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アルダワ魔王戦争4-B〜命脈打つ最果てにて~

#アルダワ魔法学園 #戦争 #アルダワ魔王戦争 #大魔王 #セレブラム・オルクス #オブリビオン・フォーミュラ

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●アルダワ地下迷宮奥~呪詛の底~
「来る、か……」

 大魔王第三形態セレブラム・オルクスは待っていた。
 一気呵成にダンジョンを攻略し、我が前に素晴らしき精兵たちがやってくるのを。
 ダークゾーンも無限災群も突破し、彼らはやってくるのだ。
 知性体を多く吸収し、その叡智はある程度の事象を予測できるようになった。
 だから、彼らは来る。自身と戦うために。
 セレブラム・オルクスには、“時間”がある。
 時間は、今回大魔王たるセレブラム・オルクスに味方してくれるのだ。
 骸の海から滲み出すオブリビオンは不滅だ。
 何度やられようとも、復活できる。その間に、事は為るはずだ。
 迷宮が脈打ち、蠕動する。
 ここは、生命の始まりと終わりの墓所。

「命は、ここで始まって終わる。さあ、待っているぞ一気呵成の素晴らしき猟兵たちよ」

●大魔王第三形態顕現!!
「こいつが、大魔王第三形態セレブラム・オルクスだ」

 集まった猟兵たちに、堂崎・獣明(整備係・f15021)がグリモアを通じてその醜悪な姿を見せる。
 アルダワ学園最深部、ファーストダンジョンに現れ、猟兵たちを待ち受けるモノだ。
 周囲は、まるで生物の胎内のようだ。
 肉襞のようにうごめく壁が、不気味に脈打っている。床からは消化液のようなものがぶくぶくと滲み出し、淀んでいた。
 ゼレブラム・オルクスのいるダンジョンは、生きているのだ――。

「これまでの第一、第二形態と同じく、この第三形態もユーベルコードに対して先手を打ってくる。十分に対策を練って向かってくれ。……相手は、オブリビオン・フォーミュラってやつだからな」

 獣明は、集まった猟兵たちを見渡して言った。
 心配ないことに満足して頷き、転送の準備に入った。


丹藤武敏
 どうも丹藤です。
 大魔王第三形態『セレブラム・オルクス』が姿を顕しました。
 このシナリオは一章構成の戦争シナリオです。
 まだまだ戦争は続きます。気合を入れて頑張りましょう。
 なお、以下のプレイングボーナスがあります。

 プレイングボーナス……『敵のユーベルコードへの対処法を編みだす』。
(敵は必ず先制攻撃してくるので、いかに防御して反撃するかの作戦が重要になります)

 それでは、どーんといらっしゃってください。
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第1章 ボス戦 『大魔王第三形態『セレブラム・オルクス』』

POW   :    クルトゥス・フィーニス
自身の【翼1つ】を代償に、【知性ある存在を蝕む禁呪】を籠めた一撃を放つ。自分にとって翼1つを失う代償が大きい程、威力は上昇する。
SPD   :    フルクシオー
自身の身体部位ひとつを【粘性を帯びた液体のように見える呪詛の塊】に変異させ、その特性を活かした様々な行動が可能となる。
WIZ   :    プーリフィカーティオ
【巨大な眼球による魔力を籠めた『凝視』】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。

イラスト:カス

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

火土金水・明
「相手は第三形態ですか、こちらも毎回本気を出して戦わないと危ないですね。」
相手の先制攻撃に対しては【見切り】【野生の勘】【第六感】【フェイント】の技能を駆使して回避を試みます。
【SPD】で攻撃です。
攻撃は、【高速詠唱】し【破魔】を付けた【全力魔法】の【銀の流れ星】で『大魔王第三形態『セレブラム・オルクス』』を【2回攻撃】をします。相手の攻撃に関しては【残像】【オーラ防御】【武器受け】【呪詛耐性】でダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「少しでも、ダメージを与えて次の方に。」
アドリブや他の方との絡み等はお任せします。


七篠・コガネ
僕は生命溢れる存在が大好きです
でも生々しさにも程ってものあります!

