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†暗黒麻雀大会†

#キマイラフューチャー

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#キマイラフューチャー


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●暗黒麻雀大会、開催!
「悪夢よ!まさに悪夢!これが悪夢でなくてなんなのよ!」
 憤りを露わに御巫・夢羽(成れの果て・f10025)はグリモアベースにやってきた。無論、予知夢を見たので事件解決の依頼に来たわけだが、如何せん機嫌がすこぶる悪い。
「あぁ、二重の意味で頭が痛い!とにかく聞いて!キマイラフューチャーで頭の悪い事件が起きるから早々に解決をお願いしたいわ!」

 曰く、キマイラフューチャーの都心部。その地下深くには一般人が知らないような大きな闘技場があるそうだ。そこで近々、暗黒麻雀大会なるものが開かれるらしい。

 暗黒麻雀武道大会……それは世界中から集まった麻雀戦士~雀士~達が天下無双の座を賭けて血で血を洗う戦いを繰り広げる裏の世界の大会(第一回目開催)……その様子は世界に放映され、ネット中継も入るため、世界でも有数の資産家がスポンサーを務めるらしい。観客席では莫大な額の賭博も行われており、総合すればこのキマイラフューチャーにある金の数割がこの場に集まっている。
 純粋な麻雀の力だけで勝つ……本来であればそうなるがこれは裏社会の麻雀大会。イカサマは当然のように、されど誰にも気づかれずに行われる裏社会の麻雀がそのまま大会となっている。それどころか物理的な妨害行為や場外乱闘で雀士をKOして不戦勝を勝ち取ることも許容される、まさになんでもありの大会らしい。そして優勝者には最強の雀士としての名誉と莫大な賞金が与えられるとのことだ。

 その裏社会の大舞台に、あろうことかオブリビオンが現れるとのことなのだ。雀士達はオブリビオンの持つ圧倒的な雀力の前に為す術なく倒され、観客達は湧き上がり、オブリビオンは富と名声を得ることに成功する……それを阻止するのが今回の依頼というわけだ。
 ちなみに会場に襲撃してくるオブリビオンは大量の部下を引き連れて来る様子。彼らは雀力の高い者を敵視して襲いかかってくる傾向があるため、猟兵が持つ生命の埒外にある雀力を引き出せばターゲットはこちらに向く。猟兵達が大会会場にいるだけで、雀士や観客の安全は確保出来ることだろう。
「……言ってて目眩がしてきたわ、何よこれ!?麻雀戦士って何よ!暗黒とか裏とか言ってる癖に世界に映像流してるのおかしいでしょう!そもそも予知の中とはいえオブリビオンが名声を得るってどうなってるの!?意味がわからないわよ!」

 ぜぇぜぇと息を切らす御巫は、怒り散らして幾分か落ち着いてきたらしく、最後に皆に謝罪しながら話を終えた。
「取り乱したわ、ごめんなさい……とにかく、皆さんにはこのくだらない悪夢を見せてくれたオブリビオンを徹底的に討伐して欲しいの……麻雀大会?あぁ……そっちも二度と企画出来ないくらいめちゃくちゃにして来て構わないわ、オブリビオンを倒したら好きにしてきてね……」

 ……ということで、オブリビオンを無事討伐出来たら麻雀大会に参加して楽しむなり、優勝をもぎ取るなりしてきて良いらしい。元よりなんでもありの大会だ、急遽参加者が増えるくらいなんてことはないだろう。むしろ盛り上がるので歓迎される気さえする。
 くらくらしながら、猟兵達の参加申し出を切に願う御巫であった。


ミカナギ
 お疲れ様です、ミカナギです。二本目となるシナリオは完全にネタに振り切ったものとなりました。おやおや?こんなはずではなかったのですが?
 猟兵の皆様には、私が二度とネタに走りたくなくなるようなプレイングを期待しております。出してしまったからにはなんでもばっちこーい。

 1章は集団戦、2章はボス戦です。徹底的に倒してください。純粋に戦闘力で倒しても、雀力(意味深)で倒しても、別の何かで倒して頂いても構いません。プレイングの方針次第ではちゃんとカッコいい描写もしたいと思っています。
 3章は麻雀大会です、生命の埒外にある猟兵の圧倒的雀力で麻雀に興じるなり、周りの怪しい資産家と賭け事に興じるなり、好きにやって頂いて構いません。もし麻雀に参加する方が多い場合は麻雀で対戦してもらうことになるかも。その際はちゃんとダイスを基準にプレイングボーナスを付与して勝敗を決定したり、場合によっては優勝者を決めたりしたいと思います。知り合い同士での参加も歓迎です。

 どうなるか自分自身でも不安ですが、皆様のご参加をお待ちしております。
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第1章 集団戦 『雀牌戦闘員』

POW   :    国士無双
予め【異なる顔の戦闘員が14人揃う】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD   :    三元牌
【3人同時攻撃】による素早い一撃を放つ。また、【鳴く】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ   :    立直
【相手の行動を読み、作戦通りの攻撃】が命中した対象に対し、高威力高命中の【狙いすました一発】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●その数、136体。
 草木も眠る丑三つ時……キマイラフューチャー都心部は至って賑やかであった。ここで怪談話をする時は別の出だしを考えるべきだろう。
 喧騒が届かない地下深く……そこにある闘技場のような場所は、異様な熱気に包まれていた。

 そこに広がっているのはコロッセオを思い出させるような広い空間、とても地下とは思えないほど広い会場の観客席には沢山の見物客がワイワイと騒いでいる。あの選手は運が良さそうだとか、あの選手に云千万の金をつぎ込んでいるだの、まるで違法賭博を思わせるかのような会話がそこでは飛び交っている。無論、それに相応する額もまるで子供が紙飛行機を飛ばすかのような感覚で飛び交っている。
 ……まぁ、キマイラフューチャーで行きていくためにお金とか必要ないので、正直、世界中の何割のお金が飛び交っていようと別に大したことはない。要は金持ち的な振る舞いをするのが楽しいのだろう。
 そしてそんな観客らが囲む中央、何台もの麻雀卓が並ぶ対戦エリアではこれから戦おうという雀士達がウォーミングアップを始めていた。エアツモ切りをする者、口笛を吹きながらこそこそと牌に予め傷をつけている者、漫画を読んで能力に目覚めようとする者まで様々だ。

 ――時間がやってきた。まさにこれから、暗黒麻雀大会が始まろうとしていた、その時!

 ぴんぽんぱんぽーん。

「……あ、これでいい?もう通じてる?あーあー、マイクテスマイクテス。……声届いてる?音量オーケー?はい、じゃあ……ン゛ンッ――クックック……愚かなるキマイラフューチャーの雀士共よ……その程度の雀力で麻雀の王者を名乗ろうとは片腹痛いわ……ッ!!」

 突如、アナウンスが鳴り響いた。最初は業務用連絡かと思っていた会場の誰もが、後半の不穏な台詞でギョッとする。

「今よりこの暗黒麻雀大会には我らオブリビオンも参加させて貰う!貴様ら雀士に圧倒的屈辱、圧倒的絶望、そして、圧倒的な敗北を与え、我が真の暗黒麻雀王となるのだァッ!だが貴様ら程度、我が出るまでもない!いでよ、我が下僕達よ!この雀士共を蹴散らしてしまえ!」

 オブリビオンを名乗るアナウンスに応じて会場の各箇所から、頭部が雀牌の形をした戦闘員達が次々と現れる。そして戦闘員らしくイー!だの、キー!だの叫んでいる。この演出のためだけに予め隠れていたというのだろうか、なんて律儀なんだろう。
 そして雀牌戦闘員達は会場の観客には目もくれず、中央の対戦エリアに続々と降り立った。そう、彼らの目的はあくまで大会の優勝なのだ!

 雀牌戦闘員は総勢136体、それは麻雀の試合に使われる牌の数と同じだ。戦闘員に取り囲まれた雀士の数はおよそ3、40人。これでは多勢に無勢、もはや麻雀においても乱闘においても勝ち目はなかった。雀士達が絶望を表情に浮かべる一方、観客達は「盛り上がってきた!」だとか「俺はあの東に賭けるぜ!」だとか、まるで他人事のように楽しんでいる。

 しかし、その絶望は長くは続かなかった。
 戦闘員が一斉にバッ!と対戦エリア入場口に顔を向ける。彼らは強い雀力に反応する習性を持っており、この場にいる雀士達よりも強い雀力を感じ取ったのだ。それは、桁外れの……そう、生命の埒外にある圧倒的な雀力!戦闘員達は誰もが冷や汗を流すほどの強烈な雀力を放ちながら、彼らは来た!

 真の麻雀戦士達の、猟兵達の入場である!
幻武・極
へえ、暗黒麻雀大会とはほっとけないことをしてるね。
ボクも混ぜてよ。

戦闘員が次々と集まって来ているね。
しかも、2~8の戦闘員はあの陣形に入らないということは狙いはあれだね。
トリニティ・エンハンスで攻撃力を強化して相手の陣形に必要な么九牌の一種を4体倒し槓してしまうよ。
さあ、どうでるかな?



「へえ、暗黒麻雀大会とはほっとけないことをしてるね。ボクも混ぜてよ?」

 堂々とした振る舞いで最初に会場に入ってきたのは幻武・極(最高の武術?を追い求める羅刹・f00331)、その人だ。肩をぐるぐると回し、既に臨戦態勢だ。突然のヒーローの登場に会場は湧き上がる。

「まさかこんなところにまで猟兵が!?」
 戦闘員達はあまりの驚きに普通に喋りだす、先程の鳴き声は完全に雰囲気作りだったようだ。
「だが、邪魔はさせんぞ猟兵ども!一気にカタをつけてやる!!」
 掛け声と共に、戦いの火蓋が切って落とされた。戦闘員が陣形を組み始める、それは熟練された雀士の手牌作りのようにスピーディーだ。

 しかし幻武は么九牌ばかりが集まるのを見て完全に戦闘員の思考を読み切った。あれは『国士無双』を狙っている……!それが一体どんな技になるかは知らないが、役満を彷彿とさせる並びを完成させるのは危険である可能性が高い!
「思い通りにやらせるわけないだろう?残念、それは『カン』させてもらうよ!」
 トリニティエンハンスを発動させ、四肢に炎を纏い、風が吹き抜けるよう軽やかに戦闘員の間を駆け抜ける。顔に『西』と描かれた戦闘員だけを的確に狙い、合計4人の戦闘員を地面に殴って叩きつける。

「「「「ギャァアアア!!!!」」」」
「し、西1号2号3号4号ぅおおおお!?」

「さぁ、どうでるかな?これで国士無双はもう出来ないはずだよ?」

「……ククク、小娘が!貴様は重要な点を見落としている!」
「何!?」
「国士無双、それは役満が故に一つ、通常ではありえない特殊な上がり方がローカルルールにて採用されている!そう、それは暗槓や大明槓に対する槍槓だ!貴様は槓を宣言した!それが例えどの槓であったにしろ、我々は国士無双で上がる事が出来るのだ!!」

「さぁ、西よ立ち上がれ!コレが我々の奥義『国士無双』だぁあああ!!」
「「「「……(ビクンビクン)」」」」

「……西の奴ら、伸びてるけど」
「……しまったあぁあああ!これは麻雀じゃなくてただの場外乱闘!気絶してたらこっちのメンツに加わるなんて無理だったぁああああ!!」

 うろたえる戦闘員達!それに躊躇なく蹴りを入れる幻武!
「これで終局だよ、ドンジャラからやり直しな!」
「ぐわああああああ!!」

 炎を伴う強烈な蹴りが戦闘員を貫通し、見事、国士無双の戦闘員を爆砕した!!

