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猫を喰らうもの~スパイスは空腹と恐怖~

#UDCアース

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#UDCアース


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●そして誰もいなくなった
 ここは神奈川県内某所のビルの3Fにある猫カフェ。田舎すぎず都会過ぎずな場所柄であるため、東京に比べて地価もやや安く、ビルのワンフロアは少し広めのスペースが確保されている。店には20匹ほどの猫がおり、客をもてなしてくれていた。
「みんなおやすみ~」
 時刻は夜10時過ぎ。本日の営業も終了し、女性店長が今日も頑張った猫たちに挨拶をして戸締りをしていく。猫たちはこれから営業開始までの間の自由時間である。遊ぶものや早くも睡眠に入るもの、思い思いに過ごしていく。

 しばらくして、日付が変わろうとしていたその矢先のこと。昨日と変わらぬ今日が終わろうとしていた。しかし、今日と変わらぬ明日の訪れは突如として崩れ去ろうとしていた。
「ニャー ニャー フーッ!」
 異変を察知した猫たちが鳴き声をあげる。何も起きていない、でも何かが起きる、そんな予感から。
 次の瞬間、猫カフェの床が波打ち、猫たちを飲み込んでいく。猫たちがより一層の鳴き声をあげるが、その声を聞き入れる者は誰もおらず、やがて静寂が訪れる。それは、次の日の朝に店長がドアを開けるまで続いたのだった。

●集え、猫を愛するものたちよ
「ごきげんよう。皆さん、猫はお好きですか?」
 ゴシックなドレスに身を包んだイレーネ・ノヴァリス(Schneewalzer・f01072)が問いかける。
「失礼いたしました。皆さんにお願いしたいのは猫カフェから猫たちが忽然と消えた事件の解決です。首謀者は牙で喰らうもの、生物を喰らい成長する邪神ですわ。つまり放っておけば猫たちがどうなるかは・・・想像に容易いですわね」
 涼しい顔で話すイレーネだが、グリモアを持つ右手に力が込められていることから推察するに、だいぶお怒りの様だ。こう見えて意外と動物好きらしい。
「空腹と猫たちが自らに怯える姿が最高のスパイスとなるようで、幸い猫たちはまだ無事のようですわ」
 邪神のグルメ気取りが結果的に猫たちを助ける形となったようだ。無論、残された時間は少ないので可及的速やかに救出しなければならない。
「さっさと邪神を倒して猫たちを救出、と言いたいところですが、邪神の側には15体のロッジ・ゴーレムが護衛として控えていますわ。猫たちを誘拐したのもこいつらでしょうね」
 コンクリートとの融合物であるロッジ・ゴーレムならば、ビルの床を操る可能性もありえるという推測らしい。確かに監視カメラの映像を見る限りでは人間の仕業とは思えない。牙で喰らうものと同時に戦うのは危険であるため、先に片付ける必要がありそうだ。
「皆さんに向かっていただくのは猫カフェの1つ下の2Fですわ。現在は空き店舗の状態で、敵はそこに潜んでいるようです。灯台下暗しとは良く言ったものですわね」
 なお、ビルはすでにUDC組織が封鎖しているらしく、一般人が近づく可能性はない。猫の前に猫カフェの店長が犠牲者になるという結末は防げたようだ。

「猫たちを店長の元へ返して差し上げれば、お礼として貸切で店を開放してくれるでしょう。店長と猫たちのお礼、存分に堪能されてはいかがかしら。そのためにも、皆さんの力でどうか猫たちを助けて差し上げてくださいませ」
 公爵令嬢という身分にある彼女だが、頭を下げて頼み込む――彼女にとって小さな命の前には己のプライドなど些細なものなのだ。


各務
 はじめまして、第六猟兵からマスターとなりました各務(かがみ)と申します。
 初のシナリオとなりますので、緊張しておりますが、皆様とともに物語を紡げたら幸いです。

 さて、今回は食欲に駆られた邪神から可愛い猫たちを救う物語で下記の構成となっています。
  1章『ボスを守るロッジ・ゴーレムの撃破』
  2章『ボスである牙で喰らうもの撃破』
  3章『猫カフェを堪能する』
 まずはロッジ・ゴーレムを倒して、ボスへの道を切り開いてください。

 なお、登場演出についてはある程度自由と考えております。普通に攻撃開始するでも、窓から飛び込んでくるでもご自分のスタイルに合わせていただければと思います。(特に明記なければ普通にビルの2Fで戦闘開始したとして描写いたします)

 それでは皆様の参加、お待ちしております。
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第1章 集団戦 『ロッジ・ゴーレム』

POW   :    ゴーレムパンチ
単純で重い【コンクリートの拳】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    サンドブラスター
【体中から大量の砂粒】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    ジャイアントロッジ
予め【周囲の無機物を取り込んでおく】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

結城・蓮
猫を喰らう、だって……!?
そんな事が許されるわけないだろう!
猫のキマイラであるボクが見過ごせるはずがない。この猫達はボクが助け出してみせよう!

ボクの怒りが有頂天だ。
最初から本気で行かせてもらおう!
窓から飛び込んで《泡沫の胸像》で胸像を生み出し、二人で《炎熱の手札》をばら撒くよ!
数も多いしね、効率よく行こうじゃないか!
「「さあ、ショウタイムの時間だ!」」
もちろん、猫の無事を確保しながら、だけどね。

ある程度数が減ってきたら、目くらましからのだまし討ちといこう。
ボク達二人がかりで囮でも構わないさ。
こいつらを早急に倒せるなら多少の危険には目を瞑ろう。
ガラクタ風情が邪魔をしないでもらいたいものだね!


秋津洲・瑞穂
……。

……。

殺ス。

ねこを、ねこを、ねこをおおおおお!!
たとえ天地が許しても私が許さんっっっっ!!

邪魔をするな木偶の坊ども!
剣・刃・一・閃! どけええええ!

【勇気7・ダッシュ8】で突撃!
【鎧無視攻撃8・2回攻撃8・なぎ払い7】で粉砕するっ!
【残像9・オーラ防御7】にまかせて一歩も引かんわああああ!

いまの私には作戦も要らないっ!
ねこへの愛が私を無敵にしてくれるっ!
私を倒したければもふもふの仔ねこを連れて来いっ!

撫でてる間だけ止まるから。

どけどけどけどけえ! 道を開けろお!


彩波・いちご
蓮さん(f10083)を追いかけていきますよ
猫たちを助けないといけませんからね!

「あぶないっ!」
と、できれば蓮さんを守るように【異界の抱擁】の触手を召喚して、攻撃しようとしたゴーレムを拘束したりしてカッコつけてみましょうか?(くす
…なんてカッコつけてたら、逆に今度は私が助けられそうですけれど

ともあれあとは
「一緒に戦いましょう!」
【フォックスファイア】を呼び出して、蓮さんの炎のカードと連携してゴーレムを殲滅していきますよ
狐火20個縦横無尽に動かしてゴーレムをけん制、触手と合わせて動きを封じ、最後には数個合わせた合体火球をぶつけます


折紙・栞
「猫…猫…だめ、許しません…!」(若干涙目)

猫は、もふもふして、なでなでして、抱き抱えて、一緒に寝るものであって、
食べるものでは、ありません!
(とっても猫好き)

こういう時は正面から行きます
ドアをばーんと激しく蹴って開けます(ただし6歳児)
「私、げきおこ、です!」(珍しくとても怒っている)

ウィザード・ミサイルを前方に展開
視界内にいるゴーレムに問答無用で叩き込みます
全弾撃ち尽くしたら再度展開
「GO、です!」
味方には当てないように気をつけます
特に猫属性を持ってる人

反撃してきてもウィザード・ミサイルを叩きつける所業
猫のもふもふを守るためには一歩も引きません!



