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アルダワ魔王戦争2-A〜怨讐鎮まらぬ墳墓の底

#アルダワ魔法学園 #戦争 #アルダワ魔王戦争

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●伏して崇めよ天たる我を
 その区画は、初めは闇に隠されていた。
 猟兵達の手によりアルダワ魔法学園・ファーストダンジョンの霧は晴らされ、今こうして露になったのは封じ込めた災魔が眠る地下墳墓。
 周囲には浮かばれる事の無かった霊魂が漂い、災魔の中に吸い込まれていく様が見て取れた。

 再び災魔が目覚める。赤と黒のドレスを身に纏い、手には禍々しい爪を抱いて。
 怨恨遺恨に後悔と懺悔の念を糧とし、魔神『アーラマリン』の復活の時だ!

 ――捧げよ。塵芥たる魂でも腹の足しにはなろう。
 ――妾を倒す、と。己の分際を弁えぬ、痴愚の成せる業よの。
 ――地を這う虫けらが如何に群れようとも、天には及ばぬと知れ。
 ――妾を倒す、と。無謀と勇気は似て非なるものとその身で味わうがいい!

 アーラマリンは猟兵を待っていた。己の更なる血肉とする為に、新たな悲鳴を奏でさせ、苦痛を与え、怨嗟の念を貪る為に。

●グリモアベースにて
「集まってくれてアリガトー。細かい事は省くとして、早速だけど説明に移るわね」
 斬断・彩萌(殺界パラディーゾ・f03307)は携帯端末型のグリモアから画像を壁に照射し、今回の敵について解説を始める。
「皆も知っての通り、アルダワのファーストダンジョンの解析が進められているわ。私の予知にひっかかったのは地下墳墓に眠る怨霊のうち一体。かつて魔神と恐れられた災魔よ」
 美しい女の姿をした災魔アーラマリンは、墳墓周辺に漂う怨念に憑依され、理性を失い、ひたすらに攻撃を仕掛けてくる。その様はまるで倒しても再起するゾンビのようだとか。
「敵は理性が蒸発しちゃってる分、手加減も油断も一切ない。相当な強敵よ」
 がおー、と手を曲げておどけて見せる彩萌。その調子に不安は一切無いようで。ふふっと一度笑うと理由を告げる。
「でもね、いい方法があるの。敵のエネルギーの源は周囲の怨念怨霊たち。彼らを鎮めたり浄化してあげれば、アーラマリンを弱体化させることが出来るわ」
 そうでもしないと勝利はなかなか厳しい、と言う事だろう。
「怒れる霊、嘆く霊、怯える霊……彼らを助けて、災魔を倒して頂戴」
 そう言って彩萌はネイルで彩られた爪でグリモアを操作し、転送を開始した。


まなづる牡丹
 OPを読んでいただきありがとうございます、まなづる牡丹です。
 今回は『アルダワ魔法学園』のファーストダンジョン2-A、地下墳墓での戦いとなります!

●災魔『アーラマリン』について
 美しい女性の姿をした災魔です。かつて魔神として人に恐れられた理性と知性は崩れ去り、まともな会話は難しいでしょう。

●プレイングボーナス
 怨霊を浄化したり、鎮めたりする行動。
 方法は皆様の手に委ねます。ユーベルコードや技能に限らず、様々な手法をお待ちしています。

●プレイング送信タイミングについて
 公開されたタイミングで送って頂いて構いません。
 執筆は先着順でなく、大成功に近いものから、2/5より予定しています。

 以上。皆様の心の籠ったプレイングを心よりお待ちしています!
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第1章 ボス戦 『アーラマリン』

POW   :    破壊の嵐
【魔龍の鎧腕】を巨大化し、自身からレベルm半径内の敵全員を攻撃する。敵味方の区別をしないなら3回攻撃できる。
SPD   :    理外の理
【膨大な魔力】で受け止めたユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、膨大な魔力から何度でも発動できる。
WIZ   :    戯れもまた易き事
【悪魔】と【竜】の霊を召喚する。これは【空を駆ける雷撃】や【地を焼き尽くす煉獄の炎】で攻撃する能力を持つ。

イラスト:飴屋

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は十六夜・巴です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

