剣鬼、玉座で英傑を待つ
#ダークセイヴァー
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――嗚呼、血が欲しい。かつえている、まるで足りない。家畜の血では満たされぬ。
最後に存分に羽ばたいたのは、いつだったろうか?
この豪華な剣を全力で振るったのは?
誇るべき強敵に血を沸かしたのは?
――かつて我ら吸血鬼を滅ぼした英傑は一体どこに消えたのだ?
骸の海より蘇り、永劫の闘争の歓喜に震えたのも今は昔、玉座に挑む勇者たちは1人として現れぬ。どれだけの暴虐を尽くしても、どれだけの理不尽を敷いても、返ってくるのは諦観と追従だけ。
部下に作らせたこの館も、まるで己を捕らえた鳥かごのようだ――嗚呼。
「――騒々しいな。何があった?」
「はっ薄汚い反徒めが、輝かしいこの館に侵入したようで……」
「ほう! それで? 闘奴たちを打ち倒したか!?」
「まさか! そのようなことがありましても、ディダルク様には指一本触れさせませぬ!」
「……大した忠義だ。褒めてつかわす」
――この黒騎士の諂いの目、機に乗じ我を滅ぼそうという気概もない。惰弱な。
「だが、面白い。我に挑もうという反徒とやら、一目見てやるとしよう」
バサリ、と影の蝙蝠たちが玉座から飛び立った。
●グリモアベースにて
「吸血鬼の館を襲撃し領主を撃破する算段が付いた。
真正面からの強行突破、それが最善策だ。――おい、正気を疑うような目をするな」
猟兵たちの白眼視にさらされディスターブ・オウフィディアンが肩をすくめる。
「正気でないのは敵の方だ。
『剣鬼』ディダルク、奴は自分に挑む強者を求めている。
正面から名乗りを上げて戦いを挑む勇者――待ち望んだ強敵との戦い。
それが奴の判断を狂わせる。
正面突破を図れば、闘奴との戦いになるが、ディダルクの目となる蝙蝠が来る。
その目の前で闘奴を打ち倒せば、お前達を認めるはずだ。
闘争に足る、誇るべき強者であると。
もっとも、つまみ食いのつもりで闘奴との戦闘に割り込んでくる可能性もあるがな」
注意するに越したことはない、とディスターブ。
「それと近くの村で冬ごもりの祝祭があるらしい。
集会所で篝火を囲んでの芋煮やスープ、紅茶や焼き菓子などを振舞うそうだ。
戦いのあとで骨休めといったところだな」
「奴の望みが何であれ、欲望のまま不幸を振りまいている事実は変わらん。
打ち倒し、かの世界に希望をもたらしてやるが良い」
雲鶴
マスターを務めさせていただく雲鶴と申します。
今回はダークセイヴァーでの吸血鬼戦、殺伐系オサレバトルです。
前回前々回とボスが小物化していましたので、今回は全力で強敵として描写する予定です。
●第一章について
闘奴達との戦闘ですが、ディダルクが皆さんの戦いを見て一喜一憂しています。
喜びのあまりディダルクが奇襲を仕掛ける場合があります。
プレイング内に【奇襲への対応】を仕込んでおくとオサレポイントが稼げるかもしれません。
●第二章について
『剣鬼』ディダルクとの決戦になります。
リンチの様な描写を避けるため、猟兵への反撃やダメージ描写が少なからず発生します。
プレイング内に【被弾時のリアクション】を仕込んでおくとオサレポイントが(以下略。
●第三章について
日常パートで温かいスープで体を温めたり、子供たちへ冒険譚を語ったり、温泉に入ったり。ゆったりとした日常シーンを描く予定です。
第1章 集団戦
『闘奴牢看守』
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POW : ボディで悶絶させてからボッコボコにしてやるぜ!
【鉄製棍棒どてっ腹フルスイング 】が命中した対象に対し、高威力高命中の【鉄製棍棒による滅多打ち】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : チェーンデスマッチたこのやろう!
【フックと爆弾付きの鎖 】が命中した対象を爆破し、更に互いを【鎖についてるフックを肉に食い込ませること】で繋ぐ。
WIZ : 嗜虐衝動暴走
【えげつない嗜虐衝動 】に覚醒して【『暴走(バイオレンス)』の化身】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
レクイエム・アビス
よろしくお願いします。アドリブ歓迎です。
レクイエムは諸事情で話せないので筆談がメインですが、今回は暴れるので基本叫びのみです。
眼前の敵を確認した段階でUCを発動。泥に覆われた異形の怪物へと姿を変え『GAAAAAAAAAA!!』と雄たけびを上げながら両腕を槍と大剣に変え敵へと攻撃。【動く物を標的にする】という関係上、奇襲があった場合はそれに反応して反撃をする…とか出来れば。
●
吸血鬼が巣くう豪華な邸宅、庭園を囲んだ塀の入口は瓦礫となって無残な姿を晒していた。
「敵襲っ! 敵襲ーーーーっ!」「生かして返すな!」「裏門を閉ざせ、警戒を続けろ!」
仲間を呼び集め、猟兵たちへ迫りくる闘奴たちの目の前にひしゃげた門扉が落下、けたたましい音を鳴らす。
「Ia!」
そこへ切り込んだのはレクイエム・アビス(呪われた人形・f09861)、黒いドレスを翻し、漆黒の大剣バルムンクで立ち竦んだ闘奴達を薙ぎ払う!
――まずは2人、このまま押し切る。『呪エ 呪エ 全テヲ呪エ。』
だが彼女がバルムンクを構え直すより早く、闘奴の棍棒がレクイエムの横腹に振りぬかれた。
湿った音と共に棍棒に付着したのはレクイエムの体からにじみ出た褐色の泥。
二度三度と闘奴が叩きつける棍棒をレクイエムの体を覆う泥が防ぎ、反撃の槍が闘奴の体を貫く。
泥はやがてレクイエムの全身を覆いその姿を変貌させていく。剣と槍の双腕を持った異形の巨人――呪神へと。
「GAAAAAAAAA!」
異形と化したレクイエムは金色の槍アスカロンを構え、雄たけびと共に闘奴達のさなかへ突撃。
頭上に無数の蝙蝠が舞う中、闘奴たちを蹴散らしていく。
「舐ぁめるなぁっ!」
一人の闘奴が突進するレクイエムに棍棒を叩きつけるが――やわらかい泥をすり抜けるだけ。
たたらを踏んだ闘奴の頭へバルムンクを叩きつけると、返す刃で空を一閃。
彼女に近づいていた蝙蝠を断ち切り、再び闘奴たちへと暴走を始めた。
「――ッ!」
「ディダルク様! 御身に傷が!」
レクイエムが蝙蝠を切り捨てた瞬間、ディダルクの頬に赤い筋が生じていた。ディダルクが鼻を鳴らす。
「影を一体やられただけだ。傷の内にも入らぬ」
彼の言葉通り、その傷はすぐにふさがってしまう。
「しかしあの泥、あの姿。呪神の業を操るものがいるとはな。それに、良い太刀筋であった。
――闘いの準備をしておけ。奴らはこの玉座に届きえるぞ」
呆気にとられる黒騎士の前で、ディダルクは牙をさらけ出して笑っていた。
成功
🔵🔵🔴
レイジア・ピグマリオ
【SPD】
強敵を望むというのなら地べたに降りてくるがいい。
玉座にふんぞり返って、弱者から搾取を続けながら武人気取りとは、その腕も程度が知れるというものだ。
・対闘奴
【フェイント】を交えて翻弄しつつキュクロプス(人形)の爪で【2回攻撃】を行う。
基本的には回避からのカウンターを重視するが、鎖などによって動きが制限されたのなら攻撃重視で短期に片を付けることも考えよう。
・奇襲への対応
対闘奴を人形に基本的に任せつつ、俺自身は【暗視】も用いて周囲にも気を配っておく。
奇襲された場合は【絶望の福音】で回避しつつ。カウンターでマチェーテの一撃を食らわせたいな。
「人形遣いの本体は弱いとでも思ったか? 浅はかだな」
リーヴァルディ・カーライル
…ん。吸血鬼の望みなんて知らないし興味もない
だけど、それが必要なことなら致し方ない
精々派手に暴れて存在感を示してみる
…私はリーヴァルディ・カーライル。吸血鬼を狩る者
…闘奴が出てきたら、名乗りを上げて挨拶を
相手の名前は…聞かない。どうせ聞いても忘れるし…
会話中も敵の装備や行動を観察しておき、初動を見切れるようにする
敵の攻撃を紙一重で回避しカウンターで仕留める
すれ違い様に大鎌を薙ぎ払い生命力を吸収して首を刎ねる
…ん。筋肉の動きで次の行動が丸わかり、ね
…第六感が奇襲を察知したら【吸血鬼の業】で紙一重で回避
蝙蝠、剣、契約書…お前達の手管は分かっている
待っていなさい。吸血鬼狩りの業を見せてあげるから…
●
闘奴に向けて大鎌を構え、リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)は名乗りを上げた。
「……私はリーヴァルディ・カーライル。吸血鬼を狩る者」
「ほう、なかなか礼を弁えたやつ。オレの名は――」
闘奴の回答を聞き流しながらリーヴァルディは闘奴の姿を観察する。
全身の筋肉が露になった露出の多い防具、金属の棍棒と腰に下げた爆弾付きのチェーン。
――狙うなら防具で守られていない首。勢いの乗った棍棒を受けるのは不利。
「さぁ行くぞ!」
闘奴が大仰にこん棒を振りかぶる。迎え撃つように大鎌を縦に構えリーヴァルディは相手の動きを見る。
――右手の指が不自然に脱力している。棍棒はフェイント。今、腰に視線が落ちた。本命は……チェーン!
