●『どうにん』とも読みます。
とある商工会館にて。
集まった年頃の娘たちの手には皆一様に、手製らしい冊子があった。なかには華美な装丁のものも見受けられたが、総じてそのページ数は薄い。
「ああ……! 今回の超弩級戦艦も無事に開催されてよかったわ!」
「とはいえこの催しの名前、本物の超弩級戦艦に乗られる方々には申し訳ないけれど」
「四方を海に囲まれ逃げ場のない艦内で育まれる男たちの友情……うっ、尊い……!」
「いけない、まだ何も始まっていないうちから死ぬなんて!」
「というか今回は軍人限定ではないのよ! 猟兵の方々には軍人の方もいらっしゃるかもしれないけれど!」
ひそひそと交わされる会話から、この場で行われるイベントの名前が『超弩級戦艦』云々ということと、何やら猟兵に関わるようだということがうかがえる。
「それにしても、猟兵の方々には催しが行われていると知られてはいない……わよね?」
「ええ、もちろん! そのために無関係そうな名前にして、参加者目録も偽装しているのだし、それにもし見られたとしても倫理的に大丈夫なはずよ!」
ひそひそ言葉を交わす少女たちの視界に、不意に影が落ちた。は、と顔を上げれば、そこには長躯の青年が二人連れ。
彼らはこちらの会話に気づいていないようで、互いの耳元で何やら密やかに語り合っている。
その一方が、ちらと周囲に視線を投げた拍子に、少女たちのほうを見た。
「「「尊死ッ!!」」」
ゴバーッ!!
盛大に血を吹き出して(※イメージです)ぶっ倒れる少女たち。を、見て心底驚く青年たち。
「おい、この娘たちいきなり吐血して死んだぞ!」
「いやまだ死んでいないが! というか血もないし何だ今のは幻覚か! それはともかく、救護班! 救護班ー!!」
「ま、まだ神の本を買っていないのに……!」
「本より自分の身を大切にしろ! 命あっての物種というだろう!」
なんだかよく分からないままに、少女たちは駆けつけた救護班の担架によって強制的に運ばれていった。
「……神の本、とは?」
「さて……?」
問われて、黒い鉄の首輪をつけた青年は、首を傾げた。
●このグリモア猟兵、同人作家です。
渋い顔で、吾儕・往矣(ハイカラさんの猟奇探偵・f22969)は集まった猟兵たちに奇妙なことを訊いた。
「近頃は同人活動が活発なようだが、お前たちもやっているのか」
「…………はい?」
「本を出したことはあるか」
本を出す同人活動。本ってあの、ページ数は薄い(厚い場合もある)が内容は濃かったり薄かったりする、あの?
幾人かの猟兵が視線をそらして黙ってしまったその反応にグリモア猟兵は、眉間のしわを深めて鼻を鳴らした。
「他の世界では己の創造を形にするのが容易と聞いたが、その恵まれた環境でお前たちは創作活動をせんのか。俺から見ればそれほどに贅沢なことはないぞ。何せ俺は掌編を書く暇もないのだからな。せいぜいが同人誌に寄稿するくらいだ」
「同人誌……」
「文芸同人誌だ。若者たちが各々に著した創作物を持ち寄りその場でやりとりする、即売会もよく行われていると聞く」
「……あ、ああ、そういう同人誌……」
何故か安堵する猟兵にやはり往矣は眉間のしわを深めるにとどめ、手書きの資料を差し出した。
「帝都が世界を統一するまで幾度か大きな戦いがあった。そこで用いられた兵器のなかに、非人道的な「影朧兵器」の数々が投入されたこともあった。……ま、非人道的でない戦争なぞなかろうがね」
そうした影朧兵器のひとつ、グラッジ弾は人間の「恨み」を凝縮して弾丸としたもの。この銃弾を浴びた被害者は通常の負傷だけではなく、強い「恨み」を浴びて、周囲に影朧を呼び寄せる存在となってしまう。
「だが、すべて破棄されたはずのグラッジ弾を所持する何者かが帝都に出現することが予知された。可及的速やかに事件を食い止めねばならんが、まずはこの人物を探さなければならない」
「そこで同人誌即売会か」
とある同人誌即売会の会場に入り込んだ人物は「幻朧戦線」と名乗り、同志たちと共に逃走する。仕掛けられた罠や障害を避けつつ、幻朧戦線を名乗る一般人たちを捕らえなければならない。
「……が、問題があってな。大手作家が販売数と販売時間を限定して頒布する同人誌の奪い合いが起きてしまい、これもまた鎮圧しなければならない。まあこの作家も毎度のように入場時間を守らないわ、他の作家の売り場を無断で占拠するわ、事前告知なしで見本誌を出していない同人誌の頒布を突然始めるわと、問題が起きて当然なのだが」
「普通に迷惑サークルじゃないですか」
「だが創作物の出来が抜きん出て素晴らしいということで追従者が後を絶たないという」
「ちなみに傾向は?」
問われて、グリモア猟兵は顎をなでながら視線をさまよわせた。
「耽美派と聞いた。何でも、年頃の色男が仲睦まじく組み討ちするそうだ」
「そっちの耽美かあ……」
浮かべられた複雑な表情に事情が理解できたと判断して説明を続ける。
「グラッジ弾の持ち主は「大正の世を終わらせる」「戦乱こそが人を進化させる」という主張をしている。まあ間違いはなかろうが、だからと好き好んで生き死ににかかずらう必要もなかろうよ。若い奴らは何かと戦争戦争とうるさいが、娯楽とでも勘違いしているのかね。……ああ、ただの愚痴だ。気にするな」
手を振って話を切り、
「捕らえられた幻朧戦線の奴らは自害する。グラッジ弾を用いて影朧を呼び寄せ混乱を引き起こすのが目的だからな。自害できなければ同胞を撃ち殺し、「恨み」が凝縮した空間に影朧の群れが現れ乱戦となる」
うまくやれば自害を食い止めることもできるが、その場合もグラッジ弾は発射されるか銃そのものが壊れるなどして、影朧の群れを呼び寄せてしまう。
ふと嫌な予感がして、猟兵のひとりがグリモア猟兵に問うた。
「……その影朧ってもしかして」
「創作活動を行っていた娘たちだ」
「その創作活動ってもしかして」
「同人誌即売会での同人誌の頒布だ」
ああー……。
事態の重さと非情な現実に頭を抱える猟兵を後目に、往矣は1枚のメモを取り出した。
「それからこれは、聞いた心得だ。お前たちも心して復唱せよ」
心得の復唱? と問うより早く表情を引き締めると、すと息を吸う。
「誰かの萌えは誰かの萎え、誰かの萎えは誰かの萌え!」
「だ、誰かの萌えは誰かの萎え、誰かの萎えは誰かの萌え!」
「今日のイベントは二度とない!」
「今日のイベントは二度とない!」
「家に帰るまでが即売会!」
「家に帰るまでが即売会!」
なんだこれ。
ともあれグリモア猟兵は猟兵たちに視線を投げた。
「よろしい。他に質問はないか。では準備が済み次第速やかにかかれ」
鈴木リョウジ
こんにちは、鈴木です。
今回お届けするのは、同人誌即売会とグラッジ弾。
●同人誌即売会
若者たちが著した同人誌を持ち寄り、頒布したり交換したりする集まりです。
取引されている同人誌のジャンルは冒険、恋愛、評論等々多岐に渡りますが、おおよそ恋愛ものが多いようです。但し、男女の恋愛に限りません。
基本的に未成年者が閲覧可能な内容ですが、乙女の妄想をかき立てる実に濃密で背徳的で禁忌に満ちたものも少なくないようです。
また、登場人物は基本的に架空の存在であるようです。
第1章【日常】同人誌即売会をめぐりつつ、幻朧戦線のメンバーを探します。猟兵であることを知られても、お互いやましいことは何もしていないので大丈夫です。ちょっと頒布物を隠されてしまうかもしれませんが。
第2章【冒険】迷惑サークルのゲリラ頒布による奪い合いの混乱を対処しつつ、発見された幻朧戦線のメンバーのなかでグラッジ弾を持つ首謀者を探します。なお、この章での対応次第で、次の章での展開が変わる可能性があります。
第3章【集団戦】オブリビオンとの戦闘。なお、この章での対応次第で、幻朧戦線のメンバーの反応が変わる可能性があります。
但し、どのような展開になろうともグラッジ弾によりオブリビオンが呼び寄せられることは変わりません。
幻朧戦線のメンバーを含む参加者はすべて一般人です。
すべての章において、無差別攻撃など、会場内の混乱となるような行動は禁止です(=そのような行動を取るプレイングをかけた場合、採用されない可能性があります)。
●第1章について
サークル側として冊子の頒布をすることが可能ですが、原則的に年齢制限がかかる内容のものは販売禁止です(=そのような行動を取るプレイングをかけた場合、採用されない可能性があります)。
また、内容は本人ないし同行者をモデルとした一次創作に限ります。
●第2章について
迷惑サークルのゲリラ頒布の対処、グラッジ弾の所有者の捜索、どちらかのみでも構いません。
●第3章について
第2章または第3章において一般人の避難等危険を回避する行動に関するプレイングがあった場合、第2章での会場内の混乱となるような行動に対する制限は解除されます。
それでは、よろしくお願いいたします。
第1章 日常
『同人が個人紙を持ち寄って即売する会』
|
POW : 衝動の赴くままブースを回り、衝動の赴くままに買う
SPD : 走って……は駄目なので、速歩きで買う
WIZ : 回るルートや効率などを熟考してから買う
👑5
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
