レディ・オーシャンさんはエンパイアで探し物のようです
●陸の海
乾いた木が打ち合うような、心地よい音が響く。
聞こえてくるのは、町の通りのど真ん中に据えられた即席の土俵である。
地べたに俵の縁を敷いただけの簡素な土俵。だがその土俵には、観衆の熱い視線が集まり、時には応援や野次が飛んでいる。
そんな人々の関心と熱狂を一身に受ける力士たちは――からくり人形だった。
「決まったぁ~! 勝ったのは東! 東のひろ丸ぅ~!!」
からくり人形がもう一体の人形を力強く投げると、土俵上の行司が軍配を掲げる。そして土俵下では人形を操作していた人形師たちが勝敗に喜び、悔しがる。
腕自慢の人形師たちが集まり、人形たちに相撲を取らせる――『からくり大相撲』。
そんな変わり種の祭りが、この町では開かれていた。
もちろん祭りというだけあり、催されるものは人形の相撲だけではない。
「さあさあどうだい! あんなでけぇ人形は置く場所もねぇだろうが、こんな手乗りのからくり人形なら幅もとらねぇし何より軽い! 一体買っていかねぇかい?」
「こっちは螺子巻くだけで走り出す人形だ! 面白ぇだろう!」
通りの両脇にずらりと並ぶのは、からくり人形を売る露店だ。小さな人形たちが並ぶ台には人形師たちがその器用な手先を活かして作った細工物なども並び、道行く町民たちの興味を引きつけて店前に人垣を作り出している。
精巧なからくり人形たちの祭典は、大人も子供も関係なく、皆を楽しませていた。
――空にひとつの影が現れた、そのときまでは。
「エンパイアのみなさん、こんにちは〜☆」
「ん……な、なんだありゃ!?」
ある者が気づいて上方を指すと、周囲の者がつられて見上げ、それがどんどん拡大して通りにいる町民全員が顎を上げて真上を見た。
青き晴天にいたのは、およそエンパイアの趣とはかけ離れた女。
女は間延びした呑気な声で、己の名前を告げた。
「わたしのなまえはレディ・オーシャン☆ と〜ってもわるいかみさまなんですよ〜☆」
町民たちは空を見上げたまま、呆気にとられて固まる。
しかし女は――レディ・オーシャンはそんな彼らの反応などお構いなしに、掌を下に向け、巨大な水の球体を作り出した。
「いまからここを『海にする』ので、がまんしてくださいねん☆」
言下、水球が落下し、荒れ狂う水流が一帯を覆い尽くす。
そうして数秒もしないうちに、からくり祭りに賑わっていた町は、陸にあるまま『海中』に没したのだった。
●グリモアベースにて
「ジェネシス・エイトの一角だった『レディ・オーシャン』……奴がサムライエンパイアにその姿を現した」
プルート・アイスマインドの口から飛び出したのは、俄かには信じがたい話だった。
ヒーローズアースにて存在を確認されたオブリビオンが、サムライエンパイアに出現した。
世界を越えて。
「なぜ奴がサムライエンパイアに渡ることができたのか……その理由はまるでわからん。言ってしまえば何が起きているかもわからん。だが奴はサムライエンパイアに現れる、それだけは断言できる事実だ」
プルートの予知によれば、レディ・オーシャンはサムライエンパイアの町ひとつを『オーシャンボール』なるものでまるごと水没させてしまうらしい。
「陸上に作り出された海には……奴が使役するオブリビオンたちが蠢いている。そしてその中でレディ・オーシャンは何かを探し求め、儀式を行っているようなのだ。何を探しているのかは不明だが……持ち帰らせては不味いのは間違いないだろうな」
レディ・オーシャンを撃退し、何かを持ち帰らせるのを阻止する。
それが、プルートからの依頼であった。
「奴が出現するまではまだ間がある。だからまずはサムライエンパイアに向かい、水没する町の人々を避難させてやってほしい。祭りを楽しんでいる彼らの関心を得るのは少し苦労するかもしれんが……上手く彼らの興味を引ければあとはすんなり進むだろう」
町が海中と化す前に、被害の予防はしておかねばならない。
辺りを海にしてしまうオーシャンボールは、レディ・オーシャンを倒せば綺麗さっぱり霧のように消えてなくなるが、その間に失われたものまで戻るわけではないのだから。
「サムライエンパイアの人々が生き残れるかは、おまえたちにかかっている。彼らを救い、レディ・オーシャンの企みを阻んでくれ……頼んだぞ」
プルートがグリモアをかざし、白き光を放つ。
世界を渡り現れたレディ・オーシャンを止めるために――猟兵たちは、サムライエンパイアへと転移していった。
星垣えん
ふむ、でかい。
というわけで星垣えんでございます。
今回はしれっと異世界に現れた『レディ・オーシャン』をどうにかするシナリオです。
水遊びはよそでやれと言ってやりましょう!
以下、シナリオ構成!
1章:日常……というか避難
からくり大相撲で賑わっている人々を、速やかに避難させて下さい。
町民たちはからくり人形を見に来ているので、そこを活用すればすんなり避難が進むかもしれません。
2章:集団戦……というかもふもふ。
オーシャンボールで水没した町で、レディ・オーシャン配下のオブリビオンたちとの水中戦となります。
しかし大変愛くるしい配下オブリビオンたちです。まともに戦えるかどうか。
なお水中戦なので、水中に上手く適応するとプレイングボーナスを得られます。
3章:レディ・オーシャン戦
オーシャンボールの中央にいるレディ・オーシャンとの戦いです。
謎の儀式を行っている最中に突っこむことになるので、こちらへの先制攻撃はありません。
普通に戦って撃破しちゃってください。
それでは、皆様からのプレイング、お待ちしております!
第1章 日常
『からくり大相撲』
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POW : からくり人形を用意して飛び入り参加する。
SPD : からくり細工の店で買い物をする。もしくは自分も店を出す。
WIZ : からくり人形たちの戦いをのんびりと見物する。
👑5
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
中村・裕美
とりあえずはのんびり見物しながら【エレクトロレギオン】を放ち【情報収集】して、避難に最適な経路を割り出す。
「……あとは……この情報を共有して……避難誘導をお願いしとこ」
仲間の避難誘導の準備ができるまでは余ったレギオンに屋台まで買い出しに行かせて、いろいろな料理を食べながら見物でもしている。そこそこ食べるかもしれないが、フードファイターほどではない
他の猟兵達が避難誘導を開始したら、レギオン達を使って効率的に避難できるように誘導を補助し、猟兵同士の連絡の中継も行う。人と話すのが苦手なので、裏方に徹している。
「……あとは襲来を……待つだけかしら?」
レン・デイドリーム
アドリブ連携歓迎
レディ・オーシャンについての興味はあるけど、彼女については後でだね
まずは皆を避難させようか
こちらの世界に合わせた服装をして、僕自身の球体関節が見えやすいようにしておこうか
そして町民に声をかけるよ
こんにちは、皆を避難誘導するよー、って感じで
僕みたいな自立する人形に声をかけられたら、からくり相撲や人形に興味を示している人達は注目するんじゃないかな?
上手く町民の興味を惹けたら避難開始だ
とりあえず皆を安全な場所へと連れていくよ
人手が足りないならUCで呼び出した戦士の霊にも手伝ってもらおう
足の悪い人を運んだり、道を切り開いたりしてね
人形が何かを使役してる様子も、皆の興味を惹けるかな?
白斑・物九郎
●WIZ
獲物を狩るだけが能じゃナシ
羊の群れを動かすのも猟師の技だってトコ、見せてやりまさァ
●即席土俵へぼちぼち近付く
ほー、面白い見世物じゃニャーですか
俺めの持ち込みも披露させて貰いましょっかな
(ユベコ発動。うちのドールを召喚)
最大戦速マッハ5(?)
超音速・高高度航行仕様(??)
装備の適宜換装で威力偵察から戦略爆撃までなんでもこなすマルチロール機(???)
ァ?土俵は女人禁制だ?
からくり人形に男も女もありますかよ(恫喝)
ァ?相撲で鉄砲は使わねえ?
