【旅団】争奪!黄金のバナナ!
『これは旅団シナリオです。旅団「ゴ・リ・ランド」の団員だけが採用される、EXPとWPが貰えない超ショートシナリオです』
「ついに、ゴ・リ・ランド最大のアトラクションが完成したぞ!」
そう力強く言い放つのは、色黒の巨漢――ゴリ・ゴリ(ミュータント・ゴリラーズ・f18193)だ。
彼曰く、ゴリラメインというこの上なく狭い部分を狙った動物園であるゴ・リ・ランドの人気を向上させるべく、新たなアトラクションを用意したというのだ。
「本物のゴリラと触れ合えるだけではつまらん……むしろ競うのだ!本物のゴリラと!」
ゴリが言うには、数々の生涯が用意されたコースを先へ進むというアトラクション。
中々の力作らしい。
「一度テストプレイと言うべきか、皆に試してみて欲しくてな……もちろん、クリアしたときの商品はしっかりプレゼントするぞ」
そこにはバイオモンスターでは無いのかと疑いが残る強靭なゴリラたちや、ゴリのUCで呼び出された歴戦のゴリラ兵団が妨害に入るという。
その妨害に打ち勝ち最後までゴールを出来たのであれば、そこには“黄金のバナナ”と名高いヒーローズアースが誇る最高級バナナが手に入るというのだ。
一口食べれば反射的に涙が溢れるとまで言われる最高級バナナ――顧客を呼ぶには十分すぎる賞品だろう。
「ん?良くそんなアトラクションを作る場所があったかって?……いやいや、そんなスペースなんて全然無いぞ?だから人様の邪魔にならないジャングルの奥地に作らせてもらった。あぁ安心しろ、行き帰りはちゃんと俺が送るからな」
自信満々で何かおかしいことを口走ったゴリは、かなりの勢いで団員たちのツッコミを受けることで、狼狽し始める。
「えっ?それだと猟兵しか遊べないって?……いや、そう……なの、か?とりあえず、まずは試してくれ!」
非常に大事な部分を話していた気がするが、それをうやむやにするべく、黒きグリモア猟兵は仲間たちを送り出す。
どれだけ焦ろうと、おやつのバナナを握らせることは忘れずに。
きみはる
●ご挨拶
お世話になります、きみはるです。
今回は前々から出したいと考えていた、旅団【ゴ・リ・ランド】の旅団シナリオとなります。
拙作の次回作を楽しみにしていてくださった方は申し訳御座いません。
●依頼について
ジャングルの中にはスポーツ番組にでも出て来そうなアトラクション用の一続きのステージが出来ています。
プレイングの中にアトラクションの内容を提案頂いてもかまいませんし、何も記載が無ければこちらでそれっぽい内容を記載させて頂きます。
また、妨害は歴戦のゴリラ兵団がペイント弾を撃ったり、ゴリラが様々なモノを投げてきたりします。
ゴリラが投げるといえば、“あれ”ではありますが、汚いのでプレイングの中で希望(それに対するリアクション)があった人だけに投げることにします。他の方が読んでいて不快にならない程度には表現をぼかします。
●最後に
12月25日水曜からプレイング募集を開始致します。
楽しい依頼に出来たらと思います。
それでは、宜しくお願いします。
第1章 冒険
『ライブ!ライブ!ライブ!』
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POW : 肉体美、パワフルさを駆使したパフォーマンス!
SPD : 器用さ、テクニカルさを駆使したパフォーマンス!
WIZ : 知的さ、インテリジェンスを駆使したパフォーマンス!
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
グロリア・グルッグ
あの伝説の『黄金のバナナ』を手にするのは、この――天才ハッカーゴリラ・グロリアです!(カメラ目線)
まぁ言ってもアトラクションですし? 電脳魔術の達人とも凄腕とも称えられる超☆天才のグロリアさんにかかればヨユーですよヨユー(ドヤ顔)
コースの地形を分析し必要となる運動エネルギーを計算し、然るべき運動をする……たったそれだけのことで楽勝っ!
これはもう優勝したようなものでは?
