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イカした聖夜に誓おうぜ!

#キマイラフューチャー #お祭り2019 #クリスマス

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#クリスマス


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 大人もすっぽり入ってしまうだろう、それはそれはおおきなヤドリギのリースが飾られたキマイラフューチャーのとある街角。
 それの下にはキマイラたちが集い、愉快なクリスマスソングが途切れず流れている。
 ある者は次々と運ばれてくるご馳走を楽しみ、ある者はミュージックに併せて歌ったり踊ったりしていた。
 キマイラフューチャーのクリスマスは、やっぱりどこまでも賑やかなのだった。


「どの世界もクリスマスだね。おれからは、キマイラフューチャーでクリスマスのお誘い」
 一緒にどうかな、とアルテュール・ドリィブ(ガラクタドール・f03646)がにこりと微笑む。
 キマイラフューチャーのクリスマスは、いつも以上に賑やかなのだとアルテュールは言う。
 もちろんキマイラたちと一緒に歌ったり踊ったり食べたり――、キマイラフューチャーらしいクリスマスを楽しむのもいいだろう。
 けれど、ちょっとしたイベントもやっているようだよ、とアルテュールは続けた。
「この会場ではおおきなリースが目印なんだけど、これの下でマイクに向かって誓いを宣言する、なんてイベントをやっていてね」
 恋人でも、友達でも、家族でも、自分でも、もういないひとへの言葉だとしても。
 大切な誰か、何かへの誓いをこのヤドリギの下で宣言する。
 すると、叶っている想いは更に強く。まだ届かぬ想いはよりよい方へ。そんな話があるらしい。
「ちょっとしたジンクスのようなものみたいだ」
 キマイラフューチャーのヤドリギの下で。
 普段言葉に出来なかったこと、言葉にしていなかったことに形を与えてみるのはどうだろう。

 それにしても。
 ヤドリギの下にいる相手にはキスしていい、なんて話はよく聞くけれど。
 ちょっとロマンチックな話も、賑やかなイベントになっているのはキマイラフューチャーらしいというか、なんというか。
「ああ。キスしていい、っていう話も相変わらずあるらしいよ?」
 みんなの前でキスなんて恥ずかしいけれど、確かに想いは強くなりそうだよね、とアルテュールはくすくす笑った。


あまのいろは
 あまのいろはです。校舎の上からめいっぱい叫んで告白する、あんなイメージでどうぞ。

 賑やかなキマイラフューチャーでのクリスマスです。
 ヤドリギの下で誓いを宣言すれば、キマイラたちがめいっぱい盛り上げてくれることでしょう。
 もちろん、普通に歌ったり踊ったり食べたりも大歓迎です。楽しみましょう。

 オープニングが公開され次第、プレイング受付を開始します。
 グループやお友達と参加する場合は、上記の番号の他に【グループ名】か【お相手のID】の記載をお願いします。

 皆様がたのしいクリスマスを過ごせますように。
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第1章 日常 『キマイラフューチャーでクリスマス』

POW   :    次々現れるご馳走を食べ尽くすぞ!

SPD   :    クリスマスソングに合わせてダンスを踊るぞ!

WIZ   :    クリスマスの街角を散策して、雰囲気を満喫する

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アプリコット・リクリアロット
超高性能なアプリちゃんは郷に入れば郷に従えと言う言葉をインプットしてあります。
然らば粛々と参りましょう。

「私は世界市民の恒久幸福を実現します」
何ですか。声が小さい?ノリが良くない?
……なるほど、そういう感じでございましたか。では遠慮無く。

「市民の皆様ー!幸福ですかー!!」
「独り身で聖夜にもみの木の下っ!寂しくはありませんかー!?」
「そんな時はこれ!アプリちゃん専属小型端末っ☆」
「電脳世界で聖夜をエンジョイ致しましょう!只今無料配布中でーす!今だけ!!」
「はいはーい、在庫は沢山有りますので並んで下さいませー!
出会いも恋愛も幸福も、今時やっぱりネットワークでございますよー!!」

……如何でしょうか?




 クリスマスはどの世界でも賑やかだけれど。
 キマイラフューチャーのクリスマスは、きっとどの世界より賑やかで騒がしい。
 途切れることないご馳走と、街はどこもかしこもダンスホールに。キマイラたちは歌ったり、踊ったり、写真を撮ったり。クリスマスの喜びを全身で表現していた。

 キマイラフューチャーの街に現れたアプリコット・リクリアロット(純真極壊アルゴリズム・f24496)のサイバーヘルムが、僅かに上へ向けられて。
「ここですね」
 街角に飾られているおおきなヤドリギのリースを確認すると、ちいさくこくりと頷く。無造作に伸びている長い髪が、動きに併せてふわりと揺れた。
 瓦礫と廃墟に覆われた世界しか知らなかった彼女にとって、キマイラフューチャーは目が痛くなりそうなほど煌びやかな世界。――けれど。
「超高性能なアプリちゃんは郷に入れば郷に従えと言う言葉をインプットしてあります」
 然らば粛々と参りましょう。サイバーヘルムに隠れたアプリコットの瞳が、怪しく光った、気がした。

