聖夜に英雄たちとクリスマスを
●クリスマスをヒーローズアースで
数多の世界を守る為、日々戦い続ける猟兵達――しかし、そんな猟兵達にも、安息の日は必要である。聖なるクリスマスの日――それは、家族や恋人や友人と共に、楽しい時間を過ごせる数少ない時かもしれない。そして、その日は等しく訪れる……そう、色々なことがあったヒーローズアースでも、それは例外ではない。
「ヘイあんたら。ヒーローズアースから招待状が届いてるわよ」
マリア・ルート(千年の王国から堕ちのびた姫・f15057)が手に何やらロイヤルな感じのする封筒をヒラヒラさせていた。
「世間はそういえばクリスマスよね。今ヒーローズアースでは世界の富豪とか大企業とか地方自治体とかやんごとなき身分の人たちがあんたらを招待しているの。アースクライシス2019を勝利に導いた、としてね」
マリアが懐からさらに招待状を出す。いくつあるんだこれ。
「ま、誰の招待状で会場に入るかってのはどうでもいいわ。重要なのはあんたらが招待されてることだから。あ、パーティ会場はめっちゃ大きなお屋敷の1部屋らしいわよ。どこだったかしら、練馬区だったような……」
慌てて招待状の1つを開封するマリア。いいのかそんなあっさりと使っちゃって! いいんだよどうせ開封はするんだろうし!
「そうね、練馬区某所の1部屋ね。で、あと来る人が人だけにドレスコード的なものも書いてあるけど……ま、これは問題ないわよね」
猟兵の特権である。どんな外見でも現地民に違和感を与えない。これである程度はどうにかなる。が、一応念には念を、ということはあるのかもしれない。
「ま、さして無礼とかしなければ大丈夫でしょ。オブリビオン襲ってくる予知も見えなかったし。クリスマスくらい楽しんできたら?」
ところでマリアは行かないのか、と猟兵たちの一部が聞いてきた、すると苦笑しながら。
「この手のパーティは行き飽きたし」
とか言っていたが、チラチラ招待状見るあたり少し興味はあるのかもしれない。
結衣謙太郎
好きな世界でやるのが一番だと思った。
結衣です。
全世界分やろうと思ったけどプレイング締め切りがすごく短くなりそうだから断念した。
なんか大規模なパーティがあるようです。
以下詳細。
●注意!!
クリスマスパーティシナリオは結衣以外にも多数のMSが出しており、その全てが同じ背景となっております。
オープニングにも書きましたがこちらは『ヒーローズアース』のクリスマスパーティとなります。WPとかを気にする方など、特にお気をつけください。
また、このシナリオは特殊なシナリオです。
日常1章で終わりますし、必要青丸数が少ないです。お気をつけください。
●成功条件
あってないようなもの。クリスマスパーティを楽しむ。ヒーローズアースで。
●ロケーション
練馬区の某所の屋敷の1部屋。
相当大きいです。ホテルの宴会場くらいの大きさを想像してくれれば。
●パーティについて
結構身分高い方がズラリです。
プレイングにどういう人を出してほしいか書いてくれれば出すかもしれません。
ドレスコードはあまり気にしなくていいと思います。変な格好でも猟兵は違和感持たれません。
グルメなどは大体何でもそろってます。七面鳥? もちろんあるとも!
●グリモア猟兵参戦可能
マリアと楽しみたい場合はプレイングで申しつけください。
以上です。
それでは聖夜をぜひお楽しみください!
