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営業停止命令(物理)

#ダークセイヴァー

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#ダークセイヴァー


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 男は何者かの視線に気づくと咥えていたタバコを地面に落とし、卑しい笑みを浮かべながらそれを踏み潰した。
「おやおや旦那、お久しぶりでございますねぇ。ええ、もちろん。今日も新鮮な物を取り寄せておりますとも!」
 手をすり合わせてから男は懐から一枚の布を取り出す。そしてそれを全く躊躇なく「旦那」と呼んだ者の目を隠すように巻きつけた。
「さて、参りましょうか」
 そう言って「旦那」の手を取った男は大量の荷物で埋め尽くされた倉庫の中へ誘導していく。
 まるで迷路のように入り組んだ荷物を抜けた先には毒々しいほど真っ赤な色で塗られた扉があった。
「本日は上質な物を食べて育った、長の娘が再入荷しておりましてね?」
 開けられた扉の先には、吊り上げられた十数人もの若者たちの姿があった。
 そんな若者たちの足首には一部が赤黒く染まった布が何重にもぐるぐる巻きにされていた。
 布に滲んだ血の臭いを嗅ぎ取ったのか、「旦那」の唾を飲み込む音がする。男はそんな「旦那」の耳元でこう囁いた。
「……今夜も『飲み比べセット』でよろしいですね?」
 「旦那」の返答を待たず、若者たちの近くで待機していた筋骨隆々とした男は顔を真っ青にしている色白の娘の足首に巻かれた布を取り、隠れていた傷口に刃を入れた。

「ダークセイヴァー世界に、非合法な酒場があるという密告がありました。……正確に言えば『酒』ではなく『血』を提供しているので『血場』と言ったところでしょうか」
 待ち合わせの酒場でプルミエール・ラヴィンス(はじまりは・f04513)は一束の書類を投げ滑らせた。
「血場は複数の村から少人数ずつ攫って開いているようです。さらにそのオーナーであるヴァンパイアは『複数の血の飲み比べ』が趣味らしく、人を殺すことも眷属を作ることもしない変わり者だそうです。……だからこそ密告があるまで気づかれてなかったわけですが」
 いっぱいにオレンジジュースが注がれたジョッキ片手にラヴィンスは眉間に皺を寄せていた。
「現時点でその血場の場所もヴァンパイアの居所は掴めていません。ただ商品である人間の出荷元と見られる村はいくつか特定できました」
 書類の中身は複数の村の名前や場所、そしてそこに頻繁に出入りしているという商人にしては異様に筋骨隆々とした見た目をしているという男たちの情報が記されていた。
「今回は各自手分けしてその村々に入り、出荷現場に割り込んで商人もどきから『血場』の場所を聞き出し、何も知らずにのこのことやって来たヴァンパイアを待ち伏せて叩きのめす。これが上から与えられた任務内容です」
 ラヴィンスは勢い良くジュースを飲み干すと銀貨をカウンターに一枚滑らせた。
「……私達猟兵を舐めていたらどうなるか、思い知らせてやりましょう」


平岡祐樹
 はじめましての方ははじめまして、平岡と申します。

 今回は長らく好き勝手やってきた違法酒場ならぬ「血場」の掃討でございます。

 第一章では無理やり血場に商品を卸させられている人々の調査。
 第二章では商品を取りに来た商人の護衛達との戦闘。
 最終章ではオーナーであり常連客であるヴァンパイアとの戦闘。
 以上の戦闘多めの依頼となっております。

 明らかに荒事専門な筋骨隆々護衛軍団と常連客を倒し、近隣の村々に平和を取り戻せるか? 全ては勇気ある猟兵の皆様の手にかかっております!
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第1章 冒険 『この血なんの血気になる血』

POW   :    周辺をくまなく探す

SPD   :    村人にそれとなく聞いてみる

WIZ   :    村の中に不審な場所がないか確認

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

栖夜・鞠亜
ふーん。 そんなに美味しい血があるの?
嫌いじゃないけど、ちょっと殺しすぎ。


村だし、全部の建物調べたらいつか見つかる。
どかどかと上がり込んで、タンスや引き出しを勝手に開けたり、壺を割ってみる。筋肉、どこ?
まりあ筋肉の商人探してる、教えて。
教えてくれないと、この壺も割る。

見つける前に村中の壺が割れそう。



 外からの悲鳴に少年は怪訝な表情を浮かべた、「あいつらが来るのはもっと先の日のはずだ」と。
 しかも聞こえてくるのは引き渡される時の一時の別れを惜しむ泣き声では無く、あまりに強大な力で蹂躙される助けを求める声だった。
 ただ事では無いことを感じ取った少年は壁に立てかけてあったピッチフォークを手に取った。
 次の瞬間、乱暴な音を立てて扉が蹴り開けられ、少年はその先にフォークを突き立てた。
 しかしそのフォークはあっさりと受け止められ、へし折られてしまった。
「筋肉、どこ? まりあ筋肉の商人探してる、教えて」
 自分を攻撃してきたことに全く興味がない様子で、まるでお人形のような金髪の、まりあと名乗った少女は使い物にならなくなった穂先を捨てる。
「教えてくれないと、この壺も割る」
 そう言いながら待つことなくまりあは水瓶を叩き割った。
 何が何だか分からないが、このまま放って置いたら村が大変なことになると本能で感じた少年は意を決して尋ねた。
「筋肉の商人、とは血場のやつらのことですか?」
「そう。やっと知ってる人見つけた。みんな腰抜かしたり泣き叫ぶだけで教えてくれないから」
 ようやくお目当ての物を見つけた、と言った様子で顔を綻ばすまりあに少年は商人について教えることにした。
「この非常識な女ならあいつらを止められるかもしれない」……と一縷の望みをかけて。

成功 🔵​🔵​🔴​

リュラ・シバネ
情報集めの範囲は狭いに越したことがないだろう、ということで、書類にある村の中から手近で小さな場所を選ぶかな。嗅ぎ付けられると困る、できるだけ隠密に、無駄を省いて行動するよ。人と接しやすいであろう村の商人や酒場の店主に、ここ最近訪れる妙に体格のいい男とそれを連れる商人について聞く。
情報が得られるようならそれを元に、ダメなようなら、あまり人に見られないような場所に目星をつけて、宿したUDCを用いて見張りをつける。と、任せてご本人は悠長にお酒でも…なんて、すぐに駆けつける気はあるさ。ほんとだよ?

