アルダワ魔王戦争3-D〜暴虐なる獅子の王
●グリモアベースにて
「皆様、お疲れ様です。皆様の活躍により再び大魔王が発見されました」
そう言って猟兵たちを出迎えたのはメイド服に身を包んだアマータ・プリムス(人形遣いの人形・f03768)だった。
「今回、巨大な大樹を中心とした森林地帯で発見されたのは大魔王の第二形態『レオ・レガリス』となります。その姿は獅子に似た様相のようです」
大魔王の第二形態は高い再生能力を持ち、その肉体は災魔の野生と暴力を体現する。並大抵の者はその姿を見ただけで恐慌状態に陥り、戦うこともできず戦場に立つことすらままならないだろう。
「この大魔王の姿は第二形態。先に発見された第一形態に続き2つ目の姿となります。おそらくこれ以上の形態もあるのでしょう。つまりここはこの戦争における通過点。例え相手がどれだけ強大であろうと倒さねば先へは進めないのです」
この戦いも中盤に差し掛かろうとしている。しかしまだ終わりは見えない。故にこんなところで立ち止まっている暇はない。
「例え相手が大魔王であろうと皆様でしたらきっと倒すことができると当機は信じております」
それは嘘偽りのない言葉。これまで数々の苦難と困難を乗り越えてきた猟兵たちならば相手が大魔王であろうと引けをとらない。そうアマータは信じている。
戦況は進んでこそいるがまだ終わりは見えない。
真の敵はまだ迷宮の奥深くで猟兵たちを待ち構えている。
「甦りし大魔王の討伐、どうか皆様よろしくお願いします」
こうしてカーテシーと共に猟兵たちの転移が開始された。
灰色幽霊
どうも、灰色幽霊です。
今回も大魔王戦となります。
相手は大魔王第二形態『レオ・レガリス』。
また例の如く今回も『敵のユーベルコードへの対処法を編みだす』ことでプレイングボーナスが発生いたします。大魔王は確実に先制してきますのでどう防ぎ、どう反撃するかをお考え下さい。
今回は大魔王戦ですので基本的に『成功』か『大成功』のプレイングのみリプレイを執筆しますのでご了承ください。
その他注意事項などはMSページもご覧ください。
それでは皆様の素敵なプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『大魔王第二形態『レオ・レガリス』』
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POW : 巨大なるもの
【知性体を喰らいたいという渇望】の感情を爆発させる事により、感情の強さに比例して、自身の身体サイズと戦闘能力が増大する。
SPD : オールイーター
自身の身体部位ひとつを【あらゆるエネルギーを喰らう魔獣】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
WIZ : 王たる脅威
【一瞬のうちに繰り出される爪の連続攻撃】を披露した指定の全対象に【攻撃のダメージに応じた大魔王への恐怖の】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ゴアゴア・トゥエニワン
ゴアァ…⦅成る程、食えば食う程強くなるという事であるか…⦆
おまけに悪食と見た、力も強いし単純に厄介な相手であるな。
…だが、当たらなければどうという事はない。
UCで強化し、攻撃が当たる前に【見切り】、【残像】を残して【ダッシュ】移動。
そのまま高速で移動しながら【早業/スナイパー】でガンブレードを発砲し、”ある弾丸“を何発か撃ち込む。
ホローポイント弾を知っているであるか?こいつの特徴は体内に入ると炸裂し、“貫通せずに中で留まる”ことである。
再生能力があろうと、弾丸は肉に食い込んだまま、ダメージを与え続ける。
癒えない痛みに悶えるがいい。
(アドリブ、連携可)
テラ・ウィンディア
獣の王か
一応森出身のエルフとしては畏怖すべき相手だが
挑まずにはいられないって気持ちもあるぞ
対SPD
下手に魔力を込めても食われちゃうな
ならば
【見切り・第六感・残像・空中戦】を駆使して可能な限り回避
その上で【戦闘知識】で更に動きの癖やパターンの把握
小紅龍招来!
乗って一緒に空を飛びながら紅龍に乗ったまま突撃!
槍で【串刺し】にしてエネルギーを壊れないように至近距離から紅龍による噛みつきからのプラズマブレス!
