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もふっとごろんをちょー綴る物語

#アルダワ魔法学園

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#アルダワ魔法学園


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 地下迷宮・アルダワ。
 刻一刻と姿を変える迷宮内は、ある時、不思議な青の光で照らされる。
 印字機のような姿をしたオブリビオン。
「ムムムムmmm……」
 スペシャル・ライターは唸り、周囲を見回した。
「ナントいう非効率……」
 そう呟く間にも、スペシャル・ライターは青白い光を放ち、備えた紙上には同じ青白い文字が描かれていく。
 打鍵の音はなく、青白い光が物語を綴っているのが分かる。
「モフィンクスたちよ」
『モフィンクスたちよ』
 青白い光が文字を綴る。
「モフ?」
『モフ?』
 モフィンクスの声も、綴られた。スペシャル・ライターにとっては、すべてがシナリオなのである。
 ……なのだけど、のびのびだらだらとするモフィンクスだけがいる迷宮内で、どんなシナリオが展開されるというのか……スペシャル・ライターはぶっちゃけこりゃいかんとか思っていた。
『ZZZZZZZ』
 という文字の羅列が続くだけである。ごろごろだらだらネムネムなのである。
 ある意味おさきまっくらであった。
「いざゆかんモフィンクスたちよ。
 階層を抜け、新たな世界へ飛び立とうではないか」
「モフ~?」
「……この場を抜ければ、美味しいご飯にありつけるかもしれぬぞ」
「モフ!!!!」
 ご飯を食べてだらけることが至高なのだ。
 そう言わんばかりに、モフィンクスたちはのそのそと動き出した。
 ――まあ、少し進めば、まただらけるんだけど。


「こんにちは、猟兵の皆さん。待っていたわ。
 早速だけれど、アルダワ魔法学園へ向かってほしいの」
「あれ? 急ぎの仕事かな?」
 ポノ・エトランゼ(エルフのアーチャー・f00385)の言葉に、猟兵たちは首を傾げた。
「急ぎ……ではないけれど、予知によれば、ちょうどお昼ご飯の時間に学園侵攻される事態が起こりそうなのよね。
 だから、猟兵と、学園の皆さんで、迷宮に赴いて侵攻を喰い止めてもらいたいの」
 敵であるオブリビオンは、たくさんのモフィンクスと、リーダー格であるスペシャル・ライター。
 モフィンクスは、迷宮内の居心地の良い場所に集団で居座る災魔だ。ちょーかわいいけど、ちょー邪魔で、忙しい時に限って謎かけを仕掛けてくる。
「可愛いけど、ちゃんと倒してね。
 放っておくと、すんごい増えそうだから」
 迷宮の通路がモフィンクスで詰まったら、困るね、と猟兵たち。
 いやでも想像すると和むね、と猟兵たち。
「一体なら良いけど、多数となったところに、もっふーとか言って突撃してごらんなさいよ。
 揉まれに揉まれて下敷きになって、苦戦するわよ?」
 想像してみる猟兵たち。成程くるしい。しぬ。
「スペシャル・ライターは、真面目な効率的な作家よ。
 このオブリビオンの綴る物語は、修正という非効率的な作業を必要としないの。物語上で齟齬が生じたとしても、修正されるべきは登場人物――なのだけど、モフィンクスと活動してると本当に、物語の展開が停滞しそうよね」
 だから修正されるべきモフィンクスを率いて、侵攻してくるらしい。
「スペシャル・ライターは、染まってしまったのか、結構のんびりしたシナリオ攻撃をしてきそうだわ。
 滞りなく倒せれば、ちょうどお昼ご飯の時間よ。
 学園の食堂を満喫した後は、それぞれお気に入りの場所を見つけて、待ったりするのも良いかもね。
 きっと、モフィンクスと対峙すればつられてごろごろだらだらしたくなりそうだし。
 読書意欲が高まって、読書にいそしんだりね。
 ま、でも、オブリビオンには油断なく、対応して頂戴ね」
 そう言ってポノは猟兵たちをアルダワ魔法学園へと送り出すのだった。


ねこあじ
 ねこあじです。
 今回はよろしくお願いします。
 ゆるゆるシナリオです。
 本当に、真面目に、ちょーゆるいです。
 ご自由にやってよいと思います。

 第一章はモフィンクスとの戦闘(?)……せんとう。

 第二章は、ちょっと真面目にスペシャル・ライターとの戦闘ですが、POWがふわっとモフィンクス仕様かもしれませんね。
 大丈夫かな、すぺしゃる・らいたー。
 とりあえず今の綴りは、長閑な文章となっているようです。

 第三章は学園に戻ってお昼ご飯です。
 そんな時間なのです。
 学食風景を楽しみつつ、あとはまったり過ごしましょう。
 モフィンクス化してもいいと思うの。
 読書したり、お昼寝したり。

 それではプレイングお待ちしております!
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第1章 集団戦 『モフィンクス』

POW   :    モフ~ン
完全な脱力状態でユーベルコードを受けると、それを無効化して【気の抜けた鳴き声 】から排出する。失敗すると被害は2倍。
SPD   :    モフ~zzz
【眠気を誘うアクビ 】を聞いて共感した対象全てを治療する。
WIZ   :    モフッ、モフッ(実は今欲しい物)
質問と共に【質問の解答が具現化する靄 】を放ち、命中した対象が真実を言えば解除、それ以外はダメージ。簡単な質問ほど威力上昇。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

青葉・颯夏
ルーナ(f01357)と同行

この見た目で油断を誘う……っていうより、緊張感そのものがないわね
災魔は放っておけないし、まずは仕事をこなすわ

おびき寄せて纏めて攻撃したほうが効率がいいかしら?
美味しいものに目がないらしいから、炊き立てごはんとかお肉の丸焼きとか
いい香りがするものを持っていく
あとは寝かけてるルーナをつついて起こしながら花風で攻撃
……この災魔、抱き枕にちょうどいいとか思ってないわ


ルーナ・リェナ
颯夏(f00027)と同行

颯夏、もふもふ
もふもふなんだって
モフィンクスっていうのがいるんだって
最近ちょっとハードなのばっかりだったからたまにはゆるーく、ね?

モフィンクスたちがいるところに着いたらもふも……じゃない、
戦わないとなぁ
向かってこなくてもモグラたたきよろしく1体ずつ叩いてく
ほんとはこのままお持ち帰りしたいくらいモフィンクスが欲しいけど
さすがに本物はだめだよね
どこかの世界に似たようなぬいぐるみないかな
ふぁああ、ここなら安眠できそう……
あ、お肉焼くならソルに火、吹かせてみるよ
大丈夫、焦げないように火加減は調節するからさ




『颯夏、もふもふ。もふもふなんだって』
 ルーナ・リェナ(アルコイーリス・f01357)のわくわくとした声に、目をぱちくりとさせる青葉・颯夏(悪魔の申し子・f00027)。
『もふもふ……?』
『モフィンクスっていうのがいるんだって』

 そんな会話をしたのはつい先ほどのこと。
 アルダワ魔法学園の迷宮で、何やら敵も侵攻中とのことだが、話を聞く限り亀の歩みのようである。……いや、亀さんは真面目だったね。
 猟兵たちが予知された場所に辿り着いてみれば――。
 ネメスと呼ばれる頭巾からピコンと立つ、うさぎのようなお耳。
「モフ~」
「モ……フ……」
「モフフー」
 開いているのか開いていないのか、分からないおめめ。
 時折ぴくぴく動く鼻ももふもふしているモフィンクスの群れが部屋のような場所に、たくさんいた。
 なんかタワーみたいなものまであり、遥か上空にモフィンクス。モフィンクスタワーかな?
 後ろ足をたたんでお腹を床に付け、前足は前方に伸ばしたまま座るモフィンクスたちは、たまにごろりと横たわる。
 その時、部屋向こうから新たな一体がのそのそと歩いてきて、部屋を見回した。
「……モフ」
 出入口のところで座り込んでしまった。
「この見た目で油断を誘う……っていうより、緊張感そのものがないわね」
 颯夏の言葉に、うんうんと頷くルーナ。ルーナよりも大きなモフィンクスたち。ソルがどうする? というように、尻尾を揺らす。
「おびき寄せて纏めて攻撃したほうが効率がいいかしら?」
 ここのモフィンクスたちは美味しいものに惹かれるとのことだから、と、颯夏が持ってきたもの――。
「お肉を持ってきたわ」
 ぱかりと開けば美味しそうな肉の香り。
 もふもふな鼻をひくひくとさせ、モフィンクスがこっちを見た。
「ソル、もう少しお肉焼いてみようよ」
 串刺しの肉めがけてソルが火を吹けば、じゅわぁぁと肉汁が香り立つ。
「モフ♪」
「モフ、モフ♪」
 のそのそと近寄ってくるモフィンクス。
「そして、これを組み合わせれば最強だわ」
 と颯夏がおひつの、真っ白つやつやふっくら炊きたてごはんを見せればモフィンクスの歩みがやや速くなった。
 肉とご飯、組み合わせ最高な匂いに、タワー上にいたモフィンクスも降りてくる。
 寄ってきたモフィンクスを叩いてみよう、とルーナがぽこんとモフィンクスの頭を叩いてみれば、
「モフ~」
 とモフィンクスはあくび。そこから眠気を誘われたのか、一部のモフィンクスたちもあくびをしはじめる有様。
 食欲に眠気が勝ったもの、食欲優先のものと綺麗にわかれた。
 ついにはルーナもつられてしまったようだ。あくびってどうしてうつるんだろうね。
「ふぁああ、……ここなら安眠できそう……」
 何やら働く癒しの力も相まって、とろとろと思考が鈍っていく。
 ソルが体を傾ければ、ルーナはぬいぐるみよろしくモフィンクスに抱き着いてみた。
 もふっと埋まる。
 両腕を広げ、もにもにと柔らかな感触を堪能する。
「――」
「ルーナ」
 颯夏がルーナをつつき、起こそうとしながらモフィンクスへとラナンキュラスの花びらを放った。
 まぁるい花びらに攻撃されるモフィンクス。
 撫でればきっとラナンキュラスがふわっと香るであろう。
 消えるモフィンクスや、「モフ~ン」と気の抜けた声をあげるモフィンクスもいる。
 そして、美味しいご飯は、食欲の勝るモフィンクスたちが美味しくいただいたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

