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雪と舞い踊れ

#サムライエンパイア

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●静かなる惨劇
 深々と雪が降りしきる夜。小さな農村を大量の人影が包囲していた。
 赤い炎を纏った鎧姿の女性たちが刀や弓を持ち、いつでも駆け出せるよう身構えている。その中に交じる黒曜の角を持つ女僧が一人、手をあげる。その合図を受けた鎧武者の女性たちが走り出す。安穏と眠っている村人たちを一人残さず、虐殺せんが為に。
 その惨劇の場に遅れてやってきた女僧が静かに舞い踊る。数珠と共に薙刀を振るいながら、血しぶきを舞い散らせていた。
 一夜にして農村は死の村へと変わったのだ。真っ赤な雪を残して。

●喜劇へと変える者
 派手な着物を纏った男、差深月・紫音(羅刹の剣豪・f02193)がなぜかガッツリ防寒対策をした姿でやってきた。
「なぁ、雪合戦しに行かないか?」
 その場にいた猟兵たちが怪訝な顔をし、何言ってんだこいつと思った者もいるだろう。そのことに気づいたようで、紫音が頭をかきながら訂正をする。遊びたかったらしい本音が駄々洩れしたようだ。
「あー、あれだ。オブリビオンが農村を襲撃するんだ。それを討伐してほしい。鎧武者の女どもの中に指揮を執ってるやつがいるようだ。雑魚を蹴散らしたら女僧が出てくるだろう。邪魔者を排除するためにもな」
 真剣なまなざしで猟兵たちの方を見やる。不意に笑い言葉をつづけた。
「その辺は雪が積もっているみたいでな。寒さは厳しいみたいだからな、防寒も忘れるなよ? 無事に農村を守れたら雪合戦やろうぜ」
 仕事より遊びを優先気味のこのグリモア猟兵は大丈夫なのだろうか? 猟兵たちに一抹の不安がよぎるも、信じるしかない。
「お前らなら農村を助けられると信じてるからな?」
 全幅の信頼を寄せて紫音は笑って頭を下げた。


紫雨
 お久しぶりです。紫雨です。
 二作目となり、少し遊んでみました。
 冬だし雪合戦っていいですよね。というわけで、無邪気に遊びたい紫音に出張ってもらいました。ちゃんとお仕事はすると思います。
 戦闘メインとなりますが、皆さまと共にこの世界を彩れればと思います。
 今回もよろしくお願いします。
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第1章 集団戦 『怨霊女武者』

POW   :    局流薙刀術
【薙刀】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    局流早射ち
レベル分の1秒で【矢】を発射できる。
WIZ   :    落武者呼び
【鎧武者】の霊を召喚する。これは【槍】や【弓】で攻撃する能力を持つ。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

藤野・いろは
雪合戦ですか、そういえば長らくやっていませんね。
猟兵としての力を発揮しながらやれば十分に訓練になりそうです。
ふふ、少々僕も楽しみになってきました。
真っ白な雪で遊ぶためにもここは気合を入れてがんばりましょう
怨霊ですか、でしたらこの『破魔』の力が向いていますね。
妖剣に破魔の力をまとわせて戦っていきましょう。
幸い個の力ではこちらに分がある様子、間合いを意識して1対1対確実に減らしていけば自ずとこちらが有利になっていくはずです。
周囲の様子を常に伺い、苦戦している猟兵が居ましたら助力をしましょう。
一緒に戦う仲間ですから、助け合いませんとね。
参加猟兵との絡み・アドリブ・改変歓迎です


シオン・ハートブレイク
【SPD】で攪乱してきましょうか。
ふふん、インドア系(面倒くさがりを限りなく好意的に解釈した言葉)なりの戦い方ってのを見せてあげるわ。

とりあえず。
正面からは絶対ぶつからないわよ!

集団の脇、または後ろから。コッソリと、確実に、一体ずつ。
勿論やばくなったら撤退。
……っつってもね、うん。他の子の邪魔するわけにもいかないし、出来るだけ粘るけど。

相手の陣形を乱して、進軍を遅らせて、“他の子にとっての優位を作る”。
私自身は別にクリティカルな戦果なんて無しで構わないからね。

……目立つの苦手ぇ。


叢雲・秋星
「願いは受けた。この凶剣、悪逆の首を伐ろう。」

戦闘時は『妖剣解放』を常時運用。赤黒い怨念を身と刀に纏って戦闘。刀は本体たる黒い刃、黒瘴。
ダメージを受けている敵は『傷口を抉る』で傷を深くし、こちらが傷を受ければ『生命力吸収』で敵から血と共に命を奪って喰らい傷を癒す。
『殺気』で敵達の足並みを乱し、突出した敵から首を刎ね、射られた矢は避け斬り落とす。
近距離の相手には怨念を纏った刃で伐り、遠距離の相手には怨念を刃状の衝撃波へと変えて放つ。