いやー参りましたねぇ、まさかスタートする前から完全制覇が見えてしまうとは。これではアトラクションのわくわく感や手に汗握るスリルがお茶の間の皆さんにお届けできないかもですね!(高速詠唱)
自信満々にWIZで行動し速攻池ポチャします
●グロリア・グルッグの挑戦
「あの伝説の『黄金のバナナ』を手にするのは、この――天才ハッカーゴリラ・グロリアです!」
グロリア・グルッグ(電脳ハッカー・f00603)はこちらに対しプロが使っているものと遜色の無いサイズのビデオカメラを担いでいるゴリラ――ゴリが今後の参考とする為に記録しているのだろうか――に対し視線を向けながら高らかに宣言する。
「まぁ言ってもアトラクションですし? 電脳魔術の達人とも凄腕とも称えられる超☆天才のグロリアさんにかかればヨユーですよヨユー」
存分にカメラ目線を決めたグロリアは、眼前のコースへ視線を向ける。
彼女の眼前にそびえ立つのは、ジャングルのど真ん中にそびえ立つアトラクション。
スタート直後に挑戦者を迎えるのは池に浮かぶ飛び石の後に2mはあろう、そびえ立つ壁と、どう見ても一般観光客にはハードルが高すぎるであろう障害の数々を目にしても尚、彼女の自信は欠片も歪まない。
その百点満点のドヤ顔はカメラマンゴリラが思わずおやつのバナナを投げつけようか悩む程の秀逸さだ。
「コースの地形を分析し必要となる運動エネルギーを計算し、然るべき運動をする……たったそれだけのことで楽勝っ! これはもう優勝したようなものでは?」
グロリアは超高度コンピューター内臓のゴーグル――ラプラスを用い、視界に収められたコースをクリアする為の最適な動きを算出する。
それはもはや約束された勝利。
電脳世界で弾き出された数値通りに動くだけで、理想的な軌跡が実現するのだ。
「いやー参りましたねぇ、まさかスタートする前から完全制覇が見えてしまうとは……これではアトラクションのわくわく感や手に汗握るスリルがお茶の間の皆さんにお届けできないかもですね!」
再びドヤ顔のまま視線をカメラへと向けるグロリア。
早くスタートスイッチを押せよとばかりに木の上で器用に貧乏ゆすりを始めるカメラマンゴリラの苛立ちはまさに天元突破。
我慢ならないとばかりにゴリラがカメラを投げ出そうとしたその瞬間――自信満々のグロリアは手元のスイッチを勢い良く押すとゲートから飛び出した。
「行きますっ!」
スタートと同時に虚空へと電脳魔術を展開しながら踏み出したグロリア。
そんな彼女の一歩目は、最初の飛び石で見事に足を滑らせると豪快な落水を見せる。
彼女の唯一の失敗は――視界から外れていたことによりラプラスの計算から最初の飛び石が漏れていたこと。
その見事な落ち様は、見守っていたオーディエンスゴリラたちが満場一致のスタンディングオベーションを決めるほどの見事さだ。
挑戦時間0.8秒――まさかの1秒を切るという偉業、いや奇跡は長くゴ・リ・ランドのゴリラたちに語り継がれていったという。
大成功
🔵🔵🔵
ニレッド・アロウン
ほうほうほう!優勝すればそんなものが貰えるんですね!ならば、優勝するのは私です!
それでアトラクションという事ですが、私のような飛ぶ存在も考えられて作られているんですね。大量の木々に網の罠、そして妨害。うんうん、面倒ですね。だからこそ、楽しいってもんですよ!
背部の翼を大きく広げ、力強く空を翔けて行かせてもらいます!飛ぶついでに、全身に風の魔力を中心に付与しておき、魔力の障壁を展開しながら行きましょうか。
木々の葉っぱが邪魔?水晶鋏でざっくざくにして視界を広げながら突破!網の所はちょいと迂回しながら、ですねー。そんで飛んでくるペイント弾や……えー、あれは風の魔力による障壁で吹き飛ばしながらゴーです!
●ニレッド・アロウンの挑戦
「ほうほうほう! 優勝すればそんなものが貰えるんですね! ならば、優勝するのは私です!」
そう息巻くのはオラトリオのゴリラ――通称オラゴリラたるニレッド・アロウン(水晶鋏の似非天使・f09465)だ。
正確には優勝では無くアトラクションをクリアすることで黄金のバナナを手に入れることが出来るのだが、“ゴリラと競う”という時点で勝負事として認識したニレッドは、一番にゴールしてやるとばかりに息巻いていた。
「さぁ、行きますよ!」
スタート直後の障害の数々を何事もないかのように“飛び越す”ニレッドに対し、見守るオーディエンスゴリラたちはざわつきを見せた。
霊長類こそ至高という考えを持つゴリラたちにとって、飛ぶという選択肢は存在していなかったのだ。
しかし安心して欲しい……数多の世界で猟兵として活躍するグリモア猟兵であり、ゴ・リ・ランドの団長たるゴリは――このアトラクションの設計者は一味違う。
空を飛ぶ者に用意されているのは――飛行コースだ!
