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その獣、凶暴につき(作者 本多志信
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「よし、アポカリプスヘルに支援物資を運ぶぞ」
 飯を食いに行こうや、くらいの気軽さで、アレクサンドラ・ルイス(サイボーグの戦場傭兵・f05041)は集めた猟兵たちに言った。マッシブボディが自慢のこのグリモア猟兵にとっては、大量の物資運搬など文字通り朝飯前の運動のようなものなのかもしれない。
 物資搬入だけでなく様々な手配や手続きの煩雑さを想像してうんざりした顔を隠しもしない猟兵たちにアレクサンドラは朗らかに言う。
「大丈夫、今回は持っていくものは粗方用意した。お前らにやってもらうのは現地までの運搬と――」
「オブリビオンの討伐、だろ」
「その通り」
 慢性的に物資が不足したアポカリプスヘルへの支援は継続的に行われている。が、異世界から大量に持ち込まれた物資はオブリビオン・ストームを呼び寄せてしまう。場所そのものはアレクサンドラが人的被害を引き起こさない地点を特定したため、民間人の護衛や避難を行う必要はない。ストームから現れるオブリビオンを倒してしまえばあとは安全に物資の配給を行える。ただし、回避できるのは“人的被害”だけだ。
「もうひとつ、頼みたいことがある」
 アレクサンドラは神妙な顔で付け加えた。
「到着地点は、かつて拠点として使われていた施設だ。……残念ながら、少し前にオブリビオンの襲撃でやられっちまった」
 もっと早く予知できればよかったんだが、と表情を曇らせるも、アレクサンドラはすぐに普段の顔つきに戻る。できなかったことをいつまでも悔いたところで何にもならない、彼はそう考えているのだろう。戦場で長く生きていれば、助けられた命もあれば助けられなかった命もある。感傷に浸るのは尽くすべきベストが目の前にないときだけだ。身体を灼く絶望に何度も晒されながら、彼自身が生き残るために獲得したのはその信条だった。
「ただ、この施設――。何やらキナ臭い実験をやってたようでな。被験体として動物が使われていた。何の実験だか、考えたくもないがね」
 不幸中の幸いというべきか、その動物たちはまだ生きていることが確認できたという。ただし、ケージに囚われているため自力で脱出することができない。このまま放っておけば次の襲撃で命を落とすか、そうでなくとも飢えや病気ですべて死んでしまうだろう。
「こいつらを、助けてやってほしい。オブリビオン・ストーム発生後に襲撃を受けるのは拠点内部だけだから、外へ運び出してしまえば安全だ。それと、もうひとつ」
 ひとつと言ったじゃないか、と誰かが不満げに言うのを「頼むよ」とウインクでいなしてアレクサンドラが続ける。
「助けてやったところであの世界のあの状況だ。自然に返して運を天に任せるのでもいいが、元は飼育下にあった動物なんかもいる。犬とか、猫とか、犬とか犬とか。そういうやつらには新しい飼い主を探してやってほしいんだよ」
 物資配給のついでに、動物たちと民間人のマッチングもやってほしいと、彼はそう言っているのだ。コンパニオンアニマル、という言葉もある。種族を超えた絆が人々の生きる意志を支えることもあるのかもしれない。動物たちだけでなく、その地に暮らす人々の助けにもなるのなら――。猟兵たちは、出発の支度を始めた。





第3章 日常 『世紀末的合コン』

POW自身の魅力をアピールする
SPD相手の魅力を見つけて褒める
WIZ場が盛り上がるように立ち回る
👑5

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。




 数台のトラックが列をなして荒野を走る。荷台には食糧や水、生活用品――生きて行くのに欠かせないけれどもこの世界では手に入れることも困難、そういった物資が大量に積み込まれている。これらはすべて、猟兵たちが異世界から運んできたものだ。何台ものトラックに積載された山のような品々も、拠点を二つ三つ回ればあっというまに空になるだろう。猟兵たちは既に一ヶ所の拠点に立ち寄り、三分の一ほどの荷を下ろしてきた。
「だけどやっぱり、動物を引き取ってくれる人は少なかったな」
「仕方ないさ。ここじゃ自分たちが生きていくのにも精一杯なんだから」
 普段の物資配給といささか毛色が違って、今回は『保護した動物たちの貰い手を探す』という仕事もある。しかし最初に立ち寄った拠点での反応は芳しくなく、「昔飼っていた子に似ているから」と猫が一匹貰われていっただけだった。
「このままだと、物資を配給し終わるまでに動物たちの貰い手を見つけるのは至難の技だな」
「売り込み方を少しばかり考えた方がよさそうだ」
「物資の中にペットフードはあったっけ?」
「さすがにないだろ……、いや待て、あるぞ。リストに記載されてる」
「準備万端じゃねーか」
 そういえば出発前からそういう段取りだったんだから、物資の中にペット用品がきっちり揃っていてもおかしくないっていうかあのハゲそれは先に言っとこう?――と、誰かが思ったかもしれない。
「ようじんぼうというのはどうだ?」
 荷台で話を聞いていた賢い動物たちも案を出しはじめた。
「おれ、いぬ、はなせる。むれ、まとめる」
「なるほど、そういう路線で売り込むのも手か」
 猟兵たちと動物たちは、次の拠点に到着するまでの間、熱心に話し合った。

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⚫︎第3章では、保護した動物たちの貰い手を見つける工夫や賢い動物さんとの交流を楽しんでください。合コンです。

※ただし、下記のような内容は今回は採用いたしません。ご注意ください。
 ・よその世界に放流する
 ・食糧として飼育する

 動物の種類や拠点の客層はご自由に想定してください。水棲生物はちょっと難しいかも。
 猟兵さんがペットや相棒、家族として動物を連れ帰る、知り合いの伝手を頼る、という選択も可能です。
 人手が必要でしたらグリモア猟兵をお呼びください。お手伝いします。

 成功値が必要数に達したら自動的に「全ての動物に貰い手がついた」とします。“残ってしまうかもしれない動物”についてはご心配ご無用です。
 動物たちはすべて適切な方法で飼育管理されます。各方面への配慮もお気になさらずにどうぞ。


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