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海を統べる者による謎の儀式

#サムライエンパイア #【Q】 #レディ・オーシャン

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#サムライエンパイア
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#【Q】
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#レディ・オーシャン


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 ここはサムライエンパイア。
 冬になったことで、とある町で行われているのは炊き出しのイベント。
 町民達が同じ町民や町に立ち寄った旅人、行商人達に振舞っているのはあったかい豚汁だ。
 豚バラ肉の脂、ゴボウにニンジン、ダイコン、ジャガイモと言った根菜類に、味噌を入れた汁物。
 なお、この食べ物、大きく『とんじる』、『ぶたじる』と2種類の呼び方があるが、この地域では『とんじる』と呼んでいるようだ。
「豚汁、いかがですかー!」
「寒い日はこれで温まって頑張りましょう!」
 冬場はなかなか人々も家から出ようとしないのは、サムライエンパイアでも変わらないらしい。
 先日の戦争もあって、なかなか活気の出ない場所もある中、この町は炊き出しを行うことで、往来に人が出てくるようにと開催を決めていたようだ。
 ところが、今回に限ってはタイミングが悪かったようだ。
「ふむ、いいタイミングですね~☆」
 その女性は空に突如として、海水の球体を出現させる。
「信長さんが隠した『かけら』、ここにあると思うんですよね~☆」
 それは、ヒーローズアースにおいて、海を統べる者という二つ名で呼ばれ、大海嘯を起こした女オブリビオン。
 彼女の名は、レディ・オーシャンという。


 様々な世界にて状況が大きく動いているが、やはりサムライエンパイアで起こっている事態に猟兵達の注目が集まっている。
「レディ・オーシャンがなぜかサムライエンパイアに現れたわ」
 説明している金髪エルフの少女、セレイン・オランケット(エルフの聖者・f00242)もやや戸惑いながらといった態度。
 ただ、彼女の行いが確実にサムライエンパイアの街となるのは間違いない状況であり、それを止めてほしいと猟兵達へとセレインは願う。

 場所はサムライエンパイア某所の小さな町。
 その日、町長承認の元、町民達が豚汁の炊き出しを行い、町を活気づけようとしている。
 折角だから、のんびりその豚汁をいただきたいところだが、事態はそう穏やかではない。
「この地の上空に現れるレディ・オーシャンは、オーシャンボールなる海水の球体をこの地へと落としてくるわ」
 その前に、人々を近場にある高台へと避難させたい。
 セレインが予知で見た光景はかなり早い為、急いで避難誘導すればまだ間に合うはずだ。
 オーシャンボールが町へと落ちると、まずはレディ・オーシャンが従えたサムライエンパイアのオブリビオンの集団を討伐したい。
 この場では、オブリビオンとなった雪ん子達が邪魔をしてくる。
「海水に包まれた状況だから、戦場も水中戦となるわ」
 雪ん子達は海水の中、雪を降らせながらこちらを凍り付かせようとしてくる。
 また、大きな雪だるまを造って襲い掛からせてくることもあるようだ。集団戦だからと侮ると、痛い目に遭う可能性もあるので注意したい。
 そして、雪ん子達を討伐した後は、町に落ちたオーシャンボールの中央にいるレディ・オーシャンの討伐に当たりたい。
 大地に向かって謎の儀式を行っている彼女は、この地で何かを探しているようだが、詳しいことは不明だ。
「いずれにせよ、彼女を止めなければならないわ」
 止めたところで、倒せるとは限らない。いや、倒せるかどうかもわからないというのが実状だ。
 それだけ、レディ・オーシャンが得体の知れない存在であるとも言える。
「当面はこの町の救済の為、レディ・オーシャンの討伐を。よろしくお願いするわね」
 セレインは丁寧に頭を下げ、猟兵達にこの事態の解決を依頼するのである。


なちゅい
 猟兵の皆様、こんにちは。なちゅいです。
 当シナリオを目にしていただき、ありがとうございます。

「アースクライシス2019」を生き延びたレディ・オーシャンがなぜか「サムライエンパイア」に現れましたので、討伐を願います。
 世界の扱いもサムライエンパイアのシナリオとなりますので、ご了承の上でご参加くださいませ。

 第1章は、炊き出しに参加した上で、参加者に避難を促していただくよう願います。
 第2章は、『オブリビオンの雪ん子』との集団戦です。
 第3章は、『レディ・オーシャン』とのボス戦です。

 まずは、サムライエンパイア某所の町で行われる炊き出しに参加していただき、その味を堪能した後、今後の事態に備えて避難を促していただくよう願います。

 第3章、レディ・オーシャン戦は、敵による先制攻撃はありません。
 倒せば、オーシャンボールは霧のように消えてなくなります。
 もし失敗すると、レディ・オーシャンは大地から「宝物のような物品」を掘り出して姿を消し、オーシャンボールは津波となって周辺を押し流してしまいます。

 変則的ですが、第1章、第2章は6~8名のご参加地点で執筆開始を考えております。可能な限り、第3章突入を早めるのが狙いです。
 第3章は参加希望者が増えることを見込んでおりますので、10~15名の参加 or 第3章受付開始日から2日程度で執筆を開始します。

 章間は状況が分かりづらい部分もあるかと思いますので、プレイングの幅を広げる為の情報を半日以内に加筆します。
 その最後に、次の締め切りに関しまして記述させていただきますので、ご確認の上でプレイングを頂けますと幸いです。
 なお、第1章も公開後、加筆を致します。

 シナリオの運営状況はマイページ、またはツイッターでお知らせいたします。
 それでは、行ってらっしゃいませ。
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第1章 日常 『郷の味』

POW   :    食べて楽しむ

SPD   :    収穫して楽しむ

WIZ   :    作って楽しむ

👑5
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 サムライエンパイアにも冬がやってきて。
 収穫の時期が終わり、寒い季節が到来すれば農業は基本的に休みなところも多い。
 その間、人々は縄をなう、傘を張るなどして内職を行う者、どこか人の集まる場所へと出稼ぎに出る者などして、温かくなるまでの季節を過ごす。
 だが、中には出不精になって、家の中、囲炉裏から離れられない者もいる。
 そうした者を外に出し、町を活気づけようと町の人々が提案したのが炊き出しである。
「さあ、皆、あったまってってー!」
 町民達が道行く人に振舞っているのは、豚汁だ。
 豚汁は豚肉と野菜が入った味噌汁で、この地特有の料理。
 とても具沢山で、汁物としてだけでなく、主菜となりうる一品だ。
 折角だから、ここを訪れた猟兵も一食いただいていくといい。
 とても体が温まる一品なので、心行くまで温まるといいだろう。
 もっとも、この後、冷たい海水の中にダイブすることとなるのだが……。