「我が身が伐るは命に非ず。その咎をこそ断つ…」


トウロ・コーラル
心情:所縁がある村ではありませんが…目の前で何かを失うというのは気分がよくありませんからね…あと妹に怒られそうですし。

『まずは数を減らしていきますよ!』
ジャッジメント・クルセイドで1体ずつ確実に。指先を向けた対象の頭上から光が降り注ぐ。頭上に注意を向けさせないために言葉で挑発。
『お綺麗なのに…勿体ない…』

鎧武者に対しても同じ。槍等の長物の間合いに入らないように動きながら。
『数が増えても…やることは変わりませんよっと』

他の猟兵と協力できそうなら一緒に。
マンゴーらしい体型だけども機敏な動きで敵を翻弄

『さぁさぁ、ついてきてくださいよー!』



 深々と雪が降り注ぐ中、農村へ襲撃しようと走り出した鎧武者の女どもが不意に足を止める。雪の白すら飲み込む黒衣の男が集団の前に現れたからだ。
「願いは受けた。この凶剣、悪逆の首を伐ろう」
 自らを凶剣と名乗ったのは叢雲・秋星(悪を削ぐ太刀・f02120)自身の本体たる黒い刀、黒瘴を手に構えた。静かにその身と刀身を赤黒い怨念が包んでゆく。異様な気配を感じた彼女らが踏み込むより早く、秋星は集団の中にいた。
「我が身が伐るは命に非ず。その咎をこそ断つ……」
 黒刀を振るい、一瞬で鎧武者の首を伐る。静かな声で言葉を告げるが、全身から発せられる殺気が他を圧倒した。目の前の存在が危険と判断した鎧武者達が薙刀を振るい斬りかかるもその姿を捕らえることができない。かわりに黒刀が閃き、首が一つ、二つと刎ねられた。
 集団に混乱が伝播し、足並みや陣形に綻びが生まれ始める。

「派手にやってるみたいね。私はインドア系なりの戦い方ってのを見せてあげるわ」
 戦況を見ていたシオン・ハートブレイク(はぐれエルフ・f04237)は呟くと意識を切り替える。陣形を崩し、仲間にとっての優位を作り出すことを優先に考えた彼女は集団の背後へ回った。
 静かに気配を殺し、白銀の髪を目立たせぬような姿で雪の中を進む。回り込んだ集団の最後尾、一人はぐれたのか集団から距離のある女武者へダガーを振るう。暗殺技術を有している彼女だからこそ、一撃で息の根を止めることができた。
「確実に一体ずつ。目立ちの苦手なの」
 素早く身を翻し、気づかれぬうちにその場を離れる。ヒットアンドアウェイとして少しずつ確実に敵の数を減らしていた。軽やかな身のこなし、数が薄いところを狙っては仕留めていく。
 隣にいた味方が消え、集団全体に蔓延していた混乱は更に深まっていた。陣形は崩れ去り、打ち倒すのはたやすいだろう。

「雪合戦、訓練にはちょうどいいですね。真っ白な雪で遊ぶためにもここは気合を入れてがんばりましょう」
 藤野・いろは(天舞万紅・f01372)は長らくやってなかった雪合戦を楽しみに思いながら、眼前の女武者の集団を打ち払う算段を考えていた。
「相手は怨霊ですか、でしたらこの『破魔』の力が向いていますね」
 いろはが携えている妖刀に破魔の力を纏わせ、正面に刀を構えた。その隣に並び立つのはシャーマンズゴースト。
「所縁がある村ではありませんが……目の前で何かを失うというのは気分がよくありませんからね……」
(なにより、可愛い妹に怒られそうですし)
 トウロ・コーラル(サーヴァント谷のシスコンマンゴー・f00117)が悲痛の表情で言葉を漏らすが内心は溺愛している妹に怒られたくない、嫌われたくない一心であった。
 示し合わせたわけでもなく、いろはが先に駆け出した。トウロが彼女の進む道を邪魔する者へ指先を向ける。
「こちらも数を減らしてゆきますよ!」
 すると女武者の頭上、天から光が降り注いだ。光が消えたあとには何もなく、そのことに怯んだ他の女武者へいろはが斬りかかる。
「邪を払う力、その身に受けよ!」
 いろはが袈裟に妖刀を振るえば、女武者は防げずに一刀のもと斬り捨てられた。味方が斬り捨てられたところで女武者たちは止まることはなく、失った分を補うよう鎧武者を呼び出す。それぞれが得物を構え、二人に襲い掛かった。
「どんな相手であれ、斬れぬものはありません!」
 襲い掛かる槍を払い、矢を斬り落とし、上段から斬り捨てるいろは。迷いなく進む彼女の歩みを支えるのはトウロだ。いろはの背後から仕掛ける敵をうち漏らさずに天からの光で焼き払っている。
「数が増えても……やることは変わりませんよっと」
 トウロ自身が狙われてもシャーマンズゴーストらしい体型でありながら機敏な動きで間合いを保ち続けていた。その間も攻撃の手を緩めることはない。
 目の前の敵を斬り伏せ、トウロが彼女のフォローをする。即席の連携であれどこの場を支配しているのは二人だった。

