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夜明けのアリス(作者 ありす
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 茨の森の眠り姫を護るもの。
 それはきっと大きなお城の大きなベッド。
 それはきっとお城を護る守護者たち。
 それはきっとお城を囲む森の木々。

 少年……アリスは駆ける。この先に、きっと、今度こそ、僕の扉があるはずと。理由?それはわからない。でも、本能が、この体が、魂が、この先だって言っているんだ。
 でも、どうしてだろう。この森はちっとも終わらない。さっきは右が行き止まり。それなら、左にいけば……行き止まり。戻ってみたら、行き止まりが消えて……。
 わからない。どうして、この先にあるのに。どうして、僕は迷子の迷子なの?

 季節は冬へ。年は新しい。新年のお祝いが、まだまだ盛んに行われている頃。
「みんなはどんな、新しい1年を願ったのかな。」
 明けましておめでとうございます。そう挨拶をしたグリモア猟兵のフルール・ラファラン(森に住まう人・f00467)は、その表情を真面目の色に変える。
「お正月休みのところごめんね。でも、ルーからみんなにお願いがあったの。“けいきづけ”にぱーっとやってきて欲しいのよ。」

 その世界の名前は『アリスラビリンス』。
 人肉喰らうオウガの支配する不思議の国が、迷路のように繋がって出来た不思議の国。そこに召喚された人々はアリスと呼ばれているそうだ。

「アリスの男の子がね、一生懸命自分の元いた世界に戻ろうと、自分の扉を探して旅をしているのだけど……。」
 踏み込んだ森は、ただの森ではなかった。それは歪んで生きる迷路の森。普通の迷路なら、いつかは“出口”へと辿りつく。普通なら。
「その森は、オウガの森。あ、えっと、森にオウガがいるんじゃなくて、森自体がオウガってことなの。」
 フルールはわたわたと、誤解を解くように説明する。
 森の木々一つ一つがオウガで、足を踏み入れたアリスが、一生出られないように道を塞いだり、繋げたり、はたまた木がアリスを攻撃するそうだ。
「この森の木々は、獲物……アリスが死ぬことでしか迷路は消えない。あとは……。」
 “みんなが、この森の木々オウガを倒すこと”。
「アリスもユーベルコードは使えるけど、皆と比べたら本当に小さいから、なんとか皆でアリスを導いて欲しいの。新年に光あれ、って!よろしくお願いします。」

 アリスの行く道に光あれ。その光が猟兵のもたらす希望であれ、と。





第3章 ボス戦 『いばら姫』

POW ●死体の森の眠れる美女
戦場全体に、【UCを無力化し、侵入者を攻撃する茨】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
SPD ●千荊万棘フォレスト
【UCを無力化する広大な茨の森】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
WIZ ●カニバリズムローズ
【周囲の地形が広大な茨の森】に変形し、自身の【森に侵入した者の生き血(敵へのダメージ)】を代償に、自身の【森の、UCを無力化し、侵入者を攻撃する茨】を強化する。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はアララギ・イチイです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「やった……!?」
 アリスは影と共に脅威が去ったと、安堵の表情を顕わにする。そうして、既に日が傾く世界から出る為の一歩を踏み出す。
 と、進む先の前には茨の城。扉は固く閉ざされて……いや、内からゆっくりと開かれる。
「もう、だぁれ?うるさいなぁ……。」
 ふわぁ、と欠伸を小さな手で隠しながら現れたのはお姫様。茨に守られた城の主。
「私のお庭で大騒ぎ、とてもとてもうるさいなぁ。」
 ふわりと微笑み、手を差し出して。しゅるり、シュルリと延びる茨の棘は煌めいて。
「あ……おひめ、さま?」
 アリスの顔に戸惑いの色。落胆の色が溢れ出す。それは夜に怯える色にも似ていて。
「アリスも、煩くしている人も、みんなみんな……私の夢の糧になって?」

 だって、ここは、私のお庭で、私の寝床だから。
リゼ・フランメ
なんて我が儘な眠り姫もいたものね
城を閉ざし、道を塞ぎ、光ある盛りの先には行かせないのだと
此処は私の庭だから、全ては主が儘にあれと