フィオリナ・ソルレスティア
【ペア/f05803】【WIZ】(連携・アドリブ可)
「しっかりと心を込めればきっと大丈夫」
弟のフォルセティとでアーラマリンに立ち向かう
■作戦
弟と連携。鎮魂の歌と眠りの電波で怨霊を浄化する
■行動
「フォルセティとは異なるけど、私にできることを」
弟の鎮魂の調べに合わせて、自身の髪飾りから【眠れる森の美女】を
ルビーとサファイアのペンダントで魔力増幅し発動
弟の声と眠り電波の相乗効果で怨霊を浄化していく
「残ったのは貴女だけよ」
アーラマリンには[全力魔法]で【バベルの光】を叩き落とす
悪魔と竜の攻撃は【アイギスの盾】や(見切り)を駆使して防ぐ


フォルセティ・ソルレスティア
【ペア/f00964】【WIZ】(連携・アドリブ可)
「可哀そうな霊を鎮めてあげないとね」
フィオ姉ちゃんと一緒に霊を鎮めてアーラマリンをやっつけるんだ
【行動】()内は技能
銀月琴を取り出してシンフォニック・キュアで鎮魂歌を奏でるんだ。
(祈り)を歌に込めて(優しさ)を満たした旋律で。
「みんな、安心して。もう休んで大丈夫だから」
そんな思いを込めて、持てる力を(楽器演奏)と(歌唱)にこめて。
アーラマリンが残っても最後まで鎮魂歌を歌いきるんだ。
「もういいんだよ。おやすみ、そしてずっとずっと安らかに… 」
あとはフィオ姉ちゃんがなんとかしてくれるから。
どんなことにも動じないよ。




 ぎゅっと胸に下げたルビーとサファイアのペンダントを握りしめ、フィオリナ・ソルレスティア(サイバープリンセス・f00964)は、弟のフォルセティ・ソルレスティア(星海の王子様・f05803)と共にアーラマリンと厳しく対峙した。周囲に漂う怨念の情が二人にねっとりと纏わりつく。その冷たいようなぬるいような寒気にゾっとするものを感じながらも、二人は勇ましく立ち向かう。
「可哀そうな霊を鎮めてあげないとね」
「ええ。しっかりと心を込めればきっと大丈夫」
 フォルセティは「フィオ姉ちゃんと一緒に霊を鎮めて、アーラマリンをやっつけるんだ!」と意気揚々。銀月琴を取り出して鎮魂歌を奏でる。祈りを歌に込め、優しさを満たした旋律が戦場に響き渡り、彷徨う霊魂達が歌声に魅かれフォルセティに近づいてくるのも気に留めず。柔らかく暖かな歌が癒しのオーラとなり、憎しみや怨恨の情が薄れていく。
「フォルセティとは異なるけど、私にできることを」
 姉フィオリナはペンダントから滲み出る魔力を受け止め、増幅し、安息へ導く紡ぎ車の錘たる【眠れる森の美女】を発動。フォルセティの安らぎの声音に、眠りの周波数を備えた電波を合わせ、相乗効果で怨霊を浄化していく。
 それは二人の心地よいデュエット。周囲の怨霊たちは遺恨を忘れ清らかな気分で天に昇るか、それともアーラマリンに力を加えるかうろうろと迷っている。
「みんな、安心して。もう休んで大丈夫だから」
 シャラララと銀月琴をかき鳴らし、歌に願いを込めて。眠りを誘う虹色の音色は、怨霊の心に響いたのか感謝や朗らかな気持ちで召されていった。
「残ったのは貴女だけよ」
 それを黙って見ていたアーラマリン。いや、正確には見てはいない。フィオリナの髪飾りから放たれた電波により一時の眠りについていたのだ。しかしそれも目覚めに至り、アーラマリンはかつての配下たる悪魔と竜の霊を召喚する。天駆ける雷撃が二人に嗾けられるも……遅い! 軽々と交すフィオリナ。フォルセティに流れ弾が行かないように、末端はアイギスの盾で処理をして。
 確実に弱体化が効いている。その事実にアーラマリンは忌々しそうに追撃の炎を炊くが、こちらも耐えられぬ火力ではない! アーラマリンは怒りに燃えた。理性すら焼き切る怒りと憎しみで、視界は最早真っ暗だ。
「おのれおのれおのれ……!」
「フィオ姉ちゃん!」
「任せて!」
 全身全霊を込めた全力魔法を、アーラマリンにフォーカス。大地を貫く人工衛星からの高出力の極太レーザーが天から降り注ぎ、赤い衣をはぎ取り爪を、腕を破壊する。
「アアアアアアア!!」
「ただの魔法使いだと思ったら大間違いよ」
 ウィザードではウィザードでも、フィオリナは電脳世界をも操る術師。魔法学園に無い属性すらも操ることが出来る。荒ぶるアーラマリンへ向けて、フォルセティは姉を信じ動じず、果敢に歌い上げる。
「もういいんだよ。おやすみ、そしてずっとずっと安らかに……」
 優しい声に苛まれ、頭を掻き毟るアーラマリン。そこにすかさず【バベルの光】が炸裂! 眩い光に包まれて、二人は確かな手応えを感じ、後続の猟兵の為夢色のデュエットを奏で続けた――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フィオレッタ・アネリ
あの災魔を中心に、あらゆる負の感情が渦巻いてるのを感じる…
救われない魂に祈りが届けばいいけど