相撲取りの訓練に「てっぽう」ってあるでしょうわ(恫喝)
コイツの試験飛行が見たいなら、あっちの広いトコでこれから始めてやってもいっスよ
(避難誘導に持ち込む)
ミスト・ペルメオス
【SPD】
これはこれで興味深い…。
しかし、どうやって人々を避難させたものか。
愛機たる機械鎧…はひとまず置いといて、生身で街中に繰り出す。
ぜんまい仕掛けのからくり人形を見て回り、好奇心や興味をそそられつつも今後の対応を考える。
…ダメもとで、やってみますか。
街中の開けた場所で【サモン・ブラックバード】、愛機をどこからともなく呼び寄せる。
それから空中を身軽に飛び回らせる、浮遊させたまま自身と連動させた動きを取らせるなどして人々の耳目を集める。
その後、愛機を「異世界の戦うからくり人形」と称し、
より間近に見てもらうため…として、開けた場所のある安全な高台へと共に移動する。
※他の方との共闘等、歓迎です
アララギ・イチイ
からくり人形ねぇ
フギン・ムニン、貴方達の出番よぉ
【選択UC】発動ぉ
指定する技能は【演技】、これを3回指定して演技力を強化するわぁ
で、【武器改造】で戦闘人形のフギン・ムニンの武装を外して格闘戦(相撲)に適した構造、及び衣装に改造して飛び入り参加するわぁ
で、2体の戦闘人形をそれぞれ参加させるわぁ
【演技】で見栄えを良くする様に動きつつ、敵の動きを【見切り】、【怪力】を使用して相手を投げ飛ばすなどして、実力を周囲に見せつけた後、2体を戦わせるわぁ(どっちが強いか決定させましょうぉ、的な感じで
ただ場所が悪いから、別の場所で行いましょうかぁ、的な感じで場所(安全な場所に)を移すようにして、避難させるわぁ
シズホ・トヒソズマ
※連携アドリブ可
人形遣いとしては色んな意味で見過ごせませんね!
というかサムライエンパイアにもからくり人形技術があったとは。
後で伝手作っておかないと
シュヴァルツヴィアイスを糸で◆操縦し相撲に参戦します
流石に剣や予測演算装置は無しで素手で
◆早業の操作で相手の動きを回避し
アクロバティックな動きで観客を魅せるように動き
一気に横を取って押し出します
ユングフラウやデザイアキメラも出して操作し
腹を開く機能や飛行機能を見せて披露
最後はヴィアイスとUCで合体しその巨大姿を見せます
『まだ6体のからくり人形がありますが、離れた場所に置いてありますのでどうぞそちらへ移動お願いします』と避難させておきます
四方八方まで覆い尽くす、人々の賑わい、そして歓声。
シズホ・トヒソズマはくるくると回り、露店から露店へと視線を移す。
「サムライエンパイアにもからくり人形技術があったとは。後で伝手作っておかないと」
人形遣いとして見過ごしてはおけない、とマスク(本体)の下の瞳を光らせるシズホ。
それをよそに、ドレスに白衣を羽織った奇特な少女――アララギ・イチイは『演技論』だのと題された分厚い本をぱたりと閉じる。
「……よし、だいたいわかったわぁ」
「ものの二、三分でなぁにがわかったってんでさァ」
路地を行く野良猫のように人波をすり抜けながら、白斑・物九郎が鼻を鳴らした。アララギが本を開いたのはつい数分前なのである。
が、少女の不遜な笑みは崩れない。
「演技賞は無理でしょうけどぉ、ここの人たちを避難させるぐらいなら楽勝よぉ」
「ほー、そいつァ頼もしいことで」
大仰に眉を上げた物九郎が、前方に向き直る。
厚い人波の向こうに――からくり人形たちが踊る土俵が見えてきた。
「そんなら俺めも気張らニャーですわ。獲物を狩るだけが能じゃナシ。羊の群れを動かすのも猟師の技だってトコ、見せてやりまさァ」
にやりと口角を上げた物九郎が、ぐるぐると肩を回す。
「……そろそろ……始めるみたいね……」
土俵のそばで相撲を見物していた中村・裕美は、近づいてくる仲間たちを見て呟く。
祭りに興じる町の上空には、小さな機械竜たちが無数に飛び回っていた。
裕美が辺りの情報を、主に地理情報を集めさせているのだ。
「……避難経路は……大事だものね……」
ぽつりと呟きつつ、香ばしい味噌田楽を頬張る裕美。ぺろりと食べきると小型竜がやってきて煎餅を落として去ってゆく。それをまた食べる。
召喚したレギオンに集めさせた食べ物は、それは美味かったそうです。
「人形……精巧ですね」
「そうだね。すべて手仕事だろうし、熟練の技っていうのはすごい」
露店のからくり人形をしげしげと眺める少年――ミスト・ペルメオスに、しゅるしゅると動く白触手を生やした(?)青年――レン・デイドリームが柔らかに笑う。
二人とも、平時と装いは変わっていた。
ミストは愛機たる機械鎧を装着していないし、レンもいつも着ている白衣ではなく青い着流しを纏っている。ちらりと裾が開くと膝の球体関節が丸見えだった。
ゼンマイを巻いた人形を掌の上でカタカタと動かしながら、ミストが辺りを見回す。
「しかし、この人数の避難誘導……うまくいくでしょうか」
「わからないけど、まずはやってみるしかないね」
「……そうですね」
淡々としたレンの物言いに頷いたミストが、ふと湧きおこった歓声に振り返る。
声の源は、人形たちの土俵だ。
「はっ! それっ!」
「うおおっ!? な、なんだこいつの動きは……!」
まるで踊るように立ち回る人形を見て、人形師が驚愕する。
からくり人形『シュヴァルツヴィアイス』を操り乱入してきたシズホは、土俵の上で相手の人形を圧倒していた。突っこんでくる相手をマタドールのように回避して、勢いを利用して押し出すと見物客は大いに沸いた。
「奇天烈な格好してる割にはやるじゃねぇか嬢ちゃん……!」
「私も人形遣いですからね、負けてはいられません」
土俵の下でぐっと握手を交わす、地元の人形師とシズホ。
装備はほぼ外してあるとはいえ、猟兵の操る人形である。エンパイアのからくり人形では勝負になる道理もなかった。
「私の持つ人形はこれだけではありませんよ。ほらこんなのも」
「な、何だこいつぁ!? 腹が棺桶みてえに!?」
「こういうのもあります」
「飛びやがった!?」
「ちなみにこのヴィアイスとは合体できます」
「エェェェェ!?」
ユングフラウ、デザイア・キメラも披露したシズホが、シュヴァルツヴィアイスと合体して巨大ロボ姿になる。もう人形師たちも目が飛び出るほどだったよね。
「まだあと六体ほど向こうに置いてありますが、よかったらお見せしましょうか?」
「おぉ! 是非!」
シズホの誘導され、興味を持った人形師たちが次々とその場を離れてゆく。シズホの操る人形たちに職人魂が揺さぶられたのだろう。
だが、祭りに訪れただけの一般客たちはそうもいかない。彼らは未だ相撲に夢中だ。
けれどそちらも猟兵たちに抜かりはない。
「派手に投げ飛ばすのよぉ、貴方達。あぁ、でも人形たちは壊さないようにねぇ」
土俵に上がった人形に、声をかけるアララギ。
それを受けてこくりと頷くのは自律戦闘人形の『フギン』だ。平時のスカートスタイルからスポーツウェアに換装させられたフギンは、自身に倍する大きさのからくり人形と対峙していた。
「おいおい。ありゃ勝負にならねぇよ」
「上から被さられたらどうにもならねぇもんなぁ」
困り笑いを浮かべる見物客らの勝敗予想は、聞かずともわかる。
だが彼らの表情は五秒と経たずに一変した。
フギンは力押しで来た人形を真っ向から受け止め、制圧。じたばた動く人形を土俵外まで投げ飛ばして盛大な土煙を上げさせたのだ。
「うぇええ!? 投げやがったぁ!?」
「あの体格差で投げるたぁ、いったいどんな中身してるってんだ!?」
青ざめつつも興奮する町民たち。続いて出たアララギのもう一体の戦闘人形『ムニン』も相手を秒殺を決めると、熱狂はいっそう強まった。
で、そうなると人々の関心もある方向性を帯びてくる。
「この強ぇ人形たちが戦ったらどっちが勝つんだ……?」
「いやぁ、確かにそいつぁ気になる!」
強者と強者。その対決を、見物客は今か今かと待ちわびるようになっていたのだ。
