9
絶対に笑わなければならないダークセイヴァー

#ダークセイヴァー

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#ダークセイヴァー


0




「皆様お集まり頂きありがとうございます」
 集まったメンツを前に、人首・椿(傷と記憶は刻むモノ・f06124)はコロリと電子巻物を広げると、ダークセイヴァーのとある森を示す。
「此度は地元住民、及び現地の猟兵の活躍により、オブリビオンを追い詰めたそうなのですが、現在そのオブリビオンがこの森に身を隠しており、追撃に向かった現地住民が帰って来なくなった為、調査に向かって頂きたいのです」
 椿のいう現地住民とは、オブリビオンへの対抗組織、ダークセイヴァーの事だろう。その彼等が森の中で迷子になったとは考え難い……何かが起こっている、と予感した猟兵達が固唾を飲むと。
「この森には特異な瘴気が漂っており、入れば肉体ではなく精神を毒されてしまうのだとか……追い詰められたオブリビオンは、これを利用すべくわざと追い詰められたフリをしている可能性もあります」
 案の定、ただの森じゃなかった。
「これへの対抗策が、笑う事なのです」
 ポカンと呆気にとられた猟兵達へ向けて、椿は自分の頬を指で押し上げて。
「人の心を蝕むのなら、笑い、その気分を高揚させる事で抗うことができるはずです。皆さんの隠し芸とか、特技とか、披露できる良い機会ですよ?」
 なんで行方不明者を探しに行く真面目な案件で、んなことしなくちゃならんのかって思いもなきにしもあらずな猟兵達だが。
「もし笑い足らず、心が折れてしまった時は……ご安心ください、一瞬で目を覚まさせて差し上げますから」
 微笑みながら刀の柄に手を乗せた椿を見たとあっては、細かいことを気にしている余裕なぞなかった。


久澄零太
安心してください、ネタ依頼ですよ!!

……えっ、知ってた?

そんなー


えぇ、久澄ですよ?

皆さんは互いを笑わせながら森の捜索をしなければなりません

ほぼ確実にネタネタしたことになる為、シリアスキャラの皆様は覚悟を決めてから参加をご検討ください

なお、久澄が執筆に入るのは大晦日の夜を予定しています

その為、三十日から三十一日のお昼くらいまでにプレイングくれると嬉しいなー?

二章以降は一気に行きたいな!
(叶わないフラグ臭)
138




第1章 冒険 『笑う門には厄も来ず』

POW   :    猟兵たる者、体で笑わせる。コントに持ちネタ何でもござれ。ギャグは楽しんだ者勝ちだ!

SPD   :    笑いに必要なのは小道具である。手品?アート?人の笑顔を作るのは、ギャグだけとは限らない。

WIZ   :    逆に考えるんだ。絶対に笑ってはいけないって言われたら、笑いたくなるとは思わんかね?

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

亞東・霧亥
【SPD】
考えるだけで笑みが零れる。
狂気の笑顔だって構わないだろ?

【徳川クラフト】
全力で千体以上の徳川・家光が作れるが、精巧な罠だと百体程か。

この上様の前で笑うと、笑い声に反応して【笑気ガス】が噴き出す罠。罠だ。
だから、服装もポーズも思うまま極めて精巧に作れる。

輝くラメラメの服でセクシーポーズ決める真夏の上様やブリーフ一丁の裸の上様だって可能だ。

百体目の上様を森に設置完了。

表現力豊かな執筆者「久ず(おっと)Cuse me later」なら問題無いよね?
嗚呼、服装とポーズに苦悩する執筆者を想像するだけで、笑いが止まらない!

「アヒャヒャ・・・あっ(ボムン!)」
残り99体。

後は任せた!


戦場外院・晶
「きなこペロペロ、智慧もりもり!」
ペロペロ、ペロペロ
「私、戦場外院・晶tp申します。……笑いが大事な依頼とはいえ、我等は猟兵。至極真面目に、お行儀よく参りましょうや」
ペロペロペロペロ
「え?これでございますか?きなこでございます。……なにか?」
ツッコミを許さない真顔でさらにペロペロ、ペロペロ
笑いというのは、意表を突くものと申します
身構えているから笑えず、不意打ちの滑稽事にこそ笑うもの
きなこで活性化した私の頭脳でもって、皆様を笑わせてみせましょうやペロペロ
「ここからは足場が悪うございます。おきをつけて……」
すってんころりん
「さて、水分補給でも……はて」
底の穴から派手に漏れ
「皆様、真面目に」
ペロペロ


セプテンバー・トリル
私は他人を笑わせる方法には疎いのですけど…
とりあえず自分が楽しみながら森の奥へ行ければ良いのでしょう?

【SPD】連携・アドリブ歓迎
さあ、【ガイドロッド】を振って契約重機たちと【ディビジョンズ】を召喚しますわ。
そしてUC【絶対的な安全第一】を発動して、重機たちをフル稼働させて森を切り拓き、道を【早業】で建設しつつ進みましょう。
ああ、やっぱり工事って楽しいですわ。嬉しいですわ。
先の見えない森が見通しの良い二車線道路に変わっていく喜び!
これを共有できる方(他の猟兵や救助対象)も作業員として結界内に保護できますし、一石三鳥ですわね!
さあ、今日中に森を貫通させますわよー!(手段が目的に変わっている)


アリス・セカンドカラー
うふふふ♪
うふふふふ♪
あははははははははははははははははははははは♪
この世は我が意のままに♡やぁ、担当官殿楽しんでるー?
あははははははははははははははははははははは♪
精神の具象化に念動力/医術/ハッキング/範囲攻撃で準静電界を通じて神経パルス信号を送信して強制的に皆を笑わせるわ。
それでも笑えない人には医術/毒使い/ドーピングで笑いサイキック毒を対象の体内に精製して笑わせましょ。大丈夫大丈夫、解毒剤も後でキチンと作るから☆
あははははははははははははははははははははは♪
ところで担当官殿、椿ちゃんに気付けされるのと私に気付けされるのとどちらがお好み?え、それより胃が痛い?ならいいオクスリがあるわよ☆


夢ヶ枝・るこる
■方針
・【POW】使用
・アド/絡◎

■行動
笑わせる、ですかぁ。
結果的になることは多いですが、狙うとなると意外と難しいですねぇ。

それでは、効果時間の長い『秘薬』を使った【霊結】で話術を強化しつつ、女神様の信者の方とも、人間として地上に居た際の出来事とも言われているお話を。

1:帰宅が遅くなった為に近道の繁華街を抜けようとした際、路地裏で数名の男性にナンパされた
2:あまりにしつこい上疲れていた為、魔術で眠らせた
3:近くのゴミ捨て場に“ご自由にお持ち帰りください”という看板を見つけ、首からかけておいた
4:直後、すれ違った大柄なオカマさんの一団がその路地に入って行き、嬉しそうな歓声が

酷い話ですぅ(合掌)。


熊猫丸・アカハナ
笑わせるとなれば、ここはお笑い芸人であるわしの出番やな!

『絶対不可避でSHOW!!』を使って、みんなと一緒に笑って元気付けるで!
森中に花が咲けば、釣られてみんな笑い出す。ええ事やんけ!

さぁ、どんどん笑い飛ばしていくで!


テティス・ウルカヌス
「今回は皆さんに笑顔を届けるお仕事ですね!
それでしたら天才美少女アイドルにして国民的スターのテティスちゃんにお任せです!
テレビの前の皆さんに笑顔をお届けしますよっ!」

みんなを笑顔にすることこそアイドルのお仕事!
今回の依頼はまさに私のためにあるお仕事と言っても過言ではないでしょう!

「さて、それで、どうやって皆さんを笑顔にするかですが……
もちろん、アイドルたるもの笑顔を届ける手段はコンサートですよね!」

という訳で、紅白なんとか合戦への出場を諦めてまでこちらのお仕事に来た私の歌声を披露しましょうっ!

「さあ、みなさん、私の歌声で笑顔になってくださいね!」

私のヒットソング【天使の歌】を熱唱しましょう!


セシリア・サヴェージ
残念ながら私には人を笑わせるような特技は持ち合わせておりません……。
なので別世界を含む古今東西のジョークをメモしてきました。
こちらを読み上げますので、大いに笑っていただいて結構ですよ。

まずはこちらを
A「鉛筆を飲み込んでしまったのですがどうすればいいでしょう?」
B「消しゴムを飲みなさい」
ふふっ……面白いでしょう?ダメですか?

ではこれならば
A「カンガルーはあの家より高く跳べますか?」
B「もちろん。家は跳びませんから」
プッ……ふふ……失礼。でも面白いでしょう?

まだまだありますよ。メモには100以上書き記してきましたので。
遠慮なさらず、どうぞ笑ってください。


ルネ・プロスト
【紅芥】
仕込みとしてルネの身体、ミレナリィドール・ボディの改造とルネ自身に呪詛で呪いかけて、嘘ついたら鼻が伸びる(鼻先押し戻すと元に戻る)ようにしておくよ

まさかダークセイヴァーでお笑いやらないといけないなんて
ルネ、笑うのも笑わせるのも得意じゃーーぷふ
……笑ってないよ?(言いつつ伸びた鼻を戻す
兎も角、ちょっと難儀しそーーぷ、くふふ
うん、違うの。笑ってないから(伸びた鼻戻しつつ

で、鼻のことについて聞かれたらこう答えるよ
別に、キノピオの物真似なんてしてないよ?(ぐいーんと伸びる鼻

……や、やっぱりなかったことにーーひゃん!?(物陰に逃げ込もうとしてずっこける
恥ずかしくなんてーーは、鼻伸びちゃダメー!?


朧・紅
【紅芥】
紅人格で参加

普段あまり笑わないルネさんの笑顔がみれる♪
そんな軽い考えを持っていた時期が僕にもありました

ぶぼー!
何度噴いたかわからない
インド……っ
それ、反則です
っあはははっ
ぅや、おなかいた……!
僕の笑いのツボがクリーンヒットです

ルネさん、そのお鼻は、いったいっ…
伸びたルネさんのお鼻が紅にドスリ
ぶはっ!
痛くはないがまさかの物理攻撃に爆笑
腹筋は瀕死
照れ逃げる姿に
あ、ルネーさっ……あははは!

ぼ、僕だって!
ほっぺブニーとつぶして
秘技潰れいちご餡パン!
って髪の毛もしゃもしゃにして変顔しますよ
くぅ、お笑いの知識が乏しすぎるのです……!(悔し

はー…はー
ところで
僕たちなにしにココへ来たのでしたっけ…あっ


オンカール・シン
【紅芥】で参加
UC【ਮੂਲ ਮੰਤਰ(ムール・マンタル)】を使います。
UC発動のため、パンジャブ語で聖典の序文を厳かに唱えます。これは前振りも兼ねています。
そしてその最中、至極真面目な顔で、厳かな声音で、『今日インド着いた教員ど突いた』とボソッと駄洒落を。
ん? 今のは駄洒落? それともただの空耳? と注意を引ければこちらのものです。
『なんかウマいナン買うまい』『インド洋in土曜』などの駄洒落を、だんだんはっきり聞こえるように聖典に織り交ぜて、笑いを誘います。
僕が笑わされる側の時は「ふふっ」と綺麗に笑おうとしますが、最終的にはゲラゲラと大笑いしていまいます。


涼風・穹
……笑う事って…
真面目キャラの俺には厳しい要求だな…
いつもシリアスなんだし突然笑わせろと言われてもな…

はい、突っ込み有難う御座います
いつもお世話になっております
毎回楽しませて頂いております

何故かトナカイの着ぐるみを着用して白い袋(中身は大きめの金属球が複数)を担ぎ、緋色の宇宙バイク『スカーレット・タイフーン・エクセレントガンマ』に乗って突入します
時期外れのネタだと突っ込まれた瞬間に、《贋作者》で鐘を作成して、担いでいた袋をフルスイングして鐘に叩きつけます
除夜の鐘的に鳴らして、煩悩の塊の俺が浄化されて苦しむというネタをかまします

その後は上空から袋に入っていた金属の球を落とします
はい、お年玉ってね



 ※この記録はあなたの精神に異常をきたす可能性があります。閲覧の際には何が起こっても一切の文句を言わないと、以下に署名してから閲覧にお進みください。また、あなたの権限では一部の記録が閲覧できません。検閲がかかっている点についても、事前にご了承ください。


 署名:










「うふふふ♪うふふふふ♪あははははははははははははははははははははは♪」
「アヒャヒャヒャヒャ!アーッヒャヒャヒャヒャヒャ!!」
 夜に閉ざされた森の中に、猟兵達の狂笑が響く。人心を侵食する瘴気の中、明らかに毛色の違う霧が立ち込める内にアリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の魔少女・f05202)の目は瞳孔が縦に裂け、彼女自身が一柱の異形なる神であるかの……。
「やぁ、担当官殿楽しんでるー?」
 開幕早々第四の壁を無視するんじゃねぇええええ!!
「この世は我が意のままに♡さすれば次元の壁の一枚や二枚、ないに等しいわ☆」
 色んな意味でトチ狂ったアリスの隣、壊れたように笑ってる亞東・霧亥(峻刻・f05789)は何があったのかってーと。
「なんて事はない、ただの自爆さヒャヒャヒャヒャヒャ!」
 途中から笑っちまってるじゃねぇか……さて、霧亥が自爆した原因だが、カメラさん、ちょっと引いたげてー……そう、そこ、周りのアレ見える?上様?ちゃうねん、アレ上様の人形やねん。
「考えるだけで笑みが零れる。フヒッ、狂気の笑顔だって構わないだろ?ちゃんと笑っているんだからヒャヒャヒャヒャヒャ!!」
 霧亥がやらかしたのは、この上様人形の中身。この人形は内部に笑い声に反応して笑気ガスを噴出する罠が仕掛けられてる。んで、あとは誰かが笑えば笑い声が連鎖して、誰も彼もが笑気ガスに感染していく……というシナリオだったのだが。
「まさかわしの異能がこんな形で事故るとは思わんかったわ……サンタはんも交通ルールには従わんとアカンちゅーこっちゃな!」
「アンタの事故はそっちの事故じゃないだろ!?」
 読者さん、こいつらです。
「なんや、わしが何かやらかしたみたいやんけ」
 みたいじゃなくて、やっちまったんだよ他の連中と悪い意味で噛みあっちまったから……!
 事の始まりは転移直後、涼風・穹(人間の探索者・f02404)の悪ふざけが全ての事の発端だった。
「……笑う事って……真面目キャラの俺には厳しい要求だな……いつもシリアスなんだし突然笑わせろと言われてもな……」
 小さく息を吐き、遠くを見つめる穹だが、その体は茶色い体毛にピコピコ揺れる耳を生やした獣……。
「トナカイですが、何か?ちゃんと角がないのがこだわりだぜ!」
 なんでそのトナカイがデッカイ袋背負って、サンタカラーのバイクに乗っかってるんだよ!?
「そっち!?」
「せやで!?」
 穹が目を見開く傍らで、熊猫丸・アカハナ(花咲かコメディアン・f23154)がツッコミ。
「そこは角生やしてオカマトナカイで来るところやろ!?」
「そもそも時期外れの方にツッコんでくれぇえええ!!」
 ボケ方にツッコまれて、ツッコミ返してしまうボケ役だったはずの穹に、アカハナがサムズアップ。
「ナイスツッコミ。やっぱアカハナ同士、相性ええんとちゃう?わしパンダやけどな!」
「せめてトナカイでそろえようぜ!?」
 で、なーにが問題って、アカハナのUCはこうしてコントなりネタなり、形を問わずギャグを披露した対象を笑わせるモノ。でさ、転移直後じゃん?全員おるやん?笑った瞬間に、霧亥が上様人形出すやん?あとは、分かるな?
「まさか猟兵全員が笑気ガスにやられるなんて思わなかったよアヒャヒャヒャヒャ!」
 霧亥テメー、このカオスをどうしてくれるんだ?
「本当、私がいなかったらどうなっていた事か……」
 いかにもこの部隊の良心みたいなツラしてるが、セプテンバー・トリル(ゼネコンのお姫様・f16535)。
「なんですの?」
 お前の後ろでスタンバってる重機の群れはなんだ?
「本日の作業員ですわ!」
 言うや否や、セプテンバーが赤い誘導灯を振るえば勝手に動く重機が伐採作業を……おいおいおい!?
「既にオブリビオンに支配された世界ですもの……多少の環境破壊……もとい、工事くらい許容されますわよね!」
 何このゼネコン嬢、すごい横暴……。
「まずは邪魔な木を伐採ですわー!!」
 ギュィイイイ!チェーンソーが唸りを上げて、痩せ細っているはずなのに奇妙な存在感を放つ不気味な木が倒されるとそこには……キラッキラのラメッラメで、ピッチリしたタイトスカートといういつの時代の女装だって格好で、ふわっふわの扇を広げた上様人形が前屈みになって胸元を強調するポージングで立ってた。
「普段あまり笑わないルネさんの笑顔がみれる♪そんな軽い考えを持っていた時期が僕にもありました」
 上様人形を目の当たりにした朧・紅(朧と紅・f01176)は遠い目をする。
「僕は一体何を見せられているのだろう……ねぇ、ルネさ……ん?」
 振り向いた先のルネ・プロスト(人形王国・f21741)は、マナーモードだった。具体的には紅に話しかけられているのに、応えもせず小刻みに震えていた。
「ちょ、ルネさん!?」
 突然の異常事態に、紅が心配してルネに触れようとするが、彼女はそっと手で制して。
「まさかダークセイヴァーでお笑いやらないといけないなんて。ルネ、笑うのも笑わせるのも得意じゃ……」
『それは今日にまでこの地に伝わるとある男の物語である』
 オンカール・シン(ਆਮ ਭਾਰਤੀ ・凡庸なインド人・f03871)が呪文を唱え始めた!?記録の際には文字化けしてパンジャブ語が間違った日本語に見えてるかもしれないが、その辺は変な日本語じゃなくてカッコいいパンジャブ語なんだと思って読み進めてくれたまえ。
【マジで読解できなくて、コピペも難しい事態に陥ったため、オンカール氏の呪文(と言う名の聖典の一節)は久澄流の日本語でお送りします。】
「今日インド着いた教員ど突いた」
「ふえっ!?」
『長き時を経て涅槃に至りしその者は……』
 一瞬、日本語に聞こえた気がした紅が振り向くが、オンカールはただ聖典を諳んじているだけである。
「ルネさん、今オンカールさんが日本語……」
「ぷふっ」
「ちょーっ!?今笑った!笑いました!?」
 微かに口元が歪んでいるルネに紅が迫るが、当のルネはついーん、ソッポを向いて。
「……笑ってないよ?」
 にょいーん、鼻が五センチほど伸び、ルネは慌てて鼻を隠すように抑えると、ぎゅーっと押し戻しておすまし顔。
「え、今お鼻が……」
「何も、ないよ?」
 人形特有の、深淵を湛えた空虚な目で見つめられて、紅も引き下がらざるを得ないのだが、またしてもオンカール。
「なんかウマいナン買うまい『偶像として男は祭り上げられ』インド洋in土曜……」
「ぶぼー!?」
 もはや隠そうともしない駄洒落が紅の腹筋を襲う!
「インド……っ!それ、反則ですっあはははっ!ぅや、おなかいた……!」
 オンカールは目蓋を降ろし、ただ静かに聖典をなぞっているはずなのだが、どう聞いても駄洒落が混ぜ込まれており、その空耳風ギャグがツボに刺さった紅はこらえきれず、腹を抱えて蹲ってしまう。
「ね、面白くないですかルネさ……お鼻ー!?」
「……笑ってない、えぇ、全然笑ってな……ぷふっ」
 もはやこらえきれていないルネが否定しようと首を振るのだが、どういうわけか嘘をつくと彼女は鼻が伸びるらしく、数十センチまで伸長した鼻が首を横に振る度に紅の頬をペチペチ。
「ぶはっ!本当にどうなってるんですかそれー!?」
「別に、キノピオの物真似なんてしてないよ?」
 みょいーん、そろそろ二メートルに到達するのではないかというルネの鼻を前に、オンカールはフフッ、口元で小さく笑い。
「つまり嘘をつくとお鼻が伸びるんですね」
「……あっ」
 想定外の形で自爆したルネは鼻を引っ張り、少しずつ戻すと、照れたのか両手で顔を隠す。
「……や、やっぱりなかったことに」
 そのまま逃げ出したりするから、絶賛道路敷設作業中の重機にぶつかって、つまずき。
「ひゃん!?」
 盛大にスッ転んで可愛らしい悲鳴を上げた。
「ひゃんって……ルネさん、やっぱり可愛いです!」
 紅はフォローと本音を兼ねていたのだろうが、その一言がルネにトドメを刺した。羞恥心で震える彼女は寝返りを打って背を向けて。
「恥ずかしくなんて……」
 ギュンッ!
「は、鼻伸びちゃダメー!?」
 真っ赤な嘘をつくからお鼻も盛大に伸びた。どのくらい伸びたってアレだよ、木を貫通して森の先まで続いてるくらいだよ。そしてこの鼻が、後に事故を起こす。
「ちょ、ルネさ、どこまで伸びるんですかっ……!」
 完全に笑ってしまって、言葉にならない紅。笑い過ぎて零れてきた涙を拭うと。
「ぼ、僕だって!」
 両手を頬に当てて、むぎゅー!
「秘技潰れいちご餡パン!」
 普段は整えられている赤髪をモシャモシャ。あんパンっていうより、新手の金タワシみたいな事になってる姿は、赤きブロッコリーと言った方がしっくり……来ない?そっかー。
「くぅ、お笑いの知識が乏しすぎるのです……!」
 などと自らを悔やむ紅だが、これはオンカールにツボったらしく。
「あっはははははは!!」
 さっきまでの静かな紳士は涅槃の彼方に消えた。
「笑わせる、ですかぁ。結果的になることは多いですが、狙うとなると意外と難しいですねぇ」
 周りのギャグ(一部のフリーダム過ぎる猟兵を除く)を見回していた夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は虚空を見上げて困り顔。
「それでは、女神様の信者の方とも、人間として地上に居た際の出来事とも言われているお話を」
 あ、コイツギャグじゃなくて笑い話に逃げたな?
「逃げたんじゃありませぇん、面白エピソードとして伝えられているお話があるんですぅ」
 むくれたるこるが語り出した内容は、女神が繁華街を歩いていた時の事……って、大分現代的だな女神様!?
「帰宅が遅くなった為に、近道の繁華街を抜けようとした際、路地裏で数名の男性にナンパされたそうなのですがぁ、あまりにしつこい上疲れていた為、魔術で眠らせて、ゴミ捨て場にポォイしたそうなのですぅ」
 この辺までなら笑いも何もありはしないっていうか、割とよくありそうな話で終わったのだが。
「しかし女神様は、このままでは風邪をひいてしまうと思ったそうなのですぅ。そこで、誰かに助けてもらえるようにぃ、近くに捨ててあった『ご自由にお持ち帰りください』という看板を首からかけておいたそうなのですよねぇ」
 おーっと、違う意味で雲行きが怪しくなってきたぞぅ?
「直後、すれ違った大柄なオカマさんの一団がその路地に入って行き、嬉しそうな歓声が……酷い話ですぅ」
 そっと両手を合わせるるこるなのだった……って、笑えねー!?それ割と危ない話とちゃうん!?
「大丈夫ですよぉ、命に『は』別状はありませんからぁ」
 それ以外の大切な何かが犠牲になってない!?
「問題ないわよ、生きてさえいればどうにでもなるわ☆」
 スッとアリスが取り出したのは、意味深な塗り薬……。
「アフターケアって、大切なのよ?」
「備えあれば憂いないんですねぇ」
 落ち着けるこる!アリスの話の中身的にそれ手遅れなやつ!
「残念ながら私には人を笑わせるような特技も話も持ち合わせておりません……ですが、別世界を含む古今東西のジョークをメモしてきました。こちらを読み上げますので、大いに笑っていただいて結構ですよ」
 セシリア・サヴェージ(狂飆の暗黒騎士・f11836)は手帳を開き、読み上げるのだが。
「まずはこちらを……」
 一人二役なのか、そっと体を傾けて。
「鉛筆を飲み込んでしまったのですがどうすればいいでしょう?」
 ピンポーン!
「ケツから削りカスが出てくる!」
 謎のスイッチを押したアカハナが解答するが、セシリアがバツ印のついたボタンを押すと、ブッブー。
「何となく押してみましたが……使い方があっていたようでよかったです」
 この手のノリに慣れていないセシリアがホッと胸を撫で下ろしたところで、ピンポーン!
「ふっふっふ、この天才アイドルテティスちゃんにかかれば、この程度の問題は簡単です!」
 どっちかというと天災の方のアイドルモドキ、テティス・ウルカヌス(天然系自称アイドル・f12406)がドヤ顔で。
「紙を飲みこめばお腹の中で文字が書けます!」
「お腹の中で鉛筆を扱える特技をお持ちなのですか……?」
 セシリアが驚きながらも、ブッブー。
「きなこペロペロ、智慧もりもり!」
 突然謎の叫びをあげて、きな粉を固めたような球体をぺろぺろする戦場外院・晶(強く握れば、彼女は笑う・f09489)がピンポーン!
「私、戦場外院晶と申します……笑いが大事な依頼とはいえ、我等は猟兵。至極真面目に、お行儀よく参りましょうや」
 きなこ玉ぺろぺろしながらよく喋れるなお前……。
「そう、真面目に考えれば自ずと答えは出るもの……正解は、お芋をたくさん食べればよいのです!」
「食物繊維の問題でしょうか……」
 苦笑するセシリアがぽちっとね、ブッブー。
「何故!?麦ですか?麦の方なのですか!?」
「それより先ほどから何を食べていらっしゃるのですか……?」
 信じられない顔をしていた晶を、セシリアがじー。すると晶の方が、スン。突然の無表情。
「え?これでございますか?きなこでございます……なにか?」
 ぺろぺろぺろぺろ……真顔できな粉ぺろぺろを続ける晶を前に、セシリアは……。
「そうですか……えっと、それでは正解です」
 まぁ、そうよね。スルーして話を進めるしかないよね。
「正しい返答は、「消しゴムを飲みなさい」でした」
「そっちかー!」
「鉛筆と言えば消しゴムですものね……」
「待ってくださいお二人とも、そもそも何故文房具を飲み込んでいるのですか……?」
 あちゃー、と頭を抱えるアカハナとテティスに対して、晶がツッコミを入れるのだが、スッとセシリアが目を逸らして。
「私はジョークメモを持ちこんだはずなのですが、何故クイズ形式に……?」
 混沌に飲み込まれてしまったからじゃないかな……。
「気を取り直して次に参りましょう」
 小さく咳払いして、セシリアが手帳をぺらり。そっと遠くを指さして。
「カンガルーはあの家より高く跳べますか?」
 ピンポーン!またしても速攻でいったアカハナは自信満々に手を鳴らし。
「家っちゅーことは金額にして数千万やろ……カンガルー一匹にそんな額までピンハネされへんはずや!」
「それ『はねる』の意味違いませんか……?」
 ブッブー。
「は!つまりはこういう事ですね!?」
 ピンポーン!スイッチを押したテティスがドヤッ!
「カンガルーは跳びません、ジャンプするんですよね!!」
「高さの方の話なんですけど……!」
 ブッブー。
「お二人とも、冷静に考えてみてください。この問いかけには根本的な問題があるんですよ」
 ピンポーン!うっすら微笑む晶が出した答えは。
「カンガルーにあるのは袋であって、羽ではありません……そう、カンガルーは飛べないのです……!」
「それ考えるまでもないですよね……!」
 どうしてこんなことになってしまったのでしょう……セシリアは頭を抱えながら、手帳に視線を落として。
「答えは跳べるんですよ」
「「「なんでっ!?」」」
「お三方の驚き具合に私の方がなんでって叫びたいです……!」
 割とシリアス寄りなのにこんな依頼に来ちゃったせいか、泣きだしそうなセシリア。今回のツッコミ役に選ばれてしまったが為に、精神をすり減らす事になってしまった彼女は、無事に帰れるのだろうか……。
「え、私だけそんな窮地に立たされてるんですか……!?」
 いや落ち着きなさい私。そう、相手はあの端から勝つつもりのないオウガと異なり、理解の追いつかない猟兵が三人。命の危機でもなければ、犠牲者は……出るかもしれないけど、少なくともこの場でどうこうなる話ではないのです。
「だって、家は跳びませんから」
「「そういうことかー」」
「言葉遊びでしたのね」
「……」
 丸く収まりそうな空気を見て、手元の手帳を見やれば、百を超えるジョーク。
「遠慮なさらず、どうぞ他の皆さまを笑わせてください」
 そっと手帳を閉じ、次の猟兵に繋ごうとしたセシリアの前に現れたのは、浮遊する鐘とそれを前に袋を振りかぶるトナカイこと穹。
「クリスマスが遅いってんなら、大晦日らしく煩悩を消す鐘を叩くしかないな!」
 ゴァァアアアン……!
「ぎやぁあああ!?」
「あばばばばばばば!?」
 鐘の音に浄化され、煩悩の塊たる穹が白目を剥き、煩悩の権化であるアリスがビクンビクン……え?至近距離で鐘の音を聞いたから音にやられただけ?ハハハまさかそんな……。
「さ、さーて、あと百七か……」
 穹が袋を振りかざした瞬間、スコーン!
「いぃっ!?」
 突如、何かが穹の脚をすっ飛ばし、バナナスリップ状態の穹がつーるりん。振りかざした袋もぐるんと回って。
「どぅっふ!?」
 穹の腹の上にドーン!殺虫剤を食らった虫みたいな事になってる穹の手から袋が落ちて、その口からこぼれ落ちたのは無数の鉄球。
「なるほど、お年玉(落とし球)なんですねぇ……」
 それを見ていたるこるが、ハッと。
「私も縁起良く、まん丸になるべきでしょうかぁ……?」
 お前は何を言ってるんだ……?
「ところで、今何で転んだんでしょうかぁ」
 穹にトドメを刺した犯人を見下ろせば、人肉によって作られた、棒。もしやこれは『その手の趣味』の人が参加してくれちゃってたりしたのかな例の旅団に参加してくれちゃったりなんかしたりしてー、などと同胞の匂いを辿るるこるだが、そこにいたのは伸びすぎた鼻を隠す事もできず、無表情のまま羞恥に悶えるルネと、玉ではなく人の方を打ち抜くビリヤードを目撃して爆笑するオンカールと紅。これだけの猟兵が集まってしまうと、何がどこで影響してくるか分からないモノである……。
「今回は皆さんに笑顔を届けるお仕事ですね!それでしたら天才美少女アイドルにして国民的スターのテティスちゃんにお任せです!テレビの前の皆さんに笑顔をお届けしますよっ!」
 待て、テティス、テティス、待て。お前のターンはもう終わっただろう?
「何を仰るんですか!クイズ番組でウォームアップを終えた今!むしろテティスちゃんは絶好調です!!」
「……もしかして、私のせいで悲劇が起ころうとしていますか?」
 察しが良くて助かるよセシリア。だが安心していい、お前は悪くない。
「さて、どうやって皆さんを笑顔にするかですが……もちろん、アイドルたるもの笑顔を届ける手段はコンサートですよね!」
「あの、何故私に耳栓を?」
 今回、行動内容的にもセシリアはどう見てもシリアスの住人だったから、お前はこの悲劇に巻き込まれるべきではない。
「待って、それだと私がネタキャラみたいに聞こえるんだけど」
 ルネ、半眼してないで鏡を見てみろよ。鼻が伸びすぎて鼻が長い人から、長い棒の先端にヒトっぽい物がくっついてる状態やぞ?
「だとしても、人の事をそういう扱いするのは、どうかと思う」
「ちょ、ルネさん……今そんな真剣な顔されても……お鼻とのギャップが……!」
「鼻だけでここまで笑いを取るとは……たかが鼻、されど鼻高々ですね」
 ルネちゃんたら、一緒に来たお友達に笑われちゃって大変ねー?
「……ッ!」
 表情は全く変わらないのに、頬を色づかせたルネが、キッとこちらを見て。
「帰ったら絶対にこの記録を消してやる……!」
 ほぉう?ただでさえ遅刻して来たのにいい度胸をして……さては初体験のダークセイヴァーに、初の連携参戦をこんなことにされて怒っているのかね?
「それでは早速、紅白なんとか合戦への出場を諦めてまでこちらのお仕事に来た私の歌声を披露しましょうっ!」
 しまったピノキオモドキ構ってたら逃げ遅れ……。
「さあ、みなさん、私の歌声で笑顔になってくださいね!」