神性の生み出す花で墳墓を満たし、祈りを捧げて怨霊の心を慰め、死を退ける豊穣の力で、淀みきった怨念を浄化するよ(破魔)

受け止めたユーベルコードを自分のものに…?
だったら、クローリス!

《花導》
数瞬先を予知して攻撃を避け続けるよ
これなら関係ないでしょ

避けながら精霊魔術のカウンターで少しずつ力を削いでくね

樹精の蔦で絡め取り(ロープワーク)
花精の幻惑で動きを鈍らせ(精神攻撃)
風精の竜巻で体勢を崩し(吹き飛ばし)

第六感が勝機を察したら、ゼフィールを竜槍に変え、封印を解いて大槍に
念動力による槍投げで、疾く鋭き一撃を!




 災魔アーラマリン、彼女を中心にあらゆる負の感情が渦巻いているのを感じる……救われない魂に、祈りが届けばいいけどと、フィオレッタ・アネリ(春の雛鳥・f18638)は考えた。
 神性が生み出す花で墳墓を満たし、祈りを捧げて怨念の心を鎮めれば、死を退ける豊穣の力で、淀みきった怨念を浄化。花は白赤黄色と艶やかに、祈りには安らぎの心を込めて。怨念の力は「しゅわしゅわ」と音を立てて泡が立つように浄化されていく。破魔の力はそれなりに効いたようで、半ば強制的に昇天させられていく。魔を破る力は柔らかく心地よく、怨霊の心に明るい気持ちを取り戻させた。
「負の感情が、良い気持ちなんて生み出すはずがないよ」
 対し、やや意気消沈した災魔アーラマリンを前に、フィオレッタは少し考える。受け止めたユーベルコードを自分のものにしてしまうならば……。
「だったら、クローリス!」
 花精を呼び寄せ、数瞬先の予兆を心に掴む。ブゥンと振り回される剛爪を瞳の奥で感じたならばひらりと躱してウインク!
「これなら関係ないでしょ?」
朗らかな笑顔が癪に障ったのか、アーラマリンは怒れる。それをいなすように、フィオレッタは冷静に樹精メリアデスを呼び出し蔦で絡みつき締め付け、ぎゅうぎゅうと動きを奪い。花精クローリスの幻惑による精神攻撃で動きを鈍らせる。更に風精ファヴォーニオの小型の竜巻で足元を掬い態勢を崩し、締め付けたまま壁まで吹き飛ばす!
「ああああアアアア!!」
 ユーベルコードを吸収できなかったアーラマリンは、華麗な三連続攻撃をモロに受け、壁に勢いよく叩きつけられる! しばし動きが止まったかと思いきや。
「死ぬがよい」
 フィオレッタに向かい、アーラマリンはユーベルコードでも何でもない唯の蹴りを入れようと脚を振り上げる。寸でのところで受け身をとり、精霊魔術のカウンターを決める! アーラマリンは悲鳴を上げた。
 第六感が告げている。これは勝機だと。
「出番だよ、ゼフィール!」
 相棒の風竜を竜槍に変え、力を抑える為の封印を解いたら、いざ貫け疾く鋭き一撃を! 念動力による槍投げで真っ直ぐアーラマリンに向かった! 空を捩じり切るような瞬速の槍が、災魔の肩に命中する。それは壁に縫い留められたということ。絶好の攻撃チャンスをフィオレッタは見逃さない。
「これでも喰らってー!」
 槍を引き抜き、心臓を狙う、しかしそれは許さぬとアーラマリンも必死の抵抗を見せる。二人の攻防はまだまだ続く……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