「私、げきおこ、です!」
 開口一番、折紙・栞(ホワイトブック・ガール・f03747)は敵が潜むビルの2Fのドアを蹴りで開け放つ。
 栞の目に飛び込んできたのはコンクリートの檻に閉じ込められた猫たちの姿。
「猫…猫…だめ、許しません…!」
 その姿に思わず目に涙が浮かぶが、今は戦いの時、泣いている場合ではないとウィザード・ミサイルを展開する。
「GO、です!」
 栞の意志によって枷を解かれた数十もの炎の矢は最前線にいたロッジ・ゴーレムを爆炎に包む。


「殺ス。ねこを、ねこを、ねこをおおおおお!! たとえ天地が許しても私が許さんっっっっ!!」
 囚われの猫の姿を見た秋津洲・瑞穂(狐の巫女・f06230)という名の一陣の風が、刹那の時でロッジ・ゴーレムに肉薄する。その速度は歩法の極地である縮地と呼んで差し支えないレベルに達していた。
「邪魔をするな木偶の坊ども! 剣・刃・一・閃! どけええええ!」
 咆哮とともに放たれた神獣刀による斬撃は、強固な装甲を持つはずのロッジ・ゴーレムを易々と両断した。


 頃合であることを察して、結城・蓮(チキチータ・マジシャン・REN・f10083)が窓から飛び込んで来る。
 蓮にとって猫たちは同胞、本来は人々を楽しませるためのマジックだが、同胞を苦しめる者に遠慮はいらない。
「「さあ、ショウタイムの時間だ!」」
 泡沫の鏡像によって生み出したもう一人の自分とともにトランプに炎を纏わせつつ、宣戦布告をする。
「「今日のマジック、君達に見破れるかな?見破れなかったら大火傷だよ!」」
 二人の蓮によって撒かれた炎熱の手札がロッジ・ゴーレムたちに触れた瞬間、その身が劫火に包まれる。


 栞,瑞穂,蓮の手により戦力を減らしたロッジ・ゴーレム達は個別撃破ではなく、最も小さな栞に狙いを定めて襲い掛ろうとするも、突如として辺り一帯が煙に包まれる。蓮の放った目くらましだ。
「「させないよ!」」
 その声に反応してロッジ・ゴーレムが蓮の方に向けて突進してくる。無論、蓮が声を上げたのはわざとだ。自らを囮として差し出したのだ。ともに戦う仲間のために。
 しかし、仲間が傷つくのを是としない者は蓮だけではなかった。
「ふんぐるいふんぐるい…、星海の館にて微睡む我が眷属よ!」
 蓮を助けるべく駆けつけた彩波・いちご(ないしょの土地神様・f00301)の求めに応じ、その影から触手が這い出てくる。
「あぶないっ!」
 いちごに呼び出された触手たちは蓮に襲いかかろうとしたロッジ・ゴーレムたちを絡めとり、その動きを封じていく。ロッジ・ゴーレムたちも脱出を図ろうともがくも、異界の抱擁の拘束力の前では、その巨体も怪力もまるで無力だった。
 ロッジ・ゴーレムたちはサンドブラスターによる遠距離攻撃を試みるも、
「させません!」
いちごはフォックスファイアで狐火を生み出して牽制、それを阻止する。
「一緒に戦いましょう!」
 蓮に呼びかけ、いちごは狐火を、蓮は炎を纏ったトランプを、それぞれ最大数展開していく。やがて、二つは混じり合い、より大きな炎を形成していった。
「「「いっけーーーー!!」」」
 いちごと二人の蓮の掛け声とともに放たれた炎がロッジ・ゴーレムたちを包み込む。やがて炎が治まるが、そこにあるのは意志をもたぬコンクリート片のみだった。


 護衛のロッジ・ゴーレムは猟兵たちの活躍により半分まで数を減らしていた。これを好機とみて、まだ無傷のロッジ・ゴーレム目掛けて瑞穂が飛び出していく。
 気付いたロッジ・ゴーレムが繰り出した拳が瑞穂の額を捉える。直撃、これで瑞穂は戦線離脱かと思われた。
「痛……くない!!」
 その額から一筋の血が流れるも、その瞳に宿る戦いの意志は微塵も衰えていない。ロッジ・ゴーレムの巨体から繰り出される拳、痛みがないわけがない。だが猫たちが受けた恐怖からしたら、この程度の痛み、なんだというのだ。
「道を開けろお!」
 ありったけの怒りで神獣刀をロッジ・ゴーレムに押し当て、そして力の限り引く。それはロッジ・ゴーレムを物言わぬコンクリート片にするのに十分なものだった。


 仲間達が稼いでくれた時間を栞は己の限界まで魔力をつぎ込み、幾重もの炎の矢の陣形を形成することに費やしていた。今度は自分が仲間を助ける番だと。
「行きます!」
 掛け声とともに複数のロッジ・ゴーレムに炎の矢を解き放つ。しかし、その腕の厚い装甲にガードされて致命傷には至らない。そして徐々にその距離が詰まっていく。
 そして、ロッジ・ゴーレムたちは優に百を超える炎の矢にその身をさらしつつも、ついに栞を間合いに捕らえ、その腕を伸ばす。
「猫のもふもふを守るためには一歩も引きません!」
 栞は自分の身長の3倍にも届こうかという巨人に臆することなく立ち続ける。それに対し、巨人の腕は栞に触れることなく、その巨体はゆっくりと後ろへ倒れていく。
 数百の炎の矢を受け続けたロッジ・ゴーレムたちには、これ以上戦う力は残っていなかったのだ。


 突入からまだ時計の針はほとんど進んでいないにも関わらず、15体のうち実に10体ものロッジ・ゴーレムが破壊された。それは猫たちを守りたい猟兵たちの想いの表れに違いなかった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

金剛・狂
猫好きっす!
ニャーとか鳴くと可愛いじゃないっすか
猫たちは愛でるものであって、怖がらせて楽しむようなことは
到底許せないっすね!ぶっ飛ばしてやる!

まずはロッジ・ゴーレムを倒さないといけないっすね
相手の隙をついて一気呵成に攻めたいので
【Shere With Us】を使って透明になって潜入
他に透明になって潜入したそうな人がいたら、
背後霊(ムキムキ)のヒシガタさんがハグして連れて来てくれます。
あまり長い事透明になっていたら疲れるので
隙を伺えたら速攻でいくっすよ!
この輝ける拳でボッコボコにしてやるぜぇぇぇ!(WIZ)


譲葉・秀幸
猫好きの僕としては、この依頼、受けるしかありませんね。
イレーネさんには旅団でもお世話になっていますし。

UDC組織にビルの裏口を教えてもらって、そこから侵入。
カフェへと向かいます。

ゴーレムと遭遇したら、エレクトロレギオンを使用。
猫を模した小型の機械兵器を召喚。
次々と噛みつかせていきましょう。
「Legion……Ready,steady,go!」
ゴーレムは、無機物を取り込んで自身を強化した分、
大きくなって狙いやすくなっているはず。

僕もダメージを受けるでしょうが、あまり気にしません。
「痛くないと言えば嘘になりますが、怯えるほどではないですね」

早くゴーレムを倒して、邪神のもとにたどり着きたいですね。


カノン・クロウェル
「おっと、ずいぶん派手にやってるなあ」
激しい戦闘に一瞬驚いて、思わず間の抜けた感想がもれるがすぐ気を引き締める

「命は遊び半分に奪っていいものじゃない……猫たちは返してもらうよ」
戦闘に入る緊張感とともに光の精霊の宿ったエレメンタルロッドが魔法の杖に変わる


「ううん、あんまり近付くのはよくないかな?」
ゴーレムパンチの威力に接近戦は自分には向かないと判断
一定の距離を保ちつつ【ジャッジメント・クルセイド】使用
ゴーレムの機動力が落ちれば皆が戦いやすくなるかと考えてゴーレムの足元を中心に狙う

