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天地鳴動~災厄の争いの漁夫の利を狙え!~

#アポカリプスヘル

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#アポカリプスヘル


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●アポカリプスヘル・拠点「ノーウッド」
 「蒼銃弾」と呼ばれるレイダー集団がいる。今、アポカリプスヘルの拠点を暴れまわり、物資を強奪し、人々を奴隷に堕として売り捌く。悪逆非道な集団。何度も武装集団や奪還者達が撃退しようとしたものの、すべて返り討ちにしているという、まさしく破竹の勢いを持った集団だ。
 そしてその「蒼銃弾」の団長を務めているのが、現在拠点「ノーウッド」の市庁舎の豪勢な椅子に座っている青髪の女性である。テーブルにはありとあらゆる銃器が揃えられており、それを丹念に手入れしては窓から外を見る。
 「蒼銃弾」のレイダー達が現在「ノーウッド」の生き残りが立てこもるビルを攻めている光景が移る。腕利きの奪還者を揃えているようではあるが、時期に陥落するだろうと団長の女性は興味をなくす。
 だがその一室の扉が乱暴に開け放たれる。
「姐御! 敵が来やがった!」
 そこに飛び込んできた「蒼銃弾」のレイダー。姐御という呼び方にいまいちしっくりとこない団長の女性は少し眉をひそめながら、報告を聞く。
「……いい加減その呼び方はやめて欲しいものですが。どなたですか? 私達の獲物を横取りしようとする愚か者は?」
「紅の旗に刀のシンボル、間違いなく『真紅刀』の奴等ですぜ!」
 その言葉に頭領の女性の目が光る。「真紅刀」は「蒼銃弾」と同様にこの一帯で悪名を響かせるギャング集団だ。そしてその団長の姿を思い浮かべて、殺意が膨れ上がる。
「……そうですか。ならば皆殺しです。ここで迎え撃ちましょう」
「よっしゃ! それじゃ他の奴等に声をかけてきますぜ!」
 そう言ってレイダーは仲間を集めるべく、部屋を出ていく。おそらく「ノーウッド」攻略は一時中断されるだろう。だがこれから起こる抗争にどれだけの人間が生き残れるか。それを思い浮かべて、団長の女性は笑う。
 その脳内には、「真紅刀」頭領の顔が浮かぶ。
「これで何度目でしょうか、憎らしい妹。さあ、今度も殺し合いましょう」

●グリモアベース・ブリーフィングルーム
「アポカリプスヘルには四月一日一族という呪われた家系があってのー。その一族の姉妹が今回の戦いの首謀者じゃのー」
 そう言いながらアポカリプスヘルの拠点「ノーウッド」の様子を映した電脳ウィンドウを元に説明を始めるグリモア猟兵・メイスン・ドットハック(ウィザード級ハッカー(引き籠り)・f03092)。
 標的を求めて幾つもの拠点を襲う呪われた一族「四月一日」。その一族の姉妹が率いる無法者集団が拠点「ノーマッド」で激突するということだ。メイスンは猟兵が介入しなかった場合の悲惨な予知結果を報告する。
「戦いの結果は、四月一日妹に軍配が上がるのー。これは配下の差じゃのー」
 実際「真紅刀」ギャングの方が、「蒼銃弾」レイダーよりも力量は上だという。交戦の末に、ギャング達が勝利を収める。そのまま団長の四月一日姉に襲い掛かるというわけだ。
 四月一日姉もギャング達を殺し尽くすが、それでも無傷というわけにはいかない。力量が拮抗している姉妹で、その状態の姉と無傷で消耗なしの妹。どちらに軍配が上がるかは言うまでもない。
 ならばその戦いの後に介入すれば一番楽ではないか、という意見も出るがメイスンは首を振る。
「そうなった場合は拠点ノーウッドは壊滅。人々は巻き添えで殺し尽くされて、二度と拠点として使えんほど破壊される。それくらい姉妹の激突はやばいということじゃのー」
 この二人は互いを不倶戴天の敵として憎み合っており対決は不可避。ならば猟兵が介入する他ないと、メイスンはこの二つの集団を撃滅するプランを説明する。

 まず最初に「真紅刀」頭領の四月一日妹を叩く。配下はすべてノーマッドに攻め込ませており、郊外でゆっくり一人で陣取っているところを叩くというわけだ。
 そしてその後に、「蒼銃弾」のレイダー達を壊滅させた「真紅刀」のギャング達を攻める。四月一日妹を倒すタイミングであれば、ちょうどギャング達が勝利を収めた頃合いになる予定だ。そして四月一日姉と「真紅刀」ギャングの交戦が始まるタイミングでもある。挟み撃ちの形であれば、早期の殲滅が期待できる。
 最後は一人残った「蒼銃弾」団長の四月一日姉を倒すのみである。ただし、ノーウッド市街での戦いとなる。地形の有利はあちらにあるので油断はしないように注意したい。
「四月一日姉は縮地法とガンフーの使い手。四月一日妹は、変位抜刀術と剣舞の使い手じゃのー。達人級なのは間違いないけど、猟兵諸君ならやってくれるじゃろーのー」
 そう言ってメイスンはすべての説明を終えて転移術式を開始する。アポカリプスヘルに巨大な破壊を巻き起こそうとする姉妹抗争を叩き潰すために、猟兵達は出陣する。


ライラ.hack
 はた迷惑な姉妹喧嘩というのは、よろしくないですね。
 どうも皆様こんにちわ。ライラ.hackです。

 久しぶりのアポカリプスヘルでのシナリオです。
 レイダー集団「蒼銃弾」とギャング集団「真紅刀」の抗争に介入して貰います。
 放っておけば拠点「ノーウッド」は壊滅状態になるので、助力をお願いします。

 二つの敵集団壊滅の手筈は以下の通りです。
 1.ノーウッド郊外に陣取る「真紅刀」頭領の四月一日姉妹の妹を撃破。
 2.「蒼銃弾」レイダーを全滅させた「真紅刀」ギャングの掃討。
 3.ノーウッド市街で「蒼銃弾」団長の四月一日姉妹の姉を討伐する。
 この手順が一番被害が少ないと、メイスンの予知と分析を重ねた結果のプランです。どうぞよろしくお願いします。

 悪名高いオブリビオン集団を二つ同時に殲滅するチャンスでもあります。猟兵の皆様の奮戦に期待します。
 それでは皆様の素晴らしいプレイングをお待ち致しております。
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第1章 ボス戦 『『地断つ災厄』四月一日・ほむら』

POW   :    『時遡流刀術・劫火』
【背負った森羅万象を斬り裂く斬神刀】を巨大化し、自身からレベルm半径内の敵全員を攻撃する。敵味方の区別をしないなら3回攻撃できる。
SPD   :    『時遡流刀術・篝火』
【六振りの妖刀からの変位抜刀術】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【戦闘経験、戦闘能力と戦闘意志】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
WIZ   :    『時遡流刀術・灯火』
【見る者の魂を奪う魔性の剣舞】を披露した指定の全対象に【自分も斬られて死にたいという強い】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は黒玻璃・ミコです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●アポカリプスヘル・拠点「ノーウッド」郊外
 拠点「ノーウッド」に入る道路を無数のバイクが埋め尽くす。これはすべてギャング集団「真紅刀」の移動手段であり、かの勢力がいかに強大かを示すものになっている。
 轟音が響き渡る中、奥にいた車からその無法者達を束ねる女性が姿を現す。ギャングのトップに似合わない日本風の衣装に、腰に携えるは六本の刀。そして背にも大太刀も持ち込んでおり、ぱっと身おさげの日焼けした少女とは思えないほどの迫力を放つ。
 そんな彼女にギャングの一人が駆け寄って声をかける。
「姐さん、ここでお待ちになるんで?」
「雑魚に俺の刀を振るえるかっての。お前達で十分だよ」
「了解っす! 全員血祭りに上げてやるぜーお前等!」
 「真紅刀」全員の怒号が響き渡る。これからおこるのは、この一帯を「真紅刀」と同じく暴れまわるレイダー集団「蒼銃弾」なのだ。気合と殺気も漲るというものだ。
 
 そんな「真紅刀」のギャング達は勇んで出陣していく。それを見ながら頭領の女性は微笑む。
 あの憎たらしい姉の雑兵共はしっかりと始末してくれるだろう。あの憎く強い姉の力を削ぐ捨て駒になってくれるだろう、と。彼女が「真紅刀」構成員にかける思いはその程度だ。
 ただ自分が頂点であればいい。それ以外などどうてもいい。だからこそ、四月一日一族で目障りにも自分に並ぶ姉が許せるわけがない。
「姉貴ィ……見る影もなく全身バラバラに斬り刻んでやるからよォ。楽しみにしとけよ」
 そういって七本の刀を携え、四月一日・ほむらは待つ。あの戦場が血に染まり、姉が出てくるその時を。
才堂・紅葉
「漁夫の利ね。気に入ったわ」
正確にはよりアグレッシブだが気にすまい
身軽なアーミー姿で現場に進む

「どうも、真紅刀の頭領さん。あなたを討ちに参りました」
【礼儀作法】で朗らかに一礼
「提案ですが、姉妹お二人だけで荒野の何処かで心行くまで殺し合っていただけませんか?」

戦闘の手順
奴の変異抜刀術を万全に放たれては無傷ですまない
ガンベルトの拳銃を意識させ、縮地に似た無拍子の柔術歩法を【グラップル】で披露して姉と印象を重ねる
その上で拳銃を撃たずに放って呼吸を外し、【明鏡止水】の体捌きで斬撃を回避狙い

「居合の要諦は呼吸でしょ?」

鋭いローを【怪力】で放ち、【鎧無視攻撃の部位破壊】で足を痛めつける
後は欲張らずに撤収だ



 オブリビオン・ストームによって破壊を尽くされ、荒野の風が吹きすさぶ世界アポカリプスヘル。その限りある物資を奪おうと闊歩するならず者集団は数知れない。
 7本の刀を持つ四月一日・ほむら率いる「真紅刀」もその中の一つだ。そしてオブリビオンと化してからはさらにその破壊と略奪は苛烈なものになっていた。誰しもが彼女達を止められない。
「だがよ、姉貴。俺の刀はお前を斬りたくてしかたないんだよ」
 本能とも呼べる実の姉への殺意。それこそが最も四月一日・ほむらを突き動かす動力源である。

 だがそれをさせないと阻止に動く者達こそ、猟兵。才堂・紅葉(お嬢・f08859)はアルダワで巻き起こった大魔王との戦争から帰還した直後、依頼を受け取ってこう言った。
「漁夫の利ね。気に入ったわ」
 漁夫の利というよりかは、よりアグレッシブに動いて被害を拡大しようということだが彼女は気にしない。
 大魔王との戦いから傷は癒え、気力は充実している。歴戦工作員としてのプライドに賭けて、受けた依頼を完遂するのが紅葉というプロである。

「どうも、真紅刀の頭領さん。あなたを討ちに参りました」
 そうやって一人でノーウッド郊外に陣取っている四月一日・ほむらに対して、紅葉は礼儀作法に乗っ取って、朗らかに一礼する。
「なんだァ、お前は?」
 抑えることすらしない殺気が周囲にまき散らされる。不機嫌な表情で、その生来の可愛らしい顔を醜く歪ませる四月一日・ほむら。その原因は彼女が一番気に入らない姉に似た優雅な素振りが気に障ったからだ。
 だがそんなことは些細なことだと言わんばかりに、一礼したまま紅葉はある提案をする。
「提案ですが、姉妹お二人だけで荒野の何処かで心行くまで殺し合っていただけませんか?」
 そうすればノーウッドは破壊されず、さらにどちらかが死ぬまで殺し合い、こちらも仕事が早くなる。工作員として実利を取る、紅葉らしい提案であった。
 その素っ頓狂な提案に、四月一日・ほむらは大声で笑い飛ばす。久しぶりに愉快なことに腹がおかしくなるほど笑う。
「アッハッハッ! ハハハハハッ! この俺に対して、面白い提案だ! 可笑しいから提案受けてもよかったけどよぉ……」
 そして笑いながら腰の妖刀を抜く。その刃の矛先は優雅に一礼をする紅葉へと向けられる。
「なんで俺がそんな面倒なことをしなけりゃならないんだ? 俺は俺が暴れたい時に暴れ、殺し合いたい場所で殺し合う。他人の指図ってのが一番嫌いなんだよ」
 そうして首を斬り飛ばす一閃を放つ四月一日・ほむら。だがそれを予期したかのようにバックステップで躱す紅葉。動きやすい服装にしたのは、この鋭い斬撃に対応するためだ。
「時遡流刀術・篝火!」
 そう言い放ち、四月一日・ほむらの居合抜刀術が放たれる。その変位の抜刀術は、本来ならば居合は単発の瞬速斬撃、それを連続で行うことにある。抜刀して斬撃を放った刀を曲芸のように空中に投げ、腰の別の妖刀を握り、神速の居合を放つ。それを繰り返し5本の妖刀が宙に舞い、6連続居合が炸裂する。
 紅葉は最初から変異抜刀術を万全に放たれては無傷ですまないと思い、回避に集中。さすがの所見では完全に躱しきれなかったものの、皮膚の皮一枚斬る程度までに抑え込む。空中に落ちる刀を器用に鞘で受け止め収納する四月一日・ほむらは思った以上にやる紅葉を睨め付ける。
「ひどいのね。乙女の肌を斬り裂くなんて」
「次は外さねえよ。まったく気に障るアマだな。本当にあの糞の姉貴を思い出すぜ!」
 紅葉はガンベルトの拳銃を意識させるように、四月一日・ほむらの視界に曝け出し、さらに姉のスタイルに模倣するように無拍子の柔術歩法で回避してみせたのだ。嫌でも憎き姉の姿がちらつく四月一日・ほむら。
 姉を殺すように紅葉に対し再びの時遡流刀術・篝火を放つ四月一日・ほむら。次は紅葉の戦闘経験、戦闘能力と戦闘意志を考慮して放つ6つの高速居合。外さないと言わんばかりの剣気で迫る。
 それに対し紅葉はガンベルトから拳銃を抜く。姉の印象を重ねていた四月一日・ほむらはガンフーが来るのかと身体が自然と反応する。だが紅葉はその拳銃を撃たず、目の前に投げる。その行動は四月一日・ほむらの攻撃の呼吸を外す。
「居合の要諦は呼吸でしょ?」
 その瞬間、紅葉は「明鏡止水(クリアマインド)」を発動し、遅れて放たれる時遡流刀術・篝火の初撃に向かう。静かに澄んだ水面に、明月の影を映すように冷静にその刃に反応する紅葉。妖刀の刃を避け、二撃目が来る前に木製バットも砕く鋭いローキックを足に叩き込む。
「ぐがっ……!」
 骨の軋む音と共に四月一日・ほむらの顔が歪む。体幹が崩れたのを見て、さらなるローキックを放つ紅葉。その瞬間、紅葉のローを狙って、四月一日・ほむらの居合の刃が迫る。だが明鏡止水状態の紅葉にはすべてが視えている。咄嗟にローキックを止めて、二撃目の居合を回避。その止めた足を思いっきり下へ叩きつける。その先は四月一日・ほむらの足の甲。
「ぐがあああああああ!」
 今度は骨の砕ける音と共に、地面まで粉砕する振動が響き渡る。軸足となる足の甲を破壊した感触。それを確認した紅葉は三撃目が来ると同時に、バックステップで居合の間合いから脱出する。
「糞がァ! お前、逃げる気かあああ!」
「悪いけど、欲張らないのがプロよ?」
 さすがに動きを覚えられてしまったと判断した紅葉は無理をせずに四月一日・ほむらの戦闘領域から撤収する。次の連続居合を躱せるとは限らないという判断である。だが左足の甲の破壊と脛の損傷。当然追撃などできるはずもないし、これから追撃する仲間達への援護となるはずだ。

