●
「ついに、群竜大陸へと足を踏み入れたようじゃ」
ガングラン・ガーフィールド(ドワーフのパラディン・f00859)は、感慨深げに頷くと言葉を続けた。
「じゃが、そこは帝竜ヴァルギリオスと千の竜が支配すると言われた、いわば呪われた大地じゃ。自然現象すらもこちらを拒むように襲ってくる。生半可な覚悟では、挑めぬ地じゃ」
その過酷な地、群竜大陸最初の場所は「魂喰らいの森」だ。森に住まう動植物――草一本から蛇一匹、虫や鳥に至るまで、全て「生物の魂」を食糧としている。生物にまとわりつき、肉体を傷つけることなく魂だけを啜る。残った体は森の番人として、その森を守護する存在となるのだ。
「この森を一区画ずつ制圧し、大陸に橋頭堡を築いていくしかないのじゃ。そのためにまず必要なのが、魂の祝祭――ようはお祭り騒ぎじゃな」
何を言っているのか、と思うだろうがこれが重要なのである。楽しい気持ちは魂喰らいを遠ざける効果がある――ようは、この森の魂喰らいに対抗するために魂の方を強くしよう、という話だ。
「何、そんなに難しく考える事はない。美味い酒と食事、歌って踊って騒いで……それだけで十分じゃ」
食事の前に酒が来るのが、ドワーフらしいというべきか? ガングランはうむうむとうなずきながら顎髭を撫でる。
「そうして祭りで魂を強化してから、森の攻略に挑んでくれ。森にはパストールという竜を崇めるトカゲの神官の群れと、森の核を持つ『黒輪竜』メランシオンがおる」
まずはパストールの群れの駆除、次に森の核を持つメランシオンを倒し、その核を奪わなければならない。
特に森の番人となったメランシオンは、通常のユーベルコードに「魂を啜る効果」を加わっている。楽しい記憶によって魂を強化する事でこれに対抗出来るのだ。
「おぬしらに挑んもらう森の上には、黒い輪状の雲があるという。これこそがメランシオンがおるという証。決して魂を喰らいつくされぬよう、気をつけて挑むがよい」
波多野志郎
飲めや食えやの大騒ぎ! どうも波多野志郎です。
今回はついに踏みこんだ群竜大陸、魂喰らいの森を攻略していただきます!
まず第一章はお祭りをしていただきます。森の入口での、大騒ぎ。どんなアイデアが来るか、心よりお待ちいたしております。
それでは、魂さえも糧とされる地でお会いしましょう!
第1章 日常
『魂の祝祭』
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POW : 大いに食べて飲んで、力の限り騒ぎ楽しむ
SPD : 記憶に残る華麗な芸や踊り、話術などを披露する
WIZ : 魂が力強くあれるよう、歌や祈りを捧げる
👑5
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ソラスティベル・グラスラン
ナイくん(f05727)と
くぅぅ、感激です…ここが群竜大陸なんですね、ナイくんっ!
お酒は飲めませんが、高揚と場の雰囲気に酔ってしまいそう!
ふと、以前読んだ英雄譚を思い出す
旅に出る直前、勇者とその親友と共に『誓い』を立てていた
…わたしも、ナイくんと
冒険を末にわたしたちはついに伝説の地に辿り着く
そして今、新たな冒険が始まる
群竜大陸を巡る旅の中で…わたしたち二人どちらも欠けず、
この冒険を結末まで共に見届けることを
ふふ…勇者の心得、忘れてませんよね?
互いの得物をがしゃんと打ち付け
「勇気で攻め、気合で守り、根性で進む」
勇気の御旗を掲げ、望むは明日の暁の空
これがわたしたちの、勇者理論!!【鼓舞】
ナイ・デス
ソラ(f05892)と
楽しい気持ちは、魂を強くする、ですか
ヤドリガミの魂は、本体に……魂が強くなれば、本体も長持ち、してくれる、でしょうか
……ふふ。はい。楽しみましょう、ソラ
こうして一緒にいられる、それだけで魂、強くなります!にゃんて♪
楽しんでいたら、ソラが場酔い?して……誓い?
……はい
今回の冒険も、次の冒険も、ずっと一緒、です
勇者理論も、忘れていない、ですよ
ソラと二人、互いに得物(私は長剣に戻した黒剣)を打ち付け
「「勇気で攻め、気合で守り、根性で進む」」
呪い渦巻き、暗雲の帳降りようと、己が刃で切り開く
これが私達の、勇者理論!
ですね。では魂喰らいの森、黒雲の下、ドラゴン退治の冒険へ
いきましょう
ラティナ・ドラッケンリット
群竜大陸の発見と到達を祝おうじゃないか
シングルモルトウィスキーの詰まったシェリー樽と
とっておきのドラゴンの塊肉を提供しよう
焚火で肉を炙り
焼けたところから削いで取り分け
樽から柄杓で酒も存分に振る舞おう
もちろん私もガンガン飲み食いして
大いに楽しませてもらう
こうやって祝うべき時に
英気を養うのもまた冒険者の流儀だ
これから始まる戦いの為にも
しっかりと楽しんで
戦いに臨む為の覚悟を決めなければな
千の竜が支配する大陸
腕が鳴り胸が高鳴るじゃないか
御剣・刀也
POW行動
おー、祭りか
いいねぇ。戦闘前の景気づけに一杯やろうか!!
ジューシーに焼かれた骨付き肉に噛り付きつつ、酒を飲みながら祭りを楽しむ
飲み比べをしようと言われたら、最初は大杯で飲み比べているが
「んー、どうも飲み足りないな」
と自分は樽事飲んで、相手には大杯で飲ませつつ、肉を食い、飲み比べに興ずる
蟒蛇のように大酒のみなので、酔う事は滅多になく、酔いつぶれて倒れていく者たちをみつつ
「へへ、本当の豪傑は酒にも強いのさ」
宇冠・龍
由(f01211)と参加
魂を喰らう森……大変に興味深いですが、霊を操る私とはなかなかに相性が悪いですね
人一倍に英気を養う必要があるかもしれません
ただ、もうそこまで私たちは若くはないですから、お祭りを静かに眺めましょうか
サムライエンパイアやUDCの古い時代では、三々九度というものがあるそうです
なんでも、夫婦が一緒の盃を用いてお酒を飲むのだとか
戦い前なので、お酒は控えて他の飲料で代用します
夫の霊と隣り合って、杯の中身を口に含みます
(……なんだか、気恥ずかしいですね)
料理を美味しそうに食べる由に手を振り笑いかけます
宇冠・由
お母様(f00173)と参加
(魂を喰らう森。いけません。お父様が、いえ、もしかしたらお母様も食べられてしまうかもしれません。私がお守りしませんと)
失うのは嫌です。お母様傷つけたくありませんし、お父様をまた失ってしまうことも避けなければなりませんわ
一杯食べて、沢山お祈りします。私たち家族だけでない、全員の無事を
この世界にも神様という存在がいるのかは分かりません。けれども、前に進むのはいつだって私たち自身
だから願うのは天にではなく、私の内側。この燃える身体と秘めた心に
折角なので花火変わりに祝砲を打ち上げましょう
【熾天使の群れ】で空に色とりどりの炎の軌跡と弾けて花火を彩らせます
アテナ・アイリス
ついに帝竜ヴァルギリオスの背中が見えてきたわね。邪龍はわたしが倒すんだから。でもまずは、この「魂喰らいの森」から解放しましょうか。
【ファスシネート・ソング】で、ドラゴン退治のサーガを歌って、みんなの指揮を高めましょうか。樽の上に腰かけて、【歌唱】と【楽器演奏】をつかって最高の歌を披露してあげるわ。わたしなら、ドワーフだって【魅了】しちゃうんだから。
盛り上がってきたところで、ドワーフや仲間とお酒を飲みかわす。久しぶりに羽目を外しましょうかね。
「ついにここまで来たわね」
「ねえねえ聞いてよ、わたしは何匹も倒してきたのよ。あの時はね、、、」
「なによ、わたしのお酒が飲めないって言うの。」
ザフェル・エジェデルハ
樒(f10234)と参加
他者連携・アドリブ等OK
ほほう、魂の強化に美味い酒と食事があればいいのか
最高だな!!
大量に肉を用意し、酒もエールを中心に樽で用意
一人じゃ飲みきれねぇかもしれないが
他にも飲むヤツがいるなら分ければいいだけだからな
あ、樒は飲めねぇから茶とかも必要か
祈りを捧げる場からは少し距離を取り、食事の用意を行う
樒とは祈りが終わったら合流だな。先に始めてるからな~
肉を串に刺して焼く、そして食う。をひたすら繰り返す
串焼き肉とエールの組み合わせは最強だよな!
サムライエンパイアじゃ腹が減っては戦ができねぇとか言うんだろ?
まさにその通りって感じだな
身も心も満たして、殴りこみと行こうじゃねぇか!!
