【旅団】この素晴らしい世界にモフモフを!
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UDCアースの日本……埼玉県加須市の某所。
人狼の男性であるガルムゼノン・フェンリル(月をも砕く蒼狼拳士・f01970)が自宅と道場を構え、団長を務める旅団『わんころわんわん』にて、彼は団員のキミらへ声を掛けた。
「やぁ、久しぶりだね♪」
人によっては久しぶりでは無いかもしれない。
場合によってはいつも顔を合わせているメンバーだったりするだろう。
「実は、ゼルや和人くんからちょっとお願いをされてね?」
優しく微笑みながら、ガルムゼノンは1枚のチラシをキミたちへ渡していく。
「キマイラフューチャーでモフモフを満喫するイベントがあるそうなんだ。ゼルたちにいわれてイベントの下調べをしていたんだ」
彼の息子であるデュオゼルガ少年と幼馴染の和人少年が、キマイラフューチャーのイベントに興味を示したらしく遊びに行きたいのだそうだ。
そのために、団長である父親にお願いしてきた……ということらしい。
「んで、肝心なイベントの内容は……」
チラシの内容をさらっと読み込み説明するならば、獣人キマイラたちと面白おかしく遊んで楽しむイベントなんだそうだ。なんだいつもどおりじゃないか……。そう思った猟兵もいただろう。
「今回は『モフモフ★フェスタ』ってイベントがやってるそうだ。キマイラたちのパフォーマンスイベントの他に、獣人向けのイカしたファッションや同人誌即売会などホントに多種多様な催し物をやっているみたいでさ」
もちろん今挙げたモノばかりではない。システムフラワーズの名残であるコンコンシステムは未だ活性化しているので、その気になれば美味しいものだってお腹いっぱいに食べられるだろう。
「そうそう。希望があればいっくんやラドニスくんにも声を掛けておくから、気軽に声を掛けてくれると嬉しいな?」
どうやら彼のの息子やその友人の少年以外にもグリモア猟兵を誘ってみるつもりの様だ。……同行できるかはさておいて。
父狼はそう言ってから四角錐のグリモアを起動させると。
「それじゃ、今日はいっぱい楽しむとしようか!」
優しい輝きに包まれて、君たちは平和になったキマイラフューチャーへ飛ぶ───!!
不知火有希哉
●注意!!
これは旅団『わんころわんわん』に所属している団員さん向けの旅団シナリオです。
旅団『わんころわんわん』の団員だけが採用される、EXPとWPが貰えない超ショートシナリオです。
おはこんばんにちわーうるふ!!
自称モフモフ担当MSの不知火有希哉でございます。
今回はのんびりまったりと遊ぶ団員さん向けのシナリオを出させていただきました!
自旅団の交流シナリオみたいな感じになると思われます。
キマイラフューチャーで大きなお祭りである通称『モフ★フェス』が開催されるということで、自分が担当し、同旅団員のグリモア猟兵5名とも交流することができますとだけ1つ……!
●同行できるグリモア猟兵(以下は同旅団所属の担当キャラクター)
・ガルムゼノン・フェンリル (f01970) 当シナリオ担当
・デュオゼルガ・フェンリル (f00372)
・石狩・和人 (f06901)
・黒川・郁斗 (13718)
・ラドニス・ウェルズィード (f24638)
お手数ですが当MSの担当と交流を希望する際に、誰と交流したいか明記していただければと思います♪
今回もよろしくおねがいします♪
第1章 冒険
『ライブ!ライブ!ライブ!』
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POW : 肉体美、パワフルさを駆使したパフォーマンス!
SPD : 器用さ、テクニカルさを駆使したパフォーマンス!
WIZ : 知的さ、インテリジェンスを駆使したパフォーマンス!
👑1
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ゴリ・ゴリ
ガルムゼノン(f01970)や旅団の皆と参加
ふむ、様々な催しものがあるようだな…
皆も様々なものに目移りしているようだが、俺は買い物といこうか
獣人向けファッションが集まっているエリアへと向かおう
俺はキマイラたちのように羽や尻尾の穴などは気にする必要は無いが…いかんせんこの体格で着れる服はそうそう無くてな
獣人向けのイベントえあれば、少しは人間離れした体格の者にでも着やすい服があるのではないか?
