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然れば汝らに救済を

#ダークセイヴァー

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#ダークセイヴァー


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●積み上げられる悲劇
 これは慈悲である。
 これは温情である。
 歓喜に咽び感謝に頭を垂れよ。
 この儀により汝らは平穏を約される。

 目のところだけ穴をあけた麻の袋を頭からかぶった人々が、村のはずれで粛々と儀式の準備を進めていた。誰もが言葉少なに、けれど手際よく供物がずれないよう縄で縛め、供儀台へ乗せようと数人で担ぎあげる。
 夕暮れ迫る午後のことだ。様子だけ見れば静けさに満ちていても不思議のない風景だったが、しかし実際には絶叫が繰り返し迸っていた。
「いやああああ! やめてえ! なんであたしなの、なんで?!」
 村が豊かでないことは誰が見ても明らかだ。いやむしろ、この世で豊かな場所などありえないのだと村人たちは信じている。でなければ不公平ではないか。
 旱魃で昨年もろくな作物が採れなかった。
 その前の年は大雨で作物はみな流されてしまった。
 当然のように村は貧しく、村人はみな痩せ細り、一日を乗り越えるので精一杯だ。この上の災厄を避けるには、領主からの通達に従うよりほかにない。
 すなわち、村人の中から贄を一人選び出し、供物として捧げる。
 話し合った結果選びだされたのが、春に幼馴染と所帯を持つはずだった娘だった。彼女が子供を除けば村で一番若いから、ただそれだけの理由。
「助けてデニス! おねがい、たすけ……!」
 涙にまみれて叫ぶ娘の口に猿轡がかまされた。もがく娘を5人がかりで担ぎあげ、歴代の贄の最期を見届けてきた台へ恭しく乗せる。娘を縛り上げた縄を台に括りつけ、全ての作業を終えると村人たちは娘に背を向けた。
 もう娘がどんなにもがいても逃げられない。
 誰がどんな作業を担ったかわからないよう被った麻袋はそのまま、一列に並んで街道へ向き、深々と一礼する。
「どうぞご領主様のご意志に沿いますよう。どうぞご満足いただけますよう」
 獣避けの槍を携えた村人が進み出て、贄に引導を渡すべく構えた。
 願いが聞き届けられますように。
 けれど全てが虚しいのだと、どこかで彼らも知っているのかもしれない。
 彼らの上に君臨するものは、彼らの安寧をこそ疎んでいるのだから。

●苦難の世界
 ダークセイヴァーの世界には希望が乏しい。オブリビオンの支配下にある世界で支配に耐えながら生きることは簡単ではない。だから一概に村人を責めるつもりはないけれど、とテス・ヘンドリクス(人間のクレリック・f04950)は渋面だった。
「それでもいい気はしないよね。私たちの手が届く範囲は出来る限りを尽くしたいよ」
 贄に選ばれたユッタはまだ18歳だ。村のしばしの安寧と引き換えにただ殺される。
 最初に取り掛かるのは、ユッタをどうにかして救うことだ。供儀台は村の入り口の外にあり、台に乗せられた彼女を立たせて村人が槍で突き殺す。彼女を解放しようとすれば村人が抵抗するのは間違いない。もちろん説得できればそれがいい、が。
「多分最初が一番、みんなにとって大変だと思う。でもユッタの縛めを解いておかないと、その後が大変なんだ」
 村人を捩じ伏せるなり、説得するなりできたとして。贄となった者の魂を連れ去るべく現れるのがおぞましき死霊の群れだ。
「これまでに贄として死んでいった人たちが死霊になっちゃってるの。十数体出てくるから油断しないように気をつけてね」
 そして、贄が死ななかった――約束が守られなかった場合に村を『救って』くれる異端の神が現れる。救済の代行者・プレアグレイスが。彼女は安息を求める村人たちに、彼女の『救済』を与えるだろう。
「ユッタを救うからには村も守らなくちゃ意味がないんだ。結構な強敵だけど、皆に手を貸して欲しいの。お願いだよ」
 予知したからには前線へは出られないテスが唇を噛み、グリモアを起動した。
 介入の始まりだ。ユッタに槍の穂先が突き差さる、その少し前へ。


六堂ぱるな
 はじめまして、もしくはこんにちは。
 六堂ぱるなと申します。
 拙文をご覧下さいましてありがとうございます。

●状況
 ダークセイヴァーの世界、中でも辺境の貧乏村です。日暮れの近い午後4時頃、薄暗い空の下で贄を捧げる儀式が行われようとしています。
 猟兵たちはユッタが村人によって殺されるぎりぎりに駆けつけることになります。

●敵
 この村の住人は日々をやりすごすので必死です。ユッタを贄とすることも望んではいませんが、全滅するよりはいいと思っています。
 どんな手段であれ村人たちを退けたら、十数体もの死霊の群れが現れます。死霊の群れに敵味方の概念はなく、この時村人たちやユッタが村の外にいると殺害されるので気をつけましょう。

 皆さまのご参戦をお待ちしております。
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第1章 冒険 『贄の祭』

POW   :    贄となる人間を周りの村民から身を呈して守る

SPD   :    処刑から贄を連れて逃げ回る、背後などを取って気絶させる

WIZ   :    言葉巧みにこの行いをやめるよう説得

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

コンラート・シェパード
(※アドリブ歓迎)

成る程。
では、助けにいこうか。

【POW】
身を呈して護ろう。生憎身体は頑丈に出来ているからな、問題ない。
「大丈夫。君たちを護るよ」
ユッタを落ち着かせようと優しく声を掛けつつ彼女を庇う。
同時に村人を傷付ける意図は無い故ドラゴンランスの柄や石突等で彼女を殺そうとする槍をいなす。
出来れば無粋な猿轡や紐をほどき、その華奢な肩に己の上着を掛けてあげたい。
身体を冷やすのは、よくないからな。


栖夜・鞠亜
まりあは見慣れてるから、別に・・・
けど見捨てる理由は、無い。

誰かが救出するだろうから、まりあは少しでもそれの援護になればいい。
弾丸に属性攻撃を付与、狙撃銃で光の弾丸を上空に撃つ。 強烈な発光による閃光弾の代用。
まりあが最後尾に居れば、前進する味方は妨害しない、こちら側を向いている村人には一時的な目くらましになる、はず。

説得は成り行きを見守る。
まりあは人と話すの苦手だから上手くいけばそれで、いい。


華折・黒羽
アドリブ・共闘の絡み可
方針【SPD】

言葉で説得するのは苦手なんだ。俺は、俺の出来る事をする。

●行動
贄の女の生存を最優先
ユーベルコードを発動し黒帝を呼び出して一気に供儀台へ駆ける
村人の怯んだ隙に縄を切り救出
獣人の俺の姿と合わせ黒帝の大きさで村人への威嚇も出来ればと

仲間内が女を連れて逃げているのであれば周囲の村人を退ける事に重点を、自身が女を抱えるのであれば足は黒帝に任せ、俺は近距離まで近付いてきた村人を退ける事に重点を置く。村人へは剣の鞘で手加減攻撃。

●補足
黒帝:黒いライオン(全長3M弱)
黒羽:猫の獣人


行き着く先になんの救いも無い死なんて…
「命」は、そんなにも軽々しく扱われていいものなのかーー?


シホ・エーデルワイス
1人を犠牲にし他を助ける…
確かに犠牲は最小限
でも…

やっぱり駄目です!
結婚を目前に生きる事を諦めていないユッタさんを生贄にする事だけは!

ただで命を助けてとは言いません
私が彼女の代わりに生贄になります

供儀台に立ち村人達に胸元をはだけて聖痕を見せ

この聖痕は必要な時に生贄となる使命を負った者の証
生きたいと願う彼女より【覚悟】のある私が適任でしょう
その代わりもし奇跡が起きたら私達を信じて

ちゃんと縄で縛って下さいね
でないと儀式にならないでしょう
大丈夫です
私は皆さんが救われる事を【祈り】ます

処刑中、私は微笑みを崩さず無抵抗の振りをしますが無敵城塞で耐える
村人が狼狽えだしたら再説得

私達の事信じて頂けませんか?


弦月・宵
シホ(f03442)を手助けしたくて参加

村人に一人の犠牲者も、負傷者も、出したくない。
手を上げるのが誰であれ『優しさ』で『先制攻撃』って事で、村人に危害を加えようとする者との間に入り『救助活動』。
村人には、他に方法があるって説得する。
皆、気持ちに余裕がないのは分かる。けど、それじゃ領主が日に一度の供物を求めてきても従うの?
少しでいい。オレ達は今と、これからを守る為に来た。話を聞いて。
罪悪感があるから、麻袋なんてかぶってんだろ?

村民が納得する前にシホの【無敵城塞】が切れる等不足の時は、【生まれながらの光】を使って不自然でないように対処。
必要なら村人にも使用して、奇跡の証明にもなればいいんだけど。



