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決戦・鋼神ウルカヌス~海底火山の神鋼~

#ヒーローズアース #【Q】 #鋼神ウルカヌス

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●予知:アトランティス
 海底。
 その奥底にて、似合わぬ鋼鉄の工場が存在した。
 鎧に見える恐るべき巨人達が、高熱を帯びて次々と作られていく。
 その奥にて、生命の元とされる原初の炎を宿したような巨大な存在が一人、佇んでいる。
「…………」
 その存在は、何かを感じ取った。
 よもや炎の神がこのような海の底に隠れて機を伺っているわけが無いと。
 順調に進んでいた作戦に、いよいよもって決断の時が迫られた。

「来るか、猟兵共。」

●グリモアベース
「ヒーローズアースの、ウルカヌスって神様の場所が分かったの!」
 ポーラリア・ベルは慌て気味にぱたたと翅を羽ばたかせながら、集まってきた猟兵達に告げる。

 ウルカヌスは様々な所に隠れ潜んでいるが、今回はアトランティス……。
 太平洋の海底にあるドーム状の空間に、「神造兵団」の製造工場を作り構えている。
「このへーだんっていうおっきなのと、かみさまの鎧が沢山出来上がると、ひーろーさんの所はとってもとっても大変な事になるんだって!」
 ポーラはその手に光を蓄え、転送の準備をする。
「だからね、今からこの神様を工場ごとどっかーんってしてきて欲しいの。神様のいる工場のあるドームの所に送るから、あとはがんばってね!……あら?」

 するとグリモアの映像に、ぞろぞろとドームから見張りの如く現れる影が現れた。
「わ、わ、ウルカヌスって神様、部下もいっぱい用意してるみたい。『鎧』を付けてる人には気を付けて!隙間を狙わないととっても硬いから!」
 工場奥にいるウルカヌスに辿り着くには、どうやら配下のオブリビオンも倒さなくてはならないらしい。

「熱くて硬くてとっても怖い神様だけど、皆ならきっと大丈夫!応援してるよ!」


古塔
 古塔と申します。
 この度はヒーローズアース後日談、ウルカヌスの追撃シナリオの一幕をさせていただきます。

●概要
 配下→配下→ウルカヌスとなる、3連戦3章構成のシナリオとなります。
 場所は海洋文明アトランティス。海底にある超でかい(たぶん東京ドーム10個分くらいのサイズの)透明なドーム内であり、外を見れば海の中です。
 適応光線と呼ばれる光で常に照らされており、水圧等の海のやべー現象諸々は無視しても大丈夫な状態です。

●敵について
 1章:ただの集団戦です。戦場は工場の前となります。
 2章:神鋼兵の工場で配下と戦います。
 「神鋼の鎧」と呼ばれる防具を装備しており、あらゆる攻撃を軽減してきます。
 弱点である『鎧の隙間を攻撃する』ことでプレイングボーナスが得られます。

 3章:「鋼神ウルカヌス」と直接対決です。
 ウルカヌスは【猟兵がユーベルコードを使うより先に攻撃してきます】。
 先制攻撃にユーベルコード抜きで対処しないと、大変な目に逢いますのでどうかご注意を。
 上手い事対処法を思いついた場合は、それに応じたプレイングボーナスが得られます。

 熱い日の中、涼し気な海底で、やっぱり熱い戦いとなりますが、もし宜しければ。
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第1章 集団戦 『氷雪女王』

POW   :    見誤ったな、愚か者が!
【ダガーくらいの大きさの氷柱 】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    避けてみるがいい!
【杖を掲げる 】事で【大型のシロクマ】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    受け取るがいい、妾が祝福を!
自身の装備武器を無数の【氷の花片 】の花びらに変え、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。

イラスト:白暁

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 太平洋、海の底。
 浸透圧さえも利かない、地上の環境に適した透明で巨大なドームがある。
 その中心に赤熱した、一見海底火山のような工場があった。
 この中に神が造りし鎧の工場がある。

「……妾はただ、冷やしていただけ……。」
 猟兵達が転送された目前に、一人の美しい、髪も肌も氷雪で出来たような青白い女性が現れた。
「神の炎を封ずる使命を背負う、神秘的な氷雪の女王……お主らが来るまで、この役に酔いしれていたというのに。」
 氷雪女王と呼ばれるオブリビオンである。
 彼女は鎧を神造する際の過程で冷却要因として雇われていただけだが、知る由もない。
「今、妾が持ち場を離れた事で、神の炎は解き放たれる…こうなれば猟兵、お主らの仕業として、責任の為にこの場でマリンスノウの如く凍てついていてもらおうか!」
 酷い責任転嫁である。
 すると工場の入り口から、氷雪女王が一人、また一人、ぞろぞろと現れた。
「……その様にぼうっとしておるが故、既に妾は手を打たせてもらった。氷雪王国の秘技『氷雪分身』をな……!」
 1体1体、総てが本物の氷雪女王となりし存在を氷雪から生み出す、氷雪分身。
「新たなる」「氷雪世界の」「礎と」「なるが良い!」
 氷雪女王『たち』は海底にも響くような、杖を凛と打ち鳴らし。

「「「「これより無惨に凍てつきし猟兵共よ!!!」」」」

 吹き荒れる冷気、鳴り響く叫び。
 戦いの火蓋は切って落とされた。
アリソン・リンドベルイ
【WIZ 愛し﨟たし毒の華】
正直に言いまして、不利な戦場に相性の悪い相手…植物遣いが海中で、氷雪の女王や炎鋼の神と戦うのですから…不利は承知、です。
【範囲攻撃、毒使い】で花を舞い散らし、【空中浮遊、オーラ防御】緑指の杖を握りしめ、冷気を耐えましょう。
……別に、私にヒロイックな動機は無いのですよ。ただ、昨年のアースクライシスでの戦功が少しばかり。身に余る光栄ですが、戦列の末席に名を連ねさせていただきましたので…ええ、退く訳にも参りません。ーーー冬に枯れた草花も、春にはまた芽吹きます。永遠の冬も、永久の夜も、ありませんから…私がするのは、ただの時間稼ぎ。私より強い方が来るまでの、時間稼ぎです…っ!


星野・祐一
前に宇宙空間に工房構えてた覚えがあるけど
今度は海底と来たか…
どっちも極限環境だから行く手段が限られる上に
隠れるのにうってつけだもんな
――まあ、それもここまでだけどな!
今までと同様に今回も潰させて貰うぜ!

[SPD]
ぞろぞろお出向かとはご苦労な事で
袋にされる前にとっとと蹴散らすとしようか!
流星を素早く構えて【マヒ攻撃、誘導弾、乱れ撃ちの先制攻撃】

マヒで動きの鈍った個体に雷鳴を構えて
【春雷、2回攻撃】で確実に仕留めるぜ(力溜め、衝撃波、吹き飛ばし

シロクマの突進はちょいと怖いが
俺に向かう相手を【視力や第六感で見切】れれば
【ジャンプ、空中浮遊】を駆使すれば避けれる筈だ
落ち着いていこうぜ

アドリブ・連携歓迎



●氷雪の海底の地に舞い降りし天使
「来なければこの場は妾達が閉ざすだけの事。」
 ふぅっと、吐息を虚空に吹き付けると、それは戦場を覆い尽くす吹雪となって、
 アトランティスの広大なドーム会場が、氷雪女王の息吹によって白く染まっていく。
「このまま氷の世界に閉ざす事で、最早誰も訪れぬ不可侵領域と化す。そうなれば我らの活動もままならなくなるが…道連れに出来るなら易い事よ」
 冷たき笑み。その顔は気配が分かった故に、猟兵達を道連れにせんとした、氷雪女王の覚悟の顔。
「そうなの」
 そのような吹雪の渦の中、一人の少女が現れた。
「自爆…ううん。そうなったらもう中の物だけで出来るだけ作って、場所を移すとかしそうよね。」
 その少女は背中に翼を生やし、髪にガーデニアの花が咲く、赤茶の編まれた髪をふるりと振るわせる、オラトリオの少女。
「私、ヒーローズ・フォーティナイナーズの一人、序列は40番台、アリソン・リンドベルイ(f21599)。……ねえ、あなたは、どんな花が好き?」
「知れた事。雪と氷の、不香の華よ。お主の柔き…いいえ、軟弱な花よりも美しく硬き華!」
「そうなの、ですね。」
「そうとも。そしてこれよりお主も我が冷たき華に染め上げてやろう…」
 氷雪女王達は杖を振るうと、その杖が無数の凍てつく氷の結晶の花片となり、渦巻くように氷雪女王の周囲に舞う。
 その氷花を…氷雪女王達は、一斉にアリソンに吹き付ける!
「受け取るがいい、妾が祝福!」
 戦場を氷の祝福で埋め尽くし、凍てつく世界へと変えようとする花吹雪が襲い掛かる!
 だがその直前、アリソンも同じ系列のコードの準備を終えていた。
 可憐な天使が宙に広げた本の中から、林檎の木が生え始め、枝という名の杖ができる。
 その杖の1本1本から木立朝顔、丸葉藤袴、山月桂樹、水芹の華が咲くと、無数の花びらとなって風に舞い、散り、花の嵐が氷の花吹雪を迎え撃つ!
「私からも、受け取ってください、花の祝福を。【愛し﨟たし毒の華(マイ・フェア・スウィートポイズン)】」
 色とりどりの花の嵐と氷花の吹雪が激突する…!

「正直に言いまして、不利な戦場に相性の悪い相手…」
「であろうな。海藻も生えぬ深海の中、色ありし花を枯らす妾の祝福。更にお主が現れる前から周囲は妾による氷点下の支配に置いた。…お主の様な貧弱な春など、即座に覆い尽くしてやろう」
 いつの間にか息吹から手をかざしての吹雪に切り替えた氷雪女王達。
 その吹雪は…アリソンの花の嵐を押し始めている!
「……別に、私にヒロイックな動機は無いのですよ。」
 アリソンが語る。
「昨年のこの世の戦争、その戦功が少しばかり。身に余る光栄ですが…戦列の末席に名を連ねさせていただきましたので…ええ、そういう事です。」
「ヒロイックでないと言いながら、ヒロイックな称号を受けた故に、か。」
「…ええ、ええ、故なので、退く訳にも参りません。」
 両手をかざし、4種の花の嵐が更に勢いを強める!
 しかし、しかし、女王と名乗るこのオブリビオンの、環境的にも相性悪きこの場では、それでも押され続けていき…!
 遂に嵐を打ち破り、吹雪がアリソンを襲う。
 しかしそれを見切って、直撃の直前にふわりと浮き、本を回収し、吹雪より上に、暖かな花のオーラを纏って浮く。
「…私がするのは、ただの時間稼ぎ。」
 凍り付く直前の林檎の木の中から、一際強気力を放つ、緑指の杖と呼ばれる杖を手に取る。
「私より強い方が来るまでの、時間稼ぎです…っ!」
 かざした杖から無数の、毒の花を咲かす蔦を打ち下ろすように放つ!
「来るならば来てみるがいい。」
 しかし氷雪女王達も、花から戻した杖から無数の氷柱を放ち、迎撃する!
「お主一人、妾一人足り共倒せぬような者が、何人来ようと同じ事!永遠の冬に閉ざされるがいい!」
 毒の花の蔦が…氷柱に撃ち抜かれ、爆ぜた!
 無数の氷柱がアリソンを貫こうとする…!

「だったら、お言葉に甘えようか」
 強力な衝撃波が横殴りに氷柱を襲い、破壊する!
「……来た、のですね。思ったよりも早く……。別の世界で戦争、してるから、収まるまでは、来ないとばかり。」
「ふとグリモアベースを通りかかったら、ウルカヌスが海底に工房構えたって聞いてな。いてもいられなくなったわけだ!前は宇宙空間だったが…」
 衝撃波を放ったスペースシップ製のリボルバー中から煙が出る。
 氷雪女王達の目の前に現れるは、毛先赤みがかりし黒髪の男、その名を星野・祐一(f17856)と言った。

「加勢に来たぜ!ウルカヌスの野望は今回もここまでだ!」

●二人のヒーロー
「ふん。一人加勢に来た所で…!」
 氷雪女王達の半分は杖を掲げると、その身を雪で纏い、巨大な氷雪の白熊へと変貌する。
「避けられると思うか、猟兵よ!」
 もう半分は再び氷の花片を杖から作り出し、戦場と白熊を氷吹雪に包み込む!
「へっ、ぞろぞろとまあご苦労な事で!」
 雷鳴と流星、そう名をつけた2丁のリボルバー熱線銃を構え、祐一が突撃する!
「仕掛けるぜ!上のお前も」
「大丈夫、です。種は仕掛けました。あとは加勢に、後ろから。」
 アリソンは翼で空を飛び、白熊と氷雪女王を華を散らしながら攪乱していく。
「速さに力を加えた妾の氷の暴力、避けてみるがいい!」
 凄まじいスピードで放たれる熊の一撃!
 それを祐一はスライディングするように避けると、【流星】銃による一撃を腹に!
 凄まじいスピードで放たれる熊の一撃!
 それを祐一は転がるように空中で前転しながら、【流星】銃による一撃を首元に!
「「「凍り付かせてくれよう!ぬあああああっ!」」」
 吹雪の乗った白熊のブレスが一方から!もう一方からは地に打ち付けた白熊のパンチから無数の氷柱が突き出て襲う!
「おっと、こいつは…どっちに跳ぶか!上か!?横か!?」
「ブレスに、逃げましょう。」
「えっ?うおっ!?」
 突如飛んできたアリソンが祐一を攫うように掴み、ブレスやや横に飛び運ぶ!
「馬鹿め、ブレスは方向転換できる…氷柱の横に逃げるのが正解だったというのに!」
 白熊氷雪女王のブレスが横薙ぎに転換し、祐一とアリシアを即座に氷漬けにしようと…!
「うおお!追いつかれる!これ大丈夫なんだろうな!」
「大丈夫、です。ブレスは、あなたの口の力で調節するの、でしょう?」
 その時である!白熊氷雪女王が、いきなり血のような水を吐いて倒れ、ブレスが中断されたのは!
「!?…は…がっ!?はっ!?なあっ!!?」
「花弁、乗ってきましたね。」
 ふと気づくと吹雪に飛ばされず戦場に落ちていたアリソンの花びら。
 氷雪女王達も、もれなく体に付着していた。
「花!?花の力で倒れたとでも!?…何故!?春など妾の力で…うぐう…っ!!?」
「木立朝顔(キダチアサガオ)、丸葉藤袴(マルバフジバカマ)、山月桂樹(マウンテンローレル)、水芹(セリ)……全部、毒です。薔薇に美しい棘があるように、可憐な花にも毒があるのです…!」
 それに応じて他の氷雪女王達も膝を着き、動きが鈍くなっていく。
「ーーー冬に枯れた草花も、こうして春にはまた芽吹きます。永遠の冬も、永久の夜も、ありませんから…!」
「そ、の、永遠の、冬、は……夢、なのだ。」
 氷雪女王達が立ち上がってくる。
「我が氷雪王国は永遠の冬。御伽噺にあった常冬の世界。惚れたのだ。現世にさえもあるべきと思ったのだ。故に…ここからどんな手や身に落ちようが、必ず成し遂げようと、しているのだ!妾が、氷雪の女王たる妾が!うおおぉあぁぁー!!」
 体を凍らせて無理矢理操作し、飛び掛かる氷雪女王達。
「そうかい。まあそんな世界はまっぴらごめんだぜ。俺達の世界をそうさせようとしてるってんなら益々な!」
「……!!?」
 飛び掛かった氷雪女王が、白熊達の幾体かが、しびれるように落ちる!
「毒というより電気になるんだけどな、麻痺毒。俺も使ってたんだぜ。」
「が、き、きさま…ら…!」
「決めるぜ!俺も飛ぶ!」
「!?え、ええ。やりましょう…!」
 祐一とアリシアはドーム高くに飛んだ!
 手をかざし、現れた宇宙バイク【テスタロッサ】のブーストに火をつけて、滑空するように祐一とアリシアが急降下!
「瞬いてる暇も与えねえ!」
 追いつきに飛び上がる白熊氷雪女王を、地に居りし氷雪女王を、一瞬の乱射で放つ【雷鳴】銃の多銃乱射が!
「協力、ありがとう、ございます…!」
 緑指の杖から放つ、毒の花を咲かせた蔓からの花吹雪の暴風が!
「ぐ、ああ、アアアアア……!!!」

 氷雪女王達を次々と破壊していった!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

宴・段三郎
日雇い労働者は大変じゃのう…

【行動】
工場をどっかーんする前に、
倒しとくかの。
というかここ寒いのう…
わしは寒いの嫌いなので、ぽっかぽかにお部屋を温めるのじゃ

みよ、わしが丹精込めて鍛刀した妖刀、その名も……
号 『焱灰鐚』(えんぱいあ)

このぽっかぽかの刀で、あの雪ん子もぽっかぽかにするのじゃ
……ちなみにこの妖刀の温度は測った事ないが、「近くにいるだけで何でも蒸発できる程度の熱」なのじゃ。

まずはこの妖刀で敵の攻撃を【焼却】し、この刀が発する熱の【衝撃波】で敵をぽっかぽかにするのじゃ

そして妖剣解放でどんどん刀の温度を上げて敵をぽっかぽかにするのじゃ
温度上げすぎて常に刀からキーンて音するが気のせいじゃ



●小さくも熱(あたた)かき妖刀者
「おのれ!我が分身、こうまでも…!」
 戦場のどこかにいる氷雪女王はお怒りだ。
「だがこれより先は一歩も進ません。我が力を見るがいい!」
 氷雪女王達が一斉に杖を掲げると、世界を覆うドームから大量の巨大な氷柱が生え、一斉に落下する!

