音の違いを聞き分けたり
隠し扉の場所には小さな隙間がある可能性もあるから
★どこにでもある花園を風魔法で操り
壁際を伝わせる事で花弁が引っかかる場所がないかを調べます

モフィンクスさんが現れたら思いっきり飛びついてもっふもっふ
モフィンクスさんどうしたの?
一緒に寝る人探しに来たのかな
とっても眠そう…僕と一緒に眠ろうか
【催眠】を乗せた子守唄の【歌唱】で眠りへ誘う

つられた欠伸は噛み殺しつつ…倒さなくてもいいなら
もふもふを堪能したらモフィンクスさんをその場に残し
隠し部屋の探索に行きます
倒さないと通路が通れない等問題あれば…
痛みを与えず眠らせたまま、【指定UC】で浄化を



 迷宮探索に来ているのは、何も先の2人だけではなかった。
「モフィンクスさんどこかなー?」
 オラトリオの少女……ではなく少年の栗花落・澪(泡沫の花・f03165)は、地下迷宮の隠し扉や部屋を探すべく探検中。


「ここらへんにありそうなんだけどなぁ」
 杖を使って壁をコンコンしながら、聞き耳を立てながら音を聞く。
 ……うーん、隙間が見当たらない。
「ここらへんじゃないのかなぁ」 
 隠し扉の場所には小さな隙間がある可能性もあるかも?ということで聖痕を用いて風魔法を操る花弁が引っ掛かる場所を探してみる。
「こっちでもないかぁ……」
 色々手段を講じて試してみるものの、いっこうに効果が見られず溜息をつきながらトボトボ歩いていくと、モフリ、と感触を足元で感じ取って。
「ん…もふ?」
「モフー?」
 聞き覚えのない声が足元でした。見てみると、モフィンクスが一匹すり寄って来ていた。
「わ!可愛い~~~♪」
 思わず抱きしめてしまう。災魔だとしても、ぬいぐるみ顔負けなモフモフが心地いい。
「モフ~~♪」
 嬉しそうなモフィンクスを抱きかかえながら、少しだけ迷宮を散策してみる。
「モフィンクスさんどうしたの?」
「モフゥ……」
 澪に抱きかかえられているのが落ち着くらしく、ウトウトしている様で。誘われるように歩みを進めていくと、違和感を感じる空洞を見つける。軽く調べてみると、扉らしいモノがうっすらと開いている。
「これは隠し通路みつけちゃったんじゃないかな……!?」
 密かな期待感を胸に膨らませながら小さく開いている扉を開いて覗いてみると、部屋の隅っこにお昼寝?しているモフィンクスの群れに遭遇する。
(とっても気持ちよさそうに眠てる…僕も少しだけ……一緒に眠てしまおうかな)
 魅力的だけれども、ここはぐっと堪えつつ催眠を乗せた子守唄を歌いあげて更に深い眠りへ誘う。微睡んでいた一匹もスヤスヤ寝息を立ててぐっすりしている。
「Zzz…」
「ふふふ。幸せそうに寝てるなぁ…♪ ん、ふぁあ……」
 つられた欠伸は噛み殺しつつ、その場を後にする。ここまで目立たない部屋なら、無理にやっつけるほどでもないだろう。
「おやすみなさい、モフィンクスさん♪」
 扉を閉めると途端にそれが輝やいて。
「わっ!?」
 輝きが消えたとおもったら、先程までの部屋へは入れなくなっていた。
「こ、これってトラップだったってこと……なのかな?」
 入るときに扉を閉めないで良かったな……と、少し残念に思いつつ小さく胸を撫で下ろす澪だった。

成功 🔵​🔵​🔴​

バロン・ゴウト
迷宮の隠し通路、ロマンがあるけど敵がそこに潜んでたら厄介なのにゃ。しっかり見つけ出しておくのにゃ!

