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猟兵洋画劇場

#ヒーローズアース #戦後

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#戦後


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「派手な娯楽作品だよ、キミ」
 イェーガームービー社の会議室において、スポンサーであるゴーツィ・カネモッテル氏が鶴の一声を発した。
「やはりね、映画というものは……安っぽい炭酸飲料と適当な味付けのポップコーンをつまみながら、頭の中をカラにして観られる……そういうものでなくてはならない。10分に1回は必ず爆発すべきだし、銃撃戦も必要だ。パワードスーツやロボットにハッスルマッチョ三つ巴。陳腐なラブロマンスもやって構わん。CGはいくらでも使え。シナリオは適当でいい。いや、適当でなければいかん。評論家の奴らが血反吐を吐いてのたうち回り断末魔の悲鳴をあげながら今世紀最低映画賞にノミネートするような、そんな作品にするのだ」
「素晴らしい」
「監督はやはりデス・トロを呼びましょう」
「ギガスモ・デス・トロですな」
「あのOTAKUか。いいぞ」
「奴には2つ指示を出せ」
「どのような?」
「最低のクソ映画を撮れ」
「それと?」
「好きにやれ」
「了解しました」

「……おー!来たなみんな」
 胸に『49ers/No.45』の文字を刻んだピンバッジで激しい自己主張をしながら、グリモア猟兵九条・救助(f17275)は猟兵たちを出迎えた。
「映画のオファーがきてるんだよ。あれあれ。ヒーローズアースの案件さ。スクリーンデビューのチャンスだね」
 曰く。
 イェーガームービー社の立てた新たな映画企画が進行中なのだという。『死ぬほど潤沢な予算を火薬とCGに極振りしたクソ映画』がコンセプトなのだと監督からは伝えられている。一応、イメージとしてはアースクライシスにおけるニューヨークでの戦いの中の一幕なのだという。
「えーっと、もらった台本によると……オブリビオンに襲われた街の中で、逃げ遅れた人たちを救助するシーン。それから、敵の兵士たちをやっつけるアクションシーンに、最後は敵のでっかい最強兵器がどーんと出てくるので、それと戦うシーン。以上みっつがメインになるんだってさ」
 なお、いかなる場面においても『最低でも10分に1回は爆発』が映画の条件なのだという。どかどか爆発させたりしたり、存分にやってほしい、という注文だ。
「予算はいくらでもあるからいくらでも使えってね。映像演出にユーベルコードもばしばし使っちゃっていいよ。ただ、殺陣は相手が役者さんだってこと忘れないでね。撮影中に事故やケガのないように。ゼロ災安全ヨシ!」
 というわけで、要約すると『あたまのわるい映画を撮れ』ということだ。存分に励んでほしい、と救助は頷いた。
「それじゃ、撮影がんばってねー」
 救助はぐっと親指を立て、撮影現場への転送を開始するのであった。


無限宇宙人 カノー星人
 これがイェーガー・アクションの決定版!
 全身の毛穴で受け止めろ!

 ごきげんよう、イェーガー。カノー星人です。
 この度は映画の撮影に挑戦させていただきます。よろしくお願いします。

※フォーティナイナーズについて。
 フォーティナイナーズの皆さんは、出演すれば自然と大役に抜擢されますし、撮影現場には、彼らのグッズを持った大勢のファンが押しかけます!
 ……とのことです。
 なお、フォーティナイナーズの方を全員把握しているわけではございませんので、プレイングの際に「49」とかわかりやすいように申告をおねがいします。
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第1章 冒険 『助け出せ、ヒーロー&猟兵!!』

POW   :    瓦礫や障害物を力付くで退けて救助する

SPD   :    素早く危険地帯から救助する

WIZ   :    安全なルートを構築して救助する

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


☆訂正
 OPにおいて「アースクライシスにおけるニューヨークでの戦い」との記述がありましたが、正しくは「ロサンゼルスでの戦い」です。以降はそのように訂正した上でお楽しみください。

〜〜〜〜〜

 ロサンゼルス近郊。
 ここはヒーローズアースにおいても多くの映画が撮影され、いくつもの名作が生み出されてきたことで有名な映画撮影特区だ。
 撮影のために集められたスタッフや俳優たち、スタントマンなどとの顔合わせが撮影前に行われる。当然、猟兵たちもそこに参加していた。
「あっ、猟兵さん!」
「あんたたちも来てたんだな。……いや、むしろ主役はそっちだったか。ははは、よろしく頼むぜ」
 揃えられたキャストの中には、現役のヒーローの姿もちらほらと混じっている。ロサンゼルスのプリムローズやテキサスのハリケーン。あるいはヴィランのビッグ・ファーザーなど、多様な顔ぶれがそこに集まっていた。
「はあい。あつまってくれたねえ。それじゃあ、クランクインにはいろうねえ」
 監督のデス・トロ氏が短く挨拶を行い、そして内容についての説明が行われた。監督は猟兵たちから出たアイデアも積極的に取り入れたいと語る。

 そして準備は整った。さあ、撮影を始めよう!主役は当然、きみたちだ。
水鏡・怜悧
詠唱改変省略可
人格:ロキ
「49ですが役者よりも裏方が良いので…顔出しなしのロボット役でいかがでしょうか。ちなみに敵側で。監修とかに名前使うのは構わないので」
救助を妨害する敵モブと爆発を担当します
金属属性の触手で敵(リアルなハリボテ)を作成。銃を持たせ遠隔操作で適当に歩き回らせます。猟兵かヒーローが居たら銃(光属性の殺傷力のないビーム)を撃ち妨害、やられたら火・風・光属性で被害を出さないように派手に爆発します。ついでにビルを崩して危機一髪感を演出しましょう。風属性で音を操り、イケボでネタバレしておきます
「ククク…いくら救助しても無駄だ…最後には我が最強の極悪兵器ですべて塵になるのだからな!」


ビスマス・テルマール
【なめろう餃子】で参戦

●POW
エミリさん(f21989)スタッフの方々と一緒に『情報収集』で瓦礫落ちや爆発の位置等を打ち合わせ

最初の救助対象に対し
『早業』でUC発動し南瓜砲弾で救助対象の上から落ちる瓦礫を打ち消し、一般人を『かばう』様に、南瓜砲弾から変形した鎧装を装着しUCによる『オーラ防御(LV300)』を『範囲攻撃』で広げ、残りを『盾受け』し

展開したままで

その後、エミリさんが駆け付けたら

やり取りの後

一緒に移動しながら
エミリさんが救助した人をオーラ防御の中で保護しつつ

エミリさんの救助仕切れない範囲の瓦礫を砲撃で『クイックドロウ』の『スナイパー』で撃ち消しフォローを

※アドリブ絡み掛け合い大歓迎


エミリロット・エカルネージュ
49

【なめろう餃子】で参戦

●POW
ビスマスちゃんやスタッフの皆と『情報収集』しながら、爆発物や救助対象の一般人の位置やら破片の落下ポイントとかを打ち合わせして行こうかな。

現場に駆け付け
ビスマスちゃんが鎧装(UC)を装着するまでは手持ちの

餃龍蒸籠と棒餃功筒の『範囲攻撃』とライスフラウア・バンテイジに『オーラ防御』を張って『盾受け』でフォロー

装着後、ビスマスちゃんとのやり取りの後、UC発動し【薄荷餃子のオーラの乱気流】を展開しつつ『空中戦』で『ダッシュ』加速しながら一般人を救助しビスマスちゃんの『オーラ防御』の庇護の範囲に連れていく

複数いるなら『怪力』で抱えて保護だよ。

※アドリブ絡み掛け合い大歓迎


臥待・夏報
(一面ガラス張りの高層BARで、静かにワイングラスを傾ける)

やあ。君たちは知っているかい? フォーティーナイナーズというイカれてイカした連中を。
ラッキー7をふたつ掛けて49。でもこれって、極東の島国じゃ不吉な数字らしいぜ。
実際には49人以上いるなんて噂もあるが、どうだかな。

ヤツらはあの地獄をクソで塗り固めたような戦争を――それこそ下水道から宇宙まで飛び跳ね回った強者揃いさ。
そう、今から始まるのは、そのバカ騒ぎの物語。

(なんか49の誰かの写真を出す)
これ一人も49居なかったらどうしよう

(みたいな冒頭のモノローグシーンを撮り、くっちゃべるだけでタダ酒を飲めるだけ飲もうと目論んでいる)

(背後で爆発)



「やあ。君たちは知っているかい?猟兵……そして、フォーティーナイナーズというイカれてイカした連中を」
 臥待・夏報(f15753)のナレーションから、最初のカットが始まる。
 映し出されるのはヒーローズアース、すなわちCGでモデリングされた地球の情景。そこから急速にクローズアップされてゆく。
「ラッキー7をふたつ掛けて49。でもこれって、極東の島国じゃ不吉な数字らしいぜ」
 アメリカ。ロサンゼルス。そして燃える街の情景へ。
「実際には49人以上いるなんて噂もあるが、どうだかな」
 それを見下ろすガラス張りのビル高層階の中へと情景が移る。窓際でワイングラスを掲げる夏報と燃えるロサンゼルスがフレームイン。夏報はカメラへと目線を移す。
「アースクライシス。ヤツらはあの地獄をクソで塗り固めたような戦争を――それこそ下水道から宇宙まで飛び跳ね回った強者揃いさ」
 傍らのテーブルにワイングラスを置き、夏報は何枚かの写真を取り出した。そこに映し出されているのは、何名かの猟兵たち――特にフォーティナイナーズに名前を刻んだメンバーたちの顔だ。
「そう、今から始まるのは、そのバカ騒ぎの物語」
 モノローグの終了とともに、燃える街並みで巨大な爆発。カメラワークがシフトし、窓の外の情景をふたたびクローズアップする。