 その氷柱が猟兵達に届く前に、多大な熱によって爆散、消えた。
「何っ!?」
 それをやってのけ水蒸気の中現れたのは、古風な口調で喋る、銀髪に銀の瞳を持つ和装の剣士にして鍛冶師、宴・段三郎(f02241)であった。
 古風だがその体躯は小さく、齢8歳に達した辺りの少年だ。
「のう雪ん子。製鉄にぼでーがーどまで任されて、日雇いは大変じゃのう…」
「雪ん…子…?」
「そうじゃろう?体だけそんなになっても考えてる事は大体お子様。主は小童とさして変わらん。雪ん子じゃ。」
 サムライエンパイアの言葉ゆえに、理解には乏しい。
 しかしお子様として見られている事はそれとなしに理解した。
「…どこのそれとも知らぬ幼き者が、妾を子供扱いするか。よかろう。」
 杖を掲げ、冷気の波動を放った氷雪女王。その中心から海底の大地全てに小さな氷柱を伴う霜を一瞬で張り付かせる。
「あー、寒いのう。わし寒いの嫌いなんじゃよ…」
 段三郎はそれを小さな跳躍で躱し、
「そこな工場はあったかいのであろう?だが雪ん子は通さぬと。これはその場で暖を取らんといかんな。」
 氷の大地を踏みしめて、刀を抜く。
「むっ!?」
「みよ、わしが丹精込めて鍛刀した妖刀、その名も……号 『焱灰鐚』(えんぱいあ)じゃ。」
 段三郎が掲げる恐ろしく赤熱したその刀は、常に刀身からキーンと音を鳴らし、周囲の大気を蒸発させている。
 明らかにヤバい代物である。
「…ほう。その様な物で妾を、この地を溶かさんとするか。」
 氷雪女王を一瞬で溶かさんとする強力な刀に、しかし自信気に、ゆっくりと氷雪女王達は段三郎に歩み寄る。
「じゃ、焼却してやるかの」
 ゆらり、氷雪女王の1体が飛び掛かった瞬間、段三郎はその赤熱した刀を…振るう!
「ふん」
 氷雪女王の杖が消えると、その冷気で巨大な白熊の腕に変わり、段三郎の刀を見切り、両手で挟み込む!
 余りの熱に超振動するその妖刀を挟んでなお、氷が…女王は…溶けない!
「む?」
「見くびったな、愚か者め。妾はここで何をしていたと思っておる!」
 強烈な蒸気が挟み込んだ手からじゅうじゅうと放ち続けている。
「この世で最も熱き原初の炎、その冷却!近づくだけで蒸発するほどの熱?それすらも生温き場所で妾はずっと、力を振るい続けていたのだ!このようなもので妾を倒せると、蒸発せしめると思うか!」
「…溶けてきておるではないか。」
「溶かしきれぬならばいくらでも策がある。…お主の熱など、遅るるに足りん!」
 刀を逸らし、弾く!
 次いでの白熊のパンチの一撃が段三郎を襲う!
「成程これに耐えるか。」
 段三郎はひらりとそれを躱し、カウンターの斬撃を見舞う!
 氷雪女王は瞬時に氷の壁を展開し、蒸発する熱気ごと、防ぐ!だが…深い斬撃の跡が出来ていた。
「準備は完了した。」
 その時である、段三郎の周りを氷雪女王はいつの間にか囲み、更に段三郎周囲に氷の壁を展開した。
 斬撃した氷の壁から、白熊の怪物と化した氷雪女王が浮かび上がる…。
「避けてみるがいい!」
 氷壁から飛び出す、大量の白熊の攻撃!
「むぅ」
 段三郎は赤熱の刀を、振るう!振るう!
 斬撃の度に放たれる熱波が溶かすとも止まらぬ白熊の氷雪女王。威厳ありし氷の一撃が…否。
 しかして彼の速度は練り上げられた経験から、紙一重で白熊達の攻撃を、躱し、斬り、溶かす!
 戦場に強烈な爆発が起こる!水蒸気爆発だ!

「すうっ…」
 その外側で氷雪女王達は息を吸い込む。
「水蒸気はさぞかし水気を含むであろう。…溶けし氷は幾度も再び凍らせれば、宝石より硬き密度を誇るのは知っておるか?」
 一斉に、氷雪女王の吹雪が氷壁に当たると、氷壁はそれを吸収し、内側にいる段三郎の空間に吹雪を吹き荒らす!
「絶対零度が無限の熱に弱いなど誰が言った。ベクトルの話よ!無限の熱は無限の、絶対零度に落とす力で凍らせる!その熱ごと、この場で氷の彫刻となるがいい!!」
 水蒸気爆発が瞬時に冷えて、白く、硬く、凍り固まっていく。
 本体の氷雪女王が勝ち誇る!

 ―その瞬間!

「そこじゃな」
「ぬうっ!?」
 氷の中から、超高熱の斬撃が、本体の氷雪女王の頬をかすめ、溶かす。
「なんだ…それは。更に熱くなっている…!?」
「絶対零度の力、か。ふん…寒いの。」
 ふるふると震えながら、体を凍り付かせつつある段三郎は、しかしその身に纏う超熱のオーラを身に纏い、体の氷を溶かし、落としている。
「わしは刀鍛冶。その本質は、自ら鍛えた刀の力を限界以上に引き出す事よ。…『焱灰鐚』(えんぱいあ)の前ではこの程度の冷気なぞ、故郷の吹雪にも届かん。」
「いうか、幼きものよ。」
「何度でも言うてやろう。雪ん子」
 段三郎は刀を構える。
 妖刀の動きの跡が、ねばりつく溶岩の如き光を放つ。


    【妖剣解放】

 ―ここからの斬撃は 飛ぶぞ―


 即座に放たれる、段三郎の剣撃!
「ぬううぅぅぅ!?」
 氷雪女王達が作り上げた氷壁が、マグマに溶かされる様に瞬く間に切られ、溶け、崩れる!
「氷で作るその白熊の身体、お主もさぞかし寒いであろう。ぽっかぽかにしてやろうぞ。雪 ん 子。」
「ほざけ!幼子が!」
 中の白熊が斬られ、落ちれば、段三郎はその中から離脱!
 外にいる氷雪女王も杖を変質させた白熊の腕で防ぐ、が…。
 先程より強き熱の斬撃に、受け止めた腕が見る見るうちに溶けていく!
「我が一人では危なかったかもしれんがな…」
 受け止めた死角から別の白熊が攻撃!
「圧倒的な氷雪の力を見るが良い!」
 即座に段三郎は体を捻り、空中で回転切りを行う!
 放った剣閃が白熊達を、遠方から襲撃するものまで、届き、切り裂いていく!
「そこいらの氷とは違うようじゃが、それでもわしの『焱灰鐚』(えんぱいあ)には届かん」
 体制を変え、勢いをつけた突き!赤熱を超えた白き超高熱の突光が、まるでビームの様になり。
「雪ん子よ、溶けろ。そして暖かくなれ。」
「ぬうう…っっ!!」
 氷雪女王の本体に届いた一撃が、氷を溶かし、苦しめた!

成功 🔵​🔵​🔴​

ベルベナ・ラウンドディー
🔵継戦能力・環境耐性
…この程度、問題ありません
光、空気、重力、適度な水分
まして遺伝子を破壊する宇宙線も飛んでいるように見えませんので



🔵読心術・串刺し・武器受け
直刀装備
…行動を先読みしつつ白兵戦です
強烈な踏込みで【衝撃波】を放ちつつ。それは被包囲の警戒の為
あるいは衝撃波そのものを当てるため直刀の一撃を囮にする絡め手も交えます




🔵破魔・焼却
ユーベルコード使用も想定
破魔の炎を産む竜の紋
これを敵に直接刻むのも
地面に刻み、炎の盾を呼び出すのも
この宙空に描き、荒ぶ氷風に炎を運ばせるのもいいでしょう


戦闘専門外の私が呼び出されるほど今の猟兵は人員不足で忙しいのです
どうか手間をかけさせず仕留められて頂きたい



●竜人武闘
「…問題無しの様ですね。」
 その竜人は己の肌に感じる周囲の環境を吟味する。
「光、空気、重力、適度な水分。まして遺伝子を破壊する宇宙線も飛んでいるように見えません。成程適応光線…どこから出ているのかは分かりませんが。」
「貴様、新手か!」
 アトランティスの環境を満喫するその竜人に、氷雪女王は吹雪を固めた斬撃を見舞う。
 その竜人は、手に持つ刀で軽く、それを振り払った。

「…まったく。」
 高貴な装いをした、長く縮れた緑の髪を下げし白き人型の竜。彼はドラゴニアンのベルベナ・ラウンドディー(f07708)
「私、本当は戦闘専門外なのですが、ねぇ。」
 彼は手袋をきゅっと引いて具合を確かめながら、目の前にいる炎神を阻む敵に刀を振るい、向きを整える。

「戦闘も不向きな者がいやいやここを訪れて…何かのついでの様に妾を倒しに来たと、お主、そう申したか。」
「氷雪女王さん、でしたっけ。」
 どこかむすっとした顔でベルベナはオブリビオンを睨む。
「様をつけろ…!」
 氷雪女王は睨み返し、その周囲の冷気が強さを増していく。
「あなたはこの先のオブリビオンの前座と聞いています。…どうか手間をかけさせず、仕留められて頂きたい。」

「…ふ、はは、ははははは…先の童もそうであったが、お主ら、まるで妾を―」
 その言葉を遮るかの様にベルべナは半ば凍り付いた海底の大地を蹴った!

「串刺し・武器受け。白兵戦を展開…私の戦い方を見せてあげましょう。」
「ふん。」
 氷雪女王は片手で持てる程度の小さな氷柱を手にした。
「(彼奴め、侮る我が力を見せてやろう。この氷柱はここからでも届くぞ。…こう使う!)」
「!」
 氷雪女王はそれを、まだ間合いにも入ってない内に横一閃で払う!
 すると氷柱の冷気が凍てつき壊れる空気に混ざり、見る見る内に氷の長刀となって、数メートル先のベルベナに襲い掛かる!
「見切ってますよ。それは!」
 ベルべナはしゃがみ移動で回避!
「(見切っただと!)」「ならば」「これで」「どうだ!」
 複数から襲い掛かる氷雪女王の分身。
 氷の長刀と化したダガーが三方から襲い掛かる!
「一つは右頭上」
 捻りながら刀でいなし。
「一つは腹」
 スライディングで躱した後、尾で氷雪女王の足を掬い、転ばせて飛び掛かる。
「一つは前方足から腹にかけて。しかし阻止させて」
「うぐっ」
「頂きました!」
 直刀を転んだ氷雪女王に突き刺す!
「(ええい、囲め!全方位から奴を―)」
「包囲などさせるものですか。…覇ッ!」
 更に踏み込みで氷雪女王の胸を強く叩きつける!その勢いで足元の氷雪女王は爆散!
 更にその余波で起こった強烈な衝撃波が。
「ぐ、ぬううっ…!?」
 周囲の氷雪女王を吹き飛ばした!

「貴様…今包囲を読んだな?まさか」
「読心術」
 深き緑色の目が、分身に混ざる本体を捕らえた。
「氷雪女王さん、あなたの行動は全てお見通しです。」
「苛立つ者よ。…知っているか。この世全ての物事は、種が分かれば打破の可能性を見出せる事を。」
「ユーベルコードも使っていない私にその大見得…いいんですかね。」
「ほざくがいい!お主の読心術、これにて打ち崩してくれよう!」
 すると氷雪女王達は隊列を組んだ!上から見れば十字になる、5人一組の陣形だ!
「いくぞ」

「何度来ようと同じです。読心―」
「妾は縦横足頭飛腹目口空破をして斬突氷叩投回」
「うっ!?」
 5人の氷雪女王が一斉に攻撃の合図を!
 密集して戦うせいで誰が何をするのか、混ざり、識別が困難に!
「くっ」
 ベルベナは回り込もうとする。ダメだ!どこから攻めようと常に複数の思考が、分身故に任意のタイミングで同時に飛ぶ!
 そうこうしている内に氷雪女王の攻撃態勢が迫る。
「(落ち着きましょう…見切る!先頭はまず飛んだ。残りの3人が突き、斬り、刀を投げる!)」
 だが3人全員を相手いなしていれば背後の1人の不意打ちも喰らう。
「少しは考えた、と言いたいところですが―」
 ベルべナは突如地面を精密な動作で切り刻む。それは竜言語と呼ばれる特殊な紋。
「『竜紋刻・焼却』」
 飛び掛かる3人の氷雪女王に、バックステップで躱し後退すると、氷雪女王の足元から刻んだ炎が勢いよく噴き出す!
「ぬううぅぅ……っ!」
「この炎は超重量の炎。たとえ溶けずとももうへばりつき、倒れる他は無し!」
 溶けていく氷雪女王!
「残り二人。飛ぶ者は!」
 数が減れば後は読みやすい。見切り、飛び掛かった氷雪女王を刀でカウンター気味に突き刺すと。
「力仕事は」
 竜の力で、無理矢理炎の結界にぶん投げる!
「気が乗りませんが!」
「ぐああああっ!」
 燃え盛る4人の氷雪女王!
「(最後は…?)」
「(見誤ったな、愚か者め!)」
 その直後である!ベルべナの足元の地面が爆散し、崩壊したのは!
 どこかにいる本体の氷雪女王が、地面にダガーを突き刺すと、アトランティスの足場を破壊。地割れを起こしたのだ!
「5人に加え本体!陣形に気を取られ、妾が何をするか分からなかっただろう!」
「何を…!」
「そして宙に浮いたお主を刺すは5人目の仕事よ!」
 炎の中から突如現れる氷雪女王の5人目。彼女はダガーを二つ持っていた!
 1本を自身の心臓に突き立て、氷の力を暴走させ、2本目のダガーを更なる長刀として、溶ける4人ごとベルべナを切り裂き届かせる、鋭き氷の斬撃として、奮う!
「竜紋刻…『破魔』」
 だがベルべナは冷静に、宙に紋を切り刻む。
「ならば更に氷雪分身を…待て、お主、何処にそれを―」
 ベルベナは空中で後ろを向いて竜紋刻を描いている……。
 宙に刻んだ斬撃が、光を生み出し、炎を放つ!
「応用技、という奴です。氷雪女王さん、読めますか?次に私がとる行動が。」
 3次元的に描いた竜紋刻。放たれた炎が起こす超重量は現実的な重力からおかしな挙動を取った。
 炎が、超重量が、それによる力のベクトルが、変動する…!その動きは下に落ちるのでなく、横に!
 そしてその方向は!
「「…や、奴を止めよ!誰でも良い!今すぐに!」」
 炎の中氷雪女王が氷の刃を振るう!
 先んじて放とうとした氷雪女王もまた超長刀の刃を振るう!
 吹雪が!爪が!氷弾が!四方八方から……それを全てすり抜ける。
 ベルベナは超重量の炎の力によって、一直線に氷雪女王の本体へと、落ちる!
「覚悟は出来ましたか」
 己の炎ゆえに耐性で耐えながら、高速で宙をスライドするように飛び、態勢を変え、武器を構える。
「…よかろう。来るがいい。お主の浅はかな行為など―」
 直刀とアイスダガーの超高速の一撃が交差する!
「我が氷雪の力の前では無力である事を!」
「氷雪ではないでしょう。あなたは女王、人型です。」
 鍔迫り合うその中で、武器を受けたベルベナは、体勢を更に変え…。
「ならば私はこの様に切り抜けます。…でりゃあ!」
 加速する超重量の力で、無理矢理すり抜けるように武器を払う!
 ―そのまま飛んだ先、氷雪女王の腹に、渾身の飛び蹴りが…入った!
「ぬあああああっ!?」
 衝撃!強烈な踏み込みも混ざる一撃が、氷雪女王を工場の壁へと吹き飛ばしたのだった!

大成功 🔵​🔵​🔵​

麻海・リィフ
アドリブ、即興連携歓迎

とーすいしてる所悪いんだけど…
その工場操業停止命令が出てるの
猟兵権限で強制執行するわね
(でまかせ)

先制クイックドロウ早着替えで絡繰小箱を起動し鎧姿へ
空中浮遊残像ダッシュジャンプで一気に接敵

剣を回し念動衝撃波チャージ串刺しUCで範囲ごと一気に貫く

敵の攻撃は基本三種の盾を駆使して念動衝撃波オーラ防御等で受け
カウンター念動衝撃波シールドバッシュで範囲ごと吹き飛ばし
二回攻撃念動衝撃波UCにて範囲ごと薙ぎ払う

窮地の仲間は積極的にかばう

死に損ねた敗軍の将に伴いよくやる…
かき氷という訳ではないが
せめて細雪と削りきって手向けとしよう

過去に凍る白き女王よ!
儚き雪花と散るが良い!



●氷雪突き破りし剣
「くっ…氷雪を統べたる妾がここまで押されるか…!」
 吹き飛ばされ、体勢を整えた氷雪女王は目を閉じる。吹雪と共に氷雪分身がまた展開されていく。
「だが、妾は負けるわけにはいかんのだ。野望の成就の為にも…」
 彼女は元・人間だった。
 幼い頃に呼んだ「氷雪王国の女王」
 雪と氷を統べ、見事に美しき氷の城に住み、あらゆるものを凍てつかし、従える。
 あの女王になりたいと思った。どんな手を使ってでも。
 氷を扱うユーベルコードを手に入れ、雪のヴェール、氷の杖、己が想像する女王へと、近づいていく。
 例えそれが変だと、恰好が、口調が、おかしきものと指摘されても。
 野望の為には世界を氷で閉ざす必要があった。
 故に彼女は人類の敵に。オブリビオンに、ひいてはヴィランとなったのだ。

「妾の目指す、美しき理想郷、炎神をもいつか眠らせ、海の地さえも氷の世界に―」
 キィィィン……と、耳割れするような音が鳴った。
「はいはーい、とーすいしてる所悪いけど!」
 4枚の翼を背に生やす、漆黒の髪に緑の瞳を携える少女がそこにいた。
「その工場操業停止命令が出てるの。猟兵権限で強制執行するわね!」
 麻海・リィフ(f23910)がマイク付きメガホンによるけたたましい大声で、宣戦布告を言い放った!
「執行内容は差し押さえに解体。そして……極刑よ!」
 そのメガホンを放り投げると、目の前に小箱を投げ放つ。
 箱を回収するように突進すれば、リィフの装備が瞬時に光を放ち緑青の鎧へと変わる。
 地を蹴る。それだけで宙に浮き、空を飛び、リィフは異常跳躍飛行によって突撃、急襲!

「ストヲム!ルゥラァァ!!」
 ドリルの様に回転するリィフの剣と氷雪女王の氷の剣が交差する!
「斯様な剣で妾を倒そうとでも!」
「もっちろん!」
「ええい!」
 剣を振るうと、剣が削られ、壊れる。
 中から出て来る氷のダガーには強力な冷気が注入されており。
「このまま一気にとどめ―」
「まだまだこれからぞよ。いくぞ!」
 すると氷雪女王の周りに氷のダガーが、サークル上に無数に出現した!
「うっそ、それ増やせるの?」
「見誤ったな、愚か者め!これによる回転斬撃により、今度は削り尽くしてくれよう!」
 円盤状に並んだ氷のダガーが回転する!
 それはまるで丸ノコの伐採器具の如くストヲムルゥラァに拮抗。破壊力ならユーベルコードである氷雪女王の短剣が強い!
 徐々に押し返されていく……。
「死に損ねた敗軍の将に伴いよくやる…!」
「お主らに生死を決められるほど軽い命を持ってはおらぬぞ。氷雪分身!」
 氷柱ダガーの回転速度が一瞬爆発的に増加!リィフを弾き飛ばす!
 追撃の如き氷雪女王達が氷柱を周囲に漂わせ、冷気を放ちながら突進してくる。

「くっ。でも甘いわ!『極光』『瑞雲』『雲霞』!」
 リィフは己の力を開放し、後光から光の盾を3つ取り出す。氷雪女王の攻撃が…来る!
「極光!」
 光の盾が強力な冷気を持ったダガーを押しとどめ。
「雲霞!」
 丸盾が追撃で飛び出してくる氷柱の弾幕を押しとどめる。そして。
「いっけえぇ!瑞雲!」
 五角凧形の盾をかざすと、受け止めた氷雪女王と氷柱に衝撃波が走り、吹き飛ばす!
「念入りにもういっちょう!」
 更に追撃で飛び出してきた氷雪女王すらも2度目の衝撃波に遮られ、吹き飛ばされる!
「おのれ、小癪な奴め…!」
 氷雪女王は氷柱のダガーを再び周囲に纏うと、それを高速回転。
 空気を破壊し、凍てつかせ、当たれば細切れになる氷刃吹雪の壁を形成する!
「先の様には行かぬぞよ!その身を瞬時に氷結し、かき氷にしてやろう!」
「だったらこっちも対抗よ!かき氷という訳ではないが、せめて細雪と手向けにしよう!」
 リィフも負けじと回転剣・ストヲムルゥラァを振り回し、回転させる!
 剣の回転と自身の回る回転にその力は乗算され、触れれば細切れになる嵐の壁が形成される!