 各々が自らの戦いを続けていくうちに、女武者たちが数を減らしていった。だが、集団の中にひと際目を引く存在が混ざっていることに気づく者はいなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『一揆を指揮する女僧兵』

POW   :    仏罰降臨
自身が戦闘で瀕死になると【仏罰を降す御仏の幻影 】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
SPD   :    仏罰代行者
自身に【信仰による法力 】をまとい、高速移動と【仏罰の雷】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    極楽一揆衆
【戦死して極楽に旅立った一揆衆 】の霊を召喚する。これは【槍】や【鍬】で攻撃する能力を持つ。
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は加賀・依です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 数少ない女武者たちの集団から黒曜の角を持つ一人の女が躍り出た。僧の姿をしていながら、身に纏うのは正者への妄念。自身の邪魔をするのであれば殺すのみ、と。全身から殺意を、害意を放つ女僧は静かに薙刀を構えた。
 猟兵たちもここで引くことはできない。世界の平和を守り、力なき人々を救うことが彼らの使命でもあるからだ。
 互いに得物を構え、静かに隙を伺う。この戦いが全てを決めるのだから。
シオン・ハートブレイク
【SPD】
OKOK、首魁さんお出ましね?
つっても――ちょっと敵残ってるのかぁ。まずはそっちの対応からかなぁ。

残敵を掃討して、他の子達がボス戦に集中できるように動きましょうか。

で、お掃除が完了したら私も参戦するわけだけど……
基本は相手の動きを止める事に専念。
とどめー! とか、おまえは間違ってるー! とか、そういうあっついアクションは私向いてないのよね。

アンタらにも目的があって、そのためにいろいろ覚悟決めてきてる――と、思うんだけど。
あぁ、実はそういう情緒ナッシングだったら別にいいわ。楽だし。
兎も角、こっちもそれなりに腹決めて“違う正義”さんを潰しに来てるわけ。
要するに。
問答とか、無用でしょ?


九条・文織
赤月・句穏(f05226)と同行する

「何とか間に合ったみたいだね。ああ、それじゃあ行こうか句穏。」
『句切』と『句穏』の二刀を携えて、句穏と共に戦場へ駆けつけ。
「ん、任せたよ。」
句穏の援護に全幅の信頼を置いて。

句穏と連携して攻撃し
句穏が敵の攻撃を邪魔した所で、間合いに潜り込み
【残像】の乗った【フェイント】で敵をかく乱した所を【二回攻撃】で斬りつけて。

「当たると大変そうな攻撃だけれど、句穏の支援があるからね。そうそう当たりはしないよ。」
【見切り】で敵の攻撃を避ける。

「これが避けられるかな?臨む兵、闘う者、皆 陣列べて前を行く。全てを絶ち斬れ、『句切』」
言霊を乗せた【剣刃一閃】を使用する。


赤月・句穏
九条・文織(f05180)と同伴

【WIZ】文織と連携しつつ、攻撃します。

「あれが今回の標的です。文織…、参りますか?」
文織の後ろを身の丈程大きな杖を抱えてついて歩く。
「はい、援護致します。」
信頼する相棒ににこりと微笑み。
「背中はお任せください。」

・攻撃
氷で敵の行動範囲を阻害
「――散るべき存在よ、氷結の柩にて安らげ。」
動きを封じた後、炎でダメージを与えます。
「炎よ。」
【高速詠唱】で【全力魔法】を放ちます。

