6
森に抗う小さな希望

#アックス&ウィザーズ

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#アックス&ウィザーズ


0




●森の王に挑む者
 かさり、かさり。茂みを踏む音。身を潜めて『獲物』を狙う影。
 『獲物』は湖で水を飲んでいる。立派な角に青い身体。間違いない、奴だ。
 影は唾を飲み込み、手に持った弓矢に手を掛ける。弓を構え、静かに『獲物』へ矢の先を向ける。
 狙うは後ろ足。木々の芽吹かせるその足を、この弓矢で貫こうとしている。
 鼓動を抑える為に最後の深呼吸を終えると、影はぐっと弓を引く。そして、放った。
 後ろの脹脛に刺さる弓矢。『獲物』は驚くものの、血など流れはしない。
 『獲物』は弓矢の飛んできた方向へ顔を向けた。気付かれた。もう逃げる事など出来ない。
 勇気を振り絞り、影は両手に剣を構えると茂みから姿を現した。

「……お父さんと、お母さんの、敵討ち……!」

 現れた影の正体は、まだ幼い顔をした少年。
 森の王は咆哮をあげる。幼くも勇敢な勇者に立ち塞がる、巨大な壁として。

●ローズウェルの情報
「皆さん、皆さん、至急のお仕事なのです!」
 ローズウェル・フィリンシア(太陽と月の神子・f09072)が慌てた様子で猟兵達に話し掛ける。
「小さな男の子が森の中へ行ってしまったのです。目的は『両親の敵討ちの為、樹海の幻獣を倒す事』なのです。私達の様ならまだしも、彼は猟兵ではありません! 危険です!」
 場所はアックス&ウィザーズ。とある場所にある森の中である。
「男の子はそれなりの武装をしていました。両親が戦士だったのでしょうね。とはいえ特別な力を持っている訳ではありませんから……何が起きてもおかしくありませんよね?」
 心配そうにそわそわするローズウェル。
「彼が狙っていた幻獣というのは、ヒューレイオンと呼ばれる樹海の守護者です。小枝一本折っただけでも許さず復讐を行う、惨忍な性格だと聞きます」
 そのヒューレイオンに子供一人が勝利する事など、難しいだろう。
「皆さんには一刻も早く現場に行って貰い、男の子を助けて欲しいのです! ……なのですが」
 と、ローズウェルの声は小さくなり、視線を下へ落とす。
「……男の子の居る場所へ向かうには、朽ちた城にある秘密の通路を見付けなければいけません」
 彼女がグリモアで案内するのは森の中ではない。水門の如く築かれた廃城の前である。
 廃れてしまった城は既に魔物の巣窟と化している。そこに隠された秘密の通路の先に、ヒューレイオンの住む樹海が広がっているという。
「地図はあります。勿論隠し通路等は書かれていませんが、参考にはなるかもしれません」
 差し出された地図はボロボロだったが、使えない事はない。目を薄めれば何とか見える道もある。
「魔物も多いですし、トラップもあるかもしれません。急ぐにしても無理は禁物ですね、どうか気を付けて下さい」
 どうかここを突破し、森の奥へと進んで欲しい。そうローズウェルは猟兵達に伝えた。
「城を抜ければ現場は近いはずです。男の子を見付けたのならば、まずは保護をしてあげて下さいな!」
 子供の保護をしつつ戦うのは難しいだろうが、指示すれば素直に言う事を聞いてくれるだろう。
 子供と協力して戦う事も構わないが、期待はしない方がいいだろう。更にトドメは猟兵達で行わなければならない。
「大変なお仕事ですし、私も行きたかったのですが……見てしまった以上、私は皆さんのサポートに回らなければいけません。私の分まで、頑張って下さいね!」
 吉報をお待ちしております! と、ローズウェルはにっこり笑って見せた。


ののん
 お世話になります、ののんです。

 ●状況
 アックス&ウィザーズが舞台となります。
 廃城を超えた先にある樹海が戦場となります。

 ●子供について
 弓と剣で武装をした子供。年齢は8歳くらい。しっかりとした性格。
 ボス討伐と同時に彼の救出も判定のうちに入ります。
 戦闘に参加させても構いませんが、戦力は期待しない方がいいでしょう。
 トドメは猟兵の皆さんでさして下さい。

 ●プレイングについて
 お気軽に、ご自由にお書き下さい。
 キャラ口調ですとリプレイに反映しやすいです。
 また、お友達とご一緒する方はIDを含めて名前の記載をお願い致します。

 ●リプレイについて
 アドリブ等を入れる事が多いので、苦手な方はその旨をお伝え下さい。

 以上、皆様のご参加お待ちしております。
74




第1章 冒険 『廃城に隠された秘密を追え』

POW   :    魔物を掃討。探索に集中できるように露払いといこう

SPD   :    侵入者を撃退する罠等は今も生きている。トラップや開錠を試みる

WIZ   :    ○○がどこにあるか地図などを使って怪しい場所、隠し通路などがないか探してみる

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

カナ・リーアス
【心情】うーん、とりあえず男の子を助ける為にも地図見つつボロ城を探索するんだよー!出会った魔物は即刻倒す感じでいくんだよー!
【作戦】地図を目当てに隠し通路を探索して、魔物に出会っても、一体なら討伐していくよー!複数やどうあがいても勝てそうにない敵の場合は逃げるんだよー!もし他に仲間がいれば連携するんだよー!


ノルナイン・エストラーシャ
未来ある子供を、危険に晒す訳にはいきません。

まずは廃城の攻略から。シーフとしての腕が鳴ります……が、私より適任な私に頼みましょう。【非認証機能・矛盾存在】を起動して、犯罪者(シーフ)としての道を歩んだ自分を呼び出します。
今回の依頼はあなた好みですよ、もう一人の私。

『廃城の罠か。主を失っても動き続けるとは殊勝なことだ。
【世界知識】を活かしながら調査し、私にわかる範囲で罠や鍵を解除していく。出来るだけ解除しておいた方が、後続の猟兵にもありがたいだろう。
もし子供の足跡や、戦った痕跡などがあれば、それも記録しておく』

早く子供が見つかれば良いのですが。
『そうだな』

※アドリブや他の猟兵との絡み大歓迎


カナカナ・リッタリア
【WIZ】地図を見ながら隠し通路を探してみようかな

■行動
男の子が先に進んでるって事は、彼の足跡とか痕跡が残ってるかも
魔物から身を隠しながら進んだのかな?
物陰だとか、小さな男の子が入れそうな場所中心に探してみよう

