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よろしい、ならばカレーライスだ!(第2幕)

#UDCアース #猟兵の食欲全開シナリオ

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#UDCアース
#猟兵の食欲全開シナリオ


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 UDCアース世界の日本、鳥取県鳥取市は、日本でトップクラスのカレー消費量が多いカレー県である。カレー専用のお米やサイドメニューのらっきょうを栽培しているなど、まさにカレーのために存在すると謳っても過言ではない鳥取市。
 そんなカレー県の一角に、要注意団体『黄昏秘密倶楽部』が経営する某カレーメーカー会社のカレールゥ工場が存在した。
「信徒たちよ、生産を急ぎなさい。明日行われるカレーフェスで、この激辛すぎる猛毒入り殺人カレーを一般人に食させ、苦痛と精神の死を与えて我らの邪神の元へ送り出すのです……! そして一気に信徒の数を激増させましょう、フフフフフ!」
 そこには、巨大な生首めいた異形のUDCモンスターが、黄昏の信徒たちに生産ラインの稼働を指示していた。
 このままでは、鳥取市民と観光客が猛毒入り殺人カレーの餌食となり、邪神復活の贄にされてしまう!
「シスター祈谷はしくじりましたが、我は猟兵たちの介入に屈しませんよ、フフフフフ!」
 異形の工場長は、怪しく微笑みながら生産ラインを見守っていた。

「……はいっ! という予知を見たんだよっ! うん、そうなんだよね。今回もカレー依頼だよっ!」
 蛇塚・レモン(叛逆する蛇神の器の娘・f05152)は、鳥取県鳥取市の地図を広げて、とある工場を指差した。
「前回以上に状況はカオスだけど、悪巧みの内容は過去最悪の胸糞案件だから、しっかり対処してほしいんだよっ!!」
 以前もそんな事件があった気がするが、今回もカレーにまつわる邪神絡みの事件だ。
「みんなは、この工場で猛毒入り殺人カレーを生産している工場に殴り込みしてもらって、工場長のUDCモンスターを撃滅してきてほしいだよっ! 乗り込む際には忍び込む必要がないから、みんなは派手に突入しちゃってOKだからねっ!」
 突入時刻は深夜0時。工場の生産ラインは24時間体制なので、突入直後から信徒たちの戦闘が予想される。信徒たちの鉄球攻撃や高速移動からの精神を蝕む悲鳴攻撃、そして戦闘不能になった信徒を復活させる事も想定されるので準備を怠らないように、とレモンは忠告した。もちろん、ボスの工場長は格上の存在ゆえ、気を引き締めて対処しなければならないだろう。
「このまま放置したら、翌朝に催されるカレーフェスで多くの人が命を落としちゃうっ! そんなことはぜぇ~ったいに阻止しなくっちゃだよねっ!」
 つまり、UDCアースの未来とカレーは、猟兵たちの双肩に掛かっているのだ!
「あっ! 事件を無事に解決したら、みんなもカレーフェスに参加してみるのはどうかなっ? 徹夜明けだけど、カレーを食べればきっと元気になるし、料理の腕に自信があるのなら作ってみる側で参加してもいいかもっ?」
 なるほど、カレー好き猟兵たちにとっては堪らないイベントのようだ。
「それじゃあ、今回も張り切って行こうねっ! ビバ、カレーライス♪」
 猟兵たちは腕とお腹を鳴らして、レモンのグリモアの導きによってUDCアースへ転送してゆくのだった。


七転 十五起
 七転十五起(なぎてんはねおき)と申します。
 はい、2回目のカレー依頼です! 懲りずにカレー依頼です!!
 前回の『よろしい、ならばカレーライスだ!』に参加していた猟兵の方も、そうでない方も、お気軽に参加してください!
 オブリビオンを華麗に撃破して、徹夜明けでカレーライスを楽しみましょう!
 ところで鳥取市がカレー消費量日本一なんですってね? 一度行ってみたいなぁ~。
 てなわけで! 今回もテンション上げみざわでカオス上等なカレーなプレイングをお待ちしております!!
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第1章 集団戦 『黄昏の信徒』

POW   :    堕ちる星の一撃
単純で重い【モーニングスター】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    神による救済の歌声
自身に【邪神の寵愛による耳障りな歌声】をまとい、高速移動と【聞いた者の精神を掻き毟る甲高い悲鳴】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    黄昏への導き
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【自身と全く同じ『黄昏の信徒』】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

須賀原・あすむ
食べ物に毒とは古典的だけどカレーを楽しみにしている人達のためにもここは負けられないよ!

攻撃はドラゴニアンチェインを使います。使徒を複数体巻き込みながら鎖で繋いでいきます。まとまってきたら鎖を引いて拘束し、地面に叩きつけます。(ただし生産ラインは壊さないように)
「食べ物を殺しの道具に利用する奴は絶対に許さないんだよ!」


戎崎・蒼
お腹が空いたな、と思っていたけど、まさか食べ物……カレーを悪用して邪神に捧げようだなんて、到底人の風上にも置けない奴らだね。
さらには激辛だって?
僕は辛いのは平気だけど、それが人の生死に関わるくらいのものだなんて許されざる事だ。

そんな奴らのカレーで死にたくないし、なにより美味しいカレーが食べたいから、僕は【POW】で攻撃させてもらうよ。

銃器を使った戦闘が得意だから散弾銃を使ったりして、できるだけ信徒たちを一掃できるよう善処する。

もしピンチになった人がいたら援護が出来るように、周りをしっかり偵察していたい。

子供でも嫌いな人なんていない、皆大好きなカレーを使って邪神復活だなんて絶対にさせない……!


宮前・紅
戎崎・蒼(暗愚の戦場兵器・f04968)と行動中。

蒼くん血相変えて………カレーがそんなに好きだったんだね………因みに俺のことも血相変えて心配して欲しいんだけどっ☆
でもカレーに罪は無いしね♪

俺、激辛の毒入りカレーも作ったことあるけど、それは俺の特権だからね!俺の著作権(?)侵害しないでよね!

【SPD】で攻撃しようかな~
十指を巧みに使って、からくり人形に生産中の毒入りカレーを持たせて、信徒達の口へ無理やり放り込もうかな♪

自分達が必死こいて作った食べ物で、殺されちゃうなんて皮肉だよねぇ~不憫、あはは愉快だね!

