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廃墟の学園に潜むモノ

#アルダワ魔法学園 #蒸気幽霊

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#アルダワ魔法学園
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#蒸気幽霊


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●旧校舎の蒸気幽霊
 壊れて放棄された蒸気機械と崩れ面影を僅かに残した学び舎が点在する空間に瓦礫の崩れる音が遠く響き……、その音に溜め息をつくような表情で校舎の壊れた扉から透けた人影が現われる。
『まだ、溢れだしはしないだろうけど……だいぶ増えてしまったし、困ったものだね。誰か来てくれるといいんだけど。どうしたものかな……ん?』
 僅かに神経質そうに放棄された蒸気機械を確かめながら歩いていた透けた人影が不意に顔をあげ、自身が感じた感覚を確かめるように歩みを変え進み始める。
『噂をすればじゃないけど【扉】が開いたみたいだ。頼みごとを聞いてくれる人ならありがたいんだけどなぁ』

●魔法学園の旧校舎
 グリモアベースの一室で訪れたあなた達を茲乃摘・七曜(魔術人形の騙り部・f00724)が立ち出迎える。
「ご参集いただき感謝します。今回の予知は、災魔の扉の先に関することとなります。知っておられる方や関わった方もいるかもしれませんがアルダワ魔法学園の地下迷宮にて災魔の扉と呼称される扉が発見され……脅威を排除した災魔の扉の先を現在、探索し始めております」
 そう言って、幾つかの大扉が描かれた資料があなた達の前に提示され、そのうちの一つ……抽象化された鳥の意匠が刻まれた大扉に赤い印が刻まれる。
「この大扉の先は、先行して調査に入った魔法学園の生徒からの報告で魔法学園の旧校舎となっていることが判明しています。その際、かつて大魔王と戦った英雄達の幽霊……蒸気幽霊と呼称される元学園生に遭遇をしており、旧校舎の下に大魔王を封じた「ファーストダンジョン」があることが確認されました」
 調査中ですがとさらにいくつかの資料が提示され、蒸気幽霊からもたらされた情報を含め説明が続いてゆく。
「ただ、旧校舎の地下に拡がる学園迷宮は危険度が高い……と、旧校舎で遭遇した蒸気幽霊から静止があったために調査を中断しております。ですので、今回のお願いとしましてはまず旧校舎にいる彼に学園迷宮に潜るだけの実力があることを提示していただきたいのです」

●蒸気幽霊と猟兵
 よろしくお願いしますと頭を下げた七曜が送り出すように言葉を紡ぐ。
「向こうにつけば、件の蒸気幽霊……エイルマーさんが迎えに来るとのことですので、仔細は彼に従って頂ければと思います。直接話をされた魔法学園の生徒さんの話ではどちらかといえば理系の落ち着いた雰囲気のかただったとのことです」


カタリツヅル
 初めてお会いする方も、再びご覧になっていただけた方もよろしくお願いいたします。カタリツヅルと申します。ご縁ありましたら、皆さんの活躍を描かせていただければと思っております。

 舞台はアルダワ魔法学園となります。旧校舎の蒸気幽霊と侵攻を深めつつ、学園迷宮に溢れた災魔の討伐を行う流れとなります。

 一章はエイルマーに実力を示すために訓練もしくは模擬戦を行います。一人で訓練していただいても構いませんし、他参加者との模擬戦闘訓練をしていただいても構いません。模擬戦闘訓練を希望される場合は【模擬】と記載をお願いします。また、訓練に的がいる場合は魔法学園より貸出致します。
 ただし、あくまで模擬戦闘訓練ですので負傷はせず、有効打を寸止めする形での決着となります。理性を失うユーベルコードでも、決着が着く攻撃で理性を取り戻す等、武具同士の激突はありますが、有効打となる攻撃はお互いに寸止めする形で扱わせて頂きます。
 訓練の代わりに、過去に戦ったオブリビオンとの戦いに関して話してみるのもいいかもしれません。

 二章は地下迷宮の一角、暴走状態にある蒸気魔法機械の破壊と素材集めとなります。こちらの結果により旧校舎の蒸気魔法機械群が修理され、三章でより有利に戦えるようになります。希望があればエイルマーの修理の手伝いを行うことも可能です。

 三章は集団戦となります。災魔の大軍勢に奇襲を仕掛けるかたちとなります。エイルマーの修理した旧校舎の蒸気魔法機械群を利用し正面から戦うには数の多い災魔を撃破してゆきます。

【補足】
 模擬戦闘訓練を希望される場合の勝敗判定は通常の依頼のように成功度で判定します。成功度が同一だった場合はより数値の低い方を勝利とさせていただきます。模擬戦闘訓練を選ばれた場合では2つ、戦闘行動のプレイング書いていただけますと助かります。
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第1章 日常 『鍛錬をしよう』

POW   :    拳と拳、体術勝負

SPD   :    技と技、技能勝負

WIZ   :    心と心、精神力勝負

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●蒸気幽霊は歓迎する
 災魔の扉をくぐり、蒸気魔法機械群で構築された廃墟の学園へと辿り着いた猟兵達を蒸気幽霊――エイルマーが僅かに申し訳なさそうに出迎える。
『ようこそ、旧校舎に。おもてなしも出来なくてすまないね。それと、失礼を重ねるようで恐縮なのだけど……あなた達の能力を見せて欲しい。ここまで辿り着ける実力を持った人たちに言うのはお節介かもしれないけど、ここの学園迷宮は幾分か危険が大きくてね』
 そう言いながら踵を返し、廃墟の学園を猟兵達と進むこと暫し。崩れた校舎を抜けた先にはかろうじて稼働音をさせる蒸気魔法機械に囲われた開けた空間。
『ここなら少々大きな音を立てても構わないし…、元々訓練に使われていた場所だから模造品の的や障害物を用立てることも出来る。だから、自由にやってもらえればと思うよ』
 あぁ…それと武器を抜きたくないとかあれば過去に戦った災魔との話でも大丈夫だよ、と話をエイルマーが締めくくる。
ティファーナ・テイル
SPDで判定を
*アドリブ・協力・共闘は可能な範囲で

鍛錬をします。SPDメインでPOW=WIZで挑みます「ボクはヘラクレス様に憧れてプロレスラーになったんだからキミとの鍛錬を挑戦させてもらうよ!」と力強く拳を握って挑みます。
「武器はボクの拳と脚尻尾だよ!」と見せて災魔に語って挑みます。
『スカイステッパー』で高速移動して『神代世界の天空神』で空間飛翔して可能なら隙を付いて『天空神界の超必殺技』で挑み捕らえたら両腕と脚尻尾を使って絞め技と関節技の複合技を極めます。避けられたら『ガディスプリンセス・グラップルストライカー』で高速スライディングで。

敵UCが厄介なら『天空神ノ威光・黄昏』で封じます。



●蒸気幽霊が願うもの
 廃墟となった学園の片隅で稼働し続ける蒸気魔法機械群を見渡していた猟兵達から一人の猟兵が、訓練場の傍に佇みむ蒸気幽霊の元へと近づいてゆく。

●過去の英雄と転校生
 金鱗に覆われた大蛇の下半身で独特の音を立てながら滑るように進むティファーナ・テイル(ケトゥアルコワトゥル神のスカイダンサー・f24123)が、猟兵達に道を譲るように身をかわしていたエイルマーの元へと移動し、少年のような口調で鈴の音のような少女の声を響かせる。
「はじめまして。ボクはティファーナ・テイル! ボクはヘラクレス様に憧れてプロレスラーになったんだ。だからキミとの鍛錬を挑戦させてもらうよ!」
『ヘラクレス様……か。すまない、生きていたのはずいぶん昔で寡聞にして知らない方だ。ただ、君が憧れの眼で語るということはとてもすごい人なのだろうね』
 力強く拳を握るティファーナの熱のこもった言葉にエイルマーが眩しいものを見るかのように声を零し…。
「もちろん! 知らないなんてもったいないよ。機会があったら教えてあげるね。……さて、ボクの準備はいいけどキミはどう?」
 それに嬉しそうに笑ったティファーナがエイルマーを訓練場に誘うかのように手を伸ばし、伸ばされた手がエイルマーの姿を通り抜け虚空を掻く。
『……っと、重ねてすまない。今の私はこの周囲にある蒸気魔法機械群を限定的に操作できるだけで戦うのは無理なんだ。この場所の機能で災魔を模した的を創るからそちらと戦ってもらって構わないかな?』
 そうなんだ…もちろん大丈夫だよ!準備よろしくね!とティファーナが大蛇の下半身をくねらせて訓練場の中央へと進んでゆく。

●鍛錬開始
 戦いの準備を整えた神蛇の舞闘姫の耳に四柱の蒸気魔法機械が稼働する音が響き、石畳が罅割れる音と共に人型を成してゆく。

●スカイステッパー
 蒸気魔法機械に創り出された石人形が軋みを上げる。小柄なティファーナからすれば見上げるほどの巨躯を構成した石人形に感嘆の声が上がり……。
「おぉ……これを倒せばいいんだね! キミと戦うボクの武器はこの拳と脚尻尾だよ!」
 その声に構うことなく石畳に新たな罅を生み出しながら重い足音を響かせる石人形が、ティファーナのいる場所ごと押しつぶすように振りかぶった巨拳を叩きつけ轟音が響き渡る。
「パワーはあるかもしれないけど動きは、全然遅いよ!」
 地面を震わせる一撃の余韻に被せるように声を響かせるティファーナがいるのは中空。金色の翼で空気を捉え…見えない足場を叩くように蛇脚で空中を翔けるティファーナが、身体を捻るように回転させ遠心力をのせた脚尻尾が石人形の頭へと直撃し追撃に拳を握りしめた刹那。頭部から石片を零す石人形が痛打の痛みも衝撃も感じさせない挙動で残った腕をティファーナへと突き出し巨大な掌がティファーナを捕らえようと迫る。
「……タフネスもすごいみたいだけど、当たらなければ意味はないかな!」
 空気を引き裂く壁のような一撃を、三度中空を蹴り身をかわしたティファーナが間近を通り過ぎる剛風に金髪を靡かせながら評価し……靡いていた金髪が生き物のように大きくうねる。
「それじゃ、神様の真の強さと……巨大で強くても人型の創造物には弱点があるってその身で教えてあげるんだから!」
 その言葉を証明するかのように伸びきった石人形の腕……その間接に黄金色の髪の毛が巻き付き、締め上げるように絡みついた蛇脚が関節へと負荷をかけ……軋みを上げる関節に止めの打撃が加えられバキンと石の破断する音と共に石人形の腕が折れて、肘から先が訓練場へ落下を始める。確かな手応えに石人形へと今度こそ追撃をかけようとしたティファーナが捕らえたのは風切り音。
 その音に危機感を刺激されたティファーナが石人形を足場にその場を離れ……寸前までティファーナがいた場所を石人形の無事な腕による一撃が通り過ぎ勢いのままに自身の折れた腕を砕く。
「っと!? あぶないなぁ。人型ならこういうのが効くと思ったけどダメージはあっても動きは止まらないみたいだね!」

●激戦
 金色の羽根を舞わせながら神蛇の舞闘姫が地表を中空を翔けぬけ、石人形を極め・撃ち・絞めその身を着実に砕き壊してゆく。

●終幕
 幾たび目かの石の破断する音と共に轟音が響く。そうして、巻き上がった砂ぼこりが収まり…可動部を砕かれ動けなくなった石人形を背後にティファーナがエイルマーへと向き直り胸を張る。
「どう? ちょっと時間は掛かったけど、倒したよ!」
『あぁ、しっかり見ていたよ。なるほど……猟兵というのはすごいものだね』

成功 🔵​🔵​🔴​

春乃・結希
【模擬】
エイルマーさんこんにちはー
ここで猟兵さんと戦えば良いわけですね?
頑張るぞー!(拳突き上げ

私が得意なのは接近戦
お相手が遠距離型なら、かわしたり『with』で受け流したりして懐に潜り込みます
お相手も近づいてくるなら喜んで真っ向勝負です!よろしくお願いします!
相棒の『with』は重くて大きいけど、彼と私の息のあった動きで、重さを感じさせないくらい大胆に振り回します
絶好のタイミングを見つけたら、相手の攻撃に合わせてカウンター気味にUCを発動です!

◆勝ち
やったー!勝ったよー!(『with』を抱きしめ)
ありがとうございましたっ

◆負け
負けたー…もっと強くなりたいなぁ…
でも次があったら負けませんから!


スピレイル・ナトゥア
【模擬】

「模擬戦を始める前に、ふたつ言っておきます。まず、私は1対1の戦いが苦手です。それに、接近戦もあまり得意ではありません。それを考慮したうえで、私が先に進めるかどうかの判断をお願いします」

先手必勝!
開幕から雷の紐を放って、相手の拘束を狙います
距離を取って精霊印の突撃銃で攻撃
【第六感】を使用して、相手の行動を予測します
少しくらいの攻撃であれば【オーラ防御】で耐えましょう
接近戦になったら精霊の護身用ナイフを抜きます

最後の切り札は大鷲のルパクティ
ルパクティの足に捕まって空を飛び相手の視界から消えて、上空から勢い良く【捨て身の一撃】を放ちます

エイルマーさんに認めてもらうためです
手加減はしません!