・防御
槍、鍬での攻撃は間合いを取るように後ろへ飛び退いて防ごうとします。

・連携
文の攻撃に合わせて氷を形成し敵の攻撃の邪魔をして阻んでみます。
「氷結よ。壁となれ」



 薙刀を構える女僧の前に立ちはだかったのは二人組の女性だ。
「あれが今回の標的です。文織……、参りますか?」
「何とか間に合ったみたいだね。ああ、それじゃあ行こうか句穏」
 赤月・句穏(界渡りの旅行者・f05226)と九条・文織(界渡りの旅行者・f05180)が言葉を交わしている。その姿に油断など存在しない。
「はい、援護致します。背中はお任せください」
 大切な相棒へ信頼に満ちた笑みを送り、自身も身の丈程ある大きな杖、魔霊杖を構える。句穏の姿を確認した文織は『句切』『句穏』と名付けられた二刀を抜き、戦場を駆けだした。
「――散るべき存在よ、氷結の柩にて安らげ」
 句穏が魔霊杖を掲げ、祝詞を紡ぐ。新雪を巻き上げ招来した氷雪が女僧を含めたすべての敵に襲いかかった。その足を身体を凍てつく氷の枷が動きを阻害していゆく。すかさず掲げた杖を振るい、祝詞を続けた。
「業火の舞にて」
 句穏の周囲に新たに紅の業火が招来する。それは腕を広げるように動きを止められた集団の間を舞うように練り回った。業火に焼かれた敵の内、女武者たちはすべて燃え尽き、姿を消す。だが、女僧は耐えきり、氷の枷から自由になった。
「首魁さんお出ましね?」
 静かな口調ながらもシオン・ハートブレイク(はぐれエルフ・f04237)は油断なくダガーを構え直し、地を蹴った。自身が戦果をあげるより敵の妨害を主に考えて女僧へ向けて枷を轡を放つ。
「こっちもそれなりに腹決めて“違う正義”さんを潰しに来てるわけ。問答なんて不要でしょ?」
 こぼれた言葉は小さく、女僧が枷を轡を弾く音にかき消させれた。どんな理由であれ譲れない正義はあるのだと彼女は理解している。交わらない相手との問答は交わすだけ不毛なのだから。
 少しでも動きを阻害するように枷や轡を飛ばしながら、ダガーを振るう。目線の先にいる仲間に一つ笑みをおくった。
「氷結よ。壁となれ」
 シオンに気を取られていた女僧の左右に氷の壁が出現する。一瞬、虚を突かれた女僧にシオンの枷が轡が更にその動きを制限していった。そして、背後から現れるのは二刀の剣士。
 満を持して女僧に斬りかかったのは文織だ。区切る、と意味の終わりを意味する刀『区切』を上段に振り上げる。女僧が動こうとしたところで回避は間に合わない。
「これが避けられるかな? 臨む兵、闘う者、皆 陣列べて前を行く。全てを絶ち斬れ、『句切』」
 鋭い切れ味を発揮し、女僧を袈裟に斬りつけた。返す刃で切り上げようとするが、枷を無理矢理引きちぎり飛び上がる。刃が脚に当たり、機動力に影響を与えるのだが、氷の壁を飛び声てしまった。
「逃げられてしまったか。だが、逃がしはしない」
 句穏が氷の壁を消し差った後に女僧の姿はなく、踏み荒らされた雪の上には敵の痕跡が点々と続いている。ここを離れ、大勢を立て直すつもりのようだ。だとしても、猟犬たちがオブリビオンを逃がすことは絶対にないのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

叢雲・秋星
「村を救ってくれと、願いを受けた身だ。それを果たすのがこの身、この名を借りた俺の役目」

逃走する女僧の前に立ちはだかる。黒瘴を横に構え、これより先は黄泉路であると宣告する。
妖剣解放によって赤黒い怨念を纏い、女僧と伐り合う。森の木々を足場に使い死角を縫い、首(つみ)を削ぐ。怨念を翅のように放出し、更なる加速を行い咎(くび)を堕とす。
放たれる雷撃は怨念の斬撃を放って相殺、貫けるのならばそれごと敵を穿つ。
こちらの傷は【生命力吸収】で相手の命を奪って補い、【呪詛】にて相手を蝕む。

「我が刃(み)が断つはその首に非ず、貴様の咎を濯ぐものなり」

死こそが最大の贖罪なれば、この身が貴様を贖おう。



 逃走を図った女僧の前、再び人影が立ち塞がる。赤黒い怨念を纏い、黒刀を携えた男が一人。
「村を救ってくれと、願いを受けた身だ。それを果たすのがこの身、この名を借りた俺の役目」
 かつての主たちの意思を継いだ叢雲・秋星(悪を削ぐ太刀・f02120)が女僧の罪を削ぐために黒刀『黒瘴』を構えた。身に纏う怨念を翅のように放出し、地を蹴る。薙刀を構え女僧は秋星の動きに注意を払うが、見失った。彼の高速移動が可能となった身を更に怨念を用いて推進力を増した動きは音速を超える。
「我が刃が断つはその首に非ず、貴様の咎を濯ぐものなり」
 女僧の背後から現れた秋星が本体たる黒瘴を振るった。闇の中で更に存在感を示す刃は獲物を刈り取る狩人のようなもの。視界の隅に映った刃に女僧が気づくも無傷で避けるには遅い。ただ、無傷でなければ避けることは可能だった。
「避けたか」
 腕を一本犠牲に距離を取った女僧は瀕死で膝をつく。そんな彼女の前に半透明なナニカがいた。それは御仏の姿をした幻影。信奉者たる女僧を護るためにその姿を現したようだ。
 新たに表れたのが何であれ、オブリビオンを打ち倒すのが猟兵たちの使命。ここで彼女たちを打ち倒すしかない。

大成功 🔵​🔵​🔵​

宮古・紫乃
生者を妬み、恨むのはいいです。思うだけなら自由ですから。
しかし、手を出すのなら、もう許されません。
貴方達にはここで消えてもらいます。


相手は二体。では、こちらはさらに多い数で囲んでしまいましょう。
勝つためにやれることはなんでもやりたいですね…
だって、戦いに卑怯なんてありませんから。

【おいで、私のお友達】で12体のぬいぐるみさんを呼び出して、全員の頬の数字が2になるように合体させます。
さあ、行って来てください。あの人を潰してしまいましょう?

