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砂塵招来(作者 蛙柳
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●拠点(ベース)まで物資を運べ!
「アポカリプスヘルで、皆さんの力が必要であります!」
 ピウ・アーヌストイト(ちんまい大家・f24841)は猟兵達へ呼びかける。

「皆さんには、私が指定した拠点まで多くの物資を運んで欲しいでありますよ」
 他世界とは違い、アポカリプスヘルでは常に、生きていく為に必要な物が不足している。
 そう、世界間のテレポートを活用すれば、他世界の豊かさをこの世界に分けることが可能だ。
「そこで、皆さんの出番であります!」
 ただし、他世界から多くの物資を運ぶだけで、猟兵の仕事は終わらない。
 なぜなら――。
「他世界から大量の物資を運ぶ事によって、『アレ』が発生してしまうから。であります」
 『アレ』とはすなわち、『オブリビオン・ストーム』の事である。
 『オブリビオン・ストーム』が発生する前提で、猟兵達が物資を運び――。
 必ず出現するであろう、大量のオブリビオンに猟兵達は臨機応変に対処する事が求められる。
 猟兵の仕事は多い。

「目的の拠点まで、運ぶ事までが仕事であります!運び終わった後は自由でありますよ。その拠点ではお守り作りがブームとか.......」

 まだまだ、話は続く。
「改めて、依頼の内容を説明するであります」
 ピウは、『オブリビオン・ストーム』が発生しても問題のない場所――『他世界からの物資を大量に、安全に置ける場所』について予知した内容を猟兵達に伝える。
「その場所は『冷凍刑務所』であります。人は住めませんし、食料の一時的な保存にもピッタリ!であります」

 『冷凍刑務所』とは――。
 かつては多くの罪人が放り込まれ、刑期が終わるまで冷凍保存されていたという、身も心も凍るような刑務所の事である。
 現在は、システムの故障により、見境なく全ての部屋と通路が死ぬほど凍りつき、警備用ロボットが様々な意味で、刑務所内を清潔に保っている。
「どうやら、罪人ごと冷凍保存装置はロボットに片付けられてしまったようであります」
 幸か不幸か、衝撃的な光景もオーバーテクノロジーも、その目で見る事はなさそうだ。
「実は……刑務所は地上ではなく、地下にあるようで――。とても寒いかと!そこにいきなり転移させます!ごめんなさい!頑張って欲しいであります!」

 まずは、猟兵達を『冷凍刑務所』内にテレポートさせるが、そこで身の安全、物資を一時的に保管する場所を同時に確保して欲しい。そういう事である。

「その後はきっと、『オブリビオン・ストーム』が発生するであります!ささっとオブリビオンを倒して、シュバッと地下に置いた物資を、地上の拠点まで運ぶでありますよ!」
 一度、地下に運んで、オブリビオンと戦って、地下に集めた物資を地上の拠点に運ぶのは重労働に違いない。
 しかし、アポカリプスヘルは求めている。飢えている。
「皆さんなら絶対、できるであります!」





第2章 集団戦 『走るゾンビの群れ』

POW ●ブルゾンビ
自身が戦闘で瀕死になると【屈強な走るゾンビ】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
SPD ●群がるゾンビ
自身が【食欲や飢餓感】を感じると、レベル×1体の【走るゾンビ】が召喚される。走るゾンビは食欲や飢餓感を与えた対象を追跡し、攻撃する。
WIZ ●獰猛なゾンビ
【噛みつき】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
👑11 🔵🔵🔵

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 冷凍刑務所を攻略した猟兵達一行。地上ではたちまち現れた『オブリビオン・ストーム』が大暴れをしていた。その様を現在、地下にいる猟兵達が目撃する事はない。
 しかし、異変は地下にも伝わっていた。天井がにわかに騒がしくなり、張り巡らされた配管が震える。
 途端に配管は、逆くの字に折り曲がった! 朽ちた天井から吐き出されたのは冷気ではなく、腐ったゾンビの群れ。にちゃにちゃと生々しい音を立てて落ちてきたゾンビはゆっくりと立ち上がり、こちらを見ている。
 オブリビオンの襲撃だ! 火の粉を払う為に戦え、猟兵!
カナヅ・シモア
許さねえ。
ここはな、この世界の奴らの為のモンだ。てめえらが荒らしていい所じゃねえ。
……いや、それよりも、だ。

わざわざ壊さねぇよう気い使ったってのに台無しじゃねえか!!
おまけにオレより派手な登場しやがって!万死に値するぜ、何度死んだか知らねえがな!

