アルダワ魔王戦争4-C〜吊り橋の銃撃戦
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「ダンジョンの踏破は順調みたいだねぇ……この調子で行くとしようかね」
中御門・千歳(死際の悪魔召喚師・f12285)は戦況報告を聞きながら満足気な笑顔を浮かべる。
グリモアベースで猟兵たちに説明を続ける千歳によれば、今回猟兵たちに攻略してもらいたいのはファーストダンジョンの一郭――底が見えぬほど深い崖に吊り橋がかけられたエリアだという。
落ちれば当然命は無い……万一落下した際は千歳が転移させ回収を試みるとは言うが、それも必ず成功するという保証も無い。
命あっての物種……慢心せず、十分な注意が必要だろう。
「吊り橋を渡るだけ……ってんなら心配いらないんだけどねぇ、そうもいかないねぇ」
千歳によれば敵は集団で待ち構えており、吊り橋の反対側から迫り来る様子が予知されたという。
しかも敵は遠距離攻撃手段も備えており、猟兵たちが近づく前に攻撃されることも想定されるだろう。
「吊り橋なんて、飛んじまえば良いって思っただろう? どうやらそうも簡単じゃないみたいでねぇ」
物憂げな千歳が心配するのは、そのエリアにかけられた特殊な呪い。
羽といった猟兵本人の身体での飛行や、空気を蹴るといったユーベルコードによる特殊能力など、ありとあらゆる飛行を妨害する呪いがかかっているという。
単発のジャンプは可能だがそれ以上は不可能――そうした限られた状況下の中で、いかに不安定な足場を克服し、いかに敵の銃撃を防ぎ戦うかが重要となるだろう。
「随分と面倒な戦場だからね、気を抜かないで挑んでおくれよ」
老女のグリモア猟兵は、猟兵たちを心配しながら送り出す。
きみはる
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お世話になります、きみはるです。
戦争二作目は吊り橋上での戦いとなります。
ポイントは吊り橋という戦場でいかに戦うか……そうした工夫のあるプレイングにボーナスを与えさせて頂きます。
また、OPにあります通り、今回は飛行が不可となります。
羽で飛ぶのも、UCで浮かぶのも、スカイステッパーでの連続ジャンプもNGとなります。
宜しくお願い致します。
また、OP公開後からプレイングを募集させて頂きます。
採用数は決めておりませんが、全採用出来ないかもしれない旨ご了承下さい。
それでは、皆様の工夫溢れるプレイングをお待ちしております。
第1章 集団戦
『戦闘人形』
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POW : ガイダンス・ガン
【対象の動きを【見切り】、【誘導弾】の弾丸】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : クイック・ダブルドロウ
レベル分の1秒で【【2回攻撃】の【鎧無視攻撃】の弾丸】を発射できる。
WIZ : ドールズ・コミュニティ
【事前に対象の【情報収集】を行う事で、】対象の攻撃を予想し、回避する。
イラスト:ひゅー
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
アリス・ラーヴァ
※アドリブ・連携歓迎
わー、深いのー落ちたら痛そー
気をつけて渡らないとけないのー
対岸からやってくる『戦闘人形』を倒したらいーのねー?
(妹達を沢山呼び出して)
それじゃーみんなー、【ダッシュ】でいくわよー
足元に気をつけるのよー【地形耐性】
あ、『戦闘人形』が『ガイダンス・ガン』で銃撃してきたわー、甲殻で銃弾を弾いて【激痛耐性】と【継戦能力】で突き進むのよー
【団体行動】で戦闘不能になった子を【運搬】して盾にして防いだら安心ねー
そのまま体当たり【怪力】して『戦闘人形』を吹き飛ばして橋から落とすのー
混戦になったら、鋏角で【串刺し】にして【捕食】するのよー
バリバリしているけどおいしー!
シン・ドレッドノート
アドリブ連携OK
【SPD】
銃撃戦と聞くと、ガンナーの血が騒ぎますね。
どちらの弾丸が先に届くか、勝負です!