当然、フギン&ムニンは土つかず。
両者は当たり前のように土俵上で対峙していた。
二体がぶつかるのを固唾を飲んで見守る人々――だったが、いざ立ちあおうというその瞬間。
「面白い見世物じゃニャーですか。ひとつ俺めも噛ませて貰いましょっかな」
聞こえてきたのは物九郎の声だ。
しかし人々の視線が向いたのは彼のほうではなかった。
「な、なんだありゃあ!?」
「何かが飛んで……いや速すぎて見えねえ!?」
皆が目を奪われたのは――はるか上空を飛び回る謎の物体。それも超高速。
まるで龍。エンパイアの人間たちがそう思ってしまった飛行体は、物九郎のユーベルコードが召喚したドール『エル』である。
飛行ユニットを駆使して最大マッハ5で飛んじゃう超音速のマルチロール機は、備え付けたごっつい銃砲火器から爆撃を敢行。
土俵が吹っ飛んだ。
もうね、火力で地面も抉れてたよね。もちろん見物客にもフギン&ムニンにも直撃させなかったけど、硝煙やらで一気に戦場のにほひになったよね。
「げほっ! げっほっ!!」
「な、何してくれてんだぁぁ!!」
舞い上がる土煙に咳きこみつつ、物九郎へ掴みかからんばかりに詰め寄る町民。
「相撲で火縄をぶっ放す奴があるかァァ!!」
「ァ? 相撲取りがやる訓練に『てっぽう』ってあるじゃニャーですか」
「そういう意味じゃねえええ!!」
総ツッコミをくらう物九郎。そっから見物人たち全員による怒涛の説教が始まったけど、物九郎さんは話半分で聞き流しました。
そこへ、アララギが挙手。
「過ぎたことは仕方ないわぁ。それより相撲を再開しましょうぉ」
「仕方ないで済む話でもねぇんだが……まあそう言うなら」
「でも土俵がなくなっちゃったわねぇ。別の場所に移りましょうかぁ」
少し考えるフリをして、離れたところへの移動を提案するアララギ。彼女の先導を受けて見物客たちもぞろぞろと移動を始める。
土俵がなくては場所を移すしかない。うまいこと人々を避難させることに成功した物九郎とアララギは、心の内で笑みを交わすのだった。
「土俵の周りの人たちは動いたみたいですね」
「では僕たちも始めようか」
アララギたちによる民族大移動(?)を確認したミストとレンが呼応。互いに目配せするとそれぞれ別々に行動を開始する。
通りを移動して人の少ないところに出ると、ミストは自律モードにした愛機『ブラックバード』を呼び寄せる。巨大人型兵器はどこからともなく飛んでくるとミストの直上に浮遊して止まり、当然のように注目を集めた。
「でっけぇ……あれも人形か?」
「あんな大きいのを動かせるのかい……?」
「動かせますよ。見てみますか?」
人々の疑問を解消するかのように、ブラックバードを飛び回らせるミスト。
それだけに留まらず、ミストが右手を上げれば右手を、左足を動かせば左足を、ブラックバードは完全に動きを再現する。
「ほぉぉ! どうなってんだ!?」
「こんなからくりをどうやって……」
「これはですね、実は戦うために作られた『異世界のからくり人形』なんですよ」
「異世界!」
「なになに、何の話をしてるんでぇ?」
驚いた誰かがあげた声に、周りの人々が反応する。ブラックバードの機体は大きくて遠くからでもよく見えるので、ミストのところにはどんどん人が集まってきた。
一方。
「こんにちは。少しいいかな?」
「んん?」
レンは、露店に並ぶ人形を吟味していた数人に声をかけていた。
最初は『なんだか変わった奴だ』という程度の表情だった。しかし話すうちに彼の服の下に覗く球体関節に気づくと、目の色を変えた。
「何だおまえさん、どんな体してるんだ?」
「まるで人形じゃねぇか。まさか人形に魂が移ったとか言わねぇよな?」
「ふふ。ところがね、そのまさかの人形なんだ。魂が移ったわけじゃないけどね」
レンがにこやかに笑うと、訝しげに見つめていた人々が身を乗り出す。露店を回って人形を見るような人たちだ、人間のような人形とあっては興味を持たずにはいられなかった。
互いに人だかりに囲まれたレンとミストは、彼らと話して町を離れるよう誘導する。
そうしてブラックバードに導かれた行列が出来上がってくると、空を飛んでいた機械竜たち――裕美が召喚していたレギオンが降りてきて進行方向を指し示した。
「これは中村さんの……ついていけばいいんでしょうか?」
「そうじゃないかな。彼女、辺りの地形を調べていたみたいだし、ちょうどいい避難場所があるんだと思う」
「なるほど。では……」
背を見せて飛んでゆく機械竜を目標にブラックバードを動かすミスト。
行列が順調に町を離れてゆくのを見届けつつ、レンはユーベルコードを発動。召喚した古代戦士の霊と一緒に最後尾につき、後ろから見守りつつ進んでゆく。
――そしてそれをさらに、後ろから裕美が見守っている。
「……避難は順調ね……」
むぐっ、と串団子を頬張る裕美。
町民の避難状況は、レギオンたちを介してすべて裕美にも伝わっている。すでにシズホやアララギたちも近くの高台に避難しているようだった。ミストとレンが連れている人々もすぐに安全圏に出てゆくだろう。
人々の避難は、着々と進んでいた。
大成功
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アリス・セカンドカラー
念動力による催眠術の範囲攻撃で眠らせてワンダフォーランドに回収するわ。大丈夫、中身はからくり大相撲会場と周辺の町を学習力で再現してるので祭典はそのまま続行可能よ。
ま、他の人が避難させた分は人工未知霊体で補っておきましょ。
一応私だって空気は読めるので避難は真面目にやるわよ。手段はアレに見えるかもだけど確実性と安全性を考えたらこれが最適解かな?って。
「なぁんか、人が少なくなったなぁ……」
「土俵にも人形がいないし、どうしたのかねぇ……」
だいぶひと気が薄まった通りを歩き、祭り客たちが不安げな顔をする。
猟兵たちの避難誘導で町の大部分から人々は消えていたが、状況を知らぬ者や新たに来た者たちなどは未だ通りに残っていたのである。
店主が出払った茶屋で一服していたアリス・セカンドカラーは、茶請けを口に放りこむと立ち上がった。
「さて、私もお仕事しましょうか」
通りを見渡したアリスが、念動力による催眠波動を放射する。
対象は言わずもがな。町に残った人々だ。何の抵抗力もない彼らがアリスの力に抗えるわけもなく、皆は唐突な眠気に沈んで次々と横たわってゆく。
「それじゃ回収よ」
ピッと通りを指差したアリスの言葉に従って、無数のミニチュアアリスが散開する。小さなアリスたちが眠った人たちに触れると、彼らは次々と消えた。
いや吸いこまれたと言ったほうが正しいだろう。ミニアリスたちの内部はユーベルコードで作られたアリスの妄想世界――ワンダフォーランドになっているのだ。
「これでしばらくは大丈夫ね。中でしっかりお祭りを楽しんでてもらいましょう」
回収完了して敬礼してくるミニアリスたちに、ひらひら手を振るアリス。
ワンダフォーランドには、からくり大相撲の光景から周辺の町まで完全再現してある。避難済みの人々まで設定してあるので、皆は目覚めてもそこで祭りを楽しんでいるだろう。
「手段はアレだけど、安全確実の最適解よね☆」
うんうん、と自分で納得して頷くアリス。
ともあれ、人々の避難は完了した。
あとはレディ・オーシャンを待つだけだと、猟兵たちは空を見張りつつ時を待つのだった。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『ぶんちょうさま』
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POW : 文鳥三種目白押し
【白文鳥】【桜文鳥】【シナモン文鳥】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