成功 🔵​🔵​🔴​

竹城・落葉
 暗黒麻雀武道大会か、どうも非合法に思われる。だが、我とて元武将。その大会に乱入し、勝利をつかみ取ってやろうではないか。だが、その前にオブリビオンを倒しておかないとな。冷酷な業務用の人格を明確に出す事で、雀力を高めておびき寄せよう。
 我は『剣刃一閃』で戦闘員を次々に切り伏せていくぞ。戦闘中は冷酷な雰囲気を醸し出し、無表情で戦おう。ただ、数が多いので、矢継ぎ早に捌いていくぞ。
 あと、我のマイブームはオブリビオンを食すことだ。この戦闘員は果たして美味しいのだろうか?切り伏せた後、その破片を口に放り込んで食べてみよう。味はマスター殿に一任するぞ。麻雀の碑は食べ物じゃないだと?それがどうした?



「国士勢がやられた!?援護に……ぬうっ!?」
 他の戦闘員が感じたのは圧倒的なる『雀力』――!それを発するのは竹城・落葉(一般的な剣客……の筈だった・f00809)、冷徹なる業務用人格を表に出し、戦闘員達を威嚇する。

 その殺気を雀力と勘違いした戦闘員達は恐れながらも、竹城に向かって攻撃を仕掛ける。
「奴が得物を手にする前に押し切るぞ!鳴いていけお前ら!」
 駆け出した雀牌戦闘員達は「チー!」や「ポン!」と叫ぶとその背後にいつの間にか2人の追加戦闘員を呼び寄せていた。それらは数字の連番であったり、同じ顔をした者であったり、まるで本当の麻雀の鳴きを彷彿とさせる。人数が増えているにもかかわらず、その速度は圧倒的に増している。

「自ら寄ってくるならば手間が省けるというものだ――」
 その速度に物怖じせず、無表情の鉄仮面を崩さぬまま竹城は戦闘員を迎え撃つ。超速の連打を繰り出した戦闘員の脇をゆらり、と陽炎のようにすり抜ける。その瞬間、戦闘員たちには何が起きたかわからなかった。

 キンッ。

 それは刀を鞘に収めた音。戦闘員の背後にて、竹城は刀を既に振り終えていた。剣刃一閃は戦闘員達の頭部を確かに捉え、すれ違いざまに両断していた。音を聞き終えてからではもう遅く、戦闘員の頭部はカラン、と乾いた音を立てて、身体より早く地面に落ちた。

 そんな戦闘員の頭部を鞘で更に砕き、拾い上げた竹城は、あろうことかその欠片を口に放り込む。ヒッ……!?というのは観客の声か、はたまた戦闘員の声か。ガリン、ゴリン、とそれを咀嚼する彼女は程なくしてそれを飲み込んだ。
「……まぁ、不味いな……だが、カルシウムは豊富そうだ。象牙か何かか、成程、存外良い素材を使っているらしい」

 感想を述べた竹城の周りにはもう戦闘員は居なかった。もう逃げ出したのだ。あんな猟奇的な姿、オブリビオンにとっても怖いに決まっていた!竹城はさらなる恐怖を与えに、戦闘員に詰め寄って行くのだった……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

小野・遠里
麻雀ですか。私も麻雀には一家言ありまして…。
純粋に麻雀でケリがつければいいのですが、そうも言ってられる状況ではありませんね。
わかりました…ここで斃れれば、ここで麻雀を打つ力量も天運もないということ。ならば全力で打(ぶ)ちましょう!

相手の攻撃に対してはしっかり防御を固め、こちらから仕掛けるは渾身の【巫覡載霊の舞】。そして桜吹雪も舞い乱れるような衝撃波を畳み掛けます!
「あなた方の技はそれぞれが単発重視が過ぎます。組み合わせも大事ですよ。…そう、この技で表現するなら……三色同刻三暗刻(『読み:ヤエザクラ』刻子は全て8絡みをイメージ)!!」

攻撃と防御のメリハリ…それは麻雀でも戦闘でも大事ですよ。



「オラオラァ!ポンだぁ!」
「くっ……!」

 小野・遠里(遠里小野の未申・f09680)は防戦を強いられていた。度重なる鳴きによる攻撃をなんとかいなすものの敵の数は多く、一方的な攻撃を許すこととなっていた。
「しかし、ここで斃れれば、ここで麻雀を打つ力量も天運もないということ……!」

 彼女もまた、雀士であった。戦闘員の攻撃は速い、だが、それだけのこと。一撃一撃の重さはそれほどではない。致命に至らないのであれば、問題なんて一つもない!
 落ち着いて攻撃を防ぐ彼女に反して、防御を崩せない戦闘員は苛立ちを隠せない。
「さっきから防御防御防御……!それで勝てると思っているのかァ!?麻雀はなぁ、点棒を奪わなきゃあ勝てねぇんだよぉ!!」

 そして時は満ちる。業を煮やした戦闘員は小野が防御を続けるであろうと読み、それを崩す大技を仕掛けてきた。立直――狙いすましたその一撃が、小野を襲う!だが、その瞬間こそが小野が待ちわびた『隙』……纏まって行動を仕掛けてきた戦闘員全員を同時に屠るための最高のタイミング。

「攻撃と防御のメリハリ……それは麻雀でも戦闘でも大事ですよ?」
 それは彼女の持つ一家言。この時まで秘めておいた巫覡載霊の舞を小野はすかさず繰り出した!神霊体となり戦闘員の攻撃を軽減し、もう動きを変えようがない戦闘員らに全身全霊の一撃を放つ。
 そう、戦闘員らは攻め過ぎた……機を待ち守り、攻勢に転じる。それこそが勝利を得るために必要な鍵。優位に立ったがゆえに奢り、愚かにも攻めにしか頭が回らなくなった者の末路は――破滅。

「馬鹿な……こんなッ!?」
「組み合わせも大切です、この一撃に名を与えるなら……三色同刻三暗刻『ヤエザクラ』!」
 とてつもなく重い衝撃波が八萬、八筒、八索の戦闘員を再起不能なまでに破壊する。散り散りになり宙を舞うその欠片は輝き、月に照らされた無数の花弁が如く。これぞ雀力が為せる技……なんとか戦闘員を倒しきった小野は、ホッと胸をなでおろしたのだった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

エウロペ・マリウス
……まーじゃん
かつて、師匠がやっていたのを見たことがあるね
師匠は言っていたよ
イカサマも、バレなければイカサマじゃないってね

行動 WIZ

【月の女神に従いし亡霊の影】を使用して五感を共有しつつ、他の相手の手牌を確認して、優位に進めていこうか
上がる前には、片目眼鏡を軽く触る仕草を行い、まるでそれがイカサマの合図のように思わせるよ
片目眼鏡を怪しまれたら、これで外しても上がれた場合は、あらぬ疑いをかけた責任を、点棒という形で支払ってもらうよう言質を取るよ
ロンのときは、
「御無礼……。それだよ」

イカサマという本質を隠すには、それらしいもので相手に安心感を与えて隠すのが効果的
そういうものだと師匠から教わったよ



 場外乱闘にて戦闘員らを倒す傍ら、驚くべきことに、そこには麻雀を打つ猟兵達の姿があった。なんと彼らは麻雀で戦闘員達を倒そうとしていた!観客も会場に居る雀士でさえもその光景はにわかには信じられない。しかし、猟兵達は並の生命の枠組みから外れた存在、それくらいのことはやってのける!はずだ!

「ロン……子の30符二翻は2,000点、だよ」
「ぐっ、まさかこんなピンポイントな待ちを!?」
 麻雀を打つ者の一人、エウロペ・マリウス(揺り籠の氷姫・f11096)は少ない順の中、確実に戦闘員から点棒を搾取していた。ちなみに残りの2席はその辺にいた雀士が埋め合わせで座っている。

「……貴様、イカサマしているな!?その眼鏡か!?」
 ガタン、と席を立つ戦闘員は怒りに声を震わせる。こう何度も一人から点を取るのは熟練の雀士でも難しいはず。それをこんな少女が実現出来るはずがない。
 そう考えた戦闘員は彼女の行動を観察していた。そして気がつく。その仕草に……彼女は最初に理牌を済ませた時、必ずその片眼鏡に触れていた。あれがイカサマの正体、そう確信した戦闘員はイカサマを摘発したのだ。

「イカサマ……?何のことか知らないけれど、人を疑うのなら相応のリスクは背負ってもらうよ?」
「それは貴様とて同じこと、貴様がその眼鏡を外した次の局、俺から点を奪えなければ罰符を支払って貰おう!」
 それはとてつもない言いがかり。避けようとしてしまえば振り込みなんてほぼ回避可能なのだ。戦闘員が無茶を言っているなんて誰もがわかっている、しかし、それをエウロペは受け入れた!
「良いよ……じゃあ君から点を奪えたなら、君からも罰符をいただくね」

 しかし、運命は変わることがなかった。

「ご無礼……それだよ」
「なん……だと……!?」
 彼女は確かに眼鏡を外していた。それでも、戦闘員の唯一浮いていた牌を的確に待っていた。間違いなくそれはイカサマに見える、だが、眼鏡以外の原因に気づくものは会場に誰一人いなかった。彼女が使っていたのは『月の女神に従いし亡霊の影』、そう、自らと五感を共有する黒い犬の影を用いて直接戦闘員の手を覗いていたに過ぎなかった。
 眼鏡をいちいち触っていたのはあくまでブラフ……本当のイカサマを隠すためのフェイントだったのだ。信じることは盲点を生む、それが、形を成した瞬間であった!

