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アルダワ魔王戦争3-E〜せくしー衣を脱がさないで

#アルダワ魔法学園 #戦争 #アルダワ魔王戦争

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●アルダワ大迷宮にて
 ヌギヌギン液で出来た溢れんばかりのスライムプール! まさに阿鼻叫喚!
 『セクシー料理人魚』人魚フライさんは、ただの人魚になってしまったのです!
 これにはアルダワ料理評議会審査員の皆様も総ブーイング!
 評議会総立ち! 喧噪は収まる気配もありません!

 ―――ちょっと待って。ごめん、なんの話してるの?

●戦争の話ですよ
「最近こんなのばっかり予知してる気がするんだけど、アタシなんか悪いことした?」
 なんかしたんじゃないかなあ。
 予知について語るメール・ラメール(砂糖と香辛料・f05874)からは、早くもどことなく投げやりな雰囲気が漂っている。
「みんなには禁断のヌギヌギン液で出来たスライム溢れる迷宮に行ってもらうのよ」
 なにそのネーミング。なにそのスライム。名前からしてやべえことだけしか分からない。
「スライムに触れると『なぜか装備を脱ぎたくなってしまう』精神汚染を受けます、はいそこ回れ右しない」
 メールの手が回れ右した猟兵の肩を掴む。
 逃がしてなるものかという強い意志を腕に込めつつ、メールは説明を続ける。
「それでね、そこにはスライムの他にも衣を剥がされた『セクシー料理人魚』人魚フライさんがいる」
 ええ、またなんかよく分からない単語が並んでるよお。
 説明によると、『セクシー料理人魚』人魚フライさんはサックリ衣を纏った人魚らしい。
 そしてこの人魚フライさん、アルダワ料理評議会審査員を名乗る方々を呼び出すユーベルコードを持っていて、しかも彼らからの辛口評価でパワーアップするらしい。
 衣がない人魚フライさんなんてただの人魚。
 呼び出された評議会の方々はそんな人魚フライさんに辛口評価を投げ続けている。
 つまり、この戦場での人魚フライさん、めっちゃ強い。独壇場。
「何言ってるかよく分からないでしょう? アタシもよく分からない」
 このやろう!!!
「みんなも武器や防具を脱ぎ捨てたくなる衝動には勝てないと思うけれど、最低限の装備までは脱がないって見えたから。安心して」
 殴り続ければきっと勝てる。そんな武力でものを言わそうとする提案なんて不安しかないよ。
「がんばれ」
 他に言葉がないとでも言うように、短い言葉を掛けながらメールが力なく拳を握った。
「がんばれ……」
 メールの手がそっと力なく項垂れる。やめろそんな顔をするんじゃない。


あまのいろは
 大丈夫です、私の頭は正常です。あまのいろはです。

 アルダワ魔王戦争の戦争シナリオです。
 オープニングからも分かるように、えっちなのはないです。ネタシナリオです。
 武器や防具などに頼らず『セクシー料理人魚』人魚フライさんを打倒してください。
 プレイングボーナスは、武器や防具無しで戦う工夫になっております。


 公開され次第、プレイングの受付を開始致します。
 締め切りなどについてはマスターページにてお知らせするかもしれません。
 それでは、皆様の楽しいプレイングをお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『『セクシー料理人魚』人魚フライさん』

POW   :    高温でサクッと香ばしく揚げるフライハイ
自身に【ふんわり食感の生パン粉】をまとい、高速移動と【衣をサクッと揚げるような高温油】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD   :    押し寄せる大波の如く全身に広がるタルタルウェイブ
【濃厚でさっぱりした味わいのタルタルソース】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
WIZ   :    審査員のみなさん、これがわたしの料理テクよ~♡
戦闘力のない【アルダワ料理評議会審査員を名乗る方々】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【辛口な審査員から得た高評価】によって武器や防具がパワーアップする。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠幻武・極です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

山梨・玄信
おい!あいつ衣を付けているではないか。n
向こうも脱ぐのではないのか?

【POWを使用】
とにかく、先ずは褌一丁になるぞい。
これでUCの準備は完了じゃ。

敵のUCは発動条件からして、長時間は続かない筈じゃ(パン粉を脱ぎたくなる筈なので)。
ならば、それまでの時間を回避に集中するのじゃ。見切り、第六感、聞き耳等あらゆる感覚を使って敵の攻撃を読み、ダッシュで躱して行くぞい。
避けられない場合に備えてオーラ防御は全身に張っておき、激痛耐性と火炎耐性で耐えるのじゃ。

敵がパン粉を脱いだ瞬間、脱衣の国の女神(下着姿)を召喚し光輝く風で、持っているパン粉もろとも敵を吹き飛ばしてやるわい!