廃城の隠し通路ってことは、王族が逃げる為の通路だったのかな?
それなら王族の部屋だとかにあるかもしれないよね

両親の敵を撃つためにたった一人で幻獣に挑むなんて
無謀な行動とも言えるけれど
勇気ある彼の未来を、僕等で守ってあげたいよね

小さな勇者君の為、先を急ごうか



 大きく聳え立つ城は朽ちていても立派なものであった。いかにしてこの城は廃城となり魔物の住まう場所となってしまったのか。それはまた別のお話。

「うーん、外見は立派だったのに、中はお化け屋敷だよー」
 カナ・リーアス(鬼の元気っ娘・f04987)は何処か残念そうにそう呟いた。
 そう、立派なのは外見だけであった。古い地図そのものが物語るように、城も朽ちてからそれだけの歳月が経っているという事だ。手入れなどされているはずがない。
「まぁ仕方ないよ。観光に来た訳じゃないし、早く小さな勇者君の元へ急ごうか」
 カナカナ・リッタリア(七つの赤薔薇・f04382)が両手で彼女の頭をぽんぽんと叩いて励ます。
「えぇ、未来ある子供を、危険に晒す訳にはいきません」
 ノルナイン・エストラーシャ(旅する機械人形・f11355)も気を引き締め、廃城へと足を踏み入れた。
「まずは何処へ向かいましょうか。小さな子供が突破出来たのですから、何か痕跡が残っているかもしれませんね」
「そうだね、僕が思うには」
 と、ノルナインの広げた地図にカナカナが降り立つ。細い腕を伸ばし指さしたのは、奥にある大広間らしき場所。
「ここ、場所的に王族の部屋っぽい気がするな。廃城の隠し通路ってことは、王族が逃げる為の通路だったのかもね?」
「なるほどー、それじゃあそこを目指してみるんだよー!」
 カナが元気に手を叩く。三人の方向性は決まったようだ。

 進めば進むほど魔物の数は多くなった。しかし一体一体の強さは思っていたほど強くはない。
「ワタシのお尻からは逃げられないんだよー!」
 先陣を切るカナが強烈なヒップアタックを繰り出せば、魔物は勢いよく吹っ飛んでいく。その間に三人は素早く横切り奥へ進んでいく。
「おっと……これはワタシでも気付くトラップ! ノルナイン宜しくだよー!」
「簡単だ、下がっているといい」
 ぴたりとカナが足を止めた先の頭上には、今にも落ちてきそうな岩が一つ。そこへ現れたのは『もう一人』のノルナイン。非認証機能・矛盾存在にて召喚した『犯罪者としての道を歩んだ自分』である。
 もう一人のノルナインが周囲を確認し、足を大きく踏み込むと、
「来る」
 すぐさま後ろへ下がる。天井に浮かんでいた岩はぐらりと揺れ始め、ずしんと重みのある音を聞かせ落ちて来た。
「スイッチ式ではない、音を立てれば作動するタイプの罠だな」
「ふぅん、勇者君がここを通ったかは分からないけれど……これも掻い潜って来たって事だよね」
「隅を通って来たか、或いは罠確認に慣れていたのか。どちらにせよ冒険者として良い腕は持っているようだ」
「流石勇気ある男の子、か」
 カナカナが感心しながら岩を飛び越えると、その奥へ大きな扉を発見する。
「うん、地図の場所的にも、あそこが王家の部屋かな」
「よーし、もうちょっとだよー! 敵は任せて欲しいんだよー!」
 道を塞ぐ魔物に、カナが元気に飛びついていく。

 ドーン! と勢いよくお尻で扉を開けたカナ。最初の予想通り、ここが王家の部屋で間違いないようだ。
「隠し通路っぽい場所、あるかなー?」
「探してみましょう。痕跡さえ見付かればこちらのものです」
 魔物や罠がない事が確認出来れば、三人は分かれて部屋を調べ始める。
 カナカナは小さな体で二人の入れない隙間を覗いていく。埃だらけで入りづらい場所が殆どであった中、一つだけ違う場所を発見する。
「二人共、見付けたかもしれないよ」
 呼んだ場所はベッドの真下だった。その部分だけ埃が綺麗にないのだ。
「誰かが這った跡にも見えるんだよー」
「となりますと、ここが……?」
 カナとノルナインは力を合わせてベッドを動かす。やはり所詮は年季の入ったもの、女性二人でも動かす事は容易であった。
「よいしょっと! ……ふんふん、床に隠し扉っぽいものが! 開ける?」
「そうですね」
 ノルナインの許可にカナが扉を開けてみると、そこには梯子と暗闇が広がっていた。
「風の音はない……まだまだ迷宮は続いていそうだね。慎重に降りよう」
「そう簡単には出られませんか。早く子供と会わなければいけないのに」
「あぁ、勇気ある彼の未来を、僕等で守ってあげなければね」
 三人の探索はまだ続く。しかし出口らしき場所へ、一歩近付く事は出来たようだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シャルロッテ・エンデ
「予知とか転移とか…あんたしゃんは神様でちか」
彼女の立場は、つい最近猟兵のことを知った冒険者

男の子は、シャルロッテちゃんにまかせるでちよ
あたちも、パパとママがだいすきだから!

廃城をぬけてかないとダメなんでちか
こーゆーお城には、いざってときの抜け道があるはず
さがすなら地下でちよ、ドワーフのおやくそく!

アースジャイアントを前に出して
魔物を退治しながら中を探索
(ボロボロの地図は新しい羊皮紙に描き写して
見やすくまとめ、積極的に情報交換して更新
そこはさすがに、この世界の冒険者)

ワナがあっても、たぶん
大地の巨人はビクともしないでちよ?

他の猟兵に出会ったら
「あたちは、おこさまじゃないでちよ!」


アヤカ・ホワイトケープ
敵討ちとは言え、力の無い子を見殺しにする事なんて…出来ないわ!
急いで追い付いて、手助けをしないと…!

【WIZ】
地図があるなら有効活用するとして、【視力】を生かして何かしらの通路を発見してみるよ
暗くなっている所ならわたしの機械の目は【暗視】も使えるし、そこで罠や隠し通路を発見してから、【情報収集】をしつつ仲間のみんなと得られた情報を共有するね
他には【第六感】で何かを見つける事が出来ないかしら?
あと重そうな物や扉とかがあれば【怪力】でなんとかならないか、やってみるね

場所柄、ここは危険な場所だと思うし…なるべく仲間達とはぐれないように行動した方がよさそう、かな?


エクサ・カラーヌド
グリモア猟兵ダッタカ。

バイクデ廃城ヲ駆ケ巡リツツ魔物ヲザックリ掃討ダ。
遠クノ敵ニハアサルトウェポンノ2回攻撃+範囲攻撃+鎧無視攻撃、近クノ敵ハ我背立不能デ真ッ二ツダ。

バイクノ体当タリデ壊セル壁モアルカモナ。要望アレバ体当タリシテモ構ワンゾ。
俺モコイツ(※バイク)モ石頭ダカラナ。



 廃城の中で大きな物音が鳴り響いていた。
 それは魔物が攻撃を受ける音、それによって壁や床が破壊される音。そしてエンジン音。
「ヤレヤレ、想像シテイタヨリモ柔イ奴等ダナ」
 エクサ・カラーヌド(テレビウムのスターライダー・f02365)がバイク【愚者の見上げし黄金龍】に乗って宙返りし、仲間の元へ帰って来る。
「全くでち。大地の巨人もビクともしてないでちよ」
 シャルロッテ・エンデ(暁のびしょうぢょ神官・f12366)の操る大地の巨人も次々と魔物を吹き飛ばしていく(罠も作動しているのかもしれないが、巨人はそれに気付いていないようだ)。
「こんな魔物よりも、あたちは予知とか転移とかの方が驚くでち……」
 最近猟兵の事を知ったという彼女。その面に関しては初心者でも、冒険者としてはそうではない。しっかりと羊皮紙に地図を描き写しては仲間と確認をし合う事にしている。
「そちらは何か気付いた事、あったでちか?」
「そうね、今のところは罠も特になさそうに見えるわ」
 アヤカ・ホワイトケープ(ロストイノセント・f00740)も自身の持つ地図と周囲を見比べながら歩く。
 多少暗い場所ならば、彼女の目は視える。先陣を切って進んだ仲間達が残した跡を頼りに、三人も敵を蹴散らしながら進んでいた。
「取リ敢エズハ前進アルノミ、カ」
「そうでちね、大地の巨人もれっつごー、でちよ」
 エクサはバイクをふかすと、魔物の群れに向かって思い切り突っ込み、切り刻んでいく。シャルロッテの大地の巨人も負けじと、大きな腕を振るって魔物を押し潰していく。
 前衛に出て活躍する二人を心強く感じるアヤカ。その分進む道を指示し、隠し通路を見逃さない様にする。

