アルダワ魔王戦争2-D〜冷たくて甘い災魔の罠~
●お前がアイスになるんだよ
「ふふふ……ようやく完成したわ!」
蒸気の力で稼働するベルトコンベアによる振動が響き渡る空間で、災魔が誇らしげな笑みを浮かべる。
「他のアイス屋の魔女に負けないように生み出したこの魔法……それに、あいつらも排除できる。まさに一石二鳥じゃない」
己の欲望と、戦いと。2つの道を束ねて歩むには並々ならぬ努力があったのだろう。しかし、それ故に魔法のポテンシャルは膨大だった。
ベルトコンベアの先には、よく見る生物にとても似ている姿をしたアイスが転がっている……そう、そのアイスはつい先ほどまで生きていたもの。魔法の力で生物を形そのままにアイスへと変えてしまったのだ。
「ちょっとだけ、味見……してみましょうか」
魔法で生み出したアイスをペロリと舐める。口の中に広がるフレーバー特有の香りと、身体の奥まで染み渡る冷たさと甘さに災魔はその顔を緩ませた。
甘くとろける魔法は、微かに危険な香りとなり、猟兵たちの妨げとなる――。
●グリモアベース
「新たなダンジョンを予知しました。出動できる方はいらっしゃいますか?」
リーチャ・コッコ(ド天然系転校生・f12575)が、猟兵たちに声をかけていく。ダンジョン、すなわちアルダワ魔法学園の話とあり、興味のある者が次々と集まっていた。
「蒸気の力で稼働するベルトコンベアで構成されたダンジョンですわ」
多層構造で張り巡らされたベルトコンベアは、それぞれ進む方向や速度が違う。その場にいるものが全て移動しながらの戦いを余儀なくされる。
「そして皆さまには、同じくベルトコンベアで移動する災魔と戦って頂くことになります」
ダンジョンが全てベルトコンベアで構成されているため、災魔も同じく常に移動することとなる。ベルトコンベアを上手く乗り継いで行けば有利な立ち位置を取れるかもしれない。
しかし、一歩間違えれば簡単に背後を取られてしまうこともある。ベルトコンベアの使い方で大きく戦局が左右される。それが今回のダンジョンだ。
「それと、災魔ですが。皆さまをアイスに変えてしまう魔法を使い、動きを封じることが得意な災魔のようですわね」
動きが取れなくなれば隙ができるだけでなく、ベルトコンベアに流されてしまったりと、不利な状況になる。地形にあった拘束が得意の災魔。厄介な相手であることは間違いない。
「ですが、皆さまであればきっと大丈夫だと信じていますわ。ええ、きっと」
リーチャはそれでもダンジョンに挑もうとする猟兵たちを笑顔で見送る。甘く香る危険な戦いの先に、勝利の輝きがあることを信じて――。
えんぷ茶
オープニングを読んで頂きましてありがとうございました。えんぷ茶です。
本シナリオはアルダワ魔王戦争に関連するシナリオ(ボス戦)となっております。
●本シナリオの目的
ベルトコンベアで移動する災魔を倒し、ダンジョンを突破すること。
●攻略のポイント
ベルトコンベアをうまく利用することが何より大切になります。
敵も味方も移動し続ける戦闘となりますので、有利な位置を取る為にはベルトコンベアを乗り継いで移動し続ける必要があります。
●オブリビオンについて
今回の災魔「アイスメーカー『キャンベル』」は、気に入った相手を魔法でアイスに変えてコレクションするアイス屋の魔女の一人です。
ベルトコンベアをうまく利用することができなかったりするとユーベルコードを使用されてしまい、甘美な味わいが特徴のアイスに変えられてしまいます。
また、アイスのフレーバーは様々なようです。
●プレイング受付時期について
私的なスケジュールの都合で申し訳ございませんが、
2020/02/07(金)頃から受付とさせてください。
9日、10日の2日間で可能な限り執筆いたします。
第1章 ボス戦
『アイスメーカー『キャンベル』』
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POW : 甘美な味見と『ユーベルデコレーション』
戦闘中に食べた【魔法でアイスに変えた対象】の量と質に応じて【対象の能力とユーベルコードを習得し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
SPD : 『アイスキャンディ・ストライク』でアイスになぁれ
【戦場に氷の足場を生成し高速滑走で攪乱して】から【対象の足元や尻にサイズ自在のアイス棒】を放ち、【棒のサイズに応じたアイスキャンディ化】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ : 『アイスファクトリー』美味しいアイス出来上がれ♪
戦場全体に、【出口で彼女が操作する、猟兵アイス製造工場】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
イラスト:汐谷
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠ポーラリア・ベル」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
四王天・燦
こっちこそ精気を喰ってやる
四王稲荷符を投げ呪詛で攻撃。
神鳴で威嚇し近づけない。
滑走から逃げるコンベアにジャンプし逃げ足で距離を取り、遠距離戦に持ち込もうと見せかける
本命は真威解放・デストラップで複製・操作する鋼糸。
罠使いで戦場に張り巡らせる。
キャンベルのいるコンベアや滑走コース上に罠を張り迎え撃つ。
搦めたら接近して接吻し生命力吸収で吸精
「え?」
油断から足を滑らせ、服を脱がされアイス棒をお尻に放たれ。
「ひぐっ!棒が…大きくなって、体が、裂ける!」
恐怖に塩味の黄金シロップを流しながらキャンディ化。
シロップごと舐められ甘い蜜も溢れる。
(ひぅ、棒の付け根…舐められ。ひいい、体から何か、出る!)