籠目・祷夜
モフモフ。モフーン!
昼飯など後で構わん

手近なやつに倒れこむ
日向の匂い…なんと良き
モフモフ
完全に心を許さないし、脱力もしない
一応敵だからな(キリッ
五匹くらい集まってきて圧死させられそうになったら戦うか(腰が重い
どっこいしょ

剣刃一閃!
2回攻撃で効率的にモフーンしていく
モフィンクスの攻撃は武器受けで避ける
質問への回答は「モフモフだ!」(ご飯)

モフモフを堪能してるものがいるときは攻撃は控えよう。当たってしまっては申し訳ない

アドリブ、共闘歓迎


立風・翔
うわぁ、モフィンクス、ヤバい。
めっちゃもふもふしてる。
しかもめっちゃだらだらしてる。
めっちゃ和むしめっちゃ可愛い。
あー、駄目だ、まず語彙力がしぬ……
ダイブしてめっちゃもふもふしたい。した。(もふもふ)

今欲しい物?
そりゃもう今このままモフィンクス抱えたまんま横になってぐっすり出来るベッドとか。
え、あるの?
やったー(ごろん)
あー、もうこのままもふもふごろごろしてたい……これが停滞……
って、いかーん!
これじゃマジでもふりに来ただけだ!
こんなのでもオブリビオンなんだし、【稲妻の一撃】でさくっと倒しちまわないとな。
……にしてもこれ、本当に染まるなぁ。
作家先生、俺達が行くまでに駄目になっちまってないか?




 室内を見回した籠目・祷夜(マツリカ・f11795)は、冷静沈着な面持ちで次に傍のモフィンクスを見つめた。
 がくりと片膝をつく。
 そのまま緩やかに横へと倒れた――もふりと、柔らかな体に受け止められる祷夜。
 モフーンなのである。
「モフ」
 スフィンクス座りをしていたモフィンクスはそのまま押されて横たわる。弾力ある腹であった。
「日向の匂い……なんと良き……」
 呟く祷夜。
 ひとをだめにするモフィンクスたちである。おそろしい。
 れいせいちんちゃくなヤドリガミ・とうやも、いちころなのだろうか。
 否、ふと、埋めていた顔を上げた祷夜の瞳はキリリとしていた。
(「完全に心を許さないし、脱力もしない。一応敵だからな」)
 という目である。
 あっ、はい。もふもふと手が動いているけど、一瞬のコロリではないらしい。一瞬(この一瞬は永いようだ)のモフリであるだけだ。
「モフ」
 やってきたモフィンクスが、のしのしのしりと祷夜に乗り、座った。弾力あるモフィンクスに挟まれる祷夜。
 やってきた三体目のモフィンクスが祷夜にくっつく。
 ……モテ気かな?

「うわぁ、モフィンクス、ヤバい。めっちゃもふもふしてる」
「モフン~」
 立風・翔(風吹き烏・f07212)がもふもふすれば、ごろりと腹をみせてくるモフィンクス。
「しかもめっちゃだらだらしてる。めっちゃ和むしめっちゃ可愛い。あー、駄目だ、まず語彙力がしぬ……」
 そう言う翔の声は、ふわわんとしていて、力がない。
 もふもふ。
「モフモフ」
「もふもふ」
 最早擬音であるのかモフィンクスの鳴き声であるのか翔の声なのか。
(「ダイブしてめっちゃもふもふしたい」)
 そう思った時、彼はすでにダイブしてもふもふしていた。
 思考が追いついていないとはこのことか。
「モフッ、モフッ」
 そんな翔に、問いかけるモフィンクス。
(訳:今欲しい物は何であるか?)
 靄が放たれ、翔は解答を思い描いた。
 このままモフィンクス抱えたまんま横になってぐっすり出来るベッド――。
 ベッド。
 ……。
 …………。
 何気に寝返るとスプリングが跳ね、心地よい震動が翔の体に響く。
 さらっとしたシーツ、頭部にはモフィンクスの枕、そして抱き枕のモフィンクスを抱え、翔はごろごろする。
 何も考えずにごろごろする時間は、とてもよいものだ。
 穏やかな時間のごろごろともふもふ。
「あー、もうこのままもふもふごろごろしてたい……これが停滞……」
 ごろごろ。
 ハッ。寝落ちる前に眼鏡を……となったところで、更にハッとする翔。
「って、いかーん!」
「モフ?」
 がばっと上半身を起こせば、ごろんと落ちる抱き枕モフィンクス。
 ベッドは消え、ベッドのようなモフィンクスに着地した翔はちょっと真顔になってモフィンクスから降り、眼鏡を掛け直す。
 そして言った。
「これじゃマジでもふりに来ただけだ!」
「そうだ。完全に心を許してはいけないし、脱力もしてはいけない。一応敵だからな」
 なんかどっかで主張した心の声が、今度ははっきりとした音となって翔の耳に届く。
 声の主は見えない。
 なんか、あの、向こうのモフィンクスが重なった数体の塊から聞こえたような気がしたけど。
 というかあれかな、あの辺のモフィンクスってぐんにゃりとしているような。たれモフィンクスかな?
 その時、
「どっこいしょ」
 と声がして、ツミツミされていたモフィンクスが、ぼとりぼとりと床に落ちていった。
 中から出てきたのは祷夜であった。
 落ちたたれモフィンクスはまるで敷かれた高品質の絨毯のようで、一時覆いかぶさるように堪能した祷夜は、ようやく立ち上がった。
 顔を見合わせる二人。
「こんなのでもオブリビオンなんだし、さくっと倒しちまわないとな」
「そうだな。さくっと、な」
 翔の言葉に応じる祷夜。二人とも、どこか棒読みであった。自身に言い聞かせているのだろうか。
 ……自身に勝つことが大事、みたいな……。
「剣刃一閃!」
 抜き放ったマツリカで横一文字に薙いだ祷夜は、更に一刀を振るう。
 翔が掌をモフィンクスに向ければ、撫でろといわんばかりに、頭が押し付けられた。
 やばい。なんてすごいこうげきなんだ。
 色々耐える翔へ、祷夜が声掛ける。
「己に打ち勝つんだ!」
 さくっと、やる時はやる翔が稲妻の一撃を放つ。
 ばりばりばりされたモフィンクスはもじゃもじゃとアフロのようになり、ばたんしてきゅうした。
「モフッ、モフッ」
(訳:いま何が欲しいんや?)
 靄を出しながら問うてくるモフィンクスに、祷夜は堂々と言い放った。
「モフモフ、だ!」
(訳:ご飯)
 モフィンクスを象ったチキンライスが一瞬浮かび上がり、解除されていく。

「……にしてもこれ、本当に染まるなぁ。
 作家先生、俺達が行くまでに駄目になっちまってないか?」
 翔の呟き。
 猟兵に、ある意味無事を祈られる(?)すぺしゃる・はんたーであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

竜洞・梓
かっ、かわいいです……! ひとつお持ち帰りしても……だめですよね、はい(しゅん
でもこんなにかわいいのに……うう、倒さないといけないんですね……。
(トリニティ・エンハンス、炎の魔力で攻撃力をバフ
でも、もふもふで、きゅーとで、ぎゅーっと……
(バフされたパワーと可愛いモノを愛でる高速のなでなで
(結果的に発火
あっ、あっ!


幻武・極
何か運命的なものに導かれて来たような気もするけど・・・
あれであっているのかな?