「うわああああッ!」
「おとうさあああん!おかあさああああん!」
「ククク……さあ、怯え逃げ惑うがいい!もはやこの世界に未来はないのだ!」
 街は瓦礫と化す。銃火器を構えた殺人ロボットが哄笑を響かせながら弾丸をばら撒き、建造物や自動車を破壊する。爆発。爆風を背に振り返る殺人マシンの操演を務めるのはフォーティナイナーズにも名を連ねる水鏡・怜悧(f21278)だ。よく見れば殺人ロボットの躯体は無数の金属繊維が束になって構成されている。怜悧/ロキのユーベルコードが呼び出した金属の触手によって構築されたものだ。撮影に協力はするが顔出しは避けるという意図を汲んでのものである。
「そうはさせません!」
「私たちが、みんなを助けるよ!」
「グアアーッ!!」
 閃光と爆発!奔る力が殺人ロボットを破壊し尽くす。爆風を切り裂いてカメラの前に姿を現わすのはビスマス・テルマール(f02021)、そしてエミリロット・エカルネージュ(f21989)である。
 特にエミリロットはフォーティナイナーズに名を刻んだメンバーの1人だ。フレームインの際に一瞬画面がフリーズし、《49》の文字がカットイン。そして再び動き出す。もうもうとあがる煙を切り裂いて更に飛び出す!
「おのれ!」
 最後の足掻き!砕けた殺人ロボットの腕から怪光線が放たれ、ビルがビルが爆発!建材と瓦礫の塊がばらばらと地上めがけて落ち始める!
「きゃああああっ!」
「し、死にたくない!死にたくない!」
「エミリさん!」
「うん!やるよ、ビスマスちゃん!」
 悲鳴をあげる人々のもとへ2人は駆けつける。そして走りながらもビスマスは南瓜を変じたカタチの砲弾を放つ!瓦礫に激突し爆発する南瓜弾はそのまま形を変えて鎧装となったのである。
《Namerou Hearts Generalnes! Squasharmed!》
「いきます!」
 ビスマスはそのまま鎧装をまとい、出力を上昇!消しきれなかった瓦礫の破片へと向けて構築するオーラ防壁が人々の盾となる。
「た、助けて……ッ!」
 だが、オーラ防壁も大きさには限界があり、その庇護下に入れていない人々もまだ多い。絶望の慟哭。巨大な瓦礫が逃げ遅れた一般市民を潰そうとする――
「もちろん、助けるよ!ボクらはそのために来たんだ!」
 その瓦礫の塊が粉々に砕け散る!エミリロットはそのまま空中を蹴るように素早く機動し、間一髪市民を救い出す。まとめて2人、3人!抱えて保護し、更に走った!
「ビスマスちゃん!」
 エミリロットはビスマスに合流し、オーラ防壁の庇護下に救助した人々を預けながら道を切り開くべく、瓦礫の街へと視線を向ける!
「エミリさん、このまま安全な場所まで移動しましょう」
「賛成だよ。みんな助けながら行こう!」
 かくして2人は民衆を導く女神のように人々を護りながら進んでいく。
 そしてその列を遠くから見下ろすカメラワーク。黒衣を纏った謎の人影が高所に立って見下ろし、静かに笑う姿が画面に映る。
「ククク……いくら救助しても無駄だ……最後には我が最強の極悪兵器ですべて塵になるのだからな!」
 そして、爆発。暗転。

 ~~~~~~
 
 舞台裏である。
「おつかれさまでーす」
「お疲れ様です。あ、これお土産のなめろうです。どうぞ召し上がってください」
「これはこれはどうもご丁寧に。あー、いいねえ、お酒がすすみそうだ」
 猟兵たちに用意された専用の楽屋で、夏報はビスマスと挨拶を交わしながら休憩をとっていた。今日の分の撮影はもう終わりである。故に夏報は既にひと瓶開けていた。海産物なら白かなー、と上機嫌で新たにワインの瓶を引っ張り出す。
「ところで、エミリさんを見ませんでしたか?」
「フォーティナイナー組なら、外で即席サイン会の真っ最中だね」
 なめろうを箸でひとくちつまみながら、窓の外に見える黒山の人だかりを指す。そこは人でごった返していた。
「……こ、こうなると思ったから役者よりも裏方が良いと言ったんですが」
 どこから嗅ぎつけたのか、怜悧/ロキは集まったフォーティナイナーズのファンに囲まれてサインをねだられていた。
「はいはい!サインね、いいよいいよー!サービスしちゃうから。それから餃子はどう?今日は新作を作ったから見学のついでに食べていってね!」
 一方エミリロットはこれも好機とばかりに趣味の餃子作りの腕前を披露。楽屋のキッチンを借りて調理した餃子をファンの人々に振る舞っている。ちょっとした催し物会場の様相を呈していた。
「む。エミリさんばかりずるいですよ!失礼します、わたしもこうしてはいられません。なめろうの布教に行かなくては!」
 その光景を目の当たりにしたビスマスは一度頭を下げてから素早くエプロン姿に着替えるとキッチンへと駆け込んで行く。これからフォーティナイナーズファンの人々になめろうを提供し、布教するのだろう。夏報は面白がるように笑いながらその姿を見送り、なめろうをアテにワイングラスを掲げるのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

白鳥・深菜
「10分に1回は爆発ねえ……
まあ、普段のネタ動画なら1分に2~3回くらいで爆発しそうなペースで
やるし、難しい注文じゃなさそう……?」

私はいつものエレファン芸で<様々な属性>と<爆発>を合成して
「エレメントを爆発させて戦うヒーロー」みたいな役をしてみようと思う。
ただまあ私はランク外の無名猟兵だし、こんな感じかなって――

どかーん!(※瓦礫を<地>の<爆発>で吹き飛ばしながら登場)
ざぽーん!(※瓦礫を<水>の<爆発>で押し流して民間人を救助)
ぼふーん!(※粉塵を<風>の<爆発>で舞い上げて環境保全)

――じゃあ、よろしくお願いします(ドピャア顔決めつつ)


メンカル・プルモーサ
49(12位・ファン層はお任せします)
逃げ遅れた人の救助シーンね……ボンガボンガ爆発させるのがオーダーらしいから…
…オブリビオンがミサイルとかロケランとかグレネードとかをぶっぱして…
…避難民が巻き込まれてた…と思わせて煙が晴れたら術式の障壁でそれを防いでいるのが登場シーン…
…予め【夜飛び唄うは虎鶫】でガジェット(役者に配慮した安全空砲Ver)を召喚…周囲に漂わせて…
…ガジェットに応戦させている間に避難の最短ルートは情報収集で割り出して…避難民を案内して脱出しよう…
…ガジェットは沢山出るから多少は爆発四散しても問題無いよ…
良い感じに銃撃戦(+爆発&爆発)っぽいことが出来ると良いな…



「10分に1回は爆発ねえ……」
 白鳥・深菜(f04881)は楽屋で唸る。
「まあ、普段のネタ動画なら1分に2~3回くらいで爆発しそうなペースでやるし、難しい注文じゃなさそう……?」
「普段からそんなに爆発を」
 コーヒーを出しに来たスタッフがカルチャーギャップにぎょっとする。
「ええ、まあ」
「でもいいと思いますよ。スポンサーからはどかどかやれってオーダーですし……」
「それなら……応えるけど……」
 ドアを開けて楽屋に入ってきたメンカル・プルモーサ(f08301)はやや疲弊した様子で応じる。
「ファンミーティング?お疲れ様」
「……疲れた」
 その両手はフォーティナイナーズ・フリークたちから押し付けられるように渡された差し入れでいっぱいだ。『かっこいいおねえちゃん』に憧れるちびっ子から『娘と同じくらい』と応援する中年男性まで、彼女のファン層は割と広い。
「本番までまだ少し時間もあるみたいだし、ちょっと休憩してから行きましょう」
「……そうする」
「――じゃあ、よろしくお願いします」

 ~~~~~~

 爆発。
 砕け散る瓦礫。飛び交う砲弾に逃げ惑う人々。笑う悪党の群れ!
「ハハハハハ!皆殺しだぜ!」
「助けてええっ!」
 無辜の市民へと襲いかかるグレネード!轟音!爆発!無慈悲な爆轟が人々を包み込み、吹き上がる煙。
「……だめ」
 立ち込める煙が晴れたその時、そこに立つのはメンカルの姿だ。その顔がクローズアップされ、一瞬のフリーズ。《49》の文字がカットインし、そして再び動き出す。
「馬鹿な……無傷だと!?」
「……させない。この街も……ひとも。私は、護る」
 瓦礫の大地に立つ彼女の背後には、守り抜いた人々の姿。彼女は防御術式を構築し、敵の放ったグレネード爆発の破壊力から人々を護ったのだ。光の防壁が輝き、その身を盾にメンカルは対峙する!
「きさ……グアアーッ!!」
「どかーん!!」
 ここで更に爆発!悪党の立つ瓦礫が粉々に吹き飛ぶ!そこに現れたのは深菜の姿である。ユーベルコード【エレメンタルファンタジア】……もとい、それに類似した特性を持つユーベルコード【災厄と希望の開放器/パンドーラー・エルピス】を得意とする、知る人ぞ知るエレファン芸人とは彼女のことだ。見事な爆破が画面に映える。
「ワイルドハント、遊撃・兼・奇襲担当!見参よ!」
「goddamn!クソ、囲め!これほどの軍団で一斉に攻撃すれば……」
 爆風を乗り越え、悪人たちが新たにフレームイン。チクショウ!悪態を吐きながらそれぞれが機関銃を構える!
「……我が従僕よ、集え、出でよ」
 だが、それに抗するように空中を舞う戦闘ガジェットが無数に空中を駆けた。【飛び唄うは虎鶫/セブン・ホイッスラーズ】!招聘されたガジェットの群れが悪人たちの群れへと立ち向かい巧みなCG合成の光弾を放つ。炸裂!悲鳴をあげて吹き飛ぶ悪党たち!
「希うは森羅万象の災厄。望むは天地万物の未来。故に開け、希望の箱よ!さあ、どんどんやっちゃうわよ!」
 更に爆発するエレファン芸!猟兵たちは悪党を次々に吹き飛ばし、そして道を開いてゆく!
「こっちは任せて頂戴。その人たちを送り届けるのはお願いするわ!」
「……わかった。今のうちに、行こう。……安全なところまで、案内する」
「う……うん!」
 メンカルが避難民たちへと手を差し伸べる。恐る恐るその手をとった子供の手を引き、彼女は瓦礫の街を駆け出した。
 そして更に爆発!その炎の中を猟兵たちは駆け抜けて――場面は、次のカットへと移る。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ティオレンシア・シーディア
※アドリブ掛け合い絡み大歓迎

あらぁ、知ってる顔もちらほらいるわねぇ。
あたしこーゆーのは初めてだし、よろしくお願いするわねぇ。
これでも○演技にはそこそこ自信あるのよぉ?

ド派手な絵面っていうなら、バイクアクションとかどうかしらぁ?
どっかんどっかん爆破するんでしょぉ?だいぶ映えるんじゃないかしらぁ?
ミッドナイトレースなら戦争依頼でぶんどってきたバイク型UFOだしマシンパワーと頑丈さは問題ないでしょ。
まあ問題はあたしの操縦技術だけど…そこは●忙殺でカバーするわぁ。
テレビウムの人たちから不思議なリモコン貸してもらえれば多分なんとかなる…はず。
せっかくだし頭空っぽにして楽しみましょ。


空葉・千種
49(11/5 46位)
すみませーん!遅くなりましたー!!
…えっとですね、ここに来る途中「私のファンだー」って人に会って、お相手してたらどんどん増えていって…はい。その結果外の人だかりみたい感じになっちゃいました…。
せっかく私に会いに来てくれたのに無下にはできなくて…

とにかく、遅れた分撮影を頑張らないと!
UCで巨大化してタックルとかでビルをゴリゴリ破壊しながら救助に向かうよ!
戦争で巻き添えにしちゃったビルの弁償がまだ終わってない身からすると複雑だけど…
うん、映画は映画。
「要救助者がビルに巻き込まれない?」とか「オブリビオン以上に被害を出してる」とかは全部忘れて怪獣映画ばりの突撃を見せるよ!



