7
嫉妬教団の野望!恋人とのイチャ×2クリスマスは中止です

#UDCアース #感染型UDC

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#UDCアース
🔒
#感染型UDC


0




 12月。一般的には一年の最終月とされ、その年を締めくくり、次の年を迎える準備で忙しなくなる月。そして大体の人は、12月といえばとあるイベントを連想するだろう。
 『クリスマス』。聖人の降誕を記念する祭日が起源ではあるが、今ではもっぱら、家族、或いは恋人と一緒にロマンティックな一時を過ごすというなんとも羨まけしからんイベントという認識が、少なくとも此処、UDCアースでは広まっている。
「でさ~、てな事があったわけよ~♡」
「え~、ホントにぃ~♡」
 青年(某大学考古学部所属)が彼女(某大学ミスコンファイナリスト)とイチャコラしながら街の雑踏を歩いていると、ふと、その肩が誰かにぶつかってしまう。
「あ、すみま……。」
「あぁん!? テメェ、ドコに目ぇつけとんじゃワレぇ!」
 よくよく見れば、その相手は全身黒ずくめ、頭は真っ黒な三角頭巾で全体を覆われその表情を伺う事は能わないが、その中では凄まじい形相で眼圧を飛ばしている事は、声色から容易に理解する事が出来る。
「カップルだ!カップルが我らが同志の心身をズタズタに傷つけたぞ!」
「チキショウ、なんて酷い事を!これは命に関わるぞ!」
「カップル許すまじ!天誅下すべし!」
 ていうか、気付けばおんなじ格好した、いかにも怪しい集団が何人も囲ってるし。
「はいはい。同志達、皆落ち着いてー。」
「「「おぉ、我らが女神!」」」
 だがそれを諌める、女性らしき声が一つ。それは彼らとは違い、所謂サンタコスに身を包んだ女性だった。
「ごめんねー、ウチの同志達が迷惑かけちゃって。お詫びに……はい!」
 そう言って彼女が背負っていた巨大な袋から取り出したのは、一包みのプレゼント箱。クリスマスっぽく飾り付けられた、可愛らしい包装が施されていた。
「ちょっと早いけど、サンタからのクリスマスプレゼント!『カップルが幸せになれるプレゼント箱』だよ!二人で仲良く開けてね!」
 そして女性は黒ずくめの集団を引き連れ、足早に去っていく。可笑しな目には遭ったけど、思わぬプレゼントをもらって和気藹々としながら、この事をSNSで呟こうとするカップル。だがその裏で、女性含む怪しさしかない集団は、卑屈にほくそ笑みながら一様に心の中で呟くのだった。
(((リア充爆発しろ!カップルでクリスマスだなんて絶対に許すまじ!)))

「皆、クリスマスを前に、UDCアースで事件が起こるみたいよ。」
 世界の壁を越え、どことなくあちこちでクリスマスの雰囲気が漂うグリモアベース。その一角で、アイリーンは新たに発生した事件の説明を始める。
「まず、最近UDCアースでは新しいカテゴリーのUDC――『感染型UDC』が確認されたの。」
 それは、その存在を見た者、内緒話やSNS問わずその存在を広めた者、それを知った者――それら全ての人間の『精神エネルギー』を糧として繁殖を行う、情報社会である現代向けに進化したUDCだ。最悪、全世界規模でのパンデミックを引き起こし、大惨事になりかねない。
「だからその前に、その発生源の感染型UDC――オブリビオンを倒さなければならないわ。そして今回、私達が倒すべき相手は、『ハンタークロース』と呼ばれるUDCよ。」
 一見すれば、可愛らしいサンタコスをした可愛い女性。だがその本質は、子供達を死へと誘う危険な存在、のはずだが……。
「どうも今回の個体は、子供達よりもカップルに意識が向いているらしいの。その原因は、多分これね。」
 そう言ってグリモアを通して映し出された映像に現れるのは、『嫉妬教団』を名乗る、三角頭巾を被った全身黒ずくめ、リア充撲滅を掲げる集団だ。どうやら彼らに喚ばれたせいで、少し性質が歪められたようである。
「彼らは『ハンタークロース』の力を源に、『カップルが幸せになれるプレゼント箱』の噂を広めながら、町中で配っているわ。でもそれは真っ赤な嘘。むしろカップルが開けると、険悪になって破局する呪いが発動して仲違い。最悪、命を失ってUDCの生贄にされてしまうの。」
 噂の拡大を抑え、犠牲者を増やさないためにも、まずは彼らと最初に接触した人物の元に向かわねばならない。その後、『嫉妬教団』の陰謀を挫き、最後に元凶たるUDCを打倒するというのが、今回の流れだ。
「カップルの人も、そうでない人も。楽しいクリスマスを過ごすためにも、皆、よろしくね。」


橘田華佗雄
 十六度目まして、橘田華佗雄です。第六猟兵&MS業一周年となる今回は、実は今まで出した事の無かったUDCアース、そしてクリスマスなシナリオをお送りします。
 以下、ちょっとした補足になります。

●第1章について
 オープニングに登場した青年のいる路地裏へと向かい、精神エネルギーから生まれた集団UDCの撃破をお願いします。数はいますが、個体ごとの強さは大したことありません。
 あと、残念ながら彼はプレゼント箱の犠牲者となってしまい、彼女と別れたばかりで傷心中のため、出来ればなんか声を掛けてあげて下さい。

●第2章について
 街中でプレゼントを配っている『嫉妬教団』の活動を妨害しつつ、アジトの手掛かりを見つけて下さい。カップルで対処するも良し、即席カップルで当たるも良し、彼らに同調しつつ探りを入れるも良しです。
 なお、某RBな方々とは関係ないはず。多分。

●第3章について
 『嫉妬教団』のアジトへ突入し、感染源のUDC『ハンタークロース』を撃破してください。思いの丈をぶつけながら、全力でぶちのめしてやりましょう。

 今回のシナリオは、クリスマス色強め、コメディ色強めのシナリオとなっております。宜しければ、嫉妬教団にも負けない、カップルでの参加もお待ちしております。
 それでは、皆さんの参加を、心よりお待ちしてます!
14




第1章 集団戦 『朽ちた化石竜』

POW   :    骨融合
無機物と合体し、自身の身長の2倍のロボに変形する。特に【仲間も含めた複数の骨】と合体した時に最大の効果を発揮する。
SPD   :    骨化
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【骨の怪物】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
WIZ   :    鉄骨
全身を【超硬度な金属】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 アイリーンの指示に従い、UDCアースのとある裏路地へと足を踏み入れる猟兵達。彼らの目に飛び込んだのは、膝を抱えて地べたで項垂れている、件の青年の姿があった。
「はぁ……。」
 つい最近まで、彼らカップルは順風満帆そのものだった。いつも仲睦まじく、時に相手の嫌な所が目についてもそれを受け入れ、それでもたまに喧嘩しても、互いにすぐ謝って和解、そのはずだった。だが、いつの間にか――例のプレゼントを受け取ってからだろう――些細な事でも口論になり、互いに受け入れられなくなり、遂には目を合わせることも嫌になる程になってしまった。それでも、彼女に対する想いは未だ燻っていて……。
「なんで……なんで、こんな事になっちまったんだよぉ……。」
 そんな彼を取り巻くように漂う、靄のような光。彼がSNSで広めた噂を通じて集められた、精神エネルギーだ。やがて定型を持たぬ塊は、青年の記憶をもとに、それに近い性質のUDCへと形取り……。
「えっ……う、うわぁぁぅ!!」
 それは、かれが専攻している考古学、それより学んだ恐竜の化石の姿を模していた。最も、その頭部は何故だか欠損していたが。
 精神エネルギーを糧に、次々生み出されるUDC達。やがて彼らの瞳無き眼光は、青年へと向けられる。
「やめろ……来るな、こっちへ来るなぁぁ!!
 どうして、こんな目に合わなきゃいけないんだよぉ……!」
 だが間一髪、青年とUDC達の間に割って入るかのように、猟兵達の一撃が奔り、その接近を妨げる。
 まずは、目の前のUDCを倒さねば。猟兵達は様々な思いを胸に、彼らへと立ち向かう。
テリブル・カトラリー
なかば強制的に不和をもたらす箱。
趣味が良い、とはとても言い難い代物だな…

