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アルダワ魔王戦争2-C〜ゼリー工場~

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●ぷにっとだいぞうしょく!
「蜜ぷにというオブリビオンに関しては、知っている者の方が多いかな」
 切り出しはいつでも唐突に。ぱらぱらとメモをめくりながら呟くように尋ねたグリモア猟兵エンティ・シェア(欠片・f00526)は、あぁあったあったとメモの一枚を読み上げていく。
「大魔王が無限増殖とやらでオブリビオンを増やしているというのも周知のことだと思うが、その一部は培養施設で産み出されたもののようでね」
 これを放置すれば際限なく敵が産み出されるということであり……逆に言うならば、これをどうにかすれば、敵の戦力を大きく削げるのではないかと言う。
 そして確認事項のように挙げられた二点を組み合わせて言うことには。
「蜜ぷにがめっちゃ居るんだ」
 この蜜ぷにというオブリビオン、元々弱いながらも数が多いことで知れているが、ユーベルコードによって勇者ぷに、戦士ぷに、賢者ぷにと多様なぷにを召喚し、更には彼らのレベルと同等数の友情パワーぷにというのも喚び出せてしまうのだ。
 無限増殖に加えてこれらを駆使されている状態なので、とにかく施設内がみっちみちなのである。
 最早床にぷるぷる震えるカラフルなゼリーを敷き詰めたような状態だと言っても過言ではないらしい。
「でまぁ、この培養された敵達なのだけどね、数は多いけど本物よりも随分と弱いようなんだ。恐らくはちょっと小突いてやれば倒せる程度にね」
 特に勇者ぷにと戦士ぷには召喚者が傷を負えば召喚が解除される存在であるため、上手く行けば一気に数を減らす事もできるかもしれない。
 しかし逆に、額に数字の刻印がある友情パワーぷには合体によって数字が合計され強くなるタイプだ。こちらの対処においては一撃で倒せるというような油断はしないほうがいいだろう。
「そうは言うけど、刻印のあるぷに以外は見分けがつかないだろうから……まぁ理想は一掃してしまうことだね」
 向かってもらう施設には、戦闘に支障のない程度の広さのフロアから、培養設備が並んでいる狭い部屋まで色々あり、そのほぼ全てに蜜ぷにが詰まっているとのこと。
 床だけでなく、場合によっては小部屋一杯にっみっちりとかもありえるかもしれない。ドアを開けたらどちゃーってなるやつだ。
 ともかく、進むにも設備をどうこうするにも蜜ぷにを処理しなければ始まらないと言う状態に相違はない。
「できるだけ数を殲滅できる手段を講じることを勧めるよ。あぁ、後これはとても大事なことなんだけど……」
 この蜜ぷに、蜜が採取できない。
 正確には、通常通り蜜になるのだが、あんまり美味しくない。
「養殖されたものは天然には敵わないのだろうねぇ。まぁ、そう言うわけだから駆除がメインになると思うけれど、宜しく頼むよ」
 埋もれないように気をつけてね。
 見送る直前に何気なく告げられたこの一言が、もしかしたら一番大事なことになるかも知れない。


里音
 相変わらず蜜ぷにさんが可愛いですね。

 このシナリオでは数多くの敵を一気に撃退するような工夫を行うことでプレイングボーナスが得られます。
 今回蜜ぷにが至る所でみっちりしている現場ですが、皆様のプレイングを拝見してから大体の場所を想定する予定ですので、思い思いに殲滅手段をご提示頂ければ幸いです。
 広いフロアでわー! ってするのもよし、狭い小部屋をずどーん! ってするのもよし、です。
 また、培養設備うんぬんは特に記載なくともシナリオ完結時点でどうにかなっているので、ぷにさんと思う存分わちゃわちゃしてくださいませ。

 皆様のプレイングお待ちしております。
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第1章 集団戦 『蜜ぷに』

POW   :    イザ、ボクラノラクエンヘ!
戦闘用の、自身と同じ強さの【勇者ぷに 】と【戦士ぷに】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
SPD   :    ボクダッテヤレルプニ
【賢者ぷに 】を召喚し、自身を操らせる事で戦闘力が向上する。
WIZ   :    ミンナキテクレタプニ
レベル×1体の、【額 】に1と刻印された戦闘用【友情パワーぷに】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

伊能・為虎
おおぉ……匂いが甘い
でもちょっとすっぱいとこあるような?

たくさん倒す為には、こっちも手数を増やす
部屋を開けて、いちばん近くにいた蜜ぷにちゃん達を妖刀で〈串刺し〉して〈なぎ払い〉、倒した子達をズズっとわんちゃんが食べたら《喰らい操る狗霊》を発動するよ!この後も拾い食いOK、ただし味方さんが居たらお邪魔になんないようにね。
大きいわんちゃんと一緒に奥に進んで〈2回攻撃〉で〈吹き飛ば〉していくよ
攻撃で倒したぷにちゃんは、わんちゃんが出来るだけ回収
動けなくならないように大きくしつつ、大きさで攻撃してこう
……ん、すっぱさが勝ってきた?でもまだ食べたい?じゃ、ちょっとお口直しを(大きめ犬用クッキーを投げ)




 培養施設内はもっちゃもっちゃという謎の音と、甘い香りが漂っていた。
 ぷるんぷるんと波打つ床――もはやそう称するのが正しい密度――から漂う香りに、伊能・為虎(天翼・f01479)は思わず感嘆の声を上げた。
「おおぉ……匂いが甘い……でもちょっとすっぱいとこあるような?」
 はて。首を傾げて鼻をすんと鳴らしてみるが、明確にそうだと感じるわけでもなく。
 あんまり美味しくない養殖物ゆえに、傷んでいるものもあるのだろうか。
 つまりは突然変異というやつかということでなんとなく納得して、為虎はとりあえず手近な扉をガチャりと開ける。
「わぁ、いるいる」
 もっちゃもっちゃもっちゃもっちゃ。
 折り重なるというよりもう一塊に合体してますねという量の蜜ぷにを、手の届く一番近い範囲から妖刀で串刺しにしてそのまま薙ぎ払う。
 個体の区別がつかないが、このへんから色が変わっているから別個体だろうという想定で、(多分)数体まとめて仕留めれば、さて、と一つ息を吐いて。
「味方は食べないでねー!!」
 そっと撫でた妖刀から現れた狗霊が、でろんと溶けた蜜ぷにを食べてはじわりと大きくなる。
 為虎が次々と蜜ぷにを蹴散らしてそれを食べていけば、徐々に徐々に、その体が大きくなっていった。
「よーし、この後も拾い食いOKだからね!」
 流石に全部食べたら蜜ぷにと同じようにみっちりと部屋を占めてしまいそうだが、と肩を竦めつつ、為虎はどんどん奥へと進んでいく。
 敵の密度が高い空間は、大きくなった狗霊をどーんと突撃させてごろごろじたばたさせればそれだけでぷちぷちと潰れていく。
 普段の戦闘だと戦闘力が落ちてしまうのがネックではあったが、ことこういった状況ではこのサイズが優位なようで。
 ぷちぷちするのがちょっと楽しいかも知れない、なんて思いつつ、自身も繰り返し妖刀を振るった。
 そうして、元の床が見えるくらいに処理をした頃、ふぅ、と息を吐く為虎に、すっかり大きくなった狗霊がすり寄ってくる。
「わっ。どうしたの?」
 なんとなくしょんぼりした顔をしているように見える。
 小首を傾げて何事かと問えば、口の中がすっぱくなってきたと言う。
「そっかぁ……じゃあこの辺で食べるのはやめておこうか。え? まだ食べたい?」
 狗霊の旺盛な食欲に、思わずくすくすと笑った為虎は、自身の荷物をあさり、大ぶりのクッキーを取り出した。
「じゃ、ちょっとお口直ししよっか」
 ぽい、と投げ上げれば、ぱくりと口でキャッチして嬉しそうに食べてくれる。
 犬用のクッキーで糖分補充している狗霊を見上げてほっこりとした為虎。
 それから、ちらり、見下ろした足元に広がる蜜ぷにの残骸を見つめて、なんとなく指先で掬って舐めてみた。
「うーん……」
 蜜という程の甘さのない、なんとも言えない微妙なお味。
 それでも狗霊がまだ食べたいというのなら、害もなさそうだしまぁいいかと切り替える。
「あんまり大きくなりすぎないようにね」
 既に扉をくぐるのが割と大変になっているのは、気のつかないふりをしておくことにした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