▼対処法
躱す術を編み出す隙は与えてくれないようですね
【激痛耐性】を持ってその攻撃、受けて立ちましょう!
勿論タダで受ける気は更々ないです
その攻撃がギリギリ届くまでに…(UC使用)
僕、知性って…無くせルんデスよ…

空間内で飛行してここからは【空中戦】
僕の自我ガ残ってイル内に
『code-Nobody』を放射しナガら至近距離まで接近しテみまス…
まだ…僕でイラレル…デも、そロソロ限界…
勢い良く距離ヲ詰メタら
スピードを乗セて正面から『Heartless Left』を穿チマス

時間とイウノは…未来ある者だけが抱ける希望なんです!



「相手は第三形態ですか、こちらも毎回本気を出して戦わないと危ないですね」

 大魔王第三形態セレブラム・オルクスを前にして、火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)は冷静であった。

「僕は生命溢れる存在が大好きです。でも生々しさにも程ってものあります!」

 一方、七篠・コガネ(ひとりぼっちのコガネムシ・f01385)はおぞましいその姿にたじろぎつつ、一種の怒りさえ覚えていた。
 アレは正しい生命のあり方ではないと、嫌悪を催すその姿こそ冒涜であるかもしれなかった。

「汝らの反応など、もはやどうでもよい。だが、我が前に来たのであれば、容赦はせぬ」

 セレブラム・オルクスの一翼が歪む。
 爛れ、腐れていく。
 呪詛である。
 あらゆる知性ある者を蝕む禁呪の代償であった。
 どさりと落ちたその翼は、瘴気を放って別の生き物として襲いかかる。
 明は、すでに何かを察して動いていた。
 禍々しい呪詛の気配から、攻撃の意思を読み取り、先んじて動いていた。

「残念、それは残像です」

 大魔王が先んじた一撃を、残像を引いて躱す。
 すぐさま破魔の力を高速詠唱に込め、全力魔法を黒のマントを翻して銀の剣を出現させる。
 ユーベルコード【銀の流れ星】、大魔王に対して十字に切りつけた。

「躱す術を編み出す隙は与えてくれないようですね」

 先手を取られたのは仕方がない。
 となれば、耐えるしかないとコガネは判断する。
 腐れ落ちた翼が蛇のように変わって締め上げてくるのを、強靭な意志で耐え切ろうとする。
 そして前進する。セレブラム・オルクスを射程に捉えるために。
 発動する、ユーベルコード【エナイレーション・トリガー】

「ヌ……?」
「僕、知性って……無くせルんデスよ……」

 自我抑制の殲滅モードに切り替わった。
 みしみしと肉の鎖が軋む音を立てると、巻き付いていたコガネの身体から吹き飛んだ。
 失われていく自我の中で、的確な攻撃を検索する。
 空中に飛び上がり、背中に内蔵した翼状のパイロンを広げ、code-Nobodyを一斉発射する。
 それが、次々と大魔王に突き刺さった。

「まだ……僕でイラレル……デも、そロソロ限界……」

 スピードを乗せて体当りし、左腕のHeartless Leftを突き立てる。
 ガコン! 巨大な鉄杭が凄まじい威力で打ち込まれた。

「グオオオオオッ……!」

 セレブラム・オルクスが苦痛の呻きを上げた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ソラスティベル・グラスラン
倒しても倒しても復活する
その身を厭わない魔王とは、これほどに恐ろしいのですね…
ですが物語の英雄たちは立ち向かった…ならば、わたしも!

竜の翼により飛翔し周囲を旋回【空中戦】
空中なら前後上下左右、全方向に回避は可能…!
狙いがつかぬよう最初から全速力で!【ダッシュ】
全ての翼を警戒、死角からは【第六感】で感じ取る
回避が困難なら【オーラ防御】で僅かでも翼の勢いを軽減
蒸気盾で防ぎ【見切り】空中で受け流し、盾から呪いが伝染する前に投げ捨てる【呪詛耐性・盾受け】
狙うは大魔王の『目』!

後の全ては【勇気】に任せ突撃!
投げた盾に隠れて大魔王へ飛びこみ
必殺の大斧を、その頭の眼球に!