もっと熱い闘いの予感もしたような気もするけど・・・
あれ、なんだよね。

とりあえず、戦闘だ。
トリニティ・エンハンスで攻撃力を強化して、攻撃するよ。

な、なんだ、ボクの攻撃がまったく効いていない。
それに、この力の抜ける鳴き声はボクの体力が奪われているような感覚がする。
だけど、負けるわけにはいかないよ。
学園を危機から救う・・・
なんか被害があったっけ?
まぁ、いいや。
とりあえず、ボクはキミ達に勝つんだ。




「何か運命的なものに導かれて来たような気もするけど……」
 幻武・極(最高の武術?を追い求める羅刹・f00331)はこてりと首を右へ傾けた。青のポニーテールが揺れる。
「……あれであっているのかな?」
 モフィンクスはこくりと頷いた。
「モフ♪」
「モフモフ~ン♪」
「……モ……フ」
 のんびり、ごろごろ、そしてぐうと寝るモフィンクスの群れに、今度は左に首を傾ける極。
「もっと熱い闘いの予感もしたような気もするけど……あれ、なんだよね」
 たぶんある意味において、今、もっとも熱く闘っているのは、モフィンクスを率いるスペシャル・ハンターだろう。執筆がはかどっていると良いのだが……。
「か、かわいいです……!」
 竜洞・梓(まじかるどらごんウィッチ・f11833)は青い瞳をキラキラさせて、モフィンクスにそろそろと近寄る。
 お手、と自身の手を差し出してみると、モフィンクスは短いおててを梓のそれへと乗せた。
 はわわ、と震える梓。
「モフ?」
 あるのかないのか首部分を傾けるようにして、体をくねらせるモフィンクス。
「ひとつお持ち帰りしても……」
 おててをきゅっと握る梓。けれど、次の瞬間にはおててを放し、しゅんとうなだれてしまう。
「……だめですよね、はい」
 これでも災魔。放置しておくと、たぶんちょー危険なのだ。
「こんなにかわいいのに……うう、倒さないといけないんですね……」
 しょんぼりとしながら、がんばって炎の魔力で自身の攻撃力を上げる梓。
「でも、もふもふで、」
 触れるともふもふ。
「きゅーとで、」
 撫でられて嬉しいモフィンクス。耳がぴこぴこ動く。まぁるい尻尾もふるふると。
「ぎゅーっと……」
 かわいいかわいいかわいいかわいいかわいすぎるモフィンクスの愛らしさに、撫でる梓の手がなでなでなでなでなで、と、どんどん速くなっていく。
 可愛いモノを愛でる高速なでなで。
 しゅしゅしゅしゅと毛が摩擦され、そして、

 モフィンクスは、

 ぼうっ!!

 と、

 ――発火した。

「あっ、あっ!」
 ぱたぱたと手で払おうとするも、モフィンクスを包む炎は消えない。
「キミ、凄いね。ボクも負けていられないな」
 と、極も、トリニティ・エンハンスで攻撃力を強化する。
 ち、違うんですぅぅぅと瞳をうるうるさせる梓の前で、ぱたりとモフィンクスは倒れた。丸焼きになりました、という色になっていた。
 ちなみに、食欲を刺激する美味しそうな香りを放っていた。
 極は完全に腹を向けて転がっている隙だらけのモフィンクスへと攻撃した。
 しかし……!!!!
「な、なんだ、ボクの攻撃がまったく効いていない」
「モフ~ン」
 拳を引き、一歩後退る極は、不思議な力を持っているようなモフィンクスを注視する。
「それに、この力の抜ける鳴き声はボクの体力が奪われているような感覚がする」
「モフ~ン」
 完全脱力状態のモフィンクスは、ユーベルコードを受けると、それを無効化して気の抜けた鳴き声から排出するのだ。
 なんておそろしい災魔なんだろう。
 完全脱力状態じゃない時、って、無いんじゃないか、っていう。
 隙だらけのはずなのに、それは、猟兵にとっての隙ではないのだ。
「だけど、負けるわけにはいかないよ」
 キリッと見据える極。
「学園を危機から救う――」
 言葉が、はたりと止まる。
 …………危機。きき?
 あれ?
 えっと?
「なんか被害があったっけ?」
 ……。
 …………。
 ……な、ない、です。
 そこらじゅうに転がっているのが、ものすご~く邪魔だとか、ちょー邪魔だとか、眠気を誘うアクビを聞いてしまった学生が眠りこけて遅刻した、とかそんな感じだろう。
「まぁ、いいや。とりあえず、ボクはキミ達に勝つんだ」
「モフー?」
 ぐっと拳を握り、対峙する極を見て、モフィンクスはスフィンクス座りをするのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

霧亡・ネリネ
もっふもふ、もっふもふだ……(目がキラキラ)
もふもふにぎゅーってなるのはさぞや幸せなのだろうが、あんまり集まられて視界がまっくらはいやだぞ……でももふもふ……はわぁ……

WIZ重視で戦闘(?)
ホルンを構えて、ユーベルコード【子猫のポルカ】
もふもふ達の間を縫うように電気猫さんを出すぞ。さぁさバチバチ静電気が広がらぬうちに退いてくれ!他の猟兵の指がバチバチしないかは……加減を頼むぞ猫さん達。
はわぁ、ベルにもふもふが……あったかい……


紅庭・一茶
か、か、 可愛い……!
もふもふも短い足も最高に 可愛い!
何たる、何たる……強敵っっ!

【SPD】(一斉発射・2回攻撃)
いや然し、然しですよ…!
紅庭の昼食の為にも早急に倒させて頂かねばです!

そんな訳で沢山いる彼らを一気に減らすべく、
『とっておき☆レシピ』を使用。
シュガースティックを一斉発射で攻撃を。
あくびにはうっかり共感しそうですけれど、
首を振って気合いを入れて仕切り直しをば!

「紅庭の欲しいもの! 新しい茶葉ですかねっ?」
質問あらばきっかり律儀にお答えして、
具現化したらば素直にワーイと喜びます!
……は!いえ!こんな事をしてる場合では!不覚!


ファルネーゼ・アトラス
はわ…ど、どうしましょう
た、倒さねばならぬ敵という事は百も承知で言っても良いですか?
――と、とても可愛いです…っ

えっと、モフィンクスさん…ごめんなさい
美味しいご飯の為でも生徒の皆様にご迷惑を掛けては駄目ですよ!

ファルは【シンフォニック・キュア】で皆様の回復に専念致しますね
今回は何を歌いましょう、やはり子守唄でしょうか
…はっ、然しこれではもっと皆様が眠くなってしまわれるのでは!?

ふ、ファルの今一番欲しいもの、ですか?
…も、ものではありませんが…もし叶うのならば、
モフィンクスさんを撫で撫でしたい、と言いますか…
え、エチカ…その、浮気じゃないんですよ?
ちゃんと戦いますから嫌いにならないで下さいぃ…!




「モフー♪」
「もっふもふ、もっふもふだ……」
 琥珀色の瞳を輝かせ、霧亡・ネリネ(リンガリングミストレス・f00213)がやや屈めば、のそのそとモフィンクスが近付いてくる。頭巾を被った大きなうさぎのようでいて、カピバラのような。
 集まったモフィンクスにおしくらまんじゅうよろしくもふもふぎゅうとされるネリネは「はわぁ」と幸せそうに、ぎゅうを返す。
 すると頭にのしりと乗ってきたので、ネリネは弾力ある体を押した。容易くごろんとするモフィンクス。抵抗はないようだ。
 もふもふ、もちもちしているような?
「はわ……ど、どうしましょう」
 ふるふると震えながら、ファルネーゼ・アトラス(星謡・f06256)が言う。
「た、倒さねばならぬ敵という事は百も承知で言っても良いですか?」
 くっと目を瞑り、ぎゅうっとモフィンクスに抱き着くファルネーゼ。
「――と、とても可愛いです……っ」
 ファルネーゼの言葉に、うんうんと頷くネリネ。
 そして、紅庭・一茶(いばらゆめ・f01456)もやはり震えている。
 屈んだ少年少女たちを囲うモフィンクス。その一体に手を差し出せば、お手を返してくるので、一茶はおりこうさんだと言うようにモフィンクスの頭を撫でた。
「か、か、可愛い……!
 もふもふも短い足も最高に、可 愛 い ! 」
 短いおててとふわふわの鼻と尻尾。うさぎのような耳も時折ぴこりと動く。
「何たる、何たる……強敵っっ!」
「本当に、強敵ですよね……っ」
 たれモフィンクスの背中や腹を撫でる一茶とファルネーゼ。
「いや然し、然しですよ……! 紅庭の昼食の為にも早急に倒させて頂かねばです!」
 一茶の熱い葛藤。
「モフゥ……」
 スフィンクス座りをしているモフィンクスをネリネが撫でていると、がくっと頭が落ちるようになってきた。眠いようだ。
「モフ」
 その時、別のモフィンクスがすくっと四つ足で立ち、のそのそと進み始めた。
 眠そうなモフィンクスも、やや伸びをしたのち、進み始める。
 スペシャル・ライターに勧められた(?)お昼ご飯のために。そしてそのあと、満腹じゃとごろごろする至高の時間のために。
 彼らの進行先へぱたぱたと駆けたファルネーゼは、両腕を開きモフィンクスたちの前に立つ。
「えっと、モフィンクスさん……ごめんなさい」
「モフ?」
「美味しいご飯の為でも生徒の皆様にご迷惑を掛けては駄目ですよ!」
「「「モフ~」」」
 もっとゆったりいこうZEとばかりに、眠気を誘うあくびを放つモフィンクスたち。
 シンフォニック・キュアで猟兵たちを癒すファルネーゼ。
 チョイスが子守歌だった。
 眠いね。うん。ねむいね。
 スヤァと素直に意識を遠のかせる猟兵たち。
「……はっ、これではもっと眠くなってしまわれますね……!」
「……ふ」
 むずっとした口元をおさえる一茶は、ふるりと首を振って、気を引き締めた。
「お砂糖はひとつ、ふたつ、みっつと――たっくさん!」
 一茶のとっておき☆レシピ、sugar☆stickが一斉発射され、モフィンクスたちを攻撃していく。
 同時に、ネリネのWaldhornから『にゃーん!!』と猫の声がした。
 小さな猫たちが放たれて、モフィンクスを縫うように駆けていく猫たち。
 小さな猫たちが駆け、すれ違えば、パチパチと音が鳴る。
「モフ?」
 静電気を含んだモフィンクスの毛が、ふわっとぶわっとなった。
「モフ~」
「にゃーん」
「はわぁ、ベルにもふもふが……あったかい……」
 あったまったモフィンクスたちに、こっちもあったまる。
 小さな猫たちは加減しているのか、静電気に怯む猟兵はいないようだ。
「モフッ、モフッ」
(訳:今欲しい物はこれかな?)
 問いかけにモフィンクスたちから靄が発生し、猟兵たちに迫る。
 一茶の元へと具現化したものは、茶葉だ。
 透明な袋に入っていて、口を開ければ、ふわりと薫る。
「紅庭の欲しいもの! 新しい茶葉ですかねっ?」
 そう応えた途端、靄は解除されて茶葉の香りともに消えてしまった。
「ああっ!」
 茶葉(靄)をいっそ淹れたら、その味を知れたのに、と一茶はちょっと落ち込んだ。
 普通にダメージを貰うよりも、ダメージがきているような??
「ま、負けません」
 と、ティーポットの蓋を開け用意する一茶。
 もう一回問いかけが来たのなら手に入れよう。思い描くは茶葉と湯である。
「……は! いえ! こんな事をしてる場合では! 不覚!」
 我に返った一茶は再び、ティーポットの蓋を被せるのだった。

