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ゴリゴリゴリラアンサンブル

#アックス&ウィザーズ

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#アックス&ウィザーズ


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●ゴリの美声に酔いな!
「ウホッ、ホホッホ、ホ?」
「ホァー! ホアー!」
「ウホッ! ウホホホッ! ウホオーーー!」
 陽光が照らす深緑の森。
 その只中を、風の様に木々を揺らしながら走り抜ける音がある。
 大音量でありながら決して不愉快ではなく、腹の底にどっしりとした満足感が沁み渡る壮大なバリトンボイス。
 そこに一つ、また一つと新たな声が混じり始めた。
 森を流れる清流が如き、流暢でしっとりとしたテノール、地の底から木々をしっかりと抱きしめる、温かみと安定感に満ちたバス。
 しかし他の声を掻き消す様な無粋な真似はしない。
 ここは紳士の社交場なのだ。
 正面から、正々堂々と、我が声こそ森一番の美声であると言うが如く。

 そう、歌っているのである。
 ゴリラが。
 沢山。
 なんかめっちゃ良い声で。

 その上空を旋回しながら、満足げに眺める一つの影があった。


●大脱走イケボゴリラーズ
「イケメンの大群が高飛びするの!!」
 お前はなにを言ってるんだ。
 ヘッドフォンを被って何やら恍惚とした顔で身悶えしているのはグリモア猟兵ミア・ウィスタリア。
 いつもの如く集められた猟兵達がそろってそう言いたくなってしまいたい程、彼女は骨抜きにされていた。

 ゴリラに。
 そう、ゴリラの歌声に。

「いや、見た目は只のゴリラなんだけどさ、とにっっっかく声がヤバイの! イケメンなの!」
 溜めた。
 何でもアックス&ウィザードと言う世界にゴリラを神の使いとして崇める国があるのだそうだ。
 そして、今その国からゴリラが消えようとしていると言う。
「消えるって言っても、別に絶滅の危機に瀕してるとか、そういうんじゃなくってね。ただ単純に国の領土の外に逃げ出して行っちゃうんだって。只、一頭や二頭とかじゃなくて、それこそ国内のゴリラが全部! 根こそぎ! 逃げ出しちゃうの!」
 想像してみてほしい、無駄にハンサムで激シブボイスのゴリラが大挙して国外逃亡を図ろうとしている様を。
「と言うわけで、皆にはこの国に行ってゴリラ大脱走の原因を調査してほしいわけ。実際国のお偉いさんも困ってるみたいだしね。早速またゴリラが沢山逃げ出してるって言うから、向こうに着いたらいきなりゴリラが突っ込んで来ると思って。取り敢えずその子達を連れ戻すところからよね。方法はなんでも良いわ、ゴリラの気持ちになれば大丈夫!.........みたいな?」
 しかし、何度も言うがこのゴリラ、イケボである。
 ミアの様にその美声に聞き惚れていては遅れを取りかねない。
「それじゃあ良い? 心を強く持ってね? そうすればきっと大丈夫だから」
 そういうとミアは、猟兵達をゲートへと誘うのであった。


龍眼智
 こんにちは、あなたの龍眼智です。

 因みにアンサンブルとはオペラで言うところの合唱、重唱を意味するのだそうです。
 イケメンボイスで歌うゴリラさん達を無事にお家に返してあげましょう。

 オープニングにもある通り、舞台はアックス&ウィザーズのとある国の国境沿いから始まります。森から程近い広大な草原をわらわらと走り抜けるゴリラ、ゴリラ、ゴリラ。
 彼らは全個体が技能【誘惑】をレベル10で持っています。

 POW騎乗して従わせたり、力ずくで動物たちを連れ戻す。
 SPD速さを活かして追い込んだり、罠を仕掛けて動物たちを捕える。
 WIZ動物たちと心を通わせたりして、穏やかに連れ戻す。

 等の対処方が考えられますが、今回は特殊ルールとして、どの方向で行くにしても最初にゴリラの美声に心を奪われなかったかどうかの対抗ジャッジが発生します!
 これに負けるとちょっと成功度が下方修正されます。勿論その逆も然り。
 是非ともあなたなりの対抗方法を見つけ出してみて下さい。

 それでは、ご参加をお待ちしております。
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第1章 冒険 『動物たちを連れ戻せ!』

POW   :    騎乗して従わせたり、力ずくで動物たちを連れ戻す

SPD   :    速さを活かして追い込んだり、罠を仕掛けて動物たちを捕える

WIZ   :    動物たちと心を通わせたりして、穏やかに連れ戻す

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

クリス・イエロー
使用技能:SPD

すばしっこさには自信あるし、逃げられない所まで追い込んで捕獲するよ!

スカイステッパーも使えばもっと逃げにくくできると思うし、敵が攻撃して来ても上手く見切って空中ジャンプすれば避けられるよね。

他の人が捕獲準備してるならそっちまで追い込んでも良いし、準備が出来るまで時間稼ぎをしても良い。その場その場で他の人とも協力をする感じで!

魅了には耳を塞ぐ為に耳栓を持って行って、それでも不味そうなら手で塞ぐよ。
僕の場合足があれば攻撃出来るしまだどうにかなる筈……?



「ウホォォォォーーーー!!」
 ドゴゴゴゴゴゴゴゴ!
 ドラミングと共にゴリラの大群が迫ってくる!
 それは宛ら闘いの始まりを告げる法螺貝の音色!
 しかしその声は聴くもの全てを恍惚の渦に叩き込む魔性の声だ。
 具体的には、メスの顔になる。
 そんなゴリラ達の上を軽やかに舞うのはクリス・イエロー(イエロージャケット・f11964)。
身のこなしには自身があると言う彼は、押し寄せるゴリラ達の肩や、頭を足場に飛び回りながら巧みに突進ルートを逸らしていく。
「ホッホホーー! ウホッ! ウホッ!」
 右足を乗せたゴリラが迫力満点の重低音の雄叫びをあげた。
 地の底からぞわりと腹の底に届く様な振動がクリスを襲う。

(うわっ、耳栓してて良かったぁ……これを直接聞いたら確かにまずいかもなぁ…)
 
 そう、彼が抑えていた両耳から手を離そうとしたその時、次の足場に定めていたゴリラの肩が、ほんの少しだけ、ズレた。
 確かに耳栓の効力はあった、あったがその抗い難い誘惑を完全に断ち切る事は出来なかったのだ。そして、今の彼にとって、一瞬の集中の途切れは致命的であった。
「うわ、しまった!」
 支えを失った足が宙に放り出される。
 間一髪ゴリラの首にしがみつく事には成功したもののゴリラは止まらない。
 
 しかしクリスの瞳は行く先の人影を見逃さなかった。

「そこの人! 手伝って!」 
 

苦戦 🔵​🔴​🔴​

星宮・亜希
【POW】
「この世界で歌声っていうとハーピィあたりの仕業ですかねえ…ゴリラとハーピィ…(えぇ…って顔)」
何はともあれ、ゴリラを連れ戻します。彼らの上に乗って連れ戻しますが、礼儀作法は大事です。ゴリラに礼儀ってあるのかな…?
とは言え誘惑してくるというのなら、こっちもお返ししてやりましょう。まずは彼らの前に立って、自らのセクシーバディを披露し(恥ずかしさ耐性+誘惑+挑発)
「へいゴリラさーん?どっちにいってるんですかー?私と遊びましょー?(依頼の為とは言えなぜこんなことを…」とやって、ゴリラさんが見惚れた所を背中に飛び乗ってやるのです!
それにしてもなにがいったい彼らをここまで男前に育てたのでしょう?