「手繰り寄せる感覚、堪らないね」



「そいつらならついこの間やってきたよ」
 リュラが初めに入った店の主人はそう言いながら注文の品を差し出した。どうやらUDCの出番は早くもなくなったようだ。
「私、そいつらについて今調べているんだ。知っていること全部教えてくれないかい?」
 そう言って銅貨を差し出すと主人は隣の空席から椅子を持ってきて座った。
「あいつらはルルハウとかいうヴァンパイアの子飼いの商人とその手下の闘奴だ。定期的に村に現れては健康そうな若い奴を攫って……ほら、あれを見ろ」
 何かに気づいた様子で外を指差す。視線を向けた先には松葉杖をついて歩く一人の青年の姿があった。その左足は大量の包帯に包み込まれていた。
「足首や太ももの肉をそぎ落としてあいつみたいにしばらく松葉杖無しで歩けなくさせちまうんだよ」
「なんでそんなことを?」
「なんでって、ルルハウに血を吸わせるためだよ。ルルハウは肉を他人の手で削がせることで自分の手を汚すことなく腹を満たしてるんだ」
「……人を殺すことも眷属にすることもない変わり者、だったね」
 書類に書いてあったことを思い出しながらリュラが呟くと主人は大きなため息をついた。
「『一回で飲み干すよりわざと生かして何度も楽しめる方がいい』んだとよ。俺には分かりたくもないがね」

成功 🔵​🔵​🔴​

星乃・爐璃
オルタナティブ・ダブルで双子を演じて人の多い酒場で片っ端から聞き込み調査だね
人格は人形遣いとシーフ

人形遣いは女っ気たっぷりに酔っぱらいなんかを「誘惑」しつつ怪談話等で「恐怖を与え」ながらも、その人柄の良さと「優しさ」で話を引き出す
「死後は何も残らないと言うけれど、最後に残るのは白い骨だと思うの。墓地なんかはとても魅力的ね」(骨格標本操りながら)
「ところでそういうおっかなーい場所って他に知らない?」

シーフは盛り上がる会話に入ってこない人物等に注目して「目立たないように」それとなく「聞き耳」を立てたり、小声で様子を伺う
「よぉ、調子はどうだい?」
「最近筋骨隆々の男を見なかったか?」



「ところでそういうおっかなーい場所って他に知らない?」
「おっかない場所? それなら……うちだな! あんたみたいな別嬪さんを連れて帰ったらヨメさんが鬼になっちまう!」
 下品に大声で笑いながら一人の女性を囲む男たちの輪から離れた席で、青年は一人空になったグラスをテーブルの上に並べていた。
「よぉ、兄さん。調子はどうだい?」
 また一つ、そのグラスを増やしたところで一人の男が青年に声をかけた。青年は男を睨みつけ、不機嫌そうな声を上げた。
「これが良いように見えるか?」
 その問いに答えることなく、男は青年の足元を確認してから囁いた。
「最近筋骨隆々の男を見なかったか? ……被害者なんだろう?」
 青年は鼻で笑うと頬杖をついた。
「見てないね。大体あいつらは三ヶ月周期でやってくる。この間来たばっかですぐに来ることは無かろうよ」
「そうか。飲んでいるところ、邪魔してすまなかったな」
 そう言って男は青年の前に一枚の硬貨を置いて後ろを振り返った。
「姉さん、そろそろ行くよ」
「はーい」
 男の声に輪の中にいた女性が手を挙げ、別れの挨拶を交わした後駆け寄ってくる。
「……どうだった?」
「ダメね、あれくらいの年齢になると全く見向きもしなくなっちゃうみたい。そっちは?」
「しばらくこの村には来ないらしい。次を当たろう」
 そう他人には聞こえないほど小さな声で情報を共有しながら二人は店を後にした。

成功 🔵​🔵​🔴​

ヴィクター・ハルフェティ
ヴァンパイアによる不当な搾取は許してはおけない!
それに与する人間も好きではないが、今それを責めても仕方がない。

俺は村に入ったら周辺をくまなく探すことにする。
今まで気づかれなかったのなら、出荷現場が分かりにくい場所か、卸している人の口が固いか、あるいは両方か。
それか、良い血を持ってそうな健康的な若者の近くに居るかもしれないな。
もし一緒に来た猟兵がいれば情報を共有する。