速攻クイックドロウ
自動拳銃で化石竜の関節を狙い(スナイパー)部位破壊。
体勢が崩れた所に機械刀でなぎ払い属性攻撃、溶断する。

…ちらと青年を見やる。
箱の影響をまだ受けているのか、どうかは分からんが…

後悔しているのなら、もう一度やり直せ。
合体した敵に向かって【加速・戦争腕】
加速し胴目掛けて自身を吹き飛ばし、怪力で殴り壊す。

いつか想いが風化するのを良しとするならそれも良いだろう。
だが、まだ終わりたくないと思うなら、やり直せ。

生憎男女の機微には疎い身だが、
箱で無理矢理切れてしまった関係なら、
もう一度結び直す事もできるだろう。



「半ば強制的に不和をもたらす箱。趣味が良い、とはとても言い難い代物だな……。」
 重々しい駆動音を響かせながら、テリブル・カトラリーは不意に、人工的な音声を変声マスクから漏らす。戦う事が存在理由の彼女にとって、愛する男女の恋愛などha
あまり得意分野というわけでもない。だが、その仲を他者が強引に、それも己の邪な野望のために引き裂こうなど、とても看過出来る事ではない位は流石に理解しているつもりだ。
「だが、まずは……。」
 気付けば、テリブルの周りには人々の精神エネルギーより生まれし化石竜が数匹、見定めた獲物を狩らんとするかのようにぐるりと取り囲んでいた。彼女を中心に周りながら、少しずつその距離を縮める化石竜達。そしてあと数mという所まで近づいた途端、彼らは肉無き大腿骨に力を込め、テリブルを屠らんと一斉に襲い掛か――。
「……この場を鎮圧する事が先か。」
 ――る事はなかった。踏ん張る力とは裏腹に、次々と膝から崩れ落ちていく化石竜達。その時テリブルの手にあったのは、硝煙を上げる大口径の大型マグナム【ラストデザート】であった。目にも止まらぬ彼女の正確無比な早撃ちにより、化石竜達は飛びかかろうとした途端、剥き出しの関節を打ち砕かれたのだ。体勢が大きく崩され、思うように立ち上がれぬ彼らに対し、だがテリブルは容赦なく、その手に高温を発する機械刀を取れば、自身を中心に孤を、円を描くように鮮やかに薙ぎ斬り払う。熱を帯びたその太刀筋の前では、化石竜達の強固な石骨はいとも容易く溶かし断たれ、支えるモノなき彼らは力なく崩れ落ちていく。
「……箱の影響をまだ受けているのか、どうかは分からんが……」
 機械刀を鞘に収めつつ、戦場の隅でうずくまる青年を見遣るテリブルは、ポツリ、ポツリと、知識は少ないながらも自分なりに導き出した答えを元に、心から自然と紡がれる言葉を彼に投げ掛ける。
「後悔しているのなら、もう一度やり直せ。」
 だが、そんなやり取りの背後で、引きずる音を立てながら無粋な動きをする者がいた。化石竜達だ。溶断され、バラバラになった骨体を無理やり一つに繋ぎ合わせる事で、その力を集約させていたのだ。先程の倍の体躯となり、どこから出ているのか分からぬ唸り声を上げ、テリブルへの敵意を剥き出しにする巨大化石竜。
「いつか想いが風化するのを良しとするなら、それも良いだろう。」
 しかしテリブルはその様に臆する事も動じる事もなく、なおも言葉を続けながら、超重金属製の大拳を右手に嵌め、反転し巨大化石竜へと向き直る。
「だが、まだ終わりたくないと思うなら――!」
 その台詞を言い終えるが否や、瞬時にその場から姿を消すテリブル。その拳の極短射程を補うべく編み出された電光石火の踏込を前に、巨大化石竜は反応する素振りすら取れなかった。テリブルは勢いそのままに巨拳を突出し、自身の身体ごと巨大化石竜の土手っ腹へと、渾身の一撃を叩き込む。
「――やり直せ。」
 ドゥ、と深く響く重低音。骨造りの全身へと伝わる衝撃。一拍、二拍……衝撃波に遅れ、次第に伸び行く亀裂。やがてそれは全身の至る所まで行き渡れば、化石竜の巨体は岩塊、破片、砂へと段階的に崩れ落ち、遂には塵へと還っていく。
「箱で無理矢理切れてしまった関係なら、もう一度結び直す事もできるだろう。」
 今の状態は、云わば他者によって作られた偽りの絶縁。もし、二人の間に真実の愛というものがあるのならば、或いは……もしかしたら未だ残されているかもしれない、僅かな希望。だがそれは、青年の目に光を灯すには、十分な程眩いものであったようだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

神坂・露
レーちゃん(f14377)と一緒。
「お兄さん大丈夫?」
無事そうだけど一応声かけておくわ。
「わー。大きい骨…。レーちゃんレーちゃん。骨よ骨!」
って抜き身のクレケンスルーナ持ったまま動く骨に指さすわ。
取り合ってくれなくて窘められるからぷくぅって頬膨らませ不満。
…もお。注意されなくてもちゃんと準備してるもんッ!
(早業、2回攻撃、第六感、オーラ防御、見切り、野生の勘使用)
骨は堅そうだから【破魔】を宿す。
「レーちゃん後方援助よろしく~♪」
【ダッシュ】で間合いを詰めてからUCで脚に二撃!
後は一撃離脱でいくわ。
え?お兄さんへ?んと。
「…好きならもう一度アタックしてもいいともうわ?」
ってレーちゃんに抱きつく。


シビラ・レーヴェンス
露(f19223)と共闘。
「敵前だぞ!準備しておけ」
まったく。しているとは思うが油断しすぎだ。
私も準備を。【白炎の矢】を行使。
(早業、高速詠唱、全力魔法、破魔、2回攻撃、利用)
身体には【オーラ防御】と【見切り】【第六感】を。
UCは基本は露が退く時に放つようにしよう。
あとは露と他猟兵の動きに応じて放つ。
魔術を行使しながら周囲警戒しつつ移動。
一つところには留まらない。
戦闘中の停止は愚かな行為だ。死ぬ気はない。
ん?この青年に言葉を?ふむ…露に任せた。
そもそも恋愛がよく理解してないからな。
しかしヨリが戻るのは五分五分な気がする。
抱きつこうとする露を手で妨害だ。
…だが結局は腕にしがみつかれるのだがな…。



