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金色に吼える

#アルダワ魔法学園

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#アルダワ魔法学園


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●金色に吼える
 グギャアアア……!!
「ひっ」
「急げ、此処は退くんだ!」
 薄暗い迷宮にこだまする声に悲鳴をあげた少女を、少年が急かす。勝ち目のない戦いをしたって意味はない。こんな所で死ぬわけには。
「チッ!諦めんな、俺達は必ず生きて帰る!」
「やだ、やだ、死にたくない、死にたくない……!」
 舌打ちしながらも仲間を鼓舞する男、半泣きで走り続ける少年、魔法学園の生徒達は一心不乱に出口へと駆ける。
「一刻も早く、学園に連絡を」
 自分達がすべきことは、生きて地上に戻ること。そして学園に――猟兵達に伝えなくては。
 今まさに迫りくる黄金の竜の、猛々しい叫びが再び轟いた。

●金色を迎えうて
「来てくれてありがとう。アルダワ魔法学園で事件だよ」
 揺歌語・なびき(春怨・f02050)は説明を始める。
「アルダワ魔法学園では、地下迷宮にオブリビオンを封印してるのは知ってるよね。オブリビオン達はなんとか迷宮を突破して地上へ這い上がろうとしてるんだけど、一部の強力な奴は階層のフロアボスを任されたりしてる。今回そのフロアボスの一匹が、上層階を目指して侵攻しはじめたんだ」
 幸い侵攻に気付いた生徒達はいち早く帰還し、まだ犠牲者は出ていない。なびきは少し安心したようにそう話す。
「学園には非戦闘員も多く暮らしてる……もしフロアボスが迷宮を突破したら大惨事は免れない。君達には、そのフロアボスを倒してほしい。つまり防衛戦だね」
 作戦はシンプルで、途中の階層で侵攻する敵を待ち伏せ迎撃するというもの。
「待ち伏せてもらう階層は、生徒達の間では探索中の休憩所になってるような広い場所でね。事前に避難誘導は済んでるから人払いは要らないよ。蝋燭の火が照らしているから、明かりの心配も必要ないと思う」
 ただし、と灰緑の男は続ける。
「ボスの前に、その場に居る雑魚を蹴散らしてもらうよ。居るのはフラスコスライム。確実に殺さないと後々強力な魔物に進化したりするから、注意して。まぁでも、おれが言わなくても君達はそんな油断しないよねぇ、うん」
 なびきはおっとりした笑みを浮かべたあと、少しだけ真面目な表情を浮かべた。
「スライムのあとはいよいよフロアボス……相手は錬金術で生み出された黄金のドラゴンだ。それなりに強力だから、十分に気をつけてね」
 そう言い終えてから、真剣な眼差しはふっと穏やかなものに戻る。
「全部終わったら、学園の大浴場に行くのをおすすめするよ。オブリビオンの血とか体液とか、なんの病気になるかわかったもんじゃない。なにより、汗と汚れを全部流してリフレッシュしてきなよ」
 おれも行きたいなぁ、おっきなお風呂。そう笑って、なびきはテレポートの準備の為、猟兵達を手招きした。


遅咲
 こんにちは、遅咲です。
 オープニングをご覧頂きありがとうございます。

●成功条件
 全てのモンスター達を倒し、大浴場でリフレッシュ。

 どの章からのご参加もお気軽にどうぞ。
 皆さんのプレイング楽しみにしています、よろしくお願いします。
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第1章 集団戦 『フラスコスライム』

POW   :    スライムブレス
【ねばつく液体のブレス】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    スライムバイト
自身の身体部位ひとつを【奇妙な獣】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
WIZ   :    フラスコアブソープション
小さな【自分のフラスコ】に触れた抵抗しない対象を吸い込む。中はユーベルコード製の【フラスコ空間】で、いつでも外に出られる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アウグスタ・ヴァイマール
アルダワの守護者ヴァイマール家の名に懸けていかなる災魔も排除させていただきますわ
とはいえ数の多い災魔というのは厄介ですわね

「アウグスト、フィリップ、ヨハネス、ベルンハルト、頼みましたわよ」
赤青黄緑の光る人工精霊たちに魔法力の供給を任せつつ、精霊銃による高速射撃攻撃を試みますわ
2丁の精霊銃を駆使して敵を一箇所に集めるように射撃を調節しつつ立ち回りましょう
敵が集まったところで本命の攻撃ですわ

【属性攻撃】【全力魔法】【2回攻撃】を以って、集めた敵に強烈な雷鳴舞踏をお見舞いしますわ


オリヴィア・ローゼンタール
POW
アルダワ魔法学園は初めて来ましたが……
液体のような、生物のような、不思議な存在がいるのですね

【トリニティ・エンハンス】【属性攻撃】で聖槍に炎を纏い攻撃力増大
さて、まずは前哨戦ですね
油断なく蹴散らしてしまいましょう

【怪力】で槍を振るい、フラスコごとスライムを粉砕する(【鎧砕き】)
槍の間合いを活かしてまとめて叩き潰す
このフラスコは防具、なのでしょうか? 不思議な生態ですね……

液体ブレスを放たれたら槍を【なぎ払い】、炎の【衝撃波】を起こして弾き返す
散漫な攻撃では私に届きませんっ!