カレーが大好きな人にとっては冒涜でしかないよね!
さぁ、一足早めのカレーフェスの始まりだよ☆



 鳥取市の工業地帯の一角に佇む、一見、何の変哲もないカレールゥ工場。
 時刻は深夜零時を回ったころ、工場の周囲に数名の人影がどこからともなく転送されてきた。そしてしばらくして、カレールゥ工場の搬入口の扉が勢いよく蹴破られる! 猟兵たちの殴り込みだ!!
「食べ物を殺しの道具に利用する奴は絶対に許さないんだよ!」
 先陣を切ったのはドラゴニアンの少女の須賀原・あすむ(ファントムブラック・f03833)だ。搬入口から侵入後、倉庫内を駆け足で突き進んでゆく。目指すはここを取り仕切る工場長のUDCモンスターだ。
『BeeeeBoooo! BeeeeBoooo! BeeeeBoooo!』
 だが猟兵たちの侵入を感知した警報が工場内に鳴り響く!
 そして現れた6体の黄昏の信徒たちが猟兵たちを迎撃の構えを取った。
 須賀原はアサルトウェポンを構えてこれに備える。そこへ彼女とほぼ同時に突入していた傭兵の男性が散弾銃を発砲! 信徒の1体の腹部が破裂して昏倒!
「あすむ、すぐに片付けてこの場を離れるよ!」
 戎崎・蒼(暗愚の戦場兵器・f04968)のワンショットキリングが炸裂!
 これに信徒たちは手にしている棘付き鉄球を振り回し、ふたりの頭上に叩き付ける!
「あぶない!」
 戎崎は須賀原を突き飛ばし、自身もすかさず真横へ跳躍! ふたりの間を鉄球が通過し、直撃した床に深々とクレーターが生じた!
「さすがに深夜でお腹は空くし、このカレースパイスの香りは食欲をそそるな、とは思ったけど、まさか食べ物……カレーを悪用して邪神に捧げようだなんて、到底、人の風上にも置けない奴らだね。あ、いや、君たちはもう邪神の眷属だったね!」
 愛銃のアキュラe382b7e383bc-AS50を連射して、信徒たちの鉄球攻撃を牽制する戎崎。痺れを切らして接近してきた信徒の胸元を、戎崎が零距離射撃で吹っ飛ばした!
 これで残りは2体。戎崎、本日キルマーク2つ獲得!
「さらには激辛だって? 僕は辛いのは平気だけど、それが人の生死に関わるくらいのものだなんて許されざる事だ。そんな奴らのカレーで死にたくないし、なにより美味しいカレーが食べたいんだ。絶対に企みは潰させてもらうよ」
 苛立ちを露わにしながら、彼は尚も銃撃を試みる。
 その傍らで宮前・紅(絡繰り仕掛けの人形遣い・f04970)が意外そうな顔を浮かべながら、からくり人形を十指で巧みに操って応戦していた。
「蒼くん血相変えて……。カレーがそんなに好きだったんだね……? 因みに、俺のことも血相変えて心配して欲しいんだけどっ☆」
「紅は戦闘に集中してねっ?」
「もーっ! わかってるって! オブリビオンを恨んで蒼くんを恨まず! あ、もちろん、カレーにも罪は無いしね♪」
 鉄球攻撃を人形が弾き返し、そのまま信徒の口元に何かを無理矢理に押し込んだ!
「アギ!? アギギアギ!?」
 突然、もがき苦しみ、その場に崩れ落ちる信徒。よくよく見れば、人形の手にはカレールゥ!
「ここは倉庫だからさ、既に完成した猛毒入り激辛カレールゥがたぁ~くさんあるよね? つまり、信徒の君たちを殺す凶器が至る所にあるってことだよね?」
 宮前は近くに積まれていた段ボールに人形の腕を突っ込み、カレールゥを鷲掴みにさせた。
「自分達が必死こいて作った食べ物で、殺されちゃうなんて皮肉だよねぇ~? 不憫不憫、あはは愉快だね!」
 負けじと信徒は自身にカレー邪神の寵愛による耳障りな歌声を纏わせながら高速移動を開始! そして精神を掻き毟る甲高い悲鳴――カレーへの執念を宮前へ放出!
「カライカレーガ、タベタイ! タベテシネ!!」
「うるさいなぁ♪」
 喚く信徒の口に、ルゥを強引にねじ込み、歌声と悲鳴を食い止めた!
「俺、激辛の毒入りカレーも作ったことあるけど、それは俺の特権だからね! 俺の著作権を侵害しないでよね!」
 信徒は滅相もありませんと言いたげに首を横に全力で振るが、宮前は人形に信徒を締め上げてゆく。
「まったく、カレーが大好きな人にとってはこんなこと、冒涜でしかないよね! さぁ、一足早めのカレーフェスの始まりだよ☆ 逝っちゃえ♪」
 信徒はカレールゥと人形によって首を括られたことによって絶命してしまった。
 ここで移動しながらの射撃戦を展開していた須賀原が戎崎と宮前に告げた。
「信徒たちを倉庫の隅へ追いやって! そこでボクのユーベルコードを使って一網打尽にするから!」
「分かったよ!」
「あそこへ追いやればいいの? いいよーっ!」
 鉄球の攻撃を回避しながら、戎崎は銃撃で、宮前は人形を操って信徒たちを倉庫の隅へ押しやってゆく。
「今だよ、あすむ!」
「ふたりとも、ありがとう! 行くぞ、信徒たちめ! ドラゴニアン・チェイン!」
 一ヵ所に固まった信徒2体をドラゴンオーラが命中! そして信徒2体と須賀原の身体をオーラの鎖が繋ぐ!
「これでもう逃げられないよ! 食べ物に毒とは古典的だけどカレーを楽しみにしている人達のためにも、ここは負けられないよ! えぇーいっ!!」
 須賀原はオーラの鎖を手繰り寄せ、自身の身体を回転させ始めた。
 これは、まるでプロレス技のジャイアントスイング!
「潰れちゃえっ!!」
 連結された信徒たちを、遠心力任せに床へ信徒たちの頭を叩き付けた! 水風船が破裂するかの如く、叩き付けられた信徒2体は、タール状の粘液を周囲に撒き散らしながら爆散していった!
「これで6体撃破っと♪」
 宮前が周囲を警戒するも、搬入口から倉庫までの信徒たちすべて撃破した事を確認した。
「ひとまず導入部の状況はクリアだね」
「ふたりの手助けのおかげだよ! さぁ、早く奥へ進もう!」
 3人の先導される形で、猟兵たちは工場の奥へと侵攻してゆくのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

久世浦・穗積
黄昏秘密倶楽部…性懲りもなくカレーで悪事を働こうっていうのか!
許せないね!私の身体に流れる熱きカレーが煮え滾っているよ!
しかし、鳥取がカレー県だっていうのは知らなかった
是非とも味わいに行かなければいけないね
カレーフェスで、お腹一杯カレーを味わうためにも
お腹を空かせていきます。この空腹が私を掻き立てる…
一晩煮込んだ美味しいカレーが私を待っている!
覚悟しろ、私の前に立つということは
カレーの正義の鉄槌が下るということだ!
いくぞ!【カレー・ジャスティス】!!!
[POW]で力任せに暴れまわります
もはや手が付けられない!うりゃー!



 前回のカレー事件の解決に携わっていた久世浦・穗積(戦争論・f01538)は、人一倍カレーにうるさい猟兵だ。だからこそ、今回の事件に参加した彼女は憤っていた。
「黄昏秘密倶楽部……! 性懲りもなくカレーで悪事を働こうっていうのか! 許せないね! 私の身体に流れる熱きカレーが煮え滾っているよ!」
 全身にみなぎるオーラが、カレーを明日を守れと輝き始めた!
「しかし、鳥取がカレー県だっていうのは知らなかった。これは是非とも、カレーフェスで味わいに行かなければいけないね」
 ぐぅ、とお腹の虫を鳴らせた久世浦は、3体の信徒たちと遭遇!
「くっ、3体1か! だが、今の私は空腹。この空腹が私を掻き立てる……! そうだ、一晩煮込んだ美味しいカレーが私を待っている!」
 久世浦はその双眸をカッと見開くと、そのまま突貫!
 迫る鉄球! その小柄な体では跡形もなく潰されてしまうだろう!
「この体はなんやかんやでカレーで出来ている……!」
 しかし、久世浦は包帯で撒かれた左手を鉄球へ向けて突き出すと、何と軽々とそれを受け止めてしまったではないか!
「覚悟しろ、私の前に立つということは! カレーの正義の鉄槌が下るということだ!」
 これが久世浦のユーベルコード『カレー・ジャスティス』!
 彼女の一晩煮込んだめちゃくちゃ美味しいカレーの為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大するのだ!
「ゆくぞっ! カレー・ジャスティス! もはや手が付けられない! うりゃー!」
 爆発的な戦闘力を得た久世浦は、目の前の信徒の顔面を全力でブン殴る!
 殴られた信徒は、首から上がタール状の粘液となって吹き飛ばされた!
「まだまだぁっ!!」
 振り返りざまに背後の信徒へエルボーを叩きこむ! 鳩尾を強打された信徒が“くの字”に折れ曲がる! そのまま久世浦は浴びせ蹴り! 信徒が生産ラインの機械まで吹っ飛ばされ、機械に巻き込まれてプレスされていった!
「これで終わりだぁ!」
 久世浦、捨て身の一撃、怒りのカレードロップキック! 勢いよく信徒の身体を貫通! 数秒後に信徒は爆発四散!
「勝った……! だが、まだ親玉までは遠いね……」
 生産ラインの持ち場からワラワラと押し寄せてくる信徒たちをかわしながら、久世浦をはじめとする猟兵たちは更なる工場の深部へ突き進んでゆく!!