入り口で入場料を支払い、やや簡素な超弩級戦艦のイラストとともに『参加者目録』と記されているパンフレットを受け取りホール内に足を踏み入れると、静かな熱気がずぅ、と頬を撫でる。
整然と列を作り並べられた机の上には様々な冊子が並べられ、手書きの値段表が添えられてある。手製の吊り台などでイラストとともに記された名前と数字は、一般に言うサークル名とスペース番号だろうか。
その机の列を縫って、やや女性が多く見える大勢の若者たちが冊子や冊子を入れた鞄を手に行き来していた。
ある机では無表情にすら見える真摯な表情で必死に冊子を吟味し、ある机では挟んだこちらと向こうで向かい合い、どちらも熱にうかされたような表情で何やら熱く語り合っている。
これが、同人誌即売会。ある猟兵にとっては見知った様子か、また別の猟兵にとっては初めて見る様子か。
なお、コスプレは禁止である。
比良野・靖行
ほほう。いいな、こういうのは。
こういった熱意には独特の趣がある。
耽美モノというジャンルには、まあ、思い入れがあるわけでもないが……
しかしてその表現力には舌を巻く思いだ。
実に素晴らしい文章力だ。
素直に尊敬する。
僕の専門ではないからこそ、学習が必要だな。
さて。
いくつか目に留まった本を買っていきたいのだが……
僕は実に目立つ。
目立つことしかできない。
なので自分がモデルになっていそうな本が欲しいのだが、隠されてしまっていそうだなあ。
僕はあまりにハイカラだし、モデルにしたい気持ちはとてもよくわかる。
だからこそ欲しいのだが……
文豪としてだけでなく、ハイカラであるためにもそういった本で研究を重ねたいのだがね。
賑わいながらもどこかよそよそしさを感じる空気に、比良野・靖行(Mysterious BAKA・f22479)は目をすがめた。
「ほほう。いいな、こういうのは。こういった熱意には独特の趣がある」
耽美モノというジャンルには、まあ、思い入れがあるわけでもないが……。
ふと足を止めた一角で、試し読み用に置かれた本を一言断ってから手に取った。
繊細な表紙のそれを少し読み進めれば、物語が丁寧に綴られていると分かる。
しかしてその表現力には舌を巻く思いだ。
実に素晴らしい文章力だ。素直に尊敬する。
彼女たちの創作をただの妄想と切り捨てるのは容易だが、それを表現するために盛り込まれた語彙と駆使された技量は単なる素人の手慰みに収まらない。
ともすれば下劣になりかねない色情を、注意深く退廃的に昇華している。
靖行の専門は冒険活劇で、この場に並べられた創作の多くは恋愛などであったが、専門外だからと忌避するのは作家として得策ではない。
「僕の専門ではないからこそ、学習が必要だな」
知らぬものに触れてこそ得られるものもあろう。
さて。
「いくつか目に留まった本を買っていきたいのだが……」
ぐるりと顔を巡らせると、彼へひっそりと視線を向けていた娘たちが、逃げるようにそそくさと去っていく。
だが、それを異様なこととは思わない。なぜなら彼にとっては慣れたことだからだ。
どこか陰のある顔立ちは彼をミステリアスな存在に仕立て、その振る舞いは意図せず人目を引く。
僕は実に目立つ。
目立つことしかできない。
もっとも、目立つというのはそれだけでひとつの才能と言えるだろうか。悪目立ちではなく、純粋に関心と興味をもって注目されるのは、時に好ましいものだ。
「なので自分がモデルになっていそうな本が欲しいのだが、隠されてしまっていそうだなあ」
そう独りごちる彼がちらりと目線をすべらせただけで、こちらをちらちらとうかがっていた女性作家が瞬速で頒布物を隠した。一体どんなやましさがあればそんなにも早く動けるのだろうか。
僕はあまりにハイカラだし、モデルにしたい気持ちはとてもよくわかる。
だからこそ欲しいのだが……。
「文豪としてだけでなく、ハイカラであるためにもそういった本で研究を重ねたいのだがね」
卓上に目を向けながらあてもなく歩いていると、幾度か人外の素早さで隠された後、ようやく隠されずに(それでも多少警戒されているようには見えたが)彼をモデルとしたらしい本を数冊見せてもらえた。
やはり多くは空想の相手との美恋や悲恋ではあったが、彼に似合いそうなハイカラなデザインをしたという創作衣装のイラスト集さえもあった。
本人を目の前にして見せられる内容なので内容としてはおとなしいのだろうが、それでも見せるからには自信があるのだろう、靖行と思しき風体の儚く華奢な心根の人物がひととき溺れる美しい恋物語は、優しく繊細な詩情で綴られている。
……彼が真実そのような人物であるかはともかく。
これもまたひとつの研究資料と受け止め、靖行は本を手にゆったりと歩を進めた。
成功
🔵🔵🔴
草野・千秋
軍人さんの同人誌……
確かに軍人さんな猟兵さんもいるでしょう
これは所謂ナマモノかもしれません
あと青年将校総受けとかありそうです
きっと厚い本もあるんでしょう、アンソロジー的な
文芸同人誌、ということは漫画はないのでしょうかね?
小説もまた妄想が掻き立てられてよきもの
オタクの人は強めで自前の脳内麻薬をキメている人もいると聞きますね
僕もです
まぁいわゆる腐男子ってやつです
同人誌即売会は僕の住むUDCアースでも
サークル側もルールを守らないのはよくあること
隣の作家さんに迷惑かけちゃいけないですよね
創作物の出来が良くてもそこはアウトです
情報収集+コミュ力で幻朧戦線のメンバーを探しつつ
お土産にいい感じの本を探す
軍人さんの同人誌……と、草野・千秋(断罪戦士ダムナーティオー・f01504)は反芻した。
「確かに軍人さんな猟兵さんもいるでしょう。これは所謂ナマモノかもしれません」
『ナマモノ』というのは、実在する人物を題材とする作品のこと。
熱心なファンがいることを好ましく思うことはあっても、胡乱な創作の対象にされることを好ましく思わないことが多いので、取扱には厳重に注意が必要なジャンルである。
そのためこの同人誌即売会では、『どこかで見たことがあるそっくりさんだけどあくまでも架空の人物』として扱われているようだ。
あと青年将校総受けとかありそうです。
きっと厚い本もあるんでしょう、アンソロジー的な。
考えながら眺めてみれば、軍人でもある猟兵のアンソロジー本もあればいわゆる軍人パロ本だってあった。軍人同士で致すのは世の倣いなのである。真面目に。
ただ残念ながら、青年将校総受けと見られる内容のものは見受けられなかった。
いくつか本を手に取ったり買ってみたりしているうちに、ふと疑問が浮かぶ。
「文芸同人誌、ということは漫画はないのでしょうかね?」
それらしい本もなくはないが、どちらかといえば小説の挿絵としていくらか差し込まれているもので、漫画本としての体裁をなしていない。
しかし、漫画でなければ読めないというわけではないので、それならそれで構わない。
小説もまた妄想が掻き立てられてよきもの。
「オタクの人は強めで自前の脳内麻薬をキメている人もいると聞きますね」
僕もです。まぁいわゆる腐男子ってやつです。
オタクという言葉は昭和末期頃に発生したものなので、この即売会の参加者たちには通じないが、言わんとするところは察せられたようだ。
とはいえ明治時代には『少年』という単語が『受け』を意味する程度にはあったわけで、まったく時代というのは因果なものである。
気に入った本をやり取りしながらそれとなく幻朧戦線のメンバーの情報を得ようとすると、皆一様にそれらしい人物については分からないと答えるばかり。
それよりも、問題の大手作家の新刊が気になって仕方がないと気もそぞろのようだった。そして、迷惑行為そのものを容認している者は半分よりやや多い。
「同人誌即売会は僕の住むUDCアースでも、サークル側もルールを守らないのはよくあること。隣の作家さんに迷惑かけちゃいけないですよね」
創作物の出来が良くてもそこはアウトです。
苦言を呈する千秋に、しかし娘たちはバツの悪そうな顔をしながらも弁明した。
神と呼ばれるほど人気が高い作家たちの理不尽で傲慢な行動は、熱心な愛読者たちにより擁護されてしまうのだ。結果的に悪循環となってしまうのだが、厳格に対処することもできず即売会の運営側も苦慮しているらしい。
複雑な思いをいだきつつお土産にいい感じの本を探しながら、千秋は情報収集を続けるのだった。
成功
🔵🔵🔴
ザッフィーロ・アドラツィオーネ
宵f02925と
好む物を本にするとは…面白い趣味もあるものだな
猫の本は有るだろうか?とそわそわりつつ
『聞き耳』を使い不穏な単語を漏らす者が居らんか探って行こう
?受け?攻め…?暗号か?だが怪しい気配はないのだが…お前はどう思う、宵?
そう宵へ耳打ちをするよう顔を寄せつつ声を投げ…と
…本当に良く分からん者達だな…?
至近からの声についぞ視線を向ける…も
猫耳を付けた宵に似た者が蛸の足を食べている表紙を見れば思わず動きを止めてしまう
…宵。若しや以前押し付けられたあの本の類の物なのか…?
は、破廉恥なと思わずどもりながらも何故か手には財布が一つ
…べ、別にその、なんだ。敵を知る為故、変な意図はないぞ?なあ、宵?
