アルダワ魔王戦争1-A〜知られざる道
●グリモアベースにて
「皆様、ついにここアルダワ魔法学園でも大きな戦いが始まりました」
いつものメイド服に身を包み、猟兵たちを出迎えたのはアマータ・プリムス(人形遣いの人形・f03768)だった。故郷での戦争ということでその表情はいつもの無表情よりも少し硬い。
「今回はアルダワの迷宮での戦いということもあり、まずは奥へと進まなければなりません。奥に待ち受けるモノを倒さねばこの戦いの終わりは見えないでしょう」
しかし問題が一つ、とアマータは言う。
「皆様ご存知の通り、アルダワの迷宮は複雑に入り組み至る所に隠し通路や隠し部屋が存在しています。迷宮の探索をするために奥へと進めばそこから災魔たちが皆様を狙い奇襲をかけてくるかもしれません。ですので探索中は常に周囲を警戒していただきたいのです。そして襲い掛かる災魔たちを掃討し、迷宮を探索してください」
これからの戦いの為にもまずは迷宮の内部を探り道を作ること、それが今回の依頼の主目的だとアマータは言う。
「それと災魔たちの奇襲は確かに厄介ですが、探索の中でこれまで発見されていなかった通路や部屋を見つければ今後の戦いで有利になるかもしれませんので探してみるのもいいかもしれません。もちろん無理をしない程度に、ですが」
最後に猟兵たちへアマータは告げる。
「此度の戦いも長く、辛いものとなるでしょう。今回はその第一歩。皆様どうかご武運を」
カーテシーと共に猟兵たちの転移が開始された。
灰色幽霊
どうも、灰色幽霊です。
ついに来てしまいましたアルダワ戦争。
今回は探索をしながら災魔を掃討するシナリオになります。
『隠し部屋や隠し通路を捜索する』ことでプレイングボーナスが発生しますので狙ってみてもいいかもしれません。
注意事項などはMSページをご覧ください。
それでは皆様の素敵なプレイングをお待ちしております。
第1章 集団戦
『ベスティア・ザッフィーロ』
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POW : 《狂った番人》
自身の【主への忠誠心 】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
SPD : 《獰猛な雷獣》
自身の【額の宝石 】が輝く間、【纏う雷】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ : 《怒れる氷精》
【視線 】を向けた対象に、【氷結攻撃】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
トリテレイア・ゼロナイン
奈落の底に眠るは宝か魔か…御伽噺では定番ですが、ここアルダワでは現実
初動を速やかに整え、迷宮と魔王攻略に臨みたいですね
索敵は得意分野
センサーでの●情報収集で動体反応を検知
●だまし討ちを仕掛けてくる災魔の襲撃を●暗視で●見切り●盾受けで防御
そのまま●怪力の●シールドバッシュや剣の●なぎ払いで排除してゆきましょう
脚部スラスターでの●スライディングで迷宮内を高速で探索し迷宮をマッピングしてゆきます
その間にUCで迷宮内の構造を●情報収集し把握
マッピングしてゆく中で不自然な構造上の空白や、仕掛けがある候補となる地形を●見切り当たりを付けてゆきましょう
草野・千秋
故郷での戦争とはまた複雑ですねアマータさん
僕がその立場でしたら心中複雑どころではないでしょう
ですが僕ら猟兵がしなくてはならないのは
この迷宮を攻略して敵を倒すこと
戦闘知識と情報収集で常に周囲を警戒
視力で範囲を十分に見やり、可能ならば第六感で危険を察知しようとする
迷宮の内部に注意を払い
怪しげな隠し通路隠し部屋がありそうなところはそっと叩き
無駄のない迷宮の巡回を試みる
戦闘になればUCを展開、防御力を上げる
スナイパー、2回攻撃、範囲攻撃、一斉発射で攻撃
ヒーローにいつだって必要なのは勇気!