▼この記録は危険度Aです。一般猟兵、及びグリモア猟兵に閲覧の権限はありません。従って、一部の記録が非公開になります。


「何やら後ろが騒がしいですわねー」
 開墾作業の騒音で難を逃れていたセプテンバーが振り向けば、テティスを中心にして周囲の草木が朽ち果てていく。
「なんであの人呪詛をばら撒いてるんですのー!?」
 残念ながら、アレは呪詛ではなく歌声なんだ……。
「というかコレ、ネタ依頼ですわよね?なんで追いつかれたら命がなくなりそうなホラー依頼になってるんですの!?」
 知るかッ!!
「総員!フル稼働!!あの歌に追いつかれる前に道を切り開きますわよ!!」
 誘導灯をブンブン振り回し、急ピッチで作業を進めるセプテンバー、その隣で静かにきな粉ぺろぺろする晶が並び。
「急がば回れ、とも申します。焦るあまり工事が雑になっては本末転倒。ほら、ここからは足場が悪うございます。お気をつけて……」
「あ、そこはまだセメントが固まっておりませんのよ!?」
 ずっぶぅ……。
「……あら?」
 膝まで浸かって身動き取れなくなった晶を、双腕クレーンが片腕で掴み、ぐいーん。
「クレーンゲームで掴み上げられるぬいぐるみは、こういう心持なのでしょうか……」
 重機で頭を掴まれてミチミチ鳴きながら救出された晶……なんか面長になった?
「気のせいにございます。きっと、きな粉玉が舐めるあまり棒状になって来たせいで、私の姿もそのように見える心理的何かでしょう」
 本当でござるかぁ?
「もちろんにございます。さぁ、先に進みましょう。ここから先は、おふざけ無しの、シリアスな第一歩が……」
 ズシャァ!踏み出そうとして盛大にコケましたね。
「はて……足が動きませぬ」
 見下ろせば、先ほど踏んでしまったセメントが、敷たてのアスファルトに接着してしまっており。
「慌てる事はありません。こういう時こそ、冷静に、真面目に考えるのです」
 きな粉ぺロペロ。
「食べてる場合じゃありませんわよー!?」
 慌ててセプテンバーが救助に向かおうとして、やっぱりやめてUターン。何故なら……。
「森の中を花道に変えながら進むだなんて、さっすがテティスちゃん!超VIP待遇ですね!!」
 セプテンバーが敷設した道路を、自分専用の道だと勘違いしたテティスが歌いながら猛ダッシュでついて来てるから。
「しかもこんなにたくさんの観客さんが!!」
 超ご機嫌のテティスが示したのは、ブリーフ一丁で片手を挙げる裸の殿様に、UDCアース辺りの昭和めいたピッチリラメラメドレスで両手を後頭部に当てて、腰元と胸を強調するポージングの将軍……ナァニアレェ?
「ククク……この森には既に百体の上様を設置してある」
 霧亥!いつの間にか笑気ガスを解毒してやがるだと!?
「表現力豊かな執筆者「久ず……」おっと、いけない。「Cuse me later」なら問題無いよね?」
 おめーもしれっと第四の壁を越えるんじゃねぇ!!ていうかお前に至ってはバックボーンだけ見たらシリアス寄りだよな!?何やらかしちゃってるの!?
「嗚呼、服装とポーズに苦悩する執筆者を想像するだけで、笑いが止まらない!」
 駄目だこいつ、思考回路がオブリビオってやがる……。
「アヒャヒャ……あっ」
 ボン!高笑いなんかしてるから、ブリーフ殿様に引っ掛かって、また笑気ガス喰らってるし……。
「後は任せた!アッヒャヒャヒャヒャ!!」
 投げやがったな!?しかしどうすんだコレ、セプテンバーが開拓した道路の左右に、学ランに竹刀担いだ上様とメイド服でハート作ってウィンクしてる将軍に胸元開いたダークスーツでソファにふんぞり返った殿様までいたかと思えばサンタ服で風呂敷背負った家光公……我らが上様の博覧会じゃねぇか、こんなの一々書いてらんねぇぞ!?
「大分お疲れのようね、担当官殿……」
 肩ポンするな近くづくんじゃねぇよある意味最大の問題児。
「ひっどーい♪私は眠気覚ましと疲労回復に効くドリンクを持ってきてあげただけなのに☆」
 蒼汁だろ?
「ご名答♡」
 ぜってーいらねぇ!!
「じゃあ代わりに椿ちゃんに気付けされるのと私に気付けされるのとどちらがお好み?」
 どっちもいらんわンなもん!
「え、それより胃が痛い?」
 言ってない!
「ならいいオクスリがあるわよ☆その名も、アジュールストマックEX!」
 時にアリスよ。
「何かしら?」
 るこるの話覚えてるか?
「ほぇ?呼びましたかぁ?」
 呼んでない!ちょっと名前出しただけ!!取りあえず、オカマ話を触媒にしてだな?
「まさか……」

 ――蒼汁を飲め。

「ごずなり様顕現しちゃってるー!?神様だから?ここが異形の神が跋扈する世界だから!?」
「なんで怪物が追加されてるんですのー!?」
 煌々と輝く液体を飲ませようとしてくるバケモンの出現に、アリスは正気に引き戻されてセプテンバーが絶叫。
「振り向いちゃダメ!とにかく急いで。アレに追いつかれたら全滅するわ!」
「言われなくても急ピッチで進めてますわよ!!」
 シリアス顔になってしまったアリスにあてられて、セプテンバーは猟兵達の進路とも退路とも言える道の敷設を急ぐのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『<内部抗争>なぜ仲間同士で傷つけ合うの?』

POW   :    力づく(手加減や峰打ち)でリンチを止める。/リンチされている人をかばう。

SPD   :    歌などの披露やおいしい食事を振る舞い、心に余裕が持てる様にする。/リンチされている人を隠す。

WIZ   :    争いの原因を調べて、嘘やデマ情報を暴く。/怪我人を手当てする。

イラスト:カス

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 命と貞操と精神を守って必死に逃げた猟兵達。彼らの行く先に、人の声がある。
「お前、やっぱり俺たちを裏切って……!」
「そういうあなたこそ、私を犯人に仕立て上げようとしてるスパイでしょう!?」
 姿を見れば、彼らがオブリビオンを追って森に踏み込んだ部隊だと分かるだろうが、どうも様子がおかしい。
「殺してやる……この裏切り者め!」
「裏切り者はあなたでしょう?その首切り落としてあげるわ!!」
 何故仲間同士でこんな物騒な話になってしまったのか……猟兵達はすぐ、その原因に思い当たる。

 ――瘴気だ。

 なんだかんだ、ふざけて進んできた猟兵達と異なり、彼らは使命感と焦燥に駆られてここまで突き進んできた。故に、瘴気に当てられて疑心暗鬼に陥っているのだろう。そして、その不安を拭う為に仲間同士で……。
 君たちは先ほどのように人々を笑わせて瘴気を振り払ってもいいし、まずは物理的に争いを止めに入ってもいい。ただし、UCに頼り過ぎると悲劇だぞ!



(次回の執筆は四日の夜を予定しています。四日のお昼までにプレくれたら嬉しいなー?)
骨粗・少将
「まてーい!貴殿らには筋肉が足りぬ!争いをやめるのじゃ!」
筋肉はおろか脳ミソがあるかも妖しい怪奇骨人間がマッスルポーズを取りながら何かをもうしております。
「どうしても争うのであれば我輩の筋肉が相手になろう!」
どこに筋肉があるかって?この骨幼女は念動力を筋肉と言い張っていて本人以外には見えません。
なお、ちょっとしたことでがしゃんと崩れますがすぐさま念動筋肉で組み立て直します
「むぅん!唸れ嵐の上腕二等念筋!」
なお、サクラミ出身なのに何故かプロレス技で闘います。
「怪我をするのは二流!怪我をさせるのは三流じゃ」


蒼汁之人・ごにゃーぽさん
オウァティオウェルミス・クリブラトゥスに乗りふわふわと浮かびながらごにゃーぽさんがエントリー☆
コミックリリーフとしてギャグ補正の理不尽なカートゥーンキャラに変身ギャグ補正の理不尽なカートゥーンキャラの特性として、どこからともなく万能栄養霊薬の蒼汁を取り出します。
「争いをおこすなどキミ達には栄養が足りない!主に頭の!さぁ、蒼汁で身も心もKENNZENになるがいい!」
『いーとみぃ♪』
自分か喰われにいくスライムもとい蒼汁が部隊を正気に戻すだろう。
なお、部隊からの必死の抵抗でボク自身はリンチにあうかもしれないが、ギャグ補正の理不尽なカートゥーンキャラにはその程度実質ノーダメだよ☆


アリス・セカンドカラー
まずい。何がまずいってテティスちゃんがまずい。
うん、この状況なら歌うわよね……。
アストラルエフェクトで結界を張って一般人の方々を守護。効果時間は66秒だけど、結界内は時間加速(念動力/時間属性攻撃/時間稼ぎ)してるから数曲は凌げるは……ず、なんで邪神スターゲイザーパイがテティスちゃんのバックコーラスになっているのかしら?後、結界内に巻き込まれた猟兵はすまぬまじすまぬ。
六倍になった感覚で六乗になった歌を聴き、六倍になった生命力と継戦能力で気絶も発狂も自死も思考停止も許されずに効果時間いっぱい狂気の歌に晒される。
煩悩で限界突破してテティスにルパンダイブ敢行時に効果時間切れでごっつんこ(気絶攻撃)


夢ヶ枝・るこる
■方針
・【POW】使用
・アド/絡◎

■行動
何やら大変なことに?(ぷるぷる)

取り敢えず、実際に手を出そうとしている隊員さんが居たら、武器を落として止めることにしまして。
気を落ちつける為にも、動物さん達に癒されれば良いと思うのですぅ。

ということで【愛柔園】で動物さん達を召喚しようと思ったのですが。
考えてみますと「動物の定義」はどこまででしょう?
オブリビオンの中にも「彼等基準での動物」が居るかもしれません。
いにゅいにゃいさんとか、フェンフェン言ってらっしゃった方とか。
……『想像から創造する』関係上、何か出てきてしまった気もしますが、これはこれで揉めている余裕はないでしょうし、結果オーライということで?


亞東・霧亥
【WIZ】
こんな現場に突然介入する奴なんて、胡散臭いに決まってる。
だから、真剣に胡散臭い眼差しで近付き、話を聞く。

「君達は第四者の掌で踊らされている。執筆者・久ず・・・そう、クズ・ミによって。」

普通は信じない。
だが、今の彼らには別の敵が必要。

「君達は互いを信頼し、必死でここに辿り着いた。だが突然、衝動的に彼を裏切り者だと疑った。不自然だがクズなら話は別だ。」

クズの筋書きを晒す。

「君達が仲間を殺めてしまったら、奴の勝ちだ。そんな奴に負けて良いのか?」

全員が注目したら深呼吸を促し、振子時計を召喚。

【UCG】
3つの命令
【一致団結し】【クズを】【全力で罵倒せよ】

精神的波状攻撃で執筆者の心を粉砕!最高!


戦場外院・晶
「きなこペロペロ、智慧もりもり」
ペロペロ、仲間割れの原因は何ですか、見つけにくいものでしょうか?
しかしご安心下さい
血が上った頭だろうと瘴気パワーだろうと、きなこがあればあら不思議
「……てい!」
みんなにきなこをぶっかけます
手から召喚する端から消火器噴射のように顔目掛けて撒きます精神的鎮火なのです……それにつけてもお餅が欲しい
「さあ、顔に、手に、付いたきなこをお舐めなさい。……甘いでしょう」
きなこもたらす甘味と同時に、この世に平和が訪れるはずです
「ペロペロ……なに、喉が渇いたと?……蒼い汁を分けて頂けば如何?」
あ、私は結構です。きなこで喉が潤う特異体質なもので(大嘘)
ではでは、ペロペロ


アリス・ブラッドキャップ
双六の世界、もう何度目かもわからない自分の扉への挑戦。そして、いつものごとく『ふりだしに戻る』のマスに。足元に空いた【うさぎの穴の行き着く先は?】

猟兵達の頭上に空いた空間の穴からしゅぽーんと吐き出されたアリスは吸い込まれるように争っている人達の元へと落ちていく。少年誌のお色気回の如くどうしてそうなった的なエロトラブルを伴って。
事態の解決を求めてアリスナイト・イマジネイションでオトモダチ達を喚んでも彼女達も争い中の部隊共々エロトラブルに巻き込んで、結果的になんやかんやで争いどころではなくしてしまうのでした。


テティス・ウルカヌス
アリスさんに声をかけていただいたので、一緒に行きますねっ!(合わせプレ)

「なんでしょうか、あの言い争いは……?
はっ、まさか、テティスちゃんのファンたちが、テティスちゃんグッズを求めて争って!?
天才的美少女アイドルにして国民的スターとは、なんて罪作りなテティスちゃんでしょうか!」

ですが、私が来たからにはもう安心です!
グッズという即物的なものを得ようとするから、争いが起こるのです。
つまり、そう、私の歌で皆さんを満足させてあげれば問題ないのです!

アリスさんがステージ作成は任せろと言ってくれたので
私は全力で【天使の歌】を歌いますね!

「さあ、争う皆さんも、仲間の猟兵たちも、私の歌を聞いてくださいっ!」


メフォスト・フィレス
ふむ、争いはよくないであるな、やめるのである。
む、関係ないやつはひっこんでいろと首をぽろりされてしまったであるな。まぁ、デッドマンであり闇医者である我にはどうということはない。エリクサーで肉体改造して繋げれば元通りよ。
化物とな?そのようなことを申すなら本当に喰ってしまうぞ……性的にな♡
なぁに、我は同性でも気にせぬ。エリクサーで肉体改造すればいかようにもできる故な。
さぁ、選べ、争いを続けて我に性的に喰われるか、矛を収めて平和的に解決するかを。
我に武力行使等と愚を犯すならば、限界突破した神武不殺の武術で蹂躙し、性的に喰ろうてやろうぞ。

(本人的にはブラックジョークで笑わせにいってるつもりのようです)


セプテンバー・トリル
まぁ、味方同士で傷つけあうなんて!これは急いで説得しなくては…
え?私は前科があるからやるな?逆に疑心暗鬼を煽る?
どうしてそんな酷い事言いますの?!