怪しい人物がいれば【恐怖を与える】で威圧して情報を探る。その時は逃げられてしまわないように壁際に追い詰めて行う。



町を隈なく散策したヴィクターの元には沢山の情報が集まった。
一つ目は出荷現場は基本は対象者の家の前。最初こそは別の場所に隠したり武器を持って抵抗したりする者もいたそうだが、商人の持つ特殊な道具によって居場所はバラされ、護衛の闘奴によって逆に大怪我を負わせられた結果、今では抵抗する者は居なくなってしまったという。
二つ目は彼らが狙うのは決まって20代前半の男女であること。それ以外は全く見向きもしないらしく、姉の身代わりに立候補した10歳の少年がいたそうだが断られてしまったそうだ。
恐怖を感じながらも姉の身代わりになろうとした勇気ある少年の噂に感動しつつ、ホッとしたヴィクターが歩いていると近くの家からすすり泣く声がした。
ただならぬ気配を感じたヴィクターがその家の扉を叩くと、中から一人の女性が中から姿を現した。
「突然申し訳ない、私の名前はヴィクター・ハルフェティというんだが……少し話を聞かせてもらえないか?」
「は、はぁ……」
あくまで平然を装っている女性だったが、その真っ赤な目と頰や奥にいる女性の家族とみられる男女の様子、そしてこの規模の家にしては豪華すぎる食卓からこの家族にただならぬことが起きていることをヴィクターは勘付いた。
そうして色々とカマをかけ続けた結果……明日、この家の娘が商人達に連れて行かれることがわかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アルジェロ・ブルート
【SPD】
血場ってェのはウチの都市にゃ無かったな。
その吸血鬼の発案か?――ひひ、面白ぇ事考えやがる。

そーーだなァ、ひとまず【聞き耳】立てて、
村長か、その血場の商品になってたやつでも当たるとすっかね。
商品になってたやつからはそん時の情報を、村長からはこれからの情報を得られるだろうよ。
まっさか何も知らねェなんて言わねぇだろ?



 訪れた村でアンジェロは旅人を装いながら聞き耳をたてていると、井戸端会議を繰り広げる女性達の会話が入ってきた。
「聞いた? アルトちゃん帰って来たって」
「ええ。今回の血は前回よりも美味しかったとかで思いっきり傷つけられたらしくて……奥様泣いてらっしゃったわよ」
「本当。こんなことのために立派に育てたわけじゃない、って……」
「ちょーーっといいかなァ?」
 突然割り込んできたアンジェロに女性達は不審な視線を向ける。しかしアンジェロは構わずに用件を話す。
「そのアルト、ってやつに会いてェんだが家まで案内してくれねェか? この件を解決しろ、って上から命令されてんだ」
 この件を解決する、という言葉に女性達は一斉に掌を返し、一番大きな屋敷に案内した。どうやらアルトはこの村の長の子供だったようだ。
「すいません、こんなお見苦しい姿で」
 女性達の仲介で通された部屋には寝台の上で起き上がる金髪の娘と一人の医師の姿があった。どうやら診察中だったらしい。
 軽い自己紹介を終えた後、アンジェロは早くも本題を切り出した。
「俺が聞きてェのは、血場に関する情報全てだ。知ってること洗いざらい教えろ」
「申し訳ありませんが、血場に関しては何も分からないです」
「はァ?」
「血場までの道のりは箱に入れられるので、外が見えなくて……。出される時はすでに血場の中で」
「血場の中は見てんだろォ? お前が知っていることが使えるか否かは俺が決める」
 だから話せ、と言わんばかりのアンジェロの態度にアルトは頭を抑え始めた。
「……窓は無くて、私以外に十人くらいの人が吊り上げられていました。その周りを二、三人の闘奴が見張っていて……。あとルルハウは入ってくる時常に目隠しをしていて……。あ、そういえば扉の奥に階段がありました!」
「……地下か」
 必死に思い出してくれたアルトにアンジェロは満足そうな笑みを浮かべた。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『闘奴牢看守』

POW   :    ボディで悶絶させてからボッコボコにしてやるぜ!
【鉄製棍棒どてっ腹フルスイング 】が命中した対象に対し、高威力高命中の【鉄製棍棒による滅多打ち】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    チェーンデスマッチたこのやろう!
【フックと爆弾付きの鎖 】が命中した対象を爆破し、更に互いを【鎖についてるフックを肉に食い込ませること】で繋ぐ。
WIZ   :    嗜虐衝動暴走
【えげつない嗜虐衝動 】に覚醒して【『暴走(バイオレンス)』の化身】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 一人の猟兵からもたらされた情報に、近隣にいた別の猟兵達も一斉に集まった。
「壺が86個扉が31個、テーブルが39個椅子が43個……うう、もう見たくない」
 そんな中、今日商人達がやってくるという家の前で待機するラヴィンスは大量の数字が書かれた書類を手に頭を抱えていた。
 心配そうに声をかける猟兵にエヴァンスは疲れた顔を見せながらも手を振った。
「あ、大丈夫ですよ、こっちの話なので……。今はやってくるであろう商人達に備えてください」
 そんな雑談を交わしていると馬の嘶く声が聞こえ、一斉に猟兵達がその方を向く。
 注目を一気に浴びた馬の主は卑しい笑みを浮かべた。
「おやおや、今日はやけに盛大な出迎えですねぇ。確かお宅の娘は一人だけだったはずなのに、いつのまにかこんな大所帯になったんですか?」
「うるせぇ! お前らの悪行もここまでだ! 猟兵の皆さんやっちまってください!」
「……それはどうですかね?」
 娘の父親が大声でそう叫ぶと幌馬車の荷台からわらわらと闘奴達が降りてくる。その数に先ほどまで威勢の良かった父親は息を飲んだ。どうやらいつもよりも数が多いらしい。
「こちらだってあれだけ派手に調べられていたら気づかないわけがないのですよ。今日はいつもより豪華なラインナップで旦那様を迎えられそうですねぇ……?」
リュラ・シバネ
派手にって…おいおい、私じゃないからね?
苦笑いしながらもアイテムを使ってサイキックエナジーを増幅させ、ユーベルコードにより高圧電流で範囲攻撃を仕掛ける。
ダメージ目当てではないよ。
一発でも食らえばなかなか痛い相手が多数なら、無闇に突っ込むのは得策じゃない…といっても、当然突っ込む奴もいるだろうね。
ということで、支援の形で広範囲への足止め、動き封じを試みる。味方が敵元へ到達してからは、巻き込み回避したいから仕方ない、私も動いて細々とターゲット変えながら支援を続けるよ。