 初戦で居合使いの力を大きく潰した紅葉の戦いによって戦端は切られたのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シルヴィア・スティビウム
まさか、この世界に帰ってくることになるとはね……。
相変わらず殺し合いばかりで嫌になるわ
でも、そうね。戦いを手っ取り早く終わらせるなら、その頭を潰せばいいのよね
肉親同士で殺し合うなんて珍しくないのだろうけど……やるなら本人同士でやりなさいな

相手は剣の使い手……あの抜刀術は、思ったより伸びてくる……マサクル一本で対応するのは無理があるわね
従騎士の力を借りましょう
ギーラハ、貴方を咎める者は誰もいない。私の事は気にせず、埒を明けなさい
彼が劣勢になるようなら、そうね……酸の【属性攻撃】を魔術で以て、援護してみるわ
相手の手足のいずれかを封じられればそれでよし
後続に続けばなおよし
味方に当たったらごめんなさい


エメラ・アーヴェスピア
はぁ…誰の迷惑のかからない所でやりなさいよ…
まぁこちらも仕事…速やかに撃滅しましょう

さて、相手の行動を考えると…ドローンを打ち上げて【情報収集】
この辺りの地形の情報が欲しいわ
そして…『この場は既に我が陣地』
【罠使い】の知識を元に広範囲に罠となるように【地形の利用】をして【物(砲台)を隠す】
そして私は離れた位置から情報をモニターして良いタイミングで砲撃指示よ
ここは既に私の狩場よ、大人しく骸の海へと還りなさい
砲台には感情なんてある訳ないから、相手のUCには有利に働く筈
ああそれと、同僚さん達に相手の位置を連絡もするわね
連携を取れればそれだけこの罠は有利に働くわ

※アドリブ・絡み歓迎



 四月一日・ほむらと紅葉が死闘を繰り広げている頃、その戦いの様子を観察する一機の小型ドローンが浮遊していた。そしてその画像はデータとしてモニターに送信されている。その送信された画面をモニターで見ながら、エメラ・アーヴェスピア(歩く魔導蒸気兵器庫・f03904)は嘆息する。
「はぁ…誰の迷惑のかからない所でやりなさいよ…」
 現在敵を偵察しているのは、彼女の魔導蒸気ドローンによるものだ。魔導蒸気機械技術者として活動するエメラの兵器は優秀であり、小型ドローンも敵に見つからずに観察を続けている。そして現在は敵を監視しつつ、周辺地形の情報も収集している。エメラが描く「絶好の迎撃ポイント」を見つけるために。
「でも、そうね。戦いを手っ取り早く終わらせるなら、その頭を潰せばいいのよね」
 その横でシルヴィア・スティビウム(鈍色の魔術師・f25715)もモニターに映る四月一日・ほむらを見る。荒廃した世界を跋扈する強大凶悪な敵を前に、その戦意は高まっていると言える。
「その通りだけど……、本当にいいのシルヴィアさん?」
「ええ、任せておいて」
 シルヴィアが引き受けたのは、エメラが指定する場所へ四月一日・ほむらを誘導すること。現在選定している最中ではあるが、シルヴィアが接敵する頃にはすべて準備は完了しているだろう。だがその誘引は危険な役割でもある。それでも彼女はその危険を引き受けて敵の元へと駆け付ける。
「まさか、この世界に帰ってくることになるとはね……相変わらず殺し合いばかりで嫌になるわ」
 そう呟き、眉間に皺が寄るシルヴィア。膨大な自分ではない記憶と知識、そして魔術という奇跡の御業を持って、この世界に生み出された生命体。この荒野の人々の心を疎ましく思い、この世界を捨てた少女。それでもシルヴィアは、このアポカリプスヘルを見捨てなかった。その行動は自分でも理解はできない。
 だがエメラから危険な陽動を引き受けたのは、やはり救うという気持ちが強かったのではないか。そんな気持ちを抱く中、四月一日・ほむらと対峙する。
「ああ? お前もあの糞ったれのアマの仲間か?」
 軸足の左足を破壊されても、四月一日・ほむらは俊敏に動くだろう。だがその居合のキレと動きは確実に全力とは程遠いのも事実。ならばなんとかなるとシルヴィアはマサクルを構えて挑発する。
「肉親同士で殺し合うなんて珍しくないのだろうけど……やるなら本人同士でやりなさいな」
 そしてマサクルでの接近戦は挑まず、魔術師らしい酸の魔術を飛ばし、四月一日・ほむらを攻撃する。その酸を難なく避け、四月一日・ほむらは凶悪な顔で笑う。後ろの岩石が泡を立てて溶けるのと同じで怒りの沸点を迎えたようだ。
「ふざけた糞魔術師が! 真っ二つにしてやるよ!」
 刀に手をかけて居合を放とうと高速で突撃してくる四月一日・ほむら。それを受けることなく、酸の魔術を発射しながらシルヴィアは後退する。エメラの言われるポイントまで行くためだ。
 だが酸の魔術はすべて見切っていると言わんばかりに避けて足止めにもならない。一度居合をマサクルで受け止めてみるが、剣の専門ではないシルヴィアが思わず手を放してしまいそうな衝撃を受ける。
「……あの抜刀術は、思ったより伸びてくる……マサクル一本で対応するのは無理があるわね」
 このままでは誘い込む前に変位抜刀術の刃が届くと悟ったシルヴィアは「寡黙なる赤銅の従騎士(レッドウォーリアギーラハ)」を発動させる。現れるは赤銅騎士ギーラハ。
「おいで、私の従騎士。力を借りるわ」
 影より出でた赤銅騎士がその双剣を振るって、四月一日・ほむらの居合を迎撃する。思わぬ歯ごたえがのある相手に、舌なめずりをする6刀抜刀術の少女。
「いいねぇ、上等! 時遡流刀術・篝火!」
 高速の居合抜刀術が吹き荒れる。従騎士ギーラハも応戦するが、その苛烈なる剣戟を前に押されつつ後退する。空中に落ちる妖刀を器用に鞘に納めて、絶えることのない抜刀を繰り返す四月一日・ほむら。もはやシルヴィアも限界かと思った瞬間だった。

『シルヴィアさん、ありがとう。絶好の砲撃ポイントよ』
 その声が通信機器ごしにシルヴィアの耳に響く。エメラのその声と共に四月一日・ほむらに砲撃が浴びせられる。咄嗟のことで対応ができずに被弾してしまい、吹き飛ばされる6刀の剣士。
「んなっ……、どこから撃ってきやがった!」
 だがその四月一日・ほむらは周囲を見て絶句する。地形に隠れていて今まで気づかなかったが、辺り一面に配置されるはエメラの「この場は既に我が陣地(シェリングテリトリー)」の魔導蒸気砲台。景色を埋め尽くす金色の砲台はすべてが四月一日・ほむらに向けられている。
『ここは既に私の狩場よ、大人しく骸の海へと還りなさい』
 小型ドローンからエメラの声が戦場に響く。そして始まるは敵への集中砲火。殺到する砲弾を食らい続ければさすがの四月一日・ほむらでも無事ではすまない。さらにエメラの砲台には感情なんてある訳ないので、時遡流刀術・灯火の効果も期待できない。
 だからこそ吹き荒れる砲弾の一部を居合で斬り裂き、そこから砲台を破壊して包囲を突破しようとしようとする。だがシルヴィアの従騎士ギーラハがその行く手を阻む。
「この木偶の棒がァ! 邪魔するんじゃねえ!」
「ギーラハ、貴方を咎める者は誰もいない。私の事は気にせず、埒を明けなさい!」
 そして赤銅の甲冑が光り輝く時、騎士の双剣は四月一日・ほむらの居合抜刀術の斬撃を超える8連撃を放つ。6連続抜刀をすべて叩き落し、2つの斬撃がその身を斬り刻む。そして血を吐くと同時に、エメラの魔導蒸気砲台も飛んでくる。轟音と爆発が響き渡る。
 だがギーラハの高速斬撃は主たるシルヴィアの寿命を守るため、味方にも振るわなければならない。その本能から近場の蒸気砲台を斬ってしまう。そこを突破口に決めた四月一日・ほむらはギーラハをすり抜け、魔導蒸気砲台を居合で両断し、ついに地獄の包囲を突破する。
「……ごめんなさい。ギーラハがあなたの砲台を」
『別に構わないわ。それに戦果は十分よ』
 エメラの言葉通り、四月一日・ほむらにはシルヴィアのギーラハの双剣の斬撃と、エメラの砲撃のダメージが蓄積された。その残された血痕からかなりのダメージを負ったと判断してもいいだろう。

 こうして最凶の姉妹の片割れをまた一歩、追い詰めることに成功したエメラは再度ドローンで探索を開始し、情報を味方へと送る。その姿にシルヴィアは頼もしさを覚えるのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘NG
グロNG
POW

姉妹で殺し合いとは穏やかじゃないわね。
私が仲介人になって姉妹丼……けふん。
おしまいにするわ❤

守護霊の憑依【ドーピング】と
『欲望解放』で戦闘力を爆発的に高め
音速を超えて【空中戦】

無数の【残像】で包囲するけど、本体は彼女の真上。
UCを使われるより速く【属性攻撃・全力魔法】の落雷で麻痺させ
包帯の【ロープワーク・早業】で拘束。
その上から【怪力】で抱きしめ【吸血】しつつ
体内に【呪詛】を注いで脱力させる

森羅万象を斬り裂く刀も
使い手が音速・光速に反応できなければ無意味。
力に囚われた貴女は
完全なる自由の境地に至った私に追いつけないわ

お姉さんに伝言は無いか尋ね
胸や局部を【慰め・生命力吸収】



「チッ、結構いいの貰っちまったな。俺としたことが……」
 ミサイル爆撃で焦げ付いた肌や切り傷に対して、サラシで止血を行う四月一日・ほむら。オブリビオンであれ血を流しすぎれば、骸の海へと還る羽目になる。それは別にいいが、憎き姉がいる今の状態でそれをやるのは敗北も同然だ。
 故に四月一日・ほむらはどんな手を使ってでも勝ちに行くことを惜しまない。不利となれば退くことも重要だ。もちろん敵を両断することに躊躇いもない。
 だがそんな彼女を蛇のような絡みつく視線で見つめる者がいる。艶めかしい情欲の感情を表情に現し、半吸血鬼ドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)は吐息を漏らす。
「姉妹で殺し合いとは穏やかじゃないわね。私が仲介人になって姉妹丼……けふん。おしまいにするわ❤」
 本音が駄々洩れのドゥルールである。彼女の愛とは自分と境遇が似ているオブリビオンであり、その愛は狂っている。だがドゥルールはそれでいいと思っている。人を救う気などなく、オブリビオンを、自分を救えればいい。その結果が、結局のところ猟兵にとって最善であればいいのだ。
「ハッ! 自分の欲望に忠実な奴は嫌いじゃないぜ? 来いよ、やれるものならよ!」
 四月一日・ほむらが刀に手をかける前にドゥルールは動く。オブリビオンの守護霊を身に宿し、身体ドーピングを施した後、能力「欲望解放(ネイキッド・フリーダム)」を発動。アウトな部分を隠す月下香の花弁が舞い、全裸と化すドゥルール。だがその愛欲によって戦闘能力が向上する能力は、凄まじい速度を生み出す。音速を超えて疾駆し、残像ができるほどの速さで駆けぬいて四月一日・ほむらを包囲する。
「しゃらくせぇ! 時遡流刀術・劫火!」
 背負った大太刀「斬神刀」を抜く四月一日・ほむら。その大太刀は森羅万象をも斬り裂くと呼ばれる神刀。それを巨大化させて、ドゥルールの残像を纏めて薙ぎ払う。どれが本体など関係はない。一度に斬り裂いて消し去ってしまえばいいという理論である。
 ドゥルールの残像は一振りで消滅するが、四月一日・ほむらの斬神刀に肉を切った手ごたえがない。どこかと神経を研ぎ澄ます。
「こっちよ♪」
 その声が聞こえたのは四月一日・ほむらの真上であった。すぐさま反応して再びの時遡流刀術・劫火を放とうとするが、ドゥルールが放つ魔術落雷の方が早く四月一日・ほむらの身体を射抜く。電撃による一時的な身体硬直。その隙に斬神刀を握る方の手に包帯を飛ばし、拘束する。そしてそのまま落下して呼びかかり、怪力で抑え込んで首元に噛み付く。
「ガッ! お前……!」
「森羅万象を斬り裂く刀も使い手が無意味。力に囚われた貴女は完全なる自由の境地に至った私に追いつけないわ」
 美味なる血を味わうと共に、自身の呪詛も流し込んで内部から四月一日・ほむらの力へと浸食していく。その手際のよさはまさしく捕食者のそれであった。ドゥルールが情欲の瞳で、愛の相手に視線を向ける。
「お姉さんに伝言はあるかしら?」
 そういって相手の胸に手を伸ばそうとして生命力吸収でお楽しみを行おうとするドゥルール。だが四月一日・ほむらは凶悪な笑みを浮かべる。
「ああ、糞ったれって言っておいてくれよ? 地獄でな!」
 そういって拘束された手ではなく足で刀を蹴り飛ばす四月一日・ほむら。強引に抜刀した妖刀を口で咥え込み、包帯を切断。拘束を断ち切ったその勢いでドゥルールを斬り込もうとするが、ドゥルールも神速を持って避ける。
 それを見て舌打ちした四月一日・ほむらは時遡流刀術・劫火を振るって荒野の崖を切断し、地崩れを起こす。その振動と衝撃と共に姿を消す。今の弱っている状態ではドゥルール相手はきついと判断したのだろう。
 ドゥルールはそれを追わなかった。振られた相手を追うのは無粋とも感じたし、愛は追いかけるだけがすべてではない。
「本当に、つれないわね……」
 だが愛する相手に袖にされるのは少し不満だと思いながら、ドゥルールのため息が虚空に響き渡るのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

シトリ・ノイオ
お姉さんも、オブリビオンなんですか?
僕はオブリビオンを倒す為に造られたみたいなので…
お姉さんもそのお姉さんも、今から倒します。

偽神兵器を稼働し、扱う本人とは不釣り合いに大きな斧の様な形状へ。
戦い方自体は振り回し、叩き付ける様な未熟なものですが、
武器の大きさとパワーでそれを補います。
敵の攻撃に対しては『クライシスゾーン』を発動して無機物を竜巻に。
妖しい剣舞も斬撃も、刀がなくなってしまえば…
それが無理でも近くのものを竜巻に変えて、攻撃に使用します。

少しは、お役に立てましたか…?



