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アルダワ魔王戦争1-C〜アルダワの水は甘いぞ

#アルダワ魔法学園 #戦争 #アルダワ魔王戦争

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「おーい、調子はどうだー?」
「さっきと変わらないよ……。弓も魔法も水の中に入った途端に急に威力がなくなって、全然ダメージが通らない……」
 アルダワ魔法学園、ファーストダンジョンの聖水貯蔵池。その一角で男女2人の学生が疲弊しきった顔で水面を見つめていた。
「ねえ、見て?あの蜜ぷにのゆうゆうとした顔。絶対私達の事馬鹿にしてるって……」
「それは考えすぎだろ……。あいつらそんな事考えるほど賢くないって……」
 2人の視線の先、透き通った水面の奥では蜜ぷにがふよふよと漂っている。別にこの蜜ぷにたちは学生たちのことを煽っているわけではないのだが、疲れ切った少女には人を馬鹿にした表情に見えるらしい。
 少女は時折腹いせに魔法を打ち込むのだが、魔法が水面に触れた瞬間はじめから存在しなかったかのように打ち消されることも少女が疲労感を感じる一因となっていた。
「なあ、もういっぺん水面に潜ってみるか?」
「えー……ここ結構な深さあるじゃん……。私もアンタも泳ぎが下手ってわけじゃないけど、この深さはよっぽど泳ぎがうまかったりしっかり対策をとっていたりしないと駄目だって……」
 『水上からの攻撃が通らないなら直接攻撃だ』と2人は潜水も行ったのだがこの蜜ぷに達、かなりの深度を結構な数が漂っているせいでほとんど数を減らせていない。
 また、蜜ぷにのせいかやたらと水が甘くなっており、女の子にしては珍しく甘いものが苦手な少女としては体力のみではなく精神的にも追い打ちを受けた形になる。
 もう一度あの中に潜るのは勘弁してほしいというのが少女の心中であった。
「対策って言ってもな……お前、なんか対策は思いついたのか……?」
「いや、私も特に思いついたわけじゃないけどさぁ……」
 多分、これは自分達の手に負えない。ようやくそう結論づけると2人は荷物をまとめてすごすごと歩き始める。
「もう転校生に任せて帰るかぁ……」
「そうだね……」


「アルダワ魔王戦争が開戦して数日が経過したけど……まあ、戦況はみんなが知っての通りだね。私達は引き続きダンジョンの探索を行ってダークゾーンを晴らしていく必要がある」
 まだまだ黒塗りが多いファーストダンジョンの地図を眺めながら、グリモア猟兵のクシナ・イリオム(f00920)はいつもどおりの無表情で語る。
「そこで、皆には聖水貯蔵池と呼ばれる区画でオブリビオンを撃退してもらいたいんだ」
 聖水貯蔵池とはアルダワ魔法学園旧校舎近くに存在する貯蔵池である。聖水貯蔵池では聖水の加護なのか水の外から水中への攻撃が全て無効化されてしまい、それをいいことに水中適応改造を受けたオブリビオンの群れが貯蔵池のあちらこちらに居座っているのが現状だ。
 こうしたオブリビオン達を討伐すればダークゾーンを払うことができ、やがてファーストダンジョンの奥に潜む大魔王へと挑むことが可能になるだろう。
「今回行ってもらうのはその聖水貯蔵池のうち、蜜ぷにが多く住み着いてる区画だね」
 蜜ぷにとは丸くてぷにぷにとしたカラフルなオブリビオンである。一体一体の強さは大したことがなく、倒されると体が崩れてとても美味しい蜜になることから迷宮攻略者のオヤツと呼ばれるアルダワではポピュラーなオブリビオンだ。
 大した強さを持つオブリビオンではないため、水中に漂っているだけなら別に現地学生でも対処出来たのだが、今回は蜜ぷにの量が多く手に負えないとのことから猟兵たちに話が回ってきたのである。
「この区画は聖水貯蔵池でも底が深く、あんまり動きやすい環境ではないと思う。事前に何らかの準備をしておくことをおすすめするよ」
 更に言うと、どうやらこの蜜ぷにたちが身体の中に溜め込んだ蜜が漏れているせいでこの区画の水はほのかに甘みを帯びているらしい。
 別に無視して戦ったところで戦闘終了後、体がちょっとベタつく程度なのだが、気になるのならその対策もしたほうが良いのかもしれない。
「まあ、今回は水中で戦う為の対策さえ出来ていれば仔細ない戦場だと思う。ウォーミングアップやインターバル程度の気持ちで軽く蹴散らしてきてね」
 そんな軽口を叩きながらもクシナは猟兵たちを聖水貯蔵池に送り出すのであった。