織部・樒
ザフェルさん(f10233)と行動
アドリブOK
【WIZ】
魂の祝祭……成る程、魂魄を強化する祭ですね
祈祷などは陰陽師の管轄でもありますから
微力ながらお手伝いしましょう
祈祷文を用意して祭壇があるならそこに上がり
厳かに祈祷、祝詞をあげます
終わったらザフェルさんと合流して
彼と歓談しつつ、食事を頂きます
野菜の料理や果物をメインにしつつ
ザフェルさんの健啖振りに内心舌を巻きながら
楽しみましょう
夏目・サキ
お祭りで、沢山美味しいものが食べられる、と聞いて来てみた
詳しい依頼内容、把握してないけど
まあ、後で、わかるよね
んー……とりあえず、楽しい気分に、なれば、良いってこと……?
なら、おすすめのものとか、聞きながら、色々食べてまわる感じ
あ、お酒は、嫌いだから、飲み物は、他のもので
もし、大食いの対決、みたいなものがあれば、参加もあり?
折角のお祭り、だし
ちなみに、ちゃんと味わって食べるので、食事ペースは普通
早食いではないけど、延々と同じペースで食べ続ける
「大食い」は伊達じゃない……かも?
私自身、色々美味しいもの沢山食べられれば、勝ち負けとか興味ないけど、盛り上がったりして、役に立てたならば、何より、かな?
●魂の祝祭
群竜大陸、魂喰らいの森――そこには、猟兵達が進軍の拠点としてキャンプ場が存在した。
「くぅぅ、感激です……ここが群竜大陸なんですね、ナイくんっ! お酒は飲めませんが、高揚と場の雰囲気に酔ってしまいそう!」
目を輝かせて、ソラスティベル・グラスラン(暁と空の勇者・f05892)は魂喰らいの森を見上げた。この世界の住人として、いくつもの冒険譚に出てきた舞台が目の前にあるのだ。現代人における、聖地巡礼に近い感動があった。
「……ふふ。はい。楽しみましょう、ソラ。こうして一緒にいられる、それだけで魂、強くなります! にゃんて♪」
ナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)の言葉に、コクコクとソラスティベルはうなずく。そして、ふと以前読んだ英雄譚を思い出した。
「旅に出る直前、勇者とその親友と共に『誓い』を立てていた」
「……誓い?」
「うん……わたしも、ナイくんと」
小首を傾げるナイに、ソラスティベルは一回深呼吸。英雄譚の文言を、思い出す。
「冒険を末にわたしたちはついに伝説の地に辿り着く。そして今、新たな冒険が始まる――群竜大陸を巡る旅の中で……わたしたち二人どちらも欠けず、この冒険を結末まで共に見届けることを」
「……はい。今回の冒険も、次の冒険も、ずっと一緒、です」
ナイの答えに満足したように、ソラスティベルはサンダラーを手に頭上へ掲げた。
「ふふ……勇者の心得、忘れてませんよね?」
「……勇者理論も、忘れていない、ですよ」
ナイは黒剣を抜き、同じように頭上へ掲げる。ソラスティベルから聞いた事だ、忘れるはずもなかった。
「「勇気で攻め、気合で守り、根性で進む」」
互いの武具を重ね、二人は心得を口にする。
「勇気の御旗を掲げ、望むは明日の暁の空――これがわたしたちの、勇者理論!!」
「呪い渦巻き、暗雲の帳降りようと、己が刃で切り開く――これが私達の、勇者理論!」
魂に刻まれた強い想い――互いに互いを鼓舞するその言葉の強さこそが、ここでは全てだ。
「……では魂喰らいの森、黒雲の下、ドラゴン退治の冒険へ、いきましょう」
ナイの言葉に、力強くソラスティベルは森を見上げた。その視線は強く、まっすぐ。その眼差しはまさに、英雄譚に語られる勇者たちのようだった……。
●冒険とは挑むためにある
ラティナ・ドラッケンリット(ビキニアーマー道の冒険者・f04425)にとっても、目の前に広がる群竜大陸の光景は胸を熱くするのに十分なものだった。
「千の竜が支配する大陸、腕が鳴り胸が高鳴るじゃないか」
自然と、ラティナの口元に笑みが浮かぶ。冒険者とは、冒険に挑むからこそ冒険者なのだ。長い年月の間、人を拒んだ群竜大陸はもはやこの世界の住人の知る場所ではない。未知へと挑む、まさに冒険者冥利に尽きる瞬間だった。
「さぁ、群竜大陸の発見と到達を祝おうじゃないか」
「おー、祭りか。いいねぇ。戦闘前の景気づけに一杯やろうか!!」
ラティナの持ち込んだシングルモルトウィスキーの詰まったシェリー樽ととっておきのドラゴンの塊肉に、御剣・刀也(真紅の荒獅子・f00225)が笑みをこぼす。美味い酒と料理は、宴には不可欠だ――だからこそ、目の前の酒と肉塊に刀也も期待せずにはいられなかった。
「これは、とある時代、とある場所の物語」
アテナ・アイリス(才色兼備な勇者見届け人・f16989)のファスシネート・ソングによって歌われるのは、古いドラゴン退治のサーガだ。宴に堅苦しさなどいらない、アテナが歌いドラゴン退治の歌はこの世界に伝わる、誰もが知っているものだ。
火を囲んだ猟兵達が、食器や武器を打楽器に陽気に歌う。ラティナの焼くドラゴンの肉塊の香ばしい匂いと共に、誰もが喝采を上げた。
「こうやって祝うべき時に、英気を養うのもまた冒険者の流儀だ。これから始まる戦いの為にも、しっかりと楽しんで戦いに臨む為の覚悟を決めなければな」
「まったくだ」
簡単に香辛料を振っただけで焼いた肉は、食いちぎれば熱い肉汁と柔らかな肉が芳醇に口の中に転がり込んでくる。それを酒を樽から直接柄杓ですくうと、胃の中へ流し込む。ここは宮廷や料亭ではない、気取った作法もテーブルマナーもない。あるのは美味いかどうか、楽しいかどうかだけだ。
「ついにここまで来たわね。ねえねえ聞いてよ、わたしは何匹も倒してきたのよ。あの時はね……」
歌い終えて猟兵達に拍手と共に迎えられたアテナは、すっかりと出来上がっていた。しなだれかかるように杯を刀也へ差し出すと、アテナは不満げに頬をふくらませる。
「なによ、わたしのお酒が飲めないって言うの」
「ははは! まさか!」
「お、おい!?」
驚いたのは、刀也と飲み比べをしていた者だ。刀也は大杯を軽く平らげると、アテナの差し出した杯も一気に飲み干して見せたのだ。
どよめく周囲に、ふわふわとした気分でアテナも肉と酒を思う存分楽しんだ……。
●理由? そこに食べ物があるからです
「お祭りで、沢山美味しいものが食べられる、と聞いて来てみた。詳しい依頼内容、把握してないけど……まあ、後で、わかるよね」
マイペースな夏目・サキ(舞い散る桜の夢・f10909)らしい理由で、彼女はこの宴にいた。
「んー……とりあえず、楽しい気分に、なれば、良いってこと……?」
サキは、いろいろな人達の間を回っていく。おすすめの食べ物を聞いては、それを食うと言った感じだ。ただお酒に関しては苦手なので、甘い果実のジュースやお茶などを楽しんだ。
「よーし! 次の挑戦者は誰だー!」
「……ん?」
食べ歩いていたサキがたどり着いたのは、焼き肉の大食いチャレンジの一団だった。その匂いに誘われ、自然とサキは手を上げていた。
「……やる」
「お、やれやれ! 肉だけは大量にあるからな!」
サキの大食いチャレンジは、黙々と無言で始まった。決して速くはない、味わって食べるのだから当然だ。さすがに無茶だろ、と観客達も遠巻きに眺めていたが、十分を越えたあたりでその異常に気付いた。
ペースが、一向に落ちないのだ。
「おいおいおいおい!?」
「どうなってんだ、どこに入ってる!?」
二十分を越えたあたりで、その異常は誰の目にもわかるほどになっていた。どう考えてもおかしい、149.2センチの胃袋に入っていい量ではなかった。
「「大食い」は伊達じゃない……かも?」
「いやいやいやいや!?」
ここまで来れば、もはやどこまで行けるかのお話だ。固唾を呑んで見守る人達に、サキはゆっくりと咀嚼しながら次の肉へ手を伸ばした。
(「私自身、色々美味しいもの沢山食べられれば、勝ち負けとか興味ないけど、盛り上がったりして、役に立てたならば、何より、かな?」)
●ただ静かに、薄暗闇の中で
(「魂を喰らう森……大変に興味深いですが、霊を操る私とはなかなかに相性が悪いですね」)
宇冠・龍(過去に生きる未亡人・f00173)は、にぎやかな宴から少し離れた薪にあたって隣を見た。そこにいるのは、夫の霊だ。
「人一倍に英気を養う必要があるかもしれません……ただ、もうそこまで私たちは若くはないですから」
飲んで騒ぐ、と言うには少しばかり背負ってきた過去が重すぎるのかもしれない。龍は夫の霊へ盃を手渡した。
「サムライエンパイアやUDCの古い時代では、三々九度というものがあるそうです。なんでも、夫婦が一緒の盃を用いてお酒を飲むのだとか」
戦い前なので、お酒は控えましょうね、と龍が注ぐのは白湯だ。夫の霊はそれを悟ったのか盃を傾け、今度はそれを龍へと――龍はどこか照れくさそうに口元を綻ばせた。
(「……なんだか、気恥ずかしいですね」)
それでも、胸の奥が確かに温かい。その温もりが、生前の夫の体温を思わせたのは感傷か、あるいは――。
そんな仲睦まじい夫婦を宴会の片隅から、宇冠・由(宙に浮く焔盾・f01211)が見ていた。
(「魂を喰らう森。いけません。お父様が、いえ、もしかしたらお母様も食べられてしまうかもしれません。私がお守りしませんと」)