アルジェロ・ブルート
……へぇ、俺らを商品にする気なわけ。
は、やってみろよ。

筋肉達磨の棍棒って重てぇんだよな。
【激痛耐性】はあっけどよ、一々喰らってやんのも面倒だ。【絶望の福音】で避けるとすっか。
武器は【Sangue】でいーい?【2回攻撃】で確実に沈めてくぜ。

馬の主は生かしておかねぇとなァ。まだまだヤる事あっからさぁ!



 闘奴達に向かって突撃する仲間達の背中を見ながら、リュラは両腕のサイコキャノンに意識を集中させる。
 大前提として前を行く仲間の背中に当ててしまわないように、そして炸裂した電撃が誤って仲間達を巻き込んでしまわないように。
 そうして標準を合わせているうちにサイコキャノンから充電が完了された合図が出た。
「サイキックブラスト、発射!」
 弾丸は先を行く猟兵達を追い抜き、目論見通り先頭に陣取っていた闘奴達に命中した。
「ひぎゃああああぐえっ」
 電撃に悲鳴を上げる闘奴の顔面にアンジェロのSangueが叩き込まれる。為すすべもなく吹っ飛ばされた仲間を見て闘奴が叫んだ。
「キサマァ!」
「はっ、人攫いのくせに一丁前に人権を主張すんのかァ?殴っていいのは殴られる覚悟を持ったヤツだけって教わらなかったのかよォ?」
 挑発するアンジェロに向かってサイコキャノンの影響を受けなかった闘奴がネイルハンマーのような物を振り回し、アンジェロに投じる。
 アンジェロは一瞬目を見張ると鎖をSangreで殴り砕いてすぐにハンマーを返す刀で打ち返した。
 凄まじい勢いで飛んでいったハンマーは別の方を向いていた闘奴達の足元に落ちた瞬間に大爆発を起こした。
 もし鎖を砕くだけでハンマーを打ち返してなければ……爆発に巻き込まれていたのはアンジェロの方だっただろう。
 先が無くなってしまったネイルハンマーを忌々しげに捨てると、闘奴の目が赤く光り出し、筋骨隆々とした体から湯気が登り出す。
 心なしか大きくなったように見える体を見せつけるようなポーズをしながら闘奴は獣めいた雄叫びを上げた。
「残念だが、君の思い通りにはさせないよ」
 その背中に冷たい物が当たる。反射的な振り向きよりも先にリュラのサイコキャノンが火を噴く。
「はい、お疲れさまでした」
 わざとゆっくりと言いながら身動きが取れなくなった闘奴の腹部にSangreを食らわせるとくの字になって位置が下がった頭部に第二撃が振り落とされた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

栖夜・鞠亜
すごい、まりあそんなに壺壊したの? 褒めて。(首傾げ

こっちも、すごい。 筋肉がたくさん。
まりあは距離を置いて狙撃銃で戦う。 属性攻撃も併用して火炎の弾丸を撃つ。 どう? 熱い?
貴方達はオブリビオンなの?

ずっと遠距離で戦わせてくれるとは思わない。 近づかれたら接近のぎりぎりまで待ってからユーベルコードを発動。 伸びる無数の茨の影で一時的に拘束。 その瞬間に急所に狙いを定めて、撃つ。
浴びた返り血を舐めてみる、貴方の血は何味?



「褒めませんーっ!!」とラヴィンスの悲鳴が響いたが、鞠亜の意識はすでに目の前に到着した馬車にいってしまっていた。
「おやおや、今日はやけに盛大な出迎えですねぇ。確かお宅の娘は一人だけだったはずなのに、いつのまにかこんな大所帯になったんですか?」
「うるせぇ! お前らの悪行もここまでだ! 猟兵の皆さんやっちまってください!」
「……それはどうですかね?」
 娘の父親が大声でそう叫ぶと幌馬車の荷台からわらわらと闘奴達が降りてくる。その鍛え上げられた筋肉に鞠亜は内心関心した。
「こちらだってあれだけ派手に調べられていたら気づかないわけがないのですよ。今日はいつもより豪華なラインナップで旦那様を迎えられそうですねぇ……?」
 そう言って商人は猟兵達に視線を向けた。その視線に生理的嫌悪を感じた鞠亜は商人の乗る馬車に無言で弾丸を放った。
 不意の一撃によって燃えはじめた馬車に商人は御者台から転がるように降りた。
「な、何をボーッと突っ立っている! 早くあの女の銃を奪い取れ!」
 泡を食う商人の指示に闘奴達は鞠亜に狙いを絞る。
『寵愛は穢された。弁えず、貪った妾達は地を這う棘の毛に縛られ其の頸を縊られるだろう』
 棍棒をふりかぶり、弾丸の雨を避けながら突撃する闘奴達の足元に長細い影が伸びていく。その存在に闘奴達はその時まで気づかなかった。
 鞠亜が手を動かした瞬間に闘奴達の足が突然止まる。何が起きたのか分からず困惑と焦りの声を上げる闘奴達に鞠亜はゆっくりと銃口を向けた。
 凄まじい轟音と悲鳴の後に鞠亜の頰に返り血がつく。その血を指で拭い、なめとった鞠亜は次の獲物に狙いを定めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

星乃・爐璃
はっ、こっちも豪華に迎えてやらんと逆に失礼かねっ!