噛み付かれたら根性で耐え(【激痛耐性】【オーラ防御】)、ガントレットで殴りつける(【グラップル】)



 蝋燭の灯す明かりが照らす広場に、要請を受けた猟兵達は降り立った。
 その靴音を聞きつけたのか、暗闇からころんころんと現れたのはフラスコに入ったモンスター達。
「アルダワ魔法学園は初めて来ましたが……不思議な存在がいるのですね」
 液体のような、生物のようなスライムの姿を見たオリヴィア・ローゼンタールは、眼鏡の位置を直し興味深げに呟く。
「ええ、この地下には様々な災魔が息を潜めていますわ。これらもその内の一種」
 オリヴィアの疑問に答えるように言葉をもらしたのは、アウグスタ・ヴァイマール。古くからこのアルダワの守護を司る名門の一族の才女だ。
 誇りある家の名に懸けて、いかなる災魔であろうとも排除することを誓う。
「……とはいえ、数の多い災魔というのは厄介ですわね」
「まずは前哨戦ですね、油断なく蹴散らしてしまいましょう」
 猟兵を敵と認識したスライム達が飛び跳ねこちらへ近づく前に、二人は攻撃態勢に移った。
 手にした聖槍に燃え盛る焔を宿したオリヴィアは、その細腕からは想像もつかない怪力で槍を振るう。
 長い間合いを活かすことで、複数のスライム達をフラスコごと叩き潰せば、敵はぷぎゅっという気の抜ける鳴き声をあげた。
「このフラスコは防具、なのでしょうか?やはり不思議な生態ですね……」
 割れて飛び散った硝子片と、スライムだったと思われる粘液状の残滓を見ては首を傾げる。
 オリヴィアに負けじと、アウグスタも四色に光る人工精霊達に声をかけ、2丁の精霊銃への魔力供給を促す。
「アウグスト、フィリップ、ヨハネス、ベルンハルト、頼みましたわよ」
 すぐさま2丁の銃に四色の光が灯れば、目にもとまらぬ高速射撃をお見舞いする。
 素早い身のこなしで噛みつき攻撃を躱しつつ、スライム達の足元を狙っては、広場中に散らばる個体を徐々に一ヶ所へと集めていく。
「アウグスタさん、後ろです!」
 彼女の背後に忍び寄る数体に気付いたオリヴィアは声をあげた瞬間、アウグスタと敵の間に割り込む。
 ブンッと白銀の柄を薙ぎ払えば、黄金に輝く穂先から明々と燃える焔の衝撃波がスライム達の液体ブレスを蒸発させた。
 その隙を運よく捉えた1体がガブリとオリヴィアの太ももに食らいつく。
「ッ!」
 痛みに顔を歪めるオリヴィアが白銀のガントレットで殴りつけ、スライムを引き剥がした直後、アウグスタの銃撃がスライムを爆散させる。
「感謝しますわ、シスター!このままトドメを手伝って頂けますこと?」
「ええ、勿論」
 オリヴィアが再び聖槍を振るい、スライム達を業火の海に追いつめたところへ、白金の髪を靡かせたアウグスタが精霊銃を構える。
「――さあ、美しく舞ってごらんなさい」
 人工精霊達の全魔力を込められた銃口が眩しく光り輝き、放たれたように見えるのは、同時に二発。
 されど実際は目にもとまらぬ乱射によって、災魔達は死の舞踏を繰り広げる。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

祝聖嬢・ティファーナ
『エレメンタル・ファンタジア』で固まる氷の雨を降らせて分裂や行動を阻害して行きます⭐
固まったスライムを『神罰の聖矢(ジャッジメント・クルセイド)』の光の矢で各個撃破して行きます♪ 行動は全て『クリスタライズ』で透明化して高めに翔んで上から見ながら攻撃します⭐

ティファーナが攻撃を受けて状態異常には『シンフォニック・キュア』で治癒して、HPダメージは『生まれながらの光』で治します⭐

ワタワタ、パタパタ逃げ回りますが、攻撃は忘れず止めません♪ 猟兵が毒や捕まっていたら治療をします⭐
火の雨、雷の吹雪、氷の地震、大地の氷柱などでスライムを邪魔したり攻撃します⭐


セシリア・サヴェージ
防衛戦、護るものがある戦いというのはいいものです。自然と気が引き締まりますから。
ですが…ですが――
スライム…スライムというとやっぱりベタベタするんですよね…。