「モフッ、モフッ」
(訳:今欲しいのは……ううーん? ……これかな?)
 モフィンクスの問いかけと共にファルネーゼへ放たれた靄は丸くなり夜を思わせる球体星図となった。
「ふ、ファルの今一番欲しいもの、ですか? ……も、ものではありませんが……もし叶うのならば、」
 両手を合わせ、モフィンクスを見つめるファルネーゼ。
「モフィンクスさんを撫で撫でしたい、と言いますか……」
「モ…………フ……」
 靄は弾け、キラキラと周囲に残滓をばらまいた。
 ふーたーりーのせーかーい~♪
 ふわふわもこもこなドラゴン、星の聖獣エチカが、一歩分ほど後退する。
「え、エチカ……その、浮気じゃないんですよ? ――ちゃんと戦いますから嫌いにならないで下さいぃ……!」

 モフィンクスをもふもふしながら、そのもふもふを惜しみつつ、猟兵たちはモフィンクスたちを倒していく。
 角っこから半分だけ姿を見せて、その様子を眺めるモフィンクスがいた。
「モ……モフ……」
 のそのそと別室へと向かう。
 その先にはスペシャル・ライターがいた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『スペシャル・ライター』

POW   :    修正箇所
【修正箇所を確認する目の青白い光】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
SPD   :    印字作業
【26個のキーから青白い光】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    より良い作品を
対象のユーベルコードに対し【正確に全く同じユーベルコード】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はライラック・エアルオウルズです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



『迷宮は、今、震撼すべき事態が起こっていた。
 なんと、あの、モフィンクスたちが進撃を行なっているのだ。
 その歩みは、一歩一歩と慎重だ。一歩一歩がものすごーーーく慎重なのである。
 亀の歩みと言ってはいけない。
 亀は真面目だ。きちんと競争において目的を達成する。はず。
 モフィンクスたちも、目的を達成すべく歩んでいるのだ。
 美味しい昼ご飯。
 そのあとの長閑な時間。
 それは至高であり、それを手に入れるためならば、彼らは犠牲をいとわない。
 この場合主に犠牲になっているのは、時間なのであるが――』
 ここまで青の光で文章にしたスペシャル・ライターは、進める文字を止めた。
 時間を犠牲にしてどうする。自陣ダメージではないか。
 あかんとこやろ! とか思っているのかもしれない。
「モフ」
 一体のモフィンクスがのそりとやってきた。
「…………」
 モフィンクスたちの進みは――はたして、進んでいるのだろうか――実際は、もう倒されてしまっているのだが。彼はそれを知らない。
 そろそろ行くかと考えたスペシャル・ライターも進撃を始める。
 とりあえず、執筆環境を変えるのだ。
 そう、迷宮の外に出れば、きっとなんとかなる。
 なんとかなるよう、仕向けてみせる。
 そうして、シナリオを練っていた、スペシャル・ライターは猟兵たちに出会うのであった。

『出会ってしまった。
 この感動おわかりいただけるであろうか』

 今までと違う登場人物!
 もふもふジャナイ登場人物!
 いきなり降りてきたネタのようであった。
 これぞ、神がつかわしたキャラクターか――。
 スペシャル・ライターの中で先のシナリオが作られていくのだった。
竜洞・梓
あなたがスペシャルライター……! もふもふをけしかけた張本人……
……もふもふ、かわいかったです……
あれ、感謝すべき……?
(ふるふる)ち、ちがいます。倒すべきオブリビオンですね!

【WIZ】
妖精さんを呼んでお手伝いしてもらいます
行きますよリヴァイアさん! まじかるチェンジで、今必殺のロッド撲殺拳――

えっ
幻想的、ですか?
まるで湖の上を歩く妖精の女王のよう?
そ、そんな……褒めても何も出ませんって……

って、わあ! 妖精さんのコピーが! これいけませんね! 乗せられるところでした!
そのタイピング、殴って止めます! 物理で!


幻武・極
ふう、これでモフィンクスはあらかた倒したかな?
とりあえず、道は開けたみたいだしね。

おや、なんだか古めかしい機械が現れたね。
あれが今回のボスかな?

さあ、勝負だ。

とりあえず、相手の出方を伺いつつ、模倣武術の構えを取るよ。
印字作業はコピーしないよ。
危ないからね。

へえ、ボクと同じ構えを取るとはやるね。
お互いに相手の出方の探りあいということかな。


立風・翔
あ、生きてた。
いやまあ、中身まで無事かどうかは見た目じゃ分からないけどな。

で、今度はもうちょい真面目に戦闘しないとな。
攻撃手段は【属性攻撃】で電撃属性にしたブラスターだ。
まあ、せっかくだし戦り方くらいは作家先生の希望に沿ってやるか。
いやほら、マスターの言う事聞かないプレイヤーとか、なあ?
それに限られた条件で戦るのは嫌いじゃないしな。
というか、本当に大丈夫か?
なんかふわふわしてるぞ、動きもシナリオも。
それなら【宇宙粒子波】を派手に一発かまして、目を覚まさせてやるか!
スペシャル・ライターだけじゃなく、相手の放つ光も纏めて狙ってかき消してやる。
「いくぜ! コスモトロニックウェーブ!」




「……モ……フ……」
 まっちろにもえつきたぜ。
 という感じでうつぶせに倒れるモフィンクス。
「ふう、これでモフィンクスはあらかた倒したかな?
 とりあえず、道は開けたみたいだね」
 そう言って、モフィンクスたちが詰まっていた部屋を抜ける極に続く猟兵たち。
 何やら屋敷のような重厚な絨毯の敷かれた廊下を駆けた先に、扉のない部屋。
 遠目に何かが動いているのが分かり、猟兵たちは警戒しながらも飛びこんだ。
 書斎のような部屋だ。
「――なんだか古めかしい機械が現われたね」
「あ、生きてた」
 と翔。
「いやまあ、中身まで無事かどうかは見た目じゃ分からないけどな」
 レトロな印字機といった姿のスペシャル・ライターであったが、文字があてがわれていると思われる二十六のキーが青白く輝く。
 同時に、紙へと印字されていくのが猟兵たちから見えた。
「あなたがスペシャルライター……! もふもふをけしかけた張本人……」
 そう言う梓は魔法少女然としてスペシャル・ライターを見るも――脳裏に過るモフィンクスの姿。
 ぬいぐるみに、抱き枕に、または火のための固形燃料として、あなたの生活にモフィンクス。
「……もふもふ、かわいかったです……。
 ……?」
 あれ?? 感謝すべき?? という表情になる梓だったが、は、と我に返る。
「ち、ちがいます。倒すべきオブリビオンですね!」
 首をふりふり、改めて決意。
 その時、新たにキーを光らせるスペシャル・ライター。告げ、文章を書く。
「進化を果たした元モフィンクスたちは、」
「……元……」
 ううーんと片目を瞑る極。
「どうやら作家先生の中では、俺たちは元モフィンクスになったらしいぞ」
 ブラスターを片手に翔。
 猟兵とスペシャル・ライターの戦いが始まろうとしていた。

『シナリオメモその1
 元モフィンクスの見る夢(課題)
 ・眼鏡青年:下積みから強くなってゆくゆくはマフィアの凄腕殺し屋となり、美女とのロマンス。
 ・武術少女:闘技場の下位拳闘士から勝ち上がり、下剋上をしたのち、マフィアのボス。
 ・魔法少女:SSR進化して魔法界女王へ。
 ああ、しかし、悲劇はある。
 そう、彼らは元モフィンクスなのだ。
 ふとした瞬間もふもふになるという呪いにかかっているのだ――』