第1章 日常
『ヒーローズアースでクリスマス』
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POW : 派手なイベントに参加したり、振る舞われる料理を食べたりする
SPD : 主催者に挨拶したり、パーティーの主賓に相応しい楽しみ方をする
WIZ : 恋人や友人たちと、賑やかなパーティーをプライベートに楽しむ
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●現地にて
猟兵たちが招待されたパーティ会場は熱く冷静な雰囲気だった。
片やアースクライシス2019勝利に沸き立ちグラスをチーンと鳴らし、片や冷静にやんごとなき身分らしくしっとりと飲んでいる。
そんな中に招待された猟兵たち。猟兵たちで交流するもよし、やんごとなき身分の人と交流するもよし、はたまたパーティにすがるのもよし、だ。
アリソン・リンドベルイ
【WIZ ユーベルコード描写不要】
ドレスを着て、華美になりすぎない程度のメイクをして、お気に入りのリボンも解いて髪型も大人っぽくセットしていただいて、出席しましょうか。【礼儀作法、コミュ力、ダンス、料理、楽器演奏、かばう】……ボロが出ない程度には取り繕えるといいのですけれど。こういうのは、基本慣れですから……他の猟兵の方で、戸惑われている方がいらっしゃったら、それとなくフォローに回ります。 大丈夫です、堂々と受け答えして、あとは聞き役になって笑っていれば、そのうち終わりますから…! 挨拶は愛想良く、誰隔てなく同じように、パーティー会場を回ります。……料理が美味しいのは有り難いですね。本当に。
●ドレスコードはあまり気にしなくていいとは言えども
「でも気分というのもありますし、するにこしたことはないです」
アリソン・リンドベルイ(貪婪なる植物相・f21599)は今回の依頼、ドレスを着て華美になりすぎない程度のメイクをして、お気に入りのリボンも解いて髪型も大人っぽく、といった完全にドレスコード意識で臨んでいた。
「こういうのは慣れよ、そのうち終わりますから…! 挨拶は愛想良く、誰隔てなく同じように……」
そう言っているアリソンの方が大分ぎくしゃくしていて不自然だ。まあ仕方ないといえば仕方ないが……唯一料理の美味しさで気を紛らわしている感じか。
『お、アリソン君ではないか』
「はっ、はい!?」
声をかけられてビクッとなるアリソン。振り向くとそこには髭を生やした初老の男性が。
『ははは、驚かせてしまったね。いや、すまない。年を取ってくるとこうも刺激的なことをしたくなってしまってね』
「あ、あう、それはいいですが、あの、私の名前をどこで……?」
『君、49ersだろう? 君の名前をたびたび耳にするんだ。なんでも、この世界に侵略性の強い外来種が現れて生態系――生物多様性の保全に与える影響について色々な機会に伝えているそうじゃないか』
「いえ、でも私は末席です……私なんかじゃ」
『0と1は大違いだ。君の声が私達生物学会を動かしていくんだ』
どうやら目の前の人は生物学の研究者的な何からしい。
『まあ楽しむといい。私と違い君たち若者の命は長い。今日ここで英気を養って明日以降またやっていけばいいのさ』
「……はあ。ありがとうございます」
アリソンは緊張したように頭を下げるが、内心では緊張が少しは解けていた。それは、
(――皆さん気楽に話してくださる……)
どうしてもぎこちなくなってしまう中で気さくに話しかけられ、とりとめのない会話をする。それだけで存在はリラックスできてしまうものだからだ。
それからもアリソンはなるべく聞き役に徹しながら会場を回っていた。なおアリソンのもとには割と人が来たという。
大成功
🔵🔵🔵
艶守・娃羽
■方針
・同行者:甘露島・てこの(f24503)
・【WIZ】使用
・アド/絡◎
■行動
パーティですの?
私自身は「戦争」には参加しておりませんでしたが、戦後に猟兵になった方のご案内を頼まれましたので、私自身の面通しも兼ねて参加させていただきますわね。
折角ですし、楽しみたいと思いますわ。
一応、育ち故に或る程度の経験の有る私と違い、甘露島さんは、あまりこのような場所には慣れていない様ですから、失礼など無い様しっかりと手綱を握っておきましょう。
とは言え、私も猟兵としての知人は殆どおりませんし、マリアさんに御案内と御紹介をいただけると有難いですわね。
御願いしても宜しいでしょうか?
有意義な時間が得られますよう。
甘露島・てこの
■方針
・同行者:艶守・娃羽(f22781)
・【POW】使用
・アド/絡◎
■行動
楽しそうだねぇ。
お邪魔させていただきます、だよぉ。
私は「戦争」が終わって、それを切っ掛けに猟兵になったから、あまりそのあたりは知らないんだよねぇ。
マリアさんや会場の人達に「どういうことが有ったのか」を教えてもらえると嬉しいんだよぉ。
色々と聞かせてほしいなぁ。
折角だし、色々な物を食べてみたいんだけど、どれくらい食べて大丈夫なか解らないし、やり過ぎたら娃羽ちゃんが止めてくれるかなぁ?