シーフが靴とコートと上着を脱いでジーブス・キャンビットで素早い近接攻撃を仕掛ける
爐璃の心の声:露出は恥ずかしいに対して「気にしたら負けだぜっ!」
爐璃、しくしく

わざわざ捕まりに行ったわけじゃねぇぞ
オルタナティブ・ダブルで遠方で待機していた人形遣いが、敵がシーフに気を取られているところへ後ろから人魚の骨格標本で殴る


ダブルで出現させられるってことは消せるってことかね
なら捕まったシーフは消してまた新たに出現して攻撃

人形遣い「二人がかりの攻撃についてこられるかしら?」
あぁところで、これ骨格標本だからお肉ないの
フックは引っかからないわよ



 爐璃の悲鳴を無視して靴やコート、上着といった服を脱ぎ散らかしながら速さを増していくシーフは、電撃で動けなくなった闘奴の懐に潜り込むと勢いそのままに盗殺の刃を振るった。
 脇腹から吹き出した血から逃れるように次の獲物へと向かうが、電撃の呪縛から逃れ、目を真っ赤にさせ体からもやを出すようになった闘奴にはなかなか当たらない。
 激しく打ち合っているうちに、死角にいた闘奴から放たれた鎖が右腕に巻きつく。
 さらに巻きついた鎖の先端にあったハンマーはシーフの腕に触れた瞬間に大爆発を起こした。
 爆発でシーフの姿が見えなくなった瞬間、周りにいた闘奴達は一斉にシーフに向かって棍棒を振りかぶった。
 しかし次の瞬間、爆発に巻き込まれたはずのシーフの姿が煙のように消え失せていた。
 空振って地面を叩いた棍棒を困惑しながら慌てて構え直す闘奴達に「クスクス」とおかしそうな笑う声が響く。
 視線を上に移すとそこには屋根の上に座った女性と黒いベールを被った人魚の姿があった。
 闘奴達が女性の姿に気づくや否や人魚はまるで水中にいるかのように空を泳ぎ出すとその尾で集まっていた闘奴達をなぎ払った。
 なぎ払いから逃れられた闘奴がとっさにネイルハンマーを放つと図体が大きいからかあっさりと命中した。
 しかしパキン、と乾いた音がすると同時に人魚の体から爆弾が巻きついた一本の骨が飛び出した。
「あ、それ骨格標本だからお肉はないの。フックは引っかからないわよ」
 遅すぎる忠告を聞きながら闘奴は人魚の骨と共に爆発四散した。
「さあさあ、あなた方は二人がかりの攻撃についてこられるかしら?」
 笑いながら指を動かす女性の言葉に怪訝な表情を浮かべた闘奴に向け、注意が飛ぶ。
「お、お前、後ろ!」
 後ろを振り返ろうとした闘奴が血を吹き出しながら倒れる。その影には先ほど爆発に巻き込まれたはずのシーフが無傷で立っていた。
「さあ、第二ラウンドといこうじゃねぇか」

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヴィクター・ハルフェティ
ふん、こちらもその程度【覚悟】している。
むしろ大勢で来てくれたほうが一網打尽にできて好都合だ。

鉄塊剣を抜き闘奴を挑発する。
【怪力】と【気合】で闘奴とタイマンし、掴みかかれる距離まで間合いを詰めたら【ブレイズフレイム】で腕から炎を噴出し浴びせかける。
まだ居るか?次はどいつだ!

そういえば商人、お前は特殊な道具を持っているらしいな。
出せ。



「ふん、こちらもその程度【覚悟】している。むしろ大勢で来てくれたほうが一網打尽にできて好都合だ」
 そう言って手招きするヴィクターに闘奴達が突進してくる。
 勢い任せに振るわれた棍棒を飛び越えると、ヴィクターの腕が突如として割れ血の代わりに炎が吹き出した。
「ぎゃああああっ!」
 顔面を炎に覆われた闘奴が悲鳴をあげるのを尻目に、どうしか集団戦に持ち込もうとする闘奴達を嘲笑うようにヴィクターは一体一体丁寧に潰していく。
 そんな中、視界の端で這々の体で逃げ出そうとする商人が映った。
 近くで大爆発が起こる。飛んできた闘奴の体をバッティングセンターの球のように鉄塊剣で打ち払う。
 闘奴の体は真っ二つになりながら弾丸ライナーで商人の行く先を遮った。
「ヒイッ!」
 完全に腰を抜かした商人にヴィクターが歩み寄る。
「そういえば商人、お前は特殊な道具を持っているらしいな。出せ」
 自分よりもはるかに強いはずの闘奴達がまるで赤子のように蹂躙されている様子を見て、逆らおうという気はすでに失われていた。
 商人は慌てた様子で胸ポケットからメガネを一つ取り出し、ヴィクターに差し出した。
 試しにメガネをかけてみると真っ暗になった視界に生きている人間が白いシルエットで表示された。これでどこに人間がいるかの判別をつけていたのだろう。
 残りの闘奴達を片付けた猟兵達が続々とヴィクターと商人の元へ集う。
 この場の勝敗はもはや明らかだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『ヴァンパイア』