●蒸気幽霊が願うもの
 低く響く稼働音と烟る蒸気が時間を刻み……蒸気幽霊が見つめる中、四柱の蒸気魔法機械によって区切られた空間に案内された猟兵達の中から二人の猟兵が歩み出る。

●過去の英雄と転校生
 訓練場の床をブーツで鳴らした春乃・結希(寂しがり屋な旅人・f24164)が、此処まで案内してきたエイルマーへと振り返り、幾つもの世界を渡り歩いているうちに異世界の訛りが混じった特徴のある口調で朗らかに声を掛ける。
「っと、エイルマーさん。こんにちはー。ここで、あちらのかたと戦えば良いわけですね?」
『あぁ、そうなるね。怪我をしないように気を付けて』
「はーい。それじゃ、準備してきます! 頑張るぞー!」
 エイルマーに元気よく答え、拳を突き上げた結希が足元から圧縮された蒸気の噴き出る音をさせながら訓練場の中央へと駆け出し、その後ろ姿を見送ったエイルマーへと毛先の白い尻尾に鈴の着いた精霊の加護を宿した特別な赤いリボンを付けたスピレイル・ナトゥア(蒼色の螺旋の巫女姫・f06014)が鈴の音とともに近づく。
「エイルマーさん。模擬戦を始める前に、ふたつ言っておきます。まず、私は1対1の戦いが苦手です。それに、接近戦もあまり得意ではありません」
『それは、……すまない。もう少しここがまともに動いていたら障害物くらいは用意できたのだけど』
「……いえ、それを考慮したうえで、私が先に進めるかどうかの判断して頂ければ大丈夫です」
 そこは安心してくれていい、と答えたエイルマーに一礼したスピレイルがすでに中央へと辿り着き身体を軽く動かしている結希を見やり、黒漆塗りの下駄を鳴らし駆けてゆく。

●模擬戦闘訓練開始
 漆黒の大剣と共に歩む旅人が近づく足音に戦いの気配を感じ取り柔軟をやめ、自分自身が強いという暗示と共に笑みを作り、稼働する四隅の蒸気魔法機械へと好奇の視線を向けていた精霊の眼の巫女姫が距離を置いて集中力を高めてゆく。

●ライトニングリボンバラージ
 蒸気幽霊の稼働させた蒸気魔法機械群が開幕の音を刻む。重く響く重低音が訓練場を震わせ、迷わず行動を起こしたのはスピレイル。
「エイルマーさんに認めてもらうためです! 手加減はしません!」
 迷わず結希からバックステップで距離をとったスピレイルの全身にパシリッと青白い瞬光が奔り、空気を引き裂く音と共に両手の間を雷撃が輝かせる。
(先手必勝! 雷の精霊さん。お願いします!)
 スピレイルが訓練場に辿り着いた時に決めていた戦略のままに白磁にもにた青い瞳に映る結希へと雷撃を放ち、雷の精霊に操られるまま雷光が無数の紐へと別れて襲い掛かる。
「……わわっ。ごめん、withっ!」
 巻き付くように襲い掛かる雷撃の紐に結希が身をよじるように背負う漆黒の大剣へと手をかけ……小柄な身体からは想像できない大剣が自ら振られたかのような剛風を伴い漆黒の軌跡が描かれ、弾ける様な衝突音が響き渡る。
「眩しい…っと、あぶな…いっ! どうにか近づかないと……!」
 相棒兼恋人でもある大剣に支えられながら雷撃を迎撃する結希の周囲に瞬光が散り、破片となった雷撃の紐が激しい瞬きと共に結希の身体に衝撃が奔る。雷撃に焼かれる痛みを、身体に投与されたナノマシンで痛覚を弱めることでやり過ごした結希が黒い瞳を力を込め、いまだ乱舞する雷撃の網に挑む覚悟を決める。
 そうして、僅か後。全身を燻らせた結希が振るった漆黒の大剣が最後の雷撃の紐を撃ち砕き、その様子に僅かに目を見開いたスピレイルが振袖のようなに華やかな自作の改造巫女服を帯電させたまま精霊印の刻まれた突撃銃を取り出し息を整える。
「次は…銃みたいですね。でも、負けませんっ!」
 自身に向く銃口を恐れることなく結希が声を上げ、でもまずは近づかないと……!とwithを握る手に力を込め姿勢を徐々に低くする。そして、僅かに身を揺らし駆けだす方向を見定めさせないようにする結希に対して、暴発させないように注意を払いながら引き金にかけた指へと力を込めながらけ突撃銃の照準を静かに合わせるスピレイルの声が返る。
「はい、私もこの先に進むために全力で相手をさせてもらいます」
 スピレイルの虚を突くタイミングを計る結希と、結希の出鼻を挫こうと照準を正し続ける機先を制そうとするスピレイルの静かな対峙が続き……。
「……っ!」「……っ!」
 圧縮した蒸気の開放される音と共に弾かれるように駆け出した結希へとその動きに追従したスピレイルの指が突撃銃の引き金へと握り込んだのは同時。突撃銃から撃ちだされた弾丸が噴出する炎で周囲を焦がしながら飛翔し、姿勢を低くし不規則に曲がりながら駆ける結希が掲げた漆黒の大剣へぶつかり火花を散らしながら弾かれる。

●激戦
 降り注ぐ焔の弾丸を漆黒の大剣で受け流し、防ぎとめ、駆け抜ける旅人が火の粉に晒されながらも確実に距離を詰め、腕に返る反動を抑え込みながら精霊印の突撃銃で引き撃ちする精霊の眼の巫女姫が護身用のナイフへと視線を向ける。

●超強いキック!
 訓練場の床に焔弾が弾け、漆黒の剛風が振るわれる。焔弾の弾幕を創り上げながら軽い身のこなしで距離を維持しようとするスピレイルを、ついに間合いへと捉えた結希の放浪の名を冠したブーツから蒸気の開放される音が響き、強化された脚力が力強く床を捉える。
「この距離なら…私の間合いですっ! やっと、捕らえましたよ!」
 跳ねるように飛び、最後の間合いを詰め切った結希がすくい上げるように振るった漆黒の大剣がスピレイルへと迫り……。
「ごめんさい、炎の精霊さん。よろしくお願いします!」
 言葉と共にスピレイルが構えていた突撃銃が解けるように炎へと変わり、ゴウッと巻き上がった炎の柱がスピレイルに迫る斬撃を僅かな間押し留め…、鈍い衝突音と共に両者が弾かれ合い僅かな空隙が生まれる。その空隙に模擬戦が始まってからの息の詰まる攻防と真逆の緊張感を湛えながらも僅かに弛緩した、次の手を最良のするための凪のような時間が生まれ言葉が交わされる。
(手応えはあったけど防がれました……でも、接近戦なら私に分があります。なら、最短距離で近づいてカウンターで決めます!)
「お名前を聞くの忘れてました! 私は春乃・結希で…大切な相棒のwithです。ここからは全力で勝ちにいかせてもらいますっ!」
「……私はスピレイル。スピレイル・ナトゥアって言います。改めましてよろしくお願いしますね。私も負けるつもりはありません」
(近づかれる前に決着できればと思いましたが、姉さんにつけてもらったルパクティにも手伝ってもらわないといけないかもしれません)
 そうして、交わされていた言葉が途絶え…結希がブーツからたなびく蒸気の名残を置き去りに駆け出し、スピレイルの全身に微かな紫電が奔り、戦いの幕が再び上がる。
 間合いを詰めるまでに耐えた時間を取り戻すように結希が駆ける勢いそのままに漆黒の大剣を豪快に薙ぎ払い、剛剣の軌道を身体の周囲を奔る微かな雷撃で予測したスピレイルが精霊の加護を宿したナイフで軌跡をずらすように受け流す。引き裂かれる風の中、受け流した大剣の内側に潜り込むようにスピレイルが踏み込み、結希の腕へと護身用のナイフが迫り……ガキリとその一撃を受け止めたのは大剣の柄。重心がずれたかのように跳ね上がった漆黒の大剣が結希の手の中で自ら動いたかのようにナイフを遮り、千載一遇の機会が生まれる。
「ありがとう、withっ! 懐に潜り込まれても、ここだって私の間合いです…!」
「……ルパクティっ!」
 交錯は一瞬。漆黒の大剣をバックウェイトにブーツによる脚力の強化を余すことなく伝えた回し蹴りが、力強い羽ばたきの音と共に背後に飛んだスピレイルの腹部を掠め空を切る。その光景に目を見開いた結希の目の前で大鷲に肩を掴まれたスピレイルが器用に身を捻り空中に身を躍らせ軽い着地音と共に結希へと手を突きつける。

●終幕
 決着を告げるように四柱の蒸気魔法機械が重低音を奏で、スピレイルが突きつけていた手を結希へと差し出し、握手が交わされる。
「あぁ、負けたー…もっと強くなりたいなぁ…。でも、次があったら負けませんから!」
「ありがとうございました、結希さん。はい、このような機会がまたあればよろしくお願いします。私も研鑽しておきますから……それで」
 そういって視線をずらしたスピレイルが見つめるのはエイルマー。その様子に模擬戦の目的を思い出した結希が僅かに焦ったように今後の探索の事へと意識を戻し尋ねるように言葉を零し、スピレイルが質問を繋げてゆく。
「エイルマーさん……負けちゃったら地下迷宮に潜れないとかありますか?」
「私も、私自身がエイルマーさんの求める強さに達しているのかは気になっています、どうだったでしょうか?」
『いや、二人とも予想以上だったよ。むしろ、私の我儘に付き合ってもらった形だから感謝してる。だから、春乃さんの心配は無用のものだし……ナトゥアさんにもこれからの協力をお願いするよ』

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

アマータ・プリムス
能力を見せて欲しい、ですか
戦わなくてもいいのはありがたいです
とはいえ、どの話をしましょうか

「さて、なにをお話ししましょうか。これでもこの世界は生まれ故郷ですので」
迷宮踏破の実力を知りたいとのことなのでこの学園で戦った災魔のお話をいくつかしましょうか
※どの依頼のどの戦闘に関して話すのかはお任せします

「こんな所でしょうか? 戦闘はあまり得意ではないですが仕事はきちんとこなしますのでご心配なく」

さて、話すことは話してしまいましたしあとは雑談でもしましょうか
エイルマー様自身のこと、生前の覚えていることなど話してくれる限りのことを聞きましょう

「ああ、言い忘れておりました。これまで色々とお疲れ様でした」



●蒸気幽霊が願うもの
 四柱の蒸気魔法機械の奏でる重低音が空気へと溶けてゆき、模擬戦を終えた猟兵達と入れ違うように一人の猟兵が蒸気幽霊の元へと歩み寄ってゆく。

●過去の英雄と転校生
 銀色の旅鞄を携え姿勢を正し進むアマータ・プリムス(人形遣いの人形・f03768)が、エイルマーの姿を桃花色の瞳に映し込みながら、訓練場に案内された時の言葉を思い出し言葉を零す。
「ふむ、能力を見せて欲しい……ですか。過去に大魔王とも相対した方のようですし、地下迷宮は相応に危険のようですね。さておき、戦わなくてもいいのはありがたいです」
 とはいえ…どの世界の話がいいのでしょうか?とこれまでの数多くの世界を廻り積み上げてきた記憶にアマータが小首を傾げ…、魔法学園のものがよさそうですが…本人に直接聞くことにしましょう、と結論付けて足を止め、一礼と共にエイルマーへと声を掛ける。
「初めまして、エイルマー様。当機はアマータ・プリムスと申します。以後、よろしくお願い致します」
『こちらこそ、よろしく。もう聞いているようだけど、エイルマーというよ。姓はなくてね』
「そうなのですか? っと、失礼しました。まずは当機がエイルマー様の望まれる話をしなければなりませんね」

●人形遣いの人形と魔法学園
 アンティークドールのメイドが銀色の旅鞄を足元へと降ろし、ふと視線を巡らせた蒸気幽霊に合わせ四柱の蒸気魔法機械が音を奏でる。

●魔法学園の異変と猟兵
 石材が軋む音を奏でながら椅子と机を作り上げてゆく。即席ではありながらも座るのには不自由のない周囲の変化にアマータが感謝を伝えながら椅子へと座り、その対面へとエイルマーが移動する。
「ありがとうございます、エイルマー様。……さて、なにをお話ししましょうか。これでもこの世界は生まれ故郷ですので、お伝え出来る事も多いとは思いますが……」
『……そうだね。それなら今のアルダワ魔法学園がどうなっているかと、ここに繋がる学園迷宮で戦った災魔の話が嬉しいかな?』
 望む話を訪ねるアマータに答えたエイルマーがついと、災魔の扉があった方向へと視線を逸らし穏やかな雰囲気が瞬刻、英雄と呼ばれていたころのそれと変わり…。その様子にアマータが猟兵達と魔法学園の関係が、迷宮最下層に異変が起こり変化した近年の出来事が適切だろうと判断し、口を開く。
(なるほど、今もかつて大魔王と戦った人となりそのままというわけですね。…ならば、どんなことがあったかをそのまま話すのがいいでしょう) 
「もしかしたら、察知されているかもしれませんが……現在、アルダワ魔法学園の地下迷宮は刻一刻と姿を変えるようになってしまっております。この旧校舎に辿り着くにも異世界の謎……アルダワ魔法学園の生徒では解けない謎を解く必要がありました」
 そうして、事実を丁寧に語ってゆくアマータの話をエイルマーが真剣な表情で静かに聞いてゆく。