「ハリケーン。久しぶりねぇ、あれからいかがかしらぁ?」
「おっと、こいつはあの時のお嬢さんじゃないか。ハハ、おかげさまで余生が充実してるぜ。……おっと、すまねえ。こっちもこれから撮影でな、よろしく頼むぜ」
「えぇ。あたしもそろそろ準備しなくちゃねぇ。それじゃ、またあとで」
 ティオレンシア・シーディア(f04145)は以前の戦いで見知った顔と挨拶を交わす。
「すみませーん!遅くなりましたー!!」
 そこへ飛び込んで来たのは空葉・千種(f16500)である。
「あらぁ、重役出勤」
「……えっとですね、ここに来る途中『私のファンだー』って人に会って、お相手してたらどんどん増えていって……」
 千種はすこし困ったように頬を搔く。その後ろで、扉越しに人々の声が聞こえた。
「はい。その結果外の人だかりみたい感じになっちゃいました……。せっかく私に会いに来てくれたのに無下にはできなくて」
「いいじゃない。人気がある証拠ねぇ。……それじゃ、あたしも負けないようにしなくっちゃあ。これでも演技にはそこそこ自信あるのよぉ?」
「そしたら私も人気だけじゃないってところを見せなきゃだね……遅れた分も撮影を頑張らないと!」
 千種はグッと拳を握りしめ、間も無く始まる撮影に向けて決意を新たにやる気を見せる。
「すみませーん、そろそろスタジオ入りお願いしまーす!」
 そこにスタッフからに声がかかった。さあ、撮影の時間だ。2人は顔を見合わせてから、楽屋を出て撮影現場に向かう。
「はぁい、今行くわぁ」
「よろしくお願いしまーす!」
 
 ~~~~~~
 
 爆発!瓦礫の街に火薬が炸裂し、飛び散るコンクリート片!そして爆風の中から飛び出す一台のバイクが煙の尾を引いて走り抜ける!機動フライングオブジェクト、ミッドナイトレースを駆るティオレンシアの姿だ!
「要救助者はまだいるけどぉ……!」
 バッグから引き抜いたグレネードのピンを引き抜き投擲!道を塞ぐ瓦礫を爆破し、粉砕しながら再びスロットルを吹かす。見事なバイクアクション!廃墟と化した街を駆けながらティオレンシアは救助を待つ人々の元を目指していた。だが!
「こう瓦礫だらけじゃあねぇ!」
 そこらじゅうで悪党どもが暴れまわったその結果、街はバイクで駆け回るには少々苦労する瓦礫の山だ。【忙殺/インスタント】で着替えたライダースーツで操縦技術を底上げしていたが、悪路どころではない道路状況にティオレンシアは苦戦を強いられる!
「まかせて!」
 しかし、そこでティオレンシアは影に覆われる。見上げた視線の先には――その影の主である千種が見下ろしていた。一瞬画面が静止しカットインする《49》の文字。再び動き出す映像。カメラが引いて映し出す彼女の全体図は縮尺を誤ったかのように巨大だ。否、誤りのではない。また特撮でもない!これは彼女のユーベルコード【叔母さんに(無理矢理)取り付けられた巨大化装置】によって20メートルサイズまで巨大化した千種そのものなのである。実際に巨大なのだ!
「私が道を開くよ!」
 千種が両手で抱え込んだのは日本からわざわざ輸送してきたお気に入りの電柱だ!ぎゅおんッ!力強く振り抜いた電柱を粉砕バットめいてスイング!パワー!巨体が繰り出す破壊力がビルの残骸を粉々に粉砕し、道を開いた!ティオレンシアは千種と視線を交わし、グッと親指を立て頷きあう。更に怪獣映画めいて建物に激突した千種がビルを派手に倒壊させ、そうして開いた道をティオレンシアが駆けた。
「見えたわぁ……手分けして助けるわよぉ」
「おっけー!このままみんな助けるよ……どんな命だって、きっと救ってみせる!」
 カメラ目線のキメ顔がややアップになり、千種の声が響き渡る。その先に見つけた怪我人。救助を待つ一般市民を2人はそれぞれ救助し、安全な場所へと退避させてゆく。

 かくして猟兵たちは人々を救い、オブリブオンの脅威から人々を守り抜く。……だが、敵も着々と作戦を進行させているのである。瓦礫の街にゆらりと浮かぶ無数の黒い影。オブリビオンの群れが本腰を入れて侵攻をかけようとしているのだ。襲い来るオブリビオンの群れへと対抗する猟兵たち。そういったシーンへと場面は移ってゆく。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『『モデル・アジテーター』絶滅ちゃん』

POW   :    『絶滅人類.oblに接続します』
自身からレベルm半径内の無機物を【部品に含む機械やロボ等(猟兵除く)を手下】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
SPD   :    愚者の盾
戦闘力のない、レベル×1体の【一時的に洗脳されている一般人】を召喚する。応援や助言、技能「【かばう】」「【奉仕】」「【時間稼ぎ】」を使った支援をしてくれる。
WIZ   :    断滅騒乱
【世界の終末を騒ぐ内容のアジテーション演説】を披露した指定の全対象に【滅亡する前に好き勝手やってしまえ、という】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。

イラスト:鋼鉄ヤロウ

👑7
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「いやあ、いい絵が撮れたねえ。それじゃあ本格的なアクションにはいっていこうねえ」
 監督は撮影を進めていく。撮影スケジュールに遅れはない。いまのところ、爆破もスポンサーに指示された規定数を越えてやりたい放題だ。
「次の場面はねえ……なんだったっけ。ああ、うん。そうだね、たたかうところを撮るんだったね。殺陣の場面だね。こっちでもどんどんナパームつかっていくからね。よろしくね」
 以上が監督からの指示である。

 〜〜〜〜〜〜

「……これはいけません。こうも作戦を妨害されては」
「規定に従い、障害を排除します」
「任務了解。人類を絶滅させます」
 瓦礫の街に現れるオブリビオンの群れ。敵は破壊と殺戮に向けていた手を止め、その刃を猟兵たちへと向ける。
 戦いはここからが本番だ。さあ、観客がエキサイトするような派手なアクションを叩きつけろ!
水鏡・怜悧
詠唱改変省略可
人格:ロキ
「次は幹部戦ですね」
引続き顔出しなしで悪役と爆発担当。金属で作ったハリボテに、光でジェネシス・エイト(レディ以外会ったことある)の幻影を被せ、風で声を似せてそれっぽく捨て台詞を吐きます。ヒーローや猟兵の必殺技に合わせて爆発しながら派手にやられましょう。
『状況:我=敗北、確定:猟兵=脅威』
『ギシャ…ムテキノワレガヤラレルナド…』
『アタシが…やられるなんて…ホンット、ムカつく』
『アシュリー…すまねぇ』
『オロロロロ、さすがは猟兵、オミゴトですネェ!』
『クライング・ジェネシス様…申し訳ありません』
『見事だ…猟兵…』
『やられちゃいました☆』

「ククク…次は我直々に相手してやろう」


臥待・夏報
(火薬のにおいが咽せかえる市街で、ポケットに両手を突っ込み猫背で歩く)

いいか、猟兵ってやつには二種類がいる。
無傷で敵を蹴散らす超人《ヒーロー》と、ドブ水を啜っても戦う戦士《ヴィジランテ》だ。
お前らはどっちが好きだい?

(爆風を背に酒瓶を煽る)

昔はヒーローに憧れもしたよ。でも大人になるにつれ、思い通りにならない現実を戦う姿の良さが分かってきた――
大抵の腑抜けは、そんなつまらん答えでテスト合格を狙うんじゃないか?

ここには第三の道がある。
……そりゃ何だって?
敵も、味方も、何もかも燃やし尽くす――爆破《テロル》の道さ。

(手下たちの攻撃が直撃したかに見えたその瞬間、無数の写真へと変わって爆風に散っていく)



「次は本格的な戦闘シーンですね」
「はい、引き続きよろしくおねがいします」
 水鏡・怜悧(f21278)の人格のひとつであるロキは、楽屋で脚本家との打ち合わせをしていた。
「そこでですね、私としてはせっかくの映画ですから。やはり観客の目を惹く展開が必要だと思うんです」
「なるほど」
「ここで敵側にも強力な存在を出すべきでしょう。ジェネシス・エイトとか」
「ジェネシスエイト!」
 脚本家が目を丸くする。これはなかった発想だ。ロサンゼルスでの戦いというテーマの映像作品であったが故に、そこまでの大物を敵として出すことを考えていなかったのだ。
「いや、しかしですね。この映画がヒットしたときの続編展開を考えると幹部戦はとっておく方が安泰という気もしませんか?」
「それも一理ありますね」
「夏報さんもそこは同感だね。これがB級映画なのはわかってるけど、安過ぎてもよくない」
 臥待・夏報(f15753)も意見を出す。
「出す幹部を絞ればいけるのでは?」
「ダークポイントくらいにするというのはどうでしょう。実際、市街戦でしたから」
「それならスカムキングあたりもいけるかな?ダストブロンクスから出てきたってことにすれば」
「それでいきましょう」

~~~~~~

 暗転から画面に光が差し、瓦礫の街が映し出される。
 咽せるような火薬の臭いに満ちた市街を、夏報は猫背で歩いていた。
「いいか、猟兵ってやつには二種類がいる」
 夏報の数メートル横で爆発。しかしてそれを意にも介せず彼女は進む。
「無傷で敵を蹴散らす超人《ヒーロー》と、ドブ水を啜っても戦う戦士《ヴィジランテ》だ。お前らはどっちが好きだい?」
 一旦カメラが引いて、別のビルが映し出された。その上に佇む黒い影。ジェネシス・エイト。ダークポイント。怜悧/ロキの操演によるものだ。彼が操るダークポイントロボは役者が演じるオブリビオンへと指示を下す。怜悧/ロキは先のシーンに引き続いて操演による敵役の動きを担当する。
 そこからカメラワークが再び戻り、酒瓶を呷る夏報が映し出される。
「昔はヒーローに憧れもしたよ。でも大人になるにつれ、思い通りにならない現実を戦う姿の良さが分かってきた――大抵の腑抜けは、そんなつまらん答えでテスト合格を狙うんじゃないか?」
 ここで新たにオブリビオンたちがフレームイン。怜悧/ロキの操演によるスカムキングもここで登場する。
「ここには第三の道がある……そりゃ何だって?敵も、味方も、何もかも燃やし尽くす――爆破《テロル》の道さ」
 怜悧/ロキの操るスカムキングが攻撃の指示を出す仕草。構えたロケット砲のトリガーを引く。発射されるナパーム弾。笑う夏報の口元をアップで映し、爆発のカット。爆風の中から無数の写真が散って舞う。そこには再び猟兵たちの顔が映っていた。
 直後に、再び爆発。スカムキングが爆散し、更にビルの上のダークポイントを炎が襲う。再び引きのアングル。そして、彼らを撃破した猟兵たちの姿が映し出され――ここで次のシーンに繋がる。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

エミリロット・エカルネージュ
49

【なめろう餃子】で参戦

それなら、此処はボクとビスマスちゃんで同時変身かな。

●POW
ビスマスちゃんが真の姿になるのに合わせて『早業』でUC発動

人類絶滅なんて……台詞事態は陳腐だけど

その通りにはいかないよ

近場の無機物やロボットにユーベルコードで手下化する役者さんの『演技』に合わせ

これ以上手下を増やさせないと【バニラアイスバリア】を『範囲攻撃』で広げ遮断する『パフォーマンス』で食い止め

『ダッシュ』で近付き

『フェイント』と『演技』で直当てせずに『グラップル』する様に殺陣を

【バニラアイスバリア】を使った『属性攻撃(餃子)』『衝撃波』の『なぎ払い』一閃もCG処理でお願いを

※アドリブ絡み掛け合い大歓迎


ビスマス・テルマール
【なめろう餃子】で参戦

●SPD
エミリさんの世界の怪人ってあんなので、良いんですかね?

