4
パスト・フォーサイスの挑戦状~熾烈!!やみなべ!!~

#キマイラフューチャー

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#キマイラフューチャー


0




●こいつぁひでぇや
「旧人類の偉大な食文化!! それはなにか? 答えよー、きまいらども」
 どこの学校の教室か、パスト・フォーサイスという子供の姿をした怪人がいた。眼鏡をかけて教師の様に振舞う。教壇に立つのはいいが背が低いので踏み台を使って見渡せるようにする。彼は生徒達を見下ろす。
 見下されているキマイラの子供たちはお行儀良く制服を着こなし、椅子に正しく座っている。黒板にアレクサンドロス大王、カエサルと書かれているあたり世界史の授業を行っているようだが何故それが旧人類の食文化に繋がったのか解せない。キマイラの子供たちは不思議に思わず真面目に答える。
「さんどいっちー」
「なぽりたんー」
「なっとうごはんー」
 皆が思いのまま好みの食べ物をあげていく。可愛らしい彼らに対しパスト・フォーサイスはいきなり黒板を手の平で叩きつける。どうも熱血教師のつもりでいるらしい。
「みんなどうしてわからないんだ!! なんのための世界史なんだ!!」
 いや、だからなんで世界史が旧人類の食文化にと突っ込みたくなる。それ以前にまともに授業する気ねぇだろ、この怪人。と突っ込んでは駄目なのだろうか。
「旧人類の偉大な食文化!! それは、や・み・な・べ!!」
 同時に馬鹿でかい鍋が教室の中央に出現し、パスト・フォーサイスが鍋の取って部分によじ登り、そびえ立つ。湯気で姿が見えない。
「きまいらども、俺様が教えてやるぜ! 闇のデュエルってヤツを!! あとメガネ曇る!!」
 眼鏡をぽい捨てして、こうしてカオスな教室が出来上がったのである。

●闇のデュエルに参加だ
 オレンジ・ロートは項垂れていた。例の怪人がまたしても騒いでるのだ。例の怪人とはパスト・フォーサイスの事である。状況説明を始めるオレンジ。
「みんな、聞いて。今、キマイラフューチャーで大変な事が起きてるんだ。って言ってもキマイラフューチャーのとある小学校なんだけどね。そこで怪人が闇鍋っていうよく分らない文化を広めようとしてるんだ」
 闇鍋というのはなんでも有りの鍋料理だが、食材によっては地獄と化する危険な鍋料理だ。食材は常識の範囲で食えるものが好ましいが、なんでも有りなので個々の裁量によるだろう。オレンジは猟兵たちに無茶苦茶なお願いをする。
「でね。怪人の悪行を止めるべく『君達に闇のデュエルに参加してほしい』んだ。食材を調達してきてね」
 さすがグリモア猟兵・オレンジ。どんな無茶ぶりの依頼でも言いたい事は言う。顔はスマイル、だが目が笑ってない。
 勝負のルールはターン制で交互に食材を鍋に入れ、どちらがギブアップするかまで勝負することだ。ついでに明かりはついているが挑戦者との間に湯気が昇り視界を遮っているので、どんな食材が投入されたか分らないドキドキも味わえるよ!!
「君達なら大丈夫だよ!! 正面から挑むもよし、なにか技を編み出してもよし、うまく食べた振りをするのもよし、勝てば良いんだよ。ちょっとゲスくてもいいじゃん」
 普段は明るいオレンジなのに、なかなかゲスい。
「さぁ、猟兵しゅつどーう!!」


麦茶
 一般的な闇鍋勝負です。鍋がデカイです。
 教室のど真ん中に置かれスペースの大半を占拠してます。
 どんな食材でもいいです。常識の範囲内でお願い致します。

 プレイングに自分のターンで食べた時のリアクションを入れてみるのもいいかも。
 それはパスト・フォーサイスの投入する食材によってですので本当に、
 挑戦する猟兵達はドキドキかもしれませんね。
8




第1章 冒険 『闇(鍋)のバトル』

POW   :    勝負を正面から受けて立つ

SPD   :    ワザを編み出す、有利になる情報を掴む

WIZ   :    知恵や口車で勝負自体をうやむやにする

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

クレイン・メニータイムズ
ワザを編み出してみましょうか。
こちらが持ち寄る食材は鰹節です。削ってません。頑張ってください。後はニンジン(切らない)と七面鳥(できるだけ大きなもの)と大根(比較的大きなもの)と麺類を持っていけば大丈夫ですかね?
ワザと言っても私は私の体質、身体そのものを利用するだけなんですが……
硬くて食べられないようなものは丸呑みして自分の体の中に隠しましょう。幸い体積は人一倍ありますし、ある程度の物は隠せると思います。
あくまで奥の手ですが、隠すのが難しくなってきたらトイレなど偽ってどこかに置いてくるという事も考えておきましょう。
もちろん普通に消化できるなと判断出来れば随時消化していきますよ?



 この熾烈な闇のデュエルに挑むのは誰なのか。キマイラか? 猟兵か? すると教室のドアが開かれた。
 キマイラの子供達、パスト・フォーサイスの視線が入口へ集中する。入ってきたのは六脚の細い足を持ち、鹿と人が融合したような姿、あるいは芸術的な姿とでも言うべきか。彼女の名はクレイン・メニータイムズ。種族はブラックタールである。なにやらお腹辺りがもごもご動いているが、きっと食材が入ってるのだろう。
 ようやく挑戦者が出てきたと、パスト・フォーサイスは嬉々する。
「デュエリストのお出ましだな。おまえ、名はなんていうんだ?」
「クレインです」(小声)
「ん?あ、わりぃ。もう一度言ってくれ」
「クレインです」(すこし小声)
 パストは首を傾けて眉をひそめては、必死に相手の声を聞き取ろうと努めたが。クレインは喋り続ける。
「闇鍋ですか。私の体質にとっては好都合の勝負だと思います。あの? 本当に勝負しますか?」(小声)
「ッだああああ!! 何言ってるか分かんねーけど、上がってこい! デュエルだ!」 パストに促されクレインは相槌を打つ。湯気が立ち込める巨大な鍋の取っ手を足場に二人は対になる。湯気のせいで両者の姿は見えなかった。
「おまえからでいいぜ。こういう系の勝負は俺様、強いからな。強者のよゆーってやつだぜ」
「はい」
 クレインはお腹から食材を遠慮なく投下し始めた。
 ドボォ、ドボォ、ドボォ。
「うおおおおおおおおいッ!!? 音が重いぞ!? 本当に食材か? 食材を入れてるんだろうな!?」
 湯気で見えないので急に不安になるパスト・フォーサイス。クレインはしれっと答える。
「鰹節です。削ってません。頑張ってください。後はニンジン(切らない)と七面鳥(できるだけ大きなもの)と大根(比較的大きなもの)と麺類はサービスです」(小声)
「んんんもおおおぉ!! ハッキリ喋れよ!!」
 先攻を譲った手前、不安のまま、パストは巨大スプーンで食材を掬いあげ、それをかじる。だが、それは堅い木のようで噛みきれなかった。
「かつお……ぶ、し? 削れよ!! 削れってば!!」
 クレインのターンは終了した。食材のうま味を味わえなかったパストは、腹いせにこちらも有りのままで食材を投げ入れた。それは、ココナッツだった。そのままのココナッツだ。
 流石に酷いだろうと思う。だがクレインはブラックタール。体の特性を活かしてココナッツを噛むことなく体の中に隠す。
「お腹の中が(球体だから)ゴロゴロしますね。ちょっとトイレへ行ってきます」(小声)
「うそだろ……。信じらんねぇ、ココナッツを喰いやがった。ありえねぇ。」
 普通の生物なら考えもつかないだろう。トリックを知らないパストはただただ驚くばかりだ。