徒梅木・とわ
水が火を消し止めるのは言わずもがなだが、さて、理論純水の電気抵抗率を知っているかい?
十八.二五かける十の六乗おおむせんちめえとる――
要は、完全な絶縁体と言って過言じゃあないということだ
くふふ、知性を失ってしまったキミには難しい話だったね

司水霊符を使用
雷撃と炎を捌きながら周囲一面に水を張ろう
水行が示すのは命の泉。霊性と胎内。陰の終わりと陽の始まり
清らかな水は彼らを送り出すのに丁度いい
生滅盛衰、くるりくるりと循環する
さあ、もう留まる時間は終わりだ。巡って、廻って、また生まれておいで

魔神には優しくはしてやれないなあ
踏ん縛って霊たちの浄化をとくと見学していてもらおう
煮るなり焼くなりは他の猟兵に任せるよ




 水が火を消し止めるのは言わずもがなだが、さて、理論純水の電気抵抗率を知っているかい? と徒梅木・とわ(流るるは梅蕾・f00573)は説く。
「十八.二五かける十の六乗おおむせんちめえとる――要は、完全な絶縁体と言って過言じゃあないということだ。くふふ、知性を失ってしまったキミには難しい話だったね」
 電気も炎をも通さぬとわの力の前では、キミの力は無力に等しいと。そう言っているのだ。だが、このアーラマリン、最早知性も理性も失いし身。言われていることは分かっても、理解は出来ていない。
「アア、あ……?」
「まずは浄化だ」
 司水霊符『闇御津羽神』を取り出して、一枚二枚と宙に張り付ける。飛び交う雷撃と炎を服の裾で捌きながら、周囲一面に水を張る。その水は動きを制限したり、息を奪いもしない不思議な水だ。正確には水というには一段階上の存在なのかもしれない。
 水行が示すのは命の水。霊性と胎内。陰の終わりと陽の始まり。清らかな水は彼ら怨念を送り出すのに丁度いい。生滅盛衰、くるりくるぅりと循環する水の円。

 ――さぁ、もう留まる時間は終わりだ。巡って廻って、また生まれておいで。

 遺恨の念を残した怨念たちは、水に流れるように吸い込まれ、浄化の泡でごっそりとその妄念がそぎ落とされたなら、アーラマリンには目もくれず天へと召されていった。
 それが面白くないのは災魔たるアーラマリン自身であろう。仮にも魔神として崇められた身を裏切り、先に天に逝くなど考えられぬこと!
「おのれ、おのれおのれ……!」
「怒ったかい? でもねぇ、魔神には優しくしてやれないなぁ」
 霊符をこれでもかというくらい大盤振る舞いし、清浄なる水を放つ。その身は水と符により動きを封じられ、ギチギチと手を伸ばしようにもとわには届かない。
「其処で踏ん縛られて、霊たちの浄化をとくと見学していてもらおうか」
 一体、また一体と霊魂を浄化する度にアーラマリンの力は抜けていく。彼女を煮るなり焼くなりするのは、他の猟兵に任せよう。今は唯、出来ることを――輪廻転生、ひとときの安らぎを以って、次こそはこんなところに生まれないように祈り、次に生まれ変わるものへの鼓舞を舞った。ふわり、梅の香りが漂って、水に、風に、癒しのさざめきが生まれた――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

無累・是空
チガヤ(f04538)と組む
たしかに見栄えはええが性根がわし好みじゃないにもほどがあるのう彼奴
それにほれ、見惚れるような間柄でもないが、ええ女なら間に合っとるじゃろ?

チガヤが敵の注意を引いてくれとるうちに手早く浄化を済ませてしまうか
「生命の灯を失った者たちよ。満たされず遣る瀬なくさ迷う者よ。静かに安らかに眠れ」
「誰もお前達を責めはしない。だから、もう苦しまなくていいのだ」
酒と塩を振り撒く
生命を生み出す側ではあるが、生命が巡るものかどうかはわしにもわからん
言葉ひとつじゃが、彼らの慰めになればよい

災魔には『虹霓弓』の集中砲火をくれてやろう
地下墳墓を鮮やかに照らしてやろう
怨霊たちへの手向けの花じゃ


チガヤ・シフレット
無累是空(f16461)と参戦だ!