「ふっ…その弾道、見切りました。貴方の未来、頂戴します」
敵に遭遇したら、怪盗の単眼鏡をキラーンと光らせて、【紅影の予告状】を発動。
敵の視線、手の動き、銃口の向きなどを解析して高精度の未来予知を行い、弾丸の飛んでくる方向を見切ります。
「当たりませんよ…今度はこちらの番です。さぁ、避けられますか?」
最低限度の体の動きで弾丸を避けながら、右手の真紅銃と左手の精霊石の銃、周囲に展開した4対のライフルビットからのカウンターの一斉射撃。
生き残った敵が居たら、ソードビットを放ってトドメを刺すとしましょう。
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「わー、深いのー落ちたら痛そー。気をつけて渡らないとけないのー」
蜘蛛型のバイオモンスターであるアリス・ラーヴァ(狂科学者の愛娘『貪食群体』・f24787)は、その外観に反し可愛らしい口調で独り言を零す。
艶やかな濡羽色の甲殻を揺らし凶悪な顎を震わせる。
その顎から伸びた一際硬く鋭い牙が擦れ合い、言葉にならないギチギチといった独特の異音が洞窟内に木霊する。
(直接脳内に語り掛けられる感覚……やはり、慣れませんね)
その可愛らしい名前の異形の声を聴き、シン・ドレッドノート(真紅の奇術師・f05130)は何とも言え無さそうな複雑な表情を見せる。
今はこうして落ち着いているシンとて、グリモアベースで初めてアリスを見た時には、少なくない驚きを隠すことが出来なかった。
それが猟兵しか訪れることの無いグリモアベースでなければ、きっとオブリビオンと間違えかねないほどであろう。
「対岸からやってくる戦闘人形を倒したらいーのねー? それじゃーみんなー、ダッシュでいくわよー」
ギチギチという異音を響かせながら、アリスは大量の蜘蛛を呼び出す。
その一体一体がアリスと似た甲殻に包まれた拳大の蜘蛛。
その蜘蛛が吊り橋を埋めつくすほどの密度で津波のごとき勢いで突き進んだ。
「対象を確認、駆逐する」
対岸から進む戦闘人形たちもまた、アリスと妹たちの姿を確認すると無機質な音声で戦闘の意思を見せた。
大量の戦闘人形たちがその手にそれぞれ拳銃を握ると、銃弾の雨を降らす。
周囲に響き渡る耳を劈くような発砲音と硬質同士がぶつかり合う金属音。
そうして次々と砕かれていく妹たちにも構わず、むしろその死骸を盾にするかのようにアリスは進軍を続ける。
ついには戦闘人形の一団へと接敵すると、その勢いのまま突撃してみせた。
(うわぁ……)
自動人形を吹き飛ばし、またその鋭い牙により粉砕した自動人形を咀嚼するアリスを眺めちょっとドン引きをするシン。
大量の妹たちも中々にインパクトのある映像であったが、今まさに繰り広げられている惨劇ほどでは無いだろう。
とは言え、今もまだ彼の脳内に自動人形たちの味の感想を伝える彼女は味方で、その自動人形こそ討つべきオブリビオン。
気を取り直すように懐からハイテクモノクル――怪盗の単眼鏡を取り出すと、己が顔へとはめ足を踏み出すのであった。
「銃撃戦と聞くと、ガンナーの血が騒ぎますね……どちらの弾丸が先に届くか、勝負です!」
意を決して乱戦へと足を踏み入れるシン。
そこには多くの銃弾が放たれ、弾かれ、複雑に飛び交う戦場。
通常であれば流れ弾が避けられないその魔境を、シンはその目に集められたあらゆる情報により最適なルートを算出する。
「ふっ……その弾道、見切りました。貴方の未来、頂戴します」
宇宙世界の技術により作られた超技術の結晶であるモノクル――敵の視線、手の動き、銃口の向き、そして複雑に跳弾が発生する起点となる仲間の位置を素早く、そして高精度に演算することによる予測。
それはもはや未来予知とも言えるほどの精度を誇り、銃弾の雨の中を優雅に駆け抜けることを可能とするのだ。
「当たりませんよ……今度はこちらの番です。さぁ、避けられますか?」
シンが握るのは純白の拳銃とライフル。
さらには宙に浮くように操られたビットから、止めとばかりに一斉にエネルギーが放出される。
超密度のエネルギーに貫かれ、動きを止める自動人形たち。
脳内に響く可愛らしいファンファーレをBGMに、シンは一体、また一体と自動人形たちを撃ち抜いていくのであった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
アラン・スミシー
さてさてトロッコの次は吊橋と来たか
ますます冒険活劇と来た
レディガンナーと踊ろうじゃないか
とは言うものの、私もそれ程こういう所での戦いの経験があるわけじゃない、彼女らが照準を定めるギリギリまで吊橋の上を走るとしよう
…その後?