失うのは嫌です。お母様傷つけたくありませんし、お父様をまた失ってしまうことも避けなければなりませんわ、と由は目の前の料理をたくさん食べていく。一杯食べて、沢山お祈りする――家族だけでない、全員の無事を。
(「この世界にも神様という存在がいるのかは分かりません。けれども、前に進むのはいつだって私たち自身――だから願うのは天にではなく、私の内側。この燃える身体と秘めた心に」)
燃えるココロとカラダは、きっとそのためにあるのだと由は強く強く想う。想いが魂を強くするというのなら、それもまたかけがいのない強さだ。
誰かのために祈れる強さ、それを確かに由は持っていた……あるいは、手に入れたのかもしれない。
由の視線に気づき、龍が小さく手を振る。それに由は手を振り返した。自分に強さをくれた家族へと……。
●祈りは場所を問わず
「魂の祝祭……成る程、魂魄を強化する祭ですね。祈祷などは陰陽師の管轄でもありますから、微力ながらお手伝いしましょう」
織部・樒(九鼎大呂・f10234)は、祈祷文を用意して櫓へと上がった。森に面したその櫓へ作った小さな祭壇へ、厳かに祈祷、祝詞をあげる。
「ほう」
その声に、ザフェル・エジェデルハ(流離う竜・f10233)は感嘆の声をこぼす。文化は違えど、それはまさに神事へとあたる聖職者のそれと同じだと感じ取れたからだ。ほくほく、と分厚い串焼き肉にかじりつくイルディリムの頭を撫でながら、祈祷を終えた樒をザフェルは出迎えた。
「お、終わったか」
「はい」
酒を飲めない彼のために用意されていたお茶をザフェルに手渡され、樒はうなずく。
「しかし、魂の強化に美味い酒と食事があればいいとか最高だな!! 串焼き肉とエールの組み合わせは最強だ!」
「……よくそこまで飲めますね」
野菜の料理や果物をメインにしていた樒は、ザフェルの健啖振りに内心舌を巻く。それを、ザフェルは豪快に笑い飛ばした。
「サムライエンパイアじゃ腹が減っては戦ができねぇとか言うんだろ? まさにその通りって感じだろ? 身も心も満たして、殴りこみと行こうじゃねぇか!!」
「戦いの前に、そんなにお腹に入れて大丈夫ですか?」
「なぁに、美味いもんはいくらでも入るもんよ!」
焼いては食べ胃に流し込む、の串焼き肉とエールの永久機関となったザフェルに、樒も苦笑するしかない。
そんな折、ふと人混みから外れた宇冠夫婦の姿に、樒は小さく呟いた。
「三々九度ですか……」
「あ?」
「陰陽道では、三、五、七、九という奇数は縁起のいいものと言われていまして……」
陰陽師だからこそ、樒は思う。世界は違えど、そこに想いの込め方さえ同じであればいいはずだ、と。だから、樒は自身の行なった祈祷が意味があるのだ、と改めて噛み締めた。
「お――?」
ザフェルの声に、樒はふと視線でその動きを追った。天へと昇る炎――由の熾天使の群れ(キラキラボシ)が、空に色とりどりの炎の軌跡と弾けて花火を彩ったのだ。
●そして、宴は明ける
「おお、見事なものだ」
「はは、そうだな」
アテナを始めとした酒に酔い潰れた人々を放置して、ラティナと刀也は呑み続けていた。
「へへ、本当の豪傑は酒にも強いのさ」
刀也の度の過ぎる飲みっぷりに、自分のペースを保ってラティナも付き合っていく。空を彩る花火、それはまさに夜が明ける合図でもあった。
しかし、空の暗さは大して明けない。『黒輪竜』メランシオンの黒雲を払わなければ、日の明かりを実感はできないだろう。
そして、そのために自分達はここに来たのだ。心身ともに充実を感じながら、猟兵達は群竜大陸への第一歩を刻もうとしていた……。
大成功
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第2章 集団戦
『パストール』
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POW : ディス・イリュージョン
自身からレベルm半径内の無機物を【昆虫や爬虫類の幻影】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
SPD : ドラゴニック・リボン
【召喚した伸縮自在のリボン】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : ジャッジメント・パヴィリオン
【杖】を向けた対象に、【巻き付く炎のカーテン】でダメージを与える。命中率が高い。
イラスト:小日向 マキナ
👑11
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●魂なき共信者
魂喰らいの森にさまよう、いくつかの人影――それは、かつて竜を崇拝したリザードマンの成れの果てだった。
魂なき今、もはやそれは機能的にしか動かない。すなわち、森の侵入者から魂を奪い、自らと同じ存在へと堕とす事だ。
パストールの群れが、のろのろと動き出す。新たな生贄が森へと踏みこんだ事を察したからだ。
ここに、魂を縣けた戦いが幕を開けようとしていた……。
ラティナ・ドラッケンリット
出会い頭に断山戦斧『しゅとれん』を敵陣中央に向かって投擲する
「いくぞ、たると」
『たると』を槍に変身させ敵陣に突撃する
牽制するように穂先を向け
手数で押して一突きでも入ったらUC発動
「幻影ごと焼き払え!」
召喚ドラゴンになった『たると』のドラゴンブレスで
敵集団、幻影、森の木々ごと攻撃させる
『たると』が召喚ドラゴンになっている間は
状況に合わせて断山戦斧を拾ったり
屠竜刀を抜いたりして近接戦闘で
パストールを1体づつ斬り倒していく
「さあ、森の核までの道を開けてもらうぞ!」
霑国・永一
魂失くして抜け殻とか死んでるのと変わらないなぁ。魂あっても死んでもらうのは変わらないんだけども。
魂無い人形なりに踊って貰うとしようかなぁ
狂気の爆弾を使用
パストールがなるべく多く集まってる所に向けて爆弾を投げ込んで回り、毒で味方同士リボンで縛り合って貰う。自分自身は木々に隠れながら移動を続け、同士討ちでの混乱に乗じていく
他の猟兵が居るなら彼らも利用して、自分へ接近してる毒を受けてないパストールから守って貰うなどする。スケープゴート的な
無論同士討ちしてるパストールを眺めて愉しみつつ、他の猟兵には同士討ちしてる連中を攻撃して貰っても良し
「いやぁ、これぞまさしく森の人形劇。抜け殻がリボンで踊るのさぁ」
●魂喰らいの森へ
群竜大陸に広がる、魂喰らいの森。そこへ猟兵達は踏みこんでいく。高い木の上、霑国・永一(盗みの名SAN値・f01542)は目を凝らして呟いた。
高い位置からなら、よく見える。森の中を歩く、パストール――竜を崇め、狂信するトカゲの神官、その抜け殻達の動きが。
「魂失くして抜け殻とか死んでるのと変わらないなぁ。魂あっても死んでもらうのは変わらないんだけども。魂無い人形なりに踊って貰うとしようかなぁ」
ガチャリ、と永一が手に取ったのは爆弾だ。片手でお手玉をするように扱うと、永一が投擲する。
「最大の敵は味方なり……ってね。さぁ狂気の宴の始まりだ」
弧を描く盗み狂う狂気の爆弾(スチールポイズン)が、地面に落ちる。ドン! と理性と判断力を盗み、同士討ちさせる毒爆弾が炸裂した瞬間、パストール達に混乱が巻き起こった。
「――!?」
ヒュル! と魂の無くなったはずのパストール達が、互いを敵として認識し合う。リボンが振るわれ、小石が蝗の群れとなって飛び回り、巻き付く炎のカーテンが燃え上がった。
その物音を聞いて、駆け込んで来たのはラティナ・ドラッケンリット(ビキニアーマー道の冒険者・f04425)だ。
ラティナが振りかぶるのは、断山戦斧『しゅとれん』――竜の鱗を打ち砕く事を目的に鍛造された、巨大超重な業物のバトルアックスだ。足を止めずに、ラティナは横回転。投げ込まれた『しゅとれん』が、密集していたパストール達を地面や木々ごと吹き飛ばした。
「いくぞ、たると」
そして、小型の竜たるとがラティナの手元へ。槍に変身したたるとを掴むと、お返しとばかり放たれたパストールの炎のカーテンを穿ち、消し飛ばした。
「いや、すごいね」
盗み狂う狂気の爆弾(スチールポイズン)の範囲外から集まってきたパストールを単騎で薙ぎ払うラティナに、感心したように永一が笑う。そのまま狂気に侵されたパストールが、無事なパストールをリボンで縛り上げるのを横目に、永一は安全圏へと逃れていく。
「いやぁ、これぞまさしく森の人形劇。抜け殻がリボンで踊るのさぁ」
永一がすかさずダガーを投げ放ち、ラティナの背後を取ろうとしていたパストールの首筋を貫く。そして、付けておいた紐で回収すると標的にされないように次の地点目指して走り出した。
「幻影ごと焼き払え!」
召喚ドラゴンになった『たると』のドラゴンブレスが、ラティナの眼前を焼き払っていく。そのタイミングでラティナは全力で疾走。断山戦斧『しゅとれん』を拾い上げると、切り上げて手近なパストールを文字通り両断した。
「さあ、森の核までの道を開けてもらうぞ!」
すかさず逆手で抜いた屠竜刀『まかろん』を順手に持ち替え、ラティナは正々堂々と魂喰らいの森へ挑みかかっていった……。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
御剣・刀也
トカゲの神官か魔術師か?