「へいゴリラさーん?どっちにいってるんですかー?私と遊びましょー?」
 果たしてクリスの視線の先にいたオラトリオの女性、星宮。・亜希(双星の守護天使・f00558)はゴリラの進行方向からはちゃっかり避けつつ自らのむっちりしたセクシーダイナマイトボディを思いっきり強調した。
 陽光を浴びて寄せ上げられた星宮連峰がゴリラ達の視界にこれでもかとさらされる。
 何というか、
 ふ る ふ る である。
 た ゆ ん た ゆ ん である。
 もう何なら初日の出がここに顕現したと言っても良いのではなかろうかと言う勢いである。
(全く、依頼の為とは言えなぜこんなことを……)
 でも恥ずかしくない、何故なら恥ずかしさには耐性があるから(技能)!

「ウホッ!!?」
 クリスを背中に引っ掛けたゴリラが砂埃を上げて急停止した。
 さしものゴリラも眼前に瑞々しい果実のぶら下げられては自慢のイケボイスを披露する暇もない。
 亜希は翼を羽ばたかせフワリと浮き上がると、たたらを踏んだゴリラの額にそっと手を触れ、優しく撫でた。
「よしよーし、良い子ですねー。じゃあ、あなたのお家に帰りましょうか」
「ウ、ウホ……」
 大丈夫? そのゴリラ目が❤️になってない?
「それにしてもなにがいったい彼らをここまで男前に育てたのでしょう? この世界で歌声っていうとハーピィあたりの仕業ですかねえ…ゴリラとハーピィ……」
 亜希はゴリラの頭上でげんなりとした表情を浮かべると悠然と国内の方面へ戻っていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ティパ・パティ
魅惑のイケメンボイス…
凄く好きそ…じゃない、音楽に携わる者として
そう言われちゃ聴かない訳にはいかないよ…

でもただ聴くだけじゃ負けちゃう
ならばどうするか!
それを共に、自分のものにもするしかないよね!絶対!

そんな確固たる信念と期待と昂揚のまま、
ゴリラを追い、共に歌い、ギターを奏でるよ。
共演者に心奪われて下手こくなんて、する訳にはいかない。
逆に素晴らしい程、ガッツにプライドに喜びにガンガン燃料貰える筈!
そしてゴリラにも認めて貰えるよう、しっかり合わせ追いついてみせるよ!

そしてそこまでセッション出来たなら
…分かってくれるよね?
一緒に帰ろう?



「魅惑のイケメンボイス……」
 揺らめく金と緑の髪を風に遊ばせながら草原を行くキマイラの女性、ティパ・パティ(キマイラのサウンドソルジャー・f06496)はゴリラを前に昂りを抑えられなかった。
 音楽に携わる者として、そう、例え、未だ自分が開設三月にも満たない駆け出しチャンネルの演奏者でしかないとしても、
 胸の奥から湧き上がるこのワクワク感だけは本物だ。

「そう言われちゃ……聴かない訳にはいかないよ…!」

 ティパは流れる様な動きで胸元からギターのピックを引き抜くと、疾走感溢れるビートを奏で出した。
「ウッホ、ウホホホ! ウッホ」
「ウッホウホホ、ウホ、ホァー! ドゴゴゴゴゴゴゴ!」
 眼前を行くゴリラ達がドラミングをしながら絶妙なアンサンブルを奏でてくる!
 ただ聴いているだけでは飲まれるのは時間の問題だ。
 でも、抵抗はしない。
 共演者に心奪われて下手こくなんて、する訳にはいかない!
 
 ギターを弦を抑える手の力が抜ける。
 鼓膜をこれでもかと震わせる魔悦の音域が全てを捨てて身を任せろよと囁いてくる。
 額に汗を浮かべながら、それでもティパは声を上げた。
 
 ゴリラ達の中低音に絶妙に絡み合うメゾソプラノが草原を駆け抜ける!
 思わず周囲のゴリラ達の視線がティパに集まる。
 その歩みが……止まった。
 
 ティパとゴリラ達の合唱がフィナーレを迎えた。
 この瞬間、ここにゴリラアンサンブルは完成したのである。

 髪を搔き上げ額の汗を拭ったティパがゴリラ達に振り返る。
 「…分かってくれたよね? 一緒に帰ろう?」
 
 セッションとは、魂の共演
 そこに、種族の差は存在しないのだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

マロン・チェスナット
【SPD】
最初は動物たちと心を通わせて、穏やかに連れ戻そうと試みる
タンバリン(獣奏器)を叩いて愉しそうに踊る(楽器演奏1、おびき寄せ1)
音楽は万国共通、性別も種族も関係ない分かち合えると思ってる
「ゴリラさんたち、こっちにおいで、一緒に踊ろう」(動物と話す)
上手くいったらそのまま踊りながら行進して連れ帰る

上手くいかなかったら
人が穏便に済ませようと思っていたのに
「もう手段はえらばない」
ユーベルコードのライオンライドを使用して
黄金のライオンに騎乗して追い込んで連れ戻す

気になったので聞いてみる
「ねぇ、キミたちはどこに行こうとしてるの?」
「この先に何があるの?」
「そうなんだ、戻る事は出来ないの?」



「ウホッホーホーホーホー!」
「ウホホッ! ウホッ!ウホッ!」
「ウッホウホ、ウホホッ!」
 まだまだゴリラ達の群れは尽きない。その目に見据えるのは果たして何か。
 空へと美声を響かせながら依然として彼らの足は止まらない。
 そこにタンバリンを搔き鳴らしながら現れたのはマロン・チェスナット(インフィニティポッシビリティ・f06620)。
「ウッホウホ、ウホホホッ、ウホッ!(ゴリラさんたち、こっちにおいで、一緒に踊ろう)」
「ウホッ!?」
 その時ゴリラ達に衝撃走る!!
 それはそうだろう、突然現れたリス尻尾の少年がリズムに誘う様に楽器を搔き鳴らしながらゴリラ語で踊りに誘って来たのだ。ビーストマスターの彼だからこそ出来る芸当である。
 
 ザワ……ザワ……

 瞬く間に周囲のゴリラ達が何事かとマロンの周りに集まってくる。
「ウホッ、ウホウホホッ(ねぇ、キミたちはどこに行こうとしてるの?)」
「ウッホ、ウホ……ウホッ!(わからない……でも呼ばれている気がする)」
「ウホッ? ウホホッ、ウホホッ(そうなんだ、この先に何があるの?)」

 ギラリと、ゴリラ達の目に炎が灯った。
 まるで空の彼方で待っている想い人に届けとばかりに一斉にドラミングを始める。

「「「ウッホーーーー!!!(女神!女神!女神!)」」」

「うわっ!?」
 その勢いたるやマロンの小さな身体ぐらいならば吹き飛ばしてしまいそうな程の風圧を伴う大音響!
「ウホッ! ウホッ! ウホッ!」
 まるで戦を始まりを告げるウォードラムの様だ。
 一頭のゴリラが堪えきれぬとばかりに地面をハンドスタンプ!
 それを合図に周囲のゴリラが一斉に駆け出した!
 砂煙を上げてゴリラ達が次々とマロンの横を走り抜けていく。
「わっ! ちょっ! あぁもう! せっかく人が穏便に済ませようと思っていたのに!」
 仕方ない……少し可哀想だが、斯くなる上は実力行使!
 マロンはタンバリンを一振り、呼び出した黄金のライオンに跨るとゴリラ達の群れを追い掛け、国境沿いに追い込んでいくのであった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

グァーネッツォ・リトゥルスムィス
オレは怒ってるんだ
ゴリラが何を思っているがわからないけれど、
お前達がいなくなって困る人達がいるんだ
何処かへ行くのならお互い納得する話し合いをしてからにしろ!