【POW】連携・アドリブ歓迎
納得はできませんが、仕方ありません。
私は部隊の方達を森の外まで運ぶ事に専念しますわ。ここに置いておくのも危険ですしね。
正気の方はこの【ナックルダンパー】の荷台に乗ってもらい、まだ疑心暗鬼な方は先着二名を私の乗る【ユンボルギーニ】の双腕で優しく掴んで運びますわね。
UC【車百合】で作りたての道路を疾走して脱出しますわ!
ユンボルギーニの方は、ちょっと縦や横に回転したりさせますけど、全員傷一つつけずに運んでみせますわよ。


熊猫丸・アカハナ
こ、これがこの森の瘴気の効果かいな…。

ここは内紛の理由を調べに行こうか。
聞き込みもええけど、UCに頼り過ぎずに普通にネタ見せしながらいろいろと聞いてみよう。


涼風・穹
まずはダークセイヴァーの方々の間に割って入り戦いを止めます
随分と物騒な話をしているけど、それは客観的で物的な証拠でもあるのかい?
……なお、まだトナカイの着ぐるみを着たままです
そして何者だと問われれば怪しいやつだと答えておきます

争いを止めるにしてもまず落ち着かせないとどうしようもないので彼らの口に甘い飴玉を放り込んで味覚を刺激して意識を別の方向へ向けさせます

なお、某アイドルが歌おうとしたなら『歌は最後の切り札、まだ切り札を使うには早い』という方向性で説得して止めておきます
……いやまあ、本当にどうしようもなければダークセイヴァーの方々を全員纏めて昏倒させるのも手ではあるけど、あくまでも最終手段だな


セシリア・サヴェージ
どうやら私が想像していた以上の事態のようですね。色々と。
それはともかくとして争いを止めなくては。

まずは刃傷沙汰にならぬよう争いの間に割って入り、私たちの話(?)を聞いてもらうために彼らをなだめます。
笑いで瘴気を払えるのは先ほどと同じようですね。
『芸は道によって賢し』とも言いますから後はコミカル属性の方々になんとかしてもらいましょう。

しかし、私もサボる訳にはまいりません。
シリアス属性の私にできること、それはやはりツッコミでしょう。
先ほどは気圧されてしまいましたが、今回はビシッと鋭いツッコミを入れていきますよ!

ついていける自信が全くないですが来てしまった以上後には引けません。頑張れ私。負けるな私。


ルネ・プロスト
【紅芥】
※鼻伸びる呪いは解呪済

今度は仲間割れを止めないとなんだよね?
……UC発動、全力魔法&呪詛で広域に呪いを拡散
笑いの沸点下げる呪いと、興奮すればするほど『にゃん』としか喋れなくなっていく呪いをばら蒔くよ

にゃふふ。これでみんにゃみんにゃ、恥ずかしい目にあうがいいにゃん!
……しみゃった、レジスト忘れにゃー!?

ぐむ。で、でも死にゃば諸共
呪術テロ自体は成功してるから問題にゃしにゃん!
って、紅にゃにして……にゃー!?
にゃぜに鼠耳に尻尾にゃん!?

いやそうでにゃくて……というか鼠がにゃんて、にゃぷふー(※笑い耐性低下中
オンカールもにゃにか言ってやって……ぶにゃふー!?
にゃ、そ、それは反則、にゃ、ぷぷふー


オンカール・シン
【紅芥】で参加
【】の中は技能及びアイテム

争いを止めるため彼らを笑わせるとしましょう。笑いの沸点下げる呪い、語尾の呪い、そして耳しっぽという最高の条件を利用します。

少し恥ずかしいですが【覚悟】を決めましょう。ターバンを外して普段は隠している腰までの【ਲੰਮੇ ਵਾਲ (長い髪の毛)】を露わにし、それを手頃な紐なりゴムなりで縛ってツインテールを作ります。そして、【銀の笛】を【楽器演奏】してファンシーな音色を奏で彼らの注意を引いてから、ねず耳を揺らして
「萌え萌えキューンだにゃん♪」
僕は髪こそ長いものの決して女顔や童顔ではありません。成人インド人男性です。
そのケモ耳&萌えキュンの破壊力は絶大でしょう。


朧・紅
【紅芥】
紅人格で参加

ぅやケンカですねぇ
僕、仲裁って苦手なのです

ルネさん、どうすればいいと思いますにゃん?
……にゃーーん!?
ちょ、何をしたですにゃん?

にゃははっルネさ…自分も……自爆なヤツにゃん…っ
ムフフと良い事閃いて
では僕からはコレを差し上げますにゃん♪
【空創造血】でみなさんの頭とお尻にねず耳しっぽ(装着者の思念で動く)を召喚ですにゃん♪

え?ニャンでって
だってほら
今年はネズミ年ですにゃん♪

オンカールさんもネズ耳似合って……ぼふにゃー!?
萌えきゅんにゃーんと心撃ち抜かれ倒れ込み、ぷるぷる震えながら笑死
おにゃか…おにゃかが、イタ……っくくにゃ
なんならオンカールさんに萌えにゃん衣装も召喚しますにゃん