逢坂・宵
ザッフィーロ君(f06826)と
なるほど、同人誌…… 星や風景を写した写真集などもあるでしょうか
「視力」を使い不審な動きをする者がいないか探りを入れつつ
彼からの問いにはある種の記号のようなものでしょうかと返しましょう
だんだんとディープな本の界隈に来たならばそわそわと落ち着かなくなるも、
動きを止めた彼の視線の向こうを見れば硬直して
もしやと申しますか、確実にそれですね……
敵ってなんですか、僕らの敵がこのような本に描かれるわけ……
と、その表紙に描かれた登場人物を見て複雑な気持ちになりつつ
かれの手に見た財布を押しとどめようと
あっこら、きみ絶対下心あるでしょう、なんの勉強にするんですかっ
美しい装丁の本が並ぶ列を一瞥する、ザッフィーロ・アドラツィオーネ(赦しの指輪・f06826)。
「好む物を本にするとは……面白い趣味もあるものだな」
好奇心と感嘆に、控えめだが興味深げに覗き込んでいた逢坂・宵(天廻アストロラーベ・f02925)が首肯する。
「なるほど、同人誌…… 星や風景を写した写真集などもあるでしょうか」
ゆっくりと歩を進めながら卓上を見ていくが、そういった趣のものは、イラスト集やアクセサリーを取り扱うところはあっても写真集まではないようだ。
少し落胆気味の宵を伴い、猫の本は有るだろうか? とザッフィーロはそわそわりつつ、聞き耳を使い不穏な単語を漏らす者が居らんか探って行こう。
しかしそうしてそばだてた耳に聞こえてきたのは、どちらが受けだの攻めだの、「長身アヴェック……!」「身長差が厄場い……」「人間じゃない……いえ、この世のものじゃない」などともささやきあう声。
大層な物言いだが、向けられた側は理解していない。
目を凝らし不審な動きをする者がいないか探りを入れつつ頒布物にも目を配る宵に、ふいと声をかけた。
「? 受け? 攻め……? 暗号か? だが怪しい気配はないのだが……お前はどう思う、宵?」
「ある種の記号のようなものでしょうか」
そう宵へ耳打ちをするよう顔を寄せつつ声を投げ、少し顔を上げてザッフィーロの肩にもたれるような形で答える。
……と。
不意に、挙動不審ながらも通り過ぎようとしていた少女たちが糸の切れた操り人形のように一斉に倒れ、頒布スペースにいた娘たちも視線をそらして何かに耐えようとふるふると身体を震わせた。
色男の二人連れなど珍しくはないはずだが、この場では様々な意味で注目されてしまうのだ。
「……本当に良く分からん者達だな……?」
わけが分からず首を傾げた。
そうして見ていくうちに、宵はだんだんとディープな本の界隈に来てそわそわと落ち着かなくなる。
至近からの声にザッフィーロがついぞ視線を向けると、猫耳を付けた宵に似た者が蛸の足を食べている表紙を見れば思わず動きを止めてしまう。
それはどこか、彼の記憶にあるものによく似ている気がした。
「……宵。若しや以前押し付けられたあの本の類の物なのか……?」
呆然として動きを止めた彼の視線の向こうを宵も見れば硬直して。
……ああ、なんと答えればいいのか。
「もしやと申しますか、確実にそれですね……」
うっかり直視してしまった。
そのように胡乱な本であっても、内容をあらためるには勇気がいるが、さりとて無視をするには興味を惹かれてしまい。
は、破廉恥なと思わずどもりながらも何故かザッフィーロの手には財布が一つ。
「……べ、別にその、なんだ。敵を知る為故、変な意図はないぞ? なあ、宵?」
宵に言い訳するのかと思えば、むしろ同意を求める。
これは敵の情報を得るためなのだから仕方がないのだ。誰に咎められることのないまっとうな理由である。
「敵ってなんですか、僕らの敵がこのような本に描かれるわけ……」
と、その表紙に描かれた登場人物を見て複雑な気持ちになりつつ、彼の手に見た財布を押しとどめようとするが、さらりとかわされて。
抵抗虚しくお買い上げされてしまった本は、宵が手を出せないように、ザッフィーロの懐にしまわれてしまう。
「あっこら、きみ絶対下心あるでしょう、なんの勉強にするんですかっ」
ふたりで何やらもめ始めたのを、やや遠巻きに熱心な目で見つめていた娘たちが「何の勉強……?」「何って、なに……!?」と勝手に盛り上がっていたのだが。
それは彼らの知るところではなく、傍から見ては仲睦まじく情報収集を続ける。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
フローライト・ルチレイテッド
POW分野で
アドリブ連携歓迎です。
服装は無駄に【存在感】のあるひらひらした男物で。
目立つ事自体に意味は特にないですが。
こういう所ははじめてですが、【野生の勘】に導かれるまま、興味津々でイケオジ系を含む所に行きましょう。
そういえば、本メインで音楽は売られてないんですよね。多分
(何かの燃料をそれとなく投下しながら)【コミュ力】と耳や尻尾の動きで【誘惑】しつつ色々お話を聞いてみましょう。
…軍服衣装も好きなんですが、軍帽は被れないんですよねぇ(角で)。
本を買ったら頑張ってくださいね、と【鼓舞】し移動。
ある程度回ったあとは【地形の利用】で周囲を見渡しやすい場所に移動。
軍人さんの【情報収集】をしましょう。
目立つ事自体に意味は特にないですが。というものの、美しい外見と対象的な、無駄に存在感のあるひらひらした男物の服装で歩くフローライト・ルチレイテッド(重なり合う音の色・f02666)は、会場内でよく目立っていた。
少年とも少女とも取れない、いや中性的と言うには女性的にすぎる。そんな彼が男の着るものを着ていれば、見る者は皆惑わされてしまう。
フローライトがくるり視線を巡らせると、頬を染めた少女たちが慌てて彼の視界から逃げた。
こういう所ははじめてですが、野生の勘に導かれるまま、興味津々でイケオジ系を含む所に行きましょう。
手元の参加者目録では、どのような内容の頒布物を扱っているかまでは分からない。
しかし、人々が手にする本を見れば何となく察しがつく。それを頼りに行ってみれば、なるほど目当てのものは見つかった。
「そういえば、本メインで音楽は売られてないんですよね。多分」
近くの頒布物をひととおり見て回ったが、それらしいものは見当たらない。こういった場所でやり取りするのは難しいのだろうか。
ないものは仕方がない。
コミュ力と耳や尻尾の動きで誘惑しつつ色々お話を聞いてみましょう。
こっそり行動に移しつつ売り子の娘にそれとなく訊いてみると、いささか反応が悪い。おやと思えばどうやら彼の容姿が眩しいようで、「浄化される……」「成仏する……」などとつぶやく声も聞こえた。
何かの燃料をそれとなく投下しながらそうして聞いていくうちに、なにやら妖しげな二人連れの青年がいたという話に触れる。
「本職の軍人さんかは分からない、けれど。立ち居振る舞いがすこぉし、ね」
互いに友人らしい娘の一方が言うと、もう一方もうなずいた。
「何というか、親友とも恋人とも取れない雰囲気で。ただの同僚という感じではなかったかしら。それに、本当に軍人さんでここに何か用があって来たのなら、内緒話なんてしないでしょう?」
何かしらの証拠を掴もうか、或いは何かしらの犯人でも捕まえようか。どちらにせよ、ひっそりと様子をうかがわずに直接言ってくればすむことだ。
だから彼女たちは彼らが本当に軍人でも一般の参加者だと思っていたし、それに何より、直視したらあまりの尊さに死んでしまう。
そういうことなので判断に足る情報と言えず、その二人連れの正体を判断しかねた。
つかの間思案する彼に、どうかしたかと視線が集まる。それと気づき、
「……軍服衣装も好きなんですが、軍帽は被れないんですよねぇ」
はにかんでフローライトが自身の角を示すと、きゃあっと黄色い声が上がる。その場で即座に軍服姿の彼の想像図(妄想とも言う)を描きあげて、機会があればぜひ着てくれと言ってくる娘さえいた。
「頑張ってくださいね」
本を買い鼓舞の声をかけると、かけられた娘は「悔いなし……!」と言いながら他の迷惑にならないよう器用に倒れ、今日何度めかの救護班が出動する。
今日はよく人が倒れるなあ。いつも何人か倒れるけど。という声が聞こえたので、珍しくないようだ。
ある程度回り買ったものを整理しておくと、フローライトは周囲を見渡しやすい場所に移動して、情報収集を続ける。
怪しい人物には、あともう少しで届くだろう。
成功
🔵🔵🔴
冬原・イロハ
海老ちゃんさん(f13159)と
同人誌即売――あまちゅあの皆さんが物語を売る場所と聞いて、とても楽しみにしていました
はわ、凄い活気なのですね~
(「幻朧戦線な影朧さんがいるにしても、皆さん楽しそうです」)
お誕生日に貰った旅行鞄(軽い手荷物の旅)を手に、あちこちお店(?)を巡ります
机の上は見えないかもしれないけど、まあ、何とかかんとか
本がたくさん並べてあって、本屋さんのようです。楽しいですね
淡い恋物語の本はありますでしょうか?
買えたら大事に、鞄に仕舞います
あら、あの大きな人は…
海老ちゃんさんも売り子さんをしているのですね
どんな本なのかしら
わあ、綺麗な色の便箋ですね♪
ありがとうございます
アドリブ歓迎
海老名・轟
本売るイベント行くっつったら知り合いからカートとチケット押し付けられたんだが、
若い女性に左右挟まれててすげえ居心地悪いな…
「エビちゃんさんこの本売ってきてくださいっす!あ、中見たらダメっすよ!」
とか言われたから見てないけど、すげえタイトルばかりでセンスが謎すぎる…
とりあえず頼まれた通りに本を売りつつ幻朧戦線のメンバー探しをしよう。
きっと怪しい挙動の一つくらいしそうだろ?
古から現代に伝わるグラデ便せんと同人封筒…?
お買い上げありがとうございます(笑顔)
お、イロハ(f10327)じゃん。どうだ、いい本買えたか?
せっかくだ、飴ちゃんやるよ。手紙書くのに便せんと封筒もオマケな。
アドリブ、絡み可
「同人誌即売――あまちゅあの皆さんが物語を売る場所と聞いて、とても楽しみにしていました」
会場内を見回し、ほわほわと微笑む冬原・イロハ(戦場の掃除ねこ・f10327)。
小柄な彼女が往来に立てば人々の邪魔になってしまうので、少々横に避けてもう一度眺めた。
「はわ、凄い活気なのですね~」
あちこちで賑やかに話したり活発にやり取りしているのを見ると、生鮮市場のようですらある。
(「幻朧戦線な影朧さんがいるにしても、皆さん楽しそうです」)
もっとも、日常を脅かす存在に参加者たちは気づいていない、或いは知らないのだろうが。
お誕生日に貰った旅行鞄を手に、あちこちお店(?)を巡ります。
軽い手荷物の旅向きの鞄は通行の邪魔にならず、またすれ違う相手にぶつからないようにも取り回せる。
机の上は見えないかもしれないけど、まあ、何とかかんとか。
それでも立ち止まって興味を示せば相手に伝わって、よければ試し読みを、とか、こちら無料配布です、とか差し出して声をかけてもらえた。
あちこち眺める彼女が困っているように見えたのか、大丈夫ですかと声をかけられて、おっとり微笑んで応える。
「本がたくさん並べてあって、本屋さんのようです。楽しいですね」
文字だけの表紙でも工夫がこらされ、ついついどれも買ってしまいそうになる。中身を確認しないで買ったものもあった。
ふと立ち寄った先、目移りしてしまい。
「淡い恋物語の本はありますでしょうか?」
訊いてみると、水彩のような柔らかい色彩の表紙の本を何冊か勧められる。
中を確かめてみれば、猟兵と影朧との優しい恋模様や、ひっそりと紡がれる柔らかな物語。
買った本を大事に、鞄に仕舞い。
「あら、あの大きな人は……」
本を売るイベントに行くと言ったら知り合いからカートとチケットを押し付けられたという海老名・轟(轟く流星・f13159)。
「若い女性に左右挟まれててすげえ居心地悪いな……」
彼の両側だけでなく、売る側も買う側も皆特別気合を入れたらしく、着飾りながらも動きを邪魔しない格好だ。その身のこなしも訓練された軍人のごとく、他者の妨害をせず動き回り無駄な時間を取らず取らせぬように最適化された動作で振る舞い、己の目的を達成するに特化している。
言うなれば、同人誌即売会の玄人と言えよう。
そこへ長身のいかつい男が不慣れな動作で売り子をしていれば、否応なしに目立っていた。
「「エビちゃんさんこの本売ってきてくださいっす! あ、中見たらダメっすよ!」とか言われたから見てないけど、すげえタイトルばかりでセンスが謎すぎる……」
彼の前に並べられた本には、抽象的かつ意を得ないタイトルが記されている。
とりあえず頼まれた通りに本を売りつつ幻朧戦線のメンバー探しをしよう。きっと怪しい挙動の一つくらいしそうだろ?