 その眼に僅かながら輝きを取り戻し、少なからず希望を見出し始めた青年。だが、未だ立ち上がる気力が持てぬままの彼は、縮こまって俯いたままであった。
「お兄さん、大丈夫?」
 そんな彼に、幼き見た目の少女が呼びかける。ヤドリガミの猟兵、神坂・露だ。特に外傷もなく、一見すれば無事なように見えるが、その無気力な青年の姿に露は声を掛けずにはいられなかった。彼女の問いに青年は反応を示すも、返ってくるのは力なく、声にならない程か細い相槌のみ。そんな彼の様子に露が僅かに疑問を覚えると同時、その思考はゴツン、ゴツンという足音の前に掻き消される。
「わー。大きい骨……。レーちゃんレーちゃん。骨よ骨!」
 興味の赴くまま、今度は少しずつ迫りつつある骨だけの巨体――化石竜を指で示しながら、露は興奮気味に相方へと声を飛ばす。
「……はぁ。何をしている、露。敵前だぞ。ちゃんと準備しておけ。」
 そんな露の無邪気な呼びかけを、シビラ・レーヴェンスは抑揚のない単調な声音で、冷淡にバッサリとあしらう。おそらく大したことはない敵とはいえ、ここは戦場。何が起こるか分からない状況で、その様は流石に油断し過ぎではあると、シビラは叱咤しようとしていた。
(まぁ……既にしているとは信じていたがな。)
「……もぉ。レーちゃんに注意されなくても、ちゃんと準備してるもんッ!」
 そう指摘され、不満げな膨れっ面のまま露は腕を振り回しながらブーブーと文句を言うも、シビラの思惑通り、振り回すその手には、彼女の抜身の剣――クレケンスルーナが握られていた。
「……そうか。ならばやるぞ、露。」
「うん!それじゃあレーちゃん、後方援助よろしく~♪」
 そしてシビラが革で硬く縛られた魔導書を手に取り詠唱を始めると同時、露は全身から溢れんばかりの気を身に纏いつつその精神を研ぎ澄ませば、一目散に化石竜の一体との間合いを健脚で駆け抜け一気に詰める。突然目の前に現れた敵に対し、一瞬身じろぐ化石竜。その一瞬の隙も逃すまいと、露は破魔の力を込めた素早い斬撃――【銀の舞(トリウィア・ロンド)】を見舞おうとした。しかしその一撃を、化石竜は先の戦いで崩れ落ちた仲間の遺骸を強引に立ちあがらせて盾にする事で防ごうとする。その目論見通り、露の斬撃は遺骸の粉砕には成功するが、その刃は化石竜には届かず。
「もう一撃!」
 だが露は斬りかかった勢いを生かしたまま、更なる斬撃を化石竜の両前脛へと見舞う。そしてその渾身の一撃は、攻撃を受けた前足を粉々にし、身動きを封じるには十分な程であった。
「レーちゃん、後はお願い!」
「あぁ、任せろ。」
 露が後方へと軽快に跳ね、宙を華麗に舞えば、シビラは彼女が作ってくれた好機を逃さぬとばかりに、目の前に居並ぶ180もの青白い炎を揺らめかす魔矢――【白炎の矢(ブレイズ・アロー)】の狙いを定める。
「Ardeți prin cei care blochează……」
 長く短き集中の果て、放たれる幾重の焔筋。避けらぬならばと、化石竜は全身を超硬度な金属に変え、その攻撃に備えようとするも。
「無駄だ。」
 あらゆる攻撃に対し「ほぼ」無敵になる化石竜のUC、だがシビラはそのUCの僅かな隙――巨体を支えるのに多少の柔軟性を要する関節部分を的確に見抜き、その節々を正確に射抜いていく。果たしてそれに対し痛みを感じるのか、頭部のない身から声無き咆哮をあげる化石竜。だがそれと同時、UCが解除された間隙逃さず、シビラは更なる一斉射を放ち、その咆哮を沈黙させるのだった。
「わーい、やったねレーちゃん!」
 勝利の喜びとばかりに、シビラにハイタッチを迫る露。だがシビラの視線は、裏路地の先――未だ健在な化石竜達を見据えていた。
「よく見ろ、敵はまだまだ残っている。……それはもう少しお預けだ。」
「むぅー。じゃあ、早く終わらせちゃお!」
 再び得物を構え、態勢を取る二人。一つ所に留まらず、絶えずその立ち位置を変えながら、一体また一体と化石竜を屠っていき、遂には残らず、全ての敵を駆逐するのだった。戦いを終え、各々の武器を収める中、シビラの視界にふと、未だうずくっている青年が映る。居た堪れないその姿に、シビラは何か言葉を紡ごうとするが、恋愛への理解があまりない彼女は詰まってしまう。ならばせめて。
「露……彼への言葉、任せた。」
「え?お兄さんへ?んと。」
 シビラの思慮の隙を突き、抱きつこうとするもその手に阻まれていた露だったが、幾拍かの思索の末、青年へと無邪気な言葉を投げ掛ける。
「あのね、お兄さん!あたしね、好きならもう一度、何度でもアタックしてもいいともうわ?」
 そしてそれを体現するかのように露はなおもめげず、自身を抑えていたシビラの腕へと回り、今度は譲らんとばかりにひしと全身で包み込むように抱きかかえる。
(なるほどな……しかし、それでもヨリが戻るのは五分五分な気がする。)
 露の持論を、自分なりに分析するシビラ。だが、その五分を幾度となく、諦めることなく続けていけば? 露の言葉に力を貰ったのか項垂れていた頭を上げる青年と、満足げにしがみついたままの露を見遣りながら、シビラは諦観の境地に入ると同時、人の恋愛における可能性というものに僅かながらも期待をせずにはいられないのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

雲母坂・絢瀬(サポート)
ややおっとりめ、マイペース系関西弁女子ね。
臨機応変な柔軟さがモットーなんよ。
スキルやUCは使い時にはしっかり使うていく方針。
【見切り】【残像】【敵を盾にする】で相手を撹乱しつつ、間合いを詰めてからの【なぎ払い】が基本戦術やろか。
ヒットアンドアウェイ大事やね。
UCは基本的には多数の敵相手に【雪払い】、とどめには【千霞】、牽制や巨大な敵相手には【白灼の殲刃】、無力化狙う時は【火光】ってとこやね。まあ柔軟に、やわ。
基本お任せのアドリブ大歓迎でよろしゅうお願いします。



猟兵達に希望を、勇気を貰い、次第に気力を取り戻していった青年。遂にはその足で立ち上がり、今一度、不条理に奪われたものを取り返そうと奮起する。だが、その眼前に立ち塞がるのは、今もなお精神エネルギーから生み出され続ける化石竜の集団。まるで彼を逃すまいとするかのように、彼らは青年の前に立ち塞がろうとしていた。やっぱり、自分には無理なのかーー青年が膝を折りそうになった、その時。
「動く骨の集団とはなぁ……これはえらいことになっとるなぁ。」
 どこからか響き渡る、マイペースなゆったりとした声。その声の主、雲母坂・絢瀬は化石竜の集団を舞うように飛び越え、青年の元へと降り立つ。これで三度目とはいえ、さらなる猟兵の登場になおも少なからず困惑する青年に、絢瀬は朗らかながらも、どこか凛とした笑顔で青年に話しかける。
「おにーさん、うちに任しとき。あなたの花道……うちが切り開いたる。」
 そう言って、絢瀬は腰に収められた一族の秘刀『蘇芳一文字』に手を携え、一足で化石竜達との距離を詰めていく。負けじと、周囲に散らばる砕けた同胞をつなぎ合わせ、更に増した戦力で迎え撃つ化石竜達。その硬脚で踏み潰し、堅尾で叩き潰そうとするも、彼女は時に残像が残るほどの高速の足捌きでひらりと躱し、時に乱戦と化した戦場を利用し同士討ちへと誘うことで、その剛撃を凌いでいく。それはまるで、戦の場に舞うひとひらの雪のようであった。
「さて…そろそろ、終いにしよか。」
 そして彼女は、集団を巧みに引き寄せることで生まれた円、その中心に位置取り、鞘に収められた愛刀に手を掛けると。
「しんしんと払え――【雪払】!」
 居合の如く一瞬で引き抜かれ、そのまま円を描くように払われる白き一閃。その斬撃は刃先を超え、集団の端から端、彼女を取り囲む有象無象を、一太刀で真っ二つに切り裂いていく。そしてその身を土塊へと化し、崩れ落ちていく化石竜達。これで、道は開かれた。
「さぁおにーさん、今のうちや。」
「ありがとう……俺、絶対にやり直してみせるよ!」
 岩塊を乗り越え、光差す表道へと歩みを進める青年。果たして、彼にこの先にどのような結果が起こるか、それは誰にも知る由がない。だが、彼がその胸に、猟兵達から貰った光がある限り、決して暗いものではない事は確実に言えるだろう。