「こ、これがこの森の瘴気の効果かいな……」
 吸血鬼という共通の脅威に対して、団結したはずの人々が殺し合う様を前に、アカハナは絶句した。
「こいつはUC頼りってわけにはいかへんな、地道に話聞くしかないやろ」
 この手の状況に陥った時、下手にUCを使うべきではない。理由は至極単純に、鎮圧しきれなかった勢力が、落ち着いた故に味方に向けて剣を振るえない方を殺しにかかる暴動になるからだ。
「ちょいと待ちぃや!兄さんなにしとんねん!どないしてこない騒ぎになっとるんや!?」
 鍔ぜりあう二人にアカハナが割って入るのだが、その二つの血走った視線が彼を見下ろして。
「なんだコイツは!?」
「新手の勢力……やはり裏切ったのか貴様ァ!」
「アカン、ただ話しかけるだけやと、わしらを敵やと思い込んでまう……!」
「別にそれでいいじゃないか」
「何、時には不利な状況こそが最大の武器になるモノだよ?」
 ザッ、踏み込んだのは二つの影。蹄をもって二つの剣を突き放し、間に割って入った獣の眼光が両者を射抜く。
「随分と物騒な話をしているけど、それは客観的で物的な証拠でもあるのかい?」
「なんだ貴さ……本当に何なんだお前!?」
「ふっ……通りすがりの怪しい者だ!!」
 クワッ!効果線が入るレベルで叫ぶ穹だが、彼の姿は今なおトナカイ。現地民にしてみれば、獣の恰好した変人が突然湧いたカオス真っ盛りである。
「え、えーと、取りあえず死ねェ!!」
 混乱のあまり、一周回って二人で穹に斬りかかろうとするのだが、その前にスッと霧亥が入って両手を挙げる。
「おいおい待ちたまえよ。本当に怪しい輩が、自ら怪しい者だなんて名乗るかい?」
「……まぁ、確かに」
「スパイだってばらしたら、ただの馬鹿だよな……」
(やべぇ、ふざけて馬鹿な事言っただけって言いだしづらくなった……)
 穹が内心遠い目になる一方、霧亥は口角を上げて。
「君達は第四者の掌で踊らされている。執筆者・久ず……そう、クズ・ミによって」
「誰だソレ?この辺りの邪神にそんな名前のはいないはずだが……」
「さすがこの世界の住人、話が速くて助かる」
 異形の神が日常の隣にあるこの世界では、その辺寛容だったのだろう。新手の異形だと思い込んだ人々を前に。霧亥は真っ先に殺されかけた男性を示して。
「君達は互いを信頼し、必死でここに辿り着いた。だが突然、衝動的に彼を裏切り者だと疑った。不自然だがクズなら話は別だ。何故なら……奴ら執筆者の持つ権能が、『事象改竄』だからだ!!」
「な……」
 突然明かされた情報を前に、疑心暗鬼から混乱していた人々が絶句する。その驚愕が伝播するのを見計らってから息継ぎをする当たり、コイツ実は詐欺師なんじゃないだろうか……。
「グリモア猟兵が見つけ出した予知の情報を横からかっさらい、猟兵や君たちのような勇気ある民衆の戦いを安全な場所から見下して、確定した歴史を自分にとって都合のいいように書き換えてしまう編纂者……それが、執筆者だ」
「文字通り、何が起こったのかを書いてる化物って事か……」
 瘴気のせいで頭が回り切っていないのか、頷く人々を前に、霧亥は嘲笑を浮かべて。
「君達が仲間を殺めてしまったら、奴の勝ちだ。そんな奴に負けて良いのか?」
「クソッ、つまり俺たちはオブリビオンに操られてたっていうのか……!」
 うわぁい、何このプロパガンダ?
「君たちがなすべきことは、ただ一つ」
 突き立った霧亥の人差し指へ人々の視線が集まった瞬間、彼の背後に巨大な振り子時計が落下して、チックタックチックタック……。
「一致団結し、クズを、全力で罵倒せよ」
『は?』
 見ず知らずの敵を、どう罵倒せよと言うのかって顔した連中に、霧亥は資料を配布……お前こんな事の為によくもまぁそこまで用意を……!
「さぁ行け!奴は小瓶に閉じ込めた虫けらを眺めるように、君達をいつでもどこからでも観察しているぞ……!」
 霧亥の声に、人々は今までの鬱憤を晴らすかの如く。
「全部コピペで書くんじゃねぇ!手抜きがバレバレだぞ!!この屑が!!」
「勝手に行動を変えるなよ何のための行動指針だ!!ちったぁ考えろ能無し!!」
「シリアスな雰囲気をぶち壊すんじゃねぇよ空気読め生ゴミ野郎!!」
「やーいやーいばーかばーか」
 最後だけクオリティ低い……ていうか霧亥よ。
「何かね?」
 一般人に第四の壁を越えさせるんじゃねぇ!!
「いいじゃないか!世界の住人から世界の管理者が罵倒される!最高!爆笑!大成功!!」
 駄目だこいつ完全にバーサークしてやがる……。
「きなこペロペロ、智慧もりもり」
 狂笑する霧亥の横で、きな粉舐めて眺めてた晶がキョトン。
「殺し合いが暴動に変わっただけで、根本的には何も変わっていないのではありませんか?やはり頭に血が上っている事そのものがいけないのです」
 勝手に納得した晶はきな粉がくっついてた両手を民衆に向けて。
「……てい!」
 ぶばばばばば……きな粉まき散らし始めたー!?
「さあ、顔に、手に、付いたきなこをお舐めなさい……甘いでしょう」
「ちょ、何こ、息が……!」
 まぁ、そうよね。消火器めいた威力できな粉なんかかけられたら、体に張り付く砂嵐に襲われたような状態になるよね。
「うわぁああああ!なんか茶色い粉に襲われもぎゅ!?」
 目の前の仲間がきな粉像になってしまったのを見届けた戦士が逃走を図るも、回り込んできたトナカイからのメリーなクリスマスめいたアタッコ・ディ・プレゼントがマウスにクリティカル。口いっぱいにキャンディが詰め込まれて撃沈した。
「ネタが被ってしまった以上、負けるわけにはいかない……食らえ!スイーツキャンディアタック!!」
「ぎゃぁあああ!このトナカイ飴玉投げつけてくるぅうううう!?」
 前を向けばきな粉をまき散らす尼、後ろを振り向けばキャンディなガトリングでマウスショットしてくるトナカイ。
「このままじゃ全滅する!二手に分かれるんだ!!」
 誰かの声で、追い詰められた部隊は左右に分断されるが、左に逃げた部隊の前に目測で二、三十本の脚を持ち、そのうち前方らしき五、六本には棘らしきものが無数に生えている、海牛っぽい生物(ナマモノ)が……なんでそんなに細かく描写するかって?お前らはオウァティオウェルミス・クリブラトゥスって聞いて「あぁ、あれか」って分かるのか?俺には分からん。
「争いをおこすなどキミ達には栄養が足りない!主に頭の!さぁ、蒼汁で身も心もKENNZENになるがいい!」
『いーとみぃ♪』
 しまった、オウァティオウェルミス・クリブラトゥスの説明してる間にオウァティオウェルミス・クリブラトゥスの頭っぽい所に跨ってる蒼汁之人・ごにゃーぽさん(偏在する混沌の媒介・f10447)が先に動き出してしまった!
 天から降臨したオウァティオウェルミス・クリブラトゥスの下方の脚には、淡く発光する青い液体が収まった瓶があり、ごにゃーぽさんが妖精にくっついたモノクル(ヒーローマスク)って事もあって、彼女が乗るオウァティオウェルミス・クリブラトゥスは巨大(あくまでも、オリジナルの二倍くらいという意味)な個体であるが、瓶の容量は精々缶ジュース程度。オウァティオウェルミス・クリブラトゥスが瓶の蓋を開けたところで、出てくる量はたかが知れているはずなのだが、出るわ出るわ、瞬く間に成人男性みたいな体格を形作る青光りする液体は二足で立ち上がり。
『いーとみぃ♪』
「みぎゃぁごぶぶぶぶ!?」
 自ら悲鳴を上げる口目がけて突っ込んでいく!?……え、何?オウァティオウェルミス・クリブラトゥスって言い過ぎ?次回以降一発で伝わる様に、この場でこれでもかってくらい名前を出して、覚えておいて欲しいんだよ……!
「あれ、おっかしーなー」
 蒼汁が口に飛び込んだ事で、気絶した男性の頬をツンツンしていたごにゃーぽさんが首を傾げる。
「蒼汁は完全栄養飲料にして、万能の霊薬だから気絶するはずがないんだけどなー」
 ねぇ、知ってる?その薬に気絶させない効果があっても、味があまりにも酷いと、脳が心を守るために意識をシャットダウンするんだよ……?
「え、今日のはそんなに酷い味じゃないよ?」
 何味なん?
「【骸の海より愛を込めて~永遠なる過去から刹那の白き結晶のプレゼントを添えて~】味。宇宙の混沌よりずっとマシな味が……」
 アウトォオオオオオ!!
「駄目だー!あの青い液体に捕まったら殺されるー!?」
 もはや疑心暗鬼より恐怖に囚われてしまった部隊は、逆方向に逃げた仲間の下へと向かおうとするのだが、そっちはそっちで。
「まてーい!貴殿らには筋肉が足りぬ!争いをやめるのじゃ!」
「肉はおろか皮もない野郎がなんか言ってるー!?」
 骨粗・少将(すけょぅじょ・f23059)というサイドチェストを決めた桃色骸骨を前に部隊が急停止すると、少将がプンスコ。
「吾輩は女子じゃぁああああ!!」
 カツッと、骨盤を示して。
「その節穴アイをかっぴろげてよーく見よ!子宮を支える為に開いた骨格しとるじゃろうが!!」
「んなもん分かるかぁああああ!!」
 逆ギレされるのも仕方がないよね、だって七歳の幼女だもの。この時点でパッと見で相手が男か女か分かるとか、むしろ恐い。
「取りあえずそこを退け!」
「退か……ぎゃん!?」
 そのまま押し通る部隊とぶつかって、ガチャガチャガシャン。少将は骸骨から骸の山へとジョブチェンジ。
「やべぇ、頭蓋骨のおかしい奴かと思ったら本物の骸骨……!」
 全力で逃げようとするその肩を、腕の骨が掴み。
「むぅん!唸れ嵐の上腕二等念筋!」
「いやぁああああ放してぇええええ!?」
 何このホラー……腕の骨しかない骸骨に引き戻された戦士は、その場で再度組み立てられていく少将の骨格にとっ捕まり、腹に両腕の骨を回されて。
「怪我をするのは二流!怪我をさせるのは三流じゃ……安心して落ちるがいい!!」
 少将がそのままブリッジして、戦士が頭から地面にダイブ!脳天から投げ落とされて目を回してしまった。
「お前の犠牲、忘れないからな……!」
 涙を飲んで逃走を図る他の部隊員だったが、その前にもやっぱり回り込んでくる奴はいる。
「待て、争いはよくないであるな、やめるのである。それに我々は怪しい者ではな……」
「退けぇ!!」
 なんかもう精神的にオーバーフローしてしまった人々は、立ちはだかるメフォスト・フィレス(混沌の悪魔・f24767)を突き飛ばして逃げようとするのだが、ぶつかった瞬間に、パァン!
「おっと、ポロリをご所望であったか……そんなに我の体が見たかったか?ん?」
 などと、肉体を見せつけてくるメフォストだが。
「首とれたぁああああ!?」
 えぇ、見せてるのは断面図と言う名の中身の方です。
「ぎぃやぁあああオバケぇえええええ!!」
「化物とな?そのようなことを申すなら本当に喰ってしまうぞ……」
 大の大人が号泣して逃走するという、それはもう見ていられない事態の最中、メフォストは頭を首にくっつけると、片手を取って。
「……性的にな♡」
 必殺・ロケットフィースト!!
「ぴぎゃっ!?」
 飛んできた手に掴まれてスッ転ぶという、ついさっきやったような事をリプレイされた事で、オチを察した一同。
「え、皆……?」
「悪いな、この部隊は十六人編成なんだ」
 倒れた十七人目を残して、部隊が全力で撤退していく……残された一人の脚を掴んでいた手が、メフォストの腕と癒着して。
「さぁ、選べ、抵抗を続けて我に性的に喰われるか、矛を収めて平和的に解決するかを……む、気絶しておるな」
 本人的には警戒心を解く小粋なジョークのつもりだったのだろうが、そりゃーやられた側には恐怖でしかないよね。
「くそ!今回の一件で何人やられた!?」
「とにかく逃げよう、まずは部隊を立て直さ……」
「きぁぁぁぁ!どいてどいてどいてー!」
『えっ』
 突如前方から響くアリス・ブラッドキャップ(永遠ロリの力持ち・f19729)の悲鳴。何が問題って、走って逃げてるんだから、その悲鳴の出現元目がけて突っ込んでいってしまっているって事。
「あ、無理、間に合わな……」
「ホブッ!?」
 何という事でしょう、虚空から出現したアリスのスカートの中に飛び込んだ形になった部隊員はそのまま仰向けにスッ転び、アリスは彼の顔を座布団代わりにペタンコ座り。
「んー!?」
「ぁ……やっ……ちょっとだけ息止めて……じゃないと、くすぐったくて脚に力が……!」
「先輩……あなたの事は忘れません……!」
 顔面に座り込まれて動けなくなった同胞に敬礼して、走り去ろうとしたその時だ、別の仲間から警告が飛んできたのは。
「前見ろ前ー!」
「え……」
 敬礼をやめて振り向けば、フリルのスカートと逆三角の布から伸びる、健康的な脚が……。
「ヘブッ!」
「ご、ごめんなさーい!」
 何という事でしょう、増殖するアリスが次々と部隊の上に降下してきて、狙い澄ました事故であるかの如く視界と呼吸を潰し、顔面にライドオン。
「クソッ!何としても俺たちを全滅させる気か……!!」
「まぁ、味方同士で傷つけあうなんて!これは急いで説得しなくては……」
 絶望のあまり、猟兵を敵と認識した部隊の人々は武器を構えた。このままでは守るべき相手と戦う事になってしまう。それだけは避けようとセプテンバーが前に出るのだが、引っ込め。お前だけは引っ込め。
「どうしてそんな酷い事言いますの!?」
 お前は説得しようとして、むしろ相手の傷を抉ったり挑発したりするからだよ!
「そんなことしませんわよ!?」
 うるせぇ前科持ち!ヒーローズアースで説得しようとして失敗してんだから黙ってろ!!
「むぅ……納得はできませんが、仕方ありません」
 むくれたセプテンバーは回れ右して。
「私は部隊の方達を森の外まで運ぶ事に専念しますわ。ここに置いておくのも危険ですしね」
 と、眺める先には口いっぱいに飴玉を詰め込まれてコヒュってる人達と、きな粉塗れで茶色い石膏像みたいな事になってる人々。確かに放置は危険だけども、助けるって選択肢はないの?
「え、いや、ほら、素人が応急処置すると危ないですし……」
 口の飴とかきな粉とか引っ張り出すだけやろ?ただし蒼汁、アレは諦めろ。
「で、でも、ほら、その……!」
 何を渋ってるの!?人命第一でしょう!?
「……だって」
 だって?
「折角作った道路を使いたいじゃありませんのー!」
 それが本音かこのゼネコン嬢!?要は下手に助けると運ぶ必要がなくなるから、このまま搬送したいってか!?
「もちろんですわ!道は開くために造るモノであり、敷かれた道路は走るためにあるんですわー!!」
 言うや否や、双腕クレーンが飴ときな粉の被害者を大型ダンプの背中にボトボト。クレーンゲームみてぇだな、ここだけ見てると……あっ。
「ふぅ、これで全員乗りましたわね」
 自分は動いてないけど、やり切った顔で額を拭う真似をするセプテンバーに、ダンプの荷台から声ならぬ悲鳴が響く。
「あら?」
 全員……つまり、蒼汁の犠牲者も乗せたから、荷台の中で感染が広がって……!
「これはいけませんわ!ナックルダンパー、緊急発進!最寄りの拠点までカッ飛ばしますわよ!!」
 大型重機とは思えない挙動でターンを決めたダンプは、レーシングカーもかくやと言う速度で走り去っていくが……あれ、荷台の人々は無事なのだろうか……いや、無事だと信じよう。
「貴様ッ!俺たちの仲間をどうする気だ!?……いや、聞くまでもないな、お前達はいつもそうだ……!」
 セプテンバーさんや、残ってた部隊の人からめっちゃヘイト集まってますけど?
「私は悪くありませんわ!……あ、こういう時こそ」
 ピコン!セプテンバーの頭上に工事用の夜間照明が灯ると手の甲を頬に当てて、やや胸を反らして見下すように。
「返してほしくば、追いつけばよろしいのではありませんか?」
(ふふふ、完璧ですわ。相手を逆なでしてしまうのなら、それを逆手に挑発すれば、ナックルダンパーを追いかけて森から脱出してくださるはず……!)
「このアマ……ぶっ殺してやる!」
「なんでそうなるんですのー!?」
 向かって来る切り込み隊長めいた剣士相手に、おめめ真っ白で絶叫するセプテンバー。その前にるこるが滑り込んで長剣の刃、その側面に裏拳を叩きこみ、軌道を逸らしながら柄を蹴り上げて武器を木の上まで吹っ飛ばしつつ。
「何やら大変なことに?」
 ぷるぷる。いや震えてる場合じゃないよ!?
「取りあえず皆さま落ち着きましょう。お互い、突然の事に混乱し合っているから、誤解しあうと思うのですぅ」
 主にあのあたりの不思議な生き物のせいだと思いますがぁ、と口にはしないが持ち去られたはずなのにその辺に居る蒼汁スライムとか、妖精めいたヒーローマスクのっけた古代生物とか見やるるこる。
「こんな時こそ、アニマルセラピーですぅ」
 そう、今の状況に全く関係ないアニマルを召喚すれば、きっといい感じに丸くなるはず。そう判断したるこるだったのだが、彼女が寸前に目にしたのは、もう名前のコピペもめんどくさいアレである。
(あれも一応動物みたいなものですがぁ……考えてみますと『動物の定義』はどこまででしょう?オブリビオンの中にも『彼等基準での動物』が居るかもしれません)
 これがちょっと厄介な問題で、広い意味では『動く生き物は全て動物』である。犬も猫も虫も鳥も魚も、全てが、動物。だからこそ、モフモフした小動物を召喚しようとしたのに、古代生物なんか目撃したせいで、疑念……ていうか、疑問が生まれてしまった。その結果。
「フェンフェーン」
 なんか違うのが湧いた。
「うわ、なんだこの……うわぁあああ!?」
 黒くて丸い球体めいたケダマリモを前に、再びの恐慌状態に陥る人々を前に、るこるも苦笑しかできず。
「一応、こちらに武器は向けなくなりましたしぃ、結果オーライでしょうかぁ?」
「まずい。何がまずいってテティスちゃんがまずい。うん、この状況なら歌うわよね……」
 武器を絡めとられてフェンフェン言ってるアニマル相手に右往左往している人々を眺め、のほほんとするるこるに対し、シリアスフェイスなのはまさかのアリス……。
「呼んだ?」
 お前じゃねぇよ、ていうかいつまで人を座布団にしてるんだよ!?
「ずっと座ってたら、脚が痺れちゃって……」
 下の人、マジでお疲れ様です……それはさておき、何で同じ名前で外見特徴もそこそこ近いのが二人いるんだ……!
「そこを書き分けるのが執筆者でしょ?」
 無茶言うなや!?お前らどんだけ似通ってると……。
「私が!」
「「私達がっ!!」」
「「「「「アリスだっ!!!!!」」」」」
 じゃかぁしいわボケェ!!……訳が分からない人は、この戦場に参戦している猟兵全員のプロフィールを確認してみるといい。俺がどんだけ頭抱えたのか分かるから。
「まぁ悪ふざけは置いといて」
 ふざけてる自覚あったの!?
「この現場の混乱を見たら、あの子なら確実に歌うわ。何がどうしてそうなったのか分からない思考回路で、この場の全員を自分のファンだと思い込……」
「なんでしょうか、あの人だかりは……?はっ、まさか、テティスちゃんのファンたちが、テティスちゃんグッズを求めて争って!?天才的美少女アイドルにして国民的スタアとは、なんて罪作りなテティスちゃんでしょうか!」
「ほらぁ!!」
 対策がまとまる前に現場に到着してしまったテティスが、黒いケダマリモに武器を奪われて、素手で挑まざるを得なくなったもののケダマリモ側に戦闘の意思がなく、UDCアース辺りで見られそうな暴徒鎮圧用の格闘術で無力化される様を目撃。それをグッズ販売ブースに並ぼうともせず買い求めるマナーの悪い客と、それをなだめるガードマンだと思い込んでいるようだ。
「ですが、私が来たからにはもう安心です!グッズという即物的なものを得ようとするから、争いが起こるのです。つまり、そう、私の歌で皆さんを満足させてあげれば問題ないのです!」
 頭を抱えて瞳孔が開き切った目を泳がせていたアリス(ミニハット被ってる方)が、肩越しにサムズアップして。
「ま、任せなさい、テティスちゃん。私がそのためのステージを用意してあげるわ……」
「本当ですか!?」
 目を輝かせるテティスに対して、どんどん瞳が光を失っていくアリス(ミニハット)。
「ふ、ふふ、曇天に閉ざされたこの世界に、星空を見せてあげるわ……!」
 腹を括ったのか、冷や汗を流すアリス(ミニハット)はその身が霧散し、テティスを包み込むように巨大な暗幕へと姿を変えると、ドーム状に包み込んだ。
「わー、真っ暗ですねー……あ、お星様が見えます!」
「簡易的なプラネタリウムよ……存分に歌いなさい……」
 アリス(暗幕)の中でテティスがきょとり。
「あれ、でもお客さんは……?」
「なんでそういうとこだけ鋭いのよ……!」
 そりゃね、中に巻き込んじゃったら、反響するテティスの歌に晒されて誰一人生き残れないからね。
「ほ、ほら、暗くて見えないだけよ……みんな待ってるわ」
(ていうか早く歌ってくれないと、UCの継続時間が……!)
「ふふ、あまり焦らすのも人気アイドルがすることではありませんものね。さあ、争う皆さんも、仲間の猟兵たちも、私の歌を聞いてくださいっ!」
 で、テティスのワンマンライブが始まるアリス(暗幕)の外側。
「あの中で、一体何が行われているっていうんだ……!」
 右へ左へ伸びたり縮んだりを繰り返す、荒ぶるドーム(アリス)を眺めて、正座した部隊員達が恐怖から生唾を飲むと、その額にチョークが命中。
「フェン、フェンフェン」
「はっ、申し訳ありません、先生!」
「フェン。フェーンフェン……」
「……どうしてこんなことになってしまったのでしょうかぁ」
 るこる、呼び出したケダマリモの言葉が部隊員の胸を打ち、戦術の授業が始まったとはいえ、呼び出した責任を放棄して疑問符浮かべるのはどうかと思うぞ?
「どうやら私が想像していた以上の事態のようですね。色々と。それはともかくとして争いを止めなくては」
 森を吹き抜ける風に背筋を震わされながら、セシリアは靡く髪をかき上げて、憂いを秘めた瞳で荒ぶるコンサートホール(アリス)と、ケダマリモが消えて戦意高揚状態で猟兵と向き合う行方不明だった部隊を眺める。
「形はどうあれ、笑いで瘴気を払えるのは先ほどと同じようですね」
「先生と過ごしたこの一時、その成果をご覧にいれます……!」
 取りあえず瘴気的にはなんとかなったっぽいけど、結局猟兵達が『突如森の中に現れた怪しい敵』としか認識されていない事実を前に、セシリアはため息を溢す。
「『芸は道によって賢し』とも言いますから、後はコミカル属性の方々になんとかしてもらいましょう」
 そっと、部隊から二、三歩下がりつつ。何故か地面と水平に裏拳の素振りを始めたセシリア。なんでそんな事してるかってーと。
「しかし、私もサボる訳にはまいりません。シリアス属性の私にできること、それはやはりツッコミでしょう。先ほどは気圧されてしまいましたが、今回はビシッと鋭いツッコミを入れていきますよ!」
 何かフラグ建ってない?ていうか、お前のそれツッコミっていうかゼロ距離格闘の領域にないか!?素手なのに風切り音がするってどういう事!?
「異世界で視聴した記録にあったのです。ツッコミとは、鋭く激しい手刀を持ち、しかし的確な命中により美しい音を響かせるものだと……!」
 アカン、根が真面目だから漫才をシリアスに捉えてやがる……!
「ついていける自信が全くないですが、来てしまった以上後には引けません。頑張れ私。負けるな私」
 自分を応援しながら、ヒュッ、ヒュッ。シャドーツッコミで手刀を研ぎ澄ますセシリア。やべぇよコレ、悲劇の予感しかしねぇ……師匠、お願いします。
「よしきた任しとき!」
「どういう事ですか?」
 真面目すぎるセシリアさんへの差し入れ、本日の師匠:アカハナさんです。
「ええか嬢ちゃん、ツッコミは確かに切れ味も必要やねんけどな?あんさんの鋭すぎるツッコミ貰ったらボケはどない思う?痛いやん?」
「え、芸人の皆さんはその痛みに我慢して笑っている方々ではないのですか……!?熱い湯船に落されたり、出来立てのポトフ(サムライエンパイアやUDCアースでいうオデン)を顔に押し付けられたりして笑いをとっていらしたから、てっきり打たれ強い騎士団の方々から選出されているのかと……!」
 本気で驚いているらしいセシリアは両手で口元を隠し、驚愕に目を見開く。
「アホか嬢ちゃん!そんなん本気でやってたら怪我するやろがい!さもそれっぽく見せつつも、安全にやるんがプロの芸人や!!」
 などとセシリアにお笑い指導を始めるアカハナだが……実はセシリアの方が年上であるという事実を、彼はまだ知らない……後が面白そうだから黙っておこうぜ!
 とか言ってる間にも事態は進行し、るこるが白兵戦に備え、セプテンバーが戻って来た重機を即席のバリケード代わりに、穹が刀を逆手に構え峰を向けると、部隊の生き残り(犠牲者は全て猟兵が出した事に触れてはならない)相手に一触即発である。
「ぅやケンカですねぇ……僕、仲裁って苦手なのです」
 友人へ振り向く紅は、誰かが傷つくかもしれない、その不安から目元に雫を溜めて。
「ルネさん、どうすればいいと思いますにゃん?」
 ……あれ、急に固まってどうしたの?
「……にゃーん!?」
 猫語で絶叫する紅を見つめ、ルネが無表情のままに雰囲気だけで鼻で笑う。
「術式完了、この戦場はルネが掌握した」
「ちょ、何をしたですにゃん?」
 どうあがいても語尾が勝手に「にゃん」になる紅が、若干恥ずかしそうにあわわ。ドヤ顔(ぽい無表情)のルネ曰く。
「二つの呪詛のかけ合わせだよ。笑いの沸点下げる呪いと、興奮すればするほど『にゃん』としか喋れなくなっていく呪いをばらまいた……ふ、ふふふ……」
 口の端を震わせて、微かに笑っているらしいルネが両手を広げて天を仰ぐ。
「これでみんにゃみんにゃ、恥ずかしい目にあうがいいにゃん!カースドピノキオ事件にゃんか、忘れ去るぐらいの大恥かかせてにゃるんにゃからー!!……あれ?」
 盛大な勝利宣言をした直後、慌てて自分の口を押えるルネ。その脳内で組みたてた術式を逆算していくと。
「……しみゃった、レジスト忘れにゃー!?」
 ずがーん!ショックで(元々白いが)真っ白になるルネを、紅がぷーくすくすにゃふふ。
「にゃははっルネさ……自分も……自爆なヤツにゃん……っ」
「ぐむ。で、でも死にゃば諸共……呪術テロ自体は成功してるから問題にゃしにゃん!」
 顔をほんのり赤くしながら悔し気に歯軋りして、本物の猫の威嚇姿のようになってしまっているルネの傍ら、紅がにゃまり。
「では僕からはコレを差し上げますにゃん♪」

 ▼戦場の全員に鼠耳と鼠尻尾が装備された!