祇条・結月
いくら強くないとは言ってもなんとか無双みたいなのも、大火力を出すのも苦手分野なんだよね……
行こっか
できることをするよ

あらかじめ周囲の地形を【情報収集】
戦いやすい場所に目星をつけといて

小部屋のドアを開けたらみっちり詰まった蜜ぷにが……
雪崩でてくる勢いに流されないように一目散に踵を返して逃げる
僕が勝てそうなのは、足しかない
時々苦無を【投擲】するけど
……やっぱ効かないよね

そのまま追い詰められる風に逃げて

……なんてこれが【フェイント】
狙いは一本道の狭い橋に誘い込むこと
……来れないってわかってもこの数は怖い
でも【覚悟】をきめて
進路に陣取って、銀の鍵の光の刃でかき消していく
ごめんね




 目の前でぽよんぽよんと跳ねるような動きを繰り返しているゼリーの塊に、さてどうしたものかと祇条・結月(キーメイカー・f02067)は思案げに首を傾げる。
 強くないという話は聞いているし、実際足先で蹴り上げただけであっさりと弾けるような敵だ。倒すこと事態は困らないだろう。
 しかしいかんせん数が多い。多すぎる。何とか無双のように千切っては投げというのも、纏めて一掃するような大火力を出すのも、結月にとっては苦手な分野。
 けれど、まぁ、来てしまったものは仕方がない。
「行こっか」
 できることをする。結局、それが一番なのだ。
 ゼリーの中に足を突っ込んでいるような感覚に陥りつつも、ぱしゃんと水を跳ね上げるような気分で通り道分だけぷにを潰して歩いた結月は、遅々とした歩みながらもようやくたどり着いた扉を開ける。
「っと、とと……」
 途端、雪崩のように蜜ぷにが溢れ出てくる。
 いや、部屋というはこの中にみっちり詰まった蜜ぷにが狭い入り口からにゅるんと出てくるこのさまはむしろところてんではなかろうか。
 ともかく、そんなものに飲み込まれるのも押し流されるのも真っ平だと、踵を返して逃げ出した。
 時折振り返っては苦無を投擲するが、刺さった場所がぱちんと弾けて溶ける程度で、全体的な量は変わってない。
「……やっぱ効かないよね」
 ぐ、と歯噛みして、押し寄せてくる蜜ぷにの塊から逃れるように駆けた結月は、足元の蜜ぷにを踏み散らし、時折足を取られながらもやがて渡り廊下のようになっている橋へとたどり着いた。
 狭いこの場所で蜜ぷにに飲み込まれてしまえば一大事。ついに追い詰められてしまったかと、思われたけれど。
「……ちゃんとこれた」
 初めから狙っていた。ここに狭い一本道があることを知っていた。
 誘き寄せられたのだと、無垢な瞳をしている蜜ぷに達は思わないのだろう。
「どこへ行くかはわからない。だから……怖ければ僕に触れないで」
 ふわりと振り返った結月は、手にした銀の鍵が発する光を纏い、真っ直ぐ、蜜ぷにへと向き直る。
 逃げている間に、通路上の蜜ぷにも付いてきたのか、あるいは召喚されたのか、随分と嵩増ししているように見える。
 怖ければ。そう唱えたけれど、その数を前にして恐れているのはむしろ結月の方。
 だから一度深呼吸をして、心を落ち着かせて。覚悟を胸に、蜜ぷにへと踏み出した。
 銀の鍵が、何処へとも知れない別次元への道を開く。鍵を開けるように軽く手をひねれば光の刃が迸り、触れた蜜ぷにを道の向こうへと消していった。
「ごめんね」
 寿命と引き換えに放った光が収まる頃には、蜜の名残すら残さずスッキリとした……どこか無機質に見える建物の風景が残るだけであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ステラ・ジオ
……何、あの可愛い生きもの。可愛い。
倒すのが申し訳ない気持ちになるけれども、この培養設備をどうにかしないとね。

『錬成カミヤドリ』で本体のラジオを複製して、
色々な音や声を流して蜜ぷに達を『おびき寄せ』るよ。
ほら、ほら、こっちだよ。
ほら、下から攻撃がくるよ?いいや、上だよ?
ダミーの足音も流して、戦場をかく乱しながら。
他の猟兵達が攻撃し易いように、蜜ぷに達を一ヶ所に集めておく、ね。

もし、周りに他に人がいないようなら……
自前のフック付きロープを振り回して、集めた蜜ぷにを一気に薙ぎ払ってみるよ。
戦闘経験はまだ少ないけれど、ぼくはやればできる子だから大丈夫。
……次は、天然物の蜜ぷにの蜜を味わってみたいな。


アイン・セラフィナイト
ちょっとかわいいかも……って多いよ!?多すぎるよ!?
と、とりあえず処理だね……なんか妙な罪悪感を感じるけど……!

『境界術式』から魔書の束を周辺に展開、火球の魔術を放つ数多の魔書で『属性攻撃・全力魔法』を連続放射するよ!

更に【大火精の浄火】でイフリートを召喚、周辺に拡散する金炎、次元の穴から火炎の波を放射して蜜ぷにたちを『蹂躙・掃除』だ!
友情パワーぷにはイフリートに任せようかな。支援として火属性の魔弾で『早業・高速詠唱・2回攻撃』で援護するね。