SPD : 文鳥の海
【沢山の文鳥】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
WIZ : 魅惑の視線
【つぶらな瞳】を向けた対象に、【嘴】でダメージを与える。命中率が高い。
イラスト:橡こりす
👑11
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
青い空にゆらりと、墨を落としたような影が浮かぶ。
――そう猟兵たちが認識した次の瞬間には、呑気な声が一帯に聞こえていた。
「エンパイアのみなさん、こんにち……ってあら~?」
鋼鉄の魚を侍らせた海神――レディ・オーシャンが青い髪をなびかせながら、驚いたように口に手を当てる。
彼女が予想していた町の景色とは、些か違っていたようである。
「人がた~くさんいると思ってましたけど、ちょっとさみしい感じですね~。もしかしてあなたたちのおかげかしらん?」
くすくすと笑いながら、猟兵たちを見下ろすレディ・オーシャン。
だが彼女は何を仕掛けるでもなく、ゆっくりと手をかざした。するとみるみる巨大な水の塊が生み出され、町をその影に覆うほどさらに膨れ上がってゆく。
そして――。
「ちょーっとさがしものがあるので、沈んでてくださいねん☆」
水球は町に落とされた。
強烈な水のうねりが路を埋め尽くし、
露店の人形たちが押し流され、
家々すらも圧倒的な水量に潰れてゆく。
数秒も経たぬうちに町のすべては即席の海――オーシャンボールの中に取りこまれてしまっていた。さながら海中と化してしまった通りから猟兵たちは空を見上げるが、レディ・オーシャンの姿はすでにない。
おそらくは『探し物』とやらに着手しているのだろう。
早く止めなくてはならない、と猟兵たちが海中を移動しようとした、そのときである。
彼らの眼前を、白い饅頭が横切った。
「――!!」
「――!!」
いやよく見たら饅頭ではない。
饅頭みたいなぷっくらボディには、申し訳程度の脚と羽がくっついている。
「――――!!」
そしてその超短い脚と羽を必死にばたつかせて、海中を必死に泳いでいる。
不慣れな水中で頑張って動いているそれは――エンパイアに存在している文鳥型オブリビオン『ぶんちょうさま』だ。世界を渡ってきたレディ・オーシャンによって早々に配下とされたらしきぶんちょうさまは、夥しい数で猟兵たちを取り囲んでいた。
そう、夥しい数で、愛らしくじたばたしているのだ。
その姿はとても敵ではない。
あるところでは上手く泳げなくて玉突き事故が起きていたり、あるところでは空を求めて懸命に浮上していたり、あるところではもう諦めて寝ている。
ええ、猟兵たちの心を揺さぶってくる、とてつもない包囲網です。
中村・裕美
「……かわいいけど……さすがにこれは……かわいそう(もぐもぐ)」
泳ぎは苦手なので、ぶんちょうさま達の気持ちは分からなくはない
「……楽にしてあげるのが……せめてもの慈悲」
【エレクトロレギオン】を召喚し、自分はオーシャンボールの外から操作する。召喚する際にレギオンの外装を【防具改造】で水中戦用にする。モーター的なもので水中を自由に移動できる感じの。
そうすれば、海中という【地形の利用】で相手よりも優位に立ち回れるかもしれない。
「……レディ・オーシャンに目をつけられたのが……運の尽きだったわね」
後は数の暴力に任せて魚雷的なものを飛ばして相手を撃破
「……あとは……レディ・オーシャンだけね(もぐもぐ)」
エル・クーゴー
●WIZ
『躯体番号L-95、サムライエンパイア指定座標に現着しました』
『目には目を』
『歯には歯を』
『饅頭みたいなぷっくらボディには饅頭みたいな以下同文を』
『――コール、ウイングキャット・マネギ』
『これより対抗戦力を戦線へ逐次投入します』
・ユベコ発動
・くしくもぶんちょうさまクリソツな、うちの羽生やしたデブ猫みたいな輩(MAX300体)をドバドバ送り込む
・こいつらも海中をじたばたするし、肥満体を活かして浮上しようとするし、諦めて寝ようとする輩も出て来るしあれっ完全に習性一致してんじゃね?
・尚【武器改造+メカニック】で、マネギ達の腹に機雷を仕込んで送り出す
・嘴につっつかれたら敵を巻き込み炸裂する仕様
ばたばたと回遊する白饅頭もといぶんちょうさま。
そのさまを裕美は海上から見下ろしていた。数体のレギオンに掴んでもらって水没を回避していたのだ。あと団子も無事だった。
「……かわいいけど……さすがにこれは……かわいそう」
むぐっと団子を食う裕美。
裕美は超インドア派だ。もちろん泳げない。
だから泳げずにもはや流されるままの饅頭たちに同情を禁じ得なかった。
「……楽にしてあげるのが……せめてもの慈悲」
水流に負けず残っていた大木に飛び移り、レギオンたちを引っこめる裕美。
しかし間髪入れず再度、機械竜を召喚する。
三百を超える機械竜たちは水中戦仕様に外装が改まっており、裕美の振り下ろす手に呼応して一斉に海の中に飛びこんだ。
どぼん、どぼん、と無数の低い水柱が立つ。
次の瞬間には機械竜たちは推進用スクリューを起動、水の中を一直線に突き進みはじめる。
「――!?」
「――!!」
海上からの襲来者に気づいたぶんちょうさまたちが、慌てて短い羽をばたばたする。
しかし進まない。
『敵襲だーであえであえー』
と言わんばかりにまんまる瞳を機械竜たちに向け、嘴で突くべく体を伸ばす。
しかし届かない。
何度やっても届かない。ただ水中で数センチ、体が縦長になるだけだ。
「――!!」
「……レディ・オーシャンに目をつけられたのが……運の尽きだったわね」
むぐむぐと何本目かわからない団子を頬張る裕美。彼女が見守る中で、ぶんちょうさまたちは機械竜たちがぶっ放した魚雷であっさりと消滅してゆく。
と、そのとき。
海面に少し大きな影が現れたことに裕美は気づいた。
空を見上げると――。
『躯体番号L-95、サムライエンパイア指定座標に現着しました』
背面に付いたバーニアスラスターで空に浮遊している、エル・クーゴーの姿があった。
「……お仲間さん……?」
『ええ。こちらに転移されてから迷子になり、遅れました』
キリッ、と電脳ゴーグルで目元が隠れた顔を裕美に向けるエル。
それから海中を見下ろすと視界を拡大。
魚雷であっぷあっぷの白饅頭たちを捕捉する。
『目には目を』
『歯には歯を』
『饅頭みたいなぷっくらボディには饅頭みたいな以下同文を』
呪文のような文言を発するや、エルの周囲に大量の――。
まるくて白くてずんぐりした謎のデブ猫たちが召喚される。
『――コール、ウイングキャット・マネギ。これより対抗戦力を戦線へ逐次投入します』
『にゃーん』
『うにゃー』
招き猫みたいなわがままボディに申し訳程度に生えてる羽をパタパタさせて、ウイングキャット・マネギ――総勢三百体の小型兵器たちが海にダイブした。
『んにゃにゃにゃ!?』
そして溺れた。
水中でなすすべなく行動不能に陥っていた。
必死に四つ足をばたつかせ、それがダメと気づくや自身の浮力を信じて脱力し、それもアカンと知るや諦めて『すやぁ……』しはじめている。
だいたいぶんちょうさまと同じムーヴであった。
『にゃにゃーん……』
「――!!」
生を諦めたマネギたちへ、ぴこぴこ集まってくるぶんちょうさまたち。
これでも喰らえと言わんばかりに超スローモーションで嘴攻撃を繰り出してきた。
だが、エルはすべて織り込み済みだ。
『一網打尽です』
嘴がマネギを突っつくや、豊満ボディが水中で大爆発を起こした。
立て続けにマネギたちは誘爆。
集結していたぶんちょうさまたちはあえなく餌食になるのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
アララギ・イチイ
地方では雀の丸焼きなんて料理があって実際に食してみたけど、文鳥の丸焼きってどうなのかしらねぇ?