●惨楚の中で
 娘のくぐもった悲鳴がこぼれる。彼女と同じ村で生活し苦労を共にしてきたはずの者たちこそが、彼女を死へ追いやろうとしていた。こと、その一点においてはこの世界ではそう珍しい話でもない。
 一人を犠牲にして他者を助けるというなら、確かに犠牲は最小限。でも。
 シホ・エーデルワイス(オラトリオの聖者・f03442)は黙っていられず飛び出した。
「やっぱり駄目です! 結婚を目前に生きる事を諦めていないユッタさんを生贄にする事だけは!」
 ふってわいた第三者の声に村人たちが驚いて振り返る。そうなるだろうと思って手助けにきた弦月・宵(マヨイゴ・f05409)も、シホについて駆けだした。
「まりあは見慣れてるから、別に……けど」
 見捨てる理由は、無い。ぬいぐるみ片手に佇む栖夜・鞠亜(ダンピールのマスケティア・f04402)も傍観するつもりはなかった。慣れた手つきでL96A1のボルトに弾をこめ、ハンドルを押し込んでバレルへ送りこむ。
「成る程。では、助けにいこうか」
 穏やかに頷いたコンラート・シェパード(シリウスの鉾・f10201)が動き出すと、村人たちに明らかな動揺が走った。大柄な彼に気を取られたところへ、鞠亜が空へ向かって引鉄をひく。乾いた音と共に閃光が迸り、村人たちから異口同音の悲鳴があがった。
 怯む彼らを置き去りに、華折・黒羽(掬折・f10471)は喚び出した黒帝に乗って供儀台へ一気に乗り込む。わずかに目をやられなかった村人も、巨大な黒獅子を前にして悲鳴をあげて飛びのいた。
 そこへ目を庇った宵とコンラートが、半ば体当たりで割り込んでいく。闇雲に突きだされる槍は宵が難なくさばき、コンラートに体格負けした村人が吹っ飛んだ。攻撃から身を躱しながらシホも後に続いて行く。
 供儀台に達した黒羽はユッタを縛める縄を切り立たせると、猿轡も外してやった。
「あ……あ」
 黒帝に竦んでいるのはわかっていたから、黒羽は続いて供儀台へ上がったシホに後を任せて、黒帝と共に村人の前に立ちはだかった。
「何者だ、おまえら!」
「儀式の邪魔をするな、うちの村を潰す気か!?」
 言葉で説得するのは苦手だ。俺は、俺の出来る事をする。そう思い定めた黒羽は、いきりたつ村人たちを前にしても口をつぐんでおく。まずは近づけないことだ。
 シホがユッタに手を貸して供儀台から下ろしている間、宵は村人を近づけないように後方で数人の気を引いていた。村人に一人の犠牲者も、負傷者も、出したくない。
 その想いはコンラートも同じで、村人をあしらうにしても傷つけないよう気をつけていた。ドラゴンランスの一閃は槍を跳ねのけ、もろい槍などは真っ二つにへし折れる。
「他にも方法はあるよ。罪悪感があるから、麻袋なんてかぶってんだろ?」
「どんな手があるってんだよ? 誰かが死ぬしかないんだよ!」
 宵の言葉に麻袋をかぶった誰かが言い返した。顔を隠すのは互いのためだけではない。己自身の心を守るためでもある。けれど殺される側にとっては欺瞞でしかない。
「ただで命を助けてとは言いません。私が彼女の代わりに生贄になります」
 シホの言葉で、一瞬村人たちの動きが止まった。注意を引いたと確信し、迷いなく胸元をはだけて見せる。そこには彼女の聖痕があった。
「この聖痕は必要な時に生贄となる使命を負った者の証。生きたいと願う彼女より、覚悟のある私が適任でしょう。その代わりもし奇跡が起きたら、私達を信じて下さい」
 ユッタが驚愕した顔で声を詰まらせた。死にたくはない、でも目の前で誰かが身代わりになるなど考えもしなかったのだろう。
「じゃあこいつでいいじゃねえか。なあ、みんなだって余所者のほうが気が楽だろ!」
 折れた槍を持った男が叫んだ。誰も否を唱えないのは、誰もがどうしたらいいかわからないからだ。震えるユッタの傍へ行って、コンラートは上着を脱ぐと驚かさないよう彼女の肩にかけ、優しく声をかけた。
「身体を冷やすのは、よくないからな」
 涙にまみれた娘が彼を見上げ、それでも言葉が出てこない。
「大丈夫。君たちを護るよ」
 立っているのもやっとのユッタを抱えあげ、ゆっくりと村人の包囲から後退していく。それを確認してシホがその場に膝をついた。
「ちゃんと縄で縛って下さいね。でないと儀式にならないでしょう」
「言われるまでもねえよ!」
 もう引っ込みがつかないのか、男が切られた縄を繋ぎ合わせてシホを縛りあげる。勢いのまま他の村人から槍をむしり取ると、彼は震える手で穂先を突きつけた。
「大丈夫です……私は皆さんが救われる事を祈ります」
 あくまでもシホの言葉は穏やかだった。村人たちの間に戸惑いが、次いで恐ろしいことをしようとしているという自覚が蔓延する。
「死んでくれえ!!!」
 自棄っぽい叫びをあげた男がシホに槍を突き刺した。否、突き刺そうとした。
 しかし槍は何故か、見るからに柔らかいシホの肌を傷つけることができなかった。猟兵ならば【無敵城塞】だとわかっただろうが、虐げられた世界の村人には知る由もない。
「くそっ、なんだ?! 何もないじゃねえか、なんでだよ?!」
 男が必死の形相で突くが、穂先は彼女にかすり傷一つつけられず、やがて男が息を切らして座りこんでしまった。
 目を閉じて祈りを捧げていたシホが穏やかに問いかける。
「私達の事、信じて頂けませんか?」
 どうしても彼女に刃が立たないと思い知ると、村人たちの間には動揺が広がった。シホが傷つかず、なおかつ村人に常ならぬ現象を印象づけられたことに宵は安堵の息をつく。
 村人たちが顔を見合わせた。そう、奇跡だとして。だとしても。
「……けどこれ、捧げられねえってことだよな。ご領主様のお怒りに触れるよ」
「だよな……」
 オブリビオンの支配下で生きてきた人々には、縋れる希望は存在しなかった。奇跡があるとしても、それが領主から守ってくれるわけではない。
「皆、気持ちに余裕がないのは分かる。けど、それじゃ領主が日に一度の供物を求めてきても従うの? 少しでいい。オレ達は今と、これからを守る為に来た。話を聞いて」
 宵の問いかけに村人たちが顔を見合わせた。これまで一言も喋らなかった一人の男に彼らの視線が集中する。観念したように麻袋を取ったのは厳めしい顔の中年男で、ユッタが声をあげた。
「……村長……」
「すまんな、ユッタ……日に一人。そうならないことを祈って、我々は捧げ続けてきた。余所者のあんたらにはわからんだろうが、我々には他に術がないんだ」
 村長の言葉尻に喰いつく勢いでまだ麻袋を被った男が吠える。
「俺たちだってこんなことしたくねえ! けど誰か捧げないと、おっかあも子供たちもどうなるかわかんねえんだ!」
 再び村人たちがユッタを取り戻そうと動き始めた。黒羽が黒帝に跨って割り込むと一瞬は逃げ散るが、諦めようとはしない。麻袋を被ったままの村人の叫びに、コンラートに抱えられたユッタが泣きながら喚いた。
「みんなごめん……でもやだよ、やだ、死にたくない!!」
「今更誰か別の奴に死ねって言うのか、ユッタ!」
「ごめん、ごめんなさい……!」
「大丈夫。誰も傷つけたりしないから、落ちついて」
 泣き崩れるユッタを抱えて、コンラートは専守防衛に徹した。生来頑丈な身体にものをいわせて槍をさばいては退く。追いすがろうとする村人たちの前へ滑りこんだ鞠亜は、既にライフルに弾を装填していた。再び銃が火を噴き、閃光弾が村人たちの目を灼く。
「わあっ?!」
 これもまた、彼らにとっては奇跡のうちなのかもしれない。ボルトハンドルを引いて薬莢を排出し、次弾を装填しながら鞠亜は眉をひそめる。人と話すのが苦手だから、仲間の説得が上手くいけばと思っていた。
 尚も追おうとする村人たちの槍や棒を宵が受け、黒羽も剣の鞘で受け流しては軽い当て身を入れていった。傷つけないようとなるとなかなかに骨が折れる。
 シホの言葉が村人に通じなかったわけではないのだ。むしろ彼らの心の柔らかい部分に突き刺さったと言ってもいい。
 ただ、奇跡を信じて儀式をせずに済ませられるほど、村人たちの心は強くなかった。
 流れる血がなければ安心できないのだ。犠牲がなければ生きられない、そんな生活しか彼らは知らない。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

コノハ・ライゼ
……虫唾が走るってぇヤツな

【POW】
ユッタは必ず助ける

村人の持つ槍へ『捨て身の一撃』仕掛け
ユッタとの間に入り『かばう』
抵抗する村人が尚ユッタを殺そうとするなら庇う事を優先の上「柘榴」で縄を切る
なに、幾ら槍が来ようと礫が飛ぼうと、捌ききってやんよ
料理人デスから

さあじき贄の迎えが来る
連れてかれたくなけりゃ村から一歩たりとも出るンじゃナイよ
贄を捧げなければ村の終わり?
要は、元凶を無くしゃあいいンだろ
グダグダ言うなら追い立てるように【月焔】で炎撒く
(説得試みる者が居れば邪魔はしない)

アンタらが村の為ヒトの人生犠牲にしたように
オレもアンタらのこれまでなんざ知ったこっちゃねぇンですよ
目の前の命の為にはね


花邨・八千代
こーゆーのを見て面白がってんだろうなぁ。
趣味悪ぃーのな、オブリビオンってのは。
……なんだろうな、生贄って言葉ァ嫌いだ。俺は、なんも覚えてねェけど。

◆行動
「怪力」使ってユッタを抱えて【空躁】で飛び回るぞ。
鬼さんこちら、なんつってな。
途中で味方にパスしつつ村人を翻弄するぜ。
必要があれば「恫喝」で牽制するぞ。

麻袋被るのは儀式に必要なのか、それとも罪悪感を軽くするためか。
否定はしねェけど猟兵に見つかったのが運の尽きだ。
悪ぃね、自己中な奴等なんだよ俺ら。
だから勝手に手ェ出させてもらうぜ、了解はいらねェよ。
恨むでの憎むでも好きにしてくれや。


ロカジ・ミナイ
その槍待ったぁーー!……間に合ったかな?
兄さん方、怖い顔で槍持ってる場合じゃないよ。
見てよ、この食料の山。
猟兵のコネを駆使した僕が調達してきたんだけどさぁ。

いつ施されるかも分からない領主からの許しより、
今ここでありつける飯の方がずっと信用出来るでしょ。
後のことは飯食ってから考えようよ。
その方がいい考えに辿り着くってもんさ。
それにもうアンタらのバックには僕ら猟兵がいる。
さぁ、見つからないうちにコイツらを村に持って帰んな。
ほらほら、嬢ちゃんも、早く。


フェルト・ユメノアール
悪趣味な神様もいるものだね
でも、安心して!
ボクたちが3流の悲劇を1流の喜劇に変えてみせるから!

『SPD』勝負でユッタくんを助け出すよ
そうと決まれば……ボクは手札から【SPタンブルタイガー】を召喚!
そして、タンブルタイガーの効果発動!
バトルエリアに存在するこのカードを装備カード扱いとして他のユニットに装備する事ができる!

タンブルタイガーに騎乗し、他の人が起こした騒ぎに乗じて一気に処刑台に接近
縄を素早くナイフで切断、ユッタくんを後ろに乗せてとにかく殺される事がないように引き離す
村の人が妨害してきた時は『フェイント』を入れたステップですり抜けたり
怪我をしないようにカードを『投擲』して武器を打ち落とす


ヘンペル・トリックボックス
──そう躍起になることもないでしょう。麻袋一枚で、彼女が贄に変ずる道理もなし。それとも、なんです?あなた方は、揃いも揃って年頃の娘を突き殺して悦に浸る趣向があるのですか?

ユッタの安全が確保された段階でUCを発動。村人の暴走に対する牽制と我々の戦力の証明として、一周回って村人の心の拠り所になっているであろう供儀台を、木っ端みじんに破壊します。その後、『良心の呵責』『不安の払拭』『未来への希望』の三点を中心に、村人に説得を行うとしましょう。

隣人を差出し、若い芽を摘むのは皆さんも辛かった筈です。しかし、今は個々の罪を問う場面ではない。真に悪辣たるはこの状況を作り出したモノの筈。違いますか、皆さん?


