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もふもふこねこは平和主義

#UDCアース #【Q】 #UDC-P #もふもふこねこ

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● 街角猫会議
 都内の裏路地で、猫会議が開かれていた。
 開発の狭間で不自然に空いたビルの狭間の空間にいるのは、たくさんの猫たち。
 猫、といっても普通の猫ではない。丸々と太った猫達は皆おやつを食べていて、隣の猫とおやつを交換したりちょっと喧嘩したりと忙しい。
 しかも二足歩行している。彼らは普通の猫ではない。ガキにゃんこというオブリビオンなのだった。
 やがて真っ黒な毛並みのボス猫は得意げに髭をくゆらせると、集まった猫たちを見渡して言った。
「諸君! 我ら『ガキぬこ同盟』の次なる標的が決まったにゃ!」
 得意げに人語を話す猫に、他の猫たちがじゃれ合うのをピタリとやめる。
 おやつを食べながら興味深そうにボス猫をじっと見つめる同盟員達を見上げたボス猫は、金の瞳を光らせるとあさっての方向をピシッと指差した。
「標的は、『猫cafeシャトン』! ここの猫たちをおいしいおやつで勧誘して、邪神様に新しい同盟員にしてもらうにゃ! ついでに人間どもも魅了して、我々のお世話をさせるにゃ!」
 ボス猫の演説に、集まったオブリビオンの猫……ガキにゃんこ達が一斉にてしてしと肉球を叩いて喜んだ。
「素晴らしいにゃ! 団員が増えれば、邪神様からもらえるおやつが増えるにゃね!」
「邪神様に頭ナデナデしてもらえるかも知れないにゃ!」
「人間どもなんて、キラキラおめめで一発KOにゃ!」
「そこのペットショップからマタタビをせしめて来たにゃ! 前祝いにゃ!」
 興奮した様子で口々に語り合い、マタタビ大宴会が始まる。大騒ぎなガキにゃんこ達の中に、一匹だけそっと首を竦めるにゃんこがいた。三毛猫でオッドアイな比較的細身のガキにゃんこに、隣の斑猫が勢いよく肩を組んだ。
「にゃ! お前も楽しみにゃ!」
「そ、そうにゃね! おやつ食べ放題にゃね!」
 周囲に合わせて相槌を打つガキにゃんこは、小さくため息をついて空を見上げる。
 罪悪感を感じているガキにゃんこの周囲で、猫たちの宴会は明け方まで続いた。

● グリモアベースにて
「猫……。もふもふ……。なんて魅力的な響きなんでしょう」
 ほう、と頬に手を当てるアカネ・リアーブル(とびはねうさぎ・f05355)は、集まった猟兵達の視線に慌てて顔を上げた。
「ガキにゃんこのUDC-Pが発見されました。このガキにゃんこ達は「ガキぬこ同盟」というグループを作っていて、猫カフェの猫たちや店員さん、お客様を皆邪神にオブリビオンにしてもらおうとするのです」
 このガキぬこ同盟の中の一匹が、UDC-Pなのだという。三毛猫でオッドアイな猫は一匹しかいないし、猟兵達は本能で見分けることができるため間違えることはない。
「まずはこの猫カフェに客として潜入して、猫たちを思いっきりモフってください。猫たちをかわいがってあげていたらガキにゃんこ達が現れますので、それまでは心ゆくまでもふもふしてあげてくださいませ」
 またこのカフェは喫茶メニューも充実していて、普通の喫茶店としてコーヒーや紅茶、ケーキなどを楽しむこともできる。もちろん猫用のおやつも販売している。
 猫たちを思う存分もふもふすれば、そのうちガキにゃんこ達が行動を開始するのでこれを倒すのだ。UDC-Pを守りながら戦い、勝利した後にこのガキにゃんこのマニュアルをつくってあげて任務完了となる。
「ガキにゃんこはかわいいですが、他の猫やお客さん達をオブリビオンにする訳にはまいりません。皆様、どうか思う存分もふもふタイムを楽しんで、UDC-Pを保護してあげてくださいませ」
 アカネはにっこり微笑むと、グリモアを発動させた。


三ノ木咲紀
 オープニングを読んでくださいまして、ありがとうございます。
 今回はUDC-Pの保護をお願いしに伺いました。
 運営しようと思いつつ延び延びになっていたので、IDがえらいことになってますが気にしないでくださいませ。

 第一章は冒険です。
 猫カフェで猫たちを心ゆくまでもふもふしてください。
 モフるだけでなく普通に喫茶店として楽しむこともできます。
 喫茶店にあるものはたいてい出てきますが、アルコールはありません。

 第二章は集団戦です。
 UDC-Pを保護しながら、出てきたガキにゃんこ達を倒してください。
 プレイングに必要なら、三毛猫でオッドアイなガキにゃんこの設定は好きにしていただいて大丈夫です。複数あった場合は全ていい感じに採用させていただきます。

 第三章は日常です。
 保護したガキにゃんこのマニュアルを作ってUDCエージェントに引き渡してあげてください。
 第三章のみお声がけがあればアカネが登場します。

 プレイングは承認直後よりお受け致します。締切は後ほどご連絡致します。
 のんびりペースで運営できればと思います。
 また、第一章に断章はありません。

 それでは、良いモフモフを。
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第1章 冒険 『猫だ!猫になるのだ!』

POW   :    猫の力強さを身に着けるべく一緒に遊ぶ

SPD   :    猫の俊敏さを身に着けるべく一緒に走り回る

WIZ   :    より猫らしくなる為猫を観察する

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

荒珠・檬果
アドリブ、絡み歓迎。
UDC-Pということは、私とお仲間になりますね…。

猫カフェ。それはお猫様を楽しめるカフェ…。
モフリストの私が逃すはずがなく!!
もふもふしますよ、もふもふ。
あと、ねこじゃらしありませんか?ありましたら、それで構います!!
でも、ある程度で切り上げます、もふもふは。もふもふは。
ほら、もふもふし過ぎてお猫様を疲れさせるのも本意ではないので。
しかし、おねむなお猫様を見るのも一興…!!
お猫様は癒しですねぇ、本当に。

あとは…オススメの紅茶とかありますかね?カフェにくると、絶対に紅茶をとるので…。


ケイ・エルビス
アドリブ連携歓迎
WIZ

シロップとバターたっぷりのパンケーキとアイスコーヒーを注文して
おいしく頂いてチルアウトしつつ

猫用のおやつも買って猫をコミュ力で誘惑
猫らしく振る舞うのが必要になるかもだから
愛らしい動きを観察して学習しておく

「ほら、お前が欲しいのはコレだろ。あげるからこっち来いよ」
寄ってきた猫を優しくモフモフ撫でてオレも癒されるよ

念の為指定UCの影で出来たトカゲも目立たないよう店内に忍ばせ
暗がりで迷彩し隠しておく
猫と室内を情報収集していくぜ


大町・詩乃
【POW】
アレンジ・連携、大歓迎です。

お仕事で猫と戯れる・・・こんな素敵なお仕事初めてです💙
アカネさんには感謝ですね。
という訳で、普段の洋服(ワンピース)に着替えて猫カフェにお邪魔します。

少しやんちゃそうなネコさんに猫じゃらし等で遊んであげて、こちらに慣れてきてくれたようなら、少しずつスキンシップを進めてモフモフを楽しみます♪
最終的には頬ずりできるところまで、やってみたいです。

ここに来る猟兵さんは、同じ猫好きと見ました。
なので「ネコって、癒されますよね~💙。あ、すみません、大町詩乃といいます。素敵なお仕事なので馳せ参じました。」とお声がけして、そのままお喋りも楽しみますよ~。



● 猫好きは猫好きを呼ぶ
 猫カフェの受付を済ませた大町・詩乃(春風駘蕩・f17458)は、店内で遊ぶ猫たちの姿に目を輝かせた。
 右を見ればお昼寝している猫。左を見ればおいかけっこをしている猫。どの猫も毛艶もよく、調子が悪そうだったりする猫は一匹もいない。
 猫の気配が溢れる清潔な店内に足を踏み入れた詩乃は、猫パラダイスな猫カフェに楽しそうに微笑んだ。
「お仕事で猫と戯れる……。しかも可愛い子ばかりです。こんな素敵なお仕事初めてです。アカネさんには感謝ですね」
 片隅でグリモアを守る担当猟兵に微笑んだ詩乃は、普段のワンピース姿でソファに座った。新しいお客様に、猫たちが興味深そうに、またちょっと警戒したみたいに詩乃を見る。
 猫じゃらしに手を伸ばした詩乃は、隣に座った橙色をしたシャーマンズゴーストの女性の声に手を止めた。
「猫カフェ。それはお猫様を楽しめるカフェ。猫カフェ。それはお猫様がもふもふさせてくれるカフェ。こんな一石何鳥もの依頼、モフリストの私が逃すはずがなく!! もふもふしますよ、もふもふ!」
 目を輝かせてはしゃぐ荒珠・檬果(アーケードに突っ伏す鳥・f02802)の姿に、詩乃も笑顔になってしまう。詩乃の笑い声が聞こえたのか、受付からやってきたケイ・エルビス(ミッドナイト・ラン・f06706)もまた、楽しそうに笑った。
「猫! いいよな。特にここはいろんな猫がいて、猫好きの間でも有名らしいぜ」
「あわわ。お恥ずかしいところを」
 思わずモフリストのモフ好きを発揮してしまった檬果が、恥ずかしそうに身を竦める。そんな檬果に、詩乃は微笑んだ。
「大丈夫ですよ。ここに来る猟兵さんは、同じ猫好きと見ました。皆お仲間です」
「そーそー。好きなものを好きって言うのは罪じゃないさ」
 にかっと笑って親指を立てたケイが、詩乃に同意する。そんな二人の様子に、檬果はホッとしたように笑顔を浮かべた。
「そ、そうですよね! 申し遅れました。私は荒珠・檬果と申します」
「大町・詩乃といいます。素敵なお仕事なので馳せ参じました」
「俺はケイ。ケイ・エルビス。よろしくな!」
 挨拶を交わしたケイは、こちらをじーっと観察しているキジトラの猫に笑みを浮かべた。受付で購入した猫クッキーをピラリと見せると、キジトラがぴくりと反応する。
「ほら、お前が欲しいのはコレだろ。あげるからこっち来いよ」
 封を切る音がすると、キジトラが鼻を鳴らしながら近寄ってくる。我も我もと寄ってくる猫たちにクッキーをあげたケイは、猫たちの背中を優しくモフモフ撫でると自然な笑みを浮かべる。
 同時に猫たちを観察するケイの姿に、詩乃は居ても立っても居られなくなって猫じゃらしをしゅぱっと掲げた。
「さあ、遊びたい子はいますかー?」
 詩乃がパタパタと振る猫じゃらしの先っぽに、キジ白の猫が待ってましたと言わんばかりに飛びついた。

● おひざの猫とフロア猫
 少しやんちゃそうなキジ白猫じゃらしで遊んであげる詩乃の姿に、檬果も遊ぼうと立ち上がりかける。そんな檬果の膝の上に、一匹の猫が飛び乗った。
 慌ててソファに座った檬果の膝の上で、白猫が興味津々な目で檬果を見上げる。つぶらな金の目で見上げられた檬果は、そっと頭を撫でてあげた。
「どうしたんですか? 遊びたいんですか?」
 頭を撫でる檬果の手に、気持ちよさそうに目を細める。檬果の手に興味を惹かれたのか、やがて檬果の顎に鼻先を近づけるとすぴすぴと匂いを嗅ぎ始めた。
 その愛らしい仕草にはにゃーんと頬を緩めた檬果は、反対側の手を挙げると店員さんを呼んだ。
「ネズミのおもちゃありませんか? ありましたら、こっちの手に持たせてください!」
 ネズミ型のぬいぐるみを持たせてもらった檬果は、興味を惹かれたようにぬいぐるみに鼻先を寄せる白猫の目の前で生きているように動かした。
「さあ、遊びましょう!」
 握られたぬいぐるみの行く手をすぴすぴと辿った白猫は、ピクピク動くぬいぐるみに猫パンチを仕掛ける。それをすんでで避けた檬果は、狩猟本能を刺激された白猫のパンチが届くか届かないかくらいのところでピコピコさせる。
 夢中でじゃれつく白猫と、夢中でじゃれつかれる檬果。白いもふもふが一生懸命檬果が動かすぬいぐるみに挑む姿なんて天使かな?
 やがて両手でたし! と捕まえたのを機に、檬果はぬいぐるみを白猫にあげる。猫パンチでじゃれつく白猫の背中をもふもふしてると、その手触りに頬が緩んで仕方がない。
 もふもふは。もふもふは。そこにいるだけで尊いのです!
「ほら、もふもふし過ぎてお猫様を疲れさせるのも本意ではないので」
 誰にともなく言い訳した檬果の膝の上で、ぬいぐるみ飽きた白猫がくあ、とあくびをした。
 やがて丸まって眠ってしまう白猫の姿に、檬果はもう身動き一つできない。
「おねむなお猫様を見るのも一興……!! お猫様は癒しですねぇ、本当に」
 眠る猫を思い切り堪能した檬果は、猫さん達と徐々にコミュニケーションを取っている詩乃の姿に目を細めた。
 猫じゃらしで少しずつ遊びに誘っていた詩乃の動きに、最初は警戒していた猫が少しずつ寄ってきている。
 たし、と猫じゃらしにパンチする猫の気を引くように、猫じゃらしを動かす。無理をさせない詩乃の気持ちが通じたのか、だんだん側で大胆に動くようになる猫は詩乃の猫じゃらしに夢中になって飛びつく。慣れてきた猫をだっこしてあげる詩乃の鼻先を、キジトラの鼻先がフンフンかいでいる。
 頬の、耳元の匂いを嗅ぐキジトラ猫に、詩乃が気持ちよさそうに頬ずりすると、滑らかで気持ちよさそうな毛並みに目をうーんと細める。
 幸せそうに猫と戯れているところを見るのもまた、癒やされる。
 幸せな空間が広がる猫カフェのソファに座った檬果は、気持ちよさそうに寝息を立てる白猫の背中をそっと撫でた。