……と思ったものの。
「古から現代に伝わるグラデ便せんと同人封筒……?」
グラデーション印刷が施された数枚の封筒と便せん10枚ほどを束にしてまとめ、ついでにちょっとしたシールも入っている。
こういったアイテムと縁がなかった轟には物珍しいものだったが、それはこの同人誌即売会の参加者たちも同じようで、当初箱いっぱいに渡された時は売れるものかと思ったものの、新たな途切れなく売れていくのだから恐ろしい。
ついには神作家扱いまでされているようだが、これは彼が作ったものではないので複雑な心境である。
そのなかに混ざる、どこか硬い印象を受ける青年。
本を買うというよりはこちらの様子をうかがうようなそぶりの彼を、猟兵は気づかれぬよう留意する。
「お買い上げありがとうございます」
いかつい顔に接客用の笑顔を浮かべてやり取りしていると、白くてふわふわの知人がちょこんと挨拶した。
「海老ちゃんさんも売り子さんをしているのですね」
どんな本なのかしら。
イロハが覗き込もうとするも混雑してしまい、近付くのが大変そうだ。
「お、イロハじゃん。どうだ、いい本買えたか?」
中へ招き入れて訊くと、説明するよりもと買ったものを見せてくれる。
ぱらっと中を見て一度イロハを見、それからもう一度中を見てからもう一度イロハを見た。
そしてもう一度視線を交えた際には、不審な存在を視線で伝える。
「せっかくだ、飴ちゃんやるよ。手紙書くのに便せんと封筒もオマケな」
「わあ、綺麗な色の便箋ですね♪」
ありがとうございます。
両手で受け取り、ちょこんと頭を下げるイロハ。
と。
「神作家様がそろそろ……」
「いやだ、ここのも気になるのに」
「この方も神作家様だわ」
などとざわめき話す声が聞こえた。見れば人の流れがそれまでと変わり、一箇所へと移動しつつあるようだ。
離れても目立つよう大書した張り紙のもとへ娘たちが集まりつつあるそのなか混ざる青年に、猟兵たちは違和感を覚える。
色めき立った娘たちに囲まれ揉まれるその人物は、売り場に向かう流れに流されているようにも、意図的に人が集まろうとする場所へ向かうようにも見えて。
気づけば彼らの売り場にいた青年も、姿を消していた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 冒険
『窃盗犯を探せ』
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POW : 怪しい奴がいないか周囲を徘徊する
SPD : 窃盗の瞬間を捉える為に盗まれそうな物を監視する
WIZ : 店員の振りをして接客しながら警戒する
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
広く空間を取った壁際に大きな張り紙が張り出されると、それまで会場内のあちこちに散らばっていた参加者たちの多くが一斉にそちらへと早足で向かっていく。
あっという間に黒山の人だかりになった異様な光景に猟兵たちが顔をしかめていると、近くで人の流れの整理をしていた女性が溜息混じりに教えてくれた。
「あちらの作家様は、一度新刊を出せば秒で完売、再販はないので常に奪い合いというほどの人気ぶりなんですけど、それを傘に着てやりたい放題なんですよね……」
「それは……」
などと話していると不意に悲鳴が上がった。それも、ひとつふたつではない。
とっさに身構えた猟兵の目の前で、繊細に透ける帖紙に包まれた本が宙を舞う。
とっさに受け取ってしまったのは、黒い鉄の首輪を着けた青年で。
なにが起きたか分からない顔の彼は、悪鬼の如き形相で突撃してくる人々から本能的に背を向け全力で逃げ出し、人津波に飲まれてしまった。
猟兵たちが取りうる行動は、『もうひとりの影朧戦線のメンバーを探す』『同人誌を持ったほうの影朧戦線のメンバーを探す』『サークルやスタッフに紛れて混乱を収める』となりそうだ。
比良野・靖行
む、ゲリラ頒布か……!
この混乱に乗じて幻朧戦線の者を探したいところだが……
残念ながら人探しは得意ではなくてなあ。
混乱を収めるとしようか。
幸いにも僕は【国民的スタア】で圧倒的【存在感】を持つ【ブームの仕掛人】……の、【文豪】だ。
つまり……僕がやるべきことは、こうだ。
この新作、【猟兵戦記】を手にUC「名状しがたき謎の存在」を使い、騒ぎの渦中の皆に伝えよう。
「比良野靖行サイン会」をやるぞ!
きちんと並んでくれるなら、全員に書くと誓おう!
しかし他人に迷惑をかけるような輩には書かないからな。
さあ! 譲り合いの精神で並ぶと良い!
ついでだ、【猟兵戦記】の販売もやろうか。
わっはっは、色紙がなくとも安心だぞう!
不意の慌ただしさに、靖行は眉をひそめた。
「む、ゲリラ頒布か……!」
ゲリラ頒布とは言えそれが行われることを経験から知っている人々の行動はすばやく、そしてそれが重なったために混乱と混雑を引き起こす。
その勢いは、もはや人の列というより人の濁流である。
「この混乱に乗じて幻朧戦線の者を探したいところだが……」
残念ながら人探しは得意ではなくてなあ。
であればそれは他に任せるとして、混乱を収めるとしようか。
「幸いにも僕は国民的スタアで圧倒的存在感を持つブームの仕掛人……の、文豪だ」
そして、とても目立つ。持てるものは使ってこそ価値がある。
「つまり……僕がやるべきことは、こうだ」
す、っと空いている机を手早く整える。
周囲のことなど文字通り眼中にない人々はそんな挙動に気づかず、しかし彼は動じない。
「よかろう。僕の本気というものを見てもいいぞ」
自信に満ちた調子で、騒ぎの渦中の皆に向けた言葉は言霊。
「「比良野靖行サイン会」をやるぞ! きちんと並んでくれるなら、全員に書くと誓おう!」
新作の【猟兵戦記】を手に高らかに宣言すると、それまで賑やかに騒いでいた人々の間に、彼の作品や彼自身をずっと見ていたいという感情が広がり、人の流れが変わった。
大勢の人々が彼の机の前にも殺到し、なかには彼の名を知る者もいたようで、「新作!?」「あの比良野靖行の!」という声さえ聞こえる。
よく見せてくれと詰めかける人々に下手をすれば持つ本を奪われそうになりながら、靖行が落ち着かせるように告げた。
「しかし他人に迷惑をかけるような輩には書かないからな」
彼の言葉に、それまで異様な衝動をもって集まっていた人々は我を忘れるほどの熱狂からいくらか覚め、互いに恥じらいながら少しずつ距離を取る。
靖行や彼の作品への関心を失ったというわけではなく、慎みを忘れてはしたなく騒いでしまったという羞恥心のあらわれだろう。
それを確かめて、靖行はもうひとつ声を張り上げた。
「さあ! 譲り合いの精神で並ぶと良い!」
言われて、つい先刻まで押し合っていた人波はそそくさと並びだす。自主的に作られたその列はずいぶんな人数と見えた。
全員へのサインは骨が折れそうだが、これも文豪の仕事のひとつだ。
ついでだ、【猟兵戦記】の販売もやろうか。
口の端に笑みを浮かべると、その姿にうら若き乙女たちがほうと溜息をつく。
別の熱を含んだその視線を意に介さず、文豪・比良野靖行は呵々大笑した。
「わっはっは、色紙がなくとも安心だぞう!」
もっとも、サイン本となれば読むのが惜しくなって、もう一冊欲しくなってしまうかもしれないが。
成功
🔵🔵🔴
逢坂・宵
ザッフィーロ君(f06826)と
スタッフとともに混乱を収めに行きましょう
俗にいう壁サークル、でしょうか
人が集まることを知って周りのサークルに気を使わないのはいただけませんね
……と、ザッフィーロ君が転びそうになった少女に手を貸すのを見たならば唇をへの字に曲げて
そうして優しいのはきみの美点ではありますが
少々……いえ、かなり妬きますね
手を引かれ相手の背に庇われるようにされたならその手を取り指を絡め
こうしていたほうが人込みでも離れませんよ
そうにっこりと微笑みかけましょう
さて、お嬢さん方
淑女たるもの上品に、礼節を持って、冷静に並びましょうね
人の欲よりも、僕はきみの知識欲が怖いですけどねと嘯いて
ザッフィーロ・アドラツィオーネ
宵f02925と
スタッフに紛れ混乱を収めようと思うが…なんだ、この混乱は…?
お前達、危ないゆえ落ち着き行動しろとそう声を投げ押し寄せてくる者達を宥めんと試みる…も転びかけた少女を見れば腕を伸ばし支えよう
だから危ないと言っただろうがとそう説教をしかけるも不満げな表情を浮かべた宵を見れば
お前も押されては危ないだろう?傍に居ろと手を引き己の背に庇う様に引き寄せよう
…妬くというが俺がお前しか見て居らん事はお前も識っているだろう?
そう笑み交じりの声と共に確りと指を絡め返しせば宵へ視線を向けようと思う
それにしても本当に凄い勢いだが…本当に人の欲は恐ろしい物だな…と
…ん?何も聞こえんな…?何か言ったか、宵?
「なんだ、この混乱は……?」
騒ぎに巻き込まれないよう宵を抱き寄せ、ザッフィーロは困惑する。
ある程度は予想していたがそれを上回る狂乱。これまでの人の流れが急流であるなら、今は激流といったところか。
黒くうごめく塊とすら言えそうな人だかりの向こうにかろうじて見えたのは、周囲を机に囲まれた数人の女性が『新刊完売』と大きく書かれた看板を掲げて見せていた。
それでも諦められない人々がなおも押しかけて、時折看板すら見えなくなっている。そんな状態では安全は確保されまい。周囲の作家たちは、自主的に避難している者もいるようだった。
「俗にいう壁サークル、でしょうか。人が集まることを知って周りのサークルに気を使わないのはいただけませんね」
顎をつまんで憂慮する宵のそばで、一度は整理された列が乱れて膨らむ。やれぶつかっただの引っかかっただのと言い出す人々に、猟兵たちは溜息をつく。
「お前達、危ないゆえ落ち着き行動しろ」
ザッフィーロがそう声を投げ押し寄せてくる者達を宥めようと試みるも収まらず、人波から押されて転びかけた少女を見れば腕を伸ばし支えた。
礼を言いながら慌てて姿勢を直し無意識に顔を上げた少女は、相手を認識して赤面したかと思えば弾かれたように(いや実際には、彼を弾くように)離れ、「お二人の邪魔をするなんて無粋の極み……!」と血を吐く勢いで頭を下げる。
彼が少女に手を貸すのを見た宵は唇をへの字に曲げて、そう、他意はないと分かっているのだが。
「そうして優しいのはきみの美点ではありますが」
少々……いえ、かなり妬きますね。
口にした言葉は彼に聞こえたか。
「お前も押されては危ないだろう? 傍に居ろ」
と手を引き己の背に庇う様に引き寄せる。触れたその手を取り指を絡め、手袋越しにその感触を確かめた。
「こうしていたほうが人込みでも離れませんよ」
深宵の瞳を細めてそうにっこりと微笑みかければ、返る言葉は決まっている。
「……妬くというが俺がお前しか見て居らん事はお前も識っているだろう?」
そう笑み交じりの声と共に確りと指を絡め返せば宵へ視線を向ける。
気がつけば人の波はしんと凪いで、代わりに紙に何かを記す音が潮騒のように広がっていた。
「さて、お嬢さん方」
普段に浮かべる柔和な表情で宵が声をかけると、ものすごい勢いで紙にペンを走らせていた娘たちがビクッとする。精密な筆致で空白を埋めていた内容については言及しないこととしよう。
「淑女たるもの上品に、礼節を持って、冷静に並びましょうね」
「「「「はいっ!」」」」
短い返事がぞわぁっと上がる。
今の彼女たちは、別の理由で冷静ではないだろうが。
「それにしても本当に凄い勢いだが……本当に人の欲は恐ろしい物だな……」
嘆息するザッフィーロに宵は、人の欲よりも、僕はきみの知識欲が怖いですけどねと嘯いて。
しかしその声は彼に届かずかそれとも聞こえないふりか。
「……ん? 何も聞こえんな……? 何か言ったか、宵?」
問われて答えたのは、絡めた指先だった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
フローライト・ルチレイテッド
チーム【SS】で参加しまーす。
指定UCを使って人手を動員して、交通整理に努めましょう!