ウィンディ・アストレイ
アドリブ&絡み歓迎です

【WIZ】
ナノスキン以外の装備を外し、普段着で猟兵達の後から声を張る

即興劇をご存知ですか?
適当な舞台に役者が立ち、進行に応じて観客も舞台に上がって
即興で話を進めていく、演劇の一種です。

不思議なのは…後から参加する人達は、これまでの話に沿った
芝居をする事は、強制されていません。
なのに…これまでの話から外れる演技をする人は、ほぼ居ません。
そう演じねばならないという心理に、囚われてしまうのです。

貴方がたも、今。そういう状況に居るのです。
領主の意に従い、贄を捧げねばならないという舞台設定。

私達がこの舞台設定を、必ず変更してみせます。
血と涙で染まった即興劇を、皆で終わらせましょう。



 追い詰められた者同士の叫びはどこまでも平行線で、それも当然だろう。何よりもタチが悪いのは、こんな事態を引き起こした支配者はここにはいないということだ。
「こーゆーのを見て面白がってんだろうなぁ。趣味悪ぃーのな、オブリビオンってのは」
「……虫唾が走るってぇヤツな」
 渋面でぽつりと花邨・八千代(可惜夜エレクトロ・f00102)が呟けば、堪えかねたコノハ・ライゼ(空々・f03130)も思わずこぼした。もし今耳や尻尾が出ていれば、毛が逆立っているに違いない。
 猟兵たちが自分たちを殺そうとしていないことに気がついたのか、村人の数人が黒羽を押しのけ、強引にコンラートからユッタをもぎ取ろうと掴みかかった。こうまでして彼らがユッタに求めるものを思い、黒羽の胸を昏い気持ちが塞ぐ。
(行き着く先になんの救いも無い死なんて……『命』は、そんなにも軽々しく扱われていいものなのか――?)
 コンラートはあくまで冷静に槍の柄で数人を払いのけ、アイコンタクトで近くを駆け抜ける八千代にユッタの身柄をパスした。
 怪力を発揮し軽々と受け止めた八千代を、方向転換した村人たちがすぐさま追った。その引き攣った顔を見ていると、胸で何かが棘のようにひっかかる。
(「……なんだろうな、生贄って言葉ァ嫌いだ。俺は、なんも覚えてねェけど」)
 ざわつく想いを振り切るように【空躁】で空を踏んで跳び回った。
「鬼さんこちら、なんつってな」
「ユッタを返せ、よそもん!」
「麻袋被るのは儀式に必要なのか、それとも罪悪感を軽くするためか。否定はしねェけど猟兵に見つかったのが運の尽きだ」
 驚きすぎて悲鳴も出ないユッタを担いで駆ける彼女を、村人が包囲しようと輪を絞る。途端に輪の外から切りこんできたフェルト・ユメノアール(夢と笑顔の道化師・f04735)が、ユッタを掻っ攫うように受け取っていった。
「悪趣味な神様もいるものだね。でも、安心して! ボクたちが三流の悲劇を一流の喜劇に変えてみせるから!」
 赤いマフラーを翻し、道化師の格好のフェルトとユッタを乗せたタンブルタイガーが疾走する。見慣れぬ大型獣を二度も見る破目になった村人たちは騒然となった。回り込んで槍を突き入れようとする村人の前へ、コノハが捨て身の勢いで身を捻じ込んだ。
「無茶はダメだよ、ボクにはまだ手札があるんだから!」
 フェルトが預かっている以上心配はないとわかっていても、穂先を捌く柘榴の勢いは加速する。槍を折られた男が石を投げつけてきたが、不敵な笑みで難なく躱した。
「なに、幾ら来ようと捌ききってやんよ。料理人デスから」
 コノハの苛立ちはフェルトにもわかる。猟兵たちに引きずり回され体力を浪費した村人の足は止まり始めた。それでも何がそうさせるのか、怒りに燃える数人が石を拾ってフェルトやその腕の中のユッタへ投げつける。無論黙って受けるフェルトではない。
 ユッタを自分の後ろへ座らせると、扱い慣れたカードが手品のように閃かせ、礫を片っ端から打ち落とした。目の前に飛び出す村人はタンブルタイガーが鮮やかなステップで避けてのける。背中にしがみつくユッタが悲鳴をあげた。
「俺らに死ねって言うのか?!」
「──そう躍起になることもないでしょう。麻袋一枚で、彼女が贄に変ずる道理もなし。それとも、なんです? あなた方は、揃いも揃って年頃の娘を突き殺して悦に浸る趣向があるのですか?」
 息を切らせて膝が笑いだした村人たちの心臓に、ヘンペル・トリックボックス(仰天紳士・f00441)の言葉はざっくりと突き立つように響いた。強張った顔で振り返る村人へ、にこやかな笑顔でタキシードのヘンペルが一礼する。
 実のところ誰もが思い始めていた。渡せ、捧げろと叫び追いすがる自分たちは、まるで殺したがっているようではないかと。
「即興劇をご存知ですか?」
 突然響いた朗々たる声に、彼らがびくりと竦み上がる。武装という武装は外し、ナノスキンに普段着だけのウィンディ・アストレイ(W-ASTRAY・f09020)が佇んでいた。
「適当な舞台に役者が立ち、進行に応じて観客も舞台に上がって即興で話を進めていく、演劇の一種です」
「……なんの話してんだ、あんた」
 麻袋を被った訝しげな村人に促され、ウィンディは語を継いだ。
「不思議なのは……後から参加する人達は、これまでの話に沿った芝居をする事は、強制されていません。なのに……これまでの話から外れる演技をする人は、ほぼ居ません。
そう演じねばならないという心理に、囚われてしまうのです」
「だからあんた……」
 ウィンディに問い質そうとした村人が息をのむ。彼女の傍らに立つヘンペルが徐に呪符を取り出した。紡がれるのはユーベルコードの呪。
「遍く帝釈天に帰命し支え奉る! 其の権威を以て悪しきを尽く焼き滅ぼしたまへ!」
 閃光が走ったかと思うと、辺りに腹に響く轟音が響きわたった。何かの焼ける匂いと煙が漂い、あまりに間近で起きた落雷に腰を抜かした村人も出たようだ。互いの無事を確認すると、そろりと後ろを振り返る。
 音の源、供儀台は跡形もなく吹き飛び、木端微塵になっていた。
「隣人を差出し、若い芽を摘むのは皆さんも辛かった筈です。しかし、今は個々の罪を問う場面ではない。真に悪辣たるはこの状況を作り出したモノの筈。違いますか、皆さん?」
 ヘンペルが穏やかな口調で語りかける。彼の呪符がこんな事態を引き起こしたと知ると、村人たちが彼から恐々と離れ始めた。
「貴方がたも、今。そういう状況に居るのです。領主の意に従い、贄を捧げねばならないという舞台設定なのです」
 言い聞かせるようなウィンディの言葉に、男が一人反駁する。
「これで村がお咎めを受けたら、オレらの今までの犠牲はどうなんだよ?!」
「アンタらが村の為ヒトの人生犠牲にしたように、オレもアンタらのこれまでなんざ知ったこっちゃねぇンですよ。目の前の命の為にはね」
「そんな勝手な……!」
 コノハにあしらわれて声を荒げる男へは、八千代がトドメの一言を放った。
「悪ぃね、自己中な奴等なんだよ俺ら。だから勝手に手ェ出させてもらうぜ、了解はいらねェよ。恨むでも憎むでも好きにしてくれや」
 疲れきった村人たちがまたしても顔を見合わせる。せめて良心に訴えられれば、同情を買えればと思っても、こう言い放たれては打つ手がない。そしてこの謎の余所者たちの言葉は、ずっと目を背けてきたことを思い出させる。
 一瞬落ちた沈黙は、彼方からの声によって破られた。
「その槍待ったぁー!……間に合ったかな?」
 大荷物を背負ったロカジ・ミナイ(きまってない・f04128)だった。疲れきってへたりこんでいる村人たちと、彼らの前に立ちはだかる仲間たち。ユッタを背後に庇いタンブルタイガーに乗ったフェルトが、村人たちからきっちり距離をとりながら手を上げた。
「うん、間に合ってるよ」
 ほっとしたようにロカジがぱっと笑みを見せる。
「兄さん方、怖い顔で槍持ってる場合じゃないよ。見てよ、ほら。猟兵のコネを駆使した僕が調達してきたんだけどさぁ」
 ロカジが荷物を下ろして袋の口を開くと、詰められたたくさんの干し果物が顔を出した。途端に村人たちの顔色が変わる。別の袋から野菜が現れると、村人の一人が積まれた袋のひとつに飛びついて開いた。
「見ろ、こっちは麦だ! 干した魚もあるぞ!!」
「いつ施されるかも分からない領主からの許しより、今ここでありつける飯の方がずっと信用出来るでしょ。後のことは飯食ってから考えようよ」
 百の正論よりも村人の反抗心を封じたのは、実のところ食料だった。今も村のあらゆる家族が草の根すら掘って糊口を凌いでいる。領主の怒りも無論恐ろしいが、それも生きていればの話だ。
 村の住人全員を満たす量とはいかなかったが、それでもロカジの用意した食料は充分に村人の心を動かした。そしてそれを、村長も嫌というほどわかっていた。既に村人のほとんどが食料の袋を手にしていて、槍を構えて踏ん張っているのは二人だけだ。
「余所もんの口車に乗るんじゃねえ! 村長、あんたからも言えよ!! 贄を捧げなければ俺たちは……」
 戸惑った顔をする村人が村長を振り返ったが、その言葉の先をコノハがさらった。
「俺達は? 村の終わりか? 要は、元凶を無くしゃあいいンだろ」
「飯食ってからの方がいい考えに辿り着くってもんさ。それにもうアンタらのバックには僕ら猟兵がいる。さぁ、見つからないうちにコイツらを村に持って帰んな」
「いや、しかし……」
 ロカジにひと押しされて、村人たちは最終判断を村長に委ねた。視線が集まり、難しい顔で黙り込んだ彼にウィンディが告げる。
「私達がこの舞台設定を、必ず変更してみせます。血と涙で染まった即興劇を、皆で終わらせましょう」
「――信じていいのか、君たちを」
 唸るような言葉に、集まった猟兵たちが或いは頷き、あるいは目だけで請け負った。
 日はとうに傾き、骨まで沁みるような冷気が日暮れと共に忍び寄ってきている。微かな音を聞きつけて、コノハは声を張り上げた。
「さあ、じき贄の迎えが来る。連れてかれたくなけりゃ、村から一歩たりとも出るンじゃナイよ」
「何? どういうことだ、まさかご領主様が……」
 声を上擦らせる村人を追いたてるように【月焔】を放った。月白の炎がぱっと散り、驚いた村人たちが食べ物の入った袋を握って村の中へ走りだす。
「ほらほら、嬢ちゃんも、早く」
 ロカジに肩を叩かれて、ユッタは一同を見回した。不安そうに村人たちを見やる。ほとんどが慌てて目を逸らしたりしたが、村長は頷きを返し手招きした。
「急ぎなさいユッタ。きっと彼らが何とかしてくれる」
「……あ、ありがとう、みんな……」
 手を引かれ走りだしながら、振り返ったユッタが猟兵たちへ精一杯の感謝を訴えた。
 駆けこんで行った村人たちによって、村の入り口の門が閉まる。獣よけの柵はくたびれてはいてもしっかり村を取り囲んでいて、猟兵たちでこれから来る災厄を散らせば危険が及ぶ心配はなさそうだ。
 ひとまずユッタの命の懸念は去った。それだけで、猟兵たちはひと息つく。

 空が夕陽の色に染まるころ、嘆きの声が近づいてきた。オブリビオンによる不遇の死を迎え正負の感情の入り混じった死霊の群れは、遭遇する生者を焼き、死の世界へと引き摺りこむだろう。
 死してなお救われない彼らに憐れみを覚えようとも、叫びに耳を貸してはならない。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『残影』