ぬいぐるみさん達が行ってくれたら私はたまさんで恐怖を与え、好きを作れるように頑張ってみましょう。
少しでもぬいぐるみさん達の攻撃が通ってほしいですからね。



「生者を妬み、恨むのはいいです。思うだけなら自由ですから。しかし、手を出すのなら、もう許されません」
 あざらしのぬいぐるみを抱えた宮古・紫乃(ぬいぐるみさんと、死霊さんと一緒に・f04045)が敵である女僧と御仏の幻影を見据え想いを呟いた。思うことを罪に問えないが、それを行動に移してしまえば、誰かが止めなければならない。罪無き命を奪うのならなおの事。
「貴方達にはここで消えてもらいます。みんな、来てください」
 必ず止めると覚悟を決めた紫乃はお友達を呼び出す。頬に1と刻印されたぬいぐるみが12体、姿を現す。ぬいぐるみたちが2体一組で手を繋ぐと合体。合体したぬいぐるみは頬の数字が2へと変わり、強くなったように見える。
 6体のぬいぐるみと紫乃が女僧たちを取り囲むように展開する。ぬいぐるみ達が殴りかかり、紫乃が援護するように抱えているぬいぐるみ『たまちゃん』を掲げた。
「さあ、行って来てください。あの人を潰してしまいましょう?」
 女僧を庇うように幻影が拳を振るい、ぬいぐるみたち猛攻を退けていく。
 隙を作るようたまちゃんが抱えている宝珠がほのかに煌めくと幻影の動きが僅かに止まる。その一瞬をぬいぐるみたちも見逃さなかった。殺到する6体のぬいぐるみたちをいなしきれず、拳が幻影にめり込んでいく。
 御仏の幻影はその体を維持できず、徐々に輪郭が崩壊し始める。ぬいぐるみたちが離れると幻影の姿は消え去り、その陰に隠れていた女僧だけが立っていた。
 隻腕になろうと敵意は消えておらず、薙刀を手離さず猟兵たちを睨みつけている。敵の余力も僅かばかりだろう。討ち取るならば今しかない。

大成功 🔵​🔵​🔵​

藤野・いろは
【POW】
今回の首領は貴方ですか、どうやらもう取り巻きは残っていない様子
過去に何があったかは知りませんが、生者を恨み仇なす所業をさせるわけにはいきません

いかに幻影が強敵だとしても既に貴方は多くの手の内を見せています
同じ攻撃手段しか持ち合わせていないのならとうに『見切り』は終わっています
『破魔』の力を刀に込めて、『なぎ払い』勝負を決しましょう。
ええ、あなたの必殺の一撃に『カウンター』をするように、『先の先』に届かせましょう。
これにて貴方の妄念は幕引きとさせていただきましょうか
アドリブや改変、猟兵同士連携等歓迎です。



 白銀に輝く刀を手にこの場に駆けつけたのは藤野・いろは(天舞万紅・f01372)だ。いまだ戦意を失わずにいる女僧へ切っ先を向ける。
「過去に何があったかは知りませんが、生者を恨み仇なす所業をさせるわけにはいきません」
 女僧が動くより早くいろはが地を蹴った、刀を振り上げて。女僧は迫るいろはを避けるでも受け止めるでもなく、薙刀を彼女の胸へ突き出す。リーチの長さは女僧の方が上だが、いろははその動きを見切っていた。
「あなたの一撃、太刀に映せぬ前に終わらせます」
 身を屈め相手の間合いへ入り込む。万全の女僧なら攻撃の切り替えも可能だったろう。だが、今は隻腕の身、長柄を振るうには難しい。
 破魔の力を宿した刀が逆袈裟に女僧を切り上げた。その一撃は彼女の命を刈り取り、握られていた得物もその体躯も地へと倒れる。
「貴方の妄念はこれにて幕引きとさせていただきましょうか」
 刀を振るい、鞘へと納めて。彼女の視界の中で女僧は静かにその姿を塵へと変えていった。まるで眠りにつくかのように見えたかもしれない。
 こうしてひとつの農村は惨劇の舞台にされることなく幕を閉じた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『激闘!雪合戦!』