● 猫パラダイスを守るため
 おやつ争奪戦からの猫プロレスを繰り広げたケイは、もふもふにすっかり癒やされるとカウンターに座った。
 パワフルな子猫たちの、おやつよこすにゃ! な猛攻撃に晒されたケイは、空っぽの手を広げることで白旗を上げる。
 無いなら遊ぶにゃ! とじゃれる猫たちと思いっきりプロレスして、ついでに無垢なモフモフに大いに癒やされて。
 ようやく解放されて立ち寄ったカウンターでパンケーキとアイスコーヒーを注文したケイは、チルアウトしつつ猫カフェを眺めた。店内のあちこちで、皆幸せそうに猫と戯れている。猫カフェもいろいろあるが、ここはなかなか良質な部類に入るんじゃないだろうか。
「隣、いいですか?」
「もちろん!」
 起きた白猫を猫友達の間に返してあげた檬果が、ケイの隣の席を指差す。鷹揚に頷いたケイは、オススメの紅茶を頼む檬果の姿に目を細めた。
「そういや、シャーマンズゴーストもUDC-Pなんだってな」
「そうです。私とお仲間になりますね」
「ガキにゃんこって、あれだろ? お菓子いっぱい食ってるでかい猫。仲間になったらいいよな!」
 言いながらも、ケイは改めて襲撃に思いを馳せた。
 ガキにゃんこが、いつか種族ごと仲間になるかも知れない。ならないかも知れない。確かなことは言えないが、チャンスがあるなら手を貸したいではないか。
 そう言うケイに、檬果は深く頷いた。
「本当に。少しずつでもいいから、たくさん助ければいつかはガキにゃんこ、っていう種族が出るかも知れませんね」
「そうなったらいいな!」
 ケイが笑った時、パンケーキとアイスコーヒーが運ばれてきた。シロップとバターたっぷりのパンケーキはふっくら焼けていて、匂いからしてもう美味しいことが確定している。その匂いに誘われたのか、猫たちが寄ってきては「おくれ」と訴えてくる。
「ダメだよ。これは猫にあげちゃダメなおやつ」
 そう言って手の届かないところにやるが、好奇心旺盛な猫は驚くほど伸びて追いかけてくる。
 困ったケイの耳に、詩乃の声が響いた。
「ほーら猫ちゃん達! おやつの猫用ゼリーをあげるから、こっちにおいで!」
 詩乃の声に、弾かれたように猫たちが詩乃の手に群がる。ようやく落ち着いて食べられるようになったケイに、檬果が微笑んだ。
「これでは、おやつにつられてしまうのは無理ありませんね」
「そうだな」
 頷いたケイは、手のひらを掲げると【シークレット・エージェント】を召喚した。影でできたトカゲはすぐに店内の物陰に隠れると、気配を消して見えなくなる。念には念を。警戒しておくに越したことはない。
 店内に紛れたトカゲを確認したケイは、柔らかなパンケーキにナイフを入れた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

チル・スケイル
猫カフェ…
少し前までの私にとって動物は『狩猟の対象』か『家畜』でした
『愛玩動物』という概念さえなかった私が今こうして猫をもふもふしているのは、考えてみると不思議です

UDCアースは不慣れですが、膝の上に猫を乗せ優しく撫でたいと思います

…もふ……(…多くの命を凍らせ、奪ってきた私の手の中に、命の温かさが伝わってくる)
…もふもふ……(刈り取った、死んだ毛皮とは質が違う…包み込むような柔らかさ…まるで私の罪が許されるかのような…)
……(生きる為、私は多くの命を奪った。償うという訳ではないが…私は、この命を守りたい)

もふもふは…いい…とても…

(余談:チルの体はほんのりひんやり冷気を放っている)


草野・千秋
ガキにゃんこ……随分ゆるいお名前ですね
しかし他の罪のない猫さんや他のお客様の犠牲や迷惑なんて、めっ!ですよ
僕達が相手になりましょう

猫さんをモフりつつ、戦闘知識、第六感で警戒

僕は一匹だけ猫を家で飼ってます、サバトラ柄の猫
でも外食がお家ご飯とは違う味なのと同じように、よその猫さんはよその猫さん
とことん可愛がりましょう
あ、飲み物はココアがいいですね
あとは猫さんが食べる用のお菓子ありますか、クッキーとか

(ふわふわ)
(もふもふ)

はぁ〜これは……なんというか、やっぱりいいですね、猫
(喉を柔らかく撫でて)
他に何か怪しいものは無いか他のお客様がいたら同じ猫好きを装って情報収集



● この子どこの子うちの子こねこ
 猫カフェでキャットタワーの上部を争ってじゃれている猫たちの姿に、草野・千秋(断罪戦士ダムナーティオー・f01504)は目を細めた。
 世の中にはいろんな猫カフェがあるが、ここの猫カフェはオーソドックスながら猫たちのケアが行き届いていて、のびのび暮らしている姿は見ているだけで飽きない。
 喧嘩はするけどじゃれているだけで、見える範囲にいる猫たちは皆毛艶もよく、目も綺麗で元気に走り回っている。
 幸せに暮らしているここの猫や、猫を愛する経営者や店員さん、お客さんを皆邪神に捧げようとするオブリビオンは、一言で言って許せない。例えそれが……。
「ガキにゃんこ。随分ゆるいお名前ですね。しかし他の罪のない猫さんや他のお客様の犠牲や迷惑なんて、めっ! ですよ。僕達が相手になりましょう」
「猫……」
 千秋の隣で戸惑ったように声を上げたチル・スケイル(氷鱗・f27327)は、じゃれ合う猫たちの姿に興味深そうに身を乗り出す。
 千秋からすると普通の猫カフェなのだが、アックス&ウィザーズ出身のドラゴニアンであるチルにとっては違うのだろうか。チルの隣に座った千秋は、興味の後に来る困惑の表情を浮かべるチルに尋ねた。
「チルさんは初めてなんですか? 猫カフェ」
「はい。……少し前までの私にとって、動物は『狩猟の対象』か『家畜』でした。『愛玩動物』という概念さえなかったのです」
 戸惑ったように言うチルに、千秋は頷いた。確かに、ここの猫は人間の管理下にありながら食用ではない。毛皮を取る訳でもない。世界によっては、本当に珍しいものなのだろう。
「そうなんですか。言われてみれば、こういう施設は珍しいのかも知れませんね。……チルさんの世界では、猫を飼ったりしなかったんですね」
「しない。少なくとも、私は」
「僕は一匹だけ猫を家で飼ってます、サバトラ柄の猫。この子もかわいいんですよー」
 頬を緩めて家で待つ猫のことを思い浮かべた千秋は、思わずうちの子語りをしてしまう。ご飯をおねだりする時の鳴き声。帰ってきた時の態度。寝てる時の姿。サバトラ猫の魅力を語る千秋を興味深そうに見つめたチルの視線に、千秋は一つ咳払いをした。
「こほん。でも外食がお家ご飯とは違う味なのと同じように、よその猫さんはよその猫さん。とことん可愛がりましょう」
 微笑んだ千秋の優しさに惹かれたのか。一匹のトラ猫が千秋の膝に飛び乗った。そのまま丸まって、緑の目でじっと千秋を見上げる。撫でれ、と無言で訴える猫の喉元を、柔らかく撫でてあげる。気持ちよさそうに喉を伸ばしながら目を閉じる猫の、なんと愛らしいことか。
「はぁ? これは……なんというか、やっぱりいいですね、猫」
 手の中に感じる毛並みの感触は、何物にも代えがたいもふもふで。気持ちよさそうに喉を鳴らす姿に、猫という生き物を作った神様も罪深いと思えてしまう。
 千秋の撫でモフりに目を細めていたトラ猫は、もういいよと言わんばかりに身をくねらせると、何かをおねだりするようにキラキラな目で千秋を見上げて「にゃあ」と鳴いた。
 何を要求されているのか、言葉が通じなくても分かってしまう。千秋は笑みを浮かべながら頷くと、店員さんに猫用クッキーと人間用ココアを注文した。
 やがて運ばれてくる猫クッキーに、トラ猫が鼻を寄せる。店員さんから受け取った千秋は、目線で追いかけるトラ猫の上でくるりと一周させると口元にあげた。
 夢中であぐあぐと食べるトラ猫の姿を、チルがじっと見つめている。うずうずするチルに猫用クッキーを渡した千秋は、チルの足元に恐る恐る近寄ってきた黒猫に視線を落とした。
「あげてみてください。撫でさせてくれますよ」
「……うん」
 猫クッキーを受け取ったチルは、足元に来た銀灰色の猫にそっと猫クッキーを差し出した。

● 小さないのちを守りたい
 こわごわ差し出したチルの猫クッキーに、銀灰猫はこわごわ鼻を寄せる。匂いを嗅いだ銀灰猫は、警戒したようにチルの手から猫クッキーを食べると緑の目でチルを見上げた。
 何かを要求するような視線なのは分かる。だが、何を要求されているのかが分からない。
 どうしよう。クッキーを食べてくれたのはいいけれど、この後どうしたらいいのか。せっかく近くまで来てくれた猫なのに、呆れてどこかへ行ってしまったら寂しい。思わずフリーズしてしまうチルに、千秋は助け舟を出した。
「猫じゃらしで呼んでみてはいかがですか?」
「ねこ……じゃらし?」
 手近にあった道具を手にとった千秋から、棒の先端に細長い綿のようなものがついた道具を受け取る。見様見真似で猫の鼻先に近づけてみると、猫が たし! と踏んづける。
 そのまま手元に引き寄せてみると、猫はついてきてついにチルの膝の上に乗った。思わずあわあわしながらも、猫じゃらしで猫と遊んであげる。やがて手を離したチルの膝の上で猫じゃらしに噛み付く猫の姿に、チルは感動のあまり声も出ない。
 猫が、チルの膝の上で遊んでいる。チルの姿を怖がるわけでも、威嚇してくる訳でもない。一通り猫じゃらしで遊び終えた猫が、チルをじっと見上げてくる。その誘いに、チルは恐る恐る猫の背中に手を伸ばした。
 優しく、そっと撫でてあげる。気持ちよさそうに喉を鳴らす猫に、チルは思わず唇を噛んだ。
 手の中を、滑らかな毛並みが行き過ぎる。撫でた手の中に感じる鼓動は心地よく、この猫が生きているのだと伝えてくれる。
(「……多くの命を凍らせ、奪ってきた私の手の中に、命の温かさが伝わってくる」)
 滑らかで柔らかく、つやつやで心地よい手触りは、同じ毛皮だというのに狩りで得た獲物の手触りとはまるで違う。
(「刈り取った、死んだ毛皮とは質が違う……。包み込むような柔らかさ……。まるで私の罪が許されるかのような……」)
 ほんのり冷気を放つチルの手に、猫は気持ちよさそうな顔をする。無防備にその身を預けてくれる小さな命は、放っておけば邪神に捧げられてしまうのだ。
(「……生きる為、私は多くの命を奪った。償うという訳ではないが……私は、この命を守りたい」)
「いかがですか?」
 猫の背中を撫で続けるチルに、見守ってくれていた千秋が問いかける。自分の心の中に芽生えた感情を整理して名前をつけたチルは、千秋を見上げると口を開いた。
「もふもふは……いい……とても……」
「はい。もふもふはとてもいいですね」
 ほほえみながら賛同してくれる千秋に、チルは大きく頷いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

桜雨・カイ
任務ですからね、ええ任務ですから(にっこにこでもっふもふ)

人なつっこい猫はもちろん、人見知りしがちな猫にも怯えないようにそっと声をかけます。おやつ食べますか?
慣れてくれたらゆっくりゆっくり撫でていきます

もふもふした分しっかり遊んであげないと
遊び道具を借りて猫たちとを誘ってみます
さあ遊びましょうこっちに来ませんか?