成功 🔵​🔵​🔴​

政木・朱鞠(サポート)
『お痛をした咎の責任はキッチリと取って、骸の海にお帰りして貰うんだからね』

固定はしませんがよく使うユーベルコードは『咎力封じ』を使って拘束し動きを阻害した所で攻撃するスタイルを好みます。
よく使う武器は拷問具『荊野鎖』をチョイスして敵を拘束しがち。
探索系の依頼では色仕掛けで【誘惑】を使用した【情報収集】を主に行います。
困難に抗う人を心から応援し、反対にオブリビオンでは無くても自分の利益のために悪事を働く人は咎人と判断してSっ気の強い女王様のように度の過ぎた『お仕置き』を行なってしまう傾向が有ります。
それ以外はどのように味付けしても構いませんのでマスターさんの駒として噛ませ犬にしてもOKです。



 遂にわだかまりを脱し、己の足で走り出した青年。だが、彼がうずくまっていた路地裏の隅には、青年を通じて収束していた精神エネルギーの残滓が未だ渦巻いていた。媒体としていた青年を失った精気は、まだ骸の海へと還りきっていない躰を依代に、幾体もの石竜として、最後の顕現を果たす。今度こそ、誰にも邪魔されずに――。
「あら、まだ足掻く気なの? でも、彼にお痛をした咎の責任はキッチリと取って、骸の海にお帰りして貰うんだからね。」
 そう言って颯爽と頭上から飛び降りてきたのは、艶やかな肢体を強調するかのような忍装束を纏う狐龍の姫忍、政木・朱鞠であった。彼女は間髪入れず、おびただしい棘に覆われた鎖――『荊野鎖』を放つ。それはまるで彼女の意を汲み取ったかのように、石竜達の脚を、尾を、首を縛り、その場から一歩も動く事を許さぬ程の拘束で締め上げる。否、それに止まらず、緊縛が厳しくなればなるほど、野薔薇の如く生え揃う棘が少しずつ深々と石骨へと突き刺さり、抉り崩していく。
 果たして岩石の体にも神経が通っているのか、きつくなる度に唸り声を上げる石竜達。やがて拘束が極まり、その身が粉々に砕け散り――。
「へぇ、これからが本番ってことなのね。」
 だが粉砕された石片は鎖をすり抜け、これまでの戦いで散っていった同胞の欠片をも巻き込み、やがて一体の巨大な石竜へと変じる。これまで積もりに積もった恨みか、そこにはないはずの双眸で朱鞠を一瞥すると、巨石竜は彼女を轢き潰すべく、その巨躯を以って突撃を仕掛けるも。
「でも。私にお痛をしようだなんて……いけない子ね。――【忍法・煉獄炮烙の刑】。」
 一瞬、朱鞠が蠱惑的な笑みを浮かべながら呟くと同時。地面から突如、業火を纏った銅製の鎖が飛び出し、今一度石竜の岩躰を雁字搦めに縛り上げる。あと一歩、朱鞠の鼻先まで距離を詰めていた石竜だったが、本懐叶わず、鎖から発せられる灼熱の拷問に苦しみ悶えることとなった。一方の朱鞠も、頬を上気させ、舌先で唇を舐りながら、加虐的な本性が多少は満たされたのか、恍惚とした雰囲気を密やかに漂わせる。
「私の紅蓮の宴……篤と味わいなさい……貴方の罪が煉獄の炎で燃え尽きる、その時まで……。」
 そして遂に、あらゆるものを焦がす極度の劫火に晒された石塊は灰に、やがて塵となり、その身を骸の海へと還していくのだった。
「これであなたを縛るものはないよ。だから……頑張れ、青年。」
 その声は、彼の元に届くことはないのかもしれない。だが、困難に抗おうとする彼を応援せずにはいられなかった朱鞠は、心ばかりのエールを送らずにはいられなかった。どうか、立ち向かう彼の恋路に、幸あれと。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 冒険 『嫉妬教団の暗躍【聖夜編】』

POW   :    既にプレゼントを開封してしまった仲違い中のカップル達を宥めて冷静にさせる

SPD   :    カップル達がプレゼントの箱を開封する前にすり替える

WIZ   :    ジーク嫉妬!ハイル嫉妬!何が聖なる夜だ!さっさと破局しやがれ!嫉妬教団に紛れ込み情報を得る

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

神坂・露
レーちゃん(f14377)と一緒に。
初めにレーちゃんの腕にぎゅぅーって抱きつくわ♪
なんで…って顔されても理由を言えば納得してくれると思う。
「恋人の真似っこすれば、カップルに難なく近寄れるわ♪」
えへへ♪レーちゃんとカップル…ぎゅきゅ~♪えへへ♪
さりげなくカップル達に近づいて…プレゼントをすり替えるわ。
「ねえねえ?この場所初めてなんだけど…お勧めってある?」
替えるのはUC。もう一人のあたしで背後からすっ…と実行する。
(コミュ力、早業、忍び足、盗み、学習力、見切り、第六感使用)
もし教団員の人にカップルって指摘されたらどうしようかしら~。
きっときっと嬉しくなっちゃうわ♪えへへ…レーちゃんとだもの。


シビラ・レーヴェンス
露(f19223)と。
腕を強引に組まれるのは日常茶飯事なことだ。
なるほど。カップルに接近する自然な方法としては適切か。
…だが。なぜか今日は妙に力強く嬉しそうな気がする。
まあ。いいか。さっさとこの面倒な被害を抑えに行こう。
方法は露に従う。私よりもこういうのに適している。
近くで会話を聞いてはみるがやはりよくわからない。
アジトの手掛かりは私の方でも調査してみようと思う。
【三体の従者】で箱を配布する者達の誰かを追跡させる。
は?私がカップル?よくわからないことなんだがな?
教団からは私達も同じに?やれやれ。阿呆ばかりか…。
「これがカップルに見えるなら、脳外科と眼科に行ってくれ」
…なぜ嬉しそうなんだ。露は。