 狂愛から流し込まれた呪詛が身体を蝕む。焼け焦げた肌が、刻まれた傷の激痛を増幅させる。そんな痛みにイライラし始める四月一日・ほむら。
 だがこの程度で引くなどという選択肢はない。不倶戴天の怨敵が目の前にいるのに尻尾を巻いて逃げたとあっては彼女のプライドに関わるのだ。故に四月一日・ほむらに撤退の二文字はない。
 だからこそそれが猟兵の攻撃の利点となる。畳み掛けることができる。そのチャンスを生かすべく、シトリ・ノイオ(SY.Tri_No10・f24868)は前へと出る、その小柄で愛らしい外見はこの戦場には似つかわしくないだろう。
「お姉さんも、オブリビオンなんですか?」
 オブリビオン・ストームで壊滅した施設で造られたフラスコチャイルドのシトリ。試作型で未熟とはいえ、それでも使命は果たさなくてはならない。だからこそ強大な、こちらより格上の存在であろうともシトリは怯まない。
「そうだとしたら、どうだって言うんだ餓鬼?」
「僕はオブリビオンを倒す為に造られたみたいなので……お姉さんもそのお姉さんも、今から倒します」
 その言葉を聞いた瞬間、四月一日・ほむらは一時的に思考が停止した。だがその言葉の意味が脳内に浸透し始めると意味を理解し、腹から可笑しさが込み上げてくる。
「ハハッ! ハハハハハハハハッ! お前みたいなちんちくりんが! 俺だけじゃなくてあの糞姉貴まで倒すだって! ハハハハハハハハハハッ!」
 そして笑い声から予備動作もなく居合の一閃。だがシトリもその攻撃を読めたのか、後ろに下がって避けることに成功する。
「笑い殺そうとした礼だ。いいものを見せて殺してやるよ!」
 四月一日・ほむらの動きがやけに滑らかな、流水のような動きに変化する。それを危険と察知したシトリは偽神兵器を稼働。その兵器は扱う本人とは不釣り合いな巨大斧の形状を取る。それを力いっぱい振り回し、叩きつけるという技術もなく力任せな荒々しい戦法。
 武器の大きさとパワーで戦闘経験の少なさを補おうとするシトリだが、四月一日・ほむらはそれを躱し動きが舞いがかってくる。
「時遡流刀術・灯火」
 それは四月一日・ほむらの魔性の剣舞。見る者の魂を奪い、自分も斬られて死にたいという強い感情を与える秘技である。このままでは感情の起伏が薄いシトリとはいえ、心を捕らわれてしまう。その先は斬殺の未来だけだ。
 だからこそ先手を打つシトリ。偽神兵器の巨大斧を思いっきり地面に叩きつけて、岩盤の欠片を舞い上げる。そして発動する能力「クライシスゾーン」。無機質を超次元の竜巻に変える能力。巻き上げられた岩石が渦巻く破壊の螺旋と化す。
「こいつ、は……!」
「妖しい剣舞も斬撃も、全部吹き飛ばします」
 本来であれば妖刀も竜巻にしてしまいたかったのだが、あれ自体が生きているような脈動を感じる。故にシトリは諦めて、岩盤を砕いて無機質の岩石を巻き上げて竜巻を作り上げたのだ。そして無数の竜巻を結合させて、巨大なる超次元の竜巻を発生させて四月一日・ほむらを飲み込む。
「く……そがァ!」
 だがその竜巻であっても踏ん張って飲み込まれないようにしている四月一日・ほむら。その風は肌を切り裂くが、自力で竜巻から脱出しようとしている。だがシトリはそれを許さない。偽神兵器をさらに変化させ、モーニングスターのような形状に変化。思いっきり振り回し遠心力を得た一撃を嵐の中の四月一日・ほむらに放つ。
「ぐが……ああああああああああああああ!」
 その強烈な投擲が決め手となった。踏ん張りを吹き飛ばす鉄球の一撃によって、四月一日・ほむらは宙に巻き上げられて嵐に飲み込まれる。そして身体を切り裂かれながら、荒野の谷へと吹き飛ばされる。その先で強烈な激突音が響き渡る。
 それを見送ったシトリはクライシスゾーンの竜巻の発生を止める。あれだけのダメージを与えれば、早々に動けるはずもない。後は他の猟兵達が何とかしてくれるだろうという判断からだ。
「少しは、お役に立てましたか…?」
 自身なく自問するシトリ。だが他の猟兵達も蓄積を重ね、シトリもしっかりと仕事を果たした。なればそのバトンを受け取った猟兵達が必ずや、四月一日・ほむらを命を穿つであろう。

成功 🔵​🔵​🔴​

エル・クーゴー
●POW



指定座標に現着しました
躯体番号L-95、作戦行動を開始します


――【嵐の王・空中行軍】発動

主翼、バーニア、射撃兵装
これら空戦用強化パーツ群を、マニピュレーターから展開する【メカニック】にて、旋回速度重視で当機のボディへより高効率に配置
戦場へ飛翔し進入
【空中戦】を敢行します

敵性に対し高高度を維持し、高速での旋回滞空ないし往復航過にて、二門一対(2回攻撃)アームドフォートより継続対地攻撃を実施
【継戦能力】を活かした【誘導弾】の【一斉発射】にて【蹂躙】します

当機の空中機動は、操作に相応の労力が見込まれるであろう巨大化した大太刀を上空へ向けさせ、友軍が攻勢を掛ける機を得ることも目的としています


シン・コーエン
姉妹揃って血に飢えたケダモノか。
(強敵と戦う事を歓喜する修羅という自覚の有る)俺も自省しなければ。

相手の変位抜刀術には興味が有るので、UC:刹那の閃きを使って打つ手を読み取りつつ、【第六感・見切り】を上乗せして攻撃を予測して最小限の動きで回避し、灼星剣と村正による【武器受け】と【オーラ防御】で剣刃を防ぐ。

更に相手が決めに来た時はUCで読み取りつつ、【空中浮遊・自身への念動力・空中戦】を使って空中に回避しつつ、大地に残した【残像】を相手に斬らせる。

相手が手の内晒した直後に、急降下して灼星剣と村正による【2回攻撃・炎の属性攻撃・衝撃波】による斬撃で、斬り燃やし粉砕する!
「人々の為にもここで散れ!」


アテナ・カナメ
【心情】争いに一般人を巻き込むのは感心しないわね!このアテナマスクがお仕置きするわ!そしてこの争いを終わらせる!

【作戦】戦いの前に炎の鎧を纏っていくわ!敵の攻撃は【見切り】でかわすか、怪力、または鎧で受け止めるわ!「こんなものなの?あなたの剣は」そして、隙をついて【2回攻撃】のバーニングパンチやヒートスタンプを食らわせるわ!もし、剣舞に心を奪われそうになっても自分を殴って正気を保つわ!(宛那(身体の元の持ち主):ちょっ!マスクさん!私の身体なんですから大事にしてくださいよ!!)



 打ち付けられた岩盤から脱出する七本の刀を持つ少女。嵐によって刻まれた傷と共に、強烈な打撃による鈍痛も骨に響く。
 確実に四月一日・ほむらは追い詰められている。だが絶対強者である自分が、剣聖である四月一日・ほむらが。こんな様などあってはならない。
「糞、糞のようなザマだ。絶対に、絶対に許さねえ……」
 だが追い詰められることで彼女の神経が研ぎ澄まされていた。雑魚ばかりを蹂躙する日々は思った以上に感覚を、技を鈍らせる。今の自分ならば森羅万象を断ち、あらゆる敵を斬り刻み、憎き姉も両断するに値するだろうという確信が過る。
 このままノーウッド市街に乗り込み、すべてを破壊しようと歩を進める四月一日・ほむら。だがそれを止める者達が現れる。シン・コーエン(灼閃・f13886)とアテナ・カナメ(アテナマスク・f14759)である。この二人は止めるという共通なれど、抱く思いは対照的だ。
「姉妹揃って血に飢えたケダモノか」
 そう言って悪逆を尽くす四月一日姉妹に対し軽蔑の心を持つシン。その騎士道精神は高潔でもあるが、同時に強敵と戦う事を歓喜する修羅の一面は今、歓喜している。常人ならぬ6刀の居合抜刀術、森羅万象を断つ大刀を振るい、その剣舞は斬られたいと思わせるほどの絶技を誇る。その相手と剣を交えることを踏まえ、修羅の部分の自覚を持つシン。
「……俺も自省しなければ」
「争いに一般人を巻き込むのは感心しないわね! このアテナマスクがお仕置きするわ! そしてこの争いを終わらせる!」
 対してアテナは純粋なる正義感に燃えていた。ヒーローマスクであるアテナは、絶対悪である四月一日・ほむらを倒す為に全身全霊を持って倒すことを誓っていた。相手が強いのは対峙した時に理解した。だが正義が退くことはありえない。ならばどんな犠牲を出そうとも倒し尽くすという決意に満ちた宣言であった。
(ちょっ! マスクさん! 私の身体なんですから大事にしてくださいよ!)
 だがそんなアテナに対し、元の身体の持ち主である宛名はこれから襲い掛かるであろう自分の身を心配している。気弱で臆病である性格なのでびくびくとしているが、決して戦いを拒否しているわけではない。彼女とて正義のために戦うことを同意している。故にアテナも全力で戦うことができるのだ。
「ああ、邪魔するのか? じゃあ斬るぜ、遠慮なくなァ!」
 だがすでに研ぎ澄まされて昂っている四月一日・ほむらの前に立つ者はすでに斬殺の対象である。背中の斬神刀に手をかける。その刹那、シンは即座に能力「刹那の閃き」を発動し、アテナも炎の鎧を纏う。そして放たれるは森羅万象を薙ぎ払う一撃。
「時遡流刀術・劫火!」
 巨大化した斬神刀による斬撃。シンは咄嗟に攻撃の軌道を読み切り寸前で回避するが、アテナはさすがに間に合わない。鎧とガードで受け止める構えのアテナを巨大なる刀が突き刺さる。強烈な衝突音と共に、四月一日・ほむらはその大刀を振り切り、アテナの身体は荒野の崖へと吹き飛ばされる。
 岩壁が砕ける音と巻き上げられる粉塵。シンは心配になり、そちらに視線を送るが確認はできない。すぐに猛烈な勢いで四月一日・ほむらが接近してきたからだ。
「まずは一匹。次はお前だ、同類。散れ、時遡流刀術・篝火!」
 目にも止まらない高速連続居合抜刀術がシンの目の前で炸裂する。だが刹那の閃きにより四月一日・ほむらの動き・視線・気配・思考を読み切り、最小限の動きでその刃を回避する。
「貴様の攻撃、読み切った!」
「ああ、そうかよ。ならぶった斬るまで付き合え!」
 空中で鞘受けをした妖刀をすかさず居合に転ずる四月一日・ほむら。呼吸をする間もなく、高速の居合を繰り出す。読み切ったシンではあるが、学習しさらに速度を上げてくる敵の抜刀術に次第に回避では追い付かなくなる。そして自身の武器である灼星剣と村正を抜き、防御に回り始める。
「オラオラオラオラオラオラァ! 死ねやオラァ!」
 シンが合間に繰り出す攻撃も何するものと四月一日・ほむらは時遡流刀術・篝火を繰り出し続ける。そして鋭さを増した居合はついにシンの身体を切り裂き、両断する。
「殺った……!」
 だがその直後、身体を揺さぶる爆撃が直撃する。血と肉片が飛び散るが、激痛を抑え込み四月一日・ほむらはその方向へと視線を向ける。それは自身がいる地上より遥か上空。米粒のような敵影を確認できた。

「指定座標に現着しました。躯体番号L-95、作戦行動を開始します」
 その猟兵の名前はエル・クーゴー(躯体番号L-95・f04770)。アルダワで目覚めし少女型ミレナリィドール。すでに「嵐の王・空中行軍(ワイルドハント・エグザイル)」を発動し、主翼、バーニア、射撃兵装で構成される空戦用強化パーツ群で全身装着している。その配置は旋回速度重視で、マニピュレーターの補助もありより高効率に配置されている。これならばどんな機動空中戦にも対応可能であり、事実エルの機体は四月一日・ほむらより遥か高高度を維持していた。
「高出力空戦モードに移行。攻撃を続行します」
 相手に捕捉されないように旋回滞空をしながら、二門一対アームドフォートによる対地砲撃を敢行するエル。その様相はまさしく地上を蹂躙する絨毯爆撃も同様であった。両断したシンを放っておいて、四月一日・ほむらは斬神刀を抜く。
「ブンブン飛び回る蠅が! 墜としてやる! 時遡流刀術・劫火!」
 巨大化を長さに特化させ、まるで長大な物干し竿と化した斬神刀を振るう四月一日・ほむら。凄まじい斬撃ではあるが、高速旋回と往復航過を繰り返し、高高度を保つエルを捉えることは難しい。斬撃を躱すと同時に砲撃を繰り出し、応戦する。
「ハッ、そんな遠距離からの芋射撃じゃ、俺は殺せないぜ!」
「その斬撃は操作に相応の労力が見込まれる。故に当機の空中機動は敵性存在の打倒ではありません」
 その言葉と同時に別方向から四月一日・ほむらに迫る影。その姿は、両断したはずのシン・コーエン。
「友軍が攻勢を掛ける機を得ることも目的です」
 エルの指摘は四月一日・ほむらの耳に入ってこなかった。さきほどの両断したはずのシンが急速スピードで落下してきているのだから。自身が両断し倒れているはずの場所を見る。そこには霞掛かって消えようとしているシンの姿があった。
「糞ったれ! 残像か!」
 シンが作り上げた念動力による残像。サイキックも使う故に質量も伴うので、斬った感触もある。それに四月一日・ほむらは見事に騙された。
「人々の為にもここで散れ!」
 四月一日・ほむらが斬神刀から手を放し、瞬速の居合を放つと同時に、灼星剣と村正の斬撃を繰り出す。その刃は炎を纏いさらに念動力の全力も上乗せしている。衝突の瞬間、妖刀の刃を燃やし、念動力による振動と衝撃波で撃ち砕く。そしてそのまま四月一日・ほむらの身体を斬り裂く。
「がはっ! だが……まだ、まだだ!」
 肩から腹まで切断する傷を負いながらも、シンへと連続居合を放つ。それを灼星剣と村正の連撃で妖刀を焼き砕くシン。だがまだ妖刀は三本残っている。右半分の三刀の居合抜刀術で、シンを両断しようとした時、灼熱のヒーローが降臨する。
「こんなものなの? あなたの剣は!」
 血を流しながらも尽きぬ炎を身に纏い、アテナは拳を振りぬく。それこそ渾身の力を込めた「バーニングパンチ」。その炎の鉄拳は鞘ごと妖刀を三本とも粉砕し、四月一日・ほむらの脇腹に突き刺さる。肉を焼き、骨を粉砕し、内臓を蒸発させる、灼熱の炎が渦巻く。
「が、あああ、ゴハァアアア!」
「これで!」
「終わりだ!」
 アテナの返す刀の心臓に向けた鉄拳。シンの首を裂く華麗なる一閃。それら致命傷を狙った一撃。アテナの拳は心臓を砕き、シンの斬撃は頸動脈を断つ。そして四月一日・ほむらが盛大に吐血し、息絶え絶えに忌々しく二人を見つめる。
「……こんな……糞……餓鬼……共に……」
「これにて終幕です」
 そしてエルの遠距離から狙ったとは思えない頭への射撃。アームドフォートの砲撃は脳漿を吹き飛ばし、四月一日・ほむらの瞳から光が消える。それが生命の終わりを告げる証となった。
 地面に倒れると同時に、四月一日・ほむらの身体が塵となっていく。地面に刺さった斬神刀もボロボロに崩れて消滅していく。
「敵性存在『四月一日・ほむら』の消滅を確認。戦闘終了です」
 上空にて消滅を見届けたエル。その近くではシンが血まみれになっているアテナを介抱しようとしているが見える。
 だがまだ戦いは始まったばかりだ。エルが視線を移した先にあるのは拠点「ノーウッド」。「蒼銃弾」と「真紅刀」が激しく争う場所。破壊と銃声が響き渡っていることから、かなりの激戦となっている模様だ。だがそれ故にこちらの存在には気づかれていないはずだ。

 こうしてエル達は他の猟兵達と合流し、決戦の場所ノーウッド市街地へと向かう。無法者集団の争いから、人々を解放するために、戦いは続く。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『ダーティーギャング』