単独希望
このダンジョンを支配するアイスメーカー『キャンベル』と、その道の全てを埋め尽くすコンベアを目にする猟兵たち。
最初に動いたのは四王天・燦(月夜の翼・f04448)だった。
「こっちこそ精気を喰ってやる」
燦はお手製の霊符で威嚇しながらコンベアを進む。
コンベアを乗り継ぎ、時に跳躍し。軽快なフットワークでキャンベルとの距離を維持していく。
「ええい、ちょこまかと。これじゃ近づけないじゃない!」
突如として現れた侵入者。そのスピードについていけないキャンベルに動揺が走る。
最初から現れた災魔の僅かな隙を見逃さない燦は鋼糸を天井と、そしてコンベアに忍ばせる。
「だったら、これならどうかしら!」
キャンベルは氷の足場を生成し、コンベアの上ではなく、氷の上を高速滑走して燦を追いかける。
いくらコンベアを上手く利用しているとはいえ、自由に素早く動けるキャンベルの方が早く、徐々に徐々にその距離を縮めていく――。
「既に罠は仕掛けた。KO捕縛ってやつさ」
「な、何よ……きゃぁ!?」
コンベアに導かれ、張っていた鋼糸が、キャンベルの足を止める。一度絡みついた鋼糸は、コンベアを巡回し、キャンベルの身体を縛りあげる。
身動きが取れなくなったキャンベルの悔しがり震える唇に、燦自身の唇を合わせ――。
「え?」
燦は足を滑らせる。倒れることこそなかったが、代わりに異物が身体の中に侵入している感覚に戸惑い……察した時には表情が一変する。
一変キャンベルは氷の足場に立っていた。そこは災魔のテリトリー。そう、足元には大量のアイス棒が仕込まれていたのだ。
「ふふ、惜しかったわねぇ。さぁ、アイスになぁれ!」
転んだ拍子に、下腹部に痛みが滲む。下半身に潜っていった棒は、その身体の内外で太く大きく育っているかのように膨張する。
「ひぐっ! 棒が……大きくなって、体が、裂ける!」
恐怖に怯えた表情のまま、その身体をアイスキャンディーへと変えられてしまった燦。
下半身からは、黄金のシロップをチロチロと滲ませていた。これじゃ売り物にならないと、キャンベルはシロップごと舐めて味見する。
(ひいい、体から何か、出る!)
