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ホンマグロの使者

#UDCアース

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#UDCアース


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 唐突に視えたそのヴィジョンは常軌を逸するモノだった。
 東京湾沿岸を埋め尽くす触手の怪異、そしてその上を悠然と泳ぐマグロ。
 そのマグロはあたかも触手を使役するかの如く、人々の営みを蹂躙していった。
 そして異形に満たされた眼下を満足そうに見渡し、マグロは語る。
『この海はホンマグロのモノだ』

「悪夢を見た」
 虻須・志郎(第四の蜘蛛・f00103)は焦燥した雰囲気で、グリモアベースに集まった猟兵達に、己が視た恐ろしいヴィジョンを説明した。俄かに『またマグロか』という空気が流れる。
「最近、数億の値段が付いたマグロの話があったよな」
 そんな空気も気付かずに、志郎は話を続けた。
「アレを見てから無性にマグロが食べたいと思ったら、そんなのが視えた」
 だったらそれはオブリビオンじゃないのでは? という質問が飛ぶ。
「いや……だって、飛んでるんだぞ、マグロが! 間違いない、邪神の仕業だ!」
 どう飛躍すればその発想になるのさと呆れた様子の猟兵達を尻目に、ぼそぼそと説明を続ける。
「だからさ、調べたんですよ……マグロが食べられる店を。そしたら」
 そしたら? 一応話は聞いてもらえそうだった。
「何故か大量行方不明事件にぶち当たった」
 成程、人間が大漁とな。違うそうじゃない、お前は何を言ってるんだと猟兵達が詰める。
「だから、ある有名寿司店で食事した人が、その日を境に姿を晦ませているんだ!」

 そんな都合のいい事があるのか……猟兵達は改めて、事の詳細を伺った。
「2週間ほど前から、それぞれ関係のない人達が一斉に、忽然といなくなる……捜査の結果、大半の行方不明者がその店で食事をしていた事が分かった」
 つまり、そのお店で食事したか分からない人も、同じ理由で行方不明になっている可能性がある、と。
「勿論、その時期の行方不明者が全てそうだとは限らないが……証言の数が余りにも多かったらしい。で、警察もその店を捜査したけど、何の物証も得られなかった。それどころか、警察官も一部行方不明となっている」
 だとしたらおかしい。警官までもが行方不明になれば不祥事どころか、完全に異常事態だ。それに表沙汰にも出来ない訳だ。
「ただその店はかなりの力を持っているそうでね、何故か強制執行も出来ないらしい。それに周囲の他のお店に悪影響になりかねないと、執行自体が全館的な反対にあっている」
 この件はただの行方不明事件以上に、それとは全く関係ない別のデリケートな問題も孕んでいるらしい、との事だ。して全館的とは? 猟兵が質問した。
「その店は新築の場内市場にあるんだ。名前は“マグロうまい 場内市場店”」
 ああそれなら聞いた事がある、数億のマグロの店だと、一部で声が漏れた。

「今回の目的はそのお店を調査して、行方不明になった人達を見つけ出して欲しいんだ」
 志郎が言うには、その店はこんな状態でも営業を続けており、それなりにお客が入っているとの事だった。幸い直近で行方不明者は出ていないが、予断を許せる状態じゃあ無い。
「最悪の事態も考えられるが……出来る限りの事はしたい」
 それは行方不明者が全員死亡している事態。行方不明になってからまだ2週間かそこらだ。今の時点で何も起きていないのであれば、生かされている可能性もある。
「まあお客になって話しを聞いてもいいだろうし、出入り業者を当たってみるのもいい。なんなら店の従業員になっちまうのが手っ取り早いかもな」
 先ずは調査だが、いきなり『行方不明者を出せ』というのは流石に乱暴が過ぎる。外堀から埋めつつ、上手い所で救出を確かなものにするべきだろう。
「そこの従業員が関与しているか確証はないけど、こんな状態だ。警戒するに越した事は無い。それにこんな異常事態、猟兵でもなければ危なくて関わる事も出来ないだろう」
 もし事が起これば一般人では対処出来ない。志郎は暗にそう言っていた。
「行方不明者が見つけられればUDC職員に連絡、直ちに開放の為の人員を送る手筈になっている」
 つまり、猟兵はあくまで調査のみに注力すればいい。後はUDCのサポートで、派手な騒ぎはもみ消してくれるはずだ。

「俺が視たヴィジョンは恐らく最悪の状況になったらだ。いきなり空からマグロが降ってきて触手が蹂躙してくるわけじゃないだろう。先ずはその準備段階で、奴らの目論見を潰すんだ」
 志郎は深々と頭を下げて、猟兵達に命運を託した。


ブラツ
 ブラツです。マグロは赤身が大好きです。
 今回の作戦は先ず大量の行方不明者を探す事が目的です。
 舞台となる“マグロうまい 場内市場店”は最新の設備が整った普通の寿司屋です。
 市場直結とあって特大の冷蔵庫や、やたら大きい生け簀などが常備され、
 新鮮な魚介類を常に食べられる素敵なお店です。

 最初の調査フェイズは行方不明者を隠せそうな場所の特定と確認が第一です。
 その為、色々な手段で調査をして頂く事にはなりますが、
 多様な状況が連動する形になるかと思います。
 どうしても単独行動を行いたい場合はご一筆ください。

 行方不明者の救助の開始と共に集団戦に移行します。
 戦場はそこまで広くはありませんが、転倒などにお気を付けください。
 以降は状況に応じて動く事になりますので、
 よろしくお願いいたします。
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第1章 冒険 『人気のあるレストラン』

POW   :    客として入店する

SPD   :    聞き込みや関係者を追跡する

WIZ   :    アルバイトをする

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

佑・盾
夢の話を聞く限り、どう考えてもマグロ関連が怪しいよねぇ……
ボクみたいな子供が一人で寿司屋の中にずっと居るのは変だろうし、店の外を調べるよ。
マグロを食べてから店を出た客や店から出たゴミを調べてみよう。
人は【BurstBinder/code:CHASER】で【追跡】するよ。

ゴミの方は汚いのでボク自身じゃなくて
【情報収集】をサーチドローンである【BB/SearchHand】に任せておくね。
【第六感】だけど生ゴミは特に注意して調べてもらうよ!