「ハードルが高い……!」
 物陰から物陰へ移動しつつ、翔はスナイパー役として動いている。
 せっかくだし戦り方くらいは作家先生の希望に沿ってやるか――と翔は狙撃位置を目指して動いていた。
 予知から逸れたら、悪い方向に思わぬことが起きたりする……と、翔。
 メタく言えば『いやほら、マスターの言う事聞かないプレイヤーとか、なあ?』ということらしい、が、そこは、ちょーデリケートな部分ダヨとかなんとかかんとか。
 限られた条件で戦うのは嫌いじゃないようで、殺し屋よろしく狙撃手をする。
『物陰へ潜んだ男が狙い定める標的。
 それは今まで男を支え続けてきた女であった――ああ、そんなまさか、彼女が敵対マフィアと繋がっ』
 翔は直ぐ撃った。まったく、全然、なんの躊躇いも無く。
 電撃属性にしたブラスターで狙い定めた標的は、勿論スペシャル・ライターだ。
『打ちひしがれた男は、その夜、悪夢にうなされながらモフィンクスの姿に――』
「というか、本当に大丈夫か? なんかふわふわしてるぞ、動きもシナリオも」
 思わず、言わずにはいられない翔。

「妖精さん、妖精さん。ちょっと助けてくださいな――」
 呼びかけた梓の周囲に、妖精たちが現われる。
「行きますよリヴァイアさん!」
 手乗りサイズのドラゴン精霊を魔法の杖へと変化させ、梓はバトンのようにくるりと回した。
「まじかるチェンジで、今必殺のロッド撲殺拳――」
『顕現する妖精たち。飛び回れば少女のレオタードベースのドレスがひらりと舞い、幻想的な光景が増した。
 その一歩は軽やかで』
「か、軽やかですか……」
 一歩、そうっと進む梓。
『湖の上を歩く妖精の女王のようだ。進めば、燦然と妖精の存在が輝き、少女はゆるやかに、』
「そ、そんな……褒めても何も出ませんって……って――」
 頬を染めて視線を逸らした梓が、ふと気付く。
 妖精が増えてた。
「わあ! 妖精さんのコピーが! これいけませんね! 乗せられるところでした!」
 リヴァイアさんをぐっと握り肉迫する梓。
 ま、まほう……??
「そのタイピング、殴って止めます! 物理で!」
 魔法少女は魔法を使わず、杖でスペシャル・ライターを叩くのだった。

 幻武流『模倣武術』の構えを取り続ける極へ、同じ構えを取ろうとするスペシャル・ライター。
「へえ、ボクと同じ構えを取るとはやるね。お互いに相手の出方の探りあいということかな」
 ニッと笑んだ極であるが、スペシャル・ライターは痺れを切らしたのか、修正箇所を確認する目から青白い光を放ち少女に命中させた。
 シナリオに添うルールの宣告は――『モフィンクスのようにごろんしなさい』であった。
「これは簡単に防御できるね」
 と、ごろんする極。
 モフィンクスのように、いつまでもというわけではない。一度二度とごろごろした極は立ち上がり、敵の指示を記録した鍵型のメモリをデバイスに刺した。
「キミの武術は覚えさせてもらったよ。これが幻武流『模倣武術』――モフィンクスのように、ごろんしなさい、だよ」
 ルールを宣告するユーベルコードを放つ極。
 がしょんがしょんと音を立てながら、スペシャル・ライターはごろん(?)した。
「作家先生、もう無理をするな……」
 完全に染まっている様子の敵に、翔が呟いた。
 がばっと起き上がるようにガシャンガシャンと再び敵が青白い光を放ちながら、スペシャル・ライターは叫ぶ。
「修正箇所が多すぎる!」
 即座に対応し動くのは翔だ。
 ボケボケな敵の目を覚まさせてやるために。
「いくぜ! コスモトロニックウェーブ!」
 翔から宇宙粒子の波動が放たれ、青白い光が――弾けた。
 物として存在する光の粒子が次々と弾けゆく光景は、強く輝く水面のようであった。
「……ッ、これはッ」
 宇宙粒子の波動を受け、天啓を受けたかのような唸りをみせるスペシャル・ライター。
 さあ、読めとばかりに渾身の十数枚を書き上げた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ファルネーゼ・アトラス
貴方がモフィンクスさん達の親玉様なのですね!
しあわせなもふもふ、とても堪能させて頂きました
有難うございます!(深々とお辞儀)
で、ですが…モフィンクスさん達を使って悪さをしようだなんて許されません!
此処できっちりと、成敗させて頂きます!
さあエチカ――張り切って参りますよっ

皆様に届けるのはファルの歌声
鼓舞する【シンフォニック・キュア】で癒しを齎します
幾ら相殺されようと、ファルは歌うだけです
スペシャル・ライター様に、この歌声を何処迄再現出来ますでしょうか?
ふふ…けれど、どの様に再現されるのか少し気になりますね
皆様には、ファルの声がどの様に聞こえているのでしょう
きらきらと目を輝かせ、作家先生を見詰めて



「貴方がモフィンクスさん達の親玉様なのですね! しあわせなもふもふ、とても堪能させて頂きました。
 有難うございます!」
 と、部屋に入ってスペシャル・ライターを見たファルネーゼは、深々とお辞儀をした。
「で、ですが……」
 言う彼女の視線の先には、猟兵たちに向かって青白い光を放つ――敵。
 戦場の向こうには一体だけ残ったモフィンクスが、主を見守る執事よろしく佇んでいる。
「モフィンクスさん達を使って悪さをしようだなんて許されません!
 此処できっちりと、成敗させて頂きます!」
 そう言って傍らのふわもこドラゴンとともに。
「さあエチカ――張り切って参りますよっ」
 既に戦い傷付いた猟兵たちのために、ファルネーゼは歌う。
 声を相殺しようとしているのか、スペシャル・ライターは青白く光り、まったく同じ力を放とうとして場景を書いていく。
 新たなシナリオ。
 スペシャル・ライターが、この歌声をどこまで再現できるだろうかと――彼女は考える。
『西の空に僅かな輝きを残し、空は闇へと染まっていく。
 戦場に満ちようとする絶望。
 しかし、その時、彼らの頭上に輝く宵の明星が現われた。
 ――ひとつ、ふたつ、みっつ――数多。呼応し次々と輝き始める星々が、天上の光を届け、地上で戦う者たちを鼓舞してゆく』
 希望の歌だ。
 明けない夜は無く、その時を迎えるために、戦う者を鼓舞し輝く星――それは、ファルネーゼの金の瞳であった。

成功 🔵​🔵​🔴​

霧亡・ネリネ
もふもふ……とってももふもふだった……(ほにゃー)
スペシャルライターさんも、
もふもふでのんびりライターさんになっちゃったのだろうか?

WIZ
子猫のポルカを演奏、ホルンから猫さんを出すぞ
もふもふにはなれないが、もふもふをいっぱい呼び出してみるぞ。にゃんにゃーん。

おおお、おんなじ猫さんがいっぱい……?文字とはいえ私の演奏を勝手に書かれるのは好かないぞっ(途中で止めて楽器に一緒に留めていた人形で<フェイント>)



「もふもふ……とってももふもふだった……」
 ほにゃーと頬を緩ませ、余韻に浸っているネリネ。歩みもどこかふわふわとしていた。
 到着してみれば、先行した猟兵たちの戦闘が目に入る。
「これはなんだろうか?」
 室内に落ちていた原稿を拾い、ネリネが少し読んでみれば、大草原にモフィンクスな文章が綴られていた。
「スペシャルライターさんも、もふもふでのんびりライターさんになっちゃったのだろうか?」
 その時ちょうどスペシャル・ライターが猟兵のユーベルコードを受け、ごろんした。
 間違いない様だと頷くネリネ。
「もふもふにはなれないが、もふもふをいっぱい呼び出してみるぞ。にゃんにゃーん」
 と、Waldhornで子猫のポルカを演奏すれば、
『にゃーん!!』
 と中から声がして、小さな猫たちが出てきた。
 よりよい作品を、とスペシャル・ライターは青白く光って文章を綴った。
 音をなぞり、譜が書かれた次に、
『たくさんの♪ ねこさんが♪ にゃにゃにゃーん』
「おおお、おんなじ猫さんがいっぱい……?」
 演奏を止め、楽器に一緒に留めていた人形でフェイントを仕掛け、創作の先を乱すネリネ。
「文字とはいえ、私の演奏を勝手に書かれるのは好かないぞっ」

成功 🔵​🔵​🔴​

ルーナ・リェナ
颯夏(f00027)と同行

うー……あれ、もふもふしてない
モフィンクスの方がよかったよう
どうでもいいシナリオなんてさっさと倒してごはん食べたい

ソルを槍に戻して間合いをはかりながら【目立たない】ように移動
いい位置を取れたら颯夏に目配せして
【鎧無視攻撃】で【串刺し】するように右腕にイエロを召喚


青葉・颯夏
ルーナ(f01357)と同行

よっぽどさっきの感触が気に入ったみたいね
食欲魔人ぶりに内心溜息をつきながらスペシャル・ライターへ対峙
……何にしてもやる気があるのは悪いことじゃない。はず

【フェイント】を掛けながら【2回攻撃】で攻撃
【時間稼ぎ】でルーナが攻撃しやすいポジションをとれるまで敵の気を引く
ルーナの渾身の攻撃に合わせて《弓曳落星》を【一斉射撃】