魔獣の頭部の部分は避けて攻撃
食わせはしない
ちゃんと口にしなければ美味しいスープだって火傷するしな!
所で知性を否定するようだけど
ちゃんとレシピ通り作ったご飯は超美味しいんだぞ?(しおおにぎりもぐもぐ
●ワン・ショット
「俺の前に立ち塞がるか、猟兵」
木々の生い茂る森林地帯へ転移した猟兵たちを出迎えたのは大魔王第二形態であるレオ・レガリス。その威風堂々たる立ち姿に心の弱いものは膝を折ってしまうだろう。
「ゴアァ…⦅成る程、食えば食う程強くなるという事であるか…⦆」
「みたいだね。ならやるべきことは一つだろ?」
猟兵たちの先手を担うのはゴアゴア・トゥエニワン(元モフモフ団頭領-ドン・ゴアゴア・f13912)とテラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)の2人。
この形態の大魔王が喰らった物で自身を強化するのであれば2人がすべき行動はたった一つ。
「ふん、小賢しいわ!」
大魔王を前にして2人は全速力で逆方向へと駆けだした。円を描くようなその軌道の中心にいるのは大魔王。鬣を魔獣へと変貌させ2人の動きを追うがトップスピードで駆け抜ける2人に追いつくことはできない。
魔獣へと変わろうと操るのは大魔王自身であり、そこには癖や嗜好がにじみ出る。知恵を捨てた大魔王はただ愚直に2人を鬣の魔獣で追い立てる。
戦場を駆け抜けながら2人が探し続けるのは回避から攻撃へと移る一瞬の隙。今はまだ大魔王の攻撃を潜り抜けることができてはいるがそれもいつまで続くかわからない。こちらの体力とて無限ではない。逃げ続けているだけでなく攻撃をしなければ活路を開くこともできない。
「ええい! 直接、俺が喰らってやろう!」
ここに来て初めて鬣の魔獣に攻撃を任せていた大魔王自身が動き出す。
攻撃の激化は免れぬがそれこそ2人の望んだ反撃のチャンスに他ならない。
「ゴア!《嬢ちゃん!》」
「おっけー! 【小紅龍招来】!」
大魔王が動き出すと同時にゴアゴアは『旋律変形式ブレード付き銃火器-カノン・オブ・トゥエニワン』を引き抜き狙いを定める。今回シリンダーに収められている弾は少々特別なもの。相手の情報が予知でわかっているからこそ用意できた鬼札。
「ゴアゴア……《これでも喰らうである……》」
数度引かれた引き金と共に放たれる弾丸。
「その程度!」
なんの策もなく放たれた弾丸は大魔王に命中することなく鬣の魔獣の口の中へ消える。
しかしゴアゴアの行動に策がなかったわけではない。今回においては食べさせることこそが重要だった。知恵をなくした大魔王であれば放たれた攻撃は無条件で喰らい防ぐと想定していた。
「———ぐッ」
ゴアゴアの放った弾丸を数発喰らったところで大魔王の動きが一瞬止まる。それはゴアゴアの放った特別な弾によるもの。
ゴアゴアの放った弾は通称ホローポイント弾。通常の弾丸とは違い貫通するのではなく相手の体内で炸裂し、内部から相手の身体を破壊する弾丸である。
その弾丸が今、大魔王の体内で炸裂したのだ。
「ハァァァァァ!!!」
大魔王の動きが止まったその一瞬をテラは見逃さない。先に召喚した紅龍と共に上空から大魔王の頭上へと『紅龍槍『廣利王』』を突き下ろす。
そこは魔獣ではなく大魔王自身の頭部。つまり捕食されることはない部分。
「紅龍!」
槍の突き刺しで縫い止めた頭部へ繰り出される紅龍による噛みつき、そして連撃のプラズマブレス。
魔獣の口以外へ攻撃すればエネルギーを喰らわれることもない。
紅蓮の炎を纏った東洋龍の口から放たれた閃光が大魔王の頭部を飲み込んだ。
「所で知性を否定するようだけどちゃんとレシピ通り作ったご飯は超美味しいんだぞ?」
「ゴア《文化の発展のおかげであるな》」
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ナザール・ウフラムル
おう魔王、ぽこぽこ形態毎に分裂しやがってテメェはスライムか何かか?