「さぁ、払ってもらうよ、70符三翻は満貫8,000点、そして罰符の8,000点を」
「雀牌に生まれたこの俺が……麻雀で、負け……るとはぁあああああああ!!」
 その点棒が払えなくなった時、戦闘員は爆発四散した――そう、彼らは麻雀にあまりにも密接な存在でありすぎたのだ……雀牌戦闘員にとって、点棒を失うことは命を失うことに等しかった。

「師匠は言っていたよ。イカサマも、バレなければイカサマじゃないってね」
 すっと席を立つ彼女の表情が、少しだけ、いたずらに微笑んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

四王天・燦
「通らばリーチ!」
「ぐは…まだ千点残ってる。一回和了っただけで調子乗るなよ…」
「大三元字一色…ダブルを裸単騎で挑む、だと?軽くなるためならそこまで鳴くのかよ…狂ってるぜ」
「だがお前の手は見切った!それだよそれ。中のみ千点!」
「なんで六枚目の中だって?あったんだよ。証拠もなくイカサマ扱いは許されねーぜ」
「制裁のシーブズ・ギャンビット!その顔面を穿つ。白よ…鏡を見ろ。お前はもう1ピンだ(ルビ:死んでいる)」
「そして平和のみ」
「平和」「平和」「平和断么九!」「平和一盃口!」「立直平和!」
「海底平和…終わりだ。八連荘!(ルビ:フォックスファイア八連射)」
「アタシの早業と催眠術にかかればこんなものよ♪」



「通らばリーチ!」
「そんなど真ん中が通るかぁ!ロンだぁ!」
「うわぁあああああ!!」
 戦闘員からの直撃を受けて席から吹き飛ばされる四王天・燦(月夜の翼・f04448)、彼女は極めて劣勢に立たされていた……そう、もう南場の三局という場面、彼女の点棒は残り1,000点しか無くなっていた。

「どうした猟兵よ、貴様の雀力はその程度のものであったのか!?最早虫の息ではないか!」
「ぐ、は……まだ、1,000点残ってる……あまり調子に乗る、なよ……!」
 口元に流れる血を拭い、彼女は自分の席に再び戻る。身体の骨が軋み、そろそろ限界が近いと全身が悲鳴を上げているのがわかる。麻雀だけでコレほどのダメージを負う理由は不明だ。

 しかし、口で強がってはいても四王天が追い詰められていることに変わりはなかった。残り1,000点……それは戦闘員もわかっており、嘲笑するように煽ってくる。
「ハハハ、猟兵といえど生物には違いない、ここで引導を渡してやろう!ポンだ!」
 ダァン!と倒されたそれは役牌……發。そして戦闘員は既に白を鳴いている。――大三元。その片鱗が既に見えていた。そして、戦闘員の手には中がもう2枚、握られていたのだ。
「私のトドメにあえて役満を……狂ってるぜ」
「何、即死で楽にしてやろうという……私からの慈悲と受け取るが良い!」
 傍らのモブ雀士が本来なら捨てるべくもない中を河に投げ捨てる……それを声高らかに鳴きあげる。

「それだぁ、ポ「それだよ……ロン!中のみ!」

 戦闘員の声をかき消したのは、四王天――!
「ば、馬鹿な!?既に私の手のうちに中は2枚……中で上がることは不可能なはず!?」
「はぁ?じゃあその目で確かめて見ろよ……5枚目の中をな!」
 四王天がパラパラと倒した手牌には確かに中が2枚、入っている!
「い、イカサマだ!こいつは苦し紛れのイカサマをしている!」
「大三元を上がろうとしてたお前の方が疑わしいぜ、証拠もなくイカサマ扱いは許されねーよ!」

 これはイカサマに違いなかった、モブ雀士達には四王天のそれが中には見えなかったのだ。
 それもそのはず、四王天は戦闘員に今の今まで催眠術をかけていたのだ!それがついに功を奏した、もはや戦闘員は彼女の手牌はどんなバラバラであっても完成された面子にしか見えない!そして、南場四局……それは、四王天の親番――!

「平和!」
「平和!」
「平和断么九!」
「平和一盃口!」
「立直平和!」
 永遠に続く安手の押収、それは誰にも止められない!いや、モブ雀士がイカサマを指摘したら罰符で止まるが、そんな度胸はモブにはない!

「そんな……まさか……こんな、こと……が……」
「最後まで諦めない、それが、栄光への架け橋だ!ロン!河底撈魚……そして、役満『八連荘』成立!」
 その怒涛の連打は既に戦闘員の身体を燃やし尽くし、灰だけがその席に積もっていた。彼もまた、親の役満直撃にて点数を全て失ってしまったのだ。

「アタシの早業と催眠術にかかればこんなものよ♪」
 一時満身創痍にまで追い込まれた四王天は満足げに、席にどっかりと座り直すのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

紅葉・智華
麻雀、でありますか。正直、オーパーツな私の眼だと●巡先が見えたりだとか、そもそも元々の傷とか模様とかを全て一瞬で記憶できるようになってるでありますからね……麻雀で勝負するなら、負ける気はないでありますよ?
まあ、自分で傷をつけたりしたら立派な不正でありますが、たまたま覚えてしまった場合は、咎める事はできないでありますな?

とはいえ、純粋に戦闘になるのであれば、【UC:虚構の神脳(SPD)】を用いて攻撃を回避しながら攪乱、味方の援護と致しましょう。であります。

【使用技能:見切り2,視力2,第六感4,ダッシュ5,時間稼ぎ1,2回攻撃3,援護射撃2,クイックドロウ1】



「ロンであります。5,200点のお支払いでありますね」
 淡々とクールに麻雀に打ち込む紅葉・智華(紅眼の射手/サイボーグの戦場傭兵・f07893)、しかし、それは一方的な虐待のような展開になっていた。
「いくら猟兵が相手とはいえ、こんなっ、ここまでっ!?」
 戦闘員もここまで一方的に負けるとは思っておらず、イカサマを疑うもそれらしい挙動は見受けられない。
「イカサマ……こんなのイカサマに違いないのに、くそぉっ、わからねぇ!」

 イカサマを暴こうと必死な戦闘員を憐れむように、紅葉は苦言を呈した。
「イカサマなんてしておりませんとも……ただ、私はサイボーグ。僅かな牌の傷や模様の微差を記憶・特定することなんて容易でありますから、まぁ、負けることはまずないかと」
 そう、これはイカサマなんて生易しいものではなかった。彼女は自らの性能をフルに活かし、正面真っ向からイカサマ以上の情報を得て麻雀をしていたのだ。それは土俵がまるで違うと言っていい。ボクシングの試合で一人だけ武器を持ち込んで戦っているようなものだ。
 戦闘員の手の内だけではない。山に積まれた全ての牌さえも、紅葉にとっては全てが丸見えと言っていい。それに加えて、紅葉の使うユーベルコード『虚構の神脳』は戦闘員の動きからどの牌を捨てるかを計算し、まるで未来を見てきたかのように正確な対応を可能としていたのだ。

「そんなの麻雀じゃねぇええええ!ふざけるなよお前ぇえええええ!!」
 逆ギレして雀卓をちゃぶ台返しした戦闘員。もはや麻雀で勝てる要素が微塵も無いことを悟ると場外乱闘を仕掛けてきた。これもまた暗黒麻雀大会ルールに則った行動であるが、こいつには自分が麻雀牌であるプライドがないのだろうか。

「貴方がそういう短絡的な行動を取ることもまた、わかっていたことであります」
 しかし、それさえも冷静に読んでいた紅葉はひらりと拳を躱し、脚を払う。『虚構の神脳』――紅葉はこの未来をも見通していた。激情に狩られた一撃は避けるには容易過ぎる。間抜けに転んだ戦闘員の頭にゴリッ、っとアサルトウェポンを突き立て、ダダン!と二発の銃弾を撃ち込んだ。
 一瞬跳ねるように動いた戦闘員はもう二度と動き出すことはなかった。勝利を確認した紅葉は銃を手元に戻し、亡骸に一言、手向けの言葉を捧げたのだった。

「こんな終わり方なら、麻雀を続けていた方がマシでありましたかな?」

成功 🔵​🔵​🔴​

送火怨・絶対殺明王
「俺の故郷の村を焼いたオブリビオン、必ずやこの生命の埒外にある雀力で絶対殺す!!」
敵に麻雀勝負を挑む。ちなみに彼は脱衣麻雀を正式なルールだと思ってるので、負けると脱ぎます。



「俺の故郷の村を焼いたオブリビオン、必ずやこの生命の埒外にある雀力で絶対殺す!!」
 そう言って麻雀勝負を戦闘員に挑んだ彼、送火怨・絶対殺明王(キマイラの破戒僧・f11867)は……あと一歩で全裸だ。

「やめろぉおおおお!それ以上脱ぐんじゃなあああい!」
 必死に止めるのはたった今、送火怨の最後の所持点数を望まぬ形で奪ってしまった戦闘員。
「そういうルールないから!なんであんた一人で脱衣麻雀してるんだよ、他の皆は脱いでないよ!?」

 しかし、送火怨は聞く耳を持たず、最後の布切れをその身から剥がすため心身を整えていた。
「オブリビオン如きに麻雀で負けてしまうとは一生の恥……!このような情けない姿を晒すことは本来俺のプライドが許さんが……!」
「そのプライド大切にしろよぉ!?大の大人が全国放送で全裸を晒すとかやばいってぇ!」

 送火怨は残り一枚の布に手を掛ける!
「だが、麻雀といえど死合は死合、ルールに背くは漢の恥ッ!!」
「だからんなルール無いっつってんだろぉ!?脱衣麻雀ってのは男同士でやったってなんにも面白くないから!なんか、こう、そういうもんじゃないから!」
「黙れッ!オブリビオンの戯言なんぞ聞く耳持たんわ!」
「なんで俺が怒られてんだ!?俺が悪いのか!?全国の皆様のために頑張ってるのむしろ俺じゃないか!?」

 そして、ついに……送火怨は生まれたままの姿へと回帰した――。
 観客席からは悲鳴が上がり、雀士達は逃げ惑う。放送画面は「少々お待ちください。」の画面に切り替わり、オブリビオン登場時以上の混乱が会場を襲う。それは送火怨を飛ばしてしまった戦闘員もまた同様だった。

「目がぁあああああ!目が腐るぅうううあああああ!!……あ、俺目とかなかったわ。でも関係ない、心が死んだ。ぐわああああああああ!!!」
 きっと彼は泣いていたのだろう。彼は席から飛び上がり、そして、花火になった。花火から流れ落ちる火花はそれはそれは綺麗であったが、どこか憂いを帯びていた。目の無い彼が最後に流した心の涙が、花火となって会場に降り注いだのだ……。

 そのさまを送火怨はただ眺めていた。そう、彼は勝ったのだ。試合に負けて勝負に勝ったのだ。
「我が全身より溢れ出る雀力に、耐えきれなんだか……」
 そういう彼が大会運営に補導されるのは、この後すぐの話……。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

山鹿市・かさみ
悪のギャンブルを粉砕する女!山鹿市かさみ!
カサミドンジャラしかやったことないッスけど、
とにかく何でもありで同じ絵柄を揃えればいいんスよね?任せるッス!

とりあえず油性ペンを用意したッス。
この真っ白なやつは出来損ないだろうッスからこれに書き込むッス。
中があるんだから内と外はあるとして、
あとはハツがあるんだからカサミが好きなタンとレバーを入れておくッス。
これで完璧!

完璧な布陣ッスから全く問題ないだろうッスけど、
物言いがあれば拳で黙らせるッス。
うるせー!!勝てばいいんスよ勝てば!
そもそも雀牌戦闘員っていうのに白い顔の出来損ないがいるってどういうことッスか!
何ならカサミが書くッスよ、ミノでいいッス?