戦闘知識、第六感で敵攻撃を避けて
食らった場合盾受けと激痛耐性で耐える
味方に攻撃が被弾しそうならかばう
水貝・雁之助
うん、アルダワの若い子達が傷つくのは流石に年長者としては戴けないしね
きっちり敵を倒して後顧の憂いがない様に乗り越えていかないと、だよ
UCを発動し悉平太郎に周囲を警戒させる
自身は『罠使い』としての罠の知識、それに『拠点防御』の観点から『地形を利用』して何処に隠し通路や隠し部屋等を配置するか『アート』技術により正確な地図を描きながら探索、『情報収集』
壁や廊下、天井等を念入りに調べつつ探索を行う
敵の襲撃の際は『地形を利用』し視線を敵の拠点でもある迷宮という『敵を盾にする』、遮る様にしながら戦闘
又、瓦礫等があれば其れを投擲する等して自身の攻撃で敵の気を引きつけ悉平太郎の攻撃という連携を用いて戦う
鬼柳・雄
※アドリブ絡み歓迎
今回はダンジョン物か。隠し部屋にレアアイテムとかあるのか?
まぁそれはともかく、隠されてるなら見つけたくなるのが人情ってもんだ。いっちょ気合入れて探すか。
通路を普通に歩いて大体の構造を掴んで(「情報収集」)、「第六感」による大体のカンで隠されてる部分をオラァッ!って感じで見つけます。
戦闘時は「先制攻撃」「戦闘知識」でアサルトウェポンによる「範囲攻撃」「制圧射撃」。その後シアを突っ込ませて暴れさせます。
敵の攻撃に対しては「オーラ防御」「氷結耐性」でそんなモン効くか。
●切り拓く者たち
「初動は迅速に、皆さん急ぎましょう」
「僕とトリテレイアさんが前に」
「んじゃ俺と」
「僕がその後ろを警戒しよう」
迷宮に転移した猟兵たちはそれぞれ4人組を作り進んでいた。この組のメンバーはトリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)、草野・千秋(断罪戦士ダムナーティオー・f01504)、水貝・雁之助(おにぎり大将放浪記・f06042)、鬼柳・雄(チンピラサマナー・f22507)の4人。
この4人の役割は先行し、後に続く猟兵たちの為に1体でも多くの災魔を掃討すること。そのために身体の頑強さに自身のあるトリテレイアと千秋を先頭に置き、それをカバーする形で雄、索敵係を雁之助が担っていた。
「頼んだよ悉平太郎」
「ワン!」
【降臨悉平太郎】により呼び出された猿神殺しの柴犬、悉平太郎。その耳と鼻で周囲を警戒し災魔たちの奇襲に備えていた。
「―――今のところ反応はありません」
トリテレイアも全身のセンサーをフル活用し周囲の情報を読み取る。しかし災魔の気配は未だ感知されず4人は迷宮の奥へ奥へと進み続けていた。
「しっかしでけぇ迷路だなぁ」
「これならば確かに隠し通路や隠し部屋の一つや二つ、あってもおかしくはないですね」
雄と千秋が壁を叩きながらそんなことをつぶやいた。叩いた壁から返ってくるのは無機質で硬い音。音から察するにその先に空洞があるようには思えなかった。
ないのならないでいい。トリテレイアが電脳内に構築したMAPへ道を記していく。ショートカットできるルートがあれば探索も少しは楽になるかもしれないがそれがないのなら奇襲の危険もないということ。
「映画とかだと壁の石がスイッチになってたりするんだよな」
「御伽噺でも定番ですね。一つだけ形が違う等があります」
「隠し通路が簡単に見つかったら意味がないからね。僕もそうするよ」
雄が叩くのを止め、壁を摩りながら迷宮の中を進む。
確かに隠し通路や隠し部屋は隠されているものでありそう簡単には見つからないもの。
―――そのはずだったのだが……。
カコン
「ん?」
「む」
「わう!」
「今の音はなんでしょう?」
壁を摩りながら歩いていた雄の手が壁へとめり込んでいた。もちろん雄が壁を殴り粉砕したわけではない。石壁に設置されていたスイッチを雄の手が引き当てただけに過ぎない。
「何かが動く音がしますね」
「これは……歯車が回る音ですか」
千秋の耳とトリテレイアのセンサーが迷宮の変化を捉える。スイッチが押されたことにより動き出した迷宮は、どこかで隠されていた扉を開く。
「ウゥゥゥ」
「悉平太郎が敵が来るって言ってるよ」
「その様ですね……皆さん戦闘準備を」
開いた扉から隠し通路を通り現れたのか、先ほどまでは影も形も存在していなかった災魔の気配が当然湧き上がる。
それに伴い戦闘態勢に移行する猟兵たちだったがここで一つ問題が発生した。
「む?……これは!」
「挟撃ですね」
隠し通路が2か所あったのか、それとも連動して隠れていた災魔たちが動き出したのか、それはわからないが災魔の気配は二手に分かれ前後から迫っていた。
ある程度の広さがあるとはいえここは迷宮の中。挟撃されてしまえば如何に猟兵といえども不利になる。
「めんどくせぇ! もう一個ぐらいスイッチあんだろ!」
半ばやけになった雄がスイッチがあった側と逆にある壁の下部を蹴り飛ばす。
ガコンッ!