成功 🔵​🔵​🔴​

イヴ・シヨス
「カレーを悪い事に使おうとする悪い奴がいっぱい…悪い奴らはやっつけなきゃ…やっつけなきゃ!」
ユーベルコード:本能解放(インスティンクトリベレーション)を使って、触手を隠す事も忘れて自分の触手フル活用で悪い奴らをPOWで全力でやっつけるよ。



 かなり工場の中核区画へ迫ってきた猟兵たちは、ここで更に数多の信徒たちが行く手を阻む。
 エンカウントした猟兵たち各々が乱戦を繰り返す中、イヴ・シヨス(人間のUDCエージェント・f06749)は強迫観念を抱きながら信徒たち5体と対峙していた。
「カレーを悪い事に使おうとする悪い奴がいっぱい……。悪い奴らはやっつけなきゃ……」
 メキメキと何かが軋む音がイヴの身体から聞こえてきた。彼女の呼吸は荒くなり、苦しそうに舌を出しながら喘ぐ。
「悪い奴らは……やっつけなきゃ!」
 次の瞬間! イヴの背中から幾多もの触手が衣服を突き破り、不気味に蠢く!
「ああああああああああああああ!!!」
 イヴの絶叫とともに、触手の塊が信徒たちの四方八方を覆い尽くす!
 これは彼女のユーベルコード『本能解放(インスティンクトリベレーション)』!
 普段は隠匿している背中の触手を本能解放状態のまま解き放つことで、超攻撃力と超耐久力を得る強化技だ。だが、これにはひとつ、欠点を有しており……。
「ギギ、アギ!?」
 突如として名状しがたき触手群に信徒のひとりが脱出しようと鉄球を振り上げた。その時、鉄球の動きに反応した触手が、信徒の腕ごと喰らい尽くしてしまった!
「アギギアギ!?」
 突然の激痛に、思わず暴れ回る手負いの信徒。だが動き回る信徒を更なる触手の群れが絡め取った。そして数秒間の咀嚼音が響き渡った後に、残されたのは信徒の被っていた布切れだけであった。
 お判りいただけただろうか?
 イヴのユーベルコードは、“理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける”しかできなくなってしまうのだ。
 だが、そうとは知らない他の信徒の4体は、愚かにもイヴへ向けて一斉に鉄球で圧殺しようと試みる。
「うがああああああああああああああああああああっ!!!」
 イブの咆哮が轟く! それに呼応して、4体の信徒たちを一斉に触手の塊が捕縛してゆき、刻印(ドライバー)によって全てを食らい尽くしてゆくのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

カリー・ボーン
・またカレーを悪用する輩か! しかも場所はダジャレ知事で有名なカレー県とは……今回もキッチリと始末をつけねば。

・今回は【SPD】で勝負だ。【オルタナティブ・ダブル】で我がもう一人の人格、残虐猟兵ブラックカリーを呼び出し、カレーソーサーによる「誘導弾」「範囲攻撃」や「衝撃波」の十字砲火で場を制圧しよう。「残像」も組み合わせれば信徒の群れを混乱に陥れることも可能だろうか。信徒の歌声は我慢の一言、だな。



 猟兵たちの目の前に、幾度となく現れる信徒たち。その行く手を塞ぐ先にあるのは、制御室の扉だ。
「どうやら、工場長はそこにいるようだな」
 カリー・ボーン(戦うカレー屋・f06236)はこの連戦の終着点を見据え、信徒たちへ怒りを露わにした。
「お前たち、またカレーを悪用する輩か! しかも場所はダジャレ知事で有名なカレー県とは!」
 カレー店主として、カレー愛好家として、これはカレーに対する最大級の侮蔑だと受け取ったカリーは、懐からカレーソーサーを取り出して信徒たちに向けて投擲の構え!
「……今回もキッチリと始末をつけねば。覚悟しろ!」
「アギギアギ! アギアギギ!!」
 信徒のひとりが邪神の寵愛による耳障りな歌を口ずさみだすと、徐々にカリーの周囲を信徒たちが取り囲んでゆく!
 これでは多勢に無勢! こんな状況で精神を掻き毟る甲高い悲鳴を上げられたら、カリーは発狂してしまいかねない!
「さすがに多いな。ここは、“もうひとりの俺”に協力してもらうとしよう」
 カリーはユーベルコード『オルタナティブ・ダブル』を発動させると、もうひとりの人格である残虐猟兵ブラックカリーを呼び出した。このカリーは非常に好戦的かつ残虐な性格であり、オブリビオン相手に容赦などしない。
 2人のカリーは、カレーソーサーを左右同時に投擲! 投げ付けたカレーソーサーは衝撃波を纏いながら信徒たちを次々と蹴散らしてゆく!
 だが、信徒たちも悲鳴攻撃で目の前のカリーたちの正気を蝕もうと口を開いた。回音波が一斉に浴びせられる!! 2人の動きが止まり、その場で完全にフリーズ!!
「……発狂すると思ったか?」
 ブラックカリーが先割れスプーンで信徒の頭を破壊!
「お前たちが攻撃したのは、俺たちの残像だ!!」
 カリーもカリーソーサーを巧みに操り、遠距離から信徒たちをまとめて吹き飛ばしてゆく!
 残る信徒たちを一ヵ所に集めた2人は、決め技に取り掛かる。
「ゆくぞ、ブラックカリー!」
「いつでも来い、カリー!」
 2人はカレーソーサーに力を籠め、全力で音速投擲!
「「ダブルカリーソーサー!!」」
 左右から迫る衝撃波とともに、手裏剣めいたソーサーの一撃が竜巻の如く信徒たちに襲い掛かる! 衝撃波が収まると、切り刻まれた信徒たちの布切れが辺り一面に散乱していた。どうやら、襲い掛かってきた信徒たちの大多数を撃退できたようだ。
「さぁ、観念しろ、工場長! あとはお前だけだ!」
 遂に、カリーの雄叫びとともに、ボスが待ち構える制御室の扉が開け放たれた。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『『黄昏色の啓蒙』祈谷・希』