……オブリビオン側にも勇者とかの概念あるんだね。アルダワにいる災魔たちって可愛いのが多いからちょっと気後れするなぁ……。




 むにむに、ぽよん。
 廊下をぽよぽよ進む蜜ぷにの姿に、ステラ・ジオ(星詠みラジオ・f11605)は思わず溜息をこぼす。
「……何、あの可愛い生きもの。可愛い」
「うん、これはちょっとかわいいかも……」
 和む光景だなぁ、なんて同意を示したアイン・セラフィナイト(精霊の愛し子・f15171)もまた、蜜ぷにの可愛らしさに表情を緩めていた。
「倒すのが申し訳ない気持ちになるけれども、この培養設備をどうにかしないとね」
 この施設へ訪れた目的はそれである。可愛いとは言え敵は敵。しっかりお仕事をしなければと意気込むステラに、アインはやはり頷いて
 ではとりあえず、と手近なフロアへ続きそうな大扉を開いた。
「って多いよ!? 多すぎるよ!?」
 思わず、と言った調子で声を上げたアインへ、沢山の蜜ぷにの視線が集まる。
 ……沢山の蜜ぷに、というより、最早蜜ぷにの集合体というレベルでフロアの床一面がゼリー状で埋め尽くされていた。
 先程のぽよぽよしている蜜ぷにははぐれぷにというやつなのだろうか、とやや呆気にとられたステラは、そろりとフロアを覗き込み、首をかしげる。
「これは……蜜ぷに達を一箇所に集めるっていう作業は省略してもいいのかな」
 むしろ集まりすぎた蜜ぷにを一掃する方に注力したほうがいいだろうか。
 思案げな声に、アインもまた考える素振りを見せてから、いや、と首を振る。
「さっきみたいなのが他にも居るだろうし、やっぱり纏められるならその方がいいと思う」
「そう、かな。それなら……それは、ぼくにまかせて。ここにおびき寄せるよ」
 にこ、と笑みを浮かべたステラに、お願いするねと頷き返したアインは、廊下を駆けていったステラを見送った後、改めて目の前の光景を見やる。
 カラフルな床から時折じーっとアインを見つめる視線が返ってくるだけで、攻撃らしいことはしてこない。
 しかし、時折ぽこん、と新たな蜜ぷにが飛び出てはもっちゃりとゼリーの床に飲み込まれていくのを見る辺り、召喚して抵抗する意志はあるらしい。
 健気すぎる抵抗だけれど。
「と、とりあえず処理だね……なんか妙な罪悪感を感じるけど……!」
 ふるふるっ、と首を振って、意を決したようにアインは自身が練り上げた図書館より、夥しい量の魔導書を喚び出す。
 火球の魔術を記したその書がばらばらとフロア中に展開されると同時、雨のような火の玉が蜜ぷにへと降り注いだ。
 ごぅ、と俄に熱量を増した空間に、蜜ぷに達は小さな悲鳴を上げて次々と溶けていくのがまたちくりと罪悪感を刺激するけれど、これも、仕事だ。
「可愛いけど敵、可愛いけど敵……」
 気後れしそうになる自身を諌めるように繰り返すアイン。
 一方で、蜜ぷにのお掃除が始まった気配を聞き取ったステラは、たたっ、と廊下を駆けながら自身の本体であるラジオを幾つも複製していく。
 念力でふわりと浮くラジオが、ノイズ混じりの音を発しながら付いてくるのを横目に、見つけたぷに達へ音や声を聞かせていった。
「ほら、ほら、こっちだよ」
 パイプの上の可愛い子たち。机の下の小さな子たち。みんな纏めてこちらへおいで。
 誘うような声は、何処から響くのか。不思議そうにぽよんと跳ねた蜜ぷにが、そのままぽよぽよと音の出処へと寄っていく。
 行き着く先にはラジオがぽつり。けれどそのラジオも、ふわりと浮いてまた何処かへ。
 不思議そうに見守っていると、不意に、集っていた一匹がパチンと音を立てて弾けた。
 何処からか攻撃されている? 憤慨するようにぽよぽよと激しく弾んだ蜜ぷにが、一匹、また一匹と進み出ながら賢者ぷにを召喚する。
 そんな彼らの様子をそっと影からみやり、時折ひょこりと姿を見せながら、ステラは少しずつぷにを集めていった。
「そっちでいいの? ほら、下から攻撃がくるよ? いいや、上だよ?」
 惑わすような声が、音が、ぷに達を撹乱する。
 追い詰められるように、あるいは勢い込むようにしてアインの待つフロアへと向かっていくぷに達が、やがてその場所へ辿り着こうと言う頃だ。
「万物を浄化する意志持つ火焔よ、全てを薙ぎ払え!」
 高らかな詠唱と共に、炎が爆ぜた。
 金色の炎を纏った精霊と、同じ色の炎の波が迸る空間に、あわわ、と慌てたように踵を返そうとするも、もう遅い。
「残念だけど、倒されて」
 ひゅん、と振り回されたフック付きのロープが、蜜ぷにを薙ぎ払う。
 ステラの戦闘経験はまだまだ少ないけれど、だからこそ、こういった倒しやすい敵は経験を積むのにもってこい。
 まずは攻撃を当てること。意識をしてロープを振れば、先程より多くのぷにを薙ぎ払えた。
「ぼくはやればできる子だから」
 大丈夫。自身に言い聞かせるようにしながら再びロープを構えるステラだが、それを振り回すより早く、大扉を溶かす勢いで溢れかえった炎が、蜜ぷに達を纏めて焼き払った。
 『友人』の放つ炎が敵だけを正しく焼き払ったのを見届けて、アインはステラを振り返る。
「おかげさまで、早く片付いたみたい」
「それなら、良かった」
 まだ蜜ぷにが詰まっている部屋はたくあんありそうだけど、一先ずフロアの大掃除は終了だ。
 それにしても。
(……オブリビオン側にも勇者とかの概念あるんだね)
(……次は、天然物の蜜ぷにの蜜を味わってみたいな)
 蜜ぷに達へそれぞれが抱いた感想は、ひっそりと胸に秘めたまま。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

猫森・奈緒
【WIZ】

蜜ぷにって…。あの可愛らしい子よね。
なんだか沢山居ると聞いたけれど…。さすがに扉を開けた瞬間に雪崩れてくるほどは居ないでしょう。(不用心に小部屋の扉を開けて蜜ぷに雪崩れの下敷きに)
うっ…。身動き出来ない…。それに重くて息苦しい…。もしかして私…。このまま死ぬの…?死因が蜜ぷにの下敷きだなんて…。

死因のあまりの残念さに絶望した瞬間に死神達が救援に来てくれたわ。
46人の死神が大鎌を振り回して蜜ぷに達を殲滅しているし、合体されても連携して対処してるわね。
数には数で対抗が功を成してくれていそうかしら…?
それにしても…。まさか本当に蜜ぷにに埋もれるなんて…。

【アドリブ・絡み・可】




 蜜ぷにという災魔はアルダワではそこそこ有名な部類にあるのだろう。
 猫森・奈緒(HeartSong・f18253)も名前と外見が一致する程度には知っている。可愛らしい子だという記憶がふんわりと浮かんだ。
「なんだか沢山居ると聞いたけれど……」
 今のところ、言うほど大群に遭遇していない。ちょっと群れて居るのを蹴散らした程度だ。
 これよりもっとたくさんともなれば……想像してみれば、沢山のぷにぷにがぽよぽよしている図がよぎる。とても可愛い。
「さすがに扉を開けた瞬間に雪崩れてくるほどは居ないでしょう」
 今、綺麗なフラグが立った。
 立派にそびえ立つ程のフラグを引っさげて、奈緒はあまりに不用心に小部屋の扉を開いたのだ。
 そして案の定、溢れんばかりに雪崩れてきた蜜ぷにに飲み込まれるようにして埋もれた。
 そういえばグリモア猟兵が埋もれないようにとか何とか言っていた気がするのを思い出したが、完全に後の祭りである。
(うっ……身動き出来ない……)
 じたばたともがけば手足が当たる度に蜜ぷにが弾けていく感覚が返ってくるが、後から後から流れ出てくる蜜ぷにの質量は増す一方で、次第に手足の動きも制限されていく。
 液体の中に囚われているような状態でもあるためか、重さと息苦しさでこころなしか頭がくらくらしてきた。
(もしかして私……)
 ――このまま死ぬの……?
 過ぎった思考に、奈緒の心が冷える。死因が蜜ぷにの下敷きだなんて。
(そんな、残念な死に方ってある……?)
 あまりに残念がすぎると、奈緒が絶望を覚えた瞬間。
 奈緒の周囲に浮かび上がるようにして無数の大鎌が閃いた。
 奈緒を絶望させた蜜ぷに達を次々と捌いていく大鎌は、ボロボロのフード姿の骸骨顔――死神が携えたもの。総勢46体もの死神が、奈緒の窮地を間一髪で救ったのだ。
「っ、げほ、は……助かった……」
 蜜ぷにの下から這い出てきた奈緒は、蜜ぷにの残骸にベタベタになった体に微かに眉を寄せながら、蜜ぷに達を殲滅していく死神の戦いを見守る。
 大鎌を振り回す死神に対抗しようとしているのか、額に「1」と刻印されたぷにが次々と召喚されているが、初期ぷには瞬く間に殲滅されていくし、多少合体した所で、死神達が連携して続けざまに斬りつければ、簡単に弾け跳ぶ。
「数には数で対抗が功を成してくれていそうかしら……?」
 べたべたの体のままでは奈緒自身はあまり思うように戦えそうにない。足元も蜜ぷにの残骸だらけで滑りそうだと、やや慎重に死神達を追って進む。
「それにしても……」
 ちらり。進む最中に見つけた扉に、奈緒は先程の窮地を思い起こして軽く身震いする。
「まさか本当に蜜ぷにに埋もれるなんて……」
 もう迂闊には開けない。開けるものか。