餃心拳と餃子のに対して考えると食べ物全く関係ないですし

まぁ……言ってる事は洒落にならないのは確かですが

真の姿になっておき

取り巻きの中の洗脳されてる
一般人はこの子達に任せますか

UCで『なめろう餃子怪人』達を召喚

怪人たちが『料理』した
なめろう餃子を洗脳された一般人に食べさせ目を覚ます感じで

中身は目を覚ますと言う意味で青唐辛子味噌を使った鴨肉のなめろうですが、これも中々美味ですよ

あっ、わたしはわたしで
『パフォーマンス』で『演技』で『フェイント』を駆使し寸止めでやり取りして殺陣を演じますよ。

※アドリブ絡み掛け合い大歓迎



「いくよ、ビスマスちゃん!」
「はい、いきましょうエミリさん!」
 エミリロット・エカルネージュ(f21989)とビスマス・テルマール(f02021)はともにフードファイターとしての力を持つ猟兵である。
 フードファイターとは、食事を通じて自らの力を増大させる能力を備えた者を指す。但し、この2人については少々事情が異なる。
 彼女たちはそれぞれ「なめろう」と「餃子」と限定しているのだ。それは彼女たちがご当地ヒーローと呼ばれる能力者に近い性質をもつが故である。ご当地ヒーローとは、縁をもつ土地の地脈、あるいはガイアパワーなどと呼ばれる大地の力を、その土地の特徴をあらわすものを通じて体内に取り込み力に変える力を持つ者を指す。彼女たちはそれを「なめろう」や「餃子」を用いることで発揮しているのだ。
《Chilled Standby!》
「「変身!」」
《True Form Drago Knight Lord Bismuth !》
 2人はそれぞれ起動したデバイスを用いて装甲を纏い、戦闘形態へと変わる。見据えた先にオブリビオン。そして洗脳を受けた暴徒と化した人々の群れ!
「はっ!」
 崩れかけたビルを蹴立て飛び出すビスマスとエミリは人々の中心へと飛び込んだ。
「敵性接近」
「対処します」
「これ以上はやらせないよ!」
 エミリはオブリビオンたちが動き出すよりも先に広域バリアを展開。涼やかな風が吹き抜け、周囲の空間を覆う。これでこれ以上外の領域へはアジテーターの声は届かない。
「おおおおおおお!」
「死ぬしかねえ!死ぬしかねえ!」
 だが、既に洗脳を施された人々はいまだ暴徒として暴れるばかりだ!
「ビスマスちゃん、あっちの人たちを頼める?ボクはオブリビオンを!」
「任せてください、考えがあります」
 エミリは洗脳を続けるアジテーターのもとを目指し、ビスマスはホルダーから引き抜いたカードを鎧装の一部、ローカルドライバーに通す。ご当地パワーを顕在化させる。揺らめくオーロラめいたエフェクトがカーテンのように虚空にかかり、その中からわらわらと餃子をかたどる造形の頭をもった怪人の群れが現れた。なめろう餃子怪人だ。その顔が一旦アップになり、カメラ目線でピースサインをした。【ディメイションサモン・ローカルモンスター】。ここに呼び出されたのはいわゆるご当地ヒーローに対をなすご当地ヴィランである。
「ところでなにゆえ我々はここに呼ばれたナメ?」
「怪人さん、あの人たちは人類の絶滅を目論んでいるんです。それはつまり、人々の文化が破壊され、なめろうも餃子も失われてしまうということ!」
 ビスマスはすかさず餃子怪人たちをけしかける!
「なに!?」
「人類文化の至宝である我々のご当地なめろう餃子を滅ぼそうとしているというナメ!?」
「許せんギョザ!!」
「みなさんのなめろう餃子で、皆さんの目を覚まさせてください。わたしは扇動している敵をやっつけます!」
「わかったナメ!」
「我々のご当地パワーを見せてやるギョザ!」
 作戦行動、任務了解。餃子怪人軍団は意気揚々とキッチンを展開しながら行動を開始する。周囲の洗脳一般人たちを次々に捕らえ、席につかせる。
「洗脳済一般人が奪われています」
「奪還を……」
 ビスマスたちの作戦に気付いたオブリビオンたちが反撃に出るために行動を開始する。しかしその時である。
「思い通りになんかならないよ!」
 素早く瓦礫の中を駆け抜け、間合いを詰めたエミリが激突!衝撃に吹き飛ばされたオブリビオンは空中をきりもみ回転しながら地面に落下し爆発!
「猟兵……!」
「人類絶滅なんて……その通りにはいかないよ!」
 エミリは麺棒めいた竜槍シャオロンを抜き放ち、構えて突進。アジテーターへと攻め込む。
「はい!わたしたちがいる限り……」
 更に反対側からビスマスが加わった!フォースセイバーで一閃!CGエフェクトが激しく光り、アジテーターの一体を斬り伏せる。
「オブリビオンたちの好き勝手にはさせないからね!」
 追撃!麺棒が、もといシャオロンが唸りをあげてオブリビオンを叩き伏せる。これでとどめ、と振りかぶり、そして一閃!
「グアーッ!!」
 CGエフェクトを重ねがけた渾身の一撃で、オブリビオンたちがまとめて吹っ飛んで爆散した!
「こっちはこれで終わりみたいだね。ビスマスちゃん、向こうはどう?」
「はい。あちらもうまくいっているようです」
 オブリビオンを撃破して一息。2人は餃子怪人たちの様子を見遣る。
「ギョーッザザザザ!どうギョザ!我々のなめろう餃子は!」
「グアーッ青唐辛子!!」
「グアーッカプサイシン!!」
「ナメナメナメ~ッ!この鴨肉と青唐辛子味噌のなめろうがもつほどよい辛味がお前たちの意識に覚醒を促し正気に戻すナメ!」
「そうしたらまたおかわりを食わせてやるギョザ!」
 なめろう餃子怪人軍団は一応の仕事は果たしている。まあ、その。怪人だからやり方は少々荒っぽいかもしれないが。
「……よし!それじゃあ行こうか、ビスマスちゃん。まだ全部が終わったわけじゃないみたいだし!」
「はい!それじゃあなめろう餃子怪人さん、そちらは頼みます!」
「もっと人間どもを連れてくるギョザ!我々のなめろう餃子で正気を取り戻させた後であらためて虜にしてやるギョザ!」
「やりすぎないようにね!」
 そうして、飛び立つ2人の背をカメラが追って一度カット。また別の猟兵たちの戦いへとフォーカスが移る。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

メンカル・プルモーサ
……さて……派手、派手にか…集
…ともあれ相手は機械兵……ならやることは単純かな…
アジテーターたちの攻撃を必要以上に派手に光る障壁で防御しつつ…
…【我が身転ずる電子の精】で直接アジテーター達の信号をいじって…
…つまり、直に(データ改ざんの映像が挟まる)ハッキングをして自爆や同士討ちをさせよう…
…もし洗脳された一般人(役)の人がでたら術式で眠らせて(派手なエフェクト入りの)【彼方へ繋ぐ隠れ道】で転送…

…最後は重奏強化術式【エコー】で(見た目だけを)強化した爆破魔法で一掃するよ…
……爆発自体は派手だけどほとんど見せかけのものだから役者さんたちも安心安全……こんな感じでいいかな…


フィランサ・ロセウス
どこかのお偉方みたいな人らが
「アレまで投入するなんてヤベーって!(意訳)」
「うるせー!なり振り構ってらんねー!(意訳)」
的なやり取りをするシーンを挟み、装甲車に乗せられて登場

状況説明と共に拘束を解かれるや否や、
残像すら見せる程の超スピードでオブリビオンに迫り、
卑劣にも盾にされていた一般人を引き剥がす!
「私の罪は消えない…それでも、誰かを救えるなら…」
とか絶対言わなそうな事言ってるけど本人だよ?

後はフックシューターを駆使して飛び回りながら、何でか都合よくその辺に落ちているロケットランチャー、手榴弾、指向性地雷(爆発物オンリー)などを使ってどっちが悪役かよくわからない爆破合戦を繰り広げる!

49


白鳥・深菜
「厄介な敵が相手の場合の対処法といえば……
そうね、スナイパーによる足止め戦法が有名どころかしらね」

というわけで人気のないビルから
オブリビオン(役)を狙撃するムーブを決めるわ。

というわけで――
「宿すは<氷>の<爆発>、放つは凍てつく世界の鎮静弾」
狙った相手は凍らせ、余波で暴徒の動きも鈍らせる爆風弾を蒼銃の銃口にセット。

……無論、そういう設定の演出だから、実際の効果は見掛け倒し。
ほんのり寒い程度の物に全力で調整するから安心しなさい?

……とはいってもそれ1発じゃあ絵にならないわね。
じゃあ『2回攻撃』で派手に行こうかしら。
結構寒くなるかもしれないけど、取れ高の方が重要ってことで、ね!