POW   :    苦痛を受けよ、精神を死へと返せ。救済の日は近い
自身が装備する【『黄昏の救済』への信仰を喚起させる肉輪 】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
SPD   :    黄昏を讃えよ、救済を待ち侘びよ
【紡ぐ言葉全てが、聴衆に狂気を齎す状態 】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
WIZ   :    痛みと苦しみが、やがて来る救済の贄となる
【瞳から物体を切断する夕日色の怪光線 】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は火奈本・火花です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 黄昏の信徒たちを退け、工場長――ボスが待つ制御室の中に足を踏み入れた猟兵たち。
 そこには、宙に浮かぶ肉の輪に巨大な頭を潜らせた異形の生首が存在した。
「……猟兵の皆さん。まずはここまで辿り着いた事、褒めて差し上げましょう」
 異形は猟兵たちの前で薄ら笑いを浮かべていた。
「我の名は『黄昏色の啓蒙』祈谷・希。この工場を任されている責任者です。どうか、お見知りおきを」
 ただならぬ気配を漂わせる祈谷に、猟兵たちの緊張が高まる。
「フフフフフ、そんなに硬くならずに。どうせ、今夜、貴方たちは我に殺されてカレーの具になるのですから、最後くらい、笑ったまま痛みと苦しみを味わっていただきたいものです」
 この異形を倒さない限り、黄昏秘密倶楽部の陰謀を阻止することはできない。
 さぁ、猟兵たちのカレーパワーで、異形の祈谷を打ち破るのだ!!
戎崎・蒼
いよいよボスのお出ましだね。
……カレーに僕達が食材として使われるなんて以ての外、言語道断聞き逃せない発言だ。
ましてや毒入りカレーで苦痛を伴う殺しをやろうだなんてね。

僕はユーベルコード【第一楽章「94」より:最悪の銃式について】を使おうか。わざと断続的な攻撃をして反撃を誘発し、命中した銃弾によるルールを発動させて、より火力の高い攻撃を繰り出せるようにする。

「ルールは簡単、"僕に攻撃しない事"だ。…さて、どう行動する?」

意思があるとはいえ、攻撃をしない、なんて選択肢は中々選べないものだと僕は思う。
現に仲間や相棒が攻撃を継続させている間は、反撃しない手は得策ではないし場合によっては悪手だからね。


宮前・紅
カレーを悪巧みに使うサイテーボスのお出ましだね♪

えー俺たちが具になっちゃうの??不味そう!やだーー!
俺たち殺られるつもりないからね!

カレーを使って悪巧みするぐらいなんだからきっとカレーがだぁい好きなんだろうなー♪

さっき倉庫からくすねてきた、カレーを君のためだ・け・にご用意したよ♪

【SPD】で判定
カレールウをからくり人形にぶっかけて〜
そんで、殴っちゃえば口に入るんじゃないかなぁ?

あと俺1回オブリビオンが入ったカレー作ってみたかったんだ!その実験台になってよ☆
相棒と他の猟兵の子もいるんだし、ちゃっちゃと下ごしらえを終わらせようよ♪

大丈夫、大丈夫、寧ろ君をカレーの具にしてやるからさ!
死に急ぐなって☆


須賀原・あすむ
こいつが親玉か どっちがカレーの具になるか試してみなよ! でもお前らは具にしてもまずそうだけどね!

厄災の契りを使用します。普段は使わないようにしてるけど今回は手加減の必要なしと判断
剣から出てきた黒い影が全身を真っ黒に染め上げて変身完了。剣で切りつけたりタックルでマウント取って拳で殴ったり戦い方が獣じみたものになります。喋りも片言に
「カレーマズクスルヤツユルサナイ!!」


カリー・ボーン
・全くもってけしからん! もはや遠慮会釈は無用と見た……怒りのカレーの炎で焼き尽くしてやる!

・【POW】で対応。「残像」をもって敵を攪乱しつつ、「だまし討ち」と「誘導弾」の組み合わせであらぬ方向からのカレーソーサー攻撃を加えていく。敵の肉輪は「衝撃波」で吹き飛ばしながら敵を追いつめていく。

・カレーの具にもならん貴様は焼き尽くすのみ! 【マサラアグニ】を俺が放てる限界まで打ち放ち、あの異形を消し炭一つ残らないまで焼き尽くしてくれよう。カレーを悪用するものには火の神アグニの天罰が下ると思え!


久世浦・穗積
同じ名前なんかーい!(ツッコミ)
まあシスターより全然可愛くないのでもはや容赦の余地は
微粒子レベルでも存在しない!ぶったおせー!
私の体を通して湧き出る偉大なるカレーパワーよ
遥かなる世界ガンダーラより彼の者を現出せん
お出でませい!【召喚・華麗魔神】!!
かなり暑苦しいデリシャスインドな華麗魔神が現れて
イラッとする不思議な踊りを一通り踊った後に敵をボッコボコにするぞ!
カレースプーンにカレー力を溜め、カレー属性攻撃でカレー殴りします。