「って、紅にゃにして……にゃー!?にゃぜに鼠耳に尻尾にゃん!?」
 細長い尻尾をピンと立て、ピコピコ小刻みに動く自分の耳に絶叫するルネに、紅がブイサイン。
「え?ニャンでって、だってほら、今年はネズミ年ですにゃん♪」
「いやそうでにゃくて……というか鼠がにゃんて、にゃぷふー」
 自分でばら撒いた笑い耐性ダウンの呪いのせいで、笑う事が止められないルネ。このままでは埒が明かないと、静かに座禅を組んで思考を落ち着かせていたオンカールへ向き直り。
「オンカールもにゃにか言ってやって……」
その時だ、オンカールが構えを解いた。ゆっくりと立ち上がると、一歩一歩、部隊を刺激しないよう戦場の中心へ。
「あ、おい!」
 最前線にいた穹が止めようとするが手で制し、奪われていた武器を拾ってきた戦士たちがその切っ先をオンカールに突きつける。
「にゃ、にゃんだおみゃーは!?」
「なんでもありませんよ、僕はただの猟兵です」
 語尾の呪いを受けているはずなのに、いつも通りの口調で語るオンカール。それほどまでに、彼の心は凪いでいた。とある、覚悟によって……。
「にゃ、にゃんだ、にゃんのつもりにゃ!?」
 ゆっくりと、ターバンを解く彼を前に部隊が警戒して武器を突き出し、彼の頬に小さく赤い線を走らせるが、威嚇された所で微動だにしない。頭を覆う布を足元にそっとおいて……信仰の象徴であるはずの、ターバンを地においてまで決めた覚悟と、もう一つの信仰の象徴、腰元まで伸びた長い髪を晒す。
 懐から取り出した二つの髪紐に、一瞬部隊が警戒して猟兵も身を乗り出すが、オンカールは肩越しに首を振って猟兵達を下がらせた。敵を前にしてただ一人、髪を二つに結うと銀色の笛を奏で始める……のだが、なーんでこの緊迫した状況でやたらハイテンションな行進曲なんか吹いてるんですかね?
「……ぷふっ、くくく……」
 そこにルネによる笑い耐性ダウンの呪いがあるんですもの。そりゃーこのミスマッチな状況で笑いをこらえきれるわけがない。誰も彼もが口や腹を押さえて震え始めながらも、この身動きできない状況での不意打ちを警戒し、更にオンカールへ意識を向けた時、不意に演奏が止まって。
「萌え萌えキューンだにゃん♪」
『……』
 両手を合わせてハートマークを作り、耳をピコピコさせながら尻尾も丸めてこっちもハート。ついでにウィンクまでしてみせるのだが、それをやってるのが成人インド男性であり、しかも声が地声のまんま。あまりのミスマッチに現場には沈黙の帳が降りて。
『ぶにゃっははははははははは!?』
 一瞬にしてシリアスが消し飛んだ。
「……ぼふにゃー!?」
「……ぶにゃふー!?」
 紅とルネに至っては笑い過ぎて……やめとこ、この時の顔について記録残したら、後で刺される気がする……そのくらい酷い顔になるほどの大爆笑。
「おにゃか……おにゃかが、イタ……っくくにゃ」
「にゃ、そ、それは反則、にゃ、ぷぷふー」
「にゃふふ、上手くいったようでにゃによりですにゃ……」
 静かに微笑むオンカール。しかし、そんな彼に刺客が……!
「ちょっと待つにゃ!!」
 鼠トナカイの穹である。
「猫鼠に負けるわけにはいかにゃい、尋常に勝負にゃ!」
「よろしいでしょう、かかってくるにゃ!」
 二人で並んで、両手は丸めて胸元に揃え、腰を左右に揺らしてにゃんにゃん、にゃんにゃん……なにこの猫ダンス?
(はっ!今ですね師匠!?)
(せや……ぶちかましたれ!)
 セシリアとアカハナがアイコンタクト、並んで踊ってる二人の前にセシリアが踊り出でれば腕を鞭のように振りながらも、手首のスナップで一瞬だけ当てつつ軽快な音色を響かせるツッコミをオンカールの肩に撃ち込んで。
「にゃんでにゃねん!!」
 盛大に滑った挙句、流れを見守ってたせいで自分の口調がおかしいと、ここでようやく気づいたもよう。
『にゃっははははは!!』
「それどういうツッコミにゃんだよ!?」
「……」
 それでも笑ってもらえたからよかったものの、穹からツッコミ返されるという事態に、瞬く間に赤く染まっていき、プルプル……。
「みゃ、みゃけない……負けるにゃ、私……」
 キュッと唇を結んでは見たものの。
「無理にゃぁあああああ!!」
 羞恥のあまり、脱兎。ツッコミは消耗品だからね、仕方ないね……。
「あれ、今度はダンス対決ですかにゃ!?」
 おーっとここで自分の口調がおかしい事にすら気づけないテティスが、踊ってる二人を発見。
「この天才アイドルテティスちゃんの実力をお見せしちゃうにゃよー!!」
 などと穹の隣で踊ろうとした瞬間、ばら撒かれたきな粉を踏んでスッテンコロリ。
「にゃー!?」
 ドスッ、穹の脇腹に肘がクリティカル!
「にゃぶっ!?」
 ドンッ、オンカールの肩に背中が激突。
「うにゃっ!?」
 パァン!突き飛ばされた事で、やや距離があった少将にぶつかって、その際に頭をフッ飛ばしてしまい。
「ぶみゃっ!?」
 吹っ飛んだ頭蓋骨はメフォストの頭を吹き飛ばして。
「にゃっ!にゅっ!!にょっ!?」
 ごにゃーぽさんの古代生物を弾き飛ばして軌道が変わり、木の枝にぶつかり落下、そのまま少将の頸椎にグサッ。
「「あれ……我々、入れ替わっておるー!?」」
 ヘッドパーツだけ交換したゾンビと骸骨というとんでもない事態に……よいこもわるいこもまねしないようにね、まる。
「「ぶにゃっふー!?」」
 そのザマを見たルネと紅が同時に噴き出し、地面に転がってしまう程の正に抱腹絶倒。ただまぁ、この辺りの地面て、きな粉塗れなわけですよ。二人仲良く茶色く染まって。
「ちょ、ルネさんお餅みたいににゃってぷふー!?」
「紅だって苺のパンケーキみたいな色ににゃふー!?」
 笑い合う人々を見て、霧亥はふと空を見上げるとニヒルに笑う。
「にゃあ、クズよ。これが我々猟兵の持つ底力にゃ。おみゃーがいかに話の筋を整えようと、そのシナリオをぶち壊して進む……楽に記録できると思わにゃ……」
 ブハー!!何かカッコいい雰囲気だったのに、霧亥がきな粉人形にされてしまって台無しに!!
「けふっ……そもそも、語尾のせいで言語崩壊してるから元々台無しにゃ……」
 取りあえず口元だけ吹き飛ばした霧亥を狙ったのは、晶。
「にゃふふ……もっと早く気づくべきでしたにゃ……きにゃ粉の良さを広めるには、敵味方問わずきにゃ粉塗れにすればいいのにゃ……」
 何このきな粉のバーサーカー!?
「あみゃーいあみゃーいきにゃ粉に沈んでくださいにゃ……!」
 ばぼーん!きな粉の山が盛り上がり、その天辺に腕が生えた。
「ぶはっ!気絶してたにゃ……にゃにが起こったのにゃ?」
 テティスの歌声を一人で封じ込めていた今回の隠れ功労者、アリス(ミニハット)がきょろきょろしていると、セプテンバーが誘導灯を振るっているのが見えたのだが……バックしてきてるダンプには、水が満載されており。
「このみゃみゃでは先に進めみゃせんわ……みにゃさん、まずは汚れときにゃ粉を落として、綺麗ににゃさってくださいにゃし!!」
 ピーッ、ピーッ、ザバァアアアアア!!
『にゃにするにゃぁあああああ!?』
 近くの湖から汲んできたと思しき水に押し流されて、猟兵達は(一応)綺麗になりながらも、森の奥へと押し流されていく……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『未来へ希望を託した少女『マリア』』

POW   :    あの時から、私は死なない、死ねない……
【かつて流し込まれた吸血鬼の血による不死】に覚醒して【UCを反射する不死体】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD   :    まずは少し話そうよ?
【敵のUCの発動】から【一秒前にUCを封じる掌底】を放ち、【使おうとしたUCの不発】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    さよなら、もうこっちに来ちゃダメだよ?
【眠れば元いた世界に強制送還する光】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全対象を眠らせる。また、睡眠中の対象は負傷が回復する。

イラスト:果島ライチ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠大神・狼煙です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「嫌だ……戦いたくない……傷つけたくない……なのに……どうして……」
 猟兵達が流された森の先、岩陰に隠れるようにして、一人の少女が泣いていた。道に迷ったのだろうかと、猟兵が手を差し伸べようとするが、一緒に流されてきた部隊の一人がそれを制して。
「あいつだ、あいつが我々が追っていたオブリビオン……注意してくれ、素手による攻撃しかしてこないが、仲間は皆、一撃で倒されている……!」
 水で流されている内に正気に戻ったらしい隊員が、ターゲットの情報を口にしながら武器を構えるも、何か様子がおかしい。
「嫌……来ないで……私に、近づかないで……!」
「あ、待て!」
 部隊が展開するより先に、少女は更なる森の奥へと逃げていく。オブリビオンでありながら、人類と敵対することを拒むように。
「追うぞ、あいつの首を取れば、皆に希望を示すことができる。我々にだって、できるんだと……!」
 少女の後を追う部隊と共に、猟兵達もまた先へ進むのだった。その胸に、小さな疑問を抱いて……。






※何か色々書いたけど、ネタ依頼ですから細かい事は気にせずぶちのめしましょう。なお、敵は地雷を踏まない限りは攻撃してこない為、一方的に攻撃できるよやったね!ちなみに、何が地雷なのかは一部の猟兵が知ってるし、分かった上で地雷踏みそうな奴が二、三人いるから大丈夫なんじゃないかな……

(次回の執筆は十二日の昼間(意味深)になる予定です。さすがに全員同時採用はできないはずだから、周りへの被害は『多少』スルーできるでしょう。そんなわけだから、十一日中にプレくれると喜んじゃうな!)
熊猫丸・アカハナ
この子、黒幕っぽいゆうのに、なんで戦いたがらんのやろ?

とりあえず、蔦の壁でUCの光からみんなを守ろう。
この状況やと、これくらいしかできへんわ…。


涼風・穹
迷わずマリアを庇います
戦う気のない相手を寄って集って襲おうとはどういう了見だ?
平和や解放の為だろうと、希望と称してまるで生贄にするみたいに自分達の都合で彼女を殺すならやっている事はヴァンパイアと大して変わらないじゃないか
誰が相手だろうと、マリアがオブリビオンであろうとも関係ない
俺が誰と戦うかは俺が決める!

そして事象改竄されそうなら頑張って抵抗します
俺にグリモアを持たせた暁の力よ!
邪神クズ・ミの魔力を跳ね除けて…
……さっきの編纂者への罵倒が刺さって辛い?
それ以前に格上の執筆者相手には逆らえないし、寧ろ操られた方が面白いからさっさとその掌の上で踊れ…?
待ておい!

……そして斬撃が俺の"首に"迫って…


亞東・霧亥
地雷は踏み抜く物。
混沌メイカー参戦。

「(ピー)ズミー!そんなに妹が欲しいのかー?!」
マリアの容姿はク(ピー)ミの趣味だな。多分、お兄ちゃんって呼ばせたいんだぞ。
吸血鬼化を治したら、クズ(ピー)の持ちキャラになるんかな?
仕方無い、他ならぬクズミ(ピー)のためだ、やってみよう。

吸血鬼に噛まれて眷属になるなら、血液感染する病魔と捉える事も可能だ。可能だよ。不可能では無いのだよ。

【ブラックジャック】
血液は心臓に集まるから、野太刀に自然治癒力を籠めて、病魔(心臓)に突き刺す。
全力で治そうと試みるが、実は無免許である。

「君が!治るまで!突き刺すのを止めない!」


セシリア・サヴェージ
彼女が件のオブリビオンですか。紆余曲折ありましたがついに、ですね。
無抵抗の者を斬るのは気が乗りませんが、これも世界のため。
正義を成す為ならばどのような誹りも甘んじて受けましょう。

ですが彼女が抵抗し、ユーベルコードを使用された場合のことも考えておきましょう。
UC【闇の迸発】で肉体を強化することで対抗します。
つまり、眠気への抵抗力も6倍!これで勝てる!
まあ……約一分後に昏倒してしまいますが、幸い私はダークセイヴァー出身ですので送還されても被害は軽微でしょう。恐らく。

とまあ真面目に作戦を考えてみましたが、うまく事が運ばないのが世の常。
今まで通り場の流れに合わせていきましょう。


アリス・セカンドカラー
例え取り零すとしてもこの手を伸ばすことは止められない。誰も救えない、それでも……

まずは自分自身を肉体改造して睡眠しない身体に。
過去視読心遠隔視等の複合的な透視の超能力(念動力/第六感/視力/暗視/聞き耳/情報収集)で彼女のifの望みや理想のシチュエーションを読み取り、それを精神の具象化で再現して癒しましょう。辛い記憶はないないしてしあわせな記憶で上書きしましょう。それが偽りなのだとしても……。
偽りの幸せを拒否するならそれもいいでしょう、その時は乗り越えた時でしょうから。拳で語るなら付き合いましょう、こう見えても私、パワーファイターもいけるのよ?
ああ、次に残らないとしても、今はその魂に幸いあれ。


エイプリル・フール
「あ、詰んだ」
召喚してもないのに勝手に現れたヤンデレストーカーの張った(逃走防止の)結界に思い切りぶつけた鼻を押さえながらアホ娘。
ヤンデレストーカーはネオタントラによる不埒な真似や首狙いの死霊術等でマリアの地雷を踏み抜きながら交戦中。マリアが勝てば制裁されるのは確定で、ヤンデレストーカーが勝てばヤンデレられるのも確定である。
相討ちなら?鼻の怪我が原因で椿さんに斬られるでしょう。その前にヤンデレストーカーが地雷踏み抜いた責任を他の猟兵やダークセイヴァーに追及されてOSIOKIされるかもしれませんが。
なお、召喚されるのは生霊なので本体はどのパターンでも無事。
ヤンデレストーカーからは逃げられない!