岡崎三号
 このシナリオは『アルダワ魔王戦争』の戦争シナリオです。
 下記のプレイングボーナスが設定されておりますのでプレイング作成の参考にしてください。

 プレイングボーナス……水中で戦う為の工夫をする。

 お久しぶりです、岡崎三号です。
 この度はシナリオ『アルダワ魔王戦争1-C〜アルダワの水は甘いぞ』のオープニングを閲覧頂きましてありがとうございます。
 今回は序盤戦ということもありますので、比較的ゆるめなシナリオをお送りさせていただきます。ですから、プレイヤーの皆さんも気軽にプレイングを送っていただけますと幸いです。

 なお、プレイングの締め切りは原則『最初に送っていただいたプレイングが失効する前日の23:59』までとさせていただきます。
 この時間以降でも受付はさせていただきますが、システム的に締め切ってしまう可能性がございますので予めご了承ください。
 具体的な日時や時間変更等につきましてはマスターページに掲載させていただきます。

 それでは、プレイングお待ちしております!
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第1章 集団戦 『蜜ぷに』

POW   :    イザ、ボクラノラクエンヘ!
戦闘用の、自身と同じ強さの【勇者ぷに 】と【戦士ぷに】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
SPD   :    ボクダッテヤレルプニ
【賢者ぷに 】を召喚し、自身を操らせる事で戦闘力が向上する。
WIZ   :    ミンナキテクレタプニ
レベル×1体の、【額 】に1と刻印された戦闘用【友情パワーぷに】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ベルカ・スノードロップ
≪選択UC≫を【全力魔法】で展開
液体と気体の操作で
・呼吸の確保
・べたつき防止
を行いつつ
【誘導弾】の応用で、蜜ぷにたちへ向かって聖水の温度操作で氷結からの【串刺し】を狙います
凍っていくのが目に見えますが、誘導弾で、追尾しますので【恐怖を与える】ことも出来るでしょう

そちらを目くらましにして、蜜ぷに周辺の聖水を、同様に操作して、氷槍化させて貫いても良いのですけどね

せっかくなので、このUCの運用
水中の足場確保と呼吸確保の実績はありますが、他にも色々試してみたいですからね
蜜ぷにたちには、実験台になってもらいます


シエラ・バディス
水中対策をあれこれ考えるがハッと気付く。
サイボーグなので呼吸の必要が無い事を。

棺桶に吊るしたスコップを手に取り、貯水槽にダイブ。
スコップくらい薄い刃なら水の抵抗も少ないと思うのです。
近づいてくるぷに達を切って刻んで突き崩し、物量に対しては『シールドアタック』で吹き飛ばして散らすよ。

どこからでもかかってくるのです!

※アドリブ・連携等歓迎です。


鈴木・志乃
悪いけど蜜ぷにだろーが何だろーが、この2月という月に戦争を起こした時点で私の中では全力駆除対象です
ギブミーバカンス、OK?

UC発動、酸素や摩擦抵抗のような諸々の問題は光球となることでCXL
念の為高速詠唱で体をオーラ防御で包んでおく
全力魔法、念動力、高速飛行(遊泳)で渦を巻き起こし蜜ぷにを閉じ込めさらに渦中に水中用破壊工作爆弾を投入
一切合切をなぎ払い攻撃する、予定
……相手蜜ぷにだからこれでも行けるでしょ、多分

はーあー、甘いもの好きの知り合いがいるから出来れば蜜持って帰りたかったんだけど、この水の中じゃちょっと厳しいかな
水と混ざったやつはノーサンキューです
バレンタインプレゼントどうしよう……