「ふんふんふーん♪」
 鼻歌交じりで麻雀牌に油性ペンで何かを書き込んでいる山鹿市・かさみ(大音帝ヤカマシャー・f01162)に、もうなんて声をかけたら良いのかわからない戦闘員……いや、むしろこの娘に雀力とかほとんど感じないぞ、おかしいな、この娘猟兵だよな?と根本的なレベルで混乱し始めているように見える。

「あの……お嬢さん、何を……?」
「え?ほら、真っ白なやつがあったからカサミが書き込んであげてるんスよ!」
「えぇ……」
 ほら、と山鹿市が見せてきた元白牌には、「内」と書かれていた。

「……えーと、あの、なんで、内……?」
「わかんないんスか?中があるんだから内と外もあるに決まってるじゃないっスか!」
「……?」
「あとそうだ!ハツってのもあるんすよね?じゃあタンとレバーも入れておかないと!」
「???」

 戦闘員は理解した。あ、この子、麻雀とか一つも知らない子だ、と。なんでこの子ここに来たんだ?とか、誰か保護者は一緒じゃないのか?とか、色々考えるところはあるが、ともかく今は時間がないのだ。この娘はさておき、他の戦闘員達の手伝いに回らないと色々と劣勢っぽい。この娘には悪いが、麻雀が打てないならばさっさと倒さないと……。
「お嬢さん、あのね、その白い牌は字を書き込んで良いもんじゃないんだよ」
「えっ、そうなんスか?」
「そう、君のやっていることは反則なんだ。だからこの勝負は君の負けになるんだ」
「はぁ!?そんなの聞いてないんスけど!?」
「いや、でも、そういうルールなんでね……」
「なんスか!?この完璧な布陣に文句があるんスか!?」
「あ、いや、だから麻雀って焼き肉とか関係がなくてね……」
「うるせー!!」

 なんと懇切丁寧に説明する戦闘員の真っ白な顔面を突然山鹿市が殴りつけた!完全な不意打ち、思考の外の一撃、それは戦闘員の顔面中央を射抜く!『弩級零式微塵粉砕撃』により超振動するその拳を受けた戦闘員の頭部は地面と拳に挟まれ、そして地面もろとも木っ端微塵に弾け飛ぶ!

 観客からも、雀士からも、おぅ……という同情の声が上がった気がするが山鹿市は気にしない。
「ちょっと!相手はオブリビオンっスよ!?勝てばいいんスよ勝てば!」

 プンプンと怒る山鹿市は、そのまま他の白い牌に落書きを再開するのであった――。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

キャナリニア・カルコメラン
失礼、天和であります(素振り)失礼、天和であります(素振り)

よーしイメトレは完璧、片っ端からしょっ引くでありますよー。
まずはオブリビオンの皆様からであります。

人形だからこそ可能な動きの【フェイント】による絡め手、間髪入れずに【カウンター】【2回攻撃】。鳴きには鳴き、立直には立直。ミレナリオ・リフレクションで対抗しつつ、各個撃破を狙うであります!
麻雀とは複数の牌を組み合わせる遊戯。牌が減れば減るほど役は組みにくくなるでありますな。さて、まだあがることは可能でありますか?まだ勝負する【ご覚悟】はおありでありますか?



「よーしイメトレは完璧、片っ端からしょっ引くでありますよー」
 手牌を綺麗にと倒しながら『天和』を宣言する練習をしながら、キャナリニア・カルコメラン(スクラップドール・f07077)は戦闘員の前に出で立つ。余裕綽々といった彼女の立ち振舞には戦闘員も苛立ちを隠せない。

「舐めやがって……!目に物見せてやる!『立直』!」
「素直でありますなぁ、では追いかけ『立直』であります!」
「何ッ!?」
 その言葉は嘘偽りなく、キャナリニアは戦闘員の強烈な一撃をそのまま模倣して攻撃を相殺する!

「くっ!」
「おや、私ばかりに目を取られていて良いのですかな?」
 焦りから追撃を急いだ戦闘員の攻撃をカクン、と身体をあらぬ方向へと曲げて回避するキャナリニア。人形であるが故の回避方法、そして攻撃を透かした無防備な戦闘員にキャナリニアの操る甲冑の騎士人形のカウンターが穿たれる!
「ぎゃああああっ!!」

 1体の戦闘員が倒れるが、別の戦闘員らが敵討ちの如くキャナリニアへと攻め込んでくる。
「ならば、これはどうだ!チー!」
「それも相殺を――」
 彼らの鳴きのユーベルコード、それは複数人で実施される高速の連撃。それはミレナリオ・リフレクションで再現することは困難であった。その上、彼らは鳴きのパターンを複数持っており、事前に見た鳴きと次の鳴きが同じとは限らない、まさにレナリオ・リフレクションの天敵と言えるユーベルコードであったのだ。
「ぐうっ!?」
 相殺に失敗したキャナリニアは騎士人形共々、その身体を大きく後方へ吹き飛ばされる。
「対策を見誤ったな、貴様の技は我々には通用せんわ!」

「っ――しかしながら……そろそろ鳴くのも辛いのではありませんかな?」
 身を起こすキャナリニアの指摘は的を射ていた、各所の猟兵の戦闘、そして雀力による勝利によって戦闘員は次々と数を減らしていた。もはや三枚以上残っている牌はほぼ存在しておらず、順子が組める数字の組も多くない。――国士無双はおろか、鳴くこともままならないのだ。
 戦闘員の技は麻雀になぞらえて複数人で実施する、それは当然、人数が削られるほどまともに機能しなくなっていく。

「さて、いつまで鳴きは可能でありますか?まだ勝負を続けるご覚悟はおありでありますか?」
「ぐ、う――!」

 ぴんぽんぱんぽーん。

「――クックック……下僕には貴様ら猟兵の相手は荷が重かったようだ……仕方がない、我が直々に貴様らに役満をぶち当ててやるとしようか――!!」

苦戦 🔵​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『怪人アルパカマッスル』

POW   :    ポージング
自身の【肉体美の誇示】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
SPD   :    鋼の筋肉
全身を【力ませて筋肉を鋼の如き硬度】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
WIZ   :    つぶらな瞳
【つぶらな瞳で見つめること】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【瞳から放たれるビーム】で攻撃する。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はニィ・ハンブルビーです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●その肉体は麻雀のために――
 ゴウン――ゴウン――。
 アナウンスが鳴り響き、そして大掛かりな仕掛けが作動する。天井からゴンドラのようなものが、オブリビオンを乗せて降りてきたのだ!

「先に名乗っておこうか……我が名は怪人、アルパカ―――――マッッッッソゥゥゥゥゥゥゥルッッッッッ!!!雀力を極限まで高め、この究極の肉体を手に入れたアルパカの、そしてこの伝統ある暗黒麻雀大会に勝利し麻雀会の頂点に立つものよっ!!!!」

 会場には恐怖の声が巻き上がる。アルパカがどう頑張ってもああはならんだろう、という得体の知れないものを見た恐怖の声だ!この大会って今回が第一回大会じゃなかったか、という何を考えているのかよくわからないことへの恐怖の声も聞こえる!

「貴様らを引導を渡すことで、我こそが最強の雀士であることの証明としよう!さぁ、かかってくるが良い猟兵……いや、雀士達よ!!麻雀であろうが乱闘であろうが、受けて立とうではないか!!!」

 何度も何度も筋肉を誇示するポージングを繰り返す様を見せつけられること早数分……アルパカマッスルを乗せたゴンドラが、ようやく対戦エリアまで降りてきた!
紅葉・智華
とりあえず、一応は麻雀大会なのでありますから、最初は麻雀で正々堂々勝負するでありますよ。

プレイスタイルは引き続き眼を使った未来予測、牌の記憶を用いたもの。其処に、ユーベルコード【電脳世界の倉庫】を利用したイカサマを混ぜるでありますよ。
一部の牌を倉庫にしまったり、逆に取り出したり、というのを観客やカメラの死角で行うであります。勿論、手早く素早く視認されないようにやるのがポイントであります。

仮に戦闘になる場合は【カバリングアームズ】を盾にしてガードするであります。勿論、【虚構の神脳】で行動を読んだ上ででありますが。

【使用技能:見切り2,視力2,第六感4,目立たない2,だまし討ち1】


四王天・燦
「伝統…?暗黒麻雀の前身…闇麻雀(非合法)を知る者か」
「此処からは魔神も慄く修羅の道。レートは点ピンだ…猟兵用語のピン(ピンナップ☆3.5~)は分かるな?」
「倒せない…牌が倒せない!これが無敵ッ?!」
「その眼差し…まさか今度はアタシが催眠術に掛けられて…う、うわあ!」
「割れてるのはアンタの腹筋だけだ…アタシの箱はまだ割ってない」
「ロン?その牌は残像…先の巡りで捨てた牌さ。チョンボだ!牌が倒せないならそれなりの戦い方があるさ」
「アタシ達は選手交代してたけど、お前は独りで徹マンを打ってたんだ。集中力も欠いてくるさ。はい、流し満貫成立っと」
「そこまでして勝ちたいよ。ピンはやっぱり財布に厳しいだろ!」



「よ、い、しょっと……」
 ゴンドラから慎重に降り立ったアルパカは悠然と猟兵達に対面する。その堂々とした筋肉は今までの戦闘員とはわけが違う雀力を感じさせる。

「伝統……?お前、暗黒麻雀の前身……闇麻雀を知る者か――?」
 四王天はアルパカに向けて思わせぶりな口調で問いかける。その場の誰もが闇麻雀!?とアルパカの言葉の裏に隠された真意を予想する。第一回と思っていたのは自分たちだけだったのか、あの娘は一体何を知っているのか?ざわつく会場を余所につぶらな瞳で四王天を見つめるアルパカは断言した!
「む?いや、そんなものは知らないが」
「……」
「……?」

「あー、とりあえず、一応は麻雀大会なのでありますから、麻雀で正々堂々勝負するでありますよ」
 いたたまれない空気になってしまったその場に紅葉が割り込み、話を進める。最初に名乗り出たのは四王天と紅葉の二人、アルパカも含め三人麻雀をすることとなった。

「此処からは魔神も慄く修羅の道。レートは点ピン……ピンはもちろんピンナップ☆3.5~だ!」
 突然凄い事を言いだした彼女の言葉がわかる者は会場には猟兵とアルパカしか居なかった――しかし、それらに伝われば十分、その恐ろしさはわかるものには伝わったはずだ!
「ははぁ……我に賭け事を持ちかけようとはな!クックック……良かろう!貴様を倒し、究極戦士アルパカマスクや狂人アルパカストレングスを生み出してやろう!!さぁて、絵師さんは誰が良いかなぁ!?」
 既に勝った気で高笑いするアルパカマッチョの自信は底が見えない。だがしかし、そんな自信とは裏腹に麻雀は実に一方的なものとなっていた。

「ロン、30符二翻は3,000点であります」
「ぐおおおっ!!」
 アルパカの鍛え上げられた肉体に強い衝撃が加わる。それは何度目になるかわからない紅葉の一撃。『鋼の筋肉』が成す鉄壁の牙城、それは安々と崩せるものではないのは確かであった。
 しかしその鉄壁を崩したのが紅葉のイカサマ――『電脳世界の倉庫』。彼女は予め別の卓から一通りの麻雀牌を電脳空間に取り込んでおり、それと自らのツモを入れ替えることで将来的にアルパカが切る、本来であれば安牌の捨牌から上がっていたのだ。

「小癪なッ……それをポンだ!」
 アルパカも点数が徐々に目減りした点数に焦りを感じているのか。攻勢に転じるも、半端なそれを手玉に取るのは四王天。
「腹筋だけじゃなくて箱も割れちまうんじゃないか?アンタ、その牌よく見てみなよ」
「……何?」
 アルパカが手を伸ばした牌は既にそこから消えていた……いや、元々まだ四王天は牌を捨ててさえ居なかった。自らの河を整列しただけ――その際に、直前に牌を高速でズラした残像が見えてしまったのならそれは。
「アタシはまだ捨てちゃいない……チョンボだ!振り込まないならこういう戦い方もあるさ」
「貴様……ッ!そこまでして勝利を欲するか!?」
「そこまでして勝ちたいよ。ピンはやっぱり財布に厳しいだろ!」

 アルパカの点数はもはや1,000点を割っていた。風前の灯火、これを失えばアルパカも無事では済まない。自慢の筋肉からは打撲箇所や流血が見られ、相当なダメージが伺える。
 イカサマをしているとはいえ、あまりにも圧倒的な展開に二人の猟兵は若干拍子抜けであった。そして最終局――オーラス。事件は起きる!