大成功 🔵​🔵​🔵​

小烏・安芸
やー……戦いは数いう言葉もあるけど、これは流石にやりすぎと違う? これもう視界のうち、ぷにが7でそれ以外が3とかの割合やん。いや、もっと多いか。

とはいえ一体一体が弱いなら手数さえあればなんとかなるか。近場のやつを鋸鉈で捌きながら、錬成カミヤドリで短刀の複製をありったけ作って雨霰と降らせたろ。
ここの設備は壊しても構わんみたいやし、一体ずつ細かく狙うんやなくて「大体この辺」くらいの大雑把さで薙ぎ払う感じで。ついでに培養施設とやらも壊せればラッキーくらいに考えとこ。

しかしこれ、量産しすぎて設備がみっちり詰まっとらん? それで施設が壊れる分にはええけど、扉が破れたり床が抜けたりせんか気を付けとこ。




 戦いは数という言葉もある。物量で攻めきる戦も幾度となく見てきたために、その言葉の信憑性はとても良く分かる。
 分かるには分かるのだが。
「これは流石にやりすぎと違う?」
 小烏・安芸(迷子の迷子のくろいとり・f03050)はそう思ったのだ。
 だって視界がめっちゃカラフル。至るところにぷに、ぷに、ぷに。
 壁は? 床は? あの辺のゼリーの向こうに透けて見える蒸気機関的な装置は埋もれてて大丈夫なやつ?
 蜜ぷに七割その他三割り程度の密度と見たが、改めて見てみると蜜ぷに分がもっと多い気がする。
 天井だけがそこが建物であることを教えてくれるかのようだった。
 この物量に攻められたらやばない? 安芸は思案に軽く寒いものを感じた。
 だがしかし、この量産ぷに達、元々弱いのが更に弱くなっていると言うではないか。それならば、手数さえあればなんとかなるだろうか。
「ま、やってみるしかないわな」
 ぶん、と軽く振った鋸のような刃の鉈を、試しに手近なゼリーの塊に振り下ろしてみる。
 すると、ぱん、と軽い音を立てて弾けるように溶けたではないか。
 掬い上げるように下から振り上げてみても同じ。非常に軽い手応えで次々と蜜ぷにが倒されていく。
 これなら、と口角を上げた安芸は、鋸鉈を握るのとは対の手で、自身の本体である短刀を軽く振り、同時に複製品を生み出していく。
 本物と違い、曰く有りげな札の貼られていないそれらは、模造であることを示しているかのよう。
 念力でふわりと浮かぶ短刀の群れがフロア一杯に十分に散開した所で、蜜ぷに目掛けて一斉に落とした。
 雨のように、霰のように、刃が降り注いでは、ざぁっ、とゼリーを掻き混ぜるように掻っ捌いていく。
 一体一体を細かく狙う必要なんて無かった。大体この辺。そんな大雑把な狙いでも、広々とした的には当たっていく。
 短刀が捌ききれなかった細かいやつは、安芸が手ずから仕留めれば済む話なのだ。
 不意に、ぷしゅっと蒸気が漏れるような音が聞こえる。顔を上げれば、適当に薙ぎ払っていた短刀の一部が何かの装置を破壊したらしい。
「……どうせ壊すし、ええか。手間省けてラッキーってことで」
 これが施設機能は生かしておけという話だったらややこしかったが、そう言うわけではないのだ。お気楽に殲滅を繰り返していくとしよう。
「それにしても……」
 ちら、と。壁や床が随分と復帰してきたフロアをぐるり見渡して、改めてそこを埋めていた蜜ぷにの量を鑑みる。
 装置のたぐいが壊れるのはいいとして、量産のし過ぎで扉が破れ、どばー! とか、床が抜けてどちゃー! なんてことにはならないだろうか。
 思案は、ある意味予感だったかも知れない。
 フロアの奥の扉付近の蜜ぷにがさくっと仕留められた頃、こちらからの物理的圧力が減った影響か、扉がばーんと弾け飛んだのだ。
「うっそぉ」
 ぷにぷにゼリーフロア、おかわり!
 愛らしい顔がなんだかドヤ顔をしているように見えたのは、気の所為ということにしておいたほうがいいかもしれない。

大成功 🔵​🔵​🔵​

清川・シャル
f02317仲良しのすずと同行
またすずに招待してもらったアルダワ!
ぷには1年前とかに戦ったことある!
え、甘くないの?うそ!?
……(沈黙)…それほんとに蜜ぷに?
カロリーoffかな。
がんばろう。

すずと一緒に第六感を使って居場所を特定
ぷに。出せるだけ出して、散らばると面倒なので、櫻鬼のジェットでホバリングしてぷに達を追い立てましょ
集めたらUC起動、ぐーちゃん零での総攻撃!12連装グレネードと30連弾アサルト。
フレシェット弾を詰めておいて範囲攻撃を行います

残党はそーちゃんをチェーンソーモードにしてタコ殴りです

恋人と?喧嘩あんまりしたことないなぁ…そっぽ向いちゃう。
いつもアルダワに呼んでくれてありがと!


コイスル・スズリズム
仲良しのシャルちゃん(f01440)同行!
魔法学園には蜜ぷにっていうのがいるんだよ!
つつくとね、すっごい甘い蜜が出るんだぁ~~~。
でも今回のはあんま甘くないみたい
・・・
流れる沈黙
あ、甘さ控えめ?
頑張ろう!

「第六感」「野生の勘」を駆使
なんかこのへんにいそうな気がする~!
ドアをばんばんあけてく
蜜ぷにを見つけたら
魔導書を取り出し「先制攻撃」「高速詠唱」のせたUC
ただでさえつまりまくってるぷにの速度遅らせ一か所に固める

シャルシャルちゃん出番だよ!

攻撃はシャルちゃんに任せる
間近で見るの初めてだけど凄まじい威力
恋人との喧嘩もそんな感じなの?
とこっそりきいてみよう
魔法学園の有事に手伝ってくれてありがとうっ!