「ちょっと待って、何か来る!」
 アヤカがエクサとシャルロッテを止めると、その先に広がる暗闇をじっと睨み付けた。彼女にだけは何かが見えているようだ。
「敵でちか? 任せて欲しいでち」
「準備ナラ出来テイル」
 二人が身構えると、暗闇の奥から現れたのは、巨大な石像。剣を持った石像が一歩、また一歩と動き、こちらに近付いてくる。
「おぉ、ちょっとは歯ごたえがありそうでち」
「デハ行コウカ、少女ヨ」
「あたちは、おこさまじゃないでちよ!」
 そう返されつつ、先に動いたのはエクサのバイク。エンジン全開、真向正面から石像へ向かっていく。
「俺モコイツモ石頭ダカラナ」
 バイクはブレーキを掛ける事を知らない。その勢いを増して石像へと突っ込んでいく。
 再び響く巨大な音。エクサの乗るバイクは石像の右足を貫いた。
 ぐらりとバランスを崩したそこへ、シャルロッテの大地の巨人が右ストレートをぶちかます。ばらりと崩れ行く石像。
「マダ奥ニ居ル。気ヲ付ケロ」
 崩れた石像の奥からエクサの声が響く。シャルロッテはアヤカに待機するよう指示し、エクサの救援へ向かっていった。

 さて、残されたアヤカ。このまま何もしない訳にはいかず、改めて地図を見ながら周囲を確認した。
「……ここ、何か違和感があるのよね。もしかしてこの壁かな?」
 左を向き、壁の汚れを少し振り払ってみると。うっすらと縦に線が入っているのが見えた。
「ここ、もしかして扉なの? 長い間開かれてないだけど……」
 ちらりと視線を下へ落とす。よく見ると小さな抜け穴が開いている事が分かる。
「……潜って通った可能性はあるわね」
 となれば試す事は一つ。アヤカは隠された扉に向かって両手を添えると、思い切り力を入れてみる。
「ふんっ」
 ぐっと力を振り絞り、押してみる事三秒後。長い年月閉ざされていた扉は、みしり、みしりと埃と砂を舞い上がらせながら静かに開き出した。
「ふぅ、流石に重かったかな。二人が帰ってきたら教えないとね」
 その二人が帰って来るのも、そう長くは掛からなかった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

天星・暁音
俺は両親からは嫌われてたし、正直かなりあれな事もされたから、余り良い感情はないけど…
普通の子供が両親を殺されら敵討ちに走るのも無理はないよね。
うん、俺にも家族だって言える人が出来たから気持ちはちょっと分かるけど…でも今回のこれはただの無謀で下手しら自殺と何も変わんないよ。
悲しくて辛いかもしれないけど…生きていかないと…
追跡者で追跡できるかは分かんないけど念の為に命じて、俺は地図から何か見つけられないかやってみよう。


情報収集や世界知識で地図から怪しい場所を探しつつ念の為に追跡者を呼びだし男の子を追わせてみます。


グァーネッツォ・リトゥルスムィス
すぐに少年の所に向かいたいが、
ここは耐え忍んで確実に廃城の踏破を目指そう

魔物との戦闘では積極的に前に出て
壊しても安全な物をわざと破壊して
オレに注意を向かわせてみるぜ
勿論重傷にならない様見切りや野生の勘、武器受けで
攻撃を捌きながら排除を狙うぞ
「さあどいたどいた!逃げないと大怪我するぜ!!」

罠はなるべく避けたり他の猟兵の解除に頼るが、
解除出来ない類の罠ならグラウンドクラッシャーで地形ごと破壊して無力化を試みる
あ、壊れた地形に巻き込まれない様に注意するぜ
「力押し、ゴリ押しなら任せておけ!」

※アドリブも他参加者との絡みも大歓迎!


ソラスティベル・グラスラン
ふふふ、その勇気、実に見事!
理由が敵討ちと言えど、彼の行動は勇気ある者です!
ならば力添えをしない理由などありますかっ、死なせてしまうにはあまりに惜しい。
急ぎましょう、彼を降りかかる危機から救う為に!

足を止めてはいられません、魔物やトラップが何だというのか!
時は一刻を争うのです、いざ【勇気】ある進軍を!
城の魔物はわたしに!皆さんは秘密の抜け道を探すのです!
先駆けて【範囲攻撃】で魔物を残さず打ち倒し、
【第六感】にて何か感じる方向へ道を開きます。
味方に迫る脅威は【かばう】、【オーラ防御】、【盾受け】
トドメに見せるは我が勇気のそのもの、威力を高める【勇者理論】!!
去りなさい!去るならば追いはしません!



「さあどいたどいた! 逃げないと大怪我するぜ!!」
 巨大な音を立てて大行進する音。それはグァーネッツォ・リトゥルスムィス(超極の肉弾戦竜・f05124)が武器で魔物を薙ぎ払い地形を破壊する音である。
「理由が敵討ちと言えど、彼の行動は勇気ある者です! 力添えをしない理由などありますかっ、死なせてしまうにはあまりに惜しい」
 子供を称えるソラスティベル・グラスラン(暁と空の勇者・f05892)も元気に腕を振り上げ、意気揚々と前へ進み出る。
「急ぎましょう、彼を降りかかる危機から救う為に! いざ勇気ある進軍を!」
 二人が魔物を排除していく後方にて、天星・暁音(貫く想い・f02508)は一人笑顔なく考え込んでいた。
 まだ幼いが、彼は両親に良い感情を持っていない。気持ちが全く分からない訳ではないが……。
「(でも今回のこれは、ただの無謀で下手したら自殺と何も変わんないよ)」
 悲しくて辛くても生きて欲しい。その思いを届ける為にも。暁音は地図を握り締め廃城の突破を目指す。
「おっと、デカい奴がお出ましだぜ。暁音、下がってろ」
 グァーネッツォが暁音の進行を止めると、その目の前には巨大な石像が立ち塞がっていた。ただの石像ではない、動いている。
「よっしゃ、力押し、ゴリ押しなら任せておけ!」
「ふふふ、魔物やトラップが何だというのか! さぁ、私達が抑えているうちに! 秘密の抜け道を探すのです!」
 ソラスティベルも武器を構え地を蹴る。暁音は戦闘に参加しない分、森への抜け道を探す事にする。
「……影の追跡者」
 そう呟くと、自身よりも小さな影が現れた。薄暗いこの場所では更に姿は見え難い。命令を受けた影は抜け道を探すべく闇へ消えていった。