 間もなく、この地に1人の女オブリビオンが現れる。
 ヒーローズアースにおいて過去に大海嘯を引き起こし、先日まで繰り広げられた戦争「アースクライシス2019」において、ジェネシス・エイトの1人として暗躍していたレディ・オーシャン。
 彼女はこの地に、海水を球体にしたオーシャンボールを落下させてくる。
 そうなれば、町は一面が海水に沈んでしまい、炊き出しどころではなくなってしまう。
 その前に、人々を一時高台へと避難させたい。10分程度の移動で移動できるので、声さえかければ炊き出しを行う町民がメインとなって移動先は誘導してくれるだろう。
 後は、オーシャンボールが町に降ってくるのを待つだけ。
 この場に現れるレディ・オーシャンを迎え撃ち、できるならば彼女を討伐してしまいたい。
 
(※第1章、第2章は6~8名のご参加地点で執筆開始を考えております。出来るだけ早く、第3章への進行を目指します)
シノギ・リンダリンダリンダ
レディ・オーシャン。海の名を冠するオブリビオン
海賊として見過ごせない存在です。絶対に阻止しませんと

まぁそれはそれとして、炊き出しに参加しませんとね
暖かい豚汁です。この暖かさを守りませんt……美味しい。この豚汁美味しいですね!恐るべしサムライエンパイア……この豚汁はお宝です。絶対になくしてはいけません!!!

っと。食べてばかりもいられません
自分の『コミュ力』と『礼儀作法』で初対面の印象を良くして、なんなら『いいくるめ』で町民を避難させます
「先日の戦争の余波で大きな水害が起きます。我々猟兵が対処しますので、皆様は逃げてください」
天下自在符を見せるなりして信用してもらいましょう


露木・鬼燈
生まれ育った世界がまたピンチっぽい!
海に沈めれれるとかマジ迷惑なのです。
必ず阻止して代わりに骸の海に沈めてやるのですよ!
そんなわけで殺る気じゃなくて…
やる気は十分なのです。
って、まずは炊き出しへの参加ですか。
殺気だってちゃダメだよね。
避難してもらうために協力してもらわないといけない。
それなのに殺気だって威圧しちゃうのはメーなのです。
豚汁を食べて気を落ち着けるとするのです。
…美味しい。落ち着く故郷の味なのです。
他の世界の料理も美味しいけどね。
やっぱりここの料理が一番馴染むっぽい。
んー、落ち着いたところで行動開始。
炊き出しの人に声をかけるんだよね。
「天下自在符」を見せてお願いすれば話は早いっぽい?


フォルセティ・ソルレスティア
【ペア/f00964】【POW】(共闘/アドリブ可)
「やったー、『ぶたじる』だー」
寒い日は温かい食べ物が美味しいよね♪
せっかくだから早食いパフォをして、集まったみんなを避難誘導するよ
【行動】()内は技能
「ちょっとだけ冷ましてから一気に食べるからね」
どんぶりにたっぷり注いだ豚汁を一気に流し込んで食べちゃうよ(大食い)
ごくごくごくごく…ぷはー
「美味しかったよ。豚汁は飲み物だねー」
見事な食べっぷりで(パフォーマンス)したら、集まったみんなを避難誘導するよ
「あっちの高台に避難しよう!」
聖なる箒を旗のように掲げて高台へみんなを誘導していくんだ
(団体行動)でテキパキとか列をつくって整然と素早く避難するよ


テラ・ウィンディア
うぐー…おれは水とはあんまり相性よくないんだよなぁ…

だからといって逃げる訳にもいかない…か

何…手が無い訳じゃないしな

まずは目についた屋台で豚汁を頂くぞっ

…はぁ…美味しい…(ほっこり

凄い温まるなこの豚汁!
この街の名物なのかー?
あ、おかわり!

【戦闘知識】で避難経路を把握しておく
戦いにおいて迅速な撤退も被害を防ぐには重要なポイントだからな

所で…おれは猟兵だ
この街に…物凄く強い化け物が現れる
…あの上杉謙信や弥助アレキサンダーにも匹敵する奴が此処に眠る何かを狙いに来る

だから…直ぐに逃げるんだ
濡れたら不味い物や大事な物はしっかり抱えてな
安心しろ
おれらがしっかりと迎撃してやる
(浮かび上がり…他にも伝達に


フィオリナ・ソルレスティア
【ペア/f05803】【SPD】(連携アドリブ可)
「『ぶたじる』じゃなくて『とんじる』でしょ」
■作戦
弟の早食い(飲み)?で耳目を引きつつ集まった人々を避難誘導する
■行動
「私も一つ豚汁をいただこうかしら」
具たくさんの豚汁に舌鼓を打ちつつ、体が温まると炊き出しの人にお礼を言う
フォルセティが早食いパフォを見せた後で、集まった町人に対して
「皆さん、この付近一帯が大洪水に襲われるとお告げありました」
[礼儀作法&コミュ力]で丁寧かつ真剣に説明して、兎に角高台まで逃げるよう
避難を促す
またギリギリまで留まって逃げ遅れそうな子供がいたら
「しっかり掴まっていてね」
【エキドナの鏡】を使って先頭を進む弟の元へ転移する