そういうのは少々苦手なので、剣は使わずにユーベルコードで燃やしてしまいましょうか。元より物理攻撃は効果薄そうですし。
べたべたの嫌悪感は【気合い】でなんとかなるものでしょうか…普段はかっこいい詠唱とかするのですが、ちょっと余裕ないかもしれませんね。私、これでも乙女なので(キッパリ)



 この場で戦う猟兵は二人だけではない。スライムの前に立ち塞がるセシリア・サヴェージもその一人だ。
 護るものがある戦いはいい、自然と気が引き締まる、が。
「スライム……スライムというと、やっぱりベタベタするんですよね……」
 ぽつりと呟き、銀の瞳を憂鬱そうに曇らせた。
 ちゃぷんとフラスコの中で揺れる粘液状の体は、明らかに彼女が想像する感触そのものだろう。
 考えるだけで背筋がぞわりと逆立ってくるが、ぐっと凛々しい表情を作り気合で嫌悪感をこらえ。
「……これは、触らなければどうってことないでしょうね」
 元々物理はあまり効かないだろう、ならば愛剣を使う必要はない――燃やせばいいのだ。
 そう判断した瞬間、倒すべき敵を認識した視線は先ほど作った表情よりも鋭いものへと変わる。
 彼女の掌の中に生まれた暗黒の焔が轟々と燃え盛り、巨大な龍のように立ち昇れば、銀の瞳を大きく見開いた。
「炎に呑まれろ、お前達全て、燃えて燃えて燃えて、灰になれェエエ!!」
 絶叫と共に放たれた暗黒の炎はスライム達を容赦なく襲い、フラスコごとあっという間に消し炭へと変える。
「そうだ、そうだ、触れさせるものか!私に触れるな、燃えて消えて、塵すら残さずに滅してくれる!」
 激しい憎悪を剥き出しに焔を操る暗黒騎士を、本来なら誰も居ない上空から見つめる者が居た。
「わわ、なんだかすごいことになっちゃってるかも、あのお姉さん!」
 自身を透明化することで、敵だけでなく猟兵からも視認されない祝聖嬢・ティファーナは、目をぱちくりしながら地上の炎の海を眺める。
「こうしちゃいられない、ボクもがんばらなきゃ♪」
 すっと呼吸を整えたのち呪文を唱え、翅をはばたかせくるんと一回転。すると、何もない虚空に生まれたのは水の渦。
 渦は徐々に分裂してゆくと、ぴしりぴしりと音を立て、みるみるうちに氷柱の群れを作り出す。
「一気にいくよ☆」
 えい、という愛らしい掛け声を合図に、針のように鋭い氷雨がざんざかと降り注ぐ。
 上空から落とされる氷の雨に縫い留められたスライム達は、すぐさま放たれるセシリアの炎から逃れることもできず、次々に闇の焔に巻かれる。
 運よく逃げきれた個体が居たとしても、上空を飛び回るティファーナがそれを見逃すはずがない。静かに指先を向けると、慈悲を湛えた眼差しで力強く宣言する。
「光を怯える闇と悪よ、悔い改めなさい……!」
 カッと天から飛来するのは眩い閃光。鳴き声一つ上げる暇もなく、スライムが光に包まれ消えるのを確認すると、ティファーナはまだ発動している自身の災害現象を躱しながらセシリアへと近付く。
「お姉さん、ねぇね、お姉さんってば!」
「ひゃっ!?」
 ふわりとセシリアの肩に小さな何かが止まり、耳元で囁いたことで、女騎士は我に返る。
「ボクも猟兵だよ。見えなくなってるけどココに居るんだ♪ちょっと休憩しよ!今ボクが癒してあげるから☆」
「えっあ、すっすみません、助かります……あの、このベトベトとかも、綺麗になりますか?」
 だってセシリアは、これでも立派な乙女なので。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ネレム・クロックワーク
ごきげんよう、可愛らしいスライムさん
世界には、こんなに愛らしいスライムが存在するの、ね
でも、オブリビオンは倒さなければいけないから、ここでさようなら、ね

【SPD】
速さ勝負といきましょうか
【全力魔法】と氷属性の【属性攻撃】を【高速詠唱】で愛用の魔導銃に装填
フラスコごと凍らせて、貴方の時に鍵をかける
回避されても当たるまで追う超高速の連続魔法弾から逃れる術はない、わ
追って、【全力魔法】と【マヒ攻撃】を【高速詠唱】で装填した魔導銃からの通常攻撃の魔法弾は【2回攻撃】で連射

相手の攻撃には【見切り】で回避
回復なんて、そう簡単にはさせない、わよ?