 此度の冒険は仲良しふたり旅。清川・シャル(無銘・f01440)は幾度目かのアルダワへの招待くれたコイスル・スズリズム(人間のシンフォニア・f02317)と共に、件の施設へと辿り着く。
「魔法学園には蜜ぷにっていうのがいるんだよ! つつくとね、すっごい甘い蜜が出るんだぁ~~~」
 とっても可愛くて素敵なおやつにもなるんだよ、と力強く語るコイスルに、うんうん、と記憶を思い起こすようにしてシャルはうなずく。
「ぷには1年前とかに戦ったことある!」
 あの時はボスへの道を塞ぐ障害ぐらいにしか見ていなかったが、とても甘いらしいと言う話も聞いたことがある。
 今回は味わえるだろうか。ちょっぴり楽しみにしていたシャルだが、でも、と少しトーンダウンした声でコイスルは言うのだ。
「今回のはあんま甘くないみたい」
「え、甘くないの? うそ!?」
 そんな。そんなことってある? だって『蜜』ぷになんだよ?
 訴えかけるような視線のシャルに、そう言うお話らしいんだよねと眉を下げた表情で物語る恋する。
 二人の間に気まずい沈黙が流れた。
「……それほんとに蜜ぷに?」
「蜜ぷに……養殖量産タイプ……あ、甘さ控えめ?」
「カロリーoffかな」
 女性に嬉しい要素なのだろうか。
 いや、多分ただの粗悪品。
 だったらもう、やることなんて決まりきっている。
「がんばろう」
「頑張ろう!」
 本当に甘くて美味しくてもちもち可愛い蜜ぷにとの邂逅を夢見て、養殖産を殲滅することだ。
 さて本題の施設内はと言うと、聞いていたほどぷにが居ないように見える。既に幾らか倒された後なのだろう。
 それならばまずは索敵をと、二人はずんずん奥へと進んで行く。
 ぷに、ぽよん、と小さな音が度々聞こえてくる。これは近い。
「ここかな!?」
 ばーん、と小部屋を開放するコイスル。しかし惜しい。はぐれぷにがちょっと居るだけだった。
「じゃあ、こっち!」
 ずばーん。またしても開いた扉はなんか綺麗に破壊しつくされた後だった。
 感と勘を頼りにどんどん扉を開けていくコイスルの後に続きながら、はぐれぷにをえいっと弾き潰していくシャル。
 こっそり舐めてみたぷにの蜜は、やっぱり甘くない。残念な気持ちが広がるばかりの味だった。
 そうこうしてやがてたどり着いた大扉を前に、二人は顔を見合わせる。
 中からはぷにぷにぽよぽよ音が聞こえてくるし、きっとここに間違いない。
「今度こそ、えいっ!」
 躊躇なく開けた扉の先には、思った通り、蜜ぷにが密集していた。
 いたが。
「わわわ、溢れてきちゃいそう!」
 ぽよぽよと音を立てるぷに達が次々と入口の方に押し寄せてくる。
 飲み込まれては大事、と。コイスルは魔導書を片手に袖口へと手を差し入れ、キャンディを取り出す。
 そうして、ぽん、と自分とシャルの口に放り込んだ。
「感謝祭の翌日。先週から鳴り描いてるマスカラ。でもそうじゃなくったっていいんでしょ?」
 素早い詠唱でユーベルコードの効果を載せれば、キャンディを楽しんでいない蜜ぷに達の動きを遅くする。
 ぱちりとウインクするコイスルがくれたキャンディは、とっても甘くて美味しい。
 へらりと一度嬉しそうに表情を緩めたシャルは、のろのろになった蜜ぷにへ向き直ると、きりと表情を引き締めた。
「シャルシャルちゃん出番だよ!」
「任せて!」
 コイスルの声援を受けて、とん、と地を蹴り飛び上がったシャルは、そのままジェット噴射で中空にホバリングしながら、イケてるピンク色の重火器を構えて見せ、ぷにを追い立てていく。
 ぷに同士でほとんど合体しているような状態故に、ぽよぽよ飛び跳ねていくのを追うというよりはもにもに蠢く塊を端へ寄せていくというような感じになっているが……散開される面倒にならないのならオッケーだろう。
「戦場に響きし我が声を聴け!」
 装填されるのは12連装のグレネードランチャー、及び30連弾のアサルトライフル弾。単発でも強力な威力を発するそれらを一斉掃射するさまは、圧巻の一言に尽きる。
 詰められた弾丸は全てフレシェット式。着弾と共に散弾するダーツのような子弾が、次々とぷに達を貫いては弾けさせていく。
 その威力たるや。間近で見るのは初めてであるコイスルの口から感嘆が漏れるほどだ。
 あら方を一層し終えた後は、個別の掃討。地に足をつけ直したシャルは、絵物語で見るような鬼の金棒をチェーンソーモードに切り替え、ぎゅいいぃん! と物騒な音を立てるそれを大きく振り回した。
 ころりと口の中で転がした飴玉が、ほんの少し小さくなるような短い時間で、あっという間にフロア内の蜜ぷにが倒し尽くされたのであった。
「シャルちゃん、すごかったね!」
 やや興奮気味に駆け寄ってきたコイスルに、これのお陰で楽勝だったと頬をふくらませる飴玉を指で示せば、二人の間にまた笑顔が咲く。
 明るくにこやかに笑ってくれるけれど、戦闘では苛烈な一面を見せるシャル。
 そんな彼女に、もしかして、なんて思いがよぎったコイスルは、そっと身をかがめてシャルに耳打ちする。
「恋人との喧嘩もそんな感じなの?」
 こっそりの質問に、シャルは一度目を丸くしてコイスルを見上げて。
 それから、少し気恥ずかしげに、そっと視線をそらした。
「恋人と? 喧嘩あんまりしたことないなぁ……そっぽ向いちゃう」
 声を荒げるでもなく、手を挙げるでもなく、駄々をこねるでもなく。頬を膨らませてぷいっとするさまを想像したら、とても、とても微笑ましく思えた。
 そっかぁ、と緩んだ表情で返したコイスルは、うん、と心に留めおいて、ぱっ、とシャルの手を両手で握った。
「魔法学園の有事に手伝ってくれてありがとうっ!」
 屈託のない笑顔は、質問にも他意はなくて、純粋に感謝していて、仲良しと一緒なのが嬉しいのだと全力で語っている。
 見つめて、シャルもまた同じような笑顔で応えるのだ。
「いつもアルダワに呼んでくれてありがと!」
 一緒に作る思い出は、いつだって楽しいのが一番!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

クレア・オルティス
蜜ぷにちゃんがいっぱい…かわいい…
ナデナデしていいかな…?ちょっとだけ…えへへ
わっ…!埋もれる…!埋もれちゃう~!
やっぱりやっつけるべきなの…?
お友達になりたいのにオブリビオンだからやっつけなくちゃいけないの悲しいな…
でもダンジョンを進むためにもこれは仕方のないことなんだよね…?

・戦闘
蜜ぷにがバラけている場合はこっちこっちだよ~と挑発しつつ誘導しまとめる
そして闇属性の魔法陣を展開し範囲攻撃で一気に撃退する
密集している場所では迷わず同じ攻撃をズドンと!
怪我をしている猟兵がいればUCで回復
小さな傷でも放っておくことはできないから…

いつか仲良くなれる蜜ぷにちゃんと出会えますように…

連携、アドリブ歓迎


エレステイル・テイル
わわ、蜜ぷにくんがいっぱいだよ!

こういう時はくろくん、わたげ!
そうどういんだよ!

くろくんに空からおいたててもらって、わたげはボクと反対からよせてくよ。
へやのまんなかに、ぷにくんをあつめるよ。
賢そうなぷにくんが出てきたら、くろくんにしらせてもらって、りんごをなげるよ。
当たらなくてもへいき!
ぷにくんのとっしんも、どーんとガマン。ボク、がんじょーだから!
だいじなのは、みんなをへやのまんなかによせること!

そしたら、おっきなりんごを作って、ぽーんっとなげるんだよ!
たぶん、へやいっぱい、ドッカーンってなるけど、
ボクらはでぐちにさっとたいひすれば、あんぜんなんだよ。
……あれ、わたげ? え? でぐちはあっち?