雀と似た様なものだし試してみようかしらぁ……水中だから煮物になりどうだけどぉ(
【選択UC】発動よぉ
【早業】の【武器改造】で装備品を水中でも運用出来る様に改造を行うわぁ改造完了後、榴弾砲の砲弾に選択UCのナノマシンを塗布して、【一斉発射】の【乱れ撃ち】、砲弾を敵に送り込み、爆風による【範囲攻撃】と【吹き飛ばし】攻撃を行うわぁ
同時に爆風と一緒に水中に飛散したナノマシンを操作、ナノマシン濃度が高まったら、分子振動を極限まで高めて、敵の周囲空間を超高温で攻撃してしまうわぁ
敵の攻撃は【見切り】からの回避行動よぉ
「地方では雀の丸焼きなんて料理があって、実際に食してみたけど、文鳥の丸焼きってどうなのかしらねぇ? 雀と似た様なものだし試してみようかしらぁ……」
「――!?」
アララギの一瞥する視線に、びくりと反応する白饅頭たち。
本能的に何かされると察した彼らは、ひたすら必死に羽を動かした。
「――!!」
1ミリでもアララギから離れるべく頑張る饅頭軍団。
健気にして緩慢な逃走を見守りつつ、アララギは耳飾りを撫でる。
すると耳飾りがちらりと発光し、その手元に203㎜榴弾砲を出現させた。
「これでさくっと加熱よぉ。水中だから煮物になるかもしれないけどぉ」
発射、発射、怒涛の乱れ撃ち。
水中を入り乱れて飛ぶ榴弾砲は、少し進んだところで爆発を起こす。
1秒か2秒か、短い間隔で次々と生じる爆発。その衝撃がとてつもない海流を作り出し、白饅頭たちは抗えぬ力にただただ吹き飛ばされてゆく。
どうにか反撃しようと、ぶんちょうさまも文鳥たちを放つ。
だが悲しいかな水中&大爆発。小さな文鳥たちもひゅるーっとどこかへ消えていった。
しかも――。
「――!?」
周囲の水温が、みるみる熱くなっていた。
どころか沸騰までしやがったもんで、白饅頭たちは盛大にバタバタした。
アララギが砲弾に仕込んでいたナノマシン、それが爆発とともに水中に飛散して悪さを働いていたのだ。分子振動を極限まで高められた水はもはや灼熱の鍋の中。
「しっかり茹で鳥になったみたいねぇ」
超高温にさらされ、次々とただ浮かぶだけの饅頭と化してゆく敵を、アララギはただただ見送るのだった。
大成功
🔵🔵🔵
レン・デイドリーム
……かわいい
って和んでる場合じゃないね
レディ・オーシャンは既に行動を始めているし
包囲網を頑張って突破していこうか
けれど水中戦はあんまり対策が思いつかないなぁ
という訳で【呪詛】を籠めて古代戦士の霊を再召喚
戦士は槍でこう……海の中を漕いでいけない?
僕はその背に支えてもらったり乗せてもらいつつ進んでいこう
不格好だけどこれしか思いつかなかったんだ……
古代戦士の霊……ごめんね……
ぶんちょうさまには戦士の霊の槍か、僕の【衝撃波】や【呪詛】で攻撃していこうか
つぶらな瞳が可愛い……
嘴で攻撃してくるみたいだけど、ぶんちょうさまも移動に手間取ってるみたいだから回避は簡単かな?
【第六感】も交えてサクサク避けていこう
「……かわいい。って和んでる場合じゃないね」
目の前を頑張って横切ってゆくぶんちょうさまから、視線を切るレン。
危うく小一時間は囚われそうな魔力。とりあえずそれを振り払うのには成功した。
だが、まだ問題はある。
言うまでもなくレンは水中に没している。
そして水中戦に適した装備も持っていなかった。シュエをうねうねさせれば多少泳ぎの助けにはなるかもしれないが、それでも魚のように動けるわけではない。
黙考するレン。
やがて考えをまとめると、レンは呪詛を水中に放ち、海底から戦士の霊を呼び起こした。
そしてその背中へ乗っかるレン。
「こう……槍で漕ぎだす感じで、泳いでいけない……?」
ガッテンとばかりに槍をパドルのように振る古代戦士。
ちっとも進まねえ。
『まだやる……?』
と目で尋ねてくる古代戦士。
両手を合わせてお願いするレン。
古代戦士は頑張った。槍で水をかいたことなど初めての経験だった。しかし召喚主のお願いならば断わる選択肢はない。彼は必死に槍を振りまくった。
その結果。
「不格好でごめんね……これしか思いつかなくて……」
いけた。
かなりスピード感に欠けるけど、すいーっと泳いではいた。
泳ぐ中ですれ違ったぶんちょうさまに見つめられ、嘴攻撃されたりしたけど、それもなんかかわせた。向こうも遅いから。
「つぶらな瞳が可愛い……じゃなかった。槍で一突き、おねがいします」
こくりと頷いた古代戦士が、ずごっと槍で白饅頭を突き刺す。
こんな感じで、レンはオーシャンボール内の遊泳を人知れず楽しんだのだった。
大成功
🔵🔵🔵
篝・倫太郎
饅頭?
……饅頭つーよか、大福だよなぁ
お前らやっぱさ……豆大福……
可愛さの暴力で訴えて来るってな、ある意味ズルいけども
でもまぁ、ちょっと倒されといてくれっかな
水中での移動は水泳で対応しとく
拘束術使用
範囲内の全ての敵に鎖での先制攻撃と拘束
同時に俺も華焔刀でなぎ払いで刃先返しての2回攻撃
ついでに攻撃に衝撃波乗せての範囲攻撃
あーあーあー、聞こえなーい!
ぶんちょうさまの抗議は聞こえない!
聞こえないったら!
敵の攻撃は見切りで回避
回避が間に合わない場合は咄嗟の一撃で相殺
年のためにオーラ防御で防ぐようにもしとくし
防いだらカウンター
ここまで大量の豆大福にゃそうそう遭遇しねぇだろうし
Loreleiで動画撮っとく!
「――!」
眼前を秒速5センチで横切ってゆくぶんちょうさま。
それを目で追うのは篝・倫太郎である。
「お前らやっぱさ……豆大福……」
「――?」
ぱちくり、と黒豆な瞳を向けてくる豆大福。
ちょっと小首を傾げやがるのがまた憎い奴である。
「っ……可愛さを自覚してやがるとしか思えねぇ……!」
倫太郎は目をつむり、必死にぶんちょうさまから顔を背ける。
見ていたら愛でてしまう。両手でホールドしてむにむにしてしまう。
雑念を振り払うべく、倫太郎は腕を振るった。
見えぬ鎖が水中を走り、ひろがる。浮かぶ豆大福たちはことごとく捕縛され、慌ててぱたぱたと泳ごうとするがもう遅い。
倫太郎が黒柄の薙刀――華焔刀で水ごと一帯を薙ぎ払う。
豆大福たちはすっぱりと両断され、遠いものは衝撃波によって吹き飛ばされる。返す刀で後ろもひと薙ぎしてみれば、周囲のぶんちょうさまたちは容易く水流で消えていった。
「――?」
「――……??」
悲しみを訴えるように、嘴をパクパクとさせながら……。
「あーあーあー、聞こえなーい! 抗議は聞こえない! 聞こえないったら!」
ごぼぼぼ、と水中に泡を生みながら、華焔刀を振り回す倫太郎。衝撃波が大渦のようなうねりを作り出し、向こうが反撃として放った文鳥たちも巻きこんで豆大福軍団を一掃する。
みるみる周囲から離れてゆく愛らしきオブリビオン――。
静かに見送った倫太郎は、装着していたバイザー型電脳ゴーグル『Lorelei』に触れた。操作して撮影データを確認する。
「……おし、撮れてるな」
りんたろうは、たいりょうのまめだいふくどうがをてにいれた。
大成功
🔵🔵🔵
ミスト・ペルメオス
【SPD】
…どんなに愛くるしい存在だろうと。敵ならば、排除するのみです。
意識を切り替え、愛機に乗り込んで戦闘に臨む。
デバイス等を介して自らの念動力を活用し、機体をフルコントロール。また周囲の情報収集にも応用。
今回の戦闘領域は主に水中、ということで【サモン・オプションアームズ】。
可変速ビームキャノン2門の代わりに、補助推進ユニットと水中砲が一体化した水中戦闘ユニット2基を装備。
超硬合金製の細長い杭を撃ち出す水中砲を用い、ぶんちょうさまの群れを片っ端から撃ち抜く。
…いかに愛らしい容姿・行動をしていようとも、敵は敵で任務は任務。
内心では葛藤しつつも容赦なく戦闘をこなす。
※他の方との共闘等、歓迎です
仲間たちが蹴散らした白饅頭たちが、右から左から過ぎ去ってゆく。
町が海に没した際に機械鎧『ブラックバード』を纏っていたミストは、視覚デバイスから送られる映像を見て唇を引き結んだ。
「どんなに愛くるしい存在であろうと……敵ならば排除するのみです」
可能であれば枕にしてお昼寝とかしたかった――。
とかそんな考えはスパッと切り捨てて、ミストはブラックバードに念動力を送りこむ。
基本装備である二門のビームキャノンの接続が外れ、代わりに水中戦闘ユニットを召喚して装着した。後部に向いた補助推進ユニットが駆動し、大きな機械鎧が水中を進む。
「――!?」
動く巨体が生む水流だけで、ぶんちょうさまは煽られる。
具体的なアクションとしては、わたわたと羽と脚を動かす。
ミストは目を閉じ、天を仰いだ。
「……あれはオブリビオン、オブリビオンなんです……!」
ふーっと深呼吸するミスト。
そして。
「いきます!!」
ブラックバードの重い腕部が上がり、水中戦闘ユニットから伸びる砲身を支える。
トリガーを引いて飛び出すのは弾ではない。水中に対応した超硬合金製の細長い杭だ。
水を切り裂くかのように、螺旋を描いて一直線に飛ぶ杭。
重厚な音を立てて連射される水中砲は、ミストの視界の端から端まで撃ちこまれ、ぷかぷか浮いてた白饅頭たちを串刺しの団子に変えていった。
「――!!」
「――…………」
「……戦場で会わなければ、あるいは……」
ぽんぽん、とコミカルに消滅してくぶんちょうさまを、見てられないミストだった。
大成功
🔵🔵🔵
アリス・セカンドカラー
カートゥーン的なギャグ補正な妄想世界を構築。カートゥーンなキャラなら海中を普通に歩いていても問題ないてましょ?(念動力/水泳)
文鳥たんと萌擬人化させてカートゥーン的な悪戯で文鳥たんと遊ぶわよ☆
カートゥーンな悪戯にはリアルで行うと致命的なモノも多いけど、これはあくまでも悪戯なので非戦闘行動であり没頭してる間は攻撃を遮断するわ♪
さて、ぶっつけ本番も怖いので対レディ用の技を練習しましょうか。シムラウシロウシロ現象でバックを取り両手を組んで人差し指を立てるわ。そして、対象の菊紋を串刺しに☆そう、向こう三年痔獄で苦しむという三年殺し、つまりかんちょうをお見舞いするわ♪
また、つまらぬ穴を掘ってしまった。
「――!」
「――!!」
猟兵の攻撃により次々と数が減り、いよいよ白饅頭たちは焦燥感を抱きはじめる。
ぶんちょうさまは、水底の地面に拳を打ちつけた。
「このままじゃみんなやられちゃ……って、えっ?」
「喋れる!?」
口々に戸惑いを覗かせるぶんちょうさまたち――いや文鳥たんたち。
その姿は愛らしき白饅頭から、色白の白髪少年へと変貌していたのだ!