一定の距離をとった立ち位置から、もし何かゴーレムの挙動に気付くようであれば周囲に注意喚起をする



「おっと、ずいぶん派手にやってるなあ」
 カノン・クロウェル(ドラゴニアンの精霊術士・f01889)は激しい戦闘に一瞬驚き、率直な感想を漏らす。依頼の話を聞いて駆けつけたカノンだが、想定を超える状況の変化であった。だが、それも一瞬のこと。すぐに気持ちを切り替えて戦闘に集中する。
「命は遊び半分に奪っていいものじゃない……猫たちは返してもらうよ」
 光の精霊を魔法の杖に変え、ロッジ・ゴーレムたちに狙いを定める。猫たちを思う気持ちは、先陣を切った仲間達と同じだ。
「ううん、あんまり近付くのはよくないかな?」
 エレメンタルロッドを構え、自分が何をすべきかを冷静に分析する。ロッジ・ゴーレムの豪腕から繰り出されるパンチの威力は甚大。白兵戦を挑むのは危険と考え、遠距離戦に思考を切り替える。
「裁きの光よ!」
 カノンの放ったジャッジメント・クルセイドによる光線が、ロッジ・ゴーレムの頭部や胴部を貫き、機能を停止させる。
 カノンを危険と判断したロッジ・ゴーレムたちは、カノンを先に仕留めるべく詰め寄るが、カノンは落ち着いて状況を判断し、ジャッジメント・クルセイドをロッジ・ゴーレムたちの足元に着弾させて爆発を起こした。堪らず、ロッジ・ゴーレムたちが膝を着いた瞬間、
「ドラァ!」
 何処からともなく声が響くと、ロッジ・ゴーレムが吹き飛び、その顔面は粉々に砕け散った。
 次の瞬間、金剛・狂(は砕けない・f09749)とロッジ・ゴーレムを殴りつけた背後霊のヒシガタさんの姿が現われる。
 Shere With Usを使用して透明になり、殴りつける最高のタイミングを見計らっていたのだ。
「私は許そう。だが私の背後に立ってるコイツが許すかな!」
 カノンのジャッジメント・クルセイドで膝を着いた、もう1体のロッジ・ゴーレムに狂が告げる。そして、狂の言葉に応えるようにファイティングポーズを取るヒシガタさん。それは狂からロッジ・ゴーレムへの事実上の死刑宣告に他ならない。
「ドラララララララララァ!」
 狂の叫びとともに繰り出されたヒシガタさんは目にも止まらぬ拳の連打、そして、飛び散るコンクリート片。
「おっと訂正するっす。猫たちは愛でるものであって、怖がらせて楽しむようなことはやっぱ許せないっすね!」
 砕け散ったロッジ・ゴーレムだったものは、もはや狂の言葉に反応することすら叶わない。


 戦いも終盤に差し掛かったところで、裏口のドアが音を立てずゆっくりと開く。
 UDC組織からビルの見取り図を入手した譲葉・秀幸(アストロフェル・f03775)が、奇襲を試みるべく裏口から侵入していたのだ。敵の意識が正面に集中している今こそ絶好の機会。
「Legion……Ready,steady,go!」
 秀幸がエレクトロレギオンにより生み出したのは猫を模した小型兵器の群れだ。可愛い姿をしているが、それが決して愛玩用ではないことは鋭い歯が物語っていた。その歯を持って、背後からロッジ・ゴーレムたちの全身へ喰らいついていく。
 機械仕掛けの猫を振り払うロッジ・ゴーレムたちだが、その全てを振り払う前に己の限界が来ると判断し、術者である秀幸に狙いを定める。
 周囲のコンクリート片を吸収し、力を貯めていく。力を増したその豪腕をくらえば、おそらくひとたまりもあるまい。
 唸りを上げる拳を致命傷を避ける形で捌いていく秀幸。その頬や手のひらに傷が増えていくが、エレクトロレギオンのコントロールを乱すことは決してない。
「痛くないと言えば嘘になりますが、怯えるほどではないですね」
 やがて我慢比べは秀幸の勝利で終わる。そこには猫を模した小型兵器に欠片も残さず喰らい尽くされ、何も無い空間が広がっていた。
 猫が巨人を喰らうという現実、それは猫が狩られる側だと勘違いしている邪神への、秀幸からの宣戦布告だ。


 猟兵たちを足止めするのに質・量ともに充分であるかに見えた護衛は全て沈黙した。残るは全身に牙を生えた口を持つ邪神――牙で喰らうもの
 食事を邪魔された邪神は猟兵たちを睨むと、怒りの咆哮を上げるのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『牙で喰らうもの』

POW   :    飽き止まぬ無限の暴食
戦闘中に食べた【生物の肉】の量と質に応じて【全身に更なる口が発生し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
SPD   :    貪欲なる顎の新生
自身の身体部位ひとつを【ほぼ巨大な口だけ】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
WIZ   :    喰らい呑む悪食
対象のユーベルコードを防御すると、それを【咀嚼して】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

忍足・鈴女
皆がゴーレムと戦っている間に
【地形の利用】で二階の窓からこっそり侵入
鍵が掛かってても【鍵開け】でちょちょいのちょいや
敵に気付かれないよう【忍び足】で、
しかし猫ちゃん達に被害が出ないうちに
迅速に敵に近づき、【怪力】からの拳一閃
「猫ちゃんは可愛らしいこの世の宝や、せやから…
『猫ちゃんをムシャムシャしようとしたらあかんえ』」
と悪い子に言い聞かせるようにユーベルコード発動
とりあえず当面の危機は脱したので猫ちゃん達に【動物と話す】で
出口に向かうように伝えてこの場からの離脱を促す
その間【フェイント】を交えて攻撃しながら他の猟兵が来るまで
【時間稼ぎ】を行う


折紙・栞
猫さんをいじめる、一番悪い、登場です
猫さんは、絶対、守り、ます
「猫さん、まってて…!」

攻撃はエレクトロレギオンを召喚して突撃させます
プラス皆が戦うための盾や牽制の役割です
「GO、です!」

邪神からは距離を取った位置にいて
皆のユーベルコードをしっかり見ておきます

邪神が攻撃に転じたら前へ
そしてミレナリオ・リフレクション!
どんなユーベルコードを借りていたとしても、
味方が放つ時に見てるから
「相殺、しきってみせます!」

さっきは守ってくれたので
「今度は、私が、守り、ます!」


朧・紅
みにゃー出遅れたのですぅ…!

ガシャーンと窓を割って一回転着地

ちょっときみぃ!
にゃんこに手を出すなんてどういう了見なのです!?
ガチンコ頭にきたのです
ねぇ朧もそう思うですね!?

内包する別人格に同意を求めるも
はぁ…まー紅がそう思うんならそうなんじゃね?
そちらは乗り気でないらしい

なんて無関心…!
ゆるさないのですよ、あとで折檻です!
まずはあいつを倒すですよ
ハリーアップ!

へぃへぃ
自分に折檻ねぇ…

やれやれという感じで
だがその瞳に殺意を宿し
ロープと刃だけの巨大ギロチンに血をめぐらせ蛇のように操り
縛り上げ首をチョンパしようとする

旅団仲間は視界に入れつつ
連携出来そうなら合わせるかねぇ


秋津洲・瑞穂
ねこおおおお!