失礼とかして無いといいんだけどぉ。
色々な種類の「パフェ」とか、特に気に入ったスイーツが有ったら、娃羽ちゃんやマリアさんにもお勧めしてみるねぇ。
●暴食厳禁
「マリアさんマリアさん」
「あ?」
「あの、少しいいですか?」
「……で、なんで私が……」
「私も猟兵としての知人は殆どおりませんし……」
「楽しそうだねぇ。お邪魔させていただきます、だよぉ」
「……それに、何か粗相をしたらいけませんし」
「ああ……」
思考停止したような顔のマリアと話す艶守・娃羽(豊饒の使徒・娃・f22781)は見境なく辺りを見渡す甘露島・てこの(豊饒の使徒・甘・f24503)を見ながらつぶやいていた。マリアはいつもの軍服姿で、艶守は胸の大きく出た着物姿。甘露島に至ってはパジャマみたいなポップなワンピースにどっかのバーチャル羊みたいな左右違う靴下。しかも胸が大きいので下が割と見えそうだ。……これ全身確認したけど「はいてない」のか? ははは、まっさかー。とはいえ全員問題ないのが猟兵の特権である。すげえ。
「私自身は【戦争】には参加しておりませんでしたが、戦後に猟兵になった甘露島さんのご案内を頼まれましたので、私自身の面通しも兼ねてと思いまして……参加の方を。で、折角ですし、楽しみたいと思ったら……」
「ああ……まあ、慣れてないと最初はああなるわよね……」
「私は育ち故にある程度経験はありますが……彼女は……」
「ねえ、折角だし、色々な物を食べてみたいんだけど、どれくらい食べて大丈夫なのか解らないんだけど」
「あんたやりすぎよ」
「やりすぎですね」
娃羽とマリアにビシッとつっこまれて涙目になる甘露島。そりゃそうだ、なんせ彼女の持ってきた皿の中にはマカロンが山のように積まれ、その隣には10個はゆうに超える様々な種類のパフェ、他にもスイーツてんこ盛り……!
「オススメしたいと思って盛ってきたんだけど……」
「そんなに一度に持ってくるものではありません。まさかそれ全部食べるわけじゃ」
「食べる!!!!」
「駄目です。皆さまの分がなくなります」
「バイキングにしても限度があるわよ……ほら、返しに行くわよ」
甘露島の自由さに頭を抱える2人だった。
2人でいくつか料理を返し終えた後で。
「ところで、私は【戦争】が終わって、それを切っ掛けに猟兵になったから、あまりそのあたりは知らないんだよねぇ。『どういうことが有ったのか』を教えてもらえると嬉しいんだよぉ。色々と聞かせてほしいなぁ」
「私も、お願いしてもよろしいでしょうか?」
「そうね、じゃあ――」
ちょっと待ってて、とマリアが離れる。しばらくして、記者みたいな見た目の人を連れてきた。
「この方、結城計都さん。ヒーローズアースでジャーナリストをしている方よ」
『結城です、よろしく』
「艶守娃羽です」
「甘露島てこのだよぉ」
なるほどジャーナリストなら何があったのかの話にはふさわしいだろう。しかし参加する気なかったマリアがなぜ知ったのか?
「この度は招待状をどうもありがとうございます」
マリアが結城の方を向き右手を胸に当て、一礼する。そう、招待状の中にはこの方からのもあったのだ。たぶんマリアがグリモアベースに持ち込んだんだろう。
『いえいえ、こちらこそ猟兵の皆さんにはいつもお世話になっています』
「それで、こちらの方々がアースクライシス2019について、現地の視点から知りたいというので……お時間よろしいでしょうか?」
『ああ、構いませんよ』
――我々に伝えられるのはあくまで【猟兵、そして猟兵組織の視点からの】視点だ。【現地民の視点と同じとは限らない】。
――そうして、しばらくアースクライシス2019談義がされていた。謎となっていた知られざる文明の発覚、ロサンゼルスの陥落、連日伝えられる49ersを筆頭とした猟兵の活躍、比較されてしまうヒーローやヴィジランテ、クライング・ジェネシスの陰謀――様々な話で盛り上がる。その最中も甘露島はもぐもぐと美味しそうに食べていては艶守が時折たしなめ、その様子に結城が笑いマリアが頭を抱えていた。
「ねえ、この『クラジェネパフェ』、美味しいよぉ! みんなも――」
「あぁもう……そんな食べながら話すんじゃありません。すいません、無礼な真似を」
『いえいえ、大丈夫です。お元気なことで』
「……(頭痛くなってきたけど、我慢よ我慢……)」
――約1名以外、非常に有意義な時間となった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
久遠・翔
アドリブ絡み歓迎
過去リプレイで出た結城姉妹と千秋さん呼ばれていたら出してほしいです
かなり囲まれて色々話す羽目になった…主に女性に