●人形遣いの人形と地下迷宮
 地上に向けて侵攻してきた黒鎧の騎士団を、学園へと襲撃を仕掛けてきた暗黒面を名乗る集団を、旧校舎に至る扉を封じていた梟人をアンテークドールのメイドが訥々と語ってゆく。

●礎の英雄
 訓練場に響く声が途絶え、重い稼働音のみが響いてゆく。魔法学園の地下迷宮であった出来事を語り終えたアマータの前で深く考え込むように沈黙するエイルマーが僅かな時間を置き顔をあげる。
「……当機がお話しできるのはこんなところでしょうか? 戦闘はあまり得意ではないですが仕事はきちんとこなしますのでご心配なく」
『あぁ、ありがとう。しかし、思ったよりも困った状況のようだね……頼りにさせてもらうよ』
 そう言って改めて頭を下げたエイルマーにお任せくださいと返事をしたアマータが言葉を繋ぐ。
「もしよろしければ、エイルマー様の事もお聞きしてもよろしいでしょうか?」
『私のことを? 構わないけど、あまり面白いことでもないと思うよ?』
 アマータからの提案に驚いた顔のエイルマーが、過去を思い出すように視線を中空に泳がせ……ぽつぽつと語ってゆく。
『今も残っているかは分からないけど……、元々は地方の名士の家系でね。正義感に英雄への憧れ……少年らしい衝動に突き動かされて、親に勘当されてまで魔法学園に入学したのが始まりだったんだ』

●終幕
 そうして僅か後、過去の魔法学園での事を語ったエイルマーが話を止め、アマータへと問いかける。
『さて、これでよかったかな? 大魔王に関する事などは旧校舎を取り戻してからのほうがいいだろうしね』
「はい、ありがとうございました。それと…、言い忘れておりました。これまで色々とお疲れ様でした」

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 冒険 『スポーン・ルーム』

POW   :    壊せば止まるでしょ!ひたすら物理で壊していく。

SPD   :    正しく解除する手順があるはず!パズルを解くように止めていく。

WIZ   :    命令を上書きしちゃえ!魔力や科学力で止める。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●蒸気幽霊は依頼する
 四柱の蒸気魔法機械を背にエイルマーが感謝の言葉と共に深く一礼する。
『私の我儘に付き合ってくれてありがとう。猟兵の皆さんには地下迷宮には潜ってもらっても構わない……いや、むしろ、旧校舎に災魔が溢れださないように協力をお願いしたい』
 ただ……と言葉を繋ぎつつ、顔をあげたエイルマーの表情が申し訳なさそうに歪み、地下迷宮の現状を伝えてゆく。
『現状、地下迷宮には長い間討伐されなかった災魔が犇めき合っている状態でね。これを正面から突破するのは危険が伴う状況になってしまっている。だから、私にも微力ながら協力をさせて欲しい』
 そう言ってエイルマーが視線を向けるのは比較的に綺麗な外観の廃墟の校舎。
『この姿ではほとんどのものには干渉できないのだけど……例外的に一部の蒸気魔法機械には干渉することが出来てね。あの校舎の中にある、蒸気魔法機械を持って帰ってきて欲しいんだ。あぁ、少々の破損なら直せるから遠慮なく扱ってくれて構わない』

●稼働する旧校舎
 さて、少し話が長くなってしまっていて申し訳ないけど…もう少し時間をくれると嬉しいとエイルマーが猟兵達の顔を見渡し話を続ける。
【あの校舎で稼働している蒸気魔法機械群は3種類。一つ目は人型の蒸気魔法機械…所謂、ゴーレムと言えば通りがいいかな? やってもらいたいことはそのゴーレムが保管されている部屋に行って起動したゴーレムを破壊して持って帰ってくること。数と戦いになるから体力や力に自身のある人に向いていると思う】
【二つ目は、設置型の蒸気魔法機械。一例をあげると雷撃を周囲に撒き散らす機械や酸などの液体を散布する機械、矢羽根を飛ばす射出機……迷宮にある罠らしい罠という感じのものとなるよ。これに関してやってもらいたいことは作動させずに解除してもらうことになる。器用な人が得意じゃないかと思ってるよ】
【三つ目は、稼働型の蒸気魔法機械。大型の自動扉や昇降機……落とし穴や釣り天井等の巨大な装置群になる。これに関しては持ち運びは難しいだろうから機能を停止させてもらってその後は私が対応しようと思ってる。なので、やってもらいたいことは装置を停止させることになるね。知識が多い人が向いてるかなと思う】

●蒸気魔法機械群と猟兵
 結局…またお願いが増えてしまって申し訳ないけどよろしくお願いするよ、とエイルマーに送り出された猟兵達が旧校舎で稼働する罠を手に入れるために先へと進んでゆく。
ティファーナ・テイル
SPDで判定を
*アドリブ・協力・共闘は可能な範囲で

「壊せば良い!コレならボクでもできるね!」と笑顔でゴーレムに向かいます。
『セクシィアップ・ガディスプリンセス』で本気モードに変身して『スカイステッパー』で間合いや距離を見極めつつ隙を見て『天空神界の超必殺技』で絞め技と極め技を仕掛けます。避けきれない攻撃には『神代世界の天空神』で空間飛翔して避けて敵UCは『天空神ノ威光・黄昏』で封印します。
攻撃を受けたり避け切れ無かったら『エデンズ・アップル』で体力を回復を計って『ガディスプリンセス・グラップルストライカー』で蛇脚尾での打撃や髪の毛を絡めての攻撃で破壊して行きます。

「これがボクの神様パワーさ!」



●旧校舎と蒸気幽霊
 長く放置され物悲しい雰囲気をさせる旧校舎に向けて歩ぎだした猟兵が、ふと足を止めて後ろを振り返り見送るように佇む蒸気幽霊の元へと戻ってくる。

●蒸気幽霊の頼み事
 金鱗の大蛇脚から鈴の音ような擦過音をさせながらエイルマーの正面へと移動したティファーナ・テイル(ケトゥアルコワトゥル神のスカイダンサー・f24123)が、金糸で編まれた腕飾りと豪奢なブレスレットの擦れあう澄んだ音と共に拳を握り笑顔を見せる。
「っと、迷惑なんて気にしないでいいよ! だって、神様プロレスラーを目指しているんだから、困っている人を助けないで何がプロレスラーだい! そう、人々皆を笑顔にするのがプロレスラーだからね!」
 天真爛漫に振舞うティファーナは、先ほどのエイルマーが猟兵達に語った旧校舎の地下にある学園迷宮から溢れだそうとする災魔達の状況や蒸気幽霊としてのエイルマーの状況……事態の機微ではなく、困っている人の役に立てることが嬉しくそうしたいのだと伝え…、その様子に眩しいものを見るかのようにエイルマーが言葉をかける。
『なるほど、それは素晴らしいね。なら、私がすべきなのは笑顔で見送ることかな? 災魔よりは危険は少ないけれど気を付けて欲しい』
「大丈夫! 任せておいて! ちゃんと、蒸気魔法機械持って帰ってくるから!」
 あぁ…期待しているよ、と送り出したエイルマーに元気よく手を振り、旧校舎へと向き直ったティファーナが崩れた扉をくぐりの中へと消えてゆく。

●ゴーレム・スポーン・ルーム
 廃墟となった学び舎の暗がりを目的地を目指して神蛇の舞闘姫が教えられた通りに迷うことなく先へと進んでゆく。

●セクシィアップ・ガディスプリンセス
 冷たく濁った空気へと重なるように駆動音が響いてゆく。伝えられた部屋に辿り着いたティファーナを出迎えたのは幾つもの係留装置に保持された多数の人型蒸気魔法機械群……ゴーレムの群れ。
 部屋への侵入者に反応し、ゴーレム達の動力炉へと蒸気が満ちていく重い稼働音が響き、エイルマーが訓練場で呼びだした石人形と良く似たその頭部に赤光が灯り始める。その様子を黄金色の双眸に映し込んだティファーナがどこからともなく取り出したメモへと視線を落とし周囲が眩い輝きに包まれる。
「神々の絢爛豪華な全てを見せてあげる!」
 ティファーナの言葉と共に弾けるのは夜明けを照らす朝日を思わせる絢爛な黄金。響きだした鼓動し、鳴動し、脈動する謎の波動に合わせ、輝きが全てを染め上げ、その光の中で影絵となったティファーナの姿が変わり……一際大きく、黄金が踊る。そうして、ティファーナを覆っていた輝きが収まり、起動を終えたゴーレムの無機質なレンズに映り込むのは扇情的で魅惑的な身体を薄絹で覆った幾多の金銀財宝を周囲に浮かべる神蛇の娘。美しく蠱惑的に成長したティファーナが、その顔に笑顔を浮かべ不思議と響く言葉を零す。
「壊せば良い! コレならボクでもできるね! むしろ得意だし、いっくよー♪」
 その声が合図になったかのように動き出したゴーレムの群れへと駆け出したティファーナが、自身へと目掛けて振り下ろされた拳を滑らかにするりと躱し、ゴーレムの足を垂直に駆けあがる。

―ゴキン

 間を置かず鳴り響くのはゴーレムの胴体が絞め壊された音。より艶やかにより強靭に成長した輝く金鱗に包まれた大蛇脚がその力を遺憾なく発揮してゴーレムを破壊し……その被害を厭うことなう別のゴーレムが振りぬいた拳がティファーナへと迫る。
「……っ! 訓練用よりは強いみたいだねっ! でも、これくらいじゃ負けられないよっ!」
 重く空気を切る一撃を遮るようにティファーナの豊かな黄金色の髪がたなびき、浮ぶ財宝を盾として纏め上げ…、財宝の盾を砕き勢いを落とした巨拳を大蛇脚で蹴りつけ中空を翔けたティファーナが仕切り直すように拳を突きだす。

●ゴーレム・スポーン・ルーム
 鋭く振り回された神蛇の舞闘姫の大蛇脚が人型蒸気魔導の拳と打ち合い轟音を奏で、戦闘の衝撃が旧校舎を揺らしてゆく。

●終幕
 硬く罅割れる音と共に圧縮された蒸気が解放される。最後のゴーレムが動きを止めるとともにティファーナの姿が常の少女のものへと戻り、周囲に積み上げられた蒸気魔法機械に満足げに頷いたティファーナが勝鬨をあげる。
「ふふん♪ これがボクの神様パワーさ! さって、あとはこれを持って帰ればいいだけだね!」
 それじゃどうやって持って帰ろっかな…それとも来てもらった方がいい?と頭を捻りながらもティファーナが楽し気に役立ちそうなパーツを選定し、大蛇脚に載せて戻る準備を整えてゆく。

成功 🔵​🔵​🔴​

スピレイル・ナトゥア
機械のことなら私に任せてください!
雷の精霊さんなら電力充電なんて楽勝です!
……アルダワ魔法学園の機械は蒸気で動いてるんですか?
知っていたはずなのに、すっかり忘れてました
エイルマーさん
私どうしたらいいんですか!?

エイルマーさんの言う通りに行動します
とはいえ、普通に考えたら私はゴーレムの破壊要員でしょうか
その場合、精霊印の突撃銃でみんなを【援護射撃】して戦います
もちろん、稲妻の矢で敵を攻撃することも忘れません

私、こんな蒸気魔法機械ははじめて見ました
蒸気の力でこんなことができるなんて、不思議なものです

電力で動く機械を充電するなら雷の精霊……
だったら、炎の精霊を使えば蒸気を充電できたりするのでしょうか



●旧校舎と蒸気幽霊
 廃墟となった学び舎へと消える猟兵を追うように別の猟兵が歩みを進め、崩れかけた扉をくぐる前にクルリと蒸気幽霊へと振り返る。

●アルダワ魔法学園の『蒸気』魔法機械
 可愛らしい自作のティアラの緑玉を光に透かしながらスピレイル・ナトゥア(蒼色の螺旋の巫女姫・f06014)が、エイルマーへと雷の精霊にお願いして生み出してもらった白雷を纏いながら出発を告げる。
「機械を停止させたり、壊したりして持って帰ればいいんですね! それなら私に任せてください! 雷の精霊さんなら電力充電なんて楽勝です!」
 ビシリッと決めたスピレイルへと、エイルマーが困った表情で認識の違いを告げ…、ピシリッとスピレイルの表情が固まる。
『すまない、ナトゥアさん。アルダワ魔法学園の機械は電気ではなく蒸気を動力としていてね』
「……!!? ……アルダワ魔法学園の機械は蒸気で動いてるんですか? いえ、そうでした……。知っていたはずなのに、すっかり忘れてました」
 失念していた事実を思い出したスピレイルが、僅かに消沈した雰囲気で踵を返しエイルマーの元へと足を運び、先達へと助けを求める。
「エイルマーさん…、蒸気で動く機械とか想像できません! 私どうしたらいいんですか!?」
『……では、少し話を聞いていくかい? 一分一秒を争う事態ではないからね』
「はい!」