アドリブ歓迎じゃ。



 アルダワ魔法学園の地下迷宮は広大で、刻一刻と姿を変えることも有名だ。
 だから、どんな奇天烈な迷宮があってと聞いても驚きはしないけど。けどさあ。
 猟兵たちの目の前でたっぷんたっぷんと波打つ、ヌギヌギン液で出来たスライムのプール。
 そして、オブリビオン『セクシー料理人魚』人魚フライさんと、彼女(?)を取り囲むアルダワ料理評議会審査員を名乗る皆さん。
 ――――これは、ちょっとどうかと思うんですよ。ねえねえ、情報が渋滞してません?

「おい! あいつ衣を付けているではないか」
 未だスライムの被害にあっていないのだろう。サックリ衣を纏ったままの人魚フライさんの前に山梨・玄信(ドワーフの破戒僧・f06912)が立ちはだかる。褌一丁で。
 ドワーフらしい屈強な身体を晒している彼は既にスライムに襲われて、――なんてことはなく。
 迷宮に辿り着くより早く、先ずは褌一丁になるぞいと、いそいそと自ら服を脱いでいた。
 どうしてって? 彼のユーベルコードの半分は、発動条件が服を脱ぐことなんだ。
 世界ってとっても広いなあ。まだまだ知らないユーベルコードがたくさんあるね。
「敵のユーベルコードは発動条件からして、長時間は続かない筈じゃ!」
 脱がされてなるものかとふんわり食感の生パン粉を纏おうとする人魚フライさんへ、身軽になった玄信が駆ける。
『わたしの衣を脱がそうなんて、そうはいかないわ~!!』
 分厚くパン粉を纏って高速移動する力を得た人魚フライさんだったが、衣を剥がされまいとスライムを気にする彼女の動きはどうしても鈍る。
 人魚フライさんがスライムに手間取る間にも、玄信はどんどん彼女への距離を詰めていく。
 これ以上近づかせまいと高温油を飛ばすが、所詮悪あがき。激痛と火炎に耐性を持つ彼の歩みが止まることはない。
「持っているパン粉もろとも吹き飛ばしてやるわい! 来るんじゃ、脱衣の国の女神よ!!」
 神々しい光が降り注ぐ。玄信の声に応え、下着姿の女神が脱衣の国からやってきたのだ。
「玄信、わたくしも戦いましょう。さぁ、共に正義をなすのです」
 女神の降臨を知らしめるように迷宮に吹き抜けた激しい風は、スライムプールを激しく波打たせ、人魚フライさんが纏う衣までもひとつ残さず吹き飛ばした。
『い、いやぁ~! やめてぇ~!!』
 人魚フライさんの悲鳴が迷宮に響いたあと。すっかり衣を剥がされて涙目の、うつくしい人魚の姿がそこにはあった。
『………ひどい』
 玄信の脱衣の力によって、人魚フライさんはただの人魚に。なんと恐るべき脱衣の力。
 けど、そもそも脱衣の国ってなんだろうとか、考えたらいけないよ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

佐伯・晶
ああ、衣だから脱ぎたくなるんだね
座布団一枚、って色々気が抜けるけど頑張って戦うよ
それはそうとこれで中身が美人さんだったらコメントに困るな

武器は持てなくなるみたいだし
邪神の施しで石の彫像になって戦うよ
攻撃力と防御力を強化できるから
素手でも戦えると思うよ

それに彫像ならドレスも体の一部だから
脱ごうとしなくなったりしないかな

辛口評価で武器や防具が強化されるらしいけど
ヌギヌギン液の効果で手放してないのかな
指摘したら気になって放り出すかもしれないし
言うだけ言ってみよう

それはそうと揚げたてのフライはとても美味しいと思うけど
スライムプールの中で食べようという気はしないよね
味も大事だけど雰囲気も大事だと思うんだ


才堂・紅葉
「なんで?」
疑問が渦巻くが行こう

テキパキと水着姿になり会場入りする
人魚だ
フライじゃない
衣がない…凄く美人でプロポーションも抜群の人魚だ

「なんで罵倒されてるの……」

審査員なる連中に辛辣な評価を飛ばされている
分らない…この空間が
取り敢えず殴り倒そうそうしよう

「……なんでこんなに強いのよ!?」

尾鰭ではたかれて吹っ飛びぬるぬるに突っ込んだ
恐らく人魚から“フライ”の取れてる間は無敵なのだろう
仕組みは分った
咄嗟にブラを投げつけ目くらまし
低空タックルから【怪力】で審査席に押し上げて一緒に登り
プロレス技のスパニッシュ・“フライ”で叩きつける