POW   :    クルーエルオーダー
【血で書いた誓約書】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
SPD   :    マサクゥルブレイド
自身が装備する【豪奢な刀剣】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ   :    サモンシャドウバット
【影の蝙蝠】を召喚する。それは極めて発見され難く、自身と五感を共有し、指定した対象を追跡する。
👑17
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵達は血場の屋根に吊るされていた。とはいえ、吊るされている鎖はすぐに解ける状態であるし武器も取り上げられていない。さらにいえば物陰に隠れている猟兵達もおり一斉に囲んで叩く戦法も取れるようになっている。
 カツンカツン、と外で階段を下りる音がする。先ほどまで呑気に話していた猟兵達は一斉に黙り、やられている演技をし始めた。
「旦那、本日は初めて捕まえた者ばかりとなっております」
 冷や汗をかきながらゴマをする商人の横に立つ白髪の男こそ件のヴァンパイア「ルルハウ」だろう。
 ルルハウはつけられていた目隠しに突然手を伸ばすとそれを解き、商人の首をもう片方の手で掴んだ。
「だ、旦那⁉︎」
「お前が返り討ちにあったのは蝙蝠ですでに見ている。下手な演技をして裏切るヒマがあればさっさと自ら命を断て」
 そう言ってルルハウは手を離す。どうやら「自ら殺すことはしない」という噂は真実だったようだ。
 足元で首を押さえながらゲホゲホと咳をする商人を冷たい目で見下ろした後、ルルハウは血場をぐるりと見渡して言った。
「傭兵達よ、いつでも脱出できるのと隠れているのは分かっている。食前の軽い運動に付き合ってもらおう。……ただしその後其方らの血はしっかり味合わせてもらうがな」
 
 ルルハウの宣言と同時に靴とコートと上着を脱ぎ捨て、シーフはルルハウの懐に飛び込み、盗殺の剣を振るうがその刃は宙に浮く一本の剣に防がれた。
 すぐさま第二撃を放つが、剣はまるで見えない糸で操られているかのようにルルハウの体から離れず、その攻撃をいなす。
 その周りを新しい剣が生成されていき、他の猟兵達にもその刃を向け始めた。
 下着姿で互角にやり合うシーフの様子に爐璃の嘆く声が聞こえ、少し可愛そうに感じる人形遣いだが、人形遣いも自身の役割を果たそうと指先に意識を集中させる。
 その動きに合わせるように樽の間に仕込んでいた人魚の人形が樽を吹き飛ばしながら姿を現わす。
 勢いよく飛び出さした人形は自分自身だけでなく他の猟兵を守る剣を弾き飛ばしつつも、他の猟兵の攻撃を一切邪魔しない緻密な動きを見せていた。
 しかしどれだけ吹き飛ばしても、柄を掴んでへし折っても生成される剣の量が減る様子は無い。
 複数の刃が後ろから襲いかかったシーフの姿がルルハウの近くから消え、人形遣いの側に現れる。
 シーフは舌打ちしながらも再びルルハウへと飛びかかった。
星乃・爐璃
人形遣い:骨が折れる(た)作業だったわね
骨折り損の草臥れ儲けにならないことを「お祈り」しなきゃ

爐璃:さて、ただ飲みはもう終わり
あんたはとっとと過去の藻屑になればいい
そうして僕たちは前を向いて生きることを選ぶんだ

シーフ:爐璃、気負うんじゃねぇぞ
ここは俺達に任せな

靴とコートと上着を脱ぎ捨てスピードを上げる
爐璃の悲鳴、気にしないシーフ
少し可愛そうに感じる人形遣い

ダブルで人形遣いとシーフが戦闘を担当
人魚が武器をなぎ払いながら、すきを突くようにシーフがシーブス・キャンビットで盗み攻撃、刃を返して二回攻撃をする
本体に近づけなかったとしても、フェイント、だまし討は得意分野
他の猟兵が攻撃できるチャンスを作る



 ルルハウの宣言と同時に靴とコートと上着を脱ぎ捨て、シーフはルルハウの懐に飛び込み、盗殺の剣を振るうがその刃は宙に浮く一本の剣に防がれた。
 すぐさま第二撃を放つが、剣はまるで見えない糸で操られているかのようにルルハウの体から離れず、その攻撃をいなす。
 その周りを新しい剣が生成されていき、他の猟兵達にもその刃を向け始めた。
 下着姿で互角にやり合うシーフの様子に爐璃の嘆く声が聞こえ、少し可愛そうに感じる人形遣いだが、人形遣いも自身の役割を果たそうと指先に意識を集中させる。
 その動きに合わせるように樽の間に仕込んでいた人魚の人形が樽を吹き飛ばしながら姿を現わす。
 勢いよく飛び出さした人形は自分自身だけでなく他の猟兵を守る剣を弾き飛ばしつつも、他の猟兵の攻撃を一切邪魔しない緻密な動きを見せていた。
 しかしどれだけ吹き飛ばしても、柄を掴んでへし折っても生成される剣の量が減る様子は無い。
 複数の刃が後ろから襲いかかったシーフの姿がルルハウの近くから消え、人形遣いの側に現れる。
 シーフは舌打ちしながらも再びルルハウへと飛びかかった。

成功 🔵​🔵​🔴​

リュラ・シバネ
軽いか、言ってくれるねぇ。
肉弾戦は不得手、やっと出番だUDC…ということでユーベルコードを使用。全身を私のUDC、夢邪鬼で血管状に覆って戦闘力を上げるよ。
向かってくるであろう【豪奢な刀剣】たちを【第六感】と【空中戦】で上手いこと蹴り落とすかはたまた足場にして飛び込むか…。
あとは皆さんのお邪魔にならない程度に、腕輪から形状変化させたサイコキャノンで応戦。
退避はお早めに。