「てえええぇぇい!」
「おおおぉぉぉお!」
 吹雪の壁と嵐の壁!コマ回しの如く両者が回転しながら、激突!
 2つの壁はお互いを削りながら、徐々に、徐々に距離を縮めていく。
「ならば妾は数を増やそう。更なる吹雪の氷刃に切り刻まれるが良いぞ!」
 吹雪の中、氷像が出来上がり、氷雪女王が形成されていく…。
 リィフは!
「だったらこっちは、こうよ!」
 嵐の中、回転を一瞬止め、別の構えを取る!
 今まで回転した分の勢いと破壊力が、一気に回転剣の中に内包されていく…。

『真撃・ストヲムルゥラァ…応えろぉ!!』

 一瞬!
 嵐を突き破り、氷雪女王達の氷刃吹雪の壁すらも突き抜ける、リィフ渾身の突きが放たれる!
「ぬ、おおぉぉおお!おのれ!おのれ猟兵共おおぉぉぉお!!」
 削られていく。周囲の分身が破砕されていく。
 氷雪女王の身体が、力が、翼持つ少女の一撃で切り開かれ、壊されていく!

「過去に凍る白き女王よ!儚き雪花と散るが良い!」

成功 🔵​🔵​🔴​

ナギ・ヌドゥー
最後のジェネシス・エイト、ウルカヌスめ。まだ生きていたのか。
奴を完全に葬らねば、この世界に安寧は無い。

敗軍の将への義理立てなどせず逃げたらどうだ?
雇われの身で律儀な女王様だ。
あの杖でユーベルコードを発動させてる様だな。
ならば【先制攻撃】杖を速攻で斬りとばし敵UCを妨害【早業・部位破壊】
シロクマに変身される前にケリをつけるぞ
ソウルトーチャーとの同時攻撃により奴等を斬り刻む【2回攻撃・傷口をえぐる】
そしてユーベルコード発動
女王の動きを封じそのままソウルトーチャーの贄にしてやろう
甘美なる悲鳴こそ我が拷問獣への良き餌
絶望の叫びを響かせろ!【恐怖を与える】



●風に舞う雪よりも速き血の男
「ぐっ!」
 氷雪女王が1体砕かれた。
「ぬううっ!」
 氷雪女王がまた1体砕かれた。
 「ウルカヌスめ、まだ生きていたのか。奴を倒さねばこの世界に安寧は無い。」
 銀の瞳に白い髪、黒いコートを身に纏う彼はナギ・ヌドゥー(f21507)
 血に濡れた歪な鉈を持ち、鉈に付き下がる鎖が鈍い音を立てる。
「完膚無きまでに葬らせてもらおう。」

「何をほざいておるか。貴さ―」
 即座に飛び斬りをぶつけた勢いで、両断された氷雪女王を吹き飛ばした。
「こ、こやつ、速」
 常人であれば限界を迎えるであろう速度で、瞬時に次の氷雪女王を切り刻む。
「攻撃などさせるものか。」
 速さに対抗する氷雪女王の技は、杖を掲げてシロクマになり、速度を上げるというものであった。
 反応速度は変身する前であれば普通の人間と同じと考えたのだ。
 ナギは更に次の氷雪女王へと攻撃を―。

 飛び、急襲し、鉈を振る。
 その一瞬の動作の時だ。反応しきれずにいるはずの氷雪女王の目と口がこちらを向いたのは。
「単騎でやればあるいは」
 氷雪女王が1体、破砕する。
「お主には勝てなかったやもしれぬ。」
 氷雪女王が1体、また破砕する。
 ナギの顔には彼女が発したであろう吹きすさぶ雪が付く。
「………」
 ふっ、と、次の氷雪女王は目をつぶった。
「諦めたか。ならばそのまま眠れ」
 何か嫌な予感がしたナギは瞬時に後ろに回り込んでの、胴を両断する鉈の一撃を放つ。

 だが、それは止められた!
 フェイント、動作傾向、欺いたはずだ。だが瞬時に反応した!
 鉈を受け止めた氷雪女王の腕は、白く太いシロクマのそれだ!
「何ッ!」
「愚か者め。そう何度も技を見せて!」
 そのままシロクマの腕で鉈を掴みながら、あり得ざる怪力を以て、ナギを振るい、地面に…投げる!
「妾達が見切れぬとでも思うたか!」
 ナギは受け身を取り叩きつけは回避する!だが完全なるシロクマの女王と化した、強靭な白き肉体の氷雪女王が迫る!
「ちっ、始末しきれる雑魚と思ってたが。」
 打ち鳴らす!打ち鳴らす!強靭にして正確無比にナギの急所を狙う女王の氷爪とナギの鉈が!幾度も、幾度も!
「かかれ妾よ!始末するが良い!」
 周囲に氷の柱が立つ!そこから氷雪女王がまた数体現れる!
 ナギはたまらず最小限の動きで後退するが、そこを正面の女王は逃さない!
「押されてきたようであるな。避けてみるが良い!」
 腕に氷の爪が、かする…!

 そして後退した先を少し見てしまう。
 杖を持った氷雪女王が、ナギに対して前方に掲げ、腕から白熊になっていく!
 成程上に掲げるのでなく攻撃と同時に掲げるのであれば、変身の隙も抑えられよう。

「そこまでの腕と力なら、一人で切り盛りしていればいいだろうに。氷雪女王といったか。」
 ナギは切れた血を周囲に飛ばしながら。
「敗軍の将への義理立てなどせず逃げたらどうだ?アンタは誰もいない北国の氷の城で、引きこもってるのがお似合いだぞ」
「その様な真似事はもう飽きた。寂し…ごほん、相手と目的がいるべきと判断したのだ。」
 喋る中、動きの時間が鈍化していく。コンマ1秒、既にシロクマと化した正面、これから化そうとする後方。
「ウルカヌスの光、氷の届かぬ海の底…妾に輝く興味を持たせたあの炎神。付き合いというものがあってなぁ!」
「そうかい。雇われの身で律儀な奴だ」

 ナギの、飛ばした血液が恐るべき速度で膨れ上がり、質量を持った形を成し、獣へと変貌していく…!
「ソウルトーチャーよ…我が血を喰らい禍つ力を示せ。」
 禍々しき肉を持つ屍の様な獣が、その体から触手を、骨を、うごうごと出しながら周囲に狙いを定めると。
「「「「何っ!?」」」」
 ―まず側面の氷雪女王達に触手が絡みつき、即座にその心臓に骨の杭が撃ち込まれた。
「きさ…」
「アンタは後だ。そこで見ていろ」
 屍の獣と共に宙がえりをして後方の氷雪女王を飛び越えるナギ!
 骨の爪が、血の付いた鉈が、勢いよく振りかざすシロクマの氷爪を躱しながら首元に食い込む!
 十字に頭部を両断されて、破損し崩れ落ちる氷雪女王。

「何を言うか!そんな暇は与え…んんぅっ!?」
「そうか。オレもだ」
 正面のシロクマの氷雪女王は一瞬の言葉の隙に、伸びる触手に絡まれてしまう!
「お前も、奴も、完全に葬り去らせてもらう」
 触手の至る所から血肉でできた獣の頭部が浮かび上がり、それらから伸びる骨の牙が、シロクマ氷雪女王の全身に…突き刺さる!
「がっあっ!ぐっ、おのれ、おのれ…!」
「さあ、叫べ。」
 触手が刺々しい骨となり、有刺鉄線の如くシロクマの身を封じ、食い込ませていく。
「甘美なる悲鳴こそ我が拷問獣(ソウルトーチャー)への良き餌…」
 最早勝負は決したと、ナギは彼女から背を向けて、これから浴びる歓喜に体を震わせた。
「あ゛っ!あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」

「絶望の叫びを響かせろ。【禍ツ肉蝕】!」

「がっ!あ゛お゛お゛お゛お゛お゛ーーーっ!!」

 粉々に散りゆく氷雪女王に、しかしナギは不満げになる。
「…ちっ、こいつも分身か。本体はどこにいる。」
 獣がナギの後に続く。
 更に獲物を狩る為、跳びゆくナギの足が速くなる。
 咎人殺すべく戦う男は、次々と、確実に氷雪女王の分体を削いでいった。

成功 🔵​🔵​🔴​

シャルロット・シフファート
「さて、そろそろヒーローズアースにも本当の平和をもたらさなきゃね...」
そう言いながら炎を周囲に灯す。空間火炎変換能力故に結界を張るように私を中心にしてドーム状に展開した焔で溶かす...のではなく「空間変換」能力で常に焔の場に触れた氷の花弁を空間ごと火炎に変えて遮断する。
傍目には氷が焔に溶けたように仕向けるから尚更驚くでしょうね。

「ご自慢の冷気もただの焔に溶かされるのかしら?」
と挑発して理性を削ぎ、本命の攻撃を準備していく。
分身には使い魔を、氷の女王には焔の幻獣を。
焔の異世界から召喚された幻想生物達が氷の女王に襲いかかり、空間火炎変換能力も本領発揮で大規模出力で薙ぎ払っていくわ。



●最後の抵抗
 壊され、焼かれ、吹き飛ばされ、貫かれ。
 氷雪分身のストックも最早ほぼない。
 オブリビオン、氷雪女王は最早満身創痍であった。

「あら、じゃあとどめを刺してしまおうかしら」
「おのれ…猟兵共…猟兵共め…まだ、妾は…」
「氷のオブリビオンですもの。最後は焼かれ溶かされる末路を辿らせてあげましょう。」
 そこに現れたのは紫の瞳に金髪の縦ロールを持つ令嬢、シャルロット・シフファート(23708)。尻が大きいらしい。
 シャルロットの周囲に炎が灯る。それだけではない。炎の灯る周囲は、陽炎の如き熱気に包まれているのが氷雪女王の目視でも分かった。
 まるでドーム結界の様に張られた熱の空間。それを保ちながら、氷雪女王に迫る。

「…そうか。炎神に与する妾を、また熱で…よかろう。」
 氷雪女王はシャルロットの熱気に脅される事無く、杖を前に突き出す。
 その腕と氷の杖が白く冷たい冷気を放ち、杖が無数の氷の花となり、散る。
「受け取るがいい、妾が祝福を!」
「ふふ」
 何かを狙った笑みを見せながら、高らかに余裕を振りまいて、シャルロットはゆっくりと氷雪女王に近づく。
 女王から放たれる無数の氷の花。触れれば吹雪の如く対象の熱を奪い、尽くを凍り尽くさんとする―。
「相手になるのかしらね」
 シャルロットを覆おうとした氷の花が、溶けた。
 それもただ溶けるだけでなく、赤熱したように。
「ぬうっ…!」
「(あまり驚かないわね…?)あら残念。炎神を封じる等とご満悦に語っていたその冷気、私程度の、ただの焔に溶かされるのかしら?」
「そうかもしれぬな。実際(鎧を錬成する工程で)奴めの炎を抑え込めしは数人がかり。お主らの熱は一度妾に届いた。それもあろうな。」
「何をそんなにへりくだっているのかしら。負けを認めて?それとも女王様からただの馬の骨にでも格落ちしたくなって?」
「は。…お主らが定めたものに、妾は断じて応じんぞ。妾は妾。氷雪王国の女王ぞ」
「そのなりそこないよね」
「雪と氷を操る力あらば、誰でも女王になり得るのだ。…氷雪世界は人が少ないのでな…」

 挑発するシャルロット、それを流す氷雪女王。
 追い詰められた彼女が一体何を狙っているのか?それは分からなかった。
 だがシャルロットには自信があった。最早このオブリビオンに、私を倒す手段など何一つ残されていない『詰み』の状態。圧勝で終わるという自信が。

 間合いがあと1歩で氷雪女王に届く所まで来る。

「あーあ。ここまで詰められてしまったわね、馬の骨さん?降参して土下座する準備は宜しくて?」
 シャルロットの熱のドームから炎の獣が生み出されていく。
「ふ。…熱の結界から自由に炎を練り出せるのだな。」
「勝手に思ってなさい。…やって」
「させぬぞ…!」
 氷雪女王が力を開放する!
 自らの衣服、体、分身体の総てをかけたかのような氷雪の嵐!
 それがシャルロットの熱のドームの周囲を覆い、白い世界で満たしていく!
『其れは、異なる灼滅。其れは異なる生きる真。炎産霊が捧げる全ての理を焼く邪炎にして聖火。それ即ち創造と終焉司る神話の起源なり』
 無駄だと言わんばかりのシャルロットの、ユーベルコードの詠唱が響く。
「【万象を灼す未踏級の理たる聖火世界(バーニング・ナインワールド・レーヴァテイン)!】この地一帯を焼き尽くしなさい!」
 ドーム状になっていた熱空間が一気に戦場全てに展開される!

 それはシャルロットの定めた空間の、全ての現象を炎属性に変換する異界の炎空間を生み出すユーベルコード。
 氷雪女王が何をしようと、彼女の攻撃の総ては苦手な炎へと変換され、焼け、溶け尽くす!
 そうだろう!そのはずだ!
 分かっていて氷雪女王はシャルロットへと、紅く燃え上がる氷雪纏っての突進をかけた!

「無駄な事が」
 炎の獣が飛び掛かる。
「お好きなようね!」
 たちまち氷雪女王をねじ伏せると、案の定、見る見るうちに雪と氷で出来た衣服が、身体が、溶けていく。
「妾の、身体が…力が…溶け……まさか!この場の総てが、お主の、炎に…!」
「これでわかったでしょう?馬の骨は馬の骨。アンタが私に勝てる見込みなんて最初から一つも―」

「猶更好都合ぞ」
「…は?」

 また1体、氷雪女王が飛び掛かり、ねじ伏せられ、溶ける。
「そうであるな…最後の悪あがき、というものである。」
 また1体、氷雪女王が飛び掛かり、ねじ伏せられ、溶ける。
「もう分っておろう?これはただの時間稼ぎ。妾の残る全てをこれに費やした。」
 また1体、氷雪女王が飛び掛かり、ねじ伏せられ、溶ける。
 気配的にこれが最後の分身の様だった。
「凍てつく妾は負けた。目的は…果たせぬようだ。だが…猟兵を倒すためのやり様はある。この地であれば…!」
「何わけわかんない事言ってるのかしらね!」
 シャルロットが振り払う動作を取れば周囲に熱波が吹き放たれ、氷雪女王がたちまち蒸発し、消え失せる!
 それと同時に集中していた目前から、工場手前の本体へと目を向ける!

 氷雪女王は、ダガーを地面に突き立てていた。
 最後の、渾身の力を全てそこに叩き入れ。体も武器も溶鉄の様に赤熱していた。
「この剣は刺したものを破壊する。力を込めれば氷の力が空間を破壊しながら、伸びる…」
 地の下には何があったか?
 そうだ!ここは海底文明アトランティス!
 そしてウルカヌスが造った工場は、海底火山の地にあった!
「これで妾の役目は終わる…最後にもう一度、言っておこう。」

 受け取るがいい、妾が祝福を!

 工場周囲、地面を突き上げて、無数の溶岩の柱が吹き上がる!
「っ、あの…あのオブリビオン!自分の力を捨てて最後にこんな自爆…!」
 それは炎神の加護か、工場の周囲だけは不思議と無事な事が目視でわかったシャルロット、及び猟兵達は工場へ向けて走る!
「これ適応光線とか大丈夫なのよね!」
 激しく吹き上がった火山弾が無数の爆撃を生みながらシャルロットに降りかかる!
「獣よ!」
 炎の獣が、命中しそうな火山弾を攻撃。一方的には壊しきれず、相殺という形で爆発する!
 自分の操る異なる世の焔は意のままにできるが、是なる世から現れた、最初からの焔はまた別だ!
 鉄砲水の様に噴き出る溶岩流を間一髪で避ける!
 次いで降り注ぐ火山の焔が衣服をちょっと焼いてしまう!
「ああもう、外からの耐炎性なんて考えてないのにー!」
 爆発!大熱!崩壊!アトランティスはドームとしての形状を保っているが、それ以外は滅茶苦茶だ!
 見えた工場の入り口まで、あと5メートル、3メートル、1メートル…。


「ぜえ、ぜえ、はあ……。とんでもないことやらかしてくれたわね。ここが壊れたらどうするつもりだったのかしら」
 振り返るとアトランティス。噴火の収まったその様相はマグマであらゆるものが崩壊し、溶けていく。
 最早アポカリプスヘルよりも凄惨な崩壊具合であった。
 振り向くと工場内。シャルロットの力程ではないが、神々しく、火山を思わせる熱気がそこかしこに漂う空間だった。
 シャルロットは運が良かった。己の御せない、何処から噴き出るかもわからない溶岩の焔は、下手をすれば大火傷を負ったままこの入り口に流れついてもおかしくはなかった。
 これが明日を捨てた過去の者と、明日に生きる猟兵達との差であったのかもしれない。

「…まあいいわ。兎にも角にもたどり着けたもの。そろそろヒーローズアースにも本当の平和をもたらさなきゃね...」

 猟兵達は氷雪女王を打ち倒し、炎神の工場へと突入した。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『星纏騎士『メテオーロ』』

POW   :    星纏外装『試練遂げし英雄よ』
全身を【試練を遂げた英雄の星座の力を宿した軽鎧】で覆い、自身の【格闘術を強化し、敵対者は悪という思い込み】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
SPD   :    星纏外装『邪悪に傾く天秤よ』
【敵対者は悪であり、自らは正義だと主張する】事で【天秤座が刻まれたガントレットの騎士】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    星纏外装『夜天の衣を纏いし女神よ』
全身を【魔法を跳ね返す月明かりのような白銀の軽鎧】で覆い、自身が敵から受けた【痛みと負傷、否定されたという思い込み】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。

イラスト:飴七

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は月待・楪です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵達が工場に侵入する。
 そこはドロドロの溶岩がそこかしこのパイプを走る、鎧の製造場。
 視界一面を染める、薄赤い大気と熱気。

 壁には立ち並ぶ鎧、巨人程の体躯を持つ神造兵。
 まだ起動はしてないらしく佇むばかりだが、もうかなりの量が出来ている。
 天井にはまだ動いているアームが、白くなる程に熱された鎧をあちこちに運んでいる。

 そんな工場の重要そうな通路の前に、一人の男が立ちはだかった。
「来たようだな…海底を荒し、我が崇高なる神を滅ぼそうとする邪悪なる猟兵よ。」
 彼はいまだ量産の整っていない、神々しき神の鎧を身に纏っていた。
 星纏騎士『メテオーロ』。
 かつて正義のヒーローで、幾度とヴィランを改心させた程の男だが、今では邪悪に染まり、オブリビオン以外の全てを処断する殺戮者となっていた。
「俺の力でここから先は一歩も通さない。神の威光を示す準備のため、どうかお引き取り願おうか!」

※プレイングボーナス:「神鋼の鎧」
 相手は神鋼の鎧と呼ばれる防具を着こなしています。
 あらゆる攻撃を軽減し、更にユーベルコードに応じてフォルムが変わり神の如き強化をしてきます。
 これに対抗するため、神の力の入らない『鎧の隙間を攻撃する』事でプレイングボーナスが得られます。
ベルベナ・ラウンドディー
崇高な?神?
…どういうことでしょう?