「人魚・スパニッシュ・フライです、審査員の皆さん!」

もうヤケクソだった




「なんで?」
 テキパキと水着に着替え迷宮へ乗り込んだ才堂・紅葉(お嬢・f08859)の頭上には、いくつものハテナマークが浮かんでいた。
 紅葉の目に映るのは、凄く美人でプロポーションも抜群の人魚。衣を剥がされちょっと涙目。
 そして、そんな人魚へ辛辣な評価を飛ばし続ける評議会の皆さん。
「なんで罵倒されてるの……」
 分からない。この空間が分からない。
 考えることは無駄だと思った紅葉は考えるのをやめる。うん、倒せば解決だ。
「ああ、衣だから脱ぎたくなるんだね」
 座布団一枚、そう呟く佐伯・晶(邪神(仮)・f19507)も、どことなく気が抜けている。
 しかも、中身が美人だったらコメントに困るなんて考えていたら、あろうことか中身は美人の人魚。より一層気が抜けるというものだ。
「……でも、戦わなくちゃね。先手必勝だよ」
 ふぅ、とちいさくため息を吐いた晶の足元に、ぐるりと魔法陣が現れる。
 それが光を放ったのは一瞬で。晶の身体が足元からぱきりぱきりと石へと変化していく。
 それは、邪神の施し。身体を石へと変える肉体改造。
 纏ったドレスはそのままに、瞬く間に晶の身体は頭の先まですっかり石へと変わってしまった。
「彫像ならドレスも体の一部だから、脱ごうとしなくなったりしないかな」
 晶はスライムプールへと一歩踏み出す。石と化した足にひんやりとスライムの感触が伝わるが、それだけだ。
 スライムの脅威はクリア。それに、邪神の施しで石の彫像になったことにより、身体能力は大幅に強化されている。
 人魚フライさんと素手で戦うとしても、何も問題ないだろう。晶がきゅっと握った拳はかつりと冷たいおとがした。

「わぁっ!?」
 とりあえず殴り倒そうと人魚フライさんへ突撃した紅葉だったが、人魚フライさんが振り回した尾びれに叩かれ吹き飛ばされる。
 吹き飛ばされて突っ込んでしまったぬるぬるは、タルタルなのだろうかスライムなのだろうか。
「……なんでこんなに強いのよ!?」
 ふざけた空間に似つかわしくない人魚フライさんの攻撃力。紅葉は纏わりつくぬるぬるを振り払いながら苦い顔。
 人魚フライさんは、評議会の辛口コメントで強くなる。
 だから、恐らく人魚から“フライ”の取れてる間は無敵なのだろう。
 紅葉はそう当たりを付ける。仕組みは分かった。というかそうであって欲しい。
『ふふふ! わたしは負けないわ~! だって今のわたしは最強なんですもの!』
 けれど、だからなんだと言うのとでも言いたそうに、衣のない人魚フライさんは上機嫌に尾びれをびったんびったんさせている。
 その間にも辛口コメントを飛ばす評議会の皆さん。完璧な布陣である。
 一瞬でも隙を作れれば――!!
 そんな願いは、晶が放った一言で幸運にも作られることとなる。
「でも、武器も防具も持ってないよね?」
『えっ』
 晶の言葉に、人魚フライさんの動きが止まる。
「武器や防具はパワーアップするって聞いたけど、どっちもないように見えるけど……」
 確かに、猟兵からの攻撃とスライムによって人魚フライさんは身ひとつだ。
 パワーアップするための武器や防具と呼べるものは到底持っているようには見えない。
『それを指摘するなんて、ひどいわ~!』
 見れば分かるんだけどなあ。
 人魚フライさんが動揺した隙を、紅葉は見逃さなかった。
 紅葉はすかさず手に握っていた何かを人魚フライさんへと投げつける。見事人魚フライさんの顔に当たったのは、ブラジャー。
 どうしてそんなものを。いやそれよりどこに隠し持っていたの。咄嗟に掴んだのがそれだっただけだよ、他意はないよほんとだよ。
『きゃっ!?』
 突然視界を奪われ驚き戸惑う人魚フライさんへ、駆けた勢いをそのままに低空タックル。
 耐性を崩した人魚フライさんを担ぎ上げて――、紅葉が繰り出したのはプロレス技のスパニッシュ・“フライ”。
 人魚フライさんが叩きつけられるおとが小気味よく響いて。紅葉がヤケクソ気味に放ったプロレス技が、審査員の目の前で見事に決まった。
「人魚・スパニッシュ・フライです、審査員の皆さん!」
 審査員の前に叩きつけられた人魚フライさんを見て、評議会の皆さんは拍手喝采!!
 え、これでいいの? 技を決めた紅葉の頭上に、いくつものハテナマークが再び。
 分からない。この空間がより一層分からない。
 晶も審査員と一緒に拍手を送れば、かつかつと固いおとが響いた。
「揚げたてのフライはとても美味しいと思うけど、スライムプールの中で食べようという気はしないよね……」
「え? ええ。そうですね」
「味も大事だけど雰囲気も大事だと思うんだ」
 それは晶の言う通り。けれど、紅葉は思うのだ。
 スライムプールの外だったとしての、人魚フライさんを食べる気になるのだろうか、と。
 分からない。やっぱりどうしても、この空間が、分からない。
 そんな紅葉の考えをよそに、人魚フライさんは審査員の皆さんの前で伸びていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