POW   :    投げる人

SPD   :    雪玉作る人

WIZ   :    雪壁作る人

👑11
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 怒濤の夜が明け、お天道様が頂上へ向けて動き出した頃。
 誰もが激戦に明け暮れて忘れていた者もいるだろう。戦場となった場所から少し離れた雪原。
 ここにはなぜか雪合戦用のコートが用意されていた。誰が用意したかはわからないが、命のやり取りのない戦いというのもいかがだろうか?
 わずかばかりの平穏だが、心から楽しんでもらいたい。もちろん、的として遊びたがりを巻き込むのも一興だろう。
月篠・あかね
雪合戦 アドリブ悪乗り可
勝った方がラーメンを奢る
トウロ団長、しきみん、それでいいのだ?
差深月・紫音(f02193)がOKならお招きして皆でわいわいできたらいいかなーとか思ってるのだ
これで3対1!?(鬼
…2対2なのだ

攻撃方法
・雪玉を投げる
無数に作った雪玉を百裂打法!!とかいいつつ地道に投げ続けるのだ
・ユーベルコード使用方法
かっこよく、ジェッジメント・クルセイドを使用してみる
光り輝くー!月ちゃんの一撃をー!
長い口上してるあいだにボコボコにされても仕方ないかなとか思ってるのだ。もちろん特に意味はないけどカッコイイからいいのだ
・回避方法
雪玉をキャッチもぐもぐ食べ

勝った場合
ふはははは
負けた場合
ぐぬぬぬぬ


四辻・樒
雪合戦
「ラーメンかあ、チョコバーも良いと思うけど雪合戦の後だし、ラーメンの方が良いかあ。月ちゃん、トウロ団長、じゃあラーメンおごりで了解だよっ。」


攻撃方法
・雪玉を投げる
【盗み攻撃】で相手の雪玉を奪って投げるんだよっ。
相手の物資を減らすのは戦争の常道だね。

・ユーベルコード使用方法
「ふははは、おびえろーすくめーっ」
『咎力封じ』を使用して相手の行動を阻害したら、その隙にどんどん雪玉を製造するのだ。

・回避方法(の様子)
【地形の利用】で相手の雪玉を防ぐのだっ。

勝った場合
「しょーりっ。これでラーメンいっぱい食べられるねっ。」
負けた場合
「ぐぬぬぬ、負けちゃった。次の機会には負けないっ。」


トウロ・コーラル
雪合戦
同旅団の二人と参加

勝った方がラーメン。了解ですよっ!

攻撃方法
・とにかく作って投げる。手数で勝負
「ていっ!えいっ!そりゃー!!」
・木の上の雪を雪玉で落としたり、手数で雪の中に埋める等で気絶を狙う
成功した場合、ユーベルコードでサモエドに変えて操る
「さぁ!雪玉をくわえて突撃ですよっ!」
戦闘後解除