「うー……あれ、もふもふしてない。モフィンクスの方がよかったよう」
 スペシャル・ライターを見て、がっかりした表情のルーナ。
 やっぱり似たようなぬいぐるみが欲しいな、と呟いている。
 そんな少女の騎乗するソルが、緋色の穂先を持つ槍へと変化した。
「どうでもいいシナリオなんて。さっさと倒してごはん食べたい」
 渾身の十数枚を、ばっさり。
「よっぽどさっきの感触が気に入ったみたいね」
 颯夏がルーナの食欲魔人ぶりに内心溜息をつきながら、言った。
 この戦いが終われば、魔法学園で昼ご飯だ。
 さっさと倒して食べに行こうと思う猟兵の学生たちも多いことだろう。
 颯夏の目線より少し下、羽ばたき上昇してきたルーナは、すうっと斜め前方に向かって空を滑る。
 目立たないように、静かに。
「……何にしてもやる気があるのは悪いことじゃない。はず」
 こくりとひとつ頷いたのちに雪紐を繰り、攻撃を仕掛ける颯夏。フェイントをかける姿は人形独特の、かくりとした動き。
 素早く腰を落とした雪紐が二度の攻撃を放ったのち、颯夏が絃凛を引けば、雪紐は滑らかな動きで後退した。
 続く猟兵の攻撃に乗じ、雪紐を跳躍させてからの一撃。
 その時、スペシャル・ライターのほぼ真後ろまで移動したルーナがやや上昇する。
 下方の颯夏に目配せすれば、絲を繰る動きが確認できた。
 絡繰を起動する雪紐。胴に仕込まれた数多の矢が放たれる――弓曳落星。
 一斉射撃がスペシャル・ライターの胴、ランプ、キーへと次々に当たり金属音が猟兵たちの耳を劈く。
 同時に、
「イエロ、そいつを喰らいつくして!」
 右半身を前に、右手の延長となり突き出された緋の穂先。
 ルーナの声に応じ、右腕に召喚された凍竜は穂先までその身を覆う。スペシャル・ライターを穿てば、板金に風穴。
 死角からの攻撃の衝撃にキーがいくつか曲がり、書かれていく原稿にはところどころに抜けが生じた。
 キーから青白い光を放つスペシャル・ライターが猟兵たちを攻撃していく。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​


 マフィアに拳闘士、魔法界の妖精女王の異能ファンタジーから一転。
 沈みゆく世界にて。
 鼓舞する歌い手と、奏者は軽快な行進曲で元気づけ。
 夢見る未来のため戦いを続ける二人の物語。
 そして、
城島・冬青
【アヤネさん(f00432)と一緒】
にしてもスペシャルライターかぁ…読書感想文とか論文書きたい時に手元に置いておきたいなぁ。オブリビオンだし持ち帰るなんて無理だけど

ともあれ死角から通常攻撃します。UCは相殺される可能性があるので終盤に取っておきます。
アヤネさん、ガンガンやっちゃいましょ!

ん?スペシャルライターに最後までシナリオを書かせてあげるんですか?まぁいいですけどー(ピンチにならないようにちゃんと応戦します)
とかやってたら…なんかシナリオ書きあがったみたいですよ??
あ、書きあがったらトドメなんですね(ここでUCで攻撃)しかしコレはスペシャルライターの遺作…になるのかなぁ(とりあえず合掌)


アヤネ・ラグランジェ
【ソヨゴ(f00669)と一緒】
スペシャル・ライターの感動、分かる気がするネ
あ、オブリビオンに共感してはその時点で負けかしら
でも最後まで読みたい気がするのはきっと僕だけではないはず

ルールを宣告されたら絶対に破らない
半径内に入らずに遠距離攻撃
UCは一度しか使用しない

光線銃は最大威力に調整
ソヨゴの動きを見ながらフォローするように攻撃するよ

最後まで書かせてあげるっていうか
書き上げてしまうよネ?
だからほんの少しだけ先回りしたい

そろそろ倒せるというところで
ソヨゴに目で合図を送る
「満足していただけだろうか。finと打ち終える時が来たよ」
ソヨゴと呼吸合わせてUCで攻撃する

遺作か
UDCファイルに残しておくよ



「スペシャル・ライターかぁ……読書感想文とか論文書きたい時に手元に置いておきたいなぁ。
 ――オブリビオンだし持ち帰るなんて無理だけど」
 城島・冬青(朝星の唄・f00669)の言葉は世の学生が共感するようなことで、思わず笑むアヤネ・ラグランジェ(颱風・f00432)。
 足元に落ちていた原稿を拾い、流し読んでみれば、そこには猟兵たちへを賛美する文章が綴られている。
「スペシャル・ライターの感動、分かる気がするネ」
 だが、共感した時点で負けだろうかと思い直す。
「でも、このシナリオを最後まで読みたい気がするのは、きっと僕だけではないはず」
 そう言ったアヤネと、冬青が攻撃を仕掛ける。
 光線銃を最大威力に設定したアヤネは、死角を取ろうとする冬青のフォローするため、注意をひくように撃つ。
「アヤネさん、ガンガンやっちゃいましょ!」
 銀色の舞踏靴を履いた冬青が軽やかに駆け、死角からの一刀。
 挟撃にスペシャル・ライターのライトが割れ、キーが折れて吹っ飛ぶ。
 遠距離から撃ち放つアヤネには、少ししか残っていないキーの光は届かず、周囲の猟兵たちを攻撃していった。仲間の歌が猟兵たちを癒していく。
「ソヨゴ」
 呼ばれた冬青がアヤネを見た時――ふと、シナリオを楽しみにしていたアヤネの言葉が蘇った。
「ん? スペシャルライターに最後までシナリオを書かせてあげるんですか?」
 はらりと落ちた紙を拾ったのち冬青が、次の間合いへ移る横への一歩。
「まぁいいですけどー」
 そう言って横一文字に薙ぎ、アヤネの光線銃と交互に攻撃を重ねていった。
 けれどその瞬間は直ぐであった。
 ところどころ単語の抜けた文章――終息へ向かうモノローグ。
 その一枚を手に、アヤネは冬青へと目で合図を送った。
(「あ、書きあがったらトドメなんですね」)
 妖刀の切っ先をスペシャル・ライターへと向ける冬青が、告げる。
「切り裂け、疾風!!」
 風が起こり、部屋中に落ちていた原稿が舞う。けれど敵だけを狙い定めた風は、紙一枚と他を傷つけることのないカマイタチとなった。
「満足していただけただろうか。finと打ち終える時が来たよ」
 アヤネが召喚するは、絡みつく紫の触手のかたまり。
「――疑問。我が生涯において、finはあるのだろうか――」
 呟くスペシャル・ライターへ、死神の矢と謎を喰らう触手の群れが放たれた。
 板金が砕ける。
 次々と青白い光は消え、からくりの音を立ててスペシャル・ライターは床へと崩れ落ちた。
 舞う原稿をキャッチし、次に床の原稿を拾うアヤネと冬青。
「コレはスペシャルライターの遺作……になるのかなぁ」
 集めた原稿をアヤネへと渡した冬青は思わず合掌する。
 最後の一枚を持ち続けていたアヤネは、それに視線を落とす。
 抜けた文字はあれど読み取れる文章。
 それはエピローグ。
 世界は救われ、再びモフィンクスがだらっと平和に過ごす世界が描写されていて。
「遺作か。
 UDCファイルに残しておくよ」
 原稿を手に、アヤネは言った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 日常 『学園名物 学食風景』

POW   :    学食を作る側、もしくは売る側にまわる

SPD   :    誰よりも早く売り切れ必死の一品を買いに行く

WIZ   :    仲良く誰かと一緒にお昼

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 アルダワ魔法学園のチャイムが鳴り響く。
 ランチの時間だ。
 お弁当を持ってきた生徒、お気に入りの食堂へ向かう生徒、購買へ走っていく生徒。
 または食堂に入る者、人の集まる場所に屋台を設け、軽食、デザートを売る者。
 昼食風景は人それぞれで、教室、カフェ、温室の飲食スペース、そのまま食堂で皆と一緒に――などなど、色々あるようだ。
 お腹を満たしたら、残りの休憩時間を過ごそう。
 図書室にいって本を読んだり、スポーツをしたり、宿題をしてみたり。
 今日出会ったスペシャル・ライターみたいに執筆に挑戦してみるのも良いかもしれない。
 モフィンクスの様にごろごろだらだら、お昼寝してみるのも良いかもしれない。
 お腹を満たした後の、この時間は至高の時だ。
 思い向くままに、過ごしてみよう。
青葉・颯夏
ルーナ(f01357)と同行

もふもふの食べ物……この世界ならパンかしら
柔らかめのものがあるかどうかはわからないけど

パンと、ルーナとは違う種類のジャムを買ったら
のんびりできそうな場所を探してランチタイム
モフィンクスパン?
あなたよっぽど気に入ったみたいね
いいわ、帰ったら調べてみるから

食べ終わって一息ついて
やけに静かになっている友人を見て苦笑
……仕方ないわね
持っていたタオルをルーナに掛ける
たまにはあたしも、ちょっとだけ
つかの間の休息をとる