※アドリブ大歓迎です



 きゅうきゅうと鳴いているのは、仲間が倒れていくのを悲しんでいるのか、次は自分だと怯えているのか、そもそも特に何も考えていないのか。
 彼らの心境はわからないが、ネレム・クロックワークはチョコレート色の瞳で標的を捉える。
「ごきげんよう、可愛らしいスライムさん。世界には、こんなに愛らしいスライムが存在するの、ね」
 ぷきゅー!と威嚇のような鳴き声をあげてネレムに狙いを定めたスライム達に、彼女は甘い笑みを浮かべた。
「そう。なら、速さ勝負といきましょうか」
 時計師を営む彼女が普段ネジを巻くような気軽さで、テンポよく愛用の魔導銃に装填していくのは永遠に融けぬ氷の魔法。
 奇怪な生物の頭部に変貌した液状の体がネレムの脚に食らいつこうと飛び掛かる瞬間。
 とん、と軽い靴音を立てスカートの裾を翻した彼女が繰り出す、一切迷いのない銃撃が撃ち込まれる。
 仄かに青白い光弾は美しい軌跡を残して全弾命中すると、フラスコを零度以下に突き落とす。その後フラスコは、ぴしりと音を立てたのち、中身ごとぱきんと砕けた。
 時に鍵をかける為に放たれた光弾を、辛くも逃れた1体が居たとする。だが、避けたその傍から次の光弾が襲いかかり、あっという間に地面に夥しい氷の華が咲きほこる。
「貴方達に、逃れる術はない、わ」
 尚も彼女は動きを止めることはない。砕け散った氷の破片を踏みつけ、こてんと小首を傾げて目を細めた。
「本当に愛らしいのね、貴方達。……けれど」
 どんなに愛らしくとも彼らはオブリビオン、倒さなくてはいけないから。
「ここでさようなら、ね」
 『romantica*』の引き金が、再度引かれた。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『錬金術ドラゴン』

POW   :    無敵の黄金
全身を【黄金に輝く石像】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD   :    ドラゴンブレス
【炎・氷・雷・毒などのブレス】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    アルケミックスラッシュ
【爪による斬撃】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【に錬金術の魔法陣を刻み】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 全てのフラスコスライムが散った広場は、静けさを取り戻したかに見えたが。

 グギャァアアア……!!

 迷宮の奥からこだまする咆哮が、一瞬にして静寂をかき消した。
 ゆらゆらと燃える蝋燭の火がその姿を照らし出す。
 なんの感傷もないのだろう、黄金に輝く巨大な竜はスライム達の残滓を踏み潰して此方へと歩を進める。

 ――猟兵達は、再び武器を構えた。
オリヴィア・ローゼンタール
親玉……フロアボス、というのでしたか? 現れましたね
ドラゴンといえばワイバーンと戦ったことがありますが、こちらは少々趣きが違いますね
竜退治の誉れ、挑ませていただきましょう

【属性攻撃】で聖槍に炎の魔力を纏う
【ダッシュ】で槍の間合いに踏み込み、【先制攻撃】を仕掛ける
【怪力】にて縦横無尽に振るい、真っ向から斬り撃ち穿つ
随所を金属で装甲して、頑強そうですが――そういう手合いを相手取るのは、慣れていますので(【鎧砕き】【串刺し】)

爪による攻撃は槍で受け流し(【武器受け】)て直撃を避ける

ブレスによる攻撃は【紅炎灼滅砲】で反撃
炎のブレスだけなら耐えられますが、これほど多彩では……!
灼滅砲の火力で相殺します!


烏鷺・エリカ
アドリブご自由にどーぞ

わー、かっこいードラゴンだなぁ
ぴっかぴかだし属性大盛り?
あは、男の子のロマンだよね
僕もこーゆーの好きだもん

でもねー、ごめーん
みんな怖がってるからさ
ここでおねんねしちゃおっか
いい夢たぁんと見せたげるね

【アリスと不思議な国民達】使用
お出での少女は僕の「アリス」
ちょっと首がぐらついてるだけの可愛い子
それから今日のお供の動物は
きらきら金の鬣の「ライオン」くん