はたして闘奴が右手を棍棒から放した瞬間、リーヴァルディは闘奴に向けて踏みだした。放たれたチェーンが耳元をかすめ、遅れて風切り音。
すれ違いざま、薙ぎ払った大鎌が闘奴の首を切り落としていた。
「……ん。筋肉の動きで次の行動が丸わかり、ね」
「彼女も怖いが君も怖いな」
リーヴァルディと背中合わせに立ったのはレイジア・ピグマリオ(廃都より出でしドールメイカー・f09676)。
「そう? ……あなたの人形も読みにくくて怖い」
「読めないと言い切らないのが怖いところだ」
言ってレイジアが手を振るうたびに、全く同じ動きで彼の愛用の人形キュクロプスが双腕を揮い、闘奴達を鋭い爪で切り裂いていく。
一人、二人と切り伏せた後の三人目。闘奴に向けて振るったキュクロプスの爪が棍棒で受け流される。
敵が立つのはキュクロプスを挟んでレイジアの真正面、キュクロプスとレイジアを同時に視界に入れられる立ち位置だ。
眉を跳ね上げるレイジア。彼が右手を振りかざすとキュクロプスが同じように右手を振り上げる。
レイジアはそのまま右手を振り下ろす。闘奴が右の爪を防ごうと棍棒を上げ――キュクロプスは左の貫手を放った。鋭い爪が闘奴の胸を抉りとる。
「な、なんで……左手は動いてなかったのに」
「キュクロプスがオレと同じようにしか動けないなんて一言でもいったか」
レイジアが右手の五指をひらひらと動かして見せれば、キュクロプスが影のように闘奴の背後に回り、主の敵を屠った。
「……筋肉もなければ、呼吸もない。読みにくい」
リーヴァルディが言った直後、二人は同時に飛び退る。レイジアがいた場所を貫く様に、一振りの剣が頭上から勢いよく地面に突き立った。
持つ手もなく抜けかける剣、その柄にリーヴァルディが飛び乗り、動きを封じたところへレイジアがマチェットを一閃。
剣が砕ける一瞬前、リーヴァルディは柄を足場に跳躍し大鎌で空中の蝙蝠を両断していた。
「人形遣いの本体は弱いとでも思ったか? 浅はかだな」
言い捨てるレイジアの前にリーヴァルディが着地する。
「血の誓約書に宙を舞う剣、そして蝙蝠での偵察。お前たち吸血鬼の手管は知っている。
待っていなさい。吸血鬼狩りの業を見せてあげるから……」
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
桜・吹雪
他称:様
英雄を求むる吸血鬼ですか
英雄譚のようでございますが
犠牲がでているのであれば止めるのが私の使命ですわ
真の英雄である(仲間の)猟兵の皆様の前座を務めましょう
SPDユーベルコードで白蛇を呼び出し
共に高速で駆け相手の攻撃を【見切り】【学習力】し、回避行動を軸に妖刀で隙をつきますわ
機会があれば白蛇で巻き付き動きを制限致しましょう
回避損ねて繋がれた際は、単騎で向き合いましょう
壊れたところで創られた人形であるこの身、如何ほどの価値の損失がありましょうか
空いた手で妖刀を持ち、回避を軸に隙を突き【暗殺】を狙いましょう
乱入には不可視の鋼糸をめぐらし備えておきますわ
男女の逢瀬にまじるのは無粋でございますよ?
西院鬼・織久
【POW】
【心情】
強者に餓える程の敵となれば願ってもない
我等が怨念は底無しなれば貴賤は問わぬ
が、やはり強者との死合いで得たものこそ良き糧よ
【行動】
「ダッシュ」で「先制攻撃」を仕掛け「殺意の炎」で周辺の敵を焼く
その中で最もダメージを受けている者を周囲ごと「範囲攻撃」
その時点で残っている敵がいれば「二回攻撃」「なぎ払い」で追撃
その間に周囲の敵が接近しているなら「殺意の炎」「範囲攻撃」で牽制しつつ、また弱っている対象を狙う
「見切り」で致命傷を避け、どうしても避けられないものは「怪力」も利用して「武器受け」する
奇襲を仕掛けられたら「見切り」と「残像」
間に合わなければ「怪力」で敵を掴み「敵を盾にする」
「強者に餓える程の敵となれば願ってもない。やはり強者との死合いで得たものこそ良き糧よ」
館の奥、玉座に座る吸血鬼を見据えるように、爛々と赤い眼を光らせるのは西院鬼・織久(西院鬼一門・f10350)。
「英雄を求める吸血鬼、まるで英雄譚のよう」
言って桜・吹雪(主を求めて三千世界・f09844)は薄羽衣をひらめかせクルリと身をひるがえす。
するりと彼女の小袖から抜け出た白蛇へ、謡うように吹雪は言の葉を紡ぐ。
――七重に巻かれて一廻り。巻かれ絡み融け合い、一つになりましょう。
吹雪の歌と共に、白蛇の胴が太くなり鱗が厚みを増し、全身が見る間に巨大化していく。
全長およそ10mの大蛇、その背にまたがって吹雪は織久を手招いた。
「さあ乗ってくださいませ。わたくしがあなた様の前座を務めましょう」
大蛇は2人を乗せ、すべるように闘奴たちの合間を縫いながら這い進む。
すれ違いざま、吹雪は当たるを幸い妖刀を揮って闘奴たちを切り捨て、織久が止めとばかりに黒い炎で追撃。闘奴の体を焼き尽くす。
そうして庭園のちょうど中ほどまで差し掛かった時、風切り音と共に一振りの剣が大蛇の顔面へ向けて撃ち込まれた。
「キャッ」
短い悲鳴と共に、吹雪は大蛇の頭を下げさせる。急停止、刃は大蛇の頭をかすめ飛び去って行く。
そして動きを止めたところへここぞとばかりに殺到する闘奴たち。
「チャンスだ、あの蛇を止めろ! チェーンを使え!」
2人を囲んだ闘奴たちが次々にフック付きチェーンを放る。一つ二つと躱わしたものの、数が多い。
とうとうがんじがらめに捉えられ白蛇の身動きが封じられると、吹雪は織久に告げた。
「私がお送りできるのはここまでですわね。突破口を開きます、あなた様は吸血鬼の元へ」
「我等を先に行かせて死ぬ気か?」
「壊れたところで創られた人形であるこの身、如何ほどの価値の損失がありましょうか」
「そうか――相分かった」
言うや否や、織久は白蛇の背から跳躍、闘奴たちの頭上を飛び越え、そのうちの一人、大蛇にチェーンをかけていた闘奴へ黒い火炎弾を叩きつける。
その炎はチェーンについていた爆弾に着火し誘爆、爆発に巻き込まれ倒れ伏した闘奴たちの真ん中に織久が着地し、吹雪へと口を開く。
「これで少しは動けよう。この場にとどまり反撃をする」
呆然としていた吹雪が妖刀を片手に白蛇から降りるのを見届け、織久は再び黒い炎を生み出し、周囲の闘奴を睥睨。
白蛇に向けて棍棒を振りかざした闘奴へ牽制するように火を放つ。
「さあ来い、闘奴ども。我等が怨念は底無しなれば貴賤は問わぬ。
貴様らの断末魔、余さず平らげてやろう」
言葉と共に一面にまき散らされる殺意と怨念からなる黒い炎、それを貫いて先ほどの剣が宙を舞い織久に突き刺さる。――否。
「残像だ」
言って、背後から振るわれた闘奴の棍棒を、織久はしゃがんで回避。
右腕をつかんで怪力に任せて背負い投げ、闘奴の体を盾として剣の刺突から身を守る。
闘奴の肉体から刃が抜けるより先、織久が放った炎が剣と闘奴の体を焼き捨てた。
「あたりに鋼糸を張り巡らせました。しばらく邪魔は入りませんわ。織久様」
鷹揚にうなずいた織久の背に、吹雪は足元で浮かびあがった剣の柄に妖刀を突き立てた。
「男女の逢瀬にまじるのは無粋でございますよ――吸血鬼」
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
緋縅・善蔵
何か勘違いしそうだなこのオブリ。楽しませる為じゃなくて単に障害を消しに来ただけなんだが……。
●対、闘奴戦では近付かれる前にアサルトウェポンで制圧射撃。一定の距離を保ちつつ闘う。纏まったら技能:全力魔法で攻撃。ディダルクが満足するような闘い方ではないからUCを使ってディダルグの同行は逐一把握。剣客は背中に視覚を持ってたと言うが、俺はUCで視る。乱入して来たら屠龍を振り抜いて叩き飛ばす。俺とて何時までも安全に身を置いて戦える訳ではない。
技能:なぎ払いは闘奴が纏まって向かって来た時にも使用。鎧砕きで敵の防御力を崩せれば僥倖。
「命のやり取りをしに来たんだ。舐めてもらっては困る」
●
庭園の木の影に身を隠し、手にした小銃で闘奴たちへ鉛弾を浴びせながら緋縅・善蔵(893顔特別国家公務員・f06737)は考える。
ディダルクが満足するような闘い方ではないだろう。向こうの出方を探らなければ、と。
善蔵は自身の影に手を付き、一人の黒い人影を呼び出し、吸血鬼の館の中へと向かわせる。行く手にいる闘奴へ向けて牽制射撃。
『影』は屋敷の扉の上、通風孔を通じて侵入し、ホールの豪華な絨毯の上に着地。音もなく階段を駆け上がり、一際豪勢な扉の前へ。
床と扉の小さな隙間を潜り抜けた先に、黒騎士を従え玉座に腰掛けた吸血鬼がいた。――剣鬼ディダルク。
忍び込んだ『影』が聞いた言葉は、五感を共有する善蔵にも聞こえてきた。
「らちが明かんな。闘奴たちも半ばほどは倒された」
「こうなったら降参したほうが良いのでは?」
「何を馬鹿な。これだけの英傑と見える機会などそうあるものではない。
我が蝙蝠と近しい、影を操る相手だぞ。――貴様、見ているな」
ディダルクが右手を『影』へ向け、パチリと鳴らす。
思わず身構えた善蔵の頭上から、切りかかる刃。宙を舞う剣を善蔵は屠龍の一撃で跳ね飛ばす。
「我が剣より早く身構えたな。見つけたぞ、『影』の主よ。なかなか面白い武器を使う」
「そいつはどうも。楽しませる為じゃなくて単に障害を消しに来ただけなんだが……ねっ」
互いに影を通じて会話しながら、善蔵は木から木へ、隠れる場所を変えながら小銃の弾をばらまいていく。
「ほう障害。では問おう勇者よ、お前は私を倒した先に何を望む? 栄誉か、宝か、それとも美姫か?」
「それは――」
言いかけたところへ、闘奴が放った爆弾付きの鎖。躱そうと善蔵が足に力を入れた瞬間。
「――そこだ」
指を鳴らす音と共に、『影』の脚に剣が突き立てられる。両足を切断される痛みに善蔵の跳躍が遅れ、爆発。
爆風を背に跳躍しながら、善蔵は魔法で冷気を生み出していた。爆発の熱から自身を守るため、そして――攻撃のために。
「凍り付け!」
撒き散らされた冷気が、駆けつけた闘奴を氷の彫像に変え、頭上を飛んでいた蝙蝠を凍てつかせた。
消えていく『影』の五感の中、ディダルクの賞賛の声が聞こえた。
「ほう、剣に銃、そして魔法まで使うか」
「命のやり取りをしに来たんだ。舐めてもらっては困る」
最早届かぬ言葉を紡ぎ、善蔵は再び闘奴たちへ武器を構えた。
成功
🔵🔵🔴
燈夜・偽葉
ローズ(f04715)さんと一緒に戦います!