成功 🔵​🔵​🔴​


マスターコメントです。
大変申し訳ありません。諸事情でリプレイ作業を一旦停止しています。参加して下さってた皆様にはご迷惑をおかけして、すみません。
 
※トミーウォーカーからのお知らせ
 ここからはトミーウォーカーの「真壁真人」が代筆します。完成までハイペースで執筆しますので、どうぞご参加をお願いします!
絶龍・しれゑな
【アドリブOK/口調として的には花魁口調。「い」は「ゐ」「え」は「ゑ」と旧仮名遣いに】

くふふ…私はとても興味深ゐです。
闇鍋など初めてです

くふふ、私の大好物のヰナゴの佃煮をたっぷり入れてみましょうか
あなたは「謎」をたっぷりお鍋に加えてほしゐでありんすね。

せっかくだからユーベルコヲドの能力をこのときに発動させて
ゐただきましょうか
ああ、これからこの方はどのような謎を私に食らわせてゐただけるの
でしょうね。楽しみ楽しみですよ



「くふふ……私はとても興味深ゐです。闇鍋など初めてです」
「俺様、なんかだいぶ不安になってきたんだけど」
 どことなく妖しい魅力を纏う絶龍・しれゑなの微笑みに、パスト・フォーサイスは気圧されたようにそう応じた。
「どうしたんだよチャンプ!!」
「逃げるのかチャンプ!!」
 キマイラの子供達は子供らしい残酷さでパスト・フォーサイスを煽っている。
「そ、そんなわけないだろう! 俺様は逃げも隠れもしないっ!!」
 宣言するパスト・フォーサイス。
 しれゑなは、その怪人の頭からつま先まで視線を滑らせた。
「ああ、これからこの方はどのような謎を私に食らわせてゐただけるのでしょうね。楽しみ楽しみ……」
「謎じゃないからな!? 闇鍋だからな!?」
 何か猟奇的な事件でも起きそうな雰囲気を感じ、パスト・フォーサイスと見守る子供達に言い知れぬ不安感が漂う。

 とにもかくにも、デュエル開始である。
「今回はちゃんと食えるものだと良いんだが……」
「くふふ……そんなに同様なさらないでくださゐ。きちんと私の大好物でありんす」
 ぱさぱさと、やや軽い音がしれゑなの手元から響く。しれゑなが鍋をかきまぜ終えると、パスト・フォーサイスは巨大スプーンで食材を掬い上げた。
「ん、なんだこれ、味もちょっと変わってるような……?」
「ゑゑ、少々味が強い食材ですからね」
「……何入れたんだ」
「ヰナゴの佃煮でありんす」
「ブッ……くっ」
 一瞬驚きから吹き出しかけ、寸前で踏みとどまるパスト・フォーサイス。
「お口にあゐませんでしたか?」
「さっきのに比べると食べられるだけマシっていうか」
 愚痴りながらも、怪人はその一杯を食べ終える。

 攻守が入れ替わって、今度はしれゑなの番だ。掬い上げた食材の重さに、しれゑなはそれを箸で探るとたちまちにして正体を言い当てる。
「かヰ……ホタテでしょうか。身も、かヰばしらも美味しいですよね」
「チッ、やっぱ猟兵じゃ引っ掛からないか。海の無いこの世界じゃ貴重品なんだよ……!!」
 実は美味しいものを無知ゆえに食べられないと判断してしまう……それも闇鍋バトルにおいては精神的ダメージの一種となりうるのだろう。
 その罠を潜り抜けられたことで、この食材は逆にパスト・フォーサイスを追い詰める一手となったようであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ロバート・ブレイズ(サポート)
『崇拝。創造。選択は貴様等に』
人間の探索者 × アリスナイト
年齢 78歳 男
外見 184.6cm 黒い瞳 白い髪 色白の肌
特徴 立派な髭 投獄されていた 過去を夢に見る 実は凶暴 とんでもない甘党
口調 冒涜翁(邪神担当)(私、貴様、~である、だ、~であろう、~であるか?)
気にいったら 冒涜王(ダークネス)(俺、貴様、~である、だ、~であろう、~であるか?)

恐怖・発狂・誘惑などの精神的な攻撃に対しての異常な耐性を有しています。
否定する事で恐怖を与え、冒涜する事が多いです。実は凶暴なので近接戦闘が好み。
宜しくお願い致します。



「ロバート・ブレイズ。挑戦させてもらおう」
「よく来たな! だが、俺様に勝てると思うなよ!!」
 白髪白髭のロバート・ブレイズは堂々と戦場に現れると、礼儀正しい所作で鍋を挟んでパスト・フォーサイスの正面に座った。
「今回は、俺様が先攻だな! さあ、喰らえ猟兵!!」
「ふむ……」
 パスト・フォーサイスが鍋に投じた食材を、ロバートは箸で摘まんだ。
「……鮭、か」
 骨の多い部位だ。食材を見ず、そのままかじったりすれば痛い目を見ていたかも知れないが、ロバートは箸で丁寧に骨を探り、取っていく。
「やるじゃないか」
「では、今度はこちらの番ということで良いな」
 ロバートは、鍋へ手を伸ばし──不意に、パスト・フォーサイスに問い掛ける。
「闇鍋──実に興味深い文化だとは思わんかね?」
「な、何?」
「人類の最も旧く最も強烈な感情は恐怖だ。そして、恐怖の中で最も旧く最も強烈なものは未知なるものへの恐怖──」
 ロバートの帯びる闇が膨れ上がったかのように、パスト・フォーサイスには感じられた。
「さあ、私は入れた。取りたまえ」
「お、おう」
 巨大スプーンを、パスト・フォーサイスは鍋へと入れる。
 その瞬間、どろりとした闇のような何かがスプーンに巻き付いた。『それ』はパスト・フォーサイスの腕へと遡るように巻き付き、指と爪の隙間を貫き激痛に絶叫をあげさせ血流を遡り筋肉肺心臓脳を侵し闇が闇闇闇甘闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇甘闇闇闇影闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇鍋闇闇闇闇闇──。