「なかなか面倒ですね……」
まずニレッドが気付いたのはジャングルの木々の間にロープが張り巡られており、木々の上までは出られないようになっていること。
誘導されるようにコースへ戻れば、そこには障害物として所々にネットが張り巡らされ、むやみに飛び交うものを絡めとらんとしていた。
「だからこそ、楽しいってもんですよ!」
ここでスピードを緩めていては、優勝は狙えない――故に彼女の選択は更なる加速。
その美しき翼を大きく広げると、水晶鋏を手に突撃したのだ。
「ウホッ!ウホウホッ!」
やつを止めろとばかりにゴリラコマンダーの指示の下、待ち受けていた歴戦のゴリラ兵団が十字砲火を放つ。
瞬くマズルフラッシュと共に高密度で放たれた弾幕がニレッドを捉えたと思われたその瞬間――ペイント弾は宙ではじけると、ニレッドを包むかのように鮮やかな色を広げて見せた。
彼女の周囲にはりめぐらされていた風の障壁がゴリラ兵団の放つペイント弾を弾き飛ばしたのだ。
「ゴーです!」
障壁に用いていた風の魔力を後方へと流すことでぐんぐんと加速を続け、ひたすら前へ、前へと進むニレッド。
邪魔となるロープや網をその手の水晶鋏で切り捨て進む様は、もはやコースを破壊しているような気がするのだが、レフェリーゴリラはレッドカードを出すことは無かった。
最短距離を圧倒的速度で突き進む彼女に対し、オーディエンスゴリラたちは惜しみない拍手を投げかけるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
一之瀬・玄十郎
ウホー!!バナナうんめぇぇーー
じゃにゃくて、なんちゅーアトラクション作っとるんにゃー―!
右を見ても左を見ても上も下もゴリラばっかにゃ
面構えが違うにゃ…(ごくり
黄金のバナナの為にやるしかないじゃにゃいか。負けんのにゃよ
もげらっちょ。
あっしとドラミングで競うにゃ!ゴリラだけの特権じゃにゃいぜよ
ウホウホウホォォー にょほ♥(だが毛でモフモフ)
ぎゃあぁぁぁーー虹色に輝く謎の物体が!!何故に!?WHY!?
(※絵面的に美しく見せる為”あれ”は虹色に編集済み)
急斜面を昇ったり池の上の飛び石をぴょんぴょん飛んだり細い吊り橋を渡ったりと虹色の物体の妨害を受け乍らも先に進むのにゃーー全ては黄金のバナナの為にぃぃぃ
●一之瀬・玄十郎の挑戦
「ウホー!!バナナうんめぇぇーー」
一之瀬・玄十郎(さすらいのまんぞくさん・f06807)は配られたおやつのバナナを全力で満喫していた。
一心不乱にバナナを貪るその様は、もはや主旨のアスレチックなど遥か記憶の彼方へと追いやられているのではないかと心配になるほどだ。
「じゃにゃくて、なんちゅーアトラクション作っとるんにゃー―!」
握りしめていたバナナを食べつくした玄十郎は、我に帰るとようやくアトラクションへと目を向ける。
ジャングルのど真ん中にそびえ立つ人工物はシュールな存在感を示し、スタート地点から視界に入る障害だけでも、どう見ても一般観光客向けとは言えない難易度を感じさせる。
「右を見ても左を見ても上も下もゴリラばっかにゃ、面構えが違うにゃ……」
記録を残さんとカメラを構えるカメラマンゴリラに公平なジャッジをする為のレフェリーゴリラ、そして彼の挑戦を見守るオーディエンスゴリラたち。
ジャングルの木々の中から降り注ぐ視線の量に思わずごくりと喉を鳴らす。
「でも、黄金のバナナの為にやるしかないじゃにゃいか……負けんのにゃよ!」
しかし気合いを新たに入れなおした玄十郎は力強くスイッチを押すと飛び出すのであった。
「もげらっちょ!」
池の上の飛び石を一つ一つ全力で飛ぶことで何とか進む玄十郎。
見ているだけで御茶の間をほっこりとさせる彼の前に、無常かな、妨害をするべく屈強なゴリラが現れた。
「あっしとドラミングで競うにゃ! ゴリラだけの特権じゃにゃいぜよ」
自身の数倍はあろうゴリラに対し、まさかのドラミング勝負を挑む玄十郎。
しかしその表情は真剣そのもの……決してゴリラにもドラミングで負けないという自信と気合いが見て取れた。
「ウホウホウホォォー……にょほ」
しかし自身満々で繰り出したドラミングは“ぽふぽふ”とでも言うべきか、なんとも形容しがたい軽やかな音色が響く。
「ウホォオオオオ!」
漢と漢の真剣勝負にファンシーなドラミング。
まさかの所業に、オーディエンスゴリラたちも大ブーイングだ。
ドラミング勝負を挑まれたゴリラも含め、皆がドラミングの大合奏を開始する。
その圧倒的迫力は玄十郎をすくみ上がらせるには十分なものだった。
オーディエンスゴリラの怒りは留まることを知らず、果物から木の枝など、様々なものを座布団の如き勢いでコースへと投げみ始める。
その中にはもちろん、ゴリラが投げると言えばで有名な“あれ”も含まれていた。
「ぎゃあぁぁぁーー虹色に輝く謎の物体が!! 何故に!? WHY!?」
謎技術によりキラキラの特殊効果がかけられた物体が宙を飛び交う。
飛沫が掠っただけでもライフポイントをゼロにしかねない凶悪兵器に、玄十郎は先ほどまでのかわいらしい動きとは打って変わって機敏な動きを見せる。
「全ては黄金のバナナの為にぃぃぃっ!」
ゴールをするのが先か、彼の心が折れるのが先か。
マスコットゴリラの明日は、どっちだ!?