くくくっ、相手はまたとんでもない美人だが、あれじゃあなぁ!
理性と知性がないと悪知恵も働かんぞー?
っと、是空。乳がでかいからって見惚れるんじゃないぞ?

さぁて、周りの怨霊どもが邪魔なわけだな?
なんだ、経でも唱えるか?
信心が足りないかね?

仕方ない、ガントレットのコアから魔力を回しまくって、思いっきり殴って成仏させてやるか!
まぁ、一応暴れる奴とか怒ってる奴とか、そっち系を狙って、な。

あとは……是空の神様パワーで頼む!

災魔に隙が出来てきたら、兵装全開で撃ちまくって攻め立てるとしよう!
弾幕張って是空を援護しつつ、こちらはこちらで接敵!
ガツンと零距離射撃かまして押し込むぞ!




 赤のマフラーとピンクの髪を棚引かせ、颯爽と現れたのは無累・是空(アカシャ・f16461)とチガヤ・シフレット(バッドメタル・f04538)の二人。軽口を叩きながらも油断した様子はなく。
「たしかに見栄えはええが性根がわし好みじゃないにも程があるのう彼奴」
「くくくっ、相手はまたとんでもない美人だが、あれじゃなぁ! 理性と知性がないと悪知恵も働かんぞー?」
「それにほれ、見惚れるような間柄でもないが、ええ女なら間に合っとるじゃろ?」
 思いがけない言葉にチガヤは思わず笑って。そして何時ものように適当にあしらうのだ。
「言うねぇ。ま、悪い気はしないがね」
 漂う霊魂がねっとりと二人に纏わりついたのをシッシと払い、さてどうするかとチガヤは考える。怨霊どもが邪魔なわけだが、経でも唱えるか。いやいや信心が足りないだろうと自己解決。だったらやれることはひとつ。
「仕方ない、物理で成仏させてやるか」
 ガントレットの六個のコアが妖しく光りだし、力が体に行きわたったら、暴れまわる霊魂を思い切りぶん殴った! 痛烈なパンチを喰らった怨念は、嘆く暇もなく昇天していった。それは文字通り、天にぶっ飛んでいったということ。他にも怒れる霊魂などをぶちのめし、怨念の視線を集めるチガヤ。あとは……是空の神様パワーで頼む!
 そうしてチガヤが注目を集めてくれているうちに、合点招致と手早く浄化を済ませようと是空は準備を行う。
「生命の灯を失った者たちよ。満たされず遣る瀬なくさ迷う者よ。静かに安らかに眠れ」
 是空の言葉に、嘆く霊魂はぴくりと反応し。
「誰もお前達を責めはしない。だから、もう苦しまなくていいのだ」
 悪夢に苛まれる霊魂は明るい雰囲気を取り戻した。酒と塩を振り撒いて、大雑把に浄化の儀式を執り行う。生命を生み出す側ではあるが、生命が巡るものかどうか、是空には分からない。それでも、投げかけた言葉の一つ一つが彼らの慰めになれば良いと、祈りを込めて。

 周囲の怨霊を奪われたアーリマリンの弱体は目に見えて大きかった。だらりとしなだれ、「ウウウ」と唸り二人を睨みつける。屈んだ体制は災魔のプロポーションの良さがよく見えた。チガヤは素早く是空にツッコミを入れる。
「っと、是空。乳がでかいからって見惚れるんじゃないぞ?」
「わし、そこまで誘惑に弱くはないんじゃが」
 あまねく照らす是空の七色のレーザーがアーリマリンを貫く。集中砲火を喰らったアーリマリンは半狂乱に悪魔と竜を召喚し戦わせるが、それはチガヤが担当した。兵装全開、打って撃ってうちまくり、雷撃も炎も爆炎で相殺! 弾幕を張って是空を援護しつつ、そのまま接敵。ガツンとどてっ腹に武器を当て、零距離射撃を
決める!
 きらきらと七色の光に導かれるように怨念は天に召され、地下墳墓を鮮やかに照らした。それが怨霊たちへのせめてもの手向け。あとはこの災魔を倒すだけである――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

オート・チューン
怨霊の浄化かー!まっかせてー!
いっぱい花びらを集めて来たよ!これを風呂敷に包んで矢に括りつけるでしょ~そしてそして弓につがえてー!
えいっと上に向けてうつと花びらがいっぱい振るよ!
とっても綺麗!怨霊さん、怨霊さん、もうすぐ春が来るよ!あったかくってキラキラで幸せな春!
こんな所にいるより、幸せな春にまた生まれておいでよ!楽しい事がいっぱい待ってるよ!