ルーナ・リェナ
颯夏(f00027)と同行

ふぁああ、つっかれたぁ
なんかもふもふっぽい食べ物ないかな?
んー、じゃあそれにしよっか
せっかくだから温室とか、あったかいところがいいなぁ

パンとジャムを買ったらお目当ての場所に
ねえ、颯夏
モフィンクスみたいなのって作れる?
お願いね
そういうのって颯夏に訊くのがいちばんだから

ふっかふかのパンでおなか一杯になったら眠くなっちゃった
ソルの上にごろんと寝転がってそのままお昼寝



 赤いドラゴン、ソルに乗るルーナがくうっと腕を伸ばした。
「ふぁああ、つっかれたぁ。なんかもふもふっぽい食べ物ないかな?」
「もふもふの食べ物……この世界ならパンかしら」
 ルーナとソルの隣を歩く颯夏が、少し考えたのち思い当たった食べ物を言った。
 もちもち、いや、ふわふわ、いや、もふもふ?
「んー、じゃあそれにしよっか」
「柔らかめのものがあるかどうかはわからないけど」
「探してみようよ」
 購買部に向かってみればパンコーナーがあり、二人はふわふわパンとジャムを購入した。
 わいわいと賑やかな購買部を抜け、のんびりできそうな場所を探す。
「あ、こことかどうかな?」
 ルーナが言うと、ソルがベンチへと飛び乗った。
 飲食スペースのある温室。植物が繁り、天井はステンドグラスのドーム。良い感じに陽射しが入ってくる造りで暖かい。
 ベンチに座った二人は、パンと、それぞれ違うジャム。
 颯夏が手にすれば普通サイズのパンだが、ルーナが持つと大きなパンだ。
 食べやすいように千切ると、不思議と同じサイズになる二人。
「ねえ、颯夏。モフィンクスみたいなのって作れる?」
 と、ルーナは両手で持つパンを少しだけ持ち上げた。
 紫の目を瞬かせる颯夏。
「モフィンクスパン?
 あなたよっぽど気に入ったみたいね」
 モフィンクスの姿を思い浮かべる。
「いいわ、帰ったら調べてみるから」
 頷く颯夏へ、ルーナはラズベリーの瞳を輝かせた。
「お願いね。そういうのって颯夏に訊くのがいちばんだから」
 楽しみだなぁ、と言ったルーナの隣では、ソルがベンチの上でくつろぎの体勢。
 パンを食べ終えたルーナが颯夏を見上げれば、彼女はまだ食事中。
 少しずつ食べ進める颯夏から、視界を真上へと向ければ、淡く色合いのステンドグラス。
 あたたかな室温と満たされたお腹。
 小さく欠伸をしたルーナは、ソルの上にごろんと寝転がる。

 食べ終わって一息ついた颯夏は、ふと、静けさに気付く。
 隣を見れば、すやすやと眠る友人の姿――。
「……仕方ないわね」
 苦笑し、持っていたタオルをルーナに掛けてあげた。タオルのふわふわな肌触りに、やや身じろぎしたルーナはタオルを引き寄せて、深く寝入る。
(「たまにはあたしも、ちょっとだけ――」)
 呟いたつもりのそれは、声にならず、颯夏もまた、束の間の休息をとるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ファルネーゼ・アトラス
【WIZ】
はあ…今回も大変な戦いでした
…特にもふもふの誘惑は強力です
エチカ、お腹が減りましたでしょう?
美味しいご飯を食べて、英気を養うと致しましょう!

訪れたのは食堂
食堂で食事だなんて中々ない経験で、新鮮です
今日は何がオススメなのでしょう…
折角ですし食堂の方に質問してみましょう
食事を受け取った後は盆を手に席を探します
何処も混んでるでしょう…『コミュ力』で話し掛け、生徒様に相席させて頂いて構わないか聞いてみますね
美味しい物は皆で共有するともっと美味しく感じられますから

さあ、エチカ
両手を合わせて、いただきますをしましょうっ
美味しい料理に舌鼓を打ち
他愛のない話に花を咲かせる
…ふふ、とても幸せな時間です


ヤーリ・ハンナル
学食で猟兵たちを出迎え、料理を提供。
「お疲れ様だったねえ。んん? そうでもないのかい?」
モフモフや創作世界を堪能して幸せそうな人や、堪能しきれず残念そうな人に首を傾げる。
もふもふにちなみ、今日のスペシャルメニューは「ふわっふわのスフレオムレツ」
★レシピ
1)卵を白身と黄身に分ける。
2)POW使用で人力でしっかり卵の白身をメレンゲに。電動泡立て器なんて邪道だよ!
3)黄身と塩、ちょっとのチーズをメレンゲに混ぜる。魔法学園の特製卵だから味付けはシンプルでいいのさ。
4)フライパンに流し込み、蓋をして弱火でじっくり蒸し焼き。
5)お好みで胡椒やケチャップをかけて召し上がれ!
※ネタ・連携・アドリブ歓迎


竜洞・梓
ふう。もっふりもっふり……堪能しました……。
いつもこんな風な事件ならいいんですけど。
もふもふ。もふもふ……ちっちゃいおてて……はぅ~……。

POW
はっ、いけません。今日はバイトをしなければ。
学食の売り子です。
今日も一日がんばるぞい。主に売り切れ必至の焼きそばパン辺りの治安を守るために。

ならんでくださーい! はみださないでー! はい列切りまーす! 列動きまーす、手を上げてくださーい! 一人一限でーす!

はふぅ。
終わったらもふもふのことを思い出しながらほやや。少し遅いご飯をいただきます。


霧亡・ネリネ
もふもふ……すてきな感触がわすれられない……
購買でおいしそうなふかふかパンを買えて満足
モフィンクスのようなふかふか加減を尚も楽しもうと、もふりながらもぐもぐ

ごちそうさまの後でおひるねしたら、もふもふな夢でも見られそうだ……ふわぁ……


幻武・極
ボク達はこの平和な日常を守り抜いたんだね。
あのまま、モフィンクス達がここにたどり着いていたら・・・
きっと大騒ぎになっていただろうね。(別の意味で)

さて、ボクも購買に行ってくるかな。
超限定商品のヤキソバライスパンをゲットしてこなくちゃいけないからね。


立風・翔
WIZ:仲良く誰かと一緒にお昼

そりゃもうごろごろするに決まってるだろ。
そうする仲間も他に居るだろうし、一緒になって昼飯食べたり、だらだら過ごしたりしてのんびりするぜ。
もし誰も居なかったら学園の女の子でも誘ってみるかな。

そういやこの学食って定番とかあんのかな?
昼飯はその辺食べてみたり、なんなら作る側や売る側に回った皆のを食べてみるってのも良いな。
でも見るからにヤバそうなのは勘弁な!

後はのんびり昼寝するかな。
時間にも追われず、眠気に誘われるがままに昼寝する……至福だなぁ。
モフィンクスも毎日こんな感じなのかもな。
厄介事は御免なんだが、モフィンクスの相手だったらまたしても良いな、うん。
ふあぁ、眠ぃ……



 わいわいと賑やかな食堂。
 学生も、職員も、憩いの時間は楽しそう。
「ボク達はこの平和な日常を守り抜いたんだね」
 そんな光景を極は眺め、うんうんと頷く。
「あのまま、モフィンクス達がここにたどり着いていたら……きっと大騒ぎになっていただろうね」
 モフィンクスたちが襲撃しご飯を食べて、そのまま食堂でだらっと過ごす――いけない、みんながつられてしまう。
「お疲れ様だったねえ。んん? そうでもないのかい?」
 何やらふわふわとした猟兵たちを迎えたヤーリ・ハンナル(学食の母・f10606)は、皆の様子に首を傾げた。
 ファルネーゼが頷こうとして、首を振った。
「……今回も大変な戦いでした。……特にもふもふの誘惑は強力です」
「もっふりもっふり……堪能しました……。
 いつもこんな風な事件ならいいんですけど」
 ふう、と満足気な吐息の、梓。
「もふもふ。もふもふ……ちっちゃいおてて……はぅ~……」
 モフィンクスに思い馳せる梓は、ハッと我に返る。
「いけません。今日はバイトをしなければ」
 学食・購買の売り子である。
 ――今日も一日がんばるぞい。主に売り切れ必至の焼きそばパン辺りの治安を守るために!
「焼きそばパンの辺りは激戦区だからねぇ。頑張っておいで」
 と、ヤーリも同じ認識のようで、猟兵たちに見送られ、梓は駆けた。
 食堂へ平和をもたらすために!!!!
「エチカ、お腹が減りましたでしょう?」
 ファルネーゼがふわもこなドラゴンへと声を掛ける。
「美味しいご飯を食べて、英気を養うと致しましょう!
 ――と、今日は何がオススメなのでしょう……」
「そういやこの学食って定番とかあんのかな?」
 翔の言葉に応じるのは、ヤーリ。
「唐揚げ定食、生姜焼き定食、中華日替わりとか、色々あるけどねぇ。
 今日のオススメ、スペシャルメニューは『ふわっふわのスフレオムレツ』だよ!」
 ばばーん! という効果音付で翔とファルネーゼへ出されたスフレオムレツ――いや違う、頼んだのは他の学生のようで、そのまま横へと流れていった。
 ……嗚呼……、と見送る翔とファルネーゼ、そしてエチカ。
「スペシャルメニューをひとつ」
「ファルもそれにします。ひとつお願いします」
「ちょっと待っておくれ」
 卵を白身と黄身に分け、白身をしっかりメレンゲに。
 ちなみに人力である。ヤーリ曰く、『電動泡立て器なんて邪道だよ!』らしい。
 力と気力で仕上がるメレンゲ。
 そして、黄身と塩、ちょっとのチーズをメレンゲに混ぜてフライパンに流しこみ、蓋をして弱火でじっくり蒸し焼きにする。
「味付けは塩とチーズだけなんだな」
 と言う翔に、ヤーリが、
「魔法学園の特製卵だから味付けはシンプルでいいのさ」
 人差し指を振りつつ、答える。
「さあ、できたよ!
 お好みで胡椒やケチャップをかけて召し上がれ!」
 再び、ばばーん! という効果音付で、『ふわっふわのスフレオムレツ』は今度こそ正真正銘、翔とファルネーゼのものだ。
 わくわくと皆で食卓に着く。
「さあ、エチカ。翔様も。両手を合わせて、いただきますをしましょうっ」
「いただきます」
 翔が言い、エチカは両手を合わせてもふりと頷く。
 スフレオムレツにスプーンを差し込んでみよう――最初の一突に抵抗する弾力はまさにもふっとしたものである。
 もふっとふわっと、食感はしゅわふわだ。
 美味しくいただくファルネーゼとエチカ、そして翔であった。