「シャア!」
「ほんとにありましたよ!?」
「ラッキーなんだなー」
「事実は御伽噺より奇なり……ですね」
雄の蹴りはまぐれなのか雄の勘のおかげなのか2つ目のスイッチを蹴りぬいた。
今回のスイッチが開く扉はそのすぐ隣。猟兵たちの目の前にあった壁が動き出し新たな通路を作り出す。通路は今までの道よりも幾分か狭いがこの中で最も大きなトリテレイアでも問題なく進める程度の大きさではあった。
新たな通路が現れたことにより災魔たちの挟撃は挟撃ではなくなり、それどころか通路の狭さで進軍を限定できる分猟兵たちへと戦況の秤は傾いた。
「来い、獰猛な雌狼にして戦士。黒き氷炎の悪魔マルコシアス!」
雄が【悪魔召喚「マルコシアス 」】により殿として呼び出した炎と氷の双剣を携えた悪魔マルコシアス。これで猟兵側の戦力は合計6人分。
全員が隠し通路へと進み、その半ばで反転し災魔を屠るべく体勢を立て直す。
『マオウサマ……マモル!』
『シネッ!』
そこへ合流した災魔が迷宮の通路を埋め尽くすほどの物量で突き進むが通路の狭さにより渋滞を起こしその数を十全に生かすことはできなかった。
「これでも喰らいな!」
「消し飛べ!」
猟兵側の先制攻撃は雄と千秋による銃砲撃。こちらへ災魔たちが到達する前に展開される弾幕。一方向からしか来ない災魔たちは弾丸を避け様にも他の災魔が邪魔をして身動きが取れず、為す術なく撃ち落とされていく。
「いけっ!」
雁之助もまた足元に転がる瓦礫を拾い上げ災魔たちへ投擲。それを避けようと災魔が動けば別の災魔とぶつかり行動がさらに制限されていく。
「―――突貫します」
「ワウ!」
「よしっ!」
動きの乱れた災魔たちへ突貫する一機と一匹と一柱。
災魔たちがいくら主へ忠誠心を捧げ、身体能力を向上させたところで満足に動けなければ意味がない。視線を向けた相手へ放たれる氷も密集した状況では視線も途切れ正確な狙いをつけることができない。
この戦いは災魔たちが挟撃に失敗した時点で勝敗が決していた。
個々の能力が猟兵に劣る以上災魔たちが策を練らなければならなかった。迷宮という閉じた空間で戦う以上数の利点は戦況を揺るがすほどの利点には成り得ない。
それゆえの挟撃だったがそれも失敗に終わった。
数で押そうにも立ちふさがる鋼の騎士。苦し紛れの攻撃は身の丈ほどもある大盾で全て防がれ長剣で薙ぎ払われる。
その隙間を縫うように戦場を駆ける氷炎の悪魔と神殺しの犬。視界に入らぬように立ち回りながら氷の剣が、牙が、炎の剣が、爪が災魔を塵へと還し骸の海へと送り還す。
それに加え後方から絶え間なく放たれる弾丸が着実に災魔たちの数を減らしていた。
挟撃に成功していればこうはならなかったかもしれない。たとえ結果は同じでも猟兵たちに手傷の一つや二つを負わせることもできたかもしれない。
しかし現実は一方的な蹂躙。自分たちも使った隠し通路を猟兵たちにも利用され数の利点も、向上した身体能力も、氷を操る視線も封じられ蹂躙される災魔たち。
半刻ほど過ぎたころ。未だ形を成している災魔は片手で数えられるほどしか残ってはいなかった。
「終わりです」
その災魔も千秋により撃ち抜かれ、戦闘は終了する。もう周囲から聞こえてくる音もなく、災魔たちの襲撃はこれで終わったらしい。
「では探索の続きを」
「行こうか、悉平太郎」
「焼肉」
「全部終わったらな!」
こうして猟兵たちは災魔の襲撃を潜り抜け、迷宮をさらに奥へを進んでいく。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ソラスティベル・グラスラン
隠し部屋や隠し通路、なるほどー、実に迷宮らしい…
ですが、だからこそ冒険のし甲斐があるというものっ、いざ勇猛に参りましょう!