「フィランサさんはいりまーす」
「はいりまーす❤️」
 がらごろとカートを押すような音がする。スタッフに『運ばれ』て楽屋入りしたのは、拘束衣を着せられたフィランサ・ロセウス(f16445)である。
 白鳥・深菜(f04881)は飲みかけのコーヒーカップを持ったまま、『あっ。やべーのがきたな』って顔をした。
「……こんにちは」
 メンカル・プルモーサ(f08301)は恐る恐る挨拶。好奇心豊かで意外と行動派。フィランサは撮影に備えてスタッフに拘束衣を解いてもらいながらメンカルへにこにことスマイルを返す。
「どうしたの、そのカッコ」
「ファンミーティングだったの。みんな私のこと“好き”だって❤️」
 フィランサ・ロセウスはフォーティナイナーズであるが、しかしてその一方で未だに監察下に置かれているヴィランでもある。可能性を考慮した上で、彼女のファンミーティングは『拘束衣着用で』という条件のもと許可された。それはたいへんに異様な光景であったという。なお、フィランサのファン層はビジュアルのカワイイに惹かれた女児と実際のやべーところを理解した上で応援しているガチでコアなやべーファンに二分される。
「わたしの“好き”をみんなに伝えられなかったのは残念だけど……」
「拘束衣出したのは正解だったみたいね」
 深菜は苦笑いしながら残りのコーヒーを飲み干す。壁に掛けられた時計に視線をやった。
「……こういう人も、いるんだ……」
 自分の常識のちょっと外にある情景に、メンカルは目を細めた。
「それより、もうすぐ撮影の時間ね。準備しましょう」
「はーい❤️」
「……うん」
 
 ~~~~~~
 
「やはり危険ではありませんか?」
「……しかし、必要でしょう。毒をもって毒を制すと言いいます」
「馬鹿を言え。その毒で悪化したら誰が責任を取るのだ!」
「しかしこのまま手をこまねいているわけにもいきますまい。それに、終わった後で『何もしなかった無能』と誹られるわけにもいかんでしょう!」
 喧々諤々。映し出されるのは会議室の場面だ。叫んでいるのはいずれも壮年の男性である。
「……わかった。出そう。『突撃デスハート』。『愛の爆弾(エモートボム)』。『好意災害(ディザスター・オブ・ラブ)』。たしかに我々にとっても危険だが、その分、戦力として“使える”はずだ」
「現場には恨まれるでしょうね」
「構わん。行け」
 室内の壁にかけられたモニターに、瓦礫の道を駆ける装甲車が映し出された。
 そこからカメラが切り替わり――戦場。

「人類の滅亡はもはや避けられない!」
「全てを諦め、受け入れ、そして滅びへと向かうのだ。お前たちに残された幸福はそれだけだ」
 アジテーターたちは人々に絶望をもたらすべく煽動しながら火器を向け、猟兵たちへ攻撃をかける。
「……愚かなことを」
 メンカルは戦闘術式を構築し、障壁を前方へと展開。ぱちぱちと爆ぜる音をたてて、敵の撃つ弾丸が光とともに弾けていく。
「抵抗をやめなさい、猟兵」
 アジテーターはここで一般人を“有効に”利用しだす。
「我々はいつでもこの人間たちを殺すことが可能です。また、我々は体内に爆弾を搭載しているため、迂闊に我々を破壊すればこの人間も無事では済まないでしょう」
「……古典的だけど、確かに有効な手ね」
 やや離れた位置のビルの上。深菜は通信機から届く状況に眉間を歪める。狙撃手の役割から敵を仕留める算段だった。人質を避けて当てる自信もあるが、爆発して巻き込むと言われれば少々考えざるを得ない。
「であれば上手く人質を敵から引き剥がせれば……」
「…………」
 戦場にて敵と相対し対峙するメンカルは、しかして障壁を維持したままだ。転移術式を起動できれば解決するが、敵の攻撃は激しく術式の多重起動は少々難しい。
「さあ、大人しく我々に……」
 ヴォン。
 ――瓦礫を踏み越えるタイヤと装甲の音。響くエンジン音。そこに駆けつけたのは、一台の装甲車である。
「……なんだ?」
 戦場に現れ、そしてやや距離を置いた場所で急停車。そこで動きを止める車の様子を、オブリビオンたちが訝しむ。
 数秒の空白を置いてから、爆ぜるように扉が開いた。
「――ごきげんよう」
 風切りの音。音の速さにも届くスピード。影を残して疾るピンクホワイトが瞬く間に戦場を駆け、アジテーターの周囲にいた人質たちをそこから引き離した。
 ここでようやくその姿が振り返り、顔がアップで映し出される。画面が一時フリーズし、現れる《49》の文字。フィランサである。
「せかいは、ほろぶんだ……」
 引き剥がした人質の少女が、虚ろな目で呟く。
「……大丈夫よ。そんなことにはならない」
 フィランサは少女をそっと抱きしめてから、アジテーターたちへと向き直った。
「……あなたも、猟兵……?」
 メンカルは隣に立ったフィランサへと尋ねた。
「そうよ。……だけど、咎人でもある。私の罪は消えない……。それでも、誰かを救えるなら……」
「……なら、いっしょに、戦う」
 並び立つ2人は視線を上げ、オブリビオンたちへと対峙する!
「いい状況ね……。これなら」
 海を割く蒼竜の眼。深菜は構えた銃を。否、銃のカタチをもつ魔導書をビルの上からオブリビオンたちへと向ける。精神を集中。引き金を引く動作を文字通り術式発動のトリガーとして、放つ。
「宿すは<氷>の<爆発>、放つは凍てつく世界の鎮静弾」
 銃声に似た風の音。ひゅうと音を立て、数秒で“着弾”する。
「むう!?」
 直撃を受けたアジテーターは瞬く間に凍結。更に彼女を中心に爆発的に広がった冷気が他のオブリビオンたちをも巻き込んだ!
「……今なら、いける……。我が体よ、変われ、集え。我は掌握、我は電霊。魔女が望むは電網手繰る陽陰」
 【我が身転ずる電子の精/コンバート・テクノマンサー】。メンカルの片腕が光の粒子へと変換される。光は虚空を渡り、凍結したオブリビオンたちの身体へと被さり内部に染み込むように入り込んだ。
「……自爆、しろ」
 轟音。アジテーターのうち1体は本人がそう言っていたように内部に搭載された爆弾を起爆し、爆炎の中に消える。巻き込んでもう1体。この戦場に残る敵はもはや僅かだ。
「状況、劣勢……!撤退は不許可。猟兵に対し、徹底的に抗戦を……」
「させないわ」
「終わりよ」
「……一掃するよ……」
 更に二発目の氷弾。深菜の魔術狙撃が再びオブリビオンたちの動きを止める。そして飛び出したフィランサは画面外でいつのまにか手にしていた手榴弾を投擲。そしてなんでかそのへんに都合よく落ちていたロケットランチャーを構えてブッ放す。とどめとばかりにメンカルの構築した術式が輝いて、凄まじい予算をかけた爆発が画面を埋め尽くした。
 炎と煙をバックに背負い、メンカルとフィランサはカメラに向かってゆっくりと歩いてくる。
「……まだ、敵は残ってる……」
「いきましょう。わたしの“好き”なこの世界を滅ぼさせたりなんて……しないわ」
 戦場をゆくフォーティナイナーズの2人を見下ろしながら、ビル上の深菜もまた動き始める。ここでまたもシーンカット。そうして次の戦いへと場面は移行してゆく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ティオレンシア・シーディア
※アドリブ掛け合い絡み大歓迎

お次は集団戦かぁ。わらわら出てくるのをどっかんどっかんブッ飛ばせばいいのよねぇ?なら、あたしの本領発揮かしらぁ?
元々あたし、雑魚散らしのほうが得意だし。

〇ダッシュ・ジャンプ・スライディング駆使して敵陣に突っこんで、〇第六感で攻撃〇見切りながら〇範囲攻撃。
●鏖殺とグレネードの〇投擲で派手に〇吹き飛ばして〇蹂躙するわぁ。
数だけはいるみたいだし、〇グラップルで〇盾にしたり吹き飛ばしても見栄えいいかしらねぇ。

…そういえば、さっきハリケーンと会ったわねぇ。
久しぶりに「デュエット」お願いしてもいいかもねぇ。
…今度のコイントスは、あたしがやってもいいかしらぁ?



「調子はどうだい」
「上々よぉ。そういえば、次のシーンは一緒だったわねぇ?」
 ティオレンシア・シーディア(f04145)は、楽屋から撮影現場に向かいながらハリケーンと話していた。
 ハリケーンは以前ティオレンシアが関わった事件において共闘したテキサスのヒーローである。
「せっかくだし、久しぶりに『デュエット』はどうかしらぁ?」
 ティオレンシアは誘いかける。
「願ってもない。ありがたい申し出だ。謹んで受けさせてもらうぜ」
 ハリケーンは頷いた。
「今度のコイントスは、あたしがやってもいいかしらぁ?」
「勿論さ、お嬢さん。老体に鞭打ってパートナーを務めようじゃないか」
「それじゃ、よろしく頼むわねぇ」
 そうして、撮影現場へと到着する。

~~~~~~

「敵性体に微弱なユーベルコード反応確認」
「猟兵ではありません。現地のヒーローと認定されます」
「ハ!悪かったな、微弱で!」
 クイックドロウ!瓦礫の遮蔽物から転がり出ながらハリケーンは45口径ピースメーカーの引き金を引き、オブリビオンへと応戦する。
「損傷軽微」
「抹殺します」
「やれやれ……まったく、さっさと引退しておくんだったぜ!」
 ハリケーンを囲むように敵が迫る。45口径弾頭で何度も応戦するが、やはり猟兵でない以上はオブリビオンに対抗するのは難しい。ハリケーンが膝をつく。しかし、その時だ!
「待たせたわねぇ」
 ざ、と瓦礫の地面を滑り、そこに駆けつけたのはバイクに騎乗したティオレンシアである。飛び込むその瞬間にピンを引き抜いたグレネードを投擲。爆轟。敵の群れを巻き込んで爆炎が燃え上がる。
「久しぶりねぇ、ハリケーン」
「よう、お嬢さん。相変わらずいい腕だ」
 バイクを降りたティオレンシアはハリケーンに手を差し伸べ、立ち上がらせた。更にホルスターからコルトSSA45口径ピースメーカー・カスタムモデル『オブシディアン』を抜く。
「今回はそっちに任せようじゃないか」
「『様式美』ねぇ?」
 ハリケーンはポケットから出した銀貨をティオレンシアに渡す。怪訝な様子でそれを見るオブリビオンたちは、しかし武具を構えて包囲を崩さない。
「何をしようと言うのだ」
「そりゃ、決まってる。……頼むぜ、お嬢さん!」
「ええ」
 ティオレンシアは銀貨を弾いて宙に浮かべた。僅かな間を置いて、地面へと落ちる。カァン、と甲高い音。コインが落ちたその瞬間!
「ショウ・タイムよぉ」
「ああ、いくぜ!」
 ダダダダダダダダッ!!銃声!弾丸の咆哮!ここに立つ2人は、共に同じ型の銃を相棒とし、そして『ファニング』と呼ばれる早撃ち技巧を得意とするガンファイターである。火薬の香りを纏いながら、銃火の交響曲が鳴り響く。ユーベルコード、【鏖殺】!
「グアーッ!」
「グアーッ!」
「グアーッ!」
 制圧射撃だ。吼える銃弾の嵐にオブリビオンたちは次々と倒れていく。瞬く間に包囲は崩れ、周囲のオブリビオンは殆どが全滅した。
 2人は銃口にくゆる硝煙を吹き消して、曲芸めいたガンスピン。ホルスターへと銃を収める。
「お見事」
「そっちも相変わらずねぇ」
 ぱし、と控えめなハイタッチ。そして2人は瓦礫の街へと視線を向ける。
「状況はかなりこっちが押してるはずだ。敵も焦ってる頃だろう。……隠し球があるとすりゃ、間も無く出してくるはずだぜ」
「えぇ、あたしもそう思うわぁ。……備えておいた方が良さそうねぇ?」
 カメラワークが切り替わり、少し遠景に街を映し出す。
 再びここでシーンがカット。場面はまた移り変わる。

大成功 🔵​🔵​🔵​

空葉・千種
■撮影
走りながらの踏み付けや電柱のなぎ払いで広い範囲を蹂躙するよ!
他にも丸太をクナイ投げの要領で指に挟んで沢山投げたり、火薬入りのタンクローリーを投げたり…
とにかく派手目になるように大きめの動きを心がけてみる!

■舞台裏
役者さんを傷付けないよう対人事故対策モードで演技をしましたが…怪我している人はいませんかー?
…さっきはアドリブで踏み潰してごめんなさい!
あのままだと瓦礫が当たりそうだったのでとっさに私でガードしようと…

そうそう、監督さん。
アドリブの後のあのシーンはカットでお願いしま…え?採用?
ちが、あれはフライングボディプレスじゃなくて普通に転んだだけで…!