いっそのこと橋から飛び降りるさ
…何も紐なしバンジーをやるって訳じゃない、ギリギリの所で橋を掴ませて貰うさ
すぐに銃口はこっちを向くだろうが、その前に鉄棒の選手のように動いて橋を揺らさせてもらおう
少しでも相手の動きが揺らいだら、反対側の手で相手に向かって引き金を引くよ
それでも撃ってくるのなら橋板の下に隠れるとしよう、逆にこちらから撃ってやってもいいかもね
普段から鍛えて置くものだよ
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「さてさてトロッコの次は吊橋と来たか……ますます冒険活劇と来た」
飄々とした笑みを浮かべた痩せぎすの男――アラン・スミシー(パッセンジャー・f23395)はまるで芝居がかったトーンで台詞を吐きながら戦場へと足を踏み入れる。
戦場傭兵としての経験を持つアランとて、このような特殊な戦場での経験を持っているわけでは無い。
しかしすぐさまプランを立てると、吊り橋の上を駆け抜けるのであった。
「さぁ、レディガンナーと踊ろうじゃないか」
アランの姿を視認すると、乱戦の中から一部の自動人形が気付き駆け寄る。
その拳銃の間合いに入ったその瞬間――自動人形が引き金を引くその前に、アランは奥底が見えぬ崖の中へとその身を躍らせたではないか。
「っ!」
咄嗟に銃口の向ける先を戸惑う自動人形を尻目に、アランは吊り橋を吊り上げる丈夫なロープを握り込む。
飛び込んだ勢いのままアランが身体を揺らせば、吊り橋もまた大きく揺れる。
振動により自動人形がたたらを踏めば、そうして隙を見せた者からその眉間に穴を開けていくのであった。
「おっと、こいつはまずいね」
一体の自動人形を屠ろうとも、二体目、三体目と敵は続く。
宙づりとなったアランを狙い飛来する銃弾。
伊達男のトレンチコートに穴が開くかと思えば、アランの姿はするりと消える。
右かと思えば左、左かと思えば右。
縦横無尽に吊り橋の裏を橋板伝いに移動し、一体、また一体と自動人形を仕留めるアラン。
命がけの曲芸を決めた男は、何でもないかのようにするりと戻る。
「まっ、普段から鍛えて置くものだよ」
驚きの視線を向ける仲間に対し、帽子のつばを掴み微笑みを浮かべながら。
大成功
🔵🔵🔵
鈴木・志乃
UC発動第二人格『昨夜』に移行
アド連歓迎
……本当、厄介なギミックばっかりね
アルダワのダンジョンってのは
この作戦で通ると良いのだけれど!
とりあえず【高速詠唱】で魔法の縄を生み、自分と橋を【ロープワーク】の要領で繫ぐ! さてちゃんと機能してくれると良いんだけど
【オーラ防御】展開
【第六感】で振り子橋と敵集団の動きを【見切り】
【呪殺弾】を大量に撃ちまくりながら【念動力】で橋自体を大幅に揺らす!
なんならその弾丸、そっくりそのままあんたらに返してやる!!!
これで少しか落ちてくれると有難いね【なぎ払い】
油もぶちまけて足元滑るようにしてやりましょう【罠使い】
防ぎ切れなかったら【高速詠唱】で簡易バリア張るよ
ジュリア・ホワイト
なるほど?
橋を渡る者を鶴瓶撃ちにする作戦だね?
「だが甘いよ。その程度でボクはーーヒーロー、オーバードライブは止められない」
足場が悪い?
動かなければ良い。ユーベルコード【ヘビーアームド・ウェポナイズ】起動!
銃撃を受ける?
防いで致命傷にならなければそれで良い
スチームレイヤーとプラチナハートなら暫く持つさ
「キミ達を殲滅する程度の時間ならね。踊って貰うよ、お人形さん方!」
精霊銃に放水銃、ロケットランチャーにパワードスーツの機関砲
一斉射撃を受けて無事にいられるか見ものだね
【アドリブ歓迎】
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(なるほど……橋を渡る者を鶴瓶撃ちにする作戦だね?)