エンティ・シェア
おう出たなエビフライ
いや、今はただのエビか…エビか?
まぁ、フライより食いやすくなってんだろ
餌時でチビ狼召喚して全力で食わせてやる
あっちがめっちゃ強くなってんならこっちも合体強化しねーとか
数の利も維持したいし、段階的に合体させてみるか
タルタルの波はもう泳げ。お前らならいける

武器防具はもう放置でいいだろ。後で拾う後で拾う
うるせーよ黙ってろお前らだって別にそんな得物に愛着ねーだろが
一応身軽がすぎるわけだし、攻撃受けないように離れたとこにいようかね
何もしないってのも暇だし、審査員とやらを黙らせてみっか
いやつーかお前ら食ってから批評しろよな
あれはあれで胃に優しくて旨いかもしんねーだろ
俺は絶対食わねーけど




「おう出たなエビフライ。いや、今はただのエビか……エビか?」
 人魚です。
 すっかり伸びた人魚フライさんを見下ろすエンティ・シェア(欠片・f00526)の背後には、ちまっと可愛いサイズの狼さんが並んでわんわんわん。その数、ざっと60匹。
 ユーベルコードによって呼び出された狼の子供たちは、食べてもいい? と言わんばかりに、はたはたと尻尾を振っている。
『う、う~ん……? って、きゃぁ!!?』
 意識を取り戻した人魚フライさんは、狼たちの存在に気付くとばっと距離を取った。
 人魚でも魚は魚。肉食動物には本能的に恐怖心が沸き上がるのだろう。
「あ、逃げたか」
 遠のく背中を見ながら、エンティはちっとちいさく舌打ち。
 不機嫌そうに腕を組んだまま狼たちに行けと短く命じれば、狼の群れは人魚フライさんへ向かって駆けだした。
『きゃあああ?! やだやだこないで~!!』
 人魚フライさんの悲痛な叫びが迷宮に響くが、エンティは躊躇う様子はない。目で止まるなと示せば、狼たちは更に速度を上げ人魚フライさんに襲い掛かる。
『やだってば~!! あっち行って~!!』
 人魚フライさんの叫びとともに、スライムではない何かがどばっと大波のように押し寄せてきた。そう、タルタルソースだ。
 狼の子供たちがタルタルの波に飲まれてじたばたともがく。
 なんとか波から脱出したころには、狼の口は濃厚だがさっぱりした味わいのタルタルソースの風味で満たされていた。

「チビのままじゃダメか。しょうがねえなあ」
 波に押し戻された狼たちを見て、エンティは軽く頭を掻いて。
 数の利は生かしたい。けれどチビのままでは強化された人魚フライさんの攻撃に阻まれる。
 ならば、と。
 狼たちがまた駆ける。近づけさせまいと、再度押し寄せるタルタルウェイブが狼たちの行く手を阻もうとする。
 またも押し流される、かと思いきや。
 狼たちが一匹の狼に身を寄せるようにくっついた。複数の狼の中心にいた狼が、ちいさな子供から大人の狼へと姿を変える。
 大人の狼は押し流されることなくその場に留まって見せた。エンティはにっと不敵に笑って。
「タルタルの波はもう泳げ。お前らならいける。武器防具はもう放置でいいだろ」
『わふん……』
 ちょっとした無茶ぶりと、装備品は後で拾うと面倒な雰囲気を隠さず言えば、狼からの抗議のこえが上がったけれど聞こえないふり。
『……わふわふわふ、わおーん!』
「うるせーよ黙ってろお前らだって別にそんな得物に愛着ねーだろが。全力で、喰らってこい」
 すこし不満そうな視線を向けられた気もするけれど。
 狼である彼らが主であるエンティの言葉に逆らうはずもない。狼たちは数を変え姿を変え、タルタルの波を掻き分け進む。
 さて、と。狼たちはいずれ人魚フライさんへ辿り着くだろう。
 けれど、それを見守るだけというのも暇なものだ。エンティは足取り軽く審査員のもとへ。
 人魚フライさんへ辛口コメントをを飛ばし続ける評議会は、近づけば近づくほど喧しい。――嗚呼、不愉快だ。
 エンティは評議会の前に立ちはだかると、勢いよく足を踏み鳴らした。審査員たちの辛口コメントが止まり、視線がエンティへ向けられる。
「いやつーかお前ら食ってから批評しろよな。あれはあれで胃に優しくて旨いかもしんねーだろ」
 エンティの背後では、タルタルの波を超え人魚フライさんへと飛び掛かる狼の姿。
「俺は絶対食わねーけど」
 余談だが。エンティのユーベルコードは、名を餌時という。呼び出された猛獣の子供たちは、そう、とてもお腹が減っている。
 ――――ゴハンノジカン。
 動物の言葉が聞き取れる彼には、狼たちの嬉しそうな言葉が聞こえたのだろう。エンティの口許がにたりと、楽しそうに歪んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ノーラ・カッツェ
同士を見つけて近づいたのが運の尽きだった…。あんな顔見たらほっとけないし…。
とりあえず…こんな厄介な場所に居る敵…カラッとサクッとやっつけて早く帰りましょう。