羽帽子から羽を少しとって、【トリニティ・エンハンス】の風の魔力で作ったそよ風に浮かべるのにゃ。
隠し通路がある場所には空気が逃げていくはず。羽の動きで隠し通路の場所を見極めるのにゃ!

モフィンクスが現れたら、持っている猫缶【ねこねこグルメ(チキン味)】を取り出し、これをあげるから帰ってほしいのにゃ、と【言いくるめ】るのにゃ。

絡み、アドリブ大歓迎にゃ。


天王寺・鋭治
POWかな
初依頼がこれか。

それにしても、モフィンクスとは…
まぁ、詰まっているっていうんなら、確実に鳴き声が何処かしこと聞こえるはずだし。
ヤマアラシの耳で、聞き耳立てながら探査。

まぁ、あと、注意深く床とか壁を見ながら隠し扉とか探してみる。
「見つけられればいいんだよな」

モフィンクスと会った場合は、背中と尻尾の棘で刺さないように注意して思いっきりモフる。「いやぁ−、気持ちいいぐらいにモフモフしているぜ!!」

そして、その後、モフィンクスに対して背中の棘を立てて威嚇、追い払おうとする「まぁ、痛いのが嫌なら、このまま撤収しておいてくれな!」
追い払えない場合は背中と尻尾の棘でぶっ刺す。

アドリブ歓迎


ニコル・トゥヴァドゥッチァ
やーん、もふもふモフィンクスくん、かわいいなあ
災魔じゃなければ持って帰りたいところだけど、一応我慢!

…あっ、そうだ。隠れて行けばいいんじゃない?
相手から見えなければ仕掛けを探すのも邪魔されない…はず! よしこれだ!(UC【クリスタライズ】)

こっそりこっそり…仕掛けはどこかな?

むっ、あそこの床板が怪しいとぼくの勘が告げている!
【野生の勘】も【第六感】も侮っちゃいけないね
やると決めたら即行動!
えーい、やっ!!

あれっ? これ、ただの落とし穴…と見せかけて横穴かも!
ラッキーorアンラッキー? モフィンクスくんいたらどうしよ…いいや、覗いてみてのお楽しみ!




 転送の光が晴れて、姿を表したのは……三人?の猟兵達。
 一人は猫妖精の少年、バロン・ゴウト(夢見る子猫剣士・f03085)である。
 彼はアルダワ魔法学園に通う在学生であり、依頼ということもあり駆けつけてきたのだ。……もっとも、彼の目的は少し違ったようだけど。
「モフモフなモフィンクスに会えるって本当なのかにゃー……?」
 学園でもよく噂になっている、『睡魔を誘う災魔』の謎に近づけるかも知れない?というワクワク感もあっただろう。
「……初依頼がこれか」
 もうひとり。ヤマアラシと人間との合成人間……否、強化人間の天王寺・鋭治(怪人ヤマアラシ「sharp−Edge」・f25467)は、小さくつぶやいた。
 彼もまた、別口でモフィンクスの噂を聞いていたのもあって興味が湧いた……のかも知れない。
「やーん、もふもふモフィンクスくん……話で聞いてる限りの情報しか知らないけど、すっごくかわいいなぁ……♪」
 更にもうひとり。クリスタリアンの少女……いや、少女の様な服装の少年か?ニコル・トゥヴァドゥッチァ(蒼菫の原石・f25368)も、モフモフに導かれるように迷宮へやってきていた。
 モフモフに惹かれて誘われてきた猟兵たちが集まって。モフィンクスのモフい魔力、恐るべし……?