正面から行っていいんですね、分かりました。
私とローズさんで蹴散らしてやります!行きましょう!
まずは先制攻撃、黄昏の太刀(サムライブレイド)で「剣よ、天を斬って」でなぎ払い・範囲攻撃込みで複数の敵を纏めて切り裂きます。
2回攻撃でもう一度ずばっと。
この技はエレクトロレギオンは巻き込まずに敵だけ斬れるのです。
ローズさんと息を合わせて戦います
敵の攻撃は見切り、残像を利用したフェイントや地形を利用してスライディング、などで回避します。
吸血鬼の奇襲もあるそうですし、常に闘奴以外も警戒しておきます。
奇襲を受けたら武器受けで防御です。
くぅっ、やはり現れましたね…!
ローズ・ベルシュタイン
■同行者
燈夜・偽葉(f01006)と一緒に参加。
■心情
吸血鬼ですか、なかなか手強そうですけど、
人々が安心して過ごす為ですわ。
私達、猟兵が必ず倒して見せましょう。
■行動
WIZ判定の行動
『エレクトロレギオン』を召喚して、闘奴達と戦わせますわね
割り当てる数は、一度に相手する闘奴それぞれに
同じ数の機械兵器を向かわせますわ
「さぁ行きなさい。私と共に戦って下さいませ」
その後は、偽葉と息を合わせて、互いの死角をサポートする様に位置取り戦う
『範囲攻撃』で纏めて敵を攻撃していき
『フェイント』を混ぜて確実に当てる様にする
「頼りにしてますわ、偽葉」
■奇襲への対応
『盾受け』で防御しつつ『カウンター』での反撃を試みる
●
闘奴達が倒れ伏した庭園の中を走る影が二つ。燈夜・偽葉(黄昏は偽らない・f01006)とローズ・ベルシュタイン(夕焼けの薔薇騎士・f04715)だ。
「私とローズさんで蹴散らしてやります!行きましょう!」
「ええ、頼りにしてますわよ、偽葉」
先の猟兵たちが切り開いた道を駆け抜け、闘奴の集団の前で偽葉は態勢を低くしてスライディング、振るわれた棍棒が彼女の頭上をかすめる。
偽葉は立ち上がりざまに鯉口を切って抜刀、薙ぎ払った刃が闘奴たちの体を切り裂いた。
「くそっ、なんて女だっ!」
偽葉の背後、棍棒を放り殴り掛かろうとする闘奴へ、飛来したヘリ達が弾丸を浴びせかける。
緑の塗装に薔薇の刻印も鮮やかな、ミニチュアサイズの戦闘ヘリ70機余り――今回ローズが呼び出したエレクトロレギオンだ。
「慌てすぎですわよ、偽葉」
そのまま、偽葉の死角を補うように背中を合わせ、周囲の闘奴たちへエレクトロレギオンたちを向かわせる。
踏み込んでくる闘奴へは顔面に向かうようにヘリを飛ばし、防御を固めた所へ小型の爆弾を投下し吹き飛ばす。
旋回するヘリに振り下ろされる闘奴の棍棒。ローターがひしゃげヘリが落ちるが、闘奴が構えなおすより先に次のヘリが小型ミサイルを撃ち込む。
頭上を旋回するヘリから爆弾をまき散らして囮とし、闘奴の視線を逸らした所で後方から飛行したヘリで不意を打つように銃撃。
ローズは無数のヘリを有機的に操り、闘奴たちの数を減らしていく。
一方、偽葉が握るのは愛刀一つ。黄昏の太刀を揮い目の前の闘奴を切り捨てる。
切っ先を闘奴へ向け、霞に構えた偽葉の前、一人の闘奴が戦闘ヘリを盾にするように立ち位置を変えたが、偽葉は構わず愛刀で周囲を薙ぎ払う。
その刃は、ローズのエレクトロレギオンに遮られるく、刃がすり抜けたかのように闘奴たちの体だけを切り裂いていた。
「ふむ、選んだ相手だけを切り裂く空間切断。お前たちも、私に近しい技を使うようだな」
吸血鬼の声は、エレクトロレギオンの防衛線の中、彼女らの傍らで聞こえた。
振るわれた剣を偽葉は黄昏の太刀で受け止めた。先ほどまでと同じ宙を舞う剣、ではない。
漆黒の人影が柄を握り、鍔迫り合いに打ち勝とうと押し込んできている。
「偽葉っ!」
エレクトロレギオンから放たれた銃弾が、漆黒の人影を貫いた。
影は無数の蝙蝠となって四散し、再び彼女らの前で人の形を成した。
「やはり現れましたね……! 『剣鬼』ディダルク!」
肯定するように、『影』が頷き口を開く。
「こうして『影』での挨拶となることを詫びよう、そして出迎えが遅れたこともな。
英雄を迎えるには聊か礼を失していたようだ。
先に手紙でも送ってくれれば、もっと盛大にもてなせたのだが、なっ!」
二振りの剣で、ローズと偽葉に切りつけ牽制しながら、ディダルクの影が闘奴たちの指揮を執る。
「闘奴たちよ! 伏兵はおらぬ! 裏門に当てた人員を呼び戻せ!
隊を再編成せよ、対竜陣形! こやつらを人と思うな、二足で歩む竜と思え!」
ディダルクの影から血で描かれた誓約書が舞い、闘奴たちにディダルクの意志を伝える。
「『剣鬼』ディダルクが命ず! 侮るな、全力を尽くせ!
眼前の敵を踏破し、生き延びて見せよ!」
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
寺内・美月
接近してきた敵を『剣刃一閃』で確実に斬り倒していく。
更に『SSW式治療レーザー』も使用して味方を治療しつつ戦う。
戦闘終了後は『SSW式治療レーザー』で味方を全員回復させてディダルクに備える。
【奇襲への対応】
攻撃を受け流して(鍔迫り合いをしつつ)説得?。
「乱入するのは良いですが、彼等(闘奴牢看守)を倒したら貴方(ディダルク)とちゃんと戦うので、大人しく待っていてください。…ウォーミングアップをして万全な敵と本気で戦いたいでしょう?」
これで引かなかったら他の方とともにディダルクを牽制する。
クリスティアーネ・アステローペ
アドリブ○
これ(闘奴)もオブビリオンなのかしら?