来いよ。俺はここだ。
デカくなるのはいいけど、その分死角も増えるって分かってっか?ただでさえフィールドに障害物が多いってのによ。
【属性攻撃】(風)の応用で大気の屈折率を弄って蜃気楼を擬似的に再現。俺の位置を誤魔化しながら、UCを発動して高速で足元へ接近。
脚部の関節裏を狙って【属性攻撃】・風刃を叩き込む。
デカくなれば自重も増えるだろ。負傷した関節部の回復はすぐでも、負傷した直後は自重がかかる。それでどこまで傷が広がるかね。
アリス・ラーヴァ
※アドリブ・連携歓迎
わーおーきいー!これが大まおーなのねー食べ応えありそー!
まずは攻撃をしのがないと駄目ねー【幼い妹達(幼虫)】を沢山呼び出して、【目立たない】よーに【地形に】潜伏させておくのー
それじゃーアリスが囮になるねー、【ダッシュ】で近づいて、まおーが巨大化したら【トンネル掘り】で潜って【地形を利用】して攻撃をしのぐのー
その後、まおーが『知性体を喰らいたいという渇望』を抱いた瞬間に幼虫達は【ジャンプ】して飛び掛るのよー
お腹が空いているみたいだからお口の中にとつげきー! 幼虫の【マヒ毒】を沢山食べてねー
動きが鈍ったら、みんな【迷彩】を解いて鋏角で【串刺し】にして【捕食】しちゃおー!
宇冠・由
お母様(f00173)と連携
相手は強敵、油断なく参りましょう
森林地帯で獣の体躯は侮れません。能力増大は危険ですが、身体が大きくなるのなら逆にチャンスも生まれますわ
空中戦は得意です
この燃える身体と存在感で挑発し、攻撃が私に向かいやすくしましょう
地獄の炎のオーラを盾状に放出
【七草繁縷】の力も用いて、相手の攻撃を一時的にでも防ぎ挙動を遅らせ、私たち親子が回避できる隙を作ります
お母様が霊散布するのを悟られないように、敵頭上を飛んで視線を真上にずらします
火炎剣を投擲、先の盾にも仕込んだ【七草繁縷】で敵の身体を延焼させます
相手にしてみれば私の存在は灯かもしれません
けれどいつだって燃え盛るのは小さな火種から
宇冠・龍
由(f01211)と連携
(望んでいるとはいえ危険な役目をまた娘に強いてしまう。駄目な親ですね私は……)
この場は樹木生い茂る地帯
炎はよく燃えるでしょう
由の盾で敵攻撃のタイミングを遅らせ、私と由は敵攻撃を回避
相手は大きくなっていますから、飛んでいる由に気を取られがちです
私は【魚質竜文】で不可視の霊を召喚
植物の属性を付与させ、敵の四足、両腕、頭部、首元、背中、臀部の計十か所に配置させます
自然生い茂るこの地なら、植物属性では匂いで探知もされづらいはずです
由が炎の短剣を放るのと同時に、私も霊を相手に突撃
娘の炎に引火させ可燃材とすれば、私の霊によって呪詛も混じった獄炎が相手の身体全体を包みます
フランチェスカ・ヴァレンタイン
ちょっと大きくなりすぎじゃありません…?
このサイズ差ですと、小回りで対抗するしかありませんかねー…
推力偏向での急転換を駆使して、迷彩・残像・フェイントを織り交ぜながらの空中戦機動での応戦を
振り下ろされる豪腕へバレルロールでのすり抜けざまの一撃を浴びせ、人体であれば急所となるであろう位置に砲撃とマイクロミサイルの集中砲火など
…知性体を取り込んでその姿を模しているのであれば急所も似通っているはずですが、さて?
上手く準備の時間を稼げましたら、迷宮に余波が及ばぬ程度にUCをお見舞いすると致しましょう
少々派手に参りますので… 余すところなく、受け止めて下さいませ?
オーバーレイジ――バスタァァァァッッ!!