 ──そして気付けば、パスト・フォーサイスの椀は空になっている。
「──はっ、俺様、一体何を」
「きちんと『喰らった』な。結構、結構」
 賞賛するロバート。だが今の瞬間に何があったのか、彼の他に誰も記憶してはいないのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

セリオン・アーヴニル(サポート)
『俺は文字通りの『ヒトで無し』だからな。』
 多重人格者の黒騎士×人形遣い、21歳の男です。
 普段の口調は「気だるげ・厭世的(俺、呼び捨て、だ、だな、だろう、なのか?)」、時々「様々な別人格が顕現(自分、呼び捨て、言い捨て)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!




「なんか妙な経験をした気がするが──次だ、次!!」
「では、俺が挑ませてもらおう」
 セリオン・アーヴニルは、おもむろにパスト・フォーサイスの前に進み出た。
「今回はまともそうかな……?」
(「いや、猟兵がまともなわけないだろ」)
 そんなアテにならない推測を口にする怪人の甘さに、セリオンは肩をすくめる。

 先攻はセリオンとなった。早速ザラザラと音を立てて、鍋の中に何かが投じられていく。スプーンでそれを掬い上げたパスト・フォーサイスは、椀を二度見した。
「こ、これ食べて大丈夫なやつなのか……!?」
 そこに入っていたのは、大量の飴状の薬だった。
 セリオンが、普段から使用している抑制剤だ。
「さあな……俺は毎日飲んでいるぞ」
「ひえっ……俺様猟兵甘く見過ぎ……?」
 実際のところセリオン以外に効果は無い。だが、混然一体となったその様と溶けた薬につけられた飴のような味付けは、パスト・フォーサイスに精神的なダメージを与えたようだった。

 次いで後攻、パスト・フォーサイス。投入されたのは、何やら軽いもののようだった。セリオンがスプーンを入れると、入っていたのは薄い皮で挟まれたトマトやタマネギ、ひき肉だ。
「なんだこれは」
「タコス」
「いや、せめて鍋なら酢蛸にしろよそこは、捻るなよ……」
「魚介類三連発と見せかけてそれを避ける俺様の戦略だよ!」
 見苦しく開き直るパスト・フォーサイス。どうやら怪人側は、精神的に追い詰められつつあるようだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

フィロメーラ・アステール(サポート)
「あたしの力が必要なら手を貸すぞー!」
ここで超スーパー最高にラッキーな妖精が到着!
なんかノリと勢いでイイ感じにするぜ!

よし、何をしたらいい!?
何でも任せろー!

・戦闘
聖なる光で浄化したり、眩しくしたりする!
オーラのバリアを飛ばして守ったりできる!
技能は付与魔法としても扱えるので、飛行能力とかつけられる!

・探索
自然界と交信していろいろ感じ取ったりする!
姿を隠してこっそり潜入もできる!
勘と運にモノを言わせるのもアリだ!

・その他
踊ったり光ったり騒いだりするだけでもいい!
宴会の賑やかし、遊びの人数あわせ、どんとこい!

光でできそうな事、魔法でやれそうな事、思いついたらやってみるので自由にやらせてほしい!



「それじゃ次はあたしの番だー!!」
「よし、これなら……俺様勝てるんじゃないか!?」
 人形のように可愛らしいフェアリー、フィロメーラ・アステールの登場に、パスト・フォーサイスは軽く拳を握った。
 身も蓋も無いが、普通に考えればこの勝負、体の小さなフィロメーラがギブアップするのは確実だろう。
 だが、その予感もフィロメーラの扱う光魔法を見るまでだった。
「今回は俺様先攻! 食材投入!!」
「おっけーおっけー」
 フィロメーラは身に纏う光で鍋を照らした。そして安全そうな食材を掬い、彼女のサイズに合わせた椀で食べ終える。
「なんか変な味になってたけど、ごちそうさま!」
「いやいやいやいや」
「え、何」
「何って……いや、その、盛り上がりとか、デュエルの展開とかさぁ……!!」
 だが、別にフィロメーラもルールに違反しているわけではない。
 というか別にルール上、相手が投入した食材を食べなくても良いことを、パスト・フォーサイスも観客たちも今更ながらに思い出す。
 キマイラフューチャーらしい、ザルルールであった。

「そっかー、ごめんごめん。でも逃げないよね、旧人類だし……!」
「旧人類!」
「旧人類!」
 フィロメーラの煽りに、観客たちが盛り上がる。ぐ、と一瞬言葉を詰まらせた怪人は、堂々と宣言する。
「ああ、当然だ。俺様は逃げも隠れもしない!!」
「じゃあこっちの番ね。光る光り物ドーン!」
 フィロメーラの声と共に、鍋に流星の如く光る魚が投入された。実に怪しかった。
「逃げないよね、旧人類だし」
「ハイ……あ、美味しい」
 怪人は死んだ目で呻きながらも、なんとか魚を食べ終える。なお、魚はフィロメーラの付与した光を帯びているだけで完全に安全な食材であったという。

成功 🔵​🔵​🔴​

天道・あや
闇鍋は偉大な文化じゃない気がするけど、…やるなら旧人類として受けて勝って見せる!

ガラッと扉を開けてあたし参上!いざ尋常に…鍋を食べに来た!!


そんな訳であたしは【サウンドオブパワー】を歌いながら教室に入って!真っ向から!鍋を食べる!!あたしならどんな具でもいける筈!(激痛耐性)

あたしがいれる具座は…じゃがいも!!

食べたものがセーフだった場合
美味しいっ!やっぱりあたしはついてる!ふふーん!次はyouの番だよ!

アウトだった場合
……うぐっ!?こ、これは……だ、ダメだったか…がくりっ!