●蒸気幽霊の個人授業
 エイルマーの提案に一も二もなく頷いたスピレイルの周囲が訓練場の時と同じよう変化し机と椅子が用意される。
『さて、蒸気魔法機械の概略から説明を始めようか。まず、最重要部分の動力炉には魔法で水と火を生み出す刻印が刻まれている。そこで出来た蒸気を――(中略)――』
「機械の要所に蒸気が供給されて…蒸気機関が熱量をエネルギーに変えるんですね。電動式のモーターというより車のエンジンとかが似てるんでしょうか? あと、コンピュータの代わりが解析機関……??」
『ふむ、寡聞にして電気で動く機械には詳しくないが動力、伝送路、稼働機構に制御装置と類似点はあるはずだね。それと、――(中略)――』
「ありがとうございました! エイルマー先生。それとなくわかった気がします! あと、私、どの蒸気魔法機械群の回収に行ったらいいでしょう!?」
『そうだね。スピレイル君の炎の精霊は稼働型の蒸気魔法機械と相性がいいんじゃないかなと思うよ』

●稼働型の蒸気魔法機械
 蒸気幽霊に見送られ精霊の眼の巫女姫が教えられた道順を辿り無人の学び舎の一角を目指して慎重に足を進めてゆく。

●精霊と蒸気魔法機械
 重厚な障壁が幾重にも噛み合わさるように動き出し行く手を遮る。蒸気と共に迫り出し通路を封鎖しきった隔壁に興味深げな視線を向けるスピレイルが、感嘆の言葉を零し。
「私、こんな大きな蒸気魔法機械ははじめて見ました。蒸気の力でこんなことができるなんて、不思議なものです」
(エイルマー先生が『蒸気魔法機械の特徴として蒸気を作る部分を外部には作りにくいんだ』と言っていました。なら、そこを見つけて壊せばいいはずです)
 先ほどエイルマーから講義を受けたことを思い出しながら装置の機能を止める手順を組み立ててゆく。
「雷の精霊さん。出番です! 蒸気魔法機械も金属製とのことなので動力炉を見つけてください! それと、炎の精霊さんもお願いします! 動力炉の中にある蒸気を加熱すればいつか圧力に動力炉が負けるはずです!」
 その言葉と共にスピレイルから放たれた雷撃と撃ちださされた火球が隔壁へと衝突し沁み込むように内部へと消えてゆく。そうして、蒸気魔法機械のたてる微かな重低音だけが響く通路でスピレイルが成功を祈り、時間が過ぎてゆく。
「蒸気を作るには水と火が必要……。ですが、蒸気に干渉するだけなら炎の精霊さんだけでも大丈夫とエイルマー先生に太鼓判をもらいましたし…、機械の構造に関しては雷の精霊さんが詳しいみたいですから問題ないはずです…! 精霊さん達、頑張ってください!」

●稼働型の蒸気魔法機械
 硬く閉ざされたままの隔壁を見つめる精霊の眼の巫女姫が鈍く響く爆発音を感じ、重厚な隔壁が緩むように開いてゆく。

●終幕
 何処からか溢れた蒸気が通路を満たしてゆき、隔壁を操作していた蒸気魔法機械が動作を完全に停止する。その僅か後、蒸気の中から戻ってきた精霊達を迎え入れたスピレイルが、個人授業の中でエイルマーに聞かれたこと炎の精霊へと問いかける。
「私、炎の精霊さんに爆発を起こして貰ったり、剣になって貰ったりしていますが……、熱を吸収したりとかもできますか? 蒸気は冷やすのも有効と教わりました!」
 そうして、精霊達と会話をしながらスピレイルがエイルマーに依頼されたことが完了したことを伝えるために来た道を戻ってゆく。

成功 🔵​🔵​🔴​

アマータ・プリムス
ふむ、設置型の蒸気魔法機械ですか
作動をさせずに持ち出すとなると少々難しそうですがやりましょう

罠がどう感知しているかもわかりませんし念には念を入れて
UCを発動しアルジェントムから迷彩マントを取り出して羽織ります
これで視覚と熱源感知は問題ないですね
接触感知については気をつけるといたしましょう

さて、矢の射出機を持ち出すとしましょうか
近づき過ぎて矢が飛んできても困るので距離を置いて指先からフィールムを伸ばし巻きつけます
そのまま罠を一本釣りしてアルジェントムへ仕舞います
「とりあえず目につく物は手当たり次第に持っていきましょうか」

というわけで目につく罠をフィールムで釣り上げ回収です
「取り過ぎましたかね?」



●旧校舎と蒸気幽霊
 蒸気幽霊が行う個人授業を横目にどことなく慣れた懐かしげな雰囲気をさせながら廃墟となった学び舎を見上げていた猟兵が暗がりへと消えてゆく。

●蒸気幽霊の頼み事
 かつて流行していた建築方式が要所に見受けられる旧校舎をゆっくりと進むアマータ・プリムス(人形遣いの人形・f03768)が、エイルマーからの依頼を思い返しながら足を止め銀色の旅鞄の留め金へと手をかける。
「ふむ、設置型の蒸気魔法機械ですか…。作動をさせずに持ち出すとなると少々難しそうですがやりましょう。しかし、エイルマー様は熱中するとまた別の顔されていましたね」
 ちらりと見た光景に感じた微笑ましさを滲ませる声を零したアマータが旅鞄から取り出したのは夜色の外套。さて……それではいきましょうか、と翻した外套がアマータを隠し…。いつの間にかヴィクトリアンメイド服から編み上げブーツに革のコルセット、裾をベルト締めした上着と動きやすい衣装へと服装を変えたアマータの姿と気配が旧校舎の暗がりに沈むように周囲へ同化してゆく。
「さて、罠がどのように感知しているかもわかりませんし、念には念を入れて進んでいきましょうか」

●設置型の蒸気魔法機械
 足音を殺し滑るように人気のない学び舎を進むアンティークドールのメイドが廊下に設置された蒸気魔法機械群をその瞳に映し込む。

●マギア・フィールム
 軋むような微かな稼働音が静かな空気へと溶けてゆく。設置された射出機が矢羽根を充填する様子を見せないことに僅かに息をついたアマータが慎重に周囲を探り、魔力の輝きをみせる無機質なレンズや、廊下の模様に紛れこんだ機械回路の位置を割り出し…。
(……、油断はできませんが反応はありませんね。光学的な感知と熱源感知は誤魔化せていそうです。蒸気式の機械であれば振動の感知は確実にありそうですが、そこは気を付ける事といたしましょう)
 息を潜めながら感知器の配置を頭の中で整理してゆくアマータの指先から、微かに光を反射させる極細の傀儡鋼糸が音もなく伸びだす。そして、アマータの予測した感知器の位置を避けながら進む傀儡鋼糸が、蒸気魔法機械群に存在を感知されることなく射出機へと取り付きその機能を解体してゆく。
(矢羽根の供給機構…と射出機本体の位置調整機構は問題なく分解可能のようです。……射出機自体もこれでいいでしょう。固定台は……、取り外せたら持ち帰りましょうか)
 設置された射出機をメンテナンスするかのように、アマータの操る傀儡鋼糸が射出機を機構毎のパーツへと変え、細い傀儡鋼糸の巻き取った部品たちがいつの間にか解放されていた銀色の旅鞄へと詰め込まれてゆく。
「……解体も回収も問題ありませんね。感知器類をどうするか考えないといけませんが…とりあえず目につく物は手当たり次第に持っていきましょうか」
 それから、僅か後。廊下の両脇に並んでいた射出機がすべて分解され、固定台と感知器へと繋がる制御機構部分だけが残される。その周囲の状況に頷いたアマータが分解した部品を銀色の旅鞄へと投げ込み……代わりに南瓜頭の案山子人形が飛び出してくる。
(『……いい加減しとけヨ、愚姉! どうかんがえても取りすぎだろーがヨ!』)
「余計なお世話よ、愚弟。それより、壁に埋まってる部分を取り出すから手伝いなさい」
 蒸気魔法機械を一揃い回収するまで帰路につきそうにないアマータの様子にネロが口元を憮然と歪め、漆黒の外套から取り出された大鎌が廊下の壁へとあっさりと沈む込み、変則的な傷跡を刻みつける。そうして、その傷跡へアマータの操る傀儡鋼糸が突き立ち、壁を砕きながら取り出されたのは蒸導管と熱変動を感知する差動式蒸気機械。そのまま収納するには巨大な蒸気魔法機械をネロの操る大鎌が幾度か断ち切り、修理可能な状態で分断されたそれらが銀色の旅鞄へと吸い込まれてゆく。
「ネロ。次は光学感知器と振動用の感知器の回収をしますよ」
(『……ケケケッ! エイルマーってやつも苦労することになるナ!』)

●設置型の蒸気魔法機械
 南瓜頭の案山子人形が大鎌を振るい廊下を切り崩し、アンティークドールのメイドが次々と蒸気魔法機械を回収してゆく。

●終幕
 開かれた旅鞄の中へと最後の部品と南瓜頭が消えてゆく。設置型の蒸気魔法機械群を回収し終え、幾分かすっきりとした雰囲気へと変わった旧校舎の通路を見つめたアマータがポツリと零す。
「……ネロの言うように取り過ぎましたかね? まぁ、数が不足するよりは良いということにいたしましょう」
 とはいえ…張り切り過ぎましたか、と微かに苦笑したアマータがエイルマー達の待つ校舎の外へと向かって戻ってゆく。

成功 🔵​🔵​🔴​

春乃・結希
模擬戦では負けちゃったのはちょっと悔しいけど…先に進んでいいみたいでよかった…(ほっ

えっ思いっきり暴れていいんですか?
はいはい!私はゴーレムのところが良いです!

withと私の前では、ゴーレムの硬い体なんて意味ありません、ぼっこぼこにしてあげます【鎧無視攻撃】
【ダッシュ】で駆け回りつつ、どんどんゴーレムに向かっていきます

ゴーレムの攻撃を掻い潜り、回避が間に合わない時はナノマシンで硬化した素手で痛みをキャンセルしつつ無理矢理受け止めます。力比べなら負けませんっ【怪力】
ついでにお土産持っていって!UC発動!

近接戦でwithと私に勝てると思わないでください!


…エイルマーさん…これ使えますよね…?



●旧校舎と蒸気幽霊
 地下迷宮の奥に存在する人気のない学び舎に語る声が溶けてゆき、猟兵達に道を譲るように移動した蒸気幽霊へと一人の猟兵が近づいてゆく。

●蒸気幽霊の頼み事
 模擬戦で使用した蒸気魔導式のブーツの整備を終わらせた春乃・結希(寂しがり屋な旅人・f24164)が、エイルマーからの説明を聞く間、抱きしめていた漆黒の大剣――with――を背負いなおしながら安堵のため息をつく。
(模擬戦では負けちゃったのはちょっと悔しいけど…先に進んでいいみたいでよかった…。でも、エイルマーさんの期待を裏切らないようにしないと……!)
 そう…ここから先は実戦です!と、気持ちと表情を引き締めた結希がエイルマーに向けて手をあげ、質問を投げかける。
「はいっ! 思いっきり暴れていいんですか?」
『もちろん、遠慮はいらないよ。何か希望はあるかな?』
「はいはいっ! 私はゴーレムのところが良いです!」
『ふむ……。では、そちらをお願いしようか』
 元気よく振られる結希の手にエイルマーが微かに口元を緩めながら目的地までの道順を伝える。そして、旧校舎の外観を見ながら軽く唸りつつも経路を覚えた結希が、蒸気が充填され圧縮される音を残して駆けてゆく。
『あと、部屋に踏み入れたら起動するはずだから気を付けて』
「わかりましたっ! それじゃ、行ってきます!」

●ゴーレム・スポーン・ルーム
 広く空虚な廊下を駆ける漆黒の大剣と共に歩む旅人が蒸気のたなびきを残しながら一際大きな扉を目指し進んでゆく。

●wanderer
 硬く閉ざされた扉が弾けるように内側へと解放される。頑強なブーツの靴底が扉を蹴破る衝撃を感じながら部屋の中へと飛び込んだ結希が、部屋の両脇に整然と並んだ人型の蒸気魔法機械群……ゴーレムの群れが次々と起動し始めていることを見やり、恋人と呼ぶ漆黒の大剣を抜き放つ。
(withと私の前では、ゴーレムの硬い体なんて意味ありません、ぼっこぼこにしてあげます。……そう、先手必勝! 起動中でも容赦なしですっ!)
 そうして、一番近いゴーレムへと標的を定めた結希がwithを肩に担ぐように上段へと構え、倒れ込むように前傾姿勢を取った身体が高らかに解放される蒸気を合図に地面を翔ける。
 一歩目の踏み込みが白いリボンに結ばれた黒髪を靡かせ、結希の身体をゴーレムの目前まで運び。直進する身体に急制動を掛ける二歩目の踏み込みが、翔ける勢いの方向を変え、漆黒の斬撃が翻る。
「……ふっ!」
 ギッ…ン!と金属が噛み合い、断ち斬る音に結希の呼気が重なり周囲へ拡がるのは蒸気。漆黒の剣閃に胴体を斬り断たれたゴーレムの蒸気機関に溜め込まれていたそれが激しく噴き上がり視界を覆い、起動の終わった別のゴーレム達が頭部に灯す赤光が不気味に周囲を染め上げる。
「数が多くても近接戦でwithと私に勝てると思わないでください!」