●トゥー・フェイス
「よくもやってくれたなァァァァァ!!!!!」
猟兵の攻撃により顔面の半分が焼け焦げた大魔王は激昂の叫びをあげる。今の大魔王を支配する感情はただ一つ。知性体を喰らいたいという渇望唯一つ。猟兵であろうとそうでなかろうと関係ない。ただ知性を有するモノをすべて喰らいつくすまでこの大魔王は止まらない。
大魔王は自身のユーベルコ―ドにより抱いた感情に比例し、その巨躯をさらに巨大化し森林地帯に君臨する。
「ギチギチギチィ!(わーおーきいー!これが大まおーなのねー食べ応えありそー!)」
「しっかしあの大魔王デカくなるのはいいけど、その分死角も増えるって分かってっか?ただでさえフィールドに障害物が多いってのによ」
「わかっていないのでしょう。ただ暴力を振るうのに大きい方が便利というだけで」
大魔王が感情に身を任せ巨大化し続ける中、猟兵たちはナザール・ウフラムル(草原を渡る風・f20047)の生み出した蜃気楼と周囲の木々に身を隠し大魔王の行動を伺っていた。ここにいるのはナザールを含め5人。囮役を務めるアリス・ラーヴァ(狂科学者の愛娘『貪食群体』・f24787)と宇冠・由(宙に浮く焔盾・f01211)、そして大魔王の動きを止める役目を担う宇冠・龍(過去に生きる未亡人・f00173)と最後の一撃をお見舞いするフランチェスカ・ヴァレンタイン(九天華めき舞い穿つもの・f04189)が巨大化した大魔王を止める役目を買って出た5人。
「それでは作戦通りに。相手は強敵、油断なく参りましょう」
「ギチィ(はーい)」
(望んでいるとはいえ危険な役目をまた娘に強いてしまう。駄目な親ですね私は……)
囮役となる2人が蜃気楼から抜け出しその姿を大魔王の前へと晒す。激情に身を任せる今の大魔王の前へ猟兵が現れればどうなるかなど考えなくてもすぐわかった。
「グルァ!」
振るわれる身の丈よりも大きな大魔王の掌をアリスはトンネルを掘り地下へ、由はひらひらと宙へと上がり回避する。当たりそうで当たらない。目の前を飛び回り、動き回る小さな者たちが目障りで仕方がない。
ただ力任せに振るわれる大魔王の両腕をアリスと由が躱し続ける間に他の3人もまた行動に移っていた。
フランチェスカは木々の間を低空飛行で抜け、所定の位置へ。
ザナールもまた蜃気楼を解除し位置につく。
「死海に還りし息吹達、視界を寡黙に泳がれよ」
龍は【魚質竜文】により呼び出した十匹の魚の霊に植物の属性を付与し大魔王に気づかれぬように四足、両腕、頭部、首元、背中、臀部の計十か所に配置する。木々の生い茂るこの場所で植物の属性を付与された霊たちは匂いも気配も大魔王に察せられることはなく時を待つ。
これで猟兵たちの準備は完了した。
龍の霊が所定の位置についたことを確認した由は仮面たるその身から全力で地獄の炎を噴出。それは巨大な盾となり大魔王の視界を埋め尽くす。
「邪魔だァ!!!」
そんな盾で大魔王の動きは止まらない。腕の一振りで盾はかき消されるが飛び散った炎は大魔王の腕に纏わりつくように燃え続けその腕の動きを阻害する。
そして盾が消え、大魔王の視界が晴れた瞬間に木々の間から現れる巨大な幼虫たち。それはアリスの妹たちであり紛れもない知性体。つまりそんなものが目の前に現れれば今の大魔王は問答無用で捕食する。次々と現れては大魔王の胃の中へと消えていくアリスの妹たちだがそれこそが猟兵たちの作戦であり、その第二段階開始の合図。
「フン! 毒を仕込んでいたようだがこの程度、俺には効かん!」
「ギチィ……(残念なのー……)」
アリスの妹たちのマヒ毒では大魔王を止めることはできなかったがそれでもいい。既に猟兵たちは動き出している。
「デカくなれば自重も増えるだろ。自分の重さで潰れろ」
「このサイズ差ですと、小回りで対抗するしかありませんかねー……」