戦場でここまで丸腰なんて…。不幸中の幸いはSehnsuchtが今はただのぬいぐるみだから持っていられたことかしら。
そして、アレが今回の元凶とそれを強化してる審査員ね。
例え武器がなくても撃てる技はあるし…まずは邪魔な審査員を雷で消しちゃいましょう。そうすれば次第にあの人魚フライの力も弱まるだろうし、あとは雷の集中砲火でカラッ…サクッ…よ。

さてと、あとは服を着て帰るだけね…。
余力もまだあるし…。ふふっ、次に会う時が楽しみね…メ~~~ル~~~!


星群・ヒカル
予め水着を着ていきゃこの戦場、何の問題もないだろう。やや寒いが。
だが敵は高温の油を飛ばしてくるという、これは熱いに違いない。
こうなればうまいこと『地形の利用』するしかないな!

「おれは超宇宙番長の星群ヒカルだ!
衣のない人魚などただの人魚に過ぎないが、衣がなくても超宇宙番長は超宇宙番長だッ!
今からてめーをサクっと片付けさせてもらうぜ!フライだけにな!」

【超宇宙・拡我黎明光】で啖呵を切り、この後の行動の成功率を上げる
敵の熱々攻撃と高速移動には、スライム液の中を素早く泳いで(あるいはかき分けて)敵へと進むことで対処
敵へと辿り着いたら『早業』で敵へ全力の番長アタック(拳)だッ!




「予め水着を着ていきゃこの戦場、何の問題もないだろう」
 水着姿の星群・ヒカル(超宇宙番長・f01648)と、同じく水着姿のノーラ・カッツェ(居場所を見つけた野良猫・f17193)。
 とてもこれから戦う者の姿とは思えない。しかも今は冬である。迷宮とはいえやや寒い。
 装備らしい装備と言えば、猫のぬいぐるみ『Sehnsucht』が、ノーラの腕に抱かれているくらいだ。
 けれど仕方ない。
 ここはヌギヌギン液で出来たスライムによって服を脱ぎたくなってしまう、そんな恐ろしい戦場なのだから。
 色々思うところはあるが、まだ水着姿のほうが下着姿になるよりかはいくらかマシである。
「同志を見つけて近づいたのが運の尽きだった……」
 猫のぬいぐるみを抱いたノーラが項垂れる。
 ここへ送った彼女とは、最近とある出来事で意気投合し、同盟を組んだばかり。
 そんな相手が困った顔をしていたのだから、ほっとけなかったのだ。――結果、こんなことに巻き込まれてしまったけれど。
「とりあえず……。こんな厄介な場所に居る敵……、カラッとサクッとやっつけて早く帰りましょう」
 と、言うより一刻もはやく帰りたい。うん、きっとみんな同じことを思っているよ。