 遂に姿を現した異形のUDC、『黄昏色の啓蒙』祈谷・希。
 自ら名乗ったその名は、奇しくも以前に倒したシスター祈谷と同じ名前であった。
「いや、同じ名前なんかーい!」
 久世浦・穗積(戦争論・f01538)が思わずツッコミを入れた。
「まあシスターより全然可愛くないのでもはや容赦の余地は微粒子レベルでも存在しない! ぶったおせー!」
「その通りだ! 全くもってけしからん! もはや遠慮会釈は無用と見た……! 怒りのカレーの炎で焼き尽くしてやる!」
 カリー・ボーン(戦うカレー屋・f06236)も、カレーを冒涜する異形を捨て置けぬと怒りの矛先を向ける。
 だが異形は能面めいた顔のまま猟兵たちを冷たくあしらう。
「無駄です。我は貴方たちより格上の存在。いくら束で掛かってこようが、貴方たちがカレーの具になる事実は変わりません、フフフフフ」
 その発言に、居合わせた猟兵数名が反論する。
 戎崎・蒼(暗愚の戦場兵器・f04968)は愛銃のシグマe383aae382aae383b3-M01?を構えて言い放つ。
「……カレーに僕達が食材として使われるなんて以ての外、言語道断の聞き逃せない発言だ。ましてや毒入りカレーで苦痛を伴う殺しをやろうだなんてね。放っておけないよ」
「蒼くんの言う通り♪ ホント、カレーを悪巧みに使うサイテーボスのお出ましだね♪」
 宮前・紅(絡繰り仕掛けの人形遣い・f04970)はケラケラと笑いながら、十指でからくり人形を操り身構えさせる。
「てゆーか、俺たちがカレーの具になっちゃうの?? 不味そう! やだぁー! 俺たち殺られるつもりないからね!?」
 八重歯を剥き出しにして、舌をべぇ~っと出しておちょくる宮前。
 これに須賀原・あすむ(ファントムブラック・f03833)が続けて“口撃”を仕掛ける。
「お前が親玉か! どっちがカレーの具になるか試してみなよ! でもお前UDCモンスターは具にしても不味そうだけどね!」
「フフフフフ、別に味は不出来で結構。むしろその方が、より苦痛が増すというものです」
 そう告げると、異形は自身の外に浮かんでいる『黄昏の救済』への信仰を喚起させる肉輪を瞬時に40個も複製!
「こいつ、Lv40なのか!?」
 戎崎は異形の言葉が偽りない事実だと悟る。確かに相手は格上だ。今の人数の猟兵たちが束になって掛かっても、きっとあの異形を倒せないだろう。それでも、まずは瀕死に追いやることはできるはずだ。その為の布石を彼は打つ事にした。
 すかさず愛銃のマスケット銃から放たれる弾頭SXP-12を異形に撃ち込まんと引き金を引いた。しかし、肉の輪に阻まれて銃弾が届かない!
「駄目か。誰か、あれを何とかしてよ」
「任せろ! カレーソーサー!」
 カリーが放つカリーソーサーが衝撃波を纏い、肉の輪の一部を破壊してゆく!
「私の体を通して湧き出る偉大なるカレーパワーよ……! この身に集まれ!」
 久世浦は力を溜めている!
 大技のユーベルコードを行使するために、彼女は今、世界のカレーパワーを少しずつ体内に取り込んでいるのだ!
「カリーさん、カレーパワーがオーバーチャージされるまで時間を稼いでほしい。こいつにはキツい一撃を見舞わせないと気が済まないからね!!」
 承知した、とカリーは背中で語ってみせた。もとより、久世浦の操る身体はフェアリーのそれであり、肉の輪の攻撃を回避しながらカレーパワーをチャージできるだけの技能を有している。それでも、仲間に背中を預けることで盤石の態勢で臨むことが出来るのだ。
「あの肉の輪を何とかすればいいんだね? だったら出し惜しみなしだ!」
 須賀原が前線へ飛び出ると、呪詛の如き詠唱を唱え始めた。
「喰らえ喰らえ すべてを その腹が満ちるまで 目に映るものを喰い尽くすまで」
 途端、彼女の全身が真っ黒なオーラの塊に変化! ユーベルコード『厄災の契り(カラミティエンゲージ)』によって、超攻撃力と超耐久力を得ることに成功する。しかし、その代償として須賀原は理性を失ってしまう。
「カレーマズクスルヤツユルサナイ!!」
 片言の喋り方になり、目の前を飛び回る肉の輪へ片っ端から剣で切りつけたかと思えば、タックルをかまして拳で殴り倒すなど、野性味溢れる連撃を披露!
 そんなふたりの奮戦によって、気が付けば肉の輪がだいぶ減ってきた。頃合いを見計らっていた戎崎は、再びマスケット銃を構えて銃弾を放つ!
「そこだ!」
 BLAM! 飛び出した銃弾は異形の額にめり込んだ!
 すかさず戎崎はユーベルコードを使用!
「僕が課すルールは“君は絶対に攻撃してはならない"、それだけだ。……Pallottola magica ed infinita.」
 これが彼のユーベルコード『第一楽章 「94」より:最悪の銃式について(パロットラ・マギカ・エドゥ・インフィニータ)』の全容だ。銃弾を当てた相手に、『攻撃をするな』と命令するのだ。単純な命令だが、戦闘中にこれを遵守することは非常に難しい。
「攻撃をするな、と言われて大人しくしていると思いましたか? 大馬鹿者ですね!」
 肉の輪が再び40個まで復元されると、猟兵たちに襲い掛かる!
「言ったはずだよ。“君は絶対に攻撃してはならない"って。ルールを破れば、君に罪人として罰が下される!」
 戎崎の宣言が、異形の断罪の合図であった。能面めいた巨大な仮面が突如としてひび割れ、体から鋭利な刃物で抉られたかの如く血が噴き出したではないか!
「ぎゃあっ!? い、一体、我に何が起きたのです!? おのれ、この程度の傷!! ぐ、あがっ!? ぬああああっ!!」
 だが、ルールを破って身体が裂かれそうになりながらも、肉の輪の操作をやめない異形の祈谷。今度は眉間から血液が噴出!
「ニクノワ! タタキオトス!」
 そこへ凶化した須賀原が、飛来してくる肉の輪を切り刻んでゆく!
 その合間を縫って、カリーの投擲するカリーソーサーが、まるで意思を持っているが如く本体である異形を捕らえて突き刺さる!
「ほら、どこを見ている! こっちだ、こっち!」
 カリーの残像が異形の視界を惑わせ、だまし討ちを食らう度に覆われている白い布地が赤く染まってゆく!
 次々と攻撃を封殺してゆく猟兵たちに、異形は歯嚙みをせざるを得ない。
 と、ここで、戎崎がある事に気が付いた。
「ところで紅? さっきから見学してないで手伝ってよ」
「えーっ? なんか俺がいなくても倒せそうだよ?? 弱っちいよね、あいつ?」
 宮前は攻撃に参加せずに、ニヤニヤ笑って見物していたのだ。オブリビオン相手にめっちゃマウント取ってる宮前に、戎崎はやれやれと肩をすくめてしまう。
「折角ここまで来たんだ。僕と協力してくれないかな、紅?」
 その言葉に、宮前の表情が一気に華やいだ。
「蒼くんと協力!? うんうん! いいよ! やるやる!! 俺も戦う!! ちょっと待ってて! 今、準備するから!!」
 宮前は人形の身体の中から、大量のカレールゥをどさどさどさ~っと地面に大としたではないか!
「カレーを使って悪巧みするぐらいなんだからきっとカレーがだぁい好きなんだろうなー♪ だからさ、さっき倉庫からくすねてきたカレーを、君のためだ・け・にご用意したよ♪」
 宮前は自分のからくり人形の全身に毒入り激辛カレールゥを塗りたくり、余ったカレールゥを人形の両手に握り締めさせると、素早く異形の目の前で連続フェイント!
 ごめん、ちょっとどういう意味か分からないけど、なんかすごく怖い!
「俺、1回オブリビオンが入ったカレー作ってみたかったんだ! その実験台になってよ☆ 相棒と他の猟兵の子もいるんだし、ちゃっちゃと下ごしらえを終わらせようか♪」
 言い終わるや否や、カレー臭全開の人形が、異形の鼻っ柱を全力でぶん殴った!
 更に余ったカレールゥ全てを、異形の顔の穴という穴に突っ込んで塞いでしまう鬼畜ぶりを発揮!
 つーか、これもはやスピードじゃなくてパワーじゃね??
 ユーベルコードではなく、宮前の単なる100%のおちょくり攻撃を食らった異形は遂にブチ切れた。
「いい気にならないでくださいねっ! 猟兵風情のカス共があああああああ!!!!」
 異形の紡ぐ言葉全てが、聴衆に狂気を齎す状態に変化し、超攻撃力と超耐久力を獲得してしまう!
 だが、これは須賀原のユーベルコードと同じタイプのもの。更には、周囲には異形自身が複製した肉の輪が未だに飛び交っている状態だ。
「「ギャーッス!!」」
 つまり、猟兵1匹と異形1体が、肉の輪を追い掛けるという世にも奇妙な光景が繰り広げられてしまった。
「今がチャンス! カレーパワー200%だ! 遥かなる世界ガンダーラより彼の者を現出せん! お出でませい! 召喚・華麗魔神!!」
 久世浦のユーベルコード『召喚・華麗魔神(サモン・カーレーザカリー)』によって、54cm強の華麗魔神が召喚される。魔神はかなり暑苦しい出で立ちで、これぞインドでデリシャスなカレーを生み出さんとするインド人顔負けの迫力を持っていた。
 そしてイラッとする不思議な踊りを一通り踊った後、何の脈絡もなく異形をボッコボコにしていくではないか!
 魔神の姿かたちは小さいが、そのマッシブでパワフルな拳の嵐に、他の猟兵たちはインドの神の一柱、女神カーリーを彷彿とさせる。ちなみに女神カーリーは殺戮と破壊の象徴とされている。それほどの猛き攻撃が目の前で繰り広げられているのだ!
 その魔神の右ストレートで吹っ飛ばされ、管理室の壁に叩き付けられた異形。そこへ怒りに震えるカリーが全力の一撃を見舞わんと意識を集中させる。
「カレーの具にもならん貴様は焼き尽くすのみ! カレーを悪用するものには火の神アグニの天罰が下ると思え! 俺の激辛炎を受けてみよ!」
 ユーベルコード『マサラアグニ』――カリーの口から怒りの紅蓮の炎が吐き出された! その灼熱の劫火はたちまち異形を包み込み、体を覆っていた白い布を瞬時に焼き焦がし、その身も見る見るうちに焼けただれてゆく! 浮かんでいた肉の輪は跡形もなく灰塵に帰ってゆき、その大元の肉の輪自体が炭となって崩壊してしまった。
「もうこれで、肉の輪を複製することはできないぞ!」
 なんたるクリティカルヒット! カリーの怒りが、敵のユーベルコードを焼き尽くして封じてしまった! ここに集う猟兵たちの殆どが偶然パワー系ユーベルコードを使用していたのも勝因と言えよう。
 だが、超攻撃力と超耐久力を得ていた異形の祈谷は、体の殆どが炭化してもなお、生き永らえていた。
 理性を取り戻した異形は、自身の置かれている現実を受け入れることが出来ずに狼狽していた。
「そんな、馬鹿なことが……!? 我が、負けるはず、ないというのに……!?」
 戸惑う異形へ向けて、宮前が愉悦を隠し切れずにニタニタと笑みを浮かべていた。
「大丈夫、大丈夫、寧ろ君をカレーの具にしてやるからさ! 死に急ぐなって☆」
「黙れ! 黙れ黙れ黙れ!!」
 怒り狂う異形だが、既にその体は長くはもたないだろう。
 猟兵たちよ、トドメを刺すならば、今しかないっ!!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