…少し話しません?(人派の姿で


●挑発・精神攻撃・読心術・誘惑
主張とか思い込みとか持論に一家言あるのですね
正義や悪は何でどんな理屈か、
或いは矛盾点の指摘など興味を持ちそうな問いを仕掛けながら展開します
戦意や集中力を削ぐ意図、或いは隙を作りたい。
これで引き下がるとは思いませんが
説得で済めば疲れませんから半分は本気です
(コイツ面倒くせえと思ってますがね


●串刺し・武器受け
問いをかけつつ防戦主体で機を伺います
ユーベルコードで敵の鎧をブン掴み、
動きを抑えて串刺しの一撃を加えるのが理想
…格闘戦が主体の敵ではそう容易い話ではありませんよね
ヤバいなら投げ飛ばし、距離を取ります


麻海・リィフ
アドリブ、即興連携歓迎

呆れ満面
全部借り物じゃない…
どの面下げて「俺の力」?

空中浮遊残像ダッシュで一気に接敵

先制クイックドロウ
念動衝撃波串刺しチャージUC(攻撃回数)で範囲ごと無数に撃ち込み

第六感戦闘知識見切り
手応えから急所を選定
剣を回転させ念動衝撃波串刺しチャージUC(命中率)でスナイプ

敵の攻撃は念動衝撃波オーラ防御を乗せた三種の盾を駆使して受け
剣を回転させ念動衝撃波串刺しUC(命中率)でカウンタースナイプ

窮地の仲間は積極的にかばう


正義を語らず悪を正し
否定を嘆かず肯定を謳い
自らの傷を厭わず人の幸を願う

語りばかりの英雄、借り物の天秤、御都合の夢の月…
先達の果てよ
汝に問おう
ヒーローとは何ぞや?




「…は?」
「…え?」
 ベルベナ・ラウンドディー(f07708)と麻海・リィフ(f23910)はその言葉に呆れ顔となった。
「崇高な?神?…どういうことでしょう?」
「全部借り物じゃない…どの面下げて『俺の力』?」
「…どういうことでしょう?」

「君もまたヒーローの類かな?いいだろう話してやろう」
 するとメテオーロは大げさに手を天に向けて振る。
 工場だった空が、一瞬にして宇宙のような景色に変わる。メテオーロの持つ正座魔術の一環だ。
「見えるか!あの天に見える太陽系銀河が!ウルカヌス様は原初の炎…すなわち惑星を作りし炎、つまり太陽なのだ!」
「…?」
「???」

「もういいわ。この偽ヒーローは完膚なきまでに叩きのめして」
「いえちょっと待ってください。折角ですから少しお話を。」
 リィフを止めたベルべナは、自身の顔をさっと手で撫でるように隠す。
 手が顔から離れた時、緑と白の混ざる挑発の、可愛らしい顔立ちをした少年の顔となり、ベルべナは人と成った。
「主張とか思い込みとか持論に一家言あるのですね。オブリビオンさん、あなたの正義とは何です?」
「正義か。それは俺が仕える神の判断よ」
「…つまりウルカヌスさんが悪いと思ったらそれを悪とするのですか。」
「ウルカヌス様が悪いと言えば悪い!当然ここで我々の住処を壊しに来た猟兵はもちろん悪!ウルカヌス様を暴こうと情報を集めたジャーナリストも悪!ウルカヌス様の作ったものに傷をつけた者も悪!あと通行の邪魔になる者さえも、それが偶然であろうと進行を邪魔した悪だ!ふはははは!」
「成程あまりあなたの考えや正義は」
「そんなものは捨て去った。」
「考えるのをやめたって事?」
 リィフが話に割り込んでいく。
「そうとも。何を言っても話を聞かず、最終的に俺を悪とした奴らを俺は決して許さん。」
「それで神だの借りものの力を使うだのして、人の上に立ったつもりなんだ。…ばっかじゃないの!」
「立場云々はそれとして、君達もいるだろう?強き者…いや存在の力を借りて戦う者が。手段としては正当なものだよ。」

「その様な力を振るう者達は大抵事情の下契約している方達ですよ。あなたのそれは一方的に―」
「もういい。…もういい」
 話し込むべルベナを今度こそ差し置いて、リィフが回転剣を手に詰め寄り、騎士の風格を身に纏う。
 にじり寄る間合い。いよいよもって殺気を放つ。
「拠り所をあのオブリビオンに染め、貴様が正義を投げ捨て人形になったというなら!我は容赦なく斬り倒す!」
 4枚の翼を広げ、緑のパラディン騎士が一瞬でメテオーロと切り結んだ!
「かかってくるといい」
 回転剣が鎧を切り刻む!だが装甲が少し削れるだけであまり効果がない!
「ストヲム!ルゥラァ!」
 回転剣を突き刺すと、そのままリィフも回転!
 次元が歪む程の回転を発動しながらメテオーロの周囲を残像を残して駆け巡り、全方位から念動力による、衝撃波も兼ね備えた無限の刺突斬撃が放たれる!
「これは試練と受け取った。【星纏外装】!」
 メテオーロの鎧が筋骨隆々な騎士の鎧に変化する。見た目はごついのにスピードはとんでもない。
 無限の斬撃。それは一瞬によるものではない。攻撃を防ぐメテオーロの迎撃・反撃には十分な時間が取れた!
「おおおぉぉ!!」
 徐々にメテオーロの英雄の拳が回転剣をはじき返していく!
「我が試練の果てを見よ!」
 メテオーロは拳に星の光を溜めて、無限に動くリィフの中心を捉え、殴る!
「なんのーっ!」
 念動力、光、物理。丸盾、五角凧、後光。
 様々な力を凝縮した多重の盾がその拳を受け止めた。

「ほう!全力なようだな…その力、魔法も倫理も物理も受け止めるか。」
「正義を気取る貴様のような悪にどうして負けようか!」
「君にも正義があるか!気が乗ったぞ。こちらも全力を出させてもらう。」
 メテオーロの鎧が光り輝く!
「【星纏外装】!『試練遂げし英雄よ』『邪悪に傾く天秤よ』『夜天の衣を纏いし女神よ』」
 なんという事か。メテオーロの力の、全ての光がいきなり全部乗せされていく!
 筋骨隆々にして天秤の正座が彫刻され、立派なガントレットを腕に付け加えた、不思議な白銀の光を纏う軽鎧騎士。
 メテオーロの全力の姿である!

「俺の正義が君の悪を打ち砕く!死ねぇ!」
「ふざけ!るんじゃ!ないーっ!!」
 回転剣と正座に輝くメテオーロの一撃が激突する!
 直後、衝撃波をともなく攻撃の乱打に次ぐ乱打の嵐!

「正義を騙り悪を成す、語りばかりの英雄よ!」
「正義は誰の心にもある!その上で悪を定めようというのだ!」
「否定を嘆き肯定を挫く、借り物の天秤が!」
「それでも前に進む者こそ真の正義!俺の行いは天秤座も見てくれていよう!」
「自らの傷を嫌い人の不幸を願う、御都合極まる夢月の鎧など…!」
「誰だって傷つくのは嫌だろう!都合が着かぬ運命など見ない!」
「汝(なれ)よ、何処にヒーローの心がある。」
「全てはウルカヌス様の御心のままにぃーっ!」

 狂気じみた目が血走り、メテオーロの攻撃が増していく!
 剣の回転が力で押され、衝撃が徐々にリィフの鎧に響いていく…。
「分かったか!これが正義の力!俺の正義を認めた神々が貸す、星の!力ーっ!!!」

「なぜ、太陽は使わないのですか?」
 唐突に、横からの声が響く。
「……」
 リィフの無限の斬撃を押し返していた攻撃が、緩む。
「そこまで進行するウルカヌスさんの…『太陽』でしたっけ?そちらの星の力は?」
「勿体なき事を!太陽は全てウルカヌス様の者、俺が使うには余りにも惜し」
「『使えない』のではないのですか。」
「……!!」
 何か、重い物が背中に押し寄せる。
「『掴み』ましたよ。」
「!」
「なっ…」
 メテオーロは反応した。いつの間に背後に!振り向きざまに鎧で攻撃をはじきながら、鉄拳を見舞おうとした拳は。
 それを見切ったべルベナに容易く掴まれた。…鎧の力を以てして離れない!
「正義を神に預け、星に願いの力を得、更にはそんな鎧まで付けたあなたは、傍でなくこんな半端な場所で立ち塞がっている。」
「…何が言いたい!」
「…ウルカヌスはあなたを『正義』の使者と思っていない。鎧を試したかった、使い捨ての駒ですよ。」
「やめろ…!」
「では鎧の他に何を貰いました!?星の力を借りるのでしょう!太陽と称するウルカヌスさんは何故あなたにその力しか与えなかったか、納得できる理由は話せますか!」
 信仰は強い。だが彼は信ずる者以外の力で先から戦っている。その矛盾。
 …心の中で薄々と潜んでいた、その疑問に付け込まれたメテオーロ。
「う…おおお!」
「話は終わりです!リィフさん!」
「ぐわぁ!?」
 疑問の力ごと掴み上げていたメテオーロを鎧ごと巴投げで投げ飛ばす!
 地面に叩きつけられ、宙に舞うと、曲がった体から鎧の隙間が見え隠れする!
「…哀れな。」
 回転剣、ストヲムルゥラァを構える。
「汝はただの実験体で、正義に見放されながらも正義を語り続ける道化か。」
 ストヲムルゥラァが激しく回転し、生まれる光の刃が鎧の隙間を通せる程となる。
「そしてかつての己が持ちし力を、仕方なく使っていた!過去の骸…その鎖に囚われ続ける者よ!」

「『剣なるものの精髄を以て参る』…流撃・ストヲムルゥラァ!」

「うおおぉぉぉぉー!!!」
 激しき回転が生む刺突斬撃が鎧の隙間を捻り突き!
 メテオーロは天井高く吹き飛ばされていった!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

シャルロット・シフファート
「かつて正義だった騎士…なら、邪悪に染まった償いを味合わせてあげるわ」

幻術ユーベルコードで攻撃。魔法反射の軽鎧を【世界を侵食する時空間と確率に干渉する幻術】の確率時空間干渉で跳ね返されないよう『夜天の衣を纏いし女神よ』の能力影響外へ精密に放射して奴を蝕み、時には時空間の連続体や座標を無視して能力を鎧の隙間から影響を与えるわ。
「目に見えない幻術という力。そうやって防ぐのかしらね?」
そう挑発して更に反射魔法の精度を下げるわ

そして与える幻術はかつてオブリビオンになる前の自分に永遠と討たれる無限よ。
自分がもはやその資格が無いと噛み締めたまま逝きなさい。




「くっ…だがまだ俺は倒れるわけにはいかない。」
「ならここで倒れさせてあげるわ。」
 吹き飛ばされた先、土煙を払うメテオーロの前に一人の少女が現れた。
 シャルロット・シフファート(f23708)だ。
「おお、か弱き少女か。だが悪であるなら遠慮はしないぞ。【星纏外装】!」
 するとメテオーロの鎧が白銀の光に包まれた。
「あら、神秘に対しての防御かしらね。月の属性を感じるわ」
「その通り。君の得手は魔術的なものと見た。抑え、倒させてもらおうか!」
 メテオーロが体勢を立て直し、突撃する。しかし。
 ぐにゃりと、周りの空間が鈍化する。
「確率時空間干渉…世界総てを範囲とするこの『電脳精霊術』に、反射できる隙間があって?」
「な…に…」
 走ろうとする。走れない。
 動きが鈍くなる中、シャルロットだけが悠々と歩き、干渉する。
「さあ無間に墜ちし過去の愚者よ、その内に那由多の苦悶と不可思議の絶望を。穢れし魂の慟哭を、暴虐に涙した者の魂に慰撫なさい―」
 メテオーロの視界が朦朧とする。鎧の隙間を突いて、己の感覚がどこか別の世界へと飛んでいくような意識に落とされる。

「目に見えない幻術という力。どうやって防ぐのかしらね?」
『虐悦に酔う道化に無間の獄を与えよ幾千億の位相』
(ネバーエンディング・トリリオンコキュートス)!





 その視界に映るのは、かつての自身の姿。
「大丈夫かい?君達」
 ヒーローズアースで誰かを助けている、メテオーロの姿だ。
「こ…れは…」
 助けた女性達に手を差し伸べ、爽やかな笑みを返し、避難の指示を出し、爽やかな風を吹かせる。
「さてと」
 そのメテオーロは手を振りかざし。
「ぐ…あっ…!?」
「お前はいらない」
 現在のメテオーロの胸を貫いた。

「あっ…がっ!あっ…あああっ…!」
 否定され、攻撃され、駆逐され、破壊される。
 彼はアリスの、シャルロットの見下す目の前で、苦悶の表情を浮かべながら悶え続ける。
「犯した暴虐に応じた地獄を見せる私のユーベルコード。与える幻術はかつてオブリビオンになる前の自分に永遠と討たれる無限よ。」
 幻の中でヴィランとなり、ヴィランにも優しくしていた自身が、ただ一人自分だけを許さない世界。それを延々と見せられる。
「俺は…俺は…!」
「かつて正義だった正義の騎士よ。」
 最早戦う意思すら見せない相手に勝ち誇り、背を向けてウルカヌスの下へと歩みを進めるシャルロット。
「…自分にはもはやヒーローの資格がないと、噛み締めたまま逝きなさい。」

「…く、くはは、くはははは…!」
 突如、メテオーロが笑った。
「そうだよな…そうだよなぁ!俺は!」
「…頭がいったかしら?」
 それでも一抹の不安を覚えたシャルロットは振り返る。不安は的中した。
 メテオーロは虚空で何かを掴んでいる。その白銀と金の混じった鎧は不気味に光を増し続けている。
「俺は…俺は昔、助けた奴らがヴィランに寝返り…手をかけ……悪……悪とは正義か……何度も、何度も鏡に問い続けた……」
 ぐしゃり、掴んでいたものを握る。あれが幻術だとしたら、おそらく過去の自分を握りつぶした動作…。
 オブリビオンは過去の骸、彼は無数の可能性の残滓の中から、そのような過去を引き当てたメテオーロだった。
 自身の自問を…自身がなぜヒーローから悪に落ちたかを…確かめながら堕ちた男!それが!
「人類に否定された!ヒーローに否定された!ヴィランにも同情され、俺の在り方を否定され!否定され!否定され!!!…ついには俺自身にも否定された……俺は!」
「幻術を変えるか…あいつ自身の幻より効くものを何…」

 月の光が戦場を満たした。
「か…はっ…」
「否定してくれてありがとう。」

 メテオーロの夜天の鎧。

「俺がなぜこの道に進んだかを、改めて教えてくれてありがとう!」
「がっ!ぎゃ…ぐっ!?ちょっ…やめ……あ゛っ!」

 それは魔法を跳ね返すだけではない。己を堕とせば落とす程力を増す副次効果もある。
 それは痛み、負傷、そして…『否定されたという思い込み』。

「俺はヒーローではない!」
「う、ウルカヌスに否定する幻でも―」
「それはもう見飽きた。」
「う゛っぐ ぅ!?」

 逆効果だった。紛れもなく。
 ヒーローでありながらオブリビオンに落ちた矛盾は、正義を語る悪である矛盾は、誰よりもメテオーロ自身が抱えていた事だ。

「ああとも!俺にはその資格がない!ウルカヌス様にも捨て駒にされたさ!だが俺はここに居る!今を生きる過去の骸として!俺の存在を守る正義として!」
「は、早…なんでっ!なんで時空間干渉が!」
「コツを覚えたのさ。俺の正座による月の魔術を流れる水の様に纏い、キミの幻と時空の流れを逸れるように流し続ければ…!」
「あ…あああああ…!!」
「俺は!」
「ぎゃっ!」
「俺は!!」
「あ゛っ!」


「オブリビオンのヒーローなのだ!!!」


 過去の骸の存在を守り、現在(いま)の存在を屠り、狩る者。
 メテオーロはこの土壇場で最悪の正義に目覚めてしまった。
「女子供だろうと容赦はしない。君の力もまた脅威」
「う…うぐっ…!」
「最低でも二度と動けない程には痛めつけないといけないな。」
 大変申し訳ない。先程から二人が何をしているかを台詞のみで送り届けている理由だが。
 齢16のいたいけな少女に対し、それらを深く描写するとショッキングが大きい。
 故にここで起きている事象は簡潔にしておく必要があったのだ。
 強いて言うならば。

 覚醒以降のメテオーロの攻撃は、全てシャルロットの致命個所に直撃していた。

「はあ゛っ…はあ゛っ、はあ゛っ……」
「永遠と討たれる無限、確かに噛み締めさせてもらった。…せめてもの手向けを君に送ろう。」
「こ…これは、何……オウガ……みたいな……」
「星座魔術の一つさ。夜天の衣を纏いし女神は総じて狩猟にも準じていてね。獲物を追い詰め、時に蹂躙する者を、こうして、ね。」
「……っ……!」
「やれ」

 無慈悲なるメテオーロの号令。とどめの攻撃がシャルロットを襲う。

 煙が晴れる。
「…猟兵、たかが一人。だがこの一人の手向けこそが、俺達の明日の一歩に―」
「ならねえさ」

「…何?」
 煙が晴れた場所には何もいなかった。地面にはタイヤの跡。
 ふと横を見れば、満身創痍のシャルロットを抱えた、バイクに乗る男の姿。
「少女をボコってヒーロー気取りとは許せねえな!仇は撃たせてもらうぜ!」

失敗 🔴​🔴​🔴​

星野・祐一
あっつ!なんて熱さだよここは…
あんま長居したくないしとっとと押し通らせて貰うぜ!