目にも耳にも煩くてあまり傍には置きたくはないわね
「処刑人たるクリスティアーネより前座勤めの闘奴共へ
汝が咎をその死を以て断ち切らん。汝が魂に、永き救いと安寧を」
慈悲深きエヴェリーナを構え頭を垂れれば楽にしてあげましょう、と
属性を乗せた刃や咎力封じの拷問具で傷口を抉るように攻め立てて恐怖を与え
動きを止めた者から首を刎ねに行きましょう
「鎖?いいけれど…捕まったのはどっちかしら」
鎖に繋がれれば小さく笑い
細腕とは思えぬ怪力で相手と拮抗
引き倒せたなら首を刎ねに
・奇襲への備え
代替、高速詠唱を可能とする短剣、マルツェラを左手に
引金を引きウィザードミサイルで迎撃に
●
「そこを、どけぇっ!!」
両手で二刀をふるいながら、寺内・美月(地獄雨の火力調整所・f02790)が叫ぶ。
彼の愛刀、白鞘能多知は闘奴の棍棒に受け止められても、その棍棒に喰い込み切り裂いていく。
だが彼の動きが止まったところへ、咆哮を上げて別の闘奴が突撃してくる。
手首を返し、棍棒を支点に眼前の闘奴へ斬撃、浅いと舌を打つ間に、横から降りかかる拳を躱し、黒鞘能多知を踏み込んできた闘奴の首へ突き立てる。
先ほどの闘奴へ止めを刺そうとしたところへ、別の闘奴から投げつけられる爆弾付きチェーン。
止むを得ず飛び退った美月の前で、先ほどの闘奴が体勢を立て直し、じりじりと彼の隙を窺っている。
彼だけではない。蹂躙されるだけだった闘奴たちが猟兵たちに拮抗してきている。
闘奴たちが強くなったわけではない。戦場の全てを見渡す蝙蝠の目、意思を伝える誓約書、無盡に飛び回る剣。
ディダルクの指揮が闘奴たちの戦列を支えている。
クリスティアーネ・アステローペ(朧月の魔・f04288)は闘奴たちに威圧を試みる。
「処刑人たるクリスティアーネより前座勤めの闘奴共へ。
汝が咎をその死を以て断ち切らん。汝が魂に、永き救いと安寧を」
言葉と共に振るわれた斬首刀『慈悲深きエヴェリーナ』の血臭。
それが百戦錬磨の闘奴たちの身を一瞬だけ竦ませ、クリスティアーネが拘束具によって闘奴の身を封じるにはその一瞬で十分だった。
身動きを封じた闘奴に向けて執拗に振るわれる刃、返り血に染まったクリスティアーネの妖艶な姿がさらに次の闘奴に恐怖を与え――。
「否! 我らが魂より望むものは、永劫に続く闘争だけだ!」
響きわたったディダルクの言葉が竦んでいた闘奴を突き動かした。放たれる爆弾付きのチェーン。
それを受けてクリスティアーネは笑う。
「鎖? いいけれど……捕まったのはどっちかしら」
クリスティアーネは踏みとどまろうとする闘奴を怪力で引き寄せ、バランスを崩した所で首に向けてエヴェリーナを揮う。
瞬間、闘奴の手が爆弾の起爆装置を握った。
首が飛んだのと爆弾の起動は同時。至近距離での爆発に、クリスティアーネの体が吹き飛ばされる。
「クリスティアーネさん!――今、治療を!」
「させん!」
レーザー治療器を持って駆け付けようとした美月の前にディダルクの『影』が現れ、切りかかる。
「ええいっ! 大人しく待っていてください! ……ウォーミングアップをして万全な敵と本気で戦いたいでしょう!?」
切り付けてくる刃を白鞘能多知で受け流し、逆に黒鞘能多知で打ち込みながら、美月はディダルクに声をかける。
「魅力的な提案だ。しかし聞けんな。――こやつらの死を無為にはできん!」
振るわれる刃を両刀で受け止めての鍔迫り合い。
動きが止まったディダルクの『影』へ地に伏していたクリスティアーネが照準を合わせ――トリガー。
放たれたマジック・ミサイルの炎の矢が『影』の全身を焼く。そこへ踏み込み美月が振るった刃が『影』を両断した。
館の奥、玉座から響き渡る悲鳴と共に『影』が消え、宙を踊っていた剣が地に落ちた。
だが、逃亡しかけた闘奴が苦悶の悲鳴を上げる。血の誓約書の効果は――吸血鬼はまだ生きている。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『ヴァンパイア』
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POW : クルーエルオーダー
【血で書いた誓約書】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
SPD : マサクゥルブレイド
自身が装備する【豪奢な刀剣】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ : サモンシャドウバット
【影の蝙蝠】を召喚する。それは極めて発見され難く、自身と五感を共有し、指定した対象を追跡する。
👑17
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
「クハッハッハッ」
『影』を通じ手ひどくダメージを受けながらも、ディダルクは笑っていた。これこそが待ち望んでいたものとばかりに。
「暫くは影は使えぬな。だが指揮がなければ闘奴たちは総崩れとなろう。
行け黒騎士よ、私が回復するまで闘奴たちの指揮を執り、奴らを食い止めよ」
ディダルクの言葉に黒騎士が異を唱える。
「最早勝てませぬ。勝ちの目は百に一つか千に一つ。この場を逃れ、再起を図るのです!」
「――そうか。お前は勝てぬと申すか。ならば仕方あるまい」
ほっとしたように息を吐く黒騎士。その首をディダルクがとらえた。
「せめて、その血を私に捧げよ」
闘奴たちを掃討し、屋敷の入り口に向かう猟兵たち。
彼らの前でさびた音と共に屋敷の扉が開いた。暗闇のホールから、近づいてくる足音。
一つの人影が館の天井を突き破り、人形のように宙に舞った。
息絶えた黒騎士、その体が館の尖塔に突き刺さり、流れる血が館の玄関に滴り落ちる。
開かれた扉の下、滴る血を全身に浴び、喉を鳴らす、吸血鬼。
「嗚呼、やはり――家畜の血では満たされぬ。
よくぞ来た勇者たちよ。お前たちの血で、この渇きを潤おさせてくれ!」
西院鬼・織久
【POW】
死と怨念に塗れた血の臭い
これぞ我等が狩るべきオブリビオンよ
死合いを以てその血肉を喰らうとしよう
【行動】
契約書対策:
動きを封じる物なら自身は動かず「影面」で攻撃
攻撃を禁じる物なら自身は攻撃せず「怪力」で敵を掴み「敵を盾にする」で味方に攻撃を任せる
【戦闘】
「先制攻撃」を狙い「影面」で敵を捕縛
「二回攻撃」「なぎ払い」で畳み掛ける
射程外であれば「範囲攻撃」か「ダッシュ」で接近して射程に入る
傷を負わせる事に成功したら「傷口をえぐる」で更にダメージを
「カウンター」が可能な攻撃であれば積極的に反撃を狙う
敵の攻撃は可能な限り「見切り」「第六感」で回避
避けられないものは「武器受け」で軽減する
●
血臭の中、不敵に笑うのは西院鬼・織久(西院鬼一門・f10350)。
「死と怨念に塗れた血の臭い。お前こそ我等が狩るべきオブリビオンよ。
死合いを以てその血肉を喰らうとしよう」
織久の言葉にディダルクが牙をさらけ出すようにして笑う。
「貪欲だな。血だけでなく肉まで望むか」
瞬間、2人は同時に互いに向けて術を放とうと右手を突き出す。
先に放たれたディダルクの血の誓約書が織久の黒衣に触れた。
「お前は炎を得意としていたな。『炎での攻撃、これを禁ずる!』」
「良かろう。だが我等の怨念、侮るなよ、吸血鬼」
言葉と共に、織久の影が不自然に歪み、彼が差し出した右腕の如くディダルクへ向けて伸びる。
感嘆の表情と共に飛び退るディダルク。その足に織久の影が触れた。
「――捕えた」
織久が右手を握りしめた瞬間、彼の影が爆ぜ、ディダルクを吹き飛ばす。
吸血鬼が地面に投げ出されるより先、実体化した『影』の手がディダルクの足を掴み、引き戻そうとする。その根元で織久は大剣・黒椿を構える。
ディダルクが翼をはためかせて反転、『影』の力を利用して加速し、織久へと突撃。二つの刃が同時に閃く。
織久の刃はディダルクの翼膜を切り裂き、剣を砕いた。
だが砕いた剣の切っ先、それは、織久の肩に突き立てられている。
「痛み分けか」
「全くだ、実に痛い」
ディダルクが口惜しそうに織久の肩から流れる血を見る。
「あたら英傑の血を地面に滴らせることになるとは」
成功
🔵🔵🔴
レイジア・ピグマリオ
【SPD】
忠臣を家畜と呼び敵を勇者と呼ぶというのなら、お前はなんだ? 魔王気取りか、吸血鬼。
三文芝居にも劣る配役だが、だというのなら望み通り、魔王(お前)を倒して大団円とさせてもらう。
基本的には【一つ目巨人の熱視線】でディダルクに攻撃。
その際爪での攻撃を織り交ぜて【2回攻撃】や【フェイント】を駆使して攻撃を行う。
自分自身は全体を俯瞰できるような位置取りを心がけ、他に苦戦しているような猟兵がいれば、可能なら援護を行う。
俺たちは『勇者』らしいからな。
一人も欠けることなく、圧倒的に、勝利を目指すとしよう。
桜・吹雪
非道な事をなさいますが、その言い草では部下の方も報われませんわね
貴方の望む力を携えた皆様がおみえです
悪が討たれるまでが英雄譚でございますよ
SPD【妖刀開放】で桜吹雪を纏い、高速で接近し皆様の盾となります
飛び交う剣は観察し【学習力】【見切り】、妖刀も使い回避を試みます
怪我は厭いません、血潮も血染めの華にかえて攻め立てますわ
1秒でも速く接近し、1秒でも長く相手と自分の命を削り続けるよう努めますわ
攻守の間に鋼糸をめぐらせ、可能であれば腕や身体の拘束を試みますわ
隙があれば視覚に【忍び足】で潜り込み【暗殺】を試みましょう
創られた貴方と私
共に散るまで舞い踊りましょう
どちらも無くても困らないものなのですから
●
「忠臣を家畜と呼び敵を勇者と呼ぶというのなら、お前はなんだ?」
次にディダルクへ仕掛けたのはレイジア・ピグマリオ(廃都より出でしドールメイカー・f09676)。
「魔王気取りか、吸血鬼」
言葉と共に彼が繰る人形、キュクロプスがディダルクへ向けて跳躍。振るった爪は宙を舞う剣に防がれる。