 2月。それは正月休み終了後の慌ただしさが落ち着いて、年度末に再び忙しくなるまでのモラトリアム期間を得られる貴重な月だ。
「悪いけど蜜ぷにだろーが何だろーが、この2月という月に戦争を起こした時点で私の中では全力駆除対象です」
 そう語りながら半ばやけくそ気味に貯蔵池に飛び込むのはいい加減まとまった休みが欲しくなってきた鈴木・志乃(オレンジ・f12101)。
 『バカンスがほしい』だ『戦争なんてやってられない』だ言いつつもなんだかんだ毎回戦争に参加してはしっかり仕事をこなしている辺り、志乃は人が仕事をしていると休めない質なのかもしれない。
 そんな志乃に続いてベルカ・スノードロップ(Wandering Dream Chaser・f10622)とシエラ・バディス(死して彷徨う人形・f15798)が水面に飛び込む。
 『腹いせ』『ユーベルコードの試験運用』など、それぞれの依頼への参加理由は様々なのかもしれないが、少なくとも『オブリビオンを殲滅する』という点に関しては全員の目的は統一されていた。

 まず先鋒に出たのはシエラ。自身の呼吸器系が改造されていることを利用して、専用の装備やユーベルコードを使用せず素のままで飛び込んだ彼女はすれ違いざまにスコップで蜜ぷにに斬りかかりながら水中深くへと潜っていく。
 それに続くベルカはエレメンタルノヴァで自身にベタついた聖水が触れないようにしながらシエラの倒しそこねた蜜ぷにを一体一体、作り出した氷の槍で貫き進んでいく。
 そこからだいぶ離れた場所ではホワイトアウトの光球に包まれた志乃が貯蔵池の水流を変えうるほどの勢いで動き回り蜜ぷにを翻弄していった。
「シエラさん!そっちに行きましたよ!」
「どこからでもかかってくるのです!」
 勢いよく流された蜜ぷにたちは時折その勢いのまま二人に衝突しそうになるもののシエラは黒い棺桶で蜜ぷにをしっかりガード。
 そのままシールドアタックで一方向に押しやり、水中を漂っている蜜ぷにを一箇所にまとめていった。

「……こんなもので大丈夫でしょう。お二人共、後退してください」
 やがて大量に集まった蜜ぷにを前に、ベルカは二人に指示を出す。
 二人が自身の液体操作に巻き込まれない位置に移動したことを確認すると、蜜ぷにを更に密度が狭くまとまるように水流を操作し、押し固め、大きな一つの塊を作り出していく。
 その塊をシエラがシールドアタックで貯蔵池の最深部まで押し飛ばしたところで操作できる限りの聖水を蜜ぷにの塊に押し付け……水圧で蜜ぷにを一気に圧殺。
 水底には潰れた蜜ぷにから漏れ出したカラフルに輝く蜜がふよふよと漂う形となった。

「水圧で押しつぶすのは効果的なようですが……この効果に聖水による特異的な何かが含まれているのかどうか、他の環境での実験も必要そうですね」
「そういえばあの大量の蜜どうしますか?」
「この水の中じゃちょっと厳しいかな……水と混ざったやつはノーサンキューです」
 バレンタインの近いこの季節。もしかしたら蜜ぷにがプレゼントに使えるかもしれないという期待がありながらも、それが外れてしまった志乃は「やっぱり戦争はよくないですね」なんて言いながら二人を連れて水面へと浮上していった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

栗花落・澪
【指定UC】で両足を魚の下半身に変え、人魚の姿に
翼での【空中戦】は慣れたもの
尾ひれという翼を得た今、水中移動も感覚は同じ

蜜ぷにかぁ…なんだかお久しぶりだなぁ
久しぶりに少し遊ぼうかな!

ふわりとぷに達の側に行き
笑顔でお誘いをかけてみる
誰が一番上手に泳げるか
水中鬼ごっこでもしてみない?

最初は僕が鬼
10秒数えて…よーし、いっくよー!
すぐに終わらせたら面白くないから
最初は翻弄される【演技】
タッチは手のひらで【優しく】
相変わらずぷにぷにで可愛いなぁ…

遊んで、遊んで、それでも時間は有限で
そろそろお休みの時間かな
【催眠歌唱】の子守歌で眠りにつかせ
風の【高速詠唱、属性攻撃】で
痛みを感じる間も無く敵に【範囲攻撃】


セラフィール・キュベルト
【オーラ防御】と【環境耐性】を合わせ、自身の身を包むように水を弾く膜を形成し、機動を阻害しない形にした上で水中へ向かいます。
防御も兼ねますので、蜜で体が粘つくのも避けられる…と思います。