POW   :    お寝んねしな!
【鉄パイプや鎖】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    催涙スプレーの時間だぜぇ!
【催涙スプレー】から【目の痛くなる液体】を放ち、【目の痛み】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    おらおら、おとなしくしな!
【手錠】【スタンガン】【鎖】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●拠点「ノーウッド」・市庁舎ビル屋上
「本当に役に立ちませんね。敵より先に全滅とは」
 スナイパーライフルのスコープごしに戦況を伺っていた「蒼銃弾」団長の女性が溜息をつく。今、最後の「蒼銃弾」レイダーの頭が砕かれ、抗争に決着がつく。つまり四月一日・ほむら率いる「真紅刀」のギャングが集団戦の勝利を収めたことを意味する。
 この結果に団長の女性は不思議に思わない。「蒼銃弾」と「真紅刀」の構成員の実力はそこまで差はない、にも関わらずここまで一方的に敗北したのは、単純に数があちらがかなり上だったのと、多数で少人数を叩き、さらにひきょうな手を使ってでも勝つというダーティーな戦法がこちらを上回っただけだ。
「あの愚劣な妹にしては仕込んだということでしょうか。私も考えないといけませんね」
 配下など面倒な事この上ないが、それがあの妹との差となっては屈辱以外何者でもない。次があれば、と思案しながら如何に消耗少なく「真紅刀」のギャング共を殲滅できるかとも考えてスコープを覗き込む。
「……あら、あれは」
 団長の女性が目にしたのは、ノーウッド郊外から市街地に侵入してくる人影。新手かとも思ったが、あの方角は「真紅刀」が攻め込んできた方角。つまりは自身の妹が陣取っているはずだ。
「あの愚妹が簡単に通すはずもないのに……腕が落ちたのかしら、ほむら?」
 とはいえ好機には変わりない。侵入者と「真紅刀」ギャングは位置的にも激突する。こちらは向かってくるギャング達だけを始末すれば、消耗少なく凌げる。あとは侵入者を自身が屠ればいいだけだ。
「侵入者の皆様、しっかりお仕事してくださいね?」
 団長の女性は微笑みながら、スナイパーライフルの引き金を引く。「真紅刀」ギャングの頭が吹き飛ぶ轟音と共に、ノーウッド市街地戦はさらに激しさを増す。
才堂・紅葉
(あの距離からヘッドショットか……相当の手練れね)

櫻學府での姿に変え、背中に大刀左右の腰に三刀ずつの計7刀スタイルで登場
「ハーイ、雑魚共。今から、端から撫で斬るからずらっと並んで」
獰猛な笑みで【存在感】を発揮し視線を惹きつけたい

業務手順
団員達を誘き寄せ、妹じみた【殺意】で乱し【居合/クイックドロウ】で仕留める
一太刀毎に放り上げ、抜刀を六度繰り返す
秘密は、鞘から刀を射出して居合をアシストする蒸気【メカニック】。あの変態抜刀術は流石に自力再現できない

落刀を鞘受けする【パフォーマンス】で締め
粗雑な模倣を真とするのは、彼方を見やる【獣の眼光】だ

「才堂式蒸気抜刀術・六道……って所かしらね、お姉さん?」



●拠点「ノーウッド」・市街地
 ノーウッドに攻め入った「真紅刀」のギャング達を「蒼銃弾」のレイダー達が迎え撃つ形で始まった二つの無法者集団の抗争。激しい市街地戦の末に「真紅刀」のギャング達が勝利を収める。敗者のレイダー達はコンクリートの上に屍を晒し、やがて塵となって骸の海へと還っていく。
 だがまだ戦いは終わっていない。「蒼銃弾」団長はノーウッド中心地の市庁舎ビルにいるのだ。そこを目指して進軍するギャング達。
「ヒャッハー! 犯して殺してやるぜべらァ!」
 そんなことを口にしたギャングの頭の半分が吹き飛ぶ。「蒼銃弾」団長による超長距離狙撃が始まった瞬間であった。遠近距離関係なく自由気ままはスナイプが各地で炸裂する。
(あの距離からヘッドショットか……相当の手練れね)
 その様子をビルの物陰から観察していた才堂・紅葉。念の為に市庁舎ビルの死角に隠れる位置にいる。一応ギャングと衝突する予定の侵入者を撃たないだろうと確信がありながらも、あの四月一日・ほむらの姉である。念を入れて損はないだろうということだ。そしてその狙撃の腕は見事なものだ。ビルからかなりの距離があるにも関わらず、正確に頭を撃ち抜いている。威力からしても相当の反動がある銃にも負けていないという証拠でもある。
「だけど、警戒しすぎるのも問題よね。女は度胸よ」
 紅葉は思っ切りの良さを生かし、堂々とその姿をギャング達に晒す。ノーウッドの住人達は纏まって立て篭もっているために否応でもその目に止まる。
「姐さん……じゃねえな」
「何だテメエは? 姐さんのファンか?」
 ギャング達が戸惑うのも無理はない。紅葉の今の姿は身軽なアーミースタイルではなく、サクラミラージュの櫻學府での姿に変わっている。さらに背中に大刀・左右の腰に三刀ずつの計7刀スタイルとなれば、自分達の頭領である四月一日・ほむらを想起させる。
「ハーイ、雑魚共。今から、端から撫で斬るからずらっと並んで」
 そんなギャング達を挑発するような獰猛な笑みを浮かべる紅葉。その発言と出立ちは存在感を放ち、ギャング達を悪い意味で惹き付ける。
「調子こくんじゃねえぞ、クソアマ!」
「目ェ潰した後にボコにしてやっからよォ!」
「囲め! 逃すんじゃねえぞ!」
 ギャング達が催涙スプレーと鉄パイプを持って紅葉の元に殺到する。目潰しをした上の集団リンチ戦法。「蒼銃弾」レイダーを殲滅した数に優位を誇るギャング達の必勝戦法である。
「本当にやりやすくて助かる、わ!」
 そんなまんまと釣れたギャング達に対し、紅葉は「獣の眼光(サツイノカタマリ)」の強大な殺意をぶち撒ける。あまりの殺気に身が竦むギャング。そこに紅葉の居合斬りが首を引き裂く。
 一太刀毎に放り上げ、抜刀を六度繰り返す。その技はまさしく四月一日・ほむらの変位抜刀術の如しであった。
「馬鹿、な……姐さんの、技を……」
「才堂式蒸気抜刀術・六道……って所かしらね」
 瞬時に向かってきたギャングの急所を斬り裂き、倒れる敵を見ながら呟く紅葉。もちろん、紅葉の独力ではあの変態抜刀術は流石に自力再現できない。その秘密は鞘から刀を射出して居合をアシストする、アルダワ魔法学園が誇る蒸気メカニックだ。
 技術との融合で達人技を再現し、落刀を鞘受けする超人的パフォーマンスで締める紅葉。その溢れる殺気は未だ収めることなく、飛ばす先は遥か彼方。市庁舎ビルにいるはずのもう一人の四月一日の女。
 粗雑な模倣に応えるように、背中の大刀の柄が撃ち抜かれる。針の穴を通すようなコントロールされた狙撃に紅葉は微笑む。
「及第点、といったところかしら、お姉さん?」
 紅葉はギャングの死体には目もくれず市庁舎ビルの方を見据える。冷静冷酷なスナイパーに、熱烈な挑戦状を叩き付けた。猟兵達の、ノーウッドの平和を取り戻す戦いのゴングが鳴った瞬間であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シルヴィア・スティビウム
さてさて、お次は多数戦というわけね。一人一人は取るに足らないとはいえ、囲まれると厄介だわ。
ひとまずは電気の【属性攻撃】で魔術を行使、昏倒させればひとまずは大人しくなるはずでしょう。
ガスなんかは【環境耐性】もあるからある程度は抵抗できるとは思うけれど……
近づかれれば斧で抵抗する他ないわ。
それでも捕まったり埒が明かないと判断したら、クライシスゾーンで拘束物なんかもまとめて竜巻にしてしまうほかないわね。
これでも同じ世界出身だもの。暴力に免疫がないわけではないの
それだけ元気が余っているなら、誰かのためにだって使える筈だわ



 「蒼銃弾」団長と「真紅刀」ギャング、そして猟兵達の三つ巴の戦いが続く拠点「ノーウッド」市街。依然、ギャング達の数は多く、一番の勢力を誇っていると言えるだろう。
 だが着実に市庁舎ビルからの狙撃で、「真紅刀」ギャング達はその生命を散らしている。
「さてさて、お次は多数戦というわけね」
 そんな中で銀色の魔術師シルヴィア・スティビウムは行動を開始する。銀のマウレファを握りしめ古き星の記憶を呼び覚まし、魔術を行使する力を得んとする。そして「真紅刀」ギャングの様子を伺う。
「一人一人は取るに足らないとはいえ、囲まれると厄介だわ」
 「蒼銃弾」のレイダー達を圧倒した数の力。それを猟兵たるシルヴィアにも通用する戦法だ。故にその心に油断はない。そして魔力を雷へと変換し手持ちの叡智の杖に蓄電。強烈な火花が散るまでにため込んだ電撃を魔術としてギャング達に向けて放つ。
「ごぎゃががががっがああああ!」
「ばべららららららあああぁあ!」
 ギャングの二人にシルヴィアの電撃魔術が被弾し、その身体が焼け焦げる。肉や神経が焼き付き、身体からは焦げた臭いが放たれる。その二人は倒れ込み、昏倒させることには成功するが、他の4人に気づかれてしまった。電撃が走った場所へと目をやるギャング達。
「おい、あいつだ!」
「スタンガンじゃねえぞ、気を付けろ!」
 そしてギャング達はスタンガンや手錠、鎖を振り回すなど各々が武器を持ってシルヴィアに接近せんと迫る。
「スプレーやガスに対しては耐性があるからある程度は抵抗できるとは思うけれど……」
 悪環境に対しては耐性のあるフラスコチャイルドであるシルヴィア。だが相手はこちらを拘束し、接近戦を挑もうとするギャング。ならばと、手持ちのマサクルを構える。
「おらおら、おとなしくしな!」
 そう言って鎖を振り回していたギャングが、そのまま鎖を投げつけてくる。叡智の杖でそれを受け止めるシルヴィア。そのまま電撃魔術を解放し、ギャングを感電させる。
「ごぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃあああ!」
「くそがァ!」
 電撃で黒焦げになるギャングを尻目に背後からスタンガンで迫るギャング。だがそれを片腕で振り回したマサクルで迎撃する。その刃がギャングの身体に突き刺さるが、さすがに魔術師のシルヴィアでは片手では両断できない。
「ゲホッ! 今だおい!」
「ヒャッハー! 拘束してやるぜー!」
 マサクルを腕で抱え動きを止めている間に、手錠を持ったギャング達がシルヴィアに迫る。このまま動きを制限されてしまえば、少女に待つ運命というのは悲惨だ。無法者達というのはそれほど慈悲がある相手ではない。
 だがシルヴィアはそんな未来を想像しても恐怖すらない。ただ纏わりつこうとする敵に対して、冷静に「クライシスゾーン」を発動する。
「近寄らないで」
 足元に落ちている小石や、ギャングが落とした鎖が異次元のパワーを誇る竜巻へと変わる。そしてシルヴィアを守るように吹き荒れた竜巻は飛び掛かって来たギャング二人をビルの壁に叩きつけさせる。正確にはめり込ませるほどの威力を誇る風圧で吹き飛ばしたわけだが、一人は全身打撲。もう一人は頭が突っこんだ為に悲鳴を上げることもなく絶命していた。
「くそがががががががああああ!」
「これでも同じ世界出身だもの。暴力に免疫がないわけではないの」
 そういってマサクルを掴んでいたギャングに、落とした手錠を螺旋の竜巻に変えたシルヴィアの攻撃が突き刺さる。一つは腕を吹き飛ばし、もう一つは眼球から入って脳を容赦なくシェイクする。
 人々の残虐性を見続けた彼女に残虐の行使を躊躇することはない。ただ人を不幸にするかもしれない存在なれど、シルヴィアはやれることをやるのみだ。
「それだけ元気が余っているなら、誰かのためにだって使える筈だわ」
 それができないのだから、残念なこと。それを口にせずに壁にめり込んだギャングに電撃を放ち、その生命を終わらせる。敵の存在の消滅を持って、彼女の心は少女へと戻る。
 この荒んだ世界に掬いはあるのか、その少女は思いながらも戦いを続ける。その視線は元凶が籠る市庁舎ビルへと向けられていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シトリ・ノイオ
先ほどのオブリビオンは問題なく倒せたようですね。
もう一つの大物まで…向かいながら、手下の排除でしょうか。

今回もクライシスゾーン……は、市街地を壊してしまうと本末転倒ですね。
《ストーム・ランページ》を発動して偽神兵器を巨大化します。
形状はモーニングスターのままでも、市街地の構造に合わせて更に別の形状でも。

味方の猟兵もいますし、知識も技量もないので雑に行きます。
巨大化した武器を使いながら進んでいけば、敵も出てきてくれるでしょうか。



 ノーウッド市街地に入り込んだ「真紅刀」ギャング達は多い。だが全員が固まって動いているわけではない。拠点「ノーウッド」は意外と広い。さらに「蒼銃弾」レイダー達もそれなり散っており、全員を倒すにしても固まってしまっていては時間がかかる。
 故にある程度戦力を散開させて、索敵を行い、交戦状態になったら近場のギャング達を呼び出して、数の利を生かすという戦法を取っていた。
 ならばこの戦法を潰すにはどういった方法が有効か。連絡する前に敵勢力を潰すか、合流しても圧倒的な武力で潰すか。このどちかと言えるだろう。
「先ほどのオブリビオンは問題なく倒せたようですので、次ですね」
 シトリ・ノイオはリュックを背負い直し、ノーウッド市街地に到達していた。「真紅刀」頭領の四月一日・ほむらが倒せた今、市庁舎ビルにいる「蒼銃弾」団長を倒せれば平和は戻るはずである。その為に、「蒼銃弾」団長の狙撃だろうが、「真紅刀」のギャングだろうが恐れずに進むシトリ。
「もう一つの大物まで…向かいながら、手下の排除でしょうか」
 「蒼銃弾」団長まで邪魔になるだろう「真紅刀」ギャングの存在。それの排除を最優先と定めたシトリはそう思って再び無機質を超次元の竜巻に変えて撃退しようとして、その手を止める。シトリは試作型フラスコチャイルドである。故に調整も未熟なままで起動し、制御という部分では難点を抱える。
「……市街地を壊してしまうと本末転倒ですね」
 おそらくであるがシトリがこのまま能力を発動させて竜巻を発生させた場合、あらゆる無機質を竜巻に変えて破壊を巻き起こすに違いない。そうなればギャングは掃討できるが、拠点機能の打撃は今後の人々の生活に悪影響を与える。
 その考えを巡らせてため息をついている時に、ギャングの一団がシトリの前に現れる。
「おいおい、まだガキがいるぜ?」
「姐さんからは、好きにやれって言われるんだ。若い女以外は皆殺しよ!」
「悪く思うなよ? こんなところで一人で突っ立ってるお前が悪いんだぜ?」
 そういって子供のシトリを容赦なく蹂躙しようとするギャング達。だがシトリの偽神兵器が変化したモーニングスターが巨大化していくのを見て足が止まる。
「オブリビオンですね。では死んでください」
 「ストーム・ランページ」。シトリの偽神兵器を巨大化する能力。巨大となった棘がついた鉄球は容赦なくギャング二人を地面に叩付けてミンチにする。それを見てただの子供ではないと気付いたギャング達は催涙スプレーを抜く。
「あ、それはさせませんので」
 そう言うとシトリは偽神兵器を鎖と手錠を合体させたような形状に変化させる。そして巨大化した手錠がギャングの一人を両腕ごと拘束する。
「な、なんだァ!」
 だがそれに抵抗する間もなくシトリに引っ張られ、回転してそのまま他のギャングへと叩きつけられる。人間モーニングスターを化したギャングの身体が削られようともそれを振り回すのをやめないシトリ。
「味方の猟兵もいますし、知識も技量もないので雑に行きます。覚悟はいいですか?」
 派手な戦いでギャング達をおびき寄せる作戦のシトリ。巨大手錠で拘束したギャングがミンチになって使い物にならなくなったのを確認すると、新たなギャングを再び拘束して武器を化す。
 シトリの戦い方は圧倒的な武力で潰し、敵を殲滅する作戦。その顔に似合わず、やることはえげつない。それに騙されてその一帯のギャングはまんまとおびき寄せられて、シトリによって殲滅されることになる。自分達を武器に使う死神によって。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アテナ・カナメ
【心情】げほっ!ごほっ!はあ…油断したわ…ごめんね宛那…でも、もう油断はしないわ!次はあのギャングたちね…前にも戦った見るからに悪党なわかりやすい奴ら…さっきのダメージもあるから短めに鎮圧するわ!