強そうな敵さん!ふふーん!どんなに強いユーベルコードを持ってたって、足止めしちゃうもんね!
だーるまさんがこーろんだ!
わたい達は皆で戦うからとっても強いんだもんね!虫けらなんかじゃないんだから!
今のうちにガンガン攻撃あてちゃってー!

連携アドリブ歓迎です!


リコリス・ミトライユ
絡み・アドリブ歓迎

怨霊を鎮める……んーっと、どうすればいいのかなあ
簡単ではありますけど、お祈りとか、してあげたらいいのかな。
これでもしすたー……見習いなんですけど。

ぺたんと地面に座って、手を組んでお祈り……。
たぶん、だれか守ってくれてると思いますし。
お化けは怖いですけど、話が通じるなら。もうだいじょうぶだよって。

さて、と
こんな目に合わせたんですもの。ちゃんと懲らしめてあげませんと。

鎧腕だか何だか知りませんけど、こっちは殴れるんですよね。
横薙ぎはうまくくるくる、ステップで避けて行って、
苛立って振り下ろしてきたのに合わせて【ライジングスター】ですっ!
あたしの全部で、鎧腕なんて壊してあげるのですっ!




「怨霊を鎮める……んーっと、どうすればいいのかなあ。簡単ではありますけど、お祈りとか、してあげたらいいのかな」
 不安な表情を浮かべるシスター見習いリコリス・ミトライユ(曙光に舞う薔薇・f02296)に対し、オート・チューン(太陽のバースデイ・f04855)は朗らかに返して見せた。
「怨霊の浄化かー!まっかせてー!」
 オートは花びらをいーっぱい集めて、風呂敷に包んで矢に括り付ける。そうしてそれを弓につがえてえいと上に向けて放てば、花びらがひらひらと舞う。
「わぁ、とっても綺麗……」
 思わず見惚れるリコリス。その花弁をヴェールにして、ぺたんと地面に座り手を組んで祈りを捧げる。お化けは怖いけれど、話が通じるなら「もう大丈夫だよ」と伝えたい。その祈りに反応して、嘆き悲しむ怨霊たちがリコリスの周囲に集まってくる。その一体一体に、懸命に暖かい言葉を投げかけた。霊魂はリコリスの暖かい気持ちに触れ、ぴかぴかと浄化されていく。美しい光景だった。
 一方オート。元気いっぱいに走りまわりながらあははと屈託なく笑う。
「怨霊さん、怨霊さん、もうすぐ春が来るよ! あったかくってキラキラで幸せな春! こんなところに居るより、幸せな春にまた生まれておいでよ! 楽しい事がいっぱい待ってるよ!」
 怒れる霊も醜悪な怨念も、オートの底抜けの明るさに当てられたのか気分が揺れる。このままアーラマリンに力を授け続けていいのだろうか、それとも新しい春を迎えに行くべきなのか。迷いに迷って、決め手の一言を二人、言い放つ。
「今度はきっと、素敵な人生が歩めますように」
「春になったらまた会おうね!」
 そうして霊魂が消え去ったなら、残るはアーリマリン唯一人。怨霊を失った事、これまでの猟兵の攻撃でだいぶ消耗しているが、まだその魔神の力は失われてはいない。真龍の鎧腕を振降ろして来るが、それをリコリスはひらりと避けて、そのままの態勢でオートの【虎鶫】が発動。愛用のクランケヴァッフェから強力な超音波が放たれ、平衡感覚を失い、膝をつくアーリマリン。
「わたい達は皆で戦うからとっても強いんだもんね!虫けらなんかじゃないんだから!」
「そうです、よね。皆で戦うから、どんな強敵にも、負けない。――さて、とこんな目に合わせたんですもの。ちゃんと懲らしめてあげませんと」
 フラつきながらも怒りと怨讐の念に駆られたアーリマリンは、再び鎧腕を振り回す。リコリスは横薙ぎをくるくるとステップで避けて、振り降ろされたタイミングに合わせ、全魔力を込めた強烈なアッパーをカウンターで繰り出す! 天高く打ちあがった災魔はどさっと倒れこみ、はぁはぁと息を切らしている。
「すごいすごい! きみは肉体派だったんだね!」
「えっ? いやその……」
 少し恥ずかしがるリコリスに、オートはぶんぶんと手を合わせふりふり。災魔はその様子を、怨恨の籠った目でじっと見つめていた――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ハロ・シエラ
霊を鎮める、ですか。
死者の弔いなら何度も経験してきましたが、この世界の霊にも通用するでしょうか。
とにかくやってみましょう。