ゴリラが歌声と共に突っ込んで来るのなら
ゴリラと国民の明るい未来を思い浮かべて自らを鼓舞させ、
誘惑される前に壊していい物や地形を
グラウンドクラッシャーで先制攻撃して
破壊音で歌声を掻き消してみるぞ!
「人の話を聞けえええええええええええええええっ!!」

誘惑に打ち勝てたわからないが
その後はゴリラの突進を真っ向から武器で受け止め、
重傷与えない様に気をつけながらも
オレの自慢の怪力で引きずってでも国に連れ戻してみるぞ!
さあお前達、国に帰って話し合おうぞ!



 グァーネッツォ・リトゥルスムィス(超極の肉弾戦竜・f05124)は激怒した。
 必ず、かのゴリラ達を一匹残らず連れ戻さねばならぬと決意した。
 グァーネッツォにはゴリラの心がわからぬ。
 グァーネッツォは、ドワーフのバーバリアンである。心の赴くままに大地を駆け、強者との戦いを楽しみに暮して来た。けれども悪党の匂いに対しては、人一倍に敏感であった。
「お前達が何を思っているかはわからないけど、お前達がいなくなって困る人達がいるんだ! 何処かへ行くのならお互い納得する話し合いをしてからにしろ!」
「ウッホ! ウッホ!」
「ホァッ! ホァッ! ホァッ!」
「ウホッウホホウホッ!」
 ゴリラ達が一斉に魔性のボイスを放ってくる!
 迫り来る黒の大群を前に、グァーネッツォは仁王立ちのまま竜骨ナチュラルアックスを担いだ。
 だがその目はゴリラ達を見ていない、彼女の脳裏に浮かぶのはゴリラ国の国民、しいてはゴリラ達の明るい未来!
 その為には、心を鬼にして制裁を下す事も必要なのだ!

「人の話を聞けえええええええええええええええっ!!」

 轟音。
 ゴリラ達がとの距離があと数メートルまで迫ろうとしたその時、グァーネッツォの振り下ろした戦斧の一撃が草原を穿った。
 イケメンボイス何するものぞ。つまりはそれを上回る大音響+物理的に声を出させない様にしてしまえば誘惑される事もない。
 濛々と立ち込める砂煙が風に流され、視界が開けたその先に見えた物は隕石でも降ってきたのかと言わんばかりの巨大なクレーター……と、その縁でクレーターの底を覗き込んでいるゴリラ達。
  
 グァーネッツォは再びナチュラルアックスを担いだ。
「さあお前達、国に帰って話し合おうぞ!」
 気の所為か、ゴリラ達の背筋がシャキッと伸びた気がした。
 命は大事に。それは、ゴリラも同じ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

唐木・蒼
ゴリラかぁ…戦り応えはありそうね。ちょっと挑んでみましょう。
【POW】
まず美声対策ね。群れの真っ正面で待ち構えて、気合で焔を纏いながら対抗するようにUCで吠える!攻撃目的じゃなくただ聴かせる、又は相殺するって感じで。あと女の子の誘惑も効いてたみたいだから、オスの群れならこの露出が多い衣装も気を引けたりしないかなー?
注意を引けたら構えて戦いを望んでるのをアピール。野生動物って基本弱肉強食だと思うから、真正面から殴り合えばきっとわかり合えるはずよね!
素手でバトル、狙うは人体と同じく急所の顎。1回止まればちょっとは冷静になるかもだし、気絶もやむなし!終わったら引き連れて戻っていきましょう。


ゾーク・ディナイアル
「キャハハ、ゴリラなんかに負けないぞ!」

☆戦術
SPD勝負
妖剣解放を使って高速移動しながら、斬撃の衝撃波でゴリラを追い立てていくよ。
「ほらコッチだよコッチ!」
基本的には当てないつもりだけど、あんまりにも聞かん坊なら当てるのも止むなしだね。
本当は手足を斬り飛ばしちゃうのが楽なんだけどなぁ。
「でもあんまり虐めたらゴリラさん可哀想だしなぁ」

ゴリラの美声には抵抗するつもりだけど、僕は心が不安定だから負けちゃうかも知れないね。
まぁ負けて発情雌になっても殺される訳じゃないから、ゴリラの好きにされちゃおうか。
「やっぱりゴリラには勝てなかったよ…」



「キャハッ! 良かった〜ボクの分はまだ残ってるみたいだぁ!」

 それは狂気じみた甲高い喜悦の音。
 まるで前々から目を付けていたバーゲンセールに遅刻してしまった、とでも言うような声音と共にゴリラの群れに真横から突撃を仕掛けたものがいる。
 刀身から青白い妖気を噴き上がる片刃の妖剣、《ガディス》を振りかぶりながら猛スピードで大地を駆ける軍服のエルフ、ゾーク・ディナイアル(強化エルフ兵の出来損ない・f11288)である。

 ーー嗚呼よかった、間に合ってよかった。
 ーーせっかく久々に動く玩具が沢山いるというのに、自分だけ遊べないというのはつまらない
 ーーそう、自分だけ……自分だけ?

「キャハハハ! ほぉらどこ見てんだよ! コッチだよコッチ!」

 妖剣の殺戮衝動を解放し、抜き放った斬撃をゴリラ達に放つ!
「ウホッ!?」
「ウホーーー!!!」
「ウ、ウウホ……ウホッ!?」
 いきなり大地にクレーターが出来たと思ったら今度は謎の斬撃が襲ってくるのだ。 群れは瞬く間に蜂の巣をつついた様な大混乱に陥った。
「キャハハハ! サイッコー! ほら、もっと踊って声を聴かせてよ!」
 流石に本当に斬ってしまってはマズい。ゾークは恍惚とした表情を浮かべながらゴリラ達に当たらないギリギリの距離で斬撃を放ち続けた。

 しかし、そう長くは続かない。

「あれ?」
 刀を握る手に徐々に力が入らなくなってくる。
 ゴリラ達で遊んでいる間にいつのまにかゴリラボイスを身体の芯まで浴びてしまっていたのだ。
「しまった……やっぱりゴリラには勝てなかったよ…」
 彼女の手から妖剣が離れ、地面に突き刺さろうとした正にその時