「ッ――!?いつの間に!?四王天殿、なんとかして流せないでありますか!?私の手では――!」
 あまりにも順調で、紅葉はどこか油断していたのかもしれない。そしてそれは四王天も同じことだった。その予兆にまるで気づけていなかったのだ。
 山の牌が全てわかる彼女はまた、正面切って相手の手牌を読むことも当然可能だ。つまり、今アルパカの手がどうなっているか。そして次のツモも見えている。未来を読む必要さえなく、来るべき未来が見えているのだ。
「ええっ!?急に言われても!?」
「ダメでありますかッ、奴は、既に……!」

「なぜ我が肉体美を維持することに注力し、貴様らに好き放題させていたと思う!?それは今、この瞬間のためだ!!」
 そう、アルパカは紅葉のイカサマも、四王天のイカサマも全て見抜き、そして見逃していた。あえて、自信に不利な状況を作り出し、雀力を極限まで高めていたのだ――アルパカのユーベルコード、ポージングによって!

 これはイカサマではない天の悪戯、紅葉が気づけなかったのも無理はない……アルパカ本人でさえ、意図しなかった結果である。盲牌をしながら静かに手牌を公開していく。そして、その二萬をダァン!と力強く雀卓に叩きつけた。
「――天和だ、32,000点……我が筋肉の前に、死ぬがよいッ!」
「うわぁあああっ!!」
「ぐうっ!?」
 卓から弾き飛ばされる二人。僅か数百点にまで削ったアルパカの点数はその瞬間に猟兵二人を上回った。役満を上がったとはいえ極僅差。あと一息、紅葉と四王天の攻撃が届かなかった結果だった。

「こちらも痛手を負ったが……クク、今一歩、及ばなかったようだな!」
「くそっ……」
「あと一歩でありましたが……詰めを誤りましたか」

 二人も役満を受けてかなりのダメージを負うが、ここまでアルパカに与えたダメージは確実に奴の筋肉に疲労を与えた。観客達のボルテージとアルパカマッスルとの戦いは最高点に達しようとしていた――!

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

エウロペ・マリウス
……うん
本当は最後までまーじゃんで勝負しようと考えていたんだけれど
雀力というものがキミのような化け物を創り出すなら、ボクは遠慮しようかな

行動 WIZ【全力魔法】【誘導弾】【高速詠唱】【属性攻撃】
使用ユーベルコード
【創造せし凍結の世界(ニヴルヘイム・ノヴァ)】
【全力魔法】と氷の【属性攻撃】で火力を
【高速詠唱】で手数を
【誘導弾】で命中率を共に強化して攻撃するよ

とりあえず、ニヴルヘイム・ノヴァで攻撃しつつ、ボクの氷の領域を創って安心しようかな
凍りついた領域に入ったらボクの力は増すし、慣れた環境だから、ほっと一息といったところだね
この敵は色々な意味で存在が間違っていると思うよ
速やかに殲滅しないとね


竹城・落葉
 長いわっ!そう言ってゴンドラを切り伏せよう。
 我は『剣刃一閃』で怪人を切り伏せる。戦闘中は冷酷な雰囲気を醸し出し、無表情で攻撃を仕掛けるぞ。雀牌を食べた事で雀力が53万にまで上がった我に勝てるかな?
 怪人には【2回攻撃】【だまし討ち】【残像】で有利に立ち回ろう。加え、ブーメランパンツを切り落とし、隙を生もう。だが、その瞬間、我も顔を赤らめるだろうな。
 ちなみに、このアルパカとやらは食べられるのだろうか。アルパカ部分を軽く切り落とす事ができれば、ちょっと食してみよう。味はマスター殿に一任するぞ。まぁ、アルパカの部分を食べているので、人肉を食している訳ではない筈。多分。


幻武・極
なんだか強そうな相手だね。
でも、ボク達は負けないよ。

今回はボクが牌を用意しないといけないようだね。
ボクを模したバトルキャラクターズで牌の代わりにするよ。

へえ、いきなりのツモ切りとはかなり強力な手牌で身を固めているようだね。

なら、ボクは1のバトルキャラクターズ4枚で槓を4回行い、1のバトルキャラクターズ2枚を合体させ2にしたバトルキャラクターズ2枚であがるよ。
四暗刻、四槓子、
そして、極牌のみで作られた青一色だ。


山鹿市・かさみ
乱闘!さっきよりわかりやすくていいッス。
そして良い筋肉をしてるッス。侮れないッス。
でも甘い!ダメダメ全然ダメッス!!
登場シーンは長すぎても短すぎてもダメ!
かつヒーローも悪役も見る者にインパクトを与えないとダメッス!
やり直し!

とりあえずもっかい上に上がってほしいッス。
そして筋肉を推す者なら筋肉をアピールするために一番上から飛び降りてほしいッス。
3点着地とかいいッスね!燃えるッス!

出来ないなら出来ないで普通に戦うッスけどその程度ではこの筋肉ヒーローヤカマシャーには勝てないッス。筋肉が泣いてるッス。
出来たなら素直に尊敬ッス。流石ッス!
あ、でも勿論着地硬直は狙うッスよ。悪は倒せる時に倒す、それも正義。


四王天・燦
地に倒れたのがよかった。
這うように、目立たないで卓下に潜り込んで破壊工作だ

狂騒に紛れアルパカの足と卓の間に鋼糸を張って罠を作る…罠使いには自信大。
そして注意深く自動卓にコードを挿してハッキングし異常なら修正。
トドメにカッターで切り拓いて点棒を盗んで猟兵に移す!

「天和は必然だった。ゴンドラがヒントだった…会場設備がお前の手中にあったなら自動卓も操られていて当然!」

事が観衆に晒されてから戦闘開始。
攻撃は全部見た。見切りを活かして乱闘だー!
点ピンの支払い嫌だからガチでシーブズ・雀ビットで筋繊維に沿って斬葬。
毒も塗っておこう…筋弛緩剤をな!
「ピンなのに宿敵イラストを作るなんて迷惑行為は粛清だ」


小野・遠里
真打登場、と言ったところですか…。この筋肉、小細工を仕掛けたところで通用はしなさそうです。ならば私も大きな一手で迎え撃つだけ。さあ、打(ぶ)ちましょう。

基本は高めの手を狙い、相手に聴牌の兆しがあれば降りる、ベタオリも辞さない…。そうやって被害を最小限にし、好機を待ちます。

そして好機が巡ってきたら攻勢へ、彼を討ち取るならば役満は必須…!
それを和了すると同時に巫覡載霊の舞で相手に畳み掛ける!

「終わりにしましょう…大四喜字一色(読み:五つの難題)!」
※東を暗槓、南~北をポン、白の裸単騎和了。個々をかぐや姫が帝に求めた5つの品に見立てている

…いい勝負でありました。来世でまた打(ぶ)てるといいですね。



「……うん、ここまでだね」
 残った戦闘員を麻雀で次々と倒していたエウロペは静かにその席を立つ。その視線はアルパカマッスルへと真っ直ぐに向けられる。
「本当は最後までまーじゃんで勝負しようと考えていたんだけれど、雀力というものがキミのような化け物を創り出すなら、ボクは遠慮しようかな」
 臨戦態勢……戯れはここで終わり、ここからは猟兵とオブリビオンの戦いであるという意思表示。それはアルパカマッスルにも正しく伝わっていた。
「……成程、なればここからは場外乱闘の時間だ!」

 エウロペを皮切りに、幻武と小野も後に続く。
「なんだか強そうな相手だね。でも、ボク達は負けないよ」
「真打登場、と言ったところですか……この筋肉、小細工を仕掛けたところで通用はしなさそうです。ならば私達も大きな一手で迎え撃つだけ。さあ、打ちましょう!」

 しかし、流れにイマイチ続けない者もいた――!
「乱闘ならわかりやすくていいッス!でも……ちょっとアンタ!登場シーンがダメダメ、全然ダメだったッス!やり直しを要求するッスよ!」
「「「「えっ」」」」
 ――山鹿市曰く、登場シーンは長すぎても短すぎてもダメ!ヒーローも悪役も見る者にインパクトを与えないとダメ!なのだとか……。アルパカにカッコいい登場についてのアドバイスを耳打ちする山鹿市。それに頷きながら「なるほど……」と登場シーンについての知識を取得するアルパカ。なんだろうこれ。

「ではまたゴンドラで降りてくるところからやる故、待っているが良い!」
 アルパカマッスルはその身をゴンドラに乗せるとゆっくりと上昇し始める。ゴウン――ゴウン――。ゆっくり……ゆっくり……そういえばこのゴンドラ、下降してきた際は数分かかったのだった。

「長いわッ!!」
 痺れを切らした竹城がそんなゆったり上がっていくゴンドラに跳躍し、そのまま吊り下げられたワイヤーを切り伏せる!その跳躍力たるや雀力にしておよそ53万、アルパカはそれに反応することすら敵わない!無論、アルパカはバランスを崩し、傾いたゴンドラから宙に放り出される!
「なぁぁっ!?約束が違うではないかぁっ!?」
 とは言うが、別に登場をやり直すことで意気投合したのは山鹿市だけで、別に他の猟兵からしたら知ったことではない。このままでは地面に落下――否!そんなことはどうでもいい、このままではカッコいい登場が出来ない!一度約束を交わしたならば、それは成し遂げねばならない、この鍛え上げられた肉体に賭けて――!
「うぉおおおおおおおっ!!」
 アルパカは空中でその身を捻り、ポージングを無理やり行使する!重心を上手く操り、そして身体をグルングルンと回転させて態勢を整え、鋼の筋肉で着地の衝撃を無力化する!ドシイイイイイン!と超重量級の音を響かせながら着地したアルパカのそのポーズは見事な三点着地!