「ヤツは忠臣であり家畜であった。百に一つに挑めぬようでは話にならん」
二振りの剣を両手に携えディダルクはレイジアへ切り込もうとし、キュクロプスがその鼻先に爪をつきいれる。
「しかし、忠臣か。奴が逃亡を図り、私が始末したとは考えんか。
――『影』とは別に見たものがいるな、それがこの戦の絵を引いたか!」
切り付けるような言葉に、レイジアは舌打ち一つ、大きく腕を振るえば、キュクロプスが全身から軋ませながら二つの腕を大きく広げる。
そこへ盾のように並べられるディダルクの剣。
その光景にレイジアがにやりと笑う。
「ようやく――邪魔な剣を外してくれたな!」
キュクロプスが放ったのは、頭部の宝珠からの熱線。
それがディダルクの頭を撃ち抜き、吹き飛ばした。
同時に、整然と並んでいた剣が、あたりをでたらめに飛び回る。
「さあ、お前を倒して大団円とさせてもらう!」
再びキュクロプスの頭部から熱線を放とうとレイジアが指に力を込めた瞬間、指先の操り糸が逆に引かれた。
反転するキュクロプスの頭部。熱線を放つ前にレイジアはトリガーを解除し、収束しかけたエネルギーを放出させる。
そして、レイジアは彼の操作に割り込んできたものの正体をにらみつける。
宙を舞う剣、その一つがキュクロプスを操る糸を引っ掛け彼の操作を妨害していた。
「さすがだ。先ほどの指の動きがトリガーと思ったが、別の動きに紛れ込ませていたか」
再生した頭部からディダルクが賞賛の声を上げ、宙を舞う剣がレイジアとキュクロプスの間の糸に向けて放たれる。
そしてキュクロプスに切りつけるディダルク。
「くそ、性悪なっ!」
巻き取られた糸を捨て、剣が糸を引けば合わせて指を緩め、剣が消えれば再び引く。
目まぐるしく変わる状況に対応するレイジアへ背後から迫る一振りの刃。
それを受け止めたのは桜・吹雪(主を求めて三千世界・f09844)。
「非道な事をなさいますが、その言い草では部下の方も報われませんわね」
「ああ、全く。奴にも挑むべき強者を与えてやれれば、家畜から英傑に育てられたろうが、ままならん」
言ってディダルクが2人を取り巻く様に刃を生みだす。
放たれた刃の前に吹雪は跳躍し、一息の間に全ての剣をつかみ取り地に捨てた。
「さあ共に散るまで舞い踊りましょう。私とあなた、どちらも無くても困らないものなのですから」
自らの体から桜の花びらを放つ吹雪の姿に、ディダルクは忌々し気に眉を顰める。
「己の命を削り、限界以上の速度を得るか。悪くはないが、切り時が違うな」
嫣然と吹雪は笑い、妖刀を振りかざしディダルクへ突進。
翼をはためかせ後方へディダルクは後方へ跳躍、そこへ吹雪は一足で追いつく。
「さあ貴方の望む力を携えた皆様がおみえです。悪が討たれるまでが英雄譚でございますよ」
彼女の薙ぎ払いを、ディダルクは右手の剣で受け、左手の切り落とし。
それを吹雪は後方に跳躍して躱し、次の瞬間ディダルクの背後に回って縮地と共に刺突。
妖刀の切っ先がディダルクの背に突き刺さる。
「オレは英雄譚など望まん。かつて我等が滅ぼされた時、勝ち目は万に一つであった」
刃から逃れようとディダルクは再び跳躍、追いすがった吹雪が飛び込んだ先、突き出される血に濡れた刃。ディダルクの腹を貫いて飛来した剣の切っ先が、彼女の腹部に突き刺さった。
「それに、滅びに勝とうというのだ。百に一つぐらい掴み取って見せよう」
流れる血で桜の花びらを赤く染めながら、吹雪は微笑み再びディダルクへ向けて飛び込む。
「私を倒すためにあなたが自身を傷つけてくれるならば、十分ですわ」
その姿に、レイジアが制止の叫びをあげる。
「よせ!」
血染めの花びらを舞わせる吹雪、牙をむき出しにして笑う吸血鬼。
「お前の血をそいつに飲ませるな!」
「――っ!」
レイジアの言葉に、弾かれるように吹雪が後方に飛ぶ。
それを追うディダルクが、彼女の血飛沫と赤く染まった花びらを口でとらえて飲み下す。
「ああ、素晴らしい、美味である。何であれ、この味の前には無意味よ」
言ったディダルクの腹部は穴がふさがり、すでに薄皮がはりつつあった。その足元が一瞬揺らぐ。
いかに強力な再生力があろうと、限度はある。しかしそれは――まだ遠い。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
須藤・莉亜
「わかる、やっぱり血の奪い合いは命を賭けてこそだよね」
楽しそうな匂いがしたから、飛び込みで参加せてもらうよ。
大鎌を20本に複製、5本は自分の周囲に防御用として配置、残りの15本で敵さんに攻撃。
狙いは首、無理なら手足。
攻撃で隙が出来れば【吸血】も狙っていきたい。
切られようが刺されようが、敵さんの血を求めて突撃。
自分の血をペロッと舐めて口を潤し更にテンポを上げていこう。
「さあ、君の血を味あわせて?」
久しぶりにテンション上がるなぁ。
緋縅・善蔵
行動はPOW。
敵を発見したらアサルトウェポン、そして可能なら64式で攻撃。
味方の攻勢を見ながら行動し、優位なようなら接近戦を仕掛ける。
格闘戦では屠龍で敵を叩き切るようにし、隙を見つければ本気殴りを打ち込む。
敵の行動も良くみて回避を怠らず、影の蝙蝠を使って来たらエレメンタル・ファンタジアで焼き払う。
戦場の亡霊を使う程の強敵であれば覚醒。敵が死ぬまでマジ殴りで殴り続ける。
「お前が! 死ぬまで! 殴るのを辞めない!」
●
陶然としたディダルクの体を、小銃から放たれた鉛玉がうがつ。
緋縅・善蔵(893顔特別国家公務員・f06737)がアサルトライフルから銃弾を乱射しながらディダルクへと突撃していく。
「先ほどの『影』の主!『語る口を持たぬ』それがお前の答えか。
ならば、刃にて語るとしよう!」
善蔵に向けて放たれた剣を愛剣『屠龍』の一撃で薙ぎ払い、ディダルクの頭上から力任せに『屠龍』を振り下ろす。
ディダルクは左手の剣の柄で屠龍の切っ先をそらし、軌跡の内側に入り込むと右手に作った血の誓約書を善蔵の横腹に押し当てた。ルールの宣告。
「『武器と魔法、これを禁ず!』」
「ああ、そうかい」
善蔵は『屠龍』をはなして、拳を握る。ミシリと筋肉の軋む音がした。
徒手空拳、ディダルクの鎧の隙間を狙って、自身の拳を叩きつける。
後退したディダルクを追って善蔵は拳のラッシュを放ち、ディダルクは宙を舞う剣で迎え撃つ。
放たれる剣の腹を叩き、払い、隙間に体をねじ込みながら拳を放つが、いくつかの刃が捌ききれぬまま、善蔵の体を切り裂き、流血させていく。
ディダルクが善蔵の体に剣を突き入れようとし、その背中に白い大鎌が突き刺さる。
「新手か!」
大鎌を片手に乱入したのは須藤・莉亜(メランコリッパー・f00277)。
「楽しそうだね……僕も混ぜてもらおうかな」
再び剣を複製し宙に並べるディダルク、対峙する莉亜もまた自らの白い大鎌を複製し宙に並べる。
その光景にディダルクが感嘆の声を上げる。
「お前も私と似た技を操るか」
「そうさ、もっとも技だけじゃないけれど」
宙を舞う剣と鎌がお互いの主に向けて放たれた。
自身に殺到する剣を鎌で薙ぎ払い、相手の剣の防衛線をこじ開けようと莉亜は大鎌をふるう。
鎌の隙間をすり抜けるように一振りの刃が莉亜の頬をかすめる。
流れ落ちる血。莉亜はそれを指で拭い、舐めとった。
楽しそうに笑う彼の口の中に、潜む牙。
「――ダンピールか!」
「せーいかい。やっぱり血の奪い合いは命を賭けてこそだよね。
さあ、君の血を味あわせて?」
振り上げた鎌が、ディダルクの手首を切り落とし、舞った血が莉亜の顔にかかる。
莉亜の肩に突き刺ささった剣が引き抜かれ、滴る血がディダルクの口に落ちる。
そして互いに相手の血を飲み下す時には、先ほどまでの流血が嘘のように止まっている。
「あはっ」
「ハッハァ」
ダンピールと吸血鬼は互いに笑いあい、鎌と剣が空中で火花を散らす。2人の血が戦場に舞い散っていく。
そこへ再び、善蔵が殴り込んだ。
ディダルクの後頭部に善蔵の拳がめり込み、カウンターで放たれた刃が善蔵の胸に突き立つ。
大きく体勢を崩す2人。倒れかけたディダルクの体を支えたのは莉亜。
「頂きます」
ディダルクの首筋に莉亜が食らいつき、口元を赤く染め流れる血を啜った。
ディダルクは彼の体を突き飛ばし、翼を羽ばたかせて空へ逃れ――瀕死になった善蔵の『影』がそれを追って跳躍。
「お前が! 死ぬまで! 殴るのをやめない!」
渾身の右ストレートがディダルクの胸を捉え、吸血鬼の体を館の中へまで吹き飛ばした。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ローズ・ベルシュタイン
■同行者
燈夜・偽葉(f01006)と一緒に参加
■心情
ついに現れましたわね、吸血鬼
どんな手強い相手であれ、偽葉と一緒なら負ける気はしませんわ
■行動
WIZ判定の行動
館の中が暗くても良い様に、照明の類を用意しておきますわね。
敵からの不意打ちを受けない様に、
第六感や盾受けを駆使して、奇襲に備える
(特にサモンシャドウバットに注意)
『スチームエンジン』を自身の武器『夕の憩い』に使用して強化。
毒使い、マヒ攻撃、気絶攻撃、鎧無視攻撃
等の状態異常を積極的に狙う。
マサクゥルブレイドはジャンプや見切りで避けるよう努める。
■被弾時のリアクション
「くっ、なかなかの手練れですわね。ですが私も退くわけには行きませんわ」
燈夜・偽葉
引き続き、ローズさん(f04715)と一緒に戦います!
吸血鬼ディダルク、踏み越えさせていただきます!
血はあげられませんけど、代わりに刃の応酬を ローズさんがいれば私に敗北はありません!
黄昏の太刀(サムライブレイド)を用いての近接戦を挑みます
先制攻撃、2回攻撃、残像、フェイントなど駆使します
敵の攻撃は見切り、残像を利用したフェイント、地形を利用してのスライディングやダッシュ等々込みの「剣よ、天地を映して」で回避
回避しきれなくても武器受けで防御
マサクゥルブレイドは見切り、なぎ払いで対処します
誓約書は切断
受けても覚悟や激痛耐性で破ります!