回避方法
・円を描くように頭を振って避ける(華麗に?)
・避けられないようなら前に出ながら身体で受け止めるっ
「この程度で―げふっ。とめられ―へぶしっ」

勝った場合
「よしっ!美味しいラーメン食べにいきましょうっ」
スキップで

負けた場合
財布の中身を気にしながら
「くっ!仕方ない…好きなだけ食べてください!」
見栄を張る



 真っ白な雪原。そこにはカラフルな三人のシャーマンズゴーストたちと一人の青年が集まっている。
「この雪合戦、負けた方が勝った方にラーメンを奢る。トウロ団長、しきみん、紫音、それでいいのだ?」
 雪合戦のあとの楽しみを賭け事の対象にて月篠・あかね(犬好きの新妻・f04303)は他の三人へ提案する。この場で否を唱えるようなものはいないだろう。
「ラーメンかあ、チョコバーも良いと思うけど雪合戦の後だし、ラーメンの方が良いかな。月ちゃん、トウロ団長、紫音、じゃあラーメンおごりで了解だよっ」
「勝った方がラーメン。了解ですよっ!」
「俺も問題ないぜ」
 愛しい相棒の提案に了承をしめしたのは四辻・樒(シャーマンズゴーストの咎人殺し・f04432)だ。チョコバーも大好きな彼女だが、寒さのあとに食べるラーメンの旨さを知っている。
 同じ旅団の団長、トウロ・コーラル(サーヴァント谷のシスコンマンゴー・f00117)も提案に頷く。美味しいラーメンのためにも負けられぬと気合いが入る。
 差深月・紫音(羅刹の剣豪・f02193)も同じ旅団のよしみということで混ぜてもらっている。賭け事があるとなればやる気もみなぎるというもの。
 どうせならチーム対抗戦にと話が流れるのは当然のことで。厳正なあみだくじの結果、チームは決まった。
「チーム分けは月ちゃんとしきみん対トウロ団長と紫音なのだ!」
 組分けを声に出したのはあかね。愛しい相棒と一緒だということが嬉しいらしい。女性対男性の構図だが気にするものはいない。
 それぞれのチームが距離を取り、雪玉を作って下準備。雪壁はこの場にないのでほぼノーガードの投げ合いという形になるだろう。
 作戦会議もそこそこに辺りが再び静寂に包まれる。双方の様子をうかがっていた紫音が声をあげた。
「それじゃ、開始だ!」
 開幕の合図がしたと同時に紫音以外が動き出す。
「先手必勝だよ」
「百裂打法なのだ!! 受けてみよ!」
  樒は敵陣まで真っすぐに駆け出し、傍らに築いた雪玉の山から玉を取ってあかねがいい笑顔で樒に当たらない様に投げている。
「こちらも負けてませんよ! ていっ! えいっ! そりゃー!!」
 対抗するようにトウロも作り出した雪玉の山から玉を投げていく。
 双方の雪玉が投げかっている中を器用に掻い潜る樒が敵陣へ深く切り込んだ。狙いは紫音の作った雪玉の山。
「敵の雪玉を奪って投げるのも手の一つだよね。これもラーメンのため!」
「なっ!? まっ、ぶはっ」
 そばに居た無防備な敵は紫音なわけで、樒からの集中砲火を受け、あっけなく気絶してしまう。
「まずは一人だね。次はトウロ団長だよ!」
「くっ……。ですが、力を貸しておくれ。我らが友にして笑顔の素敵な君よ!」
 気絶した紫音へトウロが手を向けると、瞬く間に紫音の姿が真っ白でふわふわなサモエドの姿へ変わった。この雪原の中ではどこにいるか見失うかもしれない。
『わんわんっ!』
「はわわっ! サモエドなのだ! はっ、ラーメンのためなのだ。我慢なのだ」
「くぅ、サモエドなんて羨ましいんだぞ! だが、ラーメンのため、今は敵なんだよ!」
 犬が大好きなあかねと樒がサモエドをもふりたいが、食い気が勝り勝負を続行。あかねは顔をふって雪玉をせっせと作る。樒はサモエドから視線を外してトウロの方へ向かって地を蹴った。
「そこの雪玉をくわえて突撃ですよっ! ゴーです!」
『わんっ!』
 トウロの指示に従い、サモエドが雪玉をくわえてあかねの方へ駆け出す。あかねはそれに気づいた瞬間、ばっと雪玉を両手に構えてサモエドと相対した。
「光り輝くー! 月ちゃんの一撃をぉぉっ!?」
『わんっ!』
 大仰な身振りでユーベルコードを発動させようとしたあかねへサモエドが飛び込む。モフモフふわふわでありながらしっかりとした体躯、あかねの動きを完全に封じ込めることに成功した。
「モフモフなのだ……」
 あかねがサモエドのモフモフを堪能している。どこか幸せそうにもみえる。
 さて、その間に樒とトウロの死闘が展開していた。
「ふははは、おびえろーすくめーっ」
「何のこれしき! まだまだいけますよっ!」
 樒が枷や鎖をあちらこちらから呼び出してトウロの動きを制限しようとする。その姿はさながら悪を追い立てる狩人のようだ。
 その枷に鎖を軽やかなステップや円を描くように頭を振って避けている。かなりの接戦を繰り広げているのだ。
 トウロが雪玉に作ろうとすれば枷や鎖に捕らわれてしまうからかうまく攻撃に回れていない。攻めに転じられないように樒がうまく誘導しているのだ。
 一部の鎖が辺りの雪玉を拾っては投げて、一つだけ樒の方へ手渡しているが、トウロはそのこと気づいていない。気づく余裕がなかったともいえる。
「こっちから行きますよーって、あれ!? ないじゃないですか!!」
「隙ありだよ! これで終わりだね!」
 意を決して攻撃に移ろうとしたトウロだが、あるはずの雪玉へ手を伸ばそうとしたらすべてなかった。相手の物資を奪うという樒の作戦勝ちと言えるだろう。
 樒が投げた雪玉がトウロの顔面に炸裂!
 この中で唯一雪玉を浴びていないのは樒だけ。こうして勝利したのはあかねと樒チームだ。
「ふははははっ! 大勝利なのだ!」
「しょーりっ。これでラーメンいっぱい食べられるねっ! 月ちゃん!」
 もふっていたサモエドを手放して樒とハイタッチするあかね。勝利のダンスを楽し気に踊っている。
「くっ! 仕方ない……好きなだけ食べてください! 差深月さんも一緒ですからね」
「……あー、おぅ。もちろんさ」
 財布の中身を確認しながら見栄を張るトウロと同じく負けた紫音も奢る側に回る。
「どこのラーメン屋さんがいいのかな? しきみんはどこがいいのだ?」
「月ちゃんはどこがいいのかな? おススメのところはみんな違うだろうし」
「それでは、私のおススメのラーメン屋さんも候補にしてはどうでしょう?」
 行きたいラーメン屋がそれぞれ違ったので、後日、じっくりとお互いにおススメのラーメンを渡り歩くということで話はまとまった。
 これからの温かくて美味しい時間へ思いを馳せながら、まだしばらく遊ぶのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ミーヤ・ロロルド
雪合戦、楽しそうなのにゃ! えいえいえい!!
みんなと一緒に雪合戦して遊んじゃうにゃ!
一人は寂しいから、やりたそうな紫音くんと遊ぶにゃよ!
もちろん、遊びたそうな、村の子達とも一緒ににゃ!!