瑠璃光寺・未子
シャーマンの力で操る忌神に己の執事人格を与えた《ミモリ》を従えて、危機感ゼロでやってくる。

ミコ:のう、ミモリ?
ミコはカレーというものを食べたことがないのだ
カレーは美味しいのか?
ミモリ:いけませんお嬢様…カレーとは辛くてとても危険な食べ物
とても食べさせるわけには……
ほら、カレー作りとはあんなにも怖くて恐ろしいものにございます(カレー工場の惨状とすっかり炭化しておぞましい異形を指し示して、ミコを怯えさせて窘める)

というわけで、カレーなんてジャンクフードをお嬢様に食べさせてなるものかと【戦う執事さん】で奮闘した《ミモリ》が、ルーを〈吹き飛ばし〉て〈目潰し〉をしたりして戦います


美星・アイナ
家の味と言っても過言じゃないカレー
それで人々を殺め邪神復活の贄にしようなんて・・・

『私の地雷を踏んだ罪・・・万死に値するよ、此処で消えて』
ペンダントに触れてシフトする人格は冷徹さと苛烈さを纏った殺人マシーン
手にした鋼糸を伸ばしながらレガリアスシューズで疾走
【地形の利用】で縦横無尽に動きながら鋼糸を身体に巻き付け

同時にユーベルコード詠唱開始

散弾銃の弾のように目潰しの要領で撃ち込み【だまし討ち】しつつ蹴撃

着地と同時に巻き付けた鋼糸を強く引きながらハルバード状に変化させた赤水晶の集合体で一閃

食べ物の恨みは恐ろしいって知ってた?
食を冒涜したアンタ達にはそれ相応の報いを受けて貰わないと、ね(冷笑浮かべ)



 異形の身体の半分以上が既に炭化しており、起き上がるたびにボロボロと体組織が崩壊してゆく。あと一押しでこの異形の息の根を止められる。その場にいた猟兵たちが思った矢先の出来事でった。
「のう、ミモリ? ミコはカレーというものを食べたことがないのだ。カレーは美味しいのか?」
 瑠璃光寺・未子(ヒトリカゴメ・f06597)が戦場である制御室に足を踏み入れてきたのだ。彼女はどうやら生涯の中でカレーを食した事がなく、ここまでの道中はまるで社会科見学にやってきた学生の如く目を輝かせていたのだ。
「あれだけすごい機械で作っていたのだ。さぞ美味しいものなのだろう?」
 独りで誰かに向かって話す瑠璃光寺。次の瞬間、口調は少女のそれではなく、畏まった男性の口調へと変わる。彼女は多重人格者であった。
「いけません、お嬢様……。カレーとは辛くてとても危険な食べ物。とても食べさせるわけには……」
 どうやら、今の人格がミモリらしい。その口調は、まるで彼女の執事のようであった。ただ、今までの流れがネタっぽくなくて、そのうえカレーを愛する猟兵たちの怒りの快進撃の直後であったがゆえに、とってもゆる~い展開が発生してしまい、その場に居合わせた敵味方の頭上に?マークが浮かび上がる。つまり、緊張感ゼロである。
 ミモリと呼ばれた執事人格は、黒焦げになった何気なく異形を指差して告げた。
「ほら、ご覧ください、お嬢様。カレーとはあんなにも怖くて恐ろしい食べ物にてございます」
 そこでミモリは主人格の未子にバトンタッチ。いきなり彼女の目の前に、炭化しているオブリビオンが現れたからびっくり仰天! しかもあれがカレーだと聞かされたのでもう一度仰天!
「なんと気持ち悪い……! ミモリ、ミコは気分が優れないので、後は頼むぞ」
 いや、そんなことないだろという異形のツッコミが間に合わず、主人格は深層心理の奥底へ引き篭もってしまった。相当ショックだったに違いない
「さて……」
 ここからはミモリの出番だ。ショックで気絶した瑠璃光寺の傍らから抜け出てくるようにして出現すれば、その手には日傘が握られており、下半身から生える触手が異形へ向き、それらは今にも飛び掛かりそうだ。
「カレー好きの猟兵の皆様には大変申し訳ございませんが、カレーなんてジャンクフードをお嬢様に食べさせてなるものですか。その元凶たる祈谷様、御覚悟を!」
 これが瑠璃光寺のユーベルコード『戦う執事さん』である。
 彼女の忌み子として幽閉された原因――シャーマンの力で操る忌神に、己の執事人格を与えた《ミモリ》を呼び出して戦わせるのだ。
 ミモリは密かに懐に忍ばせていた毒入り激辛カレールゥの封を開けて地面に置くと、何を思ったのか日傘をフルスイング!
「奇跡の300ヤード超え、ここで実現させましょう!」
 ミモリ、日傘をゴルフのティーショットの要領でカレールゥを吹き飛ばしたぁぁぁぁっ!
 吹き飛んでいったカレールゥは寸分狂わぬ軌道で、空中でぱっくり2分割されると、時速250km前後の猛スピードで異形の両目に突き刺さった!
 これは地味に痛い! そしてちゃんと目潰し攻撃になっている!!
「ぎゃああああああああっ!?」
 堪らず異形は瞳から物体を切断する夕日色の怪光線を放たんと試みるが、目に毒入り激辛カレールゥが沁みて涙が溢れて怪光線どころの話ではなくなっていた。
 そこへ更に猟兵が駆け込んできた!
「私の地雷を踏んだ罪……万死に値するよ、此処で消えて」
 いきなり物騒な台詞を言い放っちゃったよ、この子!
 彼女は美星・アイナ(インフィニティアンロック・f01943)の別人格たる冷徹なるキリングドールだ。
 さっきまでの主人格アイナは、クールながらも今回の事件に心を痛めていた。
(家の味と言っても過言じゃないカレー。それで人々を殺め、邪神復活の贄にしようなんて……!)
 そして今に至る。目の前のアイナはカレーを冒涜されたことに怒り心頭の猟兵だ。つまり、この場にいるカレー大好き猟兵というカテゴリーの大多数(マジョリティ)だった。
「そこのおじさんが目潰ししてくれたおかげで、もう攻撃はできないみたいだし、ここからは私に任せて」
「あの、私はお嬢様の執事なのですが……」
「いくよ、Shadow Dancer!」
「あっ、はい、頑張ってくださいませ!」
 アイナから反応が返ってこなかったミモリは、お嬢様を抱えて制御室から退却。
 一方、アイナは縦横無尽に室内を特注のレガリアサイクロンシューズで駆け巡りながら、鋼糸を異形の身体に向かって放つ! するともはや抵抗の気力も失いかけている異形にまとわりつき、その身動きを封じてしまう!
「地に落ちた血涙達、姿を変えて此処に集え……! 行き場のない哀しみと怒り、水晶の炎に変えてここに放たん! さあ、骸も遺さず焼き尽くせ!」
 ユーベルコード『集いし欠片/繋がる想い(ツドイシカケラトツナガルオモイ)』の詠唱を行いながら、その体が宙に舞う!
「食べ物の恨みは恐ろしいって知ってた? 食を冒涜したアンタ達にはそれ相応の報いを受けて貰わないと、ね」
 冷笑を浮かべたその先、床に着地すると踵を返して鋼糸を引き寄せる! 遠心力を利用した膂力は、いとも簡単に異形の身体をアイナの元へ跳ぶように引き寄せられてゆく。そして、その先に待ち構えているのは、赤水晶の欠片型の炎が集結合体して形成されたハルバート!
「これで終わり……!」
 真一文字に振り抜かれたハルバートの刃先が爆炎を纏いながら異形の身体に食い込む! 手繰り寄せられた勢いも手伝って一気に真っ二つに裂けると、アイナの身体の横を高速通過!
 分割された異形の身体は、ほぼ炭化していたこともあって、白く燃え尽きながらアイナの後ろの壁に激突すると、たちまち木っ端微塵に粉砕してしまった!