 狼の群れから命からがら逃げだした人魚フライさんは、スライムを避けまた衣を纏っていた。
 サックリ衣に包まれてしまうと分からないが、衣の外に飛び出る尾びれは傷ついているのが見てとれる。
 人魚フライさんを見つけたヒカルは、競り上がった岩場の上に立つとすぅっと息を吸いこんだ。そして――。
「おれは超宇宙番長の星群ヒカルだ!」
 めいっぱいの声で名乗れば、ヒカルの声が迷宮にこだまする。人魚フライさんだけでなく、評議会の視線もヒカルに釘付けだ。
 視線を一身に受けていることを確認すると、ヒカルはニっと笑ってみせた。
「衣のない人魚などただの人魚に過ぎないが、衣がなくても超宇宙番長は超宇宙番長だッ!」
 どんと強く胸を叩く。彼の自信に溢れた表情と態度は、水着姿でも揺るがない。
「今からてめーをサクっと片付けさせてもらうぜ! フライだけにな!」
 ――――決まった。ヒカルの堂々たる姿に審査員も思わず拍手を送る。
『簡単にやられるわけにはいかないわ~!!』
 人魚フライさんはヒカルに向かって高温油を射出するが、ヒカルはそれを難なく交わしてみせた。
 超宇宙・拡我黎明光。ヒカルのこのユーベルコードは、啖呵を切ることによって次の行動の成功率を上げる。
 つまり、今の彼は人魚フライさんの攻撃を交わすことなど容易いのだ。
「次はこっちの番だな!!」
 ヒカルが勢いよく地面を蹴った。脇目も振らず、人魚フライさんへ一直線に飛び掛かる。

「戦場でここまで丸腰なんて……」
 ノーラが再度自分の姿を見てちいさく溜め息。
 Sehnsuchtを持っていられたことは幸運だった。送り込まれたときはただのぬいぐるみだったから良かったものの。もし、この手を離れたら。想像するだけで胸が痛む。
 ノーラがちらりと人魚フライさんへ視線を向ければ、ヒカルがタルタルソースに阻まれながらも、高温油を避けて彼女へ突撃を仕掛けている。
 ユーベルコードのおかげもあって、ヒカルの動きは悪くない。なのにどうして彼が足止めを食らっているかと言うと――。
「アレが今回の元凶と、……それを強化してる審査員ね」
 ノーラがまたちらりと視線を移した先には、評議会の皆さん。
 そう、ヒカルが思い通りに動けない理由。人魚フライさんを強くする評議会の審査員が健在だからだ。
 ある意味元凶である人魚フライさんより厄介な相手かもしれない、とノーラは思う。
 戦場を見渡す限り、人魚フライさんへの手は足りている。それならば。まずは邪魔な審査員を雷で消しちゃいましょう。
 武器がなくとも撃てる技があるのよ、とノーラは楽しげに微笑んだ。
「ふふっ、思いっきり……痺れさせてあげる」
 うたうように軽やかに、ノーラの唇に言葉が乗って。それに応えるようにどこからかゴロゴロと不穏なおと。辛口コメントを飛ばす審査員たちは、そのおとにすら気付かない。
 次の瞬間。紫色した雷が審査員たちへと落ちてくる。激しい落雷のおとと、審査員たちが焼かれて焦げるにおい。
「どうかしら。雷の集中砲火でカラッ……サクッ……と揚げられる気分は」
 審査員たちの辛口コメントも止まり、それによって人魚フライさんの力が弱まった。今がチャンスと、スライム液を掻き分けてヒカルが飛び出す。
「覚えておけ!! これが喧嘩の流儀ってもんだ!!」
 ヒカルは握った拳を大きく振りかぶって。人魚フライさんへ全身全霊全力の番長アタック!!
 正面から彼の拳を食らった人魚フライさんは、その場に留まることは叶わずスライムプールのなかへ吹き飛ばされていった。

 人魚フライさんはスライムプールのなか。評議会の審査員もおとなしくさせた。
 これで私の仕事は終わりだろうと、ノーラが脱いでしまった洋服をひとつひとつ拾い上げる。
「余力もまだあるし……」
 するすると洋服を纏うノーラ。最後に胸元を飾るリボンがきゅっと結ばれ、軽やかに揺れた。
「ふふっ、次に会う時が楽しみね……、メ~~~ル~~~!」
 花のような笑顔はそのままだったけれど。彼女の背後で紫の稲光が激しく弾ける。
 ここへ送った彼女の名前を叫ぶその声は、なんだか黒い感情がしっかりたっぷり込められていた。
 迷宮から戻るための扉がなかなか開かれなかっただとか、それはまた別のお話。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アテナ・パラステール
【恋華荘】
せっかく旦那様(いちご)にわたくしの身体見てもらえる機会だというのに、今回はコメディですか、残念ですわ
※上下揃いの白レース下着
でも旦那様の照れ顔見れたので満足しましょう

ところで旦那様、敵がフライなら、もう一度調理してしまえばいかがです?
はい、その間はわたくしが旦那様を【無敵城塞】で守りますわ
旦那様の前に出て(あ、視線感じます(ぽっ)、全身で庇うように
旦那様の攻撃……いえ、料理の邪魔はさせませんよ
あらゆる攻撃も、旦那様の視線も受け止めて見せますわ!