「勇気で攻め! 気合で守り! 根性で進む! 一部の隙も無い、完璧な作戦ではないですか!」
 ソラスティベルの勇者理論はどんどんと自信を強化していく。彼女は攻撃を避ける事などしない。真向正面から攻撃を受け止め、味方の盾となり、敵の隙を作る。
 彼女が攻撃を受け止めている間にグァーネッツォがグラウンドクラッシャーで強烈な一撃を炸裂させる。地形を変える程強力な一撃は、動く石像をも粉々に粉砕してみせた。
「さて、粗方破壊した気はするが……?」
 と、グァーネッツォが上を向き目を細めると、そこには更に巨大な石像が立ち塞がっていた。が、それが動く様子はない。
「この空間、よく見たら黄金の像がいっぱい……まるで儀式でも行う場所みたいですねっ」
「地図の構造的にそうみたい」
 と、ソラスティベルの後ろから声を掛けたのは暁音。
 円状の部屋、壁に並ぶ黄金の像。ここが地下の最奥部のようだ。
「ここに隠し通路があるのか? 虱潰しに探すのは……」
「大丈夫、もう調査済みだよ」
 と、周囲を見渡すグァーネッツォに、とある方向を指さし振り向かせる。
 部屋の出入口を6時とするならば、暁音が指さした方向は2時。
「あの像に子供が入れる程の穴が空いていて、外の風らしき音も聞こえたんだ。……恐らくあれが正解だと思うよ」
「なるほど! それでは壊してみましょう!」
「壊すなら任せな!」
 目標の像へ近付くと、二人は頷き、息を合わせて武器を振るった。像の足元と壁を抉る攻撃。ぐらりと像が崩れる(暁音はグァーネッツォに抱えられて避難した)。
 砂煙が落ち着いた頃にもう一度近付き、地位無さ通り穴を武器で壊し広げていく。
 それは地道な作業ではあったが、確かに風が頬を撫でる感触が次第に強くなっていく事を三人は感じた。

 そしてとうとう、暗闇に外の光が差し込んだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『荒ぶる山神』

POW   :    握り潰す
【人ひとり覆い隠すほどの掌】が命中した対象に対し、高威力高命中の【握り潰し】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    踏み潰す
単純で重い【地団駄】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
WIZ   :    叩き潰す
【大きく振りかぶった拳】から【地震】を放ち、【その振動】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 眩しい程に浴びる太陽の光。生い茂る森の中とは言え久々に見る光は眩しかった。
 何とか廃城を突破した猟兵達。今度は静かな森へと足を踏み入れ少年のいる奥へと目指し始める。

 しかし、やはりと言うべきか、森の様子はおかしかった。
 一人の猟兵が何かに気付き、動きを止めるよう全員に声を掛けるまでは、誰もが気付かなかった。
 森の木々が動いている。まるで迷い込ませるかのように。
 ざわりざわりと風に揺れる音と共に、雨の様に降る葉。そして見えたのは、人間の腕のような木の根。
 これは森ではない、魔物だ。誰かがそう叫ぶと同時に、猟兵達は武器を構えた。
 どうもこの木々達は、ただでここを通してくれる訳にはいかないようだ。
カナカナ・リッタリア
へぇ、森自体が魔物だったなんてね
随分と大きい…

■戦闘
【グラフィティスプラッシュ】で自身の足元の地形を塗り潰し
初めに自身を強化する
先を急いでるんだ、早めに決着をつけさせてもらうよ

その後相手を狙い撃つ
的が大きい分狙いやすいよね
折角だから、僕の武器でお色直ししてあげるよ
花が咲いていた方が綺麗でしょ?

誰かが攻撃を受けそうになったら【七つの薔薇の抱擁】で動きを止めよう
僕の両腕じゃあとめられないから、代わりに茨で抱きしめてあげる
僕が拘束しているうちに、早く!

皆と連携しながら手際よく敵を倒していこう


シャルロッテ・エンデ
う〜、めんど〜でちね!
はやく男の子のとこへいきたいのに
◆アースジャイアントしゃん、おねがいするでち!

大地の巨人を呼び出し最前線へ突撃させ
あたちは狙われにくい後ろから、メイスを両手で握って操るでち
おっきなメイスで、足払いかけて
敵を転ばせるでちよ

210cmの巨人では
たぶん、敵しゃんよりち〜さいでちゅからね

さらに、視線で◆極星光の狙いをつけて
近くの味方を援護するでち
オブリビオンだけにダメージをあたえるから
誤射の心配もなく、きがるにバンバン使えるでち!


カナ・リーアス
な、なにこの森ー!森自体が怪物なんだよー!で、でも男の子の為にも負けられないんだよー!!

【作戦】仲間と連携。敵の攻撃には見切りで対応するんだよー!二回攻撃を駆使したヒップドロップで木なんて砕いてやるんだよー!!

アドリブ歓迎



「な、なにこの森ー! 森自体が怪物なんだよー!」
 カナ・リーアス(鬼の元気っ娘・f04987)が驚いて空を見上げる。
 更に体の小さいカナカナ・リッタリア(七つの赤薔薇・f04382)とシャルロッテ・エンデ(暁のびしょうぢょ神官・f12366)にとって、木々など別のものに見えているだろう。
「う〜、めんど〜でちね! はやく男の子のとこへいきたいのに」
 シャルロッテがぷくりと頬を膨らませる。
「森自体が魔物だったなんてね。さっさと決着を付けさせて貰おう」
 カナカナが武器を取り出し地面を塗ろうとした瞬間、山神の一人が腕を振るい上げる。
 それに気付いたカナが小さな彼女を両手で包むと、後方へ一回転し山神の一撃を間一髪免れた。くるりと着地をすると、折れて倒れた大木の上へそっと両手を広げる。
「はい、ここで!」
「ありがとう、大きすぎると逆に動きが見えないね……」
「ならば動きを封じるでち!」
 任せるでち、とメイスを握ったシャルロッテが勇敢にも山神へ立ち向かう。
 近付くドワーフに山神は再び腕を振るい上げる。しかしそれは既に見切った攻撃だ。
「導きの光、迷える亡者をあるべき場所へ!」
 シャルロッテが相手を睨むと、空がきらりと輝く。輝いた場所から流れ星のように光が落ちて来る。
 次々と降り注ぐ光は山神の腕を貫き、風穴を開けていく。ゆらりとバランスを崩す山神。
「今でちよ!」
 相手の足元まで辿り着いたシャルロッテ。両手に握った大きなメイスを思い切り横一線へ薙ぎ払うと、山神は巨大な音を立てて背中から倒れていった。
「小さいからってナメちゃ駄目でち」
「相手が倒れたよー!今のうちなんだよー!」
 れっつごー! とにっこり笑うカナ。倒れた山神の体を軽快に登っていくと、山神の腹部で思い切りジャンプをする。
「お尻でドーン! なんだよー!」
 急降下するヒップアタック。そのお尻はまるで隕石でも落ちて来たかのよう。着地と同時にみしりと山神にヒビが入る。
「もういっちょ! なんだよー!」
 それを更にもう一回。高く飛び上がっては隕石の如く急降下。ドシンという重い音と共に、山神の体は砕けていった。
「うん、良い調子だね」
 仲間の二人の様子を見て頷くカナカナ。武器をくるりと回し、自身の足元を塗り潰す。
 自身のドレスと同じ赤色に塗り潰すと、薔薇の紋章は輝き出しカナカナの魔力を強化させた。
「折角だから、僕の武器でお色直ししてあげるよ」
 花が咲いていた方が綺麗でしょ? と彼女は微笑み。しかしそれは朽ちた山神に伝えたものではない、彼らは一体ではないのだから。
「次はこっちの番だからね」
 後ろを振り向き、自分を狙おうとする山神へ目を向けると、カナカナは高く飛び上がり、その太い腕へ向けて塗料を飛ばす。
 真赤な腕輪を描かれた山神は痺れるような感覚に陥り、その動きを鈍らせる。
「もっと華やかにしてあげる。だから暴れちゃ駄目だよ?」
「お洒落をするなら耳に穴も開けるでち。……耳が何処か分からないでちが」
「そのままスマートな体型に削ってあげるんだよー!」
 動きを封じた山神に、シャルロッテは流れ星を呼び、カナは素早く飛び上がる。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