 アプリコットはいつの間にやらステージの上。彼女の手にはしっかりマイクが握られている。
 マイクがすぅ、と小さく呼吸のおとを拾ってすぐ。マイクによって拡張した彼女のこえが会場へ届けられる。
「私は世界市民の恒久幸福を実現します」
 さらりと。誓いの宣言をするにはあまりにもあっさりと彼女の言葉は終わった。
 呆気にとられたようなキマイラたちだったが、盛り上げ上手なキマイラたちがそれで終わりにしてくれるはずもない。
『おねーちゃん、もっと大きなこえでがんばれ!』
『もっと熱い想いを叫んでー!』
 会場のあちらこちらで、アプリコットを応援するこえが上がっている。
「何ですか。――……声が小さい? ノリが良くない?」
 未だステージに立ったままのアプリコットが首を傾げた。
 会場の声援を受けたアプリコットはなるほど、ともう一度頷く。マイクがまた呼吸のおとを拾って、それから。
「市民の皆様ー! 幸福ですかー!!」
 ハウリングをしそうなほどの音量で、アプリコットのこえが響く。
 アプリコットは自分に視線が集中したことを確認すると、会場へ向かってぐっとマイクを突き出した。
「独り身で聖夜にもみの木の下っ! 寂しくはありませんかー!?」
 先ほどまでのローテンションから、ひとが変わったかのようなハイテンションに、わぁっと会場が盛り上がる。
 あちらこちらで上がる歓声をその身いっぱいに受け止めた彼女はうんうんと頷いてみせる。
 すぐにその場に馴染むことは出来るのは、さすが超高性能ソーシャルディーヴァだったもの、と言いたいところだが。
 ―――気付いていただろうか。
 最初のローテンション宣言の直後、ステージから下りる気配がなかったことを。彼女の手には、しっかりマイクが握られたままだったということを。
「寂しい? そんな時はこれ! アプリちゃん専属小型端末っ☆」
 あれ、なんだか話の流れが変わったぞ。
 そう、こんな日ですらも、彼女は市民の幸福のため活動の手は抜かないのだった。
 アプリコットがマイクを持たない手で何かを掲げている。それは、彼女が管理する小型端末。
「電脳世界で聖夜をエンジョイ致しましょう! 只今無料配布中でーす! 今だけ!!」
 今だけ、そんな言葉は普通なら胡散臭さしか感じないけれど。
 盛り上がるキマイラたちが、それを気にすることはなかった。だってほら、聖夜だし。お祭りだし。
「はいはーい、在庫は沢山有りますので並んで下さいませー!」
 ステージから下りたアプリコットが、小型端末をキマイラたちに次々と配布していく。
「出会いも恋愛も幸福も、今時やっぱりネットワークでございますよー!!」
 サイバーヘルムに隠れた彼女の表情はやっぱり読み解けないけれど、小型端末を配布し終えた彼女はなんだか満足そうにみえた。
 アプリちゃんは優秀ですので。何時如何なる場合でも、市民の皆様の幸福が一番なのです。――これで市民の皆様も、より幸福になることでしょう!

大成功 🔵​🔵​🔵​

ニオ・リュードベリ
UDCアースでお世話になってる茜谷先輩(f08050)と

わぁ……とっても大きなリース!
食べるものもいっぱいあるし、賑やかでここにいるだけで凄く楽しい
アイス食べようよ先輩!
え……目玉はリースでのイベント?

ここで何かを誓えばいいんだね
ひ、人がいっぱい見てる。ちょっと恥ずかしい
けれど……誓いたい事ならあるよ
先輩は決めてある?

偶然にも方向性は一緒だったね
それじゃあ一緒に誓おうか
あたし達……次のクリスマスも新年も、またこんな風に遊びに来るよ!
それだけって?
それだけー!

……だってあたしも先輩もすぐに無理しちゃうもん
こうやって皆で約束しておけば……来年もきっと来れるよね
あたしとも約束してね、先輩


茜谷・ひびき
後輩代わりのニオ(f19590)と

おー、盛り上がってんな
キマイラフューチャーってあんまり来ないから新鮮で……
ってお前は寒いのにアイス食おうとしてんのかよ
行くならこっちだ、イベントしてるぞ

あー、こんな番組あったな
ニオは何か言いたい事あるか?
俺は……そうだな。例えば……

偶然にも方向性は一緒だった
ニオに引っ張られる形でリースの下へ
誓うのは『来年もこうして遊びに来る事』
良い事件があれば年中問わず来るけどな
その時はよろしく頼むぜ、ってキマイラ達へ

俺もニオも、自覚はあるけど無理する癖はなかなか抜けない
できれば来年は互いに怪我しないように気をつけたいな
……本当に無理するなよ
俺からも約束くらいはしておくか