POW   :    怨恨の炎
レベル×1個の【復讐に燃える炎の魂】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
SPD   :    同化への意思
【憐憫】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【異形の肉塊】から、高命中力の【絡みつく傷だらけの手】を飛ばす。
WIZ   :    潰えた希望の果て
【悲観に満ちた絶叫】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●虚ろなる残り火
 死せるものは夜の闇の中にのみ姿を現すわけではない。まだ充分に明るい中を、それは悲痛な声をあげながら近づいてくる。
 理不尽な死を迎えた者たちは死せども囚われの身のままだ。生前の姿を保ったまま、己と同じように非業の死を遂げたものの魂を連れ去る。のみならず生きている者も構わず嘆きの声で息の根を止め、群れに加えてしまうだろう。
 ざっと見たところ十数体、彼らは猟兵を見るや真っ直ぐに向かってきた。
 滅びを与えられてやっと彼らは解放される。そうできるのは猟兵たちしかいない。

 
栖夜・鞠亜
情に流されるつもりは、無い。
非業の死を遂げていない幸運な人間がこの世界にいるの?
まりあは神父でも無いし、迷える魂を救える術も知らない。
だから、何も残らないくらい粉々にしてあげる。

弾丸に光属性を付与して属性攻撃に利用する、あとはユーベルコードを重ね掛けして向かってくる残影達を炸裂弾の狙撃で地面ごと耕すように吹き飛ばす。

狙撃のために距離は置くから、【悲観に満ちた絶叫】の射程に早々入らないと思うけど、念のために近い奴には気を付けて先に処理する。


コノハ・ライゼ
やっぱ胸糞悪ぃ
溜息ひとつ、得物を握り直し
だが生きてるの相手よかよっぽどやり易ぃや

【WIZ】多数相手ならお任せあれ
他の猟兵の動き見つつ攻撃援護主体で動こうか
『高速詠唱』の【彩雨】にて呼び出す数多の氷の針を敵全体に向け降らせ
地へと縫い付けその足を鈍らせよう
『2回攻撃』で手近な敵の懐へ飛び込み
「柘榴」を『傷口をえぐる』ように刺し裂いて『生命力吸収』する
ああ、コイツらはホント美味くねぇンだから

炎や手を飛ばす反撃へは【彩雨】ぶつけ相殺狙い
キツそうな仲間がいれば『捨て身の一撃』割り込ませ『かばう』ヨ
怨恨も悲観も傷の痛み以上に効きやしねぇっての
この黒幕を、どう料理するかしか考えてねぇからネ


ロカジ・ミナイ
ああ……イヤだねぇ、この声、この音。
いつまでも鳴り止まず、終わらせてもらえない慟哭。
ああ、イヤだイヤだ。せっかくの煙草が不味くなる。

実は僕ね、道連れにされるのはやぶさかではないんだよ。
ただ、付いてく相手は厳しく審査するって決めててねぇ。
……ごめんね、失格。

雑に指差し吟味して失格の鉄槌を下す。
数が多いけど一体ずつ、僕の小さなこだわりだ。
借りものの憐憫に慈悲はない。
さっさと目の前から消えてくれ。

しかしながら、君らから得られるものもあるかもしれない。
聞きはしないよ。ただちょっと観察するだけ。
領主とやらが贄を求めた目的とかさ、気になるじゃない。
これから挨拶にいくなら尚更、知っておいて失礼はないでしょ。


ウィンディ・アストレイ
「百の言より一個のパン…お見事でした。ボクも気付くべきでしたね」
賞賛の後、意識を戦いに

白い烈光と共に現れた
全身に白く流麗な甲冑を纏った様な長身の人型が、ボク…私の真の姿
(ブラスターテッカマンブレードやサイバスターがイメージ)

「怨嗟を全て吐き出して…ゆっくり眠りなさい」

『暗視&視力』で視認しつつ
敵がある程度密集していたら、オーラ化した射撃武器の
『先制攻撃』UCフルバーストで数を減らします

散開していたら『先制攻撃』『一斉発射』『2回攻撃』『援護射撃』で
攻撃を集中させて各個撃破
接近されたら『盾受け&カウンター&零距離射撃』で躱しつつ
スラスターを吹かせて(ダッシュ&ジャンプ&空中戦)間合いを離します


フェルト・ユメノアール
ユッタくんが無事で本当によかったよー
でも、ここからが本番だね!
みんなを笑顔にするためにも、何としても村を守り切るよ!

ショウマストゴーオン!
変幻自在の魔術師よ!その歓声に答え、鮮やかに舞台を彩れ!
カモン!【SPクラウンジェスター】!
負の感情に飲まれない為にも亡霊を笑顔にするくらい明るくお客さんの前で芸をする時みたいに振る舞い戦う
『SPD』を利用して敵に的を絞らせないようにクラウンジェスターと『フェイント』を入れて連携、攻撃するよ
具体的にはボクがトリックスターを『投擲』して敵の妨害をしつつクラウンジェスターが攻撃
敵が反撃しようとしたら即座に回避&後退、そのまま前衛後衛を入れ替えて追撃!みたいな感じ



 閉まった村の門を見届け、フェルトが最初に明るい声をあげた。
「ユッタくんが無事で本当によかったよー。でも、ここからが本番だね!」
 村人の見せた態度やものいいは決して人を喜ばせるものではなかったが、それぐらいで彼女から笑顔が消えたりはしない。
「みんなを笑顔にするためにも、何としても村を守り切るよ!」
 道化師として人々を笑わせることはできなくとも、この危急から救うことはできる。
 一方で、村人たちの掌の返しぶりを喜ぶ気にはなれないコノハは気分が晴れなかった。
「……やっぱ胸糞悪ぃ」
 難しい顔でため息をつくと、改めて得物を握り直す。荒涼とした地平を遮るのは葉を落とした枯れかけの木立。木々の狭間から現れる死霊たちが近づいてくるのが見える。戦いとなる前にロカジへ歩み寄り、ウィンディは心からの賛辞を述べた。
「百の言より一個のパン……お見事でした。ボクも気付くべきでしたね」
「いやあ。思いの外効いたよね」
 彼女より頭ふたつほど背の高いロカジがちらりと笑みをこぼす。
 思いの外とは随分な謙遜だとは思ったが、ウィンディは死霊たちへ意識を切り替えた。日暮れの世界を灼くような閃光と共に真の姿を現す。小柄な身体に白い流麗なデザインの甲冑を隙なく纏った姿は、騎士じみた高貴さを漂わせた。
 美しい少女の姿はかりそめで、ひとたびその貌を甲冑で覆えば全身から兵装を展開するサイボーグであった。
「怨嗟を全て吐き出して……ゆっくり眠りなさい」
 集まりつつある残影たちの中心へ先制の一斉射撃を食らわせる。迸るビームやガトリングの弾を浴び、直撃した数体が消し飛んだ。しかしそれも残影たちを怯ませはしない。
『ああ……私は、しんだ、のに……どうして……』
『……だれか、いっしょに……』
 地に満ちんばかりの怨嗟の声を浴びながら、しかし鞠亜の柳眉は動かなかった。
「非業の死を遂げていない幸運な人間がこの世界にいるの?」
 情に流されるつもりは、無い。流されたところで救いもない。ましてこの死霊たちが求めているのは、救いではなく同類とすべき生者なのだから。
「まりあは神父でも無いし、迷える魂を救える術も知らない。だから、何も残らないくらい粉々にしてあげる」
 せめてこの世からの解放を。L96A1へ装填する弾を変え、嗚咽をもらし近づいてくる少女の死霊へ狙いを定める。
「吹き飛べ」
 乾いた音をたてて放たれた弾丸が直撃、貫通。爆発するような勢いで立つ地ごと、死霊の全身を粉砕した。ボルトハンドルをひき薬莢を排出すると、次の弾を装填する。
「生きてるの相手よかよっぽどやり易ぃや」
 怨嗟と悲嘆入り混じる叫びをあげて死霊が殺到してくると、コノハは身軽に地を蹴った。多数相手の戦いならばお任せあれ。駆け足で紡ぐ言の葉はすぐさま術を結実させる。
「――煌めくアメを、ご堪能あれ」
 降りそそぐ美しい雨は水晶の針だ。【彩雨】はささめくような音をたてて死霊たちを次々貫き、足を止める。叫びはより一層悲痛さを増し耳を聾するほどに強まり、コノハの間近にまで迫った死霊がもがきながら炎を放った。
 閃く火焔が肌を焼くよりも早く、死霊の懐へ踏み込んで深く柘榴を突き立てる。刃が針で穿たれた傷をなぞるように裂き貫いて、死霊は揺らめき消えた。吸い上げた生命力の味の悪さに眉が寄る。
「ああ、コイツらはホント美味くねぇンだから」
 怨恨も悲観も傷の痛み以上に効きやしない。炎を躱し翻弄する銀の髪が躍る。
 コノハ一人に前衛を任せるわけにはいかない。殺到する死霊たちが放つ負の感情に呑まれないよう、フェルトはあえて声を張った。
「ショウマストゴーオン!」
死霊たちからも笑顔を引きだしそうに明るく、芝居がかった優美な仕草で一礼を。
「変幻自在の魔術師よ! その歓声に答え、鮮やかに舞台を彩れ! カモン! 【SPクラウンジェスター】!」
 現れた王冠をかぶった道化師と共に死霊の群れへ突っ込む。トリックスターを操り仲間へ近づこうとするものめがけて放てば、凝った意匠の愛用のダガーに注意をひかれ死霊の気が逸れた。クラウンジェスターが背後からコミカルに肘打ちひとつ。それだけで死霊は吹き飛んだ。
『……だれかを……連れていかなくちゃ……!』
「おっと、クラウンジェスターはダメだよ!」
 驚いたような仕草でジャンプし跳ねるように退く王冠をかぶった道化師と入れ替わり、フェルトが絶叫する死霊のサイドへ回りこむ。いつの間にか取り戻したトリックスターで胴を払えば、恨めしげな悲鳴が尾を引いた。
「ああ……イヤだねぇ、この声、この音」
 いつまでも鳴り止まず、終わらせてもらえない慟哭。
「ああ、イヤだイヤだ。せっかくの煙草が不味くなる」
 息をついたロカジは群れ集う死霊の群れを睥睨した。今更のように彼に気づいた死霊たちがゆらりゆらり、近づいてくる。ゆっくりと伸びてくる傷だらけの腕が、見る者の憐憫を求めてやまない。
「実は僕ね、道連れにされるのはやぶさかではないんだよ。ただ、付いてく相手は厳しく審査するって決めててねぇ」
 気だるげに呟く眼前、優美な人型機と化したウィンディがスラスターを噴かし、死霊の放った炎を逃れた。宙で急制動をかける彼女に怨念こもる死霊の手が迫る。
「……ごめんね、失格」
 あさましい姿で誘う借りものの憐憫に慈悲はない。
 ウィンディのガトリング掃射と同時、ロカジの指が同じ死霊を指すと、天から光が駆け下ってきた。失格の烙印たる【ジャッジメント・クルセイド】は的を外さない。灼き尽くされた死霊が消え去っていった。
「さっさと目の前から消えてくれ」
 数は多いけれど指すのは一体ずつ。ロカジのこだわりだが、それでも支障はなかった。近づこうとする死霊の顔面めがけ鞠亜が淡々と炸裂弾を撃ち込んでいく。【炸裂弾】が彼らを捉えるたびに、彼らを弾けさせるたびに、枯れた地までも耕したように土が砕けた。
死霊の絶叫の範囲内に入らないよう、こまめに位置を変えては敵の攻撃範囲外からの狙撃を繰り返す。
 それでも彼女へ近づこうとする死霊へは、ウィンディが制圧射撃を食らわせた。残影たちは浮遊してはいるが高度はない。こと空まで含めた機動性という点で、スラスターを駆使する彼女以上のものはこの場にいなかった。炎を盾で散らされ、ガトリングの一斉掃射を浴びた死霊が怨嗟の声をあげる。
『……呪われよ……主の意に、添わぬ者ら……!』
 その叫びの主を探したロカジの反応が一瞬遅れた。領主とやらが何故贄を求めたのか、残影たちが喋れるのなら手掛かりはないか――その思考故に。怨念そのもののような炎がロカジを焼く寸前、コノハが身を捻じ込んだ。炎に身を晒しながら咄嗟に喚んだ氷の雨が、残っていた死霊に降りしきる。為す術もなく死霊は苦悶の声を残して消え去った。
 最後の薬莢を排出して鞠亜が警戒態勢を解く。
「これでこちらは全部だね」
「コノハさん、怪我をなさったのではありませんか?」
「全然平気。この黒幕を、どう料理するかしか考えてねぇからネ」
 降下してきたウィンディに気遣われ、コノハは笑って手を振ってみせた。実際大した怪我ではない。仲間に何を気にしていたのかを問われたロカジは素直に答えた。
「これから挨拶にいくなら尚更、知っておいて失礼はないでしょ」
 この場で領主に殴りこみはできないまでも、領主の意図は把握しておきたかったというなら気持ちはわかる。
 死霊たちから大した情報は得られなかったが、これから現れる「異端の神」とやらなら、少しは話が通じるだろうか。是非そう願いたいところだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