水中で倒してしまうと、食べることはできなさそうなので少々勿体無い気は致しますが…状況的に致し方ない、でしょうか。
攻撃は基本、精霊様(angelus luxis)の【属性攻撃】による光線にて。確認できている敵数が多ければ【範囲攻撃】も併せた光の波動、それでも追いつかない数(敵のユーベルコード発動時含む)であれば神威顕現・破邪天光での一掃を試みます。



(蜜ぷにかぁ…なんだかお久しぶりだなぁ)
 前に姿を目にしたのはおよそ一年前だろうか。人魚姿の栗花落・澪(泡沫の花・f03165)は蜜ぷにの群れの周りをすいすいと泳ぎ回りながら過去に遭遇したときの戯れに思いを馳せる。
 そんな澪の周りをオーラを纏いながらふよふよと漂うのはセラフィール・キュベルト(癒し願う聖女・f00816)。
 オブリビオンとはいえ無慈悲に蹂躙することを良しとしない二人は水中で互いに視線を合わせると、そっと、蜜ぷに達を警戒させないような勢いで群れの方へと向かっていった。

 蜜ぷにの元へ近づいた澪が始めたのは水中鬼ごっこ。
 澪が蜜ぷに達にルールを伝え、それに合わせて蜜ぷにたちはあちらこちらへと逃げ回る。
 その速度に合わせてあっちの蜜ぷにへふよふよ、こっちの蜜ぷにへふよふよと追いかけ回すことをしばらく続けて、ようやく澪は一匹の蜜ぷにを捕まえる。
 さて、新たに鬼となった蜜ぷには澪に触れ返したいのか、反転して澪を追いかけ、澪もそれに付き合うようなスピードで泳ぎ……やがてその体が澪にふれる。
 すると、一匹だけずるいと澪の優しさに惹かれた蜜ぷにが澪の元へ集まり始め、セラフィールから澪の姿が見えにくくなるほどの量で、前に後ろに上に下にと澪を取り囲む。
「わわっ……相変わらずぷにぷにで可愛いなぁ……」
 大量の蜜ぷにに若干もみくちゃにされながらも、澪はそのぷにぷにとした感触をしばらく楽しみ続けるのであった。

 ……そろそろ頃合いだろう。セラフィールからの合図を受け蜜ぷにの群れの中心で澪は子守唄を歌い始める。
 唄に込められた催眠のせいか、眠りに落ちていった蜜ぷに達を名残惜しそうに撫でると澪は群れから距離を取り始め、入れ替わりに群れの方へと向かうセラフィールに声をかける。
「これで、いいのですね?」
「うん、お願い」
 澪と同じ様に蜜ぷにを撫でたセラフィールは神威顕現・破邪天光を放つと蜜ぷにを一匹ずつ、起こさないような速度で貫いていく。
 もし、大魔王に与する災魔でなければ共にある生き方もあり得たのかもしれない。だが、自分たちは猟兵で蜜ぷに達はオブリビオン。今のセラフィールにできることは一切の苦痛が無いように相手を躯の海へと送り返していくことのみであった。

 やがて、潜り始めたときよりも静かになった貯蔵池を見下ろしながら、二人は水面へと上がっていく。
(水中で倒してしまうと、食べることはできませんが……)
 なんてことをセラフィールは考えていたりもしたのだが、
(きっと、これでいいのでしょう)
 澪の横顔を見ると、そんな気持ちになるセラフィールであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

鴨嘴・ケンゴ
水中戦は得意っすね、カモノハシだから。と水中戦を挑みます。(【環境耐性】で泳ぎやすくします)
偽神兵器を砲撃の型に変えて爆発する銃弾を放って距離を取りつつ戦います。
敵の接近を許してしまったらユーベルコード【カモノハシの凶暴な一面】を使って敵を蹴った瞬間に毒を注入してその反動で距離を取り敵に銃弾をお見舞いします。


ワン・シャウレン
いかに蜜ぷに相手とはいえ、
学園の生徒達に任せるには荷が重かろうな。
わしも行かせて貰おう。

水着になって池に入ろう。
そして水中では水霊駆動を早速起動。
水の放射を利用してジェット推進の真似事をさせて貰う。
ほのかに甘いのも割合歓迎じゃが、
髪がべたつくのも困りものじゃし、薄い水の膜を纏って身を守るとしよう。

準備が整えば、蜜ぷにを減らしに行く。
水の放射を弾丸のようにして放ち攻撃。
数が多い故こちらも弾幕のようにガンガン行くぞ。

余裕があれば撃破でちょっと甘い思いもさせて貰いつつ、
油断はせずにお仕事きっちりこなすとしよう。


ギヨーム・エペー
うわあ、蜜ぷにの海。髪がベタつきそうだけど、泳げるに越したことはないな!

