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そういうお約束は焼却だ…

作者：旅野文師

『数多の世界を守る為、日々戦い続ける猟兵達。そんな猟兵達にも、安息の日は必要です。』

　誰が言い出したのであろうか？
　この言葉がきっかけでクリスマス（イヴ）は各自・各世界に赴いて、思い思いにクリスマスを満喫しよう…そんな話が広まった。

　当然、世界間の移動…という事でグリモア猟兵の協力なくしてはこのイベントは成立しない…グリモアベースにてグリモア猟兵が顔を突き合わせてどの世界に行きたい？誰が担当する？とか、イヴと当日どっちに参加する？…とか、グリモアの予知ってオン・オフ切り替え出来たっけ？…などなど、戦争並の相談が行われたのだった。

「第六猟兵・アポカリプスヘル・クリスマスイベントの説明を始めます」
　泉・星流（人間のマジックナイト・f11303）は集まった猟兵達に静かに説明を始めた。
「みんなに行ってもらいたいのはここです…」
　星流は愛用の箒にグリモアの力を込めて放り投げ、箒が魔法陣を描き出し…その中にささやかながらもクリスマスを楽しもうと、準備している人々の姿が映し出された。
「…で、みんなはここへ行って…」
　準備の手伝い…とか、一緒に楽しんでこい…と、そんな言葉が出るかと思った…が、
「コイツらを倒してきてほしい」
　魔法陣の映像が切り替わり、『ゾンビの群れ』が映し出された。
「まぁ…数は多いけど、みんななら普通に倒せる相手かな…」
　そこで星流は何か質問はないかと集まった猟兵達へ聞いた。

『これ…クリスマスイベントの説明…って言ったよね？』

「だから『アポカリプスヘル』のクリスマスイベントの説明…」
　…しばらく沈黙が流れ…、

「しょうがないじゃないか…予知が来ちゃったんだし…」
　聞けば…イベント相談中に同じように予知した人も何人かいて…キマイラフューチャーで『ヒャッハー』しようと予定してた人が、『ヒャッハー』に襲われる集落の予知をして泣く泣くアポカリプスヘルの担当になったグリモア猟兵もいたとか…、

「何故かアポカリプスヘルだけ防衛イベントになっちゃったけど、頑張って倒してきてクリスマスを満喫しましょう」
　星流は笑顔で猟兵達を見送った。

第1章 集団戦 『ゾンビの群れ』

POW   :    ゾンビの行進 【掴みかかる無数の手】が命中した対象に対し、高威力高命中の【噛みつき】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。 SPD   :    突然のゾンビ襲来 【敵の背後から新たなゾンビ】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。 WIZ   :    這い寄るゾンビ 【小柄な地を這うゾンビ】を召喚する。それは極めて発見され難く、自身と五感を共有し、指定した対象を追跡する。 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

　ささやかながらもクリスマスを楽しもうという集落…そこを目指して歩いてくるゾンビの群れ…その前に…

『ドドドドドドドドドドドドドドドッッッッ!!!!!!!!』

　爆音を響かせて一台の戦車が姿を見せた。

『キイイイイッッッ!!!!…パカッ!!!!』
　戦車は急停止すると、その中から一人の少女…東・理恵（神の戦車乗り・f24407）が出てきた。
「相手はゾンビの集団ですか。早めに倒しておいた方がよさそうですね。」
　理恵はゾンビの群れを目視した後、素早く戦車内へ戻り戦車を再起動させた。

「まずは数を減らすことを考えたほうが良さそうね…」
　理恵は照準スコープを覗きながら、最もゾンビを多く屠れるポイントを探し狙いを定めた。

「ターゲットロックオン!!!!」
『ズドオオオオォォォーーーーンンンン!!!!!!!!』
　神の虎に装備された列車砲が火を噴き…ゾンビ達が吹き飛んだ。
　そしてすぐさま角度修正を行い…第二射…再びゾンビ達の身体が宙に舞うのだった。