「ーーーーッ!!!!!」

 突風の如く草を揺らし、ゾークとゴリラ達の間を駆け抜けたのは唐木・蒼(喰らい砕くはこの拳・f10361)のユーベルコード【咆哮衝撃(ハウリングインパクト)】である。
「ホッ、ホァーーーー!!(ドゴゴゴゴゴゴ)」
「ホァッ! ホァッ! ホァタァ!」
「ウホッ! ウホホァーーー!」
 流石のゴリラ達も大音響に耳がおかしくなってしまったのか、フラフラしながらも興奮して一斉にドラミングを始める。
 蒼は、フラ付くゴリラ達を眼前に捉えると、キャッチャーミットよろしく両の拳と掌を打ち合わせる。
「さてゴリラさん、そろそろ鬱憤溜まってきたんじゃない? 私なら素手でお相手してあげるよ!」
 アピールする様にシャドーボクシングを繰り出す蒼。
 対し、ゴリラ達の群れを掻き分けて出てきたのは……
「ウホ……ウホッ、ゥホッホ(どけ……俺がやる)」
「ウホッ? ………ウホッ!!?(ん?……ぼ、ボス!?」
「ウホホッ! ホァーー!(ボスだ! ボスが起きたぞ!)」
 頭に一際立派なコブを持つ大柄なゴリラであった。
 
 そう、何となくお忘れかもしれないが、この国ではゴリラは神聖な存在なのだ。
 
 勿論、間違えてもライオンに乗って追い回したり、刃物で脅かして楽しんだりしてはいけない。
 流石にこれはゴリラもゴリおこである。

 草原を、無駄に西部劇の決闘シーンを思わせる乾風が吹いた。

 ゴリラが飛び上がると大上段から蒼に拳を振り下ろしてきた!
 ゴリラの握力は実に500kg! 
 まともに食らえば如何に猟兵と言えど無事ではいられまい。
 
 しかし、その時蒼は既にゴリラの懐に飛び込んでいた。
 最小限の動きでゴリラの拳を避けると顎めがけてアッパーカットを繰り出す!

 「ウッ……ウッ……ホッ………」
 蒼の背後で、白目をむいたボスゴリラが、ゆっくりと、仰向けに倒れた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 冒険 『ゴリラモドキ』

POW   :    力ずくで止める

SPD   :    罠を仕掛けてみる

WIZ   :    意思の疎通を図る

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●学名;ゴリラ・ゴリラ・ゴリラ

猟兵達の活躍によって粗方のゴリラは連れ戻す事が出来た。
しかし、まだ全てではない。
先頭を切って走っていた足の速いゴリラ集団は既に森の中へと姿を消していた。
遅れた森に入った猟兵達の耳に、木々の間を反響するゴリラ達の声が響いてくる。
「ウホッ、ウホッホ!」
「ホッホー!、ウホウホ!」
「ゴリッ、ゴリッ、ゴリリッ!」
「ウホ、ウホホッ!」

待って今なんか変なのいた。
しかもなんか今日一番のイケメンボイスだった。

どうやらゴリラ達を扇動している別の何者かがいる事は間違いなさそうだ。
探し出してゴリラ達から引き離さなければならない。
ヒバゴン・シルバーバック
アドリブアレンジ絡み可。使用は【POW】
ヒバゴン・シルバーバックは走っていた。新年早々ゴリラを巡る事件が次々に起きている。森の事件はゴリラを巡る事件であり、ゴリラを巡る事件は森を巡る事件である。ゴリラ型のロボット、ウォーマシンのバーバリアンであるヒバゴンは胸に使命の炎を燃やして大脱走を試みるゴリラたちを捉えようとする。
「ちょっと待つウホ!」
咄嗟に腕を掴んだ類人猿はゴリラではなかった。ゴリラもどき、というのはゴリラの傲慢だがそもゴリラじゃないならなんだというのだ!
「お前さてはゴリラじゃないウホね!」
ヒバゴンはユーベルコードで分身すると、もどきたちを捕まえにかかった。
「いいからこっちに来るウホ!」



 ガションガションガションガション
 深緑の森に響く重厚さを内包しながらも軽快な機械の駆動音はゴリラ型ウォーマシン、ヒバゴン・シルバーバック(ゴリラ型ロボット・f07349)の走る音だ。

「うおおおおおおーーー!ちょっと待つウホオオーーー!!」

 新年早々ゴリラを巡る事件が次々に起きている!
 森の事件はゴリラを巡る事件であり、ゴリラを巡る事件は森を巡る事件である!
 見逃す訳にはいかない、ゴリラ型ウォーマシンとして!!
 ヒバゴンは使命に燃えていた!

 しかし、流石にトップクラスのゴリラ達!そう簡単に捕まってはくれない!
「ウッホォーーー!」
「ウッホォーーー!!」
「ウッホォーーーー!!!」
 只鳴くだけだった草原ゴリラと違い、彼らは他のゴリラ達に音程を合わせ、絶妙なハーモニーを奏でてくる!
 頭部に組み込まれた集音マイクを通じてヒバゴンのCPUに衝撃が走った!
 くっ……悔しい!耳が幸せ……!
 あぁっと!足を動かすスピードが遅くなってきたぞ!頑張れヒバゴン!
 地形が森に変わった事も大きいだろう。ゴリラ達は太い枝を巧みに使い、地面を走るだけでない立体的な挙動で森の奥地を目指していく!

「くっ、こんなときはふたプーだ!」

 しかし!思わず膝を付いてしまった彼の影から飛び出したもう一人のヒバゴンが最後尾のゴリラの足をジャンピングキャッチ!
 ゴリラ諸共地面に顔面ダイブをキメた!ナイストライ!

「ふぅ……やっと捕まえたウホ。いいからこっちに来るウホ!」

 ………🦍?
 …………🦍🦍?
 ……………🦍🦍🦍?

 そう、今、彼が足を掴んだゴリラは、ゴリラではなかった。
 否、姿はゴリラである。
 しかし、小さくて近くでよくよく見ないと解らなかったが、これは違う。
 少なくともゴリラは、頭に羽など生えてはいない。

「お前さてはゴリラじゃないウホね!」

 コイツは一体……何だ!?

苦戦 🔵​🔴​🔴​

グァーネッツォ・リトゥルスムィス
ええ……すっげえイケメンボイスなのに、ゴリゴリって演技下手すぎだろ……
だがゴリラ達を扇動した元凶だから気をつけないとな

ゴリラモドキや残りのゴリラ達も誘惑してきそうだし、
今度はオレが追う側だから待ち伏せ以外の方法で対処しないと
というわけで、アースジャイアントで大地の巨人を召喚
オレと、動きをトレースさせた大地巨人のダブル大音量ドラミングをしながら全力疾走で追いかけるぞ!
変な姿だろうけどゴリラ達を助ける為なら恥なぞ捨てる!

ゴリラモドキに追いつけたらゴリラを扇動させる声を出させない様
口を塞いでみる
噛まれたくないから大地巨人で徹底的に!
「このやろー!観念しやがれー!!」
事情は地面に書いて説明しろ!



●羽ゴリラ?