「――決まったッ!聞けぃ!我が名は」
「唸れ拳!轟け魂!我が鳴らすは命の鼓動!!ひぃぃぃぃっさつ!!ハートビートォ、ナアアアアアアアックルゥ!!!」
 ドガァアアアアアン!!と着地音に負けない轟音を響かせて山鹿市の『超振動心速破砕拳』がアルパカに襲いかかる!やはり不意打ち、三点着地というカッコいいが故に着地後に隙だらけになるその瞬間を的確に狙い撃った!
「ヌァアアああああああああッッッ!!?」
 アルパカは凄い勢いで壁まで弾き飛ばされる!正直何が起きたのかもよくわかっていない――!会場からは山鹿市に向けて白い視線が向けられるが、相も変わらず整然として山鹿市は言い放つ!
「いや、やっぱ隙があったらちゃんと狙わないと。悪は倒せる時に倒す、それもまた正義――」
 どやぁ……と効果音が聞こえてくる。ぐうの音も出ない正論を突然吐き出すものだから誰も反論が出来ない。実に質の悪い正義の味方だ……。

「会場の皆、聞いて欲しい……天和は必然だった!会場設備が奴の手中にあったなら卓も操作されていて当然!あいつはイカサマをしていたんだ!」
 アルパカが吹き飛ぶ最中、会場に響くアナウンス。それは四王天の声!彼女は麻雀で負けた後、アルパカが登場し直している間に麻雀卓や会場システムにハッキングを試みていた。そして先程の一戦での天和、その原因を探っていたのだ。あんな都合のいいタイミングで天和が出るわけないのだと証明するために!
「ぐっ……終わったことをネチネチと!」
 かなりのダメージを受けたアルパカだが、その肉体はまだ十全に動くようだ。壁にめり込んだ身体を外し、クラウチングポーズを取ることで身体能力を高め、一気に四王天に向けて駆け出す――が、その途中でアルパカは盛大にずっこける!
「ゲフッ!?」
「――ッフ、相変わらず素直な打ち筋だ、アタシの罠に何度嵌れば気が済むんだ?」
 この対戦エリア、そこにある麻雀卓の間には無数の鋼糸が張られていた。ハッキングだけではない、四王天はトラップも同時に仕掛けていたのだ。そしてコケたアルパカにすかさず追い打ちを掛ける。

「点ピンの支払い嫌だからガチでいくぞ!」
 四王天はシーブズ・『雀』ビットを全力で放つ!この状況下でアルパカが取れる行動は既に見切っている、鋼の筋肉での防御だ。だが、今は、防がれても問題ない。この攻撃が当たる事が重要なのだ。
「その程度ッ!」
 想定どおりに防御したアルパカはナイフを筋肉で弾き返す。皮膚を浅く斬りつけることには成功したが、ナイフは筋肉に弾かれる。だが、四王天はニイっと笑っている。
「何が可笑し……ぬうっ!?」
 アルパカは四王天を狙おうとするが、それは強烈な氷の魔弾によって阻まれる。ギリギリで避けたアルパカを見据えるのは十分に魔力を練り上げたエウロペだ。
「やっぱり、キミは色々な意味で存在が間違っていると思う、速やかに殲滅しないとね」
 そういうとエウロペは手に持つコキュートス・アニマから巨大な魔弾を打ち放つ。時間は十分にあった……アルパカを追い詰めるために必要な弾数の魔力を貯め込むだけの時間が!
「氷に閉ざされた世界に案内してあげるよ」
 『創造せし凍結の世界』……その名が示す通り、着弾した床を白銀に染め上げて氷の世界を生み出していく!このエリアが氷に包まれるほど、エウロペの魔弾の威力は増し、アルパカの回避は難しくなっていく。寒さによる体温低下、足場の悪化、そして張り巡らされた鋼糸……そして筋肉では防ぎようのない氷の魔法。つぶらな瞳から放たれるビームで魔弾に応戦するも、高速で繰り出されるその魔弾の全てを撃ち落とせるはずもない。
「がっ――!うぐっ――!!」
 エウロペの魔弾がアルパカを捉え始めたが最後、アルパカは身体の各箇所を凍結されていき、どんどん動きが鈍っていく。そしてついに数多の魔弾がアルパカに直撃し、全身が完全に凍りついた!

「終わった……?」
 エウロペが氷像と化したアルパカの様子を伺う……が、しかし、その氷像に突如としてヒビが入る!氷を砕き、中から現れたアルパカがエウロペにその拳を振りかざす!
「ふっ!!」
 その間に入った竹城は丈夫なバールのようなものでその拳を受け止めエウロペをかばう。そのアルパカの全身は異常なほどに震えており、蒸気さえ上がるほどに高温になっていた!
「シバリング――!?」
「この程度……雀力を震わせれば容易いものよ!」
 雀力が震えているわけではないし雀力はそこまで万能ではない。骨格筋を異常に震わせることで発熱させて氷を溶かす荒業を熟しているのだ。熱せられた拳による反撃、それを竹城は残像を伴いながら回避してしのぎ続ける。エウロペも竹城の後方から魔弾を打ち、今一度凍結させようと試みる。
「ハァッ、ハァッ……!貴様らの攻撃はもう効かん……!」
 口では強がるものの、アルパカの疲労は凄まじい。シバリングはそれほどにアルパカの体力を奪っていた。しかし、コレを辞めてしまえばエウロペの魔弾の餌食になる、やめるわけにはいかない。

「疲労の色……今が好機です!」
 それは今までベタ降りの如く好機を待ち続けていた小野の声。それは防御に富んだアルパカの筋肉をも貫く一撃のための絶好の瞬間を告げる!声に反応してつぶらな瞳からビームを放つアルパカだが、小野は既に神霊体となっており、ビームなど物ともしない。
「ッハ、来るが良い!我が鋼の筋肉を貫けると思うなよ!」
 こちらからの攻撃が通じないと悟ったアルパカは徹底抗戦の構えを取る!だが――!!

「――馬鹿な……力が入らない……!?」
 筋肉が膨らまない!シバリングにより体温は確保したはず……凍結の影響は少なからずあるだろうが、それでも、鋼の筋肉が発動できないほどとは思えない。他、他の理由――そうだ、忘れていた、あのナイフ、そして四王天の笑み――!!
「――筋弛緩剤、効いてきたみたいだな……?」
「!!!」
 あのナイフはダメージを狙ったものではなかったのだ。来るべき、幻武と小野の大技のための布石、アルパカマッスルを飛ばすための下準備!ナイフに塗られた筋弛緩剤は薄皮一枚の下の毛細血管を通して身体に取り込まれていた、それをシバリングによる血流の促進が全身に巡らせてしまったのだ――!

「準備は十分――槓、槓、槓、も一つ槓ッ!ってね」
 幻武はバトルキャラクターズを発動し、キャラクターをまるで麻雀の手牌のように横に並べる。そのキャラクターの額には数字……雀牌の数字が描かれている!一萬、一筒、一索、五索がそれぞれ四枚ずつ、そして二枚の九萬……そのいずれもが鮮やかな青色――超ローカルルールにおける青ドラを模している!
 青ドラのみで手牌を組み上げた時、その役は成立する――そして、それだけではない、それらを全て暗槓して組み上げる……四槓子・四暗刻・青一色……『クアドラプル役満』!!!!

「ここに五つの難題を示します!」
 そしてそれを援護するかのように小野もまた攻撃を放つ!全方位から囲い込むように神霊体が薙刀を振るい、衝撃波を叩き込む。それは字牌で表せば東、南、西、北の応酬――大四喜・字一色の『ダブル役満』!!

「あのナイフを受けた時点で……この振り込みは免れなかったということか――っ」
 避けることは白銀に凍った床が許さず、防御する術も失われた、後はもう……振り込むのみだ。極限まで雀力を高めた、二人の必殺の一撃に!!
「この攻撃で――」
「終わりにしましょう!」

 蒼く輝く十八連撃と、四方位から放たれる衝撃がアルパカへと向かい、そして炸裂した!凄まじい爆音、衝撃、風圧がアルパカを中心として巻き起こった。誰もが肌で感じ取れるほどの雀力が炸裂し、そして、その中心にいた者は無事では済むはずがないことが全員に理解できた。

「……フッ……良き、戦いであったぞ、雀士達よ……」
 役満級を遥かに上回る攻撃をノーガードで受けたアルパカマッスルはその鍛え上げられた肉体を地に倒した。もはやまともに戦闘することは出来ない……アルパカは負けを認めたのだ。その表情はどこか満足げだ。やりきった、そんな漢の表情だ……アルパカだが。
「……いい勝負でありました。来世でまた打てるといいですね」
 小野はアルパカに語りかける。それは雀士として……これだけの猟兵に囲まれてなお、諦めることなく立ち向かい続けた筋肉だるまに対する最後のねぎらいだ。

「そこな蒼き娘よ……我が化け物だと、そして間違っていると言ったな……」
 満身創痍のアルパカは倒れた身体をなんとか起こし、エウロペに向かって語りかけた。
「もし我という存在が間違いであったとしても、この麻雀を愛する心は本物であることはわかって欲しい。麻雀に罪は無いのだ。貴様も我が下僕と麻雀を打っていた時、少なからず生き生きしていた、そう我は感じた。我は麻雀をより極めたい、より広めたい、その一心でこの場に来たのだ、雀力を高めることに負の感情を伴われては夢見も悪い。最後に我は願う、貴様が、貴様らが、例え我を憎み、嫌おうと、決して麻雀のことは嫌いにならな」
「長いわッ!!!」
 ちょっといいセリフをズバァン!と切り捨てる竹城――!!あまりにも無慈悲なその一閃はアルパカの頭部とマッチョな胴体を綺麗に分断した!エウロペも流石に困惑を隠せない、あんまりな最後に観客らも唖然としている……きっとお茶の間の皆さんも開いた口が塞がらないことだろう。

 ひょいと、アルパカの首を持ち上げた竹城はじっとその頭部を見つめる竹城。
「……これを食うのはカニバリズムには含まれるだろうか?オブリビオンでアルパカだし大丈夫か?」
「コレ食べる気ッスか!?仮に食べるにしても生はまずいッスよ!ちゃんと焼かないと!」
「そういう問題でもありませんよね!?そもそも戦闘員の時からそうですが得体の知れないオブリビオンを食べるのは辞めたほうが良いのでは!?」
 皆に止められた竹城は渋々毛を毟って口にするだけに留めることに……ふわふわごみごみした食感に加えて迸る汗の味は実に不味かったという……。

 何はともあれ、こうして強敵、怪人アルパカマッスルは暗黒麻雀大会から敗退した――気がつけば、わずかに残った戦闘員達もどこかに消え失せていた。これで、この大会の安全も確保できたことであろう。衝撃的なラストのせいでその実感がなかった会場の者たちも徐々に現実を受け入れ始め、今や割れんばかりの歓声が会場に響き渡っていた。

 だが、真の戦いはこれからなのだ。そう……これより、暗黒麻雀大会が改めて開戦するのだから――!!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『暗黒麻雀大会!!』

POW   :    打点力でねじ伏せる!面前大型手やドラ爆で大量得点を狙います。牌に傷をつけるイカサマも使えます。

SPD   :    速度こそ正義!鳴きや即リーチで手数を生かした攻撃に出ます。手配をすり替えるイカサマも使えます。

WIZ   :    頭脳で場を支配!他者の手を読み攻撃と防御を巧みに仕掛けます。積み込みによるイカサマも使えます。

👑11
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

竹城・落葉
 さて、我も大会に参加するとしよう。使用する能力値はPOWだ。大量得点を狙って優勝しようとするぞ。だが、我は麻雀のルールを知らぬ。依頼に参加する直前にスマートフォンで調べた程度だ。まぁ、何とかなるだろう。
 あと、怪人をこの会場に埋葬してやろう。我とて元武将、オブリビンとはいえ情けを掛けない訳ではない(怪人を冷酷に食すのとは別なのである、多分)。奴は麻雀を心から愛していた。なら、その麻雀の腕を競い合う聖地に骨を埋めるのが本望というものだろう。


加茂野・顕如
「自摸でも平和はつくんかな?」
関西から来た雀士、顕如がルールの確認をしている。
関西のフリーだと、自摸だと平和はつかない場所が多い。
ましてや世界の違うキマイラフューチャーだ。
妙なローカルルールがないとも限らない。

「よっしゃ、ほなやろか」

確認が終わると、淡々と麻雀を打つ顕如。
理牌もせずに、盲牌して牌を倒して打っているのは、知らない場所なので壁役を気にしてのことだろう。
一定のリズムを維持し、相手に情報を与えず、相手の打ち方の癖を見抜いていく。

麻雀は流れだ。

来てないときは逃げに徹し、来てるときにがっつり上がる。

そしてどうしようもない時は

「ロン!すったん」

四暗刻単騎

UCで運を引き寄せるのだ


四王天・燦
「アルパカ如きに本気(真面目プレ)を出してしまった…もういい、最後までガチでやろっと」
真の姿解放して電光石火の素早さを発揮しよう。
ここぞのタイミングですり替えとスピードが合わさる究極奥義『ツバメ返し』で天和九蓮宝燈をやってやるぜ。
自動卓を制するべくハッキングしてたんだ…戦いは2章から始まっていた!