テン・オクトー
飛ぶマグロに乗ってみたいかも、なんて思っちゃいました。いやいや行方不明者がでて大変なんですよね。
WIZ
思い切って潜入捜査します。初アルバイトです。お魚咥えたりしませんよ。新人ですから包丁握るとかとんでもない。シャリ握りですか?肉球デリケートなのでちょっと、、。あ、新人バイトは品薄になってるサク持ってきますね。大きいお店らしいので冷蔵・冷凍庫も大きいよね?中を調べるよ(氷結耐性)。行方不明者、、いないよね?
行方不明者の安全確保が第一優先なら、自分からは下手に聞いたりしない方がいいかな?アルバイト中は店員さんやお客さんの会話を聞きに徹します(聞き耳)

連携アドリブ歓迎です。


響・夜姫
・客として入店する

「つまり。経費で海鮮が食べ放題」
調査も1日では終わらないだろうね。うん、暫く通おう。

入店前に市場内を歩き回り構造や通路、死角を調査。
入店後はカウンターやスタッフの近くの席に座り、ちゃんと料理を注文。
料理の蘊蓄・食べ方等、店内の配置や設備、
行方不明の話も耳に挟んだ噂として世間話の話題に。
まぁ、最後が本命かな。
反応を露骨にならない程度に観察だ。
「最近近くに引っ越してきたんだ。ここは賑やかだし、ごはんが美味しいから好きだよ」
最近似たような本を読んだし、この設定で行こう。
学習力のみせどころだね。

「ごちそうさまでした」
私を狙ってくれれば。話が早いんだけど。
ひとまずは情報共有かな?


モニカ・ノイチェ
(マグロにつられたなんて言えない)

POW
客として入店し調べましょう。
行方不明者の事もありますし、こちらからは下手に事情聴取はしない方がいいですね。話しかけてもらうよう仕向けます。食べます。もりもり食べます。マグロも沢山食べます(大食い)。皿を積み上げ、店員さんお客さんの目をひきます。好奇の目で見られるかもしれませんがまあ構いません。これをきっかけに誰か話しかけてくれたらもうけもの。それを切り口に情報を集めましょう(情報収集)。そういえば寿司店で食事をした人が行方不明とか。私自身が誘拐されてみるのも有りですね。

単独連携アドリブ歓迎です。


間仲・ディコ
マグロ!!!
赤身! トロ! どこを食べてもおいしい!! マグロ!!!

…おっと、目的を忘れるとこだったっす。
おいしい話の裏に事件が潜んでいるのは頂けないですね。
ここは一つマグロ…じゃない情報を頂きに入店しますか!

観光客を装いつつ、他にも調査で来た人がいたら同席っす。

見落とさないようメニューを細部までチェック。
いやーこうして眺めているだけでもお腹減るっすね! 素晴らしき! マグロ!
ついでにテーブルの上の調味料なんかも確認しますか!怪しくないかなー?

店員さんが近くに来たら【情報収集】っすよ!
【コミュ力】で【時間稼ぎ】、話はなるべく引き出したい。
おすすめのメニューとか、…裏メニューとかないっすかね?



●狙われたマグロ愛好家

1日目――
「つまり。経費で海鮮が食べ放題」
 しかも一日程度では終わらないだろうこの依頼、正に役得とほくそ笑む響・夜姫(真冬の月の夢・f11389)が“マグロうまい 場内市場店”へやって来たのはランチの時間だった。
 事前に市場内を隈なく散策。あくまで自然に場内の構造を的確に把握した。ざっと見た所、観光客で溢れる仲卸売場棟の3階にある飲食店街周辺には特段変わった所は無い。むしろこんなに賑わいのある所で、行方不明者が出たなんて信じられない話だろう。強制執行を断固反対される理由も何となく察する事が出来る。
 このままでは埒が明かない。であれば待望の実食ならぬ、店内の調査だ。あくまで自然に、夜姫は件の店内へ足を運んだ。

「今日からアルバイトになりましたテン・オクトーです! よろしくお願いします!」
 テン・オクトー(気弱な小さき猛獣・f03824)は生涯初のアルバイトをUDCの調査という形で始める事になった。空飛ぶマグロなんて乗ってみたい……などと、可愛らしい事を考えてもいたが、既に行方不明者が大勢出ているこの事件、思い切って潜入捜査してやるぞと気合は十分だった。
 先ずはフロア業務を徹底して教えられ、その後は裏方の雑用も。お店は繁盛していて随分と忙しい。カウンターに目を移せば黙々と寿司を握る職人の手捌きにうっとりとしそうになるが、今は仕事中、そして調査中だ。ふと生け簀の魚と視線が合うが、ぷいとそっぽを向かれた。ついお魚咥えたくもなってしまうが、今は仕事を覚えよう。

2日目――
 佑・盾(BurstBinder/JUNE・f11075)は店外の調査を行っていた。お店に堂々と入れる年齢じゃないし、社会科見学の一環だって言えばそんなに怪しまれたりもしないだろう。学校ここじゃないけど。
 あくまで慎重に、お店から出たお客やお店から出るゴミを調べよう。昨日の時点じゃ特に変わったお客はいなかったし(むしろ変わったお客は仲間だろう多分)、今日はお店そのものをもっと詳しく調べたい。そんな思いを秘め、ゴミを捨てに出て来た店員の後をつける。事業ゴミの集積場、微妙に嫌な臭いが漂っているが、勇気を出して中に忍び込む。ゴミの中身は【BB/SearchHand】に見て貰えばいいや――その時、不意に後ろから肩を叩かれた。

3日目――
「最近近くに引っ越してきたんだ。ここは賑やかだし、ごはんが美味しいから好きだよ」
「いやーこうして眺めているだけでもお腹減るっすね! 素晴らしき! マグロ!」
「すいません、私の次のお寿司がまだ来てないのですが。あと赤身2人前追加で」
 可愛らしい少女達が思い思いを口走る。夜姫に続いて、間仲・ディコ(振り返らず振り出しに戻らず・f01702)とモニカ・ノイチェ(ドラゴニアンのパラディン・f12048)が合流したのだった。
「ごはんが美味しいから、お友達連れて来ちゃいました」
 うるさくしてゴメンなさいとしおらしく謝罪する夜姫に、いいよ今日は空いているからと笑顔で返す板前。その傍らではオクトーが必死の形相で寿司下駄を運んでいた。
「お待たせしました、中トロと大トロ3人前です!」
「赤身! トロ! どこを食べてもおいしい!! マグロ!!!」
「ありがとうございます。他に美味しい部位を教えなさい」
 元気よく配膳するオクトーに純粋に喜ぶディコ、さりげなく話を広げようとするモニカ。三者三葉の情報収集に夜姫が乗っかる。
「モニカ、美味しい部位といったらマグロのカマ、ほほ肉、脳天といった」
「じゃあそれください」
 間髪入れずに注文するモニカ。その横で今度はディコがオクトーに質問する。
「何と! そんなメニューもあるんすか! それじゃあ他にも何かあったりするんすか?」
 最早この人達ここへ何しに来たんだろうと狼狽え、オクトーが板前に助けを求める。
『そんなにマグロが好きなら、とっておきがあるけど食べるかい?』
 笑顔で板前が語る。幸い、現在のこの店のお客は夜姫達だけだ。
「そんなものがあるなら、是非頂きたいですね」
 経費はUDC持ちですし、などと不遜な思考を過ぎらせて夜姫が答えた。