 『感染型UDC』のパンデミックをひとまずは鎮圧した猟兵達。だが、このままでは単なる一時凌ぎにしかならない。発生源となる感染型UDC――オブリビオンを倒さなければ、この騒動は終わりを迎えないのだ。其の者の、そしてそれを囲う『嫉妬教団』の活動を妨害しつつ、アジトの手掛かりを見つけてなければならない。猟兵達は作戦の示談を進めるべく、街へ繰り出すのだが。
「えへへ♪ レーちゃんとカップル……ぎゅきゅ~♪ えへへ♪」
 表通りに出て早々、神坂・露は深く親しい間柄のシビラ・レーヴェンスの腕に、しかとすがりつく。一体、この行動に何の意味があるのか。わざわざこんな動きづらい体勢にならずとも、調査には何の影響もないのでは。そんな疑問がシビラの表情に浮かぶのを一瞥しただけで、彼女が言葉として表すより先に、露は答える。
「だって、恋人の真似っこすれば、カップルに難なく近寄れるわ♪」
 なるほど、確かに今回の調査対象にもなっているカップルに近づこうというのなら、独り身で当たるよりは幾らか警戒心が薄れるかもしれない。ならばこの体勢の方が、よりそれっぽいかもしれない。
(……けれど、何故だろう。今日はいつも以上に、強く掴まれている気がする。)
 それにシビラが顔を横に向ければ、そこには一層の笑顔を見せる露の姿があった。果たしてこれは、本当に作戦をスムーズに進めるためだけの策なのか、それとも……。
(まあ、いいか。 さっさとこの面倒な被害を抑えに行こう。)
 いくら考えても出ない答えを模索するよりは、まずは目先の事を。シビラは己の内に出来た漠然とした疑問を一旦脇に置き、目の前の作戦へと意識を切り替えることにした。そうして連れ立った二人が街を出歩くこと数分、人混みの中に、一組の若い女性二人がいるのを目にした。一見すれば、ただの仲のいい友人にだろう。だがよくよく見れば、互いの手を絡ませるように繋ぎ、各々の左手の薬指にはお揃いの指輪が光る。だがその手に抱えられているのは、教団が配っていると情報で伝えられたプレゼント箱と瓜二つ。このままでは、この二人には破滅の未来が確定してしまう。ならばその前に。
「ねぇねぇお姉さん達、私達この辺りって初めてなんだけど……お勧めのお店って何かある?」
 露が無邪気に、二人へ声を掛ける。二人の意識が完全に彼女へと逸れ集まったその一瞬の間に、人混みに紛れ背後に露と瓜二つの存在が不意に顕現する。ユーベルコードによって造られた、彼女の分身だ。そして分身は迅速かつ細やかな手捌きにより、事前に用意しておいた見た目そっくりの箱と一瞬ですり替える。ともすれば、二人はおろか、周囲の者達に気付かれかねなかったものの、その高度な隠密性により、誰にも気取られることなく、その役目を終えて何処ともなく消えゆくのだった。
「ありがとー、お姉さん達ー!」
 二人の未来を救い、ついでに美味しいスイーツの店の情報を聞き得た露。その側では、シビラがなんとも難しそうな顔をしていた。自分よりもこう言ったことに向いていそうな露に全てを任せ、彼女になされるがまま側で彼女達との会話を聞いてはいたものの、どうにもこういった女子らしい会話というのは、やはり彼女には難しいようである。そんなこんななうち、彼女達に近寄る、真っ黒な三角頭巾という怪しいにも程がある者達の姿があった。
「おや、お嬢さん達、なんかとっても仲よさそうだね、羨ましいねぇ!(……チッ、こんな小さい歳からイチャイチャカップルとか世の中マジ不公平なんですけど。)」
「そんな君達に、はいコレ! 二人がずっと幸せになれるプレゼントだよ!(……チッ、百合ップルとか、羨ましいことこの上ないんですけど。)」
 なんか邪念を抱きつつも、つい先ほど見たばかりの包装箱を差し出そうとする不気味な者達。
「やれやれ、阿呆ばかりか……。 これがカップルに見えるなら、脳外科と眼科に行ってくれ。」
 だがそんな彼らにシビラは侮蔑した態度で一蹴し、熨斗をつけてプレゼント箱を叩き返す。
「HAHAHA、同士よ、お前酷い言われようだなぁ。 良い眼科知ってるから紹介するよ。」
「HAHAHA、いやいや、きっとお前のことだよ同士。 知り合いに脳外科医がいるからそいつに見てもらえよ。」
 さりげなくお互いに罵り合いながら、このまま食い下がっても無理だと察した教団員達は次なるターゲットを探すべく、二人の元を去っていく。その黒い頭巾に紛れ、三つの黒い影が張り付いているのにも一切気付かぬままに。シビラがユーベルコードで生み出した、三体の従者達だ。このまま放っておけば、従者達を通じて得た情報から彼らのアジトを見つけるのもそう遠くはないだろう。
「私がカップルとか、よくわからないことなんだがな……ところで、なぜ嬉しそうなんだ、露は。」
 ようやく去っていった彼らの知見に少なからず呆れるシビラ。だがその腕元では、より一層深く、彼女の腕を嬉しそうに、愛おしそうに抱きしめる露がいた。
「えへへ♪ ……だって、レーちゃんとだもの。」
 穏やかで満ち足りた笑顔でいっぱいの露。そんな彼女を見つめるシビラの胸中に宿る想いを彼女自身が理解するのは、明日か、はたまた更に先の未来か。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

グロリア・グルッグ(サポート)
家庭用ゲーム機から宇宙戦艦まで!
ハッキングのことなら電脳ハッカーにお任せあれ!

わたくしこう見えて凄腕の電脳魔術士ですので、困ったことがあればまず電脳検索で情報を仕入れるんですよね。
ふむふむ、なるほど! 完全に理解しました!(理解していない)

単独で難しそうなら金色魔女でもう一人の私を召喚します。
単純に人手が増えるのと、同じく電脳魔術が使えるのでより精度の高い作戦が取れますからね。
あと私は生粋の軍人(鎧装騎兵)でもあるので、身体能力および状況への適応力には自信があります。

人探しなどの捜索系の案件でしたらハッキングの腕を発揮して街中の監視カメラやSNSなどから情報を入手してみせますよ。



 UDCアースの何処か、四方八方を電算機とモニターで囲まれた部屋。そこに鎮座するグロリア・グルッグは、己の得意分野を生かして今回の事に当たっていた。すなわち、この世界の電脳情報を検索することによる情報収集である。
「ふむふむ……ほうほう……なるほど! 完全に理解しました!」
 果たしてその言の信憑性はともかくとして、凄腕の電脳魔術士である彼女にとって、街中の監視カメラやSNSなどから、特徴的どころか一度見たら忘れられないレベルの姿や言動をとる嫉妬教団の情報の探索など、造作もない事であった。どうやら彼らは裏路地など人気のない所ではなく、繁華街等の人通りの多い所を狙って出没しているようだ。あんな怪しげな風貌なのに、以外と大胆な集団である。問題なのは、彼らがどこから現れ、そしてどこへ去っていくのか。その初後が、いくら調べても全く掴めない。
「さてさて、どうしたものでしょう……おおっと?」
 そんな最中、モニターの一つに映る三角頭巾。ちょうど近くの監視カメラに映った、ライブ映像だ。今まさに、目の前のカップル達に問題のプレゼント箱を半ば無理やり渡そうとしている所であった。
「これは丁度良い所に。それでは妖精さん妖精さん……ご協力、お願いします。」
 ネットの情報で分からぬなら、現実で見た情報で知れば良い。そう判断したグロリアは、どこからか電子の妖精を呼び出す。愛着の現れか、彼女は戯れに妖精を一撫ですると、監視カメラが注視するポイントへと急行させる。それから程なく、モニターに映されるのは、プレゼント箱を押し付けたのか満足気に何処かへと帰ろうとする嫉妬教団の一員達と、間一髪彼らに追いついた電子妖精であった。その隠密性を生かし、彼らにぴったりと、そして気取られることなく追跡する電子妖精。その足取りが掴めるのは、最早時間の問題であろう。