張り切りすぎたでしょうか…ちょちょっと待ってください
そんなに一度に来られたら……元気がよすぎです
遊んでたつもりが、もはや遊ばれてしまってます



● ネコねこパラダイス
 猫カフェのソファに座った桜雨・カイ(人形を操る人形・f05712)は、興味津々に見上げる猫たちの視線に思わず頬が緩んだ。というか、さっきから緩みっぱなしである。
「任務ですからね、ええ任務ですから」
 言いながらも、手は膝の上を独占する大きくてとびきりもふもふな猫を思い切りもっふもふしてあげる。大きな猫はカイの手に満足したように鼻を鳴らすと、もっと撫でれと言わんばかりに見上げては「にゃあ」と鳴く。
「もっとですか? 仕方ありませんね」
 全然仕方がないとは思っていない様子で、カイはもふもふな大猫を撫でてあげる。大きな体の猫はしっぽも立派で、気持ちよさそうに左右に揺れるとモップが左右に動いているようにも見えてくる。もふりがいがあるとはこのことだ。
 ヌシの風格がある猫がカイの膝を独占する中、ふと視線に気がついたカイはそちらの方へと目をやった。
 まだ子猫だろうか。身体の小さな猫はカイに遊んでほしそうにこちらを見上げているが、大猫が怖くて近づけないのだろう。まるで人見知りのように物陰からこちらを見ては引っ込んで、またこちらを見るのを繰り返している。
「おやつ食べますか?」
 カイの声かけに、小さな猫はぴゃっと逃げてしまう。それでもこちらをじっと見る小さな猫を、大猫がじっと見ていた。
 なあ、と低い声を上げた大猫に、小さな猫がたしたしと駆け寄ってくる。身を屈めて差し出す猫クッキーを夢中になって食べる小さな猫に、他の猫たちも我も我もと近寄ってくる。
「ああ、順番順番。食べ過ぎは良くないですから、一匹一枚ですよ」
 食べてくれる猫の背中を撫でてあげる。その姿にやきもちを焼いたのか、大猫はおもむろに立ち上がるとカイの頬を舐めた。
 ザラザラな舌の感触が気持ちいい。やがて顔から離れた大猫は、床に飛び降りると振り返って「なあ」と鳴いた。
 どうやら「遊べ」と言っているらしい。立ち上がったカイは猫じゃらしを手に取ると、大猫の前でゆらゆら揺らした。たし! と捕まえる大猫の姿に、おやつを食べ終わった猫たちが我も我もと遠巻きに鳴く。そんな猫たちを、カイは満面の笑みで手招きした。
「さあ遊びましょう。こっちに来ませんか?」
 カイの呼びかけに、猫たちがいっせいにじゃれつく。足元を埋めるような毛玉の襲撃に、カイはもはや動くこともできない。様々な戦いをくぐり抜けてきたカイをここまで足止めできたものは、他に存在しないんじゃないだろうか。
 遊べ遊べの大合唱に、カイはその場に座り込む。身体によじのぼったり猫じゃらしにじゃれついたり顔をなめたり髪にじゃれて爪にひっかかったり。やりたい放題の猫たちに、カイはもはや成すすべがない。
「ちょちょっと待ってください。そんなに一度に来られたら……元気がよすぎです!」
 慌てて振りほどこうとするが、もちろん力なんて込められるはずもなく。
 いっぱいの猫たちにじゃれつかれたカイは、終始笑顔で遊ばれてしまうのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

彩瑠・姫桜
POW

猫カフェ、もふもふ…っ
(ものすごい目をキラキラさせてにゃんこ達眺め)

…はっ?!
だだだ、大丈夫よ、にゃんこがかわいすぎて
我を忘れてしまったなんてことないんだからね!
(誰かに言い訳しつつ真っ赤になって目をそらし

ええ、もふもふ天国すぎてときめくばかりだけど
仕事は忘れてないわ
ひとまずは猫と戯れるのが仕事というなら、ここは全力でいくわよ

いざ、「双竜演舞・串刺しの技」!
あなたの咎ごと私のこの猫じゃらしでじゃれじゃれにしてあげるわ!
(真面目な顔でちゃきーんと取り出す、二刀流猫じゃらし)
(UCは使ってません)

ああ、かわい…思いっきりかわいい…
(猫じゃらしにじゃれつく猫たちの可愛さにメロメロしまくってる)


エリス・シルフィード
エリシャさん(f03249)と
『ガキぬこ同盟』…ネーミング可愛くて憎めないじゃない!
『ガキぬこ同盟』の背後の邪神もモフ猫なのかしら?
UDC-P猫ちゃんの保護もしないと…はっ!
いけない、いけない
目的達成のためには、猫カフェ満喫が先だったわね
危うくそれを見失いかけてたわ…ありがとう、エリシャさん(肩のタマも鳴く)♪
と言う訳で猫カフェへ
エリシャさんと一緒に近寄ってきた猫達と戯れるわ
売っているおやつをあげて、タマ用の光る玩具で猫ちゃん達と遊ぶの♪
膝の上に乗った猫ちゃんを優しく撫でてたら、タマが肩から下りてわざと私の前を通って嬉しそうにエリシャさんからお菓子を貰う
「もう…タマったら。焼餅焼きなんだから」


エリシャ・パルティエル
エリス(f10648)と猫カフェを楽しむわ

猫ちゃんのUDC-P…猫ちゃんがオブリビオンだと倒すのに心が痛むから
友好的な個体がいるならぜひ助けなくちゃね!

猫カフェというあたしにとっての楽園を邪神に乗っ取られるわけにはいかないわ!
…というわけでエリス、それはそれとして猫カフェ楽しみましょうね

近寄ってきてくれた猫ちゃんを優しく撫でる
ごろごろいってかわいい…!
おやつも少しならあげていいかな
タマにもあげるわね(タマもなでなで)

うふふ、タマもやきもちやくの?
猫ちゃんは気まぐれなところがいいのよね
でもお家ではまたエリスに甘えるんでしょ?
ほんっと可愛いわよね…!
義弟が犬っぽいから、猫ちゃんに癒されるのよね…



● お仕事はだいじだいじ
 猫カフェの受付で猫用クッキーを買ったエリシャ・パルティエル(暁の星・f03249)は、猫たちが心置きなく遊ぶ猫パラダイスな空間に目を輝かせた。
 明るくて清潔な店内でのびのび暮らす猫たちは皆、毛並みが良くてつやつやモフモフだ。お客さんも良い人が多いのだろう。積極的に「あそぼ?」とすり寄る子もいれば、一見さんに警戒しながらも最終的には撫でさせてあげる猫もいて見ていて飽きない。
 お客さんと猫が、共に楽しい癒やしの空間。だが、ここは今正に危機に瀕しているのだ。
 この依頼では、放置すれば猫カフェの猫たちもオブリビオンにされてしまうのだという。店員さんもお客さんも皆邪神にオブリビオンにされてしまうだなんて、それだけは許してはいけない!
「猫カフェという、あたしにとっての楽園を邪神に乗っ取られるわけにはいかないわ!」
「本当にそうね。襲ってくるのは確か『ガキぬこ同盟』……ネーミング可愛くて憎めないじゃない! 『ガキぬこ同盟』の背後の邪神もモフ猫なのかしら?」
 肩にファミリアの白猫・たまを乗せたエリス・シルフィード(金色の巫女・f10648)は、資料にあったガキにゃんこの集団名に、思わず頬を緩ませている。
 いくらガキにゃんこの見た目が愛らしいモフ猫で団体名がかわいいからといって、ガキにゃんこはオブリビオン。ときめいている場合ではないのだ。そんなことを思ったのだろう。エリスは緩んだ頬を両手でサンドイッチすると、繕うように資料の続きを思い出した。
「UDC-Pの猫ちゃんの保護もしないといけないのよね。そうすると……」
「猫ちゃんのUDC-P……猫ちゃんがオブリビオンだと倒すのに心が痛むから、友好的な個体がいるならぜひ助けなくちゃね! ……というわけでエリス、それはそれとして猫カフェ楽しみましょうね♪」
 お仕事モードになったエリスに、エリシャは微笑んだ。せっかく猫カフェに来たのだ。思い切り楽しまなければ、来るはずのガキぬこ同盟も来なくなってしまうではないか。そうだそういうことにしておこう。
 エリシャの声に、エリスは再び我を取り戻す。足元でエリスを見上げて首をかしげるキジ猫に手を振ったエリスは、意識を再び猫パラダイスに戻す。
「……はっ! いけない、いけない。目的達成のためには、猫カフェ満喫が先だったわね。危うくそれを見失いかけてたわ……ありがとう、エリシャさん♪」
 にっこり微笑んだエリスの肩の上で、たまがにゃあと鳴く。エリスの足元に寄ってきていたキジ猫とにらめっこすることしばし。負けたように奥へ逃げてしまったキジ猫を追って視線を上げたエリシャは、猫カフェの中央で猫タワーの一部と化している金髪の少女に目を丸くした。

● これもお仕事です(真顔)
 猫たちのあまりの愛らしさに、彩瑠・姫桜(冬桜・f04489)は目を輝かせながら立ち尽くしていた。
 姫桜の足元にいるのは、もっふもふの猫たち。姫桜の足元にすり寄ってきては、キラキラな目で姫桜をじーっと見つめてにゃあと鳴く。
 鼻先を突き合わせながら、すぴすぴと何事か語り合う猫もいれば、無邪気にじゃれ合う猫もいる。おやつをねだる甘い鳴き声が響いたかと思えば、我関せずと日向ぼっこをする猫もいて。
 シャム猫混じりの白猫にじーっと見つめられた姫桜は、シャムの視線よりもキラキラな目でにゃんこ達を眺めてはため息をつく。まだ触れてもいないのに目の色を猫にした姫桜は、頬に手を当ててその光景に頬を染めた。
「猫カフェ、もふもふ……っ」
「猫ちゃん達、かわいいわね?」
 後ろから掛けられるエリシャの声に、ようやく我を取り戻す。振り返ると、エリスもたまもにっこにこ微笑みながら姫桜を見ていた。
「ふふ、目が猫になってましたわ♪」
「……はっ?! だだだ、大丈夫よ、にゃんこがかわいすぎて、我を忘れてしまったなんてことないんだからね!」
「そうね。ここの猫ちゃん、本当にかわいいもの」
 温かい二人の笑顔に、顔が真っ赤になっているのが自分でも分かる。そういえばさっき、二人は真面目に仕事の話をしていたような気がする。いけない。姫桜も猟兵。ここへは仕事で来たのだ。汚名返上名誉挽回。真面目に仕事をしてオブリビオンの魔の手から猫ちゃん達を守らなければ!
「ええ、もふもふ天国すぎてときめくばかりだけど、仕事は忘れてないわ。ひとまずは猫と戯れるのが仕事というなら、ここは全力でいくわよ」
 生真面目に拳を握った葵桜は、温かく見守る二人の視線を期待と受け止めると白と黒の猫じゃらしを取り出した。
 真面目な顔でちゃきーんと取り出す、マイ猫じゃらし。schwarz印の黒いふさふさと、Weis印の白いもふもふ。猫の気持ちを考え抜いて作られた二種類の二刀流猫じゃらしに、周囲の猫たちがぴくりと反応する。
 両手に持った猫じゃらしを、踊るようにパタパタさせる。細部にまで神経を行き届かせ、まるで小動物のように動き回る猫じゃらしが、猫たちを魅了する。届きそうで届かない絶妙な動きで猫じゃらしを操る姫桜は、ふいに猫じゃらしを大きく振った。
「いざ、「双竜演舞・串刺しの技」! あなたの咎ごと私のこの猫じゃらしでじゃれじゃれにしてあげるわ!」
 まるでユーベルコードを詠唱したかのように、超高速かつ大威力の一撃が猫たちを魅了する。まるで猫たちと一緒に踊るかのような姫桜の猫じゃらしに、それはもはや猫の舞。姫桜の動きに合わせて動いてくれる猫たちの、なんて愛らしいことだろう。満面の笑みを浮かべる姫桜のパフォーマンスに、店中から拍手が沸き上がった。

● お仕事だけどそれはそれ
 我に返って顔を真っ赤にして恥ずかしがる姫桜を誘ってソファに座ったエリスは、近寄ってきた猫たちに売っているおやつを差し出した。
「ふふ、食べる?」
 エリスの差し出した猫用にぼしの匂いを嗅いだトラ猫は、嬉しそうにあぐあぐと食べてくれる。手のひらに乗せた小さなにぼしを食べる猫の、おひげと舌がくすぐったい。
 いたずらっ子な黒猫が、エリスのバッグを覗き込む。目ざとく見つけた黒猫が、光る猫じゃらしをくわえてエリスにおねだりをする。その様子にたまが「わたしのおもちゃよ!」と言わんばかりにしゃー! と威嚇するが、無垢なこねこの視線に「しょうがないわね」と鼻を鳴らす。差し出される猫じゃらしを手にしたエリスは、目の前でパタパタと揺らしてあげた。
「おいでー。さあ、取れるかしら?」
 好奇心を刺激された猫たちが、一斉に光る猫じゃらしに群がってくる。夢中になって遊ぶ猫の姿は、仕草の一つ一つがまたかわいくて。
 遊び疲れた猫が、エリスの膝の上で丸くなる。ゴロゴロ喉を鳴らして甘える三毛猫の背中を撫でてあげると、たまとはまた違ったモフモフなめらかな毛並みに頬が緩んでしょうがない。肩の上ではたまが少し不機嫌そうに三毛猫を睨んでいるが、鈍感なのか三毛猫はそのまま眠ってしまう。
 エリスの隣で膝上の茶トラ猫を優しく撫でたエリシャは、ぬいぐるみでは決して味わえない優しい毛並みとあたたかな体温に癒やされている。リラックスした茶トラ猫は、喉の下をエリシャの指に預けて目をつぶってトロンとしている。
「ごろごろいってかわいい……! おやつも少しならあげていいかな」
 さっき購入した猫用ジャーキーの封を切ると、近くの猫たちが一斉に顔を上げる。そんな猫たちに混じって顔を上げたたまに、エリシャはジャーキーを掲げた。
「エリス。たまにジャーキーあげても大丈夫?」
「もちろんよ」
「にゃあ♪」
 エリスの答えに、たまは待ってましたとばかりに肩の上からぴょん、と飛び降りる。ぴん、としっぽを立てるとわざわざエリスの前をゆっくりと通り過ぎるたまは、エリスをチラリとみるとぷい、とそっぽを向く。
 エリスが構ってくれなくたって、私を構ってくれる人はいくらでもいるの。そう言いたげに通り過ぎたたまは、エリシャが差し出した一口サイズのジャーキーに嬉しそうにかじりついた。
 そんな姿もまたかわいい。たまの様子に、エリスはにっこり微笑んだ。
「もう……タマったら。焼餅焼きなんだから」
「うふふ、タマもやきもちやくの? 猫ちゃんは気まぐれなところがいいのよね。でもお家ではまた、エリスに甘えるんでしょ?」
 エリシャに背中を撫でてもらってご満悦なたまは、エリスを振り返るとにゃあ♪ と鳴く。当然でしょ? と言いたそうな声に、エリシャの頬は緩みっぱなしだ。
「ほんっと可愛いわよね……!」
「ああ、かわいい……思いっきりかわいい……」
 そんなやり取りを見ていた姫桜も、おひざで喉を鳴らすキジ猫の背中を撫でながら目を細めている。
 もうかわいい存在しかいないんじゃないかな? という空間に、思い出されたのは何故か義弟の姿で。いつもすり寄ってくる義弟の姿に、エリシャはふと遠い目をした。
「義弟が犬っぽいから、猫ちゃんに癒されるのよね……」
「義弟さんじゃ癒やされないの?」
「癒やしとか、そういう話じゃないのよね」
 首を傾げるエリスに、エリシャは苦笑いをこぼす。遠い目をしたエリシャは、気を取り直すとたまの頭をそっと撫でた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『ガキにゃんこ』