「五月蠅いというけれど、ここでは歌うことすらは許されないのかしら?」

喜び、祈り、光求めるそれを
許さず、茨の棘で絡め取るばかりというのなら、それは悪夢の薔薇園

ならば、躊躇う必要はないわね

劫火剣「エリーゼ」に破魔の力を乗せ、火の属性攻撃
更に焼却を重ね、周囲の茨の迷宮を斬り裂きながら走り続けるわ
例え茨で迎撃されても、それを灼き斬れば、炎は伝わり、迷宮をいずれ焼き尽くす筈

ゆらりと、小さく
けれど確かな、先導の灯火としてこの剣を

もし瞬間でもUCが可能になれば、即座に自己付与として


 一歩。勇気をだして踏み出したアリス。彼はただただ、この先にあるだろう自分の為だけの“扉”を見つけたい。たったそれだけ。
 しかし……。
「ダメよ?私のお庭で大騒ぎしたのだから、此処で“終わり”なの。」
 ふわぁ、と欠伸を噛み殺しきれないいばら姫は、足元に茨を幾重にも這わせる。
「なんて我が儘な眠り姫もいたものね。」
 呆れたように、フゥと息を吐くのはリゼ・フランメ(断罪の焔蝶・f27058)。くるり劫火剣“エリーゼ”を煌めかせ、軌跡を描いた白い炎の剣を構える。
 城を閉ざし、道を塞ぎ、光ある盛りの先には行かせないのだと。何故なら此処は、この茨の森と城は私の庭だから。
「だって、私が主だから、私が決めるのよ。」
 茨に抱かれて、ふわり微睡み呟くいばら姫。
「五月蠅いというけれど、ここでは歌うことすら許されないのかしら?」
「子守歌なら聞いてあげなくないよ?」
 茨に咲く花がケタケタ笑う。ケタケタケタケタ不気味に笑う。喜び、祈り、光求めるそれは許さずに。茨の棘で絡めとり、むしゃむしゃ食べる茨の姫。

(ああ、これは……悪夢の薔薇園。)

 リゼは一度瞳を伏せて、それからスッとアリスの前に出る。
「ならば……躊躇う必要はないわね。」
 剣を構えて、一振り。周囲に蔓延りだした茨を二つに分割。その傷口から、炎が生まれ、茨を燃やす。最初はゆらり小さく。それは、小さく、けれど確かな先導の灯火となって。
 茨も唯燃やされるばかりではなく、その灯火を茨の花が喰らいつくす。食って喰って喰い漁り。
 されど、リゼも一振り二振りと手ごたえのある茨を切り伏せる。棘が刺さっても、花に噛み千切られても止まらない。
 迎撃をされるのは知っていた事。それでよいのだ。ユーベルコードが上手く作用せず、普段より弱くても。手を止めることなく、徐々に焦らず炎の魔力を上乗せして。
 炎が伝わり、いずれ迷宮を焼き尽くす筈と信じて。
 この小さな灯火が、アリスの行く道を照らしていけるように……。
成功 🔵🔵🔴

紬雁・紅葉
まぁまぁ♪
もう夜明けですよ?

羅刹紋を顕わに戦笑み
十握刃を顕現

残像忍び足で正面からゆるゆると接敵
射程に入り次第破魔火風属性衝撃波を以て回数に任せ範囲を薙ぎ払う
地形を利用し点いている火を煽り火勢を上げる

敵の攻撃は躱せるかを見切り
躱せるなら残像などで躱し
そうでなければ破魔衝撃波オーラ防御武器受け等で受ける
いずれもカウンター破魔火風属性衝撃波を以て範囲を薙ぎ払う

窮地の仲間は積極的にかばい援護射撃

ぅふふ♪
ユーベルコードは変革の力…そんなに変化が嫌い?
でももう無理
猟兵は過去を猟する者
陽は沈み、また日は昇る

我等夜明けなる者
墨染に幕を引く鬼

微睡より
去り罷りませ

※アドリブ、緊急連携、とっさの絡み、大歓迎です※


メルステラ・セレスティアラ
絶望するにはまだ早いわ、アリス
最後まで希望を持ち続けて
貴方にはきっと明るい未来が待っているから

いばらのお姫さま、煩くしてごめんなさい
けれどアリスを無事に返すためには必要なこと
その為に私は此処に来たのだから
貴方を骸の海へと還してアリスの未来を守るのよ

あの茨がUCを無力化させるのね……!
それならば【全力魔法】で風の魔法を自身とアリスの周囲に展開しましょう
【多重詠唱】で効果を更に広げるわ
茨が私達を傷付けることがないように、茨を切り裂いていくわ