「ゴリッ!ゴリゴリッ!ゴリーッ!」
「ウホッ!ウホウホッ!ウホーッ!」
「ホァーーーーッ!ドゴゴゴゴゴ!」

 よし!何か鳴き声がゴリゴリ言ってるやつはゴリラじゃないっぽいぞ!
 ゴリラを追う猟兵達にもそんな空気が広がり始める中、グァーネッツォ・リトゥルスムィス(超極の肉弾戦竜・f05124)は複雑な心境であった。
(ええ……すっげえイケメンボイスなのに、ゴリゴリって演技下手すぎだろ……)

 って言うか解かれよ!?おかしいだろ!?
 なんで鳴き声がゴリなんだよ!?

 そもそも現時点ではこれが魔獣の類なのか新種のゴリラなのかも解らないが、ともあれ一つだけ確定した事がある。
 ゴリラ達を扇動し、この大脱走劇を引き起こしたのは、奴らで間違いない。
「なんか知らんが、そんだけ解かりゃあ充分だ!」
 言うと同時、グァーネッツォの背後の地面が盛り上がると巨大な人形を形作った。
 絡み付く樹々の根を強引に引き剥がしながらグァーネッツォを追って走り出す土塊の巨人。

「ゴリリッ!?」
 先頭を行く羽ゴリラが何事かと此方を振り返る。
 目が皿の様に見開かれた。

「へっ、掛かったな?やる事がワンパターンなんだよ!」
 声さえ聞かなければ大丈夫な所は先程と一緒だ。ならば今回も先手必勝!
 グァーネッツォは走りながらドラミングを始めた!
 だが何という事か!分厚い胸部クッションがポヨポヨとリズミカルに弾むだけで全く音が出ない!
 しかし、そこは背後の巨人がカバーしてくれた。
 グァーネッツォとリンクした動きで胸を打ち鳴らすその大音響は地面をハンマーで殴り付けているような迫力の重低音だ。
 ゴリラ達が鳴き声を上げている様だがよく聞こえない。

「このやろー!観念しやがれー!!」

 飛び回るゴリラ達との距離は後少し。
 背後の巨人が腕を伸ばし羽ゴリラを抑えにかかった!
「ゴリーッ!ゴモッ!ムゴーー!」
 巨人に口を抑えられ暴れる羽ゴリラ!

「よーし、事情は向こうでゆっくり聞かせてもらおうか」

 ゴリラ筆談タイムの始まりである。

成功 🔵​🔵​🔴​

ゾーク・ディナイアル

「え、こっからどうすれば良いの?え?え?えーー!?」

☆戦術?
SPD勝負…かな?
ゴリボイスにヤられちゃっててるボクに何が出来るか分からないけど、挑発して誘き寄せるくらいは出来るよね、ね!
「ゴリさんこっちら〜!」
お尻フリフリで挑発して、怒られたら『見切り』で回避して蹴りを入れて撃退!
「大事しなきゃイケナイんだって?でも蹴っちゃうんだなぁ、これが!」
そんなこんなしてればイケボで歌う怪しいゴリラを見つけちゃうよね、きっと。
「なんだコイツ?小さいし頭に羽ぇ?お前ぇぇ!ゴリラじゃないだろぉぉ!」
いきなりキレちゃうよね、だってゴリラじゃなきゃ壊して良い訳だし。
てな訳で咎力封じ食らわせて、妖剣を差しちゃう!


ヒバゴン・シルバーバック
使用は【POW】アドリブアレンジ絡み可
「この際お前が何かは横に置いておくウホ!とにかく片っ端から捕まえてやるウホ!」
ヒバゴンは捕まえたゴリラのような何かを縛り上げると細かいことは考えないことにして、引き続き捕獲作業を続けることにした!棚上げすべきことは棚上げする!流石はウォーマシン!機械の頭脳!賢いぞヒバゴン!
「本気出すウホー!」
ヒバゴンは分身と共に残りのゴリラ、のようなものたち迫る!今度は耳を塞ぎながら走っているから脱力はしない!
流石はウォーマシン!機械の頭脳!賢いぞヒバゴン!
「捕まえる瞬間だけ耳から手を離せばいいウホーーーー!」
頑張れヒバゴンズ!負けるなヒバゴンズ!



「え、こっからどうすれば良いの?え?え?えーー!?」
 ゾーク・ディナイアル(強化エルフ兵の出来損ない・f11288)は困惑していた。
 ゴリラボイスの余韻が抜けきらない耳。フラフラとした覚束ない足取り。
 それでもどうにかこうにか森を行く猟兵達に追いついた。
 しかしそこはゴリラ達が水を得た魚の様に暴れ回る大乱闘スマッシュゴリラステージだ!
「ウホッウホー!」
「ウホホッウホー!」
「ウホホホッウホー!」
ゴリラ達の美声が樹々に反射し、森全体に木霊する!

 ゾークは、困惑していた。
 その時、横を走り抜けるのは次なる羽ゴリラを追って全力疾走するゴリラ型ウォーマシン、ヒバゴン・シルバーバック(ゴリラ型ロボット・f07349)!
「そこのオマエなにしてるウホ!とっとと羽ゴリラを捕まえるウホ!」
 ゾークの切れ長の眼が怪訝そうに細まる。
「羽ゴリラぁ?なにそれ」
 ヒバゴンが背後の木をを指さした。先程彼が捕まえた羽ゴリラが樹にくくりつけられてグッタリしている!
「あれウホ!詳しくは知らんウホ!とにかく片っ端から捕まえれば良いウホ!お前も手伝うウホ!」
 どうやら細かいことは考えないことにした様だ!
 棚上げすべきことは棚上げする!
 流石はウォーマシン!機械の頭脳!賢いぞヒバゴン!
 テンションが上がってしまったのか、最早どちらがゴリラか解らないこのウォーマシンは新たな羽ゴリラを捕まえるべく走り去ってしまった!
 一人取り残されるゾーク。

 まぁ、確かに一理ある……よね?
 ーーーーん?羽ゴリラ?

 問:ゴリラに羽は生えていますか?
 解:いいえ

 問:ではあれはゴリラですか?
 解:いいえ

 問:ならば攻撃が許可されると思いますか?
 解:ーーーーーー

「良いに決まってんじゃんねぇ!?」

 ゾークのぼんやりとしたアンニュイな瞳に光が宿り、カッと皿の様に見開かれた。
 唇が亀裂の様に開き、笑みを形作る。
 目の前では二人に分裂したヒバゴンが新たな羽ゴリラに襲いかかっていた。

 ーーーーこのままでは置いていかれる。
 彼女は女豹の如く低い姿勢を取ると樹々の間を爆発的な加速で駆け抜け、ゴリラ達を追い始めた。元々過酷な任務に赴く事が多かった身だ。密林のゲリラ戦等馴れたものである。
 先回りする形でゴリラ集団の前方に躍り出ると自らのヒップを扇情的に振り、セックスアピール!
「ウホホッ!?」
「ゴリリッ!?」
「ホァチャアッ!?」
「ぅお前かぁーーーー!!!」
「ゴリリーーーーッ!!?」

 説明しよう!ゾークの尻に目を奪われた数匹のゴリラ+一匹の羽ゴリラにゾークがユーベルコード【咎力封じ】を放ち羽ゴリラを拘束したのだ!
 猿轡を噛まされ手枷を嵌められ地面に転がる羽ゴリラ!