つっても、直接殴るには数が多いからな。ここは広い場所まで誘導してから、思いっきり斧を振り回して薙ぎ払う!
狙いはつけにくいが、出来るだけ上半身を狙う。運がよけりゃそれで終い、違ってもナメクジみてえに這いずるしかできねえって訳だ。

増えようが増えまいが関係ねえ!速くて重いオレの大斧で丸ごとゾンビミンチにしてやるぜ!



「許さねえ……」
 それはまさしく「冷気」。カナヅ・シモア(ブラックタールのバーバリアン・f09773)の低く這う声が響く。
 視覚も聴覚もあるのかすら分からないゾンビ達の視線を独り占めにしたカナヅは言葉を続ける――ゾンビ達が居る方向へと指を指す。
「ここはな、この世界の奴らの為のモンだ。てめえらが荒らしていい所じゃねえ」
 パラパラと落ちてきた土と塵がカナヅとゾンビ達の間に積もっていた。一本線を描く塵埃は、まるで生者と死者の境界線のようでもある。
「……いや、それよりも、だ」
 カナヅの話も聞かず、動き始めるゾンビ達にカナヅの怒りは頂点に達した。
「わざわざ壊さねぇよう気ぃ使ったってのに台無しじゃねえか!! おまけにオレより派手な登場しやがって! 万死に値するぜ」
 両手をオーバーに高く振り上げ、廃れた刑務所内がビリビリする程に大声でまくし立てる。
 やっと冷静になってきたのか、近づいてくるボロボロなゾンビ達を一瞥した。
 もちろん、服は全員ボロボロで白目を剥き、至る所に乾いた血がこびりついている。散々な死に方をしたのは明らかではあるし、世の中にはどんな死に方があるのか。知るのには丁度いい見本だ。
 更に、躍動感溢れる活きのいい貴重な資料である。
 一度、冷静になった頭で考えたカナヅは、ヤケクソ気味に戦いが始まる合図を告げた。
「何度死んだか知らねえがな!」

 一方的なカナヅの蹂躙が始まると思いきや、自身に有利なフィールドへ誘導する為――走るゾンビ達に背を向け、カナヅは巨大な斧を担ぎながら走る。
 ゾンビ達に地の利などという概念が分かるはずもなく、疑う事なくカナヅを追いかける。飢えたゾンビ達には走る事しか能がない。
「よしよし、来てる、来てるな!」
 カナヅの策に嵌りつつあるゾンビ達に、充足感を感じるカナヅ。だが、この程度で満足する器ではない。
 もっと派手に。もっとド派手に!
 お互いどんな見た目だろうが、逃げるカナヅよりも大勢で迫り来るゾンビ達の方が派手で気に食わない。
 自身の軽快な足音と比べて、騒がしく――ぐちょぐちょだのドタバタだのベタベタ……盛大で豊富な足音すらも不愉快。
 だって、自分よりも目立って派手だから!
「オレよりも、目立つな――っての! オラァ!!」
 巨大な斧を手に、背後へと振り返った勢いを利用してスイングし、ゾンビの上半身を切り飛ばした。
 ゾンビの腰あたりに斧は当たり、ゾンビの下半身はくずおれるが上半身はしぶとく生き残り、手で地面を引っ掻いてでもカナヅの元へと引き摺り這って行く。
 ゾンビ達がいくら増えようが増えまいが関係ない。
 なぜなら――。
「オレの方が速い!オレの方がド派手だからだ! オレの重い一撃を受けてみやがれ! その腐った体。ド派手にぶち飛ばしてやるぜ!」
 一振り、一振りに渾身の力が込められ、空気に逆らい切り裂き腐った臭気と冷気を一瞬にして掻き混ぜる。その威力は壁に強く叩きつけらた以上であり、ギロチンのようにゾンビ達の体を切断し、叩き潰し、解体していく。
 乾いた血肉が地面を埋め尽くした。
「やっぱ、オレが一番派手だ!」
 赤茶けた血がその男を更に更にと彩っていく。カオスの渦中で、まだまだ満足できないと笑いながら斧を振る、一人の男が居た。
大成功 🔵🔵🔵