 柔らかな感触に、くりっとつぶらな瞳。ぽよんぽよんと跳ねるさままで可愛いと来た。
 そうなると、蜜ぷにの虜になってしまうのは仕方のないことで。
「ナデナデしていいかな……? ちょっとだけ……えへへ」
 クレア・オルティス(天使になりたい悪魔の子・f20600)は、ゆるゆると表情を緩めて蜜ぷにを撫でていた。
 だが、ぷにぷに……とその柔らかさを堪能していると、我も我もと言うように次々と蜜ぷにが集まってくるではないか。
「わっ……! 埋もれる……! 埋もれちゃう~!」
 押し寄せてくる蜜ぷにの群れ。いや、最早蜜ぷにの集合体。
 とってもカラフルなゼリーの塊に押し潰されそうになっていたクレアだが、不意に頭上を何かが横切り、クレアの目の前の蜜ぷにを倒し、どろりと溶かしてくれた。
「わ、わ、わ……」
 今の内に、とぷにの群れから這い逃れたクレアがふと顔を上げると、そこには黒い仔竜とちょっとふくよかなうさぎを肩や頭に乗せた幼女が立っていた。
 クレアよりちょっとだけ目線の低い幼女……少女はエレステイル・テイル(ドラゴニアンの聖者・f14363)。だいじょうぶ? と問うように小首を傾げて差し出された手を取って、クレアはようやく立ち上がる。
「あぶないところだったねー」
 まにあってよかった、と顔を綻ばせたエレステイルに、ありがとう、と柔らかな笑みとともに返したクレアは、はっとしたようにいまだ押し寄せてくる蜜ぷに達を振り返り、エレステイルを庇うように立つ。
 そして目が合うつぶらな瞳。
「やっぱりやっつけるべきなの……?」
 お友達になりたいのに、オブリビオンだから倒さなくてはいけない。実に悲しい運命である。
 しかし、ダンジョンを進むためには仕方がなく……ましてや、猟兵とは言え自分より小さな子が共に戦場にいるのに自分が尻込みしている場合ではなかった。
 ぐっ、と気合を入れるクレアを見上げ、ついでに頭の上の白いうさぎと仔竜も見上げて、エレステイルもまた真似るような所作で気合を入れる。
「くろくん、わたげ! そうどういんだよ!」
 ごー! とけしかけたくろくんこと黒い仔竜は、上空で旋回しつつ、時折部屋の隅のぷにをぱちんと弾いて倒し、ぷに達を追い立てていく。
 その反対側へは、エレステイルと共にわたげと呼ばれた白いうさぎが駆けていく。
 左右に散った彼らを見やり、部屋の中央へと集めようとしているのを見て取ったクレアは、彼らの手が回らない位置へと向かい、蜜ぷにを挑発したり誘導したり。
 三方から攻め込まれれば、蜜ぷに達は追い詰められるようにどんどん寄り集まって、やがて部屋の中央にもにもにゼリータワーが形成されつつあった。
「わぁ……」
 ゼリーがそびえ立つさまなんて見たことないや、と言うように思わず足を止めて見上げたクレアは、そのゼリータワーからぽこんとこぼれ落ちるようにしてぷにが現れるのを見つける。
 なんだかとっても賢そうな……。
「もしかして、賢者ぷに?」
「あっ、賢そうなぷにがでたんだね!」
 賢いぷにに作戦を邪魔されないように、エレステイルはりんごを取り出すとえいやと力いっぱい賢者ぷにに投げつけた。
 もにゅっ、とゼリー状に飲み込まれて終わるりんごではない。
 そう、何を隠そうこのりんご、りんご型ガジェットなのだ!
 ぽいーっと放られたりんごはぷにの中でぱーんと弾けて賢者ぷにを倒してくれた。
 しかしまだまだ油断はできない。今度は額に「1」と刻印された友情パワーぷにがぽこぽこと産み出されてきたのだ。
「わわわ、たくさんになってきた」
「あの子達は任せて!」
 クレアが素早く魔法陣を展開し、ゼリータワーからこぼれてくる勇者ぷにへ闇属性の魔法を炸裂させる。
 ゼリータワーの一部も削れたが、まだまだその数は多くて……。
「あぶなーい!」
 捌ききれなかった蜜ぷにがクレアへ向かうのを見つけたエレステイル、咄嗟に間に割り込んで、蜜ぷにのどーんと力強い体当たりにふっとばされた。
「あっ……」
 大丈夫、と問う前に。がばっと起き上がったエレステイルは、今の内にと大きなりんごを形成していく。
「怪我は……」
「だいじょうぶ、ボク、がんじょーだから!」
 えっへん、と胸を張ったエレステイルは、出来上がった大きなりんごをよいしょと抱え上げ、ふらふらしながらも部屋中央のゼリータワーへ狙いを定める。
「これをー、ぽーんってしてー……そしたらへやがドッカーンってなってー……」
 ふらふらふら。
 大きな淡紫の尻尾が支えてくれているためエレステイルがひっくり返ることはないけれど、ぽーんって出来るのか? 大丈夫なのか? とはらはらした心地になる。
 手を出したのは、思わず、だろう。エレステイルと共に大きなりんごを抱えたクレアは、ちょっとだけ驚いたように見上げてきた少女に微笑みかけて、せーのでりんごをぶん投げた。
「ボクらはでぐちにさっとたいひすれば、あんぜんなんだよ」
 ふん、と満足気に言って、さっと出口へ向かうエレステイル。
 だが。
「……あれ、わたげ? え? でぐちはあっち?」
 部屋の中をパタパタ駆けている内に出口の方向がごっちゃになったらしい。わたげにくいと髪を引かれ、クレアが手招く出口へと改めて駆け出すのであった。
 それから十分退避した頃。どーん、と激しい音が先の部屋から聞こえてきて、そぉっと通路の角から様子を窺えば、どろどろに溶けた蜜が入り口から流れ出てくるばかりとなっていた。
 作戦成功、とはしゃいだ顔をするエレステイルの肩を、つん、と突いて。
 きょとんと振り返った彼女に、クレアは祈りを込めた聖なる光を浴びせた。
「小さな傷ても、放っておくことは出来ないから……ありがとう」
 庇ってくれて、と付け加えれば、はにかんだようにエレステイルが笑った。
 可愛い敵とお友達にはなれなかったけれど、代わりに出会いを得たのだ。
(いつか仲良くなれる蜜ぷにちゃんと出会えますように……)
 ささやかな願いは胸に秘めたまま。二人はまだまだ残っているだろう蜜ぷに探索に乗り出すのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

メイスン・ドットハック
【SPD】
培養とか厄介な施設があるのー
可愛いけど相手するしかないのー

二足歩行戦車KIYOMORIに搭乗して出撃
スライムということでレーザー砲による滅却攻撃と、焼夷榴弾の【一斉発射】による焼却攻撃をメインに数を減らしていく
周囲を囲まれそうになったら、跳躍して【蹂躙】しながら、タンクから榴弾を発射して対応

数が多くなったら、UC「祇園精舎の鐘の音、諸行無常の響きあり」を発動させて巨大化
全電脳兵器を起動させて培養施設ごと破壊するような砲撃を敢行する

一気に吹き飛ばしやるけー、覚悟せいよー!