天星・暁音
こっちは急いでるんだ。悪いけど邪魔される訳にはいかない。
手加減はしないよ。
それにしても勇気…勇気かぁ。
俺から見るとその子の行動とても勇気とは言えないのだけど…
まあそこは個々人の考え方の問題か…
それにしても、森の中だからただふっ飛ばす訳にもいかないね。


全力魔法、高速詠唱、範囲攻撃、スナイパー、誘導弾等を駆使してなるべく森への被害を減らしながら敵を攻撃。
弾幕を抜けて来た相手は銀糸で縛り足止めしてその間に狙撃します。

第六感、世界知識、追跡等で男の子の痕跡を探すことも忘れません。



「こっちは急いでるんだ。悪いけど邪魔される訳にはいかない」
 天星・暁音(貫く想い・f02508)は星杖シュテルシアを地面へ叩き付けると、巨大な魔法陣を展開させた。
 巨大な木々に囲まれながらも落ち着いた様子で目を閉じ、静かに詠唱していく。
「遥か彼方より全ての境を越えて、神威を此処に天翔けて来たれ」
 魔法陣が虹色に輝き、その瞬間、少年は強く目を開く。
「虹の制裁!!」
 少年の足元から解き放たれたのは無数の虹色の光線。それはまるで生き物かのように動き、周囲を囲む山神達に向かって突撃していった。
 小さな主を守る虹色は森を汚さず、襲い掛かる悪のみを貫いていく。
 一体の山神は自身に風穴を開けながらも、その巨大な腕を振るい地震を起こす。その地震によって魔法陣を破壊しようと考えたのだろうか。確かに地割れによって魔法陣は崩れると、光線は姿を消してしまった。
「何、地面があれば魔法陣なんていくらでも描けるんだ」
 一度壊されたくらいで凹むような子供ではない。暁音は表情一つ変えず、手早く次の魔法陣を描いていく。

 ただただ木々達を相手にするだけではない。彼は救わなければならない者の事も頭に入れていた。
「(方向は……ここから北東辺りかな)」
 虹色に守られながら、ちらりとその方向に目を向ける。
「(それにしても、勇気……勇気かぁ)」
 少年の行動は果たして勇気なのだろうか。暁音にとっては疑問に残り、どうしても引っ掛かってしまう。
 勇気と無謀は違う。では何が勇気で、何が無謀なのだろう。
 ともあれ自殺行為である事には変わりない。それだけは何としても、止めなければ。

成功 🔵​🔵​🔴​

ソラスティベル・グラスラン
わたしたちが進むのは人を助けたいが為!
貴方たちや木々を傷つける気は!……くぅ、話を聞いては貰えないようですねっ
仕方がありません…!ならば勇猛に、押し通りますっ!!

攻撃手段は格闘ですか!
敵ながら実に勇気ある接近戦!受けて立ちますよぉ!
掌攻撃にはあえて【勇気】を持って飛び込み、【見切り】大斧で腕から斬り落とします!
踏み潰し等には【盾受け・オーラ防御・怪力・見切り】で華麗に受け流し!

ここに誓うは不退転の意思!勇者とは誰より前に立つ者!
勇気の剣と気合の鎧、不屈の御旗をここに掲げよ!
世に伝うるは、わたしの【勇者理論】!!(防御重視)
さあ進みましょう皆さん!最後に勝つのは、勇気ある者ですッ!!(【鼓舞】)



「あ、貴方達や木々を傷つける気は! わあっ!」
 ソラスティベル・グラスラン(暁と空の勇者・f05892)は言葉を掛けようと話し掛けてみるが、山神からの強烈なパンチを間一髪で避けた事で説得を諦めた。
「……くぅ、話を聞いては貰えないようですねっ。仕方がありません……!」
 仕方なく武器を構え、それと同時に心も切り替える事にする。
「ならば勇猛に、押し通りますっ!!」

 山神の巨大な手はソラスティベルを握り潰そうと急激に近付いてくる。
「攻撃手段は格闘ですか! 敵ながら実に勇気ある接近戦! 受けて立ちますよぉ!」
 敵ながらあっぱれだと称えると、自身も勇気を奮いただして向かっていった。
 地面を蹴り上げ、あえて相手の腕に飛び込むソラスティベル。ずしりと山神の手のひらが彼女の全身を包み込む。
 しかし握り潰した手応えを感じる事はなかった。山神が握り潰したのはただの空だったのだから。
「こちらです!」
 そこにいたはずの彼女は更に上へと存在した。巨大な斧サンダラーが太陽によって光り輝くと、ぐるりと回転しながら山神の腕を薙ぐ。
 一刀両断、腕を切り落とされた山神は悲鳴の代わりに大きな音を立てながら腕を地面へと落としていった。
「まだまだ片腕! もう片方も行きますよぉ!」
 着地したソラスティベルは片足を力強く踏み込むと、自身の体に力を籠める。
「ここに誓うは不退転の意思! 勇者とは誰より前に立つ者! 勇気の剣と気合の鎧、不屈の御旗をここに掲げよ!」
 彼女の勇気ある叫びは山神達を注目させた。しかし彼女の笑顔が消える事はない。
 勇敢に立ち向かうソラスティベルという名の折れぬ剣と盾は、仲間達の心を勇気付けるものとなった。

成功 🔵​🔵​🔴​

グァーネッツォ・リトゥルスムィス
ちっ、敵と間近なのに今まで気付けなかった
反省会は後でするとして、この窮地を乗り切るぞ

「とにかくデカイ図体に囲まれるのはまずい、フルボッコ待ったなしだぞ!?」
野生の勘で瞬時に守りが薄い箇所を発見し、先制攻撃で包囲網から脱出してみせる
その後はどれが本物の樹でどれが敵なのかわかりにくい以上、
下手な動きをせずアースジャイアントで大地の巨人を近くに召喚し、
襲ってきた敵にカウンターで攻撃していくぜ
大地の巨人の巨大版武器による長い間合いで
敵の巨体からの強力な攻撃に巻き込まれない様にしたいぞ
「後の先戦法が光る時だぜ!」