「いったいどうして……?」
あまりの事態に状況を飲みこめない文鳥たん。そのきゃわわな表情が不安に曇る。
それを、遠くからじっと、アリスが観賞していた。
「ふふ、萌え擬人化成功ね☆ 世界もカートゥーン仕様に塗り替えたから、喋ってる声も聞こえるしご馳走様です♪」
歩き回る文鳥たんを見て、息を荒くするアリス。
説明しよう!
今の状況!
だいたいアリスのせい!
「さて、ぶっつけ本番も怖いからレディ戦に向けて練習しましょうか」
ぬるーっ、と足音もなくホバー移動するアリス。
そうして文鳥たんの一団にこっそり接近すると、両手を組んだ。
あと人差し指を立てた。
その手の形はまさに――。
「それっ♪」
「ぐああああーーーーーっ!!?」
かんちょうだった。
お尻の秘孔的なところをダイレクトアタックされた文鳥たんは成すすべなく倒れた。
「ど、どうしたの!? いったい何が――」
「それっ♪」
「ひぎいいぃぃーーーーっ!!?」
仲間を心配して駆け寄った文鳥たんも、アリスの毒牙いや毒指にかかる。
的確に突き通す打撃。打撃。打撃。
「また、つまらぬ穴を掘ってしまった」
アリスがフッと格好つける、その周囲には、お尻を押さえてぴくぴくする美少年たちの憐れなる屍が積まれていた……。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『レディ・オーシャン』
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POW : ディープシー・ストーム
【激しく渦巻く冷たい海水の奔流】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : 「邪魔が入らないようにしちゃいますね〜☆」
非戦闘行為に没頭している間、自身の【周囲を舞う膨大な海水】が【防壁を形成し】、外部からの攻撃を遮断し、生命維持も不要になる。
WIZ : ウォータージャベリン
レベル×5本の【海】属性の【当たったものを海水に変える水槍】を放つ。
イラスト:hina
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
心を癒されつつ敵群を撃破した猟兵たちは、レディ・オーシャンを捜して海中を進む。
すると、水流によって半壊全壊した家屋たちの間を抜けていたところに、声が聞こえてきた。
声を追って、猟兵たちは泳いだ。
聞こえていた声が、よりはっきりとしたものになってゆく。
それがレディ・オーシャンの気の抜けた声だと確信したとき、一同は彼女の後姿を見つけた。
「さあ、これも持ち帰りましょう~☆」
などとのたまいながら、何やら儀式めいたアクションを行うレディ・オーシャン。
海底にぼんやりと光の模様が浮かび、その淡い光がちらちらと影を作って水の揺らぎを視覚化させていた。
こちらを待ち構えている様子はない。
猟兵たちが姿を見せたところを先制攻撃されるといったことはないだろう。
だがだからこそ、気になるのはレディ・オーシャンが『持ち帰る』と言っているものだ。
猟兵に目もくれず持ち帰ろうとしている何か――。
それを渡してよいかどうかなどは、もはや考えるまでもない。
海神の企みを阻止すべく、猟兵たちは儀式の光の中に飛びこんだ。
月舘・夜彦
【華禱】
海低に何かの光が……まるで切り抜くかのように展開しているのですね
しかしながら持ち帰らせるわけにはいきません
……ていくあうと
えぇと、お待ち帰り……でしたか
我々との戦いよりも優先するべきもの
だからこそ阻止しなければ
往きますよ、倫太郎殿
移動は水泳の技能を活用
海水の奔流に対抗し、早業の抜刀術『八重辻』を使用
視力と見切りにて奔流の流れを読み、合わせてカウンター
倫太郎殿の神霊と動きを合わせて仕掛けます
斬撃に衝撃波を併せてなぎ払って水流を相殺
海水に冷気があるようであれば氷結耐性にて耐える
奔流が少しでも穏やかになった所で敵へ接近
倫太郎殿と攻撃を合わせて2回攻撃のカウンター
篝・倫太郎
【華禱】
テイクアウトはご遠慮クダサイ、ってな
そそ、お持ち帰りな?