ということで様々な服装を試着していこう
ファッションとうものにはてんで疎いが、有難いことに今日は同行する皆がいるからな、皆の意見を参考にしながら選んでいこう
アドリブ歓迎
推葉・リア
皆でモフモフ★フェスタ来たわよー!
私も気合い入れて耳も尻尾もいつも以上に手入れしてモフモフ感アップしてきたわ、モフモフでフワフワよ!
それにしても沢山の催し物があるのね、じゃあ早速ファッションでも見に行こうかしら?
…やっぱりキマイラファッションが多いわね…あまり着ないのよねなにか良いのがあれば着てみようかな…?
ん…?あれはゼルさんに和人さんね!二人とも相変わらず仲いいわよね〜二人も買い物かしら?
それにしてもう〜ん…私の好きなタイプの服にチャレンジするか、思い切って流行ファッションで冒険するか……悩ましいわね…、……いっそ若者二人に聞いてみようかしら?
それとも他の皆の意見も聞いてみようかしら?
テンロウ・ホーレンシュタイン
面白そうなお祭りだな!なんてったってモフモフなキマイラがパフォーマンスや屋台を出してるとか!
そうだな...ゼルでも誘ってパフォーマンスを見に行きたいな、筋肉とかパワーを活かした力強いやつとかすごく盛り上がりそうだ!なんなら乱入したい位だぜ!自慢の格闘技を活かしつつ、な!
それから美味しい食事もしたいし、商店で格闘系の服も欲しい...ああ、やりたい事は沢山あるな!(アレンジ改変、まとめ可)
牙国・蒼志
ゼノ(f01970)と気ままにイベント巡り。
そういえば、さっき即売会の売り子から本を一冊貰った。『猟兵なら一冊くらい大丈夫』と言われたが、代金は支払っている。
同人誌?という物らしいのだがどこか読めるところはないか?
雑誌やマンガにしては薄すぎる気がするが、中身は…(どこかで見たような気がする茶色と蒼の二人の人狼男性の薄い本)…これ、は、えっと、なんだか私たちに似てるような、気がする、な?
え?『そういう内容』の本?……すまん、これは預かってもらえないか?家族には、特に息子には見せられん…いろいろとその、まずい…恥ずかしすぎて俺が死ぬ。
北・北斗
ヴォオオオゥッ、ヴォウッ!!
『キマフュで大きなイベントか、楽しみだ!!』
POW
トドである北斗、モフではあるけど、モフモフとはいかない身体を見せつける感じで登場。
なんせ、海の生き物。濡れているベタ感ありで今回に挑む。
『今回のイベントって、どんな感じになるかだな。』
逆立ちみたいなことしたり、赤いボール(JC参照)でバランスボールのように上に乗ったり、頭で遊んだりと、水族館のアシカショーみたいなことも見せておく。
『陸上生物のモフモフって、他にもどんな感じかな』
とりあえず、周りの面々とも触れ合っておいてみたりしておく。
コンコンシステムを使って、魚を出して、丸呑みで食べる(マグロサイズまで飲み込めるぞ)
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グリモアの転送で向かった先はキマイラフューチャーである。
先の戦争で平和になった異世界で開かれた催しに、興味を惹かれた猟兵たちは、そこで開かれる大規模イベントに向かうことにしたのだ。
……もっとも、そうなったのはグリモア猟兵の少年らのリクエストであったのだが。
「皆でモフモフ★フェスタ来たわよー!」
今回のメンバーでは紅一点である妖狐の女性である推葉・リア(推しに囲まれた色鮮やかな日々・f09767)は、目を輝かせながら散策を楽しんでいる様子。
御めかしに気合い入れたらしく、彼女の耳と尻尾もいつも以上に手入れしていたようでモフモフでフワフワである。フカフカモフモフな尻尾は非獣人種族の視線を攫っていく。
「ふむ、様々な催しものがあるようだな……」
新鮮な体験なのか、商店街にずらりと並ぶ催し物に目を奪われているのはバイオモンスターの青年、ゴリ・ゴリ(ミュータント・ゴリラーズ・f18193)である。
「待ってましたーっ♪」
「ほら、早くしないとなくなっちゃうぞ!」
ぴゅーっと疾風の如く速さで駆けていく人狼少年のデュオゼルガと、彼の幼馴染である和人を微笑みながら見送ったのはグリモア猟兵のガルムゼノンだ。
「ふふふ……元気で良いなぁ。怪我しないようになー?」