スピーカー【真っ赤な夜】の音量を上げ、マイク【M・A・D】で【大声】を響かせて交通整理します。
【空中浮遊】でちょっと高い位置に飛び、【存在感】で自己主張しマイク【パフォーマンス】しながら、
バーチャルレイヤー【Dress】でキラキラ光りつつ列に並ぶようにお願いします。
あと、横にいる千秋さんの背中にもバラを背負わせます。
【地形の利用】も駆使しながら、しっかり並んで貰う方向で。
残念ながら買えなかった人達には優しく、申し訳無さそうな表情で【誘惑】しながら、
残念でしたね、でも、次はきっと買えますよ! と【鼓舞】します。
草野・千秋
【SS】
あーああ、こちらの世界でもそりゃあ壁サークルはありましたけど
占拠は良くないですね
あまり早足で歩き過ぎても
それ走ってるのと変わらないですからー!
と、それとなくスタッフっぽい感じで
いやしかし繊細に透ける帖紙とはまた凝った装丁……(気になるらしい)
UCで召喚した音楽隊に人員や交通の整理を手伝わせる
フローライトさん、晴れの舞台で人々を惹き付けるとはやりますね
コラボしましょう
僕、一人だとこういうの緊張するんですけど
フローライトさんと一緒なら心強い
白薔薇マイクで声を響かせて
薔薇を背に負い
パフォーマンス、存在感、誘惑で合流
黒い鉄の首輪の青年の行き場をそれとなく目で追いつつ騒動を抑える
「あーああ、こちらの世界でもそりゃあ壁サークルはありましたけど」
占拠は良くないですね、と千秋が溜息をつく。
走っていないとは言え、あまり早足で歩き過ぎても……。
「それ走ってるのと変わらないですからー!」
と、それとなくスタッフっぽい感じで指摘する。
「いやしかし繊細に透ける帖紙とはまた凝った装丁……」
気になるらしいが、現物は奪われないよう厳重にしまい込まれているか、偶然にも手にしてしまった人物があの人の濁流の中のどこかにいる。
今のところ確かめることは叶わないだろう。
大混乱の会場に、フローライトは赤くセンサーが光るスピーカーポッド【真っ赤な夜】の音量を上げ、【M・A・D】と名付けられたマイクで大声を響かせた。
「――流れる髪手にとって 夕焼け色のカフェで 鼓動の音聞けるほど 抱きしめて微笑んだ 大人のキスをくれた 夜を超えてあなたと旅に出たの」
増幅されながらもその透る声は損なわれることなく、楽器を持つダンディなロボットバンドマン達が現れて彼の手助けを行う。
その場で少し強く踏み込み空中浮遊でちょっと高い位置に飛び、輝くような存在感で自己主張しマイクパフォーマンスしながら、華美でひらひらと踊るバーチャルレイヤー【Dress】でキラキラ光りつつ列に並ぶようにお願いすると、人々は彼の存在に驚き、そしてその歌声とパフォーマンスに見惚れ、なかば暗示にかけられたように指示に従いだした。
それを見た千秋は感心して称賛の言葉を彼へと贈る。
「フローライトさん、晴れの舞台で人々を惹き付けるとはやりますね」
コラボしましょうと誘えば快諾が返り、それではと息を吸って。
「休日は、夢は終わり、この演奏を捧げよう――」
フローライトのものとは違う旋律が、その優しげな笑みを浮かべた唇から紡がれた。
楽器演奏も歌唱も、パフォーマンスにも秀でた彼らの演奏は、熱に浮かされた人々を魅了し、結果的に誘導を容易にする。
フローライトが舞わせた薔薇を背負い、千秋はふっと息を吐いた。
「僕、一人だとこういうの緊張するんですけど」
今だって、緊張しているけれど。
「フローライトさんと一緒なら心強い」
それは、美しく善き正しき存在であるために。白薔薇マイクで声を響かせて薔薇を背に負い、草野・千秋という存在を世界に示す。
黒い鉄の首輪の青年の行き場をそれとなく目で追いつつ騒動を抑える千秋に合わせ、フローライトは先程会場内を回って覚えた地形を利用しながら、人々にしっかり並んでもらう。
残念ながら買えなかった人達には優しく、申し訳無さそうな表情で誘惑しながら、
「残念でしたね、でも、次はきっと買えますよ!」
そう鼓舞すると。
「眩しい……尊みがすぎる……」
「ありがとうございます……御馳走様です」
「帰ったら次の新刊に取り掛かります……」
両手で顔をおおいながら、二人に礼とも決意とも言える言葉を口々に告げた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
冬原・イロハ
海老ちゃんさん(f13159)と一緒に同人誌を持ったほうの青年を追います
体の小ささと柔軟性を利用して人波をすり抜けていきますね
机の下を通ったり、売り物を駄目にしない様ジャンプです
UCで摩擦も無くし
青年さんはどこに…あ、いました
海老ちゃんさんコッチですよー
人気の本を持って逃げちゃうから…本能的に逃げたくなるのは分かりますが
海老ちゃんさんと青年の接触に黄色い声が上がっている様な気がしますね
「ここはスタッフさんにお任せしましょう
皆さんはどうぞ落ち着いて」
邪魔を しては いけません … !
「リアル組討は遠くから眺めるものなのでしょう? 皆さんが教えてくださいました」
(何かを学んだネコ)
アドリブ歓迎
海老名・轟
スタッフ証つけてイロハ(f10327)と同人誌持った影朧戦線メンバー探しだな
サングラスで顔も隠すか
怪しい動きをしてるヤツがいないか注意しつつ探そう
見つけたら追うぞ。危険だから会場内を走ったら駄目なんだがな
走らないで下さい!危険ですから会場内を走らないで下さい!
前に周り込んで…おっとあぶない(タックルしそうになるもワイルドに抱きしめ)
お客様、お怪我はありませんか
本は宝だ。逃げたくなるのもわかる
だがな、沢山のお客様がいる会場内を走ったら危険だぜ?本も泣くぞ
…ん、いかん足をくじいたか?
救護室へ急がねば!(お姫様抱っこしてメンバー捕獲)
ついでに他のメンバーとかの情報聞いてみようかな
セリフ等アドリブ可
大手作家による混乱は、猟兵たちによって収まりつつある。
だが一方で、うっかり同人誌を手にしてしまった幻朧戦線の青年は相変わらず追い回されていた。
怪しい動きをしてるヤツがいないか注意しつつ探そうと轟が気を配るよりも早く目についた騒ぎに、イロハがくるりと会場内を見回して、てしてしとなめながら人々の邪魔にならぬような位置取りを考える。
よし。と見定めると、スタッフになりすまそうとスタッフ証をつけてサングラスをかけた彼へ、合図をするなり駆け出した。
体の小ささと柔軟性を利用して人波をすり抜けていき、人の邪魔になると判断すれば机の下を通ったり、
「きゃあっ!?」
「ごめんなさーい」
売り物を駄目にしない様ジャンプして通り抜ける。小柄なイロハが通った時間はわずか数瞬のことで、何かしら混乱を招いたり、妨害になるようなことはなかった。
相当な人数に追い回される青年を、身軽に追いかけるイロハ。
危険だから会場内を走ったら駄目なんだがな。
なんとも言えない騒動に、轟はうなじのあたりを掻いて溜息をつく。
それから、すっと息を吸った。
「走らないで下さい! 危険ですから会場内を走らないで下さい!」
そう叫ぶ彼もまた、危険に巻き込まない程度に走っているのだが。
他の参加者にぶつかりそうになり足を止めたその一瞬で、青年の姿が人津波に飲まれる。
「青年さんはどこに……あ、いました」
それを見たイロハがとっとっと飛び上がって様子をうかがうと、すぐに逃げ出してきたのが見えた。器用に机の下に滑り込みショートカットしてそばへと近づく。
「海老ちゃんさんコッチですよー」
見えるようにできるだけ高い位置を選んで移動しながら呼ぶと、轟もまたすばやく青年の前へと回り込んだ。
「おっとあぶない」
突然現れ行く手を阻んだ男に驚き今度こそ転びそうになる青年に、猟兵はタックルしそうになるもワイルドに抱きしめる。
ざ わ あ っ …………。
海鳴りのようなざわめきのあとに、一帯が静まり返った。
「海老ちゃんさんと青年の接触に黄色い声が上がっている様な気がしますね」
黄色い声を通り越した緊張が満ちている状況にふむふむとうなずいて、イロハは参加者たちへと呼びかけた。
「ここはスタッフさんにお任せしましょう。皆さんはどうぞ落ち着いて」
そう言われて落ち着けるはずもない。動揺する参加者たちに、もう一度、今度は声を張り上げる。
邪魔を しては いけません …… !