弦月・宵
シホ(f03442)と同行
オレが居なくてもシホならやり遂げるよ。
使命、なんでしょ?鼓舞する時には「祈り」に「力を溜め」て手を繋ぐ。
オレはシホにも笑っててほしいんだからね。

終わらせよう。過去に終焉と、弔いを。

辛かっただろう、痛かっただろうね…。
名誉ある死でした。それで終わらせる訳にはいかない。
来なよ。
負の感情のせいで眠れないなら、なにもなくなるまで打ち砕いてやる。
オレが抱く感情は【使命感】それだけ。

【UC:ブレイズフレイム】使用。シホに並んで前衛に立つ。
怨恨と嘆きを盾にするなら、それごと『鎧砕き』で斬り伏せる。
生きたかった、出来なかった…?
「煩い!!!」
羅刹紋が熱い…
そんなやつ、沢山、知ってる。


華折・黒羽
アドリブ・共闘絡み可

…報われないな
せめてもの手向けだ、その無念に完全な終止符をーー。

●戦闘
黒帝を召喚したまま自身は烏の翼を広げ空中戦へ
心情面でSPD攻撃誘発の可能性が高い為逆にそれを利用する
命中すると解ってるなら後は片っ端から切り落としに集中

黒剣「屠」で≪生命力吸収≫を平行、攻撃防御を重視
黒帝は基本回避+噛み付き
地上で黒帝、空中で俺が敵の攻撃を誘き寄せていれば仲間の攻撃も当たりやすくなるだろう?
※他攻撃が来た場合は「隠」で防御
※どちらかのダメージが半分切った時点で黒帝解除

本体に隙が出来れば直接攻撃も狙う
「知っているか、烏は古来より魂の運び手として語られている」
間に合わなくて、すまなかった…。


花邨・八千代
ほォらこい、こい。
全部終わらせてやるよ、ひとり残らずな。
死ねばみぃんな仏さんになるんだよ。
仏さんが起きちゃダメだろ、なァ?

◆戦闘
掌引き裂いて【ブラッド・ガイスト】始動。
敵軍に真っ向から突っ込んで「怪力」で武器ぶん回すぜ。
「恫喝」で注意を引きながら「2回攻撃」で出来るだけ多くを巻き込みながら暴れるぜ。
向かってくる攻撃は「第六感」で察知できたら出来るだけ避ける。
もしやられそうになったら「捨て身の一撃」だ、ひとりでも多く叩き潰してやる。

寝ろ、寝ちまえ。
死んだらそこまでだ、それ以上はダメだ。
全部終わらせてやっから大人しくもう一度死んどけ。



 慈悲深いものであればあるほど、この死霊を相手取るには不向きだと言えた。
 慈悲ゆえに憐れみ、憐憫は残影に付け入らせる隙となる。猟兵といえど危険なほどに、同化を望む意思は強く、執拗だ。
『あなたも……あなたたちも行くの……ひとりも逃がさない』
『……痛い……イタイいたい痛い……!』
 もう半数の死霊たちは影のように街道やその道端から、村へ向かって集まりつつあった。死しても苦痛から解放されることのない魂たちの叫びに、黒羽はなんとも言いようのないやりきれなさを感じていた。
「……報われないな」
 終わらせてやるしかない。せめてもの手向けだ、その無念に完全な終止符を。
 残影たちのただ中へ黒帝が躍りこみ、十数も撒かれた炎に前脚を叩きつけた。黒羽自身は烏の翼を広げ、低空を漂う残影たちの頭上へ舞う。悲嘆に顔を歪めた死霊たちが叫びをあげようとした瞬間、地上から八千代が大きな声で気を引いた。
「ほォらこい、こい。全部終わらせてやるよ、ひとり残らずな」
 青ざめた死霊が向き直る。迸る悲鳴を可能な限り勘で避け、避けきれないものは真っ向から受けながら、八千代は己の掌を躊躇なく引き裂いた。滴る血が赤い華のように散って、携える南天が軋む音をたてて拷問具へと変化する。
「死ねばみぃんな仏さんになるんだよ。仏さんが起きちゃダメだろ、なァ?」
 鉄の拷問具が空を裂き、重量に任せて死霊たちをなぎ倒す。ふらつく死霊の体を飛来する黒羽の屠が真っ二つに断ち切った。
 言い聞かせるような八千代の口調に迷いはない。終わらせてやらなければ、彼らは同じ世界の同胞を殺す――自分たちと同じように、或いはもっと苦痛に満ちた方法で。
「辛かっただろう、痛かっただろうね……。名誉ある死でした。それで終わらせる訳にはいかない」
 守るはずだったものを失った宵にとって、守られるべき弱者が人を殺す存在へと成り果てたという結末、囚われたものをそのままにはしておけない。
「来なよ。負の感情のせいで眠れないなら、なにもなくなるまで打ち砕いてやる」
 そうするべき使命すら感じていた。まるで涙の代わりのように撒き散らされる炎ごと、幻鵺で本体を叩き斬る。踏み込みすぎて躱すこともできず、叫びを間近で浴びた。
『こんなの、ない……もっと、あたし……生きたかった……!』
 青ざめた女の血を吐くような悲哀がびりびりと身体を震わせる。――ああ、そんなの。
「煩い!!!」
 羅刹紋が熱く疼いた。
 そんなやつ、沢山、知ってる。
 宵の肌が裂けて地獄の炎が溢れた。迸る紅蓮が死霊を舐め、苦悶の叫びはあっという間に消えていく。こだまする残影たちの悲鳴の中を羽ばたいて、黒羽は黒帝との挟撃を繰り返した。黒い獅子の牙が死霊の足に食らいつき、動きのままならない背を屠で貫く。陽動としての動きも大きい黒羽は少なからず被弾していた。死霊たちから吸い上げた生命力が傷を塞ぐ。
 派手に動きまわる黒羽に劣らず、残影の懐にまで踏み込んだ八千代も傷を負い、それ以上に相手を叩き伏せていた。
「寝ろ、寝ちまえ。死んだらそこまでだ、それ以上はダメだ」
 死霊たちは八千代の大きな声に怯えたように過敏に反応した。時折黒帝の咆哮で注意を引かなければ、自分に全てが群がってしまいそうなほどだとわかっていたけれど、八千代は恫喝を繰り返した。
「全部終わらせてやっから、大人しくもう一度死んどけ」
 『起きて』いるのは彼らのせいじゃない。だから出来るだけ一度に多くを巻き込んで、舞い飛ぶ怨念の炎を受け止めながら渾身の力で暴れ回った。赤い瞳が火の粉を映して物騒なほどに煌めく。
『……寝る……許されん、主の、為……』
 打ち据えられた老人の死霊が震える声を絞り出す。死してなお操られ、尖兵として放たれたなら、正気ではいられまい。涙枯れ果てた宵には彼らの為に流せる涙はなかった。せめてこの世界に残された影を灼き尽くすよりほかにない。身から溢れる炎は死霊に次々と火種を移し、一体一体葬っていった。
 すすり泣く最後の一体の頭上から、黒羽は一気に降下した。間合いへ飛び込み避けようがないとわかるよう、胸元へ剣を突きつける。
「知っているか、烏は古来より魂の運び手として語られている」
『……から、す……黒い……?』
 その時少女の死霊は、目が覚めたような顔をした。黒羽の翼をじっと見る。
『はこんで、くれるの?』
 死の国か或いは、別の世界へ。黒い翼を持つ鳥が担う死の訪いを、彼女は受け入れた。
 たった一瞬。もしかしたらこれすら何らかの狂気の片鱗なのかもしれないけれど。
(「間に合わなくて、すまなかった……」)
 死をもたらす名を冠した呪われた剣は、死霊の胸を貫いた。

 言葉が無い。屠ってしまえば跡形もなく、残影たちはすべて消えうせた。
 地平の彼方では天の底を焦がして陽が落ちようとしている。

 村の入り口に展開した猟兵たちは、突然、迫る薄闇よりも遥かに昏い気配を感じ取った。明らかに月などではない明るい、けれど柔らかな光が雲間から差してくる。
『苦しむものよ、嘆くものよ』
 決して大きな声ではないのに、鈴を振るような声は誰もに届いていた。板塀の向こう、村の中が騒然としているのが聞こえてくる。
『全ての絶望からあなたたちを救いましょう。それが私の喜びなのですから』
 白い大きな翼は彼女をより一層神々しく見せていた。儚げな少女にすら見える花の顔、薔薇と同じ色のリボン。そして黒いドレスに合わせたのだろうか――細く白い腕には黒く大きな剣を抱いている。
 プレアグレイス。
 白い羽根と鮮やかに色づいた薔薇をこぼし、救済の代行者が姿を現した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『救済の代行者・プレアグレイス』

POW   :    黒死天使
【漆黒の翼】に覚醒して【黒死天使】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD   :    鏡像の魔剣・反射
対象のユーベルコードを防御すると、それを【魔剣の刃に映しとり】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
WIZ   :    鏡像の魔剣・投影
【魔剣の刃に姿が映った対象の偽物】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
👑17
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はリーヴァルディ・カーライルです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●永久の安息よ在れ
 辺りには枯れ木しかない貧しい村の入り口に、天使が降り立った。
 一見したところそうとしか表現しようがない。板塀に囲まれた村の中では、既に門を開けるべきだという声が高まっているのが聞こえた。猟兵でなくばオブリビオンの禍々しさはわかるまい。
 木端微塵になっている供儀台へ目をやり、悲しげに少女の表情が曇る。
『もうこのような悲劇は起こりません。貴方達は贄を差し出すのをやめた。救済される資格があるのです』
 これ以上囀らせるわけにはいかない。猟兵たちはプレアグレイスと向きあった。
栖夜・鞠亜
ここで現れれば後は無知な人間達が騙されて、嬉し涙でも流しながら救済してくださいと殺到するんだから。 面白可笑しくて仕方ないんじゃない。