そのたびに溢れるシロップ。キャンベルはシロップが出なくなるまで堪能し、次に挑む猟兵たちに備えていく。
しかしキャンベルの身体に刻まれた鋼糸の傷もまた、シロップのようにじわじわと蝕んていた――。
大成功
🔵🔵🔵
シエナ・リーレイ
■人形館
■アドリブ絡み可
ガタンゴトンと動き回る沢山のベルトコンベアにシエナは大はしゃぎ、みんなの抑止を振り切り迷宮を駆け回り始めてしまいます
わたしはここだよ!とシエナは『お友達』候補に呼びかけます。
大声をあげながら周囲を見渡しやすい高所を目指すシエナを災魔が見逃すわけがなくシエナは奇襲を受けてアイスにされてしまいます
災魔はシエナアイスを食べ、シエナが身に宿す[呪詛]を纏い、生半可な障害を無視できる[怪力]と[激痛耐性]を得てしまいます
ですが、人形の体を持たない災魔はシエナの人形化の呪詛に段々と蝕まれてゆきます
更に呪詛と共に取込だシエナが宿す怨念が災魔を破滅に導こうと災魔の行動へ干渉を始めます
赤嶺・ふたば
【人形館で参加】
こうして見ていると好物の紅芋のアイスが恋しく感じるな。まぁ、食べるんじゃなくて変えてくるんだから関係ないか。
足場が悪い状態で戦闘することも避けられないだろう。移動はデバイスのワープを中心に使い攻撃に関しては変身魔法での無力化を狙ってみる。あっちがこちらをアイスに変えるってなら・・・じゃあアイスケーキにでも変えてやろうかね。
あっ、身体が・・・これもしかしてアイスに・・・。しかも身体がもみくちゃにされて・・・。(丸いアイクリームにされる)
(アドリブ、絡みOKです)
テフラ・カルデラ
※【人形館】で参加
※アドリブ・絡み可
WIZ
ベルトコンベアが動いて上手く動けないのです…が、対策はバッチリ考えてきたのです!
『らいおんさんあたっく!』でベルトコンベアの勢いに乗って敵に突撃するのですっ!がおー!!
アイスと一緒に思いっきり噛みついてやりますよー!
簡単に離しませ…おっ…とと…コンベアの流れで離れてしまいました
相手もなかなかやりますが…まだまだ行きますよっ!
あれ?どうして手を振っているんです…か…?あっ…これは…(察し
(目の前の猟兵アイス製造工場にIN、そのまま加工されうさぎの等身大チョコアイス像に変えれてしまう!)
レムル・ガルム
アドリブ・絡み歓迎【人形館】
アイスが素晴らしいのは認めるのですが、人をアイスに変える蛮行は見逃せないのデス!
【選択UC】で炎を付与して、突撃槍の【ダッシュ】で突貫して押し潰すのデス!
コンベアの流れが順方向になるのを見計らってぇ…
一発!二発!…三ぱ…きゃっ!?
うえ、か、紙カップ?
まさかこっちの突撃を見計らって大きな紙カップの罠を張ってたデスカ?!わ、ちょ、やめるのデ…(大きな紙カップの中に入ってしまい上から冷たいソフトクリームを流されてしまう)
くっ、首から下がアイスに埋まって動けないのデス…ふぁ、…や、やめ……私をトッピングするななのデス!(カップから露出した頭に冷凍イチゴを乗せられてしまう)
シトー・フニョミョール
■人形館
■アドリブ絡み可
これは面白そうな迷路ですね。オブリビオンがいなければの話ですが。
とりあえず狙うは出口にいるあいつを何とかしなければ、ベルトコンベアを渡り歩いて出口を予想しますよ。
だいたいのルートを予測すれば出口にたどり着けるはず。ほーらどんどん近づいてます。
トリニティ・ペトリファイを準備して攻撃準備――あれ、どんどん遠ざかってません?
ぬああああ!これはゴール前で逸れるルート!ええいままよ投げてやります!