みーつーけーたーぞー、ねこを愛さぬモノっ!
真の姿解放っ! 原子に砕いてくれるわああああ!
(尻尾が九本に増えるだけ)

にゃにゃーにゃみーにゃなぁにゃー!

いけない、人間語を忘れてる。冷静に。冷静に。

ねぇぇこぉぉぉぉ!

でも、ねこ愛のないモノが強化されるのはよろしくない!
ならば肉を食べさせない方向で攻めねば!
衝撃波で切り裂いてやるので、同じ技で返してきなさいっ!
真っ向勝負してやるっ!

互いの背後に猫がいないように位置取り、
【鎧無視攻撃8・2回攻撃8】を乗せた巫覡載霊の舞で
ねこの敵を攻撃すべしっ!

ねこの敵がねこの方に向かった詩に、【ダッシュ9】で
割り込んでねこを護るのは言うまでもないっっっっ!


結城・蓮
【恋華荘】のいちごさんと。
さっきは手伝ってくれてありがとね。助かったよ。
それと、栞ちゃん、だっけ。キミも無事で何よりだ。
さあ、絶対に許し難い存在を倒しに行こうか。

先ほどと同じく《泡沫の鏡像》で鏡像を生み出し、そちらには囮としてずっと《炎熱の手札》をばら撒かせる。
その【パフォーマンス】といちごさんの攻撃で敵の気を引いているうちに、本体のボクは《幻影の姫君》で死角に回り、仕込み杖で急所を断たせてもらう!
「本命は、こっちだ!」

もし、猫を捕食しようと動くなら、その猫を【かばう】よ。猫をいちごさんがかばうなら、いちごさんごとかばう。
猫は勿論、いちごさんだって傷つけるわけには行かないからね!


金剛・狂
うわ、なんか気持ち悪いの現れた!
でもこいつが猫たちを脅かす元凶っすね、許せないっす!
引き続きヤっちゃってください、ヒシガタさん!
【Stand By Me】を使用
光り輝く筋肉を持つ私の背後霊ヒシガタさんはまさに暴虐の化身!
その拳から繰り出される一撃は正義の鉄槌
続けて繰り出されれば、立ち塞がる悪逆をメコメコに叩きのめしてくれるであろう
「ゴゴゴゴゴゴ」という背景音をバックにかっこいいポーズを決めて
ヒシガタさんの大活躍を俯瞰しているっす(触りたくない)


彩波・いちご
【恋華荘】の蓮さんと
栞さんも良ければご一緒に

「いえいえ、蓮さん。いつでも力貸しますから、頼ってくださいね」
くすっと蓮さんに微笑み返しつつ、親玉退治ですね
猫たちを食べさせるわけにはいきませんよ

【フォックスファイア】の狐火を展開して、栞さんや、蓮さんの鏡像と連携して攻撃です
蓮さんの本体に気付かせないよう、こちらを本体に見せるべく攻めていきますよ!
そしてチャンスが来たら【異界の抱擁】で敵を拘束、本体の蓮さんに合図
「今です!」

ヤツに猫が狙われたら、猫を庇おうと身を差し出します
そしたらそんな私を蓮さんが庇ってて
「ありがとうございます…助かりました、けど、蓮さんが傷つくのもダメですからね?」


カノン・クロウェル
邪神の咆哮に殺気に、先ほどまでの護衛とは段違いの強さだと感じ取る

「これからが本番、かな?」
別段油断していたつもりはないけれど、改めて気を引き締め
魔法の杖をトンと床につけ全身に力を漲らせると
普段は仕舞っている竜の角と翼、尻尾が現れる
※真の姿の表現ではない

「さあ、お前たちの力を見せろ!」【エレメンタル・ファンタジア】
邪神の力に押し負けまいと杖を握る手に力を込めて水と風の精霊に呼びかける
氷の矢が複数空中に現れ、風を纏って突風となって敵を切り裂き、突き刺さる


敵から攻撃を受けた場合:怯まず立ち上がり大きな瞳で敵を睨みつける

後衛
全体を見て攻撃のタイミングを図る
他参加者のフォローなど、出来ることがあればやる



●自由を君たちへ
 食事を邪魔され怒り狂う邪神・牙で喰らうものと猟兵が対峙する。邪神の背後には猫たちが囚われている檻。猫たちは食料であり人質でもある。牙で喰らうものは自分の優位を疑っていなかった。
 しかし、牙で喰らうものは気付いていなかった。この場に己が認識できていない存在がいることに。
 音も無く忍び寄った忍足・鈴女(最終猫型暗殺兵器・f03727)は力の限り拳を振りかざす。その細腕からは想像もできない怪力は殴りつけられた牙で喰らうものの頭部が床にめり込むほどだった。そして、鈴女は牙で喰らうものを見下ろしつつ、言葉を紡いだ。
「猫ちゃんは可愛らしいこの世の宝や、せやから…『猫ちゃんをムシャムシャしようとしたらあかんえ』」
 それは女王様の絶対命令権。その力は邪神といえど硬直を余儀なくされる。そして、その隙を見逃す猟兵たちではなかった。
「猫さん、まってて…!」
 折紙・栞(ホワイトブック・ガール・f03747)はエレクトロレギオンで小型兵器を召喚する。愛用のダガーを模した金属切断用の鋸が猫たちを閉じ込めている檻を切断し、
「ヒシガタさん! 今っす!!」
 金剛・狂(は砕けない・f09749)Stand By Meで呼び出した背後霊ヒシガタさんが、その怪力でこじ開けると、猫たちは檻から脱出していく。


●守りたいものありますか
「あっちが出口や。決して後ろを振り返ったらあかんえ」
 檻から飛び出した猫たちは鈴女から促され、出口へ向かいだす。ただ、半日もの間、幽閉され、恐怖にさらされ続けていた猫たちの体力は低下しきっており、その歩みはゆっくりだ。安全圏への到達までにはまだまだ時間が掛かるだろう。
 猫を抱き上げて運ぼうにも、その隙を見せれば邪神は猫ごと猟兵を喰らうに違いない。ならば猫たちを守りつつ戦うのが、現状は最良の選択となる。
 獲物を奪われた牙で喰らうものは女王様の絶対命令権に抗い、猫たちに迫ろうとするも、その顔面に炎が直撃し、その動きを止める。
「それはさせないよ。さあ、絶対に許し難い存在を倒しに行こうか」
「いつでも力貸しますから、頼ってくださいね」
 炎を纏うトランプを操る結城・蓮(チキチータ・マジシャン・REN・f10083)と狐火を操る彩波・いちご(ないしょの土地神様・f00301)。恋華荘の仲間である二人はお互いを見やると笑顔を見せる。頼れる仲間と同じ戦場において敗北などありえない。

 二人の炎を浴びて顔に大火傷を負いつつも牙で喰らうものはゆっくりと立ち上がり、歩みを進めるが、その周囲の気温が急激に下がりだす。
 邪神の殺気に、先ほどまでの護衛のゴーレムとは段違いの強さだと感じ取ったカノン・クロウェル(ドラゴニアンの精霊術士・f01889)が、魔法の杖をトンと床につけ全身に力を漲らせると普段は仕舞っている竜の角と翼、尻尾が現われる。ドラゴニアンとして精霊術士として全力で相手をするという意思表示だ。
「さあ、お前たちの力を見せろ!」
 エレメンタル・ファンタジアを行使し水の精霊に呼びかけると、複数の氷の矢が空中に現われる。これを放つだけでも充分な威力となるが、カノンはさらに風の精霊にも働きかけていく。
 弱冠10歳ながらカノンの精霊術士としての才は大人にも引けを取ることはない。複数の属性の精霊と契約できる親和性は、状況に応じた対応ができる強みをもたらす。これはその一端、風の精霊の加護を受けた氷の矢は弾丸を超える速度で放たれる。
 それは牙で喰らうものに回避も防御もおこなう猶予を与えず片目に突き刺さると、ビル内に邪神の悲鳴と怒りが絡み合った叫びが木霊した。