まぁ、どっちでもいい
幻を生み出すっていうんなら、その幻を斬り捨てて、お前の所まで行ってやるよ
首洗って待ってろ
昆虫や爬虫類の幻影が見えたら、第六感、見切り、残像を駆使しつつ、避けながら幻を斬り捨て、その幻を作っている相手の所まで、第六感を頼りに勇気とダッシュで一気に駆け抜けて、捨て身の一撃でもって斬り捨てる
「てめぇがそうか?幻遊びがしたいならやればいい。が、そんなもんじゃ、俺は一ミリだって止まらねぇ!」
ナイ・デス
ソラ(f05892)と
草木に、虫などまで、魂を狙っています、ね
【念動力オーラ防御で軽く吹き飛ばし】ながら移動
あれが、魂を奪われた、森の番人……ですか
……肉体に魂がないのは、ヤドリガミの私と、同じ、ですが
私と違い、どこかの本体に魂があり、繋がっているわけでも、ない
これが、生きた屍、ですか
……はい。ソラ、ちゃんと終わらせて、あげましょう
核を奪えば、ここの森も消滅する、でしたっけ
加減はしなくて、よさそう、ですね
地縛鎖大地に繋げ、魔力吸い上げ【力溜め】
ソラが作ってくれた、好機に
加減無し、全て、喰らい尽くす、つもりで
【範囲攻撃】『生命力吸収光』
魂なき屍に、森からもまとめて【生命力吸収】消滅、させます
ソラスティベル・グラスラン
ナイくん(f05727)と
生きた屍、魂無き傀儡
…あなたたちは、崇めるべき竜を間違えたのですね
見捨てるなどできません…ナイくん、彼らを救ってあげましょうっ
無機物から生まれる生物たちを、橙炎のブレスで焼き尽くす!
すぐさま炎に紛れて突撃、【範囲攻撃】の大斧で彼らを薙ぎ払います!
燃え広がり味方を巻き込まないよう不必要な延焼はカット
先手を取り斬り込みも上々
今が好機です、ナイくん!
吸収、光へと還元する浄化
全てが消え去るまでナイくんを【かばい】守り続けます!
【盾受け・オーラ防御・火炎耐性】でナイくんへ炎のカーテンを遮断
お返しです!敵の炎ごと押し返すつもりで…!
今一度我が部族の守護竜!黄昏竜の息吹を此処に!
ザフェル・エジェデルハ
樒(f10234)と共闘
他者連携等OK
随分と格式ばった出で立ちのオブリビオンだな
見た目だけは立派な神官ってとこか
敵が射程距離に入ったら、敵を幻影諸共ユーベルコードで撃ち抜く
【投擲】【範囲攻撃】技能を活かし、撃ち漏らさないよう心がける
数じゃこちらも負けねぇぜ
敵との距離を詰められるようであれば戦斧でも攻撃
【怪力】を【力溜め】し、【第六感】で敵の防御が
薄いと感じた箇所を【鎧砕き】【部位破壊】する
敵の攻撃は【第六感】【オーラ防御】【武器受け】で回避および防御
防御成功後は【カウンター】を仕掛ける
仲間を増やさんとばかりに魂を奪うなんざ、神官のやることじゃねぇな
その抜け殻の体を骸の海に沈めてやる!!
織部・樒
引き続きザフェルさん(f10233)と行動
連携・アドリブOK
魂を奪われ徘徊…何だか哀れなものですね
とはいえ気を強く持って参りましょう
森の中では周囲の物音や気配に注意しながら
移動します
敵を確認次第小声で周りに声掛け
戦闘時は先ず護法を召喚しザフェルさんの
援護と敵への攻撃、有事の際の此方の
防御支援を頼みます
敵のリボンは護法と連携し【見切り】
【オーラ防御】【武器受け】にて凌ぎます
護法は必要に応じて合体、また状況に応じ
通常攻撃、【高速詠唱】にて【呪詛】を付与するなど出来る事を行いましょう
私(本体)を愛でて下さった方々から頂いた
大切なこの魂、決して手放しません
宇冠・龍
由(f01211)と参加
英気は十分に養いました
魂喰らいの森。水や日光のほかに、精神も養分としてしまう生態は元冒険家としても興味深いです
(その危険度から言えば森ごと燃やすのも正解なのでしょうが、個人的にはもったいないですね)
そして魂という栄養分を、この森はどこで消費しているのか。果実などが実っていたら採集を試みます
魂が抜けているからか、相手の動きが緩慢と言いますかどこか機械的に感じます
【竜驤麟振】でやってくるパストールの群れを絡めとりましょう
手に持つ杖を糸をつけて手元に移動させては炎の発動を防ぎ、炎が放たれれば別のパストールの糸を手繰り寄せて攻撃を受けてもらいます
宇冠・由
お母様(f00173)と参加
お腹は十分に膨れました、念のための携帯食料も持ちましたし準備は万端
(よしっ)と胸元で小さくガッツポーズしていざ出発
動物や虫の姿は見えますけど、どれもが驚くくらいに大人しい。いえ、きっと抜け殻なのでしょうね……
この森は元々こういう生態系だったのか、それとも何かの影響で変質してしまったのか
(いずれにせよ、やることは変わり有りません)
攻撃は私がかばい盾となります
地獄の炎は私の身体そのものであり、魂そのもの
相手には芳醇な餌にみえるはず
炎のオーラを分離させて小型の盾に
迫る炎を防ぎ貰い火とし、幻影を熱で解除
二振りの火炎剣で手薄なところを応戦し、パストールの進行を防ぎますわ
夏目・サキ
直前で他の猟兵から、依頼について詳しく聞くことに
……なるほど
森に入る前に『導きの黒狼』でクロ召喚
驚かせたらごめんなさい
敵と遭遇するまでは、基本的にクロ任せ
音や臭いに敏感だから索敵とかも得意だし
ちなみにクロの伝えたいこと、私には大体分かるので、その情報は他の皆にも共有
ついでに道中、出発前にお肉チャレンジで知り合った人たちから貰った差し入れをもぐもぐ
欲しい……?と皆にも聞いてみる
この鞄に沢山容れてきたから、と実にマイペース
戦闘では、巨体から出るそのパワーとスピードでクロが攻撃担当
私は血桜の「オーラ防御」と共鳴符で防御担当
たまにその薙刀をぶん投げる
呼べば戻ってくるので大丈夫
アテナ・アイリス
相手の数が多いから、スピードと手数で勝負するわね。でも、魂を取られないように、攻撃はすべて躱していかないとだめだわね。
右手に「アーパスブレード」、左手に「フレースヴェルグ・ブラスター」を持って、剣と銃の二刀流で戦うわよ。「ブーツ」の力で足場に関係なく俊敏に動き回りながら、パストール達を連続攻撃で倒していくわ。
防御は、UC『守護女神の煌めき』をつかって、相手の動きを事前に予測して回避し続ける。
昆虫や爬虫類の幻影たちは、ブラスターの誘導弾連射で撃ち落としていく。数が多い場合は、エネルギーの出力を上げて、レーザー状にして焼き払うわ。
炎やリボンは、【第六感】で攻撃を察知し、躱すようにする。
●邪竜大陸の脅威
「……なるほど」
夏目・サキ(舞い散る桜の夢・f10909)が、小さくうなずく。
「そんな理由があってお肉チャレンジを……」
いや、何故何も知らずにここに来れたのか、という常識的なツッコミはマイペースなサキには通じない。
「おいで、クロ」
サキは導きの黒狼(クロ)によって召喚した、黒狼の背に乗る。そして、サキは鞄からもらった肉を取り出しながら、言った。
「欲しい……?」
もぐもぐと既に食べながら問いかけるサキに、数人の猟兵が首を左右に振る。見ているだけで胃のもたれる光景だが、サキは平然としていた。鞄にはいっぱい詰まっている、道中も安心だ。
クロが歩き出し、サキもそのまま森の中へと消えた。
「お腹は十分に膨れました、念のための携帯食料も持ちましたし準備は万端ですわ」