そして出口は出口でも5センチ四方しかないですね、これは入らな、ぐエ
(四角く、表面が波打ったアイスに作り変えられる。食べたら固くなりそうだ)
「わたしはここだよ!とシエナは『お友達』候補に呼びかけます」
仲間たちが止めようと声をかけるが、シエナ・リーレイ(取り扱い注意の年代物呪殺人形・f04107)は単騎でダンジョンへと飛び出した。
ガタンゴトンと動き回る沢山のベルトコンベア。それはアトラクションのようにも映ったのだろうか。
とはいえ、大声をあげながら高所を目指して移動するシエナは、災魔――キャンベルからしてみれば、いい獲物だった。
「ユーベルデコレーション!」
キャンベルの両手から放たれる魔法。接近しようとするシエナは、そのビームを躱し、上へ上へと目指すのだが、
「このビーム、反射するのよね。……後ろがお留守よ」
慌てて振り返るシエナだが、もうビームはシエナの目の前に来ていた。その光は身体を貫くことなく、優しく包み込むようにシエナを覆う。
シエナは、身体がアイスへと作り替えられてしまうことへの驚きか、急に身体が動かなくなる驚きに口を大きく開けて何か声を出そうとするも、その口も動かなくなる。
全身白く、バニラ色に染まったアイスは、仰向けに倒れてしまう。小さな可愛らしい身体のバニラアイスは、表面が溶け、姿に似合わぬ艶やかな光沢を帯びていた。
「アイスが素晴らしいのは認めるのですが、人をアイスに変える蛮行は見逃せないのデス!」
シエナがアイスにされてしまい、レムル・ガルム(XGMN01:護衛型魔法騎士人形試作一号機・f25125)が勢いよく飛び出した。仲間がアイスに変えられてしまった、その事実がレムルの魂に火を灯す。
蒸気ジェットの推力に溢れんばかりの炎が加わり、猟兵1人が飛んでいくには十分すぎる膨大なエネルギーが込められていく――。
炎の魔法を纏いつつも、心の内は冷静だったレムルは、ベルトコンベアの向きをよく確認し、コンベアの流れが順方向になるのを見計らう。
「そんな距離から当たる筈……」
「ッ――。一発!」
レムルは突貫する。ベルトコンベアの向きをも力に変えて、跳ねる度に加速する。
「……速い!?」
キャンベルは辛うじて身体を捻り、直撃を避ける。しかし、その腕は風圧に押され、嫌な方向へと曲がってしまう。
「二発!」
部屋の壁を蹴り、今度は後方からキャンベルを襲う。キャンベルはバランスを崩し倒れ込みながらも、どうにか攻撃から逃れる。しかし、もう逃げられない……。
「今よッ!」
「三ぱ……きゃっ!?」
もう一度、壁を蹴り、トドメの一撃を狙おうとしたところで、レムルの前に大きな大きな紙カップが現れる。
「わ、ちょ、やめるのデ……んんっ!」
上から冷たいソフトクリームを流されてしまうレムル。その冷たさは、身体の熱を、心の熱を。ゆっくりと抜き取っていく。
「くっ、首から下がアイスに埋まって動けないのデス……」
「さぁ、あなたも美味しいアイスになりなさい!」
カップから露出した頭に冷凍イチゴを乗せるキャンベル。その重みと振動が身体中を駆け巡り、イチゴのように甘酸っぱい刺激と共に、その身体はイチゴアイスへと変わっていく
「…や、やめ……私をトッピングす……る……な……、デ……」
抵抗する声もやがて途切れ、レムルはイチゴの似合うカップアイスへと変えられてしまった――。
「ベルトコンベアが動いて上手く動けないのです……」
テフラ・カルデラ(特殊系ドMウサギキマイラ・f03212)は、コンベアの変則的な足場に少しだけ困惑していた。しかし、対策を考えて来なかったわけではない。
行く道に選んでいたコンベアの動きをしっかりと確認し、ベルトコンベアの勢いのままにキャンベルへと突撃する――!
「ライオンさんだぞー!がおー!!」
その腕を百獣の王。凶悪な顎を牙でアイスと一緒に思いっきり噛みついていく!