大成功
🔵🔵🔵
ワーブ・シートン
pow
おいら達クマだって、強靭なんだけどねぇ。
まぁ、MUSASHIや風雲たかし城ほどじゃないみたいだしぃ、まぁ、どうにかしてみせるですよぅ。
こうなりゃあ、色々突っ込んでいくことにするですよぅ。
重そうなのとかはぁ、軽く出来るんですよぅ。
あ、この部分はぁおいらには無理ですよぅ
あ、邪魔しないでよぅ!!(妨害する兵団にUC使ってから薙ぎ倒す)
あ、黄金バナナだぁ。
バナナもいいけどぉ、鮭や蜂蜜のほうが好きなんだよねぇ。
やっぱり、これはぁ、一般人は無理だよぅ。
アドリブ歓迎
●ワーブ・シートンの挑戦
「おいら達クマだって、強靭なんだけどねぇ」
ワーブ・シートン(森の主・f18597)は器用に飛び石を飛び越しながら言葉を零す。
グリズリーのバイオモンスターたるワーブにとって、ゴ・リ・ランドのゴリラたちに対してはライバル意識のようなものがあるのだろうか。
いかに妨害を受けようと決して負けないと、普段まったりのんびりとている彼にとっては珍しく、その愛らしさを感じる瞳にやる気を漲らせていた。
「まぁ、どうにかしてみせるですよぅ」
その巨体を活かしそびえ立つ壁をのっそりと超えると、先へと進む。
彼の知識にあるアースで放送されていたスポーツ番組と比較すれば、そこまで鬼畜な仕様では無さそうだ。
こうなったら行けるところまで行くしかないと、そののっそりとした歩行を機敏な四足歩行へと切り替え、コースを駆け抜けるのであった。
「重そうなのとかはぁ、軽く出来るんですよぅ」
こちらへと向かう巨大な球を弾き飛ばし、ワーブは前へ、前へと駆ける。
圧倒的体格とそれに見合う筋力を備える彼にとって、力勝負は大得意だ。
しかしこのゴ・リ・ランドには様々は障害が待ち受けている。
それは決して、正面からの力勝負では無いのだ。
「あ、この部分はぁおいらには無理ですよぅ」
先ほどのような力がものを言う障害に対しては圧倒的優位を見せるワーブ。
しかし器用さをある程度求められる障害に対しては、非常に難易度が高くなってしまうのだ。
彼が立ち尽くす先にはるのは尋常な長さを見せる雲梯。
そもそもその手の構造から握る行為が得意では無い上、体重の重いワーブにはハードルが高いのだ。
しかし彼はその熊らしい木登り技術とバランス感覚により、器用に雲梯の上を進んでみせた。
人が登って進むには難しい細く、うねったその枠組みも、熊であるワーブであれば危なげなく進むことが出来るのだ。
(バナナもいいけどぉ、鮭や蜂蜜のほうが好きなんだよねぇ)
延々と続く雲梯の上を進みながら、ぼんやりと考え事をする。
黄金のバナナにはもちろん興味津々だが、これが黄金の蜂蜜であったらどんなに良かったかとついつい考えてしまうのだ。
そんな考え事からワーブが意識を戻せば、周囲がゴリラ兵たちに囲まれていたことに気付く。
「あ、邪魔しないでよぅ!!」
容赦なく撃ち込まれる弾幕が、ワーブの全身を色とりどりに染め上げてゆく。
全身を覆う痛みと汚れに怒りを爆発させたワーブはその3m近い巨体をさらに肥大化させると、その両手を振り回して見せた。
うなる轟音。
飛び散る木々。
巨大化された剛腕の威力はすさまじく、ゴリラ兵団が根こそぎ薙ぎ払われる。
しかしそこには、大きな罠が存在していたのだ。
「あ……」
ただでさえその巨体には狭い雲梯の足場。
さらなる巨大化したワーブを支えるには、圧倒的に面積が足りなかったのだ。
足を滑らせた巨大な熊は、地面を大きく揺らしながら池へと着水する。
「はぁ……やっぱり、これはぁ、一般人は無理だよぅ……」
体格の問題から落ちた池に沈むどころか浸かる状態のまま、溜息と共にワーブは最初から思っていたことをついに口に出してしまうのであった。
大成功
🔵🔵🔵
リック・ランドルフ
いよいよ、ゴ・リ・ランド開園まで間近。皆に楽しんで貰えるためにちゃんとテストプレイしないとな…決して高級バナナの為じゃなくて安全のためにも……本当だぞ。
さてと、俺は何を…お、ありゃターザンロープ懐かしいな。昔はよくやったもんだ。…よし、せっかくだしやってみるか
おお…結構高いな…下は…ありゃプールか…落ちないように気を付けないとな。よしそれじゃ、――おおお!(ターザンロープに乗る)