「今夜の夢見は、悪くなりそうだ」
 そう言って指を鳴らしたリュラの足元に目玉を全身につけた小人がひょこっと現れ、その腕や足に飛びついていく。飛びついた小人の体は生身の部分に触れるとどんどん細長く枝分かれしていき、まるで血管のような鎧へと変わった。
 鎧によってまるで別人のように動きが良くなったリュラは切りかかってくる剣を鎧で受け止めつつ、その柄や飛び回る人魚を足場にして空中へと舞っていく。
 シーフの姿が消えたのを見て、リュラは反射的に空中からサイコキャノンを放った。しかし不意をついたとみられたその電撃もヴァンパイアの剣に弾かれてしまった。
「ほう、中々連携が取れているではないか。いいぞ、私をもっと楽しませてみろ!」
 ルルハウはうずくまる商人を足蹴にしてそう叫ぶ。どうやらまだまだ余力を残している様子だ。
「んー……あまりにも読まれすぎてる気がするねぇ」
 リュラは舌を出しながら、襲いかかってくる剣を蹴り飛ばした。

成功 🔵​🔵​🔴​

栖夜・鞠亜
生れて初めて吊るされた、気がする。
もう知ってるなら先に言って、ちょっとふらふらする。

まりあは距離をおいて狙撃銃で戦う。 ユーベルコードは10秒の集中時間があるから、使うところを見極めないと屋内だし危険、かも。 一気に接近されてやられるかもしれない。 ヘイトが他に向いてるときだけ使う。 猟兵も殺さないつもり? さすがに不利だと思うけど、そんなに自信があるの?

【マサクゥルブレイド】に対しては複製された刀剣を弾丸で撃ち落とす。 全て撃ち落とすのは厳しいそうだから、属性攻撃を利用して魔法の風で飛んでくる刀剣の軌道をずらして急所に当てられないようにできれば、いい。



「どうせなら徹底的に」と謎のこだわりを見せた結果、変な吊られ方になってしまった鞠亜は痛む頭を抑えつつ、サイトを覗き込む。その狙いは当然ルルハウの頭部である。
 しかしシーフやリュラが攻撃した隙を狙って撃っても、そのたびにルルハウはこちらを見て笑い、その間に剣を滑り込ませて防いでくる。
 そんなやり取りを何度も繰り返された結果、鞠亜の眉間にシワがより始めた。
「さっきから小蝿が煩いな……。少しお灸を据えておくか」
 ルルハウがまるでその日の夕飯を考えるような口ぶりでつぶやくと、人魚の周りを回っていた剣が鞠亜へと方向を変えて飛んでくる。
 刃の動きに気づいた鞠亜はとっさに刃に銃口を向け、風の魔力を纏わせた弾丸を放つ。
 炸裂した風によって切っ先がブレた結果、刃は全て鞠亜の周りの壁や床に突き刺さった。
 ここで鞠亜に疑問がよぎる。
 もし自分の急所を狙っていたとしたら、あれだけの魔力では腕や足にかすってしまうはず、なのに全部外れてしまった。
 つまり……こいつ、殺す気が全くない。
 鞠亜の機嫌はますます悪くなっていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

栖夜・鞠亜
・・・変な奴。
殺意がない、オブリビオンなんて。

でもこのままじゃ埒が明かない。 もう少し戦力も欲しいところだけど・・・
少し戦い方を変えてみる。
属性攻撃を利用した光の玉で攻撃する。 光は着弾時に弾けて眩く光る、影の位置やどれくらい障害物の影があるか確認したい。

策を弄する前に【サモンシャドウバット】の影の蝙蝠が第二の視点になってバレるかも知れないから潰しておければいいけど、蝙蝠なら飛んでると予測して周りを見渡してみる。

戦う気がないのなら、本気にしてあげる。



 猟兵達の必死の攻撃に剣の数は最初ほどでは無かったが、それでもまだルルハウに致命傷を与えられる隙はまだ見当たらない。
 そんな中、あまりに余裕をもって猟兵達の攻撃をいなしていくルルハウの様子に違和感を感じた鞠亜は銃を下ろし、周りを見渡し始めた。しかしお目当ての物の姿は見当たらない。
「ほらほら、よそ見している暇があるのか?」
 飛んできた剣をとっさに銃で受け止めてはね返す。
 鞠亜は眉間にしわを寄せたまま、手の中に白い玉を生ませると思いっきり地面に叩きつけた。
 その瞬間血場の中が眩い閃光に包まれ、敵味方問わずとっさに目を覆った。
 そんな中「ギイッ」という微かな声がした方に向かって鞠亜は不自由な視界にもかかわらず、寸分の狂いもなくすかさず銃弾を撃ち込んだ。
 銃弾はカウンターの下の暗がりに吸い込まれ、何かに当たって爆発した。
「ふっ、やはり同族にはバレてしまうか」
「影の中隠れてる、卑怯」
「ふん、ここは私の所有物だ。どこに何をおいても私の自由だろう?」
 鞠亜はルルハウの返しに答えず、無言でルルハウのいる方向とは正反対の所にあったテーブルの下の影に銃弾を撃ち込んだ。するとまた「ギッ」という短い悲鳴と共に爆発が起きた。
「……まぁ、いい。まだ私には奥の手が残っているのでな」
 散り散りに飛ばしていた剣達を手元に戻したルルハウは楽しげに笑いながら懐から謎の紙を取り出した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リュラ・シバネ
あら…そう来たかぁ。細々と手先がいたわけ。とりあえずそれらは【第六感】で感じ取れるだけ避けて潰すとして、目の前で取り出された紙には対しては当然、興味深く見ちゃうよね。なんだろう、とりあえず何かしてくるようならサイコキネシスで応戦という名の邪魔立てしようかな?押し負けるようなら【2回攻撃】を使う。あと世界が世界だ、念のため【呪詛耐性】と【激痛耐性】も掛けておこう。