アリス・フェアリィハート
アドリブや連携も歓迎です

レディ・オーシャンさんが…
どうして
サムライエンパイアに…?
とにかく
皆さんの安全を
確保しなきゃ…
でも…温かいとん汁作りで
お手伝いもしたいです…

とりあえず
炊き出しにお邪魔して
慣れない手付きで辿々しくも
【料理】で
とん汁作りのお手伝い♪

『こんにちは…わあ…とん汁ですか?…温かい物は…元気がでますよね…♪』

とん汁作りを手伝いつつも
密かにUCを発動
周辺の無機物を
『トランプ兵さん達』に変換
護衛及び避難誘導用に
隠し待機させておきます

避難すべき時が
来たら
急ぎ
待機させておいた
トランプ兵さん達を
呼び出し動かし
共に
建物保護と避難誘導

『落ち着いて避難して下さい…皆さん方は、私達がお護りします…』




 サムライエンパイア某所。
 のどかな町で、住民達が炊き出しの準備を進めている。
 そんな中、この地の危機を聞きつけた猟兵達が1人、また1人とやってくる。
「生まれ育った世界がまたピンチっぽい!」
 竜殺しの為に武を磨く露木・鬼燈(竜喰・f01316)だが、今回の事態を受けてこの世界へと舞い戻ってきていた。
「レディ・オーシャンさんが……どうして、サムライエンパイアに……?」
 金髪に大きな水色のリボンが印象的なアリス・フェアリィハート(不思議の国の天司姫アリス・f01939)は、気になる疑問を口にする。
「レディ・オーシャン。……海の名を冠するオブリビオン」
 それを受け、長いピンクの髪の機械人形のシノギ・リンダリンダリンダ(強欲の溟海・f03214)も討伐すべき敵の名を繰り返す。
「海賊として見過ごせない存在です。絶対に阻止しませんと」
 彼女は目の敵にするレディ・オーシャンを見過ごしてはおけず、この世界まで追いかけてきていたようだ。
「海に沈められるとか、マジ迷惑なのです。必ず阻止して代わりに骸の海に沈めてやるのですよ!」
 間もなく現れる敵を、鬼燈は殺る気、もとい、やる気十分である。
「うぐー……、おれは水とはあんまり相性よくないんだよなぁ……」
 対して、黒髪ポニーテールのエルフ少女、テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)は今回の状況に難色を示す。
 彼女は炎を使った戦い方を好む故に、水中戦が舞台となるこの後の戦いに不安もあったようだ。
「だからといって、逃げる訳にもいかない……か」
 別に、何も打つ手がないわけではない。
 テラはレディ・オーシャンとの交戦手段について考えながら、炊き出しの準備が進む町へと歩き出すのである。


 町民達へと最初に接触したのはアリスだ。
「とにかく、皆さんの安全を確保しなきゃ……」
 この地において、金髪少女はかなり珍しいはずだが、まるで気にされることがないのは猟兵だからであろう。
「でも……、温かいとん汁作りでお手伝いもしたいです……」
 まだ、レディ・オーシャンの襲撃まで時間はあるので、アリスも炊き出しの手伝いをと料理を準備する町民へと声をかける。
「こんにちは……わあ……とん汁ですか? ……温かい物は……元気がでますよね……♪」
 アリスの笑顔に癒される町民達は、早速手伝いをお願いする。
 ちょっとした【料理】なら少しは作れる彼女ではあるが、慣れない手つきで野菜の皮を剥いていく。
 たどたどしいアリスの動きに、町民達も若干ハラハラしていたが、やがて親心にも似た感情を抱いていたようだ。
「できました……♪」
 一口サイズに切られた根菜を、アリスは器に入れて差し出す。
 やや不揃いな部分はあるが、町民達からは拍手すら巻き起こる。
「それじゃ、次は鍋に味噌を……」
 町民の次なる頼みを聞いたアリスはこくこく頷きながらも、密かに周囲にあった食器や調理道具などを拝借して。
「トランプ兵さん……、そこで少し……待っててくださいね……」
 後の護衛、避難誘導の為、アリスはトランプ兵に変えた食器を傍に潜ませていた。

 町の通りから漂ういい匂い。
 大きな三日月の飾りがついたとんがり帽子を被った緑髪の少年、フォルセティ・ソルレスティア(星海の王子様・f05803)がその匂いの元へと近づいて。
「やったー、『ぶたじる』だー」
「『ぶたじる』じゃなくて、『とんじる』でしょ」
 そんな楽しげな弟を、ロングにした赤髪を揺らして歩くフィオリナ・ソルレスティア(サイバープリンセス・f00964)が追いかける。
「寒い日は温かい食べ物が美味しいよね♪」
 はしゃぐフォルセティを、フィオリナは温かい眼差しで見つめて。
「せっかくだから、早食いパフォをして集まったみんなを避難誘導しようかなって」
「そうね。頼んだわよ」
 人々の耳目を引くことができれば、スムーズに避難誘導できる。
 そう考えつつ、フィオリナは炊き出しの列へとフォルセティと一緒に並ぶ。
 後ろのソルレスティア姉弟の会話を耳にした鬼燈も、炊き出し参加の為、一足先に列へと加わっていた。
 避難してもらう為、町民には協力してもらわないといけないと鬼燈は考えて。
「殺気立ってちゃダメだよね」
 町民達を威圧するのはメーと自制しつつ、鬼燈はいただいた豚汁を口にしていく。
 豚肉から染み出た脂が味噌や根菜と絡み合う。
 他の世界で、色々な料理を口にしてきた鬼燈ではあるが。
「……美味しい。落ち着く故郷の味なのです」
 その味が自分の荒みかけた気持ちを落ち着けてくれる。
 やっぱり、ここの料理が一番なじむっぽいと、鬼燈は自らの頬を緩ませていた。
 隣では、シノギも同じく別の列で豚汁の入った器をいただく。
 手にした器や、立ち上る湯気からその温度をシノギは感じて。
「温かい豚汁です。この暖かさを守りませんと……」
 その一口で、シノギは口の中に広がる味噌の香りと豚肉の旨味を味わい、大きく目を見開いた。
「……美味しい。この豚汁美味しいですね!」
 味わい深い一口にシノギは夢中となり、その器の中身を一気に食べきってしまう。
「恐るべし、サムライエンパイア……この豚汁はお宝です。絶対になくしてはいけません!!!」
 力説するシノギに、豚汁を提供した町民達の方が気圧されそうになっていた。
 周囲の地形を確認し、自らの【戦闘知識】も活かして避難経路を把握していたテラ。
「戦いにおいて、迅速な撤退も被害を防ぐには重要なポイントだからな」
 そう考えて、テラも少し仲間から遅れる形で豚汁を食していた。
「……はぁ……美味しい……」
 その味にほっこりしていたテラはすぐ、体の中から温まるのを実感して。
「凄い温まるな、この豚汁! この街の名物なのかー? あ、おかわり!」
 応じた町民がテラへとお代わりを注いでくれ、テラは勢いよく2杯目もかきこんでいた。
 フィオリナ、フォルセティ姉弟もようやく順番が巡ってきていたようで。
「ちょっとだけ冷ましてから、一気に食べるからね」
 どんぶりにたっぷりと注いでもらった豚汁を、フォルセティはふーふーと冷ます。
「私も一つ豚汁をいただこうかしら」
 フィオリナも一杯いただいた豚汁を手に、香りを感じつつ一口。
「具沢山で芳醇なダシが出ていますのね。とても美味しいですわ」
 一口ずつその味を噛み締めていた彼女は、手を止めることなく完食する。
「体も温まりますし、実にいい一杯でしたわ」
 いただいた町民へとフィオリナが礼を告げると、その為に炊き出しをやっていると皆嬉しそうに笑った。
 そして、豚汁をある程度冷ましたフォルセティが一気に、器の中身を口の中へと流し込んでいく。
 【大食い】の彼は豪快な食べっぷりで【パフォーマンス】し、周囲の人々の関心を集める。
「「おおー、頑張れー!!」」
「嬢ちゃん頑張れー」
 見た目もあって、女の子と疑わない町民達からそんな声を聞こえる中、彼は見事に完食してみせた。
「ごくごくごくごく……ぷはー」
「「いいぞー!!」」
「美味しかったよ。豚汁は飲み物だねー」
 フォルセティもまた、姉と同様に礼を述べる。
 そして、ここからが本番と姉弟は頷き合い、これから起こる事態を町民達へと説明し始めるのである。