ほぼ日が沈みかけてる・・・鞠亜の影の能力を使うにもタイムリミットがある。 射撃でけん制しつつ、他の猟兵の攻撃タイミングに合わせて一気に接近する。 火の属性攻撃を付与した弾丸を足元に放ち爆発で地表を抉る、浮き上がった地面の破片で出来る影全てから、ユーベルコードを使って鎖を発射、拘束して味方の援護とする。 破片が地に落ちたら影は消えるからチャンスは一瞬だけ。


コンラート・シェパード
(※アドリブ、マスタリング歓迎)

お前の救済は、彼らには不要なものだ。
―――ご退場願おう。

◆戦闘
仲間との連携を意識

HPの低い者を優先的に【かばう】。
攻撃は可能な限り得物で【武器受け】して受け流し、直撃を避ける。

【スナイパー】【だまし討ち】で命中率を補強しつつ、
相手に『鏡像の魔剣・反射』をされぬようしっかりと気を付けタイミングをはかりながら、ユーベルコード「氷竜飛翔」を発動。
その際【暗殺】【串刺し】で威力を出来うる限り高めつつ、【2回攻撃】で発動回数確保に努める。


花邨・八千代
救済、救済なァ。
そら死ねば苦しみも悲しみもねーしな、つまらん話だ。
つまらな過ぎて反吐が出るぜ、お嬢ちゃん。

◆戦闘(POW)
「怪力」を乗せて【羅刹旋風】だ、全力でぶん回す。
当てる瞬間に一気に距離を詰めて叩き込むぜ。
避けられないように「第六感」で可能な限り敵の動きを予想してぶっこむ。
一発じゃ終わらせねぇ、「2回攻撃」で「傷口をえぐる」ぜ。
ガンガン攻撃をぶっこむがこっちが危なくなってきたら「捨て身の一撃」だ。
タダじゃやられてやんねーぜ。
門の外に出ようとしたヤツが居れば中の方に放り込む。

邪魔すんなよ、今良いところなんだぜ。
言ったろ、猟兵どもはみぃんな自分勝手な奴等ばっかなんだよ。


コノハ・ライゼ
ああ、知ってるヨ
救済ってぇのは苦しみも悲しみも無い、永遠
つまり「死」だ
塀の向こうに聞こえようが聞こえまいが吐き捨てる
飢えた世界を救うのは
身勝手に与えられる慈悲でも資格でもねぇ
今を生きる力、ひとつのパンだろう

【POW】
正面、目立つ動きで気を引き隙を誘う
「石榴」振るいつ『高速詠唱』による『2回攻撃』で【紅牙】発動
ナイフではなく右目に仕込んだ「氷泪」を紫電奔る補食形態へ
『傷口をえぐる』よう喰らいつき撹乱狙い
ついでに『生命力吸収』しとこう

反撃の投影へは粛々と対処
ニセモノにゃ慣れっこだ
ケド力増やされるのは困るネ
『捨て身の一撃』でここぞの攻撃叩き込み喰らいついたら
その隙に集中砲火してもらおうか


ウィンディ・アストレイ
アドリブ&絡み歓迎です

真の姿を維持したまま
「物は言い様ですね…救済という名の虐殺ですか。
確かに死ねば、これ以上苦しむ事は無いでしょうね。
尤もその魂すら、貴女達に汚されそうですが…」

その寝言を閉じる為『先制攻撃&一斉発射&2回攻撃』を仕掛けます
接近されたら『見切り&盾受け』で躱しつつ
『カウンター&零距離射撃&2回攻撃』で反撃を

『視力&第六感』で、敵の隙を悟ったら
『ダッシュ&空中戦』で一気に距離を詰め
『怪力&鎧砕き&鎧無視攻撃』を乗せたUC【Influx Burst】を
防御されぬ様留意しつつ仕掛けます

「奇跡や救済を、与えられるのを待つのは無意味です。
是非自分の心の内より、希望を掘り起こして下さい」


ロカジ・ミナイ
いやはや危なかった。彼女たちに感謝しないとねぇ。

おお、こいつはキレイな天使さんがお出でで。
見てくれは最高のお花だねぇ。
黒い匂いがプンプンしてるけども。

まぁまぁ、落ち着きなさいよ村の人。
この天使さんをご存知で?
知らない相手に容易く扉を開けるものじゃないよ。

そんで天使さん
その口は何を以って悲劇と言うのか。
お前さんの言う救済ってのは?
村の人らから何をすくい出すってんだい?
出来たら、余計な不安のない命の営みは残してやってくれねぇかい?

……なんて交渉が通じるとは思っちゃいねぇよ。
煙管をヒョイと薙げば舞い散る火の粉。風に乗ってどこへいく。
オロチよ。あの翼を食らって地に引き摺り下ろしてやんな。



「おお、こいつはキレイな天使さんがお出でで。見てくれは最高のお花だねぇ……黒い匂いがプンプンしてるけども」
「ここで現れれば後は無知な人間達が騙されて、嬉し涙でも流しながら救済してくださいと殺到するんだから。 面白可笑しくて仕方ないんじゃない」
 ロカジの軽口や鞠亜の指摘を、黒衣の天使は耳がないかの如く聞き流した。
 村の入り口では門を開ける開けないの論争が激しさを増している。
 救済される資格がある。
 その言葉が今まで苦しみ抜いてきた村人たちにとって、どれほど魅力的に聞こえるか。それが理解できないわけではないロカジは至極まっとうな指摘をした。
「まぁまぁ、落ち着きなさいよ村の人。この天使さんをご存知で? 知らない相手に容易く扉を開けるものじゃないよ」
 さすがに塀の中の騒ぎも幾分沈静化する。いい年齢の大人もそこそこいる、苦しい時にくるうまい話というものの危険性は彼らとて知っていた。それでも悩み抜いて、贄を捧げようとすれば邪魔をされて、その果てに来た『救済』はあまりにも眩しい。
「そんで天使さん、その口は何を以って悲劇と言うのか。お前さんの言う救済ってのは? 村の人らから何をすくい出すってんだい?」
『偽りなく全ての絶望からの救済です。贄を出さぬ選択が出来たのなら、私の救済を求めておいでなのでしょう』
 ロカジに天使が返したのは問いかけではなかった。生贄を出さないからそうなる、そう定まっている。口調からはそう類推できる。
 彼女がこれから何をするかを知ればこそ、ウィンディの言葉が鋭さを帯びた。
「物は言い様ですね……救済という名の虐殺ですか。確かに死ねば、これ以上苦しむ事は無いでしょうね。尤もその魂すら、貴女達に汚されそうですが……」
『まるで、私がどのように皆さまを救済するかをご存じであるかのようですね』
「ああ、知ってるヨ。救済ってぇのは苦しみも悲しみも無い、永遠。つまり「死」だ」
「なんだって?!」
 コノハの吐き捨てるような言葉を耳にし、塀の向こうから異口同音の悲鳴が聞こえる。とんだ大根役者の演技を見せられている気分になって、八千代が渋面をつくった。
「救済、救済なァ。そら死ねば苦しみも悲しみもねーしな、つまらん話だ。つまらな過ぎて反吐が出るぜ、お嬢ちゃん」
 大きなリボンを揺らしてプレアグレイスが魔剣を掲げた。たおやかな肢体に不釣り合いな黒く厳つい剣の柄で、紫玉がぬめるようにわずかな陽光を撥ねる。
『我が力とこの剣にて、貴方達の苦しみを代わりに負うものを創造しましょう。貴方達はもうつらい生活を重ねなくてもよいのです』
 再び畳みかけられた甘い言葉で塀の中で騒ぎが増した。余所者の言葉を信用するのかと叫ぶ声、身代わりを作ってくれるならと泣く声もあったが、村長が鋭い声で戒めている。
「お前の救済は、彼らには不要なものだ。―――ご退場願おう」
 普段穏やかなコンラートですら、抑えきれない怒りが声にこもる。猟兵たちの敵意を浴びながらなお、プレアグレイスは美しい顔に笑みすらたたえて告げた。
『私は領主から、贄を出さぬ道を選んだ村の者たちへ褒美をやるという任を負ってきました。我が務めの終わるまでは何処へも行きません。謹んで受け取って下さいますね』
 褒美。どこまでも幸せな解釈が出来るようなものいいだ。そして拒否権も与えられていない。もはや猟兵たちからすれば事態は明白だった。
「出来たら、余計な不安のない命の営みは残してやってくれねぇかい?」
 ふわりと煙を吐き、煙管から口を離したロカジが一応問いかけてはみたが。
 もはや小さな唇は開かれることなく、魔剣が鞘から抜き放たれた。
「……交渉が通じるとは思っちゃいねぇよ」
 ため息混じりに煙管をヒョイと薙げば火の粉が舞い散る。小さな輝きはちかちかと瞬いて――風に乗ってどこへいく。
 真っ直ぐにプレアグレイスを見据え、ロカジは命じた。
「オロチよ。あの翼を食らって地に引き摺り下ろしてやんな」
 世界の法則が歪む。鱗が触れ合う涼やかで美しい音をたて、七ツ首の大蛇が顕現するや救済の代行者へと襲いかかった。【素戔嗚】が自身の羽根でちかりと光る火種を追っているなど知らず、白い翼をばたつかせてプレアグレイスが身を捩る。
 七つも首があれば躱しきることは叶わず、ロカジの言葉どおりに大蛇は翼に喰いつくと地面へ叩きつけた。同時に魔剣の刃がロカジを映し、全く同じ姿の青年が降ってわいたように現れた。創造主の代わりに同じ姿へ飛びかかる。
「おっと」
 取っ組みあって転がる二人をおいて、宙へはばたこうとするプレアグレイスへコノハが柘榴を携えて追いすがる。
「飢えた世界を救うのは、身勝手に与えられる慈悲でも資格でもねぇ。今を生きる力、ひとつのパンだろう」
 色がうつろう柘榴の刃は、プレアグレイスの黒いドレスごとその下の肌も引き裂いた。今度こそ表情を歪めた彼女に次手を打たせず、【紅牙】を発動。
「――イタダキマス」
 血を代償に異変は起きた。シルシの刻まれたコノハの右目、うすい、うすいアオの瞳。氷泪は軋む音をたてて氷の牙と化した。乾いた音をたてて弾ける紫電をまとい、氷で自身を形成しながら鎌首をもたげて刻まれた傷へ喰らいつく。
『あああ?!』
 吸い上げた生命力で傷を塞ぎ、コノハは魔剣の薙ぎ払いから身軽に跳び退いた。彼を追わせぬよう弾を撃ち込み、鞠亜はボルトハンドルを引いた。うすい煙を吐いて飛ぶ薬莢のむこう、太陽はほとんど地平の彼方へ隠れつつある。
(「ほぼ日が沈みかけてる……鞠亜の影の能力を使うにもタイムリミットがある」)
 焦りがじわりと胸を噛む。次弾をこめたL96A1を携え仲間の動きを見ながら位置どらねばならない。チャンスは一度、一瞬きりだ。
 たおやかな姿からは想像しえないほどに素早く、プレアグレイスが翼をはためかせてコノハを追う。その進行上に割り込んだ八千代は拷問具へと変わった南天を振り回す手に力を込めた。
「タダじゃやられてやんねーぜ」
 踏み込んだ次の瞬間には魔剣を躱し、花の顔へ南天を横殴りに叩きつける。頭が吹っ飛んでも不思議はないほどの勢いだったが、プレアグレイスは白い羽根を散らして急制動をかけた。更に八千代が追い討ちで叩きつけた拷問具でバランスを崩したものの、さすがに怒りも露わに呟く。
『……救済の代行者にすることとも思われません』
 言い終わるより早く、魔剣の横薙ぎが八千代を襲った。咄嗟に南天で受け止めて傷にはならなかったが、勢い余って村の板塀に激突する。
「うわあっ?!」
 素っ頓狂な声が聞こえて、八千代の上に村人が落ちてきた。どうやら何か踏み台にして塀を登り戦いを見ていたらしい。
「邪魔すんなよ、今良いところなんだぜ。言ったろ、猟兵どもはみぃんな自分勝手な奴等ばっかなんだよ」
 不敵に笑って村人を塀の内側へ放りこむ。その間に生み出された偽物をやっと放り投げたロカジへ、プレアグレイスが襲いかかった。
『……私の翼に、傷をつけるなんて』
 振り下ろされる魔剣をグリィズルーンで受け流し、立ちはだかったコンラートの瞳が冷徹さを帯びる。普段は人見知りでふわふわの小さなドラゴンが変じた槍は、彼の意を受けその力を解放した。
「他者を傷つけるのはよくて、己が傷つくのは許せないのか」
 ゼロ距離からの【氷竜飛翔】。もとより至近距離でなくば発動しえない技は、人を庇うことが常のコンラート故だろう。
『ぐ、ああああ?!』
 渾身の一撃をまともに受けて中へ浮き上がったプレアグレイスへ、更に上空を舞うウィンディが零距離射撃を浴びせた。黒いドレスをずたずたに引き裂きながら更に撃ち込まれる一斉掃射で、救済の代行者の動きが一瞬止まる。
 その一瞬を鞠亜は見逃さなかった。構えた銃にこめたのは火の属性。はばたくプレアグレイスが鞠亜に気づいた時には、引鉄は絞られていた。
 着弾は代行者ではなく、その足元。地に命中した弾丸は爆発を引き起こし地を抉る。遮るもののない枯れた大地を照らす最後の光は、噴き上がる土や石にも影を作った。
「縛れ、其の鎖は冥き神々の御手に等しき」
 【冥き神々の鎖城】。鞠亜が命じるまま、その影の全てから鎖が迸った。虚をつかれたプレアグレイスを幾重にも縛め、身動きすらも許さない。
 動かない相手というのは少し考えものだったが、生かして帰すつもりもない相手だ。八千代は再び怪力に任せて殴りかかった。縛めの上から渾身の力で南天をふるい、細い体に叩きつける。鎖を何本か引き千切りながら魔剣をふるうプレアグレイスだったが、体の自由が利かずかすった程度で終わった。
「どうした、そんなもんかい?」
『無礼にもほどがありますよ』
 八千代の挑発に柳眉を吊り上げる天使のずたずたに裂けた黒いドレスに、ふわり、舞う火の粉がまとわりつく。次の瞬間、またしてもロカジの【素戔嗚】が七つの頭でプレアグレイスに喰いついた。声にならない悲鳴をあげた天使が身を捩る。
 彼女の白い翼が黒く染まったのは次の瞬間だった。鞠亜の鎖を引き千切りながら縛めから逃れ、はばたく先にいたコンラートへ魔剣を振り下ろす。
「くっ?!」
 寸でのところで両断を避けたコンラートはグリィズルーンでなんとか受けたが、先ほどとは膂力も速さも違うプレアグレイスの変貌に唇を噛んだ。
 とはいえ、黒死天使と化した彼女はまだ完全に自由ではない。絡みつく鎖に腕を絡め、コノハは力任せに引き寄せた。振り返りざまの黒死天使の斬撃を喰らいながら、同時に腹へ柘榴を突き立てる。
 ほとんど捨て身のコノハの攻撃に続き、コンラートもプレアグレイスの背へもう一撃、【氷竜飛翔】を捻じこむ。渾身の刺突は黒い羽根を華々しく散らせた。
『こんな真似を……!』
 叫びが終わるより早く、スラスターでウィンディが距離を詰めていた。視認すらできていないプレアグレイスには【Influx Burst】を防ぐ術はない。
「一閃必倒……インフラックス・バンカー!」
 装甲に覆われているとはいえ、細身の体躯からは信じられない出力を乗せて放たれた一撃は救済の代行者を貫き、地面へ叩きつけた。
 バーニアを噴かして村の板塀近くまで飛行すると語りかける。
「奇跡や救済を、与えられるのを待つのは無意味です。是非自分の心の内より、希望を掘り起こして下さい」
 村人たちが覗いていることを察していたウィンディを見上げ、扉の隙間から顔を出していた村人たちが複雑な表情を浮かべた。
『どうあっても邪魔をすると言うのですね』
 ずるりと立ち上がり、黒い翼のままでプレアグレイスが唸るように問いかける。もとより猟兵たちがオブリビオンを相手に退くはずもない。
 口にする必要すらない『否』を受け取り、救済の代行者が再び羽ばたく。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