【情報収集】
足音に気をつけたり、周囲の壁を観察したり
壁に変わった模様や、叩くと空洞音がするとか無いでしょうか?
【第六感】で周囲の気配を探ります、奇襲予防にもなるでしょうっ
一人じゃ手が足りませんし、彼らにもお手伝いを!
迷宮に住まうわたしの友よ……今こそ勇気の御旗に集うのです!【蜜ぷに召喚!】!
沢山蜜ぷにさんを呼び出したら、解散っ!
隠し部屋見つけたら教えてね!頑張った子には後でお菓子を進呈しますよー!
敵災魔を発見したら、蜜ぷにさんたちと一緒に【怪力】でぼこぼこです!
勘解由小路・津雲
いよいよ大魔王のお出ましか。だがまずはこのやっかいな迷宮を踏破せねばな。
【戦闘】
【符術・鳥葬】を使用。式神の鳥たちを3つのグループに分けて展開。
第一グループは体を広げて自分の前に展開、相手の視線を遮り攻撃を防ぐ。ついでに【氷結耐性】の結界で式神を強化するとしよう。
第二グルーブは複数方向に分かれて敵を攻撃。死角から攻撃すれば止められまい。あるいは視線の先を自動的に攻撃するのなら、同士討ちも狙うとしよう。上手く行くかはわからんがな。
そして第三グループはごく少数だが迷宮内を探知、隠された部屋や通路を探す。
アリス・ラーヴァ
◎アドリブ・連携歓迎
戦争よー、アルダワのために頑張るのー
ダンジョン内を【ダッシュ】や【ジャンプ】で駆け回って調査するのよー。
まずは妹達を呼び出すのー。
妹達は奇襲を警戒して【地形を利用】し【目立たない】ように【忍び足】でダンジョン内を探索してねー。
アリスは囮になって奇襲を誘い、《怒れる氷精》を【激痛耐性】や【氷結耐性】で耐えて『ベスティア・ザッフィーロ』の位置を割り出すわ。
敵の位置が判明したら、【迷彩】状態の妹達に奇襲させて【捕食】するのよー。
ダメージ過多でアリスが戦闘不能になったら、統率個体を変更して次のアリスに交代ねー。
怪しい所は【トンネル掘り】で掘ってみて隠し通路等が無いか調べるのー。
曾場八野・熊五郎
はーでっかい巣穴でごわすなー。
きっとこの辺りのヌシの塒でごわすな挨拶しに行こ。
【pow】
これだけ広いと迷いそうだから、とりあえずちょこちょこマーキングしていくでごわす。
我輩鼻が利くので、自分の匂いを『追跡』し同じ道は通らないようにするでごわす。
災魔の匂いも『追跡』して奇襲を防ぐでごわすよ。
壁になってるのに匂いが続いてたら【犬ドリる】で突き抜けてみるでごわす。
戦闘になったら喉笛に噛みついて【びったんびったん】して食いちぎってやるでごわす。うーん躾のなってない畜生は不味いでごわすな。『怪力・捕食』
●探し出す者たち
「はーでっかい巣穴でごわすなー」
「隠し部屋に隠し通路! 実に迷宮らしい……ですが、だからこそ冒険のし甲斐があるというものっ、いざ勇猛に参りましょう!」
「ギィィィ (がんばるのー)」
「厄介なこの迷宮を早急に踏破せねばな」
別れた猟兵たちのうち、この4人?は主に物量による探索を主としていた。
「皆さんいきましょうッ!」
ソラスティベル・グラスラン(暁と空の勇者・f05892)が【蜜ぷに召喚!】で呼び出したのは迷宮に住まう友、ソラスティベルの勇気の御旗に集う超勇者蜜ぷに軍団。
「ギイィィィ!ギチギチギチ~!(みんな~助けて~)」
アリス・ラーヴァ(狂科学者の愛娘『貪食群体』・f24787)も周囲に転がる瓦礫に寄生し、数を増やし続けていた妹たちを【みんな~助けて~】を使い集結させる。傍目から見れば違いがわからないアリスと妹たち。ギチギチと姉妹間でしかわからぬ言葉であいさつをしながらどんどんこの場に集まってきた。