風の鎧を纏うナザールとバーニアを噴かせたフランチェスカが木々の隙間を抜け大魔王へと迫る。
ナザールが狙うのは風刃による脚部へのダメージとそれに付随する体勢崩し。
フランチェスカは振るわれる大魔王の腕を避け、すり抜けざまに砲撃とマイクロミサイルの集中砲火により大魔王の視界を潰す。
「ちょこまかとッ!!!」
「ギチチィ!(隙ありなのー!)」
宙を舞う者たちを相手にすれば地上への警戒が薄くなる。その隙を突きナザール同様に脚部を狙い、間接裏をアリスは鋏角で串刺し食いちぎる。
脚部への損傷が積み重なり、遂に大魔王は自重を支えきれなくなりその膝を折る。
「ここですっ!」
「行きなさい」
そこへ放たれる由の地獄の炎で生成された『火炎剣』と突撃する龍の呼び出した魚の霊たち。
それぞれは微々たるダメージしか与えられないが龍が操る魚の霊は今、植物の属性が付与されている。つまり何らかの火種があればその身体は可燃材となり周囲の木々も巻き込みよく燃える。由の炎で引火した霊たちは連鎖的に燃え広がり、龍の呪詛も交えた獄炎となり大魔王の身体全体を包み込む。
それに加え由の放った地獄の炎は【七草繁縷】の効果により大魔王の動きを阻害し続ける。加えてナザールの操る風が炎の勢いをさらに強めることで大魔王は獄炎の牢獄に囚われ再生もままならず身動きが取れなくなる。
大魔王にしてみれば由の炎など取るに足らない小さな灯。しかしそこに様々な要因が重なればそれは大きく燃え盛り巨体をも包み込む。
「では少々派手に参りますので……余すところなく、受け止めて下さいませ?」
他の猟兵たちが大魔王の動きを止め続けている間にフランチェスカは大魔王の頭上で準備を整えていた。
準備にほんの少し時間のかかるそれは、機殻斧槍と鎧装の全てを結合させることで作り上げた超大型主砲。一度使えばしばらくの間装備は使えなくなるハイリスクな代物だがこの状況であれば外すこともなく問題ない。万が一にも迷宮の床を撃ち貫かぬように威力を絞り狙うのは眼下で燃え盛る大魔王。
「オーバーレイジ――バスタァァァァッッ!!」
天より降り注ぐ光の柱が獄炎に囚われし大魔王を蹂躙する。
大成功
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ソナタ・アーティライエ
その威容を前にしては、わたしの存在など塵芥に等しく
奇跡でも起こらない限り、一撃で消し飛んでしまうでしょう
それでも、と立ち向かう覚悟を決め
小さな勇気を糧に自分を鼓舞して
ここは乾坤一擲の賭けに出ます!
先制される以上、わたしが不利なのは明白
ゆえに通常は広範囲に展開し発動するUCを
起点となる自分の身体のみを対象にして
発動までの速度を極限まで加速させます
人間(有機物)ではない、人形(無機物)だからこそ
自分の身体を結界へと変えられる
そうなれば大魔王の攻撃に意味は無く
自ら結界に囚われに来るも同然
そして一度捕まえたなら逃がしません
貴方の『時』は、わたしが掌握しました
アドリブ・連携歓迎です
ソラスティベル・グラスラン
大魔王の中でも、最も肉体の強さに秀でた形態
まったく…昂らせてくれます!
彼我の差は【勇気】で補います!いざ、勇猛に!!
知性を持つ者に対する食欲
ならばわたしも知性を捨て!『勇気の獣』となります!
【盾受け・オーラ防御】で守り、【怪力】で受け【見切り】受け流す
受け流した瞬間、その獣の如き巨大な胴体の下へ飛び込む
捨てた知性を補う【第六感】で敵の動きを読みとって
目的を極限に絞る、大斧を叩き込むことのみに
頭で考える言葉は三つだけ
【勇気】、【気合い】、根性!!
思考を単純化し、鋭化
知性を落とし魔王の渇望を弱くする
前へ、只管に前へ、この大斧が届くまで
応えて、蒼雷の竜よ
我が【勇気】は、奇跡を呼び寄せるーーーッ!!!