 オクトーは板前に指示されて冷蔵庫へと向かった。3日目にしてようやく、目的の場所へとたどり着く。暗唱キーを差し込み、ロックを解除。ゆっくりと扉を開いた。
 指示された場所は店内では無く、場内市場地下にある業務用大型冷蔵庫だった。お店が契約して使っている特注の特大冷蔵庫、ここに件の数億円のマグロがあるらしい。寒さには強い自分だ、そんなに時間は無いけど怪しい所を探さなきゃ。
「それにしても……広いなぁ」
 余り時間も掛けられないと、庫内の怪しい扉を一つ一つ開く。冷蔵だったら、まだ生きてるかもしれない……そんな淡い希望を頼りに調査を進め、不意に妙な膨らみのある扉が目に入る。オクトーはその扉を威勢よく開け放った。中には目を閉じ、衰弱しきった様子の行方不明者達が、無残にも透明なラップで包まれて押し込められていた。
 その時、突然照明が落ちた。同時にがりがりと機械が蠢く音が聞こえる。冷蔵庫の扉に鍵がかけられたのだ。オクトーはここでようやく、嵌められたことに気付くのだった。

 ヒンジが軋む不快な音が響く。冷蔵庫の扉が開けられたらしい。外の光が庫内に入り、状況が俄かに見えてくる。オクトーの目の前に板前がいた。
『お前達は知らないのかもしれないが、我々にはお前達の姿が分かるんだよ、猟兵』
 あれから10分くらいは経っただろうか、余りの寒さに体の痺れが取れない。板前の不穏な言葉もよく聞こえない。
 そして板前の後ろには、ターレーに積まれた大荷物……眠る三人の猟兵の姿が見て取れた。いつの間にか一服盛られ、ここまで連れてこられたのだろうか。
『しかしこうなれば最早袋の鼠……いや、猫か?』
 いやらしい笑みを浮かべ、板前がオクトーに迫る。しかし、オクトーはその悪意にニヤリと笑みを返す。
 刹那、小柄な機械の塊が物凄い勢いで板前にぶつかった。

「大丈夫ですか!? オクトーくんが戻ってこないから、職員を呼ぶのに時間が掛かっちゃって」
 盾だった。盾は2日目にオクトーと接触し、“もし冷蔵庫に行く時は連絡する。その後5分以内にもう一度連絡が無かったら、UDC職員達を読んで欲しい”と、救出作戦を立てていたのだった。
「廃棄されたゴミに触手型邪神と同じ肉片が残っているとはね。ま、最初から分かってたんだよ」
 最初の調査の段階で、店内に邪神に関わる何かが存在する事は把握されていた。【BB/SearchHand】で場内を隈なく調査し、中身が不明で“マグロうまい 場内市場店”に関係する場所はこの冷蔵庫のみとなっていた。つまり行方不明者がいるとしたらこの中に違いないと、盾とオクトーは推測していた。
「そういうわけ。ここに来るには色々と面倒な手順が必要だったから、お呼ばれされるまでわざわざ待っていたんだよ」
 夜姫も、アルバイトのオクトーと連絡を取り合い、冷蔵庫にいるであろう行方不明者の救出に向けて、陽動案を練っていた。
「そうっす! 流石に邪神のゲソなんか食べるわけ無いっす!」
「赤身がまだ来ていないのですけど」
 その中で、ディコとモニカも合流し、数億のマグロをダシに冷蔵庫を開けさせる作戦を実施したのだ。
「まさか私達まで邪神の生贄にされそうになるとは思いませんでしたけどね」
 触手系邪神眷属の触手には脱力と恍惚を齎す毒がある。幾ら猟兵とて、無力化すれば誘拐出来ると思われたのだろう。
 夜姫は長い銀髪を振りながら板前を見据える。その瞳はこれまで受けた屈辱に対する怒りに燃えていた。
「さあ、さっさと正体を見せろっす!」
 ディコが両手を打ち鳴らし闘気を発散する。腹ごしらえは十分、あとは眼前の敵を料理するだけと意気揚々だ。
「我慢した分、食べてもいい?」
 オブリビオンの実食については前回おあずけを食らったのだ。今回はいいよねと言わんばかりに、モニカの闘志も漲っている。
「ばすとばいーんだー! せっとあっぷ! れでぃごぉー!」
 ふらつくオクトーを支えて盾も己の相棒を戦闘形態へと移行する。行方不明者を護る様に、その威力を板前に向けながら。
「……それじゃあ短い間ですけど、お世話に、なりました!」
 オクトーがランタンに火を灯した。冷たい身体が徐々に温まる。合わせて戦意も蘇る。ここから先はアルバイトじゃない。猟兵の時間だ。

『おのれ……猟兵ィィィィ!!!!』
 怒りの発声と共に、板前は異形へと姿を変えた。
 行方不明者の確保はUDC職員が徐々に進めている。
 今は彼らを護りつつ、眼前の眷属を叩く時だ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『パープルテンタクルズ』

POW   :    押し寄せる狂気の触手
【触手群】が命中した対象に対し、高威力高命中の【太い触手による刺突】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    束縛する恍惚の触手
【身体部位に絡みつく触手】【脱力をもたらす触手】【恍惚を与える触手】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ   :    増殖する触手の嬰児
レベル×5体の、小型の戦闘用【触手塊】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

響・夜姫
「美味しくなさそう」
……料理として出てないことを、祈ろう。
食べてたら。
トラウマ。

・SPD
「……この触手。えっちなやつでは?」
……なんとなく、そんな気が。しない?しないか。
【2回攻撃】【誘導弾】【一斉発射】を活かして二丁拳銃を踊るように撃ちまくる。
的は大きい。撃てば当たる。たぶん。
リロードの隙はアームズフォートで。
味方へ【援護射撃】も忘れない。

脱力時「あ……まだ、さーもんたべてない……」
恍惚な時は……ちょっとこう、自分ではできないような色っぽい感じで。
きっとそうなる。命中したら。……避けよう。
※どのように取っていただいてもOKです。命中したら判定成功、または適当なタイミングで抜け出します。


モニカ・ノイチェ
おぞましい触手ですが紫色のゲソと思えば可愛くも見えるかしら?相手になりましょう。体に害がなさそうならお持ち帰りしてみるのも有りかもですね。火を通せば食べれない事はないでしょう。、、難しいかしら?
POW
守りに力を入れます。
可能な限り狂気の触手を盾でガード。ドラゴニアンチェインで少しでも動きを封じるよう持っていき、仲間の援護、サポートにあたります。


テン・オクトー
うわあ、形容しがたい姿だね。アレに挑む事を考えると鳥肌がたちそうだよ。
SPD
触手といえばやっぱり捕まえられたりにぎにぎされちゃうのでしょう?出来そうなら(クライミング)で触手の上をちょこまか這い回ろうかな。恍惚の触手に対してはUCでするすると捕まらないようかいくぐるよ。うまいこと触手を絡ませれないかな?少しでも動きを鈍らせれるといいな。

他の方との連携、アドリブ歓迎です。


間仲・ディコ
奴さんの正体見たり、っすね!