よしっと胸元で小さくガッツポーズを取ったのは宇冠・由(宙に浮く焔盾・f01211)だ。その仕草に愛らしい、と密かに微笑んだのは宇冠・龍(過去に生きる未亡人・f00173)だ。
「英気は十分に養いました。魂喰らいの森。水や日光のほかに、精神も養分としてしまう生態は元冒険家としても興味深いです」
木々を見つめ、龍は密かにため息をこぼす。
(「その危険度から言えば森ごと燃やすのも正解なのでしょうが、個人的にはもったいないですね」)
冒険家としての個人的な興味は尽きない。しかし、龍は今は猟兵としてここに立っている――その事を強く、意識した。
「動物や虫の姿は見えますけど、どれもが驚くくらいに大人しいですわ。いえ、きっと抜け殻なのでしょうね……この森は元々こういう生態系だったのか、それとも何かの影響で変質してしまったのか」
「そうですね……」
由は、自分に向けられる薄い意識を感じた。生物のそれではない、魂を求める虫や植物の意識だ。地獄の炎は由の身体そのものであり、魂そのもの――それはむき出しの餌が目の前にあるようなものだった。
そんな由の警戒を感じながら、龍は試しに目の前に実っていた梨に似た果実をもいでみた。
「……なるほど」
果実に触れた瞬間、何かを吸い出されそうになる感覚を感じた。それでも魂を奪われなかったのは、警戒して意識を強く保っていたからだ。
「慎重に行きましょう。あまり、森の物には直接触れないように」
「はいっ」
もしもの時は自分が盾に、そう心に決めて由が前を進む。前を任せ、後ろを警戒しながら龍はその背中に続いた。
●貪る森
「草木に、虫などまで、魂を狙っています、ね」
寄ってくる虫をオーラによって弾きながら、ナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)が呟く。目の前の森は、深く広い。この植物が全て魂をすすってくるのだ、気を抜けば道半ばで倒れかねないだろう。
「――いましたね」
ソラスティベル・グラスラン(暁と空の勇者・f05892)の押し殺した言葉に、ナイもうなずく。木々に紛れるように動く、トカゲの神官の姿がちらほらあるのを確認した。
「あれが、魂を奪われた、森の番人……ですか……肉体に魂がないのは、ヤドリガミの私と、同じ、ですが。……私と違い、どこかの本体に魂があり、繋がっているわけでも、ない」
これが、生きた屍、ですか――そうこぼすナイに、ソラスティベルは真剣な表情で告げる。
「生きた屍、魂無き傀儡……あなたたちは、崇めるべき竜を間違えたのですね。見捨てるなどできません……ナイくん、彼らを救ってあげましょうっ」
「……はい。ソラ、ちゃんと終わらせて、あげましょう」
ソラスティベルとナイが、同時に前へ出た。それにわずかに遅れて気付いたパストール達が杖を掲げる。大量の昆虫の群れが、二人を襲う――そのタイミングに合わせ、ソラスティベルが大きく息を吸い込んだ。
「溜息すらも、炎となるのです!」
ソラスティベルの口から吹きだす橙炎の吐息――黄昏竜の息吹(トワイライト・ブレス)が、ディス・イリュージョンによって生み出された昆虫の幻影を焼き払う! そして、大きく振りかぶったサンダラーを薙ぎ払い、木々ごと眼前を切り開いた。
「今が好機です、ナイくん!」
「核を奪えば、ここの森も消滅する、でしたっけ……加減はしなくて、よさそう、ですね」
地縛鎖によって大地の魔力を吸い上げていたナイが、開けた視界でパストール達を見て魔力を開放した。
「加減無し、です」
体内からそれがそこに生る、在るための力を吸収する光をナイは解き放った。生命力吸収光(ウマレナガラノヒカリ)に、パストール達の体が崩れ去り、木々や大地も朽ちていく――しかし、すぐさま物音に引き寄せられたパストール達が炎のベールでナイを包もうとした。
「させません!」
スチームシールドを眼前に、体中をオーラで包んだソラスティベルが立ち塞がった。包んでくる炎を押し返し、ソラスティベルは叫んだ。
「お返しです! 今一度我が部族の守護竜! 黄昏竜の息吹を此処に!」
再び放たれる、ソラスティベルの黄昏竜の息吹(トワイライト・ブレス)がパストール達の真紅の炎を押し返す! そのまま吹き飛ばされたパストール達へ、ナイは右手を向け――生命力吸収光(ウマレナガラノヒカリ)を薙ぎ払い、トカゲの神官達を塵へと変えた。
●神に仕えるモノ
森のあちこちで戦闘音を聞いて、ザフェル・エジェデルハ(流離う竜・f10233)は改めて発見したパストール達を見た。
「随分と格式ばった出で立ちのオブリビオンだな。見た目だけは立派な神官ってとこか」
森を徘徊するパストール達の動きは、よく見れば似た動きを繰り返すだけだ。魂なき体が森の意志によって動かされているからだ――そこに意志はなく、個性さえない。
「魂を奪われ徘徊……何だか哀れなものですね」
ヤドリガミとして、魂と命の在り方に思う所があるのかどうか――織部・樒(九鼎大呂・f10234)の言葉に、ザフェルは答えない。ただ、一歩前に出るという戦闘の意志を示すだけだ。
それに樒は小さくうなずき、霊符を手に取った。
「護法! 頼みます」
樒によって召喚されたのは、美しい童の姿をした神霊――護法童子だ。それに合わせ、ザフェルも右手で地面に触れ、唱えた。
「我が黒竜よ、捉えし影を曝せ」
ザフェルの足元から溢れ出すのは、黒い幻影のドラゴンだ。群れとなった影視る竜(シャドウ・ウォッチ)に、パストール達もそのリボンを手に拘束せんと放ってくる。
「数じゃこちらも負けねぇぜ」
「こちらはお任せを――」
護法と共に前に出た樒が、錫杖状の杖を振るう。樒がリボンを打ち落とし、護法が残ったリボンを斬り飛ばしていく――そのリボンの欠片からでも感じる魂を啜ろうというおぞましい気配に、樒は凛と言い放った。
「私を――本体を愛でて下さった方々から頂いた大切なこの魂、決して手放しません」
ヒュオ! と舞い昇る龍の声の音色と共に、護法が舞い踊り衝撃波を撒き散らす! その衝撃に乗るように跳んだザフェルが、パストール達の頭上を飛び越えた。
「仲間を増やさんとばかりに魂を奪うなんざ、神官のやることじゃねぇな――」
着地したザフェルに、パストール達が振り返る。しかし、ザフェルの次の手の方が、一瞬速い!
「――その抜け殻の体を骸の海に沈めてやる!!」
振り返る勢いを利用した、Evrenの薙ぎ払い。ザフェル渾身の一撃が、パストール達を横一文字に断ち切った。
「このまま行くぞ!」
「はい」
まだ、集まってくる気配がする。ザフェルの言葉に、樒は護法と同時に駆け出した。ブブブブブブブブブブブブッ! と羽音を立てて迫る昆虫の群れ、その幻影にザフェルが視線を向けた瞬間、影視る竜(シャドウ・ウォッチ)による黒い幻影ドラゴン達が、その牙を振るって昆虫たちを食いつぶしていった。
●餌に群がるように――
「こっちですの」
由が自分の体を燃え上がらせると、虫の群れが集ってくる。まさに飛んで火にいるというヤツだ――由は一気に地獄の炎を燃え上がらせて虫の幻影を焼き払った。
「魂が抜けているからか、相手の動きが緩慢と言いますかどこか機械的に感じますね」
次の動きを取ろうとするパストール達に、龍はそう呟く。龍は身構え、ふと頭上にした気配に上を見上げた。
「えいや」
飛び降りてきたのは、クロに乗ったサキだ。クロが両前足の爪で二体抑え込み、助けに入ろうとしたパストール達はサキの共鳴符に弾かれる!