 しかし、牙で喰らうものは止まらない。その空腹を満たすために猫たちを追う。
 だが、邪神の前に怒り心頭の秋津洲・瑞穂(狐の巫女・f06230)が立ちはだかる。
「真の姿解放っ! 原子に砕いてくれるわああああ!」
 魂の叫びとともにその尾は九本にとなり纏う雰囲気も神性を帯びていく。
「にゃにゃーにゃみーにゃなぁにゃー!」
 思わず人の言葉を忘れたりもするが、それでも纏う雰囲気は邪神すら一歩後退をさせるに足る威圧感があった。
 瑞穂の神獣刀と牙で喰らうものの牙が幾度となくぶつかり合い火花を散らす。大きく振りかぶった神獣刀から発せられた衝撃波を噛み砕く牙で食らうものだが、次の攻撃に移ろうとした目に映ったのは2発目の衝撃波。
「わたしの剣撃は隙を生じぬ二段構えだああああ!」
 その一撃は牙で喰らうものの腹に消えることのない大きな真一文字を刻み込んだ。


●裁きの時間と暗殺の時間
 瑞穂の衝撃波を受けてよろめいた牙で喰らうものが何かにぶつかる。
 そこにいたのは腕組みをしている狂。その背後には同じく腕組みをしている背後霊のヒシガタさんがいる。
「……触らないでもらえるっすか」
 猫に恐怖を与えるだけで不快なそれは生理的嫌悪感も相まって、狂にとって触れることすら拒否する存在である。
「引き続きヤっちゃってください、ヒシガタさん!」
 狂の意志に従いヒシガタさんが連打を見舞う。牙で喰らうものも爪で対抗するが、連打の速度でヒシガタさんを押し切ることができない。幾度と無く打ち合った後、ヒシガタさんは左手を前に出し、右腕を後ろへ引く。
 それは『右ストレートでぶっとばす』という意志表示であり宣告。
 唸りを上げて放たれる渾身の右ストレート。牙で喰らうものも、一際大きな口を開け、ヒシガタさんの拳に牙を突き立てるが、ヒシガタさんの拳は砕けることなく、喉の奥に見舞われた。邪神は喉をつぶされ、その牙にもヒビが入ってしまう。それは猫を喰らおうとした邪神への罰に他ならない。
 狂はそれをただ見ていた。ゴゴゴゴゴゴという音が聞こえてきそうな威圧感を纏って。
 猟兵たちが優勢に進む中、唐突に現われた危機。
 猫たちが閉じ込められていた檻から一匹の猫が這い出てきたのだ。小さな体から察するに子猫だろう。猫たちの中で最も体力が低下していたこの子が遅れて出てきたのだ。
 それを目ざとく見つけた牙で喰らうもの。猟兵たちからの遠距離攻撃を浴びつつも邪神はその食欲を満たそうと決して止まらない。
 その爪が子猫に触れようとした瞬間、ガッシャーンという大きな音を立て窓ガラスを割って飛び込んできた巨大な刃物が、邪神の首筋に掻っ切る。それは巨大なギロチンの刃だった。そして、ギロチンにはロープが結ばれており窓の外に向かっている。
 ロープの先にいたのは一人の少女。窓の外から飛び込んできた少女が飛び蹴りを加え、さらにギロチンを押し込んでいくと邪神の首から噴水のような血飛沫が飛び散る。
「にゃんこに手を出すなんてどういう了見なのです!?」
 窓から飛び込んできた少女、朧・紅(多重人格者の咎人殺し・f01176)は逃げ遅れた子猫を拾い上げつつ邪神への怒りを露にする。
「ガチンコ頭にきたのです。ねぇ朧もそう思うですね!?」
 もう一人の人格である朧に同意を求めるも、
(はぁ…まー紅がそう思うんならそうなんじゃね?)
 朧はあまり関心がないようで、それに対して紅は朧に折檻だと抗議の声を上げる。
「自分に折檻ねぇ…やれやれ。じゃあ、さっさと殺るか」
 口調がガラリと変わり、その目には明確な殺意が宿る。それは殺人鬼へのスイッチが切り替わった瞬間だった。


●邪神覚醒
 こんなはずではなかった。ただ、食欲を満たすためだけにおこなった戯れ。それがなぜこんなことになったのだろうか。もはや手段は選んでられないことを悟った。
「グオオオオオオオ!」
 雄たけびを上げると瑞穂の巫覡載霊の舞のように己を変革していく。
「オマエラゼンインコロス。ネコハソノアトユックリクウ」
 進化した影響か、邪神は人の言葉を手に入れる。だが、邪神が手に入れたのは言葉だけではない。寿命と引き換えに莫大な戦闘力も手に入れていた。
 邪神にとってこれは最後の賭け、ならば凌ぎきれば自分達の勝利。猟兵たちにとって命がけの綱渡りの始まった。
 
 凶悪な牙と爪の連撃には瑞穂の刀、狂のヒシガタさんの拳が代わる代わる打ち合い、その威力を殺し、カノンの氷の矢、いちごの狐火、蓮の炎のトランプが邪神の残りの体力を削っていき、朧の咎力封じと鈴女の女王様の絶対命令権は邪神の自由をさらに奪う。
 それでも邪神は止まらず牙と爪をふるい続け、やがて均衡は破られる。
「ごめん…」
「げ、限界っす」
 最前線を支え続けた瑞穂と狂に限界が訪れたのだ。凶悪な攻撃力を持つ邪神と正面から対峙し、常に仲間を守り続けた二人がいなければ、すでに戦線は崩壊していただろう。
 自由を手にした邪神が残りの猟兵を掃討しにかかるが、そこに狐火がその周囲に張り巡らされる。邪神はすぐさま術者であるいちごの眼前に迫ると爪を伸ばす。その瞬間、蓮がいちごを突き飛ばし、邪神の爪に己の身をさらした。
 その爪は蓮の胸を貫いた――かに見えたが、蓮の姿は霧のように霧散する。それは泡沫の鏡像によって生み出された蓮。
「本命は、こっちだ!」
 幻影の姫君を解いた本物の蓮は邪神の背後から仕込み杖を突き立てる。
 邪神の胸から仕込み杖の刃が突き出る。人間ならば即死しかねない一撃だが、これにも邪神は倒れることなく、口から血を吐きながらも蓮の肩に牙を立てた。
「いちごさんを傷つけさせるわけには行かないからね」
 苦痛に耐えながら笑顔を絶やさない。自分が攻撃を受けている間、仲間の安全は保障されるのだ、この程度の痛みなんてことはない。
 だが、その生命は無尽蔵ではない。今まさに尽きようとしていたが、
「ふんぐるいふんぐるい…、星海の館にて微睡む我が眷属よ!」
 いちごの呼びかけに応じ、その影から触手が飛び出してくる。
「蓮さんから離れて!!」
 触手は邪神を拘束すると蓮から引き剥がし、その勢いのまま壁に叩きつける。その力はゴーレムに放った時とは比べ物にならないものだった。それは大切な仲間を守ろうとするいちごの全力全開。
「ありがとうございます…助かりました、けど、蓮さんが傷つくのもダメですからね?」 うっすらと目を開けた蓮に映ったのは涙を浮かべ自分を心配するいちごの笑顔。