…いやーおいしくなさそう! よし倒そう!
おいしいマグロを頂きましたからね、【気合い】はばっちり!!っすよ!
食後の一暴れといきましょうか!

トリニティ・エンハンスで攻撃力増し増し。
触手に絡み付かれるのは勘弁!っすね…。
足元は滑らないように注意して、後衛で【全力魔法】しつつサポートっす!

なんてったってここ、寒いっすからね、
暖も取るついでに景気良く【範囲攻撃】で、
【属性攻撃】でゲソを焼いていきましょうか!
うねうねこっちに向かってくる触手は【見切り】【早業】で片っ端から叩いていきたいところっす。
手加減しないっすよー、こんがりベリーウェルダンな焼き加減で仕上げましょう!!



●場内市場の悪夢

「美味しくなさそう」
 薄暗い照明の中、響・夜姫(真冬の月の夢・f11389)はあからさまに嫌悪感を曝け出す。
 うわぁ……料理として出てないことを、祈ろう。食べてたら、トラウマ。
 ウネウネと蠢く触手に向かって、夜姫は踊る様に二丁の改造拳銃を斉射した。白と黒の調べが殺到する悪意を爪弾く。的は大きい、マガツの流れる様な速弾きにダルクの正確なタッピングは神域の演奏者の如く、並居る異形を次々と屠る。



 途中までは。



「あ痛」
 足場も悪く薄暗い場内市場の地下、滑る床に一瞬足を取られその場へ尻をつく。刹那、それまで成すがままにやられていた触手の群れが猛然と夜姫へ向かってきた。
 ヤバい……この触手。
「もしかして、えっちなやつでは?」
 蠢く異形は瞬く間に夜姫の全身を覆い被さんとする。しゅるり、ぬめりと衣服の上へともたれ掛かり、ふわふわのファーの毛並みがべったりと濡れる。
「ああ……まだ、さーもんたべてない……」
 触手が醸し出す瘴気に夜姫の意識は遠のいていく。違うそうじゃない、さーもんじゃなくてでーもんだ。
「うう、ん……」
 闇色の豪著なスカートの裾の中へ、ふわりと広がった袖の奥へ、ゆらりゆらりと淫靡な腕が這うように進む。
「あぅ……う……!」
「おぞましい触手はゲソ程の可愛げも無いですね。××ですこんな俗物」
 モニカ・ノイチェ(ドラゴニアンのパラディン・f12048)は眼前の乙女の敵に怒りを炸裂させた。

 【ドラゴニアン・チェイン】――怒りの念動爆導索は夜姫を襲う触手の群れをその柔肌から思いっきり引き剥がすと同時に大・爆・発・だ!
 一本釣りの要領で宙に舞う触手を五色の爆炎が包み込む。場内市場の地下に一瞬、花火めいた閃光が煌めいた。
「火を通せば食べれない事はないかとも思いましたが……撤回です」
 敬意をもって食すにも値しない××です、こんなの。モニカの怒りは止まらない。
 爆ぜた触手の本体には未だ念動の鎖が繋がっている。怒りの籠ったその鎖から、最早逃れる術は無い。
 うぞうぞと雰囲気を察して怯えたような仕草を見せる触手塊。だがもう遅い。
「逃がしませんよ、お前なんかお寿司についてる緑色のプラスチックの葉っぱ風の何か以下です」
 汝らギルティ、よって極刑。
 片手で念動鎖を捌き、もう片方の手には処断の剣、バスタードソードが。
 破れかぶれで伸ばされる触手をなます切りにしながら、モニカはその核目指して前進した。

「うわあ、形容しがたい姿だね。そして名状しがたい攻撃だね」
 テン・オクトー(気弱な小さき猛獣・f03824)は眼前の光景へさも冷静そうに感想を述べながら、くしくしと毛繕いに励んでいた。そんな事してる場合では無かろうに。
「や、素早く動いて触手を絡まそうと思うんだ」
「一体誰と話してるんすか?」
 間仲・ディコ(振り返らず振り出しに戻らず・f01702)は傍らで同じく戦に備えるオクトーに話しかけた。ディコは既に気合十分、戦闘態勢万全だ。
「アレに挑む事を考えると鳥肌がたちそうだよ……」
「……いやーおいしくなさそう!  よし倒そう!」
 そこなの? 何か正気が削がれるとかそういうの無くて? ある種の純粋さは狂気をも凌駕するのかと、オクトーはその強さに感心した。
「おいしいマグロを頂きましたからね、気合いはばっちり! っすよ!」
「でも、触手といえばやっぱり捕まえられたりにぎにぎされちゃうのでしょう?」
 さっきも目の前であんな事こんな事が繰り広げられていたし……思いだすとちょっと恥ずかしい。
 対するディコはマグロ食べた分ブン殴る気満々だ。そこに慈悲などという生易しい物は無い。そしてオクトーの不安を払拭するかの様に、豪快な反撃方法を提案した。
「触手に絡み付かれるのは勘弁! っすね……よし纏めて焼こう! っす!」

「さあ、食後の一暴れといきましょうか!」
 ディコは【トリニティ・エンハンス】で己の攻撃力を倍増、更に全力の魔法詠唱に炎の属性を載せて、範囲攻撃で辺り一面を業火で焼き尽くさんとする。
「ちょっと、モニカさんまだいるよ!」
「手加減しないっすよー、こんがりベリーウェルダンな焼き加減で仕上げましょう!」
 人の話を聞いて! いや猫かな? ともあれ、オクトーは急ぎ触手の間を駆け抜けて、モニカの下へと馳せ参じる。
 うねうねと蠢く異形をいなし、手にしたランタンの炎で近付く悪意を追い払う。あっという間にオクトーは、モニカの下へと辿り着いた。
「モニカさん! もうすぐディコさんが」
「あ?」
 ヤバいこの人も正気度を失ってる別の意味で。このままでは二人揃ってベリーウェルダンに……
 そして、着火。豪勢な地下バーベキュー大会が始まってしまった。

 気が付くとオクトーは巨大な影の中にいた。それはモニカの大盾。彼女はこうなってもいい様に、仲間を守る為にあらかじめ準備をしていたのだった。仲間を守るという信念、それを汚された故の凄まじき怒りだった。
「まだ……油断は出来ないよ」
 ガタン、とモニカは大盾を担ぎ上げる。片手には未だ、先程の念動鎖が残っていた。
 鎖の先の異形はその殆どがこんがりと焼かれてしまった。しかしその核は健在だった。
「アレを倒さないと……また悲劇が繰り返される」
 ちらりとモニカは夜姫の方を見た。既に触手の束縛からは脱したが、上気した表情で燃え上がる触手を眺めている。
「ハァ……」
 皆の正気が削がれていく。これが恐るべき邪神との戦い。
 虚ろな溜息を上げる夜姫を同じ様に見て、オクトーは決意を新たにした。

 ご先祖様、ボクの正気を守護って!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

佑・盾
なんかこう、飲食店に出てきてはいけなさそうな触手。
ぬめぬめしてそうだけど燃やし続ければきっと大丈夫に違いない。うん。
おぶつはしょーどくだー

【WIZ】で判定。
触れたくないのでユーベルコード【生まれながらの炎】を使用して攻撃するよ。
【見切り】を使っての【ダッシュ】【ジャンプ】で触手には当たらないように頑張って避けるよ!
というか、13歳の女の子に触手をムリヤリ、なんて色々と駄目だよ!!