「――そこですわ」
由が横から回り込み、二振りの火炎剣を薙ぎ払った。たまらずパストールが後退したそこへ、龍が霊糸を張り巡らせた。
「廻れよ廻れよ秒魔の霊、十指宿りて陣を駆け」
龍の竜驤麟振が、パストール達を絡め取っていく。そのまま動きを封じられたパストールを由の火炎剣が振り下ろされ、サキは血桜を投擲――貫いた。
「……食べる?」
「ああ、森の中で食べたらより持ちますね」
鞄から焼き肉を取り出して差し出すサキに、感心したように由が受け取る。自分の背中で始まったやり取りにクロは龍に視線を送るが、優しげに微笑む保護者に改めて視線を逸らした。
「向こうの方はどうでしたか?」
「……あ」
龍の問いかけに、サキは思い出したという表情を見せる。もぐもぐと肉を一切れ飲み込む――いい肉は飲み物だといいたげにうなずき――言った。
「向こうにボスっぽいのが、いそうだって……」
●獅子と次世代エルフ
ザン! と地面を蹴って、御剣・刀也(真紅の荒獅子・f00225)は言い放つ。
「トカゲの神官か魔術師か? まぁ、どっちでもいい。幻を生み出すっていうんなら、その幻を斬り捨てて、お前の所まで行ってやるよ。首洗って待ってろ」
放たれる、爬虫類の幻影達。パストールのディス・イリュージョンによる幻影を、刀也は第六感を頼りに跳び、身を沈め、獅子吼を切り上げ切り開く。
「相手の数が多いから、スピードと手数で勝負するわね。でも、魂を取られないように、攻撃はすべて躱していかないとだめだわね」
そして、アテナ・アイリス(才色兼備な勇者見届け人・f16989)がフレースヴェルグ・ブラスターによるプラズマレーザーを薙ぎ払った。ヒュン――! と刹那の沈黙。ズザァ! と横一線に爬虫類の幻影が、プラズマレーザーに焼き切られる!
「てめぇがそうか? 幻遊びがしたいならやればいい。が、そんなもんじゃ、俺は一ミリだって止まらねぇ!」
パストールの眼前へと迫った刀也が、獅子吼を渾身の力を持って振り下ろした。二の太刀いらず、捨て身の一撃をカスパールは杖で受け止め――切れない。受け止めようとした杖ごろ、刀也の獅子吼がパストールを縦に両断した。
「もちろん、やらせないわよ」
横から炎のベールで刀也を焼こうとしたトカゲ神官を、加速したブーツで滑るように割り込んだアテナがアーパスブレードで切り伏せる。キン! と澄んだ冷気の音と共に、血を凍らせながらパストールが崩れ落ちた。
「こっちで良さそうだな」
「そのようね」
刀也の言葉を、アテナが肯定する。パストールが、彼らの道を塞ぐように集まってきているのだ。黒い輪状の雲――その中心。そこに森の核を持つ『黒輪竜』メランシオンがいるのは間違いなさそうだ。
「あの子、ちゃんと他の人と合流して伝えてくれたかした?」
アテナは伝言を頼んだサキを思い出す。ただ、マイペースなサキはいざ知らず、匂いを頼りに森を進むクロという黒狼は信頼できた――だから、任せたのだが。
「どうやら、ちゃんと伝えてくれたみたいだぜ」
言った刀也がまっすぐ前へ、それをサポートし導くようにアテナがパストールの群れを切り開いていく。他のメラシオンを目指す猟兵達も、中心へと向かっているのだろう。戦闘音が近づいて来るのを感じた。
強い存在感が、近づいている。それを確かに感じながら、猟兵達は障害となるパスカール達を一体残らず駆逐し、先を急ぐのだった……。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『『黒輪竜』メランシオン』
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POW : 消え失せろ、愚物共!
【天覆う無数の黒輪に収束する極大エネルギー】を向けた対象に、【超広範囲を破壊し尽くす豪雨の如き魔弾】でダメージを与える。命中率が高い。
SPD : 我が黒輪に刃向かう愚か者が!
【対象を追跡するレベル×20個の暗黒の輪】【対象の戦意を喪失させる暗黒のブレス】【体に吸着する超高重量高密度の黒い砂礫】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ : 緩やかに死に逝け、定命の者たちよ。
非戦闘行為に没頭している間、自身の【無数の黒輪が天を覆い、降り注ぐ黒の雨】が【当たった対象を呪詛で侵食する。その間】、外部からの攻撃を遮断し、生命維持も不要になる。
イラスト:ハギワラ キョウヘイ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠アイン・セラフィナイト」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●『黒輪竜』メランシオン
魂無き竜が、その身を起こす。黒い輪状の雲を従え、ゆっくりと浮かび上がっていくのはまさに巨竜と言うべき存在だった。
――『黒輪竜』メランシオン。強大な力を誇る、竜の一体だ。
しかし、今はその巨体から魂を失い、森の核をその身に宿す災厄そのものに成り果てた。だからこそ、本能で悟っている――今、この森を害そうとする存在がこちらに迫っているのだ、と。
機能として、魂なきメラシオンはそれを迎撃する。黒輪を従えし魂無き竜との、激闘が始まろうとしていた……。
御剣・刀也
くくく。面白い
愚物?その愚物にお前は斬り倒されるんだよ
その愚物に劣るお前は何だろうな?
広範囲を魔弾の雨で攻撃してきたら、第六感、見切り、残像を駆使して避けられるものは避けつつ、避けきれないことはわかってるので、勇気で被弾覚悟でダッシュで突っ込んで、相手に一気に肉薄したら捨て身の一撃を持って切り捨てる。
「戦場では俺は死人。死人は死を恐れん。初めからくらう覚悟を決めて突っ込めば、お前の攻撃にだって耐えられる。剣士をあまり舐めないほうがいいぞ?一撃で相手を殺す算段がないのなら特にな」
霑国・永一
いやはや中々の圧だなぁ。これで魂が無いとかどうなってるのやら。魂あっても敵対はどうせ避けられない災厄には変わりない。魂は盗られてるなら次は命を盗もうか
狂気の転移を発動。
追尾する暗黒の輪、ブレス、砂礫のいずれでも自身にぶつかる前に他の攻撃が向かってない猟兵達の傍へ転移し続け、同時にメランシオンの意識と体力を盗み続ける。
メランシオン自身が意識してないとUCの制御が出来ないような代物であるなら、攻撃の苛烈さもある程度は緩やかになるだろう。自動追尾ならまぁ諦めて転移で回避と意識奪いを両立して援護をするだけさぁ。膨大な体力、どこまで持つか見ものだよ。
悪いねぇ、俺は弱い盗人だから卑怯な事しか出来ないのさぁ
●黒輪の雲
「いやはや中々の圧だなぁ。これで魂が無いとかどうなってるのやら」
黒い輪状の雲、その下からする圧に霑国・永一(盗みの名SAN値・f01542)が小さく吐き捨てる。そこにいるだろう気配に、永一は眼鏡を押し上げながら笑みをこぼした。
「魂あっても敵対はどうせ避けられない災厄には変わりない。魂は盗られてるなら次は命を盗もうか」
不意に、森の奥から振動が鳴り響く。ヒュオ――! と天を覆う無数の黒輪の中心に収束する極大エネルギーが、集中していった。そして降り注ぐ、豪雨の如き魔弾が魂喰いの森の一部を破壊した。
「はははっ。これは――!」
永一は、破壊される森の中を駆けながら笑う。その向かう先にいたのは、御剣・刀也(真紅の荒獅子・f00225)だ。
「くくく。面白い、愚物? その愚物にお前は斬り倒されるんだよ。その愚物に劣るお前は何だろうな?」
分身した刀也が、獅子吼を引き抜く。ギ、ギギギギギギギギギギギギン! と見切り、かわし、弾き、刀也は一気に破壊の中心へと疾走した。
黒輪の雲、その唯一森が残った一部にソレはいた。百年単位育ったのだろう木々、そこから這い出るように現れた巨竜――『黒輪竜』メランシオンだ。だが、本来であれば知性を持ち、強い輝きを放つだろう瞳は今は鈍く光るのみだ。
「魂がなくってもアレか」
いやになるね、と永一はその姿をかき消す。次の現れたのは、数十メートル先――メラシオンの頭上だった。
「確かに盗ませて貰ったよ。では……グッドラック」
盗み去る狂気の転移(スチールワープ)――本来ならば意識も盗む事ができたが、魂のないメラシオンには効果が薄い。その分を、といいたげに永一は巨竜の体力を奪って、再び転移した。
次の刹那、永一のいた場所を無数の黒輪が通過した。自動追尾する黒輪は、すぐさま転移した永一を知覚、追いかける!