UCが使えるタイミングで氷の竜巻を放ちましょう
UCを無力化させる茨を全て凍結させて無効化するわ
いばらのお姫さまには【全力魔法】の風の魔法を続けて放ちましょう


 羅刹紋“ムラクモ”をゆらり浮かび上がらせて、紬雁・紅葉(剣樹の貴女・f03588)はふわり微笑む。それは恍惚にも似た戦笑み。
「まぁまぁ♪もう夜明けですよ?」
「まだ夜よ?私はまだまだ眠たいのだから。」
 欠伸を一つ二つ数えていばら姫は、ゆるりと手を動かして、侵入者である猟兵を喰らおうとする茨の迷路を更に広げる。空気を裂く音を発しつつ、それが狙う対象に例外はない。
「いばらのお姫さま、煩くしてごめんなさい。」
 全力魔法で張ったシールドで、アリスを守護するメルステラ・セレスティアラ(夢結星・f28228)。
「けれどアリスを無事に返すためには必要なこと。その為に、私は此処に来たのだから。」
 呆然と立ち尽くすアリスの傍に寄り添い、メルステラは手を添えて、更に言葉を添える。
「絶望するにはまだ早いわ、アリス。最後まで希望を持ち続けて。だって……。」
 貴方にはきっと明るい未来が待っているから。淡いピンク色の瞳を細めて微笑み。
「明るい未来……。」
 アリスは口の中でメルステラの言葉を復唱し、かみ砕き、ゆっくりと飲み込めば、ぼんやりと胸が暖かくなるのを感じる。

 天羽々斬・十握刃を顕現させた紅葉は笑みを絶やさない。こんなに楽しいことはないのだ、とでも言いたげに、幾重にも這う茨を迎え撃つ。
 するりと足音を立てずに、ゆらりゆるゆると、静かにふわりと音を刻むように茨をいなし、向かってくる茨を火の属性を載せた衝撃波を幾重にも重ね打つ。
「ぅふふ♪ユーベルコードは変革の力……そんなに変化が嫌い?」
 いばら姫は指揮をするように、舞踏を披露するように、茨を操り答える。
「夢のように、変化もなく、微睡むことがとても心地良いのが、なんでわからないかなぁ。」
 衝撃波と薙ぎ払いで延焼を広げ勢いを増す炎を喰らい、変化を否定する迷路が崩れだすことに焦りを感じるいばら姫。

「あの茨がユーベルコードを無力化させるのね……!ならっ!」
 風の魔法で襲い来る茨を切り裂き、防御に徹していたメルステラ。いばら姫が紅葉の動きに気を取られているのを察し、動く。
 一つそれは世界を渡る風への祈り。二つそれは心をも凍らせる氷への願い。素早く、しかし、確実に詠唱を重ねる。
「……いって!!」
 メルステラの解き放ったのは氷の竜巻。いばら姫の攻撃が自分に向いていない隙の攻撃は、ユーベルコードの無力化の範囲にいても効果が薄いようで。
 ザクザクと音を立てて茨を切り裂き、その傷口は氷の凍てつきで固まり。
「!?」
 思わぬ方向からの攻撃に、いばら姫は驚き言葉を失う。しかし、それから、俯いてわなわなと震える。
「どうして……どうして、私の眠りを邪魔するの?」
「それは、猟兵は過去を猟する者だからなの。」
 ぐんっと、怒りに震えるいばら姫に近づいた紅葉が言う。我らは夜明けなる者。紅葉は黒染に幕を引く鬼となり、茨の防御の中で微睡む姫の頬に傷をつける。
「微睡より、去り罷りませ。」
 夜明けの時間に立っているのは、どちらだろうか……。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