 鞠亜よりもたらされた伏兵の情報にリュラは舌を巻きつつ、ルルハウが懐から出した謎の紙を注視した。
 ルルハウは自分の人差し指を歯で切ると、その紙に出てきた血で何かを書き始めた。
 事前に教えられていたダークセイヴァー世界のオブリビオンの攻撃の傾向の情報から、その行為が呪い関係の物だと気づいたリュラは万が一当たってしまった時のことを考えて【呪詛耐性】と【激痛耐性】を自身の身にかけた。
「そうだな……まずは、そこの消えないハエから従ってもらおうか」
 ルルハウは例の紙を飛行機に折るとそれをリュラに向かって投げた。
「得体の知れない攻撃は当たらない。『これ、当たり前のこと』」
 耐性をかけたとはいえ、当たりたくないリュラが走りながら放ったElementary abilityにより紙飛行機の飛ぶ勢いが少し落ちる。
 しかし自分に向かって飛んでいることは変わらないためリュラはその威力を上げる。
 その結果、紙飛行機は血場の中で何度も旋回した末に、地面に落ち発火して消し炭になった。
 
 

大成功 🔵​🔵​🔵​

栖夜・鞠亜
蝙蝠は仕留められた、と思うけど。
状況が好転したとは言い難い、未だ直撃を与えてすらいないのだから。


さっきの光の玉でおおよそ影ができる位置を確認できた、はず。 もう一度、光の玉を生成して今度はルルハウの・・・真後ろ目掛けて投げる。 クルーエルオーダーを使用されてもあえて、受ける。 鞠亜の反撃はもう少し先。

光の玉が目論見通りルルハウを通り過ぎて後方で弾けさせれたら、ルルハウの影はこちら側に伸びるはず。 そこにユーベルコードを使って伸ばした7つの影でルルハウの影を穿つ。 クルーエルオーダーで何を指定されようとも影を操るのは動けなくてもできるから、阻害される確率は・・・低い、はず。


メルフローレ・カノン
非合法な酒場ならぬ血場、ですか……
後からの推参で申し訳ありませんが、助太刀します。
目前のヴァンパイアを退治すればいいのですね。
私の得物は主にメイスですが
状況次第で予備武器の剣も活用します。

敵は剣や蝙蝠を召喚して攻撃してくるのですね。
[見切り][武器受け]でかわすほか、
召喚してきたものを[なぎ払い]で払いのけていきます。
堪える必要がある場合は【無敵城塞】も活用です。
「ここは堪えてみせます!」

攻撃に際しては、[力溜め]の上で
[2回攻撃][鎧砕き]を活用して叩いていきます。
[気絶攻撃]で動きを少しでも止められれば
他の人の支援にもなるでしょう。
「全力で行きます!」



「ラヴィンスさん、こちらですか⁉︎」
「そうですカノンさん!」
 ドタバタという音と共に突然血場の扉が豪快に開かれ、2人の少女が入ってくる。
 突然の乱入者にルルハウの視線がその少女に集中したのを見て、鞠亜は再び光の玉を投じた。
 監視の蝙蝠や剣が減った結果、光の玉は撃ち落とされることなくルルハウの頭の上を通り、その後方に落ち、炸裂した。
 事前にラヴィンスから味方や敵の情報を得ていたカノンは眩い光を物ともせずにルルハウに向かって走り込む。
 その動きは眩んでいる目でも分かるほどあからさますぎてルルハウはほくそ笑みながら剣の切っ先を全て向けた。
「ここは堪えてみせます!」
 カノンは飛び交う剣をメイスで打ち払おうとしたが、二本の腕では限界があると早々に判断し、その場に立ち尽くした。
「ふん、威勢だけの腰抜けか」
 飛び出してからの立ち尽くしにルルハウは嘲笑いながら剣を斬りかからせる。しかし刃はいかにも柔らかそうな肌に簡単に跳ね返った。
『纏いし影は汝を呪う禍となれ』
 ルルハウの表情が跳ね返されたことに対する怪訝な物から突然苦悶の物へと変わる。
 足元を見れば、ルルハウの影が鋭い形に変わった鞠亜の影に穿かれていた。
 光の玉によって伸ばされた影により、命中範囲も増やされていたのだ。
「き、さまぁ……!」
「ようやく本気になる。でももう遅い」
 光の玉が消え、血場は元通りになったが影の攻撃によりルルハウは傷つき動けず、剣もカノンに全て差し向けて跳ね返された結果、すぐに体勢を戻すことが出来ない。
 まるで最後の足掻きかの如く影から何体もの蝙蝠が飛びかかってきたが、剣の対処から解放された猟兵達によって一斉に鎮圧される。
 鞠亜はゆっくりと銃口を覗き込み、ルルハウの頭部を狙う。
 それでも何本かの剣は鞠亜に襲いかかろうとしたがそばにいたカノンのメイスにへし折られてしまった。
「あなた変なので面白かったけど……これでおしまい」
 まるで勝ち誇ったかのようにくすりと笑った鞠亜の指が、引き金を引いた。
「ひいぃぃぃ」
 血を額から吹き出しつつ倒れたルルハウを見て逃げ出そうとした商人の体をカノンが踏みつける。
「この人、逃しちゃダメなんですよね⁉︎」
「そうです! この人の財産から鞠亜さんがやらかした賠償金を捻出しなければいけないですからねぇ……」
 ラヴィンスの目が猛獣のそれに変わる中、鞠亜は近くにあった椅子に座り、一応カモフラージュとして立たされていた闘奴に話しかけた。
「ねぇ、もし予備の血あるなら、ちょーだい?」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月20日


挿絵イラスト