最後に勝つのは、勇気ある者ですッ!!


中村・裕美
「……能力だけでなく……見た目も人格も変わるとは……大魔王って不思議ね」
などと思いつつも戦闘開始
「……ハッキング開始……支援するわ」
床や天井、周囲の空間を【ハッキング】、消化液の動きや蠕動運動などを制御し【罠使い】【地形の利用】、消化液を大魔王自体にぶつけさせたり、
「……自身の消化液で……潰瘍にでもなりなさい」
あとは攻撃を受けても【毒耐性】【呪詛耐性】で耐える。あとは、足元の全道を制御して飛び跳ねたり、できるだけ敵の視界に入らないよう立ち回りたい

「……バイタル確認……修復するわ」
UCを使う隙ができたら、味方を回復させてそのダメージを取り除く。疲労はエナジードリンクを飲み【ドーピング】で誤魔化す


ベルベナ・ラウンドディー
先手はくれてやる
【念動力・目潰し・地形の利用】で敵周囲の地形を破壊、消化液を目玉に浴びせて凝視を阻害
かつ【気合い・限界突破・破魔】で捕縛の解除を強引に行う
【環境耐性・毒耐性・地形耐性・継戦能力】で消耗戦に適応
無抵抗で虐殺など御免です
太陽風にすら耐性を持つ自慢の遺伝子だ、半端な侵食では私は倒れんぜ

攻防ではユーベルコードの結界を展開!
柱を束ねる堅牢な盾は攻撃を、或いは視線を【かばう】破魔の盾となる!
狙うは消耗を抑制…だが或いはだ

ここに持参の金平糖
一見ふざけたシロモノのコレを例えばその体に埋め込むことが出来たとして

それを対象に【一斉発射】で同時に結界を展開したら? 


突き刺され光の柱!グレイプニル!



 肉体を欠損させ、その戦う力を奪ったはずであった。
 だというのに、その瞬間から再生を開始する。
 呪詛の代償として、爛れ、腐れ落ちたはずの片翼が、すぐに復元されていく。

「倒しても倒しても復活する。その身を厭わない魔王とは、これほどに恐ろしいのですね……」

 悪夢そのものの光景に、ソラスティベル・グラスラン(暁と空の勇者・f05892)は戦慄を覚えた。
 しかし、物語の英雄たちはこのような恐ろしい敵に相対してきたのだ。
 英雄譚に憧れ、勇者となろうと旅立ったからには、引き下がるわけにはいかない。

「……能力だけでなく……見た目も人格も変わるとは……大魔王って不思議ね」

 そして中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)は相手が魔王であろうと分析することを忘れない。

「……ハッキング開始……支援するわ」

 大魔王第三形態の能力、行動、すべてを把握すべくハッキングを開始する。

「先手はくれてやる」

 ベルベナ・ラウンドディー(berbenah·∂・f07708)の覚悟はこうであった。先手を取るばかりが勝負でない。
 後の先を取るという言葉もある。
 攻防は一体であり、攻撃が最大の防御となることもあれば、防御が最大の攻撃となることもある。
 局面に応じてふさわしいものを選ぶのが戦いにおいて重要だ。

「いいだろう、先ほどの恨みは汝らで晴らす。まとめて薙ぎ払ってくれよう――」

 再生した翼が、ふたたび代償となって腐れ落ちる。
 なおも強い呪詛を込めて襲いかかる。

「翼は、こう使うの!」

 ソラスティベルは背中から竜の翼を広げ、飛翔した。
 上空に逃れ、回避可能な領域を確保する。
 肉襞に覆われたダンジョン内を、所狭しと飛び回った。

「蚊蜻蛉よ、汝は後ほど相手をしよう」

 目障りだとばかりにソラスティベルを追い払うと、セレブラム・オルクスは地上にいる裕美とベルベナを対象に定めた。
 ぎょろり――。
 腹部に埋もれた赤い単眼がふたりを凝視する。
 溢れんばかりの魔力に触れれば、力を封じられてしまうだろう。
 ベルベナ、裕美はほぼ同じ対策をとった。
 溢れている消化液を利用し、その視線を遮ろうというのである。