「とにかく、探索してみないと話にならないな?」
「そうだね!隠し部屋…見つかると良いなぁ♪」
「じゃ、れっつごーにゃ!」
 猟兵たちは目配せして頷いたあと、散開していく。

「それにしても、モフィンクスとは……」
 鋭治は顎に手を当てしばし考える。
 モフモフしているスフィンクス……なのだろうが、その姿は愛嬌があり浮かべている表情には脱力感があるそうだ。
「どれくらい出てくるかわからんな……用心するに越したことはないだろうが」
 ヤマアラシの耳で、聞き耳を立てながら探索し始める。さーて、どこにいるかな……?
 迷宮の通路を注意深く視認しつつ、床や壁を触ったりしながら隠し扉などないか探してみる。
「なんにせよ、隠し通路かなにかを見つけられればいいんだよな?」
 そんな簡単に見つけられたら苦労はしないんだけどな……とまたも溜息。
「仕事だしな……さて、どこに有るか」
 見様見真似ではあるが手帳に軽くマッピングしていく。同行している他の猟兵たちもノートに書き写していたりするみたいだし、多少マッピングに抜けがあっても問題はないだろう。多分。
 ───
 バロンは、とことこと可愛らしい足音を立てながら迷宮の探索を始める。
「迷宮の隠し通路、ロマンがあるけど敵がそこに潜んでたら厄介なのにゃ……」
 災魔が『背後から襲われる可能性がある』以上、周囲を警戒しながら進んでいく。
「しっかりと確かめながら見つけ出してやるのにゃ!」
 意気揚々とてこてこ歩いていく。
「とはいえ、情報が少ない気がするのにゃ……ここはー……『風の型よ、我に力を示せ!』にゃ!」
 被っている羽帽子から羽を少し摘み取って、ユーベルコード『トリニティ・エンハンス』の風の魔力で作りあげてふわりと浮かせる。
 隠し通路がある場所には空気が逃げていくはず。羽の動きを見ながら隠し通路の場所を探すのだ。
「我ながらいい案だにゃ♪ さてさて…ちゃんと見つかると良いんだけどにゃ」
 仕掛けを解く楽しみもある。やはり迷宮探索は楽しいと感じるバロンであった。


「災魔じゃなければ持って帰りたいところだけど、一応我慢!」
 一家に一匹モフィンクス!とか言ってお持ち帰りしたい衝動に駆られるけれど、ニコルはぐぬっと押し堪える。
「…あっ、そうだ。バレないように姿を隠して行けばいいんじゃない?」
 相手から見えなければ仕掛けを探すのも邪魔されない…はず!そうと決まれば即行動! 
「よし…これだ!」
 ニコルはユーベルコード『クリスタライズ』を発動させて自分の姿を透明にすると。
(こっそりこっそり…仕掛けはどこかな?)
 差し脚抜き足忍び足。物音までは消せないのでそろりそろーり。
 そこまで気にする必要は恐らくないけど、予知になかった他の災魔が出てくることも在るかも知れないし?気をつけるに越したことはないよね!……多分。
 こういう迷宮探索は背後にも気をつけろってグリモア猟兵の狼くんも言ってたし?
 さくさく進んでいける様に見えて、実はトラップとか多かったりするんだよねー。と壁を叩きつつ避けて通ってみたり。
(むっ、あそこの床板が怪しいとぼくの勘が告げている!)
 少しだけ、色が異なる床が見える。野生の勘や自身の第六感も中々侮れないものがある。ニコルは恐る恐る仕掛けに近づいて……飛び込んだ!
「えーい、やっ!!」
 ぴょいーん、すたっ。かちっ。
 がこんっ!!大きな音を立てて目の前の床が抜け落ちて。
「あれっ? これ、ただの落とし穴……?」
 覗き込んでみると、下から風が吹いてくる様だ。
「ラッキーorアンラッキー? モフィンクスくんいたらどうしよ……?」
 ちょっと怖い気もするけど、ここは覗いてみよう。
「いいや、覗いてみてのお楽しみ!」
 ひょこっと顔出して確認してみるものの、ものの見事に真っ暗けっけである。そりゃそうか。
「なーんだ。なんだか拍子抜けー……」
 一緒に来たみんなと合流することにしようかな?と踵を返して撤退。
 その途中に、はぐれモフィンクス?を見つけて抱きしめてモフモフしまくったとか。可愛いは正義である。