成功 🔵​🔵​🔴​

フルム・サーブル(サポート)
口調はステシ通り、穏やかな印象が基本です
パワー型フェアリーというツッコミどころ満載のキャラクターです
余裕があれば、景色や自然を楽しんだりします

キャラぶれ気にしません、公序良俗に反しない限りは
好きに動かしてください

ギミック系の攻略は【力溜め】【怪力】を活かした力押しと
【第六感】によるヤマカン
【鍵開け】【破壊工作】による正面突破が基本です
任務内容によってはその他技能を活用し
シリアスだったらある程度空気を読み、大人として振舞います

また、フェアリーとしての小柄さを活かしたり
ユーベルコードを活用して頭脳的な立ち回りをすることもありますが
優先度は低めです



 所は再び、どこかの大通り。そこの人混みでもまた、例のプレゼント箱を開けようとするカップルがいた。
「なぁなぁ、早く開けてみよーぜ!」
「分かってるよ〜、もう♡ それじゃあ、せーの……ん? これって……薔薇?」
 ふと空を見上げれば、どこから流れてきたのか、風に乗って薔薇の花びらが二人の頭上に舞い落ちて来る。
「何だこれ、どっかのイベントの奴?」
「さぁ? そんなことより早くこれを……あれ?」
 彼らの気が天に逸れた数秒後、いつの間にか手元のプレゼント箱は消えてしまっていた。
「え〜、どこ行っちゃったの〜? ショックー。」
「まぁいいじゃん、どーせタダで貰ったもんだし。 それより、次いこーぜ!」
 そうして、再び二人の時間へと戻っていくカップル。だが果たして、箱はどこへ消えたのか?時は数秒ほど遡る。


「ふむ、あれが例の……。」
 猟兵達からもたらされた情報の元、その小ささを生かし、人混みの合間を縫うように飛び回っていたフルム・サーブルは発見する。件のプレゼント箱を開けようとするカップルだ。
「さて、本来こういう小手先のやり方は僕の性に合わないけれども……。」
 透かさず、【妖精さん大金星(フェアリージャイアントキリング)】を発動するフルム。すると彼の全身を覆うかのように、薔薇片の竜巻が逆巻き始まる。だが彼は間を置かぬうち、その花弁流の一部を空へと打ち出し、カップルの注意を天へと向ける。
「今回ばかりは、多少は仕方ないね!」
 機は一瞬。フラムはユーベルコードによって高められた飛行速度を以って急接近、渾身の拳の矛先を、標的へと定める。
「まぁでも、最終的には。」
 狙うは、問題のプレゼント箱。標的のサイズが小さいため戦闘力はあまり増大出来なかったものの、力をためた豪腕による怪力があれば十分だ。
「やっぱり、頼れるのは己の筋肉だね!」
 振り放たれる、小さな鉄拳。それは持ち主が気付かぬほどの超高速で標的を吹き飛ばし、ちょうど開け放たれた人の間をくぐり抜け、人の通らぬ、建物の隙間へと叩き込む。そして箱が闇へ吸い込まれるように消えると、数拍遅れ、破裂音が奥底から小さく鳴り響くのだった。
「さて、と。」
 一拍深呼吸。息を整えたフラムは再び、雑踏の中へと姿を消す。その小さな巨腕で、数多のカップルを救うために。

成功 🔵​🔵​🔴​

ベルベナ・ラウンドディー(サポート)
「戦闘は得意な方に譲りますよ」

竜派ドラゴニアンの青年
テンパるとラフになる以外、基本は穏やかな物腰
自称密偵専門、変装や偵察といった非戦闘行動を得意とし
他方、様々な猟兵の戦闘関連のユーベルコードに感心しがちです
全部80点取れるけど100点は取れないタイプ





●特徴として
密偵技術の延長で剣技、バイク、独学の結界術など多岐に渡る技能を有します
また、その場で起きた過去の出来事を映像用の炎に映し出せるユーベルコードの使い手です
設定や背景の描写する際の進行役や
或いは敵や参加猟兵の強さや設定などの説明素材としてもお役立てください



 幾多の猟兵達の手により、着実にその阻止されつつある教団の企み。そしてその一方で、彼らの行方を追っていた者達の手により、そのアジトの位置が解明されようとしていた。
「情報によれば……確か、この辺りのはずでしょうか?」
 先程までの賑やかな大通りから外れた、人気の少ない寂しい街角。そこに居並ぶ雑居ビルの一つの前を、ベルベナ・ラウンドディーが訪れていた。本来は雄々しい竜派のドラゴニアンである彼だが、万が一の時の人目を気にしてか、今は人の姿を取っている。探索を行っていた猟兵達の情報によれば、教団連中の足取りはここまで追うことはできたものの、ここを境に急に途切れたのだという。一体何故なのか。それを探るべく、ベルベナはその地点に向かい手をかざす。
「……これ、精度が約束できないんですよね。望む映像が流れればいいのですけど……。」
 そこに灯るのは、1、2、5、10……80近くにも及ぶ、掌大の炎。やがて炎は一つ所に集まり、彼の半身はあろうかという程の巨大な塊となる。そして炎の中心、揺らめく陽炎の向こう側に、ベルベナは見た。真っ黒な三角頭巾を目深に被った見るからに怪しい者、例の教団の一人だ。彼の炎は、過去を見通す映し鏡。途切れたといわれる数時間前のここの様子を映したのだ。
 さて、その炎の中。ただでさえ不審者丸出しの格好の教団員だが、その上さらに、挙動不審なほどに周囲をキョロキョロと盛んに見回していた。まるで、近くに誰もいないのを執拗に確認するかのようだ。やがて確認し終えたのか、安心しきった様子の彼はおもむろに、片足を目の前の雑居ビルの壁に突き立てる。コンクリートの壁に阻まれるはずの彼の足はしかし、何事もないかのように壁へと飲み込まれ、やがて彼の全身は、完全に壁の中へと吸い込まれていった。
「なるほど、これのせいで唐突に行方がわからなくなったのですね。」
 そしてベルベナの結界に関する知識、密偵としての所見により、ここにあるのは薄いコンクリートである事、そしてそこに施されているのは選ばれた者、すなわち教団に関わる者のみが通れる簡単な結界である事が判明した。その筋に詳しい猟兵がいれば、穏便に結界をくぐり抜けられるようになるかもしれない、が。
「……あまり待ってもいられないですし、私ができる中でやっておきましょう。」
 数分後。そこには、ベルベナの時限爆弾により壁が爆散、力尽くで抉じ開けられた教団アジトへの入口があった。
「さて、密偵としての私の役割はここまでです。 戦闘は得意な方に譲りますよ。」
 そう言ってベルベナは、その場を穏やかに去っていく。遂に開かれた、騒動の首魁への道。いよいよ、嫉妬教団との決戦が始まろうとしていた。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『ハンタークロース』

POW   :    いくよー?やっちゃうよー?
予め【武器を振り回しておく】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD   :    必殺の一撃をプレゼント!
【自慢の斬撃武器】が命中した対象を切断する。
WIZ   :    プレゼントはキミだー!
【プレゼント袋】【プレゼントボックス】【クリスマスロープ】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は桐府田・丈華です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

政木・朱鞠
嫉妬する気持ちはわからないわけじゃないけど…貴方の非道は見過ごせないんだよね。
嫉妬教団の活動が何の終末のトリガーを引くのかわからないけど…謎理論で未来を好きに喰い潰されるわけにはいかないんだよね…。
貴方の邪な心ごと砕き折ってから骸の海に帰ってもらうよ。