「……自身の消化液で……潰瘍にでもなりなさい」

 空間へのハッキングによって、消化液の流れを逆流させる。
 粘膜を破壊すれば、みずからの消化液で分解されるはずだ。
 ベルベナも、周辺の地形を破壊し、流れを変える。
 この無言の連携が功を奏した。
 
「ぐむっ……!?」

 消化液は、剥き出しの単眼に飛沫を飛ばした。
 強力な酸が、角膜にかかる。
 睨めつける呪いの視線がわずかに揺らぐ。
 反撃に転じるには、それで十分だった。

「無抵抗で虐殺など御免です。太陽風にすら耐性を持つ自慢の遺伝子だ、半端な侵食では私は倒れんぜ」

 強い酸にも耐えきったベルベナのユーベルコード【守護結界生成(グレイプニル)】であった。
 光の柱を束ねた結界によって視線と消化液を防いだのだ。

「……バイタル確認……修復するわ」

 一方、裕美は【リアリティハッキング】によって高速治療して侵蝕に対抗した。
 そして秘蔵のエナジードリンクを一気飲みする。
 強いカフェインとタウリンの味が口の中に広がった。

「狙うは、大魔王の“目”!」

 呪いによって爛れかけた蒸気の盾を投げ捨て、ソラスティベルは急降下する。
 ユーベルコード【我が名は神鳴るが如く(サンダラー)】――。
 蒼い稲妻をまといながら、大斧を一揆に叩きつける。
 接近しなければ命中しない大技を、ここぞというタイミングで放ったのだ。

「さて、ここに持参の金平糖。一見ふざけたシロモノのコレを例えばその体に埋め込み、一斉発射で同時に結界を展開したら?」

 ベルベラが取り出したるは、子供たちが喜ぶような、砂糖でできた金平糖。
 セレブラム・オルクスは、その真意を悟ってか慄いた。

「待て、貴様……!?」
「突き刺され光の柱! グレイプニル!」

 弾丸のように打ち出された金平糖は、触媒である。
 大魔王の体内に埋め込まれ、内部から一斉に光の柱を放った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

霧島・絶奈
◆心情
…さあ、此の逢瀬を愉しみましょう

◆行動
敵の先制攻撃対策として布を目の前に広げつつT【オーラ防御】を展開
【呪詛耐性】と併せ策を実行する猶予を確保します

同時に【罠使い】として持ち込んだ「白燐発煙弾」と「催涙弾」を【衝撃波】に乗せ【範囲攻撃】
広域を覆う煙幕に紛れ【目立たない】様に姿を隠し、同時に敵の目其の物を閉じさせます
…こうなると目が大きいのも不便ですね

自身の視界は白燐煙幕を透過する赤外線センサーで補助しつつ【聞き耳】を立て敵の位置を把握

先制攻撃を往なしたら『涅槃寂静』にて「火」属性の「濃霧」を行使し反撃

私自身も【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】

負傷は【生命力吸収】で回復


フィロメーラ・アステール
「おおー、でっかい目玉!」
なんとも不気味な姿!
しかし臆するわけにはいかないぞ!

【オーラ防御】に【呪詛耐性】効果を乗せたバリアを展開!
さらにその上に光学【迷彩】に使う光の屈折技術で、鏡のような機能も付与してマジック【カウンター】性能を搭載!
これで相手の凝視を反射してお返しだ!
魔王のパワーだし、並の防御では防げないだろうけど【気合い】を込めた【全力魔法】で根性を見せるぞー!

攻撃を凌いだら【紲星満ちて集いし灯光】だ!
光精を召喚し【破魔】の聖なる【属性攻撃】の光を一斉照射!
目玉を狙ってアタック!
眩しさや聖なる刺激で視界を奪う&光の熱量や神聖パワーでダメージを与えるという両方の意味で【目潰し】だー!