[SPD]
まずは雷鳴で【先制攻撃】
この間にUCとEsに【情報収集】の指示を行い
準備を整える

『解析完了、鎧の隙間をカーソルに表示します』(戦闘知識
OK、仕掛けようか!
流星を徐に明後日の方向に向けて【フェイント、乱れ撃ち】
もし油断するものなら【誘導弾、マヒ攻撃】で鎧の隙間に当たるって寸法よ

これに痺れを切らして攻撃を仕掛けてきたらめっけもの
【視力や第六感】で攻撃動作を【見切り】
【カウンターのシールドバッシュ】で体勢を崩してやったら
顔面に雷鳴の一撃【早業、力溜め、衝撃波、限界突破、零距離射撃】を叩き込む!

アドリブ・連携歓迎




 そのバイクは宇宙のバイク。真紅に包まれしその名は『テスタロッサ』。
 それを駆り、シャルロットを一時安全な所に置いた男の名は星野・祐一(f17856)
「新手か。来るがいい。今の俺は何者にも負ける気がしない。」
「そうかよ。…場所的にもお前の存在的にも長居はしたくねえ。」
 祐一は宇宙バイクを電子的な飛行形態に変形させ、フルスロットルのエンジンを吹かす!
 二丁拳銃『雷鳴』『流星』を手に持ち。
「星野・祐一!押し通らせて貰うぜ!」
 空を飛ぶバイクの超突進をメテオーロに放った!

「かかってくるといい」
「…なんてな!」
 突進、接触の直前にドリフトをかまし側面に回る。
 カウンターで放つメテオーロの拳が宙を切ると、その隙を狙い拳銃の一撃が放たれる!
「ちっ…だが無駄だ!」
 メテオーロ鎧の隙間にギリギリ入らない!無傷!
 更に祐一は戦場全体を旋回しながら、雷鳴鳴り響くかの如き轟音の銃弾を囲むように撃ち放っていく。
「厄介な。時間稼ぎか?」
 ややしびれながらも襲い掛かる銃弾の嵐を拳ではじき返していきながら、メテオーロは…構えを変えた!
「速きに自身があるならば対抗してやろう。【星纏外装】!」
 メテオーロの鎧が立派なガントレットの映える甲冑騎士の姿に変わった!
「おおおおおおおっ!!」

「なっ、マジか。あいつ…空中を走ってやがる」
 文字通りである。それは星座魔法を応用でもしているのか。
 鎧に身を包みパワーアップしたメテオーロは空中を超凄いランニングモーションを取ることによって駆け回り、今やその速度は宇宙バイクに迫るほどであった。
 空を駆けるメテオーロと祐一の宇宙バイクによるチェイスファイトが始まる!

「こなくそ!」
 雷鳴の貫通弾を放つ!
「我が正義は不滅!」
 ガントレットで滑るようにいなして接近する!
「まだまだ!」
 流星の乱射弾を放つ!
「邪悪に傾く天秤星は敵対者を討つべしと叫んでいる!」
 空を裂くガントレットの乱打が光の弾を放って次々と相殺し接近する!
「この…」
『解析完了、鎧の隙間をカーソルに表示します』
 祐一の宇宙バイクの電子画面が通告を行った。
 それは反撃の狼煙。効かぬはずの銃弾を通す、スペースシップの戦闘知識の解析。
 ただ逃げていただけではない。全てはこのために。
「OK、仕掛けようか!」
 溶岩飛び交う工場の中を宇宙バイクで駆け巡りながら、『流星』を再び構える!
 乱射!乱射!だが明後日の方に行くばかりだ!
「何処を狙っている!」
「今に分かるさ。」
「分かる前に処断してやろう!」
 スピードを上げ、空駆けるメテオーロは宇宙バイクに手を届かせようとしている。その時!
「ぐ!?が、何っ!」
 乱れ撃った流星の弾丸が後ろからメテオーロを撃ち貫いた!
 宇宙バイクに繋がったセンサーユニットが導いたメテオーロの鎧の隙間を、ホーミング弾として的確に被弾させる流星群!
「そしておまけだ!くらえ『雷鳴』!」
「がうっ…!」
 零距離で雷鳴の如き閃光の弾丸が腹部に放たれ、その衝撃でメテオーロは吹き飛び、床に落ちた!
「くっ…おのれやるな猟兵!」
「まだまだここからだ!改めていくぜーっ!」
 上空から飛んでくる。宇宙バイク『テスタロッサ』の神風が如き突撃!
「ここで挫ける正義ではない!」
 メテオーロの拳!
「『シールドピアース!』」
 祐一のテスタロッサの装甲が変形し、大型パイルバンカーと化して拳と打ち合う!
「まだまだ!」
「こっちのセリフ…」
 撃ち込まれたパイルバンカーは即座に盾に変形し。
「だーっ!!」
 零距離での強烈な踏み込みで衝撃波を発生!盾の衝撃がメテオーロを吹き飛ばす!
「ぐうっ!」
 メテオーロは飛びながら受け身を決め、体勢を立て直す。
 だが…その眼前には既に距離を詰めた、祐一の銃口が覗かせる。
「さっきの猟兵の分だ!くらえーっ!!」
 凄まじき轟音!工場の一部が破壊されるほどの衝撃!
 エネルギーを溜めに溜めた『雷鳴』の銃の一撃が、甲冑越しにメテオーロの顔を貫いた!
「まだまだ!2発!3発!」
 何度も!何度も!雷鳴の銃撃が撃ち込まれる。
「き…効くものか…正義は挫けん…!」 
 何という事か。其処は甲冑、鎧の部分。『神鋼の鎧』の防御個所である。
「イェーガーがこの地球のヒーローのヒーローならば!」
 『雷鳴』を掴まれる!
「ぐっっ……このっこいつ!」
「俺はこの地球の敵のヒーロー!オブリビオンのヒーローなのだーっ!」
 そのまま銃を、祐一ごと明後日の方向へぶん投げた!
「う、おおぉぉーっ!?回収してくれ、テスタロッサ!」
 テスタロッサが吹き飛んでいく祐一に、自動運転で急速に飛ばし、間に合わせ、受け止める。
 受け止めた場所はメテオーロの戦闘範囲外まで飛ばされるに至っていた…。


「はぁ…はぁ…これで2人目か。まだ来るなら…来い!」
 構えを取り、気を充実させ、まだまだ工場の拠点を守るメテオーロ。
 だがその顔には銃撃によるヒビが、直ることなく刻まれていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

氷川・権兵衛(サポート)
名は氷川権兵衛。見た目通り人狼だ。職業はUDC組織に属する生物学者だ。主にUDC生物の解剖と解析を担当している。医術の心得もある為、事件現場で被害者の治療を任されることもあるが、よく顔を怖がられるな。現地民の認識にフィルターが掛かっているとはいえ、一体どんな風に映っていることやら。

戦闘面での実力を知りたいのか?基本的にタンクとして動く。自慢に聞こえるかもしれないが、私は素早い。攻撃される味方の前へ躍り出て、ショットガンで敵を吹き飛ばす。牽制に毒を含ませたメスを投擲したりもする。ドーピング薬を腕に刺せば、狂戦士に早変わりだ。燃える左腕を振り回し、敵に恐怖を植え付けてやろう。


徳川・家光(サポート)
『将軍なんだから、戦わなきゃね』
『この家光、悪は決して許せぬ!』
『一か八か……嫌いな言葉じゃありません!』
 サムライエンパイアの将軍ですが、普通の猟兵として描写していただけるとありがたいです。ユーベルコードは指定した物をどれでも使いますが、全般的な特徴として「悪事を許せない」直情的な傾向と、「負傷を厭わない」捨て身の戦法を得意とします。
 嫁が何百人もいるので色仕掛けには反応しません。また、エンパイアの偉い人には会いません(話がややこしくなるので)。
よく使う武器は「大天狗正宗」「千子村正権現」「鎚曇斬剣」です。
普段の一人称は「僕」、真剣な時は「余」です。
あとはおまかせ。よろしくです!


エドゥアルト・ルーデル(サポート)
『ヒャッハー!頭ねじ切ってオモチャにしてやるでござる!!』

口調:拙者、名字+氏、~でござる、~ですぞ
属性:混沌・悪

弱きを困惑させ強きを嫌がらせの果に弄り倒す正義なんてどこ吹く風なゴーイング・マイ・ヒャッハー系

シリアスな空気だと破壊するか自分が爆発する
可愛い女の子を見れば興奮する変態
エンジョイ&エキサイティングをモットーに好きなように生きて好きなように死ぬギャグキャラ
オタクらしく戦闘中でも状況に有ったセリフやパロ技を適当にぶっ込みながら戦う様はイカレポンチすぎて敵味方問わず困惑と驚愕させることに定評がある
公言しないが空軍のパイロット


鮫塚・司(サポート)
 通常時は無気力だが戦う場所を求めており、戦闘が始まると饒舌でテンションが高い戦闘狂に一変する。
 チェーンスモーカーで煙草は手放せなせず、煙草を咥えていないとイライラする。
 普段の口調はぶっきらぼう(私になんか用がるのかい、お前さんの力にはなれないかもしれないよ)
 戦闘中の口調は饒舌(オラオラオラオラァァ、アンタの全力見せてみなぁ!!)

 多少の怪我はむしろ喜びながら積極的に行動します。
 他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


雫石・凛香(サポート)
○アドリブ・MSさんの解釈による下記に沿わない動きも歓迎

オブリビオンへの恐怖で眠れなくなった姉のために戦う妹キャラ
性格はクール枠。冷静に物事を見て、必要そうな行動をとれます
敵への態度は苛烈。相手にどんな事情があろうと容赦はなし
反面、子供故の短絡さもあり、口が上手い相手だと挑発に乗せられるかも…

魔剣【鞘】という凛香の意思に従い姿を変える剣を持っており、形状変化による攻め手の多さとスピードで勝負するタイプ
逆に相手の攻撃を剣で受ける行為はパワー不足でほぼ不可能

UCは基本的に妖剣解放のみ
高い機動力で相手をかく乱し、衝撃波でヒット&アウェイが基本戦法

動きを封じることで先の展開が有利になれば剣戟結界も使用



●ヒーローは5人現れた

「…次は…5人か!だが何人来ようと、俺の星座の力こそが正義。全てを打ち砕く!」

「正義か。ヒーローズアースならではだね」
 メテオーロの眼前に現れし5人の影。その内の赤き影がそう言った。
「正直この手の善悪話はうんざりだよ。こいつも黙って戦わない口なんだろうね」
 その内の青き影がそう言った。
「ウヒョオッホ!自称正義に立ち向かうは5人の正義の猟兵隊。何も起こらないはずがなく?」
 その内の緑の髭面がそう言った。
「ここはどうですかな。我々偶然出会った縁でござるが一つ戦隊ヒーローを組んでみては?」
 その内の緑の髭面がまた言った。
「その様に言われてもだな…」
 その内の白と黒の獣は難しい態度でそう言った。
「協力には賛成します。…待ってて、姉さん。」
 その内の白と黒の少女は凛とした態度でそう言った。

 赤き影の名は徳川・家光(f04430)。
「立場的には誰かに譲りたいけど色が色だからね。じゃあ僕がレッドだ。」
 青き影の名は鮫塚・司(f27278)。
「ちっめんどくさいねぇ。…一応ブルーって事で」
 緑の迷彩を着こなす髭面の名はエドゥアルト・ルーデル(f10354)。
「では拙者は見た目からグリーンで!赤には負けませんぞ!」
 そして黒き服に身を包む白き獣は氷川・権兵衛(f20923)だが。 
「はぁ…一応やっておくか。私はホワイ―待て。色合いが貴殿と被ってはいないだろうか」
「えっ」
 最後に紹介されし、黒き衣服に白く見える銀の髪をした少女、雫石・凛香(f02364)は困惑した。
「……」
 凛とした態度で応えようとするも。
「えっと、じゃあシルバー」
「駄目ですぞ駄目ですぞ!5色カラーにメタリックが入るのは追加戦士に留めておきたい!」
「えっ、えー…あ、一応服には赤も混ざってるし。」
「だがパッと見で分かるのはやはり髪の色…」
「はは。装備は黒寄りなんだけどね。こればっかりは」
「…えー…」
 凜香は権兵衛に目配せする。
 申し訳なさそうな顔で、頭をひとかき、ふたかき。
 どうしようもない空気を割る気持ちで遂に決心すると。
「では、私がブラックで…。」
「わたしが、ホワイトという事でっ。」
 ぐ、と、その赤き瞳に何かを勝ち取ったような気を得る凜香。
 だが待って欲しい。まだチームが決まっただけだ。戦いは。
「決まったかな?」
 ほら来たぞ!オブリビオンが戦闘態勢だ!
「面白い、即席で戦隊の真似事とはな。その児戯足りた思想ごと俺が打ち砕いてやろう!」


「やっと戦闘かい!いいねぇ、血がたぎってきたよ!おらっ出な!」
 一番に突撃したのはブルーの司だ!
「来いぃぃぃ!!!ワタシの死因!私を殺した拷問具!」
 手に持つ車輪が炎の輪を成して、中から空飛ぶ鮫が飛び出した!
 10匹にも及ぶ深紅の鮫だ!身体からは拷問具が生えている!
「なんと!汝も鮫を使うか!余も続こう!【神州因幡白兎殺】!」
 手に持つ刀を振るうとそこから海水が練り上げられ、それが鮫の形をして実体化!
 70匹にも及ぶ蒼き鮫だ!身体からは皮剥ぎ刃が生え。
「ストップ、ストーップ!」
 止めたのはグリーンである。
「なんでございますかなそれは!なんでリーダーのレッドとブルーが揃って同じサメコードを!?」
「戦闘を止めるんじゃないよ!そんな事」
「まあサメが最近のトレンドというか―」
「駄目ですぞ駄目ですぞ!リーダーとサブリーダーが被っていては!しかも鮫の色があべこべなのは何の因果でござるかな!?もっとかっこいいのを使うがいいですぞ!炎とか」
「んな事言ったってな」

「…じゃあ、エドゥさんがやります?」
「わっつ?」
 肩の力を一旦抜いた家光が進言する。
「色を決めただけで役もチームも決めてなかったよね。なんだか男で強そうだし、さっきから話の手を入れてくれるし、エドゥさんがリーダーでいいんじゃないかな。」
「…マジ?それはその、誠にマジな話をして?」
「マジでござるよ。良いと思うよ。緑がリーダーでも」

 ……………………

「ヒャッハー!リーダーの拙者が頭ねじ切ってオモチャにしてやるでごーざるー!!」
「話は決まっ……緑の男が先陣斬ってリーダー面してきただと!?」
 それも腰に手を当てながら内またでくねくねと高速移動して迫っている。怖い!
「まずご紹介する商品はこちら!てれれてってれー★ ヌ カ ラ ン チ ャ ー !」
 携行ミサイルを滑り気味に構えメテオーロに狙いを定める!
「見切ったぞそんなもの…【星纏外装】!」
 英雄の星座の力を纏い鎧を強化し迫るメテオーロ!
「射出口ごと塞いで爆破―」
「と見せかけてバーック!」
「むっ!?」
 スライディングしたまま勢いよく後方に逃げるエドゥアルト。入れ替わりで蒼と紅の鮫が竜巻の様に飛来する!
「ちいっ!これもまた正義の試練…!」
 メテオーロが試練と称した鮫の群れに拳で立ち向かう!
 竜巻の如き鮫!蒼!蒼!蒼!蒼!時に紅!また蒼!蒼!
 鎧は拷問具と称される無数の鮫の刃によって摩耗していくが、劣化品とはいえ神の鎧。硬い!
「鮫で足止めされている…やるなら今だ」
 そこに凛香が戦場の側面を伝って飛び込みに行く。
「お願い【鞘】…あなたとなら、あいつの隙間を狙える。」
「ああすまない。それは待って欲しい」
 凛香は突如権兵衛に引き戻された。
「えっ!?」

「ああして乱戦しているが実は消耗も激しくてね。治療患者がいるのだよ」
「それをどうしてわたしに…」
「なんとなく雰囲気で掴んだのだが、貴殿にも治療用のユーベルコードがあるな?それを使いたい。」
「っ…」
 剣を刺せば早く倒せるはずなのに。
 乱戦での思わぬ展開は避けたかった。理知的に判断する。場の流れを読まなければ。
「それで患者って」
「鮫だよ」
「 」
 一瞬瞳孔が開いた。
「鮫」
「ああ。こいつを見て欲しい」
 鮫と鮫がメテオーロに殴りかかる中、後方に吹き飛び転がってくる、鮫。
 メテオーロの鎧の力に返り討ちに逢う鮫が今、1匹、2匹と増えていた。
「鮫が尽きる前に戦力を逐次投下しよう。奴は何があったのか、気配の隙が酷く少ない。」
「…わたし達を待ってくれてる時点であんまりそうは」
「少ないのだよ。慢心するほど強い。その慢心を摩耗させる為にも、鮫治療、手伝ってはくれまいか。」
「…鮫…治療…」

 凛香は渋々、傷ついた鮫の前に進み、祈る。
 聖なる者の力も手にしている彼女の生まれながらの光が赤く鮫を包み、傷を塞ぎ、癒していく。
 その影響か蒼い鮫はどんどんと紅くなっていき。
「えっ」
 元気になった鮫は拷問具を高速回転させて浮遊。空中を泳ぐように、全速力でメテオーロへと向かっていった。 
「…あの…」
「この地に転送されてから分かる事が一つある。」
「なんでしょうか」
「あまり鮫に関して深く突っ込んではいけない」
「…そうですね」

 飛んでくる鮫!回転する拷問具!それを迎撃するメテオーロ!
「ヒーローもどきにしては…いや…なんだこれは…俺はなぜ延々と鮫を叩いて…考えるな!悪である敵の策略に相違なし!」
 蒼!蒼!紅!紅!紅!蒼!紅!
「心なしか深紅の鮫が増えているのはどういうことなのだ…!」
「おっと、鮫は飽きてきましたかな?」
 飛び交う鮫の中、不意に銃弾と爆撃が飛ぶ!
「くっ、さっきの緑か!どこから!上か!?」
 爆撃を最小限の横跳びで躱すと、乱戦の中、エドゥアルトが2色の鮫の上を跳躍しながら平気を放つ姿が見える!
「ほらほらほら!サメちゃんほらほら!ヌカですぞ!ライフルですぞ!レーションもお付けしましょう!やっぱりヌカですぞ!」
 ヌカランチャーと食料をいやがらせの様に放ち続けるエドゥアルトにメテオーロが激高する!
「ふざけるな!斯様な所で戦うならば!」
 メテオーロは跳躍し…鮫の上に…乗った!
「あぁ!?ワタシの死因に何乗ってやがるコラアァ!!」
「ああ言ってますがね」
「君がリーダーなんだろう?まずは長から潰す。覚悟しろ」
「おう。命投げ捨ててかかってこいや。空中戦には自信があるんだぜ?」
 メテオーロ、エドゥアルト。二者総じて鮫を踏みつけながらのボクシングスタイルをとる。
「ヒャーッハー!まずは耳!」
 エドゥアルトのパンチが!
 メテオーロの拳に粉砕される!
「いっだぁ!?」
「ならば俺は鳩尾だ!」
「ざーんねーんでござるーぅ💛」
 バレリーナの如き横回転で宙に舞い回避!
「アン…なんだっけ、トロワ!」
「ぐっ!」
 適当な回転蹴りがメテオーロの脇腹に!
「ならばその足頂く!」
 その蹴りを肘で潰しにかかる!
「おおっと失敬鮫が通るでござああぁ!?」
 しゅっと足を戻して直立体勢で回避するが、乗った鮫の皮剥ぎ刃に着地してしまう!
「迂闊者があぁっ!」
 隙を見せたエドゥアルトの顔面にパンチが飛ぶ!
 ―だがその時!
「は!?がああっ…!!?」
 メテオーロの鎧の隙間から血飛沫が飛んだ!
「…よし。もっともっといくよ。【鞘】」
 鮫を治療する隙を突いて飛び出た凛香の放つ、自由に形状を変化できる魔剣。
 それによる鞭の如き軌道が、戦闘に夢中なメテオーロの鎧に入り込んだのだ。
「(鮫の間を縫うの、とっても難しい…家光の鮫にはあとで謝らなくちゃ。)」
「おおっほ!隙が出来ましたな!じゃあこれなんかどうですかな。パンジャン―」
「補助がいたか!先程から尽きぬ鮫も!原因が…お前から討つ!」
 メテオーロはターゲットを変更した!
 飛び掛かるは―。
「…安心したまえ。これは軽傷だ、軽傷なのだよ。…む?」
 鮫を治療している権兵衛だ!
「気づかれてしまったか。まあいい。」
 ショットガンを構えて迎撃!
「無駄だ!」
 拳のラッシュで隙間もなくはじくメテオーロ!
「タフな仕事には慣れていてね」
 2発、3発。まるで何かを引き付けるように。
「お前から終わらせる…!」
 遂に近づき、拳が迫る、が…!