華折・黒羽
アドリブ・共闘絡み可


最後にこの手で屠った少女の言葉がこびり付く
重なる“あの人”の姿、救えず離れてしまった大切な人ーー
もう、二度と…

「逃げないと、誓った」

宿ったのは怒り、憤り
“不吉”を冠するこの魂で俺はあなたの“救済”を否定する

●戦闘
守る事、俺の役目は変わらない
黒帝は映しとられない様召喚解除
対となる黒い翼を広げ「屠」と「隠」を手に前線で攻撃を
可能な限り攻撃の手数を増やし敵の動作に制限を
命は仲間が削ってくれる
耳は常に仲間の声を追い、攻撃の際は邪魔にならないよう間合いを開ける

技能:生命力吸収、武器受け、盾受け、おびき寄せ、気合い、鼓舞


ーーー咆哮。
退かない、倒れない、この命が続く限りは


シホ・エーデルワイス
宵と連携希望

味方との連携
アドリブも歓迎

村人さん!いつまで滅茶苦茶で奪うだけの領主に支配される気ですか!?
皆さんの望む救済は死ですか?空腹を満たす食料ですか?
ご飯を食べたければ私達に願って下さい
領主を倒せと!

村人が領主への恐怖を克服できる様に<鼓舞し祈り>ます

生まれながらの光で味方回復
(覚悟と勇気)で村人に疲労を見せないよう注意

あとは聖銃2丁を使ったUCの【銃奏】で<援護射撃、フェイント、誘導弾、2回攻撃>
宵が攻撃を当て易いよう避け易く撃つ

あなたの救済は自己満足です!誰もあなたに助けを求めていません!
宵!(←合図)

ユッタさんとデニスさんが再会できたら頭の花を贈って祝福
お二人の門出に幸多からん事を


フェルト・ユメノアール
偽りの救済なんかじゃない
本当の笑顔をみんなに届けるよ!

ボクは【SPクラウンジェスター】の真の姿を解放!
最上無二の魔術師よ!今こそその力を振るい、世界を歓声で包み込め!
カモン!【SPエンペラージェスター】!

姿を映し取られた時、混乱しないようにエンペラージェスターとは離れず連携して戦闘
曲芸みたいにお互いを足場にジャンプしたり『フェイント』を交えた予想不能の動きで敵に行動を読まれないよう攻撃していく
もし敵が偽物を生み出した場合にはその撃破を優先
1人が偽物の攻撃を受け止めている間にもう1人が『カウンター』を入れ、フォローして戦う

いくら姿や力を真似てもキミには笑顔が無い
それじゃあボクたちには勝てないよ!


弦月・宵
シホ(f03442)と参加
「同行者不描写時は不採用希望」

もう起こらない…言い切るんだね。
この村は長く『贄を差し出すことで』救済されてきた。
じゃあ『贄を差し出す事をやめた』村に、君が施す救済って、どんなモノ?

死の予感しかないから警戒心を全面に出して話す。
「オレだって救済を求めてる。救われるっていうんなら、まずはオレを救ってみせてよ。」
相手の具体案が村人に理不尽を強要しない限り、オレからは手を出さないで門前に立ち続ける。
シホが村人に呼び掛けてくれるから、酷でも領主の恐怖とこれまでの理不尽を、村人が思い出す事オレは望んでるのかも。

出方を窺っている間に「力溜め」。
シホの合図で【UC:ゆるゆら】を放つ。


クネウス・ウィギンシティ
アドリブ&絡み歓迎

「もうこのような悲劇は起こしません、全て終わりにしましょう」

以下で攻撃。
・【POW】
・攻撃方針:パイルバンカーを盾にUC『ブーストジャンプ』(空中ジャンプ)で接近しながら、マシンガンで弾幕を形成。零距離にてパイルバンカー連射。
・技能:(UC)一斉発射、零距離射撃、2回攻撃、先制攻撃、スナイパー、援護射撃。(武器のリミッター解除)武器改造、メカニック