「バン・ウン・タラク・キリク・アク!」
勘解由小路・津雲(明鏡止水の陰陽師・f07917)も2人に合わせ空中に五芒星を描きながら懐から取り出した紙をばら撒く。紙は津雲の声に従いその形を変え、鳥のような姿をとると羽ばたき、津雲の周囲を飛び回る。
「吾輩、生憎とお仲間を呼ぶ術はないでごわすがその分自慢の鼻で頑張るでごわす」
曾場八野・熊五郎(ロードオブ首輪・f24420)は今使える召喚型のユーベルコ―ドを持ち合わせていなかったが賢い動物であり犬の身である熊五郎には犬由来の嗅覚が備わっている。それは風が通らぬ迷宮の中で地上以上に効果を発揮する。
こうして各自、足りぬ手数を補う手段を用意しその準備も完了した。ソラスティベルの呼び出した蜜ぷにが、アリスの妹たちが、津雲の式神が命を受けて迷宮探索へと散らばっていく。
「隠し部屋見つけたら教えてね!頑張った子には後でお菓子を進呈しますよー!」
「さて、探索はあれらに任せるとして……我々は災魔の相手もせねばな」
「ギチギチギチ (まかせてなのー)」
「……ん?」
散開するモノたちを見送りそんな風に意気込む3人だったが津雲は熊五郎が少し遅れて孤立していることに気がついた。
「何をしているんだ?」
「迷いそうだからマーキングでごわす」
「ああ……」
犬である熊五郎のマーキング。つまりはそういうことなのだが今回ばかりは有効な手である。これで熊五郎がいれば同じルートを通ってしまうこともなく、道に迷うこともない。
「まぁ……目立たぬようにな」
「承知しているでごわす」
とはいえ少女2人に見せるようなものでもないので津雲は黙っていることにした。
そんなこんなで熊五郎もマーキングを終え、4人?は本格的に迷宮探索を開始する。
先行した猟兵たちが間引いてくれたからか、そもそもこのルートだからなのかはわからないが4人?の周囲に災魔の気配はない。
ソラスティベルが壁とトントン叩いてみたり、アリスが天井を這ってみたり、熊五郎がマーキングしてみたりしても隠し部屋は見つからない。
「待ち伏せているのかもしれんな」
「確かに! その方が戦いやすいです!」
ここまで来て災魔たちの姿が見えない、ということは単純にいない可能性もあるが猟兵たちを待ち伏せている可能性も否定できない。
「この辺りは臭いがしないから大丈夫でごわ……す?」
「ギィ? (どーしたのー?」
確かに周辺からそれらしき臭いはしない。しかし逆に自分たちの匂いが壁となっているはずの場所からさらに奥へと続いていることに熊五郎は気がついた。
「お前さんの後ろの壁に匂いが流れているでごわす」
「もしや!」
熊五郎の言葉を受けてソラスティベルはすぐさま自身の後ろにある壁をぺたぺたと触り始めた。言われれ見れば確かに周囲にあるほかの壁となんだか少しだけ違うようなそうでもないような……。
「退くでごわす!」
疑わしきは掘ってみろの精神で熊五郎は自身の身体を高速で回転させ【犬ドリる】となり壁へと突貫する。熊五郎と衝突した壁はみるみると砕けていき大穴を開け熊五郎はその向こう側へと降り立った。
「流石吾輩でごわ―――」
熊五郎がたどり着いたのはまさしく隠し部屋。やはり壁を偽装しその向こう側に作られていたらしい。
しかし生憎と今回はそこに先客がいた。
『テキ』
『マオウサマノテキ』
『タオス』
『『『タオス』』』
いたのは災魔ベスティア・ザッフィーロ。猟兵たちを襲撃するために潜んでいたモノたちの視線が一斉に熊五郎の元へと向く。
「お邪魔したでごわす」