「皆さん、この付近一帯が大洪水に襲われるとお告げありました」
 一息ついて、フィオリナがこの場に集まる町民達へと【礼儀作法】と【コミュ力】を使い、丁寧かつ真剣に事情を説明する。
「大洪水……?」
「そんなバカな……!」
 どよめく住民達。
 数か月前に起こったエンパイアウォーの記憶は、まだ人々の脳裏に色濃く残っている。
 ようやく、平穏が訪れたというのに、なおも災難が降り注ぐという。さすがに信じたくないのも無理はない。
「……っと。食べてばかりもいられません」
 シノギも豚汁を平らげてから、自らの【コミュ力】と【礼儀作法】で初対面の心象を良くして。
「先日の戦争の余波で大きな水害が起きます。我々、猟兵が対処しますので、皆様は逃げてください」
 そう町民達を【言いくるめ】ながらも、シノギは天下自在符を見せつけて信用させようとする。
「本当っぽいから、早く避難してほしいのです」
 鬼燈もまた、炊き出しの人に天下自在符を提示していた。
 さらに、テラも自らが猟兵であることを示してから、言葉を続ける。
「この町に……物凄く強い化け物が現れる」
 町民達も、上杉謙信、弥助アレキサンダーといった名前を挙げたテラ。
 今回現れるのはそれらに匹敵する相手だと言えば、町民達にもその恐ろしさが瞬く間に伝達していく。
「だから……直ぐに逃げるんだ。濡れたら不味い物や大事な物はしっかり抱えてな」
 最後に人々へと安心できるよう、テラは胸を張る。
「おれらがしっかりと迎撃してやる」
 ふわりと宙へと浮かび上がった彼女は、この場にいない人々に状況を伝える為、町を飛び回ることにしたようだ。
 人々は慌てて自宅へと荷物を取りに戻り、あるいは家族へと状況を伝えに出向く。
 小さな町だ。それでもすぐに準備は整うだろう。
「あっちの高台に避難しよう!」
 準備が整った者から、『聖箒ソル・アトゥース』を旗のように掲げたフォルセティの誘導に従い、町民達がついていく。
「あと、ボクは男だからね!」
「分かった。頼むよ、兄ちゃん」
 しっかりと主張するフォルセティに町民達は詫びの一言を入れてから、彼がテキパキと作る列を崩さぬよう【団体行動】をさせて高台へと移動していく。
 アリスもここぞと周囲に待機させていたトランプ兵達を呼び出し、建物保護や避難誘導に当たらせる。
「落ち着いて避難して下さい……。皆さん方は、私達がお護りします……」
 正直、信じられないといった態度の町民も多いが、天下自在符を持ち、先の戦争の勝利に貢献した猟兵達だ。信じるより他になく、人々は町の近くにある高台へと急ぐ。
 少しずつ静かになっていく町で、人々の避難を進めるフィオリナは親とはぐれた子供を発見して。
「お父さん、お母さん、どこ……?」
 アリスと同じくらいの年と思われる少女の手を引くフィオリナ。
「しっかり掴まっていてね」
 彼女はユーベルコード【エキドナの鏡】を使い、人々を先導する弟の元へと転移する。
 ただ、その場には代償なのか、彼女の下着らしきものがその場へと残されていたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『オブリビオンの雪ん子』

POW   :    あそぼ
【大雪が降る中、当たると凍てつく雪玉】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    いかないで いっしょにいて
自身に【触れたもの全てを凍らせる冷気】をまとい、高速移動と【吹雪の竜巻】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    おともだちづくり(雪)
自身の創造物に生命を与える。身長・繁殖力・硬度・寿命・筋力・知性のどれか一種を「人間以上」にできる。

イラスト:Y!eld

👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 先程まで、炊き出しで賑わっていた町。
 猟兵達の避難誘導もあり、人がいなくなったこの場所の上空へ、1人の女性が姿を現す。
「あらら、ずいぶん閑散としてますね~☆」
 スタイルの整った美女といった印象の女性オブリビオン、レディ・オーシャンは誰もいなくなった町を見下ろして。
「信長さんが隠した『かけら』、ここにあると思うんですよね~☆」
 何か探す素振りを見せた彼女は巨大な海水の球「オーシャンボール」を傍に出現させ、躊躇なく町に向けて落下させた。
 平屋建ての家屋が多かったこともあり、町は瞬く間に海中に没したようになってしまう。
「そんな……」
「町が一瞬で海に……」
 高台からその光景を見ていた町民達は、自分達の故郷が海に沈んだ光景を目の当たりにし、愕然としてしまう。
 猟兵達は人々を元気づけながらも、町へと飛び出してオブリビオンの討伐へと当たるべく、海水へとダイブしていく。