【作戦】相手を【挑発】で【おびき寄せ】て、基本攻撃は【見切り】つつ【ジャンプ】や【ダッシュ】で回避。
そのままバーニングパンチやヒートスタンプで攻撃しつつ最後はファイアボールの【範囲攻撃】で一掃するわ!もし危なくなったら退避するわよ!(絡み・アドリブOK)


エメラ・アーヴェスピア
次、真紅刀の配下の集団を攻めるのだったわよね
手早く…行ったら最終目標が疲れないのよね…調整の難しい所だわ

あまり派手にやるとこちらに一気に向かってくるわよね…
まぁ相手を逃がさない様にすればいいかしら
先程と同じように私は離れた位置からドローンを使用して【情報収集】
ただ、あまり目立つように飛ばさないわよ?先程と違って狙撃手がいるのだから
そして後は…『出撃の時だ我が精兵達よ』、同僚さん達が撃ち漏らした相手を逃さないように倒しなさい
後で面倒毎になるのは嫌よ?それと敵が固まっている場所やボスのいる場所などが手に入ったら同僚さん達に連絡
とりあえず、細かい所をしっかりこなしていきましょう

※アドリブ・絡み歓迎



 ノーウッド各地で散開した猟兵達と「真紅刀」ギャングの激戦は続いている。着実にギャングの数を減らし快進撃を続ける猟兵。そして響き渡る市庁舎ビルでの狙撃音。
「次、真紅刀の配下の集団を攻めるのだったわよね」
 そう言ってエメラ・アーヴェスピアは偵察用ドローンの画面を監視しながら、狙撃が続く市庁舎ビルにも視線を向ける。前回とは違い、今回は狙撃手がいる中でドローンを飛ばしているのだ。墜とされないように慎重に飛行させている。
「手早く…行ったら最終目標が疲れないのよね…調整の難しい所だわ」
 ノーウッドの拠点機能の損耗から考えれば、あの狙撃手を気にせず、一緒にギャング達を撃滅するのがいい。だが後々を考えれば、敵を消耗させるのは悪くない作戦である。その辺りの調整を考えつつ、手頃な敵を探すエメラ。
 優秀な魔導蒸気機械技術者である彼女の偵察用蒸気ドローンは、ただ敵を探すだけではなく、襲撃に優位なポイントも含めて効率の良い場所を探すのを忘れない。
「あまり派手にやるとこちらに一気に向かってくるわよね……まぁ相手を逃がさない様にすればいいかしら」
 そうなれば、敵がこちらに殺到してくる前に火力集中で殲滅する。エメラの中でそういうプランを練り上げていると、偵察用ドローンがある猟兵の姿を発見する。少し身体の痛みを抑えるようにしている少女だ。

「げほっ! ごほっ! はあ…油断したわ。ごめんね宛那……でも、もう油断はしないわ!」
 ヒーローマスクのアテナ・カナメであった。本体の宛那の身体に多大なる負担を強いたことを反省しつつも、次こそは華麗に無駄なく倒すことを誓う。だが先ほどの四月一日・ほむらとの戦いっぷりを見ていると、本体の宛名は不安でたまらない状態ではあるのだが。
 そう思っているとアテナの視界にギャング達の集団を発見する。幸いこちらに気づいていないようで、不意を突くには絶好のポジションである。
「次はあのギャングたちね。前にも戦った見るからに悪党なわかりやすい奴ら……さっきのダメージもあるから短めに鎮圧するわ!」
 そう言って奇襲するかと思われたアテナだが、そこは正義のスーパーヒロインを自称する彼女。卑怯な真似などしないのだ。
「そこの卑劣なギャング共! このアテナマスクが成敗するわ!」
(マスクさーーーん!)
 宛名の悲鳴空しく、堂々と敵を挑発するアテナ。それに呼応するようにギャング達がスタンガンや手錠、鎖を振り回して多数で襲い掛かってくる。
「派手な恰好の姉ちゃんだが、油断すんなよ!」
「ああ、どうやらあちこちでやられてるようだからなァ!」
「痴女みたいな恰好しやがって! お望み通りの展開にしてやるよォ!」
 一部興奮しいきり立ったギャング達がアテナの元に殺到する。だが正義の心を燃やした炎がアテナを包み込み、悪を討つ力となる。鎖で攻撃してくるギャングの攻撃を寸前で回避し、スタンガンの一撃を放たれる前に炎の拳をその顔面に叩き込む。鼻骨が折れる音と共に顔面を焼くと同時に、手錠で拘束しようとするギャングに対して強力な後ろ回し蹴りが炸裂する。半回転して地面にキスするギャングの頭を踏みつけて、アテナはさらに飛翔する。
「炎の玉達よ! 敵を焼き討て!」
 正義の心を宿した「ファイアボール」の球体たちが散弾のように炸裂し、ギャング達を焼く。まともに食らった敵はその業火に焼かれて苦しんでいるが、比較的軽傷なギャング達はなおもアテナを拘束しようと着地しようとするアテナを狙う。

『さぁ出番よ、私の勝利の為に出撃なさい。後で面倒毎になるのは嫌よ?』
 監視用ドローンからエメラの号令が響き渡る。そしていつの間にか周囲に配置していた「出撃の時だ我が精兵達よ(メイクアサリー)」の魔導蒸気兵の銃撃がギャング達に突き刺さる。何十体に及ぶ兵からの射撃は雨のように降り注ぎ、ギャングの頭を、腕を、足を、心臓を吹き飛ばす。
「ぎゃああああああああああ!」
 肩を撃ち抜かれて叫び声を上げるギャングの脳天に二射目の銃弾が貫通して沈黙する。軍服を着た一つ目の人形兵器達はしっかりと敵にトドメを刺すことを忘れない。エメラはアテナを発見してから魔導蒸気兵の配備を進めており、その攻撃と同時にギャング達を優位に狙えるポジションを確保。撃ち漏らした敵を着実に始末することに成功したのである。
『大丈夫のようね?』
「味方なのね。助かったわ!」
 飛行ドローンがアテナに近づき、エメラの姿を映した画面が表示される。味方の猟兵を確認して一息つくアテナ。もしも危険になるようだったら撤退する気だったので、この援護はありがたかった。
『この先に敵が固まっている場所があるの。迎撃に有利な場所も近くにあるから、そこにおびき寄せてくれるかしら?』
「OK! そういうのは任せて!」
(マスクさーーーん! 私の身体で無茶はーーー!)
 エメラとアテナがギャング一斉掃討に動こうとしている間にも、気弱な宛名は悲鳴を上げるが届かない。正義を成す前に弱音など聞こえはしないのだ。

 こうしてエメラという強力なバックサポートを得たアテナマスクは、より多くの『真紅刀』ギャングを殲滅していくこととなる。ノーウッド解放の時は刻一刻と近づいていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シン・コーエン
チンピラ共を片づけよう。
そして(市庁舎ビルを見て)、最後の獲物に手の内晒さないようにしないとな。

(街の住民を助けに来た、とか言うと住民を人質に取られそうなので、わざと修羅の表情を作り)
チンピラ達に「むかつく顔をしているな、お前達。不愉快なので死んでくれ。」と村正を抜き、”危ない人に因縁吹っ掛けられた”と思わせて戦闘。

離れた所に観客がいるので、チンピラ達の攻撃は【見切り】で避けたり、【武器受け】で受けたりと至極真っ当な戦い方。
(灼星剣とか残像とか念動力とか空中戦は使わない。)
そしてUC:渦旋光輪を【一斉射撃】。
生き残った敵は村正の【2回攻撃】で止めをさす。

市庁舎からの狙撃は【第六感】で避ける。



 さらなる激戦、さらなる死が吹き荒れる拠点「ノーウッド」市街地。猟兵達の奮闘と、「蒼銃弾」団長の狙撃という形で殲滅が続いているために、街自体への被害は思いの他少ない。
 だがギャング達もただやられるだけの存在ではない。数の多さも生かすのは当然だが、そのダーティな戦いっぷりで「蒼銃弾」レイダーを殲滅したのだ。その手並は侮れるはずもない。
 そして逃げ遅れたノーウッド市民を見かけたならば、即座に殺すだろうが、時には人質や肉の盾にすることも厭わない。それこそギャングの本領というものである。

「チンピラ共を片づけよう」
 その前にギャング達を片付けんとする金髪の剣士シン・コーエン。その瞳はギャング達を狙いながらも、視界から離さないのは最後の敵が待ち構える市庁舎ビル。
「そして……最後の獲物に手の内晒さないようにしないとな」
 おそらくスコープ越しに監視しているであろう「蒼銃弾」団長に対しての戦いを見据え、なるべくこちらの手を見せたくないのがシンの考えだ。
 だが「真紅刀」のギャングに攻められているノーウッドの市民のことも忘れてはいない。この戦いはあくまで、拠点ノーウッドの人々を救うことが前提なのだ。故にシンが赴いた場所は、ノーウッドの人々が立て籠っているビル。その先には「真紅刀」ギャングが攻め入っているのが見える。
(だが、街の住民を助けに来た、では駄目だな)
 そんなことを口にすれば卑劣なギャング達は人質を取ってくるなど平気で行ってくるだろう。そうなれば厄介この上ない展開だ。故にシンはわざと修羅の表情を作り、ギャングに近づき肩を叩く。
「むかつく顔をしているな、お前達。不愉快なので死んでくれ」
「はっ……? かっ……はっ!」
 危ない表情をした金髪が急に刀を抜き去り、ギャングを切り裂いた。ここにいる全員はそう見えただろう。実際、シンが抜いた村正はギャングの首を綺麗に跳ね飛ばし、鮮血が飛び散りシンの顔を赤く染める。
「な、なんだァ! この危ない野郎は!」
「俺達『真紅刀』に因縁吹っ掛けるとはいい度胸してやがる! 全員でぶっ殺せ!」
 ノーウッド市民が立て籠るビルから、シンへと標的を変えたギャング達。各々が手錠や鎖、スタンガンを持って一斉に襲い掛かってくる。そのすべてを食らえばシンとて無事では済まない。
 だがシンはなおも余裕だった。立て籠る市民たちに勇気を与えるように、パフォーマンスのように鎖やスタンガンを軽やかに躱し、手錠を刀で弾いたりしてギャング達を寄せ付けない。
「終わりか、チンピラ共。ならまとめて切断して見せよう!」
 そして周りに集まったギャングを見て、能力「渦旋光輪」を発動。光の熱と風を纏った光輪群が高速回転をして現れる。その数は今のギャング達を殲滅できるほどの数は十分に揃っている。それを狙うまでもなく四方八方に放つシン。
「ごぎゃっ!」
「あべしっ!」
 光輪がギャングの身体を両断し、頭を横一文字に切り裂き、身体を両断したりしていく。光の熱は肉を焦がし、風の刃は骨を容易く切断していく。もはや五体満足なギャングは誰もいない。血飛沫舞う戦場にて、敵に悲鳴が上がり、立て籠っているビルからは歓声が上がる。

「く、くそが……あぶっ!」
 最後の足掻きか、腕を切断されたギャングが背後から反撃しようとするが、その頭が吹き飛ぶ。その銃弾は遥か先、市庁舎ビルから放たれた。
 シンも狙撃を警戒して神経を研ぎ澄まし、回避できるように準備していた。だがその狙撃は最初からギャングを狙ったものであり、シンに向けられる殺気は一切になかった。
「余裕のつもりか。後悔するなよ」
 そう口にしながら、再び渦旋光輪を発動して、ギャング達を血の海に叩きおとしていくシン。この奮戦もあり、ノーウッド市民を狙う「真紅刀」ギャング達は全滅することになる。
 市民の安全を確保しながらもシンは敵の余裕に少なからず不安を覚える。だがそれを食い破るのも面白いと、口が釣り上がるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

高砂・オリフィス
アビーさんと参加!

遅れて参戦だよっ。よろしくよろしく!
あちゃー喧嘩は終わっちゃったかっ、仲直りさせてあげたかったけどそれはそれ! これはこれ!
今度はぼくと踊ろう? こういう時こそ笑顔笑顔!

使用するユーベルコードは《こぼれ落ちる時間》
模造剣を振り回して敵の目の前で踊るよ
正直もらえるのはブーイングだと思う! きびしー
でもでも本命はアビーさんの支援と、非難で強化されたカマイタチの投射さ!

騙し討ちじゃないか!? ってそれあなたたちが言う?! ひどいひどーい!


アビー・ホワイトウッド
オリフィスと参加

出遅れた。サムライガールはもういないらしい。
ここから巻き返して行こう。

ノーウッド入りしたら、オリフィスと分かれて高い建物へ登る。市庁舎や目抜き通りを見晴らせるなら尚いい。
上階なり屋上なりで狙撃銃を二脚を立てて展開したらオリフィスを探そう。

…見つけた。踊ってる?

オリフィスとレイダー共を見つけたらスコープ越しに様子を見ておく。
ダンスで和解…できるはずはないか。レイダー共が戦闘態勢に入った瞬間に引き金を引く。
奴等が状況を理解する前にUCを発動、制圧しよう。
壁の向こうに隠れても無駄。12.7ミリ弾は防げない。

オリフィス、無事?何処からか見られてる気がする…たぶん狙撃手がいる。



 拠点ノーウッドから戦闘が始まってそれなりの時間が経つ。二つの無法者集団の内、一人の頭領は倒れ、その構成員はどちらも壊滅へと向かっている。
 それは両方の集団の抗争の結果であり、ノーウッド市民の抵抗の結果であり、猟兵達の戦いの戦果でもある。
 だがこの戦いに遅れてしまった者もいる。だがそういう者達こそ、気力は充実し、期待以上の戦果をあげてくれるものである。
「出遅れた。サムライガールはもういないらしい」
「あちゃー、喧嘩は終わっちゃったかっ!」
 冷静に戦局を分析する奪還者アビー・ホワイトウッド(奪還屋・f24498)と悔しがる褐色のプロダンサー志望の元気娘、高砂・オリフィス(南の園のなんのその・f24667)はノーウッド郊外に到着するなり街を見る。
 すでに戦いは作戦の第二段階に進んでおり、四月一日・ほむらはすでに影も形もいない。現在は「真紅刀」ギャング達の掃討に移っているのを理解する二人。
「仲直りさせてあげたかったけどそれはそれ! これはこれ!」
「それは無駄だったと思うけど、ここから巻き返して行こう」
「よーしっ、レッツゴーーー!」
 出遅れてもオリフィスは底なしに明るく、すでにノーウッドに向かって走っている。その様子は微笑ましいのか、それとも苦笑しているのかわからないがアビーは手に持った狙撃銃を抱えて市街地へと乗り込む。
 元々オリフィスとは別行動の予定だったアビーは、ノーウッド市内でも比較的高い建物の最上階に登る。さすがに最高層の市庁舎ビルには及ばないが、目抜き通りを見晴らせる絶好の狙撃ポイントである。
 場所を確保したアビーは狙撃銃を二脚を立てて展開する。セミオート式狙撃銃であり、トラックや軍用車を撃ち抜くほどの大口径を使用する大物である。人間に対して撃つ代物ではないが、オブリビオンに対して容赦など必要はない。
 そしてスコープごしに別行動のオリフィスを探すアビー。だが意外とすぐに見つかった。目抜き通りで派手に何かやらかしている相棒の姿が見える。
「…見つけた。踊ってる?」

「今度はぼくと踊ろう? こういう時こそ笑顔笑顔!」
 「真紅刀」ギャング達を前にオリフィスは笑顔で踊っていた。模造剣を振り回して、自分にできる思いっきりのダンスを展開する。だがギャング達にとってここは戦場。さらにこんなところで踊る頭のおかしい女の踊りなどに賛辞が飛ぶはずもない。
「ざっけんな、コラァ! 俺等を誰だと思っていやがる!」
「『真紅刀』相手にいい度胸じゃねえか、オラァ!」
「剥いて犯して黙らせてやるぜ、ヒャッハー!」
「ひどいブーイング! きびしー!」
 すでにギャング達は殺気立ち、いつでもオリフィスに襲い掛かっておかしくはない状況だ。だがオリフィスはそれでもお気楽に踊っている。そしてその余裕の原因はすぐにわかる。ギャングの一人の頭が文字通り爆散したからだ。