「お前ぇぇ!お前さぁぁぁ!ゴリラじゃないだろぉぉ!って事はさぁぁ……お前なら壊していいって事だよねぇぇぇぇ!?」

 妖剣の刀身を舌でベロリとナメながら、ゾークは捉えたゴリラに近付いてった……

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ヒバゴン・シルバーバック
アドリブアレンジ可
「今思いついたウホが、タルコンガを打ち鳴らせばあの声もそんなに気にならないのでは?」
「それウホ!さっすが自分ウホ!これなら耳を塞がないから声がしたほうも追いかけられるウホ!」
ようやく音には音で対抗することを思いついた二匹(一人)。ドンドンドコドコと分身がタルコンガを叩いて羽ゴリラたちの声に抵抗し、真の姿になった本体が捕まえに行きます。頑張れヒバゴン!負けるなヒバゴン!今こそ本気を出す時だ!



「ゴリィィーーーーー!!」
「ゴ、ゴリ……ゴリリィィーーー!!」
 後ろから哀れな羽ゴリラの悲鳴が聞こえる中、尚もヒバゴン・シルバーバック(ゴリラ型ロボット・f07349)は走っていた。
 残ったゴリラの数も大分減ってきた。しかし、羽ゴリラが後どれだけいるのかは解らないし、そもそも羽ゴリラとは……?と言う疑問もある。
 しかし!それは取り敢えず後でいい!今はとにかく羽ゴリラをを全部捕まえるんだヒバゴン!
 隣を走るふたぷ―状態のヒバゴン。その名もヒバゴンMark2の頭上に電球マークが浮かび上がった!どうやら何か思い付いたようだ!
「今思いついたウホが、タルコンガを打ち鳴らせばあの声もそんなに気にならないのでは?」
「それウホ!さっすが自分ウホ!これなら耳を塞がないから声がしたほうも追いかけられるウホ!」
 ―――両方自分なのでこれ実質遠回しな自画自賛なのでは?

「こまけぇことは良いんだウホ!」 
 すかさず背負っていたタルコンガを取り出すヒバゴンMark2!
「ウッホー!ホホッホー!」
「ウッホ、ウホッ」
「ゴリリッ!」
 樹々の間を反響するイケゴリボイスがタルコンガの重低音に相殺される!
「今ウホ!うおおおおおおお自分の本気を見せてやるウホおおおお!!」
 そこに飛び出すのは黄金に輝くマントを纏ったヒバゴン本体だ!
「ゴリッ!?ゴリー!!」
 枝を伝ってターザンのごとく宙を舞ったヒバゴンが前を行く羽ゴリラの背中にドロップキックを叩き込んだ!

大成功 🔵​🔵​🔵​

春霞・遙
※遠くから眺めても不思議な光景ですね。
あと少しでゴリラを扇動してるゴリラっぽいものも全て捕まえられそうですしなんとかしましょう。

似非ゴリラの好きなものがゴリラと一緒かはわかりませんが、折り紙でバナナやリンゴやゴリラが好みそうなものをたくさん作って【仕掛け折り紙】で増やして興味を引いてみようと思います。
釣れれば国内へ誘導するし、釣れなければ操ってる折り紙を無理やり口に突っ込ませて詰め込んで歌えなくしたり驚かして足を止めさせる。
似非ゴリラが判別できたら足を狙って拳銃でスナイプ。

あまり歌手にのめり込むことはないんだけど、そんなにいい歌声だと耳に残るんだろうな。
ふんふんふーん



 数は減れど相変わらずスピードは落ちないゴリラ達。
 一体どこまで行くのだろうか。猟兵達の目にも遠くに森の終わりが見えてきていた。

(まぁ……遠くから眺めても不思議な光景ですね……)

 猟兵達の中に森の中ではやや異彩を放っている白衣姿の女性がいる。
 小走りでゴリラ達を追いながらも手元で紙を折り畳んでいる器用な事をしているのは春霞・遙(子供のお医者さん・f09880)だ。
 否、色から察するにこれは折り紙だろう。彼女の手の中で複雑な折り目が付けられていた黄色い紙が、今し方バナナへと変貌を遂げた。

「命を持たない紙の鳥、散らず褪せない紙の花、くるりくるり、舞い踊れ」

 祈りと共に宙に浮かび上がったバナナの折り紙が瞬く間に数十もの数に分裂すると、ふわふわと漂う様にゴリラ達の中に交じり出す。
「ウホッ!?❤️」
「ウッホ!?❤️❤️」
「ウホホーッ!?❤️❤️」
 たちまち目がハートマークになったゴリラ達がバナナ(の折り紙)に飛び付いた!
「おっ、釣れましたね。よーしよし、こっちだよー」
 遙はフィッシングルアーの如くバナナ(の折り紙)を操作してゴリラ達を自分達がやってきた方向へと誘導する。
「............ゴリ?」
 しかし、一匹だけバナナに目もくれず森の出口を目指していたゴリラがいた。その頭に僅かに見えるのは....小さな羽。
 気が付けば一匹もゴリラが付いてきていない事を不思議に思ったのだろうか。立ち止まって辺りを見回している。
「ゴリーーッ!?」
 森に訪れた刹那の静寂を破ったのは羽ゴリラの足を貫いた一発の銃声だった。
 硝煙をあげる拳銃を手に遙が羽ゴリラの前に姿を現わす。
「ゴメンね....お友達は返してもらわないといけないんだ」

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『ハーピー』

POW   :    エキドナブラッド
【伝説に語られる『魔獣の母』の血】に覚醒して【怒りと食欲をあらわにした怪物の形相】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD   :    ハーピーシャウト
【金切り声と羽ばたきに乗せて衝撃波】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    ハーピーズソング
【ハーピーの歌声】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


猟兵達に連れられ、残りのゴリラがゾロゾロと国へ帰ってゆく。
これでようやく全てのゴリラを取り戻すことが出来たようだ。
「ゴリ……ゴリリー……」
その様子を寂しげな目で見つめる羽ゴリラ達。

Pyueeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee!!!
次の瞬間、猟兵達の頭上に猛スピードで降りてくる人影があった。
猛禽類を思わせる巨大な鉤爪。
羽毛に覆われた四肢に風を打つ極彩色の翼。
可憐ささえ感じるであろうカナリヤの様なソプラノボイスはしかし、森全体を震わせるかの様な大音量によって、猟兵達の鼓膜を突き破らんばかりの不協和音と化していた。
「ゴ…ゴリッ? ゴリリリリー――!!(女神!女神!)」
「ゴリリリリー――!!(女神!女神!)」
「ゴリリリリリーーーー!!(女神!女神!)」

羽ゴリラ達が懇親の力で起き上がると一斉にドラミングを始めた。
まるで女神の降臨に湧き立つ民衆の様に。
しかし当の彼女はゴリラ達など眼中に無いとでも言うかのように獰猛な視線を向けてくる。