―――と!?途中で止まったぞ!?と周りにゴリラ…!?で、手に持ってるのは…マジかよ!?うおおお!?(縄を登ったり揺らして避ける)……はぁはぁ、お、動いた…無事ゴール……いや、スリリングだったな。…でも楽しかったな。
●リック・ランドルフの挑戦
「いよいよ、アトラクション完成まで間近。皆に楽しんで貰えるためにちゃんとテストプレイしないとな」
リック・ランドルフ(刑事で猟兵・f00168)は己に言い聞かせながらアトラクションを先へと進む。
猟兵として、そしてUDCアースの刑事として鍛え上げられたリックの身体能力は常人をはるかに凌ぐ。
その鍛え抜かれた筋力を活用しながら、スポーツ選手さながらの機敏さを見せ次々と障害をクリアしていくのだ。
「……決して高級バナナの為じゃなくて安全のためにも……本当だぞ」
賞品である黄金のバナナを想像し、無意識に溢れたツバをごくりと飲み込むリック。
別段賞品である黄金のバナナを欲したからといって何が悪いわけでは無いものの、ついつい罪悪感を感じ、誰に聞かせるわけでもない独り言を零してしまうのは生来の生真面目さ故か。
あくまでテストプレイの協力なのだと己を戒めながら挑んでいた。
「さてと、次は……お、ありゃターザンロープ懐かしいな。昔はよくやったもんだ。……よし、やってみるか」
彼が目にしたのは所謂ターザンロープ。
足場と足場の間に張り巡らされたロープ進むための滑車が備えつけられており、その滑車に繋がっているロープにしがみ続けることで、滑車と共に先へと進むのだ。
そしてその下には、これまでの飛び石などと同様池になっていた。
「おお、結構高いな……下は、ありゃプールか……落ちないように気を付けないとな」
滑り落ちればこれまでと同様落水し、泥水まみれとなるのだ。
この寒い時期に濡れることも避けたいが、それ以上に泥水に汚れるのも回避したいところ。
これまでの運動によって浮かんでいた汗で滑らぬよう手を拭いながら気合いを入れ直すと、滑ってなるものかとしっかりロープを握り込む。
「よしそれじゃ……おおお!」
ロープを握ったままステージから飛び出すリック。
想像以上の加速に思わず声をあげながら進んでゆく。
落ちてなるものかと懸命にしがみ付くと、突如ロープが停止した衝撃に再び驚く。
「と!? 途中で止まったぞ!? と周りにゴリラ!?……で、手に持ってるのは……マジかよ!?」
これまでのスマートなクリアとは打って変わり、必死の形相でロープを揺らすリック。
彼が必死に避けるのは――虹色のキラキラでモザイクがかけられた“例のブツ”だ。
力配分や体力の温存などと言っている余裕は無い――それを素肌に喰らおうものなら、一生もののトラウマ待った無しだ。
全力でロープを揺らすことで回避し、時には登り、そして降りる。
その形相はかつて見ないほどの熾烈さを見せ、共に過ごすゴ・リ・ランドの仲間が見れば、普段とのギャップに驚きを禁じ得ないだろう。
「はぁはぁ、お、動いた……いや、スリリングだったな……でも楽しかったな」
必要となる時間が過ぎたのだろうか――リックがしがみ付いていた滑車が再び動き出す。
普通ならば怒っても良いところなのだが、スリリングなどとアトラクションとしての楽しみを見出すあたりに、彼の優しさがにじみ出ている。
彼はきっと、苦労人なのだろう……見守っていたオーディエンスゴリラたちはそう囁き合ったという。
大成功
🔵🔵🔵
御堂・茜
このセットUDCアースのテレビ番組で見た気がしますわ…!
おゴリラと競い、互いに高めあい、勝利してこそ御堂も真のゴリ侍という訳ですね!
いざ尋常に勝負と参ります!
恐らくチャレンジャーの大半は最序盤で脱落する難易度です
すごい角度の壁やハンモックは特に鬼門と恐れられ
伝説に残るに違いありません!
しかもゴリラ様の投擲攻撃まで…団長殿の本気が窺えますわ!
しかし!
速さでぶっちぎれば無問題ッ!!
UCを使いサンセットジャスティスと共にコースを駆けますッ!!
全ては勢い!
そう…【気合い】ですッ!!
これぞ御堂のゴリラ道…御覧あれ!
それ以降のテクニカルな装置は全く対策しておりません!
まぁ、コースアウト?