テン・オクトー
敵もクセが強いが味方も大概だった。オロオロしちゃう。でもでもこの中で男の子はボクだけなんだ。
お嬢さん方(?)を守らなくてはっ!(涙目)
WIZ
沢山の触手の塊が出ようともUCの竜巻効果で吹っ飛ばすよ。とんでけ〜!鉤爪効果で本体の触手もぶった切って核を目指すよ。ランタンもあるし(暗視)で足元はすくわれないはずだよ。核までいけたらフレイルでボコボコだ!

落ち着いたら、、
ボク殴りクレリックだけど多少(医術)の心得はあるから仲間を応急処置するよ。えっとどこを処置したら、、うん、回復魔法がきっと自動的に治してくれるよね?

ご先祖様、ボク正気でいられたかな?

他の方との絡み、アドリブ歓迎です。


モニカ・ノイチェ
ふー、、
あまりの怒りに一瞬我を忘れてしまったわ。パラディンたるもの怒りに振り回されず対処しなくては。さて、、、、「この××がっ!」

攻撃であるドラゴ二アンチェインを使ってしまった今、自分に出来ることはやはり1つ。仲間を守り援護する事。触手をどうにか引きつけて【無敵城塞】!(初めて使うUC。触手相手にどこまで超防御できるのか少し不安だけれど)仲間が核を叩くまでは壁となるよう努力しましょう。

また仲間に何かあったらキレても構いません。たいした技能もっていないので、引きつけられなかったら攻撃は剣なり盾でどつくなりで。

単独連携アドリブ歓迎です。



「こんなお店に出しちゃいけなそうな触手……というか、13歳の女の子に触手をムリヤリ、なんて色々と駄目だよ!!」
「その通りです……この××がっ!」
 保護した行方不明者達を全て護送し終えた佑・盾(BurstBinder/JUNE・f11075)は、仲間を辱められて憤るモニカ・ノイチェ(ドラゴニアンのパラディン・f12048)と共に、正面のこんがり焼かれた触手と対峙する。傷ついたとはいえ、無駄に生命力だけは一級品の触手である。じゅるりと立てたその音は、まるで獲物を前に舌なめずりしている様であった。
「そうだよ、色々あったけどアレは許しちゃいけないっ!」
 テン・オクトー(気弱な小さき猛獣・f03824)はふるふると頭を振り、気を新たに敢然と異形に立ち向かう。この中で男の子はボクだけなんだ。お嬢さん方を守らなくてはっ!(涙目)
 大丈夫、涙の数だけ強くなれるって誰か言ってた。

 触手は再びうねうねと脈打ち、その腕を猟兵達へと伸ばしてきた。咄嗟にバスタードソードで返り討つモニカ。今、自分に出来ることはやはり1つ。仲間を守り援護する事。
「……ふー。あまりの怒りに一瞬我を忘れてしまったわ。パラディンたるもの怒りに振り回されず対処しなくては」
 ぴしゃりを己の顔に喝を入れ、大盾を構えなおす。
「来なさい外道、そんなフニャ××に屈する私達では……無い!」
 その叫びと共にモニカの銀髪がふわりと棚引く。巻き起こった一陣の風は辺りに暴風の防御を形成し、モニカに密集した。
 【無敵城塞】――足止めを代償に絶対の防御を手に入れるユーベルコード。今のモニカにはどんな威力も通らない。その力は、次々と弾き飛ばされる触手どもが実証していた。

「ぬめぬめしてそうだけど燃やし続ければきっと大丈夫に違いない。うん」
 盾は装備を確認し、作戦を決めた。また燃やすのか。そうとは知らず、モニカに向かわず残った触手が盾を狙う。
「そんなもの、ボクには当たらないよ!」
 言うが早く、盾は己の武装を覚醒させる。

 ば す とばいーんだー! せっとあっぷ! れでぃごぉー!
 BurstBinder Setup! Ready GO!

 その声に応える様に、四肢に備えた推力が迫る触手を振り払う。BurstBinderは無数のロケット付きロボットハンドによる武装換装システムを搭載したアームドフォート、あらゆる状況に対応出来る万能兵装ステーションだ。盾の動きをアシストする様に、大地を駆け、宙を舞い、盾は触手を華麗に回避した。
 しかし宙を舞う盾から追いすがった触手は急遽反転、螺旋を何重にも描くような奇妙な軌道で追撃を再開した。爆音とともに吹かれる推力を避ける様に、器用な動きで盾に迫ると、その足首を異常な力で締め付け、盾を地面に振り落とさんとした。
「捕まった……でも!」
 盾は焦らず、呪文を唱える。全てはこの時の為に。
「“爆炎を封じるもの”よ。今一度その戒めを解きて我が敵を灰燼に帰せ」
 超自然発火能力のユーベルコード【生まれながらの炎】――その炎は盾の足に絡みついた触手を伝い、瞬く間にその全身へと広がっていく。
「おぶつはしょーどくだー」
 強い言葉で異形を焼き尽くす盾。悲鳴とも思しき怪音を響かせる異形、そして懐には小さな影が迫りつつあった。

「ご先祖様、ボク正気でいられたかな?」
 ひょこひょこと駆けるオクトー。大丈夫だ、問題ない。そしてモニカの囮作戦と盾の反撃で最早阿鼻叫喚に陥った触手へと容赦のない一撃が下される。
 【サモニング・ガイスト】――勇猛果敢な古代の戦士はオクトーの肩を叩くと、雄叫びと共に辺りの触手を呼び起こした竜巻で吹き飛ばす。道は拓かれた。
 懐へ迫る影に気付き、慌ててモニカに向かっている触手を引き戻す。しかしそれを見過ごす守護騎士ではない。
「もう終わりですか? 果てるのも早いこの×××××××が! 少しは×××を見せてみなさい!」
 今度は必ず守り抜く。強い決意を瞳に灯し、モニカは触手を挑発しながら、手にしたバスタードソードを強引に投げつけた。その切先が触手を捉え、地面に縫い付ける。
「盾よ、この役立たずを微塵に還すわよ!」
 縫い付けられた触手に飛び掛かり、ガツン、ガツンと大盾の底ですり潰していく。まさに地獄、狂気を凌駕する怒りの所業。その余りにも痛々しい猛攻に、あんまり痛くなさそうなオクトーへの追撃がまたも緩む。
「……今だ」
 じゃらりと愛用のフレイルを手に。開かれた突破口の中枢に触手の核を見る。邪魔な有象無象はご先祖の鉤爪が振り払い、オクトーは一気に駆け抜けた。
「これで、お仕舞い!」
 疾駆する猛獣は獲物を眼前に捉え、ぼこんと全力で振り上げられたフレイルがその核を砕いた。