いつものキリリとした表情はどこへ行ったのか、優しく頬が緩んでいるところはやはり父親であると言うことなのか。
「面白そうなお祭りだな!」
目を輝かせているのは何も少年たちだけではなかった。テンロウ・ホーレンシュタイン(疾風怒濤の白狼・f00413)も、実は祭りを心待ちにしていた一人だったからだ。
「ヴォオオオゥッ、ヴォウッ!!『キマフュで大きなイベントか、楽しみだ!!』」
鳴き声と同時にテレパシーを用いて会話を行うトドが一匹、彼もまた猟兵である。 彼の名前は北・北斗(遠い海から来たトド・f20984)。彼の姿を見たとおり、猟兵の姿は多種多様なのだ。
「イベントを1つに詰め込み過ぎじゃないか?全部回れるのか……?」
頭を捻りながら、牙国・蒼志(蒼穹の龍・f15465)は呟いて。
「ゼルたちには別途私から集合時間について連絡しておくから、今日は楽しんでいこうか!」
一行は商店街を歩き回っていたが、解散!の一声で想い思いに導かれ散り散りになっていく。
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「ほー……モフモフなキマイラがパフォーマンスや屋台を出してるのか…新鮮だぜ」
キマイラを始め合成獣人は海洋魚人だけでなく、テレビウムやバーチャルキャラクターなど様々な種族がわちゃわちゃしている光景が眼前に広がり思わず息を呑む。
散策を続けているうちに、食欲をそそる肉の焼けた匂いがテンロウの鼻を擽った。
「……なにか食うか」
ふらりと匂いの在り処に誘われるように脚を進めると、体格の良い牛獣人の男性がお肉を焼いている。
「このGyoo串?を1つもらえないか?」
「あいよー!Gyoo串お待ちぃ!」
気のいいお兄さんに肉の串を手渡してもらったのだが、少しばかり罪悪感を感じるのは気のせいだろうか……?それはともかく。
キマイラフューチャーの世界で食い歩きというのも中々楽しい。ふと、フリースペースでわいわいしているのに気になって頭を覗いてみると。
「ん?力に自慢が有るもの、来たれ?」
どうやら力自慢のパフォーマンスかなにかなのだろう。先程の店員さんみたいな体格したキマイラ男性がたくさんいる。あぁ、力自慢ってそういう……?
視線を逸らそうとしたときに、聞き覚えのある声がしたので辿ってみると。
「でぇぇりゃぁぁぁぁぁッ!!!」
「どわあぁっ!?」
気合の入った雄叫びを上げながら放たれた掌底が、少年より大きな相手をマットの上へ突き飛ばした。
「がははは!ガキンチョなのにすげぇなー」
称賛を浴び周りから撫でくりまわされてもみくちゃになっている狼少年、デュオゼルガの姿をみつけて近寄ってみると。
「ゼル、なにしてんだ?」
「わふ?力比べやってるって言うんで参加してたんだぜー」
尻尾をふわりと揺らして、にこーっと嬉しそうな表情を浮かべる狼少年に。
「ほぅ?なら俺ともやってみるか?」
テーピングを巻いた拳を握りしめて、テンロウはデュオゼルガを挑発してみる。
「へへへー こっちだって負けないぜ、テンロウくん!」
見てくれは軽いストリートファイトだったが、あくまで組手の範疇だ。2人にとってもいい刺激になっただろう。
──
「しっかしまぁ、ここは色んなものがあるんだねぇ……?」
なははーと笑うガルムゼノンと共に同人誌即売会のエリアを散策していた蒼志は、ずっと考え込んでいた。
「な、なぁ……ゼノ」
「蒼くん?どうしたんだい?」
声音の変化に気づいたガルムゼノンが、蒼志へ声を掛けると。
「そういえば、さっき即売会の売り子から本を一冊貰った。『猟兵なら一冊くらい大丈夫』と言われたが、代金は支払っている」
「……へ?」
同人誌を貰うシチュエーションってなんだろう?と少し考えたが『猟兵なら一冊くらい』で色々察してしまう。
「同人誌?という物らしいのだがどこか読めるところはないか?」
雑誌や漫画にしては薄くないか?と差し出すそれをみると、表紙に描かれた獣人の男性が妙に色っぽい。
表紙の絵姿だけ見るなら、茶色と蒼の二人の人狼男性の薄い本ということもあり、自分たちを模したように見えなくもない。……偶々なのだろうが。や、偶然だと思いたい。
おおっぴらにこの中身をここで確認するのは気がひけるので数ページをパラッとめくるだけに留める。そして察する。あ、コレ公共の場で読めないやつだ。しかもよく見たら何かR18とか書いてある!?