 町を海と化したオーシャンボール。
 猟兵達はその中央にいるはずのレディ・オーシャン目指して接敵していくのだが、その行く手を阻むのは、サムライエンパイアのオブリビオン集団。
 出現場所によって敵は異なるようだが、この場に現れていたのは『オブリビオンの雪ん子』達だ。
「あそぼ……」
「いっしょにいて」
 この雪ん子達が出現すると、町の上空から雪が舞い始める。
 触れるだけで全てを凍らせてしまう冷気を持つ彼女達は、寂しがりやな気質もあって、多数の集落を凍らせてきたという。
 何かを捜索するレディ・オーシャンの為、雪ん子達は猟兵の行く手を阻んで凍らせてこようとする。
「おともだちになって」
 新たなお友達を作ろうと、水の中で待ち受ける雪ん子達はこちらへと雪玉を投げつけ、吹雪の竜巻を起こして凍らせようとしてくる。
 また、雪だるまのおともだちをつくって攻撃させてくることもあるようだ。
 雪ん子達は数で攻めてくる為、油断するとあっさり倒されかねないので、注意したい。

 寂しがりやな雪ん子達は、新しい友達を求めているだけ。
 だが、オブリビオンとなったことで、その願いはやや歪んだ形となってレディ・オーシャンの元を目指す猟兵を足止めしようとしてくる。
「「あそぼ……」」
「「いっしょにいて」」
「「おともだちになって……」」
 水中で揺らめく彼女達を倒し、先に進まねばならない。
 ただ、水の中では雪ん子達も普段と勝手が違う為、満足に戦えぬ部分もあるはずだ。
 その為、水中で戦う為の対策があれば、有利に戦うことができる。
 あとは凍らされないように注意しながら、寂しがりやの雪ん子を躯の海へと還し、奥にいるレディ・オーシャンの元へと急ぎたい。

(※第1章、第2章は6~8名のご参加地点で執筆開始を考えております。出来るだけ早く、第3章への進行を目指します)
(※水中戦となります。それに適応するようなプレイングには、プレイングボーナスが付きます)
アリス・フェアリィハート
アドリブや連携も歓迎です

皆さん方の町が…
レディ・オーシャンさん…
貴女の勝手にはさせません…!

水中でも行動し易い様
水着に着替えて
水中用の準備を整え
【水泳】等も駆使し
敵に囲まれない様に布陣して
戦闘に

自身の魔鍵
『クイーンオブハートキー』での
【精神攻撃】を基本に
炎熱や光熱等の【属性攻撃】や
【衝撃波】【誘導弾】
【範囲攻撃】【全力魔法】等の
遠距離攻撃や
【なぎ払い】等の近接攻撃等
及びUCで攻撃

敵の攻撃は
【第六感】【見切り】【残像】【氷結耐性】を乗せた【オーラ防御】等で
防御・回避

『雪ん子さん…ただ…お友達がほしかっただけなんですよね…雪ん子さんがオブリビオンさんでなければ…私も…お友達になりたかったです…』


ユーフィ・バウム
※アドリブ・連携歓迎

街が一瞬で海に……
レディ・オーシャン、必ず仕留めます!

【早着替え】にて水着姿に、【水泳】の心得もあるので
水中戦でもけして引けはとりませんとも

雪ん子達の攻撃は、温かな【オーラ防御】を体にめぐらせ
持ち前の【氷結耐性】もあわせ凌いで見せますよ
そして【グラップル】にて掴みかかっては
拳を叩き込んでいきます

水中ならば、勢いを減じないよう、密着距離での勝負です
【力溜め】、【怪力】を生かして動きを封じ
《トランスバスター》の一撃を叩き込み、倒して行きます!
孤立を避け仲間と連携し、効果的に動ければ尚良し
さぁ、次の相手はどなたですか!

一通り片付けたならば、
レディ・オーシャンの方に泳いでいきますね


シノギ・リンダリンダリンダ
さて。町民のみなさんも無事に避難させる事ができて。
後はレディオーシャン。貴女の欲しがっているお宝を奪い取るだけですね?

そして海。水中はあまり得意ではありませんが……
海を舞台として、海賊が後れを取るわけにはいきませんね

【幽玄な溟海の蝗害】でガレオン船を召喚
それを海の上を悠々と渡ります
敵を見つけるのは簡単でしょう。凍っている場所を探せばいいんですから
場所さえ見つかったら後は簡単です
召喚した死霊騎士達を、船の砲台から敵に向けてブチ放つだけです
その推進力を以て水中を突き進み、刃を突き立てます
弾数はいくらでもあります。がんばってくださいね死霊達

お友達が必要ですか?
でしたら一度死んでみてはどうでしょう?


露木・鬼燈
水中戦、ね。
得意とゆーわけじゃないのです。
でも苦手なわけでもないのです。
戦い方次第でどーとでもなるのです。
<骸晶>を展開して結界で身を包めば問題なし。
飛翔能力のちょっとした応用で水中を移動。
水の抵抗で動きにくいけどね。
まぁ、空中と大きくは変わらないっぽい。
んー、攻撃はちょっと難しい。
得意な呪炎や電磁雷撃系の術はダメっぽい感じ?
となると…衝撃波かな。
魔杖から増幅した衝撃波を発射するですよ。
行動阻害のための拡散型と撃破のための収束型。
この二つを使い分けて撃破してくのです。
反響定位で周囲を把握するのを忘れちゃダメですよ。
取得したデータは如意宝珠で解析してマップを投影。
これでイケルイケル!