「戦場では俺は死人。死人は死を恐れん。初めからくらう覚悟を決めて突っ込めば、お前の攻撃にだって耐えられる。剣士をあまり舐めないほうがいいぞ?一撃で相手を殺す算段がないのなら特にな」
永一が現れたのは、刀也の背後だ。黒輪の全てを回避しきるのは不可能だ。そう判断した刀也は、獅子吼を大上段に構え地を蹴った。
致命傷になるもの以外は、放置する。腕を、足を、胴を、かすっただけで血ではない何かが流れ、すすられていく――それが魂だとすれば、間違いなく奪われているだろう。
「この切っ先に一擲をなして――」
だが、構わない。その程度はくれてやる、刀也は飲んで騒いだあの時間を胸に刻みながら勇気を持ってメラシオンへと飛び込んだ。
「――乾坤を賭せん!!」
同時、メラシオンの黒いブレスが刀也を襲う! 刀也の雲耀の太刀が、メラシオンのブレスを両断。巨竜の鼻先を確かに切り裂いた。
「―――――――!!」
声無き巨竜の威圧が、魂喰らいの森を揺るがした。刀也は振り返り、その横へ永一が転移する。
「時間は盗めたかね?」
「ああ、稼げたさ」
あのままでは、メラシオンに有利なポジションを取られかねなかった。しかし、先行した刀也と永一の攻防が巨竜をそこに押し留めたのだ。
巨竜が、上空へ舞う。そして、無数の黒輪で天を覆い、メラシオンは魂喰らいの森へ黒い雨を降り注がせた……。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ラティナ・ドラッケンリット
「さあ、竜退治だ。私の技がどこまで通用するか試させてもらおうか」
まず降り注ぐ魔弾対策だ
豆の木の種を敵に向かってアーチ状に伸びるように植える
その下を全力疾走して
少しでも早く接近戦の間合いに入る
豆の木の下に飛んで来る魔弾は
守護者『しょこら』と断山戦斧『しゅとれん』で受け流し
進路上に降って来ることが見切れれば
細かくステップしてルートを修正する
上から放つ関係上
敵の足許は他より魔弾の密度が薄いはず
滑り込んででも敵の足許に入り込む
「貴様らの鱗を砕き肉を断つ為に鍛えて来た技と武器だ。そう易々と耐えられると思うなよ?」
上段に構えた断山戦斧『しゅとれん』から渾身のグラウンドクラッシャーを敵の胴体に叩き込む
ザフェル・エジェデルハ
樒(f10234)と共闘
樒が敵を非戦闘状態にしたら、【怪力】を【力溜め】して
敵との距離を詰め、最も攻撃の当たりやすいと感じた箇所に
【鎧砕き】【部位破壊】を狙ってユーベルコード(UC)を撃つ
可能であれば敵へ【騎乗】し、敵の死角となる箇所からUCを撃ち込む
何度でも繰り返し撃ち込んでやるぜ!
敵の攻撃は、UCによる地形破壊で巻き上がった土煙での目くらましや、
森林【地形の利用】で木々を盾にするなどで回避すると共に
【第六感】で察知して【オーラ防御】【武器受け】で防ぐ、
【衝撃波】で弾き返すなどを試みる
大いなる生命力を持つ竜が、亡者のように魂を喰らうとはな
何かの因果だとしたら、ここで断ち切ってやらねえとな!!
宇冠・由
お母様(f00173)と参加
大きな竜、その力も桁違いです
守ること。そこは変わりません。お母様を仲間を守り切って見せます
私から地獄の炎を複数切り離して炎の盾に
周囲に浮かせて仲間をかばい守る炎のオーラとします
盾で魔弾を防ぎ、火炎剣を投擲し雲を切り裂きます。足りなくなったら地獄の炎を再生しましょう
全ての攻撃を防ぎきれれば本望ですけど、相手の火力のほうがきっと上手
けれどそれで構いません
お母様の詠唱が終わるまででいいんです
いつもお母様は言っていました。呪詛とは、想いそのものだと。こと呪詛に関してなら魂喰らいにだって後れを取ったりしません
(あれはかなりの負担がかかる技。速攻で片づけなければ)
宇冠・龍
由(f01211)と参加
娘が見ている前です。かっこいいところを見せませんと
それに相手は強敵、一時でもあの黒雲を排除する必要があります
由が守ってくれている間に詠唱を終え、先程森で採集した魂喰らう梨、これを媒介にして【竜跳虎臥】を発動
戦場を一時的に命咲き誇る綺麗な花畑に塗り替え、魂喰らいの森を、空に漂う輪上の黒雲を一度全て消し去ります
この花畑の中では、相手の呪詛や攻撃は制限されます
そして召喚される百匹の猟犬それで相手を包囲し、互いに連携しながら攻撃させましょう
(くっ……)
この技は強い不可がかかります
苦しさと痛みに胸抑え膝をつき、時間と共に猟犬たちが一匹ずつ消えていきます
織部・樒
引き続きザフェルさん(f10233)と行動
アドリブ・連携OK
魂を失うとこの様になってしまうのですか……
出来れば正気の時にお会いしてみたかったですね
ザフェルさんと視線を交わし、前に出ます
初手で障壁を張り、更に【オーラ防御】にて
敵攻撃に備えます
可能なら錫杖にて【武器受け】【見切り】併用し防御
【呪詛耐性】もあるので多少は凌げる筈
ザフェルさんが攻撃したら、土煙等彼のUCにて
破壊されたものに紛れながら錫杖にて攻撃或いは
再度障壁を作る、囮として符を投げるなど
彼のフォローを行います
夏目・サキ
『導きの黒狼』でクロに乗ったままです
「魂を啜る効果」って、どんなだろ……?
ユーベルコード以外なら、触れても平気、かな
とりあえず、私はクロと合わせて二人分の生命力あるし、一発、思いっきり体当たりして、確かめてみよう
それにしても、自分よりも、サイズもパワーもある相手かぁ…やりにくい
正直、決め手になる一撃が乏しいから、サポートにまわろうかな
クロの速度で味方を運んだり、「オーラ防御」と共鳴符で耐久力はあるから、いざという時には壁にでも
あと、これでも巫女だから、「破魔」「呪詛耐性」を活かして呪詛の雨から、皆を守れたら、と
庇いきれなかった人の浄化や、多少空中戦出来るから、黒輪自体の破壊も可能なら試みたり
ナイ・デス
ソラ(f05892)と一緒
……これだけのドラゴンも、森に魂、奪われたのです、ね
天を覆い隠す程の、あれだけの力が、あっても……
けれど、私達の勇気は負けない、ですか
【第六感】で豪雨の如き魔弾の脅威を感じ、ソラを【かばう】
そのまま『ソラの剣』に変身、魔弾を防いで
ソラ、あのドラゴンさんも、救いましょう。二人で……!
『光束ねし綯剣』となって
【念動力】でソラの動きをサポート、ソラの背から光を放って【吹き飛ばし】加速させ
魔弾を、極大エネルギーの収束している黒輪をも、あらゆる攻撃に対して無敵の剣姿で、ソラに振るわれるまま、切り裂いて
【生命力吸収】そのエネルギーを吸収、光に変えて
トドメの【鎧無視する範囲攻撃】
ソラスティベル・グラスラン
ナイくん(f05727)と
彼がこの森の主、この大陸で対峙する最初の竜…!
成程…貴方はこの地に踏み入るに足るか、『勇者』足り得るかを試す者なのですね
ならば証明しましょう、わたしたちの【勇気】を!!
空を覆い隠す黒輪も魔弾の嵐も、わたしたちを止めるには至らない
携えるは切札、暁光を束ねた一振り
魔弾を【見切り・盾受け】、無敵の剣で防ぎ斬り払う
滾る【勇気】が力となり、力が更に【勇気】を呼ぶ
それを成すのは…いつも傍に居る相棒でした
嘗て無い力の漲りのままに飛翔
今こそ天覆う黒を切り裂いて、戦場に暁の如き光を
この一撃を以て、群竜大陸を巡る冒険の始まりを告げましょう!