「―所で後ろの鮫は大丈夫かね?」
「しまっ…!」
 斬撃!
「がっ、ああぁ!」
 家光の鮫と司の鮫が交差するように切り刻む!
「背中を見せたね。白兎殺しは油断したものを削ぎ剥がす。」
「オラオラオラ!ワタシの死因を味わいなぁぁぁぁ!!!」
「ま、まだだっ!まだ!」
「では追撃と行きましょう。」
 凛香の妖剣の鞭が容赦なく鎧の中を切り刻む!
「お、おのれえぇ!」
「多人数戦には慣れていないのだな。気を逸らした貴殿の負けだ。」
「俺は正義のオブリビオン!一人でも道連れに―」
「道連れと言いましたかな?」
 上空から緑の影。
「な―」
 その手には超大型の爆弾が、起爆寸前で…。
「やめ!」
「拙者あぁぁぁ!道連れ大得意でござるよおおぉぉぉ!!うぉぉーっ!!死なばもろともーっ!!!」

 直後、凄まじい大爆発が起きる。
 直撃したメテオーロの顔は、遂にヒビが割れ、鎧を粉砕し。
 爆炎の中、5人の猟兵が倒れたオブリビオンを見。

 そしてカッコよくポーズを決めた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

ナギ・ヌドゥー
オブリビオンが正義のヒーロー?
それはまた大きくでたな
ではその正義とやらを試してやろう

神鋼の鎧に加えあの速さ、近接戦は危うい
距離を取り掌より【殺気・呪詛】を込めた光線【呪殺弾・制圧射撃】の弾幕を張る
奴は防御の薄い鎧の隙間をかばう筈
そこを【第六感・野生の勘】にて隙間を【見切り】
UC「禍ツ骨牙」で隙間を狙う
今の攻撃でソウルトーチャーが覚えたもの……それはアンタの「咎」だ
咎の味を覚えたコイツは次の攻撃でより正確かつ強力にその隙間を抉る!【傷口をえぐる】

……しかしアンタが咎を持たぬ本物の正義のヒーローなら、オレは負けるだろう
さぁ決着をつけようか



●死ぬまで立ち上がる者を倒す為に
「…ぅ…」
 爆炎と瓦礫の中からメテオーロは立ち上がる。
 信じていた神から授かった神の鎧は砕けた。まだ未完成品だったのだ。
 正義を見せつけられた。正義を否定され、折られた。
 これ以上、彼は何を信じればいい。
「…否、まだだ。」
 彼は気力を振り絞る。
 せめて自身がここに居る意味だけでも、立って証明しなければならない。
 そう信じた。そう信じ、己の拳を固めた。
「俺は俺の正義の、為に…」


「ではその正義とやらを試してやろう」
 白い髪の男が、燃え上がる煙の中から現れた。
 ナギ・ヌドゥーだ。
「オレは咎人を殺す。死を祝い、生の有り方を測る。アンタの正義がどれほどのものか……。」
「君に俺の重さを量って貰う必要はない。」
 メテオーロの身体が光に包まれる。星座魔術による、神の鎧を持たぬ、最後の【星纏外装】。
「我が崇高な…いや、この先のウルカヌスが目当てなんだろう?君は、本当は俺を通過点としか見ていないんじゃないのか。」
「ここはヒーローズアースだ。」
 ナギの瞳は銀に輝き、瞳孔が据え討つ様にメテオーロを睨む。
「正しき義を量り、証明する、その『天秤の鎧』をわざわざ死の間際に選んだな。…少し興味が沸いた。」
 手には先の戦いの鉈でなく、血に濡れた包帯をバンテージにして手に巻き包む。
「アンタが……本物の正義のヒーローなら、オレは負けるだろう。過去の骸とやらが、咎を負うオレ達よりも輝く光を持っていればな。」
 そしてナギの周囲には血と骨で出来た獣…ソウルトーチャーが現れ、骨の牙で威嚇する。
「素手か。」「アンタも素手なんだろう。」「…獣は」「『審判者』だ」
「そいつもかかってくるがいい。俺も、出せる。」
 星の光が地面に集まり、聖なる獣を作り上げていく。光の牙が、ソウルトーチャーに威嚇を返す。

「決着をつけるぞ」
「…望む所だ!」

●光の骸、闇の猟兵
「お前は―」
「主張で取り繕う必要はない!」
 メテオーロは全身から光を放つと、瞬時の踏み込みでナギの間合いを至近距離に捉える!
 だがナギはそれを読み後ろに飛び、ソウルトーチャーと、掌に仕込んでいた光線砲を放つ。
 ソウルトーチャーは星の獣が抑え込む!メテオーロは光線を見切り、拳で幾度も弾きながら迫る。
「邪絞…!」
 あっという間に距離を詰められたナギ!更なる後退を試みるも、タイミングを合わせてメテオーロも踏み込み!
 メテオーロの右ストレートが!
 ナギが手から張った呪いの包帯に受け止められる!
「成程呪いか。君の力は闇か。分かり易い…悪という事か!」
 メテオーロの左フックが!ナギの右フックと相殺される!
 呪包帯を巻いた左ストレート!打ち合うメテオーロの胸に直撃する!
「ぐっ…!」
 最早神の鎧は存在しない。今受け止めているのはメテオーロの本来の力の鎧。そして気合であった。
「死の祝福をくれてやろう!」
「ならば俺からは義を通す滅罪の光を!」
 拳が打ち合い!鳴り響く!ナギの肩にも拳が入る!だが悲鳴も上げずに再び殴りつけに行く!
 超高速のラッシュの打ち合い!血に濡れた呪包帯が飛び散り輝く闇を、後光の如く発するメテオーロの残光が浄化していく!
「来い!星座よ!ミザール!ポラリス!」
 メテオーロの号令と共に周囲に光が宿り、光の熊がナギを囲む!
「コル・カロリはその犬を押さえつけたままだ。天秤に量りしは我が力と君の力の重さ!」
 2体の熊とメテオーロ、3方同時攻撃が来る!
 ナギは殺意の刹那に目を、見開き…!
「ソウルトーチャー!」
 攻撃のタイミングに合わせて宙に飛んだ!
「――――!!」
 同時に無理矢理光の猟犬を振り払うソウルトーチャーが飛ぶ!
 空中で混じり、血肉を纏うナギ!
「何だと…闇の融合か!」

「……禍ツ骨牙……」

 着地したナギの身体は、全身から禍々しい骨の牙がむき出しになる、ソウルトーチャが鎧の形状を取り纏った姿。
「生ある者は皆、必ず咎を背負う……アンタの咎を今から量ってやる。」
「……フッ」
 その時、メテオーロは目を閉じた。
 己が助けた人間達の事を、説いて改心させたヴィランの事を、頭の中で想起し描く。
(『生ある者は皆、必ず咎を背負う。…君の咎を今から測ろう』)
 あの時ヴィランに投じた言葉が。一度もかけられる側とならなかった声が、重なり合う。
「やってみろ。その上で俺は……勝つ!」

 メテオーロもまた腕に熊を融合させ、光の牙を纏う腕を持つ!
 鎧、武器、獣、ほぼすべてが対等となった戦線上にて。
 光と闇の二つの閃光が―今、駆けた!
「おおおおぉ!!」
 牙の拳と牙の拳が打ち合い!打ち合い!打ち合い!!!
「ソウル…トーチャー!」
 何度目かの交差の刹那、ナギが本能でメテオーロの攻撃を見切る!
 それはガントレットの、大熊と小熊の牙の隙間を噛み砕く様に食い込ます、両腕による必殺の挟撃!
「ぐ…おおぉ…お!?」
 光の熊の牙をすり抜けるナギと獣の骨の牙は、腕、そして先に撃ち込んだ拳の跡に、鎧を破って食い込んだ。
「想起しろ。アンタの魂の記憶を。犯した罪の重さを。」
「お…あああぁぁぁ!」
 ソウルトーチャーの呪いの牙が、メテオーロの脳内に闇を侵食させていく…!


●或るヒーローの闇
 雨の中、血に倒れる人間がいた。
 メテオーロが今まで助けた人間だった。
 その人間の傍らには、ヴィラン。彼も倒れていた。メテオーロの一撃によって胸を。
「何故」
「…いつもアンタが駆け付けてくれたわけじゃないでしょ…?」
「星の輝きは全てを見る!間に合わなかった事等」
「間に合ってなかったわよ」
 その人間がお腹をさする。何か…小さな声と鼓動が。
「……!!」
「ヒーローって、不便ね……犯罪が起こる前の事は咎めやしな…い…」
「…馬鹿を言うな。」
 雨の中、血にまみれる男女の前で、立ち尽くす。
「そんなものを、どうして見分けろというのだ。」
 雨の中、力なく拳を握りしめながら、男は立ち尽くす。


「この私を太陽と思い生きろ。今のお前には支えが必要だ」

「万事事は運ぶ。私の兵団が世を埋めれば、最早そのような世迷い事もさせまい」


『正義を神に預け、星に願いの力を得、更にはそんな鎧まで付けたあなたは、傍でなくこんな半端な場所で立ち塞がっている』
「…!」
 少し前に聞いた、声がした。
『…哀れな。』
『汝は …… 正義に見放されながらも正義を語り続ける道化か。』

「道化…俺は、俺は…こんな。…あの日俺は正義を変えた!俺はヒーローだ!俺の正義は!間違っては!」

『かつて正義だった正義の騎士よ。』
 あの少女が食らわせた幻覚が見える。
 少女の声で、映るのは自身の影。重く、重く響き渡る。

『…自分にはもはやヒーローの資格がないと、噛み締めたまま逝きなさい。』


「う…うおぉ…ぉ…うおおぉぉ……!」
「審判は下ったようだな」
 ナギの猛攻は止まっていなかった。
 天秤座の騎士の鎧の隙間に、2度、3度、血肉を喰らう獣の牙が突き刺さり。
 犯した罪の重さ、今までの猟兵達の言葉が重くのしかかるメテオーロは、蒼白な顔をしながら膝を着き、鎧が…砕けていく。

「それがアンタの『咎』だ。 己で量り…そして、己で潰れろ。」
 ナギが振り向き、背を向ける。
「俺は…俺は… それでもヒーローに、なりたかった、のだが……!」

「―諦めろ」

 体内に侵食した骨の牙。
 それがメテオーロの体内から一斉に噴き出し、彼の身体を破壊する。
 崩れ落ちたメテオーロはその星座の光も失って。
 涙を零しながら、塵へと還っていった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『鋼神ウルカヌス』

POW   :    超鋼神装
無敵の【金色に輝く『神の鎧』】を想像から創造し、戦闘に利用できる。強力だが、能力に疑念を感じると大幅に弱体化する。
SPD   :    鋼と炎の神
自身の身体部位ひとつを【自在に液体化も可能な超高熱の金属】に変異させ、その特性を活かした様々な行動が可能となる。
WIZ   :    原初の神炎
自身からレベルm半径内の無機物を【使用者以外の全てを焼き尽くす原初の炎】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。

イラスト:あなQ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 神鋼造りし工場の最奥。
 生命の元とされる原初の炎を宿したような巨大な存在が一人。
 彼は訪れた猟兵達に背を向けている。

「何故この地を選んだか分かるか?」
 その存在…ウルカヌスの更に奥は工場ではなかった。
 赤く燃え上がる世界。あらゆる鉱物が溶ける溶岩の川。
 それを主とする巨大な山脈。
「生命の始まりは炎。それが宇宙に包まれ、温度の格差が起こる事で、やがて海が生まれる。…大いなる水は原初の力。炎と海は相互関係にあるのだ。」
 その山脈はいわばむき出しの地球の核。
 原初の炎と原初の海、全ての始まりが交わる特異点。

 それが、アトランティスの海底火山地帯であった。

「さあ来い猟兵よ!」
 ウルカヌスが振り返る。
 それと同時に背後の海底火山が、呼応するかの様に噴火する!
 辺りは灼熱の世界の渦中。

「我は鋼神ウルカヌス!原初の鋼と炎の神である!…全て焼き尽くしてくれよう!」


※注意
 ウルカヌスは必ず【猟兵がユーベルコードを使うより先に攻撃してきます】。
 猟兵が使うユーベルコードに応じたものを瞬時に使用し、こちらが使うよりも速く攻撃を届かせます。

 あなたの使用するユーベルコードが
 POWであれば『神の鎧』による攻撃。
 SPDであれば『超高熱の金属と液体』による攻撃。
 WIZであれば、周囲の物(主に床や火山弾、工場にある未完成の神造兵)が全て『原初の炎』となって襲い掛かってきます。

『ユーベルコード以外で何とかしてこれに対処をし、凌いだ上でユーベルコードを叩き込む』
 これが今回のプレイングボーナスとなります。

 ユーベルコード無しで戦う場合、プレイングの内容に応じてウルカヌスの能力とコードが決定され、それによる先制攻撃をしてきます。
 お勧めしません。
ベルベナ・ラウンドディー
化学現象、大いに結構
相手が炎ならやりようあります


先制対策
🔵空中浮遊・火炎耐性・衝撃波・地形の利用

天井付近に浮遊し防御行動
溶岩は液体、火山弾は個体
されど炎は重量に劣る風に近しい
攻撃自体は軽いはず
衝撃波のバリア+【スライディング】で接触界面上を滑走させ、流します


二酸化炭素は重くて不燃性
この閉鎖空間で大規模な炎を使えば地表から勢いは減衰しますよ
…私なら【環境耐性】で酸欠にも適応可能
不利は無い


その隙を狙う
宇宙育ちをなめるな


🔵UC使用
所持品・金平糖と爆弾を散布
爆弾はただの目くらまし
金平糖を対象に結界を発生、この場を光の柱の森にします
降下の勢い+柱を蹴り反射作用を加えた急加速で接近し
串刺しにします


星野・祐一
へっ決戦のバトルフィールドとしちゃ悪くねえ
行くぜ鋼神さんよ!その野望今回も撃ち抜くぜ!