これはやばいと尻尾を巻いて戻ろうとする熊五郎だがそうは災魔が許さない。向けられた視線から迸る氷が熊五郎へと無慈悲に迫る。
「やはり待ち伏せていたか」
「お前さん!」
しかしその攻撃は津雲の展開した式神たちに視線を遮られることで防がれる。
「蜜ぷにさんたち……ごーっ!」
「ギチギチギチギチィィィィ!!! (みんないくのー!)」
そこへ周辺の探索をしていた蜜ぷにとアリスの妹たちも駆けつけ戦場は即座に乱戦へと移行する。
災魔たちが潜んでいた隠し部屋もそう大きな部屋ではなく、災魔たちも逃げ出すように穴の開いた壁を破り迷宮へとあふれ出す。
しかし今現在数の優位は猟兵たちの側にある。一体の災魔が相手にしなければならないのは蜜ぷにとアリスの妹と式神。いくら視線を向けて氷を放とうが津雲の描いた氷結耐性の結界で強化された式神を破ることはできず、逆に視覚からの攻撃を許してしまう。
氷がダメなら、と向上した身体能力を生かそうにも蜜ぷにの怪力に抑え込まれ、隙を見せればアリスの妹たちに噛みつかれてしまう。
「うーん躾のなってない畜生は不味いでごわすな」
そんな乱戦を駆け抜ける熊五郎は隙を見せた災魔の喉笛へと噛みついて振り回し、壁へと叩きつけて塵へと還す。
「ギィ? (そう? 不味くはないと思うけどなー)」
「災魔は一匹も逃がしません!」
もう少し狭い通路へ誘導できていれば災魔たちもこうはならなかったかもしれない。今戦う通路はそれこそこの人数で戦っても何の支障もないほど広い。故に数で劣る災魔たちはただ蹂躙されるだけ。
「仕込みの最中に見つかったのが運の尽きというやつだ」
圧倒的な数に蹂躙され、災魔たちは瞬く間に掃討されることになる。
こうして猟兵たちは災魔の襲撃を潜り抜け、迷宮をさらに奥へを進んでいく。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
栗花落・澪
これでもシンフォニアの端くれだからね
【聞き耳】で周囲の音をよく聞き
注意深い【見切り】で地形の僅かな変化も見逃さない
例えば床の埃の溜まり方、僅かな風の吹き込み
不自然な場所には隠し通路や隠し部屋に繋がる可能性があるから
氷の【高速詠唱、属性攻撃】で氷の盾を作り
死角を補うように構えながら移動
音の反射を聞くと同時に敵をふらつかせあぶり出すため
【催眠歌唱】を響かせてみる
敵を見つけたらすぐに【指定UC】
敢えて分断させる事で自分を視界から外しつつ…
居場所はもう覚えたし
迷宮を作った時点で、捕えたから
恨みは無いけど、ごめんね?
迷宮中に広がる【破魔】の花弁を
風の【高速詠唱、全力魔法】の【範囲攻撃】で舞い上げ斬攻撃
茲乃摘・七曜
心情
さて、ソフィアさん達が防ぎ止めている間に奥を目指しましょう
指針
壁面の色の違いや足音等の反響の機微で隠し通路を探しつつ行動
「不意打ちを受けないように違和感を見過ごさないようにしなければいけませんね
行動
災魔の立てる音に警戒しつつ侵攻。
特に頭上等、意識の向きにくい方向に注意しておく。
戦闘は風の属性弾で静音性を重視しながら確実に数を減らしてゆく
「着実に、正確に、出来ることをしっかりとこなしてゆきましょうか
対《怒れる氷精》
闇に紛れ、闇属性魔法で迷彩を施すことで視線を合わせ辛くする
「数に押し潰されないように油断は禁物です
『流転』
発見した隠し通路のうち使わないものを封じることで災魔の自由な行動を制限する
フランチェスカ・ヴァレンタイン
こうなりますとわたしはやはり、垂直方向の探索ですかねえ…?