でも他の猟兵も予想していると思う。そこで究極の裏技を使う。
「ぽちっとな」
リモコン一つで点数がバグってアタシに移動してくるんだ。
そして気を取られていたら相手の手配に手を伸ばして多牌にしてチョンボにしてやる

乱闘になったら(流石に猟兵限定)魔封じの儀で応戦。
「これ毎日やってるサバイバルと変わらないような…」


キャナリニア・カルコメラン
先程は失態を晒したでありますが……同じ過ちは繰り返さないであります!

方針は【SPD】鳴き重視、不要牌の再使用こそスクラップビルダーの真骨頂であります。早鳴きはいわば【先制攻撃】、手を染めていく様は宛ら【属性攻撃】、【筋引っ掛け】のフェイントも搭載済み。貴方様にとっては捨てる選択肢でしかない牌でも自分の場であれば最高峰の働きをする必要牌、集めて繋げてくっつけて、鳴きとツモの【2回攻撃】からの芸術的な手をご覧あれでありますよ!

人形遣いでありますから、幾らかは指先が器用であるかもしれないでありますが。それをイカサマに使うだなんて。精々、牌をすり替えた「ように」見せる【フェイント】程度でありますよー。


幻武・極
ボクはやっぱり、これまでの闘いで使ってきたこの手で攻めるかな。
さあ、どんどん槓をしていくよ。
ドラがいっぱいで
まるで龍の巣
ドラゴンズネストだね。

多くのドラゴンの怒りに呑み込まれるのは誰だろうね。


小野・遠里
やっと普通に麻雀を打てますね。

混全帯公九や混老頭、小三元に一気通貫や混一色など、公九牌を積極的に使う役を多用し、最低でも満貫を狙いましょう。
(ユーベルコード「着信あり」で謎の電波を受信しながら。麻雀における戦闘力上昇中…)
色々と見破られそうですが、自摸和了すれば問題ありません。
イカサマ?こういう場では無粋でしょう。但し他人のイカサマは警戒しますよ。全自動卓があれば話は別ですが…

この和了を、鬼籍に入りしミスター麻雀に捧ぐ…
「混老頭三暗刻小三元混一色役牌2ドラ3…数え役満!」
(一萬九萬の暗刻、中をポン、白と發のシャンポン待ちで白を和了。ドラ表示は八萬)

いい勝負でありました。また打(ぶ)ちましょう。


エウロペ・マリウス
あとは、猟兵達と一般人相手だから、別にイカサマはしなくてもいいかな?
ただ、相手のイカサマは防止させてもらうよ

行動 WIZ【高速詠唱】【属性攻撃】【視力】【暗視】【礼儀作法】
使用ユーベルコード
【月の女神に従いし亡霊の影(ヘルハウンド・ウンブラ】

牌に傷をつけるイカサマには、【属性攻撃】と【高速詠唱】で傷ついた箇所を氷で補強
手牌をすり替えるイカサマと積み込みには【視力】と【暗視】で監視かな

【月の女神に従いし亡霊の影(ヘルハウンド・ウンブラ】で、背後から覗く手は見せているので、戦闘中に凍らせた箇所を鏡代わりにして監視できればいいかな
見抜いたりできたなら、【礼儀作法】で相手をやんわりと釘をさすとするよ



●そして伝説へ……
 そこは熱気と狂乱の渦中そのもの。雀牌戦闘員と怪人アルパカマッスルを討伐した猟兵に会場は沸き立ち、賛美の声が反響する。もはやその会場は猟兵達のものといっても間違いではない。
 そんな熱を伴って真の暗黒麻雀大会が今、始まるのだ!

「やっぱりこの手で攻めるに限るね!カン!」
 そういうと幻武は手牌に既に揃っていたドラ牌を暗槓する。それだけでも高打点が確約されているというのに、槓によってめくれたドラが更に槓子に乗る……そして。
「さぁ、ここはドラゴンズネストだよ。龍の怒りに飲み込まれるといい!」
 ――嶺上開花。最早その高打点を受け止められる者はいない。そしてめくれるカンドラは……幻武の槓子に乗る!嶺上開花ドラ12……最高に理不尽な『数え役満』の完成である!圧倒的な攻撃力でその卓に居る雀士を飛ばして早々に初戦通過を決める。

 その隣の卓では小野が猛威を奮っていた。『着信あり』で天啓を得た小野は絶妙に無駄のない手作りで堅実に高打点を繰り出してゆく。
「やっと普通に麻雀が打てます……さぁ、自摸和了です!混老頭三暗刻小三元混一色、發中ドラ3……数え役満!」
 こちらでもさも当然のように『数え役満』が生み出される!もはや一般の雀士にとって、猟兵達は住む世界が異なると言って良いほどに雀力の差があるようだ。

「……あぁ、その牌で七対子だ。うむ、付け焼き刃だがどうにかなるものだな」
「それ大車輪じゃねぇか!ローカル役満だよ!?」
「む……そんなものがあるのか……では大車輪だ」
「こんな素人に負けるのか俺たちはぁ!?」
 泣き叫ぶ雀士を気の毒に思う竹城もまた、ルールを知らないながらに53万を越える雀力のみで初戦に勝利してしまっていた。2つずつ揃える覚えやすい手を作ったつもりだったのに思ったより大層な手になっていたらしい。まぁ、それもまた麻雀である。

 だが、決勝戦の席に座れるのは4人のみ……猟兵同士の戦いは避けては通れない!一般人には圧倒できたとしても、猟兵同士では勝者は一人だけなのだ……!

「勝負は時の運……今回は自分の勝ち、でありますな!」
 決勝卓の4人を決めるための最後の予選は4つの卓で行われていた。そのうちの一つでは、キャナリニアと幻武が同席していた。
「ちょっと相性が悪かったかな……せっかくボクに勝ったんだ、優勝してきてくれよ!」
「任せるであります!先程は失態を晒したでありますが、同じ過ちは繰り返さないであります!」

 一方こちらでは小野と四王天が同じ卓を囲んでいた。
「悪いな、こんな事があるなんて……天和だ。神様はアタシに微笑んだみたいだね!」
「くっ……こちらも万全の手でありましたが……いい勝負でありました。また打ちましょう」
 こちらでは四王天が小野に勝利していた――!小野もまた役満クラスの手を揃えていたのだが、天和という役満でも最速の手を出されては反撃は困難であり、その一撃で飛んだモブ雀士によって敗北が決定したのだった。


 こうして決勝の舞台は整った。そこには当然、4人の雀士……否、猟兵が集まっていた!

 卓を囲むのは、キャナリニア・カルコメラン、四王天・燦、エウロペ・マリウス、加茂野・顕如(人間の陰陽師・f00967)だ!

 初親である四王天は今までと明らかに違った覇気を醸し出していた……そう、真の姿の開放――!ボス戦でも見せなかった真の姿を今この日常編において使用してきたのだ!
「アルパカ如きに本気を出してしまった以上……もう最後までガチでやらせてもらう!」

 その言葉と同時に電光石火の早業による手牌と山の入れ替え――『燕返し』が行われる。キマイラフューチャーの技術は進んでおり、今ここにあるのは自動卓。山は自動で組み上がるのだから燕返しの意味なんて本来ならサラサラ無い……しかし、アルパカ戦において自動卓へのハッキングを行っていた彼女はなんと、アルパカと同じ所業を自ら行っていた!!
 バッ!と開けたその手牌は『九蓮宝燈』のテンパイ済み配牌!そして次のツモももうわかりきっている……彼女は『天和』までやってのけようという算段なのだ。

「さぁ、アタシの初親からだ!ツモらせて……」
「――流石にそれは礼儀が欠けているんじゃないかな?」

 ビクリ、と四王天が反応する。

「……どういうことだ?」
「わかっているんじゃないかな。今ならまだ、見逃してあげるけど」

 声の主は、エウロペだ。彼女は猟兵がイカサマをしてくる可能性を考慮して手牌を視る手段を講じていた。四王天がボス戦でハッキングしていたのならば、彼女もまた各所を凍結させていた。鏡のように美しい氷の表面はあらゆるものを映し出す。
 『月の女神に従いし亡霊の影』でその氷の反射面を監視する、それが彼女の策略だった。二重に予防線を張った策が功を奏したと言える結果だ。
 四王天は、『やりすぎた』のだ――九蓮宝燈の天和など、イカサマ以外の何物でもない、それそのものがイカサマの証明のようなものだった!

「そういえば、アルパカが天和をしていたのはイカサマだって、アナウンスしていたっけ。まさか、オブリビオンと同じ手を使う猟兵が居るわけはないと思いたいけど」
「ぐっ!?」

「まぁ嬢ちゃん、そう捲し立てなさんな。ここは無法のキマイラフューチャー、イカサマだって認められとるんやろ?でも、ま、とはいえ今はやり直した方がお互いのためやないか?なぁ?」
 ニヤリと笑うのは加茂野。彼は純粋に麻雀をするためにこの会場に訪れた歴戦のギャンブラーだ。経験はこの場の誰よりも上、このやり取りでおよそ四王天がやっていたことがわかった彼は、それとなくエウロペに肩入れする。それが自らの為にもなると嗅ぎ取ったのだ。

「……ん?待ってください、ということは予選で私が負けた時の天和も……!?」
「……ナンノコトカナー」
 小野は見落としていたのだ、自動卓であればイカサマはされないと思い込んでいたのだ。それ以上に小賢しい手段を取ってくる者もまた、存在していたというのに――!
 観客席から小野を中心とした罵声が飛んでくるが、四王天は耳を塞ぐ。決勝戦が終わってから斧で頭をかち割られる予感がしないでもないが今は忘れておくことにした。


 こうして仕切り直しとなった決勝卓、最強の雀士を決める最後の戦いの幕が開けた!