アリスは時計の針の剣で
ライオンくんはがぶがぶ噛み付いて攻撃するよ

…『野生の勘』で急所が分かったりしないかな?
みっけたら死霊の子達に教えてあげよっと

はばないすどりーむ、ドラゴンくん
すぐに眠りに落ちてけるよーに
僕が祈ってあげるね



「親玉……フロアボス、というのでしたか?現れましたね」
 咆哮する黄金の竜を前に、オリヴィア・ローゼンタールは聖槍を構え直す。その隣で猫の尻尾を揺らしながら、烏鷺・エリカが緩く笑みを溢した。
「わー、かっこいードラゴンだなぁ。ぴっかぴかだし、属性大盛り?」
「ドラゴンといえばワイバーンと戦ったことがありますが、こちらは少々趣きが違いますね」
「あは、男の子のロマンだよね。僕もこーゆーの好きだもん」
 竜に対する感想を言い合う二人は、臆することなどない様子で。咆哮した竜の息吹で、蝋燭の火が何本か消える。
「でもねー、みんな怖がってるからさ。ここでおねんねしてもらおっか」
「ええ。竜退治の誉れ、挑ませていただきましょう」
 エリカに頷いたオリヴィアは靴音を立て前に出た直後、勢いよく駆ける。
 赤々と燃える焔を宿した聖槍を操る腕は尋常ではない怪力を発揮し、竜が動くよりも速く強烈な一撃を繰り出す。
 ワンテンポ遅れた竜が爪で槍を振り払い、黄金の装甲で強化した前腕で防御するが、
「――そういう手合いを相手取るのは、慣れていますので」
 跳び上がって関節同士の隙を狙うように槍を突き刺し装甲ごと打ち砕けば、金属の割れる音と共に、ズブリと分厚い肉を貫く手応えを感じる。
「うんうん、元気なドラゴンくんだ」
 予想外の激痛に吼える竜へ幼子を褒めるように語りかけ、エリカはくすりと微笑った。
「僕も、いい夢たぁんと見せたげるね」
 おいで、と、やわらかな声で呼び寄せた少女(アリス)は、ぐらつく首を震わせながらエリカに寄り添う。彼女の本日のお供は、煌く金の鬣をしたライオンだ。
「よしよし、いい子達。さぁ、思いっきりやっちゃえ」
 目を細めた主の言う通り、一人と一匹は素早く竜に近付く。ライオンが大きな口を開け竜の脚に喰らいついた瞬間、死霊少女は時計の針を模した剣を振り下ろす。
 夥しい量の血を浴びようとも、狂ったように斬りつけることを止めない少女を、竜はライオンごと壁に叩きつけた。
「あぁー!可愛い女の子をいじめないでほしいなぁ……あれ?」
 天に向けて口を大きく開いた竜の姿にエリカは眉を顰め、すぐさまオリヴィアに声をかける。
「ねぇ、ドラゴンくんてば、なんかやる気みたいだよ?」
「そのようですね、私の後ろに下がって!」
 オリヴィアが言うが否や、素早く彼女の後方へとまわるエリカとアリス達。エリカ達を背後に確認したオリヴィアが掌を翳す。
「猛き炎よ、我が掌中に集い、万象を灰燼と化す破壊の奔流となれ――!」
 竜の口から咆哮と同時に放たれる数種類のブレス。対抗するオリヴィアが放ったものは、100本にも及ぶ灼熱の極大破壊光線。
 激しい光の奔流のぶつかり合いがどれだけ眩しくとも、眼鏡越しの金の瞳は決して竜から視線を逸らさない。
「今のうちに!」
「オッケー。ねぇアリス――あのおっきな目を狙うんだよ?」
 オリヴィアが視線を逸らさないように、ペール・ライラックの髪から覗くアリスブルーの瞳もまた、竜の急所を見逃さなかった。
 ブレスを放つ為に身を低くしていた竜の真横を、黄金の鬣を靡かせたライオンが突っ切る。騎乗していた少女が時計の針を、竜の光る眼にブスリと刺した。
「おや、君はまだまだ眠れないのかな?だいじょーぶ、僕が祈ってあげるからね」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

セシリア・サヴェージ
騎士の務めは護ること。
他の方々が動きやすいように、まずは前に出てドラゴンを【挑発】して引きつけます。
ドラゴンの攻撃が味方に向いたときは【かばう】
【怪力】と【武器受け】の技術を用いればドラゴンの攻撃に一方的に負けるということはないでしょう。
攻めに関しては、黄金でできた体ということなので【鎧砕き】が有効か...何にせよ我が剣技の全てを叩き込むまでのこと。

その黄金の輝きも光あってのこと。我が暗黒に呑まれ、光届かぬ闇へと落ちるがいい。


ネレム・クロックワーク
ドラゴンは初めて見るけれど、……なるほど
これ程の脅威を放置しておくわけにはいかない、わ
此処は必ず守り抜く

【WIZ】
【先制攻撃】でイニシアチブをとる、わ
【全力魔法】と星属性の【属性攻撃】を【高速詠唱】で魔導銃に装填
七星の煌めきと星の加護を以て、貴方の動きに鍵をかける
向こうの攻撃には【見切り】で対応
攻撃を外しても戦闘力が高まるなんて、厄介なことこの上ない、わ
他の猟兵さん達の攻撃時には、タイミングに合わせて、通常攻撃の魔法弾を連射
通常攻撃には【マヒ攻撃】も乗せる、わ