握り潰されたくないから敵の掴みには特に警戒する
最悪大地の巨人を身代りにして回避するぞ



 グァーネッツォ・リトゥルスムィス(超極の肉弾戦竜・f05124)は野生の勘を頼りに包囲された空間から何とか脱出を図ると、山神ではない大木の上に上り周囲を見渡した。
「これは分かりにくいな……動いている奴だけを攻撃したいんだが」
 上から眺めれば山神と森の木々の違いは分かるものの、下からでは分かりにくい。冷静に山神を目で追った後、彼女は大木から降り、地面に両手を当てる。
「相手よりは小さいが、まぁ十分だろう!」
 地面が光り出すと、そこへ召喚されたのは大地の巨人。自身の持つ武器と同じものを持つ巨人は咆哮をあげた。
 確かに彼女の言った通り、巨人とはいえ山神の巨体には勝てなかった。それでは力はどうか。
 今ここに、山神が巨人を握り潰そうと手のひらを広げ襲い掛かって来ようとしている。何もしなければ片手で握り潰す事など容易だろう。
「何もしない訳、ないだろ!」
 巨人はグァーネッツォの動きとリンクし、武器を構えながら一歩引き下がり山神の腕を避けると、思い切り竜槍を振り落とした。
 全力で振り落とされたそれは山神の腕を吹き飛ばし、体から切り離した。
「後の先戦法が光る時だぜ!」
 カウンターによる攻撃は有効であった。やはりグァーネッツォより巨人の方が目立つのだろう。山神達は巨人ばかりを狙って襲い掛かって来る。
 次第に巨人の皮膚はボロボロと崩れていくが、それでも尚果敢に立ち向かっていく。
「安心しろ、やられたってまた作ってやるぜ!」
 オレが倒れない限りな! と彼女は自身の操る巨人に、力強く声を掛けた。
「だから次まで頑張ってくれよな!」

成功 🔵​🔵​🔴​

アヤカ・ホワイトケープ
もう、急がなきゃいけないのに、こんな時に…!
でも邪魔するのなら、わたしは容赦はしないわ!さあ、そこを退きなさい!!

[WIZ]
【地形の利用】で木々をわたしの両手に仕込まれてるCNTワイヤーストリングスで【早業】を用いて飛び移りながらうまく逃げ回りつつ、隙を狙って勇気と力の歌で【範囲攻撃】。
これで敵の隙を作ってみるわ。仲間達がそこへうまく攻撃を仕掛けてくれればいいけど。
敵が振動でわたしを足止めするようなら、【第六感・見切り】で察知して【ジャンプ】でなんとか回避出来ないかしら?

あの魔物もヒューレイオンと関わりがあるのかしら?
何にしても厄介ね…早くなんとかして助けてあげないと!



「邪魔するのなら、わたしは容赦はしないわ! さあ、そこを退きなさい!!」
 アヤカ・ホワイトケープ(ロストイノセント・f00740)が山神の前へ出でると、山神は両腕を振り上げ、地面を大きく揺らした。
 地震による衝撃波がアヤカを襲うが、彼女はそれを華麗に避けてみせる。
 手に仕込まれたCNTワイヤーストリングスが森の木々に絡み付き、まるで鳥のように飛んだかの如く跳躍した。地震によって大木が倒れていっても、彼女は次の大木へと飛び移る。
 木々を移動していき、辿り着いた先は山神の背後。
「あなた達に耳があるのかは知りません。いえ、そんなもの関係なかったわね」
 彼女の声はどんなものだろうと心を揺さぶる。静かに、そして大きく息を吸うと、
「わたしの歌声よ、世界に響け……そして世界の敵を……吹き飛ばせ!」
 埋め込まれたシンフォニックデバイスによって強化された、力強い歌声。
 拡張されたソプラノボイスは衝撃波となり、山神達に襲い掛かる。
 動きの鈍った所へ、再び、また再びと降り掛かる衝撃波。彼女の勇気と力の歌は止まる事を知らない。
 そうして一体の山神は静かに動きを止め、ずしりと横たわり活動を停止していく。
「(この魔物も、ヒューレイオンと関わりがあるのかしら?)」
 ここに山神がいるという事は、あの少年もここを突破したという事なのだろう。
「(何にしても厄介ね……早くなんとかして助けてあげないと!)」
 アヤカの心は焦る。しかし今は道を塞ぐ壁を突破しなければ! 少年の元へは、きっともうすぐなのだから。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『ヒューレイオン』

POW   :    ディープフォレスト・アベンジャー
【蹄の一撃】が命中した対象に対し、高威力高命中の【自在に伸びる角を突き立てて引き裂く攻撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    チャイルド・オブ・エコーズ
【木霊を返す半透明の妖精】を召喚する。それは極めて発見され難く、自身と五感を共有し、指定した対象を追跡する。
WIZ   :    サモン・グリーントループ
レベル×1体の、【葉っぱ】に1と刻印された戦闘用【植物人間】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ミレイユ・ダーエです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「……お父さんと、お母さんの、敵討ち……!」
 剣を握った小さな少年が、森の王の前へと出でる。
 甲高い咆哮をあげるヒューレイオンはその恐ろしくも美しい身体を輝かせると、子供に向かって鋭い角を向ける。
 ヒューレイオンが一歩、また一歩と地を踏むと同時に、咲き乱れるは新しい木々の芽。
「分かってる……僕が誰を、相手にしようとしているのか……。それでも僕は……」
 立ち向かわなきゃいけない。
「……ただ悔しくて泣いてるだけじゃ、居ても立っても居られなかったんだ」

 少年の心に迷いはなかった。震えず真っ直ぐと相手に向けられた剣先がそれを物語っている。
 例えそれが、どんな結末であろうと。
天星・暁音
何であれ子供は護らないとね。
やるべき事は何も変わらない。
この力の続く限り癒やして護る。
出来るなら男の子の両親の為に安息を祈り舞いを捧げたい所だけど、先ずはここを切り抜けないとね。
余力がのこれば良いけど…


味方を鼓舞し癒やします。
戦闘中は男の子の側で無謀な行動をしようとするなら止めたりかばいます。
勇気と覚悟、激痛耐性でそれなりの攻撃を受けても男の子に余計な心配かけないよう平然としてます。

戦闘後に余裕があるなら男の子の両親の為に鎮魂の舞を捧げたいです。


ソラスティベル・グラスラン
彼を愚かと、勇気と呼べぬと言うもいるでしょう
ですが彼は乗り越えたのです、わたしたちが相対した数々の障害を!
その根底にある物が復讐や怒りだとしても、その信念は本物
恐怖と向き合いながらも、自らの意思で進み続けた彼を……わたしは勇者と認めます!!
彼に力が足りなければ、勇者として、わたしが共に立ちましょうとも!!(鼓舞)

【力溜め】をしてただ只管に前へ、前へ!森の王よ、貴方を討ちます!
【怪力・盾受け・オーラ防御・見切り】
その全ては森の王に近づく為だけに。尚届かぬなら【勇気】で補います!
ここに誓うは不退転の意思!勇者とは誰より前に立つ者!
今こそ力を、『サンダラー』!
最後に勝つのは、勇気ある者ですッ!!