あぁーッ!!(水没
●御堂・茜の挑戦
「このセットUDCアースのテレビ番組で見た気がしますわ!」
御堂・茜(ジャスティスモンスター・f05315)はジャングルの中にそびえ立つ人工物を眺め、感動を口にする。
彼女の過ごすUDCアースで見たことのあるスポーツ番組。
そのステージを連想させる出来映えに、茜は何とも言えない感慨深さを感じていた。
「おゴリラと競い、互いに高めあい、勝利してこそ御堂も真のゴリ侍という訳ですね!」
ゴリ侍を目指す茜にとって、ゴリラと競うことの出来る今回はまたと無い機会。
「いざ尋常に勝負と参ります!」
気合いを新たに、茜はアトラクションへと挑むのであった。
「恐らくチャレンジャーの大半は最序盤で脱落する難易度です」
スタート地点の時点で目にはいるだけでも、チャレンジャーの大半が脱落するであろうことは容易に想像がつく。
「しかもゴリラ様の投擲攻撃まで……団長殿の本気が窺えますわ! これは伝説に残るに違いありません!」
明らかに一般観光客向けでは無いハードルの高さに本来であれば苦言を呈するところではあるが、悲しいかな御堂・茜という少女は突き抜けて真っ直ぐなのであった。
輩の行なうことであれば何であれ好意的に受けとる彼女にとって、明らかに過剰な攻撃力も、それは団長であるゴリの気合いが入っているのだと、むしろ好意的に受け止めていた。
「しかし! 速さでぶっちぎれば無問題ッ!!」
そんな彼女でも――否、そんな彼女だからこそ、このアトラクションに対し手を抜くことなく全力で挑まんとしていた。
「団長殿! 御堂はサンセットジャスティスと共に駆け抜けます! 全ては勢い! そう……気合いですッ!! これぞ御堂のゴリラ道……御覧あれ!」
愛馬である馬型ロボットであるサンセットジャスティスを呼び出し、コースを駆け抜ける茜。
この上なくアウトな匂いのする行動を堂々とやって見せるのもまた、御堂・茜という少女のらしさが見てとれる。
そのあまりの堂々とした態度に、レフェリーゴリラもレッドカードを出しかねていた。
そうこうしている間に名馬サンセットジャスティスはコースを駆け抜け、次々と障害を突破していた。
飛び石を数段飛びで飛び越せば、壁も驚異的なジャンプ力で飛び越える。
狭い足場もものともせず駆けるサンセットジャスティス。
その馬型ロボの性能もさることながら、それを自在に操る茜の操縦技術も卓越していた。
その動きは人馬一体――高速スピードのままゴールへと駆け抜け――。
「あぁーッ!!」
超高速へと加速を続けたサンセットジャスティス。
しかしその足元へと張り巡らされたロープへと豪快に足をとられると、茜ともども勢いそのままに吹き飛んだ。
圧倒的速度で放たれたその大質量の物体は、木々をなぎ倒しながらコースを外れてゆく。
サイボーグでなければ即死だった。
事故現場の惨状を眺め、レフェリーゴリラは後にそう語ったという。
大成功
🔵🔵🔵
●アルス・メイナードの挑戦
「わ、わ! ボク園長様以外のゴリラさんって初めて見ました!」
アルス・メイナード(悪魔憑きの少年・f18441)のテンションはアトラクションを始める前に既に高まっていた。
カメラマンからレフェリー、オーディエンスまで全てがゴリラ。
そのゴリラだらけの環境にアルスの表情は目をキラキラと輝かせ、その色白の頬は軽く朱に染まっていた。
彼の中性的な顔立ちと合わせ、人間であれば男でもドキッとすること間違いないのだが、残念ながらゴリラたちはその色気に熱をあげることは無かった。
彼らが熱い視線を送っているのはアルスのその手元。
彼がゴリラたちに会えると聞いて差し入れ用に大量に持ち込んだバナナの山だ。
「ゴリラさん、差し入れですっ!」
ニコニコ顔でバナナを差し出されては、妨害の役目を受けたゴリラも思わず道を譲らざるを得ない。
もちろんアルスとしてはその差し入れには妨害から逃げるという目的もあるし、そこいらの子供よりも賢いゴ・リ・ランドのゴリラたちだってそれは理解している。
しかしアルスがゴリラたちに向ける感情に悪意的なものは無く、ゴリラが好きで仕方がないという溢れんばかりの好意をなまじ人間以上に感受性が高いゴリラだからこそ感じ取ってしまい、あまり無下にも出来ないでいたのだ。
「ひぃ、ひぃっ!」
そして何よりそのアルスの身体能力にも原因があった。
飛び石や壁、雲梯と障害の一つ一つにひいひいと言いながらなんとか越えるその様子に、ゴリラたちはまぁ妨害しなくてもそのうちアウトになるだろうという気持ちへと変化していた。
もはや妨害をするはずのゴリラ兵団も一観客であるオーディエンスゴリラの一部と化し、ほっこりとした温かい視線でアルスを見守る有様。
もはやそこには、挑戦者と応援団しか存在しなかった。
「ありがとう、ありがとうございまーす! ひぃ、ひぃ!」
息も絶え絶えになりながらも、オーディエンスゴリラたちの温かい拍手へと手を振りながら走るアルス。
差し入れとして担いでいたバナナも重くてかなわないとゴリラたちへ向けて投げて配り切ると、ふらつきながらも先を急ぐ。
しかしそこには一枚の黄色いバナナの皮。
差し入れられたバナナを食べきったゴリラのうち一頭が、コースへと投げ捨てたのだろう。
「あぁ、そんなっ!」
もはやそれは喜劇の一幕。
見事にバナナの皮の中心を踏み抜くと、バランスを崩しコース外へと落ちてゆく。
皮を投げ入れたオーディエンスゴリラのうちの一頭が、仲間たちから非難轟々だったとか何とか。
アルス・メイナード
WIZ
わ、わ!