「ダンスで和解…できるはずはないか」
 スコープ越しで様子を伺っていたアビー。だがギャングがオリフィスに襲い掛かろうとした瞬間、狙撃銃の引き金を引く。そして遠方で弾け飛ぶギャングの頭。
「敵が状況を理解する前に制圧しよう。『狙撃』開始」
 アビーの能力「狙撃」が発動し、照準器を覗く狙撃状態で集中する。そしてそこからはスローモーションのように敵の動きが取ってわかる。そこから頭や心臓に向けての精密射撃が繰り広げられる。ギャング達の脳漿が、心臓が弾け飛び赤い花となって咲いていく。

「な、なんだァ!」
「ふふん、この踊りの狙いはアビーさんの支援と、非難で強化されたカマイタチの投射さ!」
 アビーの遠距離狙撃に怯んでいる隙に、オリフィスの周囲に残存する真空の刃がギャング達を斬り裂く。それはすでに発動していたオリフィスの「こぼれ落ちる時間(コボレオチルジカン)」の効果で、敵から受ける非難・ブーイングというマイナス感情を力に変えて、目に見えない真空の刃を形成。それを持って、周囲に群がるギャング達を切断したのだ。
「ひ、卑怯だぞ! 騙し討ちじゃねえか! ぐべらっ!」
「それあなたたちが言う?! ひどいひどーい!」
 どの口が言うと言わんばかりにギャングの口ごと風の刃で引き裂くオリフィス。その彼女に襲い掛かろうとする敵はすべてアビーの精密狙撃によって命を散らしていく。そして目抜き通りという一目につく場所は多くのギャングをおびき寄せ、二人の壮大な殺戮劇場と化す。

 大量のギャングの死体と血が飛び散る中で、オリフィスはさほど疲れている様子もなくステップを踏み続けている。あらかた『真紅刀』ギャングは殲滅を完了したようだ。
『オリフィス、無事? 何処からか見られてる気がする…たぶん狙撃手がいる』
「無事だよー、アビーさん。うん、あのでっかいビルからすごい殺気がするもん」
 オリフィスは視線と殺気を感じた市庁舎ビルへと目を向ける。敵の親玉、四月一日姉妹の片割れがいるのは間違いないと確信がある。
 そして狙撃銃を抱えたアビーと合流すると、敵が待ち構えているであろう、市庁舎ビルへと向かう二人。すでに「真紅刀」ギャングは障害にならない。他の猟兵達が各地で殲滅し、二人が殺戮した分で全部だったようだ。
 拠点機能としては被害は少なく、「真紅刀」壊滅はなった。だが最後の強敵はまだ残っている。気を引き締めて、市庁舎ビルへと乗り込む二人であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『『天穿つ災厄』四月一日・いずみ』

POW   :    『時遡流銃術・時雨』
【背負った狙撃銃による二段抜き撃ち】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
SPD   :    『時遡流銃術・霧雨』
【心眼で補足した銃口】を向けた対象に、【最大Lv×10mの間合いを詰めるガンフー】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ   :    『時遡流銃術・叢雲』
戦場全体に、【六丁拳銃からの偏差射撃による無数の銃弾】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は黒玻璃・ミコです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 「真紅刀」のギャング達を殲滅させ、「蒼銃弾」団長が狙撃していた市庁舎ビルへと乗り込む猟兵達。各地でバラバラで戦闘していたものの、ノーウッド市街地の中心部にあるこのビルに辿り着くのはほぼ同時だったため、全員が合流する形となった。
 そして止まったエスカレーターを登り、2Fの待合室に到達した所で館内放送アナウンスが始まる音が鳴り響く。そして、次に聞こえてきたのは若い女性の声。
『ごきげんよう、侵入者の皆様。私は『蒼銃弾』の団長、四月一日・いずみと申します』
 この放送をしている女性こそ、今回最後の敵である「蒼銃弾」団長、四月一日・ほむらの姉になる四月一日・いずみ本人であった。
『皆様の実力はスコープごしに拝見させて頂きました。『真紅刀』の連中を問題なく屠る実力、となれば愚妹はあなた方に敗れたようですね』
 猟兵達が戦っている間にも、スナイパーライフルのスコープごしにこちらを観察していたようだ。だが一度もこちらを撃ってきていないのは余裕からか。
『どうやら次は私のようですが、あなた方を一度にお相手するのはいささか不利と判断致しました』
 だがそこで猟兵達は違和感に気づく。館内放送は別に何か音が聞こえる。PiPiPi……というタイマーの音が。そして暗闇の中で赤く光るランプ。歪なる配線の先にはいくつも配置された爆弾が設置しているのが目に入る。
『ですので、市庁舎ビルごと潰れて頂ければ幸いです。一応、ほむら用に用意した爆弾が役に立つとは、世の中わかりませんね』
 猟兵達はすでにいずみの放送を聞いていなかった。各々が思うまま脱出のために走り、ビル外に逃げようとしている。そして四月一日・いずみはスイッチを押す。
『それでは皆様、さようなら』

 轟音と共に市庁舎ビルの1~2Fにかけて仕掛けていた爆弾が連鎖爆発を起こし、破壊の限りを尽くす。ビル下を崩されたことで上のビルの重みで一気に崩壊していく市庁舎ビル。瓦礫が飛び散り、ものすごい砂塵が吹き荒れる。
 これだけの爆破であれば、四月一日・いずみはおろか、猟兵達でもただではすまない。だが猟兵達は全員が危機を直前で察知し、脱出に成功していた。
 ビル外からその様子を伺っていた四月一日・いずみは、吹き荒れる砂塵の中で猟兵達が脱出したのを感じ取る。
「やはりこの程度では死にませんか。ですがこの砂塵と死角は私の戦場」
 散乱する大小の瓦礫、数メートル先すらまともに見えない視界。だが彼女は特殊な装備によって、砂塵の中でもクリアな視界を確保している。そして気配を消し、自身が得意とする狙撃と縮地を使ったガンフーでバラバラに散った猟兵達を始末する気でいた。
「さあ、愉しみましょう。殺し合いを、命の奪い合いを」
 四月一日・いずみは微笑む。彼女が作り出したキリングフィールドの中で、ノーウッド最後の戦いが幕を開けようとしていた。


●追加データ
●戦場
 市庁舎ビル前(敵のビル爆破崩壊により、砂塵が舞い、瓦礫が散乱している状態。非常に視界は悪い)
 散り散りと表記しましたが、チームで参加もOK。複数戦闘も致します。
●プレイングボーナス
【四月一日・いずみのステルススナイプに対処する】
 以上のプレイングを満たしますと、ボーナス判定致します。

 以上です。それでは皆様の素晴らしいプレイングをお待ちしております。
才堂・紅葉
(さて、あの妹さんならこの状況にどう対応したかしら……)
アーミー姿に「六尺棒」で思案する
答えは力技だ

棒を頭上で旋回させ、刻まれた魔術文字を発動
「風よっ!!」
【属性攻撃の衝撃波】を地面に叩き込む
本来は煙幕や毒ガスを【吹き飛ばす】用途だが、この砂塵にも有用だろう

視界が開けた瞬間が勝負
姉の位置を【見切り】縮地に【カウンター】を狙う
棒も打撃も間に合わない
三節にした棒を手放し、自身を前に沈んで亀とする合気技で姉の転倒を誘う

「お姉さん、グラウンドは流石に初めてでしょ?」

後は寝技
【怪力と気合のグラップルの部位破壊】で頚動脈と間接を痛めつけたい
無茶な足掻きをしそうなら、その前に【野生の勘】で技を解いて離脱する



  拠点「ノーウッド」における最大の建築物がその中心部である市庁舎ビルである。かつての街のシンボルとして君臨していた建物は拠点となってからも行政機能を生かし、街の中心となっていた。
 だがその高層ビルも「蒼銃弾」団長である‪四月一日‬・いずみが仕掛けた爆弾によって倒壊し、今も崩壊が断続的な崩壊が続いている。その影響で濃厚な砂塵が辺り一面を覆い、大小の瓦礫が散乱した状態になっている。
 まさしく狙撃を仕掛ける側からすれば、なんとも都合のいい戦場である。スナイパーの視界は確保できるのか、という問題もあるが、オブリビオンでもある彼女に問題はさほどないであろう。
(さて、あの妹さんならこの状況にどう対応したかしら……)
 いの一番に爆弾に反応し、ビルから出るようにと声を飛ばして脱出した才堂・紅葉は思案する。服装はアーミー姿に「六尺棒」と、‪四月一日‬妹と対峙した時と同じ装備となっている。
 死角は多数、視界も最悪。そんな中で絶対必中の狙撃が襲い掛かってくる。それでも四月一日・ほむらなら真正面から食い破っていくだろう。つまりそれは紅葉の選択肢と同じであるということだ。
「どう対抗する? 答えは力技よ!」
 狙撃が来る前に紅葉は頭上で六尺棒を回転させる。そして魔力を流し込み、唱える。
「風よっ!」
 その瞬間、アルダワ特殊鋼の棒に刻まれた魔術文字が緑の光を放ち、風の魔術を発動させる。六尺棒に纏わり付く螺旋状の風。それを地面に叩きつけることで、強烈な衝撃波が炸裂する。
 本来は煙幕や毒ガスなどを吹き飛ばす為に使われる紅葉の戦法。細かい破片が舞う砂塵の中でもそれは有効で、一気に視界が開ける。
 その一瞬こそ紅葉の勝負の刻だった。確保された視界で銃口を探す。ほんの1秒にも満たない時間。だがわずかに動いた物体と殺気を感じ取り、その射線から身を捩る。銃音が響き、狙撃銃の弾丸が紅葉の側を通過する。
 だがそれも読んでいたのか、四月一日・いずみは縮地であっという間に距離を詰め、サブマシンガンを構えている。刹那の間、紅葉には六尺棒を振り下ろすことも、拳でカウンターすることも間に合わない。
 そして紅葉は回避をしなかった。ただ前へ、棒を捨てて亀のように防御態勢で四月一日・いずみへと突っ込んだのだ。その対応の速さはまるで縮地でそこに現れるのを予測していたかのようで、引き金を引く前に激突。そのまま押し倒される四月一日・いずみ。
「くっ……!」
「お姉さん、グラウンドは流石に初めてでしょ?」
 姉妹で争う時にはなかったであろう寝技。紅葉の「才堂流大蛇葛」が炸裂する。タックルの後は流れるように頚動脈と間接を極める。そして全力を持って締め上げて、破壊せんとする紅葉。靭帯が悲鳴を上げ、筋繊維が千切れる音が響く。
「ですが、素人ではないのですよ?」
 専門家ではないにしろ、四月一日一族に伝わる武術の心得に対処法がないわけではない。関節が完全に破壊される前に紅葉との間に一瞬の隙間を作り出し、そこに銃口をねじ込む。
 零距離射撃の銃弾が吐き出される前に、紅葉は危機を察知して寝技を解き、距離を取る。またしても銃撃を避け、四月一日・いずみも舌を巻く。
「時遡流銃術・霧雨をここまでしのぐとは、愚妹以外では初めてですね」
 そして四月一日・いずみは再び砂塵の中に消えていく。だが紅葉はしっかりと感じていた。関節を痛めたのか、動きの悪くなった敵の姿を。そして殺気が感じられなくなった瞬間、溜息が漏れる。
「こっちもSOKをあっさり脱出されるとは、ね。精進が必要ね」
 だが刻み込んだ痛みは必ずや四月一日・いずみを打倒する一助になるだろう。とりあえずは命があり無傷の戦果に胸を撫で下ろす紅葉であった。

成功 🔵​🔵​🔴​

エル・クーゴー
●SPD



撃破目標が更新されました
これより、敵性の完全沈黙まで――ワイルドハントを開始します


●対ステルススナイプ
・フォートの砲塔を両肩に立てて並べ、手には遠距離狙撃用のライフルを把持
・「遠距離には強いが/懐に入られると弱い」フォームで居ることで、敵に接近戦を目論ませる企図

・(サーチドローン『マネギ』に【迷彩】を塗布しておく)

・ガンフー襲来次第【継戦能力】で己を突き動かし【小型治療無人機群】発動、自身を即座にリカバリ

・同時、いずみへマネギを射出
・引っ付かせたマネギをゴーグル内の電脳世界でマーカーとして認識、敵からの射線も位置捕捉材料としつつ、機関砲の掃射でいずみの予測位置を薙ぐ(範囲攻撃+蹂躙)



 崩壊が続く市庁舎ビル。そこから舞い散る瓦礫と砂塵は周囲を見渡すのも難しいと判断するには十分な量である。その圧倒的な砂塵の前では敵味方の判断すら難しい。
 からくも市庁舎ビルの爆破から逃れた少女型ミレナリィドール、エル・クーゴーは敵の襲撃を警戒する。さきほどの爆破に加え、この圧倒的な砂塵は奇襲を仕掛けるには最適な状況であったからだ。
「撃破目標が更新されました。これより、敵性の完全沈黙まで――ワイルドハントを開始します」
 L95式電脳ゴーグルの目が光り輝き、敵性存在を探す。フォートの砲塔を両肩に立てて並べ、さらに両手には遠距離狙撃用ライフルを抱えている。微細な戦場変化に目を配らせることで致命傷を避け、アタックに対し強烈な狙撃カウンターを仕掛けるスタイルというのが伺える。
 つまり準備は万端。それだけの装備をしたエルに対し、銃音と共に弾丸が飛来する。砂塵を切り裂き飛んでくる銃弾を、一瞬で演算して軌道を解析したエルは回避する。そして瞬時にその狙撃ポイントに向かってフォートとライフルによる報復射撃が行われる。
「そうですわね。それだけの装備、カウンターするのは当たり前です」
 だがエルの射撃を嘲笑うかのように、四月一日・いずみは眼前に姿を現す。縮地を使い、狙撃後にすぐに間合いを詰めてきたのだ。あの装備を見た四月一日・いずみは遠距離には強いが、懐に入られると弱いと判断。狙撃を囮にして、相手の射撃を誘因させて接近戦へと移行したのだ。
 そして四月一日・いずみの強烈なガンフーが繰り出される。エルの足を関節から砕く蹴り、肩から腸まで撃ち抜くサブマシンガンの雨を浴びせる。飛び散る自身の肉体を眺めながらも、エルは到って冷静だった。
「……CALL>_メディック」
 強烈な損傷ダメージにも関わらず強靭な意志遂行能力によって己を動かし、「小型治療無人機群(ヒールドローン)」を発動させる。超高速治療を行う微細のヒールドローン達が損傷個所へと取り付き、即座のリカバリーを達成させる。あまりの早い回復に攻撃をした四月一日・いずみすらも目を開いている。
 エルは後ろへと飛びフォートの砲門を四月一日・いずみへと向ける。だが縮地で再び砂塵へと姿を消す四月一日・いずみ。敵の姿を見失うが、全く問題はない。すでに「別の目」が敵を捉えているのだから。
「本格集中砲火、開始」
 その砲撃はまさしく蹂躙と呼ぶべき苛烈なものだった。そしてその攻撃は着実に四月一日・いずみの正確な位置を捉えていたのだ。
「なぜ、この砂塵の中で私の位置が……!」
 砲撃を回避しながら四月一日・いずみは疑問に思う。なぜここまでこちらを狙うことができるのか。相手はこちらを完全に視界に収めているとか思えない射撃だからだ。
 その理由はエルの電脳ゴーグルの見えているマーカーにあった。立体電脳世界としてレーダーのようにマーカーを視界に捉えているエル。そしてそのマーカーこそ、四月一日・いずみの位置情報である。正確には四月一日・いずみに取りつけたサーチドローン『マネギ』の位置である。
 さきほどの接近戦誘発はこのためだ。ガンフーを凌ぐと同時に迷彩を施した「マネギ」を射出。引っ付かせることでこの視界最悪でも四月一日・いずみの位置を掌握することができているのだ。
 そして縮地の回避情報を収集し、ついに本命の機関砲が火を噴く。
「情報収集完了、一斉掃討開始」
 四月一日・いずみの回避予測地点に向かって、その周辺を吹き飛ばす砲撃が敢行される。まさしく銃弾爆撃も同様な砲撃に轟音が響き渡る。そしてその砲撃の後に「マネギ」の位置情報が消失する。つまりは砲撃は当たったことを意味していた。