 起き上がった牙で喰らうものは大きく口を開け、力を溜める。おそらく、これが最後の一撃となるであろう。それは今までにない強大な力が込められていた。
 「ガアアアアアアアアアアアアア!」
 放たれたのは特大の衝撃波。戦闘で疲弊しきっている猟兵たちにこれを止める術はないかと思われた。だが、常にこの戦いを冷静に見守っていた人物がいる。
(あれは幻の力、偽りの神、全ては夢、です)
「…相殺、しきってみせます!」
 栞は戦闘の途中からずっと魔力を温存していた――全てはこのときのために。
 邪神の衝撃波と栞のミレナリオ・リフレクションによる衝撃波がぶつかり合った余波でフロア内にすさまじい風が吹き荒れる。
「今度は、私が、守り、ます!」
 神の模倣同士がぶつかった結果、それは相殺し合い、仲間達を守りきる。代償として栞は大量の魔力を消費し、肩で息をしているが、一歩間違えれば全滅の危機であったことから値千金の活躍と言えた。

●決着のとき
 力を失い最後の抵抗とばかりに猟兵たちへ走り出す牙で喰らうもの。
「これが最期のお願いやねえ――疾く去ね」
 邪神の最期に向けて鈴女の無慈悲な女王様の絶対命令権が下る。
「これでおしまい、だな」
 カノンは水の精霊に命じ邪神の全身を凍らせていく。
「結局、猫は喰うもんじゃねえ、愛でるものってこった」
「ねこの敵、死すべし、だよ」
 朧が振りかざしたギロチンと瑞穂が薙いだ神獣刀によって邪神の首が宙に舞う。食欲で動き続けた邪神はついにその動きを止めたのだった。

 邪神・牙で喰らうものの空腹は満たされることは永遠になくなった。
 仲間も誰一人欠けることはなく笑顔で勝利を称えあう、そして、その腕に抱かれているのは囚われていた猫たち。

 これは猟兵たちが掴んだ完全勝利だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『愛らしい猫達を存分に堪能…しませんか?』

POW   :    猫達を沢山抱っこしたり背に乗せたりじゃらしまくる!

SPD   :    猫が好みそうなおもちゃの動かし方をしたり、心地よさそうな撫で方をしてみる

WIZ   :    猫の好みそうな事を考えて、おもちゃ等を用意して一緒に遊ぶ

👑11
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

忍足・鈴女
POW
うん、今日はみんな大変やったねえ…
流石に猫ちゃんもぐったりしてるやろうし
激しく遊ぶのは無しにして…

膝の上に乗せてナデナデーしたり
ぎゅーとお胸に抱っこしたりすることで元気になる猫がいるに違いない
(何が元気になるとは言わない)
ちなみに【動物と話せる】から何いうてるか聞こえてるで
まあ頑張ったご褒美ということで…

最後は癒しのミュージックを…
「遊び疲れたやろし…みんな良い子だねんねしな~♪」
(ぺんぺんと三味線を弾く)



●恋人のように、母のように
「うん、今日はみんな大変やったねえ…」
 忍足・鈴女(最終猫型暗殺兵器・f03727)は頑張った猫たちを労っていた。鈴女の膝の上で寝そべっている猫たちは鈴女に撫でられてご満悦な模様だ。
 やがて、膝の上にいたロシアンブルーの猫が起き上がり鈴女を見つめる。
「んー、ちょっとだけやで」
 意図を汲み胸元に抱き寄せてぎゅーっとしてあげる鈴女。
「にゃー にゃー」
 抱き寄せられたロシアンブルーの甘い鳴き声に対して、猫語を理解できる鈴女はちょっと困ったような表情を見せる。
 推察するにそれはおそらく求愛だったのであろう。
 言うまでもないが鈴女は美人だ。それも猫の耳と尻尾、猫目の素敵な。
 さらに、強くて、猫の撫で方も達人級とくれば、種族を超えた好意を持たれても決して不思議ではない。
 突然の猫の求愛に鈴女はYESともNOとも言わずに少しだけ抱き寄せる力を強める。
(まあこれくらいは頑張ったご褒美ということで)

 遊び疲れたのだろうか、猫たちはこっくりこっくりしている。その耳に響いてきたのは三味線の音と癒しの子守唄だ。
「遊び疲れたやろし…みんな良い子だねんねしな~♪」
 やがて猫たちは幸せに包まれつつ夢の中へ。それを見つめる鈴女の姿は慈愛に満ちた母のようであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

秋津洲・瑞穂
ねこー。

ねこの山に埋もれてます。(至福)

頭の上にはちっちゃな仔ねこ。(アメリカンショートヘア)

狐しっぽだけは動かせます。(ねこじゃらし)

時々もこっと動きます。(くすぐったい)

でもすぐ大人しくなります。(ねこが落ちちゃうから)

たまに「ひゃ」とか言います。(舐められた)

とろけた顔は周囲からは見えません。(恥)

にゃー。



●狐巫女の休息
「お助けコンちゃんも今日は閉店なの」
 秋津洲・瑞穂(狐の巫女・f06230)の声が聞こえるが姿が見えない。そこにあるのは猫の山だけだ。その猫の山から狐のしっぽが生えているのが見える。どうやらこれが瑞穂のようだ。
 よく見れば、肩や背中,腰には猫たちが座ったり寝たり、そして頭の上には一際小さなアメリカンショートヘアの仔ねこが乗っている。まさに猫まみれといった状況だ。苦しくないのか?という疑問も浮かぶが、
「ねこー」
 瑞穂の表情を見ればそんなことは決してないことが見て取れた。むしろ幸せそうだ。
 時折、瑞穂の狐のしっぽが左右に動くと、猫たちの目線も左右に行ったり来たり、それはまるでねこじゃらしのごとく。頭の上のアメリカンショートヘアの仔ねこが興味を惹かれ、肩から背中、腰へとてとてと歩みを進める。
 くすぐったくて猫の山(瑞穂)が動くが、すぐに大人しくなる。猫が落ちないように耐えているようだ。
「ひゃ!?」
 アメリカンショートヘアの仔ねこがふいに瑞穂の頬を舐めたのだ。つよくてかっこいいお助けコンちゃんも仔ねこの前では形無しだ。
 こんなとろけた顔は誰にも見せられない。それは瑞穂と猫たちだけの秘密。
「にゃー」
 ゆっくりと流れていくときの中で、瑞穂と猫たちの幸せそうな声がハモるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

金剛・狂
ネコさん救出完了っす!
いやー、無事で良かった。頑張った甲斐があったっす。
それにしても疲れましたね。
ここはネコさんに癒されることにしましょう
普段は私が癒す側なんですがね、ここは甘えさせてもらいまっす!
しかし、この自慢の髪型をてしてしされそうになったら
ちょっと身構えてしまうかもしれません
自慢の髪型ですから!(大事な事なので2回言った)
じりじりと警戒しつつ、でも癒されに来たんだからせっかくだから
モフモフなでなでしたい葛藤
そうだ、旅団の人たちも来ているようだし
なんかこう上手く気を取ってもらってるうちに触るというのはどうだろう?

…どうだろう?
あと光り輝く拳でなでなですることでネコたちを癒します


カノン・クロウェル
【POW】
猫と遊べるとあって竜の角と翼、尻尾仕舞う
なぜなら頭や背中に猫に乗ってもらいたいから!