「さぁ、ポンであります!予選同様、ガンガン行かせてもらうでありますよ!」
 カチャン!と元気の良い音を立てて鳴いた牌を端に寄せるキャナリニア。彼女はとにかく早い麻雀を打ち予選を通過しており、その勢いは未だ衰えを見せることはない。

「ボクもあの速攻に置いていかれたんだ、彼女は鳴けば鳴いただけツモまで良くなっていく。手牌に合わせて鳴くんじゃない、鳴くことで良い循環を引き寄せているかのようだったよ」
 幻武は自身が敗北した局を思い出しながらキャナリニアの速攻を眺め、呟いた。

「不要牌の再使用こそスクラップビルダーの真骨頂であります!皆様にとっては捨てるだけの牌であっても、自分にとっては最高峰の働きをする必要牌なのであります!」
 キャナリニアのユーベルコード『廃品改修重撃斬』の効果も手伝い、鳴けば鳴くだけ手が進む。その速度は他の追随を許さない!
「ツモであります!一気通貫にドラ1つ、30符二翻で2,000点であります!」
 キャナリニアは連続で上がり続け、自身の親番でもなお上がり続ける。点差はじわりじわりと周りを上回り、気づけば持ち点が40,000点を越えるまでに膨れ上がっている。
「くそっ、早すぎる!」
「厄介だね、これは……」
 四王天とエウロペは焦りを感じるが、一人、まるで落ち着き払っていた男がいた。

「威勢がええなぁ。でも、ま、安い手続けても決定打にゃならんやろ?……わいが上家で良かったわ」
 この圧倒的な速攻にも動じずににんまりと笑みを浮かべる加茂野。それもその通りで、キャナリニアの点数は高くても3,000点辺りの手ばかりであった。予選ではもっと高打点を打てていたが、それはこの男の仕業。
「……どうにもチーが出来ないと思っていたでありますが、成程、絞られているようでありますね」
 そう、キャナリニアの本来の狙いは染手。役牌と混一色を絡めることで高めの打点を狙って行くスタンスを加茂野が的確に進めたい色を絞るために点数に伸び悩んでいたのだ。
「ちょいと鼻が利くだけや、嬢ちゃんらより場数だけはこなしとるんでな」

 理牌もせずに麻雀を打つ加茂野。エウロペが手を覗き見ても牌がバラバラで捨て方も適当、何も一貫性を感じない。どうにも飄々とした態度で掴みどころがないが、その目は狩る者の目、茂みに潜み、得物の隙を一切見逃すまいと首元を眺め続ける獣の瞳だ。
「麻雀は流れや。身を任せて漂ってる時間も当然あるわけや」
 ぼやきながらぽいっと捨てられた牌、それはキャナリニアの手を進める一手。これを取れば満貫手がテンパイ出来る。今まであれだけ警戒されていた割にはスッとこぼれ落ちた牌、加茂野も点差に驚異を感じ始めたのかと鳴きを入れる。大丈夫、今は自分に流れはあると!
「チーであります!その流れは今自分にあるようでありますね?」

 ゾクリ。

「!?」
 キャナリニアの背筋に悪寒が走る。河に捨てた牌から指が離れない。
「……どうした?嬢ちゃん……手ぇどかして貰わんと、何が書いてあるか見えへんやんか?」
 
「……一杯食わされたみたいでありますな」
「賭け事ってもんはイカサマだけやない、人の性格も何もかんも読んで騙してかっ喰らう、そういうおっかない世界なんや。これは勉強代やな……『ロン』!すったん!」

 『四暗刻単騎』がユーベルコードによって叩きつけられる!まさに麻雀をする為にあったかのようなユーベルコード、それがこの流れを断ち切り、ダブル役満を生み出した!とはいえ、この場のルールにおいては役満が天井点となるため32,000点に留まるが、点数は一気に加茂野に集まることになる。
「流れっちゅーんはこうやって切るもんや!」

 さぁここからは自分の番だとばかりに加茂野は勢いづく。しかし、それをただ眺めるだけの面子が決勝に残っているはずもない……次の局、このまま加茂野が上がるかと思われた局であったが!
「あんまり調子に乗ってると足元掬われるぜ……それ、ロンだ!」
「なんやと!?……っち、やらかしおったな、嬢ちゃん」
「流れを断ち切ったって言ってほしいね?」
 それは四王天からの一撃が加茂野に直撃する!直前まではテンパイの気配さえ感じなかった方からロンが刺さったものだから加茂野は驚くが、よくよく場を見た時に気づく。『ぶっこ抜き』、その形跡に――!わずかに四王天の山が左側に寄っている。調子よく事が進んだものだから油断した、イカサマを見逃したのだ。それも仕方がない、四王天は今真の姿を発揮している、よほど注意深く見ていなければそのイカサマを看破することは敵わない。

「氷の嬢ちゃん、見とったんやろ?見逃すんか?」
「さぁ、なんのことかな。ボクは都合よく何も見ていなかったけれど」
 エウロペは四王天のイカサマを見逃しては居なかった。だが、それを見逃すことで加茂野に流れを渡さない事を選択したのだ。目論見が外れた加茂野は苦い顔をせざるを得ない。

 そして勝手を許さないのはエウロペも同様だ。
「これが真剣勝負……師匠が賭け事をしていたのも納得だね。ちょっと、面白くなってきた」
パラララ……と倒された手は綺麗なメンタンピン。彼女もまた、負ける気はサラサラ無い!

「そうであります、自分もまだ負けたわけではないのであります!スクラップの底力、侮るなかれ、であります!」
 役満を受けた際に勢いを止められたキャナリニアも徐々にまた息を吹き返す。鳴きだけでなく、読みに対応すべく筋引っ掛けなどの技も織り交ぜて点数を取り戻してゆく!持ち点が減ったことで彼女自身の潜在能力も底上げされたかのようだ。
 誰もが一歩も引かぬ熱い激闘に観客の盛り上がりは最高潮に達しようとしていた!!


 一方、付け焼き刃の知識で打っていた竹城は残念ながら二回戦で敗退していた。流石に雀力が人外染みているといえども雀士達には運だけでは通用しなかったようだ。その後、彼女は一人観客席を離れて会場の隅で床をぶち破り、自らがとどめを刺したアルパカマッスルを埋葬していたのだった。
 簡易的な墓ではあるが、ちゃんとそれとわかるよう、麻雀牌をそっと添える。

「何をやっているかと思えば、オブリビオンを食べるのもそうだけど、どうやらキミは変わり者みたいだね?」
 竹城の背後から声を掛けるのは幻武。隠れてアルパカを食べようとしているのかと不安になっていた小野に連れられて様子を見に来たらしい。
「それはオブリビオンですよ、そんな丁寧に扱う必要なんてないと思いますけれど……」
 小野も食べるわけではないとわかって安堵しつつも竹城の行動に疑問を投げかけた。

「何、オブリビオンといえども終わってしまえば仏には違いない。我とて元武将、情けを掛けてやらんこともない。……どうにも奴は麻雀を心から愛していたらしい。なら、この麻雀を腕を競い合う聖地に骨を埋めるのは本望というものだろう」
 そういってアルパカを埋め終えると、売店で何故か売っていたプロテイン入りのドリンクを墓に掛けた。まぁ、マッスルだしきっとプロテインなんかは好きだろうと思ってのことだった。
 和の精神とは独特だ。命を容易く殺め、殺められる世界に身を置きながらも、その命の在り方とその後を深く重んじる。それは敵にも味方にも関係なしに。武に生きる者にとって明日は我が身。そうであっても悔いなき最後であってほしいとの願いもまた、その精神には秘められているのかも知れない。
 最後に慈しみを込めて手を合わせる竹城には、オブリビオンを喰らっていた時の狂気などは微塵も感じられない。なんとなく、二人も竹城に引きずられるように手を合わせるのだった。

「……優勝が決まるまでまだ時間がありそうですし、もしよろしければ麻雀でもしませんか?私、四王天さんにイカサマされて不完全燃焼なんです!」
 ふと、小野が二人に提案する。
「ボクは良いよ、さっきは相手が悪かったからね、ボクの真の実力を見せてあげるよ!」
 幻武は快諾する、彼女もやや消化不良だったのだろう。
「む……我はルールを少し噛った程度なのだが……」
「戦闘員の頭を噛るよりルールをしっかり噛み砕くべきですね……大丈夫ですよ、教えて差し上げますから」
「そうそう、せっかくだし麻雀の楽しさを知って欲しいよね」
「……そういうことであれば参加しよう、よろしく頼む」

 三人は話ながら、その場を後にした。アルパカもきっと、躯の海で喜んでいることだろう。それはこの場に身を埋められたことだけではない。純粋に麻雀を楽しむ者たちに出会えたこともまた、起因しているはずだ――。


 時は少し経ち、決勝戦は大詰めを向かえていた――!!
 点差は加茂野が点をギリギリで抱えきり28,000点ほど、追うのは四王天で27,000点ほど。続くエウロペは24,000点程度で、一度は持ち点を5,000点ほどに削られたキャナリニアは怒涛の追い上げで21,000点にまで点を回復させていた。
 南場は終わり、点数は平らであるため西場へと突入、誰かが30,000点を超えた時点で、勝負は決するといったところにまで到達していた。ここまで来てなお、まだ全員に勝機が見える拮抗した試合に会場の盛り上がりは頂点に達していた。もはや賭けなんてどうても良い、誰が勝っても満足できる。それほどに熱い戦いだ。

 勝負はいつ決してもおかしくない。精神力的にも皆、相当疲弊している。

 絶対に振り込めない、しかし上がらねば勝ち得ない。そんな中……最後の和了を宣言したのは――!

「――ツモ、だよ。七対子ドラ2……25符四翻、6,400点……ギリギリ、30,000点に乗った……かな?」

 エウロペだ――!僅かに、それでも確実に、3万点のラインに点数を乗せたのだ!

「くぅ~、追いつけなかったでありますか……!」
 この卓において最も数を上がったキャナリニアは悔しげに天を仰ぐ。
「いや~……まさか負けるとは思わんかったわ、おめでとうや!」
 へらり、と笑う加茂野もまた、少女を素直に賛美する。

 しかし、ここまで来て、なお!あがくものが一人いた!!
「こうなれば……最後の手段だ!!ぽちっとな」

 四王天が隠されたボタンを押した!すると自動卓に表示されていた得点が全て四王天の元に集約される!!バグを利用したイカサマだ!!いや、もうイカサマでもなんでもないこれ!!

「これでアタシの持ち点は10万点!!アタシの優勝だぁああああああ!!!」
「ええええええっ!!?そんなイカサマありでありますか!!?」
「……いっそ堂々としすぎてボクも言葉がないよ……」
「ハハハ!!とんでもない詐欺師がおったもんや!!」

「文句ある奴はかかってこい!場外乱闘だってルールの内だぁ!!」
「あれ?つまりここで勝てば自分の優勝でありますか!?うおおお!!やらいでかーーーであります!!」

 こうして猟兵同士の場外乱闘に発展し、会場の雀卓が全て消し飛び二度と会場が使えないようになってしまったが、雀士として、暗黒麻雀大会の初代優勝者になったのはエウロペ・マリウスであった!

 色々あったものの、暗黒麻雀大会は無事、その幕を閉じることとなった。オブリビオンによる被害もなく、むしろ最後の場外乱闘の被害が最も甚大だったようだが、これも猟兵達が頑張ってくれたおかげに違いない。

 この戦いは歴史に刻まれ、後世に語り継がれることだろう!ありがとう、猟兵達よ!永遠なれ、猟兵達よ!!

 ……なお、墓の下でプロテインと雀力を存分に吸い上げ、大量のアルパカが床を突き破りながら生えてきて、第二の暗黒麻雀大会が勃発するのは、また別のお話である……。

~fin~

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月24日


挿絵イラスト