「ちぃ、まだいましたか!」
動かぬ腕を強引に出して牙を受けさせるキャンベル。アイスに変えた猟兵の能力を吸収しているとはいえ、その一撃は鋭く重い。食い込む牙をどうにか振り払い、キャンベルはテフラから離れる。
「……おっ……とと……」
さらにコンベアの動きは変則的に変わり、テフラとキャンベルとの距離はどんどん離れていく。
「ふふ、じゃぁね。ウサギさん」
そのコンベアの向きに何かを確信したのか、キャンベルは手を振って
「あれ?どうして手を振っているんです……か……?」
テフラが振り向くと、その目の前には複雑な機械が各々の音で自己主張する不思議な空間の中に……既に入っていた。
「あっ……これは……」
やがて、入り口のコンベアの向きは変わり、工場から出てこれたものの、うさぎの等身大チョコアイス像に変えられてしまったテフラは、身動き1つとることもできなくなってしまった――。
「こうして見ていると好物の紅芋のアイスが恋しく感じるな」
そう思わずつぶやく赤嶺・ふたば(銃と魔法が好きな傭兵魔術師・f15765)だが、その視線は足場へと向けられていた。
足場が悪い状態で戦闘することも避けられない。かといって、そのままの地形で戦っては災魔の方が有利に動くことができる。
「移動はデバイスのワープ。攻撃は――」
事前の情報だけでなく、猟兵たちの戦いぶりを見て、自身の行動プランを計算し直し、そして。
「あっちがこちらをアイスに変えるってなら……じゃあアイスケーキにでも変えてやろうかね」
ふたばは遠隔魔法起動デバイスを起動して、ワープの拠点を作る。キャンベルがデバイスの近くへと移動したタイミングを見て、その位置へと空間を超越する――が。
「そんなにこそこそ動いてたら、当然警戒するわよ……ねっ!」
移動した瞬間、姿を現したと同時に魔法をかけられてしまうふたば。その身体は、原型を微かに残しつつも丸い丸いアイスクリームへと変えられていく。
「そん……な‥‥…」
変身魔法を放つことなく、固められてしまったふたば。アイスクリームの模様にわずかながら残っている表情は、生気を失った人形のような表情にも映る――。
「これは面白そうな迷路ですね。オブリビオンがいなければの話ですが」
シトー・フニョミョール(不思議でおかしなクリスタリアンの従者・f04664)は、ベルトコンベアを渡り歩いて出口を予想する。
一気に突っ込んでいくわけでもじわじわと近づいていく戦法は、一見すると遅く見えるが、その地形への理解を積みつつ進むのは何よりの正攻法。その甲斐もあり、シトーはどんどんキャンベルへと近づいていく。
「全部当たれば……フッフッフ……」
何やら怪しげな液体を取り出し、一斉攻撃の準備を整えるシトー。
キャンベルを射程圏内へと捉えた瞬間、液体の餌食にしてやろうと企んでいた……のだが。
「あれ、どんどん遠ざかってません?」
後は直進するだけ。そう思っていたのだが、コンベアは急に右へ左へと逸れていく。
「ぬああああ!これはゴール前で逸れるルート!ええいままよ投げてやります!」
半ばヤケクソ気味に投げつけられる液体は、キャンベルにこそ届かないが、その周りのコンベアを包み込み、蝋に金属にラバーに姿を代えさせて動きを止めていく。
バトルフィールドを整えるに至ったが、肝心の自身の身体はアイス工場へ。しかし、その出口はとてつもなく狭い空間だった。
「そして出口は出口でもこんなに小さく、これは入らな、ぐエ……」
出口には魔法がかけられており、その身体を無理やり凝縮させられ、四角いアイスに作り変えられる。手足はまるで箱にペイントされたかのように描かれ、表面が波打っていた――。
「ふふ、せっかくだし。並べてあげましょうか」
キャンベルは、固めてアイスに仕上げた猟兵たちを回収し、一か所に集めて丁寧に並べていく。
バニラアイスになったシエナ。
チョコアイスになったテフラ。
カップアイスになったレムル。
丸いアイスクリームのふたば。
小さな四角いアイスのシトー。
色とりどりの猟兵アイスに満足したキャンベルは、シエナの身体をペロリと舐める。
甘く広がる冷たく濃厚な味わい。
そして。
「うっ……くぅ……なん、なの……この感覚は……!」
シエナが身に宿す呪詛の味がキャンベルを身体の底から蝕んでいく。シエナが宿す怨念が災魔を破滅に導こうとその身体を渦巻いて離さない――。
アイスになってしても、ただでは転ばない。猟兵たちの底力にキャンベルは戸惑い、その身体に刻まれた傷は、激痛に強い身体へと生まれ変わったにも関わらず、激しくキャンベルを襲い続ける――。
大成功
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リアン・ブリズヴェール
【アドリブOK】
「アイスなんかになりません、あなたを倒してみせます」
まずは【オルタナティブ・ダブル】でファムを召還します。
ベルトコンベアに戸惑いながらも、2人で【一撃必殺】で攻撃します。
またアイスにされたら【ソウルマリオネット】を使って魂となって反撃しますが、やはりベルトコンベアには慣れるのは難しいです
アイスのフレーバーはリアンとファム、肉体と魂で全部別だと思います
「アイスなんかになりません、あなたを倒してみせます」
リアン・ブリズヴェール(微風の双姫・f24485)は、もう一人の自分でもあるファムと共に奇襲を仕掛ける。
ベルトコンベアの動きは複雑で、思い通りの道は進めなくても、災魔の位置だけは見失わないようにと、しっかりと前を向いて近づいていく。
それでも、どうにかキャンベルに近づくいたリアンは渾身の一撃を放つ――!