二色・ありす
くっ、本体(アリス)のやつ、地雷を踏み抜いてこいとか無茶振りを……あれ、これどう転んでも酷い目に遭うの確定じゃね?
本体のOSIOKIを回避しつつマリアの制裁を逃れる方法は何かなんでもいい何かないか!?
……乙女ならきっと夢見たあれやこれやがあるはず。本体好みのアレな方向での妄想もきっとあったんじゃないかな、あったらいいなー。現実改変でそんな妄想をあったことにして、嫌な過去はなかったことにしましょうそうしましょう。

失敗。肉体改造で即死も発狂も気絶も出来ない分より苦しむことになる。
成功。OSIOKIがGOHOUBIに。結局酷い目に。

アドリブ、連携、ネタ堕ちプレ改変、歓迎


夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
若しかして「彼女」も「森の影響」を受けていたりします?
部隊の方々も、随分と殺気立っておりますし。

帰還まで「楽しさ」を維持する必要も有りますから、此処は宴を始めましょうかぁ。
食材や調味料は常に「鞄」に入れておりますし、鉄板も何処かに?
「フェンフェン」
あ、有難う御座いますぅ。
……まだいらしたのですねぇ?

折角ですから、皆さんもご一緒に如何でしょうかぁ?
私基準で十分な量が御用意してありますので、おそらく足りるのではないかと思いますよぉ?

ただ「彼女」が暴れ出したら、全力で対応しないといけませんねぇ。
宴でいただいた品のカロリーを回し【白翼衣】を使用、飛行して射撃で抑えましょうかぁ。


セプテンバー・トリル
なんだか微妙に戦いにくい相手ですわねぇ。
とはいえ無視もできませんし、なんとか致しましょう。

【WIZ】連携・アドリブ歓迎
あの子が逃げてきそうな場所に重機たちを【操縦】して、すり鉢状でアスファルト舗装の広場を即席で作りましょう。
あの子が入り込んだら、周囲に配置したダンプを使って玉砂利を流し込んで中心の私の所へと滑り落とします。
これぞゼネコン蟻地獄!玉砂利が私にぶち当たって痛いですけど【激痛耐性】で我慢ですわ。
そしてアスファルトや玉砂利を触媒にしてUC【黄泉路送りの花園】を発動。
あの子が脱出するまでの時間をかけて生命力を吸って弱体化させますわ。

そして後には玉砂利に埋まった私が残ります。タスケテ…


テティス・ウルカヌス
「もう、いくら私が天才的美少女アイドルで国民的スターのテティスちゃんだからって、そんな照れて逃げなくてもいいじゃないですかー」

こうなったらファンサービスです!
私の歌声を近くで聞かせてあげますねっ!

「それでは、【天使の歌】、聞いてください!」
(なおUCがキャンセルされても地声で歌い続けます)

あ、握手ですか?
いいですよー。それでは握手会を開始しましょう!
(敵の掌底は握手を求めてきたと勘違いして歌ったあと握手会を始める)

「って、きゃあああっ!」
(男性には右ストレート)

いっけなーい、また握手会中にファンの人を殴ってしまいました。
けど、これもテティスちゃんとの交流だからいいですよね?(にっこり)


朧・紅
【紅芥】
紅人格で参加

うゅ、戦う気が無さそうな不思議なオブリビオンなのです…
オンカールさん?大丈夫です?
とりあえず足止めしましょーか
前衛はルネさんにお任せ
ルネさんありがとうですね!
掌底や光攻撃を受けない離れたところで【空想造血】
自立稼働するかわゆき着ぐるみ大の猫ぐるみ(だがチューと鳴く。前回を引きずったらしい)が現れてとてとて近寄って泣いてる子をぎゅっとして癒しつつハグ拘束してくれるはずなのです

眠らされた方には眠気覚ましを生成です!
うゆ?なんでしょうこの赤いの……とりあえず飲んで下さいオンカールさん!(タバスコとか無害だけど劇薬なヤツ)
(阿鼻叫喚になったら、ごめんの心地)


ルネ・プロスト
【紅芥】
人形達は死霊憑依&自律行動

不意に地雷踏むかもだし、森の友達は敵を注視・警戒

ルネはナイトに騎乗
他の駒盤遊戯と連携して敵の接近妨害、掌底から逃げつつUC使用
運命の糸に干渉して未来観測、敵の動きを先読みして味方の行動支援中心に駒盤遊戯の戦闘指揮

ポーン8体は前線構築。敵の接近と掌底を妨害、必要なら銃剣の乱れ撃ち&制圧射撃で牽制
ルーク2体の盾受け&かばう、ビショップ2体のオーラ防御で防御支援

いつもなら容赦なく潰すとこだけど
……今回は一旦、支援に徹する感じで
心なしかオンカールの動きが鈍い気がするし

あ、紅その瓶の中身飲ませちゃダ――あぁー……(UCの未来観測で瓶の中身に気づくも手遅れ、心の中で合掌


オンカール・シン
【紅芥】で参加
僕は一般人レベルの能力しかないので相手の強さを推し量ることもできません。最初は森で迷った可哀想な子供だと思い油断し、オブリビオンと気づいた後も「子供を殴る蹴るは気が引ける」と戦闘に身が入りません。

結果、敵UCを食らってしまいます。紅さんの眠気覚ましを飲ませて頂きますがその刺激で逆に気を失ってしまいます。気を失うのは眠るのとは違いますかは強制送還はされないでしょうし、一度気を失ってしまえば眠る心配はありません。

もちろんそれだけでは何の意味もありませんが、事前にUCを使っておきます。召喚された霊には【目立たない】ようにさせ僕が意識を失ったタイミングで参戦させれば、戦闘を継続可能です。




※この依頼は『ネタ依頼』です。その事を念頭においてご覧ください。













「彼女が件のオブリビオンですか。紆余曲折ありましたがついに、ですね」
 闇殺しの名を持つ大剣を構え、セシリアが離れていく背中を見つめる。
「無抵抗の者を斬るのは気が乗りませんが、これも世界のため」
「ちょっと待て!」
 踏み込もうとするセシリアの前に立ちはだかったのは、同じ猟兵……穹だった。
「戦う気のない相手を寄って集って襲おうとはどういう了見だ?」
 刀に手をかけ、射抜く眼光には殺意こそないが明確な敵意を灯し、穹はたった一人で部隊を前にその道を塞ぐ。
「平和や解放の為だろうと、希望と称してまるで生贄にするみたいに自分達の都合で彼女を殺すなら、やっている事はヴァンパイアと大して変わらないじゃないか」
「正義を成す為ならばどのような誹りも甘んじて受けましょう」
 もはや説得の余地はなく、その道行きを阻むのならば仲間だろうと容赦はしない。その決意を示すように、セシリアは鋒を向けて。
「あなた一人の正義感で、何人の人が救えるのですか?あのオブリビオンを取り逃せば、また新たな犠牲者が出るのです。まさか、殺されるより多くの人を救う、などと無価値な言葉を吐きはしませんよね?」
 命の価値を問うセシリアに、穹はついに得物を抜き放ち。
「誰が相手だろうと、マリアがオブリビオンであろうとも関係ない……俺が誰と戦うかは俺が決める!」
「……そうですか」
 その一言で、セシリアは察した。知るべきではない事を、察してしまった。
(あなたは既に、あのオブリビオンの別個体と戦っているのですね……)
 オブリビオンは一度も名乗っておらず、行方不明になっていた部隊の人々もその名を知らぬ。しかし、穹は明確に彼女の名を告げた。それはつまり、別の依頼で彼女と邂逅を果たし、その過去【生涯】を垣間見たという事。
(あなたにも譲れない信念があるように、私にも決して退くわけにはいかない覚悟があるのです。だから……)
「退かぬのなら、斬り捨てるのみ……!」
「来いよ、悲劇を繰り返させはしない!!」
 大型の得物を手にしながら、セシリアの初速は速い。地面を蹴る脚力をもって、直線的なれど反応を許さぬ突進を放つ。対するは刃を斜に構え、受け止めようとする穹だが。
「重い……!」
 甲高い金属音と裏腹に、その双肩を踏み潰さんとする重圧。得物の差に加えて、セシリアの膂力による圧が、穹へのプレッシャーとしてのしかかり。
「安心してください、すぐに終わらせます」
「ガハッ!?」
 不意に、得物が浮いて刀を空振る穹。大剣を振り上げたセシリアは彼の胸を蹴り飛ばし、木に叩きつけて体勢を崩させると手首を捻って得物を逆手に構えて。
「殺しはしません、お休みなさい」
 穹の首目掛けて刃を振るった。
「何故……」
 ポタリ、赤い滴が地面に飲まれ、黒い染みへと姿を変える。
「何故あなたが、猟兵を庇うのですか!?」
 セシリアの大剣を素手で掴み、受け止めたマリアはその小さな掌から血を滴らせて、困ったように微笑んだ。
「分からないよ……でも、放っておかなかったんだ……うぅ……」
 頭痛に苛まれ、マリアは頭を抱えて崩れ落ち、突然の事態に戦意を失ったセシリアの大剣が地面を抉る。
「マリア……お前、どうして……」
「この子にも、決して折ることのできない信念があったんでしょう」
 呆然とする穹を助け起こし、アリスはマリアへ手をかざす。
「例え取り零すとしてもこの手を伸ばすことは止められない。誰も救えない、それでも……」
 オブリビオンはその縁を断たない限り、何度でも別個体として蘇る。されど、せめて今だけは、ささやかな夢を……。
「ッ!?」
 見させようなどと、思い上がったのが間違いだった。
「う、ぁ……」
「どうした!?」
 文字通り、型破りにして非常識、物理法則すら無視するアリスが、膝をつく。その異常性に穹が彼女を支えるが、憔悴したアリスなどという有り得ないものを前に更なる驚愕。
「はは……さすがはダークセイヴァーってところかしら……?」
 アリスはマリアの思念を読み、その理想を叶える夢を描こうとした。しかし、アリスが覗き込んだマリアの中にあったのは、狂気。
 ただ、彼女は未来に希望を見出しただけだ。神に救いを求め、日々祈りを捧げ、荒廃した世界に笑顔をもたらすべく人々に手を差し伸べ続けた。しかし自身の救済を望まず、自分達の次の世代……子ども達の生きる未来に、希望を託しただけだ。
 だが、彼女は報われないばかりか、凄惨な最期を遂げ、自分が求めた未来を滅ぼすモノ【オブリビオン】として現界した。
「その自己矛盾から発狂して、それでもいざ生きてる人を前にしたら狂気を押さえ込んじゃうなんて……」
 なんたる皮肉だろう。どれほどの苦痛だろう。それを、未来を守る側である猟兵に、理解する術はない。
「彼女、誰も殺してないわよ」
「えっ……」
 アリスの言葉に、セシリアは声を失う。隊員達は言っていた、仲間を一撃で倒したと。一言も、殺したとは言っていない。
「私は今、己の在り方を問われているのかも知れませんね……」
 セシリアは、血に濡れた大剣を見下ろし眉を潜めるのだった。
「この子、黒幕っぽいゆうのに、なんで戦いたがらんのやろ?」
 その様子を眺めていたアカハナが首を傾げる。その心が蝕まれようと、譲れぬ信念があろうと、オブリビオンである以上その本能には抗えないはずだ。だが、目の前の少女はその常識の外側にいる。
「若しかして、『彼女』も『森の影響』を受けていたりします?部隊の方々も、随分と殺気立っておりましたし」
 首を傾げるるこるは手を叩き。
「帰還まで『楽しさ』を維持する必要も有りますから、此処は宴を始めましょうかぁ。食材や調味料は常に鞄に入れておりますし、鉄板も何処かに?」
「フェンフェーン」
 思考を切り替えて、森の瘴気への対策を考えたるこるに呼応したのか、黒いケダマリモが顕現。手頃にデカい石を転がして竃を作り、その上に鉄板をバーン!
「あ、有難う御座いますぅ……まだいらしたのですねぇ?」
「フェン」
 ドヤァ。
「折角ですから、皆さんもご一緒に如何でしょうかぁ?私基準で十分な量が御用意してありますので、おそらく足りるのではないかと思いますよぉ?」
『ふぁっ!?』
 いやね?鞄から肉を取り出しただけでも割とびっくりするのは分かるんだ、だって軽く三キロはありそうな塊なんだもの。この時点で、鞄より肉の方が大きくて無理やり詰め込んだんだろうなーって、ここで終わるなら、まぁビックリ、沢山入る鞄なのね!で終わったんだよ。
「牛肉とぉ、鶏肉とぉ、豚肉とぉ、お魚が赤身と白身とぉ、こちらはお刺身の方が美味しいですねぇ。あ、もちろん海老や貝もありますよぉ」
「ちょいちょいちょーい!?」
 明らかにディメンジョンがフォースにパラレルってる鞄にアカハナがツッコミ。
「野菜がないやん!」
 そっち!?
「栄養バランスは大切やろ!?」
「ちゃんとありますよぉ」
 南瓜ドーン!玉ねぎバーン!ピーマンズギャーン!!
「よし、ほんなら大丈夫やな!」
 アカハナ師匠の太鼓判がポン♪
 ……気にするべきはそこじゃねぇよ!あいつの鞄の容量の異次元具合の方を気にしろよ!
「くっ、本体【アリス】のやつ、地雷を踏み抜いてこいとか無茶振りを……」
 じぅううう……お肉と野菜がコンガリしていく鉄板を前に、二色・ありす(人工未知霊体・f23683)は震える。
「……あれ、これどう転んでも酷い目に遭うの確定じゃね?本体のOSIOKIを回避しつつマリアの制裁を逃れる方法は何かなんでもいい何かないか!?」
 キュピーン⭐︎アリス(ミニハット)がOSIOKIに備えて触手(意味深)をユラユラ。
「……乙女ならきっと夢見たあれやこれやがあるはず本体好みのアレな方向での妄想もきっとあったんじゃないかなあったらいいなー現実改変でそんな妄想をあったことにして嫌な過去はなかったことにしましょうそうしましょう」
 早口で言い切るありす(男の娘)は震え声。彼は何があろうとアリス(変態)には抗えない事情が……ん?
「あ、詰んだ」
 鼻から血をダラァするエイプリル・フール(承認欲求の嘘破棄アホ娘・f18169)は逃走しようとして顔面を打ち付けた見えない壁をペタペタ。その後ろではマリアに向けてネオタントラ(何が起こったのか分からない人は自己責任で調べてみよう。あーるじうはちな説明に遭遇するんじゃないかな!)な攻撃を仕掛けるも、手を出す前に手首を捻られ投げ落とされて、撃墜された直後に天より降る光に飲まれて消えていく……。
「あれ、助かっ……」
 UCが暴走していたのか、呼んでもないのに助けに(襲いに?)来ていた生霊が消滅した事に希望を見出したエイプリルだったが、その瞳が一瞬にして虚無に包まれる。主にマリアと目があった事で。
「てない!?」
「あ、その子凌辱されたトラウマがあるから、不埒な真似しようとするとタゲ集中するわよ⭐︎」
 心を読もうとしてトラウマに触れてしまったアリス(ミニハット)がウィンク、さーっと白くなるエイプリル。
「いやいやいや待って待って僕は何もしてない、何もしてないんだ、手を出したのは勝手に出てきたあのヤンデレストーカーで痛い痛い痛い痛い!?」
 マリアに頭を掴まれたエイプリルが吊し上げられ、頭蓋から悲鳴を溢す。
「あぁ、また、来たんだね……」
 それまでとは異なる、暗い声で呟くマリアは深淵を湛える瞳でエイプリルを見つめて……って、アリス!お前またか!!
「あら、今回は人数減らしてあるじゃない」
「その話今しなきゃダメ!?」
 締め上げられるエイプリルを横目にアリス(本体)はしれっとチームアリスを示し。
「この流れ、下手に現実を改竄しようとするとカウンターでヤられる……?」
 じりじり、失敗は許されないありす(コピー)は起死回生の一手を思案するが……。
「はーい、時間切れ⭐︎」
「うわ!?」
 ありす(複製)がアリス(オリジナル)に捕まった!?
「それ大切?それ僕の命より大切!?」
 エイプリル、締め上げられてネタみの欠片もないお前は黙ってろ。
「酷い!?」
「こっちはこっちで記録できるモノじゃないから助け……」
「記録されないなら、ナニしてもいいわよね♪」
「違うっ!そうじゃな……アッー!?」
 おみせできないえいぞうがながれているため、しばらくおまちくだちゃい。
「 ズミー!そんなに妹が欲しいのかー?!」
 霧亥!?お前何言ってんの!?あまりにも酷いから検閲入ったぞ!?
「マリアの容姿はク ミの趣味だな。多分、お兄ちゃんって呼ばせたいんだぞ。吸血鬼化を治したら、クズ の持ちキャラになるんかな?」
 話聞いてる!?お前の発言一部録音されてないんだよ!?
「仕方無い、他ならぬクズミ のためだ、やってみよう」
 俺がいつ頼んだ!?そして検閲が仕事してねぇえええ!!
「吸血鬼に噛まれて眷属になるなら、血液感染する病魔と捉える事も可能だ。可能だよ。不可能では無いのだよ」
 いうや否や、霧亥はメス……ではなく、やたら刀身の巨大な太刀を構えて。
「血液は心臓に集まるから、野太刀に自然治癒力を籠めて、病魔たる心臓に突き刺す。これで治癒した新鮮な血液を全身に巡らせれば、吸血鬼化を解けるはず!」
 落ち着け霧亥!奴は吸血鬼そのものになってるわけではないし、そもそも既にオブリビオンだから解ける前に消え……。
「君が!治るまで!突き刺すのを止めない!」
 グッサァいったー!!
「問題ない、この刃は病魔だけを斬り捨てる治療の刃だから」
 ドヤる霧亥だが、胸元をざっくり切り開かれたマリアの胸から赤い噴水がピュー……。
「あれ?」
 流し込まれた血が全身を巡り、既に体に馴染んでいる以上、そらーどこ斬っても斬れるよね。ていうか心臓いったら繋がる血管ざっくりいくやろ!?
「そうなんだ?俺はヤドリガミだからよく分かんないな」
 分かんないのに治療するとか言ってたのか?
「まぁ、無免許だからね!」
 おい!?
 霧亥がサムズアップしてる隙にマリアが逃走。戦う意思がない以上、(挽肉になったエイプリルを除いて)猟兵に手を出す理由はない。木々の陰を縫うようにして、森の奥へ姿を隠そうとするのだが。
「もう、いくら私が天才的美少女アイドルで国民的スターのテティスちゃんだからって、そんな照れて逃げなくてもいいじゃないですかー」
 お前が追いつくんかーい!?
「マネージャーが言っていました。逃げるファンは捕まえるものだって!こうなったらファンサービスです!私の歌声を近くで聞かせてあげますねっ!」
 テティスのマネージャーの名誉の為に言っておこう。奴が言ったのは、「離れゆくファンを繋ぎ止める魅力を持つ事は、アイドルにとって重要な事である」っていう意味であって、決してジグザグに走り姿を眩ませようとする相手を、自身を中心にして周囲の存在を瓦解させる怪音波を放ち邪魔な木々をなぎ倒しつつ追い詰める事ではない。
 ていうか歌うんじゃねぇよまた秘匿文書にされたいのか!?
「み、耳が……」
 ひく……ひく……歌にやられたマリアが腕を伸ばしたまま倒れて力尽きてるー!?
「ファンの方が倒れてます……!どうしてこんな事に!?」
 倒れたマリアに追い付いたテティスは、口元を押さえて驚愕に目を見開くが、ハッと気づく。
「もしかして、犯人は私?」
 お?ついに自分の過ちに気付いて……。
「感動のあまり握手を求めるもそのまま気絶しちゃうだなんて、テティスちゃんの魅力ったら罪ですね!!」
 かないー!!誰かこのバカ止めて!?
「意識を失っても握手しようとする努力に免じて、特別に手を握っちゃいます!」
 などと動かぬマリアの手を両手で握って、上下にブンブンブンブン。マリアの全身が浮き上がるほどの腕力でそんなに振り回したら……。