……流石に手強いわ、ね
でも、此処でわたし達が負けるわけにはいかない
まだまだ、頑張れる、わ



 眼に走る痛みを全身で訴えるかのごとく、竜は全身を震わせる。広げた両翼が壁にぶつかり、落ちた数本の燭台がけたたましい音を鳴らす。
 竜の動きに合わせて崩れた瓦礫を避け、セシリア・サヴェージは落ち着き払った表情で観察を続ける。
「先ほどの攻撃が、随分と効いたようですね」
「そう、ね。これ程の脅威を放置しておくわけにはいかない、わ」
 ネレム・クロックワークは、初めて見るドラゴンの強さを今一度確認し、魔導銃を細い指先でひと撫で。
「此処は、必ず守り抜く」
 幼い見目の少女の言葉を合図に、セシリアが表情を変え、大剣を抜き前に躍り出た。
「ハッ、お前の力はその程度か!図体の割に脆弱だなァ!?」
 全ては騎士の務めを果たす為。何倍も大きな巨体を軽く笑い飛ばし、狂戦士と成った女は軽く指先だけで竜を招く。
「腹が立ったか?なら来い、私は此処だ!」
 片目からどくどくと血を流したまま、セシリアの挑発に乗った竜が前腕を振り上げる。黄金の爪と暗黒の大剣が激しく火花を散らせば、キン、と金属のぶつかる音が迷宮に響く。
 半ば強引にも見える程に凄まじい腕力で爪の勢いを殺してから、滑らかな動きで大剣を操り攻撃を流してゆく背後。
 後方に下がったネレムが煌く星の魔力を銃に素早く装填、カチリと音を立てた銃口から『ひかり』が零れた。
「――七星の煌めきと、星の加護を以て」
 ガチャリ、鍵をかけるように。放たれたひかりの群れは竜の片翼に飛び込み、美しい天体図を宙に展開。翼を穿たれた竜は悲鳴にも似た咆哮をあげる。
 怒りに震える巨体が再び翼を広げ、挑発と剣戟による守護を繰り返すセシリアを蹂躙しようとする脚が、止まった。
 何故という疑問を浮かべ、もがく竜は気付かない。ネレムが放った天体図が星彩の加護を齎し、一時的に動きを封じたことに。
「貴方の時に鍵をかけた、わ」
 少女は未だ煌きを残す銃口を向けたまま、ミルクティーの長い髪を揺らしチョコレートのように微笑む。
「ああ、つまり今が好機という訳だな!」
 甘い微笑みとは対照的に、銀の瞳に殺意と憎悪を宿らせ笑う狂戦士が剣を構え直す。彼女が纏う『のろい』は、まっくらな闇の力。
 身動き取れぬ竜の前腕の傍を駆け抜け、がら空きの懐に飛び込む。
「その黄金の輝きも光あってのこと。我が暗黒に呑まれ、光届かぬ闇へと堕ちるがいい!」
 渾身の力を込めた闇の彩もつ一撃が、黄金の胴にヒビを入れる。血飛沫を撒き散らした竜が吼え、前腕を床につける。
「まだだァ!足りない、足りるものか!嘆け!絶望しろ!恐怖を刻めェエ!!」
 浴びた血を拭うこともなくセシリアが叫ぶと同時に、操る剣は更に動きを加速させていく。
 前腕が機能しなくなったのを確かめたネレムが剣の動きに合わせるように、星の魔法を竜の頭部に幾度も撃ち込む。

 永遠に終わることがないと錯覚する斬撃がようやっと止まった時。
「……ああ、貴方」
 静かに、それでいて大きな音を立てて崩れる、金の肉体。
 全身に血を纏った女騎士は、ゆっくりと剣を収める。少女はぽつりと呟く。
「終わるの、ね」

 竜は最期に、咆哮することはなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『学園大浴場でリフレッシュ!』

POW   :    じっくり湯船につかり、温まって疲れを癒す

SPD   :    素早く体を洗ったりして隅々まで綺麗にする

WIZ   :    浴槽や脱衣所などで交流し、精神を癒す

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 かぽーん、と長閑な音が響き、ほんわかと湯気が立ち昇る大浴場。
 此処はれっきとした学園、浴場は男女別なのでご注意を。

 汚れをしっかり落として、ついでに日頃の疲れも落としてしまおう。
 いつもより長湯でのんびり温まろうか、ジャグジーや打たせ湯を楽しもうか。
 さっさと上がって、珈琲牛乳やフルーツ牛乳を飲むのもいい。
 仲の良い友達とお喋りに興じるのもアリ。


 ――戦う皆さん、いつもお疲れ様。
祝聖嬢・ティファーナ
無事に依頼も片付き学園のお祭りや喧騒に呆気に取られますが、お菓子や玩具のお土産を見てダークセイヴァー世界の子供たちが喜んでくれそうなので、購入して『フェアリーランド』にしまって置きます⭐
あと、大人の男性用のと女性用のお土産も、ひかりさんや大人の方に聞いて購入します🎵

あとはゆっくり湯船に浸かりながら「いつかダークセイヴァーの皆様も、こうしてゆっくりのんびりできたら笑顔と笑いの絶えない世界になるのでしょうね⭐」と淡い希望を口にします🎵