 ぼとりと崩れ落ち果てていく触手ら。
 しかしその奥で、冷蔵庫の中で、最も恐るべき脅威が目を覚ました事を、猟兵達は知らなかった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『邪神マグロ』

POW   :    大地を穿てマグロ
単純で重い【突進 】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    回遊魚の本気
【マグロ本気で泳ぎますモード 】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
WIZ   :    突撃する同胞達
レベル×5体の、小型の戦闘用【空を泳ぐマグロ 】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はフィーナ・ステラガーデンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 触手は最後の力を振り絞り、封じられた冷蔵庫を再び開く。
 その中には、時価数億のアイツが目を覚ましていたのだ。
『祝福せよ! 全魚介の頂点に立ち骸の海より現れし逢魔のマグロ』
 宙にそびえるその姿は正にくろがねの邪神
『その名も邪神マグロ、王の復活の瞬間であ……る……』
 ビタァン! と尾を振り抜き、扉をブチ壊して邪神は外へ悠々と現れる。

 その下にはこれまでマグロを想い死力を尽くした忠実なる臣下の姿が。
『大儀であった。さて猟兵』
 崩れ落ちた触手を一瞥すると、ギラリとその死んだ魚のような眼を猟兵達へ向ける。

『この海はホンマグロのモノだ。早々に立ち去れ』
 少なくともお前はホンマグロじゃない。
 そこにいる誰もがそう思った。
響・夜姫
「ほんまぐろでもないし。さーもんでもない……」
トロは食べた。今はサーモンが食べたい。
「この本によれば。邪神マグロは猟兵たちによって美味しく頂かれるのであった」
おっと、少し先まで読みすぎた。(エア本を閉じる仕草)

・SPD
戦闘は二丁拳銃による2回攻撃、誘導弾を駆使した射撃戦。
今回はヘンな触手もないので。あんしん。
近接型の皆へは援護射撃。
……弾丸の方に引き付けられないかな。
ヘンな軌道を描く誘導弾を撃ってみる。
無理?無理か。
じゃあ倒すまで乱れ撃つしかないね。
アームドフォートで一斉発射しつつ10秒集中、狙いすました千里眼撃ち。

・戦闘後
「お腹が減ったので。サーモンを食べに行く」
マイペース。


佑・盾
マグロは泳ぎ続けていないと死ぬんじゃなかったっけ。
つまり、冷蔵庫の中で止まっていた奴はもう死んでいるも同然!
大人しく捌かれてもらうよ!えーっと、こういう時ってなんて言うんだっけ。
うーん、おじさんから何か聞いたような……あ!『寝具の上のマグもが(それ以上いけない、という風にロボットハンドに口を塞がれる)
違う?あーっと……そうそう、『まな板の上の鯉』!……まな板?

【POWで判定】
突然「誰のお胸がまな板だってぇ!?」と怒って八つ当たりを開始。
きっと触手で正気度が削られていたね。たぶん。
【P.A.I.スラッシュ】で解体ショーだよ!

さぁ“まな板”の上で捌かれるのだ。


間仲・ディコ
マグロ!
マグロ!
マグロだー!!

ピッチピチで活きがいいっすね~!
おいしそう! よし倒そう!

実はマグロの部位を予習してきたんすよね、【戦闘知識】としてフル活用~!
どこも魅力的だけど、やっぱり狙うは大トロっすかね!!
【傑截】でズバーッと!! 頂き大トロ!
ルーンソードで捌きにいきましょうか!

えっ、マグロ増えるんすか!!? そりゃたまらんっす! トロ倍増!
さすがマグロ、泳ぎのスピードは早いけどこっちも負けてられないっすよ!
泳ぎを【見切り】、【早業】で【カウンター】っす!

うーん、寿司もいいけど山かけとか漬けで頂くのもいいっすねー…
ステーキ……竜田揚げ……カマ焼き………
いやーたまんないっすね~!!!



●海へ還れ!

「ほんまぐろでもないし。さーもんでもない……」
 お前は誰だと眼前の空飛ぶマグロに問う響・夜姫(真冬の月の夢・f11389)は、その手に開いた本を開く様な仕草で、邪神マグロを挑発する。ぱたん、ぱたん。
『猟兵よ、まだ我を食すと冒涜的な発想が』
「マグロ!」
 目を爛々と輝かせる間仲・ディコ(振り返らず振り出しに戻らず・f01702)は冒涜的に話の流れをぶった切る。
『貴様、今は我が話を……』
「マグロ!」
 ディコの手にはマグロ包丁ならぬルーンソードが。
「マグロだー!!」
『あの……』
 第一刀、大きく振りかぶって斬りましたヒャッハ―。並々ならぬマグロへの情熱が、眼前の狂気を置いてけぼりに戦端を開く。邪神は完全に見誤っていた。
 ここにいる大半は、己を喰らいに来ている事を。

「ピッチピチで活きがいいっすね~! おいしそう! よし倒そう!」
 ディコの一撃は意外にも、宙を浮く邪神の鰓元を鋭く斬る。哀れ主菜になりかけた邪神は、鮮血を撒き散らしながらも慌てて距離を取った。
『おいしそうとは……矢張り我への敬意が足らんと見える』
 遠くより猛然と突進するマグロ。だが、離れすぎた。今度は側面から夜姫のマガツとダルクの――改造拳銃の二重奏が全身を襲う。
『ゲボォ』
 速射で崩された体勢に正確な一撃が痛い所に届く。その衝撃で邪神は、オフセット衝突の様に回転しながら吹っ飛ばされた。拳銃と言えど猟兵が操る特注、威力は並大抵のものでは無い。
「今回はヘンな触手もないので。あんしん」
 フッと硝煙を吹き飛ばす夜姫は、倒れたマグロにサバーニャ――アームドフォートの洗礼を続けて浴びせる。それは先程までのあられもない姿とは別人の様。
『触手だ……と……』
 立ち込める煙の中から、ゆらりと邪神が再び宙を舞う。
『あれは海藻……』
 嘘をつくな。そうツッコまんばかりに、火線は邪神を改めて焼き尽くした。