 消失ポイントへ確認に赴くエル。そこには四月一日・いずみの血痕と「マネギ」の残骸が残されていた。吹き飛ばしたにしては肉片がなさすぎるということから、負傷させたものの、取り逃がしたと判断したエル。
「目標生存、引き続き警戒続行」
 その後は辺りを警戒しながら襲撃に備えることとした。二度は同じ手は通用しない相手とはいえ、また来ないとも限らないからだ。エルは決して油断しない。獰猛な狩人は、獲物を狩り終えるまで活動をやめることは、ない。

成功 🔵​🔵​🔴​

エメラ・アーヴェスピア
あら?目標地点崩壊…中にいた同僚さん達は…問題なさそうね
遠くから見てもひどい砂塵ね…しばらく収まりそうにないし、どうやって攻略しようかしら…

とりあえず兵士は…駄目そうね。なら新しい戦力を送り込みましょう
ドローンで【情報収集】も継続するけれど…そろそろ危なそうかしら?
『ここに始まるは我が戦場』の方に切り替える事も考えましょう
それで送りだすのは…私が戦場に居ないのを最大限に活用しましょう
『戦地を駆るは我が双輪』
相手の銃撃に対しては白の未来予測演算と黒の情報分析で得た対応力で対処
今回には関しては時間は私の味方よ…それだけ相手の情報が手に入るのだから
その後は…連携で追い詰めるだけよ

※アドリブ・絡み歓迎


シトリ・ノイオ
けほ……壊さないよう気を付けていたのに、敵はお構いなしです。

これだけ壊れてしまったら、もう構わないですよね?
ビルの倒壊が与えた被害の範囲でなら、僕の能力でこれ以上被害が出ることもないですよね。
周囲の瓦礫も舞い上がる砂塵も厄介なので《クライシスゾーン》を発動。
もう壊れているので、竜巻に変えるかそこへ巻き上げるかしてしまおうと思います。

敵を見つけたら偽神兵器と竜巻で攻勢にでます。
ここに残ったオブリビオンはお姉さんで最後です。なので、街が壊れる前に倒されてください。
偽神兵器の形状は敵との距離に合わせて変化させるので、射撃形態も候補に。



「あら? 目標地点崩壊……」
 エメラ・アーヴェスピアは崩壊していく市庁舎ビルを遠巻きに眺めながら驚いていた。これまでの戦い方通り、偵察ドローンと魔導兵をビル内に送り込んでいたが、四月一日・いずみの仕掛けた爆弾によってビルの1Fから2Fまでは吹き飛ばされた。砂塵がエメラの所まで到達する。
「中にいた同僚さん達は……問題なさそうね」
 猟兵達は咄嗟の判断で市庁舎ビルを間一髪で脱出したようだ。その映像を偵察ドローンの最後の画面で確認したエメラ。その事実に胸を撫で下ろすと共に、送り込んだ戦力に対して意識を傾ける。
「とりあえず兵士は……駄目そうね」
 倒壊したビルに巻き込まれて偵察ドローンと魔導兵は一緒に潰されてしまった。猟兵だからこそ咄嗟の行動ができたわけで、いかにエメラが有能な魔導蒸気機械技術者であってもあの状況で兵士を生還させるのは不可能であった。
「けほ……壊さないよう気を付けていたのに、敵はお構いなしです」
「あら、シトリさん?」
 新たな兵士を送り込もうかと思案していたエメラの前に、市庁舎ビルの瓦礫と砂塵から逃げ出すように距離を取ったシトリ・ノイオが現れる。彼もまた、間一髪でビル爆破から逃げ出してきた一人であった。
「あ、オブリビオンではなく、お味方のエメラですか。こんにちわ」
「ええ、こんにちわ。あなたがいるということは……そろそろ危なそうかしら?」
 偵察ドローンを周辺に飛ばしているとはいえ、この砂塵の中では効果は薄い。さらに市庁舎ビルから出てきたシトリを四月一日・いずみが追尾してきている可能性も考慮して、警戒を強めるエメラ。
「これだけ壊れてしまったら、もう構わないですよね?」
 だがノーウッドの拠点機能のことを考えて能力を抑えてこんできたシトリにとって、ここまでの破壊を巻き起こした四月一日・いずみに容赦は必要はない。そもそも砂塵も降り注ぐ瓦礫も邪魔で厄介ではあるので、それを吹き飛ばす「クライシスゾーン」を発動する。
「ビルの倒壊が与えた被害の範囲でなら、僕の能力でこれ以上被害が出ることもないですよね」
 そう言って降り注ぐ瓦礫や、細かな砂埃を超次元竜巻へと変えて集約していくシトリ。荒れ狂う竜巻が砂塵を吹き飛ばし、視界をクリアにしていく。
 素材となる無機物はもはや破壊された市庁舎ビルのものなので、巻き上げたとしても問題はないと判断するシトリ。
「中々素敵な能力ね。さて……未来の為に戦地を駆け、過去の存在を追跡、撃滅なさい。我が双輪」
 シトリが視界を開いたことで偵察ドローンの索敵範囲が広がり、四月一日・いずみを発見することに成功するエメラ。彼女は感謝すると共に能力「戦地を駆るは我が双輪(シューティングスターカヴァルリィズ)」を発動。速度と予測演算に長けた魔導蒸気白騎兵・力が狙撃軌道を読み切り、対応力に長けた魔導蒸気黒騎兵・騎兵用二輪がそれを弾く。エメラが誇る二騎は主人に害を与えることを許さない。
「厄介ですね。ではこれはいかがかしら? 時遡流銃術・叢雲!」
 ステルススナイプを無力化された四月一日・いずみはそれでも動じない。すぐさま六丁拳銃から吐き出された無限とも呼べる銃弾が展開され、エメラとシトリに襲い掛かる。エメラの魔導蒸気白騎兵が予測し、魔導蒸気黒騎兵が対応する鉄壁の布陣とはいえ、周囲を覆う銃弾に対しては手が足りなさすぎる。
「私達だけでは確かに凌げない、けど……」
「ここに残ったオブリビオンはお姉さんで最後です。なので、街が壊れる前に倒されてください」
 エメラの言葉に応えるようにシトリの超次元の竜巻が渦巻き、銃弾の壁を蹴散らす。さらに弾き飛ばした銃弾を竜巻へと取り込み、その勢力はさらに拡大していく。そして風穴の空いた弾壁から見えた四月一日・いずみに対して、モーニングスターの偽神兵器が迫る。
「私の銃術を破るとは、感服致します。ですが……!」
 賛辞を送りつつも、単調な軌道を読み切り回避する四月一日・いずみ。だが偽神兵器とは、変化できるもの。シトリのモーニングスターの突起物が突如銃口へと変わり、銃弾が吐き出される。それが身体を貫き痛みに顔が歪む四月一日・いずみ。
 そこに間髪入れずに、エメラの魔導蒸気騎兵達が追撃してくる。銃弾の壁を操り迎撃するものの、軌道を読む白騎兵が道を作り、四月一日・いずみの反撃にカウンターを合わせた黒騎兵がその身体を引き裂く。傷を負いながらもバックステップで後ろに下がる四月一日・いずみ。
「時間は私の味方よ…それだけあなたの情報が手に入るのだから」
 実際、シトリの竜巻によってエメラ唯一の弱点である本体攻撃の隙はない。さらに白の未来予測演算と黒の情報分析で得た対応力で徐々に四月一日・いずみは窮地に追い込まれていくだろう。
「そのようですね。ですが私は妹とは違い、引き際は心得ているつもりですので」
 そして銃弾の壁を厚くして自身の姿を覆い隠し、シトリとエメラの方向に爆散させる四月一日・いずみ。その間に砂塵の中へと姿を消し、再びその影を追うことはできなくなる。

「逃げられましたね」
「ええ、でもここからは逃げられないわ」
 シトリの指摘通り四月一日・いずみは取り逃がした。だがエメラの索敵ドローンは砂塵の外にも放ってある。この砂塵の中で猟兵達を倒すしか、彼女が逃げる術はない。そしてエメラとシトリと同様にまだまだその牙は彼女を狙っている。
 そのことを思案しながら、エメラは引き続き警戒を強めながら、敵を探すために全力を尽くすのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘NG
グロ描写NG
WIZ

本当に愛し甲斐のある姉妹ね。
でも、妹ちゃんなら
地の利なんて地形ごと切り裂きそうだわ

真の姿で背中に黒炎の翼。
守護霊の憑依【ドーピング】で更に戦闘力を高め
【オーラ防御・激痛耐性・気合い】で銃弾に耐え
飛んできた方向を【見切り】
【全力魔法】の『融霊』で炎属性の津波を放ち
銃弾も瓦礫もマグマに沈める

姉がマグマから逃げてる間に【空中戦】で
上空から【属性攻撃・乱れ撃ち】
雨の如く降り注ぐ黒炎が砂塵も銃弾も焼き尽くす。
これで視界良好。やっと美人を拝めたわ❤

抵抗しても無駄よ。
今の黒炎は【呪詛】を込めた【マヒ攻撃】
貴女はもう【残像】を追うのが精一杯。
【怪力】で抱きしめ【慰め・生命力吸収】よ❤



 拠点「ノーウッド」を象徴する市庁舎ビルの倒壊。「蒼銃弾」団長、四月一日・いずみの猟兵の一網打尽を狙った爆破は数多の瓦礫と砂塵を生み出し、視界を遮る世界を作り出している。
 今後のことなど一切考えていない四月一日・いずみ。支配など面倒は考えずただひたすらに敵を屠ることを考え、殲滅の為には破壊を撒き散らすことを厭わない。人間としての慈悲は欠片もなく、人の営みを気にしない。まさしく人を逸脱せしオブリビオンの所業である。
「本当に愛し甲斐のある姉妹ね」
 だからこそ、それでこそと半吸血鬼ドゥルール・ブラッドティアーズは頬を緩ませる。人に憐憫を感じず、人ならざる者に愛を囁く彼女には、四月一日・いずみの行いは褒め称えることはすれど、非難することはない。むしろそれでこそ、愛し甲斐のあると燃えるものだ。
 だがこの砂塵の中、四月一日・いずみを探し出すのは骨が折れる。だが確実にこちらを捉えているのは感じ取れる。その鋭敏で冷徹なる殺気がこちらに向けられているという事実さえ、ドゥルールにとっては喜びで背筋が震えるものだ。
「でも、妹ちゃんなら、地の利なんて地形ごと切り裂きそうだわ」
 だからこそ、ドゥルールは四月一日・いずみを挑発する。その攻撃方向を探り当てる為に初手のステルススナイプは撃たせるつもりだ。そしてその狙撃が敢行される前に真の姿を解放する。背中に黒炎の翼が燃え上がり、さらに愛すべきオブリビオンの守護霊達を身に宿し銃撃に備える。瞬間、肩に突き刺さる銃弾。激痛が走るが、ドゥルールは身体の動揺を抑え込み、銃撃方向を特定する。
「こんな銃弾では足りないわ。私の愛の力は無限大なのよ!」
 そして発動するはドゥルールの「融霊(フュージョニック・ファントム)」。今まで愛してきた者の力を束ね、事象に干渉する高度な死霊術。それはすべてを溶かすマグマの津波となり、四月一日・いずみに襲いかかる。
「時遡流銃術・叢雲!」
 砂塵や瓦礫を一切合切飲み込み襲いかかってくるドゥルールのマグマに対して、四月一日・いずみも銃弾の迷宮を招来して押し留める。銃弾がマグマに溶かされながらも次々と弾壁を展開することで防ぎ、その間に退避しようとする。だがドゥルールは愛を示さんと飛翔し迫る。
「これで視界良好。やっと美人を拝めたわ❤」
 上空から、雨の如く降り注ぐ翼からの黒炎を放つドゥルール。四月一日・いずみも銃撃と銃弾の壁をもって迎撃しようとするが、マグマの対応もあり手数が足りない。押し切られ、黒い炎が纏わり付く。
 それを見てドゥルールが急速接近する。銃撃をするには不利な距離。四月一日・いずみは離れようとするが思った以上に力が入らず、ドゥルールの抱擁に拘束される。
「これは……」
「抵抗しても無駄よ」
 四月一日・いずみを焼いていた黒炎は麻痺の効果を有した呪詛の炎。本来の力を発揮させず、自身の力で全力で締め上げるドゥルール。熱い抱擁で生命力を吸収すると共に、愛を確かめようとする。
「あら私、女もいけますのよ?」
 拘束を強くするドゥルールに対して、四月一日・いずみが行ったのは情熱な接吻だった。舌を口内に侵入させ、濃厚に絡ませてくる。思いがけない愛にドゥルールの顔が蕩ける。
 だがその力が快楽で緩んだことを確認した四月一日・いずみは至近距離からのサブマシンガンの連射を実行する。腹部に突き刺さる連続した痛みに、ドゥルールも距離を取らざるを得ない。拘束を解き逃れた四月一日・いずみは舌で唇を舐めながら再び砂塵の中に消える。
「私も楽しみたいですが、戦闘の味こそ今は至高ですので」

 そう言って気配が遠のくのを感じるドゥルール。今も残る舌の感触と、腕の温もりを感じながら、名残惜しそうに呟く。
「本当に情熱的な姉妹ね……」
 半吸血鬼は短時間ではあったが、美しきオブリビオンとの愛の語らいを愉しんだ。その味はとても蜜の味で、危険なものだった。それによって得られたものもドゥルールにとってはかけがえのないものだった。
 そして与えたダメージは着実に四月一日・いずみに積み重なっていく。そのたびに勝利へと近づいているのが、ドゥルールはそんなことは少しも気にしてはいなかった。ただ、頬を赤らめ去った獲物の方角を眺めるばかりであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

シルヴィア・スティビウム
さて、どうしようかしら……この砂煙の中では、視界は利かないところだけれど……
でも、あちらは正確に狙ってくる……
こういった状況に慣れているのか、それともそれ用の装備をしているのか
いずれにせよ、立ち止まっているのは危険ね
砂塵程度の環境なら慣れたものだけれど、見られているのは嫌な気分だわ
瓦礫を盾にしつつ、属性攻撃で砂塵に水分を纏わせる
かの者が遠くから狙撃するほど、漂う水分が距離を狂わせるはずだわ。多少の矢避けにはなってくれるかも
弾道から場所の特定をしてみるけど、相手も一つ所には留まらないでしょう
捕捉できたらアルジャーノンエフェクトで一気に攻勢に出るわ
40秒で寝ちゃうから、あとは他にお任せね。


アテナ・カナメ
【心情】死角からの攻撃…ここは勝負所ね…
宛那…ごめん、今度はもう、絶対に身体を傷つけないから!

【作戦】【第六感】を用いて敵からの狙撃を予見して【見切り】、回避するわ!そしてスーパー・アテナへとパワーアップしてその狙撃があった所まで飛翔。視界が見えない場合はマントを翻しながら回転して【吹き飛ばし】、そして敵がいたらそこをバーニングパンチよ!ガンフーは【怪力】、【見切り】で対処よ!