戦闘【WIZ】
ちょっと命のリスクが有るけど…こちらの攻撃を封じられるのは、さすがに厳しいからね『忍法・鋳薔薇姫』でほんの数秒だけど相手の動きを封じて隙を作りたいね…。
武器は拷問具『荊野鎖』をチョイスして【鎧砕き】や【鎧無視攻撃】の技能を使いハンタークロースちゃんの体に鎖を絡めつつ【傷口をえぐる】で絞め潰すダメージを与えたいね。

アドリブ連帯歓迎



「ちょっとーーーー! 一体どーなってんのよーー!」
 とある雑居ビルの地下階層、そこに作られた嫉妬教団のアジトにて、彼らが『女神』と崇めるハンタークロースはフンスッ!、と怒りを露わにしていた。以前より繰り広げていた『リア充共の精神エネルギーでクリスマスなんてなくなっちまえ☆作戦』がここ数日、急速に広まりが悪くなっているのだ。
「あーあ、女神まじで激おこになっちゃってんじゃないの、俺以外の同志のせいで。」
「まったく、不甲斐なさを恥じるばかりだよ、俺以外は。」
「「「「……俺悪くねーし! おめーらのせいだし!」」」」
 女神を差し置き、互いの不備をなすりつけ合う教団員達。だがその間に、アジトの暗がりを小さな何かが疾るのを、ハンタークロースは察知する。
「危ない! 皆、前に出て!」
「「「「いや、そこは下がってじゃないの!? ブスリッ。「ヌハァ!」 ど、同志ーーーー!」」」
 教団員の一人を盾にする事で、どうにか初撃を躱すハンタークロース。教団員達がなかなか抜けないそれ−−特殊な返し付きの手裏剣を抜こうと悪戦苦闘していると、闇の中から艶体の妖狐−−政木・朱鞠が姿を現す。
「嫉妬する気持ちはわからないわけじゃないけど……貴方の非道は見過ごせないんだよね。」
 独り身の一女性として、朱鞠はその感情になんとなくは共感を覚えなくはない感じだった。だがそんな感情以上に、邪を討たんとする使命感の方が勝り、覚悟を秘めた眼光を光らせる。
「嫉妬教団の活動が何の終末のトリガーを引くのかわからないけど……謎理論で未来を好きに喰い潰されるわけにはいかないんだよね……。 貴方の邪な心ごと砕き折ってから、骸の海に帰ってもらうよ。」
 得物を構え、臨戦態勢に入る朱鞠。だが、そこで啖呵を切ったのは、教団員達だった。
「「「「知ったことかー! 俺達の崇高な計画のため、お前なんか返り討ちにしてやらぁ!」」」」
「……まさかあんた達、私の代わりに……。」
「「「「……我らの女神が! つーわけで、ここはオナシャース!」」」」
 そう言って、そそくさと遠くへと離れ物影に隠れる教団員達。何かぐだぐだだが、決戦の火蓋は兎にも角にも切って落とされる。
「あーもう! 肝心なとこで役に立たない奴らだわねー! こーなったら、私だけでもやってやるわよ!」
 半ば破れかぶれになりながらも、プレゼント袋を構えてその中の箱や紐を射出しようとするハンタークロース。それらで朱鞠の動きを封じようという算段なのであろうが、彼女には全て見透かされていた。
「ちょっと命のリスクが有るけど……こちらの攻撃を封じられるのは、さすがに厳しいからね。」
 薄暗がりの中で伸びる、己の影。その中から、チェーンを模した触手が鎌首を上げ、ハンタークロースが動くより先に伸び出でる。
「ちょっとの間だけ、大人しくしていてくれるかな……なるべく痛くしないから……。 【忍法・鋳薔薇姫】。」
 ハンタークロースの両腕を締め上げ、その攻撃を完封する触手達。その強力な拘束故、一日に使えるのは1分半と短めの制限ではあるものの、ハンタークロースに一撃を加える空きとしては十分であった。
「さぁ……悪い事をするサンタさんには、ちょっとキツイお仕置きをしなくちゃ、ね?」
 その手に握るは、拷問具『荊野鎖』。蔓薔薇が如く無数の棘が生え揃った鎖だ。朱鞠は少なからず湧き上がる加虐心故か舌なめずりをすると、その鞭さばきでハンタークロースの全身を絡め取っていく。その次に起こるであろう未来に、ハンタークロースは恐怖を隠せないも、朱鞠は容赦なく、悦びに満ちた表情で鞭鎖を締め上げる。
「いぃやぁーー!! 痛い痛い痛いもぉやめて許してーー!!」
 露わな柔肌も、気持ちばかりとはいえ多少の防御力はあるだろうサンタ服すらも突き抜け、其の内の血を啜る荊棘。その攻撃−−否、拷問は【忍鋳薔薇姫】の制限時間の限界まで続けられる。そしてハンタークロースの悲鳴が響く一時、朱鞠は彼女が奏でる音色による悦に浸るのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

二天堂・たま(サポート)
ワタシは流血を伴わない攻撃手段が主だ。
武器:ケットシーの肉球による“負の感情浄化”や、UC:常識を覆すピヨの波動によるスタミナ奪取を多用する。

直接触れないような相手(体が火や毒で覆われている等)の場合はUC:アルダワ流錬金術を応用した攻撃が主力だ。
(火に覆われているなら水、毒液で覆われているなら砂嵐等)

しかし実際には直接的な戦闘以外の方が得意だな。
ボビンケースの糸を使った即席の罠の用意、料理や情報収集や掃除。
UC:親指チックで呼びだした相棒による偵察と、同UCによる居場所交代(テレポート)で潜入・解錠して味方の手引きとかな。

もふもふが必要ならなでても構わんぞ。UCで呼んだ相棒達(ひよこ)もな。



「あ゛あ゛〜〜……やっと、やっと解放されたわ……。」
 先の戦闘、いや拷問により、全身血みどろの無残な姿に変わり果てたハンタークロース。まだ初戦を終えたばかりだというのに、すでに心身共に困憊した様子だ。
「なるほど……なにやらお疲れのようですね、お嬢さん。」
 そんなへたり込む彼女の膝上に、何やらもふもふしたものがさりげなく、自然にするりと潜り込む。
「へ、何、あんた……ひよこ? いや猫?」
「ワタシの名か? ワタシは……『ケットシー』だ!」
 彼の名は二天堂・たま。ひよこの着ぐるみを身にまとってはいるが、れっきとしたケットシーである。とりあえず殺るか。そんな軽い感じで隠し持っていたナイフでたまを切り裂こうとするも。
「それより、ワタシの肉球でも一つ、いかがだね?」
 不意に彼女の頬へと、柔らかな肉球を押し当てるたま。一瞬鬱陶しがるも、たまの見た目は一見、愛らしくもゆるい、裏を返せばとても戦闘向けとは思えず弱そうである。こんなのどうせいつでも殺れる、その油断に流されるまま、ハンタークロースはその肉球を受け入れる。
 だが、それはたまの術中にハマるも同然であった。負の感情の浄化を秘めた肉球を通じ、少しずつ流し込まれる【常識を塗りつぶすピヨの波動】。それによって徐々に蓄積されていく、緩やかな疲労。
(もう、だるいなぁ……作戦うまくいかないし、猟兵にはひどい目にあわされるし、手下は役立たずだし……ていうか、あいつらに影響されてリア充撲滅とかしてたけど……そんな事したって虚しいだけだよね……。)
「なんか……もう還っちゃっていいかな……?」
「「「「ダメーーーー!! カムバック女神ーーーー!!」」」」
 癒しの妙技により、あわや昇天して骸の海へと還りかけるハンタークロース。教団員達が必死に呼びかけて繋ぎとめようとする中、たまは静々と何処かへ去っていく。まるで、気まぐれに流離う猫のように。