POW   :    お菓子が足りない、もっとにゃー。
戦闘中に食べた【お菓子】の量と質に応じて【なぜか空腹感が増し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
SPD   :    食べ終わってしまったのにゃ。さあ、次の袋にゃ。
戦闘中に食べた【お菓子】の量と質に応じて【空いた袋が増大し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
WIZ   :    このお菓子はおまえらにはやらないのにゃ。
戦闘中に食べた【お菓子】の量と質に応じて【独占欲が増大し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。

イラスト:まつもとけーた

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


※夜に断章を追加予定です。
しばらくお待ちください。
● おやつをあげるにゃ こっちによこすにゃ!
 猫カフェを思い切り堪能した猟兵達は、響く声に顔を上げた。
「にゃーっはっはっはっはっはっはっは! 猫cafeシャトンの猫たちは、遊び疲れてみんなハラペコにゃね!」
 礼儀正しく入り口から入って律儀に受付まで済ませたガキぬこ同盟のガキにゃんこ達は、思い思いに遊んでいる猫達に向けてじゃにゃーん! と猫おやつを掲げた。
 さっきまで思う存分遊んで、おやつもいっぱい食べた猫たちだったが、リーダー猫の持つかつおぶしに一斉に顔を上げた。
「さあ、このおやつが欲しかったら一緒に来るにゃ! 邪神様にお願いして同盟員になったら、おやつ食べ放題にゃ!」
 リーダー猫の言葉と半生のかつおぶしに、猫たちは目を輝かせる。猫を魅了するマタタビでもまぶしてあるのか、猫たちは一斉にリーダー猫に駆け寄った。
 猫たちがおやつを食べようとした時、UDC-Pの三毛猫が動いた。
「にゃにゃ! あげないにゃ!」
 リーダー猫の手からかつおぶしを奪った三毛猫は、それをあっという間に平らげてしまう。びっくりしたリーダー猫は、背中の籠から今度はささみを取り出した。
「なんにゃミケ! おなかがすいてたのかにゃ? おやつならこっちにも……」
「にゃにゃ!」
 素早くささみに噛みつく三毛猫に、リーダー猫はしっぽをぶわっっとさせると威嚇のフーで三毛猫を睨んだ。
「さっきから何にゃ! お前達、ミケを押さえとくにゃ!」
「了解ですにゃ! 待つにゃミケにゃ!」
「にゃにゃ! おやつ食べちゃダメにゃー!」
 逃げる三毛猫を、ガキぬこ同盟員達が追いかける。
 改めて猫たちにおやつをあげて勧誘するリーダー猫に、猟兵達は動いた。

※プレイングは6/6(土)までは全数執筆致します。過ぎましたら物理的に締まるまでは受付とさせていただきます。
ケイ・エルビス
アドリブ連携歓迎 WIZ
地形の利用で物陰に忍ばせ情報収集していたUCのトカゲのおかげで
複数いる敵とお菓子の位置を殆ど把握したぜ

「ええっ、お菓子オレ達にくれないの?じゃあ勝手に…頂くぜ!」

先制攻撃でトカゲを頭や服の中に落としてビックリさせ
その間にフェイント入れながら猛ダッシュ

敵の背負っているお菓子かごのある背中側に早業で回り込み
隠し持っていた鞭でお菓子かごに盗み攻撃して略奪!
お菓子を奪ってパワーアップできないようにしてやるぜ

お菓子を開けて食って挑発と時間稼ぎ
他の猟兵達が行動しやすいよう敵からオーラ防御して気合でかばい鼓舞
ピンチの仲間がいればブラスターでクイックドロウ、援護射撃でサポート


チル・スケイル
正規の手続きをして入店したのですね。UDCアースの人々は、喋る猫に慣れているのでしょうか?

…(ともあれ室内での戦闘。周囲への被害を考慮しなければ)

…(幸いと言っていいのか、敵オブリビオンの注意はUDC-Pと店内の猫に向いている)
…(素早く【カシュパフィロ】をリーダーに向け、射撃。敵を冷凍する)
…(すると敵の注意はこちらに向くだろう。外さない事を優先し、一体ずつ射撃。強引にヘイトを買う)

…(敵のユーベルコードの起動条件はお菓子を食べる事。食事中の相手を撃つなど、わけはない)
…(警戒すべきは、陰に隠れて食事をとる個体、動きながら食べる個体か)

あなた方に渡す命は、どこにもありません。お引き取りを。



● おやつおいかけっこ!
 遊び疲れた猫たちがくつろぐ猫カフェの入り口が、大きく開いた。
 人間の腰くらいまでの身長の、二足歩行もふもふ猫たちが器用に入店手続きをする姿を見たケイ・エルビス(ミッドナイト・ラン・f06706)は、律儀だなーなどと思いながらガキにゃんこ達を迎え入れた。
 さっき物陰に忍ばせて情報収集していたトカゲからの情報で、ほぼ完璧にガキにゃんこ達の位置を把握する。着々と戦いの準備を進めるケイに、チル・スケイル(氷鱗・f27327)は困り果てた様子でケイに問いかけた。
「あの……。UDCアースの人々は、喋る猫に慣れているのでしょうか?」
「え?」
「いえ、正規の手続きをして入店していましたから。ビジター利用は住所や氏名の記入を求められるのですが、店員さんが普通に対応されてましたから」
「あぁ。そうか。チルはアックス&ウィザーズ生まれだったっけな」
 小耳に挟んだ会話を思い出したケイは、大きく頷いた。アックス&ウィザーズの方が人間以外の見た目の種族がいる気がするが、それだけに疑問なんだろう。UDCアースへの誤解を持たれるのも忍びない。
「いやほら、猟兵達もどこの世界でも姿に疑問持たれたりしないし。それと一緒じゃねぇか?」
 続々と入ってくるガキにゃんこ達を見守っていたケイの指摘に、チルは納得して頷く。手筈を打合せたチルが気配を消すのを確認したケイは、敢えてガキにゃんこ達の気を引くように語り掛けた。
「うまそうなおやつ持ってるじゃねぇか。俺にもくれよ!」
「嫌にゃ! このおやつは俺のものにゃ!」
 背負子からおやつを取り出したガキにゃんこが、急いでおやつを口にする。続けざまに食べようとするガキにゃんこに、ケイは驚いた声を上げた。
「ええっ、お菓子オレ達にくれないの? じゃあ勝手に……頂くぜ!」
 ケイの声と同時に、ガキにゃんこ達が一斉に飛び上がった。頭や背中に落ちてきた冷たくてモゾモゾ動く物体に、ガキにゃんこ達はびっくりしたように身をよじらせた。
「にゃにゃ! 何にゃ! 気持ち悪いにゃー!」
「隙あり!」
 トカゲに気を取られたガキにゃんこ達の背後に回り込んだケイが、おやつを略奪して回る。トカゲを振り払っておやつに手を伸ばしたガキにゃんこ達は、空っぽの背負子に慌てた声を上げた。
「にゃ! おやつがないにゃ!」
「お前のおやつはここかい?」
 ついでに略奪した背負子の中におやつを入れたケイは、背負った籠からクッキーの袋を取り出した。
 おやつの袋を手にしたケイに、ガキにゃんこ達が背中の毛を逆立てながらフー! と威嚇する。その姿を更に挑発するように袋を開けたケイは、さっき猫たちにあげた猫クッキーを口に含んだ。人間用と違って甘みはないが、その分かつぶしや煮干しの味がしてこれはこれで悪くない。
 おやつを失いユーベルコードが使えなくなったガキにゃんこ達が、ケイに一斉に飛びかかった。
「にゃ! おやつ返すにゃー!」
 数に任せて一斉に爪出しひっかきジャンプ攻撃を仕掛けるガキにゃんこ達が、ふいに凍りつた。

● 氷の彫像
 ガキにゃんこ達を挑発し、時間を稼ぐケイの陰に隠れてカシュパフィロを構えたチルは、詠唱を重ねると魔力を増幅させた。
 ここは室内。大出力の魔力を解き放てば早いのだが、被害を最小限にするためには魔弾は小さく、威力は大きく、ガキにゃんこ達のみにダメージを与えるようにしなければならない。
 幸い、ガキにゃんこ達はケイの挑発に我を忘れてチルに注意を払わない。照準を合わせたチルは、ケイに飛びかかるガキにゃんこに引き金を引いた。
(「凍れ」)
 念と同時に放った【氷術・凍(アイスフリーズ)】がガキにゃんこ達を凍らせる。おやつを奪い返そうとしていたガキにゃんこが、氷の彫像となると床に落ちた。
 凍りつき、身動きが取れなくなったガキにゃんこたちには構わず、チルは一体ずつ確実に凍らせていく。おやつを食べてパアーアップするガキにゃんこ達は、おやつを食べさせなければ倒しやすい。
 敵のユーベルコードの起動条件はお菓子を食べる事。食事中の相手を撃つなど、わけはない。動かなくなったガキにゃんこ達は、UDC-Pを狙うこともないため、一石二鳥の策と言えた。
 凍りつくガキにゃんこの姿に、敵意が一斉にチルに向く。チルの前にしゅたっと立ったリーダーにゃんこは、器用に爪を一本だけ出すとびしっと突きつけた。
「にゃにゃ! 猫はこたつで丸くなるくらい寒さに弱いにゃ! 凍らせるだなんてなんてひどいにゃ!」
 おやつを食べようとするリーダーにゃんこに、【氷術・凍(アイスフリーズ)】を射出。だが氷像の陰に隠れたリーダーにゃんこは、急いでおやつを食べるとパワーもりもりでチルに飛びかかった。
「にゃにゃ! 団員のおさそいをじゃまするにゃ!」
「おっと、させないぜ!」
 魔法の継ぎ目を狙って飛びかかるリーダーにゃんこは、続けざまに放たれたケイのスタリオンに撃たれて床に落ちた。
 肩を撃たれて床に落ちたリーダーにゃんこに、チルはすかさず照準を合わせる。
「あなた方に渡す命は、どこにもありません。お引き取りを」
 冷静に言い放つと同時に放たれた【氷術・凍(アイスフリーズ)】が、リーダーにゃんこを冷たい氷に閉じ込めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

草野・千秋
三毛猫でオッドアイで細身の猫さん
あの子ですね
店を荒らす事に対して罪悪感を感じておられるようです
本当は心が優しく繊細な子なのでは
救って差し上げねば
そして店を荒らそうとしているガキにゃんこさん!猫カフェさんやペットショップを荒らすだなんて駄目ですよ!
何より邪神に仕えてもいい事なんて何一つありません!待っているのは『破滅』だけです!
変身!

UC【Judgement you only】で防御力上げ
UDC-Pの猫さんと仲間さんは他のガキにゃんこさんから徹底的にかばう
スナイパー、範囲攻撃、2回攻撃で敵攻撃
可愛くても敵は敵、気を引き締めて
接近戦になったら怪力でヒーローソードの斬りをお見舞いし撃破を目指す


荒珠・檬果
アドリブ、連携大歓迎。

(モフ充つやてか)…礼儀正しいですね…。
ですが、ここの猫たち、そしてミケさんを守るためにも!!(名前が聞こえた)

ガキにゃんこズとミケさんの間に割って入るようにしますね。
そして、【バトルキャラクターズ】を発動。今回は猫キャラたちですよ!
最初は全バトルキャラクター(猫)で遮りつつ。徐々に増える空き袋をこーっそり片付ける班、戦う班の二つに分けましょう。
私自身は指示だしつつ、適度に薙刀で凪ぎ払いますね!