蝙蝠はローズさん頼みで 警告されたら即斬り捨てます
●
ギシリと足元の床を軋ませて、館に踏み込んだのはローズ・ベルシュタイン(夕焼けの薔薇騎士・f04715)と燈夜・偽葉(黄昏は偽らない・f01006)の2人。
暗い館の中をカンテラで照らしながらディダルクを追う。
床にぶちまけられた大量の血。
引きずったような血痕はホールの奥、大広間の扉の向こうに消えていた。
ドアノブに手をかけて意を決したように頷きあうローズと偽葉。
ローズが扉を開き、カンテラの明かりで室内を照らす。
瞬間、無数の蝙蝠が2人に向けて殺到し――頭上を抜けて館の外へと飛び去って行った。
「……ディダルクの蝙蝠かと思った」
息を吐く偽葉、その背後に音もなく佇み、剣を振りかぶるディダルク。
薙ぎ払われた剣を、ローズがラウンドシールドで弾き、受け流す
「現れましたわね、吸血鬼!」
「仕留めたと思ったが、カンの良い事だ」
飛び退り、間合いを取ったディダルクへ向けて偽葉が切り込む。
「吸血鬼ディダルク、踏み越えさせていただきます!」
「良かろう――来い!」
放たれる刃の軌跡を見切り、残像だけを貫かせ、偽葉は愛刀『黄昏の太刀』を振るう。
袈裟懸けに切り下げた一撃を、ディダルクが手にした剣で受け止め、鍔迫り合い。
「私も一緒ですわよ!」
ディダルクの後ろに回ったローズ、彼女が握るロングソード『夕の憩い』から蒸気が上がる。
牽制に放たれた剣とすれ違うように跳躍し、空中で剣の柄を足場にさらに跳躍。
飛び込んだローズの一撃がディダルクの背中を捉え、鍔迫り合いから力が緩んだ瞬間、偽葉が放った刺突がディダルクの胸に突き刺さった。
刃を引き抜こうとした偽葉の腕をつかむ吸血鬼の手、握られていた血の誓約書が偽葉に押し付けられる。
「『刀での攻撃、これを禁ずる』」
宣告と共に、ディダルクが偽葉の体を突き飛ばす。
体勢を整え、『黄昏の太刀』を構えた偽葉を激痛が襲い、口の端から血がこぼれた。
「無理しないで! 術だけでフォローを!」
ローズは『夕の憩い』に取り付けたスチームエンジンの回転数を上げ、ディダルクへ高速の斬撃を放つ。
「ほう、絡繰り仕掛けの剣か。それならば本来の膂力よりも重い斬撃が放てよう」
感嘆するディダルクへ偽葉が狐火を放つが、宙を舞う剣に打ち払われる。
スチームエンジンがひと際高い唸りを上げ、『夕の憩い』を加速させる。
ディダルクが振るった剣に『夕の憩い』の切っ先がそらされ、無防備になったローズの背中に向けて放たれる一振りの刃。
「ローズ、後ろっ!」
その刃の煌めきを見た瞬間、偽葉は跳んだ。
全身の激痛を無視して『黄昏の太刀』の太刀を振るい、ローズに迫った剣を切り捨てる。
「誓約を真っ向から打ち破ったか! 素晴らしい!」
笑うディダルク、その胸元で血の誓約書が火に包まれ灰となる。
ローズと偽葉2人が刃を振るったのは同時。
『夕の憩い』と『黄昏の太刀』。夕映えを写した2つの刃がディダルクの体を引き裂いた。
そしてディダルクの咆哮と共に放たれる――無数の影の蝙蝠。
思わず飛び退った二人の前から、ディダルクが姿を消していた。
奇襲を警戒しながら二人は館を脱出し、他の猟兵と合流した瞬間に糸が切れたように倒れかける偽葉。
その体をローズが抱き留めて支える。
「無茶しすぎよ、偽葉」
奇襲はなかった。館のどこかで吸血鬼は体を休め傷を癒しているだろう。
決着は近い。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
リーヴァルディ・カーライル
…ん。挨拶は必要かしら、吸血鬼?
敵の攻撃を武器で受け、危険な攻撃は【吸血鬼狩りの業】で回避
徐々に見切られ、致命傷だけは第六感で回避するが追い詰められる
…く。成程。傷ついた体で良く動く…
認めるわ。確かに戦いの技量ではあなたに敵わない…
けれど、剣鬼ディダルク。それでも私はあなたにこう言おう
…吸血鬼狩りの業を知りなさい
…【限定解放・血の教義】を発動
吸血鬼化した生命力を術式に吸収して力を溜め、
“過去を世界の外に排出する闇”を大鎌に纏わて維持
暴走寸前の魔法の存在感に注意を引き、妨害や回避を行う寸前に
偵察の蝙蝠を斬った時に密かに付与していた傷口を抉る呪詛を起動
動きが鈍った隙を付き、大鎌を怪力任せになぎ払う
クリスティアーネ・アステローペ
意外と部下を従える器量は持っているのかしらね
家畜にも真面目に接して得た忠誠は貴方の望むものではなかったみたいですけれど
「アステローペのクリスティアーネより剣鬼たるディダルクへ。剣と月の祝福を」
改めて一剣士として名乗りましょう
その方がこの場はきっと面白いもの
炎の矢を牽制に距離を詰め、血統を覚醒させエヴェリーナで白兵戦へ
被弾も厭わず、制約もスルー
笑みさえ浮かべて技を、術を撃ち合わんと
相手が大がかりな手を打とうと距離を取ったら《咎を穿て、赫き杭》を使用
私の奥の手、味わいなさい
楽しめたかしら?私は楽しんだわ
折角ですし最期に血も頂きましょう
介錯もしてあげます。願わくば
咎を贖いしその魂に、望む限りの闘争を
寺内・美月
・当初は『剣刃一閃』と『完全管制制圧射撃』を用いて攻撃する。
・『完全管制制圧射撃』は『NSV重機関銃改』をコピーして、敵の回復速度を上回る早さで攻撃を行う。
・『クルーエルオーダー』が自身に対して使用された場合は、わざとルールを破り『真鋭なる双刀の魂』を発動する。
・味方と自身のダメージが許容できなくなったら、『SSW式治療レーザー』を使用して回復する。
「寺内美月――。貴方との戦いもここで終わりです」
「リーヴァルディ・カーライル。吸血鬼を狩る者よ」
そして美月が放った銃弾が戦闘開始の合図となった。
重機関銃の銃撃をディダルクが宙に浮かべた剣でそらし身を守る。。
そこへ切り込んでいく3人。
クリスティアーネの瞳が赤く染まり、さらに加速。炎の矢を詠唱する口元に、最前までは無かった牙が覗く。
「ダンピール! 先祖返りの技か!」
牽制に放った炎の矢を追い越して、クリスティアーネはディダルクの後をとり、その背中に『エヴェリーナ』を振り下ろす。
剣鬼が振り上げた刃は『エヴェリーナ』を受け止めることなく、クリスティアーネの肩口を裂く。
2人は互いの血飛沫を浴びて、笑う。
ディダルクの笑みを刈り取らんとリーヴァルディが大鎌を振るう。それをディダルクは片手突きで迎え撃つ。
切っ先を躱しながら放った薙ぎ払いはディダルクの肩を切り裂くが、浅い。
「……く。成程。傷ついた体で良く動く」
彼女の頭上から降り注ぐディダルクの剣を、リーヴァルディは後方に跳躍して躱す、が――。
そのうちの一振りが軌跡を変え、着地際、彼女の脚に突き刺さる。
追撃を狙うディダルクを、クリスティアーネの炎の矢と美月の『NSV重機関銃改』が牽制。
足を止めさせたところで、美月もまた『白鞘能多知』と『黑鞘能多知』で切りかかる。
ディダルクは『白鞘能多知』を切っ先で受け流し、美月の体の外へすれ違うように踏み出しながら、彼の胴へ誓約書を触れさせる。
「『治療、これを禁ずる』――破っても構わんぞ、お前自身が戦闘不能になるだけだ」
「望むところです。リーヴァルディさん、今、治療を――」
「待って……」
自ら禁を破ろうとする美月をリーヴァルディが押しとどめる。
「……大技を仕掛ける、その時に支えて頂戴」
そして彼女は再び大鎌をディダルクへ向けて構える
「認めるわ。確かに戦いの技量ではあなたに敵わない……。けれど、それでも私はこう言おう。
……吸血鬼狩りの業を知りなさい」
瞬間、彼女の鎌に黒い闇が纏わりつき――制御に抗うかのように、うねり縮み膨れる。
言葉と共に、闇が鎌の刃に集まり一回り大きい刃となる。
ふらつきながら駆け出す、リーヴァルディ。
迎え撃とうと全ての剣をリーヴァルディに向けて解き放つディダルク。
「あら、いいのかしら。殺しきれるのはあの娘だけじゃないわよ。
さあ――咎を穿て、赫き杭!」
言葉と共にクリスティアーネが床に手をつけば、まき散らされた血から無数の杭が生まれ、ディダルクの体へ降り注ぐ。
打ち込んだ杭がディダルクの足を床に縫い留めれば、その足先を自ら切り落とし、ディダルクはリーヴァルディへ向けて飛翔。
「その制御のバランス、崩させてもらう!」
無数の剣と共に突撃したディダルクの一撃が、彼女の腕を捉えた。
その痛みに、リーヴァルディの集中が一瞬跡切れ、鎌に宿った闇がうねり脈動を始める。
その傷口に美月がSSW式治療レーザーを照射、リーヴァルディの傷を癒し、引き換えのように血を吐いて倒れ伏す。
そして瀕死になった主の代わりに『白鞘能多知』と『黑鞘能多知』の魂が実体化、ディダルクへ向けて切りかかる。
「――見事!」
2つの刃をその身で受けながら、ディダルクはリーヴァルディへと剣を振り上げ――その背中、心臓を貫くようにクリスティアーネが放った杭が突き刺さる。
たまらず足を止めたディダルクへ、リーヴァルディが闇をまとったままの鎌を薙ぎ払い、その体を両断した。
闇がディダルクの体を蝕み喰らっていき、ディダルクの下半身は再生することなく、消えていく。
「何だ、これは一体。何をした!?」
「灰は灰に。塵は塵に。そして過去は過去に。
貴方の下半身は闇に飲まれて、骸の海に還った。そして貴方自身ももうすぐ」
「そうか。百に一つであってもつかめなかったか。
――次の戦いでは、お前たちに百に一つに挑ませてやる。
その時まで待っていろ、英傑たちよ」
「受けて立ちましょう。万に一つであっても、私たちが勝ちますけれど」
美月の言葉に満足したように、ディダルクが牙をむきだして笑い、それが彼の最後の声となった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 日常
『暖かな日』
|
POW : 村人や周囲の手伝いをする。冒険談を話す
SPD : 料理や芸などを見せ、振る舞い、周りを楽しませる
WIZ : 人との交流を楽しむ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