「他部隊との通信、すべて途絶」
「敵勢力、いまだに増大」
「対抗手段を検索します」
 猟兵たちの活躍により、オブリビオンは既に駆逐されつつあった。
 最後に残った部隊が状況を判断して不利を悟るが、未だ攻撃を止める気配はない。アジテーターたちはしぶとく火砲を掲げ、襲撃を続ける。
「もう諦めなよ!」
 だが、その頭上から声が降った。一拍置いて――巨大な“なにか”が、落下する!空葉・千種(f16500)の靴底だ。強化人間としての力で20メートル級のサイズに巨大化した千種は瓦礫の街を駆け抜けてオブリビオンを追い、ここへやってきたのだ。
「敵性確認、迎撃……」
 千種の姿を見上げ、オブリビオンたちは迎撃態勢に移る。しかし先手をとったのは千種の方だ!ここにくるまでに拾っていた石油運搬車を振りかぶって叩きつけるように放り投げる!
「ええいっ!!」
 爆発!轟音!石油に引火した炎が燃え上がり、オブリビオンたちを巻き込んで巨大な火柱があがる。更に引っこ抜いた電柱を構えてフルスイングで地上を薙ぎ払う!アジテーターの群れごと瓦礫を捲き上げた。
「えあっ」
 更に千種は砕けた瓦礫を踏み切って宙を舞った。両腕をおおきく広げるような姿勢!20メートルの巨大な質量がオブリビオンたちを押しつぶしながら地面と激突する!
「グアーッ圧死!」
「グアーッ圧壊!」
「戦闘継続、不可能……」
「僚機の反応、すべて消失……」
 そして千種と地面の間に挟み込まれ機能を停止するオブリビオンたち。
「これで、終わりかな……?」
 破壊され尽くしたロサンゼルスの中で、千種は立ち上がる。周囲に敵の気配はないようだ。ひとまず、これで戦いは終わった――?
「……なに?」
 否。そうではない。ずし、と重たい音がする。街を揺るがす巨大な足音だ。
『ククク……どうやら我らの尖兵は役目を果たせなんだか』
 轟音。
 それはすなわち、今の千種に匹敵するか、あるいはそれ以上の質量をもつ巨大な存在が近づいてきていることを示す。ビルの陰から、それがゆっくりと姿を現し――

 ~~~~~~

「おつかれさまでーす!」
「おつかれさまあ。いい芝居だったねえ」
 シーンの撮影を終え、通常のサイズまで身体を戻した千種は撮影スタッフたちと挨拶を交わす。
「お疲れ様、チクサ」
「あ、マオさん。さっきは大丈夫でしたか?」
 千種に手を振るのは、オブリビオン役のアクション女優である。ちょうど千種に身体ごと押しつぶされた1人だ。
「さっきは踏み潰しちゃって、ごめんなさい……」
「何言ってるのさ。怪我なんかしてないし、それに危険は撮影現場にはつきもの。気にする必要ないよ。……それよりチクサ、あんたこのままウチで働きなよ。フォーティナイナーズってハクもあるし、その大きくなるやつさ、映画の仕事にもってこいだよ!」
「ええー、ほんとです?じゃあ考えてみようかな……」
 冗談半分だが半分は本気だという様子で、「そいつはいい!」と俳優たちが囃す。ちょっと困ったように笑う千種。会話する彼女たちのすぐ近くを、監督が通りがかる。
「あ、監督さん」
 目の端にその姿を捉え、千種は声をかけた。
「ああー、えーっと、猟兵さん。おつかれさま。次の撮影の話かなあ?」
「あ、いえ。その……さっきのシーンなんですけど」
「ボディプレスのやつ?あれよかったよお。すごくね、迫力があってね。あれはいい。すごくいいね」
「いえ、そうじゃなくって……」
 千種はすこし躊躇した後、おそるおそる口を開く。
「実はあれ、ボディプレスじゃなくてふつうに転んだだけで……はずかしいから、できればあのシーンはカッ」
「なるほどねえ、怪我の功名っていうことだねえ。でもそれはそれとしていい絵が撮れてたから採用で」
「え?採用?」
「採用」
 取りつく島もない。監督はひどくマイペースな人間だ。あからさまにコミュ障であった。話もそこそこに次の撮影があるからとそのまま通り過ぎて行く。
「……」
「あっははは!チクサ、ありゃ無理だよ。あの監督、ぜんぜん話聞かないからね」
「そんなー」
 うなだれる千種を引っ張って、俳優たちが慰める。コーヒーとドーナツでも食べて落ち着きなよ、とそのまま休憩室へ彼女たちは向かうのであった。
 撮影スケジュールは滞りなく進み、まもなくクライマックスへと移る。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『鋼鉄巨人ゴーワンダー』

POW   :    剛腕ロケットパンチ
単純で重い【ロケットパンチ】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    ワンダービーム
【額の三日月からビーム】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
WIZ   :    ワンダーロケットモード
全身を【ワンダーエナジーのオーバーレイ】で覆い、自身の【これまでに受けたダメージ】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。

イラスト:V-7

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠エルシー・ナインです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 撮影予定は滞りなく、クライマックスシーンの撮影がこれから開始される。
 現場に集まったスタッフや俳優たちを前に、監督が頷いた。
「みんなここまでよく頑張ったねえ。スポンサーのお陰で火薬も使いたい放題使えて、ぼくもここまで楽しかったよお」
 そして、クライマックスの説明が始まる。
「ここからはねえ、敵の巨大な最強兵器と戦うところだからねえ。これまで以上に派手にやっちゃってほしい。CG処理もやるから、あとでそっちの撮影機材にも案内するよお」
 CGも使いたい放題なのでもうほんとうになにやってもいいよ、と監督は言い添えた。
 というわけで、最後の撮影がはじまる。

 〜〜〜〜〜〜

『ゴオオオオ……』
 街を揺るがす巨体。鋼鉄の巨人。20メートルはある巨大なオブリビオンが、戦場に降り立ち咆哮した。
『我々の計画を阻む猟兵ども……クライング・ジェネシス様の命により、お前たちを1人残らず処刑してやる……』
 CGで描かれた巨大なオブリビオンは瓦礫を踏み砕き、猟兵たちを見下ろす。
 さあ、クライマックスだ。これは映画。これはCG。何をやったって構わない。リアリティなんてカケラもいらない。派手にブッ壊せ!
エミリロット・エカルネージュ
49

【なめろう餃子】で参加

●SPD
『空中戦』で『ダッシュ』加速しながら

『第六感』でワンダービームやロケットパンチを『見切り』『残像』で回避し円餃鏡の射でワンダービームを受けるタイミングを図り

ベストタイミングで円餃鏡の射の発動を『早業』で発動

オーラシールドでビームを受け堪える『演技』し『属性攻撃(棒餃子)』を込め、餃子ワンダービームにして撃ち返す『パフォーマンス』

その後、続け様に餃皮の舞で
敵の頭と両腕を縛る様に『念動力』で餃子の皮を遠隔操作し縛り減し砕く『演技』を『パフォーマンス』たっぷりにやるよ

『怪力』で空中でぶんまわすのも良いかも

ビスマスちゃん
後は宜しくね。

※アドリブ絡み掛け合い大歓迎


ビスマス・テルマール
【なめろう餃子】

●POW
このデカ物を何とかしない事には黒幕を止められませんね

エミリさんと連携し『空中戦』で『第六感』で『見切り』ながらワンダービームやロケットパンチ等の攻撃を『パフォーマンス』でアクロバティックに回避しつつ『誘導弾』と『属性攻撃(さんがら)』を込めた『一斉発射』で『制圧射撃』の『演技』を

エミリさんがビームを反射する『演技』を見て

餃皮の舞が上手く当たる様に『残像』で撹乱し

その間にUC発動で
真の姿になり

お雑煮怪人を召喚し
痒いですけどゴメンなさいと【お雑煮バズーカ】に武装化

『鎧無視攻撃』を込めて発射

エミリさんの餃子と合わせて春節雑煮と言った所でしょうか?

※アドリブ絡み掛け合い大歓迎


水鏡・怜悧
詠唱改変省略可
人格:ロキ
続編を出すならオブリビオン・フォーミュラを出すわけにはいきませんね……最後にシルエットくらいなら大丈夫でしょうか。
演者は皆さんにお任せして、せっかくですからCG機材を色々使わせて頂きましょう。
「敵が強い方が盛り上がりますよね、多分」
HMDゴーグルを機材に接続。メカニック知識でロボットをリアルにし、邪悪そうなエネルギーを纏わせたり眼を光らせたりします。フルCGでミサイルを作りロボットが掴んで潰したり、戦闘機を打ち落とすシーンを挿入します。
「カッコイイかどうかあまり自信がありませんが……」
他の方々にも意見を伺いつつ、カッコイイ敵役を作ります。



『ゴオオオオ……』
 ずしん。
 大地を踏みしめ、巨体が街を揺らす。
『このパワーで叩き潰してくれるわ!』
 鋼鉄巨人が吠え猛る!邪悪なエネルギーをその身体に纏い、双眸を光らせた!
「猟兵たちだけに頼っていられるか!こちらも応戦だ!」
「おお!」
 米軍基地からの援護だ!緊急発進した戦闘機隊が空中を駆け抜けて、砕けたロサンゼルスの空を飛ぶ。ロックオンアラーム。パイロットたちが一斉にトリガーを引き、攻撃開始!発射されたミサイルの群れが巨大オブリビオンへと殺到する!
『愚かな……!』
 剛腕!オブリビオンの腕のひと振り!強烈なパンチがミサイルの爆炎の中から飛び出して戦闘機隊を撃墜する!
「いけない、このままじゃ!」
 エミリロット・エカルネージュ(f21989)は軽業めいて宙を舞い、放つ気の力を推力として空中を加速する。
「このデカ物を何とかしない事には……黒幕も止められませんね!」
 ビスマス・テルマール(f02021)もまた鎧装に内蔵したブースターに点火してエミリロットに並走するように巨大オブリビオン、ゴーワンダーへと接近を試みた!
『うるさいハエどもが!』
 光が収束し、迸る!ワンダービームが激しく光り、猟兵たちを襲った。奔る閃光!ビルが熱線で真っ二つに灼き砕ける!だが、2人の猟兵は巧みな軌道で光線を躱し、更に上昇する。
『おのれェ!』
 ゴーワンダーは更に光を放つ!それはもはや弾幕めいた制圧光線だ。凄まじい勢いに2人が一時立ち止まる!
「すごい弾幕です……!」
「大丈夫。ビスマスちゃん、まずはボクが道を開くよ!」
 エミリロットは気を練り上げる。その手の中に収束するオーラが円盤状に渦巻いた。彼女の志が織り込まれた光は、餃子の皮を思わせる白色に輝く!
『小癪な!』
 そこへ更に撃ち込まれるワンダービーム!エミリロットはこれを展開した円盤状のオーラシールドで受け止めた。
「狙い通りだよ……!円形餃餡、写移自在……受けた力を餡として、完成させるは円形餃子っ!」
『ヌウウーッ!?』
「ビーム餃子、一丁あがりだよ!」
 受けたビームのエネルギー質量をそのままオーラで包み込む。エミリロットはそれをやや長めに巻いた。棒餃子の要領だ!それを念によって繰り、ゴーワンダーめがけ投げ返す!
『グアアアアアア!』
 爆発!思わぬ反撃とその威力に巨人が怯む!
「今だよビスマスちゃん。あとはよろしくね!」
「わかりました、こちらも全力でいきましょう」
 ビスマスの纏う鎧装が光を放つ!ローカルドライバーに再びカードを通した。揺らぐオーロラ状の光!
 《Summon》
『ムッ!?ここはどこゾニ!?』
 出現したのは関東風雑煮怪人だ!雑煮怪人たちは地域性による違いからそれぞれの地域を代表する雑煮怪人がおり、毎年1月になると日本で最も優れた雑煮はどの地方のものであるかを争う雑煮怪人ファイトが盛大に開催されているのだという。折しも映画の撮影時期は年末年始。丁度雑煮怪人の気合が最も高まっている時期だ。
「来ていただいて早々に申し訳ありませんが、ちょっとくすぐったいですよ」
『なにがおきてるゾニ!?何が起きてるゾニ!?ワシ、宙に浮いてるゾニ?』
 困惑する雑煮怪人の肩をビスマスはがしりと掴み、とらえる。
「まあまあ抑えて抑えて……ちょっと痒いですけど、ごめんなさい!」
『グアーッ関東醤油仕立て――ッ!!』
 それは召喚したご当地怪人の存在を一度分解し、彼女の武装の一部へと変えるユーベルコードだ。分解された関東風雑煮怪人が関東風雑煮バズーカなる大火器へと再構築される。大地の力、ガイアパワーの塊であるご当地怪人を素体とした大火器だ。威力は保証済み!ビスマスは構築した関東風雑煮バズーカを素早く手に取ると、ゴーワンダーへと照準を向けた。
「いきます!」
 爆ぜる閃光!雑煮バズーカから放たれたエネルギーが巨大オブリビオンに命中し、巨大な爆発を伴って爆ぜた!
「エミリさんの技とあわせて、春節雑煮コンビネーション……といったところでしょうか」
「餃子入りのやつだね!」
 春節雑煮とは、主に中国文化圏で祝われる春節、日本でいう旧正月の時期の祝いに供されることのある雑煮である。アイデンティティに介入された雑煮怪人は文句を言うであろうが、それは一旦捨て置く。
『グゴゴゴゴ……!』
 しかしゴーワンダーは爆炎の向こうに未だ健在だ。唸りながら再び大地を踏みしめた。
「……まだ元気みたいだね!」
「ですが、ダメージはちゃんと入っています。引き続き、攻撃しましょう!」
 2人はもう一度オブリビオンへと対峙し、武具を構える!