「でも、足元がお留守よ」
いつの間にか足元に散らばっていたアイス棒。それらがリアンとファムを下から身体を突き上げる――!
「――ひゃぅっ!」
「――んっ!」
2人は共アイスキャンディへと姿を変えてしまう。メロン味のリアンは、優しい緑の色合いに染まり、その表情は少し怯えているようにも見える。
一方ファムは表情を変えず、最後までキャンベルを狙おうと得物を構えていたのグレープ味のファム。無表情ながら、リアンの為にも懸命に力を振るおうとする姿そのままに固まり、躍動感のあるアイスキャンディーへと姿を変えた。
「ふぅ……もう、終わりかしら」
「まだ……負けてません」
物理無効な半透明な魂に変身したリアン。キャンベルも意表を付かれ、その魔法に弾かれてしまう。
「つ、追撃を……ひゃう!」
ベルトコンベアを乗り継いで追いかけようとするリアン。しかし、ベルトコンベアの乗り継ぎが上手く行かず、キャンベルが余裕を持って反撃に出る――。
「さぁ、身も心も。アイスになぁれ」
リアンの魂に向けてアイス棒は放たれ……リアンの魂もまた、レモン味のアイスキャンディーへと変えられてしまうのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
オリガ・ホーリエル
アンナ(f03717)と一緒に
大丈夫よアンナ、二人ならこんな奴楽勝よ! …アイスにされたら、あたしが愛でてあげるわ(ボソッ)
アンナが先行したら【ライオンライド】で後を追い移動。途中血痕があったならそれを追う。
アイスメーカーに接触したら逃がさぬよう拳銃で牽制。こっちに向かって来たら時間を稼いで疲労を溜めさせてあげましょう。
UCを受けても【クイックドロウ】で腕の関節に向け発砲、片腕を使えなくさせてあげますわ。でもお尻に棒が入った快楽とアイスにされる感覚が癖になるかも…。
アンナがアイスにされたら、ライオンであの女を押さえつけ頭部へ拳銃を連射。アンナをあなたみたいな女なんかには渡してたまるもんですか!
アンナ・フランツウェイ
オリガ(f12132)と共に
アルダワってこういうの多いよね…まあいいか。いこう、オリガ。あと今変な事言わなかった…?
素早く逃げるには、コンベアの流れに沿い移動するのが一番。なら私はUCで高速飛行し、オリガへ進行方向を伝える血痕を残しつつ移動。
標的を見つけたら奴の前に降り立ち、後ろのオリガと挟み撃ち。逃げようにもオリガ側は流れとは逆。ただ疲れるだけだ。
もし抵抗されてUCを受けたら、【カウンター】で【呪詛】を流し込もう。後はオリガが何とかしてくれる。…変な事はしない…はず。
オリガがアイスにされたら【傷口をえぐる】【生命力吸収】【呪詛】コンボを叩き込んでやる。これ以上オリガに変な性癖を植え付けるな!
「大丈夫よアンナ、二人ならこんな奴楽勝よ! ……アイスにされたら、あたしが愛でてあげるわ(ボソッ)」
「いこう、オリガ。……あと今変な事言わなかった?」
アルダワの災魔ではよくある能力だが、侮ることなかれ。アンナ・フランツウェイ(断罪の御手・f03717)とオリガ・ホーリエル(黒き天使を支える者・f12132)は、コンベアの流れに沿って移動する。
アンナは呪詛を纏い、コンベアを移動するキャンベルを飛行して追いかける。オリガへ進行方向を伝える為、その血痕を壁に残す。
「少し……休憩……」
「させるはずないよ?」
キャンベルの目の前に降り立つアンナ。その後ろにはオリガが待ち構えていた。
神々しい程に黄金の髪をなびかせるライオンにまたがり、手にした拳銃でキャンベルに牽制する。
「こっちから倒すしか、ないようね!」
キャンベルはオリガに狙いを定め、進行する。しかしコンベアは逆方向を向いている。
剣銃の音が鳴るたびに回避を余儀なくされるキャンベルは、上手く距離を詰めることもままならず、疲労だけが溜まっていく……。
「このままじゃ……そうよッ!」
回避にコンベアを転がる中、氷の足場を生成するキャンベル。高速滑走で攪乱し、オリガの狙いを定めさせないように近づいていく。
「やります……わねッ!」
オリガも無茶はせず、あくまで体力消耗の為に近づかれても牽制を続けていく――しかし、足元に氷の足場が生まれると、その氷からアイス棒が現れ……。
「しまっ……!」
ライオンがアイス棒の餌食になり、降りたところで、更にアイス棒がオリガのお尻を狙い撃つ!