 一方、激戦区。
 そこは人気のアイツへ至ろうとする猛者たちが集う場所。

「ならんでくださーい! はみださないでー! はい列切りまーす! 列動きまーす、手を上げてくださーい! 一人一限でーす!」
 めっちゃ流暢に、声を途切れさせることなく、梓が学食・購買スタッフとして頑張っていた。
「ヤキソバパンとコロッケパンは同時に買ってもいいですかー!?」
「はい、大丈夫でーす! ヤキソバパンも、コロッケパンもそれぞれで一限でーす!
 はい進みますよー!
 お財布の準備は良いですかー?」
「ヤキソバライスパンは、まだあるかな?」
 極がひょこりと列から頭を出し、前方確認。よし、まだあるぞ。
 超限定のヤキソバライスパンはゲットしてこなくちゃいけないからね、と極は梓の声を聞きながら、順番を待った。
 その時、とことこと歩くネリネがすれ違っていった。
 購買部からの帰りのようで、大事そうに袋を抱えている。
「もふもふ……すてきな感触がわすれられない……」
 ふかふかパンを買えて満足の様子。上機嫌にメロディを口ずさみ、辿り着いた場所はのんびりできる中庭。
 ランチのための可愛い椅子に座ったネリネ。
 いただきますをして、ふかふかパンを食べる。
 モフィンクスのようなふかふか加減を楽しんでいるのか、もふりながらもぐもぐするネリネ。
 ふかふか。
 もふもふ。
 そしてほんのりもちもち。
 食べ終わってごちそうさまをして、背もたれに体を預けた。
 お腹が満たされると、眠気がこんにちはとやってくる。
「……ふわぁ……」
 と欠伸をしたネリネは緩やかに目を閉じた。
(「もふもふな夢でも見られそうだ……」)

「ふあぁ、眠ぃ……」
 と、翔は休憩室へとやってきた。
 ふわふわのクッションやソファが置かれたそこは、学生たちの憩いの場所らしい。
 ふわふわのクッションを確保し、ごろんとして、ぐっと伸びをして――、
(「モフィンクスも毎日こんな感じなのかもな」)
 と本格的にやってきた眠気に抵抗せずに、まどろむ。
「厄介事は御免なんだが、モフィンクスの相手だったらまたしても良いな……うん」

「おやおや、お疲れ様だよ」
「はわ~、頑張りました……」
 学食・購買のバイトの終わった梓がふらふら~とヤーリの元へと帰ってきた。
「……お腹が空きました」
「本当に、頑張ったねえ。しっかり食べるんだよ」
 ヤーリからご飯を受け取った梓は着席し、少し遅めの昼食に。
 はふぅと一息ついて、もふもふのことを思い出しほややとしながら、ふわっふわのスフレオムレツをいただくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

城島・冬青
【アヤネさん(f00432)と一緒】
初めて訪れた場所だからかあちこちキョロキョロしてはしゃいでるアヤネさんが子供みたいで面白いなぁ
でもまずはご飯ですよ

アルダワ学園の学食ってどんなのがあるんですかね?
私、麺が好きなんで麺料理があったら頼みたいな
あと野菜も取らなきゃだからサラダとデザートとあとは飲み物も…べ、別に食いしん坊とかじゃないですよ!

アヤネさんには
バランスよくしっかり取れるクラブハウスサンド的なのがあれば
それを勧めて
スープとプリンも忘れずに付けます

一仕事あとのご飯は美味しい!

食後はアヤネさんが行きたがってる図書館へ
図鑑を一緒に読みたいです
動物
植物

この世界のこと2人で沢山知っていきましょう


アヤネ・ラグランジェ
【ソヨゴ(f00669)と一緒】
魔法学園は初めて
魔法ってわくわくするネ!
お昼は食堂で
「えっ?!あれってファミリアじゃない?!」
とか、食事中なのに落ち着かないよ

ソヨゴに言われて、えっ?でも僕はまだ子供かもしれない…
僕としては珍しく、困った顔で目をそらすよ

ふふソヨゴはよく食べるネ
勧められて僕はクラブサンドをいただくネ
デザートはプリンがいいな

図書館?!
読書好きとしては興奮してしまう
ソヨゴと並んで座る
まず本を山積みにして読書をする気満々だ
おや、ソヨゴは図鑑を読むの?
いいネ。図鑑は見るだけで楽しめる
あっ、その動物って幻獣じゃない?ここにはいるのかしら?
積んだ本を手にしつつ、つい図鑑に気をとられてしまうよ



 魔法学園の回廊を歩けば通りすがりの教室を見てみたり、資料室へ目を輝かせてみたり。
「ソヨゴ、ソヨゴ、魔法学園にはどんな記録が残されているのかしら?」
 と、はしゃぐ様子のアヤネに、冬青は嬉しそう。
「アヤネさんが子供みたいで面白いなぁ。――でも、まずはご飯ですよ」
 言葉後半はアヤネにしっかりと届けて。
 冬青の言葉に、目をぱちくりとさせたアヤネが「えっ?」と思わず声を上げた。
 僕はまだ子供かもしれない……と、困った顔で目を逸らしたアヤネは、こくりと頷いた。
「――うん、ご飯、だネ」
 食堂で一つ一つのメニューに目を通しては悩む冬青。
「アルダワ学園の学食ってどんなのがあるんですかね?
 麺が好きだから、麺料理があれば頼みたいのですが……」
 地下迷宮に対処する学園の食卓は潤沢のようだ。様々な人種に応じる一覧は、物珍しくて目を奪われる。
 麺料理を見つけた冬青は、
「あと野菜も取らなきゃだからサラダとデザートとあとは飲み物も……」
「ふふ、ソヨゴはよく食べるネ」
「……べ、別に食いしん坊とかじゃないですよ!」
 これだけは! というように冬青。
 アヤネには、バランスよく栄養をしっかりとれるクラブサンドを勧めて、
「あとはスープと……」
「デザートはプリンがいいな」
 メニューを指差すアヤネに、冬青は頷いた。

 食事中も、アヤネは興味の惹かれたものへと目を向けている。
 それが次から次へとやってくるので、ずっとキョロキョロしている時もあり、冬青が食事を促す。
 やっぱり子供みたいで面白い、と冬青は微笑み思った。

 食後はどうしようかな、と壁に掛けられた学園内地図を前に、二人。
「あ。アヤネさん、結構な規模の図書館があるみたいですよ」
「図書館!?」
 アルダワ魔法学園の図書館。
 足取り軽く向かう二人は、館内の広さに感嘆の溜息をついた。
 本を傷めないよう配慮された空調システム。
 読書スペースは半個室のようになっている場所もあるようで、勉強も出来れば、静かに読書を楽しむこともできそうだ。
 アヤネは興味のある本を一冊とり、そう歩かない内にまた一冊。
 あっという間に、自身の腕力が許す限りの冊数を抱えていた。
「おや、ソヨゴは図鑑を読むの?」
 彼女の横へと座ったアヤネは、どんなものを読むのだろうと目を向けて、声掛けた。
「はい。動物、植物、海の生物、と。
 アヤネさんと図鑑を一緒に読みたいです」
「いいネ。図鑑は見るだけで楽しめる。
 ――あっ、その動物って幻獣じゃない? ここにはいるのかしら?」
 積んだ本から取った一冊はそのまま手の中に。
 アヤネは冬青と共に、図鑑のページを捲っていく。
「この世界のこと、二人で沢山知っていきましょう」
 静かな図書館の雰囲気なか、ふわりとして穏やかな冬青の声に、アヤネは微笑み頷いた。

 猟兵たちの新たな日常を綴る一ページ。
 学園の平和を守った猟兵たちは、思い思いのまま、穏やかな午後の時間を過ごしていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月25日


挿絵イラスト