 まだ星屑の光残る教室の扉がガラッと開いた。
「届け歌、届けこの想い……♪」
 そこから歌を口ずさみながら入って来るのは、天道・あや。彼女は若干死んだような目になっているパスト・フォーサイスに、びしっと指を突き付ける。
「いざ尋常に……鍋を食べに来た!」
「……よし! 今回こそまともな挑戦者!! だと信じる!!」
 なんとか心を奮い立たせ、パスト・フォーサイスは鍋を挟んであやの正面に座った。

「偉大な文化、闇鍋の素晴らしさを知るがいい……!!」
「闇鍋は偉大な文化じゃない気がするけど……やるなら旧人類として受けて立つ!」
「「デュエル!!」」

 厳正なる抽選の結果、先攻は怪人の側だ。
 パストが何かの缶から具材を投入したのを受け、あやはスプーンで鍋から具材を掬い上げる。すぐに目に入るのは、赤い色をした汁。
「これは……トマト!」
 どうやら身の危険を感じたのか、ここで味をホールトマトで上書きしておこうという戦略だったようだ。だが、あやに
「美味しいっ! やっぱりあたしはついてる!!」
「くっ!」
 悔し気に呻くパスト・フォーサイスの前で、ドボドボと音を立てて何かが投入された。
「よしっ!! ふふーん、次はyouの番だよ!」
「よしじゃないよ」
 すぐさまスプーンを渡してくるあやに恨めし気な目を向ける怪人だが、観客の子供達の目が彼に留まることを許さない。
 パスト・フォーサイスは湯気の中へと巨大スプーンを入れた。すぐに何かの感覚が、スプーンに乗って来る。
「これか……お?」
 あやの投入した具材はじゃがいも。鍋の具材としては、そう突飛なものでもない。安心したように噛り付いたパスト・フォーサイスは、その冷たい感触に顔をしかめる。
「生煮え……」
 焦り過ぎた彼の、当然の帰結であった。
「レンジとかであっためると良いんじゃない?」
「いや、なんか……親切にされると俺様余計惨めな気分だからいいよ……」
 戦いの舞台が教室なだけに、鍋を除くと設備も乏しい。
 鍋に具を戻して煮直すわけにもいかず、パスト・フォーサイスは湯気立ち昇る鍋の前で生煮えのじゃがいもをかじるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アネモス・アルビレオ
POW:勝負を正面から受けて立つ

少年同士仲良くしたい時はデュエルに限るね!(ガラっと教室の扉を開け)
友情やら色々芽生えて関連商品を上手く宣伝して盛り上げないとね!
あ、僕の名前はアネモスだよ、よろしくね💛

僕が持ってきたのは少年物でおなじみの駄菓子詰め合わせセット!
酸っぱいイカとかざらざらしたヨーグルトみたいなのとか色付きだけど味は全部一緒の長いゼリーとかいっぱい持ってきたよ!チョコやガム等甘いの多め。
UCで教室中を美少年にして手伝って貰い大量に投下。

ふう完成だね!
僕は可愛い物担当だから可愛い=甘い物大好き!
美味しくいただきまーす💛
はい、あーんしてあげる♡



 教室の扉を開け、新たな挑戦者が入って来る。その瞬間から、教室の空気が一変したのがその場に居合わせた者には感じられた。
「僕の名前はアネモスだよ、よろしくね💛」
 アネモス・アルビレオ。その美しき視線を向けられた観客の女の子たちの目が、恋の色に染まる。怪人による影響など、文字通り一目で打ち消していた。
 だが、アネモスの心はデュエルの方に向けられていた。
「やっぱり少年同士仲良くしたいときはデュエルに限るね! 友情やら色々芽生えて関連商品をうまく宣伝して盛り上げないとね!」
「闇鍋ブーム……そういうのもあるのか!!」

 今回の先攻は、猟兵アネモスの側となった。既にグロッキー気味のパスト・フォーサイスだが、この窮地を乗り切ろうと気合を入れている。
「俺様は……負けない!!」
「うんうん、いいねいいね! それじゃあ僕のターン!!」
 アネモスが言った瞬間、空間が美少年に染まった。
「なッ……!?」
 床から美少年が生える。黒板から美少年が現れる。電灯から、スピーカーから、教室中のありとあらゆる無機物から、美少年が現れていく。
「皆、美少年になーれ♪」
 アネモスのユーベルコード、ビショーネン・クリエーションであった。
 美少年の神であるアネモスが望むところ、美少年は生まれ、そして美少年らしく振舞うのだ。
 唖然とするパスト・フォーサイス(と子供達)の前で、美少年たちは創造主たる美少年神の意を受け、駄菓子を大量に投入していく。
 酸っぱいイカやヨーグルト的なもの、カラフルなゼリーやチョコやガム……。
 少年らしい駄菓子を、美少年たちは笑いさざめきながら鍋へと投入していった。投入し、鍋を混ぜ終えると、美少年たちは、一斉に怪人の方を見つめる。
「怖ッ」
「ふぅ、完成だね! さあ、美味しく食べてね? はい、あーんしてあげる♡」
 逃げ腰になるパスト・フォーサイスだが、その周囲は美少年たちに取り囲まれ、既に逃げ場も無い。
 精神的重圧に、怪人がギブアップを宣言するのは間もなくだった。
「美少年に囲まれて鍋なんて、ご褒美だと思うんだけどなぁ」
 だが勝利を収めたアネモスは、不思議そうにそう呟いているのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『ライバル怪人の挑戦!』

POW   :    勝負を正面から受けて立つ

SPD   :    ワザを編み出す、有利になる情報を掴む

WIZ   :    知恵や口車で勝負自体をうやむやにする

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 怪人パスト・フォーサイスの仕掛けた闇鍋デュエルに勝利を収めた猟兵達。
 だが、パスト・フォーサイスの心はまだ完全に屈服してはいなかった。
「俺様は、まだ負けたわけじゃねー!!」
 怒声と同時、教室の外に現れるのは人が何人も入れてしまうほどに大きな、新たな土鍋だった。
 怪人が命じるがまま、鍋は水で満たされていく。
 そして、パスト・フォーサイスは新たな『闇鍋デュエル』の主題を告げた。

「闇鍋デュエルの真髄は食べるのみに非ず! 己自身が鍋の一部になることだ──」
 猟兵達は怪人の正気を疑った。
 先ほどの闇鍋に何か悪いものでも入っていたのだろうか。
 だが、パスト・フォーサイスはコンロに乗った鍋を前に、なおも自信ありげに言う。
「俺様には闇鍋の一部になることも耐えられる……なぜなら、旧人類だから! お前達にそれが出来るか、いぇーがー!!」
 要するにパスト・フォーサイスは『熱湯我慢比べ』を挑んできているようだった。
 どれだけ煮え立つ鍋の中で耐えることが出来るかを競うのだ。
 先ほどのデュエルでは醜態を見せた彼だが、その我慢強さを見せられれば、憧れるキマイラも出て来よう。
 怪人として強化された彼ならば、熱湯にも耐えられるのだろうし。