茲乃摘・七曜
心情
……知性を得たうえで捨てる事を選ぶ、手強いですね
指針
獣身の4脚と上半身の両腕の攻撃範囲を見切り、ロンググローブでの受け流しとAngels Bitsによる衝撃波を自身に当てての緊急回避で攻撃範囲からの離脱を狙う
「負傷の深さと痛みで恐怖心を増幅させてゆくなら、希望を元に相対しましょう
※激痛耐性と合わせて耐える
行動
相手の突進経路から身をかわしつつ二挺拳銃で獣身の前肢の一本を集中して狙うことで機動力の低減と攻撃威力の漸減を狙い、攻撃のなかに『流転』の魔導杭を隠蔽しながら織り交ぜ仲間の攻撃の機会を作り上げる
「大魔王の身体の構造から後退は不得手のはずです、少しでも動きを縛り…為すべきことに繋げましょう
ナイ・デス
私は、死なない。私は、死ねない……ですが
共闘する人いれば、恐怖させてしまう
それなら
先制攻撃に対し、体から聖なる光を強く
【範囲攻撃】というぐらい放って【目潰し】
攻撃と攻撃受ける私を光で隠し
そして【覚悟、激痛耐性、継戦能力】連続攻撃、防ぐことはせず
ただ
私は『リジェネレイター』
攻撃と光が収まった時には、ユーベルコード発動して瞬時再生
傷一つない姿で、目撃者いても恐怖与えず
自身の恐怖は、人なら致命傷という程に負傷したけれど
本体に届いていないので0ダメージ、恐怖なく
戦闘力増強。光纏って
【恐怖を与える】
私は、勇者パーティの聖者
光で、喰らうもの、です
【生命力吸収】再生する為の力を奪い尽くし、消滅させる光を放つ
●スリー・アウト
「Grrrrr!!!」
猟兵たちの攻撃に晒され続けた大魔王にもはや知性は残されていなかった。今ここにいるのは暴力の嵐。暴虐の王。暴君の獅。ただ周囲に存在する知性体と喰らい尽くし、恐怖を与えるためだけの存在。
全身の至る箇所が焼け爛れ、流血し、再生と自壊を繰り返すその身体で大魔王はただ暴れまわる。
「……知性を得たうえで捨てる事を選ぶ、手強いですね」
「それでも戦わなければいけないのです」
ソナタ・アーティライエ(未完成オルゴール・f00340)と茲乃摘・七曜(魔導人形の騙り部・f00724)が大魔王の前に現れる。2人の存在を知覚した大魔王は周囲の破壊を即座に止め、一目散に2人の元へ突進を仕掛ける。その威容を前にしては、2人の存在など塵芥に等しく
奇跡でも起こらない限り一撃で消し飛んでしまうだろう。
その速度は事前にソナタが想定していたよりもほんの少しだけ速い。これではユーベルコ―ドの対象を自分自身に限定して発動したとしても紙一重で間に合わない。しかしその様な事態を想定してここには七曜もいる。
七曜はソナタよりも一歩前に出ると突進と共に振るわれる大魔王の腕を直撃の寸前で受け流し、召喚した『Angels Bit』から放たれる衝撃波をソナタと七曜自身に当てることでその身体を吹き飛ばし突進そのものも回避する。
「負傷の深さと痛みで恐怖心を増幅させてゆくなら、希望を元に相対しましょう」
身体を吹き飛ばされながらも七曜は二挺拳銃を抜き放ち、大魔王の前脚へと弾丸を放つ。そこは他の猟兵たちも狙い、既に傷となった場所。今はかろうじて動ける程度には修復されているがその傷が再び開けば大魔王の足はまた止まる。次手の仕込みも織り交ぜながら七曜の放つ弾丸は大魔王を狙い撃つ。
七曜が時間を稼いだことでソナタがユーベルコ―ドを発動する準備は整った。しかし今はまだその好機ではない。故に七曜とソナタの2人は絶え間なく繰り返される大魔王の突進を躱し続けその瞬間を待つ。
「私は、死なない」
眩き光と共に2人と大魔王の間に割って入る一つの影。それは【いつか壊れるその日まで】を発動し、聖なる光をその身に纏ったナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)だった。
「私は、死ねない」