●ゴーレム・スポーン・ルーム
 振り下ろされる蒸気魔法機械の一撃へと漆黒の大剣を叩きつけた旅人が衝突音と共に拡がる衝撃に逆らわず軽やかに身を翻す。

●あなたと一緒なら…!
 鋼を斬断する硬質な音と深く響く重低音が部屋を震わせる。部屋の中を駆け回り一対一の状況を作り続ける結希が、蒸気を吹き出し加速しながら迫りくるゴーレムの鋼拳を、ステップを刻み身体を躍らせて躱し…、体勢を崩し隙を晒したゴーレムへと漆黒の大剣が横薙ぎに振るわれる。
「もらいましたっ……っ!? っっ! withっ!」
 鋭く弧を描く剣閃は狙いを違わずゴーレムを切断し……結希がwithを引き戻そうとした瞬間、新たなゴーレムが剣身へと身を投じ自身を犠牲にwithを捕らえる。
 その光景にwithを奪われないように力を込めた結希が、剣身に掛かる圧力に心配げな声を上げ、幾多の歯車が噛み合い蒸気が圧縮される音が響く。
「……気安く触らないでっ!」
 続いて響くのは結希の憤りの声。ダンッ!と激しく踏みつける音と共に放浪の名を冠したブーツが激しく蒸気を噴き出し、吹き飛ばされるように飛び上がった結希がwithをゴーレムから引き抜き…。
「withと私の全力で潰します!」
 クルリとwithの重さに身を任せるように空中で姿勢を整えた結希が、重力に引かれ落ちる勢いをのせてwithを全力で振り下ろす。その直上からの一撃にゴーレムが斬潰すると共に部屋の床が陥没し、轟音を伴って飛び散った破片が周囲のゴーレム達を穿ってゆく。

●終幕
 旧校舎を震わせた轟音に心配し様子を見に来たエイルマーにwithの無事を確かめるように抱きしめた結希が、蒸気魔法機械群の残骸を見つつ不安そうに声を掛ける。
「ごめんなさい……エイルマーさん…これ使えますよね…?」
『…少し驚いたけれど、問題ないよ。安心してくれていい』

成功 🔵​🔵​🔴​

テト・ポー(サポート)
はいどーも、テト・ポーだよ。

ていうかおなかすいたしごはんやおやつ食べよ?
いいなら「空腹の充足」を使いながら【厳選おいしいごはん】や【お手軽レトルトパウチ】、【食料カバン】からいろいろ出して食べるからね。
あ、これは「暴食の堪能」でもいいかも。

もしくは、「食欲の使徒」で敵を食べてもいい。
人型の敵だから難しい? 【お気に入りレシピノート】で人型の食べ方はわかる。

食べちゃだめなら「食欲の主張」「暴食の飢餓」で暴れるから。

戦闘がなくて、探し物とかなら「食料の応援」でタピチャンに応援してもらおう。
……いや、モチベーション的な意味で。

とにかく、ごはんはすべてを解決する。
食べよう。
分けあうともっとおいしいよ。



●旧校舎と蒸気幽霊
 人気のない学び舎の前へと昏い光を纏い転送されてきた猟兵の前に、その身を軽く透けさせる蒸気幽霊が現われ、歓迎の言葉を掛けるとともに一礼する。

●蒸気幽霊の頼み事
 灰色のフード付きパーカーを羽織り廃墟の様相を見せる旧校舎の一棟を見上げるテト・ポー(腹ペコ野郎・f21150)が、目の前に現れた人物――エイルマーへと現状を確認するように声を掛ける。
「はいどーも、テト・ポーだよ。なんか、試験みたいのがあったみたいだけどしなくていいの?」
『あぁ、構わない。たびたび、私の都合を押し付けられないし……皆さんの能力なら、そう心配はいらないようだしね』
 なるほど…じゃーお言葉に甘えて、と所々風化している校舎へと足を伸ばそうとしたテトが空腹感にエイルマーと振り返る。
「お腹すいた。何か食べ物ある? あと、壊しにいく蒸気魔法機械って材料ってなに? 食べられる?」
『申し訳ない。私自身が食べ物を必要としていなくてね、このあたりには食べられるものはないかな。それと、あれらは構成品的に人には食べられないと思うよ』
 まぁ…そうだよね、とエイルマーに矢継ぎ早に質問していたテトがもろもろの状況に納得し、改めて校舎へと向かって歩き出す。
「それじゃ、いってきまーす」

●道中
 腹ペコな食べ物の信奉者が目的にへと向かう最中に比較的綺麗な部屋を見つけ軽く周囲の汚れを払い腰を落ち着ける。

●食料カバン
 空虚な廃墟に人の営みの熱がひと時取り戻される。部屋の中に放置されていた机を数個纏め即席のテーブルとしたテトが、肩から下げていた黒色の鞄の中をごそごそとあさり出す。
「人型の機械に、矢とかが飛んでくる罠……あと、天井とか落ちてくるやつ。何処にいこうかなー。まぁ、いいや。ひとまずは、おなかすいたしごはんでも食べよ」
 そう言って並べられていくのは、水の入った水筒に片手で食べられるようにちょうどいい大きさに切られた様々な具の挟まれたサンドイッチ。その隣に並べられるように動物の絵が描かれたレトルトパウチが取り出され……鞄の中に戻される。
「これは、仕事が終わってからにしたほうがいいかも。機械は流石に食べられないし……。なら、気分的には代わりにこれかなー。あったかいものも食べたいしね」
 そう言って取り出されたのは小さめの底の深い弁当箱ほどの何か。テトがその箱に取り付けられた紐を勢いよく引き抜き……僅か後、水が沸き立つ音と共に湯気が溢れ始め、その熱を利用するように先に取り出されていたサンドイッチが箱の上に置かれ…そうして、しばし後。良い匂いをさせ始めた箱をテトが開き、中から出てきたのはバターの香りをさせる洋風な豚汁。美味しそうに整った食事の準備にテトが手を合わせる。
「うん、美味しそう。いただきまーすっ!」

●ゴーレム・スポーン・ルーム
 食事を終えた食べ物の信奉者が蒸気魔法機械の待ち受ける場所へと到着し通路と部屋を隔てる扉へと手をかける。

●暴食の飢餓
 軋むような開放音に反応し蒸気機関の唸る音が聞こえ始める。起動してゆく人型の蒸気魔法機械――ゴーレムが蒸気を排気管から燻らせながら次々にその重量に見合った駆動音をさせ始め……テトからは美味しそうな匂いが漂い始める。
「……まぁ、見た目にも明らかに金属。それもしっかり精錬された鋼鉄だね。……もう、さっき食べたのにおなかすいた! でも、君達には分からないよね、この空腹は!」
 どことなく先ほど後の楽しみに残しておいたレトルトパウチの中身を思わせる、よく煮込まれたコクのある匂いにテトが空腹を訴え、それに構うことなく食欲を誘う匂いをただの匂いとして捕らえるゴーレムが、腕を大きく振りかぶり押しつぶすように振り下ろす。

―ガッ…キン

 風を巻き込むように振り回されたゴーレムの拳がするりと宙を舞ったテトを捕らえることなく床へと衝突し、一撃を避けると同時にゴーレムへと近づいたテトがいつの間にか取り出していた艶のない漆黒のフォークをゴーレムの胸部へと深く突き刺さす。
「……食べ物以外に使うのは不作法だけど仕方ないよね」
 そう零したテトに別のゴーレムの一撃が迫り、その一撃を新たに取り出したナイフで往なしたテトが次第に増してゆく空腹感に押されるようにゴーレム目掛けて攻勢をかけてゆく。

●終幕
 動力部を破壊され動きを止めたゴーレムのただ中に良い匂いがし始める。レトルトパウチの中身が十分に温まったことを確認したテトがその封を破り、空腹が満たされるその瞬間に瞳を輝かせながら口元に笑みが浮かび。
「ごはんは美味しい。動いた後のごはんはさらに美味しい…それじゃ、いただきます」

成功 🔵​🔵​🔴​

蔵座・国臣(サポート)
医療拠点の設営と治療がメイン。
次に、転移ユーベルコードを用いての緊急搬送、及び救援や戦力の輸送。

あまりやりたくないが最前線殴り合いや轢き潰しながらの特攻も出来るが、基本は防御よりの性能だと自負している。

戦闘は、大前提として他の猟兵との連携。後衛が多いなら護衛か前衛に回るし、アタッカーが多いならディフェンスか後衛。ポジションも武器も銃でも剣でも状況次第で用意する。



●旧校舎と蒸気幽霊
 微かに響く重低音を感じながら荒廃した周囲の状況を確かめてきた猟兵が、幾人の猟兵達が入って行った人気のない学び舎を見つめる蒸気幽霊の元へと近づいてゆく。

●蒸気幽霊の頼み事
 糊のきいたチョークストライプの黒いシャツにチェックのネクタイをきっちりと締めた蔵座・国臣(装甲医療騎兵・f07153)が、校舎に入って行った猟兵達の他には目の前の蒸気幽霊以外に人がいないことを確かめ終え、状況を整えるべきだろうと提案を口にする。
「初めましてだな。私は蔵座・国臣だ。医者をしている。さて、頼まれた事とは違い申し訳ないのだが、問題なければ私は医療拠点の設営をしたい。こう言っては何だがまともに治療を行える場所がないと思ってな……構わないだろうか?」
『丁寧に申し訳ないね。聞いてるかもしれないけどエイルマーというよ。…なるほど、医療拠点。永らく学園生がいなかったせいで荒れているけど、よろしくお願いできるかな?』
 肩から下げた医療器具の入ったカバンを軽く叩くように示す国臣に、災魔達を排除している際や排除した後に必要になるだろうとエイルマーが深く頭を下げる。
「では、医療拠点を設営出来そうな場所を教えてもらえるだろうか?」

●アルダワ魔法学園「旧校舎」
 蒸気幽霊に先導され進む世界を巡る辻医療の医療騎兵が次第に張りつめた気配を見せ始める周囲の空気に表情を引き締める。

●出張医療キャンプ
 蒸気機関の稼働する音が乾燥した空気へと溶けてゆく。廃墟じみていた一角とは別の明らかに機能を保ったままの構造が多く見受けられる旧校舎の一棟へと辿り着いた国臣が案内してきたエイルマーへと確認するように声を掛ける。
「この周辺が医療拠点を設営して問題ない場所であっているだろうか? それと……少し遠いがあの校舎の下に地下迷宮があるという認識で間違いないだろうか?」
 戦場特有の独特の緊張感をはらんだ雰囲気を感じさせる、遠くに見える旧校舎を視線に捉える国臣へとエイルマーが肯定の言葉を返し説明を継いでゆく。
『ある程度、地下迷宮に近い方がいいかと思ってね。それと、あれが準備が整ったら向かってもらおうとしている校舎で間違いないよ。まだ、災魔達がここまで溢れ出ることはないだろうから不測の事態もそうないはずだ』
 その言葉に頷いた国臣が改めて周囲を見渡し、それでも転がる瓦礫の様子に纏まった場所の確保と清掃は必須と医療キャンプを設営する算段を考えてゆく。
 そうして、しばらく後。場所の選定をしていた国臣が自身の考える条件を満たした場所を見つけ足を止める。不気味な佇まいを見せる旧校舎の出入り口を見渡せそれなりの太さの道が通じており、簡易拠点を敷くには十分な広さを持つ。そこで一度、大きく頷いた国臣が散らばる瓦礫に手をつけようと足を踏み出したところでエイルマーから声が掛かる。
『あぁ、よければ瓦礫の撤去はこちらで行おう。細かいことは無理だけど、少しくらいなら手伝えると思うからね』
 邪魔をしないように距離を取った国臣の足元深くから蒸気機関の稼働する鈍い振動が周囲を揺らし、歯車の噛み合う音と共に傾斜した地面に瓦礫が流れいつの間にか口を開いていた穴へと吸い込まれてゆく。
「なるほど…、助かった。それでは、私も設営の準備に取り掛かろう」
 一帯の瓦礫がなくなったのを見た国臣が頷き、瞬刻。周囲を歪めるように顕れた愛機に括りつけられた簡易テントを基本にした機材を慣れた手つきで取り外し組み立ててゆく。
「幸い空気は綺麗だな。水は……こちらで準備したものを使うべきだな。ひとまずは、災魔との戦闘での負傷を考えておくべきだが……これからこのあたりを拠点にするなら引継ぎも考えるべきか」

●アルダワ魔法学園「旧校舎」
 迷いなく設営を進めてゆく世界を巡る辻医療の医療騎兵が先のことを考えながら為すべきことを的確にこなしてゆく。

●終幕
 古びた空気を浄化するように機械の稼働音が響く。内圧を高め外気が入り込まないように調整された医療用のコテージの中で機材の確認を終えた国臣が治療用の器具の確認を終え一息つき…。
「必要となる状況にならないのが一番だが、準備をしないのは愚かなことだからな」
 そこへ入口を透過するようにエイルマーが現われ感謝と共に状況を伝え、国臣が設営の際には脱いでいた白衣を着込み準備を整える。
『他の猟兵の皆さんにしてもらっていた作業も終わると思う。だから、本格的に地下迷宮に潜り始めることになるよ』
「そうか、わかった。では、いつでも対応できるように鉄彦を暖気して動けるように待機しておこう」

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 集団戦 『ニキシーゴーレム』

POW   :    タイムループ
自身の【体に表示された999999の数字】が輝く間、【拳】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
SPD   :    タイムワープ
【敵の視界に数字の残光のみを残す】と共に、同じ世界にいる任意の味方の元に出現(テレポート)する。
WIZ   :    タイムキープ
【立ち止まって数字を高速シャッフルさせる】時間に応じて、攻撃や推理を含めた「次の行動」の成功率を上昇させる。