 ~~~~~~

「お疲れ様」
 水鏡・怜悧(f21278)は機材のキーボードを叩く手を一旦止めて、撮影を終えた2人を振り返り迎えた。HMDゴーグルを外しながら、挨拶を交わす。
「お疲れ様でーす」
「はい、お疲れ様です」
 エミリロットとビスマスが頭を下げた。
 撮影当初から裏方の仕事を希望してきた怜悧/ロキは、クライマックスシーンにおいては敵役巨大オブリビオンのCGクオリティアップやモデリング調整などの作業を行なっていたのである。
「これ、差し入れだよ」
「わたしからもです」
「ありがとう、あとでいただきます」
 2人は撮影所のキッチンを利用して調理したなめろうと餃子を配っていたのである。今回はスイーツ餃子なのだという。エミリロットはあとでまたファンミーティングで配ろうという心づもりでもあった。試食も兼ねているのだろう。
「そちらの作業はいかがですか」
 ビスマスは機材の画面を横から覗き混んだ。モニターの中では、巨大オブリビオンが戦闘機をパンチで叩き落とそうというシーンで止められていた。冒頭の米軍がやられている場面である。
「カッコイイかどうかあまり自信がありませんが……敵が強い方が盛り上がりますよね」
「すごい!CGってこうやって作ってるんだ……」
「カメラワークがいいですね。特にこのアップになる部分……はい。カッコイイと思います」
 エミリロットとビスマスは、画面を覗きながらあれこれと感想を述べる。怜悧/ロキは参考になりそうな意見をメモにまとめると、再び作業へと戻った。
「あ、いけない。そろそろファンミーティングの時間だ」
 その折、時計を見上げたエミリロットは声をあげた。フォーティナイナーズ・ファンは今日でもひっきりなしに撮影所に訪れる。愛する餃子となめろうを振る舞うことのできる絶好のチャンスでもあると、エミリロットとビスマスはファンミーティングに精力的であった。
「わかりました、それではそちらも頑張ってください」
「怜悧さんは行かないんですか?」
「私は役者よりも裏方の方がいいですから」
 フォーティナイナーズでもあるが、裏方を希望する怜悧/ロキはこのまま作業を進める。
「撮影ももうすぐ終わりですから、お互い悔いのないように最善を尽くしましょう」
「はい。それでは、私達は行ってきますね」
「じゃあ行こう、ビスマスちゃん」
 2人は一度頭を下げると、作業場を出てファンミーティングの会場に向かう。
 怜悧/ロキはそれを見送ってから、CGメイキングに集中するのである。
 予定された撮影期間も、最終日が近づきつつあった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

白鳥・深菜
「遊撃って何だと思う?別働戦力ってことよ。
つまり私でない本命がどこかにいて、私はその為に動いている。
じゃあ本命はどこかって?それは――」

遠く離れた摩天楼から、鋼鉄の巨人を見やる。
相手は20mクラス。
そしてこちらの武器は――
【未知切り拓く天河の剣】――最大射程3000mオーバーの対星獣魔剣技。

この光の刃を用いて、
『スナイパー』の要領で相手の腕を肩から切り落とす。
そして返す『2回攻撃』で落ちた腕を斬り、破壊して爆破!

「――まあ、答える義理はないわね。狩るべき獲物(オブリビオン)」

ま、やる事やったら50アンダーの一般猟兵は静かに去るまでよ。


ティオレンシア・シーディア
※アドリブ掛け合い絡み大歓迎

さぁて、いよいよラストねぇ。
あれだけのデカブツだもの。どうド派手にブッ壊したもんかしらねぇ?

んー…ビーム、かぁ。
それなら――
エネルギーチャージが完了し発射される刹那にあたしの●的殺が着弾。
収束していたエネルギーが暴発して大爆発どっかん…ってのはどうかしらぁ?
あたし単発火力はそう大したことないからどうせ小細工は必要だし。
せっかく狙ってくださいと言わんばかりにでかでかと的があるんだもの、使わなきゃ損でしょ?

「そりゃまあ、あたしの火力じゃ普通に撃ったって大したダメージにはならないけど」
「…なら、『普通じゃない撃ち方』をすればいい、ってだけなのよねぇ」
「――jackpot」


フィランサ・ロセウス
「処刑なら間に合ってますよ?こういう時でもないとずっと牢屋で過ごす身ですので」
「でも悪人を倒すと、刑期を減らして貰えるんです。それなら私が貴方を処刑する方が、ずっと有意義ですよね!」
ニンジャ・フックシューターを敵の巨体に引っ掛け、巻き取りの勢いを利用して空中を舞う
敵の周囲を飛び回りながら、関節や装甲の継ぎ目といった比較的脆い部分にリモート爆弾を仕掛けていく
いざ爆破という所で攻撃を食らって動かなくなったかと思いきや、
味方の間一髪の所で意識を取り戻して起爆!逆転に繋がる大きな隙を作り出す…なんて筋書きはどうかしら?

事件解決後は「またどこかで会いましょう?」などと言い残して再び拘束・連行されていく


メンカル・プルモーサ
ふむー……巨大ロボが相手か……最後は派手に行くとしようか…
…すなわち【面影映す虚構の宴】により同じく巨大ロボ(スーパーロボット風)の幻影を作り出す…
…まあ幻影だからハリボテなのだけどそこはCGで上手くフォローして貰おう…
…私自身は箒に乗ってロボに随伴…肩の辺りでロボを操る(と言う演技)をしていよう…
…胸からのビーム(幻影)やフィンガーロケット(幻影)、その他内蔵兵器(幻影)でゴーワンダーと戦うとしよう……
【縋り弾ける幽か影】によるステルス自爆ガジェットを上手く使って幻影の攻撃の命中箇所は(見た目)派手に爆発させていこう…


空葉・千種
■撮影
同じサイズの相手なら私も格闘戦を開放しないと勝てない…!
というわけで電柱を使いつつもパンチ・キックでの格闘戦も繰り広げるよ!

爆発ノルマのために自動車や戦車も投げて、演出のためにふっ飛ばしたりふっとばされたりで建物を破壊。
最後に、崩れ行くビルを足場にしたムーンサルト・キック!

これがヒーロー猟兵の底力なんだからーっ!!

■舞台裏
クランクアップの花束、ありがとうございます!
TVのニュースでこうゆうシーンを見たことはありますけど、実際自分が受け取る側になるとちょっと照れますねー。

…私はHEの日本出身だから、こう実家や学校の友だちが見る可能性があるんだけど…
映画を見てどう思うのかなー…?