「わぁ……とっても大きなリース!」
「おー、盛り上がってんな」
 ニオ・リュードベリ(空明の嬉遊曲・f19590)は、この会場のシンボルとも言えるヤドリギのリースを見上げていた。
 その様子を見守っていた茜谷・ひびき(火々喰らい・f08050)もきょろりと辺りを見回す。
「キマイラフューチャーってあんまり来ないから新鮮で……」
 キマイラフューチャーのクリスマスは持ち前の賑やかさはもちろん、視界も華やかでいるだけで楽しい。けれど、ひびきの言葉半ばでニオの視線はすぐ横のテーブルへ。
「わあ……!!」
 テーブルの上にはクリスマスのお祝いらしくチキンにケーキ、シャンパンを始めとしてたくさんのご馳走が。彼女の大好物のアイスもある。
「アイス食べようよ先輩!」
 ニオがぱっと表情を輝かせひびきに向き直れば、彼はやれやれと言うように肩を竦めた。
「ってお前は寒いのにアイス食おうとしてんのかよ」
「だ、ダメかな? 寒くてもアイスは美味しいよ……!」
 アイスに伸ばした手を引っ込めたニオを見て、ひびきはくすりと笑ってステージを指差した。
「行くならこっちだ、イベントしてるぞ」
 イベント? とニオが首を傾げる。うさぎの耳のようなリボンがふわりと揺れた。

 キマイラたちが、猟兵が、リースの下でマイクを持って何かを宣言している。
 それを見てわぁっと沸く会場を見て、このような光景に馴染みがなかったニオはすこし及び腰。ひびきはこんな番組あったな、とぼんやり考えた。
「ひ、人がいっぱい見てる。ちょっと恥ずかしい」
「大丈夫、腹を決めればすぐ終わる。ニオは何か言いたい事あるか?」
 ええと、とニオは顎に手を当てて考えてから、ひびきの目を見てふふ、とやわらかく微笑んだ。
「……誓いたい事ならあるよ。先輩は決めてある?」
「俺は……そうだな。例えば……」
 ふたりの間で言葉が交わされて。
 ニオはくすくす微笑んで、ひびきもつられる様に僅かに表情を綻ばせた。
『さて、おふたりは一緒に?』
 そんなふたりにキマイラが声を掛ける。
 ニオはぱっと顔を上げると、先ほどまでの及び腰はどこへやら。ニオはひびきの腕を引くとステージの上に躍り出る。
 ギラギラ光るスポットライトは眩しくて、やっぱりちょっと恥ずかしい。けれど、この想いは、この願いは。恥ずかしいことなんてひとつもない。ニオはマイクを握る。
「あたし達……次のクリスマスも新年も、またこんな風に遊びに来るよ!」
 宣言を終えたニオがぱっと笑顔を浮かべる。シンプルな言葉にもっとー! と声を上げるキマイラたちもいたけれど、ニオはやっぱり笑って返すのだった。
「それだけって? それだけー!」
「良い事件があれば年中問わず来るけどな。その時はよろしく頼むぜ」
 ひびきがフォローをするように言葉を繋ぐと、ニオの手を引いてステージを下りた。
 緊張したね! と笑うニオに、ひびきが軽く手を持ち上げてみせる。ニオがきょとんと瞬いたのは一瞬で。ふたりはぱちんとハイタッチ。
「……だってあたしも先輩もすぐに無理しちゃうもんね」
「できれば来年は互いに怪我しないように気をつけたいな」
「そう、だね。こうやって皆で約束しておけば……来年もきっと来れるよね」
 ニオの表情が僅かに翳る。
 ふたりとも思っていた。生まれも育ちも境遇も違うけれど、どこかがすこし似ていると。
 感情表現にすこし疎いところとか、心の奥底に隠した想いとか、思わず無理してしまうところとか。
 それはきっと、悪いことばかりじゃないけれど。だって、自分が傷つくことで守れるものもあるのだから。
 けれど、それだけじゃない。それだけじゃないのだ。自分が傷つくと、悲しむひともいる。苦しむひともいる。だから、それもぜんぶぜんぶ、守れるくらいに。
「あたしとも約束してね、先輩」
 ニオがひびきを見上げる。ひびきは自分の小指を差し出してにっと笑った。
「俺からも約束くらいはしておくか。……本当に無理するなよ」
「心配性だね、先輩は」
「ニオが無茶するのはよく知ってるからな」
 くすりとニオが笑って、小指が絡められる。
 ひとりではなくて、ふたりなら。きっときっと、変わっていけるのかもしれない。
「じゃあ一仕事終えたし、アイス食べに行こうよ先輩!」
「はいはい」
 ふたりは、パーティの輪へまざっていく。楽しい音楽ときらめくライトが、パーティを楽しむふたりをいつまでもいつまでも包んでいた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年01月02日


挿絵イラスト