フォルセティ・ソルレスティア
【ペア/f00964】【WIZ】(連携・アドリブ可)
「真冬に水中戦って何の罰ゲーム!?」
罰ゲームばっかりだけど(氷結耐性)で寒さは我慢するよ
【行動】()内は技能
Flying Broom GTSに飛び乗りながら海中へダイブ
「水中でも動くけど、かなり動き悪いね」
フォルマ・ベンダバールでサメのような形にバイクを変形させ推進力を得るよ
「遊んでる暇はないんだよ」
(ダッシュ)で突進しながら、水中抵抗も(怪力)でなんとかして聖箒を突き付けるよ
(全力魔法)でカラミダド・メテオーロを叩きつけるんだ
雪ん子が作った巨大な雪だるま毎、灼熱の巨大隕石で粉砕だー!
あとは付近で津波の被害が出ないように(祈り)をささげるよ


フィオリナ・ソルレスティア
【ペア/f05803】【WIZ】(連携・アドリブ可)
「いいから急いで飛び込むわよ」
海中の寒さは[氷結耐性]で凌ぎ、水中での動きは[水泳]を駆使
■行動
Flying Broom GTRに[騎乗]したまま水中へ突入。
【ペガサスの翼】でバイクをシャチ型に変形させ水中を進む
「さすがに推進力はかなり落ちるわね」
ちょっと勝手が違うけど、無理やり前進しつつオートフォーカスで水中の雪ん子をロックオン。
瞬時に[高速詠唱]から【ロンギヌスの槍】を単独発動。水中だと雷の槍は堪えるはず
おともだちづくり(雪)への対策はフォルセティに任せる
「あとで豚汁のお替り貰いたいわね」


テラ・ウィンディア
水の中は苦手ではある
だがおれにだって水中戦ようの武装はあるんだ!(という訳で水着モード!

【属性攻撃】で全身に土属性を付与
土克水
多少は負担は減るってもんだ

更にユベコ発動
重力フィールドを展開して機動力を上げる
ペンギンだって水の中を飛んでいるんだ
やってみせる

ああ…本当は普通に遊びたかったなぁ
オブビリオンってやっぱり業が深い

【戦闘知識】で雪ん子の分布を把握
その上で手近な敵に襲い掛かり槍で【串刺し】
更に【早業】で武器を切り替え速やかに苦痛なく眠らせる

敵の攻撃は【見切り・第六感・残像】での回避で可能な限り泳ぎペンギンの動きを認め乍ら回避を試みる
水の中はやっぱり重い!
やっぱりペンギンって凄い!!!


月舘・夜彦
一瞬で海に呑まれてしまうとは……
冬の海は凍て付くような冷たさでしょうね
ですが、レディ・オーシャンの思惑を断つ為にも耐えねばなりません
往きましょう

雪の冷気に対しては氷結耐性、激痛耐性にて耐える
水中の中で雪玉を躱すのは困難
雪玉は視力と見切りにて軌道を読み、武器落としとなぎ払いにて対処
接近して応戦しようにも雪玉の妨害は避けられないとし遠距離にて攻めましょう

雪玉を防いだ後、カウンターで抜刀術『神風』
2回攻撃で手数を増やし、生気吸収で冷気による体力を取り戻す

残念ながらお友達にはなれません
命を奪う行為は遊びではないのですから
冬の寒さは厳しく、ですが時に人に恵みも喜びも与える
貴方達をこの冬の空へと還します




 高台へと町民達を避難させていた猟兵達。
 そこへ、新たに駆け付けた少女が1人。
「街が一瞬で海に……レディ・オーシャン、必ず仕留めます!」
 銀の髪をツインテールとしたユーフィ・バウム(セイヴァー・f14574)は海水に沈んだ町を見下ろし、その中央にいるはずの『海を統べる者』を見据えて叫ぶ。
 水色のリボンで金髪を飾ったアリス・フェアリィハート(不思議の国の天司姫アリス・f01939)も、瞬く間に先程まで自分達がいた場所が海水に満たされる様子を目の当たりにして。
「レディ・オーシャンさん……貴女の勝手にはさせません……!」
 相手を追いかけるべく、アリスは手早く水着に着替え、水中戦に備える。
 ピンクの髪の千年人形、シノギ・リンダリンダリンダ(強欲の溟海・f03214)は無事に町民を避難させ、レディ・オーシャンが沈めた町を見下ろす。
「後はレディ・オーシャン。貴女の欲しがっているお宝を奪い取るだけですね?」
 舞台は海。水中での戦いはあまり得意ではないシノギが着替える様子はない。
「海を舞台として、海賊が後れを取るわけにはいきませんね」
 どうやら、シノギには何か策があるようだ。
「水中戦、ね。得意とゆーわけじゃないのです」
 そうは言いつつも、赤髪羅刹の青年、露木・鬼燈(竜喰・f01316)はのほほんとした態度を崩さず。
「でも、苦手なわけでもないのです」
 戦い方次第でどーとでもなると、鬼燈はぺろりと舌なめずりする。
 黒髪ポニーテールのエルフ少女、テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)は苦手な水中戦とあって、少し顔を引きつらせていたが。
「だが、おれにだって水中戦用の武装はあるんだ!」
 水着モードとなるテラが海へと飛び込んでいくと、【早着替え】して水着姿となったユーフィが続く。
「真冬に水中戦って、何の罰ゲーム!?」
「いいから、急いで飛び込むわよ」
 箒を手にした魔術師の少年、フォルセティ・ソルレスティア(星海の王子様・f05803)が思わず叫ぶのに、隣にいた杖を手にした同じく魔術師の姉フィオリナ・ソルレスティア(サイバープリンセス・f00964)が大きく息をつき、先に飛び込む。
 フォルセティは躊躇しながらも、罰ゲームとも言えそうな寒中水泳へと臨む。
 そして、少し遅れる形でこの地へと降り立った、竜胆の簪のヤドリガミである月舘・夜彦(宵待ノ簪・f01521)。
「一瞬で海に呑まれてしまうとは……、冬の海は凍て付くような冷たさでしょうね」
 どうやら、町が海にのまれる様子は、夜彦も直に見ていたようだ。
「ですが、レディ・オーシャンの思惑を断つ為にも耐えねばなりません。……往きましょう」
 彼もまた冬の海へと足を踏み出し、飛び込んでいくのである。