敵が焼き上がったら最後は徒手空拳でも、攻撃して倒しますわね
姫騎士として格闘くらいはこなせますゆえ


彩波・いちご
【恋華荘】
※男の娘なので下着も女物、ブラ有
※隣のアテナの下着姿は見ないようにしています(真っ赤

衣も脱げるんですねえ…
え?なら料理しなおして衣をつけてあげればと?
ふむ、スライムを油がわりに、ばらまかれた衣の残骸を再利用さて……いけるでしょうか
試してみましょう
アテナさん、すみませんがその間守ってくださいっ
……見ないようにしてた下着姿が見えてしまいますが、敵を見ないわけにもいかないので視線そらせず……すみません(赤面

念動力でスライムや衣の破片をかき集めて人魚さんにぶつけてまとわりつかせ、【異界の深焔】の炎でカラッとパリッと、
再び美味しそうなフライに焼き上げてしまいましょう

まあ最後には倒すのですけどね




 スライムプールに沈んでいた人魚フライさんが、なんとか身体を起こす。
 現れた人魚フライさんを見ながらアテナ・パラステール(亡国の姫騎士・f24915)はちょっぴり不満顔。
「せっかく旦那様にわたくしの身体見てもらえる機会だというのに……」
 コメディなんて残念ですわ。溜め息をひとつ吐きながら、隣に立つ彩波・いちご(ないしょの土地神様・f00301)へ視線を送れば。
 ――――ばっと顔を逸らされた。
「旦那様、こちらを見ていいんですよ?」
「そう言う訳にもいきません!!」
 顔を真っ赤に染めたいちごは、下着姿のアテナを頑として見ようとはしない。だって、上下揃いの白レースが眩しすぎるから。
「ふふ。旦那様の照れ顔見れたので満足しましょう」
 いちごの可愛らしい下着姿が見れたことも満足な要因のひとつなのだけれど。それは口には出さず、心に仕舞っておくことにした。

 アテナにとってはいちごの姿を心に焼き付けていたいところだが、猟兵として来た以上そうもいかない。
「ところで旦那様。敵がフライなら、もう一度調理してしまえばいかがです?」
 顔を背けたままのいちごに向かってアテナが言う。ぴくり、と青い狐耳が僅かに揺れた。
「え? 料理しなおして衣をつけてあげればと?」
 ゆるゆる視線を戦場に向けて。横に並ぶアテナの姿がちょっぴり視界に入ってしまって、またほんのりと頬が染まる。
「ふむ。スライムを油がわりに、ばらまかれた衣の残骸を再利用して……。いけるでしょうか」
「はい、その間はわたくしが旦那様を無敵城塞で守りますわ」
 アテナはいちごに微笑みを向ける。どうぞ旦那様の思うままにとでも言うように。
「試してみましょう! アテナさん、すみませんがその間守ってくださいっ」
「はい旦那様。勿論です」
 言うが早いか、アテナはいちごを守るために前へ躍り出る。
『アツアツなのはフライだけで十分よ~!!』
「旦那様の攻撃……いえ、料理の邪魔はさせませんよ」
 射出される高温油も、押し寄せるタルタルソースの波も、ひとつとして旦那様へは届かせない。そんな、強い意志を込めて。だって、自分は姫であり、騎士であるのだから。
「…………アテナさん」
 人魚フライさんからの攻撃を受けているアテナに、背後からいちごの声が掛けられる。
「なんでしょうか旦那様。………あ。旦那様の視線を感じます」
「言わなくていいですよ!? 敵を見ないわけにもいかないので視線をそらせず……すみません……」
 ユーベルコード、無敵城塞を発動している以上動くことは出来ないけれど。その消え入りそうなこえからどんな顔をしてるかも手に取るようにわかる。
 本当に愛らしいひと。アテナの頬もぽっと赤く染まったのは、背後に立ついちごには見えなかった。
 いちごに見られているのだから、情けないところなんて見せられない。アテナは更にぐっと力を入れる。
「あらゆる攻撃も、旦那様の視線も受け止めて見せますわ!」
「わ、私の視線はいいですから!!」
 いちごが恥ずかしそうに叫ぶと同時に、スライムプールからふわりと何かが浮かび上がった。
 それは、スライムを纏った今まで剥がれた衣の欠片。いちごの念動力で集められたそれらは、人魚フライさんへ飛んでいく。
『な、なんなの~!?』
 スライムや衣の欠片が身体に纏わりついた。ずっしり身体が重くなった人魚フライさんは身動きを取ることが出来ない。
「カラッとパリッと、再び美味しそうなフライに焼き上げてしまいましょう」
 ――さあ、料理の仕上げの時間です。
 いちごの詠唱によって開かれる異界の門。あらゆるものを燃やし尽くす神の炎が迷宮に燃え上がる。
『い、いやあ! これじゃあ焦げちゃう~!!』
 神の炎に焼かれる人魚フライさんを見ながら、うまくいったといちごは胸を撫でおろす。
 ふと視線を上げれば、目の前にはアテナの姿。いちごの顔も燃えるように一瞬にしてぼっと赤くなる。
「お見事です旦那様。わたくしも料理、して頂いても……」
「近いですアテナさん!!」
 無敵城塞を解き、いちごへ歩み寄ったアテナの下着姿はやっぱり眩しすぎて、いちごは顔を逸らすしか出来ないのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