森に住んでたころは野生の動物達と遊びもしたが街中ではそんな機会も無く
久しぶりに動物と触れ合えると思うと嬉しくて仕方ない
「ほら、おいでおいで~」
猫の鼻先に手を差し出し、寄ってきたら「えへへ」と嬉しげに笑う

種類問わず可愛がるが長毛種は初めて触るので特に目を輝かせる
頭に乗る猫がいれば好きにさせる

膝に乗ってきた猫を撫でて、猫の柔らかさと暖かさを堪能しつつ
空いた手で猫じゃらしを器用に操って猫と遊ぶ

「イレーネさんもきっと喜んでるね」
膝の上の猫の幸せそうな寝顔を眺めつつ、穏やかな空間に頑張って良かったなあと思う


朧・紅
ちぃ、なんでこんな事に…
かわいい少女から漏れるのはドスの聞いた恨み言

にゃんこに無関心な朧には心を入れ替えてにゃんことにゃんにゃんしてもらうのです!
そう言い放った別人格の紅は朧を前面に押し出した
なかなか強烈な折檻してきやがるぜ
げんなり

だが逃げれば後が面倒
適当に猫じゃらしを振れば猫がじゃれ付く
お前らはのんきでいいな

なぜか無関心な人ほど猫に好かれる
猫に乗られたり飛びつかれたりするかもしれない
おわ、ちょ、てめぇら!?

猫「に」もふられているとそわそわした感情に気付く
…もふりたいなら出てくりゃいいだろぅ?

堪えきれず紅が出てきた勢いで猫をハグしようとする
蜘蛛の子チラしたように逃げる猫
なんでですぅ~!?



●猫に好かれる方法
「ほら、おいでおいで~」
 カノン・クロウェル(ドラゴニアンの精霊術士・f01889)が猫の鼻先に手を差し出す。
 森に住んでいたことがあるカノンは動物の扱いも手慣れたもので、猫たちも警戒することなく寄ってくる。
 ドラゴニアンであるカノンだが、今は竜の角と翼、尻尾は全て仕舞っている。なぜそんなことをしたかは頭の上や背中に乗っている猫たちが物語っていた。
 猟兵としての活動のため、街で暮らすようになってからは、動物と触れ合う機会も中々なかったカノンとしては久しぶりの癒しの時間だった。

 カノンが猫と距離感ゼロで楽しんでいる一方、金剛・狂(は砕けない・f09749)と猫の関係はやや複雑だ。
「いやー、無事で良かった。頑張った甲斐があったっす。」
 猫を撫でている狂と撫でられている猫、とても仲良く遊んでいて、お互い癒されあう関係ではあるが、実はそれとは別に見えない攻防が繰り広げられていたのだった。
 狂の前髪は実に特徴的な形状をしている。猫にしてみれば、それはとても興味深いものだ。猫も撫でられつつも、その視線は常に前髪を捉えている。
「駄目っすよ?」
 髪に目掛けて跳躍しようという姿勢を見せた猫を優しい言葉で諭す。
 髪を死守しつつも、もっと距離を縮めたい狂としてはあと一手欲しいところだった。

 そして、そんな二人を見つつ猫カフェの入り口に立ち尽くしている少女が一人。
 朧・紅(多重人格者の咎人殺し・f01176)である。
「ちぃ、なんでこんな事に…」
 言動から判断するに、朧の人格の方が出ているようだ。
(にゃんこに無関心な朧には心を入れ替えてにゃんことにゃんにゃんしてもらうのです!)
 これは紅からの折檻である。どうせ大したこと無いだろうと、たかをくくっていた朧だったが、これはなかなか効果的なようだ。
「逃げるとまた後で面倒だろうしな…」
 ならば、適当にやってちゃっちゃと終わらせるに限ると朧は思考をシフトすると、その場にあったねこじゃらしを適当に振って猫をかまってやる。
「お前らはのんきでいいな」
 だが、朧は知らなかった。猫は押せば引くが、引けば押してくるものであることを。
 無理やり抱きついたりしない朧に対し、逆に猫たちは一斉に襲い掛かる。
「「「にゃー」」」
「おわ、ちょ、てめぇら!?」
 猫まみれになる朧。猫好きからしたら、これ以上ない天国だが、朧からしたら重いし、こそばゆいし、勘弁して欲しいところだ。。
「…もふりたいなら出てくりゃいいだろぅ?」
 紅のそわそわ感を感じた朧は紅に交代を申し出る。
「にゃ、にゃんこ…」
 その瞬間、朧を揉みくちゃにしていた猫たちは紅の放つ『モフりたい』という強い感情を感じ取り蜘蛛の子を散らすように逃げ出してしまうのだった。
「なんでですぅ~!?」

 紅から逃げた猫たちは狂とカノンのところへ逃げ込んでくる。

 猫たちとより仲良くなりたい狂からすればそれはまさに渡りに船であった。紅から逃げてきた猫たち、元から狂のところにいた猫たちが、狂の肩や胸元へ飛び込んできたので、そのまま抱き寄せてやる。
 今ならモフリ放題だ。だが、なるべく長く堪能したのならば気付かれてはいけない。
「大丈夫っすよ~」
 狂は癒しの力を持つ光の拳で猫たちをモフモフなでなでする。これは戦った狂への御褒美であると同時に頑張った猫たちへの御褒美なのだ。

 カノンは自分のところに集まった猫たちを一通り撫でて落ち着かせてあげた。
 その中に長毛種の子を見つけると、抱き寄せて膝の上に乗せる。
「長毛種の猫は初めてだな~」
 背中を撫でて長毛種特有のさわり心地を堪能する。撫でられた猫も、その気持ちよさから、ウトウトしだす。
「イレーネさんもきっと喜んでるね」
 猫たちの危機を知らせてくれたグリモア猟兵のイレーネに感謝しつつ、カノンは膝の上の猫の幸せそうな寝顔を眺め、自分達が守った平和な時間を噛み締めた。


 こうして3人は仲間達と猫カフェを心ゆくまで堪能するのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

彩波・いちご
【恋華荘】の蓮さんと
なんとか終わってよかったです
猫達も元気そうで…可愛いですね

でもそれより、無茶した蓮さんが心配です
怪我は本当に大丈夫ですか…?
「も、もぉ、誰がお姫様ですかっ」
少し照れて、お姫様はそちらじゃないですかと小声でぼそりと

ともあれ大丈夫そうなので、一緒に猫を愛でましょう
栞さん(f03747)から猫を贈られる蓮さんを見て、私も嬉しくなって一緒にニコリ
そのまま猫を撫でる…つもりが、つい間違えて(?)蓮さんの頭を撫でてたり
「あ、すいません、猫を撫でてるつもりが…」
「お嫌でした?」
嫌ではなさそうなら、そのまま優しく頭を撫でておきます
蓮さんすごく頑張りましたから、少しでも癒しになればいいなって


結城・蓮
猫仮プレ

【恋華荘】のいちごさんと

無事に猫達を助けられて良かったよ
寄ってきた子達の背中を優しく撫でよう

怪我に触れられたら
「怪我?あぁ、大した事ないよ
引き際は見極めてるつもりだし、怪我を恐れてたら戦いなんて出来ないさ
何より…お姫様を守るのは王子様の役目だろ?」
言ってウインクを投げ掛けよう
少し気障すぎるかな?