土産にされちゃたまんねーもんよ
おう、往こうぜ……夜彦
引き続き移動は水泳で対応
連動状態で起動させたHoldaとLoreleiで奔流の動きを解析
迅速に精度の高い予測データを算出し
地上程すんなりいかねぇかもだけど
夜彦と情報共有を
弐式使用
神霊を放つのと同時に俺自身も華焔刀で先制攻撃のなぎ払い
刃先返して2回攻撃
以降はフェイントを交えつつ攻撃
攻撃には総て衝撃波と鎧無視攻撃を乗せてく
神霊にも奔流の薄い場所を攻撃させつつ敵を拘束
可能なら儀式の妨害も
また、互いの死角をフォローするように立ち回り
敵の攻撃はオーラ防御で防いでカウンター
骸の海に還れってな
「何狙ってんのか知らねーが、テイクアウトはご遠慮クダサイ、ってな」
「……ていくあうと」
光に包まれたレディ・オーシャンを見据える倫太郎の言葉に、隣を泳いでいた月舘・夜彦が単語の意味を確かめるようにはっきりと繰り返す。
「えぇと、お待ち帰り……でしたか」
「そそ、お持ち帰りな? 土産にされちゃたまんねーもんよ」
「敵である我々よりも優先するべきものとあれば……阻止しなければなりませんからね」
憎たらしく眼を細めて笑った倫太郎に、夜彦も一瞬の微笑みを返す。
だが左手が愛刀『夜禱』に添えられたとき、その顔は元の凛とした色に戻っていた。
「往きますよ、倫太郎殿」
「おう、往こうぜ……夜彦」
大きく脚を蹴りだし、満ちた海水の中を突っ切る二人。
水中を巧みに進む体は素早く、着実にレディ・オーシャンとの距離を詰める。
だがレディ・オーシャンも夜彦たちを見て動く。彼女が戯れのようにくるくる指を回すと、周囲の海水が回転を始め、やがて何物も寄せ付けぬ激流が奔った。
「今は遊んでられませんからね~。あっちに行っててくださいねん☆」
冷たい奔流が、彼女へ近づく二人を真っ向から襲う。突風に煽られたかのような力が夜彦の上体を打ち、剣士の体が危うく傾ぐ。
だが夜彦は腰を落とし、辛うじて流されるのを堪えると夜禱の柄を握る。
そして目線は相棒。
LoreleiとHolda――琥珀色の瞳を覆うふたつの演算デバイスで奔流を解析した倫太郎は、手振りで前方のある一点を示した。
「そこ、かましてやんな」
「承知しました」
夜彦の双眸が再び前を向き、右手が夜禱の玲瓏なる刀身を抜き放つ。
そして一瞬の間もなく、刃は弧を描いた。
抜刀術『八重辻』――その技が斬ったのは奔流そのものだ。極限の集中力で放たれた一太刀は水流の要を断ち、嵐のような奔流はほどけるように海に溶ける。
壁が消えた。
そう感じた夜彦はたちまち華焔刀を振るい、同時に術を放つ。
倫太郎の前に現れたのは無数の女――倫太郎の始祖たる巫女の神霊たち。眼に映る姿を持たない彼女らは、華焔刀を携えた倫太郎とともにレディ・オーシャンに攻めかかった。
「何を探してんのか知らねーが、目の前で勝手はやらせねーぜ!」
「あらん。乱暴ですね~☆」
横薙ぎに振られた華焔刀を、ひらりとかわすレディ・オーシャン。
だがその足が再び地面につく間もなく、海神の体は縛られたように止まった。
倫太郎に合わせて動いていた神霊たちが、気づかぬ間にレディ・オーシャンに忍び寄り、その四肢を押さえこんでいたのだ。
「あら~?」
「今だぜ、夜彦!」
「ええ。目の前にある好機、見逃す私ではありません」
刀を抜きながら、レディ・オーシャンとすれ違う夜彦。
眼にも止まらぬ鮮やかな抜刀術は、海神の腹に二本の傷を刻みつけ、水中に薄衣のような血飛沫を散らしていた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
レン・デイドリーム
ようやくレディ・オーシャンまで辿り着いたね
彼女については気になる事が沢山だけど……それより退治を優先すべきかな
戦争の時とは状況が違うけれど、彼女が強敵な事に変わりはない。
あの水槍には絶対当たらないようにしないと
念の為に【オーラ防御】で身を守りつつ戦うよ
水槍は【第六感】でも回避していくように心がける
死霊達を召喚するのも的を増やす事になってしまうかな
僕とシュエだけで頑張ろう
【衝撃波】で彼女へとダメージを与えつつ、隙を窺っていくね
本命はUCだ
彼女の手足を封じる事でどの程度の影響があるかは分からないけれど
【学習力】で水槍を発射する時の動作を覚え、それを阻害するようにUCを使うね
……好き勝手はさせないよ
エル・クーゴー
●WIZ
最終撃破目標を目視で確認しました
これより、敵性の完全沈黙まで――ワイルドハントを開始します
敵、フォーミュラ幹部級オブリビオン
しかし敵先制攻撃が無いこの機を、当機は自己改造に費やします
【マルチプルミサイル】セット、ポッド展開
全弾【一斉発射】の【2回攻撃】化、即ちミサイル装填数増を期した【武器改造+メカニック】をマニピュレーターより実行します
サーチドローン:マネギを別視点から敵動向を推し量る観測手(撮影+情報収集)としてその辺に放つと共――火器管制システム、弾道弾迎撃ミサイル運用プロトコルを参照(誘導弾)
被弾時には致命が思われる水槍を残弾数の限り相殺、味方の攻勢に対する【援護射撃】とします
『最終撃破目標を目視で確認しました。これより、敵性の完全沈黙まで――ワイルドハントを開始します』
状況把握、完了。
目元を覆うゴーグルの明滅が止まると、エルは射撃武装のすべてを展開した。数多の砲身がさながら千手観音像のようにミレナリィドールの体を飾る。
その威容を一瞥した、同じくミレナリィドールのレンは、敵を見据えて首を肯ける。
「ようやく辿り着いたね。彼女については気になる事が沢山だけど……今はそんなことを言ってる場合じゃないかな」
思考の迷いを断つように、また敵を威嚇するように、全身から白き触手――UDC『シュエ』をひろげるレン。幾本もの触手を鞭のようにうねらせて、衝撃波を海神へ放つ。
海中を突き進む波動は、しかし体を翻らせたレディ・オーシャンの横を通過した。
「水の中だと、よく見えますね~」
「確かに、はっきり見えちゃうようだね」
くすくす笑うレディ・オーシャンに、まるっと同感するレン。
地上であれば見づらい衝撃波も水中ではその軌道が丸わかりだ。
それはレンもわかっていた。
わかったうえで、やっていた。
視線を交わしあうレンとレディ・オーシャン――そこへ機械的な音声が響く。
『全武装の改造完了』
レンの真後ろからゆっくりと、エルが浮き上がった。
露になった姿はやはり武装の花を咲かせた人間砲台。
だが先程と違うのは、無数の砲身の間でマニピュレーターが機敏に動いていることだ。
レンが敵の気を引いている間に、エルは処理能力のすべてを注いで、武器改造を終えていた。
『当機のミサイル装填数は従来の二倍に増加しました』
「それはすごいですね~。なら試してみましょうか~☆」
それー、と腕をかざし、周囲の海水で槍を形成するレディ・オーシャン。
しかもただならぬ数だった。視界一面を覆い尽くすような大量の水槍が、あらゆる角度からエルやレンに殺到する。
その尋常ならざる数量を一度に処理することは困難だったろう。
だが水槍が放たれた瞬間、近場の岩の陰から覗き見ていたデブ猫――マネギがエルに観測情報を信号にして送る。戦況把握のためにエルが予め放っておいたのだ。
『全弾捕捉。迎撃を実行します』
エルのミサイルポッドが開き、続々とミサイルが躍り出る。火器管制システムで操作されたミサイルは的確に水槍を撃ち、自身やレンに接触する前に相殺した。
そこかしこで発生した爆発が、大渦のように水流を狂わせる。
――その中を、レンはオーラを張って突っ切っていた。
「さあ、頑張ろう。シュエ」
首に巻きついていた白触手をひと撫ですると、シュエが歓喜したようにうねうねと踊り、その長い体を分離させていくつもの枷を作り出す。
「いやな予感がしますね~」
水槍で迎え撃とうと腕をかざそうとするレディ・オーシャン。
しかしその動きに先んじて、レンはしなる触手で枷を投擲。
見事に四肢を繋ぎとめて、海神の動きを封じこめていた。
「あら~?」
「……好き勝手はさせないよ」
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
アリス・セカンドカラー
私の精神世界たるワンダーラビリンスでオーシャンボールを念動力な盗み攻撃でハッキング。乗っ取れるのはごく一部でしょうけど、とりま、罠使いで強制移動トラップ海流が操作出来ればOK。これで移動も自由自在よ。
「あなたの尻を狙い打つ!」
かんちょうの構えをしゅしゅとシャドウしながら存在感を発揮してレディの注目を引く。そうして本体を囮にシムラウシロウシロ現象(目立たない)でレディの後ろに分身(範囲攻撃)を創造して、レディにかんちょう(串刺し/トンネル掘り/二回攻撃)をしてレディにおちゃめなダブルピースをしてもらいましょ♪
「向こう三年痔獄に落ちろ☆」
後はいつもの触手さんで捕食して蹂躙よ♡
「さて、それじゃ今のうちに」
戦況を見計らい、ユーベルコードを発動するのはアリス。
アリスの肉体からその精神が滲みだし、現実を汚染する。オーシャンボールの内部が奇妙に歪み、やがて海中の一部が妖しいピンク色に変じた。
しかし場に干渉できたのはそこまで。海中のほんの小さな一区画だ。
「ま、この程度でしょう。でもこれで移動も自由自在よ」
海流を操作してするーっと移動するアリス。
機敏な移動力を手に入れたところで、満を持してレディ・オーシャンへ正対した。
「あなたの尻を狙い打つ!」
「……?」
組んだ両手の人差し指をシュッシュッと素振りするアリス。首を傾げる神。
「私はあなたのお尻を狙うわ。さあどうする!」
「お尻……ですか~?」
目の前の少女の狙いはさっぱりわからないレディ・オーシャン。
しかし、海神はとりあえず水槍をぶっ放した。
「消えてもらいますね~☆」
「ふっ、そんなもの当たらアーーッ!」
立っている地面に槍が刺さり、より深き海底へと落ちてゆくアリス。フラグを立てて一秒もしないうちの回収であった。
――が、これも彼女の作戦の内!