バーニアを噴かして空中へと羽ばたき、第六感と勘に従って壁面の怪しい箇所を蹴りと斧槍の戦槌で叩いていきましょう
探索範囲はUCのアンカービットをサーチャー代わりにすることでカバーするとしまして
災魔の奇襲には空中戦機動で流れるように死角へ回り込み、カウンターで叩き落とし
…あら? 少々向かってくる数が増えてきましたね…?
間合いを詰められる前に自身の周囲を鳥籠状に爆導索で覆い、外側へ向けての指向性爆薬の起爆で一掃と参りましょうか
多少派手な花火にはなるでしょうが、迷宮の構造物は頑丈ですし… まあ大丈夫でしょう、ええ
黒玻璃・ミコ
※スライム形態
◆行動
ふーむ、隠し通路の迷宮とは厄介ですね
こう言う時は【空中戦】の要領で
ほよよんと壁や天井を【念動力】で跳ねながら
【暗視】も可能な素敵な【視力】のお目々では迷宮内の壁の色の違いや
【聞き耳】で音の違いを聞き分けて隠された場所を探して進撃しましょう
厄介な災魔は敢えて【毒使い】で目に付く毒々しい腐食毒を精製し
【範囲攻撃】をするつもりと見せ札にした上で
単調な攻撃の振りをして油断させ
最後は【カウンター】気味に【黒竜の遊戯】による物量で封殺しましょう
とは言え中々に厄介な強敵です
時には【第六感】に素直に従って私自身も緊急回避するとしましょう
◆補足
他の猟兵さんとの連携、アドリブOK
●聞き届ける者たち
「わたしたちはどうしましょうか?」
「ふーむ、そうですね」
「僕に考えがあるよ」
「それでは澪さんの案を試してみるとしましょう」
後発の4人組フランチェスカ・ヴァレンタイン(九天華めき舞い穿つもの・f04189)、黒玻璃・ミコ(屠竜の魔女・f00148)、栗花落・澪(泡沫の花・f03165)、茲乃摘・七曜(魔導人形の騙り部・f00724)。先の者たちが災魔の掃討を行い、数による広範囲探索も行った。とすればとるべき策も残りはそう多くない。そんな中、澪が提案したのはこのメンバーだからこそと言った策だった。
「今ここには僕と茲乃摘さん2人のシンフォニア。それを活かさない手はないと思うんだ」
「この役割はわたしにうってつけ、と言ったところでしょうか」
「適材適所ですねー」
愛用の斧槍『ヴァルフレイア・ハルバード』を担ぎ一歩前へ出たフランチェスカ。そのままバーニアを吹かし天井すれすれまで上昇すると落下の勢いに任せて全力で斧槍に備え付けられた戦槌を迷宮の床へと叩きつけた。
それと同時に爆ぜる床。その衝撃と音は迷宮の中を反響し、駆け巡る。
「これくらいでよろしいでしょうか?」
「おっけーだよ」
「ええ、十分聴き取れました」
澪が考えた策は言ってしまえば単純なもの。迷宮の中で大きな音を発生させてその反響を耳で聴き取り構造を把握しようという策。これの策には音を発生させる者と聞き届ける者が必要不可欠。幸い今回はその役割を全うできるものがこの場に存在した。
「流石に私は難しいですねー」
ミコも同様に聞き耳を立ててはいたが本職のシンフォニアたる2人には及ばない。なんとなく道の続いている方向はわかったが構造までは把握できない。
「やはりこの迷宮は至る所に隠し部屋や隠し通路があるようですね」
「元からあった道とか部屋を壁で隠してる感じ? それと結構な数がもう見つかってるみたい」
既に動いていた猟兵たちの活躍もあり、音が響く範囲の区画に隠されていた道や部屋は少なくない数が発見されていた。とはいえこの方法では音が届く範囲しか索敵することはできない。つまりもっと奥の場所を調べるのであればさらに奥へ行き同じことをする必要がある。
「他の方々が見落としている部分を重点的に探していきましょう」
「不意打ちを受けないように違和感を見過ごさないようにしなければいけませんね」
「この策は便利ではありますが目立ちますから」