イラスト:墨柴

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●ニキシーゴーレム
 大量の蒸気魔法機械群の残骸がひとりでに動き組み変わり姿を変え……、その様子に頷いたエイルマーがもう少し時間が掛かりそうだから別の説明をさせてもらっても構わないかい?と災魔群に関する話を始めてゆく。

 今回、地下迷宮から溢れそうになっている災魔はニキシーゴーレムというよ。この世界では珍しく電気を使用した構造の災魔になるね。
 特に注意すべき攻撃は別途説明させて貰うから、大まかな特徴だけ先に伝えるよ。まず、数字をカチカチと切り替えて限定的な時間操作を行ってくる。基本的な攻撃は三つ指の作業腕での殴打と質量を活かした体当たりになるね。それと真偽の定かでない噂として…温かな橙色の光には郷愁を喚起する効果があり、惹き付けられた人間を連れ去る事例もあるらしい。戦闘中に過去の光景が見えても動揺しないようにね。

 次に、この災魔の注意すべき行動の説明に移らせてもらうね。
 一つ目は、自身の時間を重ねて攻撃回数を増やす行動。見た目はわかりやすく身体についたニキシー管がすべて9を示している間、攻撃の威力が9倍になる。過去や未来の自身と同時に攻撃している…らしいけど真偽は不明だね。あと、仲間を攻撃しなければニキシー管が急速に劣化するようだけどそれを恐れることはないと思うよ。
 二つ目は、テレポートして攻撃の回避や救援を呼ぶ行動。特徴としてはテレポートする前に数字が普段よりも輝きを増すことだね。今回は申し訳ないけど周囲に大量の災魔がいるから注意をはらって欲しいと思っている。
 三つ目は、攻撃精度を上げる行動。未来の演算を行うことで戦闘の精度を上げる行動になるのだけど、演算中は立ち止まる必要があるのと数字が高速でシャッフルされるから見た目にはわかりやすいと思う。ただ、放置するととても危険だから気を付けて欲しい。

 危険な攻撃に関して説明させてもらったけど、今回は特に数が多いからそちらにどう対応するかはこれから説明させてもらうよ。

●蒸気幽霊は説明する
 蒸気魔法機械群が組み変わり終え、それの前に移動したエイルマーがたびたび話が長くなってすまない、と謝罪をしそれぞれの用途の説明を続けてゆく。

 ひとまず、皆さんが持ち帰った蒸気魔法機械を調整させてもらったのが後ろの蒸気魔法機械群になる。この中から基本一種、多くて二種相性のよさそうなものを選んで欲しい。操作の問題もあるから種類は多すぎない方が良いと思ってもらえると助かるよ。

 【人型】の蒸気魔法機械群は壁役だね。災魔を破壊するほどの攻撃力はないのだけどその分、頑丈に設えておいたから背後や側面を守らせて災魔に周囲を囲まれるという状況を防いだりするのに使えると思う。
 【射出型】の蒸気魔法機械群は罠や足止め。任意の場所において使ってもらうことになるかな。あと、制御部分も持って帰ってくれているから地下迷宮の罠を動かすことも可能だよ。地下迷宮の事は後で説明させてもらうけど……こちらは威力が上がるように調整してあるから災魔を行動不能には出来ると思う。ただ、相手の数が多いから倒せるのは一部に留まる感じになってしまうけど。
 【制御型】の蒸気魔法機械はちょっと特殊な感じで…これは、旧校舎の隔壁等を動かす蒸気魔法機械になる。災魔の分断や誘導に使えるけど、直接的な戦闘の支援は難しいものになるね。

 それと、地下迷宮の罠に関してなのだけど……これは皆さんが突入する際に一度全部停止させてもらうつもりだ。だから、周囲に気を配る必要はないのだけれど、申し訳ないけど支援も出来ない。各通路には隔壁、各部屋には射出機が仕込まれているから制御器を持っていく人には有効活用してもらいたいと思う。

 さて…最後まで聞いてくれてありがとう。魔法学園のためにもう少し力を貸してほしい、とエイルマーが深く頭を下げる。
春乃・結希
エイルマーさん、ここまで連れてきてくれてありがとうございますっ
お世話になったエイルマーさんのためにも、アルダワのためにも、絶対勝つぞー!

私は【人型】のやつをお借りしますねっ
UCで戦闘力を強化、背後を蒸気機械に任せて、暴風を纏いひたすら前にいる敵に向かっていきます
みんな頼りにしてるよ、後ろは任せたっ

他の猟兵さんをサポート出来そうな時や
近くにテレポートや演算をしようとしているゴーレムを見つけたら優先的に一撃を加えて牽制します

威力9倍ってどれくらいなんやろ?
でも私には真っ向勝負以外に手段がないので勇気と怪力で対抗します
もし私の体が耐えられなくなっても、ブレイズキャリバーらしく炎で補い戦い続けます


アマータ・プリムス
当機が選ぶのは【人型】です
折角ですし彼らにも頑張っていただきます

一緒に来れるだけついてきていただいて
いざゴーレムたちと戦闘開始です
生憎と災魔を破壊するだけの攻撃力はないとのことですがそれならそこはこちらで補いましょう

イーリスをアンプに変形させたアルジェントムに接続
「それでは一曲歌わせていただきましょう」
UCを発動し歌声を聞いた蒸気機械たちも含めてバフをかけます
これで災魔も十分に相手取れるはず

「ここを護るのは貴方たちです。さぁ、立ち上がりなさい」

そのまま当機は歌い続け支援
蒸気機械たちの戦闘を応援し続けましょう
こちらへ近づいてくるマナーのなっていない方にはイーリスを振り下ろした一撃をさしあげます


麻海・リィフ
アドリブ、即興連携歓迎

【人型】
見た途端、絡繰小箱から歯車発条音、動作同期
ふぅん…気に入ったの?(ニヤ

こちらも数で!
先制UC発動

数、範囲で張り合えれば仲間がひっくり返してくれるわ。押し込め!

人型や仲間と足並みを揃え進撃
UC盾に仲間を庇わせつつ念動衝撃波シールドバッシュで攻撃させる

自分は剣を回転させ念動衝撃波を乗せて範囲ごと一気に串刺しチャージ
人型に背中を護らせグイグイ攻める

人型に攻撃させ(フェイント&吹き飛ばし)
隙を作り二回攻撃念動衝撃波の回転剣で鎧砕き串刺し

たまにUC盾や自分の盾で人型を護ったり
この子、使えるじゃない…

質の良さが幸いしてるわ!突き崩せ!

故郷?過去?碌な思い出無し!

部品は貰うわね



●始まりの学園
 先導する蒸気幽霊を猟兵達が追いかけ整然と並ぶ蒸気魔法機械群がそれに続き、仮設された医療キャンプを通り抜け目的の学び舎へと一行が辿り着く。

●蒸気魔法機械群と猟兵達
 閉ざされた巨大な校門を見上げ深紅の魔石が付けられた小さなイヤリングを揺らす春乃・結希(寂しがり屋な旅人・f24164)が、アルダワ魔法学園の新校舎に勝るとも劣らない威容に感嘆の声を上げてエイルマーへと向き直る。
「エイルマーさん、ここまで連れてきてくれてありがとうございますっ! しかし、魔法学園の校舎ってどれも大きいんですねぇ」
『どういたしまして。まぁ、ここは大魔王との戦いの最前線だったしね。強固な代わりにその分、巨大かもしれない』
 結希がエイルマーと話しているその近く。待機する蒸気魔法機械の前には二人の猟兵。深緑色の光で形作られた輝翼を背負い純白のセーラー服を纏った麻海・リィフ(晴嵐騎士・f23910)が、その手の中に収まった真鍮色の絡繰小箱から複雑に噛み合う歯車の音と軋む発条の音を響かせながら、深碧色の双眸を愉快気に歪めて人型の蒸気魔導機械――ゴーレム――を見やり小箱へと意識を傾け。
「……解析機関との動作の同期完了。稼働率の上昇も確認。ふぅん、結構な年代物のはずだけど悪くないわ。あなたも気に入ったのなら幸いね」
「初めまして、当機はアマータ・プリムスと申します。お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか? それと、当機も人型のものを利用させて頂こうと思うのですが良ければご一緒しませんか?」
 そこへ合流した銀色の旅鞄を提げたアマータ・プリムス(人形遣いの人形・f03768)が、綺麗な姿勢で一礼すると共に待機状態のゴーレム達を次々と起動状態へと変えてゆく。その手際にリィフがへぇ…と興味深そうに言葉を零し絡繰小箱をしまいアマータへと向き直る。
「わたしは麻海・リィフよ。えぇ、構わないわ。これも何かの縁だろうし、よろしくお願いするわ」
「改めましてよろしくお願い致します、リィフ様。それでは……」
「はいっ! 横からごめんなさい! 私も一緒に行ってもいいですか!? 私は春乃・結希って言います。それとこっちが恋び……、相棒のwithです!」
 そこへエイルマーとの話を終えてゴーレムを確認しに来た結希が加わり、顔を見合わせたリィフとアマータが頷き合い、リィフが代表するように口を開きアマータが話を継いでゆく。
「結希ね。えぇ、問題ないわね。それじゃ、三人で行くことにしましょうか」
「はい、結希様もよろしくお願い致します。さて、旧校舎内は災魔で溢れているようですから、先に少し相談したいのですがいかがでしょうか?」
 そう言ったアマータがまずはと自身の得意とすることをリィフと結希へ伝えてゆく。

●災魔の犇めく旧校舎
 人型の蒸気魔法機械を掌握したアンテークドールのメイドが蒸気幽霊に見送られ旧校舎の前へと移動し陣形を敷き終え、絡繰小箱で同期させた人型の蒸気魔法機械の一群を引き連れた輝翼の晴嵐騎士が不敵に巨大な正門を見上げる。その横では蒸気魔導式の装甲靴の調子を確かめ終えた自由を楽しむ旅人が漆黒の大剣を引き抜き意識を集中させてゆく。

●浮陣・青雲光霞
 重く響く稼働音が収束してゆき、軋むような音が響き出す。大きさ見合ったゆっくりとした動きで解放されていく校門の奥に見える旧校舎へと視線を合わせたリィフが、キリキリと複雑な音をさせる真鍮色の絡繰小箱を手の中で回し……手品のようにその腕に複雑な機構を見せる丸盾――機動浮遊攻防盾「雲霞」――が顕れ、次いで空間から引き抜かれるように50を超える複製が周囲へと浮かび上がりゴーレムの傍へと移動し…。
「先駆けは騎士の誉。相手の過多など臆するものではなかろう! いざ、一番槍は我らが頂こう!」
「はいはいっ! お供します! さぁ、お世話になったエイルマーさんのためにも、アルダワのためにも、絶対勝つぞー!」
 漆黒の大剣を引き抜いた結希が蒸気の噴出する音と共に駆けだしたゴーレム達とリィフを追い、周囲に漂う蒸気を吹き飛ばす勢いで装甲靴から蒸気を噴出させながら疾駆し始め、僅か後。
 残りのゴーレム達を整然と取りまとめ旧校舎へと進むアマータの視線の先で蹴破るように開かれた正面大扉の奥には犇めくように溢れた災魔――ニキシーゴーレム――の群れ。
「これはまた……、想像以上に溢れてしまっておりますね。まぁ、先手を打てたと思うことに致しましょうか」
 僅かに声色へと驚きを滲ませたアマータの前で初めの激突が戦いの火蓋があがる。

――ドンッ

 周囲を震わせる重い音に混じるのは破砕音。溢れ出ようとする災魔群へと正面から衝突したリィフの指揮するゴーレム達が楔を打ち込むように流れをせき止め、動きの止まった災魔達が淡い光を放ちその姿をブレさせる。
「逃がさずこのまま押し込め! 後続の道を切り開けっ! ……!?」
「わたしも手伝いますっ! いくよ、with! 逃がしませんっ!」
 ゴーレムを踏み台に高く跳躍した結希の大上段からの一撃が転移しようとする災魔を斬り裂き、身体を捩じるように横薙ぎにされた追撃の剣閃がさらに災魔を骸の海へと返し……別の一角では頭上から風を切り強襲を掛ける複製された丸盾が転移してゆく災魔達を掠めていく。
 そして、残された郷愁を誘う残光がリィフの脳裏に呼び起こすのは平穏なる人生。自身の事を気にしていないだろう両親に乱痴気騒ぎの宴。自身で置き去りにしたそれにリィフが笑い。
「……ふっ、故郷? 過去? 碌な思い出無し! 我には不要だな!」
「リィフ様、大丈夫ですか!? 時間を頂き申し訳ありません。これからは当機も参戦いたします」
 アマータが僅かに動きの止まったリィフを護らせるように引き連れてきたゴーレムの一部を災魔群へと突撃させ…、戦線が拮抗し。
「問題ない、心配は無用だとも!」
 その拮抗を崩すかのようにリィフの機械魔剣が高らかに空気を引き裂き咆哮をあげる。

●災魔の犇めく旧校舎
 輝翼の晴嵐騎士が振るう高速で剣身を回転させる機械魔剣が機械人形の放電管を喰い破るように引き裂き、風を纏った旅人が人型の蒸気魔法機械を浮遊する丸盾を足場に縦横に翔けながら漆黒の大剣を振るい機械人形を穿ってゆく。その様子を見やりながら傀儡鋼糸で人型の蒸気魔法機械を指揮するアンテークドールのメイドが足元の銀色の旅鞄へと手をかける。

●Facta, non verba
 間断なく響く破砕音が幾重にも重なり戦場を彩ってゆく。全体の戦況を見渡すアマータが慣れた手つきで取り出した流線形の蒸気機関式ギターへと傀儡鋼糸を繋ぎ、蓋を閉められた銀色の旅鞄が増幅器へと姿を変える。
(お二人の活躍で僅かに押すかたちで戦線は安定しておりますが……災魔が尽きる様子がありませんね。ならば、折角ですし彼らにも頑張っていただきましょう)
「結希様、リィフ様。気分を上げて参りましょう。リクエストなどございませんか?」
 調律の終わったギターを爪弾くアマータの声が綺麗に響き、背中をゴーレム達に任せ何処からともなく転移してきた災魔群へと突き進み漆黒の大剣で薙ぎ払う結希が周囲の音に負けないように声を張り上げ。
「テンションが上がるカッコいい曲がいいですっ! それかwithに似合うクールなのを!」
「我は勇壮なものを希望するが、楽曲には詳しくない故アマータに任せよう!」
 身体を柔らかく撓らせるリィフが激しく回転を続ける機械魔剣を突剣のように操り災魔を貫きながら言葉を返し、リィフが押し込んだ戦線をゴーレム達が入れ替わるように押し拡げ災魔達と激突し、ゴーレムの一群から圧潰する音が響く。

――ギュンッ!