[SPD]
先制は液体金属の軌道を【視力で見切り】
当たる直前JKを使った2段【ジャンプ】で避ける
しつこく追うのはEKで【武器受け】して対処な

今度は俺の番だぜ
Esの【情報収集】結果を入力した流星を上空に向けて【乱れ撃ち】
ピアースで体を隠しつつ鋼神に【ダッシュ】
そのまま体当たりする直前にピアースを手離し
ジッパーを自分に向けて起動、姿を消す(物を隠す、迷彩

消えた事による動揺を突いて
上空に放った【誘導弾、マヒ攻撃】で鎧の隙間を射抜き
そのまま顔面にUCを叩き込む!
(力溜め、衝撃波、吹き飛ばし、零距離射撃

アドリブ・連携歓迎



●宇宙溶岩決戦戦線
「カッ!」
 ウルカヌスは開幕、有無を言わさず手をかざすと背後の火山から溶岩の洪水を発生。
 猟兵達を纏めて焼き尽くし地形をも溶岩で満たす、最悪の先制攻撃を発動した!
「一切の容赦はせん。このまま焼け尽きるが良い!」

 猟兵達はそれぞれが空へ飛ぶ。
 地面を覆い尽くした超灼熱の溶岩は、冷え固まった黒い岩の足場が点在するほどとなった。
 飛んだ猟兵の内一人、翼を生やし飛ぶベルベナ(f07708)。
 ウルカヌスはまず彼に狙いを定めた。

「飛んだ所で逃げられんぞ!」
 ウルカヌスの周囲の溶岩が、火山となって噴火。
 灼熱の溶岩が巨大な腕の束となってべルベナに襲い掛かる。
 更に火山からは溶岩岩の籠る火山弾が、それぞれ原初の炎の塊となって飛んでくる。

「溶岩は液体、火山弾は個体。」
 べルベナはドーム天井スレスレの頂点で翼を広げ滞空し、手をかざす。
「されど炎は重量に劣る風に近しい―」
 べルベナの手からバリアのようなエネルギーが放たれ、炎を逸らし、ドームの境界に滑らせる。
「こしゃくな…!」
 ウルカヌスはべルベナに攻撃の勢いを強め、炎を強めていくが、段々とその勢いが減衰していくのが見えた。
「二酸化炭素は重くて不燃性。この閉鎖空間で大規模な炎を使えば地表から勢いは減衰します。」
「全てを焼き尽くすと言うておるのに!」
「いいえ、いいえ。あくまでも『炎』でしかない。化学現象大いに結構。やり様ならいくらでも。」

「おっと、気を取られてるなら今だな!」
 先の溶岩の攻撃を躱す者が正面からまた一人。
 宇宙バイク『テスタロッサ』に乗って溶岩を走り飛ぶ祐一(f17856)がウルカヌスに切迫する。
「海底火山か…決戦のバトルフィールドとしちゃ悪くねえ」
「来るか!」
 べルベナに向けていないウルカヌスの腕が高熱を帯びて変異。
 溶岩の如き液体金属の鞭となって戦場側面を走る祐一に攻撃を走らせる。
「へっ!そんなの当たるかよ!」
 軌道を見切り、躱す。躱す。
 地形に沿って振られる炎熱の鞭すらも。
「ジャンプだ、テスタロッサ!」
 一瞬のジェットジャンプによって飛び退いていく。
「ならば…これでいこうか。」
 するとウルカヌスは突如、液体金属の鞭をひっこめた。
「攻撃が止んだな?今度は俺の番だぜ」
 その隙を逃さぬ祐一ではなかった。噴火する溶岩を縫って黒き鎧のウルカヌスに近づいていく。
 ウルカヌスの手は鎧が消えた。
 それは空中で蠢く液体金属となり、形を整えて、ウルカヌスの手に、握られる。
 …黒鉄にして巨大な剣だった。
「巨大剣『ウルカヌス』…」
 それはクローン量産型のウルカヌスが使っていた剣だ。
「星をも切り裂くこの剣にて貴様を倒さん」

「へえ。剣か!だが今更そんなのが俺の銃に届くとでも」
「更に行くぞ。双頭鋼獅子『オルトロン』!」
「何っ…」

 ウルカヌスの肩が赤熱し、液体金属となって宙に錬成。
 獅子の如き鎧のパーツが冷え固まって黒くなり、2体の鋼鉄獣『オルトロン』となって襲い来る!
「剣と獅子!大盤振る舞いってか!」
 自立して襲い来る鋼鉄の獣に、宇宙バイクに乗る祐一は銃を構えると。
「更に私は力を放たん。鋼裁『ウルカヌス・ジャッジメント』」
「…は?」

 ウルカヌスは更に掌を掲げ、足を溶岩に踏みつける。
 ウルカヌスの足の鎧が溶けだし、溶岩の中から無数の鋼鉄槍が錬成される!
「多重ユーベルコード!?無茶苦茶過ぎねえかそれ!」
「何を言っている。私は鋼と炎の神。炎熱を液体とし鋼に錬成すれば、今まで貴様らと対峙した力さえこの通りよ。」
 ウルカヌス正面本体から巨大剣が、側面からは2体の鋼鉄の獣が、足元からは突き出る鋼鉄槍が、祐一を襲う!
「この場を守護する定めならば手段は選ばん!」
「っちぃ!Es(エス)!ガイドを頼む!」
 宇宙バイクに格納しているAIユニットが光を放ち、最適な回避経路を表示していく。
 溶岩の上を走る祐一の下から突き出る鋼の槍!
「テスタロッサーっ!」
 それを蛇行して猛スピードで回避していく。左右から鋼鉄の獣が!
「うおぉ回避は!正面!だがこのままじゃ奴の剣の餌食だな…覚悟を決めるぜ!」
 祐一は小さなナイフを取り出し、牙と爪を伸ばし放つ鋼鉄の獣の1体に切迫!
 ナイフは超密度のビームエネルギーを発し、焼き切るが如くに爪とかち合い、切り裂きながら受け流していく!
「おおおぉぉーっ!」
 追撃するもう1体の鋼鉄獅子!
「伸びろ!エクステンド!」
 ナイフのビーム光が太刀の如く伸びる!
 鋼鉄の咆哮を放つオルトロンの牙と、頭を、切り落とす!

 だが祐一はその攻撃で体勢を崩してしまう。伸ばして切り落とす為に座席後部に体を伸ばしすぎたのだ。
「っく、どうだ!ウルカヌスは!」
「隙あったようだな」
 ウルカヌスの巨大剣に光が灯され、巨大な残光を放つ。
「このアトランティスのドームごと、真っ二つにしてくれる!」
「まだだぜ!【雷鳴】!【流星】!」
 咄嗟に銃を構える祐一。だが2体の獣に時間をかけ過ぎた。
 降り下ろす一撃がまずウルカヌスから放たれる。阻止する猶予を与えてはくれなかった。
「て…テスタロッサ!回避を―」
 星をも切り裂く巨大剣の一撃が―。

「させませんよ」
 突如上空で釘付けになっていたべルベナが急降下し、ウルカヌスの斬撃に装備していた刀を当てる!
「…うっ」
 だが思ったより一撃が重い。剣豪であり宇宙竜である自身の身体さえ軋み、押される。
 星を切り裂く一撃はべルベナの武器である直刀を速攻でへし折らんとしていた。
「せめて…逸らす!」
 べルベナは流す様に巨大剣から直刀を滑らせ、攻撃を祐一から逸らした!
「うおぉあぶねえぇ!!」
 直撃した溶岩は即座に真っ二つに両断され、地割れの如き跡を残し、溶岩の滝が出来上がった。
「そっちの人間!」
「祐一だ!サンキューな!」
「閉鎖空間での大規模な火炎は二酸化炭素の充満を起こします!酸欠は大丈夫でしょうか。」
「あ?スペースノイド舐めんな。宇宙バイクにかかりゃ環境の適応も容易だぜ!!つうかそんな事になってたのか。」

「よく一撃を受けた。だが二度はどうかな」
 再びウルカヌスが巨大な剣を振るう。
「お言葉を。そんな攻撃二度は喰らいたくないですね。」
 するとべルベナはマントを翻し、中から色とりどりの金平糖と爆弾を散布した!
「貴方は攻撃をする度に鎧の防御力を代償としている…当たれば無事では済むまい。」
「そんなもの当たった所で傷をも喰らわん。が―」
 金平糖と爆弾を巨大剣の人薙ぎで吹き飛ばしていく。
「貴様の策諸共細目に滅してやらんとなあ!」
「そうですか。…というわけで前衛はお任せください!支援を!」
「おう!…Es、いけるか」
 所変わって祐一。宇宙バイクのAIが目前に3D映像を投影し、ウルカヌスを中心に戦略を立てていく。
「いくぜ【流星】!」
 ブラスターガンの星の如き乱射だ!
 それが山なりになってウルカヌスの、鎧でない個所に命中していく!
「小癪な真似と…思わん!」
 巨大剣を振るう間に、足元の溶岩を翻し、溶岩の波を放って続く流星弾をかき消していく。
「やれぃ!『オルトロン』!」
 更に鋼鉄の獣が襲い掛かる!
「『雷鳴』!」
 祐一はもう1つのブラスターガンによるチャージショットの乱射で鋼鉄獅子の勢いを殺し、ビームナイフで切り刻んでいく。
「溶岩に鋼鉄武器とは、やるねぇ。…せめてもう少し近くに…!」
 ウルカヌスの周囲を旋回しながら、突き上がる鋼鉄槍と溶岩に阻まれ祐一は手を出しあぐねていた。

「貴方の言う生命理論!」
 至近距離、べルベナは即爆破される爆弾を散布しながら声を放つ。
「つまりガス惑星ですか」
「ふはは!先の話を問うか!…まあそれもあるな」
 爆炎を巨大剣で振るい、爆風ごとかき消しながらウルカヌスは答える。
「炎と海が混じり合うなら木星らガス惑星と変わりありません。」
「だが私には炎以外の力も持つ。分かるな?熱から生まれしこの鋼…」
 原初の炎がべルベナの宇宙製の金平糖さえも焼き溶かしていく。
 普通なら溶岩の上にさえも浮く金平糖が。
「私の言う炎とは核。そこに元素が宿り、水素が混ざり、重元素…岩石…惑星が形成されていく。」
 べルベナは注意深く星をも断つ巨大剣を回避しながら、尚も攻撃を続行する。
 攻撃から逸れて残った金平糖が1つ、2つ。
「この地が地球の起点。最も居心地良き場所。宇宙の至宝ともいうべき第二の太陽!」
「第二の太陽と来ましたか。」
「そうとも。…メテオーロを無くしたのは惜しいな。奴こそは私を中心とする輝く星の代表者となるべき男。」
「…今なんと?」
「貴様らが来ると聞いて未完成ながら最高の神造鎧を寄越し、かの者の宇宙こそが私を、私の野望を更に―」

 …ウルカヌスのこの言葉が一つ前の彼に届けば、戦況は変わっていただろうか。
 絶対的な信頼。太陽を廻る星だからこその彼。
 奴はほだされ過ぎた。正義という大義名分に真剣になり、捉え過ぎていたのだ。
 それも今や過去の骸でしかないが。

「戯言はそこまでにしておきましょうか」
 髪の一部が焼け、用意した物資が尽きかけた時、べルベナは機を熟したと見た。

『金平糖よ、光の陣を生む星となり、現れろ。囲め。―そして守れ』

「むうっ、これ、は…!?」
 溶岩に溶けずに浮いた宇宙製の金平糖が光の柱を生成する。
 ウルカヌスを中心に、オーロラカーテンの森の如き光のバリアが生み出されようとする。
「こいつは!」
 それに気づいた祐一はテスタロッサのエンジンをフル稼働させて、突撃する!
「この中で仕掛けます!祐一さん!」
「おうよ!」

【守護結界生成(グレイプニル)!】

 光のバリアの中、飛び込んできた猟兵が二人と、巨神が一人。
 立ち昇る金平糖の本数は19本余りである。
「用心はしていたつもりだったがな…まあ良い。かかってくるが良い!」
 溶岩の中仁王立ちするウルカヌス。光の中での決戦が始まる。
「ええまあ。用心されたおかげで大分ばらまけませんでしたよ。苦々しい…短時間しか持ちませんがいけますね!」
「この手のはなんとなく分かるが!ミラーリフレクトって奴だよな!派手にぶっ放すぜ!」
 祐一は両手にブラスターガンを構え、乱射、乱射!
 四方八方から光弾が、光のバリアに弾かれて乱反射を起こし、ウルカヌスに命中していく!
「ぐっ…この…おのれ!」
 弾幕と近距離の手数に自慢の剣が振るえない!
 更に外に出してしまったために鋼鉄の獣で割り込む事も出来ない。
 ウルカヌスは手をかざし巨大剣を元の鎧に戻していく。
 そして足からの槍さえも取りやめ、足にも装甲が戻っていく。
「素手で対峙してやろう。…緑の奴はどこだ!?」

「ここですよ」
「ぬうっ!」
 背中の鎧を蹴り崩すべルベナ!
 蹴った勢いで更に飛び、光の柱を蹴っては高速移動、更に死角から蹴り倒す!
「宇宙育ちを舐めるな!」
 直刀を鎧の隙間に差し込みに急襲!
「愚か者め!私とて宇宙よりの神よ!」
 だが拳ではじかれてしまう!溶岩に落ちないように翼を広げながら後ろに吹き飛ぶべルベナ!
「経歴ならば同じ!以て貴様の力も見切ろう!」

「まだだぜ!俺も宇宙育ち!」
 自立稼働する宇宙バイクの上に立ち、ブラスター【流星】の熱線を浴びせるように放っていく祐一!
「宇宙育ちと宇宙育ち!数の差で撃ち抜いてやる!」
「貴様の攻撃など我が鎧には無傷!無駄な事を!」
「無駄かどうかは」
 【雷鳴】をチャージしながら。
「今から分かるぜ!」
 バイクから飛び出し、シールドを展開!そのままウルカヌスに急迫する!
「我が原初の一撃を受けよ!」
 ウルカヌスは鋼鉄に焼き溶ける液体金属を纏い強化!必殺の一撃によるカウンターを狙おうとする…その瞬間!
「今だ!フィールドジッパー!」
 祐一が…消えた!
「何ぃ!」
 そしてばらまいた弾幕が同時にウルカヌスの全身に当たっていく!
 ふと見るとべルベナの姿も無い!
「どこだ…こそこそと隠れおって!この光の結界ごと溶岩で捻り飛ばして―」

「俺は―」
「私は―」

「ここだぜ!」
「ここです!」

「ぬ!?ぬうぅ!ぬううぅぅ!!!」
 鎧の隙間に差し込まれる【雷鳴】!零距離の
 同時に鎧の隙間に差し込まれるべルベナの竜爪!
 えぐり裂くようにしながら―
「こいつで決まりだ――ぶち抜けえッ!!」
 ―必殺の超チャージ光弾がウルカヌスに直撃する!

「ぬおおぉぉぉ!!貴様らああぁぁ!!」
 光の結界が溶岩に飲まれ、消える。
 同時に上がる、雷鳴を伴った超光弾の一撃で吹き飛ぶ祐一とべルベナ。
 彼らはその際に確かに見た。
 唸り声をあげて膝を着く、ウルカヌスの姿を。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

虚偽・うつろぎ(サポート)
世界問わず大歓迎
世界を超えての自爆活動だよ

アドリブ連携等ご自由にどぞー

登場即自爆
とにもかくにも速攻で自爆
台詞よりも活躍よりも速攻で自爆することが最優先
1歩も動かず即自爆
自爆自爆自爆

何かいきなり自爆する動く怪奇現象
自爆という概念生物

技能:捨て身の一撃を用いてのオウサツモードによる広範囲自爆
対象は範囲内の敵全て
強化は攻撃力重視

射程範囲内に敵が1体でもいれば速攻で自爆
自爆することが最重要
なので敵がいなくても自爆するよ
近づかない動かない、即自爆

捨て身の一撃なので自爆は1回のみ
1回限りの大爆発
自爆後は爆発四散して退場さ


宴・段三郎
こちとら鋼と炎の八歳児じゃ、いざ鍛刀せん

【行動】
SPD

液体化可能な超高熱の金属…
対策として以下の妖刀を使用

号 『酔月』
号 『閂兵衛』
号 『隠家』
号 『化生炉』

初手で隠家を使用。抜刀しこの工場並みに巨大な温泉宿を上から出現させた味方を巻き込まない程度の【範囲攻撃】を使用。盾と攻撃代わりに使用。奴の液体が隠家を溶かすまでに少しは時間がかかるゆえ、間髪入れずに次の手番で酔月で全ての液体とあやつに対して【鎧砕き】付与の攻撃を延々とぶち込む

次いで閂兵衛で奴の鎧を通り抜ける刃でぶっさし、【鎧無視攻撃】。

最後は化生炉で奴の炎ごと刀にしてやるのじゃ

奴を原料に刀が作りたい



●―先に謝っておきたい事がある―

 一度限りの爆発を良しとする猟兵よ。
 運による6の奇跡と、状況と、ランダムが引き起こしたユーベルコードにより
 今宵は三度爆発する。


「炎と鋼の神か、上等よ。」
 膝をつくウルカヌス。
 そこに溶岩の足場を渡ってやってくる男の子が現れた。
「こちとら鋼と炎の八歳児じゃ、いざ鍛刀せん」
 刀鍛冶の段三郎(f02241)だ。
 それに目もくれず、ウルカヌスはずぶずぶと溶岩の中に沈んでいき、遂には消えてしまう。
「む?…おい待て、消えるでない。鍛造出来んではないか。」

「く、ふはははは……」
 どこからか声が木霊する。
「貴様は私の鋼に興味があると言うか!なる程素晴らしい…私も鍛造してきた身故、興味も親近感もあるぞ」
「…………」
「私の仲間にならないか。私の神造を貴様が成し、神鋼兵器を好きなだけ造る権利を与えてやろう!……猟兵抜けと引き換えだがな。」
「言いたいことはそれだけかの?」
 8歳児は突然の引き抜き交渉に物怖じせずに進んだ。
「…ふむ」
「わしはただ造りに来ただけよ。お主の鋼で刀を造りたい。『素材』風情が何を言う。さっさと鋼を寄越さぬか?さっさと炎を寄越さぬか?」
「……ふはははは……」

 次の瞬間、溶岩が割れる!
「ならば交渉は決裂だな。私が貴様の鋼を糧にして鍛造してやろう!」
 溶岩の中からは…なんだあれは。巨大なウルカヌスが現れたではないか!
『オーバード・ウルカヌス』
 溶岩を液体金属として取り込み、自身の力として巨大な体を形成、ユーベルコード化したのだ!
「思ったよりでかいな……まあ良い。号 『隠家』抜刀」
 その刀を鳴らすと、突如物理法則を捻じ曲げて温泉旅館が生成。
 アリスのガラスのラビリンスめいて、戦場が突如温泉宿と化した。
「ぬぅん!」
 だがウルカヌスの巨大な拳は一瞬でそれを天井から打ち破り、破壊していく。
「ぬぅ…液体金属という情報ではなかったか?」
「液体金属を加工し、鋼を成すこそ私の真骨頂!我が鋼神の力にひれ伏すが良い!」
 打ち砕き、壊れていく温泉宿。
 溶岩すらも吹き荒れて、瞬く間に段三郎をも破壊しようと、魔の手が伸びる……。
「速い…否、諦めん。号 『酔月』抜―」

 う
 つ
 ろ
 ぎ

「……なんじゃ?」
 突如、突然。
 段三郎の目の前に「うつろぎ」という文字が現れた。
「うつ…ろぎ…ぎ…」
 何か言葉を発している。
「何だ、これは…ええい、邪魔だ!」
 ウルカヌスの巨大な払い手がうつろぎの文字を吹き飛ばそうとした瞬間!
「うつろうつろぎつろぎろぎうつろうつろぎつろぎうつろぎぎぎぎぃーーー!!!」
「ぬうううぅぅ!?」
 突如うつろぎが漆黒の光を放ったかと思うと、戦場に凄まじい爆発が巻き起こった!

「号 『酔月』抜刀」
 崩壊する温泉宿から飛び退き、光の衝撃波を放つ刀を振るい、段三郎は攻撃を再開した。
「先程のはよく分からぬが好機。今の内にお主の鎧という鎧を剥がしてやろう。」
「させぬわ!出よ、巨大剣ウルカヌス!」
 ウルカヌスは鎧の液体金属を錬成し、巨大な剣を造り出すと、光の斬撃を伴う剣を繰り出した!

 そう簡単には鎧は剥がせない。
 巨漢と子供の光の刃の応酬が何度も、何度も続いた。
「…む?くっくっくっ…そこだ!」
「ぬうっ…!」
 ウルカヌスは突如剣を溶岩に突き刺し、衝撃波で段三郎を吹き飛ばす!
 別の溶岩の足場に運良く乗ると、ウルカヌスの剣が赤熱して何か黒いのを集めてる様子が見て取れた。
「先程の暗黒物体…爆散後に我が溶鉱炉に落ちていた様だぞ?」
 ウルカヌスの剣が液体金属に戻り、黒き何かと混ざり、再構築していく…!
「黒いの…もしや。」
「あの爆発、そのエネルギーを取り込めば更に強くなる。見よ!」
 恐るべし!オレンジに輝く巨大剣ウルカヌス!
 その刀身に「うつろぎ」と漆黒の刻印が成されている!これは!