『グオゴゴゴ……!』
 煙を吹き出しながらも、巨大オブリビオン・ゴーワンダーは瓦礫を踏みしめて立つ!
「さぁて、いよいよラストねぇ」
 ティオレンシア・シーディア(f04145)は手の中で銃を回し、聳え立つ巨体を見上げる。
「ふむー……巨大ロボが相手か……」
 メンカル・プルモーサ(f08301)の手には術式の光が灯る。
 彼我の質量差は歴然だ。まともに考えれば、太刀打ちなどできようはずもない。
 だが、ここに立つ彼女たちは猟兵である。
「どうブッ壊したもんかしらねぇ?」
「最後は派手に行くとしよう」
「まかせて。ああいうのが相手なら……」
 ざ、と砂礫を踏む足音。
 空葉・千種(f16500)がここに加わり、並び立つ。
「わたしの得意分野だよ!」
「あらぁ、頼もしいわねぇ」
『グゴゴゴゴ……!何人増えたところで無駄だ!この場で全員処刑してくれる!』
 猟兵たちを見下ろしながらオブリビオンは動き出す。振り上げた足に勢いをつけた。猟兵たちを踏み砕こうというのだ!
「処刑なら間に合ってますよ?」
 だが、その刹那である。ワイヤーフックが宙を舞い、ゴーワンダーの脚部装甲に引っ掛かる。勢いを利用して飛び込んだのはフィランサ・ロセウス(f16445)だ!
『ヌウーッ!?』
 宙を舞うフィランサは戦場で現地調達した爆発物を叩きつけ、装甲表面で爆破!怯むオブリビオンの隙を縫って更にワイヤーフックを手繰り、再度射出。腰に、腕に、肩に引っ掛け空中機動。敵を翻弄する。
「こういう時でもないとずっと牢屋で過ごす身ですので」
 巨大さが裏目に出た!敵の視覚は彼女を捉えることもできず、ただ惑わされるばかりだ。
「でも悪人を倒すと、刑期を減らして貰えるんです。それなら私が貴方を処刑する方が、ずっと有意義ですよね!」
『戯れたことをおお!』
 激昂!巨体が大地を踏みしめる。舞い上がる瓦礫!
「古今東西“狩り”においては――」
 刹那。着弾。巨人の頭部で術式が爆ぜる。
「焦れた方が負けよ」
『グオオオオーッ!!ど、どこから!?』
 白鳥・深菜(f04881)は戦場からおよそ2キロの距離にある摩天楼にその身を置く。蒼銃の銃口の向く先に。照星の先に敵の姿を捉えながら彼女は微笑む。
「ワイルドハント。遊撃兼奇襲担当……遊撃って何だと思う?」
 遠く離れた先のオブリビオンに、その言葉は届かない。
 だからこそ、彼女は狩人として笑う。
「別働戦力ってことよ――そう。これは、“本命”が勝負を決めるための布石」
 深菜の口元をアップで写し、カメラが切り替わる。銃声。45口径ピースメーカー・カスタム。オブシディアンが回る。銃口が跳ね上がり、それを持つティオレンシアの瞳孔がきゅ、と細まった。銃声!弾丸が奔り、装甲の上で爆ぜる。
「まともに当てるだけじゃ、効かないわよねぇ。そりゃまあ、あたしの火力じゃ普通に撃ったって大したダメージにはならないけど」
『おのれ、羽虫どもが煩わしいッ!かくなる上はッ!このビームで貴様らを薙ぎ払ってくれる!』
 光が収束する。巨人の頭部、三日月めいた器官に灯るエネルギーに輝きが満ちた!
「なら、『普通じゃない撃ち方』をすればいい、ってだけなのよねぇ」
『ほざけェッ!貴様から消し炭になるがいい!』
 挑発的に笑うティオレンシアを見下ろし、ゴーワンダーが咆哮する。額に燃える破壊の力が最高潮にまで高まったその瞬間だ!
「――jackpot」
 本来、有視界距離における戦闘に扱われる拳銃の有効射程は、およそ10メートル。長くとも20メートル程度だと言われている。
 狙撃を目的としたライフルであれば1000メートル単位の射程の届くであろうが、拳銃ではそうはいかない。不可能だ。ただの人であれば。
 しかし、ティオレンシア・シーディアという女は数多の戦いを潜り抜けた猟兵であり、銃のプロフェッショナルである。
 であるが故に。
『なに……!?』
 彼女の放った弾丸は、狙いに寸分違わずオブリビオンの額で輝くエネルギー塊に叩きつけられ暴発を引き起こす。頭部で光が暴れまわり、爆発。巨人の頭部が半壊する。
『グゴゴゴゴ……!』
「みんなの力を合わせれば……私達は、無敵になれるんです」
 その一方でフィランサはワイヤー機動を繰り返しながら巨人の装甲表面でや間接部に取り付き、遠隔爆破可能なリモート爆弾を仕掛けていく。建物の爆破解体の要領だ。いくつもの爆薬を適切に配することで、いかなる巨体であろうと効果的に崩壊させる算段である!
『ふざけたことを……!何度言わせるつもりだ!巨象に挑む蟻よ!無駄を悟れ、無力を理解しろッ!非力な貴様らでは我々に勝てるはずがない!』
「く……ッ!」
 だが、ここでゴーワンダーが全身にエネルギーを纏う!強力な攻性エナジーが装甲表面を走り、取り付いたフィランサを襲った!不覚!刹那、逃れ損ねたフィランサの身体を電光が襲う!爆ぜる光に身を焼かれながら、瓦礫の大地へと落ちてゆく!
「――そんなことない!」
 しかし、地面に激突する直前でその身体が受け止められる。ユーベルコードを起動し、20メートル級のサイズへと変異した千種だ。そっと重ねた掌で、受け止めたフィランサを静かに降ろす。
『なんだと……!』
「……自分だけが、大きいと思ってるなら……それは、慢心」
 立ち上がり、そしてオブリビオンへと対峙する千種。その肩の上、箒に乗って宙を舞うメンカルが鋭く視線を投げかけた。
「そうだよ。私たちだって、力と心を合わせれば……いくらだって大きくなれるんだ!」
『ほざけ!そんなもの、こけおどしに過ぎん!』
 拳を握る千種。オブリビオンは格闘戦で迎撃の構えを見せる。
『この拳を受けてみるがいいッ!』
 ずし、ん。重たい足音が響き、ゴーワンダーが走る。加速の勢いを乗せた強力なパンチだ。一撃で高層ビルも叩き砕くその拳が、千種へと放たれる!
「はああああああっ!」
「……いこう。私たちは、負けない」
 がァんッ!!激突音!巨人と千種の拳がぶつかり合う音だ。凄まじい衝撃と音圧に空気が震える。
『なんだと……!馬鹿な、貴様、その腕は!?』
「これが、私たちの力だよ!」
 千種の腕は鋼を纏う。――メンカルの術式によるものだ。本来、彼女は敵と同様の巨大兵器を作り出す算段であった。(※本来のユーベルコードは幻影を作り出す能力ですが、映像作品内においては実際に戦えるものが召喚されているものとして描写します)しかし、この場に千種という猟兵がいたことでそれはより効果的な手段に変えることができたのだ。
「……たのんだ。アーマード千種」
「もうちょっと可愛い方がいいんだけど!」
 それは即ち、装甲を鎧と為して彼女の力を高める使い方だ。パワードスーツめいた機甲に身を包み、千種は巨人との拳の打ち合いを制する。更に踏み込んで頭部に叩きつけるストレート!轟音!
『グオゴゴゴ!!』
「固いだけじゃ……ない」
 打ち込んだ腕の周りに配された火器が火を吹き爆ぜる!爆轟!オブリビオンの巨体が大きく揺れた!
「もう、一発ッ!」
 更に追撃を仕掛ける千種!アーマーの肘に設置された推進器が火を噴く。ブースト加速パンチ!
『調子に乗るなァ!』
 だが、ゴーワンダーは咆哮とともに態勢を立て直し、エネルギー噴出による急加速で後退しながら回避!更にカウンター!腕を切り離し、放つロケットパンチだ!
「……危ない。躱して」
「まだ元気なの!?」
 追撃の手を止め、千種は咄嗟に回避機動。間一髪で拳圧から逃れる。すれ違っていった剛腕は後方に建っていたビルを殴り壊し、ゴーワンダーの腕へとすぐさま戻った。
『そう易々と!』
 再びオブリビオンが飛ぶ。その拳を振り上げ、またしても加速!
「速い!」
 身構える千種へと、巨人は瞬く間に距離を詰めてくる。身体ごとぶつかってくる気か!これは躱せない。千種は歯を食いしばり激突に備える。
「……大丈夫」
 だが、メンカルは囁いた。落ち着いて、と言葉を添える。戦っているのは、2人だけではないのだ。遠く離れたビルに、青白い光が灯ったのを彼女は見た。
「――ええ。逃さないわ」
 狙撃手として摩天楼に座す深菜は、その両手の中に膨大な光を束ねて魔力による刃を構築していた。【未知切り拓く天河の剣/オーバー・ザ・ワールド】。そのユーベルコードの有効射程は3000メートルにも達する。光は剣となって、オブリビオンへ振り下ろされた。
『ヌウオッ!?』
 刃が巨人を断つ。輝く刃がオブリビオンの片腕を斬り落とし、返す刃でその身体にも傷を穿った。
『グ、オ……馬鹿な……猟兵どもめ……!ゆ、許さん……このままでは済まさん!』
 揺らめく足取り。ここにきてとうとう猟兵たちの攻め手が棋譜を動かす。ふらつくオブリビオンの足底が大地に沈み、街を揺らした!
『かくなる上は我がエネルギーを体内の動力炉に収束させ、内圧で圧縮することでパワーを高める……!そうして自爆すれば、練り上げられたエネルギーの暴発でこの街ごと貴様らを吹き飛ばせるのだ!』
「なんですとー!?」
「……自分自身を爆弾にする気……!?」
 敵は既に敗北を覚悟し、取るべき手段の中に自らの崩壊を織り込んでいる。これは即ち、自爆だ。空気を詰め込みすぎたボールが自らの内圧によって破裂するように、自分自身を巨大な爆弾に変えようとしているのだ!その身体が光を放ち始める!
「……だめです」
 だが、その目論見は許されない。オブリビオンが自らのエネルギーによる臨界爆発をするよりも幾分早く、その巨体が炎に包まれた。
『ヌウウーッ!?』
「思い通りになんか、させませんから」
 戦線に復帰したフィランサである。先んじて敵の躯体の各部に仕込んでいたリモート爆弾を一斉起爆したのだ。それはここまでの戦いで少なくないダメージの積み重なっていたオブリビオンへと致命的な破壊を与える――甚大な破損。もはや出力は上がらない。
「……今だ。とどめを」
「うん!これで終わりにしよう!」
 千種は走る。纏う装甲の背面で開いたスラスターが火を噴き、彼女の身体を加速させた。瓦礫を踏み切って跳躍。更に、ビルを足場にするようにして蹴立て、燕が宙を舞うように空中で回転!
「これが私たち猟兵の、底力なんだからーっ!!」
『グアアアアアアーーーッ!!ク、クライングジェネシス様アアアアアアアア!!』
 そして、激突!
 鋭い蹴り足にその身を穿たれたオブリビオンは、とうとう耐え切れず爆発する。巨大な火柱が、夕暮れのように街を照らし出した。

「……楽しかったですよ。またどこかで会いましょう?」
 そうして、ロサンゼルスにおける戦いはひとつの終幕を迎える。戦いの余波でもはや街などとは呼べなくなった瓦礫の山で、再び拘束されるフィランサを猟兵たちは見送った。
「終わったね……」
 千種がため息をつく。この戦い、あまりにもヘビーだった。凄まじい疲労感が彼女を包む。
「あらぁ。まだまだ終わりじゃないわよぉ。これから敵の親玉に一発カマしにいくんでしょお?」
 だが、アースクライシスの戦線はまだ始まったばかりだと、ティオレンシアが釘をさす。
「……この世界が、平和になる日まで」
 そう呟いて空を見上げるメンカルの表情をアップで映し――暗転。最後に、画面に《49》の文字がカットインし、スタッフロールへと移る。
 かくして、主に火薬とCGに予算の大半をかけた映画『アースクライシス戦線/ロサンゼルス大爆発』はここに完成した。

 ~~~~~~

「「「お疲れ様でした!」」」
 クラッカーが爆ぜる。シャンパンとシャンメリーのコルクが飛び出し、拍手喝采が撮影所に満ちた。
「とうとうクランクアップですね……」
 千種は花束を受け取って、照れたように笑う。
「なんだかずっと飛んだり跳ねたりしてた気がするわねぇ」
 ティオレンシアはシェイカーを振り、スタッフたちへねぎらいの意を込めてカクテルを振る舞う。元々、彼女の本業はバーテンダーなのだ。この場においても、評判は上々である。
「……私は、楽しかった」
 シャンメリーのグラスを傾けて、メンカルは微笑む。映画撮影の舞台裏は、彼女の知的好奇心をおおいに刺激した。参加してみなければ知ることのなかった世界だ。来て正解だったと彼女は頷く。
「フィランサさんとおりまーす」
「とおりまーす❤️」
 相変わらず拘束状態でスタッフに運ばれるフィランサは、それでも場の空気を楽しみながら上機嫌。ピンクレモネードのドリンクでスタッフが代わりに乾杯する。
「何はともあれ、無事に終わってよかったわ」
 深菜はその様子を横目で見ながら苦笑い。タピオカドリンクでフィランサ担当スタッフの乾杯にこたえてあげながら、短く息を吐き出した。
「すみません!こっち目線もらえますか!」
「写真お願いします!」
「次はこちらも!」
 一方、撮影所には取材に訪れた多くのマスコミがそこらじゅうでカメラのシャッターを切りまくっている。中でも地元であるヒーローズアース出身の千種とフィランサは話題性もあるとしてしこたま写真を撮られていた。
「TVのニュースでこうゆうシーンを見たことはありますけど……実際自分がこっちの側になるとちょっと照れますねー」
 インタビューを受ける千種は、カメラにしっかり顔を向けながら花束を抱きしめる。
「友達や家族が映画を見てどう思うのかなー……っていうのが、楽しみですし、ちょっと不安でもありますねー」
 とにかく爆発ばかりだから。撮影現場を思い返せばとにかく爆発ばかりだった。本編中にも50回くらい『爆発』の単語が使われているのだ。
 とにかくである。
 かくして、イェーガームービー社の渾身の一作は完成する。爆発に次ぐ爆発。ストーリー性の欠片もないこの映画は、一部の極めて狭い範囲の層にだけ絶賛されることであろう。スポンサーのカネモッテル氏も規定ノルマを大きく超える爆発に大満足だ。
『アースクライシス戦線/ロサンゼルス大爆発』はヒーローズアース各地の映画館で公開される。君もこの映画を観て歴史の証人になろう!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年01月11日


挿絵イラスト