スキャン機能からは【ハッキング、情報収集】して死角を消していく方針

アドリブ絡みOK




「培養とか厄介な施設があるのー」
 話を聞いて、訪れて。蜜ぷにが溢れかえっている光景を見て率直に思ったことがそれ。
 メイスン・ドットハック(ウィザード級ハッカー(引き籠り)・f03092)は溜息をこぼしつつ大きな扉の前に立つ。
 その姿は、既に戦闘へ即時移行すべく、二足歩行式の戦車へと乗り込んだ状態だった。
「可愛いけど相手するしかないのー」
 さぁ、出撃だ。重厚な見た目とは裏腹に機敏に駆けるマシンウォーカーの『KIYOMORI』が駆け抜ければ、それだけで通路に屯していた蜜ぷに達は弾け跳ぶ。
 大扉をぶち破り、フロアの中央へと躍り出ると、武装兵器を展開させ、早々に駆除を開始だ。
 鋭く放たれるレーザー砲や焼夷榴弾は、等しくスライムという形態を持つ蜜ぷにを焼き払うもの。
 フロア全体を満たすように一斉に発射されたそれが、瞬く間に蜜ぷに達を蹂躙していく。
「ふんふん、この程度の数なら余裕じゃのー」
 扉のサイズの割には狭い部屋だった。次へ、次へと扉を破り、通路を駆けて進んでいくメイスンは、群れる蜜ぷにを発見する度に焼却を繰り返し、蜜の残骸すら残さずに踏破していく。
 抵抗を試みてか、賢者ぷにを召喚して立ち向かう個体も幾つか居たが、聞いた通りの弱さゆえ、数がちょっぴり増えた程度にしかならない。
 ひょいと飛んで囲まれるのを回避し、踏み潰すついでに榴弾を武装タンクからばら撒いて、爆発音を背にまた駆ける。
 そうしてたどり着いたのは聳えるほどの大きな扉。
 これは重要な設備に繋がっているのでは。小型情報型電脳AIソフトを搭載した眼鏡をきらりと光らせ、メイスンは勢いよく扉を開け放つ。
「うっわぁ……」
 居るわ居るわ。床も壁も天井も、埋め尽くさんばかりの蜜ぷに達。
 山と言うべき大きさだが、巨大な水槽のような設備を背後に背負って蠢くカラフルな不定形は、むしろ出来損ないの巨人かなにかのようにも見える。
「はは、相手にとって不足なしちゅうやつじゃのー」
 帯びた兵器だけで焼却し切るには火力が足りないかも知れない。
 穿ち貫いた所で、あれの正体はゼリーの群れ。一部に穴が空いた所でどうということもなく襲いかかってくることだろう。
 巨大な敵には巨大な武器だ。
 にぃ、と口角を上げたメイスンは、ぷに達の体当たりのような突撃を躱しながら、ユーベルコードを展開する。
「巨大二足歩行戦車がさらに巨大に、つまり兵器も巨大化じゃのー」
 巨大な兵器が齎す破壊力をご存知か。
 なんならその身で味わっていただこう。
「ということで全部吹き飛ばせ!」
 メイスンの声に応えるように、KIYOMORIが瞬く間に巨大化し、巨大なゼリー体と対峙する。
 まるで巨大ロボット大戦のごとく……と言うには相手がやや脆すぎるのが残念なところ。
「一気に吹き飛ばしやるけー、覚悟せいよー!」
 全電脳兵器を起動させ、培養設備諸共に破壊していくさまは圧巻で。
 この場に敵対者以外が居ないのも幸いであろう。区別の要らない3回攻撃は、瞬く間に室内を満たし、巨大なゼリーをことごとく崩していった。
「ふー……一方的がすぎたかのー」
 じゅぅ、と立ち上る蒸気は、膨大な量の蜜ぷにが一気に焼却されたがため。
 とは言え、蒸気が上がる程度には熱が抑えられてしまった辺り、やはり、数とは恐ろしいものだとメイスンは楽しげに思案するのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エグゼ・シナバーローズ
※アドリブ、連携OK
さらっと不吉なこと言われた気がする…いや気のせいだ、気にしたら埋もれたときエンティのせいにしちまう!

これだけいりゃ、数字の刻印があるやつ探すより全部にぶっ放して残ったやつ潰したほうがいいな
UC鈴蘭の嵐で【精霊のみちしるべ】と【アクター】を花びらに変えて攻撃、目標はもちろん蜜ぷに全部! くらいやがれ!
2種類の武器を使う意味はきっとねーけど、全部ぶっ潰すという気持ちの問題だぜ
んで、杖にした【ヴァルカン】で火の魔力練って、残った蜜ぷにに炎魔法を放って掃討
こんな感じで片っ端から施設の扉を開けて中を片付けていく
順調、順調♪
(小部屋いっぱいにみっちりの可能性はすっかり頭から抜けている)




 埋もれないように気をつけてね。グリモア猟兵が確かにそう言ったのを、エグゼ・シナバーローズ(4色使いの転校生・f10628)はしっかり聞いていた。
 しかし予言のような不吉な言葉に思わず振り返った彼は笑顔だったような気がする。
 その顔の意味はなんだと問いただしたくなる程度にはいい笑顔だった気がする。
「……いや気のせいだ、気にしたら埋もれたときエンティのせいにしちまう!」
 そもそも気をつければいいだけの話だ。落ち着いて挑めばなんてことはあるまい。
 警戒しつつも勢い込んで開いた部屋の中には、ぽよぽよと弾む蜜ぷにの群れ。雪崩れてくることなんてなくみっちりしてるなんてこともない。なんだ、意外と余裕ではないか。
 とは言え、彼らの真価はここからだ。それぞれが友情パワーぷにを召喚するようなことがあれば一気に数が溢れかえるのだから。
「ま、これだけいりゃ、数字の刻印があるやつ探すより全部にぶっ放して残ったやつ潰したほうがいいな」
 召喚されるのをわざわざ待つ必要もない。そして召喚された奴らを選り好んで集中的に倒すのもきっと非効率。
 となれば一網打尽を目論めるユーベルコード、鈴蘭の嵐の出番だ。
 しっくりと手に馴染む拳銃と、同じく握る手に収まるサイズな魔導蒸気機械の筒。
 両手に持ったそれらが、はらはらと形を崩して花びらへと変わっていくのを見上げ、すっ、と視線を下ろす。
 一部の額に数字の刻印があるのは、見えている。もにもにと合体しようとしているのも。
 けれど全部お構いなしに、視界に映る全てを刻むつもりで、エグゼは武器を花に変えて空いた両手を振り上げた。
「くらいやがれ!」
 ざあぁっ、と風が吹き抜けるような音を立てて、鈴蘭の花びら達が一斉に蜜ぷにへと躍りかかる。
 武器を二つも花弁に変えることに意味なんて無い。それによって花びらの質量が増すなんて期待だって無い。
 ただ、気持ちは大事だと思ったから。
 目に見えるぷにを全部ぶっ潰す。そんな気持ちを宿した花びらは、きっと鋭く踊ってくれるだろうから。
 ささやかな期待通り、花びらの一片一片が次々と蜜ぷにを打ち払っていくのを目に止め、その内の一部が合体を済ませてちょっぴり強化されているのも見届けて。
 エグゼは懐っこく漂う炎の精霊を銀色の細杖に変えて、炎の魔力を練り上げる。
「残りも纏めて燃えつきろ!」
 ちりり、と、鈴蘭の端を焦がしながらも、道を開けるように開けた花弁達の間を縫って放たれる炎。
 ぷぎゃ、と短い悲鳴が聞こえたような気もしたけれど、それも纏めて焼き払っていく。
 あっという間に制圧し終え、すっきりとした小部屋を眺め回し、ふふん、とエグゼは誰にともなく胸を張る。
「まぁこのくらいなら余裕だな」
 この調子で、とすぐ近くに見えた扉も開き、同様に処理をして。
 エグゼの活躍はダイジェストにてお送りしております、と注釈が入るほどに小部屋を制圧しきった頃。
「順調、順調♪」
 そう、つまりはすっかり油断しきった頃。
 初めの警戒心は何処へやら、勢いだけを引っさげて扉を開けたエグゼは、同時にどちゃーっと雪崩れてきた蜜ぷにに飲み込まれた。
 ぎゃあ、と上がりかけた悲鳴すら飲み込むほどの物量に飲み込まれ、一瞬身動きが取れなくなったエグゼは、だから言ったのに。なんて幻聴が聞こえた気がした。
(言ってたけど、言ってたけど……!)
 だったらもっとちゃんと注意しろよ!!!
 ごもっともな感情を爆発させると同時、幾度もぷにを殲滅してきた花びらがエグゼを飲み込むぷに達を切り裂いてくれた。
 ぜぇぜぇと息を荒げながら、それでも落ち着けと言い聞かせて。
 いまだみっちりとぷにが詰まって見える小部屋を睨みつけたエグゼは、花びらも炎も総動員で、小部屋を制圧するのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

照崎・舞雪
(魔法薬の材料と書いて蜜ぷにと読む系女子)
……蜜ぷにがこんなにたくさん
よし、倒しまくって素材集めなのです!ビバ・収穫祭!
大魔王も案外いいことするじゃないですかぁ!!
(その超いい笑顔に多数の蜜ぷにが恐怖した)

武器【女郎蜘蛛】の糸に、特性の毒薬を縫っておきます
そして、女郎蜘蛛を限界まで伸ばした状態で振り回し、広範囲の蜜ぷにを一網打尽にしていくのです
多分、毒を塗らなくても倒せるとは思うのですが……まぁ毒は念の為

ある程度倒したら蜜ぷにの死骸に解毒薬をふりかけ毒を中和してから世界の書で、研究室に放り込んでいくのです
実験材料はあればあるだけいいのです

というわけで、収穫祭はまだまだ続くのですよー!