カナカナ・リッタリア
君のその勇気と行動力は、敬意に値する
だからこそ、君の力になりたいんだ
ねぇ小さな勇者君、僕に君を手伝わせてよ
君は一人ではないんだ

■戦闘
少年を守る又はフォローする動きメイン
ボスへの攻撃は仲間に任せよう

少年が傷ついているなら【生まれながらの光】で回復優先
植物人間が召喚されたら
合体される前に【グラフィティスプラッシュ】で倒していこう

絶対に彼を傷つけさせないから

■他
少年の戦闘参加をどうするかは意見しない
本人の意志に任せる

僕等がここに集ったのは、君の行動の結果だから
もしも色鮮やかな結末にたどり着けたなら
それは君の力だよ


シャルロッテ・エンデ
男の子を真っ先に保護すべく
◆ライオンライドでライオンに●騎乗して
ちょ〜特急でち!

ボスが見えたら●オーラ防御を正面に集中展開
ダッシュの勢いで、そのままボスに●気絶攻撃+●鎧無視攻撃の体当たり!
ひるませて、こっちに注意を向けさせる

「暁のびしょうぢょ神官、シャルロッテちゃんが助太刀するでち!」

仲間もすぐ来ると伝え

「こいつはちょ〜強い冒険者の、猟兵しゃんでないとムリでち!」

ボスの攻撃は◆極光壁で防ぐでち
15m正方形、無敵の光のカーテンで
男の子を●かばう
似たよ〜な身の上でちから、しなせたくない

「猟兵しゃんは、通過おっけ〜!」
敵の移動や攻撃は遮断、味方は邪魔しない指定に

ただし、壁にあたちの顔がでかでかと


アヤカ・ホワイトケープ
よし、抜けたわ!このまま全速力で突っ走る!
…こんな時だからこそ、無茶の効くこのサイボーグの体でよかったような気もするわね

【WIZ】
【ダッシュ】でとにかく急ぐわ!あの子を見つけたらヒューレイオンの一撃を喰らう前に【救助活動、かばう】でわたしが盾になる!多少の痛みは【激痛体性】でなんとかするわ
「っ、大丈夫!? ……ん、わたしはこれくらい平気よ。お姉さんの体は、こう見えても結構頑丈なんだから!」
あとは可能な限り、あの子を守りつつサウンド・オブ・パワーで仲間のみんなを支援していくよ。あの強敵は一人じゃなく、みんなの力を結集しなきゃ倒せないもの、ね

さあ、ここが正念場よ!みんな、頑張りましょう!!


グァーネッツォ・リトゥルスムィス
弱い心のままじゃ生きててもつまらないよな
どの外敵でもない己の内なる弱さに立ち向かう勇気を無駄にさせない!

山神相手に一緒に戦っていた大地の巨人と『大地との友情合体』で合体
オレの真の姿と併せて半人半竜ロボに変形
敵を少年に近づけさせない為にダッシュで体当たりして吹き飛ばさせるぜ
「少年、お前の勇気をオレ達に分けてくれ!」
敵と少年の距離を離すと不貞腐れるかもしれないから
カッコいいこと言ってフォローしてみるぞ

敵の足攻撃は逆に懐へ入り込み蹄だけ触れない様にしつつ
脚を掴まえて背負い投げしてみるぞ
万が一少年に攻撃が当たりそうな時は捨て身の一撃をしてでも少年を守る!
「これから続く新しいオレ達の未来を砕かせない!」


カナ・リーアス
これはさすがに私でもわかるんだよ…私達じゃなきゃ無理な相手だよ!きみー!ここは私達に任せるんだよー!!
【POW】仲間と連携。敵の攻撃には【見切り】で対処。【二回攻撃】を駆使してグラウンドクラッシャーで攻撃するんだよー!今回は割と本気モードで行くんだよ!!すべては子供を守るためなんだよー!
【男の子】君が死んだって両親は悲しむんだよー!無謀な戦いはするものじゃないんだよー!



 ヒューレイオンは静かにゆっくりと動かしていた足を少しずつ速めていき、次第にそれは殺気を帯びた突進と化していった。
 少年は避けようとしたが、何故か足が思い通りに動かない。
「っ……こんな、時に……!」
 咄嗟に取った防御態勢。剣を横に構え、強く目を瞑った。

 大きく響いた地響きと鈍い音。しかし少年は痛みを感じない。
 そっと目を見開くと、目の前にはヒューレイオンの巨大な角を受け止めた女性の背が。
「っ、大丈夫!?」
 背の主、アヤカ・ホワイトケープ(ロストイノセント・f00740)が少年に声を掛ける。少年は突然現れた彼女に驚き、目をぱちくりとさせる。
「わたしはこれくらい平気よ。お姉さんの体は、こう見えても結構頑丈なんだから!」
 にっこりと笑いながら伝えたその声は、穏やかで安心させるものだった。
「とっつげき~でち!」
 ほっとしたのも束の間。今度は少年の後ろから大きな影が飛び出した。それはアヤカが受け止めていたヒューレイオンに向かって襲い掛かり、巨大な体で体当たりを繰り出した。ヒューレイオンは吹き飛ばされ、頭を打った衝撃で動きを鈍らせる。
「暁のびしょうぢょ神官、シャルロッテちゃんが助太刀するでち!」
 大きな影の正体は、ライオンに乗ったドワーフ、シャルロッテ・エンデ(暁のびしょうぢょ神官・f12366)。彼女は少年とアヤカを守るよう立ち塞がると、ヒューレイオンを睨み付けてやった。
 その後、次々と現れる猟兵達。彼らの登場に少年は右へ左へと首を向ける。
「どうして、ここが……?」
「皆、君の為に来たんだよ」
 と、少年の肩にキラキラ輝く光が舞い降りる。妖精、カナカナ・リッタリア(七つの赤薔薇・f04382)だ。
「君のその勇気と行動力は、敬意に値する。だからこそ、君の力になりたいんだ」
「僕の、力に……?」
 そうさ、とカナカナが頬を撫でる。
「ねぇ小さな勇者君、僕達に君を手伝わせてよ。君は一人ではないんだ」
「そうです! わたし達がいます!」
 巨大な斧を地面に突き刺し、堂々とした声で少年を勇気付けるのはソラスティベル・グラスラン(暁と空の勇者・f05892)。
「あなたはたった一人でここまで来ました。その根底にある物が復讐や怒りだとしても、その信念は本物。恐怖と向き合いながらも、自らの意思で進み続けたあなたを……わたしは勇者と認めます!!」
 だからこそ、一緒に戦わせて下さい! そう彼女は強く叫んだ。
 少年は猟兵達が自分の味方である事を改めて認識すると、大きく頷いた。
「お願い、します……!」
 幼いながらも強く決心したその声。猟兵達はそれに応えるように頷き返す。
「よーし、まずは私達に任せるんだよー!!」
 カナ・リーアス(鬼の元気っ娘・f04987)の言葉を切っ掛けに、武器を構えた猟兵達はヒューレイオンに向かって地を蹴り飛ばした。