(UC)
「ブースト展開。バンカー、ロック解除。仕掛ける!」

(敵POW UC対策)
「幾ら戦闘力が上がろうとも、この距離ならば避けられないでしょう」

(敵SPD/WIZ UC対策)
「シールド一体型パイルバンカーを掲げて突撃すれば……」



 白い翼だった時よりもプレアグレイスの力は遥かに増している。凌ぐのは簡単ではないが、黒死天使化が彼女自身の生命力を削っていると知っている猟兵たちは怯まなかった。
 いい加減、このオブリビオンの本性を村人に知らせる必要がある。
「悲劇はもう起こらない……言い切るんだね。この村は長く『贄を差し出すことで』救済されてきた。じゃあ『贄を差し出す事をやめた』村に、君が施す救済って、どんなモノ?」
 宵が直球の質問をぶつけた。
 既にプレアグレイス自身は『村人たちの身代わりを創る』と明言している。しかしそれだけで村人たちが救われるわけではない。否、むしろ不吉な匂いがしないか。
 プレアグレイスは『もうつらい生活を重ねなくてもよい』と言ったのだ。
「オレだって救済を求めてる。救われるっていうんなら、まずはオレを救ってみせてよ」
 警戒心も露わに言い募ると、身を翻し村の門扉の前に立つ。彼女が村人に無体を強いるのでなければ宵から手を出すつもりはなかった。
 けれどプレアグレイスの返答は、当然村人の――まして宵の望むものではない。
『安息のうちの死、安寧の永眠を。貴方たちの願いどおり、あらゆる苦痛や悲哀を感じずに済みます』
 その場が静まりかえった。門扉の間から愕然とした顔の村人たちが見える。
 こうも直截に答えるとは思わなかったが、少なくともプレアグレイスにとって、それが『救済』なのだと猟兵たちは理解した。
『貴女に救済は与えられません。貴方は絶望していない。私の救済は真に絶望した者のみを救うものです』
「待ってくれ! それはわしらを殺すってことか?!」
「俺たちを救ってくれるんじゃないのか?!」
 口々に叫びだした村人を一瞥し、プレアグレイスは慈愛に溢れる笑みを浮かべた。翼が黒く染まった今も天使のようにしか見えない。けれど。
『ええ、救います。私の名にかけて、苦しいのは今宵限り。この苦しみに満ちた世界から解き放ってあげられます』
「そ、そうじゃない……そういう救いではなくて」
「冗談じゃない、死にたくはないんだ!」
 村人たちから悲鳴じみた声が次々とあがる。村人を害すると明言された村長が扉を閉めるように指示し、村の中も騒然とし始めたが、黒死天使は何も聞こえないかのように宵へ語りかけた。
『問答はもういいですか。ではどきなさい』
 蜂の巣をつついたような騒ぎの中、立ち尽くしていた黒羽の拳が震える。脳裏には最後にこの手で屠った少女の言葉がこびり付いて離れない。
 彼女に重なる“あの人”の姿、救えず離れてしまった大切な人。もう、二度と――。
「逃げないと、誓った」
 宿ったのは胸を焦がし焼き尽くすような憤りだった。
「“不吉”を冠するこの魂で、俺はあなたの『救済』を否定する!」
 鏡像を取られぬよう黒帝の召喚を解き、黒い翼を広げた黒羽が地を蹴った。身に纏わり隠れていた屠を抜き放って斬りかかる。
 既に仲間の攻撃で少なからず傷を負っているはずのプレアグレイスは、無造作に魔剣で斬撃をいなした。反撃の一閃を漆黒の盾・隠で受けられ眉をひそめる。
『貴女たちには救済ではなく、報いを与える必要がありますね』
 口調に微かな苛立ちが垣間見えた。寿命を削る黒死天使化が続いているせいだろう。
 遂に堪えかねたシホが声をあげた。
「村人さん! いつまで滅茶苦茶で奪うだけの領主に支配される気ですか!?」
 騒然としていた塀の内側が、腫れものに触れたように静まっていく。領主への恐怖は彼らの骨身に沁みていて、こんな時でさえ村人たちを縛めた。それでもシホは訴えることをやめない。
「皆さんの望む救済は死ですか? 空腹を満たす食料ですか? ご飯を食べたければ私達に願って下さい、領主を倒せと!」
 ひたすらに鼓舞する。領主への恐怖を克服できなければ、彼らは助けを求めることすらできないのだ。
 無謀とすら見える戦い方を選んだ黒羽の傷を聖なる光で癒しながら、声はあくまでいつもの通りに。治療で嵩む疲労を見せぬことはシホの覚悟だ。
 塀の内側で、気力を振り絞ったような声が上がったのはその時だった。
「……お怒りに触れるのは怖えけど、けど……俺もう、限界だよ」
「そうだ、死んじゃなんもならねえ!」
 今までは積み重なり続ける悲劇と犠牲から目を逸らし、心を麻痺させてやってきた。猟兵たちと接し掻き乱され、彼らはやっと、やり場のない怒りをぶつけるべき相手が誰かを意識したのだ。
「俺の息子が贄になったのだって! 婆さんが飢え死んだって堪えてきたのに!」
「うちだってカカアが死んじまって、畑のもんは全滅したぞ!」
「ご領主様のお慈悲があるはずだって思って、今まで」

 ――なのに、なにひとつ良くならない。

 それはシホの呼びかけが、たび重なる猟兵たちの言葉が村人たちを現実と向き合わせた瞬間だった。領主の意志に必死で添っても苦しみは終わらない、という酷な、理不尽な現実と。そしてそれこそ、宵が望んでいたことかもしれなかった。
 問答の最中に到着したクネウス・ウィギンシティ(鋼鉄のエンジニア・f02209)がマシンガンを手に仲間に呼び掛ける。
「もうこのような悲劇は起こしません、全て終わりにしましょう」
「いくら姿や力を真似てもキミには笑顔が無い。それじゃあボクたちには勝てないよ!」
 人を、或いは天使を模したかに見えるプレアグレイスに皮肉をとばし、ついでにウインクもつけたフェルトが再び召喚の言葉を紡ぐ。
「最上無二の魔術師よ! 今こそその力を振るい、世界を歓声で包み込め! カモン! 【SPエンペラージェスター】!」
 頭に煌めく王冠を戴き、マントをまとった道化師が現れた。器械体操の演目のように互いを足場に跳ね回り、プレアグレイスへ肉薄する。眉をひそめた黒い天使へフェルトが飛びかかる――かと見せて、回りこんだエンペラージェスターが大仰にパンチ。
 コミカルな動きとは裏腹に骨さえ軋ませる拳撃で、よろけたたおやかな肢体にクネウスのマシンガンの掃射が襲いかかる。視野を遮られ距離をとろうと羽ばたいた瞬間、ブーストジャンプで距離を詰めたクネウスが目の前に現れた。
「ブースト展開。バンカー、ロック解除。仕掛ける!」
『いつのまに……!』
 重い音をたて、引き裂かれたドレスの胸を巨大な杭が貫く。のみならず勢いで地面へ叩きつけられ、血を吐いたプレアグレイスが美しい顔を怒りで歪めた。
『このような無骨なものを、私に!』
 血の糸をひいて杭を引き抜く。プレアグレイスに隙を与えるつもりのない黒羽が、放られた杭を紙一重で躱して尚も追撃を仕掛けていった。宙で一転した黒死天使の斬撃が首めがけて落ちかかるのを隠でカバーすると、鏡像として映しとられたエンペラージェスターが殴りかかってくる。パンチを屠でいなした時、プレアグレイスの呟きが聞こえてきた。
『この地に遍く我が救済をもたらしましょう。貴方たちを手始めに』
「―――!」
 轟くは咆哮。
 退かない、倒れない、この命が続く限りは。
 この身はあくまで守るため、役目は変わらない。敵の生命は仲間が削ってくれる。
 黒羽が我を失っているのだと思っていたプレアグレイスは、だから彼が不意に視界から消えたことに咄嗟に反応できなかった。夥しいマシンガンの弾着で痛みと集中を乱されて、気づけば背後に気配がある。
「幾ら戦闘力が上がろうとも、この距離ならば避けられないでしょう」
 黒羽は陽動とカバーをしていたと気付いた時には、クネウスの武装が展開していた。
「CODE:LUCIFER。ブースト展開。武装、リアライズ。仕掛ける!」
 今度は声をあげる暇もなかった。発現する【LUCIFER】、クネウスの腕に装着された杭打ち機が男の腕ほどもある杭を、肩、胸、腹へ打ちこみ貫く。
 鏡像のエンペラージェスターと共に勢いのままに地面へ縫いつけられた天使めがけ、シホは聖銃を抜き放った。
「あなたの救済は自己満足です! 誰もあなたに助けを求めていません!」
『戯れ言を!』
 叫ぶプレアグレイスに2丁の聖銃、ピアからは魔法力を、トリップからは銃弾を浴びせながら合図を送る。
「――宵!」
 宵は充分な時間をかけて溜めた力を解き放った。
 ゆるりらゆらりや、地からぼこりと姿を現したのは鉱物の結晶たち、その数95。無骨ななりは戦うためか、一斉にプレアグレイスへ向かい疾る。シホのフェイントで対抗する術をもたないプレアグレイスは、結晶たちの一斉攻撃を浴びて声もなく身をよじった。黒い羽根がちぎれて舞う。
 結晶たちが消え去ると、プレアグレイスが怒りの形相で羽ばたいた。狙いは真っ直ぐにシホへ――その間に黒羽が立ちはだかる。
『どきなさい!』
 腹立ちまぎれの斬撃は黒羽の腹をざっくりと深く薙いだが、その時には間合いにフェルトと彼女のエンペラージェスターが飛び込んできていた。鏡像のエンペラージェスターが跳ねてフェルトを狙う。まさに鏡を見ているように、二体のエンペラージェスターのキックが交錯した。
 完全にフリーのフェルトが黒い天使に笑いかける。
「偽りの救済なんかじゃない、本当の笑顔をみんなに届けるよ!」
 装飾の施されたトリックスターが空を裂き、プレアグレイスの眉間に突き刺さる。
 時が止まったような一瞬で鏡像の道化師はふつりと消えた。それは同時に、黒い天使が滅びを迎えたということで。
 地に墜ちることをよしとせず、天使の体は枯れしぼむ花となって一瞬で散った。

「皆、お疲れさまだねえ!」
 明るい声でフェルトが仲間を気遣う。少なからぬ数の猟兵が問題解決に乗り出したこの騒ぎも、人的被害はなしで終われそうだ。
「敵の撃破を確認。お疲れ様でした」
 展開した兵装を全て収容したクネウスが眼鏡のずれを直す。
「お疲れさま、シホ」
「宵もお疲れさまね。……ああ、たいへん」
 宵に笑顔を返したシホの視線の先では、ずるり、地面へ崩れ落ちるように黒羽が座り込んだところだった。無茶をした彼の傷をシホが癒している時に。
「……あの、ちょっといいですか」
 おそるおそる、といった口調で声をかけてきたのはユッタだった。傍らに随分と殴られたような跡がある青年が寄り添っている。猟兵たちが振り返ると彼は緊張した顔になったが、ユッタは目に涙を浮かべてシホの手をとった。
「ありがとうございます。あたしの身代わりなんて、言ってくれて……こんな怪我もしてあたしたちを助けてくれて……なんて、言っていいのか」
 始めのうちは喋れていたけれど、後半になると涙声で言葉が続かない。励ますように肩を叩いた青年が、
「お礼を言ったぐらいでは足りないんだけど、俺たち何も持ってなくて。でも本当にありがとう。俺じゃ守りきれないところでした」
 彼――デニスはユッタを贄にするという決定に頷かず、村の大人たちに納屋に閉じ込められていたのだという。村の入り口を振り返ると、門扉の陰にばつの悪そうな顔をしている村人たちが見えた。中には照れたような笑顔で会釈をする者もいる。
「再会できたのですね、よかった……」
 ほっとした笑顔でシホがユッタを抱きしめた。頷いたユッタは、それは幸せそうで。
 自身の銀の髪に花ひらくエーデルワイスを一輪とって、シホは彼女へ手渡した。
「お二人の門出に幸多からん事を」
 ユッタが手渡された小さな花を大切そうに両手で包んで、綺麗、と呟く。彼女を眺めるデニスも嬉しそうで、フェルトが宙返りをしながら明るい声をあげた。
「いいね、笑顔が一番だよ!」

 二人の人生はこれから始まる。エーデルワイスの花言葉である『勇気』も、『大切な思い出』も携えて、二人で歩いてゆけるだろう。
 かの二人も、二人に溢れるほどの感謝で見送られる猟兵たちも、互いに互いへの祈りを胸にそれぞれの険しい道をゆく。故に、互いへの祈りをもって話の結びとしよう。

 ――然れば、彼らに祝福を。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月25日
宿敵 『救済の代行者・プレアグレイス』 を撃破!


挿絵イラスト