ジュリア・ホワイト(白い蒸気と黒い鋼・f17335)はこちらを迎え撃たんと構えを取る戦闘人形を眺め、一人思案する。
底が見えぬほどの深さの崖には互いに離れた複数の吊り橋がかかっている様子が目に入る。
小さく視認される遠方では既に乱戦となっている様子……自分たちも負けていられないと、ジュリアは気合いを新たに、己が愛用のパワードスーツ――プラチナハートの胸を叩く。
こちらを視認し、自動人形たちはその手に握る拳銃から弾丸を放つ。
まるで対象を追従するかのように弧を描く弾丸。
「だが甘いよ。その程度でボクは――ヒーロー、オーバードライブは止められない」
しかしその弾丸は――重武装モードへと装甲を変形させたプラチナハートは貫けない。
追従をするのであろうと、足場が悪かろうと関係が無い。
防いで防いで防ぎきって、最後に薙ぎ払えばそれで良いのだ。
「本当、厄介なギミックばっかりね……アルダワのダンジョンってのは」
ジュリアの装甲の硬さを確認し、貫通弾へと換装を始めた戦闘人形たちの注意を引くべく、鈴木・志乃(オレンジ・f12101)は前へと飛び出す。
いや、彼女は鈴木・志乃であっても志乃では無い。
猟兵として活躍していくうちに得られた第二の人格――昨夜だ。
普段の濡れ羽色の黒髪から姿を変えた純白の長髪をたなびかせ、昨夜は走る。
接敵した彼女を迎え撃つべく向けられた銃口から逃げるべく彼女が飛び出したのは――吊り橋の“外”だ。
(さて、ちゃんと機能してくれると良いんだけど……)
彼女が生み出したのは魔法の縄。
ひとりでにするりと伸びたその縄は吊り橋へと絡むと、彼女とその橋を強固に固定する。
そうして吊り下げられたままの勢いで体を揺らし、昨夜は器用に銃弾を避ける。
宿主である志乃同様オラトリオである彼女は、普段の飛行とは違った吊られるという感覚に不安を感じていた。
しかしそんな様子をおくびにも出さず、こちらを撃ち落とそうと身を乗り出す自動人形に対し魔法を叩き込むのであった。
「キミ達を殲滅する程度の時間なら稼いでもらった……」
仲間の支援を受け、そして少なくない銃弾を叩きこまれながらもジュリアが展開したのは長筒の銃口。
その砲身には巨大な管が繋げられ、長々とどこかへ伸びていく。
そうして彼女が構えているのは、プラチナハートに仕込まれた数々の武装の中の一つ――放水銃だ。
「今度は君たちに踊って貰うよ、お人形さん方!」
強烈な水圧で放たれる圧倒的質量の水。
それはもはや凶器――そして何より、“吊り橋”というこの戦場がその威力を絶大なものへと変える。
何故ならその不安定な足場からの落下は即ち――死を意味するからだ。
「今ねっ!」
洪水により流されぬよう必死に吊り橋へとしがみ付く自動人形へと止めを刺すべく、昨夜が振るうのは強力な念動力。
巨大な吊り橋を大きく揺らす不可視の力は、かろうじて吊り橋の上に留まる人形たちを、無慈悲にも崖下へと突き落とす。
猛威を振るう濁流が姿を消した時、その橋の上には唯一人の姿も無かった。
大成功
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黒影・兵庫
飛べない呪いというのは厄介ですね
ですが敵の攻撃が銃撃が主体なら
なんとかできそうです!せんせー!
(脳に潜む教導虫に話しかける)
気にせずそのまままっすぐ敵に向かって進撃です!
銃弾は『第六感』で射撃のタイミングを先読みして
『衝撃波』をぶつけて相殺します!
そして防いだ銃弾は『念動力』で俺の前に新しい壁として
固定化します!
どんどん分厚くして鉄壁を作り上げたら反撃です!
(UC発動)
光学兵の皆さん!レーザーブレードで敵を焼き切ってください!
さぁ、光の刃の遠距離攻撃だ!
アンタたちはどう防ぐのかな?
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「飛べない呪いというのは厄介ですね……ですが敵の攻撃が銃撃が主体ならなんとかできそうです! せんせー!」
黒影・兵庫(不惑の尖兵・f17150)は気合十分といった様子で大声をあげる!