 だが、同時にこの新たな競技が怪人の悪あがきであることも明白だった。
 戦いの舞台となる鍋は大きさは何人も入れるほどもあるが、特にこれといって罠が仕掛けられている様子もない。根性で真向から打ち破っても構わないし、知恵を尽くして上手く勝つことも出来るだろう。
 闇鍋という趣旨なのだから、新たに何か鍋に入れてやったりしても良い。
「行くぞ、闇鍋デュエル第2ステージだ!!」
佐藤・和鏡子
パスト・フォーサイスに真っ向から勝負を仕掛けます。
こちらも機械(ミレナリィドール)なので、いくら怪人とはいってもあくまでも生物の彼よりも熱には強いはずですから。
ダメ押しで温感効果がある唐辛子などの激辛スパイスやとろみを付けて冷めにくくする片栗粉を大量に入れて体感温度をさらにアップさせます。
(激辛あんかけのようなイメージです)
こちらの電子回路と向こうの体、どちらが先にやられるか勝負です。
普段着がスクール水着にセーラー服の上着と看護帽なので、そのまま鍋に入ります。
(薄着なので、アイテムの使用などのインチキはしていない、というアピールにもなりますから)



 巨大なコンロに乗った鍋に水が満たされる。
 負けを認めず、なおも闇鍋勝負を挑んで来た怪人、パスト・フォーサイスとの勝負に、最初に手を挙げたのは佐藤・和鏡子だった。
「はーい、それじゃ私が挑ませてもらいます!」
「準備万端みたいだな!」
 和鏡子の服装を見て、パスト・フォーサイスはそう言った。
 頭には看護帽、上半身にはセーラー服を着てはいるものの、和鏡子が下に着こんでいるのは紛れもなくスクール水着だ。
「普段着なんですけどね」
「まあ俺様の同類にも常に全身タイツとかいるしなー」
 納得したようにパスト・フォーサイスはうなずいた。
 首領や幹部に至っては全裸だったりバニースーツだったりしたので、服装に関して怪人が何かいうのは藪蛇であろう。

 観客や他の猟兵達が見守る中、梯子を使い、両者は鍋の淵へとあがった。
『闇鍋デュエル……スタート!!』
 宣言と共に、闇鍋デュエル熱湯編は開始された!
 鍋を満たす湯の温度は次第に上昇していく。だが、パスト・フォーサイスも、機械の体を持つ者として熱に強い和鏡子も、ともに大して堪えた様子はなかった。
「お互い、熱には強いみたいですねぇ」
「この勝負なら! 今度こそ! 俺様に負けはない! って……」
 パスト・フォーサイスの顔色が変わった。
 和鏡子が、持ち込んだ救急箱から何かを鍋のお湯の中へと入れている。
 彼女の周りの湯が急激に赤く染まっていく様に、パスト・フォーサイスは不吉な予感を隠せない。
「熱ッ、てか、痛ッ!? え、マジで何入れてんのコレ!?」
 目から、鼻から、粘膜を激しく攻め立てる刺激が、怪人を襲う。おまけにお湯も次第に粘り気を増してきていた。
「片栗粉と、激辛スパイスです」
「餡掛けッ!?」
 とろみと共に激辛の刺激を帯びていくお湯は、熱ばかりでなく刺激をもって、怪人の目と呼吸器を攻撃していく。
 パスト・フォーサイスが音を上げるまで、時間はかからなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

天道・あや
あ、諦め悪い…!よーし…!二回戦!レディ…ゴー!

そんな訳で二回戦も真っ向勝負!鍋へ向けて【スカイステッパー】でJUMP!夢や未来へこの熱い思いと!闇鍋の温度、どっちが強いか勝負!!

歌【サウンドオブパワー】を歌いながら気持ち良さそうに入る!あたしだって旧人類!闇鍋の一部になるのはどうかと思うけど耐えられる!(激痛態勢)

勝った場合
よしっ!あたしの勝ち!あたしの熱い思いは鍋を上回る…!そしてこの調子でスタァにあたしは…なる!

負けた場合
……あ、熱い!?も、もう無理!?……う、うーん、やっぱり具材はちょっと…はっ、具になるという事はあたしの汗とかも…た、タンマ!?そ、その鍋変えよう!?



 怪人と、次なる猟兵との勝負を前に、すっかり真っ赤に染まった鍋の湯の張替えが行われる。
「まだまだ、俺様は負けちゃいない──!」
「あ、諦め悪い……!」
 天道・あやは怪人の諦めの悪さに閉口した。
「さっきみたいに繰り返し精神的ダメージを与えて、ギブアップさせるしかないかな」
 すっかり観客の支持も離れていそうな気もするが、どうも本人が負けを認めそうになかった。
 あやとパスト・フォーサイスの両者は鍋の淵に上り、闇鍋デュエルの準備を整える。

『闇鍋DueL Regulation Nettou Ready!!』

 どこからか電子音声で、勝負の開始を示す音声が響いた。
「……え、今の声どこから?」
「どうした、怖気づいたか!?」
「そんなわけないでしょ!」
 あやはパスト・フォーサイスの挑発に、毅然と言い返した。
「夢や未来へ、このあたしの熱い思いと! 闇鍋の温度、どっちが強いか勝負!」

『闇鍋DueL Regulation Nettou ──GO!!』

 あやの足は空中を踏み、見えない階段を駆け登るように舞い上がった。
 そのまま飛び込み競技の選手のように華麗に着水し──。
「熱ッ!?」
「あ、ごめん」
 思いっきり跳ねた湯が、パスト・フォーサイスの顔面を直撃した。
 そんな不幸な事故はさておいて、あやは歌を口ずさみながら熱湯に耐えていく。
「あたしだって旧人類! 闇鍋の一部になるのはどうかと思うけど耐えられる!」
 心頭滅却すれば火もまた涼し。
 歌を楽しむ心の余裕があれば、人はどんなことだって耐えられるのだ。
 そう自分に言い聞かせながら、もはや激痛すらもたらすようになった湯に耐えていく。
 お湯の熱さは、両者の肌を赤く染めていき、沸騰する鍋に湯気がもうもうと立ち込め、観客から2人の闘士の姿を覆い隠す。
 そして、片方の影ががくりと湯に倒れる。それでもなお続く歌声は、この戦いの勝者を示していた。
『Winner Aya Tendou!!』
 電子音声と観客の拍手が、熱闘を終えたあやを讃える。お湯を出たあやは、ぐったりした怪人に呼びかけた。
「あ、次の前にまた水の張替えよろしく!!」
 勝負の間にも、湯気やお湯であやは散々汗をかいている。さすがにその汗が混じった湯を継続して使われるのは、彼女にとっても望むことではなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

宙夢・拓未
革ジャンのまま熱湯に浸かりたくはないから、水着に着替えて勝負開始だぜ
さあ、行くぜパスト!