「中身は……これ、は、えっと、なんだか私たちに似てるような、気がする、な?」
困惑する蒼志。まぁ無理もないだろうな、と小さく溜息を付くガルムゼノン。
「えーっとね、蒼くん……これはー………」
こっそり蒼志へ耳打ちする。あまり明言できる内容じゃないからね?
「え?『そういう内容』の本?」
「……すまん、これは預かってもらえないか?家族には、特に息子には見せられん…いろいろとその、まずい…恥ずかしすぎて俺が死ぬ」
顔に地が集まっていく感覚。主に恥ずかしさ的な意味で。ぷしゅーっと蒸気が登っていく錯覚が耳の先まで流れていく。
「年頃の息子がいる私にそれを言うかい……?」
「や、それもそうだが!頼めるのがゼノしかいないんだよ……!」
頼む!と懇願されて渋々受け取るが……息子にバレたらなんて言われるかなぁ、と考えてしまう父狼であった。
───
『今回のイベント……どんな感じになるかだな』
パフォーマンスエリアにバイオモンスターとして生まれたトドである北斗はいた。
トドである北斗、モフくはあるけど、モフモフとはいかない身体を見せつける感じで登場。
なんせ、トドは海の生き物。
プールの水でしっとりと濡れている北斗は、プールに併設されているパフォーマンスエリアで現在熱演中である。
『なんだ、意外に楽しいじゃないか』
逆立ちしたり、赤いボールをバランスボールに見立てて上に乗っかったり、頭に乗っけて遊んでみたり。
UDCアースにある水族館で行われるアシカショーと同じことをしてみるが、存外観客であるキマイラ連中の反応がいいので気分も上がる。
(……こういうのも悪くないかも知れない)
意外に好印象だったのか、ご機嫌な様子でパフォーマンスエリアを後にする。
『ふぅ、張り切ってたら疲れちゃったな……』
心地よい疲労感と共に襲ってくる空腹。
プールエリアの近く見かけたコンコンシステムをぺちぺちと叩くと、新鮮なマグロが一匹どちゃっと出てきた。
『……いただきます』
あぐあぐ、ごっくん。
時間は掛かるけど、この程度の大きさなら丸呑みするのなんて造作もない。
さて、食事も済ませたしみんなのところへ戻ろうか。
その場を離れようとしたその瞬間、観客だっただろうキマイラの少年たちが北斗の周りに集まってくる。
「さっきショーにでてたでっかいアシカさんだろ?なぁなぁ、触らせてー!」
なんか色々勘違いしてるみたいだけど、あえて突っ込まない。
『あぁ、いいよ。存分に触ると良い』
「わーい!!」
こうして始まる子どもたちとのふれあいタイム。コレも中々楽しいものだ。
少年たちが感謝を告げ離れていくのを見送って。
『陸上生物のモフモフって、他にもどんな感じかな』
濡れた身体も乾いた頃合い。みんなのモフ感が楽しみになっていた北斗であった。
──
旅団の仲間たちが様々なモノに視線を向けて楽しんでいるように、自分も楽しまねばとゴリはファッションエリアへ向かう。
何を隠そう、ゴリが仲間たちとここへ赴いたのは獣人向けのファッションに興味があったからだ。……自分のサイズの服が一般にはないサイズだから、という問題も有るのだが。
「俺はキマイラたちのように羽や尻尾の穴などは気にする必要は無いが……いかんせんこの体格で着れる服はそうそう無くてな」
どこか悲しそうに表情を崩すゴリに、団長のガルムゼノンが声を掛ける。
「ふむ。ゴリくんであればこんな格好似合うんじゃないかな?」
アンサンブルのシャツとタンクトップのセットを差し出して。キマイラ以外の種族も増えたこともあり、こちらの商店には普通の人でも好みそうな服がずらりと並んでいる。
いつものスーツも良いけど……と小さく漏らしてから、ジャケットやパーカーを買い物かごに入れていく。
「ほぅ……ガルムゼノンはファッションにも精通しているのか?」
これがいいかなー、いやこっちがいいかなーと物色する姿に、思わずぽつりと。
「いや、ゴリくんにこういう服着せたら似合うんじゃないかなーと思っただけだよ?ほぼ直感だけどね」
微笑みながら物色するガルムゼノンに対してなるほど……とゴリは小さく零して。
ファッションとうものにはてんで疎いが、有難いことに今日は同行する皆がいる。意見を聞けるのは大変ありがたいことである。
「……やけに奇抜なカラーリングのコートだな」
ゴリの目を引いたのは蛍光色がバリバリに使われた派手なコート。しかも色んなとこをにジッパーが付いていて袖や襟が着脱可能なオールシーズンタイプである。
「そりゃキマイラがたくさんいる世界だからな。多少奇抜でも似合ってりゃいいんじゃないのか?」
店内を物色していただろうテンロウがやってくる。手に握られているのは結構な量の買い物袋で。
「結構買い物したね?」
「格闘家に似合いそうな服って中々見当たらないなぁ、モンク僧みたいなやつとか有ると思ったんだけど」
既製品を探すよりもいっそオーダーメイドで作ってしまったほうが早い気もする様な?