 噂の培養施設に訪れた者の反応は様々だった。大半が可愛いだとか、多すぎるだとか。
 そんな中で特異も特異な反応を示したのが照崎・舞雪(未来照らし舞う雪の明かり・f05079)であった。
 彼女の眼前にも、勿論沢山の蜜ぷにがひしめき合っているわけで。
「……蜜ぷにがこんなにたくさん」
 沢山の蜜ぷにを見つめる瞳はきらきらとして、嬉しそう。
 そう、嬉しそうなのだ。そしてその歓喜が、可愛いものに遭遇したとかそういう喜びではなかった。
「よし、倒しまくって素材集めなのです! ビバ・収穫祭!」
 ぱぁっ、と笑顔を咲かせ、何ならその場で一回転するくらい舞い上がって、舞雪は意気揚々と採取の準備を始めだす。
 その喜びように一部のぷにがびくっとしたような。
「大魔王も案外いいことするじゃないですかぁ!!」
 これは狩り尽くされるやつだ。本能的に察知した蜜ぷに達ではあるが、しかし彼らはみっちりと詰まった状態。当然逃げ場なんてありはしないのだった。
 これはいけない。このままではいけない。
 蜜ぷに達は意を決したようにそれぞれが力を合わせ、友情パワーぷにを召喚しまくる。
 とにかく召喚しまくった。数で押せばきっと勝てる!
 ――わけがないのであった。
「さて、どんどんいきましょう」
 ひゅんっ、と。ぷにまみれの空間に何かが閃く。
 それは鋭い一撃と言うほどでもないけれど、確かに鋭利で、広く展開される攻撃。
 ぷに達は見た。長く伸びた細い糸が、空気を切り裂いて揺蕩っているのを。
 いや、揺蕩うなんて穏やかな表現があうはずもない。なんてったってそれは細く柔らかな動作に見えて、酷く鋭利にぷに達を切り捌いていくのだから。
 しかも、しかもだ。
「やっぱり毒まではいりませんでしたね。まぁ念の為に」
 ご丁寧に毒を塗りたくってあるのだ。それゆえ、友情パワーぷにたちが「1」から数を増やして合体した所で、一太刀浴びれば毒にやられてあっけなくころり。
 まさに一網打尽。恐ろしい。恐ろしい敵に見つかってしまった!
 ……他のぷに達がもっと優しい倒され方をしたかと言うとそういうわけでは全く無いのだけど。
 室内にみっちりしていたぷにをあらかた倒したのを確認した舞雪は、ふぅ、といい汗顔をしてから、足元にでろりと広がる蜜ぷにの残骸に、解毒薬を振りかけていく。
 そうして下準備を整えてから、小さな魔術書を掲げ、蜜ぷにの残骸に触れさせていき、どんどん中に取り込んでいく。
 それはもう掃除機のようにぎゅんぎゅん吸い込んでいく。
「ふふ、実験材料はあればあるだけいいのです」
 普段から魔法薬の材料にピッタリの蜜ぷにだが、さらに培養された存在だなんて。実に実験のしがいがありそうではないか。
 一区画片付けるだけでもこの成果だ。魔術書内の研究室が埋まる程に蜜ぷにを採取するのも夢ではないかも知れない。
「というわけで、収穫祭はまだまだ続くのですよー!」
 生き生きとした舞雪は突き進む。止まることはないだろう。彼女の研究意欲が満たされる、その時まで。

大成功 🔵​🔵​🔵​

瀬名・カデル
蜜ぷにってどんな感じなのかな、蜜だからきっと甘いんだろうなぁ
倒したらひとなめしたいな……って思っていたのに!

ボク知ってるよ!
それはきっと魔王の仕業なんだね!
おのれ魔王め!(間違い)

沢山いるぷにぷにには、沢山の攻撃ということで
兵隊さんが出動だよ。

UC「玩具の行進」を使用
兵隊さんたち、ボクのお仕事手伝って!

どのくらい沢山いるのかな?
埋まらないようにできるだけ範囲を広く倒していくけど
危ないと思ったら羽で飛んで地面からは脱出
できるだけ他のみんなも戦える場所を確保できればって思っているよ!




 蜜ぷにとは、甘い蜜を持つぷにっとした生物であると聞きかじった。
 実際に会うのは初めてだ。どんな感じなのだろう。
 蜜だからきっと甘いんだろうなぁ。倒したらひとなめしたいな。
「……って思っていたのに!」
 とってもとっても期待をしていたのに!
 瀬名・カデル(無垢なる聖者・f14401)は憤慨した。だって『蜜』ぷになのに甘くないだなんて。
 こんな裏切りがあって良いのか!
「ボク知ってるよ! それはきっと魔王の仕業なんだね!」
 間違ってないけど間違ってる。
 魔王が培養などということをしたがために蜜の質が落ちた可能性を全面的には否定できないが、カデルの心を残念感でいっぱいにしてしまった直接的な原因は魔王ではないはず。
「おのれ魔王め!」
 とばっちりの八つ当たり的な感情だけど、最終的に魔王は倒さなくてはならないのだから、結果オーライかもしれない。
 ともあれ、まずはこの残念極まりない蜜ぷに達をどうにかしなければ魔王の元にもたどり着けないのだ。
 数には数。沢山いるぷにぷにには、沢山の攻撃。
「ということで――兵隊さんたち、ボクのお仕事手伝って!」
 よく通る声で要請すれば、次から次へとおもちゃの兵隊が現れる。
 廊下いっぱい、それこそ埋め尽くすようにずらりと並んだ小さな兵隊達を率いて、カデルは手近な扉をばーんと勢いよく開いた。
 途端、溢れ出てくる蜜ぷにの大群。
 ぎゅうぎゅうに詰め込んでいたクローゼットの中身がどちゃーっとこぼれてくるような勢いに、思わずカデルは中空へと避難した。
 ぱたり、跳ねをはためかせて足元を見下ろすと同時、居並んだ兵隊達に攻撃を仕掛けさせる。
「突撃ー!」
 わー!
 おもちゃの彼らに声はないけれど、勢いよく響く賑やかな声が聞こえたような気がした。
 兵隊たちは果敢にぷにの大群へと挑み、まずは入口付近を制圧。
 時にぷにに潰された折れ、時にぷにに飲み込まれ倒れつつも、どんどん中へと押し入っていく。
 部屋の奥から現れた額に数字の刻印があるぷにへは、常に一緒の友人人形、『アーシェ』の力も借りて。
 踊るようにぷにを倒す彼女の右から左から次々とサーベルや銃剣を突き立てていくさまは、まるでアーシェに鼓舞されたかのようにすら見えた。
「そこまでー!」
 やがて、室内のぷに達を一掃したのを確認して、カデルは兵隊達を止める。
 残ったぷにですっかりべたべたになってしまった『戦場』から部隊を早々に引き上げて、じぃ、とぷにの残骸を見つめるカデル。
 ちょっとだけ掬って、ぺろっ。
「うっ……やっぱり美味しくない……」
 あまりに残念だ。
 しかし、当初の目的である培養施設の制圧は無事に終えられたように思う。
 ぷにの蠢く音はもはやなく、燃え尽きていたり爆発していたりと散々な部屋の数々を見る限り、この施設が再び運用されることはないだろう。
 今度は絶対甘い蜜ぷにを味わうのだ。カデルを含めた一部の猟兵はそんな野望を抱いて培養施設を後にしたとか、しないとか。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年02月09日


挿絵イラスト