【機械仕掛けの心臓】を発動
ただ、俺が浸かる熱湯は『攻撃』ではないから、多分熱い
でも、生命維持は不要になるから、これで俺が熱暴走したりすることはなくなるはず
あと必要なのは、熱さに耐える【激痛耐性】と、【勇気】だけだ!

効果は非戦闘行為に没頭してる間だから……そうだな
俺の宇宙バイクの魅力について、延々パストに語りかけよう
「Crimson-Blastは俺の最高の相棒なんだぜ。どういうとこが格好良いか聞きたいだろ?」

▼補足
見た目が人間のサイボーグです
体はほとんど機械ですが、肌が赤くなったり汗が出たりする機能はあります



 続けて進み出た宙夢・拓未は、皮ジャンを脱いだ。
 水着姿になった拓未は、パスト・フォーサイスへと勝負を仕掛ける。
「さあ、行くぜパスト!」
「いいだろう……闇鍋デュエル、スタートだ!!」
 両者、一斉に鍋の中に入り勝負は開始された。
 サイボーグである拓未の、機械仕掛けの心臓がチクタクと音を鳴らし始める。
 体はほとんど機械なのだが、まだ発汗作用等の生体部品は残っており、そうした部分は次第に熱の影響を受けつつあった。

 その熱がもたらす痛みを忘れようというかのように、彼はパスト・フォーサイスに話しかけた。
「なあ、ただ湯に漬かっているだけっていうのも芸が無い。一つ話をしないか」
「え……俺様なんかヤな予感」
「そうだな……俺の宇宙バイク、Crimson-Blastの話をしよう」
「いや聞いて!?」
 聞かなかった。
 言葉を媒介にした何かのユーベルコードなのではないかと警戒するパスト・フォーサイスに対し、拓未は一方的に語りかけていく。
「Crimson-Blastは俺の最高の相棒なんだぜ。どういうとこが格好良いか聞きたいだろう? まずはその外見だ。宇宙空間でも映える赤いボディ……宇宙バイクなのに漆黒の宇宙空間じゃ、戦う時に悪目立ちするんじゃないかって思うだろう。実際その点についてはその通りなわけだが、宇宙で運用される兵器ってのは、大体レーダーで照準を定めて使うから、実際のところ視認性はあまり問題にならないんだ。合わせて前輪部についても説明すると、ルーン文字型のシールを貼れるようになっていてな。魔術的作用によって敵からの隠蔽をはじめ様々な機能を……そういえばルーン文字っていうのは知ってるか?」
「は? いや知らないけど……」
「そうか、じゃあルーン文字についての説明からだな──」
 そんな調子で、宇宙バイクに関する話を延々と続ける拓未。
 彼の体の周囲には、いつの間にかバリアが展開されている。
「そうして一つ一つのパーツが集合して、外観の全体は機能性とデザインの調和が……ん? おーい。寝ちまったのか? まだ外見の話しかしてないのに、しょうがないな……」
 いつの間にか反応しなくなって湯に浮いていたパスト・フォーサイスを担ぐと、拓未は鍋を出るのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フィロメーラ・アステール
「しょうがないなー、もうちょっと付き合うか!」
流れ星の温度は数千度あるって言うくらいだし!
熱湯風呂とか意外に平気かもしれない!

まあ【気合い】でなんとかなるって!
でも水から温まるのを待ってるのはヒマだなー!
観客の皆もそろそろ飽きてるんじゃない?

というわけで【紲星満ちて集いし灯光】を発動だ!
大量の光精を呼び出して、光を集中させて、一気に暖めるぞ!

なんか昔エコとか流行した時にこういう料理方法もあったとか?
旧人類の凄さが窺えるなー、たぶん闇鍋にもピッタリ!
むしろ光鍋って感じもするけど!

あっ、お湯が暖まる前に中の人の方がホットに!?
どうしてこんなひどい事が……!(光のパワーを吸収しながら)



「まだ諦めてないんだ。しょうがないなー、もうちょっと付き合うか!」
 フィロメーラ・アステールは気合を入れながら、パスト・フォーサイスを見た。
 ここまでの連戦で、かなりフラフラになっている。
「あと一押しかな?」
 そう思いながら、フィロメーラは怪人と共に鍋に入った。
 体の大きさを考えれば、熱が回るのはフェアリーの方が早いはずなのだが、先程のことを思い出し、パスト・フォーサイスは顔色を曇らせていた。
「うーん……なんか嫌な予感がするぞ。まあいい、デュエルファイト!」
 デュエル開始の合図と共に、鍋に火がかけられる。
 徐々に温度が上がっていくのだが……。

「うーん、この水から温まるのを待ってる時間、ヒマだなー!」
 フィロメーラはフェアリーらしい飽きっぽさで、あっさりとこの闇鍋デュエルの欠点を指摘した。
「観客の皆も、そろそろ飽きてるんじゃない?」
『確かにそうかも』
『もう4回目だし……』
 フィロメーラの呼び掛けに、観客たちは頷いて応える。
「ガーン……流行の移り変わり、速過ぎ……」
「そう、デュエルには色んなパターンを設けないと視聴者のニーズ? とかに応えられないんだ!」
 フィロメーラは適当に言うと、大量の光精を召喚した。
 周囲が暗くなったようになり、鍋だけが煌々と照らし出される。
 パスト・フォーサイスの頭上に集まった光精が、一斉に周囲の光を集め、鍋の湯を熱し始めたのだ。
 これで湯を熱するステップを一気に省略しようという考えである。
「昔こういう料理方法とか多分あったんじゃないかなー。エコっぽいけど、これじゃ闇鍋じゃなくて光鍋かな」
 フィロメーラはそんなことを言って笑いながらパスト・フォーサイスを見た。
 焦げていた。
「あっ……お湯の前に中の人の方がホットに!?」
 慌てて(自分は光を吸収しながら)怪人に飛び寄るフィロメーラ。
 パスト・フォーサイス試合続行不能!
 これにより、闇鍋デュエル第2ステージは、猟兵の完全勝利に終わったのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『パスト・フォーサイス』