しかしミケさん、かわいいですねー。
あとでモフりたいです。


大町・詩乃
アレンジ・連携歓迎

三毛猫さんをガキぬこ同盟員達から護る為に頑張ります!
ワンピース姿のまま店を出て、【失せ物探し・空中浮遊】を組み合わせて三毛猫さんの居場所を特定、ガキぬこ同盟員達の前に立ちます。

ガキぬこ同盟員達に「邪神は人間のように猫を愛でたりしないです!使い捨ての道具、例えば鼻をかんだ後のティッシュのような扱いですよ。
貴方達は騙されています。日々の暮らしの中にこそ幸せが有ります。
三毛猫さんの様に、人々と一緒に日々楽しく生きましょう。」
と説得。

どうしても説得不可で倒さなければならないならUCを発動します。
そこまでせずに済むなら【光の属性攻撃・なぎ払い・マヒ攻撃】で猫さん達を殺さずに倒します。



● ねこねこ追いかけっこ
 ガキにゃんこ達が受付を済ませながら入ってくる姿を目撃した荒珠・檬果(アーケードに突っ伏す鳥・f02802)は、その姿に大きく頷いた。
 ぞろぞろと入ってくるガキにゃんこ達は、目を丸くする店員さんを勢いで言いくるめるとがま口の財布からお金を払って入店してくる。あのお金は非合法に入手したものだろうが、そこだけ見るとオブリビオンとはとても思えない。
「……礼儀正しいですね……」
 少なくとも入店時は誰にも迷惑を掛けないという姿勢は、オブリビオンながらあっぱれというかなんというか。
 ともあれ始まったミケとガキにゃんこ達の追いかけっ子に、他の猫達が一斉に逃げ出す。とりあえず他の猫への危害が加えられないのを確認した檬果は、捕まえられそうになるミケとガキにゃんこの間に割って入ろうとした。
 だが、猫特有の俊敏さと気まぐれさでフェイント加えながら猫カフェ狭しと走り回るミケ達の動きを止めるのはなかなかに難しい。
 ともすれば似たような姿のガキにゃんこ達の中に紛れてしまうミケの姿を目で追った大町・詩乃(春風駘蕩・f17458)は、ミケのいる方に指を指した。椅子の上に立ってミケ達の動きをよく観察すれば、次にどう動くのかも察しがつく。
「あっちです、檬果さん!」
「分かりました! って、逃げないで下さい!」
 まずは正攻法を、と詩乃と一緒に割って入ろうとするが、ミケにとっては追いかけられるのと同じなのだろう。しかもまだまだ体力がある。猫特有のスルリとした身のこなしで、伸ばした腕をすり抜けて逃げられてしまう。
「……こうなったら、人海戦術ならぬ猫海戦術です! 出てきて下さい、【にゃんこバトルキャラクターズ】!」
 檬果の詠唱と同時に現れた、額に「1」と刻印された猫のバトルキャラクターズが、ミケを追いかけるガキにゃんこ達に一斉に立ち向かう。
 俊敏なガキにゃんこ達も、これにはたまらない。止められたガキにゃんこ達は、背中に手を伸ばすとおやつの封を切った。
「にゃ! おやつを食べるにゃー!」
 次々とおやつを食べては、足元に袋がうず高く積まれる。山のようになった袋を前にしたガキにゃんこ達は、自慢そうに胸を張った。
「にゃ! これだけおやつを食べたら百匹力にゃ!」
「これだけ? どれだけですか?」
「にゃにゃ!?」
 首を傾げる檬果に、ガキにゃんこ達は足元を見る。そこにあるはずのお菓子の袋がどこにもない。慌てて周囲を見渡すと、エプロンと三角巾をしたバトルキャラクターズがお菓子の袋を綺麗に片付けていた。
「あなた達は礼儀正しいですが、うちの子達だって礼儀正しいんです!」
 自慢気に胸を張った檬果は、なぎなたを構えると大きくなぎ払う。
 檬果の自慢に気恥ずかしそうに鼻を掻いたバトルキャラクターズは、ミケに追いすがろうとするガキにゃんこ達を足止めする。
 ようやく足を止めたガキにゃんこ達の前に立った詩乃は、毛を逆立てて威嚇するガキにゃんこ達に訴えた。

● はらぺこにゃんこはいつもはらぺこ
 背負子にお菓子を満載したガキにゃんこ達の前に立った詩乃に、ガキにゃんこ達は鋭い声を上げた。
「にゃ! そこをどくにゃ!」
「いいえ、どきません! ここの猫たち、そしてミケさんを守るためにも!!」
「そうです! ミケさんは渡しませんからね!」
 檬果と詩乃の連携で追っ手から逃れたミケを、草野・千秋(断罪戦士ダムナーティオー・f01504)は両手を広げて迎え入れた。千秋の腕からも逃げようとするミケを、優しく宥めて落ち着かせる。
「大丈夫ですよ。あなたは僕たちが守りますから」
「にゃ!」
 千秋の腕の中で荒い息を繰り返すミケが、千秋を見上げて周囲を見渡した。檬果と詩乃の足止めにもめげない一匹が、ミケに向かって大きくジャンプするのが見えた。
「にゃ! ミケを渡すにゃ!」
「渡しません!」
 ひっかき攻撃から身を挺して守った千秋に、ミケは大きく目を見開く。追い返されるガキにゃんこの姿にちょっと安心したようなミケは、猫カフェの猫達の姿を探した。
「猫は、他の猫は大丈夫かにゃ? おやつ食べてないにゃ?」
「大丈夫ですよ。猫カフェの猫達は、まだ誰も何も食べていません。あなたのおかげです。……優しいのですね」
「そ、そんなんじゃないニャ! でも、お兄ちゃんならきっと猫にゃん達も守ってくれるにゃね!」
 照れたように顔を洗うミケの姿をチラリと見た檬果は、そのもふもふかわいい仕草に拳を握り締めた。戦闘がなければ、もっとモフってモフ充しまくるのに!
「くうっ! しかしミケさんかわいいですね! 後でモフらせてくださいね!」
「にゃ! モフってくれるにゃ? 嬉しいにゃ!」
 しっぽをピン! と立てたミケの姿に、詩乃も笑みを浮かべる。あの子を保護するためにも、ガキにゃんこ達をなんとかしなければ。
「皆さんも、ここの猫たちを勧誘するのはやめてください!」
「にゃ! 邪神様のところに行けば、おやつ食べ放題にゃ!」
「そうにゃ! ここの猫たちだって、邪神様に同盟員にしてもらったほうが幸せにゃ!」
「そんなことありません!」
 口々に言うガキにゃんこ達に、詩乃は首を大きく振った。ガキにゃんこ達は、邪神の「おやつをあげるよ」の言葉についていってしまった猫の成れの果てだ。生きている猫よりも幸せだなんて、詩乃にはとても思えない。
「邪神は人間のように猫を愛でたりしないです! 使い捨ての道具、例えば鼻をかんだ後のティッシュのような扱いですよ。貴方達は騙されています」
「そ、そんなことないにゃ! 美味しいおやつが食べられるにゃ!」
「幸せって、美味しいおやつだけですか? お昼寝したり、遊んだりは? 日々の暮らしの中にこそ幸せが有ります。三毛猫さんの様に、人々と一緒に日々楽しく生きましょう」
 真に迫る詩乃の訴えに、ガキにゃんこ達は顔を見合わせる。説得に応じそうになったガキにゃんこ達だったが、一匹のお腹がぐーっと鳴った。
「うう、でも、ダメなんにゃ! 美味しいおやつを食べないと、お腹が空いちゃうにゃ!」
「同盟員を増やせば、おやついっぱい貰えるにゃ!」
 口々に叫びながら、ガキにゃんこ達が一斉に飛びかかってくる。可愛らしい姿をしているとはいえ、彼らはオブリビオン。存在するだけで世界を破滅へと導いてしまうのだ。
「ごめんなさい! ……今より此処を桜花舞う佳景といたしましょう」
 詠唱と同時に、煌月が光を纏い全てを浄化消滅する桜の花びらと化す。消滅していくガキにゃんこ達に唇を噛んだ詩乃は、消えるガキにゃんこ達に手を伸ばした。
「UDC-Pをたくさん助ければ、いつか飢えから解放されます。それまで、待っていてくださいね」
 詩乃の誓いに、ガキにゃんこ達が微笑んだ気がした。

● おやつは一日500円
 手を伸ばす詩乃に、花びらを飛び越えたガキにゃんこ達の爪が迫った。しゃきーん! と伸びた爪は、おやつを食べておなかいっぱいになったガキにゃんこ達の攻撃力を乗せて大きく振り下ろされる。
「にゃにゃ! ミケは危険にゃ! こっちによこすにゃ!」
「させません! ……僕は負けられないんですよ、僕を信じてくれた人や猫の為に!」
 詠唱と同時に断罪戦士ダムナーティオーに変身した千秋は、詩乃の前に躍り出るとガキにゃんこ達の爪を受け止めた。
 防御力を強化させた千秋の鎧は、鋭い爪から詩乃を守る。ガキにゃんこ達の一斉攻撃から仲間を守り通した千秋は、大きく腕を振るとガキにゃんこ達を弾き飛ばす。距離を取ったガキにゃんこ達は、背負子に手を伸ばすが、今までの戦闘で食べきったのかそこはからっぽだった。
「にゃにゃ! お腹が空いたら戦はできぬにゃ!」
「にゃ! そこのおやつも美味しそうにゃね!」
 お腹をすかせたガキにゃんこが、目をキラーン! と輝かせると棚に並べられた猫用おやつに飛びつく。その動きを読んだ千秋は、鋭い声で叫んだ。
「いけません! そのおやつは売り物です。お金を払わなければ、お店の人が困ってしまいます! まずはこれください、でしょう!」
「にゃにゃ! これくださいにゃ!」
 真剣な声に思わず立ち止まったガキにゃんこは、着地すると棚の猫クッキーを指差した。カウンターの裏で縮こまっていた店員は、恐る恐る顔を出すと一言だけ告げる。
「ご、550円です」
「お金にゃら……にゃ! さっき使っちゃったにゃ!」
 ががーん! という顔をしたガキにゃんこは、気を取り直したように棚に向かって駆け出す。
「お金無いからよこすにゃ!」
「それはいけません!」
 叱るように言った千秋は、改めて照準を合わせるとガキにゃんこに続けざま銃を放つ。銃弾に貫かれたガキにゃんこは、床に落ちるとそのまま消え去った。
 かわいいけれど、愉快だけれどUDCはUDC.気を引き締めて掛からなければ、守れるものも守れなくなってしまう。
 守る意志を新たにした千秋に、ガキにゃんこ達は一斉に背中の毛を逆立てた。
「にゃ! おやつがなかったらお腹が空いちゃうにゃ!」
「邪神様におやつをもらうために、ミケをよこすにゃ!」
「邪神に仕えてもいい事なんて何一つありません! 待っているのは『破滅』だけです!」
「そんなことないにゃ!」
「ではお伺いしますが。あんなにおやつを食べたのに何故、ずっとずっとおなかがすいているのでしょう? あなた達はおなかいっぱいになったことって、ありますか?」
「それは……ないにゃ」
「ないからおやつよこすにゃ!」
「わからずや!」
 現実を認めたがらないガキにゃんこ達が、千秋に一斉に飛びかかる。唇を噛み締めた千秋は、gladius damanatoriusを構えた。ミケに近づこうとするガキにゃんこに、千秋は誓いを込めてヒーローズソードを振り抜く。
「僕が、僕たちがいつか必ず、飢えから解放してあげます。待っていてくださいね!」
 次々に消えていくガキにゃんこ達に、千秋は手を握り締めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

彩瑠・姫桜
倒すのは忍びないけれど、ここは心を鬼にしなくちゃね
ここは思いっきりモフり倒してあげるんだから覚悟なさいっ
(びしぃと指さし。下心ありありだ

【咎力封じ】発動
UDC-Pのミケさんに襲いかかるにゃんこを中心に捕獲

お菓子ばっかり食べてたらいい加減体重増加しちゃうわよ?
さぁ、私に縛られておとなしくモフり倒されてしまいなさい!
(ものっそ目を輝かせてる。いつもの10倍は熱い

猫の弱点はお腹!
ふふ、もふもふ感が心地いい…っ
(ものすごく幸せそうにもふもふ

え、トドメ刺しなさいって?…もうちょっとだけ…って、ダメ?
(schwarzのてしてしツッコミに

わ、わかったわよ、忘れてないんだから
(しぶしぶドラゴンランスで串刺しに


桜雨・カイ
猫たちが走り回る姿も可愛いですね
はっ…今は同盟員たちをなんとかしないと!

猫は狭い所も好きですよね
【想撚糸】発動
小さな袋状の結界をたくさん糸で編んで作ります、中にお菓子も少し入れて…と。
あーこんなところにちょうどいい空間がー(棒)
同盟員たちが中へ入ったところで、入口を閉めます

ごめんなさい、少しの間そこで待っていてください
あとでおわびにもふもふしますから

リーダー猫は心を鬼にしてお菓子を回収し戦闘力増加を防ぎます。
はい、食べ過ぎはいけません!
そして攻撃、ねこパンチ!
相手も本職のねこパンチの使い手のはず。
良い勝負になると思います

あ、あの…疲れさせる作戦です!遊んでいるわけではないですよ!


エリス・シルフィード
エリシャ(f03249)と
他の方との連携・アドリブ可
こ、この子達がガキぬこ同盟員達ね…かっ、可愛い(胸キュン)
(肩のタマは、しゃ~っ、とガキぬこ同盟員達を威嚇)
ええ、分かっているわよタマ
幾ら可愛くても邪神に仕えるオブリビオン
多分エリシャさんの言うとおり、あれを食べると魅了されちゃうんでしょうね…美味しすぎて
戦わなきゃね?
とは言え、私とエリシャさんじゃ、攻撃のバリエーションが無いのも事実
…取り敢えず他の猟兵の人達と連携して戦うために祈りを籠めてUCを歌唱するわ
あら、ネズミつき釣り竿?
うん、これを使って三毛ちゃんに大丈夫よ、こっちおいでと呼びかけるわ
三毛ちゃんが怪我をしたらUCで回復を続けるわね


エリシャ・パルティエル
エリス(f10648)と

この子たちがガキにゃんこ…うう、やっぱり可愛いわね…
とにかくミケちゃんを助けないとね
あのおやつを食べると猫カフェの猫ちゃんも魅了されるのかしら?
おやつあげるのを阻止しないとね!

UCで釣り竿っぽいのに魚がついてる特製のおもちゃを作るわ
ねずみがついてるのはエリスに渡すわね

あなたたちちょっとまるまるとしすぎよ
可愛いけど健康のためにも運動しなくちゃね
猫ちゃんの狩猟本能を刺激しておもちゃで誘導
またたびの香りつきよ
ガキにゃんこたちの気をそらせてミケちゃんを守るわ
攻撃は他の仲間に任せるわね

邪神なんかを崇めなくてもいいの
あなたたちは自由なんだから
それこそが猫ちゃんってものでしょ?