その剣幕に気圧されて、参加者たちはじりじりと距離を取っていく。
「リアル組討は遠くから眺めるものなのでしょう? 皆さんが教えてくださいました」
おっとりと口にするイロハの視線がなぜだか生暖かく感じられたような気がしたが、彼女は真剣にそう思っているのだ。
……などと対応している間に、轟は青年をすぐに逃げられないようしっかりと捕まえる。
「お客様、お怪我はありませんか」
抵抗や自害を警戒し挙動をうかがいながら問う。
「本は宝だ。逃げたくなるのもわかる。だがな、沢山のお客様がいる会場内を走ったら危険だぜ? 本も泣くぞ」
たしなめて言う彼は、別の意味で泣かされそうな獰猛な笑みを浮かべていた。
ナニをされるのかと身構える青年を相手に、猟兵の演技は続く。
「……ん、いかん足をくじいたか?」
突然気づいたような言葉に青年がはっとする。スタッフも猟兵たちも周囲の安全に気を配っていたのだから、そのようなことはない。
であればその言葉は罠と理解して。
「救護室へ急がねば!」
轟がお姫様抱っこして連れて行こうとするが、革命の志士がされるがまま、唯々諾々と従うはずもない。
「戯けた茶番を!」
猟兵の拘束を力ずくで振り払おうと青年が抵抗する。
作戦は失敗だ。それはすでに明らか。ならば為すべきことはと懐に手を入れようとしたその瞬間、不審な挙動を見て取った猟兵が動きを押さえた。
不意の力に制御を失った銃はあらぬ方向へと向けられ、鋭い音を立てて弾丸が放たれる。
猟兵の妨害さえなければ世を変革する一撃であったろう、グラッジ弾が。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第3章 集団戦
『同人娘』
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POW : ア゛ッ…顔良゛!ん゛っ…(嗚咽)
非戦闘行為に没頭している間、自身の【敵でもあり、公式でもある猟兵の顔 】が【良すぎて、嗚咽。立ち止まったり、倒れ伏し】、外部からの攻撃を遮断し、生命維持も不要になる。
SPD : ――散ッ!(公式である猟兵に察知されたので逃走)
肉体の一部もしくは全部を【同人エッセイ漫画とかでよくある小動物 】に変異させ、同人エッセイ漫画とかでよくある小動物 の持つ特性と、狭い隙間に入り込む能力を得る。
WIZ : 同人娘達…? ええ、あっちに駆けて行きましたよ。
【オタク趣味を微塵も感じさせない擬態】を披露した指定の全対象に【「こいつ逆に怪しいな…」という】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
放たれたグラッジ弾は空虚を撃ち抜き空気を震わせた。
猟兵に捕獲された幻朧戦線の青年とは別のもうひとりが、やはり失敗を理解し失意の表情でその方向を見つめる。
いや。
「我々に当たらずとも、放たれてしまえばいいのだ」
呆然と勝利を口にした。
グラッジ弾は、撃ち殺すことが目的ではない。籠められた「恨み」を浴びせ、周囲に影朧を呼び寄せる存在とすることが目的なのだ。
「!」
不意に猟兵たちは影朧……オブリビオンの気配を察する。
それは異形か、或いはヒトの姿をした狂気か。油断なく周囲を警戒する彼らの耳に聞こえてきたうめき声とは。
「……尊い……」
「生きてるだけでファンサ……」
「もはや同じ空間にいることすら憚られる……」
「あ”っ、こっち見る時間で相手見てください!」
猟兵たちをかなり遠巻きに(メモしたり脳内カメラで撮影したり)している他の参加者たちよりも近い位置で、涙を流しながら吐血(※イメージです)する年若い娘たちの集団。
「あれ、影朧かなあ……」
「そのへんの子たちと変わらないけど……」
いろいろな意味で精魂尽き果てた幻朧戦線の青年たちをチラ見しながら、猟兵たちはとりあえずなんとかしようと構えた。
========================================
猟兵たちの行動により、第3章開始時点では以下の状況となっています。
・幻朧戦線のメンバー2名は猟兵の近距離範囲にいます。
・参加者たちは猟兵たちと影朧から一定の距離が保たれるため、意図的に範囲に含まなければ、ユーベルコードの影響を受けません。
・参加者たちはユーベルコードを用いなくても、猟兵・スタッフ両者の指示に抵抗なく従います。
・大手作家の頒布物はすべて完売もしくは回収されているため、隙を見て手に入れようとする人物はいません。
・机の配置やその上の頒布物は保持されています。
========================================
ザッフィーロ・アドラツィオーネ
宵f02925と
影朧というが本当に他の参加者の様だな…?
そう声を投げつつ近い方の幻朧戦線の青年へ間合いを詰めんと地を蹴れば『怪力』を乗せた拳を青年の鳩尾に打ち込み『気絶攻撃』を試みよう
次いでもう一人も気絶させたいが…距離を取られた場合はまあ、他の者が確保してくれるだろうと
気絶させた者の額へ手を充て【赦しの秘跡】にて安全な場所に隠れている様言い聞かせよう
その間宵を庇いながら行動をする…が…
顔を寄せすぎた…か…?まあ、興味を惹け攻撃の手が鈍るならばそれはそれで良いのだが
その後は宵が詠唱をしやすいよう『盾受』にて宵を庇いつつ時間を稼ごう
攻撃ならば俺が防いでみせる故、宵。思う存分やってやれ
逢坂・宵
ザッフィーロ君(f06826)と
今回はその心配はありませんが、人込みに紛れられない位置で助かりました……と胸をなでおろし
幻朧戦線の青年へけん制及び無力化をはかるザッフィーロ君に青年を任せ
一般客や参加者たちへ「言いくるめ」「礼儀作法」「優しさ」をもって離れているよう指示しましょう
できる限り制御しますが、危ないのは変わりませんからね、と
はい、ザッフィーロ君 お任せくださいと
「地形の利用」「戦闘知識」「おびき寄せ」で敵たちが逃げられないよう誘導しつつ
「高速詠唱」「属性攻撃」「一斉発射」「全力魔法」にて
【天響アストロノミカル】で攻撃しましょう
ザッフィーロ君、怪我はありませんか?
きみが無事でよかった
影朧たちと猟兵たちを、いろいろな意味で息をひそめた参加者たちが遠巻きに見つめていた。
「今回はその心配はありませんが、人込みに紛れられない位置で助かりました……」
胸をなでおろす宵の言葉のとおり、影朧たちは外見だけでは他の参加者と同じように見え、幻朧戦線のメンバーである青年たちも、精魂尽き果て意気消沈した今はその覇気もない。人混みに紛れられれば見つけ出すのは困難だろう。
「影朧というが本当に他の参加者の様だな……?」
ザッフィーロはそう声を投げつつ地を蹴ると幻朧戦線の青年へと間合いを詰め、力を乗せた拳を鳩尾に打ち込む。気絶を狙った一撃は不意をつく形となり、反応に遅れた青年は避けることができず、鈍く呻きと息を吐いて崩折れた。
もうひとりの青年については、先に他の猟兵が牽制したこともあり彼が手を出す必要はなさそうだった。
青年の額へ手を充て、厳かに告げる。
「……さあ、瞳を開けよ。汝の罪は赦された」
ザッフィーロとは、かつて人々に慈悲を与え救い赦しを与える存在であり、今なお『かくあれかし』と在る。
彼の本意に慈しみはなくとも、宗教画の如きその姿は聖職者のそれであった。
つかの間の気絶から醒めた青年へ安全な場所に隠れている様言い聞かせる彼の手を、ふいと引く手。白と黒。
神聖すら見出し手を合わせて拝む参加者たちへ、宵が礼儀と優しさをもって、そこに言いくるめを含めて指示する。
「できる限り制御しますが、危ないのは変わりませんからね」
穏やかな笑みに悲鳴じみた声が上がったのは、参加者たちからでもあり、影朧たちからでもあった。
「あかん……罪深い……」
「この猟兵……軽率すぎる!(いいぞもっとやれ)」
「†┏┛墓┗┓†」
何もしなくても倒れていく影朧たち。
そうすることでこれ以上のダメージを受けないようにしているのだろうが、すでにオーバーキルされている気がしなくもない。
「顔を寄せすぎた……か……?」
まあ、興味を惹け攻撃の手が鈍るならばそれはそれで良いのだが。
影朧の娘たちは攻撃らしい攻撃はしていないというか、勝手にダメージを受けている感すらある。
厄介がないのであれば構うまい、とザッフィーロは彼へ告げる。
「攻撃ならば俺が防いでみせる故、宵。思う存分やってやれ」
「はい、ザッフィーロ君。お任せください」
宵がその笑みにかすか別の色を含み、宵色と星の意匠が施された杖を掲げた。
流星群を、この空に――。
影朧を見据えて紡ぐ言葉と杖に籠められた魔力に、館内の灯明とも違う輝きを放つ無数の隕石が現れる。
娘たちは、あまりの尊さに星も流れるのかとつい見とれてしまい、
「いけないっ、ガチで召されるわ!」
「散れッ!」
慌てて逃げ出そうとするが、推しからの過剰摂取で反応が遅れ、流星に撃たれてばたばたと倒れていく。
死屍累々だというのにその表情は満ち足りていて、かろうじて攻撃を避けた娘たちは、やや距離を取りつつ顔を覆いながら「美しいの暴力(魔法)」「推し、そういうとこだぞ……!」とか叫んでいる。
「ザッフィーロ君、怪我はありませんか?」
問うて返る首肯に、きみが無事でよかったと微笑む。
彼らを包囲する外野からも倒れる音がそこここで聞こえた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
比良野・靖行
ふむ……あまりどんぱちやらない方がよさそうだね。
いや、そもそも僕はそういうの苦手だから、願ったりかなったりだな。
さて……僕は聞いたことがあるぞ。
この界隈の人間は「萌え」死ぬことがある、と……
うむ。すなわち「萌え」殺せばよいのでは?
作品も、健全なものだけだが見たので、大体の嗜好は把握した。
そう……僕の副業は国民的スタア。
この程度のファンサは慣れたものさ!
UC「虚構英霊召喚」にて、拙作「猟兵戦記」から召喚をしよう。
僕の知る限り、猟兵は美男美女揃い……
「猟兵戦記」もそのように書いているのだからね、美男美女が出てくるはずさ。
……たぶん!
ふふ……僕の愛しい登場人物君……
あっ待って近い! 照れるぞ!