 海水へと飛び込んだ猟兵達。
 アリスは【水泳】の技能を駆使して仲間達と泳いでいくと、目の前に多数の人影が。
「あそぼ……」
「いっしょにいて」
 オブリビオンとなった寂しがりやな雪ん子達の思考は歪み、相手を凍らせてでも自分達と一緒にいてもらおうとする。
 それらに対し、アリスは魔鍵クイーンオブハートキーを振るって。
「雪ん子さん……ただ……お友達がほしかっただけなんですよね……」
 そんな相手にアリスはわずかに顔を引きつらせながらも、魔鍵で【精神攻撃】を行い、雪ん子達の邪なる心のみを切り裂こうとする。
 ただ、長い間孤独を感じていた寂しがりやの雪ん子達は群れてなお満たされず。
「あそぼ……あそぼ……」
 海水の外では雪舞う中、多数の雪ん子達がどこからか雪玉を調達し、海中で猟兵目がけて投げつけてくる。
 雪玉は命中すれば、凍らされてしまう。
 【第六感】、【見切り】、【残像】を活かすアリスは可能な限り雪玉を避けつつ、炎熱、光熱といった【属性攻撃】も駆使してそれらを溶かす。
 どうしても避けられないと判断すれば、アリスも【氷結耐性】を乗せた【オーラ防御】で堪え、さらに魔鍵を振るって雪ん子の邪念を切り裂いていく。
 だが、この場にいるのはアリスだけではない。
「水中戦でも、けして引けはとりませんとも」
 【水泳】で海水の中を泳ぐ水着姿のユーフィはその一部の敵を受け持ち、温かな【オーラ防御】を纏って飛んでくる雪玉を凌ぐ。
 多少の攻撃であれば、【氷結耐性】で堪えてから雪ん子につかみかかり、ユーフィは【グラップル】で拳を叩き込んでいく。
 この場の仲間達を意識し、ユーフィは孤立を避けて仲間と共に攻撃を仕掛ける。
 拳を一撃叩き込んだ雪ん子を霧散させ、ユーフィが言い放つ。
「さぁ、次の相手はどなたですか!」
 近づいてくる雪ん子はそれでも、相手にしてもらうだけよしとしていたようである。
「さぁ、海賊の時間です」
 たまたま同じ掛け声を上げていたシノギはというと、【幽玄な溟海の蝗害】によって創造した無敵のガレオン船を海上へと浮かべ、悠然と進む。
 雪ん子達は海面へと雪玉を投げつけようとしてくるが、ガレオン船の船底が多少凍る分には問題ない。
 むしろ、凍った部分を探すことで、シノギは雪ん子達の居場所を特定できる。
「場所さえ見つかったら、後は簡単です」
 シノギは続いて死霊騎士達を召喚し、船の砲台から海中の雪ん子達へとブチ放つのみ。
 周囲へと響き渡る大砲の音。
 まるで魚雷のごとく、死霊騎士達は刃を煌めかせて一直線に海中を進んでいく。

 こちらは、フィオリナ、フォルセティのソルレスティア姉弟。
 海中の寒さを【氷結耐性】で耐えつつ、海中を移動する2人が使うのは、バイクだ。
 フォルセティは『空飛ぶ箒』という名を持つバイク『Flying Broom GTS』に跨る。
「水中でも動くけど、かなり動き悪いね」
 さらに、ユーベルコードを使ってバイクをサメのような形に変形させ、フォルセティは推進力を得て海中を疾走する。
 フィオリナも【騎乗】する『Flying Broom GTR』のアクセルを吹かし、場所によっては【水泳】スキルを使って方向転換する。
「さすがに、推進力はかなり落ちるわね」
 バイクをシャチ型に変形させたフィオリナは、勝手の違いを感じながらも無理やり前進していく。
 そして、おともだちづくりで硬度を強化した雪だるまを出現させていた雪ん子を、オートフォーカスでロックオンしたフィオリナ。
 【高速詠唱】した彼女は自らの周囲に、光り輝く雷属性の魔法の槍を300本余り出現させて。
「全てを貫け、ロンギヌスの槍よ!」
 フィオリナはそれらを、上目遣いに見つめてくる雪ん子へと素早く発射していく。
「あそぼ、あそぼ……」
「遊んでる暇はないんだよ」
 【ダッシュ】で水中を突き進むフォルセティは、水中抵抗を自らの【怪力】で強引にねじ伏せて『聖箒ソル・アトゥース』を雪だるまへと突きつけるのである。

 水中戦に些か抵抗を見せていた鬼燈、テラ。
「これが僕の魔法戦闘形態ですよ」
 鬼燈は【化身鎧装<骸晶>】を展開し、長銃型魔杖を持つ魔導士の姿をとる。
 さすがに、水中では水の抵抗があって空中と同じようにはいかないが、何もないよりは確実に機動性が上がる。
「まぁ、空中と大きくは変わらないっぽい」
 一方、テラは【属性攻撃】によって、全身に土属性を纏う。
「土克水、多少は負担も減るってもんだ」
 土は水を濁すという五行の考えを元に対策を練ったテラは、ユーベルコード【モード・グランディア】を使って。
「グラビティフィールド……展開!」
 重力フィールドを展開することで機動力を高めていく。
「ペンギンだって水の中を飛んでいるんだ。やってみせる」
 あとは、【戦闘知識】を活かして散開する雪ん子達の位置を把握したテラは手近な相手へと槍で突撃していった。
 一通り海中を動いた鬼燈は、しっくりこないのか首を傾げて。
「んー、攻撃はちょっと難しい」
 どうしても、呪炎の術は勢いが衰えるし、電磁電撃系の術は放電してこれまた威力が落ちると鬼燈は判断する。
「となると……衝撃波かな」
 長銃型魔杖を手に、鬼燈は【衝撃波】を直接雪ん子達へとぶつけることにしたようだった。
 そこにやってくる夜彦をじっと見つめる雪ん子達は、全身から周囲を凍らせる冷気を放ってくる。
「いかないで、いっしょにいて」
 彼は自らの周囲を凍らせながらも、吹雪の竜巻を放ってくる。
 それを、夜彦は正面から浴び、【氷結耐性】、【激痛耐性】で耐える。
(「水中で躱すのは困難」)
 周囲から雪玉も飛んでくるが、彼の相手にする雪ん子は吹雪の竜巻を放つ。
 それに対して、夜彦は愛刀である夜天に移す銀の月『夜禱』を抜刀して【なぎ払ってみせる】。
 飛んでくる雪玉も【視力】を働かせて軌道を【見切り】、刃で切り落としていく。
「妨害は避けられませんか」
 寂しさを埋めるべく、自らの力を放ってくる雪ん子達に対し、夜彦は遠距離から攻めることにしたようだった。