彼が立っているのは比較的幅の狭いの吊り橋――ここを一人で担当することとなった兵庫の周りには人影はおらず、彼が『せんせー』と呼ぶ者の姿を確認することは出来ない。
しかしながら、それは当然。
何故ならば彼がそう呼ぶ存在は、彼の“脳内”に存在するのだから。
脳内の教導虫と呼ばれる寄生虫と会話を続けながら兵庫は駆ける。
第六感じみた感覚で戦闘人形の動きを先読みし、放った衝撃波により威力を殺す。
放たれた弾丸は彼の操る念動力によりかき集められ、その金属の塊はまるで彼を守る壁のように鎮座する。
その人間離れした全ての異能は、彼が幼少の頃に埋め込まれた教導虫による影響。
そして彼の背後から現れた頼れる援軍もまた、彼の特異な幼少期故の存在だ。
「光学兵の皆さん! レーザーブレードで敵を焼き切ってください!」
兵庫の背後から現れたのは、彼が鉄道虫と呼ぶ虫たち。
その一体一体から放たれた光の刃が、壁を形成した兵庫へと接近戦をしかけるべく駆け寄らんと進軍している自動人形たちへ放たれる。
「アンタたちはどう防ぐのかな?」
放たれた光の数は三百を超え、豪雨の如き密度で襲いかかった。
そこには逃げるような隙間は欠片も無く、なます切りとされた戦闘人形がポロポロと橋板の隙間から落ちていく。
「やりましたね! 光学兵の皆さん!」
少年は頼れる援軍へと笑顔を見せる。
その笑顔は、家族に見せるような……曇りのない、穏やかなものであったという。
成功
🔵🔵🔴
エメラ・アーヴェスピア
…厄介な呪いね、私にとっては確実に影響のあるものだわ
なにせ…私の兵器の大半が、「浮遊型」として傍らに浮かぶもの
故にこの場ではまともに撃てもしない…さて、どうしたものかしら…
場所もあまり広くなさそうだし、兵を出すのもあれよね…
…いっそ着眼点を変えましょうか
足場が不安定なら、安定させてしまえばいい、と
『我が紡ぐは戦装束』、対象はつり橋
安定性を上げて頑丈に
同僚さん側には盾付きアームをつけて【盾受け】で【かばう】で【拠点防御】を
相手側には【罠使い】の知識を元に罠を付けて【破壊工作】を
…ある意味【地形の利用】になるのかしら
とりあえず、やってみましょうか
※アドリブ・絡み歓迎
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「厄介な呪いね……私にとっては確実に影響のあるものだわ」
エメラ・アーヴェスピア(歩く魔導蒸気兵器庫・f03904は、その翠玉の如き瞳を細めながら思案する。
ガジェッティアとして操る彼女の兵器の大半が浮遊型。
本来であればその華奢な体格でも取り扱う為の工夫であるが、それが裏目に出た形だ。
「さて、どうしたものかしら……」
エメラは自分が受け持つこととなった吊り橋をゆっくりと見回す。
一人で受け持つこととなったものだけあって、あまり広くはない一本。
兵士を大量に呼び出すにも適さず、どうしたものかと悩み続ける。
「……いっそ着眼点を変えましょうか」
ふと、彼女の脳内に光るアイデアが思い浮かんだ。
いけるかと悩むも、深く考えるほどそれしか無いと考えられる。
であれば、後は実行に移すのみだ。
「必要な兵器の選定終了……魔導蒸気缶装填、魔導蒸気機関機動確認……換装を開始……完了! さぁ、行くわよ!」
彼女が放ったUC――『我が紡ぐは戦装束』は本来であれば対象に魔導蒸気兵器を装備させ、強化するもの。
しかし彼女が選んだ対象は彼女自身でも、はたまた仲間の猟兵でも無い。
彼女が選んだのは――吊り橋そのものだ。
「足場が不安定なら、安定させてしまえばいいのよ」
試みが上手く行ったとほくそ笑むエメラ。
彼女の視線の先では確保すべき吊り橋に起こった変化に慌てふためき、ようやく彼女の存在に気付いた戦闘人形たちがこちらへと突撃を開始した。
しかし戦闘人形たちは気づいていない……今正に踏みしめているその橋はただ単に金属で覆われ、補強されたのではない。
エメラが呼び出したのは――本来は装備させる為の、“魔導蒸気兵器”なのだ。
「残念、そこは私の射程圏内よ」
戦闘人形の一団が橋の中腹部に差し掛からんとした頃、突如吊り橋から轟音が響き渡る。
煙を吐き出しながら現れたのは、無数のミサイル。
天井目掛けて飛び出したミサイルは頭を垂れると、吹き上がる煙の尾を唖然と見上げる自動人形たち目掛けて落下する。
響く爆音。
震える地面。
その衝撃により広がった煙が晴れた頃、そこには焦げながらも健在であった橋“だけ”が存在する。
惨劇を生み出した少女の、微笑みだけを残して。
大成功
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