ボク園長様以外のゴリラさんって初めて見ました!
ゴリラさん達を見て目キラキラ心ドキドキのボクです!
差し入れるバナナも一杯持ってきました
アトラクション攻略中、出会うたびにお渡ししちゃいますよ
食べてる間に妨害から逃げる算段も無論、ありますっ
…さておきアトラクションに挑戦です!
正直体力にはちっとも自信は無いんですけれど
精一杯、頑張りますよっ!
木製アスレチックを登ったり飛び降りたり
池に並ぶ足場を飛んで渡ったり…ひいひい言いながら進みます
って言うか背が低い分、こ、高低差が辛い…っ
そんな一杯一杯な状態なので
妨害なんてされたら即すってんころりんです
投げ置かれたバナナの皮すら避けれません、きっとネ
●アルス・メイナードの挑戦
「わ、わ! ボク園長様以外のゴリラさんって初めて見ました!」
アルス・メイナード(悪魔憑きの少年・f18441)のテンションはアトラクションを始める前に既に高まっていた。
カメラマンからレフェリー、オーディエンスまで全てがゴリラ。
そのゴリラだらけの環境にアルスの表情は目をキラキラと輝かせ、その色白の頬は軽く朱に染まっていた。
彼の中性的な顔立ちと合わせ、人間であれば男でもドキッとすること間違いないのだが、残念ながらゴリラたちはその色気に熱をあげることは無かった。
彼らが熱い視線を送っているのはアルスのその手元。
彼がゴリラたちに会えると聞いて差し入れ用に大量に持ち込んだバナナの山だ。
「ゴリラさん、差し入れですっ!」
ニコニコ顔でバナナを差し出されては、妨害の役目を受けたゴリラも思わず道を譲らざるを得ない。
もちろんアルスとしてはその差し入れには妨害から逃げるという目的もあるし、そこいらの子供よりも賢いゴ・リ・ランドのゴリラたちだってそれは理解している。
しかしアルスがゴリラたちに向ける感情に悪意的なものは無く、ゴリラが好きで仕方がないという溢れんばかりの好意をなまじ人間以上に感受性が高いゴリラだからこそ感じ取ってしまい、あまり無下にも出来ないでいたのだ。
「ひぃ、ひぃっ!」
そして何よりそのアルスの身体能力にも原因があった。
飛び石や壁、雲梯と障害の一つ一つにひいひいと言いながらなんとか越えるその様子に、ゴリラたちはまぁ妨害しなくてもそのうちアウトになるだろうという気持ちへと変化していた。
もはや妨害をするはずのゴリラ兵団も一観客であるオーディエンスゴリラの一部と化し、ほっこりとした温かい視線でアルスを見守る有様。
もはやそこには、挑戦者と応援団しか存在しなかった。
「ありがとう、ありがとうございまーす! ひぃ、ひぃ!」
息も絶え絶えになりながらも、オーディエンスゴリラたちの温かい拍手へと手を振りながら走るアルス。
差し入れとして担いでいたバナナも重くてかなわないとゴリラたちへ向けて投げて配り切ると、ふらつきながらも先を急ぐ。
しかしそこには一枚の黄色いバナナの皮。
差し入れられたバナナを食べきったゴリラのうち一頭が、コースへと投げ捨てたのだろう。
「あぁ、そんなっ!」
もはやそれは喜劇の一幕。
見事にバナナの皮の中心を踏み抜くと、バランスを崩しコース外へと落ちてゆく。
皮を投げ入れたオーディエンスゴリラのうちの一頭が、仲間たちから非難轟々だったとか何とか。
大成功
🔵🔵🔵
二本木・アロ
ほらあたしゴリラ並みの知能あるからさ……ココはいん、いんて、インテリア? を駆使したアレをだな? あ、それだインテリジェンス。
っつーかさ、今めっちゃヤバいコトに気付いたんだけど。
おやつのバナナ、始める前に食い終わっちまった。
おー、すげーアトラクション。
アレ一見体力勝負に見えるけどな、足場とか超計算しながら登ってるんだぜ(と言いつつ、筋力のみで挑む)
っしゃあ鍛え抜いて脳まで筋肉のあたしをなめんな!
ゴリラ兵にはゴリラ的に応戦。
“あれ”を投げられたら……投げ返す!!!