対策は……潜って泳ぐ…しか、おれには思いつかないな
泳ぐ前に準備運動は忘れずに行う。水場に慣れてるからって怠っちゃヤバイからね!
……この水飲んでも美味いのかな。甘いことはわかるけども

蜜ぷには漂っているだけか?相変わらず数多いなー
じゃ、おれも数で対抗しよう。UCは水中で溶けることがないように注意して発動する
氷槍を生成したら、蜜ぷにを狙い発射して攻撃開始だな。手動でも投擲したり、近接戦闘ならレイピアで小突いたり、息が続く限りは泳ぎつつ対処していきたいなー



「髪がベタつきそうだけど、泳げるに越したことはないな!」
 体や髪がベタつこうとも、泳げればそれでいいと言わんばかりに割り切って準備体操を進めるギヨーム・エペー(日に焼けたダンピール・f20226)。
「わしも行かせて貰おう。いかに蜜ぷに相手とはいえ、学園の生徒達に任せるには荷が重かろうしな」
 その隣で清水の膜を自身の体に纏うのはワン・シャウレン(潰夢遺夢・f00710)。彼女は突入前から貯蔵池の聖水以外の水を身にまとうことで、髪や体がベタつくことを回避しているようである。濡れても大丈夫なように水着に着替える事も忘れていない。
「水中戦は得意っすね、カモノハシだから」
 ワンの影で胸を張るのはかものはしの鴨嘴・ケンゴ(カモノハシのストームブレイド・f24488)。
 これまで水中戦を戦い抜くために様々な猟兵が創意工夫を行ったが、カモノハシであるケンゴには対策すら必要ない。ただ、カモノハシとして戦えばそれで十分なのである。

「さて、それでは舞うとしよう。二人共準備は良いかの?」
 貯蔵池の中に入ったワンは二人の手を取ると水を利用したジェット移動で水面を動き回り、ケンゴ、ギヨームをそれぞれ離れた場所へと配置していく。
「それじゃあ、はじめるっすよ!」
 ケンゴの武器、骸喰の砲声が響くのとワンの水の放射が始まるのはほぼ同時であった。
 砲撃によって混乱し、散開しようとする蜜ぷにの群れに襲いかかるのは水霊駆動による弾幕。
 蜜ぷにたちはまとまった抵抗を行うことも出来ずみるみると数を減らしていく。
 しかしながら範囲攻撃を行っている二人は大まかにしか狙いをつけられず、時折撃ち漏らしが水面へと向かって浮上してくる事もあった。
「数に対抗できるのは二人だけじゃないんだよなー」
 そんな二人の撃ち漏らしを排除していくのはギヨームの氷槍だ。
 手動での投擲をメインにした攻撃には砲撃や弾幕ほどの制圧力はないが、その分正確性は段違いである。
 しかも、水中で溶けることがないよう温度を非常に低く設定された氷槍はかすっただけでも蜜ぷにの体の一部を凍らせ、動きを鈍らせる。
 当然動きが鈍った個体をギヨームが見逃すことはなく、水面近くの三人のところに到達できたのは完全に凍らされ、全く動かなくなった蜜ぷにのみであった。

「……この水飲んでも美味いのかな。甘いことはわかるけども」
 戦闘終了後、ベタついた体を洗い流しながらギヨームはけだるげに語る。別にそれが目的というわけではないのだが、せっかく蜜ぷにを倒したというのにお楽しみが水の中に溶けてしまったというのはそれはそれで寂しい話である。
「ふむ……確かにわしもそれは気になるが、さんざん猟兵たちが泳ぎ回った後じゃからな。まあ、後でこれでも食してみるといい」
 そう言ってワンが取り出したのはフォースフィールドによって周りの水から保護されていたカラフルな氷塊。Prune des neigesによって凍らされた蜜ぷにの蜜である。
「これはこれで氷菓子のようでよかろう?」
 水中で冷えた体が温まったら感想戦でもしながら賞翫するとしよう、と語りながら各々の装備の中から凍った蜜をしまうケースを探し始める三人であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年02月09日


挿絵イラスト