 制御室に静寂が戻ってきた。猟兵たちは制御室を破壊し、生産ラインを強制停止。これで、あとはUDC組織に連絡すれば、この工場をうまく理由を付けて穏便に閉鎖してくれるだろう。
 猟兵たちは工場の外へ出た。UDCの凶器と無縁な済んだ朝の空気が、君たちの肺を満たしてくれる。
 地平線から顔を出したのは絶望の黄昏の夕日ではなく、希望のカレー色の朝日であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『カレー! カレー! カレー!』

POW   :    買い出しに行く又はたくさん食べるなど野性味溢れたカレー的行動

SPD   :    食材の下ごしらえ又は早食いなどの機敏で正確無比なカレー的行動

WIZ   :    スパイスの各調合又は深く味わうなどの知性に満ちたカレー的行動

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 翌朝。徹夜明けの猟兵は、無事に何事もなく開催されている鳥取市主催のカレーフェスに参加していた。
 どうやら、飛び入りでカレーを作る側として参加できるようだ。近くには精肉店や青果店が立ち並ぶ商店街があるようで、食材はここで大抵揃うそうだ。
 もちろん、全国から様々なカレーが集結しているこのイベント、食べる側として楽しんでみてもよいだろう。
 グリモア猟兵のレモンも大好きなポークカレーを堪能しているようだが、誰かが声を掛けない限りは同伴や反応はしない。
 さぁ、猟兵たちよ。一心不乱のカレー祭り、大いに楽しむがいい!!
戎崎・蒼
一仕事終えたばかりだけれど、疲れも吹き飛ぶくらいに美味しそうなカレーばかりだ。
何より、今日のカレーフェスが無事開催出来て良かった。
これで心置き無くカレーフェスを堪能して楽しめるよ。

全国から集結した様々なカレーを見つつ、【POW】でカレーを沢山食べようかな。
基本的にポークカレーが好きというのもあって様々な地域のポークカレーが食べたい。

(……結構食べる方ではあったつもりだけど、紅曰く『燃費悪いよね〜』って……そんなことないと思うんだけど。)

他にはくどくないビーフカレーなら食べてみたいかな。
とか色々考えながらカレーフェスを満喫中。

もぐもぐ……美味しいカレーが身に沁みる。


宮前・紅
うわぁ~いっぱい人が居るね!

ところで、そこの紳士淑女の皆さん!あ、お子さんでも良いよ!
実は俺、カレーを販売してるんだよね♪
良かったら食べてってね!

代金?………皆さんの反応が俺にとっては、お金よりも大事なのでいらないよ!

そうそう、因みに俺が販売してるカレーはその名も!
『謎カレー』!!!!!
あはははは、何が謎なのかは食べてみてからのお楽しみだよ♪

【SPD】でお客さんを素早く捌いてるよ!(殆どからくり人形に任せている)
カレーは美味しいよ☆本当だよ!
俺が保証するよ!

材料:謎の肉、野菜?のような何か(3種類位入ってるようだ)、何かスパイスらしきもの

大まかに言うとこのくらいかな!
皆で食べてみて欲しいな☆



 地元の鳥取市民と観光客で賑わうカレーフェス。
 その喧騒の中を、戎崎・蒼(暗愚の戦場兵器・f04968)は微笑みながら歩む。
「一仕事終えたばかりだけれど、疲れも吹き飛ぶくらいに美味しそうなカレーばかりだ。何より、今日のカレーフェスが無事開催出来て良かった。これで心置き無くカレーフェスを堪能して楽しめるよ」
 辺りに立ち込めるカレーのスパイシーな香りに、戎崎の食欲が刺激される。
「よし、ポークカレーの屋台を探そう」
 全国から集うホークカレーを食べ比べするべく、足取りを軽くした戎崎が群衆の中を進んでゆく。
「北海道のポークカレーも美味しいけど、鹿児島の黒豚カレーも絶品だ。群馬の豚カレー? そういうものもあるんだね」
 その華奢な体に反して、戎崎は体内に日本全国のポークカレーを摂取していく。見事な食べっぷりに、屋台の主人も目を丸くして驚くほどだ。
「そんなに食べて、まだ食べるのか、おにいさん?」
「はい、すごく美味しいポークカレーなので! あっ、あそこに茨城県のポークカレーが……!」
 戎崎が目を輝かせて目的の屋台へ向かおうとしたその道中、見慣れた相棒の怪しい屋台を見かけて絶句してしまう。
「そこの紳士淑女の皆さん!あ、お子さんでも良いよ! 実は俺、カレーを販売してるんだよね♪ 良かったら食べてってね!」
 宮前・紅(絡繰り仕掛けの人形遣い・f04970)が人形を操りながら、カレーを販売しているのだ。しかも人形が給仕をしてくれる珍しさからか、客足も上々なので余計に驚いた。
「……紅、何やってるの?」
「あっ、蒼くんだっ! 蒼くんも俺のカレーを食べに来てくれたの?? 待ってて! 今よそってあげる!」
「いや、僕はあっちのポークカレーを食べようと通りすがっただけで……」
「どうせ、他所でもたくさん食べたんでしょ? ホント、燃費悪いよね〜」
 宮前がケラケラと笑いながら指摘した内容に、戎崎は不思議そうに首を傾げた。
(……結構食べる方ではあったつもりだけど、燃費が悪いって。……そんなこと思うんだけど)
 戎崎が思案に暮れている隙に、宮前は嬉々として盛り付け作業を行っていた。炊いたご飯の上にたっぷりと掛けるのは、蛍光ピンクのカレーらしきソースであった。
「はい! 蒼くんは特別に大盛りだよ♪」
「ナニコレ?」
 コンマ1秒で宮前に返却する戎崎。
「ナニコレって、カレーだよ?」
 すかさず戎崎に押し付ける宮前。
「待って、何で蛍光ピンクなの……? というか、これでお金を取るって、ちょっと……」
「あ、そこは大丈夫! 皆さんの反応が俺にとっては、お金よりも大事なのでいらないよ!」
 うわぁ、と戎崎は呆れて天を仰いでしまった。つまり、このカレーを使って宮前はお客をからかおうとしているのだろうと、彼は推測したのだ。
 だが珍しい蛍光ピンクのカレーに、集まった地元市民と観光客は戦々恐々、興味津々といったところ。人間の好奇心とは凄まじいものである。
「安心して! このカレーは安心安全だよ! カレーは美味しいよ☆ 本当だよ! 俺が味を保証するよ!」
 配布されたピンクカレーを、お客たちは意を決して口の中に運び入れた。
「……美味いっっっ!?」
 食べた者たちの顔が、一変して喜びに満ちた表情を浮かべた。これに宮前は大満足。
「ねっ☆ 美味しいでしょっ??」
「そんな馬鹿な……? って、本当に美味しいよ、紅!?」
 戎崎も見た目と味のギャップに愕然としている。
「紅、このカレー、何入れたの?」
「謎の肉とー、野菜のようなものとー、適当にカレーのスパイスを入れただけだよ? みんなの驚く顔、おっもしろ~いっ☆」
 宮前の地獄料理が奇跡的に良い方向へ結果を残したことに、再び戎崎は遠い目で天を仰いでしまうのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