成功 🔵​🔵​🔴​

神坂・露
レーちゃん(f19223)と。

宗教が元のお祭りみたいだけど楽しいわv
だってレーちゃんと騒いで面白いんだもの♪
…?なんでレーちゃん難しい顔してるのかしら?
「あのねあのね。あたし同時攻撃したいわ!」
最終戦だけど挙手してレーちゃんにお願いするわ。
ユーベルコードは破魔を拳に纏った【月狼】よ。
攻撃を回避しながら懐に潜り込んで一撃…ね?
回避は見切りとか野生の勘とかでなんとかするわ。
攻撃直前に抱きついてから手を合わせて一言。
「らぶらぶ~♪」
って言いながら攻撃しようと思うわ~♪えへへ。
レーちゃんが反論してくるけど聞かないわ。
だって。かわいい掛け声がよかったんだもの。
ぎゅーってしたまま頬つつくわ。


シビラ・レーヴェンス
露(f19223)と。
この催しの起源は様々な説があるようで興味深い。
が。確か…一部の教派が行う聖者の生誕祭だったな。
ふむ。何も思うところがない。どうでもいい。

ん?同時攻撃をしたい?私は構わないぞ。
相手の懐に飛び込み【紅き腕】で物理攻撃。
狙う部位は露に任せよう。彼女に合わせる。
とりあえず破魔と鎧無視攻撃を付与しておく。
単純な攻撃では当たらなかった場合は。
フェイントやカウンターを混ぜて攻めてみる。
こちらの攻撃を回避された場合の対応として。
二回攻撃でもう片方の拳で殴れるようにしよう。
…らぶらぶ?なんだその掛け声は…。
攻撃は野生の勘や第六感で回避しようと思う。

…とんだクリスマスだったな。やれやれだ…。



「あっぶな〜。 危うく天国に逝きかけるとこだったわ。 オブリビオンだけど。」
 教団員達が血反吐を吐くほどの呼び止めにより、辛うじて現世に踏みとどまったハンタークロース。だが想定以上のダメージの蓄積により、思っていたよりも体に力が入らないようだ。だがそんな彼女に構わずというのか、陽と冷、二つの声によるかしましい会話が近づいてくる。
「えへへ、レーちゃんといっしょにおっきい骨と戦ったり、街を歩いたり……宗教が元のお祭りみたいだけど、クリスマスって楽しいわ! ね、レーちゃん!」
 神坂・露は相も変わらず、明るく暖かい言葉でいつまでも語りかけ続ける。一方のシビラ・レーヴェンスはというと。
(この催しの起源は、様々な説があるようで興味深い。 確か……一部の教派が行う聖者の生誕祭だったな。)
 この依頼を通して知り得た、この世界の一大イベント−−クリスマスについての考察で頭を巡らせていた。元々は宗教に因んだ、厳粛な日であるはず。それがどうして、カップルがどうとかの俗なものになってしまったのか。
「……? なんでレーちゃん、難しい顔してるのかしら?」
 そんなシビラの様子にようやく反応する露。そしてシビラは、クリスマスに対する自身のとりあえずの思いを述べる。
「ふむ……何も思うところがない。 どうでもいい。」
 シビラの素っ気ない回答に、露は頬を軽く膨らませる。一体何故?シビラが問いかければ、打って変わり輝くような笑顔で答える。
「だって……レーちゃんと騒げて、クリスマスって面白いんだもの♪」
 二人の間を一瞬漂う、こそばゆくも温やかな空気。そんな空気を、良くも悪くもぶち壊す者がいた。
「くぅおらーー!! ぬぅあに二人だけの甘ったるい空間作ってんのよあんたら! 幼女同士だからって、十分ギルティよ!」
「「「「そーだそーだ! 俺たちの目に毒なことするんじゃねー! リア充撲滅! カップルでクリスマスなんて許すまじ!」」」」
 後ろからのヤジも加え、二人を理不尽に責め立てるハンタークロース。怒り心頭故か、はたまた残された体力のありったけを注いでいるのか、その手に握られた長剣を、やたらめったらに振り回し続けていた。見ればその刃は振るわれる度、次第にその鋭さを増しているようだ。いよいよ決戦だからなのか、一層気を引き締めるシビラの横で、露が子兎のようにぴょんぴょんと跳ねながら、提案があるかのように挙手をする。
「あのねあのね。 あたし、レーちゃんと同時攻撃したいわ!」
 大切な相方との一撃で、この戦いを終わらせたい。シビラとはまた別の意味での、この決戦への思いを露わにする露。
「……ん、私は構わないぞ。」
 そんな彼女の無邪気な願いにやれやれと思いつつも、シビラはその意を汲んで応える。刹那、二人は息を合わせハンタークロースの元へと駆け出す。無茶苦茶な軌道で振るわれる、妙な怨念が混じった凶刃。だが雑念を払い、研ぎ澄まされた本能のままに避け続ける二人には掠る事すら能わなかった。苛烈な攻防が続く中、ついに体力の限界が見えたか、ハンタークロースに大きな隙が生まれるのを、露は見逃さなかった。
 −−ここだよ、レーちゃん!
 −−あぁ、君に合わせる、露!
 無言の会話が交わされば、二人はその手をユーベルコードにて変質させる。鋼鉄のように輝く、露の鈍色の左手。炎のように赤い、シビラの紅色の右手。そしてシビラと向かい合わせになるような立ち位置にいた露は突如彼女に抱きつき、その掌を重ね合わせた上で、両者の拳をハンタークロースへと見舞う。
「らぶらぶ~♪」
「え、なんだ、それは。」
 戸惑うシビラを尻目に、一撃をハンタークロースの土手っ腹に叩き込む二人。果たして破邪と二人の想いの篭った拳は、彼女の残された力を完全に削りきるには十分だったようだ。
「あーもう、やだ。 やっぱこんなの、私らしくもないわよ。 次は、ちゃんとした『私』で喚び出されたいわね……。」
「「「「め、女神ーーーー!」」」」
 教団員達の願いも虚しく、塵となって骸の海へと還るハンタークロース。彼女を見送り、一通り嘆き終えたかと思えば、彼らは一目散に、目にも留まらぬ早さで逃げ出す。
「バーカバーカ! お前らなんて一生手を繋いだまんまでいればいーんだ!」
「祝ってやる! 二人仲良く年取るまでずっと祝ってやる!」
 妙な罵詈雑言を吐きながら、教団員達がその場を颯爽と去って行けば、いつまでも手を繋いでいる二人がその場に残される事となった。−−正確には、露が一方的にシビラを繋いでいるのだが。
「ところで……らぶらぶ? なんだ、あの掛け声は……。」
 改めて、先ほどの掛け声について困惑したままのシビラは露に問いかける。すると露は、抱き合ったままの体勢から更に詰め寄り、シビラの耳元で無邪気に、悪戯っぽく囁く。
「だって……かわいい掛け声がよかったんだもの♪」
 そのまま愛おしそうに、じゃれるように柔らかい頬同士を擦り合わせる露。思えば、今回の依頼では彼女に終始振り回されっぱなしであった。だが、それが不快であったかといえば……。ここまでの長いクリスマスを振り返り、シビラは冷淡なその顔をわずかに綻ばせながら、そっと呟く。
「……とんだクリスマスだったな。 やれやれだ……。」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年11月06日
宿敵 『ハンタークロース』 を撃破!


挿絵イラスト