 喧噪を塗りつぶす勢いで戦域全体に響かせるように激しく旋律が刻まれる。
「それでは一曲歌わせていただきましょう。さて、伺った話では元々は防衛用だったとか。ならば、ここを護るのは貴方たちの役目でもあります。さぁ、立ち上がりなさい」
 力強く紡がれるのは勇ましくも熱い世界を震わせる歌声。その歌声に後押しされるかのように身体が軽くなった結希が、おぉ……やっぱり歌の力ってすごいっ!と鶯色の髪の歌姫を幻視しながら足元から噴き出す蒸気を置き去りに数体の災魔を吹き飛ばし。
「ノッてる私とwithに斬れないものなんてありません! どんどん行きますっ!」
「我らも負けられんな! 突き崩せ! 押し潰せ! ゴヲアヘッドだ!!」
 真鍮色の絡繰小箱から溢れる高らかな作動音に重ねて機械魔剣を指揮杖のように振るうリィフに従ったゴーレムの一群が災魔群へと鋼拳を叩きつけ破砕音が響いてゆく。
 そうして、僅か後。明らかに猟兵達へと傾き始めた戦況を見つめるアマータの桃花色の瞳に幾重にも明滅する橙色の光が映り込み、演算を終えて残光を刻みながら駆ける災魔の一群がアマータへと強襲を仕掛ける。
「すまない、抜けられた」
「アマータさん、気を付けて!」
 機械魔剣の剛風を、漆黒の剣閃を、ゴーレムの壁を仲間を犠牲に潜り抜けた災魔が腕を振り上げ腕がアマータへと襲い掛かり…。
「いえ、お気になさらず。マナーのなっていない方には御退場いただくだけですので」
 クルリと優雅に身を回し剛拳を躱したアマータの遠心力のったギターの一撃が災魔の胴体を叩き割る。

●災魔の犇めく旧校舎
 戦場を包み込むようにアンティークドールのメイドが奏でる音楽が響き渡り仲間と人型の蒸気魔法機械群を後押しし、機械魔剣を振るう輝翼の晴嵐騎士の操る数十の浮遊する丸盾が機械人形の攻撃を防ぎ火花を散らす。そうして、徐々に戦場に翔ける広さが生まれ漆黒の大剣と共に歩む旅人の纏う風の音が徐々に変化してゆく。

●よーし飛ぶぞー!
 戦場を照らしていた明滅する郷愁を呼ぶ光が梳れてゆく。蒸気魔導式のブーツの稼働音を響かせ戦場を翔けまわる結希が、災魔群とゴーレム達が減ることで生まれた空間を漆黒の大剣の振りやすさで感じ取りギアを上げるように声を響かせ、結希を支えるように軽く渦巻いていた風が周囲を斬り裂くような暴風へと姿を変えてゆく。
「よーし、もっと上げていきますよー。吹き飛ばされないように注意してくださいね!」
 追い風に乗るかの如く突撃し始めた結希の様子にゴーレム達を指揮しながらも機械魔剣を振るうリィフが、動きの変わった結希を押し留めようと陣容を変化させる災魔群を牽制しながら笑みを深め。
「なるほど、好きに飛ぶといい。なに、援護は任せて貰おうか! 蒸気魔法機械達も随分使える者達のようだからな」
「現状、追加で現れるニキシーゴーレムよりも討滅している数が上回っております。こちらのゴーレムの被害もそれなりですが戦況は安定しておりますね」
 吹き荒れる風に合わせるように曲調を変化させたアマータが補充されつつも数を減らしていく災魔群の状況をリィフと結希へと伝えてゆく。

――ブォンッ!

 それから、僅か後。災魔群を翻弄しながら削ってゆく結希達の前で災魔の一部が放電管を激しく明滅させ始め……身体の各所に9が刻まれてゆく。
(威力9倍ってどれくらいなんやろ? ま、そういうても搦手が用意してある訳やないけども!)
 ならば…真っ向勝負あるのみと結希が心を奮い立たせ腕に力を籠めるのと災魔の身体に9が揃いきるのが同時。飛翔する勢いを載せた結希の一撃が災魔の剛拳と交差し…ドムッと衝突音が響き、結希を襲うのは一瞬の衝撃が重なり持続するという不思議。
「リィフ様、申し訳ありませんが少しの間、戦線維持をお願いします」
「あぁ、こちらは我らに任せておき給え。この質の良さなら少々の無理は効くだろう」
 リィフの手の中に真鍮色の絡繰小箱が現われ、同期したゴーレム達が付近に浮遊する丸盾を装備し災魔群へと向かって行く様子、アマータがギターから傀儡鋼糸を解いて奏でる音楽が途絶える様子。そして、眼下に見える放電管に罅を入れた災魔の姿。それを認識した結希が自身が吹き飛ばされた状況を正しく認識し、アマータの伸ばした傀儡鋼糸が結希の身体を受け止める。
「結希様、大丈夫ですか!? 怪我があれば癒しますので……」
「ありがとうございます! ちょっと身体が痛いけど大丈夫です! どことなくどんな攻撃かわかった気がするので次は負けません!」
 リィフの操るゴーレムが丸盾越しに身体に9を揃えた災魔の一撃によって吹き飛ばされるのを見た結希が、破断した両腕の筋肉を地獄の炎で補い、火の粉を噴出させながらwithを再び構えなおし災魔群へと吶喊してゆく。

●戦闘続行
 正面ホールに存在していた最後の災魔が貫かれ悪夢のように醒めて消えてゆく。
「その災魔で最後のようですね、お疲れ様でした。ひとまず、エイルマー様に報告でしょうか?」
 その様子にアマータが手を止めることなく曲調を穏やかなものに変え疲労を癒し、結希が漆黒の大剣を背負いなおし、肩の力を抜くように息を吐き出し言葉を零す。
「はい、お疲れ様でした! しかし…まさか、こんなにいるとは思ってませんでした」
「お疲れ様ね。おかげで助かったわ、災魔の部品が消えたのは残念だけど……蒸気魔法機械のほうはもらってもいいのかしらね」
 機械魔剣を納め真鍮色の絡繰小箱を手にしたリィフが周囲を見渡たし……異音。三人の視線が校舎の奥へと続く通路へと向けられ…、橙色の光が溢れだし再びあふれるのは災魔の群れ。
「追加が来てしまったようですね。当機はまだ戦えますがリィフ様と結希はいかがでしょう?」
「私も問題ないわ。借りたゴーレムもまだまだ残っているし…、外に出すわけにもいかないでしょう」
「はい! 私とwithも全然いけます! エイルマーさんのためにもまだまだ頑張りますよ!」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ティファーナ・テイル
【人型】【制御型】蒸気魔法機械を利用。

エイルマーの言葉を信じて、【人型】【制御型】の合間合間に『神代世界の天空神』で空間飛翔しながら『天空神界の超必殺技』で強襲してみて、『ガディスプリンセス・グラップルストライカー』でも攻撃します。
敵の攻撃やUCを受けたら『超必殺究極奥義』で髪の毛・翼羽根・蛇尾脚を駆使して攻撃します!
🔴🔴にまでのダメージを受けたら『天空神界ノ威光・黄昏』で封印/弱体化させて『エデンズ・アップル』で体力を回復させて、『セクシィアップ・ガディスプリンセス』で❤ビームで攻撃します!

「困っているエイルマーにお願いさるたのだから、正義の女神プロレスラーのボクがボクたちが勝つ!」



●始まりの学園
 遠くから聞こえる戦闘音を背景に蒸気幽霊が猟兵へと状況を説明し、蒸気魔法機械の蒸気機関が待機する音が中空へと溶けてゆく。

●蒸気魔法機械群と猟兵
 黄金色の髪を留めるカチューシャに飾られた緑輝玉を揺らしながら首を傾げていたティファーナ・テイル(ケトゥアルコワトゥル神のスカイダンサー・f24123)が、丁寧な説明を続けるエイルマーの言葉にまずは頑張ろうと大きく頷く。
「そこにある人型のと旧校舎の仕掛けを動かせる制御用の装置を使って地下迷宮から旧校舎の中に溢れてきてる災魔を倒せばいいわけだね! 壊すのは得意だから任せてよ!」
『あぁ、よろしく頼むよ。ただ、溢れだしている災魔は多いから注意してもらえればと思う』
 エイルマーにそう送り出されたティファーナが幾つかの制御型の蒸気魔法機械を抱える起動状態へと移行した人型の蒸気魔法機械――ゴーレム――の一団と共に旧校舎の側面へと回り込んでゆく。
「さぁ、魔法学園の人たちの為にも頑張るぞ!」

●災魔の犇めく旧校舎
 神蛇の舞闘姫の見つめる先で指示を受けた制御装置を持った人型の蒸気機械を中心に隊列が別れて旧校舎へと散ってゆく。

●ガディスプリンセス・グラップルストライカー
 微かに響いてくる駆動音が収まり静寂が訪れる。隠し通路を使い旧校舎へと消えたゴーレム達を見送ったティファーナが瞳を閉じると周囲に神々しい威厳を湛えた神々の姿が揺らめき顕れ、その神々にティファーナがお願いするように語り掛ける。
「世界を巡りし神々♪ 神代の天空宮殿へと誘っちゃって♪」
 そうして、音もなく先行して潜入したゴーレムの上空へと一瞬で移動したティファーナの眼下には災魔の物量に押しつぶされ破壊されていくゴーレム達。
「いっくぞー! 神様の真の強さをその身で教えてあげるんだから!」
 その様子に頭上から強襲を仕掛けたティファーナの黄金色の髪の毛が拡がるようにたなびき、包み込むように災魔の群れへと襲い掛かり、必殺の打撃へと繋げようとした両腕の攻撃が空を切り、次いで振り回された蛇尾脚が郷愁を誘う橙色の光をかき乱す。
「………!? 躱されたっ!?」
 黄金色の双眸に焼きつく数字の残光を頭を振り払ったティファーナに、何処かへ転移した災魔と入れ替わるように身体の各所に付けられたニキシー管すべてに9を輝かせた別の災魔が迫り。その様子に真っ向から受け止めることを選んだティファーナから鼓動し、鳴動し、脈動する謎の波動が周囲へと伝播する。
「こればボク達の“超神武闘必殺技”! 勇気と正義と神業で窮地を好機に!」

――バンッッ!

 旧校舎を震わせる衝撃と共に災魔が崩れ、相討つ形で吹き飛ばされたティファーナの周囲に再び神々が顕れ、その姿が虚空へと消える。

●災魔の犇めく旧校舎
 天空宮殿の神代の神々に連れられた神蛇の舞闘姫が放電管の機械人形の群れに抵抗を続ける人型の蒸気機械の元へと転移する。

●超必殺究極奥義
 蒸気機関の稼働音と破砕音が重なるように響き渡る。回転する視野と身体を巡る衝撃にティファーナが大きく金色翼羽根を拡げ態勢を整え、迫りくる旧校舎の壁へと蛇尾脚で受け身を取り着地する。そうして、腰元で揺れる豪華絢爛な鞄から幾つかの黄金色の林檎をティファーナが取り出し。
「天空神殿の神々に許された“魅惑の食べ物”、ボクは今! 真価を見せる!」
 瑞々しい歯ごたえと共に喉を滑り落ちるどこまでも甘い魅惑的な林檎に、ティファーナの身体が沸き立つように活性化し神々しい覇気が威光となって周囲へと溢れ……その光に一部の災魔達が放電管を曇らせ動きを鈍らせながらも、どこからともなく転移し顕れた新たな災魔群が残るゴーレムを破壊してゆく。
「今度は負けないから! プロレスの神 格闘技の神様! 闘争の神様! 知ってるからボクは強いんだぁぁ!」

――ドガッッッ!