「……マグロは泳ぎ続けていないと死ぬんじゃなかったっけ」
 目の前でビタンビタンと飛んだり跳ねたりを繰り返す邪神を見て、佑・盾(BurstBinder/JUNE・f11075)は呆れたように口を開いた。
「つまり、冷蔵庫の中で止まっていた奴はもう死んでいるも同然!」
 先程まで静かに眠っていた邪神を思いだし、自分たちの勝機を改めて確信する。BurstBinderを近接格闘形態に、眼前の邪神を捌く為に鋭く展開し、その機を伺った。
「実はマグロの部位を予習してきたんすよね、どこも魅力的だけど、やっぱり狙うは大トロっすかね!!」
 さらりと恐ろしい事を言ってのけるディコに追い回され、邪神はふわふわと宙を逃げる。マグロ包丁めいたルーンソードの切先が、何度もその黒光りした身体を裂いて、その度に『オウフ』だの『ワレハ』だの名状しがたい奇声を上げる。
「まだ元気だなぁ……でも、大人しく捌かれてもらうよ! えーっと、こういう時ってなんて言うんだっけ」
 うーん、と腕を組んで唸る盾。
「おじさんから何か聞いたような……あ!」
 ビッチビッチと跳ねる邪神を追い詰めるディコ。その痛打で遂に地面へ崩れ落ちた。
「寝具の上のマグもがごご」
 一時、微動だにしなくなった邪神を見て、元気よくアレな事を発した盾を、BurstBinderが必死で止める。そうじゃない。
「違う? あーっと……そうそう」
 キョトンと再び邪神を見やる盾。今度こそ、正解を導き出せたようだ。
「『まな板の上の鯉』!……まな板?」
 まな板……だと……盾の瞳がギラリと狂気めいた。

 邪神はまたもや宙を舞う。ゆらりと蠢く影は眼前のマグロハンターに対して、死んだ魚のような眼をギラギラと怒りで燃やし、眷属たる同胞を中空に召喚する。それらは小型のマグロ達、瞬く間にミサイルの様にディコへと殺到した。
「えっ、マグロ増えるんすか!!? そりゃたまらんっす! トロ倍増!」
 増えたトロは無数の切り身に。今日のルーンソードはお前達の生き血を欲している。さあ、時価総額を数えろと言わんばかりに、ディコの猛烈な反撃に遭い、一撃を入れる事すらままならない。
「さすがマグロ、泳ぎのスピードは早いけどこっちも負けてられないっすよ!」
『何故だ、何故当たらん!』
 流石の脅威に慌てる邪神。しかしそれ以上の怒りの化身が、その眼前に迫っていた。
「誰のお胸がまな板だってぇ!?」

 双眸に怒りの炎を灯す盾に、邪神は一瞬慄いた。
『まな板……貴様も我を侮辱し』
「今まな板って言ったな! オマエ言ったよな!?」
 言ってない。言わされた。つまり言った。怒れる少女の怒声は邪神の狂気を圧倒する執念、じりじりと盾は邪神に詰め寄る。
「許……さん……!」
 両の拳を強く握り眼前で構える。BurstBinderも諦めた様に、その背後で大きく手刀を形作った。
「誰が貧乳だこらぁぁぁぁぁ!」
【P.A.I.スラッシュ】――その手刀ではない、少女の胸部中央から放たれた怨念めいた何かが、触れた邪神の豊満な胸ビレ辺りを執念深く抉り取った。
「まな板の上で裁かれろゴルァァァァァ!」
『ギャァァァァァァ!』
 先ずはカマが綺麗に取られ、そして消えた。

 ビチビチと鰓辺りから鮮血を流す邪神。そして無慈悲にも次の一撃がその身を狙う。
 ディコの【傑截】が邪神の腹部を綺麗に断ち切ったのだ。だがそこから中身が溢れる訳でもない。一時鮮血めいたものが流れるも、直ぐに消える。これは幻影、骸の海より出でし過去の怨念。マグロ達の無念の集積。でもそんなの関係ねぇ。
「うーん、寿司もいいけど山かけとか漬けで頂くのもいいっすねー……」
 ディコはその手を休める事無く、ルーンソードで追撃する。漬けはいいね!
「ステーキ……竜田揚げ……カマ焼き………」
 既に頭の中では色取り取りの品々に調理されているのだ。解体は既に終わっているのだ。
「いやーたまんないっすね~!!!」
 その思考を邪神が読み取れなかったのは幸いだ。もしも知れていれば、マグロにしてみれば惨劇めいた、あんまりな想像の数々に心が抉られない訳がない。
「それじゃ、スパッといきますか!」
 そしてその惨劇は当分、終わる気配を見せないのだ。

「この本によれば。邪神マグロは猟兵たちによって美味しく頂かれるのであった」
 おっと、少し先まで読みすぎた。ぱたん、と夜姫がエア本を閉じる。
 逢魔の日、大間のマグロ、慟哭す。
 おわったら、さーもんがたべたいのだわ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

テン・オクトー
マグロだ
マグロだ~!
恐ろしい邪神マグロだけど
先刻まで相手していたものを考えると
会えて嬉しい気持ちになってしまう

うん、でも強そう なんか17って数字が頭に浮か、、

WIZ
(氷結耐性)(暗視)で戦場に不安はないよ

ボクほんとうにさっきは嫌だったんだ
目には目をって嫌いな言葉だけど
今回ばかりは別
UCで小さい触手軍を召喚しぶつけるよ
数で勝負だ!
【空を泳ぐマグロ】はもちろん
邪神マグロにもぶつける
気持ち悪いでしょう?寄生されちゃえ~
そんな技を使ってるボクの絵面もきっとヒドイよね、、

魚に寄生虫がつくと貧血になるとか・・
触手軍がどこまでやれるか分からないけれど
少しでも弱める事ができたらいいな

単独連携アドリブ歓迎


山梨・心志
【WIZ】
これが……噂の数億のマグロ……
トロとかどれだけとれるんやろ……
……コホン

マグロは泳ぎを止めたら死ぬと言われています
ならば動きを止めるのみ!
こちらに向かってくるよう挑発して
向かってきたマグロを展開した光の盾で受け止めます

ああ、倒したら消滅してしまうんですね
勿体無い

余裕があり、他に攻撃を受けそうな仲間がいたら
盾で守りに行きたいと思います


全然関係ないですが、
マグロの兜煮なんかも美味しいですよね
ええ、全然関係ないですが(眼鏡クイッ)


モニカ・ノイチェ
先程まで散々苦労し、自分でもびっくりするほどの暴言をはいてしまいました。それもこれもすべてお前の部下のせいです。責任を取ってもらいましょう。

強そうですが先程のに比べたら体が大きいだけで構造は魚そのもの。動きも予測もしやすいでしょう。
POW
【ドラゴニアンチェイン】使用。
【突進】一撃がきたらかわすか(盾受け)でやり過ごす。オーラの鎖で邪神マグロに取り付き剣で攻撃。可能であれば胸ビレなり背ビレなりを切り落とす。ヒレが傷つけば空を泳ぐ事も難しくなるでしょう。