ディダルクとの戦いを終え、一行は屋敷の中で無数の財宝を見つけていた。
圧政によって奪ったそれにもディダルク自身はさして興味を持たなかったのだろう。
ほとんど手つかずのままの財宝をもって、近くの村へ立ち寄った一行を迎えたのは、押しも押されぬ英雄の如き扱いであった。
傷ついた猟兵に対する治療の申し出や、名産の紅茶や焼き菓子を振舞いたいといった声、今回の戦いや以前の冒険譚をねだる声が上がった。
逆に自身の料理やパフォーマンスなどで村人たちを驚かせてもいいかもしれない。
そういった扱いに居心地が悪いようならば、吸血鬼の館の探索や、財宝搬送中の護衛に回っても良いだろう。
テレポートの術式が終わるまでには、今しばらく時がかかる。
(第二章ラストシーンの一部に欠けがありましたので、章以降後ではありますが、正規版を提出いたします。
完結後修正可能になるまで今しばらくお待ちください)
●剣鬼、玉座で英傑を待つ
階段の上、豪勢な扉を開け放った先、吸血鬼は豪華な玉座に腰掛けて、グラスの血を飲み干していた。
「来たか、勇者たちよ」
「……ん。挨拶は必要かしら、吸血鬼?」
リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)の言葉に吸血鬼が腰を上げて、剣を構える
「『剣鬼』ディダルク、滅びに抗う牙」
ディダルクの言葉に、後を継いだのはクリスティアーネ・アステローペ(朧月の魔・f04288)。
斬首刀『慈悲深きエヴェリーナ』の剣先をディダルクへ向けて名乗りを上げる。
「アステローペのクリスティアーネより剣鬼たるディダルクへ。
剣と月の祝福を」
無言のまま寺内・美月(地獄雨の火力調整所・f02790)は20丁の重機関銃を複製して並べる。
「寺内美月――。貴方との戦いもここで終わりです」
「リーヴァルディ・カーライル。吸血鬼を狩る者よ」
そして美月が放った銃弾が戦闘開始の合図となった。
重機関銃の銃撃をディダルクが宙に浮かべた剣でそらし身を守る。
そこへ切り込んでいく3人。
クリスティアーネの瞳が赤く染まり、さらに加速。炎の矢を詠唱する口元に、最前までは無かった牙が覗く。
「ダンピール! 先祖返りの技か!」
牽制に放った炎の矢を追い越して、クリスティアーネはディダルクの後をとり、その背中に『エヴェリーナ』を振り下ろす。
剣鬼が振り上げた刃は『エヴェリーナ』を受け止めることなく、クリスティアーネの肩口を裂く。
2人は互いの血飛沫を浴びて、笑う。
ディダルクの笑みを刈り取らんとリーヴァルディが大鎌を振るう。それをディダルクは片手突きで迎え撃つ。
切っ先を躱しながら放った薙ぎ払いはディダルクの肩を切り裂くが、浅い。
「……く。成程。傷ついた体で良く動く」
彼女の頭上から降り注ぐディダルクの剣を、リーヴァルディは後方に跳躍して躱す、が――。
そのうちの一振りが軌跡を変え、着地際、彼女の脚に突き刺さる。
追撃を狙うディダルクを、クリスティアーネの炎の矢と美月の『NSV重機関銃改』が牽制。
足を止めさせたところで、美月もまた『白鞘能多知』と『黑鞘能多知』で切りかかる。
ディダルクは『白鞘能多知』を切っ先で受け流し、美月の体の外へすれ違うように踏み出しながら、彼の胴へ誓約書を触れさせる。
「『治療、これを禁ずる』――破っても構わんぞ、お前自身が戦闘不能になるだけだ」
「望むところです。リーヴァルディさん、今、治療を――」
「待って……」
自ら禁を破ろうとする美月をリーヴァルディが押しとどめる。
「……大技を仕掛ける、その時に支えて頂戴」
そして彼女は再び大鎌をディダルクへ向けて構える
「認めるわ。確かに戦いの技量ではあなたに敵わない……。けれど、それでも私はこう言おう。
……吸血鬼狩りの業を知りなさい」
瞬間、彼女の鎌に黒い闇が纏わりつき――制御に抗うかのように、うねり縮み膨れる。
言葉と共に、闇が鎌の刃に集まり一回り大きい刃となる。
ふらつきながら駆け出す、リーヴァルディ。
迎え撃とうと全ての剣をリーヴァルディに向けて解き放つディダルク。
「あら、いいのかしら。殺しきれるのはあの娘だけじゃないわよ。
さあ――咎を穿て、赫き杭!」
言葉と共にクリスティアーネが床に手をつけば、まき散らされた血から無数の杭が生まれ、ディダルクの体へ降り注ぐ。
打ち込んだ杭がディダルクの足を床に縫い留めれば、その足先を自ら切り落とし、ディダルクはリーヴァルディへ向けて飛翔。
「その制御のバランス、崩させてもらう!」
無数の剣と共に突撃したディダルクの一撃が、彼女の腕を捉えた。
その痛みに、リーヴァルディの集中が一瞬跡切れ、鎌に宿った闇がうねり脈動を始める。
その傷口に美月がSSW式治療レーザーを照射、リーヴァルディの傷を癒し、引き換えのように血を吐いて倒れ伏す。
そして瀕死になった主の代わりに『白鞘能多知』と『黑鞘能多知』の魂が実体化、ディダルクへ向けて切りかかる。
「――見事!」
2つの刃をその身で受けながら、ディダルクはリーヴァルディへと剣を振り上げ――その背中、心臓を貫くようにクリスティアーネが放った杭が突き刺さる。
たまらず足を止めたディダルクへ、リーヴァルディが闇をまとったままの鎌を薙ぎ払い、その体を両断した。
闇がディダルクの体を蝕み喰らっていき、ディダルクの下半身は再生することなく、消えていく。
「何だ、これは一体。何をした!?」
「灰は灰に。塵は塵に。そして過去は過去に。
貴方の下半身は闇に飲まれて、骸の海に還った。そして貴方自身ももうすぐ」
「そうか。百に一つであってもつかめなかったか。
――次の戦いでは、お前たちに百に一つに挑ませてやる。
その時まで待っていろ、英傑たちよ」
「受けて立ちましょう。万に一つであっても、私たちが勝ちますけれど」
美月の言葉に満足したように、ディダルクが牙をむきだして笑い、それが彼の最後の声となった。
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ディダルクとの戦いを終え、一行は屋敷の中で無数の財宝を見つけていた。
圧政によって奪ったそれにもディダルク自身はさして興味を持たなかったのだろう。
ほとんど手つかずのままの財宝をもって、近くの村へ立ち寄った一行を迎えたのは、押しも押されぬ英雄の如き扱いであった。
傷ついた猟兵に対する治療の申し出や、名産の紅茶や焼き菓子を振舞いたいといった声、今回の戦いや以前の冒険譚をねだる声が上がった。
逆に自身の料理やパフォーマンスなどで村人たちを驚かせてもいいかもしれない。
そういった扱いに居心地が悪いようならば、吸血鬼の館の探索や、財宝搬送中の護衛に回っても良いだろう。
テレポートの術式が終わるまでには、今しばらく時がかかる。
須藤・莉亜
僕は館の探索に回ろうかな。
…乱入しただけで、そんなに役立ってないから居心地がねぇ。
眷属の狼を召喚し一緒に館を回る。
あのヴァンパイアならいい武器の一本ぐらい持ってそうだし探してみよう。
過去の英傑の血を吸った武器とかあったりして。
「狼くん血の匂いをちょっと探してみて?」
さて、何か面白そうなものがあるといいけど。
●
須藤・莉亜(メランコリッパー・f00277)は再び吸血鬼の館を訪れていた。
「……乱入しただけだから、英雄扱いも居心地がねぇ」
眷属の黒い狼と一緒に屋敷の中に踏み込み、あちらこちらを見て回る。
階段の踊り場、壁にかけられた剣を取って、その切っ先を検める。
「刃先が潰されてる、飾り物か。うーん、何かいい武器を持ってそうだと思うんだけどなぁ。
過去の英傑の血を吸った業物とか……」
剣を壁に戻し、階段を降りる莉亜。
「ねぇ狼くん血の匂いをちょっと探してみて?」
漆黒の狼は首を傾げ二度、三度と周囲の匂いを嗅ぐ。
漂っているのはごく最近の猟兵やディダルク達の血の匂い。
それに交じった、ごく古い魔力に満ちた血臭を嗅ぎ分け、狼が莉亜へと咆え声を上げる。
同じくそれに気づいた莉亜は狼に先導を任せ、辿り着いた先は闘奴や黒騎士たちが使っていたであろう武器庫。
その一番奥、竜の頭部のはく製が飾られた下、竜をかたどった像に突き刺さった剣があった。
魔力に満ちた血の匂いはその刀身から漂っていた。
「これは……ドラゴンスレイヤー? 血の量が足りなくてなりかけ、かな」
莉亜は像から刀身を引き抜き、刃を眺める。
「刃こぼれは無しと。持って帰れば使えそうだけど――」
その足元で再び狼が吠え声をあげ、部屋の別の方向へ顔を向ける。
「ん、向こうからも別の匂いがするって? じゃ……とりあえず行ってみようか」
剣を再び像に戻し、莉亜は狼と共に屋敷の探索を続けるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
ローズ・ベルシュタイン
■同行者
燈夜・偽葉(f01006)と一緒に参加
■心情
吸血鬼も無事に倒しましたし、
村人たちと楽しい余韻に浸る事にしましょう。
■行動
SPD判定
『楽器演奏』をしてみようかと思いますわ。
出来れば、偽葉と一緒に何かパフォーマンスをしてみたいですわ。
私は特にヴァイオリンが得意なので、それで一曲奏でてみましょう。
「さぁ、皆さん。私達の華麗な芸をご堪能下さいませ♪」
後は、紅茶や焼き菓子の振る舞いを有難く受け取って
皆で楽しみたいですわ。
「お気遣いありがとうございますわね、ありがたく頂きますわ」
後は偽葉にも労いの言葉を。
「今回は戦いに協力して下さってありがとうございますわね、ご一緒できて頼もしかったですわ♪」
燈夜・偽葉
ローズさん(f04715)と参加します
吸血鬼も無事に討てましたし、これで村にも平和が訪れるでしょうか
よかったですね、ローズさん
ローズさんがヴァイオリン演奏するそうですね
それなら私は、その曲に合わせたダンスをしましょう
パフォーマンスとか誘惑とかスカイステッパー込みで剣舞を披露します
それー(くるくる)
あと激痛耐性
や、これ使っておかないとまだちょっと身体のあちこち痛くてですね…
でも踊ってる間は気合いで我慢します!