影朧たちと参加者たちの様子を観察し、靖行は顎に手をあてて思案する。
「ふむ……あまりどんぱちやらない方がよさそうだね」
敵は好戦的であったり攻撃的であったりするようではないから、大立ち回りを演じてみせる必要はなさそうだ。
いや、そもそも僕はそういうの苦手だから、願ったりかなったりだな。
こっくりと頷く。
「さて……僕は聞いたことがあるぞ」
この界隈の人間は「萌え」死ぬことがある、と……。
萌えで死ぬとは奇妙なことだが、感極まった果てに命を燃やし尽くすということもあるだろう。
「うむ。すなわち「萌え」殺せばよいのでは?」
まあだいたい軽率に萌え死んでいる気もするが、倒すにはまだ萌え足りないようだ。
作品も、健全なものだけだが見たので、大体の嗜好は把握した。
「そう……僕の副業は国民的スタア。この程度のファンサは慣れたものさ!」
ばっ! と袖を払い、一冊の本を取り出して掲げた。
「来いッ、僕の愉快な仲間たちよ!」
それは、自身の体験や先輩猟兵の話を五倍以上に盛った靖行の待望の新作。主人公は架空の猟兵だが、どこかで見たような人物のどこかで聞いたような話が盛りに盛られている。
そしてもちろん、登場人物の容姿振る舞いも。
「僕の知る限り、猟兵は美男美女揃い……」
彼自身も充分に美男子の類いだろう。なにしろそこにいるだけで目立ってしまうし、その振る舞いは実にハイカラだ。
「猟兵戦記」もそのように書いているのだからね、美男美女が出てくるはずさ。
「……たぶん!」
根拠なく宣言したその時、靖行の背後からゆっくりとした足取りで、何者かが現れる。
男にしては麗薫で、女にしては凜爽。超然とした気配をまとい、どちらだとしても納得できようそれは、彼の著書「猟兵戦記」の登場人物である架空の猟兵だ。
「ふふ……僕の愛しい登場人物君……」
笑みを向けると、『猟兵』は敬愛を表すように靖行の手の甲にそっと口づけをし、それから手を取ると自分の頬に触れさせて微笑んだ。作中にこの人物のラブロマンスでもあっただろうか。
予想外の方向からの供給に参加者たちが黄色い悲鳴と嗚咽を上げ、影朧の娘たちはというと。
「無理……しょんどい……」
「公式が最大手すぎた……」
「転生する……」
などと呻きながらばったばったと倒れていく。精神的に倒れているのかダメージを受けた結果倒れているのかもはや分からないが、なかにはひれ伏し拝むものさえあった。
影朧たちの反応を探りながら靖行が視線を巡らせた拍子に、『猟兵』と目が遇う。
自著の登場人物ながら端麗な容姿の人物が至近にいるのは、さしもの彼の平静を揺さぶったらしい。
「あっ待って近い! 照れるぞ!」
慌てて視線を外して取り乱すその様子は、それまでとのギャップでなんとも萌える。
ちなみに自身の創作の登場人物に自分で萌えるのは、『自萌え』と言うらしい。
「我が人生に一片の……いいえ、おふたりの行く末を見届けるまでは死ねない……!!」
「推しが供給過多!! あざます!!」
ごぱっと血を吐きながら執念と感謝を叫ぶ影朧たちに、猟兵は別の意味で身構えた。
成功
🔵🔵🔴
フローライト・ルチレイテッド
チーム【SS】で参加です。
指定UCを使用、千秋さんの背後にワープ。
妖精バンド出すのが主な目的です。
そしてキラキラ光って真の姿(今回は白ドレス)に。
マイク【M・A・D】を使って【大声】で念の為アナウンスを入れましょう。
「危ないかもしれないので、戦場からは離れて見てくださいねー」
フィンガースナップを合図にライブ開始。
「さあ、ステージの幕を上げましょう!今回皆さんへ歌をお届けするのは、戦う駄菓子屋さん!草野・千秋!」
【楽器演奏、パフォーマンス、存在感、誘惑、精神攻撃】を駆使して妖精バンドと一緒に演奏開始です。
周囲を【鼓舞】するようなMCを入れたりしながら、進行していきましょう。
草野・千秋
【SS】
グラッジ弾は放たれてしまいましたか
幻朧戦線の人たちもなんてことを……
本当に可及的速やかに事件を収束させないといけません
ですが僕らに出来ることは、同人娘さんを救うこと!
同人娘さんは家に帰るまでが即売会なんです!
幻朧戦線の自害を気絶攻撃で阻止する
生きて償って貰わなくては
UC「Aubade」を使用し邪心のみを攻撃
よこしまなこころ……
というとこう
チョメチョメな妄想まで攻撃されちゃいそうですけど
同人娘の人たち、あなたたちは生きてもらわねば
萌えこそ人が生きるためのエネルギー
同人だけではなく現実世界も生きてるでしょう
その現実世界と戦うために萌えが必要なんですよね?
耳を打つ破裂音とその後の惨劇に、千秋はかすかに表情を険しくする。
「グラッジ弾は放たれてしまいましたか」
幻朧戦線の人たちもなんてことを……本当に可及的速やかに事件を収束させないといけません。
「ですが僕らに出来ることは、同人娘さんを救うこと!」
同人娘さんは家に帰るまでが即売会なんです!
力説する彼に、影朧たち含む参加者たちが目を見開いた。
一方で、目的を失いただの場違いな存在となった幻朧戦線の青年の心中はどのようであったか。
猟兵に補足されては逃げることもかなうまい。ならばと懐から短刀を取り出したのを見た千秋が殴打してそれを阻止する。
「生きて償って貰わなくては」
気を失った青年を抱きとめ横たわらせると、先程猟兵に諭されたもうひとりの青年が同志のもとに駆け寄る。こちらは失意に打たれても死を選ぶ様子はない。名前を呼んで抱き上げ、支えながら猟兵たちから離れると救護班とともにどこかへ向かった。
気遣いに微笑むと、フローライトはギターを構える。
「好奇心の導くまま その手を取り 微笑み君と踊ろう 羽広げ 舞い踊る それは夢幻のよう 輝いて 輝いて♪」
歌いながら楽器を持った妖精達を引き連れて、千秋の背後にワープする。
妖精達のバンドを配置し、キラキラ光って白いドレスをまとった姿に変わると、その華やかさと美しさにわあっと歓声が上がる。幾度か彼のパフォーマンスを見た人々にとって、フローライトこそが妖精のように見えているかもしれない。
念の為アナウンスを入れましょう。
「危ないかもしれないので、戦場からは離れて見てくださいねー」
マイク【M・A・D】を使って大声で注意すると、むしろ離れて全景を見たいとさえ思わせる彼らの演出に、そそくさと移動していく。安全を確認すると、フィンガースナップを合図にライブ開始だ。
「さあ、ステージの幕を上げましょう! 今回皆さんへ歌をお届けするのは、戦う駄菓子屋さん! 草野・千秋!」
存在感と誘惑を駆使して、妖精バンドと一緒に演奏が始まる。
まだヴォーカルが乗らないうちから、その卓越した楽器演奏と華麗なパフォーマンスに人々は、影朧でさえ魅了され。
白薔薇マイクに手をあて、千秋が口を開いた。
「――朝が来て、別れが来るのなら一日のはじまりの朝なんていらない……」
切ない気持ちを籠めた声で歌い上げるのは「Aubade」。
誤魔化しのない言葉は旋律を絡めて人々の心を打ち、歓声が収まると同時に息を呑む。
(「よこしまなこころ……」)
『肉体を傷つけずに対象の邪心のみを攻撃する』という自身のユーベルコードの能力を思い返し、ふと考えてしまう。
というとこう。チョメチョメな妄想まで攻撃されちゃいそうですけど。
チョメチョメで済むかどうかはさておいて、一応そこは、フラチな心であるが攻撃対象にはならないだろう。推しカプに当てはめて「幸せになって……!」などとむせび泣く者もあった。
高く澄んだ声で魅了する千秋のライブを、周囲を鼓舞するようなMCを入れたりしながら、フローライトが進行していく。
最後の余韻が消えた後、会場内の人々は泣いていた。
さざめきを背に、千秋は娘たちに語りかける。
「同人娘の人たち、あなたたちは生きてもらわねば」
萌えこそ人が生きるためのエネルギー。
同人だけではなく現実世界も生きてるでしょう。
「その現実世界と戦うために萌えが必要なんですよね?」
穏やかな笑みを向けられ、なぜか影朧ではない参加者たちが、それまでとは違う様子でその場に崩折れていく。
変わらない毎日。覆せない自分。それでも推しに触れ創作活動に打ち込み自他の成果物に触れている間だけは、現実から目をそらすことができた。
いや、違う。だからこそ、現実を過ごすことができるのだ。ただ一度の神との邂逅のため、ただ一筋に思いを募らせる推しのために。
千秋の言葉は、この場にいるすべての存在の胸を打った。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
冬原・イロハ
【D】
ぐっじょぶでしたね、海老ちゃんさん
さすがです~
あっ、皆さん
エルフの人(ポノ)が来ましたよ!
お耳の長い、ふぁんたじぃ小説に出てきそうな猟兵です
皆さんの、創作意欲がわくかと思いまして
いえ、本日、たくさんの本を見せて頂けたのと、色々教えて頂いたので…
ささやかなお礼です
あかりさ~んと手を振りつつ
バイク乱舞が始まりそうなら
「皆さん、猟兵のカッコイイヤツ、見れるかもですよ」
あかりさんとポノさんと皆さんと、ずざーっと物を持って、出来る限りに一時的に場作り
鞄を持って退場です
去り際にふぁんたじぃ小説を見つけて
お代を渡してお買い上げ
今日は楽しかったですねぇ
わいるどに抱きしめるとこ、最高にくーるでしたよ
ポノ・エトランゼ
【D】
アドリブ歓迎
【WIZ】
?
何の会場だろうココ
往矣さんの説明も、よく分からなかったしなぁ
やっぱり、違う世界って色々と勉強することがいっぱいだわ…
ええと、ネコチャンはどこかしら
小さいから結構探すのよねぇ
「あの、この辺りで猟兵……服を着た白猫を見なかったかしら?」
えっこの格好? まあサクラミラージュの可憐さには敵わないけど変かしら?
あなたの着物、凄く似合っているわよ。私、この世界の衣服って好きなのよね(にっこり)
もみくちゃにされて疲れている一般人にはUCを
タンデムな二人にはびっくり
凄い、凄い、可愛い&カッコイイ~!
ワイルドに抱きしめられるけど、「え? この会場で何があったの??」ってなるわね
上里・あかり
【D】SPDアドリブ可
売り子やお店番をしていましたが、轟さん自慢のバイクにタンデムして登場です
ふふ、マジカルあかりん華麗に登場です!
イロハさんお待たせしました。二人に手を振ります
マジックナイトですからマジカルあかりんですよ。ほら、魔法の剣もありますし
轟さんは…エビちゃんライダーでどうでしょうか
逃げてはいけませんよ、淑女の皆さん。ここで逃げてしまうと尊いイケオジさんを拝めなくなってしまいますよ!
危ないのでバイクから降りて…轟さんお願いします!