● 猫釣り太公望
 猟兵の隙を突いて、ガキにゃんこ達がミケに襲い掛かる。ひとやすみして体力を回復させたミケは、耳としっぽをぴーん! とさせると一目散に逃げ出した。
 逃げるミケを、ガキにゃんこ達が一斉に追いかける。猫カフェ狭しと追いかけっ子を繰り広げるミケとガキにゃんこ達は、たぶん目的を忘れているのだろう。逃げること、追いかけることが目的になってしまっているみたいで、モフモフがじゃれ合う姿は心癒されるというものだ。
「こ、この子達がガキぬこ同盟員達ね……かっ、可愛い」
 胸をキュンとさせながら頬に手を当てるエリス・シルフィード(金色の巫女・f10648)の隣で、エリシャ・パルティエル(暁の星・f03249)もまた愛らしい猫たちに目を細めた。
「この子たちがガキにゃんこ……うう、やっぱり可愛いわね……」
「はい。猫たちが走り回る姿、可愛いですね」
 エリシャ達に負けず劣らず目を細めてはにゃーんとした顔をする桜雨・カイ(人形を操る人形・f05712)に、彩瑠・姫桜(冬桜・f04489)も大きく頷かざるを得ない。
 なにせ猫はかわいい。かわいいのは猫なのだ。それはこの世の真理というもので、オブリビオンになっても猫は猫でかわいいは可愛い。
 追いかけっこするガキにゃんこ達の姿をニコニコしながら見守る四人に、エリスの肩に座ったタマは、しゃ~っ、とガキぬこ同盟員達を威嚇する。
 その声に我に返ったエリスは、ファミリアの白猫タマの背中を優しく撫でた。
「ええ、分かっているわよタマ。幾ら可愛くても邪神に仕えるオブリビオン。戦わなきゃね?」
「そうね。とにかくミケちゃんを助けないとね」
 タマの威嚇に、我に返ったエリシャもまた深く頷く。手を握りしめるエリシャの隣で、カイもまた慌てて大きく同意した。
「はっ……そうですね。今は同盟員たちをなんとかしないと!」
「倒すのは忍びないけれど、ここは心を鬼にしなくちゃね。ここは思いっきりモフり倒してあげるんだから覚悟なさいっ」
 びしぃと指差した姫桜の声に、三人は同時に頷き得物を構える。下心ありありなのは、全員承知の上だ。だって全員下心あるんだもん。
 頷きあった猫好き四人は、手筈をアイコンタクトで確認するとそれぞれの持場へと散る。
 今はミケを追いかけるのに夢中なガキぬこ同盟員達だが、ミケを捕まえたらすぐに猫への勧誘を再開するだろう。
 ガキぬこ同盟員達が持つおやつは、きっと猫を魅了する。そうなったら、猫たちはオブリビオンにされてしまうのだ。
「あのおやつを食べると、猫カフェの猫ちゃんも魅了されるのかしら?」
「そうね。エリシャの言う通り、あれを食べると魅了されちゃうんでしょうね……美味しすぎて」
「なら、おやつあげるのを阻止しないとね!」
 拳を握ったエリシャは、【聖ヨシュアの具現(オムニブス・ペルフィキオ)】で釣り竿を作り出した。
 聖人が使っていたという釣り竿が2本。神々しくも聖なる雰囲気を醸し出す釣り竿の先にはかわいいマスコットがついていた。
 竿の先には魚のマスコット。猫が好きそうなお魚からは、マタタビのいい香りが漂っている。
「エリスも、これ使ってね」
「あら、ネズミつき釣り竿?」
 嬉々として受け取ったエリスの釣り竿の先には、ネズミがついている。お魚とネズミ。海と陸から猫の狩猟本能をくすぐるラインナップに、ガキにゃんこ達もひとたまりもないだろう。
 二手に分かれたエリシャとエリスは、ガキにゃんこ達を誘導すべく釣り竿を垂れた。
 ちょっと高いところに登って、ガキにゃんこ達の行く手に釣り竿を垂らす。香るマタタビに意識を逸らせたガキにゃんこ達が、導かれるように方向を変えた。
「あなたたちちょっとまるまるとしすぎよ。可愛いけど健康のためにも運動しなくちゃね」
「にゃにゃ! お魚にゃ!」
「ネズミもいるにゃ!」
 ミケを追いかけるのに少し飽きていたガキにゃんこ達が、一匹、また一匹とおもちゃに導かれる。
「大丈夫よ、こっちおいで」
 エリスの言葉に導かれるように、ガキにゃんこ達は行く先を変える。
 おもちゃに心を奪われたガキにゃんこ達は、次の瞬間大きな袋に飛び込んだ。

● NBA(にゃんこボクシング協会)タイトルマッチ
 猫たちが追いかけっこをしている姿に笑みを浮かべながら、カイは【想撚糸】を発動させた。
「猫は狭い所も好きですよね」
 猫を思いながら念糸を撚糸に変えて、小さな袋を作っていく。口は大きく開くようにしながらも、キュッと縛れるようにするのも忘れない。
 小さな袋状の結界をたくさん糸で編んで作ったカイは、仕上げに中にお菓子も少し入れて、片隅に設置した。
 エリスとエリシャに目配せで合図。誘導されたガキにゃんこ達が、おやつの匂いに釣られて一斉に袋の中へと入った。
「にゃ! ここどこにゃ!」
「お菓子があるニャ!」
「おなかすいたにゃ!」
 口々に言い合うガキにゃんこ達が、袋の中でじたばたと暴れる。逃げ出そうとするのを口をキュッと締めて阻止したカイは、おやつに夢中になって静になるガキにゃんこ達に小さく手刀を立てた。
「ごめんなさい、少しの間そこで待っていてください。あとでおわびにもふもふしますから」
「そして、あなたはこっち」
「にゃにゃ!」
 竿の誘惑にも負けずにミケを追いかけていたリーダーにゃんこに、姫桜は手袋を投げた。猫の気を引くように投げた手袋に、リーダーにゃんこがぴょん! と飛びつく。
 本能で追いかけてしまい、ハッと目を見開いたがもう遅い。続けざまに放った手枷と猿轡がリーダーにゃんこに命中すると同時に、カイは背負子からお菓子を回収する。
「にゃ! おやつを返すにゃ!」
「これで戦力を強くしたり、他の猫を勧誘させる訳にいきませんからね!」
 リーダーにゃんこの懇願の視線に、カイは心を鬼にして拳を握る。逃げ切り、猟兵達の許へと飛び込んだミケの姿に、リーダーにゃんこは背中の毛を逆立てた。
「にゃにゃ! 邪魔するにゃー!」
「私を倒せたら、ここを通してあげます!」
 リーダーにゃんこに向けて両手をグーにしたカイは、ファイティングポーズを取る。その姿に本気を見たリーダーにゃんこは、背中からこぉぉぉぉっ! とオーラをなびかせると拳を握った。
「どうやら、本気を出さなきゃいけないにゃね!」
「本職のねこパンチ、見せて下さい!」
「にゃにゃ!」
 リーダーにゃんこに負けず劣らず猫オーラを溢れさせるカイに、リーダーにゃんこは肉球を掲げた。
 カイもまた、爪を内側にした手を掲げて距離を測る。にらみ合うことしばし。鋭く突き出される猫パンチに、カイもまた反撃に拳を突き出す。
 だがガキにゃんこの腕は短い。リーチの不利を悟ったリーダーにゃんこは、カイの懐に飛び込むとてしてしとパンチを繰り出した。
 もふもふの毛並みが顎に当たって気持ちいい。思わず目尻が下がるが、さすがは本職猫パンチ。ボディブローのように深いところに効いてくる。だがカイも負けてはいない。距離を取りながらも繰り出す猫パンチは、一撃の重さでリーダーにゃんこを凌駕する。
「なかなかやるにゃね!」
「あなたも。さすがはリーダーですね」
 宿命のライバル同士のように、芽生える奇妙な友情に笑みを浮かべる。折よく聞こえてくるエリスの歌声は、カイに蓄積したダメージを癒やしてモフりパワーを充填してくれる。
 猫じゃれボクシングと化した戦いは、姫桜に声を掛けられるまで続くのだった。

● 猫もふり三人娘
 一方、その頃。
 ガキにゃんこ達に追いかけられたミケを捕まえた姫桜は、その柔らかな毛並みに思わず鼻先を埋めた。
「捕まえたわ! さぁ、私に縛られておとなしくモフり倒されてしまいなさい!」
「にゃにゃ!」
 びっくりするミケを抱きしめた姫桜は、その毛並みを思う存分もふもふする。そのままモフり倒しそうな姫桜に、エリスは笑みを浮かべた。
「ふふ。姫桜さん、まずは怪我と疲れを癒やしてあげましょう?」
「そ、そうね。ごめんなさい」
 抱きしめる力を慌てて緩める。ミケの身体のあちこちにあった引っかかれた傷が、エリスの癒やしの歌声で癒やされていく。響くエリスの歌声は、猫ボクシングを繰り広げるカイの傷も癒やしていった。
 気持ちよさそうに目を細めるミケは、お腹をぐう、と鳴らすと鼻をすぴすぴと鳴らした。
「おなかすいたにゃ! おやつほしいニャ!」
「お菓子ばっかり食べてたら、いい加減体重増加しちゃうわよ?」
 いつもよりも十倍は熱く目を輝かせる姫桜は、抱きしめたミケの毛並みを思う存分もふもふする。怪我と疲れが癒えたミケに、遠慮はいらない。ていうかできない。
 ぽよん、と出たお腹をもふる。弱点をモフられたミケが、くすぐったそうに身をよじる。その仕草がかわいらしくて、もう頬なんて緩みっぱなしでどこにあるのかよくわからない。
「ふふ、もふもふ感が心地いい……っ」
「にゃにゃ! も、もふられて気持ちいいにゃ! でもおなかもすいたにゃ! 邪神様におやつをもらうにゃ!」
 思い切りゴロゴロしながらも辛うじて抵抗するミケの頭を、エリシャは優しく撫でてあげる。
「邪神なんかを崇めなくてもいいの。あなたたちは自由なんだから。それこそが猫ちゃんってものでしょ?」
「にゃ!」
 びっくりしたように目を見開いたミケは、エリシャとエリスが続けて差し出すクッキーとゼリーにおひげをピクピクする。うっとりするような笑みを浮かべた二人が差し出すおやつに、ミケは手を伸ばした。
「にゃにゃ! おやつにゃ!」
 夢中であぐあぐと食べるミケを、三人は幸せそうに思う存分もふもふする。いつまでもモフりそうなエリスに、タマが呆れたようににゃあ! と鳴いた。
 ミケと同時に、黒猫に似たschwarzのしっぽが、姫桜の腕をてしてしと叩く。ジト目で見上げるschwarzの視線に我を取り戻した姫桜は、無言で訴えるブラックドラゴンに頬を掻いた。
「え、リーダーにゃんこにトドメ刺しなさいって? ……もうちょっとだけ……って、ダメ?」
 ダメ! と言わんばかりに、強めにてし! としっぽが叩く。しぶしぶ立ち上がった姫桜は、ミケを解放すると槍となったschwarzを手に歩き出した。
「わ、わかったわよ、忘れてないんだから。……カイさん。そろそろトドメを刺すわ」
「あ、あの……疲れさせる作戦です! 遊んでいるわけではないですよ!」
 こちらも我に返ったようなカイが、リーダーにゃんこと距離を取る。しぶしぶといった風に突き出された姫桜の串刺しに、リーダーにゃんこは骸の海へと還っていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『UDC-P対処マニュアル』

POW   :    UDC-Pの危険な難点に体力や気合、ユーベルコードで耐えながら対処法のヒントを探す

SPD   :    超高速演算や鋭い観察眼によって、UDC-Pへの特性を導き出す

WIZ   :    UDC-Pと出来得る限りのコミュニケーションを図り、情報を集積する

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


※ おしらせ
断章は6/9更新予定です。
また、第三章のプレイングは6/11(木)朝8:31より受付致します。
期間外のプレイングは流れる可能性が高いです。よろしくお願いします。
● ガキで餓鬼なガキにゃんこマニュアル
 ガキにゃんこ達が全員いなくなり、静かになった猫カフェに大きな音が響いた。
 誰の耳にもハッキリと聞こえるお腹の音。もふもふぽよんなお腹から響く重低音に、ミケはその場にへたり込んだ。
「お、おなか、すいたにゃ……」
 猟兵達が慌てておやつやごはんを買ってあげるが、見る見る間に食べきってしまう。
 お腹の音は鳴り止んだが、食べても食べても「おなかがすいたにゃ!」とおねだりする。
 ついには猫カフェの在庫まで全部食べてようやく落ち着いたミケに、猟兵達の間に一抹の不安がよぎった。

 ーーミケの食欲半端ない。

 ガキにゃんこは餓鬼にゃんこ。餓鬼でガキなにゃんこなのだ。
 このままでは、食料がいくらあっても足りない。食費だって馬鹿にならない。他のガキにゃんこ達が説得に応じなかった理由も、この辺りにありそうだ。
 ガキにゃんこがいつかUDC-Pとして生きていくために、この空腹と食欲をなんとか制御する必要があった。
 猟兵から連絡を受けた職員が来るまでに、何かマニュアルを作ってあげなければ。猟兵達が人間用のお茶を飲みながら頭をひねった時、ミケのお腹がぐーっと鳴った。
ニニニナ・ロイガー(サポート)
ど〜も~
要請を受けて参りました、UDC職員のニニニナとドビーちゃんっす。
よろしくっすよ〜

そんなわけで、どんな触手がご入用っすか?
長い触手に太い触手、幅広触手に細触手。
鋸歯つきのゴリゴリ削れる触手にヒトデみたいな手裏剣触手、
ドリル触手に粘着触手に電撃触手その他色々行けるっすよ。
あるいは溶解液を吐く触手とかご所望っすかね?
麻痺触手に毒触手に石化触手になんなら自白用の催眠触手とか…
後は耐熱耐冷耐衝撃触手に再生触手なんかもOKっす。

マニアックな所だと按摩触手に美肌ローション触手、電脳アクセス触手とかも便利っすね。
あ、触手本体は見えないようになってるので、
一般人が狂気にとか気にしないで大丈夫っすよ~。