 ──
「……うぐぐ」
 そんな簡単に見つかったら今頃苦労はしてないわけで。
 鋭治は探索に必要な技能を持ち合わせていなかったのもあり、少々苦戦している様子だったけれど。壁を叩いてみたり、怪しいスイッチを探してみたりはするけれど総スカン。
「うーむ、流石に先輩方みてぇには行かねぇかー……。物は試し、当たって砕けろだ」
 歩いていると『かちり』と何か押し込む感覚と、上から落ちてくる影を見やる。
「……モフ?」
 足元にモフっとした感触。見下ろしてみるといましたモフィンクス。うたた寝してる奴もいて妙に可愛らしい。敵意もなく近づいてくる一匹を試しに抱きかかえてみると……。
「いやぁ……気持ちいいぐらいにモフモフしているぜ!!」
 テンション上がって思わずモフモフモフ。ぬいぐるみなんじゃないかと思うくらいにモフモフなのである。コレで災魔だというのだから信じられないものだ。
 さて、と。モフモフを思う存分堪能した後は、モフィンクスに対して背中の棘を立てて威嚇を行い、追い払いを試みる。
「まぁ、痛いのが嫌なら、このまま撤収してくれな!」
 ギラり、と針が光る。刺さったら間違いなく痛い。
「も、モフぅぅぅぅ!!」
 想像して血の気が引いていったのか、ぴゅー!っと脱兎の如く逃げ出していくモフィンクスたち。
「ま、こう可愛いのは殴る気になれねぇし、何も起こらないのが一番だわな……」
 うむ、とうなずいて。
「さて、探索再開するとっすかな」
 気を取り直して、鋭治は探索を再開する。
 ……この鋭治の行動が、結果としてギミック解除に繋がっていくことになるのが、
その結果とは如何に?


 バロンが迷宮のマッピングをしながら歩いていくと、曲がり角に羽根が逃げていくのを確認する。
 こころなしか、壁の奥がドタバタと騒がしいようにも思える。
「ここかにゃ……?」
 角に光が奔っていくのをじぃっと眺めていたバロンが壁に手を当てると、肉球の魔法陣が浮かんで。ガラガラと音を立てて壁が崩れた。
「おー!ビンゴにゃ♪」
 中を注意深く調べていくと、モフィンクスの群れ?がスヤスヤと寝息を立てている。中にはジタバタ暴れている個体もいたけど。
「モフ~……Zzz」
「モッフ!モッフー!!」
「モフ?」
「元気な子たちもいるにゃ?一方こっちは気持ちよさそうに寝てるのにゃ~。……にゃ?」
 一匹のモフィンクスがバロンを視認するなり近寄ってくる。
「コレあげるから、おとなしく帰って欲しいのにゃ。むやみな戦いはしたくないのにゃ」
 餌をあげて言いくるめてみる作戦……果たしてうまくいくのかどうか?
「モフ~……」
 猫缶を受け取り、どことなくしょんぼりとした表情を浮かべたモフィンクスの一匹が部屋の外に出るなり『ぽむん!』と音を立てて消滅してしまった。
 同じように、部屋の中で暴れていたり寝こけていたモフィンクスたちも同様に消滅していく。
「にゃにゃにゃ?みんな消えちゃったにゃー……?」
 どうやらバロンの行動が引き金になって、このフロアにいたモフィンクスたちが消えてしまったようだった。
「あ~ん、もうちょっとだけモフモフしてたかったなぁ……」
「ふむ、こんなことがあるもんなのか……」
 一足遅れて合流した鋭治が意外そうな表情を浮かべていた。
 ニコルの方は、先程まで一匹のモフィンクスを抱きかかえモフモフを堪能していたようだが、バロンがギミックを解除したことで消滅してしまったのだという。
 彼は残念そうな表情を浮かべていたけど……『モフィンクスの存在自体がこのフロアのギミックだった』のだから仕方ない。

 なにはともあれ…これで一件落着である。
 猟兵たちと災魔との戦いは、まだまだ続く───。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年02月15日


挿絵イラスト