「天地に響け英雄譚!輝く暁を導いて――――!!」
●巨竜、猛る
猟兵達が、戦いの中心地へと集っていく。戦いの中心にあるのは、輪状の黒雲を従える巨竜だ。魂がなくとも、その威圧感は凄まじい。戦闘が始まれば、否が応でも森の中のどこからでもその存在が感じられた。
「……これだけのドラゴンも、森に魂、奪われたのです、ね。天を覆い隠す程の、あれだけの力が、あっても……」
走りながら見上げ呟くナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)の隣で、目を輝かせるのはソラスティベル・グラスラン(暁と空の勇者・f05892)だ。
「彼がこの森の主、この大陸で対峙する最初の竜……! 成程……貴方はこの地に踏み入るに足るか、『勇者』足り得るかを試す者なのですね。ならば証明しましょう、わたしたちの【勇気】を!!」
「けれど、私達の勇気は負けない、ですか」
ソラスティベルは、決してブレない。あの巨大な竜、その魂すら失われるこの地でさえ。だからこそ、その隣にいるナイも迷わなかった。
ヒュガ!! とメランシオンの背後、黒輪の雲の中心に光が集まっていく――それを見て凛と言い放ったのはラティナ・ドラッケンリット(ビキニアーマー道の冒険者・f04425)だ。
「さあ、竜退治だ。私の技がどこまで通用するか試させてもらおうか」
宣言の直後、メラシオンが魔弾の豪雨を解き放つ! ヒュガガガガガガガガガガガガガ! と降り注ぐ膨大な魔弾――それに飛び込む『炎』があった。
「やらせません!」
自らの地獄の炎を分離させ、炎の盾とした宇冠・由(宙に浮く焔盾・f01211)が魔弾の雨を防ぐ。しかし、メラシオンのそれは自然のそれと同じだ。人の力を嘲笑うように、盾で防ぎきれなかった場所にも降り注ぐ。
(「大きな竜、その力も桁違いです。でも、守ること。そこは変わりません。お母様を仲間を守り切って見せます」)
由は理解している。全てを防ぐ必要など無い、味方に届くものだけを防げばいいのだ。
「十分だ、道は作る!」
ラティナが撒いたのは、豆の木の種だ。しかも、ただの種ではない。種の状態から爆発的な速度で成長することに重点を置いて品種改良された魔法の豆の木だ。地へと落ちればたちまち大きく成長し、そこに豆の木の『道』を築いた。
「「魂を啜る効果」って、どんなだろ……?」
その豆の木の下を、クロに乗った夏目・サキ(舞い散る桜の夢・f10909)が疾走する。魔弾の雨に抉られる豆の木を駆け抜け、サキはソラシオンの真下へ到達した。
「ユーベルコード以外なら、触れても平気、かな」
私はクロと合わせて二人分の生命力あるし、一発、思いっきり体当たりして、確かめてみよう――実に乱暴だが、この状況では理に適った選択だった。クロが飛び上がり、ソラシオンの巨体に突撃する!
しかし、メラシオンの尾が黒狼を迎撃した。尾と言っても、サイズがサイズだ。巨大な木の幹が眼前に高速で迫るようなものだった。
その尾を防いだのは、織部・樒(九鼎大呂・f10234)が展開した障壁だ。樒は己のオーラを全力で込めた障壁が、ただの一撃で軋む手応えを感じて呟いた。
「魂を失うとこの様になってしまうのですか……出来れば正気の時にお会いしてみたかったですね」
樒がザフェル・エジェデルハ(流離う竜・f10233)へと視線を向け、前へ出る。その後ろ姿に、ザフェルはEvrenを握る手に力を込めた。
「さて、どうなる事やら――」
「来ます!」
宇冠・龍(過去に生きる未亡人・f00173)の警戒を促す声と同時、メラシオンの黒いブレスが地上を薙ぎ払っていく! 地面が砂糖菓子のように砕け、抉られていく――それを眺めながらナイが叫んだ。
「私は剣になります。ソラを守る、ソラの剣に――!」
光束ねし綯剣となって、ナイがソラスティベルの手へと握られる――ソラの剣(ナイデス)、一振りの長剣となったナイを手にソラスティベルが飛んだ。
「行きましょう! ナイくんっ!」
迫る黒いブレス、その死をもたらし魂をすする一撃をソラスティベルはナイという相棒を振るい、切り開いた。
●黒雲の晴れた先に――
メラシオンとの戦いは、壮絶を極めた。猟兵達を真っ向から迎え撃ち、凌駕するその暴れっぷりはまさに自然の脅威に等しい。魂がなくとも――否、魂がなかろうと竜は竜なのだと、示すように。
自然に挑むに等しいこの巨竜を前に、しかし、退こうという猟兵は一人たりともいなかった。
「全ての攻撃を防ぎきれれば本望ですけど、相手の火力のほうが上手。けれどそれで構いません――お母様の詠唱が終わるまででいいんです」
炎の盾が穿たれては消えていくのをまざまざと見せつけられながら、それでも由は引かない。その姿を、背中を見て、龍は小さく息を吸う。
「娘が見ている前です。かっこいいところを見せませんと、それに相手は強敵、一時でもあの黒雲を排除する必要があります」
龍が取り出したのは、途中で拾った魂喰らう梨だ。
「最果て至りし百折不撓、悪鬼戦鬼と紐解けば、不惜身命列を成す」
竜跳虎臥――戦場を異界で塗り替えるこのユーベルコードが生み出したのは、命咲き誇る綺麗な花畑だ。舞い散る花びら、それを運ぶ心地のいい風――魂喰らいの森を、空に漂う輪状の黒雲が掻き消された。
「行きなさい」
そして、召喚された百匹の猟犬がメラシオンへと襲いかかる。呪詛によって弱体化しようと、竜は竜だ。その牙が、爪が、尾が、迫る猟犬を薙ぎ払い、駆逐していく!
(「いつもお母様は言っていました。呪詛とは、想いそのものだと。こと呪詛に関してなら魂喰らいにだって後れを取ったりしませんが……」)
由は、龍を振り返る。そこには胸を押さえ、膝をついた龍の姿があった。時間と共に猟犬たちが一匹ずつ消えていく――空間を塗り替えるほどの呪詛だ、長く続くはずがない。
(「あれはかなりの負担がかかる技。速攻で片づけなければ――」)
「クロ、行く、よ」
それを察してはいないだろう、しかし、好機と見たサキがクロを走らせる。猟犬を引き連れる黒狼が一斉に巨竜へ襲いかかり――地面へと、引きずり下ろす!
ドォ! と大地を揺るがす衝撃が花園に響いた。空間が歪み、亀裂が入る――バキン! と花園を砕きながら再び無数の黒輪が天を覆っていく――!
「――十分だ」
だが、それを待ってやつ謂れがない。メラシオンの背へと乗ったザフェルが、溜めに溜めた力でEvrenを振り下ろした。
「大いなる生命力を持つ竜が、亡者のように魂を喰らうとはな。何かの因果だとしたら、ここで断ち切ってやらねえとな!!」
一撃ではない、何度も何度も振り下ろす! 苦痛に身をよじったメラシオンが、たまらず空へと舞い上がった。竜の背に乗ったザフェルへ、超高重量高密度の黒い砂礫が迫った時、樒が投擲した錫杖が砂礫を破壊する!
「青龍、白虎、朱雀、玄武、勾陳、帝台、文王、三台、玉女」
「……これでも巫女、だから……」
樒の九字真言が、サキの共鳴符が、障壁を生み出した。バチン! とメラシオンが障壁にあたり、上昇途中で動きを止める! メラシオンの巨体が、足掻くように暴れた。その背にいたザフェルも、このままでは危ないと察して離脱を決意する。
「イルディリム!」
ザフェルが小型竜が变化した長槍を突き立て、そのまま落下。メラシオンの鱗をたやすく切り裂き、傷口を生んでいく!
「貴様らの鱗を砕き肉を断つ為に鍛えて来た技と武器だ。そう易々と耐えられると思うなよ?」
上へ伸びる豆の木を足場にして、ラティナが駆け上がる。迫る脅威に、メラシオンは暗黒の輪を大量に射出する。ラティナは細かいステップで回避、かわしきれない黒輪は守護者『しょこら』を構え、火花を散らしながら軌道を逸らした。
「――ッ!!」
足場の豆の木が断ち切られると、ラティナは即座に上段に構えた断山戦斧『しゅとれん』を背負うように加速――渾身の力を込めて、メラシオンの胴へと振り下ろした。
バキン! と硬いものが砕け散る破砕音が、鳴り響く。巨竜の、強固な鱗と肉を断ち切り――ついに、メラシオンの中に隠された森の核へと指を届かせたのだ。
「今だ!」
そして、ラティナは落下しながら断山戦斧『しゅとれん』をメラシオンへと投げつける。ドォ! と眉間にバトルアックスの投擲を受けて、メラシオンが大きくのけぞった。
ラティナの声を受けて、ナイを手にソラスティベルが飛翔する。
「今こそ天覆う黒を切り裂いて、戦場に暁の如き光を――この一撃を以て、群竜大陸を巡る冒険の始まりを告げましょう!」
メラシオンが、あがくように生み出した一つの黒輪から魔弾を放つ。しかし、それはソラの剣となったナイによって切り飛ばされ、吸収された。そして、暁色の光の刃を身にまとい、ナイは――ソラスティベルに全てを委ねる。
「ソラ、あのドラゴンさんも、救いましょう。二人で……!」
ソラスティベルはうなずきを返し、ナイを振りかぶり――言い放つ!
「この一撃を以て、群竜大陸を巡る冒険の始まりを告げましょう! 天地に響け英雄譚! 輝く暁を導いて――――!!」
横一閃、ソラスティベルの光束ねし綯剣(クラウ・ソラス)による勇者の一撃が森の核ごとメラシオンを両断した。
その斬撃の軌道が地平線のように群竜大陸の空に刻まれ、未だ見えないはずの彼方を確かに照らした……。
大成功
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最終結果:成功
完成日:2019年12月20日
宿敵
『『黒輪竜』メランシオン』
を撃破!
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