 ティファーナの振るう蛇尾脚が機能の一部を封じられた災魔を薙ぎ払い、翼羽根から舞い飛ぶ黄金が災魔を穿ち、黄金色の髪の毛が災魔を絡めとり……骸の海へと災魔群が消えてゆく。しかし、その奥から新たな災魔群が変らず出現し放電管に9を刻み輝かせながらティファーナへと迫る。
「困っているエイルマーにお願いされたのだから、正義の女神プロレスラーのボクが勝つ!」
 それに恐れることなくティファーナが気勢をあげ、災魔群との衝突が起こり吹き飛ばされたのはティファーナ。すさまじい勢いで壁へと衝突したティファーナがゆっくりと落下し、床に落ちる寸前、三度顕れた神々と共にどこかへと消える。

●終幕
 待機する人型の蒸気魔法機械の待つ一角に意識を失ったティファーナが転移され、それに気が付いたエイルマーがゴーレム達を操り事前に猟兵が用意した医療キャンプへと搬送してゆく。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

スピレイル・ナトゥア
接近戦は自信がないので【人型】と【制御型】の蒸気魔法機械を連れていくとしましょう
個人的な好みだと【人型】ですが、エイルマーさんに【制御型】を薦められましたし、きっと奇跡のコラボレーションが起こるはずです!

【人型】を前衛にして、後方から精霊印の突撃銃とスタンライフルで攻撃してます
電気を使用している災魔なら、電撃が有効そうです
それに、炎の弾丸で蒸気機関の温度管理もボロボロにしてあげましょう!

数字が表示されないと厄介な行動ができないということは、ニキシー管が弱点のはずです
身体の外に弱点を晒しているなんて迂闊過ぎますね

タイムキープで成功率が上昇した「次の行動」は、【制御型】を起動させて防ぐとしましょう



●始まりの学園
 大魔王の封じられた地下迷宮の上に建造された学び舎を見上げる猟兵が、蒸気幽霊の手が空いたことに気が付き近寄ってゆく。

●蒸気魔法機械群と猟兵
 故郷の精霊信仰の象徴と同じ色合いをした青白磁の瞳を蒸気幽霊へと向けたスピレイル・ナトゥア(蒼色の螺旋の巫女姫・f06014)が、待機している蒸気魔法機械に意識を向け、個人的な好みに合う人型とエイルマーに薦められ確保に行った制御型を利用しようと声を掛ける。
「エイルマー先生、人型と制御型が借りたいんですけど……制御型ってどれですか? あまり大きいのだと持ち運び大変そうですよね?」
『制御型は、向こうの人型が抱えている拳大の機械がそうだね。ふむ、それを使うならスピレイル君には追加の説明もしておこうか』
 そう言ってスピレイルがエイルマーが語る旧校舎に仕掛けられた隔壁や隠し扉等のギミックを頭に叩き込み、正面から災魔群と衝突する正面扉を避け校舎側面へと回り込んでゆく。

●災魔の犇めく旧校舎
 遠くから響く戦闘音に紛れるように駆ける精霊の眼の巫女姫の周囲を人型の蒸気魔法機械の一団が護るように並走する。

●夜の鴉のスタンライフル
 歯車の噛み合うと共に蒸気が周囲へと溢れてゆく。校舎の壁に偽装された隠し扉が微かな音を残し解放されるのを確認したスピレイルの視線の先で、安全を確認するかのように率先して行動した人型の蒸気魔法機――ゴーレム――が隊列を組み暗がりへと突入してゆく。
「さっそくですか…、人型さん達に前衛は任せて私は後方から攻撃しましょう。雷の精霊さん、出番です!」
 その様子にゴーレム達の後方で視野を確保し備えるスピレイルの手元でバリッと紫電が弾け…、姿を現したのは弾頭に雷の精霊の力が籠められたスタンライフル。
「ナイトクロウさん程うまくはありませんが……細かい弾道は雷の精霊さんに補ってもらいます!」
 ヒーローの勇姿を振り返りながらライフルスコープを覗いたスピレイルが身体の各所で橙色の光を明滅させる災魔――ニキシーゴーレム――の一団を発見し照準を合わせ。

――バヂュンッ!

 障壁と連携し災魔群を押し留めるゴーレムを掠めるように幾重にも暗がりを引き裂き雷光が飛翔し、災魔の中核となる放電管へと弾頭が突き刺さり郷愁を誘う光が消失してゆく。
「流石、雷の精霊さん…! それにやっぱりニキシー管が弱点だったのようですね! 数字が表示されないと厄介な行動ができないのに、身体の外に弱点を晒しているなんて迂闊過ぎますが…容赦はしません!」
 明らかに動きの鈍くなった災魔に、近づかれる前に数を減らします!と意識を集中させたスピレイルが次々に雷撃の弾丸を撃ち込んでゆく。

●災魔の犇めく旧校舎
 人型の蒸気魔法機械が押し留める放電管の機械人形を精霊の眼の巫女姫の奔雷の弾丸が穿ち貫き骸の海へと返してゆく。

●炎の精霊は踊る
 暗がりから郷愁を誘う橙光が次第に近づいてくる。続々と現われ続ける災魔の群れに徐々に押されていく前衛のゴーレム達と次第に詰まってくる距離にスピレイルが、雷の精霊への感謝の言葉と共にスタンライフルを紫電へと解き開放し、炎の精霊へと声を掛け…。
「雷の精霊さん、お疲れ様でした。炎の精霊さん、助けてくれない?」
 ボウッと周囲に燃え盛る火球が顕れ、手元に集まった炎がひときわ大きく燃え盛り突撃銃へと姿を変える。
「ただ…射線の確保が難しいです。数字がクルクル回っているのはタイムリープだと思うのですが……」
 むむっ、と唸るスピレイルの視線の先。ゴーレムの陰のさらに後方で他の災魔に守られながら予測演算をする災魔の回転する数字が次々と止まり、予測演算を終えた災魔達がゴーレム達を押しのけ躱し、一気に距離を詰め。

――ゴゥン…ッ

 スピレイルが操作した制御型の蒸気魔法機械により突如として跳ねあがった障壁に中空へと跳ね上げられる。
「人型と制御型のコラボレーションです! さぁ、炎の弾丸で蒸気機関の温度管理もボロボロにしてあげます。ニキシー管用の電気だって蒸気機関が動かなければ作れないはずです!」
 その言葉に被さるように幾重にも爆発するような銃声が響き、災魔達の蒸気機関が詰まっていそうな胴体下方へと弾丸と共に命中した炎の精霊が高温の炎を巻き上げ表示されていた数字の輝きが昏くなる。そうして、機能を制限された災魔群へと躱されたゴーレム達が後方から襲い掛かり動作を停止させてゆく。

●遊撃続行
 退避するゴーレム達の後方で旧校舎の隠し通路が再び閉ざされ、スピレイルが次の目的地へと移動を始める。
「前衛がいると安心感が違いますね。この調子でどんどん災魔の数を減らしてゆきましょう!」

成功 🔵​🔵​🔴​

月夜・玲(サポート)
『さてと、I.S.T起動。お仕事お仕事。』
口調 元気(私、~君、だね、だよ、だよね、なのかな? )


お仕事ついでに研究も出来るんだから、この仕事良いよねぇ
さあ、私の研究成果の実験台になってもらうよ

模造神器という独自の兵器開発を生き甲斐とする研究者
誰にでも気さくに砕けた口調で話しかける
戦いは全て研究の為、楽しみながら戦闘を行う
全ては研究の為、研究と戦闘を楽しめる猟兵生活は結構気に入っている
戦闘スタイルは4本の模造神器から2本を選び、二刀流で敵と戦う形です
UCで遠距離戦闘にも対応したSF剣士

日常ではのんびりと景色を楽しんだり風情を楽しんだり
冒険では考察しながらじっくり進む

あとはお任せ!



●始まりの学園
 人型の蒸気魔法機械に先導されて遠雷のような重低音を響かせる学び舎に、新たに転移されてきた猟兵が姿を現し蒸気幽霊へと近づいてゆく。

●蒸気魔法機械群と猟兵
 四振りの模造神器を納める特徴的なガジェットを展開した月夜・玲(頂の探究者・f01605)が、大魔王を封じる始まりの地下迷宮を擁する旧校舎を興味深げに視界におさめながらエイルマーへと声を掛ける。
「初めまして、エイルマーでいいんだよね? 私は月夜・玲、よろしくね。しかし、この蒸気魔法機械も上層の地下迷宮の奥に旧校舎があるというのも面白いね」
『あぁ、エイルマーで合っているよ。それと、こちらこそお世話になる。それで――』
 礼儀正しく一礼し言葉を返したエイルマーが待機する蒸気魔法機械群へと視線を移し簡単な説明が続き、僅か後。説明に頷いた玲が制御型のものを選び手に取り校舎へと足を進める。
「さてと、じゃあ行ってくるよ。良ければここにある蒸気魔法機械以外に関しても話を聞きたいから、災魔を排除出来たらお願いするね」

●災魔の犇めく旧校舎
 制御型の蒸気魔法機械を操りながら軽い身のこなしで神器の探究者が戦いの気配を漂わせる学び舎に隠された通路を駆け抜けてゆく。

●Imitation sacred treasure
 郷愁を誘う輝きが瞬き虚空へと溶けてゆく。隠し扉をいくつか潜り抜けニキシーゴーレムの一団へと奇襲をかけられる位置へと潜伏を完了した玲が、ガジェットを起動し…。微かな駆動音が空気へと混じり、模造神器とそれを収まる鞘に奔る蒼い光が周囲へと零れてゆく。
「I.S.T起動。……各部異常なし。さてと、お仕事お仕事。でも、お仕事ついでに研究も出来るんだから、この仕事良いよねぇ…。さあ、私の研究成果の実験台になってもらうよ」
 そう零す玲が出発前に受けた災魔の特徴を思い返しながら四振りの中から選んだのは、≪空の記憶≫と銘打たれた遠き空に思いをはせる一振りと≪Key of Chaos≫と銘打たれた混沌を齎す鍵たる一振り。励起してゆく二振りの模造神器へと意識を重ねるように集中してゆく玲の赤い瞳が災魔群の動きを然りと捕え。
「特性は限定的な時間操作。ただし、現状は世界の法則を覆すそれと同等以上に数が脅威。なら、やることは簡単ね。それじゃあ、まずはひと暴れいってみようか」
 タンッと身のこなしも軽く飛び出した玲が振るった模造神器≪空の記憶≫が災魔を背後から強襲し、身体の根幹となる放電管を甲高い音と共に破壊し…。振るった勢いを利用し身体を廻した玲の持つもう一振りの模造神器≪Key of Chaos≫が薙ぎ払われ災魔群れへと襲い掛かる。

●災魔の犇めく旧校舎
 舞うように二振り模造神器を操る神器の探究者が湧き出るように顕れ続ける放電管の機械人形達を斬り裂いてゆく。

●エナジー開放
 淡い光が取り囲むように次第に集まってくる。両腕に握った二振り模造神器から零れる蒼い光の残像を幾重にも刻みながらニキシーゴーレムの群れの一角を骸の海へと還してゆく玲が、減る様子を見せない災魔達を引き連れ広い空間へと辿り着く。
「まったく嫌になるほど数が多いね! まぁ、理由はそれだけじゃないんだろうけど…ただ、此処なら色々と気にせずに戦えるよ」
 追い込まれるような状況にも焦る様子のない玲の構えた二振りの模造神器からバジリッと空間を撓ませるかのように不可視の何かの余波が迸り、危機感を誘発されたかのように物言わぬ災魔群が包囲を狭めようと動き出し。

――ドッ……ッッ!

 解放された高密度のエネルギーが、旧校舎の内壁を軋ませながら巻き込んだ災魔群れを骸の海へと纏めて還し、僅かに残った災魔の内その数体を周囲で空間が緩むように歪む。
「やっぱり、増え方がおかしいと思ってたよ。旧校舎のどこにいる災魔かは知らないけど……転移の座標になってるのは君達のようだね!」
 一向に減らない災魔の絡繰りを炙り出した玲が他の災魔からの攻撃に構うことなく仲間の転移を支えている災魔へと肉薄し、駆ける勢いそのままに振られた模造神器≪空の記憶≫が災魔を両断し……、そのまま流れる様な身体捌きで投擲された模造神器≪Key of Chaos≫が別の災魔を穿ち空間の揺らめきが収まってゆく。
「さて、あとは周囲の災魔が物理的に近寄ってくる前に倒すだけだね」

●遊撃継続
 無人となった空間で模造神器をガジェットへと納めた玲が、ニキシーゴーレムの駆動音や気配のないことを確かめ近くにある隠し通路へと向けて移動を始める。
「負傷具合は許容範囲内……これならまだいけるね。旧校舎の探検がてらもう少し頑張ろうかな」


●蒸気幽霊は感謝する
 そうして、幾ばくかの時が刻まれた後。災魔群を排除し蒸気幽霊の元へと戻ってきた猟兵達の前で遠雷の如き重低音が旧校舎から響き始め……大魔王を封じる始まりの地下迷宮を管理していた学園の一部が本来の機能を取り戻す。その様子を感慨深げに瞳に映し込んでいた蒸気幽霊が今一度深く頭を下げ猟兵達へと感謝を伝える。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2020年01月25日


挿絵イラスト