POW   :    来い!俺様の手下どもっ!!質より量で押し潰せ!!
【相手している猟兵の10倍の数の雑魚キャラ】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
SPD   :    おりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃ!!!
【武器を使った怒涛の連続攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    俺様は逃げるから、後は任せたぞ!俺様ちゃん人形!
自身が戦闘で瀕死になると【逃げる時間稼ぎ用の巨大パスト君ぬいぐるみ】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は百目鬼・明日多です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「やっぱり猟兵ってすごいね!」
「そうだね怪人より猟兵だね」

「ち、畜生……!!」
 パスト・フォーサイスは怒りを隠せずにいた。
 一応はすごいと思わせていたキマイラの子供達の信望は、すっかり猟兵に奪われてしまっていた。服を着替えた怪人は、自分の体よりも大きな錨のような武器を、怒りを籠めて振り上げる。
「こうなったら、俺様自らの力で、お前達をぶっ倒して闇鍋の具にしてやらぁー!!」
 破れかぶれになり、猟兵達に挑みかかって来る怪人パスト・フォーサイス。
 彼を骸の海に叩き戻し、この戦いに決着をつけるのだ!!
ユキ・スノーバー
猟兵を闇鍋の材料にってなると…
種族混合鍋過ぎて、鍋が爆発しちゃいそうだよねっ
Σってそんなにのほほんと考えてる場合じゃなかったっ!
通りすがりにじゃじゃじゃじゃーん!
危ない武器を振り回す時は、周囲確認をしっかりしなきゃだよ!(びしっ!)
と、怪人と子供達との距離を確保すべく挑発しつつ、間に入る様な形で先ず安全確保っ

そんなに怒って…ちゃーんと落ち着いて行動しなきゃ、ロクな事にならないんだよー?
クールダウンもとい、華吹雪で物理的に冷や…あ、鍋まで冷やすつもりはないんだけどねっ
子供達に怖いのをなるべく見せない様、吹雪をくるくるっと敵めがけて吹かせてからドーン!と堅物な頭を攻撃するねっ

他猟兵さんとの連携歓迎


天道・あや
お、いよいよ実力行使?でも悪いけどもう闇鍋は終わり!終了!こっからはあたし達のターン!子供の達の教育に悪いしあんたを倒す!最終ラウンド!レディ……go!!


まずは教室だし子供達や教室の安全の為にも【ダッシュ】でパストに近寄って【手をつなぐ、グラップル】でパストを掴んで教室の窓から外へ【ジャンプ】!
外に出たらパンチやキックで攻撃!そしてパストがぬいぐるみを召喚して逃げようとしたらぬいぐるみの攻撃を【見切り】隙をつて【サウンドウェポン】を構えてUC発動!【歌唱、楽器演奏、属性攻撃(雷)】

お鍋は皆で楽しく安全に美味しく食べるもの!そして未来と夢は闇じゃなくて光!そこんところ覚えて海に帰ってね!パスト!



「お、いよいよ実力行使? でも悪いけどもう闇鍋は終わり! 終了!!」
 天道・あやはパスト・フォーサイスに向かって力強く宣言した。
「こっからはあたし達のターン……! 子供達の教育に悪いし、あんたを倒す!」
「言うじゃないか。だったら……」
 猟兵達が被害を気にしているのを見抜いたか、怪人は子供達に一瞬視線を向ける。その瞬間、不意に新たな声が響った。
「通りすがりにじゃじゃじゃじゃーん!」
 乱入して来たのはユキ・スノーバーだった。怪人と子供達の間を遮る形で躍り出たユキは、その手にしたアイスピックの先端を怪人に突きつける。
「そんな錨を持ってるなんて危ないよー! そういう危ない武器を振り回すときは、周囲確認をしっかりしなきゃだよ!!」
「お前も猟兵か! ちょうどいい、お前も闇鍋の具にしてやる!!」
「闇鍋……猟兵をかぁ……」
 ユキは、相手の言葉に思わず考え込んだ。
(「人間……テレビウム……ウォーマシン、ブラックタール、テレビウム、バイオモンスター、神、桜の精……フェアリー……」)
 そういった種族諸々をまとめて入れたら、多分カオスなことになるであろうことは容易に想像がついた。
「種族混合鍋過ぎて、鍋が爆発しちゃいそうだよねっ!!」
「いや、そこまで考えたのお前……?」
「チャンス!!」
 そんなユキとの問答で生まれた隙を、あやは見逃さなかった。
 床を蹴り、虚を突かれたパストの手を掴むと、あやはそのまま振り回すようにして共に大きくジャンプする。怪人を子供達から引き離す形で外へと飛び出したあやは、そのままパストへと拳を繰り出していく。
「このまま、押し切るっ!!」
 だが、パストも黙ってはいなかった。刃となった錨を振るい、あやから距離を取ると声を上げる。
「来い!俺様の手下どもっ!!」
 そうパストが叫ぶと共に、頭の上でぐつぐつと煮える鍋を乗せた闇鍋怪人達が、20人ばかり押し寄せて来る。
「質より量だ! ……押しつぶせ!!」
「「かしこまりナベー!!」」
 怒涛のごとく、あやの方へと向かってくる怪人達。
 ユキは黒長靴を履いた足を素早く動かして怪人達の前へと飛び出した。
「子供達の方にいかせるわけにはいかないよ!」
 怪人達を威嚇するようにアイスピックを振り回すユキ。
 ふと、あやは気になったことをユキに問う。
「……そのアイスピックは、振り回して危なくないの?」
「ぼくは確認しっかりしてるし、それにほら」
 言いながらユキはアイスピックを振るった。あやに飛び掛かろうとしていた鍋怪人の鍋がかち割られる。
「ナベー!?」
 と悲鳴を残して鍋怪人が消えた。安全が生まれる。
「ね?」
「う、うーん……?」
 何かが間違っている気もする。
 とはいえ、その追及をしている場合ではなかった。
「あたしの歌を、此処に居る皆に……いや、世界に いや!! 未来まで届けたい! だからいっくよーー!!」
 サウンドウェポンを構えたあやの演奏が、押し寄せようとしていた怪人達を消し飛ばす。パスト・フォーサイスもまた、苦痛の表情を隠さない。
「くっ、これは……!!」
「お鍋は皆で楽しく安全においしく食べるもの! そして未来と夢は闇じゃなくて光! そこんところ覚えて海に帰ってね! パスト!!」
 耳を抑えて呻くパストへ、猛吹雪を纏いながらユキがすかさず距離を詰めた。
「逃がさないよ! 覚悟ーっ!」
 パストに身代わりの人形を出す暇も与えず、冷気と共に振るわれたアイスピックが怪人の頭を割らんばかりの勢いで打ち据える。
「ガッ……!」
 大きくよろめいたパスト・フォーサイスは、ユキを振り払うと、忌々しそうに猟兵達を睨むのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