 死角が多くする存在する瓦礫。視界を負おう砂塵。今も崩壊が進む市庁舎ビル。拠点「ノーウッド」にて最終決戦の最中、猟兵達が立ち向かう戦場は明らかにこちらの不利を敵に設定されたものだった。
 下手をするとビルの爆破で潰されていた可能性もある。そこから命からがら逃げてきたシルヴィア・スティビウムとアテナ・カナメはお互いが協力して何とかここまで辿り着いていた。そして周囲は少し先すらも見えない砂埃が舞う。
 離れないように背中合わせで周囲を警戒するシルヴィアとアテナ。そして敵が放つ背筋が凍る殺気を感じ取り、この視界の中でも敵だけはしっかりとこちらを捉えているのがはっきりと理解することができた。
「死角からの攻撃…ここは勝負所ね…」
 アテナはファイティングポーズを取り、いつでも狙撃が来てもいいように対応を取る。よく言えば臨機応変、アバウトともとれる態勢だが、シルヴィアは考える。
「さて、どうしようかしら……この砂煙の中では、視界は利かないところだけれど……でも、あちらは正確に狙ってくる……」
 与えられた知識であっても、シルヴィアは最善を取れる方法を探り当てる。それを生かしてこその膨大なる知恵の有効利用というものだ。現状を把握し、最適な行動を取るこそが生存確率を上げることに繋がる。
 敵である四月一日・いずみはこういった状況に慣れているのだろう。そしてそれに対応できるだけの装備を整えている。いずれにしても、この場に立ち止まって対応することはかなり危険を伴うことだとシルヴィアは判断する。
「砂塵程度の環境なら慣れたものだけれど、見られているのは嫌な気分だわ。アテナさん」
「何?」
「ここは私に任せて。あそこに瓦礫に!」
 そう言ってアテナの手を引っ張って、付近の瓦礫に逃げ込むシルヴィアとアテナ。その動きを見て四月一日・いずみの狙撃銃が火を噴くが、シルヴィアの腕を掠っただけ済む。そしてその射撃方向から死角になっている瓦礫へと逃げ込む。
「……もうあの位置から殺気を感じない。次は別方向から仕掛けてくるわよ?」
 アテナが特攻して叩こうかと思ったが、すでに四月一日・いずみは縮地で別の場所へ移動を果たしたようだ。次はその瓦礫に隠れても関係ない場所からスナイプしてくることだろう。
「わかっている。水よ……」
 そういってシルヴィアは魔術を発動させる。傍にあったペットボトルから水を操り、砂塵へと染み込ませていく。水分を含んだ砂というのは重くなる。そしてその魔力を纏った水をシルヴィアは操ることができる。その砂と水を射抜き、二人を狙撃するには四月一日・いずみと言えども距離が遠すぎた。微細な変化に惑わされ、必殺の銃弾がシルヴィアの傍を通過して瓦礫に弾ける。
「そこっ!」
 瞬時に場所を把握したシルヴィアは能力「アルジャーノンエフェクト」を発動し、脳の演算速度を増強する。それによって魔力の詠唱・運用も格段に向上し、操る水の量や力強さも変わる。砂塵を取り込み始め、水を含んだ砂の大蛇とも呼べる生物がそこに生まれる。それをものすごい速度で四月一日・いずみの方向へと放つ。
「これは分が悪いわね。時遡流銃術・霧雨!」
 襲い掛かる砂の大蛇に狙撃銃は無駄だと判断した四月一日・いずみは、縮地を利用したガンフーで一気に距離を詰めて術者であるシルヴィアを排除しようとする。だが眼前に待ち受けていたのは、黄金の炎を身に纏ったアテナだった。
「宛那…ごめん、今度はもう、絶対に身体を傷つけないから!」
 だから無茶すると言わんばかりに、四月一日・いずみに接近戦を仕掛けるアテナ。「スーパー・アテナ」を発動し、絶対に負けないという意志が彼女の力を極限まで引き出す。
 すかさず四月一日・いずみはサブマシンガンと拳銃を構え、銃撃しようとするが翻したマントで視界を塞ぐアテナ。構わず撃ち抜いた時にはアテナは上空へと飛翔していた。
「燃えろ! 我が体! 叫べ! 悪を倒せと! その名は、スーパーアテナ!」
 そして炎を纏った拳が四月一日・いずみの顔面へと炸裂する。吹き飛ばされそうになりながらもガンフーの蹴りを喰らわせようとするのをしっかりとガードするアテナ。そして返す刀の蹴りが腹部に決まった時点で四月一日・いずみの身体が宙に浮く。
「ぐふっ……!」
 強烈な激痛と共に込み上げる自らの血。そして休む間もなく、襲い掛かってきたのがシルヴィアの砂の大蛇であった。空中ではガードしようもなく飲み込まれて、そのまま瓦礫の山へと激突する。轟音と共に崩壊する瓦礫に圧し潰されるまで砂の大蛇で拘束するつもりだった。
「あっ……時間……切れ……」
 だがアルジャーノンエフェクトの副作用がシルヴィアを襲う。今のシルヴィアの身体では脳の演算速度上昇は40秒が負荷限界であるのだ。そしてその後に起こるは昏睡状態である。
「ちょ、ちょっと大丈夫!?」
 困った人を見逃すことができないがヒーローというもの。倒れ込もうとするシルヴィアの身体を飛翔して受け止め、抱きかかえるアテナ。だがその間に大蛇の拘束から解放された四月一日・いずみは瓦礫の崩壊から辛くも脱出する。
 あの二人を襲撃するにはダメージが大きすぎる。そう判断し、一度仕切り直すために砂塵の中へと再び姿を消す。だが損傷はあまりにも大きい。

「ま、いいか。あの人はもう……」
 実際に拳を叩き込んだアテナにはわかってしまった。かの四月一日・いずみに終焉の時が近いということを。
 ならば自分でなくても猟兵の誰かが必ず討ってくれると信じている。ならば自分はこの腕の中に眠る少女を守るだけだと、心から思っていた。
 少女の決死の魔術に救われたヒーローは、その腕の中で眠るヒーローが起きるまで、目を離すことはなかったという。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

高砂・オリフィス
アビーさんと参加!

その作戦乗った! 撃たれる前に片付けるっ! アビーさんに合わせるよ!
使用するユーベルコードは《一撃必殺》
体勢を崩した相手に大ダメージを与えるんだ!

ダッシュやスライディング、跳躍を駆使してちょこまか動いて、隙を探るよっ。足捌きなら負けないからねっ!?
しゃにむに踏み込んで相棒が攻めやすいように!
――と、見せかけてぼくは動きながら攻撃の「タメ」をつくるっ
相棒が隙を作ってくれることを信じて、多少のダメージは凹まないヘコタレないっ!

見えたあっ! 渾身のアッパーカット!!

ナイスコンビネーション! ハイターッチ! イェーイ!


アビー・ホワイトウッド
高砂・オリフィスと参加

あれか。いこう、オリフィス。

いずみと他の猟兵との交戦が終わった瞬間を見計らい一気に接近、粉塵で姿を見失う前にオリフィスと2人で喰らいつく。

速い。ガンフー、予想より厄介。

近接したらコンバットナイフと拳銃を用いての格闘術で肉迫しながらUC発動。
とにかく距離を詰めて踏み込み、ナイフでの連撃で押し切りながら向けられた銃口を払い、こっちも瞬時に撃ち返して切る、突く。
こっちの強みはオリフィスと連携していること。
相棒が踏み込んだ瞬間にいずみの死角に回りこんで攻撃が途切れたら私がナイフ格闘で切り込む。
息をつかせないラッシュで主導権を握ろう。

無敵のコンビネーション。はいたっち、いえーい。


シン・コーエン
(状況を見て)確かに有効な手だ、通常ならば。
と、【威力を弱めた代わりに広範囲に広がる衝撃波と念動力】で砂塵をシンの周囲から吹き飛ばして視界を取り戻す。

派手な動きなので、いずみに目を付けられるだろう。
故に下手に動かず灼星剣と村正を抜き、【オーラ防御】を纏い、【第六感】を研ぎ澄ませ、いずみの攻撃を待つ。
いずみに縮地で迫られた瞬間、【残像】をその場に残し、【自身への念動力・空中浮遊・空中戦】で空に退避。
躱しきれない場合も【武器受けとオーラ防御】で防ぐ。

そのまま急降下しつつUC:灼刀乱閃&【2回攻撃・風の属性攻撃】。
十七連撃でいずみを斬り刻み、最後の一刀は最大の味方たるシン自身の脇腹を軽く斬る。



 一つの判断が生死を分かつ、決死の戦場。一つの油断が命取りになる、視界最悪の戦況。その中で戦う戦士達は、それぞれが最適解を瞬時にはじき出し、結果を出し続けなければ生き残れない。
 あれだけ高く聳え立った市庁舎ビルは粗方崩壊が終わり、崩れ落ちる轟音も今はない。巻き起こり続けた砂塵も、時間をおけばいずれは晴れることになる。そうなれば敵である四月一日・いずみにとっては勝機を逃すだけはなく、敗死も同然の状況に追い込まれる。
 故に彼女は必ずこの砂塵がある状態で仕掛けてくる。その確信がシン・コーエンにはあった。
「確かに有効な手だ、通常ならば」
 この視界の中で敵を確実に捉える方法があるのならば、この狙撃方法は理に適っている。それはシンも認める所である。だがしかし、相手が悪すぎたともいえる。かの男のサイキックによる念動力は何かを吹き飛ばすことに関しては得意中の得意である。
 とにかく砂塵さえ吹き飛ばせばいいということでシンは弱めではあるが広範囲の念動力の衝撃波の渦で、周囲の視界の邪魔になる砂塵を巻き上げる。轟風と共に視界が開ける。が、シンの周りに障害物はなく、四月一日・いずみからは丸見えとなる位置取りである。
 だが目をつけられることは承知の上。シンは灼星剣と村正を抜き、緩やかに構える。凪のように静かなオーラを纏い、感覚を研ぎ澄ませ、敵の攻撃を待つ。まさしく究極の待ちの態勢。視界の不利を吹き飛ばしたこのシンに狙撃は通用しないことは、その悟りの表情でわかりきったことだった。
 だからこそ四月一日・いずみは一瞬で距離を詰める。縮地による神速のガンフー「時遡流銃術・霧雨」。蹴りと共に、両手に構えた銃弾をシンへと解き放つ。
 しかし捉えたのは、シンが残した残像。四月一日・いずみが迫った瞬間に、念動力を足元で炸裂させ、空中へと退避。すかさず空中砲火に転ずる四月一日・いずみであるが、その両手の武器で受けきる。
「己が命を籠めた連閃、受けてもらおう!」
 急降下から放たれるは「灼刀乱閃」。自身の発するオーラが光り輝いた瞬間、敵に襲い掛かる風の魔力を纏いし十七の剣閃。瞬間の斬撃は四月一日・いずみの身体を容赦なく斬り刻む。
「がはっ! くっ……」
 自身の妹に迫るかのような連斬。だが自身の寿命を縮めないために自身を斬り裂かなければならないシンの最後の斬撃が脇腹を刻んだ時、四月一日・いずみにシンの間合いから脱出する機会が訪れる。
 すかさず縮地を使用して距離を開ける。そのまま再び砂塵に紛れ時を稼ごうとした四月一日・いずみ。

「あれか。いこう、オリフィス」
「その作戦乗った! 撃たれる前に片付けるっ! アビーさんに合わせるよ!」
 だが砂塵に消える前に四月一日・いずみに食らいつくのは、アビー・ホワイトウッドと高砂・オリフィスの二人のコンビ。この二人の作戦は到って単純なもの。他の猟兵との交戦が終わった瞬間を見計らい一気に接近、粉塵で姿を見失う前に2人で食らいついて倒すという作戦だ。
 そしてその作戦は猟兵達が蓄積したダメージ、そしてさきほどのシンが与えた切り傷により全快状態から程遠い四月一日・いずみを捉えることに成功する。
「邪魔ですね、貴方達。とりあえず離れてください!」
 「時遡流銃術・霧雨」のガンフーで二人を撃退し、砂塵へと逃げ込もうとする四月一日・いずみ。
「速い。ガンフー、予想より厄介」
「でも信じているからね、相棒! こっちも足捌きなら負けないからねっ!?」
 対するアビーはコンバットナイフと拳銃を用いての格闘術で対応しながら、能力「近接格闘術」も発動して敵の防御や回避のパターンを覚えていく。
 そしてオリフィスは「一撃必殺」の拳を握りしめつつ、機を待つ。その動きは軽快そのものでガンフーの銃弾や蹴りを軽やかに躱しつつ、ダッシュやスライディング、跳躍を駆使してちょこまか動いて、隙を探る動きをする。
 この戦いにおいてモノをいうのは手数である。人数で負けており、さらにとにかく距離を詰めて踏み込み、ナイフでの連撃で押し切りながら向けられた銃口を払い、瞬時に撃ち返して切り、突くアビー。しゃにむに踏み込んで相棒が動きやすいように攻めるオリフィス。
 まさしく二人の息ぴったりの連携が着実に主導権を握っていた。そして息をつかせないラッシュはオリフィスの踏み込みを警戒して隙を狙って、死角に回り込んだアビーのナイフによってフィナーレを迎える。
「この間合い…行ける。オリフィス!」
 繰り出されるナイフ格闘術。ナイフで斬り込むと同時に掌底を喰らわせて四月一日・いずみの態勢を崩すアビー。
「ぐあっ!」
 動きながらも攻撃のための「溜め」を作り続けてるのを忘れていなかったオリフィス。蹴りが身体にめり込もうと、銃弾を撃ち込まれてようとも凹まない、ヘコタレない。それはただ、愚直に信じていたからだ。相棒が最高のチャンスを作ってくれることに。
「見えたあっ! 渾身のアッパーカット!」
 体勢を崩した相手に大ダメージを与える「一撃必殺」の拳。そのオリフィスの全身全霊の拳撃が四月一日・いずみの顎に突き刺さり、撃ち抜かれる。顎を粉砕し、頭蓋骨にヒビが入り、脳漿に致命的なダメージが入る。さらに首を吹き飛ばすほどの衝撃は脊柱などの神経系にダメージを与えるには十分で、空中に舞って地面に叩きつけられる頃には、四月一日・いずみはもはや身体を満足に動かすほどもできないほどの致命的機能障害を負っていた。
「無敵のコンビネーション。はいたっち、いえーい」
「ナイスコンビネーション! ハイターッチ! イェーイ!」
 完璧なコンビネーションアタックを決めたアビーとオリフィスの二人は、両手を合わせて喜ぶ。その姿はまるで仲のいい姉妹のようであった。それを見て、すでに意識画朦朧とし出した四月一日・いずみは死を前にして思う。
「……私…達も…二人であれば……負けなかった…かしら?」
「ああ、そうだろうな」
 すでに頭蓋と脳、背骨を破壊され生命の終わりを見たシンは四月一日・いずみの前に立ち、崩壊を見届けている。それは戦士が敬意を尽くす為でもあった。
「お前は俺が戦うに値する、尊敬できる強敵だったぞ。四月一日・いずみ」
 そのシンの言葉に、顎を砕かれた顔で微かな笑みを浮かべると四月一日・いずみは砂塵と共に消え去っていった。シンはまた一つ強くなり、戦いを乗り越えた。隣でおおはしゃぎで喜ぶ二人を見て、その事実を喜ぶと共に勝利したことをノーウッドの市民へと伝えねばと思うのであった。


 こうして二つの無法者集団「真紅刀」「蒼銃弾」は壊滅し、破壊を巻き起こす四月一日姉妹も戦場の中で散った。これだけでも近隣地域への被害は大幅に減ることになるだろう。
 だが拠点「ノーウッド」も完全無事ではない。先に乗り込んだ「蒼銃弾」が巻き起こした被害、二つの集団が激突した際に発生した損害、四月一日・いずみの爆破で崩壊した市庁舎ビルの後始末。やることは山積している。
 しかし猟兵達の奮闘により、市民の多くは助かり、拠点機能も生き残った。今はそのことを喜ぶとしよう。生きていれさえすれば、人はまた逞しく再生するのだから。それこそが人の可能性というものだと、アポカリプスヘルという地獄の世界でも証明するために、今日も生き続けるのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年03月07日
宿敵 『『地断つ災厄』四月一日・ほむら』 『『天穿つ災厄』四月一日・いずみ』 を撃破!


挿絵イラスト