　砲撃後、理恵は戦車を発進させてゾンビの群れへと突入…するかと思いきや…

『ズシャアアアアァァァァーーーー!!!!!!!!』
　理恵はゾンビの群れの前で急制動をかけてドリフト走行…大量の土砂をゾンビへと浴びせかけ、今度はゾンビの群れに沿って移動しつつガトリング砲や機銃でゾンビ達を駆逐していくのだった。


　そんな理恵の様子を眺めている領兵が二人…

「姉君ご存知か？聖誕祭の夜には贈り物を振る舞う聖人が現れるそうだ☆」
「まぁそうなの？」
　麻海・リィフ（晴嵐騎士・f23910）の言葉に、紬雁・紅葉（剣樹の貴女・f03588）は大仰な仕草で驚いて見せ…リィフからくわしく聖人の話を聞くと…
「では皆様に安らかな眠りを授けましょう♪」
　紅葉は羅刹紋を顕わに戦笑むのだった。

「八雲立つ、出雲…」
　紅葉が言の葉を紡ぐと彼女の周囲に九本の剣が姿を見せた。
「お行きなさいっ!!」
　紅葉の言葉に九本の剣はすぐさま反応し、ゾンビの群れへと向かっていった。
　九本の剣はゾンビの群れの中へ飛び込み地面へと突き刺さると、破魔の力を持った炎を噴き出して周囲のゾンビを焼き払うのだった。

　紅葉の放った九本の剣にやや遅れてリィフも『偽造飛行補助翼「払暁」』と『多機能全身鎧「蒼穹」』の力で飛翔しゾンビの群れへと突入していった。

「そこに一列に並びなさい！大人しくしていれば「あのサンタクロヲス」が「おくって」くれるから！！」
　リィフの突き出した『回転剣ストヲムルゥラァ』から放たれる念動衝撃波に、リィフの前に立ちはだかるゾンビ達は、あるものは肉を削られ薙ぎ払われ、あるものは宙へと高々と吹き飛ばされるのだった。
　
　リィフがゾンビの群れへと突っ込んだ際に出来た道を通って紅葉もゾンビの群れの中へと切り込み、先の攻撃で放った地面に突き立つ剣が描き出す巨大な九曜紋へと足を踏み入れ自身の戦闘能力を強化…リィフと共に九曜紋の中へ入ってきたゾンビ達を迎撃するのだった。
　二人はゾンビの攻撃を残像…もしくは武器や防具で受けてはカウンターで返し、互いの危機には援護射撃や浮遊盾などを用いて助け合い、ゾンビの群れを次々と撃退していった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

　猟兵達がゾンビの群れを駆逐している場所よりやや離れた場所にて、せっせと何か作業をしている猟兵…白鳥・深菜（知る人ぞ知るエレファン芸人・f04881）がいた。

　深菜はＵＣ『災厄と希望の開放器』の暴走しやすい特性を利用した、「＜地＞の＜落雷＞」による（派手な魔法の）「地雷」をせっせと埋め込んでいるのだった…って、「＜地＞の＜落雷＞」で「地雷」って事なのか？

　一通りの作業を終えた深菜は愛用のバイク『★音嗚宇宙倍苦【遊撃狩猟・改弐】』を駆り、ゾンビの群れへと向かっていき、ある程度おびき寄せる事が出来たところで地雷原へとＵターン…地雷原の手前でバイクを止めてゾンビの群れへと向き直ると…

「知ってる？慣れたキマフュー猟兵はそこがキマフューでなくても、キマフューのノリでオブリビオンが狩れる。ゾンビかバンビか知らないけど、精々私の取れ高になりなさい」

　それだけ言うと深菜は地雷を避けながらバイクを駆りゾンビの群れを地雷原の中へと誘導…そして…

『ちゅっっっっどどどどどどどどおおおおおおおおーーーーーーーーんんんんんんんん!!!!!!!!!!!!!』

　ゾンビの群れは無数の地雷により吹っ飛ばされた…が…

「それじゃあ皆さん、よいクリスマスをー」

　深菜はバイクで空を飛んでいるのか？それとも爆風の余波を受けて吹っ飛んでいるのか？…ともかくバイクに乗ったままどこかへと飛んでいき姿が見えなくなった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

最終結果：成功 完成日:2019年12月29日