連携アドリブ歓迎です



「これが……噂の数億のマグロ……」
 山梨・心志(双子の兄の方・f03491)は眼前の巨大なごちそうに目を輝かせる。
「トロとかどれだけとれるんやろ……」
 先程まで散々物色していたモノとはサイズが違う。凄く、大きいです……コホン。
 マグロは泳ぎを止めたら死ぬと言われている。ならば動きを止めるのみ!
「あんたごっつええ身体してるけど、頭はどうなんや?」
 こちらに向かってくるよう挑発、幸い自分には先の戦いのダメージは無い。
 ならば、ここで体を張るのが自身の役目と、眼前の邪神を煽る。
「マグロを食べると頭にええって聞くけど、さっきから見とると随分……間抜けな気がしたってな」
 半分本音、事実猟兵達の凄まじき猛攻に、マグロはろくにいい所を見せられていない。
『貴様も我を……侮辱するか!』
 かかった、やっぱアホや。邪神は心志を睨むと、再び眷属たる小型のマグロを召喚し一斉に放つ。
「やっぱ間抜けや。相殺するで」
 そんなものが来る事は予測済み、ユーベルコード【戦乙女の守護盾】を展開してマグロ群を食い止める。それでも尚押し切らんと、邪神の動きに大きな隙が出来た。だが、既にその攻撃は放たれている、見切られている。しかし。
 パリン。
 展開された光の盾に亀裂が走る。あれ、おかしいな……
『お前達の熱意に免じて、今だけ増量してやったぞ。有難く頂戴せよ』
 成程、そりゃ嬉しい……って、あかんがな!
「そいうのは、もっと早う言うてくれや……」
 あかん、このままじゃ持たんかもしれん。ゴメンな十萌、兄ちゃん兜煮が食べたかってん……無茶してもうた。
 光の盾が徐々に押し切られんとしたその時、不思議な事が起こった。
 空に浮かぶマグロ達が、急に苦しみだしたのだ。

「会えて嬉しいよ、マグロさん」
 ひたり、ひたりと影がマグロに近付く。
「ボクほんとうにさっきは嫌だったんだ」
 静かに、力強く言葉を放つ小さき者。
「目には目をって嫌いな言葉だけど、今回ばかりは別」
 ユーベルコード【ゴースト・リボーン】、控えめに眷属は甦り、今やかつての主を蝕む。
「気持ち悪いでしょう? 寄生されちゃえ~!」
 意外、それはテン・オクトー(気弱な小さき猛獣・f03824)の獰猛な一撃。姿そのままミニマムに数を増殖させた触手のゴーストが、ゆらゆらとマグロ邪神達を襲い始めた。
『貴様、一体何を……!』
 邪神は何が起こったのか、未だ理解が追い付かない。それもその筈、身を挺して己を蘇らせた忠実なる臣下が、姿を変え自身に襲い掛かってくるなどとは想像すらしなかった。
 うねうねとイソギンチャクの様に蠢く触手が、抉られた胸から、体表から、双眸から、体内にその威力を浸透させる。先程まで心志に殺到していた小型のマグロ達は、一早くその威力に墜ち、ビタビタと地面に落ちては消えていった。
「魚に寄生虫がつくと貧血になるとか……実際、酷い絵面だよね」
 オクトーはその威力をまざまざと見せつけ、迫る邪神の脅威を徐々に覆していった。
「先刻まで相手していたものを考えると、会えて嬉しかったよ。でもね」
 これまでだよね、仕方ないね。
 足取りは力強く、薄暗い戦場をものともせず邪神の眼前へと迫る。その手には凶悪なフレイルが。
「ネギトロより切り身が良かったな」
『そうは……させん!』
 振り被られた暴力を寸前で躱す邪神。更に高く舞い上がり、ぶるぶるとその身を大きく震わせる。
 ぼとり、ぼとりと落ちていく邪神。だがその表情は更に死んだ魚めいたものに。精悍な巨体は幾分か萎み貧血めいた様相に。反撃の突進もままならず、ふらふらと上空を回遊するに止まった。

 邪神は焦っていた。己の眷属は既に使い物にならず、自身も鋒鋩の体だ。このままではやられてしまう。いつもの様に、無残に解体されてしまう――!
『いや、我は諦めぬ。この海はホンマグロの』
「そもそも貴方はホンマグロでは無いでしょうに」
 その言葉と同時に中空で邪神が爆ぜた。立ち込めた爆炎が晴れると、その身には長い念動鎖が。
「先程まで散々苦労し、自分でもびっくりするほどの暴言をはいてしまいました」
 モニカ・ノイチェ(ドラゴニアンのパラディン・f12048)だった。淑やかに、勇敢に仲間を守らんと立ち向かった彼女にしてみれば、あの職種との戦いは些かに不本意だった……
「それもこれもすべてお前の部下のせいです。責任を取ってもらいましょう」
 されど瞳は烈火の如く、燃え上がる怒りは隠し様が無い。繋がった念動鎖を思い切り引っ張り上げ、今度こそと邪神を手繰り寄せる。
『その細腕で……我に歯向かわんとするか!』
 揺らめく影は骸の海より甦った悪夢、邪神はその誇りを胸に、最後の力を振り絞って突進する。
「哀れな……体が大きいだけで構造は魚そのもの、動きも予測もしやすい」
 モニカは念動鎖を素早く手繰り、邪神の進路をコントロールする。正面、直上。猛然と迫るそれすら、角度さえ分かれば御するのは容易い。
 流線型のスマートな鼻先に被せる様に、大盾をぶつけてその巨体をいなす。そのまま、片手のバスタードソードを抉られた胸元に突立て、横一文字に掻っ捌いた。同時に、悲鳴にならぬ奇声が響く。
「鬱陶しい……もっと食べやすく、しましょうか?」
 鋭く伸びた全身のヒレを体表に合わせて削ぎ落す様に、肉厚の刃を入れる。がりがりと関節めいたヒレの根元が千切られて、邪神は自由に空を舞う事も叶わない。
『それでも……それでも……』
「ごめんなさい。大切に頂くから、許して欲しいな」
 ごちん。フレイルがその脳天を潰した。



 場内市場地上階、6人の猟兵がふらりと姿を現す。
 地下での激闘はUDC職員の手によって、文字通り「無かった事」にされるだろう。
 それでも忘れてはいけない。自分たちが傲慢に生命を貪り続ければ、
 またあんなのが出て来やしかねないと。多分そんな話だったはず。

「少しは食べられるかもと思いましたが、消えちゃいましたね」
「大丈夫っす、まだ店は閉まってないっす!」
「さーもん……たべたい」
「小さく無ぇ……小さく無ぇ……」
「今度こそ念願の兜煮を」
「これにて任務完了。皆でお寿司でも食べに行こうか!」
 賛成の歓声が合わさった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月01日
宿敵 『邪神マグロ』 を撃破!


挿絵イラスト