猟兵達は悟った。
こいつがゴリラ脱走事件の黒幕だと!
ナイ・ノイナイ
獣使いの俺とオブリビオン、どちらも我欲の為に獣を使っている時点で同罪かもしれないが……だからこそ、この数はちょっとやりすぎだと思うぞ

『ゴリラ達を解放しろ』と獣笛と【動物と話す】技能で抗議しつつ、【勇気】技能を出してハーピーに接近する。

ハーピーから攻撃を受けそうならば、【贄の義務】を発揮し、最も近くから無抵抗に受け止める事で後続の仲間を守りたい。
無差別攻撃をするユーベルコードもあるようだからな。羽ゴリラが巻き込まれそうならもちろん【かばう】さ

羽ゴリラに美声で邪魔をされそうなら【呪詛耐性】で耐える。



 ―――ハーピー。
 古くはハルピュイアとも呼ばれ、冥界の王の手下だったとも、竜巻を司る女神だったとも言われる女面鳥身の怪物である。
 その逸話の中でもっとも特徴的な面が……聞く者を魅了する魔性の歌声。
 宛ら酒場の歌姫に熱狂的な声援を送る聴衆の様に、羽ゴリラ達の興奮は最高潮に達している。
 しかし、普通のゴリラがいなくなった今だからこそ解る。
 羽ゴリラ達の熱狂は、やはり異常だ。
 ―――まるで何かに操られているかの様な……。
 ぼんやりと羽ゴリラ達を観察していたナイ・ノイナイ(幸いの鳥・f02501)は、ふとそんな印象を抱いた。
「獣使いの俺とオブリビオン、どちらも我欲の為に獣を使っている時点で同罪かもしれないが……だからこそ、この数はちょっとやりすぎだな」
 彼は懐から獣笛を取り出すとゴリラ達の解放を求める意思を込めた曲を吹きながら、ゆっくりとハーピーへと近付いて行く。
「ゴッ、ゴリッ?」
「ゴリッ……」
「ゴリゴリ……」
 騒いでいた羽ゴリラ達が音色に気付くと徐々にテンションが落ち着いていく。
「kuッ!?pyueeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee!!!!」
 その様子に激昂したのはハーピーだ。
 まるで自分以外の事に囚われるのは許さないとでも言うかのように大きく羽を広げると、天に向かって再び金切り声を上げた。
 
 ―――しかし、ナイの笛の音色が周りに被害を出すことを許さない。

「俺の役目だ。覚悟はできている」
 ハーピーの放った衝撃波が森の樹々を激しく揺らし、その風に舞い散るのはナイの髪から散った花だ。
 獣笛が奏でる解放の音色が今、ハーピーの咆哮をシャットアウトしていた。
 

成功 🔵​🔵​🔴​

フィロメーラ・アステール
待たせたなー、ゴリラを導く流れ星が……って?
普通のゴリラがもう帰ってる!? 遅かった!
「っていうか、なんなんだこの騒ぎは!」
えーい、この敵が騒ぎの元凶ってわけだな!?

とりあえず【おわりを印す天の客星】を発動するぜ!
【全力魔法】で召喚した終焉の星から、沈静の魔力と強化解除の輝きを放つ!
興奮した羽ゴリラたちを沈静化し、敵の歌の強化も打ち消すぞ!
敵もだいぶハッスルしてるみたいだし【気合い】を入れて対抗だ!

……という勝負を仕掛ければ、きっと敵は歌に集中して隙ができる!
そしたら召喚した星とは別行動を取って、直接攻撃するぞ!
【残像】の速度で突っ込んで【踏みつけ】キックをお見舞いだ!



 ―――時刻はほんの少しだけ遡る。
 フィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)は謎のゴリラ集団失踪事件を追っていた!情報ではもうすぐゴリラの群れに追い付くはずだ!
 おっと、前方にゴリラの群れが見えてきたぞ!?
「待たせたなー、ゴリラを導く流れ星がやってきたぜー!」
 だがしかし、何かがおかしい。
 何故か、追いかけている筈のゴリラが此方に向かってくるからだ!
 ゴリラ達はゾロゾロとフィロメーラとすれ違うと、来た道を戻っていく。
「……これは……もしかしなくても……普通のゴリラがもう帰ってる!? 遅かった!」
 見ればゴリラ達の列の最後尾では、既にハーピーと猟兵達の戦いが始まっている様だ。
 慌てて戦列に合流するフィロメーラ。
 衝撃波を防がれたハーピーは苛立たしげに目を見開くと流麗なソプラノボイスで歌い出した。
 再び熱狂の渦に沈む羽ゴリラ軍団!
「っていうか、なんなんだこの騒ぎは!えーい、とにかくコイツが騒ぎの元凶ってわけだな!?ってなわけでコイツをくらえぇーーい!」
「ゴッ、ゴリリッ!?」
「ゴリッ、ゴリリッ!?」
「ゴリリッ、ゴリリッ!?」
 なにやらヤケクソ気味のフィロメーラが召喚したのは黄金に輝くファンシーな五芒星、【終焉を告げる星】の霊である。
 激しくスピンしながら空に舞い上がった星の霊は、日の傾き始めた薄暗い森を眩い光で照らしてくる。
「「「ゴリー………」」」
 興奮状態の羽ゴリラ達の目が、瞬く間に眠そうに細められる。
 それにまたしてもビックリしたのはハーピーである。
 羽ゴリラ達の周りを飛び回りながら懸命に歌い続けるが一向に効果が現れない様だ。
 猟兵達の事すら一瞬忘れているかの様だが、その隙を見逃すフィロメーラではない。
「隙有りィィィ―――!スーパー! 流れ星!! キーーーック!!!」
 弩の矢かと見紛う速度で突撃した必殺キックが、ハーピーの横っ面を直撃した。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​

ゾーク・ディナイアル


ハーピー!コイツが犯人だったって訳かぁ!
ならコイツをヤっちゃえば万事解決だねぇ!

☆戦術
SPD勝負
UC【ハルシオン起動】で試作人型魔導騎士ハルシオンに搭乗して戦うよ。
「空ならコッチも飛べるんだよねぇぇ!」
スラスターを吹かせ飛翔し、巧みな『騎乗・操縦』技術で高機動『空中戦』をしながら敵の攻撃を『野生の勘』で『見切り』躱して、ハイ・ビームライフルを『クイックドロウ』で『二回攻撃』して乱射したり、接近して『怪力』機構でビームサーベルを振るい『カウンター』で斬り裂いたり、ビームサーベルを突き刺して『傷口を抉る』ように焼き切り敵を撃墜する。
「跡形も無く蒸発させてあげるよぉ!キャハハハハ!」
※アドリブ歓迎


グァーネッツォ・リトゥルスムィス
黒幕のお出ましか
羽ゴリラ達には申し訳ないが、ゴリラと国のためにもハーピーをぶっ飛ばすぜ!