尊き思いを胸に帰るべき場所へ無事に帰れますよう…
お疲れ様でした
沢山の人が買ってくれましたね
この世界の衣服も素敵ですけど、ポノさんもイロハさんも素敵ですよ
海老名・轟
【D】POWアドリブ歓迎
相棒にあかりん乗せてカッコよく登場
ハイみなさーん、ちょっとどいてくれな!
ま、マジカルあかりん…?
マジかよ。じゃあ俺はエビちゃんクラッシャーな!
待たせたなイロハ。おっ、ポノも久しぶり
おう任せろ!ド派手にいっちょキメてやるぜ!
得物を構えてド派手にバイクをぶん回す。攻撃もガチじゃなくて演出に全振りしたイカしたやつ。カッコよくキメて尊MAXだぜ
ビシっとキメ
今日はいい夢を見られたか?…さあお嬢さん、そろそろ帰る時間だぜ
さて、終わったし帰ろうぜ
ん?よしよしイロハにもぎゅーしてやるぜ。もちろんポノにもな
イベント後は打ち上げって相場が決まってんだよ
ケーキでもレストランでもどこでもいいぜ
さて。
遅れて会場に到着したポノ・エトランゼ(エルフのアーチャー・f00385)は、頭の上に大きな『?』を浮かべて首を傾げる。
「何の会場だろうココ」
一見すると、……何の会場だろう。
状況を整理してみよう。とりあえずなんかやってるっぽいのは分かる。あとは分からないというか、ぜんぜん分からない。
往矣さんの説明も、よく分からなかったしなぁ。
「やっぱり、違う世界って色々と勉強することがいっぱいだわ……」
うんうん。と頷く。よく分からないのは世界が違うだけではない気もするけども。
「ええと、ネコチャンはどこかしら」
小さいから結構探すのよねぇ。
くるぅりと視線をめぐらせても、それらしい姿は見当たらず。
「あの、この辺りで猟兵……服を着た白猫を見なかったかしら?」
近くにいた相手へ声をかけると、白猫? と応えが返り、隣に立つもうひとりがもしかして、と。
「ほら、さっき机の上を走っていた」
「……ああ!」
思い当たるフシがあったか、ぱちりと手を叩く。
それならと示す手につられてそちらを見ると。
「ぐっじょぶでしたね、海老ちゃんさん」
轟に向けて、ぽふぽふ手を叩きながら称賛するイロハ。
「さすがです~」
あそこまで見事にやりきったのはさすがと言うほかない。いろいろ大切なものを失ったような、新しい世界に踏み込んだような気もするが。
と、不意にそわあっと静かなささやきが立ち、そちらを見れば見慣れた相手に声を上げた。
「あっ、皆さん、エルフの人が来ましたよ!」
お耳の長い、ふぁんたじぃ小説に出てきそうな猟兵です。
てしっと手をあげて紹介すると、いかにもエルフなエルフの猟兵へ好奇心の目がいっせいに向けられた。
お知り合い? と訊かれこっくり頷く。皆さんの、創作意欲がわくかと思いまして。
「いえ、本日、たくさんの本を見せて頂けたのと、色々教えて頂いたので……」
ささやかなお礼です。
ほんわり微笑むイロハに、誰ひとりとして「教えて頂いたって……何を?」と訊けなかった。
なんだかよく分からないけれどニコニコしているポノに、彼女たちを遠巻きにしていた娘たちのひとりがそおっと手をあげて、その服装について問うてくる。
「えっこの格好? まあサクラミラージュの可憐さには敵わないけど変かしら?」
変というよりは見慣れないのだろう。
不思議そうな、興味深そうな視線を向けられるとちょっとだけ怯み、しかし負けじと笑いかける。
「あなたの着物、凄く似合っているわよ。私、この世界の衣服って好きなのよ」
にっこり微笑みかけた相手は、よく見ると髪も着付けも乱れている。一方で、抱えている本は傷も折れもひとつもない。他の参加者も、姿が乱れていたり疲弊を浮かべていた。
「回復するわね」
優しく撫でるように手を広げるとともに、決して強くはない光が彼女の周囲に集まる。すると柔らかくあたたかな光に照らされた人々は、表情が穏やかになり目に見えて元気を取り戻していく。
騒ぎだけでなくそれまでの修羅場などでも力尽きかけていた人々から口々に感謝を告げられ、ポノもちょっぴり照れてはにかんだ。
その時。
「待たせたな!」
可憐な声に似つかわしくない叫びとともに、爆音が高らかに響く。
轟自慢のバイクにタンデムして登場したのは、上里・あかり(あかりを照らすもの・f06738)。
彼女は轟が居心地悪そうに同人誌を頒布していたスペースで、一緒に売り子やお店番をしていたのだ。
「ハイみなさーん、ちょっとどいてくれな!」
注意喚起しながらギャリィッとタイヤを滑らせ弧を描く。改めて確認するが、ここは商工会館のホールである。
轟の腰にしっかりと抱きついたまま、あかりはきりっとキメ顔だ。
「ふふ、マジカルあかりん華麗に登場です!」
「ま、マジカルあかりん……?」
少々予想外だった名乗りに目を見張る轟へ、ちょっぴり胸を張る。
「マジックナイトですからマジカルあかりんですよ。ほら、魔法の剣もありますし」
そう言ってルーンソードの鍔を鳴らしてみせた。
「轟さんは……エビちゃんライダーでどうでしょうか。」
大柄な彼を見上げて提案するあかりに、轟は力強くうなずく。
「マジかよ。じゃあ俺はエビちゃんクラッシャーな!」
どうやら意見の相違が見られたようだ。
いまいち状況がよく分かっていないポノは、タンデムな二人にびっくりして声を上げる。
「凄い、凄い、可愛い&カッコイイ~!」
歓声にマジカルあかりんはそうでしょうそうでしょうと自慢げだ。
「イロハさんお待たせしました」
「待たせたなイロハ。おっ、ポノも久しぶり」
猟兵たちのイカした登場に、他の参加者たちと一緒に脳内で推しカプタンデムに変換したりして拝んでいた影朧たちは、いやこのままだとやばいんじゃね? と気づくとともに逃げ出そうとする。
「逃げてはいけませんよ、淑女の皆さん。ここで逃げてしまうと尊いイケオジさんを拝めなくなってしまいますよ!」
それを見たあかりが制止し、危ないのでバイクから降りて……よい、しょ。裾からすらりとした脚が覗いたが、気付いていないのか気にしない。
裾をなおす彼女にイロハがあかりさ~んと手を振りつつ、周囲の人々に呼びかける。
「皆さん、猟兵のカッコイイヤツ、見れるかもですよ」
あかりとポノとみんなと、ずざーっと物を持って、出来る限りに一時的に場作り。なぜか影朧の娘たちも一緒になってやっているのは、『即売会にお客様はいない』の信念からだろうか。
場所の確保と安全の確保を確認して。さあ、ショウタイムだ。
「轟さんお願いします!」
「おう任せろ! ド派手にいっちょキメてやるぜ!」
あかりの求めに吼えて轟が抜き放ったのは巨大な大剣。銘もなく、由来すら忘れてしまったそれはあまりにも大きく、分厚く、そして重そうに見えたが、猟兵は気にもかけない。
得物を構えてド派手にバイクをぶん回す彼を恐れればいいのか、それとも畏れるべきか。繰り出される一撃が間違いなく強大であろうことは容易に察せられるのに、惹きつけられてしまう。
そして――一息に振り下ろされた強撃は、彼を中心として衝撃を伴い周囲を薙ぎ払う。
見た目の威力は派手だが、ガチではなくて演出に全振りしたイカしたやつだ。カッコよくキメて尊MAXを狙ったその攻撃は、影朧だけでなく周囲の参加者たちのハートをも打ちつける。
余波が過ぎたあと、得物を構え直してビシっとキメ!
「今日はいい夢を見られたか? ……さあお嬢さん、そろそろ帰る時間だぜ」
もちろんイケボで。
ギャーーーー!! と黄色いというよりは怒号めいた悲鳴が会場を揺らすなか、影朧の娘たちはくずおれ膝をつき、呆然と合唱する。
「ありがとうございます、無事昇天です……」
「イケオジ沼も掘ります……」
言葉以上の意味を含んだ感謝を残し消えゆこうとし、しかし周囲の参加者たちのなかからこぼれた「次の即売会では新たな推しの本を……」のつぶやきに一瞬とどまりかけ、「……いや次は万全の状態で挑む!」と決意を新たに今度こそ消えていった。
その様子に、あかりは祈るように胸へ手をあてた。
「尊き思いを胸に帰るべき場所へ無事に帰れますよう……」
尊いという意味が違う可能性はあるが。
ふと見れば、幻朧戦線の青年たちがこちらに向かって敬礼している。憑き物が落ちたようなその表情はもはや革命戦士のそれではなく、落ち着けば出るべき場所へ向かうのだろう。
「さて、終わったし帰ろうぜ」
バイクを押しながら轟が促し、イロハは戦利品を収めた鞄を持って退場する。去り際にふぁんたじぃ小説を見つけて、お代を渡してお買い上げ。
今日は楽しかったですねぇ。出来事を反芻してふふっと笑った。
「わいるどに抱きしめるとこ、最高にくーるでしたよ」
「ワイルド?」
まったく状況が理解できないのはポノである。
「ん? よしよしイロハにもぎゅーしてやるぜ。もちろんポノにもな」
まずはイロハのふわふわボディを抱きしめてやり、ポノも一応ワイルドに抱きしめられるけど……。
「え? この会場で何があったの??」
ってなる。知らなくていいことは世の中にはあるのだ。
「お疲れ様でした。沢山の人が買ってくれましたね」
売上と売れ残りの在庫を預かりながら、あかりも微笑んだ。
それからふと、思い出し。
「この世界の衣服も素敵ですけど、ポノさんもイロハさんも素敵ですよ」
女の子たちは互いに笑い合う。
ああそうだ。イベントと言えば。
「イベント後は打ち上げって相場が決まってんだよ」
ケーキでもレストランでもどこでもいいぜ。
どこか寄るかとの提案に、ぱあっとポノの顔が輝いた。
「ホント!? 私、カフェマップ持っているんだけど!」
細かくチェックされた冊子をどこからか取り出して、どこから回る!? と意気込む彼女に、他の面々は顔を見合わせて。
誰ともなくふはっと笑いだして、轟がサムズアップの親指でぐっと示した。
「では行きましょうかね、お嬢さん方」
「「「おー!」」」
賑やかな歓声が上がる。
幻朧戦線が起こす事件は、これだけでは終わらないだろう。だが、今ひとたびの決着を喜んでも許されよう。
次の事件までのささやかな休息へと、猟兵たちは足を向ける。
即売会の戦利品を手に。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