「名付けて『外法剣ウつろぎヌス』……」
「…色々と禍々しいのを造りおったぞあやつ…!」

 再び光刃と光刃がぶつかり合う!
 だが先と違い、ウつろぎヌスの剣からは黒き「うつろぎ」文字の刃が飛び、段三郎の光刃に接触しては壮大な爆発を起こす!
「ぬぅぅ…何なのだ、何の呪詛が現れたのだ……」
 爆発の余韻で足場にヒビが!飛び退く段三郎!
「まだまだ、行くぞ!」
 黒きうつろぎの爆発刃が徐々に段三郎を苦しめていく……。

「命運尽きたようだな…どうだ?改めて私の配下とならんか?」
 ウつろぎヌスをかざしてウルカヌスが迫る。
「嫌じゃ。それにまだ奥の手がある。戦いはこれからよ。」
「ならば出してみるが良い!」
 ウルカヌスのうつろぎの刃が、迫る―!
 そこで段三郎は刀をしまい、新たな刀剣を取り出し…抜いた!
「号 『閂兵衛』…抜刀」
 そこから放たれる剣閃。
 それは刃を交わす為のものではなかった。
「…む?」
(狙うは『うつろぎ』。この刀は甲を通り抜け、中身だけを切り裂く刃―)
 閂兵衛から放たれた斬撃波!
 それはうつろぎの刃を通り抜け、ウつろぎヌスの剣中の…『うつろぎ』だけを切り裂いた!
「う!?つろろぎぎきつろぎつろぎうつろぎぎぎぎぎぃぃー!?」
「何ぃぃぃ!?ぐあああああ!!」
 直後、爆発!
 うつろぎによる捨て身の自爆が反応して、巨大剣は大爆発を起こし爆ぜたのだ!

「お、おのれ…中だけを切る剣…だと…!」
 鎧の無い手だけが火傷したウルカヌスを前にして、今度は段三郎が剣を突き立てる。
「これこそが技術。単純な神の力では真似できぬわしの鍛造の力よ。…もっと力が欲しゅうてな。そろそろその鎧、明け渡せい」
「ほざいているがいい!」
 ウルカヌスは実力行使に溶岩を渡って突撃する!
 だが…見よ!
 段三郎の周りの溶岩!
 そこから無数の…「うつろぎ」の文字をした漆黒の炎が立ち上がっている光景を!
「うつ……ろぎ……」
 どこか素敵な笑顔をしている様に見える。
「うつろぎ…あいるびーばっく…」
 あと「う」の部分がなんか親指を突き立てているように見える。
「そ…その『うつろぎ』は…!」
「どうやら次はわしの手番のようじゃ。号 『化生炉』―抜刀。」
 漆黒の炎をその刀に集める。
 即座に段三郎は鍛造し、漆黒の炎を刀へと変質させる。
「うつろぎ」と彫刻された、漆黒の刀に。
「号『虚偽』…本当はこいつを作りに来たのではないが、抜刀。」

「面白い!その様な刀で―!」
 ウルカヌスは肩の装甲を赤熱させ、獅子のデザインが彫られた剣を造り出す!
 創双剣オルカヌスだ!
「今度はこちらの剣で勝負せよ!異界の鍛造者よ!」
「臨む所よ。…征くぞ」

 段三郎の刀が、獅子の双剣に…!

 すぽり、と。

「え」
「は?」

 刀身が…抜けた。
 その刀身は双剣をすり抜けてウルカヌスの胸に当たると、刺さることなくべちゃりとウルカヌスに貼り付いた!
「な、何いいぃ!?何だこれは!どういうことなのだ!」
「こっちが聞きたいんじゃが?」
 このうつろぎ(f01139)、炎となっていても大元の素材はブラックタール。
 そう。侵食する液体なのだ。

「うつろぎうつろぎうつろぎうつろぎうつろぎうつろぎうつろぎうつろぎうつろぎうつろぎうつろぎうつろぎうつろぎうつろぎうつろぎうつろぎうつろぎうつろぎうつろぎうつろぎうつろぎうつろぎ」
「な、何だ…何が起こって…ぬあえああ!!」
 無数の「うつろぎ」という文字がウルカヌスの全身を覆う!
「うつろうつろうつろぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎ…………」

 う つ ろ ぎ

「ぐあああああーーーっっ!!」
 ウルカヌスの全身がうつろぎに包まれて大爆発を起こした!!!

 爆ぜる!神鋼の鎧!
 爆ぜる!神の肉片!

「む、きおったか。…途中おかしな事もあったが…直ぐに鍛刀するとしよう。」
 段三郎は刀から炎を放つと、溶鉱炉の液体と化してウルカヌスの肉や鎧を包み込み、己が刀の材料へと変換していく。

「その鋼は星を断つ刃とか言うてたな…こやつは死体から炎を手にしたとある。ならばこの肉でも神の炎が…」
 我を忘れ、一時戦闘を止めて鍛刀に夢中になる段三郎。

 その付近では、爆発の衝撃で溶岩の中に倒れるウルカヌスの姿があった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

シャルロット・シフファート
SPD判定
「先程の傷も完全に癒えたし…鬱憤を晴らさせてもらうわ!!」
と、迫り来る超高熱の溶岩を電脳魔術で召喚したグレムリンの炉心を介して【メカニック】と【属性攻撃】、【全力魔法】で熱略奪術型エネルギー変換術式で防御し、攻撃の全て熱とエネルギーに吸収できないだろうから【第六感】でそのエネルギーを空間転移魔術のエネルギーに最適なタイミングで変換し、安全地帯に転移するわ。

そしてUC起動。先程の熱略奪術式を核とした熱吸収型氷炎魔道砲でこの戦場にある莫大な熱を奪い周囲を凍てつかせてウルカヌスを凍結させ、そのまま奪った莫大な熱量を叩き込むわ。


火土金水・明
「さて、ウルカヌスとの戦闘ですか。こちらも全力で迎え撃ちましょう。」
相手の先制攻撃に対しては、【見切り】【野生の勘】【第六感】の技能を駆使して回避を試みます。
【WIZ】で攻撃です。
攻撃は、【高速詠唱】し【破魔】と【継続ダメージ】と【鎧無視攻撃】を付け【フェイント】を絡めた【全力魔法】の【新・ウィザード・ミサイル】で、『鋼神ウルカヌス』を【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【残像】【オーラ防御】【火炎耐性】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「少しでも、ダメージを与えて次の方に。」
アドリブや他の方との絡み等は、お任せします。



●復活、激昂、ウルカヌス
「うぬぅ、まだだ!まだ終わらぬ…!」
 ウルカヌスは溶岩の中から起き上がる。
「無様な恰好になりましたわね。もう諦めては如何かしら?」
 溶岩の工場に浮かぶ固まった岩の道を優雅に音を立て歩き、対峙する。
 金髪の美女、シャルロット(f23708)だ。
「…ふ、お互い様ではないか。なんだその崩れた服は」
「今しがた貴方の配下に…なんでも無いわ。そちらこそ、自慢の鎧が壊れてるわよ?」
 ウルカヌスは今や股と胸しか鎧が覆っていない、ほぼ破壊された状態だった。
「…くくく、なに。私の心配をされても困るよ。何故なら―」
 足元の溶岩が粘りを上げてウルカヌスを中心に引き上がると、ウルカヌスを覆った溶岩が冷え固まり、また神の鎧を作り上げなおしていく!
「この火山は私そのもの。我は炎と鋼の神。この火山、地球の核がある限り私は無敵で在り続けよう!」
「無敵なのは地球であって―」
 そこに現れたのは黒き髪の魔女。火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)。
「あなたではありませんよね。…それを纏うあなたさえ止めればこの戦いは終わりになるでしょう。」
「…それができるとでも?」
「勿論」
 明はふふりと微笑んで、七色の杖をかざして戦闘状態を構えた。

「ならばやってみるが良い!行くぞ!」
「覚悟は宜しい様ですわね。では―」
「こちらも全力で迎え撃ちましょう。」


●決戦、激戦、ウルカヌス
「今こそ奥の手を起動せん。未完成ながら全てを起動する!かかれぃ!『鋼神兵団!』」
 シャルロットと明の背後、足元の溶岩、側面、ウルカヌスの背後の火山…。
 戦場の至る所から燃え上がる巨大な鎧の兵団が現れる!
 それらは黒き鋼を核としてウルカヌスの力により超高熱の炎を纏い、
 意思を持たずに、ぎこちない足取りで二人を見つめ、溶岩を弾かせながら歩み寄ってくる。
「あら雑兵。まだまだ未完成の物を無理矢理動かすなんて本当に後が無いのね。…鬱憤を晴らさせてもらうわ!!」

 シャルロットの周りに電子的な粒子が舞う。
 現実空間に精霊術を重ねたハッキングをかけ、様々な奇跡を起こす電脳精霊術だ。

「電脳魔術・【グレムリンの炉心】」
 無の空間から大砲を搭載した電子の装甲車が現れる。
「さあ吸い取ってやりなさいグレムリン!」
「何…!」
 電子装甲車が電子的なバリアを放つと、巨人達からの迫りくる熱波、吹き荒れる溶岩、放たれる原初の炎すらも吸収していく。
「これは…否、ただ無効化しているだけではないな」
「おほほ気づいたかしら。今グレムリンに課せられているのは【熱略奪術型エネルギー変換術式】。アンタの熱は全て奪わせて頂いているわ」
 見ると電子的な魔法だけではない。氷的な魔術の冷気の層がバリアの先から更にバリアを張って原初の熱を消している。だが……。
 徐々にそれも押されてきている。何しろ相手は全てを焼き尽くす炎。
「くっ、前の二人もそうだったけど、流石にきついわね。何処かに逃げ場を……」
 その炎が遂にグレムリンをも焼き尽くそうとした時。
「では、上に逃げましょう。」
「きゃっ!?」
「失礼しますね」
 明が突如シャルロットを抱きかかえると魔法の箒に乗せ、飛ぶ。
「すみませんグレムリンはちょっと重く―」
「心配しなくても良いわ。転送するから。あれはあとで使う大事な切り札なのよ。」
 炎に飲まれる瞬間、電子装甲車は電子の中に姿を消し、飛んだ地面からは何もかもが無くなった。
「ちょこまかと!やれい神鋼兵!ロケットパンチだ!」
 すると原初の炎を纏った鋼の巨兵はガシンガシンと変形し、燃え盛る炎を纏う巨大な拳となり、飛んだ。

「アンタ達がロケットパンチになるんですの!?」
 驚くのもつかの間、炎と質量の暴力の塊が無数にドーム内の空を飛ぶ。
「掴まっててください。少々荒れますよ」
 明が空を飛ぶ。シャルロットを乗せて。
 飛び掛かる炎の巨椀が迫る。
 それを空中でひらりひらりと躱していく。
「自壊も構わん、やれ!」
 ウルカヌスが号令を掲げると、巨椀が全方位から飛んでくる!
「ふふ、何処を見ているのでしょうか?」 
 轟音と共に大爆発が起こる!全てを潰し焼き尽くす轟音が!
 だがそれは明達の作った魔法の…残像!
 本命の二人は真っ直ぐウルカヌスの元へと飛んでいる!

「来るか…猟兵共!」
「来ますわよ。ポンコツ鋼神!」
 飛び掛かる猟兵達。先制をするのは明だ。
「破魔の理よ、蝕の理よ、その魔を神鋼貫く鋭き刃に変えて…」
 その周囲に虹色の光が輝くと。
「全ての属性を収束して、今、放つ!【ウィザード・ミサイル】!」
 無数の光の束がウルカヌスを貫く!
「全ての属性と言うたか…面白い」
 ウルカヌスは手を掲げてそれを全て…受けた!
「避けも守りもしないとは、余程受けたいようですね。」
 そのままウルカヌスの周囲を飛び回りながら魔の弾幕を放つ、放つ!

「…その程度か」
「!」
 しかしウルカヌスには余り効いていない。…これは!
「搾るべきだったな!魔女の猟兵よ!水や氷、毒や闇は効くかもしれん!だが…」
 急造の鎧を貫き、肉をえぐり裂いたようなウルカヌスの傷口が溶岩で覆われると、瞬く間にふさがれる。
「私はそれ以外の効かぬ属性を吸収した。即ち炎、土、雷、光である。」
 全ての属性を放つという事は、全ての属性に効く反面、全ての属性に効かないものも与えてしまうのだ。
「今度はこちらから行くぞ!」
「でもアンタの剣はもう爆破されてるわ。これ以上―」
「我が剣はこうして作るのだ!」
 ウルカヌスが手刀を構える!そのチョップ手はオレンジに輝く超高熱の液体金属となって、溶岩よりも熱い超高熱のブレード腕となる!
「ちぇええぇい!」
 ウルカヌスが高熱の手刀を振り回す!
「掴まっててください!」
「ウィザード・ミサイルは!」
「何とか属性を絞っていきます。もしくは効かない属性を逸らして…」
 明は空を飛び、虫の如くウルカヌスの、炎の跡を残す斬撃を躱し。
 その上でウィザード・ミサイルを放ち続ける。
「むうっ…!」
 全ての属性を放たなければいけない以上はきかない属性の光まで飛ぶ。が、それをフェイントとし、ウルカヌスとは別方向に飛ばす。
 有効な属性がウルカヌスの鎧を貫いて被弾していく。
 ……だがウルカヌスは突如としてにやりと笑みを浮かべた!
「良き属性、感謝する。兵団も喜んでいるぞ…!」
「!?しまった」
 逸れて飛んだウィザード・ミサイルは付近の溶岩、即ち原初の炎が飲み込んだ!
 飲み込んだウィザード・ミサイルの力が原初の炎の勢いを増し、更に強力な炎の神鋼兵団を作り出していく。
「援護しろ!我が兵団!」
 全方位からウルカヌスの兵団が炎と鋼のミサイルを放っていく…!

「くっ、無茶苦茶だわこんなの…!」
「切り札というのはまだでしょうか!」
「まだよ!相手のいい感じの攻撃が飛んで来たら!」
 ウィザード・ミサイルを放ちながら弾幕を避け続ける明。
 だがその帽子、箒、服に徐々にかすりはじめ、焼けようとしていく。

「さて先程は戦車のようなもので私を押しとどめていたな」
 耐え切れず戦場の上空に飛び上がった二人!
 それを待っていたと言わんばかりにウルカヌスは両手を合体させ、巨大な大砲を高熱金属で練り上げ造る…!
「大砲には大砲。…これでとどめよ!」
 超高熱の溶岩砲が、避けられぬ位置に明達をロックオンした。

「―ええ。読まれていた事は心外だけど、私もそれを待っていましてよ」
 シャルロットは突如箒から飛び降り、電子魔法を展開。
 先程のグレムリンの、大砲部分だけを召喚する!
 狙いはウルカヌスの、その大砲の砲口そのもの!
 神と猟兵、2人の大砲に無限ともいうべきエネルギーが充填され。

『暴虐の終焉は告死と鏖殺を宣する人の造りし神滅の剣にして弾丸。それは神界を砕く夕闇に染まる聖光に満ち―』
『そこに新たな秩序を有むは我が功績。原初の炎に飲まれるが良い!』
『お断りよ!精霊炉心改造兵器、私はその力に名を与えん!銀悠を奏するは臨界の聖剣にして魔弾なり―』

     【 鋼 炎 神 砲 ! 】

 【 コレダー!イグナイターーーーっ!! 】

 二人の放つ超エネルギーがせめぎ合う!!
 しかし情勢は徐々にシャルロットのエネルギー光が押していく。
「な、何故だ!?私の炎が…全てを焼く炎が…!」
「原初の力をも内包する精霊改造兵器の名は伊達ではなくってよ。今回アンタに用意したのは『熱吸収型氷炎魔道砲』。この戦場にある莫大なすべての熱を…反転吸収するのよ!」
「ぬ、おおおおおおお!!?」
 シャルロットのエネルギー光が青白く染まり、ウルカヌスの高熱を絶対零度よりも冷たき力へと変換していく!
「明といいましたか!少し私の傍においでませ!…凍るわよ!」
「了解しました。…炎が…凍っていく…」
 明が箒を寄せてシャルロットの背後に。
 エネルギーは遂にウルカヌスの赤熱大砲を包み込み、一瞬でパキィと冷気を震わせながら凍らせていく。
 放つウルカヌスも
 周りの溶岩さえも
 神鋼兵団さえも
 あっという間に絶対零度の虜となって、全ての熱を消し去ってしまう…!
「な…なぜ…だ…」
 ウルカヌスは動かぬ口で精一杯の声を絞る。
「私の…炎が…こんな…不可能な…事…」
「不可能?そんなものは存在しませんわ。先の二人にはヘマをとりましたけども。」
 凍てついたウルカヌスの頭上にすとんと舞い降り、くるりとポーズを決め、少女は高らかに勝ち誇る。

「不可能さえも可能にする。原初の荘厳にて不条理を砕く、電脳と精霊を司るアリス。…それが私。シャルロット・シフファートよ。」
 ―骸の海に還るついでに覚えておいでなさいな
 今を行く、未来を進む猟兵は、アンタの不条理も…。

「打ち砕く」
「のですわ!」
 宙に飛び、翻ったアリスの、吸い込んだ熱を吐き出すグレムリンの熱線。
 同じく飛んだ明が放つ、渾身のウィザード・ミサイル。
 吐き出された全属性の籠る虹色の光の奔流が……。

「(う…お、おぉ……おおおおおおおおおぉぉぉ………!!!)」

 絶対零度に凍てついたウルカヌスと戦場を包み、木っ端微塵に破砕した。


●決着、消滅。ウルカヌス、アトランティスと共に。
 ウルカヌスの消滅と同時に、工場が爆発した。
 炎と鋼の神であるウルカヌスの炉心そのものを自らの工房と直結させていたらしく、それまでにあったものが、全てヒビ割れ、爆発し、破砕されていく。
 同時に…遂にこの場を覆うアトランティスの透明なドームにヒビが入り、破砕していく。
 大丈夫だ。このドームはアトランティスの一部でしかない。工場によって支配されていた区画が、崩れ、海の藻屑となって消える。
 猟兵達はその直前に光に包まれ、グリモアベースへと戻っていく。

 これでかの神が本当に滅んだかは分からない。
 だが猟兵いる限り、彼はまた幾度と復活しようと、倒される定めにあるだろう。
 今は熱波のこもりし海底火山が、一つ瓦礫に埋もれて冷え。
 そこに野望も過去の骸も、全て消え去り無と介し。

 穏やかな海底の様相が、ヒーローズアースに戻ってきたのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2020年06月20日


挿絵イラスト