「くっ……んんっ!」
徐々に足からアイスとなって動けなくなる感覚、そしてアイス棒に責められるという未知なる感覚に悶えつつも、オリガは懸命にキャンベルに向けて発砲する。
「これ以上オリガに変な性癖を植え付けるな!」
完全にアイスにこそなっていないものの、徐々に不快感だけとは思えない表情も見えてくるオリガにいたたまれなくなったのか。今度はアンナが責める。
魔法も使わせ、キャンベルの体力もかなり消耗している。現に、アンナの方へ魔法を放つ気配もない。
「断罪の時は来たれり。復讐の時だ!」
「アン……ナっ……!」
負けないでとエールを送るオリガ。想いを胸に、アンナは自身の血液で出来た刃を鋭く、呪詛を練りより深く。キャンベルに鋭い衝撃と禍々しい黒を血潮を放つ――!
キャンベルは一撃を受けその肩腕を落としてしまう。それでもコンベアを利用し、懸命に逃げる。
アンナは、アイスキャンディーへと変えられそうになっているオリガを支え、キャンベル追撃へと向かうのであった。
大成功
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ネリー・マティス
ベルトコンベア!【地形の利用】が大事になるね!!基本は流れに逆らわないように!【ジャンプ】でコンベアを乗り継いでいくよ!相手はここに陣取る災魔、ベルトコンベアの扱いには慣れてるはず……無理には近づかず、有利な位置取りを保つよ!しびれを切らしてアイス化を使ってきたら、あえて受ける!【存在感】を放つおいしそうなアイス……限界まで誘い込み……【気合い】で元に戻り【ベアハッグ】だ!少しくらい食べられてコピーされたとしても、生まれ持ったこの【怪力】からは逃れられない!!そんなに味が見たければ、味わうといいよ!食らいついたら離さない、ベアハッグの味を!!(アイス味描写ありの場合、おいしそうにお願いします)
「基本は流れに逆らわないように!」
ベルトコンベアの動きを見極め、大きな身体ながら素早く軽快な動きで移動するネリー・マティス(大きな少女・f15923)は、コンベアを乗り継いで災魔へと詰めていく。
「こ、このっ……!」
無理に近づかないネリーの動きにしびれを切らせたキャンベルは魔法を放つ。
ネリーはその魔法をあえて避けることなくその身に受けアイスの姿へと変貌する。
鍛え上げられた部分はより光沢を帯び力強く、柔らかい部分やより柔らかく映えるネリーの身体は芸術的な一品であるだけでなく、絶妙な甘い香りを漂わせてていた。
圧倒的な存在感溢れるアイスの像。キャンベルはその身体に自ら近づこうとし……。
「かかったね! そんなに味が見たければ、味わうといいよ!」
気合いでアイスの魔法を体内から跳ねのけ、唸る筋肉そのままに身体1つ腕2つのホールド技――!
「食らいついたら離さない、ベアハッグの味を!!」
抱きつき締め上げるネリーは、更にキャンベルを締め上げる。
「こ、この……!離れなさい!」
キャンベルは必死にもがいていくが、猟兵たちとの戦いで疲労し傷を負い、片腕を失った身体では抜け出すこともできず――。
開放されたその瞬間。アイスに熱湯がかけられたかのように蒸発し、ダンジョンから姿が消えていく。
アイスが糖分が筋肉に勝てる筈がなかったのだ。ある意味宿命とも言える組み合わせは圧倒的なパワーの元、筋肉に勝利の女神が微笑む結末となったのだ。
ネリーとアイスの姿から元にもどった猟兵たちは戦いから探索に切り替え、ついにこのダンジョンを突破することに成功するのであった――。
大成功
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