須賀原・あすむ
ボクって実は”本当”のカレーって食べたことないんだよね。カレー風味のレーションとかはあったけど、本物ってどんなのなんだろう。

POWで判定
人生初のカレーを作ります。基本に沿って玉ねぎを炒め、人参を切りそしてカレールウの割り入れる。普通なら何気ないことだけど初めてワクワクしながら料理していることに興奮を覚えます。
作るのはオーソドックスなビーフカレーです。
出来たのを早速試食
「うん・・・やっぱり”本物”は美味しいね!!他のところのカレーってどんなのがあるんだろう」と好奇心の赴くままいろんなカレーを食べ比べに回ります



 須賀原・あすむ(ファントムブラック・f03833)は、カレーフェス会場で辺りをキョロキョロと見回しながら、様々なカレーを目の当たりにして感動していた。
「これが、カレー……。“本物”のカレー……! ボク、実は”本当”のカレーって食べたことないんだよね。カレー風味のレーションとかはあったけど、本物ってこんな感じだったんだ!」
 立ち込めるスパイスの香りに、たちまち須賀原のお腹は空腹を訴えてします。
「本物のカレーって、想像を絶する食べ物だったんだね……! 戦場で空腹には慣れていたけど、まさか匂いだけでここまで耐え難い空腹に襲われるなんて! 実際に食べたら、ボク、どうなっちゃうんだろう……?」
 ちょっぴり不安になりながら会場内を見て回ってゆくと、なんと『カレー調理実習コーナー』なるブースを発見。どうやら、参加料を支払えばプロの調理師がカレー作りを教えてくれるらしい。参加者は親子連れが大半だったが、須賀原は構わず参加料を支払い参戦!
「人生で初めて食べるカレーを、ボク自身の手で作ることになるなんて……! 夢みたいだ……!」
 期待に胸を膨らませつつ、須賀原は調理師の講師から具材のカットを頼まれる。戦場で黒剣を扱っているのが功を奏したのか、見事な手さばきで玉ねぎと人参、牛肉をカット。次に玉ねぎを飴色になるまで炒めてゆく。
「カレー作りって、時間が掛かるんだね……」
 美味しいカレーを作るための労力を知った須賀原は、自分のカレーがどこまで美味しくなるのか、とても楽しみで仕方がない様子。初めての調理、そしてその可能性に胸がときめき、新しい世界が開けてゆく感覚に興奮すら覚える。
 遂にカレールゥを割って鍋に投入。溶かしながら煮てゆけば、彼女の人生初のカレーが完成! オーソドックスなビーフカレーを早速、試食。
「いただきます!」
 果たして、その、お味は?
「……うん! やっぱり”本物”は美味しいね!!」
 舌の上で味わうほど良い刺激、鼻を抜けてゆく華やかな香辛料の香り、そして野菜と牛肉の旨味がひとつになって、体の奥底へ染み渡る感覚と言ったら……! もはや何物にも例えようがない、それは未知の味覚であり体験であった。
「自分で作ったカレーが、こんなに美味しいだなんて! あと、料理ってすっごく楽しい! ……他にどんなカレーがあるんだろう?? 食べてみたいな!!」
 ごちそうさま、と食べ終わったそばから、他の屋台へ駆けまわってカレーを思う存分楽しむ須賀原であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

カリー・ボーン
方針は【WIZ】で。

・カレーの平和は守られた。そしてカレーフェスか……鳥取県はカレールー消費量日本一。それ以外にもピンクカレーやアゴカツカレーなど、工夫に満ちたカレーも多い。

・ならば、カレー屋の端くれとしてやるべきことは一つ。可能な限り出店をまわり、しっかりと味わい、「学ぶ」ことだ。
スパイスだけではなく、ルーを構成する材料の配合、具材の組み合わせ……学ぶべきものは山ほどある。「大食い」を活かして、適度に休憩もしながらやっていこう。



 カレーフェス会場の中、ひと際目立つ格好の偉丈夫、カリー・ボーン(戦うカレー屋・f06236)は万感の想いでこの場にいた。
(カレーの平和は守られた。そしてカレーフェスか……。鳥取県はカレールー消費量日本一。それ以外にもピンクカレーやアゴカツカレーなど、工夫に満ちたカレーも多い……。ならば!)
 力強く頷いたカリーは、目についた出店のカレーを手当たり次第食べる事にした。
「カレー屋の端くれとしてやるべきことは一つ。可能な限り出店をまわり、しっかりと味わい、“学ぶ”ことだ。さて、どんなカレーに出会えるか楽しみだな」
 一軒目は地元で有名な老舗カレー店、二軒目は都内でクチコミグルメサイトで評価☆4のカレー店、三件目は変化球でカレー南蛮そばを味わってみたカリー。
「なるほどな……! 万人受けするスパイス調合も人気はあるが、その分、市販のカレールゥに近くなって個性が出にくい。とはいえ独自の調合を突き詰めすぎると今度は大衆受けしない反面、一部のマニアックなカレーファンの絶大な支持を得ることが出来る。その点、カレー南蛮そばのように、その時代の日本人の舌に合ったカレーつゆのスパイス配合という観点は目から鱗だったな……」
 学んだことをしっかり手帳に書き残してゆくカリー。殊更、カレーについての情熱はどの猟兵よりも燃え上がっているのだろう。
 いくらフードファイターで大食いのカリーといえど、食休めは必要だ。
 彼はベンチで腰を掛けつつ、盛況を誇るカレーフェスに思いを馳せる。
「もしかしたら、美味いカレーに確固たる正解などないのかもしれない。だからこそ、俺は自分のカレーを食べてくれたお客の笑顔を見てみたいのかもな……」
 カリーは立ち上がると、残りの屋台を制覇するべく歩みだした。その顔は、自然と笑みがこぼれる。
「カレーの可能性は、無限だ!」

 嗚呼、今日も平和でカレーが美味い!

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月13日


挿絵イラスト