「見ていろ少年、これがオレの力だ!」
 グァーネッツォ・リトゥルスムィス(超極の肉弾戦竜・f05124)は自身の召喚した大地の巨人の前で両腕を広げると、巨人が彼女を包み込んだ。次第に姿形が変わっていく巨人。それは半人半竜のロボへと変形し、少年と後衛の者達を守る壁となった。
「大地の恵みと力を見せる時だ! 行くぞ!」
「任せるでち。ちょ~特急でやっつけてやるでち!」
 ライオンに乗ったシャルロッテは右へ回り込み、グァーネッツォは正面から立ち向かう。ヒューレイオンを挟み撃ちにするつもりだ。
 ヒューレイオンは高く飛び上がると、グァーネッツォに向かって強烈な蹄の一撃を当てようとする。
「っ、とぉ! 残念、掠り傷だぜ!」
 回避をしたものの蹄は肩を掠めた。ヒューレイオンの攻撃はまだ終わらない。距離を縮めた事で自在に伸びる角を突き立てようと、頭の角を大きく振るい上げる。
 その時だった。
「させないんだよー!」
 とん、とグァーネッツォの大きな体を軽快に登り、ヒューレイオンの視界に入ってきたのはカナ。彼女はヒューレイオンの顔面に向かって思い切り武器を叩き付けると、ヒューレイオンはグァーネッツォから離れていき、地面に叩き付けられた。みしり、その頭の角にヒビが入る。
「今でち!」
 相手が倒れたそこへシャルロッテのライオンが飛び付き、ヒューレイオンの首元へ噛み付く。ヒューレイオンは大きく悲鳴をあげた。

「さあ、ここが正念場よ! みんな、頑張りましょう!!」
 アヤカは戦う者達の為に歌う。
 それは皆の心を一つにする為、一人の少年の未来を守る為。
 その声は確かに猟兵達の元へ届いていた。
「祈りを此処に、妙なる光よ。命の新星を持ちて、立ち向かう者達に闇祓う祝福の抱擁を……傷ついた翼に再び力を!」
 天星・暁音(貫く想い・f02508)も前衛の者達の治癒に励んだ。神聖なる光で仲間を包むと同時に、自身に疲労が溜まっていく。
 少年は戦う彼らを見て、己の剣を握り締めた。
「やめた方が良いよ」
 そう少年に声を掛けたのは、片膝を着いた暁音だった。
「その剣で戦うって事は、本当に勇気なのかな?」
 その言葉に、少年は返す言葉を見付ける事が出来ない。
「勇気と無謀は、違うと思うんだよね」
「……確かに僕は、経験不足だ。皆のように強くはない。……でも、僕だけ何もしないなんて、嫌なんだ」
「あなたが戦うとするのならば、わたしが、みんなが、全力であなたを守ってみせる」
 歌い終えたアヤカが少年の前へ座り込み、視線を合わせる。
「……だけどね、それもこれも命があってこその行動なの。あなたはまだ、『一瞬で命を散らす勇気』を持つには早すぎる」
 厳しくも優しい言葉。少年は視線を落としていった。
「……気を落とさないで。あなたは『生きる為』に戦えば良い。わたし達はその為に来たのだから」
 ふわりと少年の頭を撫でるアヤカ。その会話を聞きながらふわりと飛んでいたカナカナは、少年の持つ武器に目を向けると、耳元でそっと呟いた。
「……君、弓も扱えるんだね?」

 ヒューレイオンは角が一本折れようとも、尚果敢に立ち向かってきた。
 地面を抉る蹄の一撃は重く、前衛で戦う猟兵達の体力も削られていく。
「今回は割と本気モードで行くんだよ!! すべては子供を守るためなんだよー!」
 それでも元気と気合いで立ち向かっていくのが、カナを始めとする者達だ。
「まだだ、まだだぜ! これから続く新しいオレ達の未来を砕かせない!」
「猟兵しゃんを敵に回した事、後悔するでち!」
 グァーネッツォやシャルロッテも、己の体に鞭を打ち込み汗を散らすが、その叫ぶ声は己自身と仲間を奮い立たせる鼓舞にも等しい。
 彼らが攻撃の手を止めない理由、それは暁音達後衛の治癒と鼓舞によるものだけではない。
「ここに誓うは不退転の意思! 勇者とは誰より前に立つ者! 森の王よ、貴方を討ちます!」
 ソラスティベルの言い放った通り、ここには勇気ある者しかいないのだ。
 ヒューレイオンに向かって、シャルロッテのライオンが体当たりで吹き飛ばし、グァーネッツォの巨体が頭の角を砕き、カナの巨大な武器が身体を地面に叩き付ける。
「いよいよ決着ですね!」
 ソラスティベルが大斧を構え、駆け抜ける。
 よろりと立ち上がるヒューレイオン。彼女に向けて最後の一撃を繰り出そうと、高く飛び上がった。

 しかしヒューレイオンは着地に失敗した。ソラスティベルの元へ届かぬうちに地面へ落ちて来たのだ。
「! あれは……!」
 ヒューレイオンの瞳に刺さっていたのは、一本の矢。
 矢を放ったと思われる方向へぐるりと振り向くと、そこには弓を構えた少年が立っていた。
 少年の頭に乗るカナカナは満足そうに微笑んでいる。
「ビンゴ。いい腕してるねぇ」
 そんな少年の姿に、湧き上がって来る何かを心に感じたソラスティベル。
「んんっ……! やはりあなたは勇者! その勇気、しっかりと目に焼き付けましたから!!」
 感極まって目を輝かせる。そして彼女が振るうは蒼雷を纏う大斧。
「これぞ我が勇気の証明、来たる戦渦の最前線! 故に応えなさい、勇者の大斧よ!! 最後に勝つのは、勇気ある者ですッ!!」
 迸る雷撃。その強大な一撃はヒューレイオンの体を地形ごと打ち砕く。
 森の王は悲鳴をあげる事無く、その命を枯らし、静かに散っていった。

 戦いは終わった。少年は立つ力を失い、その場に座り込んだ。
「やったんだ……」
 それは達成感からなのか、恐怖からなのか。少年の弓を持つ腕は震えていた。
「まだ終わってないよ」
 そう告げたのは暁音。少年に背を向け、ふぅ、と汗を拭うと、目を閉じる。
 静かに始めたのは、鎮魂の舞。それは少年の両親に贈る、美しくも悲しき儀式。
「……祈りましょう」
 アヤカがそう呟き、少年と猟兵達は祈りを捧げた。
 その時、少年は何を想ったのだろうか。それは誰にも分からない。

「弱い心のままじゃ、生きててもつまらないもんな」
 ぽん、とグァーネッツォは少年の背中を叩く。
「お前、強くなれたよ。オレ達が認めるぜ」
「……そう、かな?」
「そうさ、自信を持つといいよ」
 カナカナは自分の口元に人差し指を立てる。
「今の君、とても鮮やかな色をしているよ」

 猟兵達に囲まれ、少年は初めて笑みを見せた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月29日


挿絵イラスト