そして疲れたのか一旦バルコニーに出て休んでいると結城姉妹が
俺は見てないっすけど色々活躍してたから呼ばれているだろうなとは思いましたが…ま、それはともかく最近の状況をお互いに交換
話している内に千秋さんの話題に
二人に千秋さんにどうして欲しいなどを聞いた後一人で夜風に当たりたいといった後二人と別れ背後の暗闇に小さく「だ、そうですよ?」と声をかける
何で分かったって…俺だったらそうするっすもんと微笑み
そして千秋さんにも同じ質問して最後に
俺信じてますよ?3人また揃える日が来る事を
●――彼女たちの未来は
「ふー……勘弁してほしいっす……」
この男――間違えた、この女、久遠・翔(性別迷子・f00042)。
「俺は男っすよ!!」
49ersでもないのにその無自覚の誘惑のせいで囲まれていてすごく大変だったのだ。――主に女性に。あれ? でもそれって、男として見られているってことだからいいんじゃあ……? な、何はともあれ。
「ちょっと休憩っす――あれ?」
バルコニーに出ると、そこには黒いドレスと白いドレスを着た姉妹みたいな人が。 ――翔はこの2人には見覚えがある。
「アイシャさん! 香澄さん!」
『ん? あっ、あなたは!』
『あの時の千秋、ですか!』
「千秋じゃないっす!」
ヒーローズアースがまだ戦争じゃない頃、翔は別々の事件でこの2人と関わりを持っていた。その時にこの2人を魅了していたのだ。
「俺は見てないっすけど色々活躍してたから呼ばれているだろうなとは思いましたが……」
『私はそこまででもないよ? アイシャは結構走り回ってたよね』
『ロサンゼルス戦線が大変だったからね……』
「ははは……お疲れ様っす。……ん?」
翔がふと思う。香澄は一般人だ。ヒロインじゃない。じゃあなんで香澄は呼ばれたんだ……?
「なんで香澄さんはここに?」
『あ、私たちの父さん、ジャーナリストしてて。割と有名なんだよ』
「ジャーナリスト、っすか……」
視聴者の方はわかるだろう。それはさておき。しばらく他愛ない会話をしていると――
「そういえば――千秋さんはどうしているっすかね」
『あー』
『そういえば連絡ないよね、最近アイシャも戦ってないみたいだし』
千秋というのは彼女たちの昔の友達だ。――もともと仲がよかった3人は、【ヒロインに選ばれた】【ヴィランに選ばれた】【選ばれなかった】で道が分かたれてしまった。運命というものの理不尽さを感じさせるものだ。そしてその千秋は――アイシャの宿敵で、ヴィランだ。
「二人はどうしてほしいっすか? 千秋さんに」
『そりゃ、また3人で一緒に遊びたいよ! ね、アイシャ?』
『なんか、自首したとか報道であるし、もうヴィランでいるのは厳しいのかな……戦争終わったら決着つけたかったけど』
「ははは……それは、残念、かも、っすね……じゃ、俺はこれで……夜風に当たってくるっす」
『『じゃーねー』』
――翔がしばらく歩いて――立ち止まる。
そして背後の暗闇に、小さく、
「だ、そうですよ?」
――と声をかけた。
『――いつから気づいていたっす?』
背後から出てきたのはいつもと違う服装の――千秋本人。
「俺はシーフっすからね――気配を探るのは得意っすよ」
『……はあ。あの時変な縁を作るもんじゃなかったっす』
――翔は千秋とも別の依頼で縁を結んでいる。
「それに――俺だったらそうするっすもん」
翔はにこやかにほほ笑む。と、その時――翔は驚いた。千秋、あちこちが包帯でぐるぐる巻きで痛々しい姿になっている。それでもなお苦笑しつつ。
「千秋さんはあの2人にどうしてほしいっすか?」
『――あちしは、あいつらが成長するなら別にどうなってもいいっす』
――自分は、アイシャに■されたい。その意志は、そこから来てるもの――
『あちしは今療養中の保釈中っす。釈放されたところで――』
「――ロサンゼルス、頑張ったんっすよね」
『!?』
なぜわかった、という顔。それににこやかにほほ笑み。
「聞いたっすよ、ロサンゼルスの重傷者の中に千秋さんの名前があったってのを。しかも――ダークヒーローとして」
『恥ずかしいっす』
「――未来は不確定、っすよ」
翔は去り際に言い放った。
「俺信じてますよ? 3人また揃える日が来る事を」
●パーティはまだ続く
猟兵たちを招いたパーティはまだまだ終わることを知らない。
クリスマスのヒーローズアースは、まだ盛り上がりそうである。
でも、この報告書で語るのは、この一部の猟兵たちの話だけでおしまい。
――願わくば、この世界にも、平和な日々が訪れますように。
大成功
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