ナイは大魔王の攻撃を避けずにその身に受ける。振るわれる爪の連続攻撃でその身体は切り刻まれるがその身に纏う聖なる光が身体が傷つく傍から回復していく。
本来であればその攻撃を見た者に恐怖を与える大魔王の爪だが、ナイが傷つくと同時にその身から放たれる閃光により誰もその瞬間を視ることができない。
たった独り、ナイを除いて。
恐怖を与える対象はナイも例外なく含まれる。しかしナイはどれだけ大魔王の爪に傷つけられようと恐怖が刻まれることはなかった。そのカラクリはナイという猟兵の特異な在り方が関係していた。
ナイの種族はヤドリガミ。つまり今傷ついている肉体も仮初のモノに過ぎない。本体である器物もナイ自身、どこにあるかを知らないのだ。つまり本体である器物に大魔王の攻撃は何一つ届いていない。故にナイの認識では未だダメージは受けていない。だから恐怖を抱かずに戦い続けることができる。
「私は、勇者パーティの聖者。光で、喰らうもの、です」
ナイが反撃に移ろうとしたその瞬間。そこがまさしく好機だった。
「暖かな明日を希い……」
このタイミングで発動されるソナタと七曜のユーベルコ―ド。七曜の放った魔導杭は既に大魔王の身体の奥底へ。魔導回路の仕込みは既に終えている。
同時に発動されたソナタの【聖櫃】によりその身体を時を統べる結界へと変えていくソナタと七曜。無機物を結界に変えるこのユーベルコ―ドで人形である2人だからこそ、その身体を結界へを転化することができる。
2人が結界となり大魔王をその内に囚える。ソナタの【聖櫃】による時間操作に加え、七曜の【流転】による封印術式が重ねられることで大魔王の動きは通常時の10分の1以下の速度まで低下し、攻撃の威力も減衰する。
ナイもこれまでの負傷でさらに輝きを増した光を以て再生する為の力を奪い尽くし、消滅させる光を大魔王へと放つ。
「GAAAAAAAAAA!!!」
「足り、ない」
しかしここまでしても尚、大魔王は健在だった。
再生能力はナイの光と相殺された。
攻撃力は七曜により封印された。
速度はソナタにより掌握された。
これでもまだあと一手が足りない。猟兵たちがここまで紡いだ策ではあと一手足りなかった。
———しかしここに策を超え、一体の獣が現れる。
「ガアアアァァァ!!!」
「……ソラ?」
戦場に現れた一体の獣。それはいつもとは違うソラスティベル・グラスラン(暁と空の勇者・f05892)だった。巨大な斧を振り回し、ただ暴れまわるその姿は今の大魔王と同じく知性を捨てた獣の姿。大魔王が暴力の獣であるのならソラスティベルは勇気の獣とでも呼称される存在になっていた。
ソラスティベルは脇目も降らずただ真っ直ぐ大魔王の元へ。
大魔王も今は薄氷の様な均衡の上でかろうじて存在しているに過ぎない。知性体と相対すればさらに戦闘力も増強されたかもしれないが今目の前にいるのはただの勇気の獣。その頭の中には勇気と気合と根性しか入っていない。単純化され、鋭化した思考と共に低下した知性。これでは渇望も高まりはしない。
勇気の獣は前へ、ただ前へ。
その手の大斧が届くまで。
目と鼻の先へと迫る獣を大魔王も迎え撃つべくその腕を振るおうとするが動かない。回復のために胃の中にあったモノを全て消化吸収したせいで全身へと回ってしまったマヒ毒が身体の自由を奪い去る。
もし、もう少しでも身体へダメージがなければ。
もし、もう少しでも渇望を満たすことができていれば。
もし、猟兵たちの策にハマっていなければ。
この結果にはならなかったかもしれないがこの結果は大魔王が捨てた知性により猟兵たちが紡いだモノ。
知性を捨て、暴力の化身と化した大魔王に最初から勝ち目はなかったのだ。
知性と勇気により呼び寄せられた奇跡と蒼雷を纏う大斧が暴虐なる獅子の王を両断した。
大成功
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