宙夢・拓未
最初の一撃さえかわせば、あとはこっちのもんだ
『アンバーアイズ』を起動、【視力】を増して攻撃の軌道をよく見る
武器が振るわれる瞬間に素早くバックステップ、避けるぜ

うまくいったらこっちの番だぜ
見せてやるぜ、俺がバイクと共に繰り出す【車輪魔術】を!
……教室内に俺のバイクはどこにもないって?
(窓をガラガラ開ける)
ははは、実は外に停めてあるのさ!

【高速詠唱】でルーンを唱え
『チクタクエンジン』の魔力を最大限に使う【全力魔法】
窓から飛び込む、炎の【属性攻撃】の矢は、パスト目がけて飛ぶ【誘導弾】

さあ、受けてみろ!
熱湯の後に炎はキツいよな?
……ま、俺達は敵同士だしな
悪いなパスト、色々諦めてくれ!!


アネモス・アルビレオ
他猟兵さんとの連携歓迎

パスト君そんなに落ち込まないで、勝負はツーアウトからって旧人類の言葉もあるよ!
あ、でも倒さなきゃいけないんだったてへぺろ。
というわけで美少年的サヨナラホームランぶちかましまーす!

【ビショーネン・クリエーション】でもう一度教室中の無機物を美少年に変化。
教室にいる子供達の避難誘導に当たらせ、何人かはアネモス応援団として残し、応援歌を歌わせる。
何故か【呪詛】がたまりにたまった武器【🌟しゃいにーらぶじ🌟】でパストと真っ向勝負(チャンバラ的な意味で)
不意を付けたら予告通り窓の外、否、世界の外まで吹き飛ばすかのようにぶん殴る。物理は強い。



 猟兵達の攻撃に負傷しながらも、パスト・フォーサイスはなおも錨を振るった。
 強烈な振り回しを繰り出しながら前進する怪人は、再び校舎内へと突入してくる。
「悪いが、これ以上は進ませないぜ!」
「言ってろよバイク野郎!!」
 迎撃するのは宙夢・拓未。
 両目に装着した『アンバーアイズ』は、その錨の軌道をしっかりと捉える。
 拓未は革ジャンを掠めるようにして錨を掻い潜ると、素早く後方へと跳躍した。
「見せてやるぜ、俺がバイクと共に繰り出す車輪魔術を!!」
「何言ってんだ、バイクなんてどこにもないだろ……!!」
 パスト・フォーサイスの言葉を受け、拓未はニヤリと笑うとガラガラと窓を開けた。
 そこにあったのは、赤い車体の宇宙バイク!
「それが、『Crimson-Blast』か……!?」
「ははは、名前を覚えててくれたか! 実は外に停めてあったのさ!!」
「さんざん聞かされたからだよ!?」
 トラウマ気味なパスト・フォーサイスが錨を振り上げ迫って来る。
 それが届くよりも早く、拓未は窓から飛び出すとバイクにまたがった。
「さあ、受けてみろ!!」
 エンジンに火が入り、前輪を大きく上げた宇宙バイクから炎の矢がパストへと放たれる。
「チッ……」
 錨で矢を振り払ったパストは、拓未から遮蔽を取るべく教室の一つの扉を開けると中へ飛び込んだ。すると、彼を待ち受けていた者の声が響く。
「やあ、いらっしゃい」
「ヒェッ!?」
 パストを待ち受けていたのは、美少年……もとい、アネモス・アルビレオだった。
「そんなに焦って、どうしたのパスト君? ……そんなに落ち込まないで。勝負はツーアウトからって旧人類の言葉もあるよ!」
 励ますように言ったアネモスは、小首をかしげると可愛らしく舌を出した。
「あ、でも倒さなきゃいけないんだったてへぺろ」
 あざとく声に出して『てへぺろ』と発言する。
 美少年神だからこそ許される神業であった。
「「頑張れ♪ 僕らの美少年~~♪」」
 教室中の無機物たちが、またもや美少年と化して応援歌を歌い上げている。
 残る美少年たちは、子供達の避難に当てているので先程より数は少ないようだ。
 とはいえ、美少年ばかりが居並ぶ様にパストはそこはかとない威圧感を感じていた。
「それじゃ、やろっか!!」
 アネモスは、美少年神の叡智の杖🌟しゃいにーらぶじ🌟を振るう。
 パストの錨とアネモスの杖がぶつかり合い、はげしい音が教室に響く。
 つばぜり合いの態勢になった両者だが、そうする間にもアネモスの杖からパストに向けて冷たい何かが伸びていく。
「うわっ!? なんだこれ!?」
「なんでか知らないけど、呪詛が溜まっちゃうんだよね~」
 なんでだろう? と小首をかしげるアネモス。
 居並ぶ美少年たちも、並んで小首をかしげる。
 相手をしていられないと、パストは後方へと跳ぶと教室の扉を後ろ手に開けた。
「ここは仕切り直して……」
「おいおい、どこ行くんだ?」
 振り向いた瞬間に、至近距離から放たれた炎の矢がパストへと命中する。
 廊下にバイクを引き上げて待ち受けていた拓未の放った炎の矢だった。
 直撃を受けたパストは錨を取り落し、火を消そうと床を転がり回る。
「あちちちち!?」
「熱湯の後に炎はキツいよな? ……ま、俺達は敵同士だしな」
 そう言うと、拓未は場所を譲るように一歩を下がった。
「悪いなパスト、色々諦めてくれ!!」
 教室の奥から、ゆっくりと近付いて来たアネモスは、美しい笑みを浮かべながら、おもむろに杖をゴルフスイングで振るう。
 美少年に似合わぬ腕力で振るわれた杖は、パスト・フォーサイスを吹き飛ばした。
 窓を突き破り、オブリビオンの姿はどこまでも飛んでいく。
「どこまで飛んだんだろうな」
「世界の外かな?」
 アネモスの美少年たちが、猟兵の勝利を讃える歌を教室に響かせる。

 かくして、怪人パスト・フォーサイスによる挑戦は、猟兵達によって退けられたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年10月02日


挿絵イラスト