──同時刻。
「それにしても沢山の催し物があるのね…早速ファッションでも見に行こうかしら?」
てくてくとファッションエリアへ脚を運ぶと、男性陣が談笑している様子が目に入る。
「…やっぱりキマイラファッションが多いわね……あまり着ないのよねなにか良いのがあれば着てみようかな?」
色んな意味で視線を奪いそうな蛍光色てんこ盛りなコートやら、着てるが意味ないのでは?思えるくらいに布面積が少なかったり。隠れていればいいというものでもないだろうに。
「!コレなんか良いんじゃないかしら?」
興味を惹かれて手に取ったパーカーは赤ずきんモチーフのものらしく、頭に茶色い狼のぬいぐるみマスコットがくっついていた。
適度にフリルがあしらわれており、自分のような女性が着ても違和感はさほどないだろう。
「へぇ、尻尾穴があるタイプもあるのね?やっぱり需要があるのかしら」
買い物かごへ赤ずきんパーカーを入れて店内を物色していると。
「ん…?あれはゼルさんに和人さんね!二人とも相変わらず仲良いわよね~♪二人も買い物かしら?」
狼と狐の少年は食べ歩きをしていたようで、クレープをもぐもぐ頬張りながら散策しているよう。
肉球がワンポイントのパーカーを好んで着ている2人だが、よく考えたらここの世界で買ったものだと話していたっけ?
「ゼルさん、和人さーん!」
見慣れた人狼と妖狐の少年たちを見つけて声を掛けると。
「あっリアさん、こちらにいましたか」
「リアの姉ちゃん、こんにちわーうるふだぜー♪」
とてとてと足音を立てて歩いてくる2人に思わずほわほわと癒やしオーラを受け取って表情が緩む。いけないけない。
「あ、そうだ!2人はなにか買い物したの?」
リアの問いかけに答えたのは和人だ。
「はい、『29Q SQUARE』の新作パーカーを買ってきました」
尻尾をふよふよ揺らしながら嬉しそうに目を細める和人の頭に、思わず手が伸びて撫でてしまう。手入れされた毛がフカフカで撫で心地が良いのだ。癒やしである。
「え、えへへ……」
普段撫でられることが少ないのか、和人の尻尾が振られる速度がこころなしか早くなる。
「俺はカズと一緒にスイーツの食べ歩きしてたぜ!新作パーカー、カズもずっと欲しがってたもんな?無事に買えてよかったんだぜー♪」
幼馴染の友人が喜んでいる様子を喜べるデュオゼルガを眺めて、純粋な心が眩しい……と思うリアである。
ぞろぞろと旅団員全員集結したタイミングを見計らって、リアが口を開いた。
「ねぇ!折角キマイラフューチャーに来たんだもの!ファッションセンスを競うイベントがあるみたいだからみんなで参加してみない?」
「ほぉ、それは面白そうだね。参加してみようか♪」
リアの提案に乗っかるガルムゼノン。みんなもいいよね?と聞いてうなずいたことを確認してから慣れた手付きで参加申請。
……その肝心なコンテストなのだが、ファッションセンス賞で一位をもぎ取ったのは下ろしたての赤ずきんルックコスチュームでリアが、奇抜賞をまさかの北斗がかっさらっていったとさ。
こうして、わんころわんわん一行はキマイラフューチャー旅行?で楽しいひと時を過ごしたのであった。
大成功
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