ケイ・エルビス
餓鬼にゃんこのミケの食欲半端ねえな
…待てよ、じゃあこういうのはどうだ?
UCで言霊乗せて
ミケやUDC関係者に優しさ、コミュ力で親身になり交渉

「オレは普段猟兵の他に運び屋やっててさ。
この辺のチェーン店や個人の飲食店とも仕事でツテがあるんだ。
ちょっと待っててな」

携帯電話を取り出し取引先の飲食店に連絡していき
食品廃棄期限前の料理をここまで持ってきてくれたら
無料で大量処分できるルートが出来た事を告げ
どんどん持ってきてもらう

窓口をガキにゃんこにするなら
着ぐるみの食品リサイクルの可愛いマスコットということにしても良いし
それで問題ありそうならUDC関係者に
今後の食品受け取りの窓口や受付になってもらい仲介を頼む



● Win-Winな解決方法
 ミケのお腹がぐ~っと鳴った時を狙い澄ましたかのように、一人の女声がカウベルの音と共に猫カフェへと入店した。
「ど~も~。要請を受けて参りました、UDC職員のニニニナとドビーちゃんっす。よろしくっすよ?」
 軽い笑みを浮かべながら手を挙げたニニニナ・ロイガー(一般UDC職員・f17135)の指先から、肉の色をした触手がにゅるりと現れる。
 挨拶するように身をくねらせる触手を見上げたニケは、ニニニナにペコリと頭を下げた。
「にゃ! ガキにゃんこのミケにゃ! よろしくにゃけど……」
 ぐぅーっとお腹を鳴らしたミケは、隣に置いたからっぽの背負子をニニニナに差し出した。
「にゃ。おやつ食べちゃったにゃ。きっともう邪神様からはおやつ貰えないにゃ。おなかすいたにゃ。おやつ食べたいにゃ……」
「そうっすか。食べられる触手がご入用っすね! 長い触手に太い触手、幅広触手に細触手。ドリル触手に粘着触手に電撃触手その他色々行けるっすよ。あるいは麻痺触手に毒触手に石化触手になんなら自白用の催眠触手とか……」
「わーっ! それはさすがに食べられないよ!」
 怪しげな触手を次々とミケに差し出すニニニナを、ケイ・エルビス(ミッドナイト・ラン・f06706)は辛うじて止めた。
「えー、ダメっすかね? じゃあマニアックな所で按摩触手に美肌ローション触手……」
「普通のタコ足やイカ足とかあるかな?」
「もちろん、あるっすよ」
 慌ててリクエストするケイに、ニニニナは普通のタコ足やイカ足を出してはミケにあげる。ミケのお腹はとりあえず急場を凌いだが、またすぐにお腹を空かせるだろう。
「餓鬼にゃんこのミケの食欲半端ねえな。……待てよ?」
 脳裏に浮かんだ名案に、ケイは身を乗り出した。ご飯やおやつを美味しそうに食べてくれるのだ。こんな風に美味しく食べてくれることを心から喜んでくれる人々に、ケイは心当たりがある。
「オレは普段猟兵の他に運び屋やっててさ。この辺のチェーン店や個人の飲食店とも仕事でツテがあるんだ。こんなのはどうかな?」
「何か名案でも?」
「食品廃棄期限前の料理をここまで持ってきてくれたら、無料で大量処分できるルートが出来た事を伝えるんだ。皆食品の処分に困ってたからさ、一石二鳥だろ?」
 得意げなケイに、ニニニナは頷き首を傾げた。
「それはいいっすね! でも窓口はミケっすか? それはちょっと問題っすね。どんな影響があるかも分からないっすから」
「じゃあ、悪いけどUDC関係者に食品受け取りの窓口や受付になってもらえないかな? 何ならミケは着ぐるみの食品リサイクルの可愛いマスコットということにしても良いし」
「にゃ! ごはんが食べられるならお仕事するにゃ!」
 目を輝かせながらしっぽをパタパタさせるミケに、ニニニナは頷いた。しっぽって触手の一種だろうか?
「それならいいっすよ。担当、決めさせてもらうっす」
「よし決まりだな! ちょっと待っててな」
 携帯電話を取り出したケイは、慣れた手付きで見慣れた番号をタップする。電話に出た取引先と明るく交渉を重ねる。次々に電話を掛けたケイは、快く応じてくれる担当者に感謝の言葉を伝える。
 普段からの信頼関係が功を奏し、ケイの言葉はあっさりと信用される。ユーベルコードを使わなくても繋がる人の輪に、なんだかだんだんワクワクしてくる。
「いいってさ! 良かったな、ミケ!」
「にゃ! ありがとうにゃ!」
 もふもふの頭を撫でるケイに、ミケはぱあっと明るい笑顔を浮かべた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

荒珠・檬果
アドリブ連携歓迎。

す、凄い食欲ですね…。
ん?この猫カフェに…在庫がない。もしかして、おかしやごはんの在庫がある限り、お腹が空くのでは…?

うーん、食欲と空腹…食欲と空腹…。
まず、ミケさんには我慢を覚えてもらわないと。
飲むように食べるではなく、よく噛んで食べるですかね?
そして、接する人には、ほいほいとおかしをあげないように、と…。

うーん、空腹我慢は…。お水で誤魔化すとかですかね?
いえ、私がやってることなんですが。
必要以上に食べそうになると、何かで気をそらすのがありまして。私は水なんですよ…あとモフモフとゲーム。
食欲は、決まった時間に食事を取る…みたいな決まりを作るとか。

ミケさんモフモフ。モフモフ。


彩瑠・姫桜
WIZ

ここは人間のダイエットとも通じるのかもね?
できるだけミケさんと会話しながら
一緒に問題解決の道を探していきたいわ

食欲って、栄養あるものを食べると抑えられるっていうわ
まずは栄養あって腹持ちよいものを食べてもらおうかしら
ドライフルーツ、ナッツ、バナナ、チーズ、豆腐、牛乳とか

食材使ったお菓子なら
ミケさんがストレスなく食べられるかも?

食べる時はよく噛んでもらうように意識してもらうわね
お菓子とか元々好きだったものは
量を決めて食べすぎないように気をつけてみましょうか

さらに食べることを忘れちゃうくらいに
夢中になれそうなことを一緒に探してみましょうか
この辺は会話しながらメモしてマニュアルにまとめてみるわね



● もふもふのためにはよく噛んで
 次々に出されるタコ足やイカ足、時々混ざる変な足まで溶かすように食べるミケの姿に、荒珠・檬果(アーケードに突っ伏す鳥・f02802)は目を丸くした。
「す、凄い食欲ですね……。でもあんなにタコやイカばかり食べるのは偏りが心配です。私も何かおやつを……」
 言いながら立ち上がり、店員さんに聞いてみるが在庫も全て出してしまい、あるのは他の猫たちの当座のごはんだけだという。さすがにそれを出してもらうわけにはいかない。
「この猫カフェに……在庫がない。もしかして、おかしやごはんの在庫がある限り、お腹が空くのでは……?」
「そうね。目の前にあったら食べてしまうのは、人間のダイエットとも通じるのかもね?」
 檬果の言葉に頷いた彩瑠・姫桜(冬桜・f04489)は、ようやく人心地ついたミケを手招きした。猟兵側だけの意見じゃなくて、ミケの話を聞きながら対策を考えたい。
「ミケ! ちょっといいかしら?」
「にゃにゃ! なにかにゃ? おやつくれるのかにゃ?」
「もふらせてください!」
「いいにゃ!」
 姫桜の呼びかけに目をキラキラさせながら、ミケが駆け寄ってくる。そのあまりに愛らしい姿に、檬果はミケに負けず目をキラキラさせて思わず手を挙げ、返される元気な返事に手を伸ばした。
 さっきの戦闘中から、ずっとモフモフしたかったのだ。危険が取り除かれた今、思う存分もふれるというもの。
 お膝に乗っけてほっぺたを頭人乗っけてお腹をもふもふ。柔らかくてなめらかでモッフモフなミケの毛並みに思わず目がとろんとしてくる。
「ミケさんモフモフ。モフモフ」
「美味しいご飯のおかげにゃ!」
 自慢そうに胸を張るミケに、頬の毛並みを楽しんでいた檬果が我に返る。このモフモフはご飯の賜物。それはそうだが、放置する訳にいかない。
「食欲と空腹……食欲と空腹……。うーん、飲むように食べるではなく、よく噛んで食べるですかね?」
「そうね。食べる時はよく噛んで、を意識するだけでだいぶ違うわよ」
 モフり倒す檬果に、ぷにぷにの肉球の感触を楽しむ姫桜が提案する。姫桜の声に、ミケが首を傾げた。
「にゃ? よく噛むとお腹いっぱいになるにゃ?」
「ええ。逆に言えば、噛まないとお腹いっぱいになりにくいの。お菓子とか元々好きだったものは、量を決めて食べすぎないように気をつけてみましょうか」
「そうですね。まず、ミケさんには我慢を覚えてもらわないと」
 食欲を抑えるのは、ダイエットと同じ。まずはできることを試してみなければ。
 だが当のミケは「量を決めて」「我慢を覚えて」の単語に思わず反応してしまう。
「にゃにゃ!? 食べちゃダメなのかにゃ!?」
 背中の毛をピャッと立てたミケは、檬果の腕の中から抜け出すと背負子の陰に隠れた。

● 喉の乾き≒空腹感の法則
 背負子の陰に隠れたミケは、姫桜と檬果の方を注意深く覗き見しながらショボンとした顔で見上げた。食べることが生きがいなのだろう。ミケのお腹がぐーっと鳴った。
「にゃぁ。おなかすいたにゃ。ミケ、すぐにおなかがすくにゃ。邪神様のおやつは、あんまりおなかがすかないにゃ。でももう貰えないにゃ。どうしたらいいにゃ?」
「ミケ……」
 泣きそうなミケに、姫桜も思わず泣きそうになる。こんなに無垢なガキにゃんこ達が邪神に従うのは、多分それも一因だ。邪神のおやつが何でできているのかは分からないが、同じくらい栄養のあるおやつならば、きっと癒やされるに違いない。
「食欲って、栄養あるものを食べると抑えられるっていうわ。まずは栄養あって腹持ちよいものを食べるのはどうかしら。ドライフルーツ、ナッツ、バナナ、チーズ、豆腐、牛乳とか」
「にゃにゃ! 栄養あるおやつならお腹すかないにゃ?」
「ええ。もっと食べたいって思うのは、栄養が足りてないよっていうサインなんですって。食材使ったお菓子なら、ミケさんがストレスなく食べられるかも?」
「おなかがすきにくくなるのはいいにゃね!」
 食べてもいい、という姫桜の言葉に、背負子の陰からおずおずと出てくる。愛らしい仕草に頭の上で手のひらを見せた姫桜に、ミケは目を閉じて応える。
 頭を撫でる姫桜の手に気持ちよさそうに目を閉じるミケに、檬果は腕を組んだ。
「うーん、後は決まった時間に食事を取る……みたいな決まりを作るとか。お水で誤魔化すとかですかね?」
「お水?」
 首を傾げる姫桜に、檬果は頷く。
「いえ、私がやってることなんですが。必要以上に食べそうになると、何かで気をそらすのがありまして。私は水なんですよ。……あとモフモフとゲーム」
「気を逸らすのはいいわね」
 姫桜が頭を、檬果が背中をモフっていると、ミケは目をとろんとして眠そうにしている。今までのパターンだと、そろそろ「おなかがすいたにゃ」と言ってきても良さそうだが、今は言わずにお腹も鳴らない。
「にゃあ。気持ちいいにゃ……」
「そうね。食べることを忘れちゃうくらいに夢中になれそうなことを、一緒に探してみましょうか」
「ミケ、モフモフされるの大好きにゃ!」
「それはいいわね。解決法の一つになるはずよ」
 ミケの毛並みを堪能した姫桜は、檬果と共に得た情報をマニュアルにまとめていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

桜雨・カイ
お腹がすくのは辛いですよね……

おからで作ったお菓子などお腹がふくれやすくなる食べ物があると聞いた事があるので、近くの店で購入してミケさんに渡す
お水も一緒に飲んでくださいね。

量を確保するのも大事ですが、自分も食欲を少しでも押さえられるようにるするのも必要ですね。
一度に一気に食べると満腹感の前に食べ過ぎてしまうそうなので、少しづつ小分けにして職員さんからもらったりしても良いかもしれませんね

無理矢理小食にするのではなく、
今食べているお菓子は何味かと、ゆっくり味わって食べたり
職員さんと会話したりと、楽しく食事ができたらいいですね

食料は他の人が確保してくれるようですし、
みんなと楽しくゆっくり食べましょう


エリシャ・パルティエル
お店のおやつ全部食べちゃったの?
さすがにこの食欲は困ったわね…

好きなだけ食べる
それができればいいけど現実には難しいわよね
それにねミケちゃん
働かざる者食うべからずって言葉があるのよ
ミケちゃんが食べてるおやつも誰かが頑張って作ったもの
そうやって社会は成り立っているの

働くっていったって汗水流せばいいってことでもないわ
ミケちゃんならこういう猫カフェでお客さん相手にしたりとかもできるでしょ?
お仕事をして得た報酬の中で食べるようにしないとね
でもUDC職員の皆さんには食欲を抑える薬でも作ってもらった方がいいかも