月影・このは
対ヴィラン用量産型戦闘ロボ518号任務を受諾
これより戦場に出撃します…
つまり人魚のたたきを作ればいいんですよね???

ぼでぃーすーつなので
これ以上は脱げませんのでーこのまま突入

ハンマーアーム…無論自身の拳なので外せません…【グラップル】
右、左、アッパー!人魚のつみれ…美味しいですかね(じゅるり)


止めは組み付きオーラブラスターでジューシーこれも内蔵兵器ですので^
生パン粉この戦場でまとえるんでしょうか?

というわけでじょうずに焼けました!
さぁ!アルダワ料理評議会審査員の驚きの鑑定結果は?




 対ヴィラン用量産型戦闘ロボ518号任務を受諾。これより戦場に出撃します――……。
 迷宮へと送られた月影・このは(自分をウォーマシーンと思いこんでいる一般ヤドリガミ・f19303)はびしりと敬礼。
 迷宮をぐるりと見まわしたこのはは、ふむ、と頷く。
「つまり人魚のたたきを作ればいいんですよね???」
 サクっと衣だけでなく、更に燃やされた人魚フライさん、すっかり焦げているけれど。
 そんなこのはの姿は、いつもと変わらないボディースーツ。
 スライムに触れたら脱ぎたくなっちゃうけれど大丈夫? ――――けれど、そんな心配には及ばない。
「ボクはウォーマシンですので」
 これは装備じゃなくてボディスーツなので。これ以上は脱げませんので。
 だって、彼は悪を挫き正義の為に戦う鋼鉄の戦士。――なのだけれど。
 実は、ウォーマシンだというのは彼の思い込み。本当はヴィラン用量産型戦闘ロボとして作られたという設定の超合金製の玩具のヤドリガミ。
 けれど、思い込みというものは、時にすごい力を発揮したりするものだ。
 そう、今回の戦場に至っては、スライムに触れても脱ぐ気にすらならない、なんてそんな力を。
「ハンマーアーム……無論自身の拳なので外せません……」
『そんなのアリなの~!?』
 右、左、アッパー!! 迫りくる拳の猛攻を受けながら人魚フライさんが叫ぶ。うん、アリなんです。
「人魚のつみれ……美味しいですかね」
『せめてフライで食べてちょうだ~い!!』
 じゅるりとこのはがよだれを啜れば、人魚フライさんが震え上がった。どうやらフライであることに、強い信念があるようです。

 思い込みの力を存分に振るうこのはの猛攻は止まらない。人魚フライさんは立っているのがやっとの状態だ。
「ふむ、なかなかやりますね」
 ならば、と。このはが人魚フライさんに組み付くと、彼の胸元が熱を持つ。集められた熱はちかちか明滅して――。
「エネルギー充填! オーラッブラスタァアアアアアアアア!!」
 一点に集中したエネルギーが、一気に解き放たれる。
 高まり切った熱は人魚フライさんの身体を焼き、衝撃に耐えきれず吹き飛ばした。
 武器じゃないよ。これも内蔵兵器だから。このはがそう言うからにはそうなんです。いいね?
 衣を剥がされ、プロレス技を決められ、齧られ殴られ、雷や炎でこれでもかと焼かれて。もはや、人魚フライさんは叫ぶ力も残ってはいなかった。
 吹き飛ばされた人魚フライさんは、こんがりじょうずに焼かれて評議会の皆さんの前へぼてりと落ちた。
「さぁ! アルダワ料理評議会審査員の驚きの鑑定結果は?」
 審査員の皆さんが立ち上がる。
 そしてこのはに、ここまで人魚フライさんと戦ってきた猟兵たちに、惜しみない拍手が送られた。
「ええ、正義は勝つのです!」
 びしっとこのはがポーズを決めれば、こんがり焼けた人魚フライさんの形が崩れ、それと同時に評議会の皆さんも姿を消していったのだった。

 そして、人魚フライさんが消えた迷宮では暫く、なんだかこんがり、美味しそうなかおりが漂っていたそうな。おしまい。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2020年02月14日


挿絵イラスト