まずは花を持って戦場に赴き、その場に供えてから鎮魂歌を【歌唱】します。
即席ですが、【学習力】でこの世界の歌を覚えておきます。
その間も敵の召喚した霊が攻撃を仕掛けてくるでしょうが、一曲終えるまでは【オーラ防御】と【激痛耐性】で耐えましょう。
上手く行かなければ【破魔】の力を込めたユーベルコードの炎で祓ってしまうしかありません。
歌が終われば動けます。
雷撃と煉獄の炎を【見切り】回避して、悪魔と竜の霊も、オブリビオンすらもその炎で焼き尽くし、この戦場の浄化としましょう。




 死者の弔いなら何度も経験してきたハロ・シエラ(ソード&ダガー・f13966)。この世界の霊にも通用するかと疑問を持ちつつも、とにかくやってみることにする。やらねばこの戦場はいつまでもこのままだ。
 まずは花を戦場に備えてから、静かで優しい鎮魂歌を歌う。即席ではあるものの、この世界の歌を覚えておいたハロの出来る技だ。鎮魂歌は怨霊を鎮め、生前の喜びや生への祈りを思い出させる。それだけで浄化できる者もいたが、此処には沢山の霊がいるのだ。まだまだ歌は終われない。
 その間にもアーラマリンは召喚した悪魔の雷に魔龍の炎でハロを攻撃するが、一曲終えるまではオーラによる魔法防御と激痛耐性で耐える。正直、焼ける程熱く痺れる程痛い。それでも此処にいる怨念たちの嘆きは、こんなものではないのだ。それを考えたら、ハロはこんなところで倒れていられないと自分を鼓舞した。
「……。こんなものでしょうか」
 粗方の怨霊たちが消え去り、アーラマリンの攻撃も随分と弱くなった頃。吐かれた炎に巻かれる。それを破魔の力を込めた聖なる白色の炎が祓い、圧倒的な力の差を見せつけた。
 歌が終わり、自由に動けるようになったならハロの独擅場。雷撃と煉獄の炎を見切り、華麗に回避して、アーラマリンそのものも【クロスファイアー】で焼き尽くす!
「アアアア!」
「あなたは此処でおしまいです」
 アーラマリンの胸元に、剣先を突きつける。荒ぶる災魔はそれでも恐れることなく鎧腕で攻撃を仕掛けるが、怨霊の居なくなった墳墓の主は最早力なきオブリビオンに他ならなかった。
「アーラマリン、この場ごとあなたを浄化します。――いいですね?」
 悪魔も魔竜も、もう召喚するほどの力は災魔には残っていない。それを見越して。ハロは大きく振りかぶり剣をその豊満な胸に突き刺した!
「ギャアアアアア!!」
 返り血が飛ぶ。その叫びと共に、災魔に力を与えていた怨霊が次々と吐き出され、しおしおと萎びていくアーラマリン。もう彼女は動かない、動けない。核たる心臓を貫かれ、命の源である怨霊も抜け、かつての魔神は見る影もなくなった。
「……もう一曲必要そうですね」
 アーラマリンの体より噴き出した怨霊を鎮め、天に昇らせるべく再び鎮魂歌を奏でるハロ。その歌声は地下墳墓に響き渡り、嘆きの、憤怒の、怨恨の、怨讐の念たちを、天に向けて手を掲げ、導いた。
 その姿はまさに奇跡の人。かつて呼ばれたその名が相応しかった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年02月05日


挿絵イラスト