【挑発】【恫喝】は当然ゴリラ語。バイリンガルゴリラ。
ウッホウッホウッホァアアアアッ
(訳:WIZ低いとかメタいコト言ったヤツ表に出ろ)
●二本木・アロの挑戦
「ほらあたしゴリラ並みの知能あるからさ……ココはいん、いんて、インテリア? を駆使したアレをだな? あ、それだインテリジェンス」
二本木・アロ(ガードカツィナの娘・f02301)は脳内から一生懸命記憶をたどりながら言葉を捻り出しながらアトラクションを進む。
ゴリラ並みの知能と名高いアロ――本来の意味がどうであれ、ゴ・リ・ランドにおいてはそれは最高の褒め言葉。
つまりは賢者たるアロにとって、このような障害は決して障害足り得ない。
その卓越した知能を駆使して最適な攻略方法を導き出し、最短距離でクリアすることが可能なのだ。
「っつーかさ、今めっちゃヤバいコトに気付いたんだけどさ」
そしてアロは身体能力もゴリラ並み。
いや、並みのゴリラ以上だろう――何故なら現在進行形で並走しているのは、普段からバイオモンスターでは?という疑いの声が叫ばれるほどの身体能力を誇るゴ・リ・ランドのゴリラたち。
そうした彼らに決して負けない速度で、機敏さで、すいすいと障害をクリアしていく。
「おやつのバナナ、始める前に食い終わっちまった」
おやつとして配られたバナナは転送が終わる頃には既に腹の中。
運動した後の為に取っておけば良かったかと悔いるものも、そんな思考は直ぐに捨て去る。
ゴリラは過去を振り返らないのだ。
いや、ゴリラでは無く羅刹なのだけれど。
「おー、すげーアトラクション」
彼女の眼前にそびえ立つは巨大なクライミングウォール。
どう見ても一般人にはクリアできないその障害も、余裕しゃくしゃく。
「これな、一見体力勝負に見えるけどな、足場とか超計算しながら登ってるんだぜ」
横に並ぶゴリラたちと同じ速度で進むアロは、最適なコースを常に計算して登っているのだ。
所々ジャンプしている時点で、最適では無いのでは?などと言ってはならない。
彼女が通った道こそ、正道。
通れたのだから、そこが正解ルートなのだ。
「っしゃあ鍛え抜いて脳まで筋肉のあたしをなめんな!」
壁を登り切ったアロは気合の籠った叫びをあげる。
そんな彼女を待ち受けるのは、妨害をすべく配置された歴戦のゴリラ兵団。
そんな彼らも、もはやゴリラ同等、いやゴリラそのものと認めざるを得ないアロの活躍を前に、興奮の雄叫びをあげる。
互いに鳴らすドラミングは威嚇であり、強者を称える輪舞。
共鳴し合うビートにより互いのテンションは最高潮へと達しようとしていた。
そろそろお気づきだろうか?
彼女がごくごく当然の如く競い合っていたゴリラたちと会話していたことに。
しかしそれは当然のこと……何故なら彼女はゴリラ並みの知能を有しているのだから。
そんな彼女を前にしては、人類同等の知能を有するゴリラ兵たちも野性を取り戻し、ピュアゴリラへと原点回帰。
もはや銃など必要では無い。
漢が握るのは、排●物だ!
(一部不適切な表現が御座いました、お詫び申し上げます)
「ウッホウッホウッホァアアアアッ!」
虹色のキラキラのモザイク処理をされた何かを投げるゴリラたち。
しかしゴリラたる彼女も決して負けてはいない。
片手でダイレクトキャッチを成功すると、そのままストレートに投げ返す。
顔面に反撃を喰らったゴリラたちは、さらなるヒートアップを見せる。
もはやそれはゴリラVSゴリラ。
その争いを止められる者は誰もいない。
……あかん、これ地獄絵図や。
●戦いの後に
「皆、よく頑張ってくれた! 本来であればアトラクションをクリアした者だけの商品ではあるが……迷惑をかけた分、皆食べてくれ」
ゴリの手には太陽の光を照り返すバナナ。
その艶は単なる反射光を黄金に感じさせるほどの品位に満ちていた。
猟兵たちがその手に握り一皮剥いたなら、そこから感じるのは芳醇な香り。
反射的に口内に溢れる唾液を止めるかのようにその果実を頬張れば、口内を圧倒的な甘みが満たしていく。
満身創痍といった様相の猟兵たちの頬を、ゆっくりと伝い濡らすもの――自然と溢れた涙があった。
一口食べれば思わず涙すると言われるほどの黄金のバナナ。
その美味による感動を味わえば味わうほど、先ほどまで襲われていた苦難を思い出す。
これまで経験したことのないほどの旨味が心を揺さぶり、涙腺と共に心の壁を破壊していく。
それは自然と溢れ出る涙に加え、一部の者から小さな嗚咽が零れ始めるほどだ。
美味い、美味いと呟く仲間たちの声色に苦労が滲んでいるのは、はたしてゴリの勘違いだろうか?
そんな感極まった様子を眺め、ゴリは漸くアトラクションの難易度が一般観光客に対して高すぎるものであったことを察する。
「なんか、ごめんな……」
ゴリが呟いた謝罪が、小さく辺りに木霊した。
大成功
🔵🔵🔵