大きな音を出せば存在を周囲に伝えているようなもの。奇襲を受ける確率は格段に上がる。周囲への警戒をより一層強めながら4人は迷宮の奥へと進む。
「む、いましたね」
「それじゃあ……」
音の反響により特定していた災魔の位置。そこへたどり着くと出迎えたのは災魔の群れ。しかしそれに対抗するための手段は既に考案されている。
災魔たちのいる区画全てを内包するように形成されるのは澪が作り上げる破魔の花弁を散りばめた迷路【華響迷宮】。迷宮の中に作り出されたその迷路は災魔たちを一匹たりとも逃がすことなく分断し、同時に災魔たちの視界から猟兵たちを隠す。新たに出現した迷路により猟兵たちの存在に気付いた災魔たちだが分断され、視界も通らない状況ではできることも限られている。故にまずは分断された仲間との合流を試みるがどうにも足がおぼつかない。
「恨みは無いけど、ごめんね?」
迷路の展開と同時に紡がれる澪の歌。それは聞いたモノの平衡感覚を狂わせる魔性の歌。その歌声は音を反響させる迷路の壁を伝い災魔たちへ歌の魔力を伝播する。
「着実に、正確に、出来ることをしっかりとこなしてゆきましょうか」
「袋の鼠というやつです」
そこへ七曜の風の属性弾とミコの屠竜の魔女に宿る魔力が放たれる。音もなく災魔たちに忍び寄るそれは迷路の中を駆け抜け正確無比に災魔たちを撃ち貫いていく。
視界が通っていないのは災魔たちだけではなくこちらも同じだがなぜ猟兵たちは災魔の位置が特定できるのか。それは迷宮を探索しているときと同様に音の反響による反響定位によるもの。澪の歌を利用し七曜とミコは災魔の居場所を特定していた。
聴覚に優れた七曜は正確にその場所を撃ち抜き、大まかな場所までしか特定できないミコはその分を【黒竜の遊戯】により生み出した魔力の物量で補い災魔を狙っていた。
孤立した迷路の中で災魔は自分たちが追い詰められていることを察していた。それらしい音も聞こえず、周囲も見えない。しかしそれでも仲間たちが一匹ずついなくなっていることはわかる。どうにかしようにもどうしようもできない。
そんな状況で残った災魔たちを一掃すべく迷路が再び動き出す。
迷路の中を舞っていた花弁が澪の操る風に乗り災魔たちを飲み込まんと迫る。あれに飲み込まれてはひとたまりもない。災魔たちは舞い上がる花弁から逃げるように迷路を進む。
迷路であるということは出口もどこかにあるということ。入口から風を吹かせているのであればその逆側が出口に違いない。そう考えた災魔たちは迷路を先へ先へと進んでいく。吹き抜ける風を感じ、出口の存在を知覚した災魔だったがそこにあったのは出口だけではなかった。
「いらっしゃいませ、でしょうか?」
風と魔力の弾丸から生き残り、迫りくる花弁からも逃れ迷路を抜けた災魔たちを待っていたのは鳥籠状に展開された爆導索。それはフランチェスカの【虚空に踊り 繰り爆ぜるもの】により作り上げられた災魔たちを閉じ込める籠。迷路から逃げ延びた災魔たちはこの籠へと辿り着き囚われる。
迷路を吹き抜ける破魔の花弁を合図に起爆される爆導索。その圧倒的な火力に囚われた災魔たちは抵抗する暇もなく爆散し迷宮の中で盛大な花火が打ちあがる。幸い頑強に作られた迷宮がその衝撃で倒壊することもなく、爆発の中にいた災魔たちだけが塵となり骸の海へと還っていった。
こうして猟兵たちは災魔の襲撃を潜り抜け、迷宮をさらに奥へを進んでいく。
●迷宮を進む者たち
猟兵たちの活躍により発見された多くの隠し通路と隠し部屋。迷宮内のマッピングは進みこれからの戦闘も優位に行うことができるだろう。
しかし彼の魔王が待ち構えるのはさらに迷宮の奥深く。
猟兵たちは迷宮のさらに奥へと進んでいく。
大成功
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