玉ノ井・狐狛
この大魔王サマは、人間みてぇなパーツが多いなァ。劣等感でもおありかい?
心を入れ替えてアルダワのお偉いさんに頭を下げりゃあ、人間にしてもらえるかもしれないぜ。

🛡対処
粘液っぽいってコトは、勢いはそうでもないはずだ。
障壁を張って、接触する前に止める。もちろん一瞬で侵蝕されるだろうから、それより早く“次”のを張っておく。

⚔攻撃
そうやって凌ぎつつ、やっこさんに接近。粘液が邪魔なら、足場として障壁を使う。
粘液を避けて本体に触れる。箇所はどこでもいい。
UCで相手の呪障をコピー、ご本人にお返しするぜ。

人を呪わば……なんて言うが。
狐を呪うなら、墓穴はひとつでイイ――もちろんアンタのな。よっぽどお手軽だろ?



「この大魔王サマは、人間みてぇなパーツが多いなァ。劣等感でもおありかい?」

 玉ノ井・狐狛(代理賭博師・f20972)が言った。
 苦痛にもがく大魔王第三形態セレブラム・オルクスに浴びせた言葉は、深く本質をついていたかもしれない。知性体を憎悪するというその根源は、人間という種への羨望と嫉妬であったかもしれなかった。

「心を入れ替えてアルダワのお偉いさんに頭を下げりゃあ、人間にしてもらえるかもしれないぜ」
「グオオオオオオオオオオッ!! 黙るがいい!」

 狐狛を最大の侮辱と取った大魔王は、全身を震わせて消化液の波を起こした。
 込められた呪詛によってか、波は怨念を宿した顔を浮かべている。
 障壁を張って、これを防ぐ。
 その障壁にも、恨みの顔が張りつき、徐々に侵蝕していく。

(こりゃ次を張っておかねえとな……)

 幾重にも障壁を重ね、呪いの浸透を防ぐ。
 こうして狐狛は反撃の機会を待つ。

「……さあ、此の逢瀬を愉しみましょう」
「愉しむ、だと?」
「ええ、殺戮の機会は、お互い一度きりですから」

 霧島・絶奈(暗き獣・f20096)は、言うと布を展開した。
 聖性を帯びており、呪縛の視線を遮ることができる。

「おおー、でっかい目玉!」

 フィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)は、素直にその単眼に驚嘆の声を上げる。
 不気味さを感じつつも、臆することなく呪詛への耐性を持つバリアを展開した。
 そのバリアによって視線を屈折させ、あるいは鏡面効果で反射させ、お返しとばかりに凝視を誘導する。

「グオッ!?」

 知性体を呪う視線は、皮肉なことにセレブラム・オルクスにも、効果を及ぼした。知性体を吸収することによって、彼は知性を獲得していたのだ。
 そのタイミングで、絶奈が白鱗発煙弾と催涙弾の煙幕を拡散した。ぎょろりと開かれた大魔王の眼を、立ち込めた煙が強烈に刺激する。

「……こうなると目が大きいのも不便ですね」

 絶奈自身は、赤外線センサーによって視界が遮られることはない。
 ここから、反撃に転じる。
 ユーベルコード【涅槃寂静(ヨクト)】によって火の属性を与えられた霧が包む。
 大魔王に霧が触れると、その部分から発火し、炭化させていく。

「SSR妖精の根性を見せるぞー! そおれ、目潰しだー!」

 呪詛の視線に寄る攻撃をしのいだフィロメーラも、反撃に転じる。
 ユーベルコード【紲星満ちて集いし灯光(スターダスト・シンクロニシティ)】によって光の精を召喚、眩しさと熱量を神聖なパワーに込めて眼中に叩き込む。

「目が、我の目が……!?」
「目がほしいのかい? なら、ご本人にお返しするぜ」
「なん……だと……!?」

 ここで狐狛がユーベルコード【まだらに染まる裾模様(テクニカラード・ニューシネマ)】を発動させた。
 セレブレム・オルクスの呪縛の目が再現された。
 自分自身の視線によって動きを封じられ、眼球を中心に破壊されていく。

「人を呪わば……なんて言うが。狐を呪うなら、墓穴はひとつでイイ――もちろんアンタのな。よっぽどお手軽だろ?」

 狐狛が呟いた頃には、大魔王第三形態は完全に崩壊していた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年02月13日


挿絵イラスト