 \スポーン/

 マリアが投げ飛ばされたぁあああ!!
「なんだか微妙に戦いにくい相手ですわねぇ。とはいえ無視もできませんし、なんとか致しましょう」
 一方その頃、これこのように逃走を見越して森の奥で罠を張っていたセプテンバー。
「アチラはきっと、酷い事になりますものね。この辺りで待っていれば、逃げてくるはずですわ」
 などと、頭のおかしい猟兵に追い立てられて、涙目で逃げてくる少女の姿をイメージしていたセプテンバーは、用意した罠の中心にスタンバイして罠が完成。
 ……お気づき頂けただろうか。
「ふふふ、まさか私そのものが罠だなんて、誰が予想し……」
 ゴッ!
「痛いですわ!?」
 頭に何かが直撃したセプテンバーは、ぷっくり膨らむタンコブを押さえてぷるぷる。
「まだ指示はしてませんわよ!?」
 などと上を見るセプテンバー……気付いたかな?奴はアスファルト製のすり鉢状の穴を掘り、その中心でスタンバッて周囲には玉砂利を積載したダンプを待機させている。が、荷台を起こした車両はなく。
「あら、落としてない?」
 では何が落ちてきたのかしら?と視線を落とせば、「アイドル」のダイイングメッセージを残したマリアの姿。
「空から女の子が降って来ましたのー!?」
 まさかこんな形で会敵するとは思わなかったセプテンバーだが、遭遇したならさっさとやってしまうに限る。
「はっ!歌が……あれ?」
「総員!玉砂利を落としなさい!!」
 ザラーッ!目が覚めたマリアが逃げる前に、待機していたダンプが一斉に荷台を起こして玉砂利を投下。
「これぞゼネコン蟻地獄!そう簡単には登れな……いたたたた!?」
 流れ込む玉砂利に足を取られて、マリアが手間取っている間、セプテンバーには流れ落ちる玉砂利が命中。
「逃しませんわ!」
 割と顔面に砂利が命中して涙目なセプテンバーを中心に、玉砂利が割れ、芽吹き、花開く。それに呼応するように、マリアの四肢から力が抜けて……あっ。
「あっ、ちょっと待ってくだ……ぷぎゅ!?」
 玉砂利と共に滑り落ちて来たマリアの両足が、セプテンバーの顔面をスタンプ!そのまま玉砂利の下に埋もれていった……。
「何がどうなってるの……」
 玉地獄から這い出て来たマリアを待ち構えていたのは、八人の軽装歩兵。
「ポーン部隊、射撃用意……ってー!」
 人馬騎士の背に乗ったルネが腕を振るえば、銃剣を構えた騎士が同時に発砲。既に満身創痍なマリアは全弾を食らい、その場に崩れ落ちる。その眼前に銃剣の鋒を突き付けられたマリアが見上げたのは、巨大な盾を構えた二人の騎士と、その後ろから防御壁を張る僧侶のような人形、そしてそれら四体に守られる二人の猟兵。
「うゅ、戦う気が無さそうな不思議なオブリビオンなのです……」
 人馬騎士に乗るルネの陰から、紅が顔を覗かせる。もはや勝敗は決した。だが、油断は許されない。故にルネの駆る騎士団はマリアから得物を遠ざけようとはせず、仮に動かれてもその拳が届かぬよう、防衛の布陣まで敷いているのだ。
「いつもなら容赦なく潰すとこだけど……」
 ルネが一度指示を飛ばせば、軽装歩兵は少女を八つ裂きにして殺すだろう。それだけで、全てが終わる。
「心なしかオンカールの動きが鈍い気がするし」
「オンカールさん?大丈夫です?」
 ルネと紅から気遣うような視線を向けられて、オンカールは首を振る。
「これが……猟兵の仕事ですか……!」
 オブリビオンだから。それだけの理由で、戦いもせず逃げ出す少女を追い詰め、嬲り殺しにする。そうしなければ、世界に危機が及ぶから。
「違うでしょう!こんな……こんな……!」
 ただ、震えるばかりの拳を握るオンカールは、奥歯を噛む。分かっているのだ、彼女を殺さなければ、いずれ彼女は狂気に飲まれて他のオブリビオンのように世界を滅ぼすのだと。だが、頭で分かっていても子どもに手をあげる事は、できなかった。
「あなたは、優しい人なんだね……」
 使命と信条の狭間で揺れるオンカールへ、マリアが淡く微笑み指先を向ける。
「私は大丈夫だよ……」
 己の最期を悟り、その死様を見せぬように、彼を元いた世界へ送り返す光が降り注いで……。
「くっ……」
「はっ!オンカールさんがピンチな気がします!?」
 光と共に舞い降りた睡魔に襲われて、意識が遠のいていくオンカール。膝をついた彼の目蓋が完全に落ちる前に紅が懐をゴソゴソ、ザクッ、てってれー。
「眠気覚ましなのですっ!」
「待って、今服の中から通り魔みたいな音がしたんだけど?」
 ルネのツッコミに、紅はフッと薄い笑みを浮かべて。
「ルネさん、世の中には気にしない方がいい事もあるんですよ……」
 まさか自身の血液から眠気覚ましをつくる為に、最小限の血でナイフ作って自分を切って血を流したとは言えない紅。心配をかけないように見えなくしたのだが、逆に眠気覚ましの中身に不安を抱かせたもよう。
「うゆ?なんでしょうこの赤いの……」
 いつもなら刃の形にして固める紅だが、今回はあくまでも素材にしただけで全く違う物を生成したはずである。にも関わらず、何故ビンの中身は赤いままなのか?
「あ、紅その瓶の中身飲ませちゃダ……」
「とりあえず飲んで下さいオンカールさん!」
 ビンの正体を察したルネが止めるも時既に遅く、紅がオンカールの口に中身を流し込むと。
「どうですかオンカールさん!?」
「これは眠気に効きますね……」
 スッと眠気が引いたオンカールは、再び立ち上がるのだが。
「でも、なんだか……」
 ぎゅぅうううん……何かのメーターかな?ってくらい爪先からターバンまで真っ赤になっていくオンカールは、急に口を押さえて。
「オンカールさん!?もしかして、美味しくなかったですか!?」
「か……」
 青ざめる紅の前で、オンカールは煌々と輝き始めると、頬を膨らませて震えながら耐えたのだが、ついに……。
「カッラァアアアアアア!?」
「オンカールさんが火炎放射したですぅううううう!?」
「あぁ……」
 天に向けて火を噴くオンカールに、そんな彼を前に涙の噴水を上げる紅。違う物を噴き上げる二人を眺めて、半眼虚目で内心合掌するルネ……どうすんのこれ?マリアも目が点になって猫口で疑問符浮かべてるよ?
「……ゴフッ」
 ドサッ、オンカールは力尽きた……。
「オンカールさんが倒れました!?オブリビオン、許せないのです……!」
「えぇ……?」
 困惑しかしないマリアに向けて、紅が呼び出したのは着ぐるみサイズの猫ぐるみ。
「ちゅーちゅーちゅー」
 猫なのに鼠鳴きしてるぅううう!?
「行くのですニャン号!」
 紅の指示によりニャンコはマリアに迫り……。
「自律機動猫ちゃん人形・ニャン号です!」
 うるせぇな!?
「ルネさんの自律機動騎士団【チェスの駒】とお揃いにしたいから、そこは譲らないのです」
「紅……」
 微かに頬が緩むルネだが。
(正式名称は駒盤遊戯なんだけどな……)
 内心複雑だったとか?
 とにもかくにも、ニャン号がマリアをはぎゅ、むぎゅ、しゃきーん!

▼マリアは猫ぐるみに拘束された!

 さぁここで満を辞して今期期待の新人オンカールの登場です。槍を素振りして肩慣らしでしょうか?
「あれ、オンカールさん……?」
「いやあれ分身だと思う」
 キョトンする紅に変わり、今なお気絶したまま口から激辛臭をモクモクと立ち昇らせるオンカールを、ルネのポーンがつんつん。反応がない、まだ意識がないようだ。
「かっとーばせー!オンカールさーん!!」
「だからあれは分身だってば……」
 紅に応援されながら、オンカール(という名の残留思念)が槍を振りかぶり……打ったー!
 猫ぐるみ諸共吹っ飛ばしたとは思えないほど、伸びる!伸びる!

 ――キラーン⭐︎

 オブリビオンはお星様になりました。
「あれ?」
 夜空の彼方で微笑むマリアを幻視して、紅が首を傾げる。
「オンカールさん、トドメを刺さないっていうか、そもそも傷つけたくないって言ってたような……」
「本人じゃないから別なんだと思う」
 サムズアップで笑い、白い歯をキラーンして消えていく分身を見送ったルネが、倒れたオンカール本人を人馬騎士の背に乗っけるのだが。
「なんで吹き飛ばしたんですか!?」
 初めて正しくツッコミを入れたセシリアが大剣をブンブン。
「仕留めたかどうか確認が取れないではありませんか!」
「見えない以上、仕留めたかもしれないだろう?」
「仕留めていなかったらどうするんですか……!」
 ドヤる穹に頭を抱えるセシリア。今回振り回されっぱなしね貴女。
「さてどうだね邪神クズミよ、シリアスのお味は?」
 おめーマジで覚えてろよ霧亥?
「いいじゃないか、上様ハグ爆弾だとネタ被りして、困ったのはお前の方だろう?」
 いやまさか猫ぐるみって形でハグ被りするとは思わんやん!?
「無事に終わりましたら、後は宴ですねぇ」
 るこるはるこるで、非常時に備えてカロリーの蓄積に走ったからずっと飯食ってる気がする……。
「料理なら任せなさい」
 髪を掻き撫でて、アンニュイな表情を浮かべるアリス。実は料理できる系猟兵だったのか……!
「挽肉のエイプリル!」
「肉器のありす!」
 アリスの左右から飛び出すアシスタント二名。グチャグチャされてたり、明らかに目がイッてたり、嫌な予感しかしねぇ!?
「「合体!!」」
 ジャキーン!
「「猟兵ハンバーグの男の娘盛り!!」」
「見たかしら、私達の実力を……!」
 アリスに期待した俺が馬鹿だったよ……。
「皆様ー?私の事、お忘れになっていませんかー……?」
「これは芸人として助けるべきか否か……」
 玉砂利地獄の底から響くセプテンバーの声に、アカハナは良心に従うか芸人の矜恃に従うか、小さく唸る……そこへ。
「この声は……この地に眠る亡霊さんの声!?ここは聖なる歌姫として、テティスちゃんの歌で浄化するしかありませんね!」

※以下の記録はこの案件における参照に必要ない為、削除されています。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年01月12日


挿絵イラスト