食欲はすごいけど素直な性格みたいだし
おやつをご褒美として上手に使えば
いい方向に向かうと思うわ



● おいしいものはちょっとずつ
 ミケをお膝に乗せて背中をモフモフしていた桜雨・カイ(人形を操る人形・f05712)は、響くお腹の重低音に小さくため息をついた。
「にゃ。モフモフされてもおなかがすいたにゃ……」
「お腹がすくのは辛いですよね……」
 モフモフされるのが好きなミケの気を紛らわせれば、おなかがすくのも押さえられるはず。趣味と実益を兼ねてモフモフしていたのだが、やはりそれだけではダメらしい。
 カイは近くの店で買い込んだ袋を開けると、中からクッキーを取り出した。
「にゃ! それは何にゃ?」
「おからで作ったお菓子です。お腹がふくれやすくなる食べ物ですって」
「それはいいにゃ! よく噛んで食べるにゃ!」
「お水も一緒に飲んでくださいね」
「にゃにゃ! 気を紛らわすにゃね!」
 素直に頷いたミケは、さっきよりもよく噛んでおからクッキーを食べる。出されたクッキーを食べきり、水も飲み干したミケは期待に満ち満ちた目でカイを見上げる。
 ついもう一枚あげたくなってくるが、ここは我慢だ我慢の子だ。残りのクッキーをあげないカイに、ミケはしょんぼりした様子で俯いた。
「にゃ。くれないにゃ?」
「一度に一気に食べると満腹感の前に食べ過ぎてしまうそうですよ」
「お店のおやつ全部食べちゃったのに、まだ食べるの? さすがにこの食欲は困ったわね……」
 俯くミケの頭を撫でてあげるエリシャ・パルティエル(暁の星・f03249)の手に、ミケはくすぐったそうに目を細める。それでもやっぱり見上げる目に、カイはもう一枚おからクッキーをあげる。
「量を確保するのも大事ですが、食欲を自分で少しでも押さえられるようにるするのも必要ですね」
「おなかがすかなければ、おやつは我慢……がまん……ちょっとだけできるにゃ!」
「そうですか。……ところで、さっきと比べてお腹は空いていますか?」
「にゃ!?」
 カイに問われたミケは、自分のおなかに手を当てるとじーっと見つめる。ぐぅーっと言わないお腹に目を見開いたミケは、驚きに満ちた目でカイを見上げた。
「そういえば、あんまりお腹すかないにゃ!」
「それは良かったです。こういうお腹がふくれるおやつを、少しづつ小分けにして職員さんからもらったりしても良いかもしれませんね」
「そうね。好きなだけ食べる。それができればいいけど現実には難しいわよね」
 エリシャの微笑みに、ミケはふと表情を曇らせると俯いた。
「だから、仲間のガキにゃんこも邪神様の言いつけを守るにゃ。仲間の団員を増やせば、それだけおやつを貰えたからにゃ」
「そうなの」
「そうにゃ。邪神様のおやつは、おなかがふくれるにゃ。だからもう一枚ほしいニャ!」
 切なそうに目を細めたエリシャは、おからクッキーをねだるミケと真っ直ぐ向かい合った。

● 生きてくために必要なこと
 ミケの前に正座したエリシャは、つられて正座するミケに語り掛けた。聖者であるエリシャは、悩み、迷える者たちを導く術に長けている。言葉を待つミケに、エリシャは静かに語り掛けた。
「ミケちゃん。働かざる者食うべからずって言葉があるのよ。ミケちゃんが食べてるおやつも誰かが頑張って作ったもの。そうやって社会は成り立っているの」
「にゃ! 確かに、団員を増やせばおやつを貰えたにゃ! それと同じかにゃ?」
「そうね。働きに対して報酬がある、っていう意味では同じかも知れないわ」
 頷くエリシャに、ミケは話を自分なりに噛み砕こうとこめかみに軽く爪を立てて考え込む。うーん、と唸ったミケは、ぽむ、と手を叩くとエリシャを見上げた。
「にゃ! じゃあミケは猟兵の戦闘員として戦いのお手伝いするにゃ! ごほうびにおやつをくれたらいいにゃ!」
「それはだめ。働くっていったって汗水流せばいいってことでもないわ。ミケちゃんなら、こういう猫カフェでお客さん相手にしたりとかもできるでしょ?」
「しゃべる猫でも、お客さんは怖がらないかにゃ?」
 首を傾げるミケに、エリシャは思わず口をつぐむ。猫カフェの店員さんも、今は特に気にしてはいないがこの店常駐で働くとなると何か良くないことが起こるかも知れない。
 UDC-Pとはいえオブリビオン。UDC職員の目は光らせておいた方が良いだろう。
「認識阻害がどこまで効くか分からないけれど……。じゃあ、ケイも言っていたように、UDC職員の人と一緒に気ぐるみマスコットとしてモフらせてあげるのがいいかも知れないわね」
「にゃ! それなら嬉しいにゃ!」
 目を輝かせるミケに、エリシャは目を細めた。食欲はすごいけれど、ミケは素直な性格だ。おやつをご褒美として上手に使えば、いい方向に向かうだろう。
「お仕事をして得た報酬の中で食べるようにしないとね。……でもUDC職員の皆さんには食欲を抑える薬でも作ってもらった方がいいかも」
「お薬にゃ?」
「そうですね。ひょっとしたら、ミケさんの食欲は一種の病気かも知れません」
 深く頷いたカイは、ミケの背中をゆっくり撫でてあげる。
「無理矢理小食にするのではなく、今食べているお菓子は何味かと、ゆっくり味わって食べたり職員さんと会話したりと、楽しく食事ができたらいいですね」
「ミケはこれからUDCの研究所で寝起きすることになるんだもの。それもいいわね」
「にゃにゃ! ミケ、お喋りしながら食べるのも好きにゃ!」
「いい子ね、ミケ」
 微笑んだエリシャは、目を細めるミケの頭をそっと撫でてあげる。優しく撫でるエリシャの手に、ミケは得意げにひげをくゆらせた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

草野・千秋
詩乃さんと/f17458

ミケさんの食欲、確かに半端ないですね
確かにこの異常な食欲は
詩乃さんの言う通り邪神の呪いとかかもしれません
他の何より誰よりミケさんご自身が
この食欲で苦しんでるんだと思います
お辛いですよね、救って差し上げねば

まずは詩乃さんの薙刀の一撃ですよね
呪いや病魔を取り除くためなんです
ミケさん耐えて下さい(なでなで)
病魔は落ち着いたでしょうか?(もふもふ)
僕はUC【Aubade】で少しでもミケさんの恐怖等取り除ければ
ミケさんはこれからUDC-Pとして生きていくわけですが
僕ら猟兵はいつも一緒にはいないでしょうけど
また余裕のある時に様子を見に行きますよ
その時までお元気で


大町・詩乃
千秋さん(f01504)と

空腹は邪神がガキにゃんこさん達を隷属させる為の呪いなのでしょうか?
許せませんね!

でも呪いなら何とか出来るかも。
ミケさんに「すぐにお腹が空いてしまうのを何とかしないと、ミケさんの今後の生活やお命に係ります。解決する為に私を信じて貰えませんか。決してミケさんを傷つけません。」と千秋さんのご協力の元、説得します。

了解得られたらUCに【破魔】を上乗せし、ミケさんに巣食う呪い又は呪的な病を対象として攻撃!

その後はミケさんと一緒に千秋さんの歌を拝聴し、「再会を約す、美しい歌ですね♪」と拍手を贈ります。
最後はミケさんを「また会いましょう。元気でいて下さいね♪」と優しく抱き締めます。



● 邪神の呪い
「おなかがすいたにゃーーーーー!」
 猟兵達が考えた方法で空腹を紛らわせていたミケが、突然糸が切れたように暴れだした。短い手足をばたつかせながらおやつを欲しがって泣く姿に、大町・詩乃(春風駘蕩・f17458)は破魔の効果のある祝詞を上げた。詩乃の厳かな声を聞いていたミケは、おやつも食べずに大人しくなる。モフモフされて更に落ち着いたミケは、涙を拭いて貰って鼻をぢーむ! とかんだ。
 暴れるのをやめて水を飲む姿に深く頷いた詩乃は、ミケの反応に一つの結論に達した。他のガキにゃんこはどうなのかは分からないが、少なくともガキぬこ同盟のガキにゃんこ達には言えるだろう。
「先程、破魔の祝詞をあげました。その時、確かに呪いの手応えを感じました。ーーミケさん達ガキぬこ同盟の皆さんの空腹は、邪神がガキにゃんこさん達を隷属させる為の呪いなのでしょう。許せませんね!」
「確かにこの半端ない食欲は、詩乃さんの言う通り邪神の呪いとかかもしれません」
 深く頷いた草野・千秋(断罪戦士ダムナーティオー・f01504)は、からっぽのカップに水のおかわりを貰うミケの背中をそっと撫でてあげた。
「他の何より誰よりミケさんご自身が、この食欲で苦しんでるんだと思います。お辛いですよね、救って差し上げねば」
「にゃあ。おなかが、すいたにゃ」
 しょんぼりするミケに向かい合った詩乃は、視線を合わせると真摯に訴えかけた。
「すぐにお腹が空いてしまうのを何とかしないと、ミケさんの今後の生活やお命に係ります」
「にゃあ。でもゆっくり食べてもお水を飲んでも、すぐにおなかがすくにゃ」
 切なそうに訴えるミケに頷いた詩乃は、煌月を抜くとミケに翳した。オリハルコンの刃を嵌めた薙刀の冴え冴えとした切っ先に、背中の毛をピャッと立てたミケは慌てて千秋の背中に隠れた。
「にゃ!? それは何にゃ!?」
「煌月。私の神力が宿る薙刀です。これでミケさんに巣食う呪いを絶ちます」
「にゃにゃ!? 痛いのは嫌にゃあ!」
 千秋の後ろでプルプル震えるミケをそっと抱き上げた千秋は、怯えるミケを抱きしめると背中を優しくなでなでしてあげた。
「呪いや病魔を取り除くためなんです。ミケさん耐えて下さい」
「解決する為に私を信じて貰えませんか。決してミケさんを傷つけません」
 優しくも真剣な二人の声に、ミケは小さく頷くと千秋の腕から飛び出した。詩乃の前に伏せたミケは、まんまるになりながら見上げた。
「い、痛くしないで欲しいにゃ……」
「ミケさんを傷つけるようなことはしません」
 光を帯びた薙刀に破魔を乗せた詩乃は、ミケのお腹の中で浮かび上がった光に眉を顰めた。煌月が浮かび上がらせる黒く渦を巻く食欲に向けて、刃を振り上げる。
「この一刀にて禍を断ち斬ります!」
 詩乃の神力を籠めた煌月による一撃が、ミケに向かって放たれる。ミケに巣食う呪いは抵抗するように歪み、反撃を仕掛けてくる。その攻撃に怯むことなく力を込めた詩乃の確固たる意思に、ついに呪いは断ち切られた。

● また会う日まで
 お膝の上でミケの背中をもふもふしていた千秋は、目を覚ましたミケに微笑んだ。
「病魔は落ち着いたでしょうか?」
「……にゃ。そういえば、あんまりおなかがすいてないにゃ」
 おなかに手を当ててじっと見つめたミケは、驚いたように顔を上げると千秋を見上げる。さっきまでの空腹が嘘のように癒えたミケは、目をうるうるさせると千秋に飛びついた。
「あんまりおなかがすいてないにゃー! 嬉しいにゃ-!」
「良かったですねミケ」
 もらい泣きした詩乃の声に、ミケはぴょんと飛び出すと詩乃に飛びついた。もふもふしてくれる詩乃の手に、頬ずりと頬なめで感謝を伝える。
「おなかがすいてないにゃ! 嬉しいにゃ! ありがとうにゃ!」
 ひとしきり泣いたミケは、詩乃の腕を飛び出すと他の猟兵一人ひとりに飛びついた。一緒に解決方法を考えてくれたことが、よほど嬉しかったのだろう。一人ひとりに感謝を伝えるミケの姿に、千秋も思わず涙ぐむ。
「良かったですねミケ。本当に良かったです」
「にゃ! 本当に皆、ありがとうにゃ!」
 ぺこりと頭を下げたミケのお腹が、グーッと鳴る。異常な食欲こそ押さえられたが、食いしん坊でいつも腹ペコなのは変わらないらしい。ミケは頭を掻くと、照れたように笑った。
「おなかすいたにゃ!」
「ミケさんはこれから、施設でUDC-Pとして生きていくのですね」
 感慨深そうに頷いた千秋は、horizon indicumを取り出すとかき鳴らした。美しい音色が猫カフェに響き渡り、耳を澄ませたミケが耳をピクリとさせる。
「夜が明けて、別れが来るのなら一日のはじまりの朝なんていらない」
 朝に別れる恋人たちの歌が、猫カフェに響き渡る。夜明けに別れる恋人達は、夜にはまた逢える。朝は暫しの別れでしかない。
 歌を歌う千秋に合わせて、猟兵達も音楽を奏でる。楽器で歌で手拍子で、ミケの前途を祝福した歌が響き渡る。
 千秋達の思いを乗せた歌が、最後のフレーズを奏でる。拍手喝采に包まれた猫カフェで、ミケはただ嬉し泣きに泣いていた。
「再会を約す、美しい歌ですね♪」
「また、会えるにゃ。会いに来てにゃ!」
「もちろんです」
 モフられて落ち着いて、涙を拭いてもらって鼻をぢーむ! とかむミケと視線を合わせた詩乃は、ミケを優しく抱きしめた。
「また会いましょう。元気でいて下さいね♪」
「僕ら猟兵はいつも一緒にはいないでしょうけど、また余裕のある時に様子を見に行きますよ。その時までお元気で」
「にゃ! 美味しいごはんをしっかり食べて、栄養あるおやつをちょっとずつよく噛んで食べて、ちゃんとお水を飲んで、お店の人に喜んで貰えるように、お仕事がんばるにゃ! だから、また会いたいにゃ!」
「はい。必ず」
 優しく微笑む千秋達と約束を交わしたミケは、ニニニナに連れられて猫カフェを後にした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年06月15日


挿絵イラスト