『隙ありー!』
「っ!!?」
レディ・オーシャンのお尻を襲う極大衝撃。
ちょっと足が浮くほどに海神の下半身を突き上げたのは――アリス。
本体が注意を引きつけているうちに敵の背後に生み出されていた分身アリスだった。
「うぅぅ……なんだかお尻がきゅっとします~……」
『向こう三年痔獄に落ちろ☆』
「でもお返しですよん☆」
『アーーッ!』
水槍をぶっ刺された分身アリスが、断末魔とともに海中に消失した。
成功
🔵🔵🔴
ミスト・ペルメオス
【POW】
…気を取り直して、やるか。
引き続き、愛機たる機械鎧を駆り立てて戦闘。
念動力を最大限に。機体をフルコントール。
【フォースド・アサルト】起動、限界稼働状態へ移行。
水中戦は本領とは言い難い。機体と自身への負荷を覚悟で短期決戦を挑む。
サイキック・フィールドとエネルギーバリア、2種の防壁は機体を覆うように展開。
強引に抵抗を軽減させつつスラスター最大稼働、全力で突貫。
繰り出される激流などは回避機動や防壁で凌ぎつつ。
有効射程に敵を捉え次第、全兵装を以て弾幕を張るかのような射撃を叩きつける。
負荷が激しく、攻撃の機会はあっても恐らく2回まで…せめて有効打を与えられれば!
※他の方との共闘等、歓迎です
アララギ・イチイ
何をしようとしているのか知らないけど、妨害させてもらうわぁ
【選択UC】使用よぉ
UCの効果で召喚したアームドベース(人型戦闘ロボ)に乗り込んで水中戦闘するわぁ
中~遠距離では8連装の短魚雷ランチャーから【誘導弾】の魚雷を【乱れ撃ち】、爆風による【範囲攻撃】を加えつつ接近、近距離に潜り込んだら手持ちのニードルガンの【スナイパー】の技能で補正した【部位破壊】の射撃を加えて攻撃ねぇ
敵の攻撃は海水による攻撃だから水中戦用の機体だから耐えられそうだけど、【見切り】からの【ダッシュ】回避で避けるわぁ
中村・裕美
とりあえず今回もオーシャンボールの外から攻撃を仕掛ける形で。
「……お団子……じゃなくて……大会を邪魔した報い……受けてもらうわよ」
そんなわけでレディ・オーシャンの座標に対して【早業】で【ハッキング】し、【ステルスボム】で爆破する。仲間との戦闘中に使えば、防壁も作れないだろうし。
もし、非戦闘行為に没頭されて防壁が作られていても、その防壁の向こう側で爆弾を作り出せば問題ないかしら。
「……何のことを言っているかわからないけど……持ち帰らせは……しないわ」
「……気を取り直して」
脳裏に鮮明に残る白饅頭たちを振り払い、機械鎧を操る念動力をミストが強める。
機体の隅々まで駆動系が活性化する――程度では止まらない。
より強く。
より速く。
機械鎧『ブラックバード』に、ミストの念動力が溢れださんばかりに満ち満ちてゆく。
「最大稼働ッ――行くぞッ! 悪神を討つッ!!」
念波でもって機械鎧を飛び出させるミスト。
巨大な機体の前方にサイキックエナジーが盾のような力場を作り、さらにブラックバード自体の機構がその上にバリアを張る。
二重の防壁を構えて、ミストはレディ・オーシャンに吶喊した。
「とっても大きいですね~。でも水中なら動かすのはカンタンですよん☆」
ぴっ、と指を弾くレディ・オーシャン。
たったそれだけの仕草で水はひとりでに動き出し、激流となってミストに襲いかかる。
「くっ……もってくれ、ブラックバード!」
強烈な衝撃が機体を揺らし、ミストの体も前後に揺さぶられる。だがミストはそれでもスラスターを全開噴射。
二重のバリアで真っ向から奔流を突き進み、海神の眼前に踊り出す。
「切り抜けるんですか~? すごく頑丈ですね~」
「くらえ……ッ! レディ・オーシャン!!」
ブラックバードに搭載された兵装のすべてを、開放するミスト。水中砲が海水ごとレディ・オーシャンを吹き飛ばし、マシンキャノンが何千という鉛の礫を叩きこむ。
――が、全火力を投入したところで、ブラックバードが沈黙する。
全領域での活動に対応するとはいえ、水中はブラックバードの本領ではない。激流の中を突っ切らせた負荷がたたり、一時的な作動不良に追いこまれていた。
「やはり無茶だったか……!」
「止まっちゃいましたね~。では遠慮なく破壊しますよ~♪」
指を振り、再び激流を生み出すレディ・オーシャン。
しかし彼女がその激流を動けぬミストに差し向けようとした瞬間、足元の海底が前触れもなく大爆発を起こした。
「あら~?」
崩れる海底に足をとられ、海老ぞりになる形で体勢を崩すレディ・オーシャン。生み出した奔流ははるか海上へ向けて消えてゆく。
海面が弾け、花火のように水飛沫が舞うのを、裕美は大木の枝に座りながら眺めていた。
「……お団子……じゃなくて……大会を邪魔した報い……受けてもらうわよ」
周囲に浮き上がる電脳コンソールに指を滑らせ、海中にいるレディ・オーシャンの座標を正確に弾き出す裕美。仕上げに人差し指をポチッと操作をすれば、そこに不可視の爆弾が生み出される。
二度目の爆発にも、海神は抗する暇もなかった。
爆発の圧力に押しやられ、みっともなく天地をひっくり返すレディ・オーシャン。
「爆弾でしょうか~? でもいったいどこから~?」
「……何を探してるのかわからないけど……持ち帰らせは……しないわ」
ポチポチポチ、とコンソールを連打する裕美。軽快な調べのような爆音が海中に響き渡り、同時に海神がピンボールのように彷徨う。
そうして、流れ流れて行き着く先には――。
「それじゃあ、私も全力で妨害させてもらおうかしらぁ」
アララギが待ち構えていた。
身ひとつで水中に浮かんでいたのではない。
その体はユーベルコードで召喚した、8mもの大きさの人型戦闘兵器――アームドベースに収まっていた。
「え~。あなたも邪魔するんですか~?」
「そうよぉ。だってそのほうが面白いでしょぉ?」
顔に愉悦を滲ませて、アームドベースを駆るアララギ。
突進してレディ・オーシャンとの距離を詰めながら、両肩部のランチャーを開く。
レディ・オーシャンはすぐさまアララギとの間に冷たい水流を生み、攻撃に備えた。だがアララギは構わず八連装ランチャーから続々と短魚雷を撃ちだす。
ぶつかりあう水流と短魚雷。
打ち破ったのは、どちらでもない。
短魚雷と水流はその場で互いに消え去った。大量の短魚雷の爆発が奔流を狂わせ、静まった水の世界には視界を埋め尽くさんばかりの泡が発生する。
その不明瞭な水中を、アララギのアームドベースは一直線に突撃していた。
泡の煙幕を突き抜けてきたその巨体が、視界が晴れるのを待っていたレディ・オーシャンの体を鷲掴みにして捕らえる。
「あらら~? これはもしかしてピンチなような気が……」
「そうねぇ。逃げ場のない大ピンチじゃないかしらぁ?」
呑気に首を傾げるレディ・オーシャンの胸部――ど真ん中に、アームドベースの手に持たせているニードルガンをあてがうアララギ。
対装甲用爆裂ニードルガン。
その狙いすまされた一撃が、レディ・オーシャンの命を穿っていた。
レディ・オーシャンが消滅すると同時に、オーシャンボールも消滅した。
水没した町はまるで嵐に吹かれた後のようにひどい状態だったが、それでも町民たちに犠牲は一人も出なかった。猟兵の避難誘導によって命を拾った彼らは、町に戻るやすぐに家屋等の再建に取り掛かったのである。
もちろん、中断されていた人形たちの戦いも、である。
大成功
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