まずは子供たちがお風呂に当たり前に入れる様にならないと… と“願い”と“祈り”を神様に捧げます入れる⭐



 一仕事終えて学園内を見て回ることにした祝聖嬢・ティファーナは、その喧噪に呆気にとられる。
「すごい、とっても賑やかな場所なんだね!」
「お嬢ちゃん、もしかして転校生かい?ならこのクッキーは食べたことないだろ」
 所謂購買のおばちゃんだろうか、中年の女性はせわしなく生徒達の列をさばきながらティファーナにお菓子を勧める。
 ずらりと並ぶ美味しそうなお菓子と共に、別の棚には愛らしいぬいぐるみや人形、不思議な動力を使った玩具も売られていた。
「うん、じゃあこれください!あと、これとこれと……あっこれも!」
 次々と気に入った商品を選んでは買い込む小さな妖精の隣には、うず高く積まれた品々。
「お嬢ちゃん、こんなに買ってくれたのはありがたいけど、どうやって持って帰るんだい?」
「だいじょーぶだいじょーぶ☆」
 そう言ってティファーナが取り出したのは小さな壺。壺を手にとり、こつんと品物に触れさせた瞬間、小さな風の音が鳴ったあと、その場にあった土産の山は消えていた。
「あれま、お嬢ちゃんの魔法かい?」
「うん、これでみんなに持って帰れるよ♪」
 彼女の口にした『みんな』とは、ダークセイヴァーに住む子供達。オブリビオンに支配され希望を無くした幼子達に、楽しいことを分けてあげたくて。
「……うーん、折角だからもうちょっと買っていこうかな。ねぇおばさん、大人の男性や女性向けのお土産ってあるかな!」

 ショッピングを堪能したあと、ティファーナは温かい湯船にゆっくり浸かり、ぽつりと呟く。
「いつかダークセイヴァーの皆様も、こうしてのんびりできたら」
 お湯に映るのは未だ幼い猟兵(自分)の姿。彼女が描く、今はまだ遠い未来。
「きっと、笑顔と笑いの絶えない世界になるのでしょうね☆」
 にこりと微笑んで紡いだそれは、自分に言い聞かせているようにも見えたかもしれない。
 まずはあの世界の子供達がいつでも入浴できることが、当たり前のことになるよう。少女は『願い』と『祈り』を神様に捧げた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

オリヴィア・ローゼンタール
皆さん、連戦お疲れさまでした
ゆっくり休んで英気を養いましょう

この世界の作法には疎いので、周りの方の様子を見ながら真似させていただきます
(【情報収集】【学習力】【礼儀作法】【コミュ力】)
……無作法かもしれませんが、眼鏡の着用だけはご容赦を
これがないと足元が覚束ないので

スライムの欠片やドラゴンの血をよく洗い流してから浴槽に浸かりましょう
脚に噛み付いたスライムの欠片が乾いてこびり付いていますね……石鹸で落ちるでしょうか?

元の世界では警戒のために、長時間武装を解いてお風呂に入るなんてことはなかったのですが……
たまにはこうやって、ゆっくりくつろぐのもいいですね……

アドリブや他の方との絡みOKです


セシリア・サヴェージ
なんとか務めを果たすことができましたね。モンスターの体液を全身に浴びてしまっているので洗い落としてから湯船にゆっくりと浸りたいですね。
特にドラゴンの血で全身真っ赤になってしまいましたから、メンバーの中でも一番大変なことになっているでしょうね…。

うう、それにしても、戦いの最中はいつも我を忘れて暴れてしまうので、もう少し自制心を持たないと…。
戦闘中の言動を思い出しただけで恥ずかしくて顔から火が出そうになります…(湯をぶくぶくさせながら沈んでいく)



 洗い場で隣同士の席に座りそれぞれ体を清めているのは、オリヴィア・ローゼンタールとセシリア・サヴェージ。
「連戦お疲れさまでした。お互い、すっかり汚れてしまいましたね」
「はい、本当に。私なんてドラゴンの血で真っ赤です」
 恐らく今回の戦いで最も凄惨な外見になってしまった女騎士がため息をつき、シスターはくすりと笑む。
 微笑みつつも、この世界の作法に疎いオリヴィアはこっそり周囲の様子を見て、真似をしながら体を洗う。眼鏡を掛けたままなのは、これが無くては足元が覚束ないのだ。
「……ん、あら」
「どうかしましたか?」
「ええ、少し。石鹸で落ちるでしょうか……」
 オリヴィアがちらと見せた脚には、噛みついたスライムの残滓がこびりついているようだった。
「じゃあ、このブラシがいいかもしれません。私もこれでだいぶ汚れが落ちましたから」
 セシリアが各席に備えつけの、柔らかなゴム製のブラシをおずおずと指差したのを見て、オリヴィアは感謝を口にする。
 そうしてきっちり汚れを落として、二人は揃って広い浴槽に身を預けた。