持ち前のスピードで、逃げ回りながら、弱い子いじめしてる子を狙って遊ぶにゃよ。
意地悪しちゃ駄目にゃ。
もちろん、手加減は基本にゃ。

ふふふ、ミーヤはアフターケアもバッチリにゃ♪ キュアを持ってきたから、ちょっとくらいの怪我なら、治してあげれるにゃよ!

いっぱい遊んだあとは、かまくら作って、美味しいお餅やお鍋とか食べるにゃ。
…そ、それが、目的じゃないにゃよ!
みんなで楽しく遊ぶのが目的なのにゃ♪
ちゃんと材料も持ってくにゃ。



 雪合戦のコートらしき場所から離れたところでかまくらを作っている村の子供が3人いる。遊んでいる猟兵たちのほうが気になるのか、チラチラみているようだ。そんな子供たちに声をかける少女。
「雪合戦楽しそうなのにゃ! みんなも一緒にやろうにゃ」
「いいの?」
 声をかけたのはミーヤ・ロロルド(人狼のガジェッティア・f13185)だ。彼女の誘いに一人が自分たちも一緒に遊んでいいのかと不安げに聞き返す。
「問題ないにゃ! みんなと遊ぶから楽しいにゃよ」
「やった! みんないこう!」
 ミーヤの答えに子供たちは歓声を上げると一緒に雪合戦に混ざるようだ。その様子が見えたのか差深月・紫音(羅刹の剣豪・f02193)もやってくる。
「おー、村の子供らか。なら、こっちはチーム戦より好きにやる方がいいかね」
「そのほうが楽しそうにゃよ。紫音君くんも一緒にやるにゃ!」
 紫音も含め総勢5人、組み分けするよりもそれぞれが楽しくやる方がいいと判断したらしい。これから始まる雪合戦へ期待しているのか子供たちは準備を始めた。
「おぅ、いいぜ。負けねぇからな?」
「ミーヤも負けないにゃよ!」
 全員が雪玉を作り終えたころ、紫音が用意できたと判断し声をあげる。
「それじゃ、雪合戦開始だ!」
「いっけー!」
「負けないよ!」
「なっ!?」
  開始直後、ミーヤは雪玉を手に走り出し、子供たちは動きださない紫音へ雪玉を投げつける。咄嗟に避けることができず、哀れにも紫音は早々にリタイア。
「ミーヤはここにゃ!」
「待ってー! このー!」
 素早い動きで翻弄するミーヤを3人の子供たちが追いかけるようになるのは自然の流れだろう。彼女を捕らえようと子供たちは躍起になり、雪玉を投げるがなかなか当たらない。
「まだまだいくにゃよ! えいえいえい!!」
「きゃっ! あたっちゃった。でも、お返し!」
 子供たちの事を考えて、投げる力を加減しているミーヤ。当たった子も痛くなく、楽し気に笑っている。その流れのまま雪玉をミーヤへ投げては新しいのを作るのだ。
「まだまだなんだから!」
「ふふふ、ミーヤもまだいけるにゃよ!」
 ミーヤと子供たちは楽し気に雪玉を投げては逃げて、当たっても笑いながら追いかけてを繰り返す。この場に響くのは子供たちの楽し気な笑い声だけ。
 この場所を楽し気で活気に満ちた声が満たしていく。
 小腹が空いたなと思ったとき、どこからかいい匂いがしてきたと感じたのは。

 早々にリタイアの紫音が七輪で何かを温めている。それは甘くて美味しい匂いを立てるお汁粉がだった。
「おーい、そろそろ汁粉ができるぞ。こっちで温まったらどうだ?」
「にゃっ! お汁粉食べるにゃー!!」
「わーい! お汁粉、お汁粉!」
 雪合戦は一時中断して、みんなで腹ごしらえ。どうせならと子供たちが作ったかまくらでお餅やら鍋やら支度をすることに。
「みんな一緒に作って食べるにゃ。きっと、もっとおいしくなるにゃよ」
「「「はーい!」」」
 ミーヤの提案に子供たちは元気に答え、紫音も静かに頷く。
 一緒に穏やかな時間をすごしていくだろう。みんなで力を合わせて作ったお鍋の味はとても美味しかった。

 今だけは戦いを忘れ、充実した時間を猟兵たちは過ごしただろう。
 穏やかな日々や平和を守るため、これからも猟兵たちは戦い続ける。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月18日


挿絵イラスト