ずっと召喚しっ放しだった大地の巨人と『大地との友情合体』するぜ
「大地は森を育み、森は強く猛るゴリラを生むウホ!」
ゴリラロボに変形し、羽ゴリラやハーピーの美声に負けないドラミングや叫び声で誘惑に対抗するウホ

ハーピーがエキドナブラッドで戦闘能力を爆発的に増大させたら
代償の寿命削りによる自滅を狙って森の木々に急いで登って
ジャンプや空中戦、森での戦闘知識でゴリラのように立体的に動き回り
時間稼ぎするウホ
「鳥さんこちら、手の鳴るほうウホ♪」
人の言葉がわかるがわからないが、煽り言葉による挑発も加えておくウホ


春霞・遙

ゴリラを国外に連れて行こうとした目的はよくわかりませんが、ハーピーを倒せば一件落着なわけですかね。でも、羽ゴリラたちはどうなるんでしょう?

「援護射撃」や回復などで周囲の支援をします。
戦闘に加わってきそうな羽ゴリラを牽制したり、ハーピーの攻撃の邪魔をしたり。
もしこちらに攻撃してくるようなら回避か、直接攻撃してくるようなら「零距離射撃」でばんっ。

歌声が素晴らしいのはわかりましたが、なんでもしていいわけではないですよ。



 顔面にキックが直撃し吹き飛ばされたハーピーが森の中を飛んでいく。
 樹々を薙ぎ倒しながら数十メートルを後退した女面の怪物は、崖に突っ込んでようやく止まった。
 後に残ったのは濛々と立ち込める砂煙と無残になぎ倒された森の樹々。
 そして、呆然とそれを見つめる羽ゴリラ達であった。

 ―――やったか?

 その場に居合わせた猟兵達の誰もが一瞬そう思った……その時!
 
 Gyaaaaaaaaooooooaaaaaaaa!!!!

 森全体を激しい突風が吹き荒れ、鼓膜を突き破らんばかりの怒りの咆哮が猟兵達を襲った。
 先程までの、不快な音色ではあったものの何処か歌うような流麗さがあった鳴き声とは明らかに違う。
 これは……最早只ひたすらに憎悪と怨嗟を撒き散らす慟哭であった。
 程なく土煙の中から【バケモノ】が姿を見せる。
 人間であれば可憐な容姿と言ってよかったであろう女面は、今や右半分を血で染め上げ、鋭い乱杭歯を備えた大きな顎によって最早凄惨さしか演出できない。
 そこに相対するのは3人の猟兵達。ゾーク・ディナイアル(強化エルフ兵の出来損ない・f11288)、グァーネッツォ・リトゥルスムィス(超極の肉弾戦竜・f05124)、春霞・遙(子供のお医者さん・f09880)の三人である。
「キャハ、怒っちゃったかなぁ?でもコイツをヤっちゃえば万事解決だねぇ!」
「あぁ、羽ゴリラ達には申し訳ないが、ゴリラと国のためにもぶっ飛ばしてやるぜ!」
「気を付けて下さいね…どうやら完全に戦闘態勢になってしまったようですから」
 
 Gyaoooooooooooooo!!!

「ゴガッ!?ゴ、ゴリ……」
「ゴリィッ……!」
「ゴ、ゴリィィィィ―――!!」
 ハーピーが羽根の一本一本がハリネズミの如く尖った翼を広げると全方位に衝撃波を放ってきた!
 樹々を根本から揺らす程の突風が、猟兵達のみならず羽ゴリラ達にも容赦なく襲いかかる!
 それが―――開戦の合図となった。


「大地は森を育み、森は強く猛るゴリラを生むウホ!」
 グァーネッツォの背後に控えていた大地の巨人の胴体が変形し、彼女を取り込むと黄金色の装甲を纏ったゴリラ型メカへと変化した。
 これぞゴリラ合体アースフレンズフュージョンである!
 しかし、目指す敵は今空の上だ。遙の様に銃でもあれば話は別だが、このままでは石でも投げるしか無い。
「フフフ、慌てない慌てない。今のオレはゴリラそのもの!飛べないなら登れば良いウホ!」
 グァーネッツォゴリラロボは手近な太い樹に狙いを定めると、立体的な動きで軽快に樹を登っていくのだった。
 一方上空では―――ゾークとハーピーの激闘が繰り広げられていた。
 猛スピードで撹乱するように飛び回りながら衝撃波と超音波で攻撃してくる女面の怪物に対し、巨大ロボ【試作人型魔導騎士ハルシオン】に搭乗し、ビームライフルとビームサーベルで応戦するゾーク。
 その合間を縫って地上から拳銃による援護射撃を行っているのは遙だ。
 彼女は片手で先程の衝撃波で怪我をした羽ゴリラ達を治療しながら、上空の援護も行うと言う離れ業をやってのけていた。
「ゴリリリリ……」
(そう言えば……ハーピーを倒せば依頼としては一件落着ですけど……羽ゴリラたちはどうなるんでしょう?)
 何とか彼らの居場所も作る事は出来ないのだろうか……
 そんな考えがふと頭を過ったその時、上空にハーピーの悲鳴が響き渡った。
 すれ違いざま、ハルシオンの持つビームサーベルがハーピーの腹部を串刺しにしたのだ。
「跡形も無く蒸発させてあげるよぉ!キャハハハハ!」
 サーベルの出力をあげ胴体を焼き切ろうとするゾークに対し、ピンで止められた昆虫標本めいて藻掻いていたハーピーが、脚の巨大な鉤爪でハルシオンの腕を握り潰した!そのまま地面目掛けて思いっきり叩き落とそうとする!
「ぐぅぅぅゥゥっ!!」
 全身にかかる強烈なGに歯を食いしばるゾーク!
 
 ―――その時、急激に高度を落としたハルシオン目掛けて飛んでくる影があった。

「アイ・キャン・フラァァーーーーァイウホ!!」
 黄金色に輝くゴリラ型ロボ。グァーネッツォである。
 樹を伝って森の上に出ることに成功した彼女は、必殺の一撃が叩き込める位置に身を潜めていたのだ。
 彼女は落下途中のハルシオンを足場に更に高く飛び、遂にハーピーの真上に辿り着いた。
「鳥さんこちら、手の鳴るほうウホ♪」
 背後からの声にスローモーションがかかったようにゆっくり振り向くハーピー。
 目が合った瞬間―――全体重を載せたゴリラパンチが突き刺さったままのビームサーベルの柄へと叩き込まれた。

 ―――遙は、墜落したハーピーにゆっくりと近づいて行く。
 既に動くことは出来ないだろう。羽根が端からどんどん抜け落ちていき、風に乗って消えてゆく。
 ハーピーの額に拳銃を当てた。
「歌声が素晴らしいのはわかりましたが、なんでもしていいわけではないですよ」
 一発の乾いた銃声が森に響き渡り、渡り鳥の群れが一斉に飛び立った。

 
 ―――こうして、イケボゴリラ大脱走事件は幕を閉じた。
 羽ゴリラ達はあの森に留まることになった。これからは穏やかに過ごせることだろう。
 しかし、後日王国に連れ帰ったゴリラ達の中にも、数匹の羽ゴリラが紛れていたことが判明した。
 羽ゴリラとは一体何なのか……それは誰にも解らない。
 あなたも今度何処かでゴリラを見かけたら、頭をよくよく観察してみることだ。
 もし、頭に小さな翼が生えていたとしたら………それは羽ゴリラかもしれない。

「ゴリリッ!」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年04月20日


挿絵イラスト