 ふぅ、と息を吐いてから静かに手足を伸ばせば、お湯がじんわりと体を芯から温めるような心地になる。
「元の世界では警戒のために、長時間武装を解いてお風呂に入るなんてことはなかったのですが……」
 たまにはこんな贅沢もいいかもしれない。湯気で曇る眼鏡のレンズを軽く拭きつつ、ほっこりした気分で寛ぐオリヴィア。
「リラックスする時間も必要ですね……けど、うぅ」
 同じくふにゃりと気持ちよさそうに湯船に浸かっているセシリアが、俯きがちに表情をしょんぼりとさせた。
「戦いの最中はいつも我を忘れて暴れてしまうので、もう少し自制心を持たないと……」
 戦闘中、ついスイッチが入り狂戦士と化してしまう自分を恥じているのか、顔を赤くして湯をぶくぶくと泡立たせながら沈んでいく。
 自分より背も高く年上の女性の愛らしい面に、オリヴィアがつい頬を緩ませ。
「ですが、戦っている時のセシリアさんはとても頼もしかったですよ」
 金の瞳を穏やかに伏せフォローする少女を見て、銀の瞳を持つ女の耳は更に赤くなったかもしれない。
「時々は広いお風呂に浸かって、こうやって誰かとお喋りするのも、楽しいものですね」
 微笑むオリヴィアに、セシリアはまだ湯船に沈みつつこくりと頷いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

烏鷺・エリカ
尻尾は猫だけど湯浴みは好きだよ
伸び放題の髪はちゃんと結いあげて
ざぱーんと体を洗って血や汗を落としたら
浴槽にゆったり浸かろうかな

誰も居なければひとりでのーんびり
ごくらくーなお風呂を楽しむよ
ガッコのなかとは思えないくらい
ひろーい浴場はリラックスにはぴったり
やっぱり校内も広いのかなあ
帰る前に探検していこっかなー

猟兵や学園の生徒さん見っけたら
遠慮なく話しかけちゃうかも
君はどんな種族なの?とか
このガッコのこと教えてよーとか

…とはいえ
あつさに強いわけじゃなくってさ
思う存分満喫したら
逆上せる前には上がろっか

こんな風にご褒美が待ってるなら
たまには頑張ってみるのもいーね
僕のいい子達も、あとで沢山褒めたげなきゃ



 ところ変わって此方は男湯。
 伸び放題の髪を結いあげ、体をくまなくさっぱり洗った烏鷺・エリカが浴槽に赴いた。
「んー……ごーくーらーくー」
 猫の尻尾を揺らしつつ、広い湯船を一人のんびりと楽しむ。『学校』の中とは思えぬ空間を興味深そうにきょろきょろ眺め、やはり校内も広いのだろうかと想像してみた。
「帰る前に、探検していこっかなー」
 そんなことを呟きながらお湯をぱしゃりと跳ねさせているうちに、賑やかな声が入り口から聴こえてくる。
 現れたのは見た目も様々な種族の男子生徒達。アリスブルーの瞳を緩く細め、体を洗って湯船に浸かる彼らに声をかけた。
「ねぇねぇ、君達はどんな種族?」
「お前見ない顔だな、転校生?まぁこの学園は広いから、そうでなくとも初対面かもしれないけどさ」
「だいせーかい、転校生だよ。つい最近来たばっかだから、このガッコのこと教えてほしいなぁ」
 端正な顔にとろんとした表情を浮かべるエリカを物珍しそうに見ていた生徒達だが、ゆるりとした語り口に惹かれたように、だんだんと話に花を咲かせ始める。
 あれよあれよという間にエリカの周囲には次々に話題を提供する生徒達が集まり、エリカも楽し気に相槌を打つ。
 そうして暫く生徒達と盛り上がったのち、頃合いと見たエリカがゆるりと浴場に立つと、ざぶざぶとお湯が揺れた。
「……ん、そろそろ上がろっかな」
「お、もう行くのか?」
「あつさに強いわけじゃなくってさ。思う存分満足したし、楽しかったよ」
 バイバイ、と手を振って浴場から出ると、生徒達もにこやかに彼を見送った。

 脱衣所で服に着替えたエリカはジュースを一杯。火照った体に冷たく甘い飲み物が沁みるよう。
「こんな風にご褒美が待ってるなら、たまには頑張ってみるのもいーね」
 僕のいい子達も、沢山褒めたげなきゃ。
 そっと寄り添い共に戦ったアリス達のことを頭に浮かべ、ふふんと鼻歌まじりのエリカの尻尾が揺れた。


 各々がそれぞれ過ごした憩いの時間は僅かでも。猟兵達の明日への気力になるだろう。
 そうして猟兵達が戦うことで、無辜の人々の憩いの時間も徐々に増えていく。

 ――とにかく今はゆっくり休んでね、戦う皆さん!

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月30日


挿絵イラスト