踊り終わったらローズさんと一緒に紅茶や焼き菓子をいただきます
と、ローズさんへ
「こちらこそ、頼もしかったです!ありがとうございました!」
●
「さぁ、皆さん。私達の華麗な芸をご堪能下さいませ♪」
村の広場の中央で、人々の拍手と視線を浴びているのは、ローズ・ベルシュタイン(夕焼けの薔薇騎士・f04715)と燈夜・偽葉(黄昏は偽らない・f01006)の2人。
一礼をしてから、ローズはヴァイオリンを取って、ゆったりとしたフォックストロットを奏で始める。
そのリズムに合わせて、羽織った着物をはためかせながら偽葉がステップを踏む。
くるりと回って、近くの男性にウインク1つ。
顔を赤らめた男の足を、隣の女性が踏みつけるのを見て、苦笑いをするローズ。――と。
不意にローズのヴァイオリンの音が途切れ、偽葉が剣を抜き放つ。
2人の真剣な表情に観客たちが息をのんだ瞬間、静寂を破るように、再びヴァイオリンの音が響く。先ほどよりも激しく高らかに。
軽快なパソドブレ、マタドールをテーマにしたフラメンコの音楽だ。
それに合わせ、偽葉は見えない牛を誘うように振袖をひらめかせ、突進を回避するように身をひるがえし、手にした太刀で突きを放つ。
そして時に偽葉の顔に浮かぶ痛みをこらえる表情。
マタドール自体はダークセイヴァー世界にはない文化だが、偽葉の視線と剣の動きから、『何か』との戦いをイメージしている事は観客に伝わっていった。
激しさを増す曲調と共に偽葉の舞も佳境に入り、偽葉が空中を駆け上がって刃を一閃。
着地してポーズを決める偽葉と、闘士の勝利をたたえる旋律を奏でるローズ。
2人を囲む観客が拍手と歓声を上げ、その真ん中で2人は改めて一礼をした。
「お2人とも、お疲れ様。素敵な技を見せてくれてありがとうございました。
どうぞ召し上がってください」
「お気遣いありがとうございますわね、ありがたく頂きますわ」
パフォーマンスを終えて近くのテーブルに陣取った2人の前に、紅茶のカップとスコーンの皿が置かれる。
ローズと偽葉は紅茶を飲み、戦いと緊張に強張った体をほぐすように、ふうと息を吐いた。
「なかなか良い葉ですわね」
カップから漂う香りを堪能するローズ。偽葉はといえば、スコーンにレモンジャムを乗せて舌鼓を打っていた。
そこへローズは改めてお礼の言葉をかけた。
「今回は戦いに協力して下さってありがとうございますわね、ご一緒できて頼もしかったですわ♪」
「こちらこそ、頼もしかったです! ありがとうございました!」
お互いに頭を下げあい、はにかむように笑う。
「吸血鬼も無事に討てましたし、これで村にも平和が訪れるでしょうか」
偽葉の言葉にローズは周囲の祭りの光景を見やる。
先ほどの偽葉の剣舞を真似する子供達や、連れの恋人に謝る男性、忙しそうに調理をし配膳する女性たちも、皆楽しそうに笑っていた。
「ええ、きっと。大丈夫ですわ」
「よかったですね、ローズさん」
ローズの顔に浮かんだ笑みを見て、偽葉もまた嬉しそうに笑うのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
桜・吹雪
皆様お疲れ様でございました
吸血鬼を回復させてしまったりと、お役に立てず反省しきりでございますわ
わたくしは英雄という器ではございませんので、僭越ながらお祭りのお手伝いをさせて頂ければ
【料理】【掃除】
村の方に声をかけ、主に料理のお手伝いと給仕をさせて頂きますわ
火をお借りして、持参した道具で豚汁等をお作りします
お祭りの運営にまわっているかたも立ったまま食べられればと
紅茶や甘酒、飲み物は少しだけ嗜みがありますので暖かいものをお淹れします
どうぞ暖まっていかれてくださいませね
機会がありましたら、村のかたと交流や、この土地の料理を教えて頂けたりできると嬉しいですわ
温かな村と人々
春はもうすぐでございますね
調理場でかいがいしく働くのは、桜・吹雪(主を求めて三千世界・f09844)。
「すまないねぇ、村を救ってもらった英雄さんに、料理まで手伝ってもらっちゃって」
「いえ、わたくしは英雄という器ではございませんので」
そう言いながら吹雪は持ち込んだ具材を手際よく調理していく。
油を引いた大鍋に豚バラ肉や根菜を入れ、軽く炒めてから一煮立ち。
最後に味噌を溶き入れると、小皿によそって味を見る。
「いい出来ですわ。……はい、どうぞ。暖まっていってくださいませね」
豚汁を器によそい、居並ぶ人たちに配膳を始めた吹雪へと、料理をしていた女性が声をかける。
「あら、美味しそうな匂い。お嬢さんの故郷の料理かしら?」
「はい。豚汁といいますの。宜しければ奥様も召し上がってくださいませ」
吹雪から受け取った器に、女性は恐る恐る口をつけた。
「美味しい! ちょっと奥さん、このスープ。とっても美味しいのよ、一口飲んでみて」
「あら本当! そういえばジャガイモはいつも潰してばっかりだったわねぇ」
「ジャガイモを潰す。皆さまはいつもどんな御料理を?」
「そうねぇ、ジャガイモのパンケーキとか豆のスープとか。
……作ってみるかい?」
「はい! ぜひとも!」
「ふう……持ち込んだ材料もこれでおしまいですわね」
「お疲れ様。洗い物はやっておくから、少し休憩しておくれ。
貴女が休んでくれないと、私らだけ休むわけにはいかないから、ね?」
「まあ。それではお言葉に甘えさせていただきますわ」
言って吹雪が腰かけたテーブルの上、見上げた立ち木の梢に、色付いて膨らむ蕾が見えた。
「ああ、その木かい。何年か前に枯れたと思ってたけれど、生きていたんだねぇ。
今年は花をつけてくれそうだよ」
「ふふっ、どんな花を咲かせるのかしら」
微笑む吹雪の頬を暖かい風が撫ぜる。
「春ももうすぐでございますね」
大成功
🔵🔵🔵
レイジア・ピグマリオ
【SPD】
この世界の出身者としては、さすがに歓待に胡座をかいてもいられないな。
この村には今後も明るく生きていってほしいことだし、即興の人形劇でもするとしようか。
キュクロプスは戦闘状態を切って傍らに待機させておいて、まあ村人や子供達が触ったりしたいのなら好きにさせておこう。
あとは手持ちの普通の人形を何体か取り出して、手頃な場所で人形劇だ。
演目はもちろん「吸血鬼と猟兵」。
つい今しがた体験してきたばかりのノンフィクションだ、さぞかし臨場感のある劇になることだろうな。
●
最後に舞台の真ん中に立ったのはレイジア・ピグマリオ(廃都より出でしドールメイカー・f09676)。
相棒キュクロポスは舞台袖で待機させ、物珍し気な子供たちの触るに任せている。
代わりに彼が持ち出したのは、傀儡糸のついた小型の人形たち。
「それでは即興の人形劇、ご照覧あれ」
言ってレイジアが傀儡糸を操ると、力なく横たわっていた人形たちがまるで生きているように動き出し、レイジアの前に整列。
レイジアが一礼するとともに、人形たちが同じようにお辞儀をし……、人形のうちの一体、吸血鬼を模した人形だけが遅れ、慌ててお辞儀。
観客のあちこちからくすくすという笑い声を受けながら、人形たちを配置につけ、レイジアは即興劇を始める。
舞台は人々を苦しめる領主の館、そこへ向かう11人の勇者たち。
門扉を吹き飛ばし庭園へと踏み込んだ勇者たちは領主の手下たちを倒しながら進むが、途中で吸血鬼の配下、黒騎士の奇襲を受ける。
「おねーちゃんがんばえーっ!」
黒騎士の剣を受け止める少女の人形へ、観客の子供から応援の言葉が飛ぶ。
子供ばかりではない、見ている大人たちも固唾をのんだようにレイジアの語る人形劇を見つめている。
苦戦しながらも炎の矢によって騎士を撃退したところで、子供たちの歓声や胸をなでおろす声が聞こえた。
そうして自身の人形劇に夢中になった観客たちの姿に、レイジアは微笑みを浮かべる。
――これで、この村の人たちが今後も明るく生きていってくれればいいんだが。
それが、この世界の出身者であるレイジアが、今回の人形劇に仮借した願いであった。
やがて劇は佳境に入り、玉座で傷を癒す吸血鬼へ戦いを挑み、一人また一人と傷つき倒れていく仲間達。
そして最後に、少女の放った技が吸血鬼の体を切り裂き、近くの村には平和と安らぎが訪れた。
鳴り響く拍手と喝采の中、一礼するレイジア。
「11人の英雄による吸血鬼討伐の物語、これにて終幕でございます」
大成功
🔵🔵🔵