猫を抱えてきた子がいたらそちらを向くよ
栞ちゃん(f03747)だったかな?
差し出された猫に少し驚いて
「ん…この子をボクに?ありがと、嬉しいよ」
猫も栞ちゃんも撫でてあげよう
この子の笑顔も守れて良かった

いちごさんに撫でられたら
「…いや、確かにボクも猫に違いはないんだけど、ね?」
流石に少し照れくさいな


折紙・栞
「猫さん、よかった…」
平穏が戻った猫カフェでぺたんと座り込み、
思い思いに過ごす猫さんたちを見て、ほんわか
ついでに通りすがりの猫さんを抱きかかえて堪能します
「猫さん、猫さん、お名前は…?」
「……いい?」(じーっと見つめあってから、逃げないかつ許してくれそうな子だけ手を出す)

「黒猫、さん、いました…」
最初の集団戦でゴーレムから守ってくれた
結城・蓮(f10083)さんを見かけて、
猫さん抱きつつ、とてとて近づき

「あの時は、ありがとう、でした」
私のものじゃないですけど
この子のもふもふとぬくぬくを
お礼にプレゼント、です
「んっ…」
頭、撫でられると、くすぐったい、です(嫌じゃないむしろ嬉しい



●猫たちと王子様たちとお姫様たち
「なんとか終わってよかったです。猫達も元気そうで…可愛いですね」
 彩波・いちご(ないしょの土地神様・f00301)が猫を抱きつつ、結城・蓮(チキチータ・マジシャン・REN・f10083)へ笑顔を向ける。
「うん、無事に猫達を助けられて良かったよ」
 寄ってきた猫たちの背中を優しく撫でながら、蓮も笑みを返す。
「怪我は本当に大丈夫ですか…?」
 蓮は戦いにおいて仲間をかばい怪我を負っている。命に別状はなかったものの、いちごとしてはやはり心配なのだ。
「怪我?あぁ、大した事ないよ。引き際は見極めてるつもりだし、怪我を恐れてたら戦いなんて出来ないさ。何より…お姫様を守るのは王子様の役目だろ?」
 と言って、蓮はウインクを投げ掛ける。
「も、もぉ、誰がお姫様ですかっ」
 お姫様扱いにいちごも少し照れながらも満更でもなさそうな感じである。
「……お姫様はそちらじゃないですか」
 ちょっとした反撃と本音でいちごはぼそりとつぶやく。それが蓮の耳に届いたか否かはまた別のお話としておこう。

「猫さん、よかった…」
 折紙・栞(ホワイトブック・ガール・f03747)は平穏が戻った猫カフェでぺたんと座り込み、思い思いに過ごす猫たちを眺めていた。
 その目の前を通り過ぎる猫に『おいで』のポーズで招き入れると、猫は歩みを止めて栞の膝から胸元へ飛び込んで来る。
「にゃー」
 甘えた声を出す猫。栞は猫を抱きかかえて、そのぬくもりを感じる。このぬくもりが今あるのは、自分が、そして仲間が頑張った結果なのだ、栞はその意味をあらためて感じ取るのだった。

 ずっと占有しても良くないと思い、栞は猫を放してお別れを告げた。
 栞はまた猫たちの姿を眺めていたが、ふいに猫たちの中から黒猫を見つけて歩み寄る。
「猫さん、猫さん、お名前は…?」
 栞は黒猫の正面に座り話しかける。
「にゃー」
 鳴き声で返す黒猫。それ見た女性店長さんがその子の名前を教えてくれる。その名前を聞いた栞は黒猫とじーっと見つめ合い、手を差し出す。
「……いい?」
 黒猫は言葉で返事をするのではなく、栞の手のひらに頬をすりすりして承諾の意を示してくれた。

「黒猫、さん、いました…」
 ここでいう黒猫は蓮のことだろう。栞は蓮を見つけると小走りで駆け寄ってくる。
「栞ちゃんだったかな?」
 黒猫を抱きかかえている栞に気付き、蓮は挨拶を交わす。
「あの時は、ありがとう、でした。この子、レンっていう名前、です」
 栞から差し出された黒猫に少し驚きつつ受け取る蓮。
「ん…この子をボクに?ありがと、嬉しいよ」
 オレンジと青の瞳の蓮が黒猫のレンを正面から見据える。その瞳は金と青のオッドアイだった。栞が蓮への感謝の気持ちとして、蓮に似た猫を連れて来てくれたのだ。
 蓮は微笑み、お礼としてレンと栞の頭を撫でてあげる。
「んっ…」
 くすぐったくて思わず声が漏れる栞。それは決して嫌だから出たものではなく、嬉しさから出たものだった。

 二人のやりとりを微笑ましく見つめていたいちごだったが、自分も黒猫を撫でたい気持ちが抑えられなくなる。
「蓮さんにレンちゃんですね」
 ふいにいちごは蓮の方に向き直り、黒猫のレン……ではなく黒猫の蓮の頭を撫でる。
「あ、すいません、猫を撫でるつもりが…」
 これがわざとか本当に間違えたのかは神のみぞ知る世界だ。
「お嫌でした?」
 と言いつつもいちごは撫でる手を止めない。
「…いや、確かにボクも猫に違いはないんだけど、ね?」
 蓮は少し照れくさそうな表情を見せる。
 いちごは今回頑張ってくれた蓮を労うために優しく撫で続けるのだった。


 3人は笑顔でお互いの頭を撫で合う、それは尽きることない感謝の気持ち。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

譲葉・秀幸
邪神は倒され、猫も無事に救出されたのですね。
僕は大したことはしていませんが、折角なので猫カフェを楽しませてもらいますね。

イレーネさんが近くに居れば「一緒にお茶でもどうですか」と誘います。
彼女も猫はお好きでしょうからね。

僕は猫を近くで見れるだけで充分です。
あんまり近づきすぎて、猫を怖がらせたら可哀想ですから
(自分がいかつい容姿をしてるという自覚はあるので……)。

紅茶(アールグレイがあればそれで)を注文して、それを飲みながら、店内の猫をゆっくり眺めていましょう。
猫カフェの平和が守られて、本当に良かったです。



●穏やかな時間
 猫カフェに新たな来客が現われる。眼鏡を掛けた少し強面な青年――譲葉・秀幸(アストロフェル・f03775)だ。
 秀幸はテーブル席を希望すると、店長に案内された席でアールグレイを注文する。

 今回の事件を予知したグリモア猟兵のイレーネは事件解決の報を受け、そっと猫カフェに入店する。あくまでも主役は猫たちを助けた猟兵達で、自分は脇役。主役と猫たちの時間を邪魔してはいけないという配慮だろう。
「一緒にお茶でもどうですか」
 イレーネの入店に気付くと、秀幸は手を振り自分のいるテーブル席へ招待する。
「ええ、ご迷惑でなければ」
 秀幸も主役の一人だ。イレーネとしては邪魔をしてはいけないとも思うが、誘いを断るのも悪いので、同席させてもらい、秀幸と同じアールグレイを注文した。

「怪我の方はもう大丈夫ですの?」
 戦闘で怪我を負ったという報告は受けていたようで、イレーネは秀幸に詰め寄る。
「ええ、大したことはありませんよ」
 猫たちを助けるための名誉の負傷といったところです、と秀幸は続ける。
 アールグレイに舌鼓を打ちつつ、カフェ内を歩く猫たちを眺める秀幸。
『もっと猫と遊べば良いのに』
 お互い相手に思うことは同じだ。そして、自分が猫を怖がらせてしまうかもしれないという思いも同じなのだった。
 店内で思い思いに過ごす猫たち。その姿を秀幸とイレーネが眺める穏やかな時間が流れていく。そんな二人の足元には、いつのまにか多くの猫が集まり、すやすやと幸せそうに眠っていたのだった。


 これは猫たちが消えて戻ってきた、ただそれだけの物語だ。
 真実は神と猫のみぞ知り、起きたことすら人々の記憶から消えてゆくだろう。
 しかし、猫たちは忘れない、命を懸けて救ってくれた勇者――猟兵達のことを。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年01月23日


挿絵イラスト