「「あそぼ、あそぼ……」」
 雪ん子達は雪玉、冷気を操り、さらに雪だるまを従え、奥にいるレディ・オーシャンへの行く手を阻む。
 水中での動きにも慣れてきたのか、猟兵達は攻勢を強めて。
 重力フィールドを展開するテラは、弾丸のように飛んでくる雪玉を【見切り】、【直感】と【残像】を使って避ける。
「水の中はやっぱり重い! やっぱり、ペンギンって凄い!!!」
 ペンギンの動きを思い浮かべながらもテラは水中抵抗に立ち向かい、紅龍槍『廣利王』を突き出して雪ん子を【串刺し】にする。
 さらに、彼女は【早業】で星刃剣『グランディア』に武器を持ち換え、真横に振り払って雪ん子をこの場から消し去っていった。
「弾数はいくらでもあります。がんばってくださいね、死霊達」
 シノギは海上のガレオン船の砲台から、死霊騎士を放ち続ける。
「お友達が必要ですか? でしたら、一度死んでみてはどうでしょう?」
 冷淡に言い放ったシノギの放った死霊騎士は刃を突き立て、狙った雪ん子を1体ずつ消し去っていく。
 広範囲には、フィオリナの雷の槍が展開しており、次々に雪ん子達を撃ち抜いていく。
 素早く放てば放電も微量で済む。突き刺さった瞬間、一気に放電して雪ん子に衝撃を与えて倒してしまう。
 残っていた雪だるまには、箒を突き付けていたフォルセティが仕掛けていて。
「巨大な雪だるま毎、灼熱の巨大隕石で粉砕だー!」
 【カラミダド・メテオーロ】。
 降ってきた灼熱の巨大隕石が彼の宣言通りに、雪だるまの巨体を粉砕してしまう。
 そんな弟の攻撃によって、奥への道が切り開かれたのを確認したフィオリナは水面を見上げて。
「あとで豚汁のお替り貰いたいわね」
 一方で、フォルセティは周囲に津波の被害が出ないようにと、【祈り】を捧げるのである。

 少し距離を置き、雪ん子に囲まれていた鬼燈。
 反響定位で周囲を把握していた彼は、如意宝珠で解析してマップを投影する。
「これでイケルイケル!」
 そうして、雪ん子達の位置を把握した鬼燈は拡散型の【衝撃波】を彼女達へと浴びせかける。
 後は撃破の為、収束型へと切り替えた【衝撃波】を撃ち込んで撃破した。
 その後も、鬼燈は2種の衝撃波を使い分けて雪ん子達の数を減らしていく。
 消え去っていく彼女達の姿には哀愁も感じさせるが、アリスは『クイーンオブハートキー』で周囲をなぎ払い、雪玉はおろか邪念に変わった心ごと雪ん子達を躯の海に還してしまう。
「雪ん子さんがオブリビオンさんでなければ……私も……お友達になりたかったです……」
「残念ながらお友達にはなれません。命を奪う行為は遊びではないのですから」
 対して、夜彦は冷たく雪ん子達を突き放す。
 僅かに怯む雪ん子達だが、泣きそうになりながらも凍てつく冷気を纏って。
「いかないで……!」
 吹雪の竜巻を巻き起こし、夜彦の体を切り裂こうとしてくる。
「冬の寒さは厳しく、ですが、時に人に恵みも喜びも与える」
 夜彦はそれに対する【カウンター】として抜刀し、見えない斬撃を【連続で放ち】、【生命力を吸収】していく。
「貴方達をこの冬の空へと還します」
 その体を切り裂かれた雪ん子は弾け飛び、オブリビオンの枷から解き放たれていく。
 そして、【力を溜めた】ユーフィに【怪力】で押さえつけられた雪ん子。
「もっと、あそぼ……」
 可愛らしい所作で雪玉を投げつけてくる彼女を左腕で押さえつけたまま、右の拳を振り上げる。
「行きますよぉっ! これが森の勇者の、一撃ですっ!」
 超高速かつ大威力の一撃。
 衝撃と共に海水へと溶けるように姿を消した雪ん子から手を離し、ユーフィは奥にいるはずのレディ・オーシャンの方へと泳ぎ始めたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『レディ・オーシャン』

POW   :    ディープシー・ストーム
【激しく渦巻く冷たい海水の奔流】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    「邪魔が入らないようにしちゃいますね〜☆」
非戦闘行為に没頭している間、自身の【周囲を舞う膨大な海水】が【防壁を形成し】、外部からの攻撃を遮断し、生命維持も不要になる。
WIZ   :    ウォータージャベリン
レベル×5本の【海】属性の【当たったものを海水に変える水槍】を放つ。

イラスト:hina

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 空から落ちてきたオーシャンボールによって、海に沈んでしまったサムライエンパイア某所の小さな町。
 海中でオブリビオンとなった雪ん子達を倒した猟兵達は水中を泳ぎ、オーシャンボールの中央にいるレディ・オーシャンの元へと急ぐ。
 先のヒーローズアースの大戦でジェネシス・エイトと呼ばれ、世界各地で暗躍していた『海を統べる者』レディ・オーシャン。
「『かけら』、見つかりませんね~☆」
 なぜか、この異世界「サムライエンパイア」へとやってきた彼女は町にオーシャンボールを落とし、水の中を泳ぎながら大地に向かって何かの儀式を行っていた。
「これじゃない、……これはキープですかね~☆」
 御気楽な態度で、町の中央の地面を見回すレディ・オーシャン。
 時折、何か気に入ったものを発見したらしく、小さく唸って。
「ん~、これもおうちに持ち帰りましょう~☆」
 ただ、儀式に集中しているからか、猟兵が近寄ってきてもその反応は鈍い。
「あら~、猟兵さん。今、忙しいんですけれどね~☆」
 ヒーローズアースの戦争では、ジェネシス・エイトは先制攻撃を仕掛けてきていたが、レディ・オーシャンは自分から攻撃してくる素振りを見せない。
 しかしながら、猟兵達の攻撃、ユーベルコードを受けたことで、彼女もさすがに儀式、捜索を行う手を止めざるを得ないと判断したらしく。
「もう、仕方ないですね~☆」
 片手間といった態度で、応戦してくるレディ・オーシャン。
 隙あらば、儀式を続けようとする彼女はその名の通り、海の力を使ってくる。
 従える怪魚による通常攻撃を行いつつ、激しく渦巻く海水の奔流を浴びせかけてきたり、命中したモノを海水に変えてしまう海属性の槍を無数に放出したりしてくる。
「忙しいですから、ちょっとだけですよ~☆」
 ちょっとだけ。そう言いながらも、レディ・オーシャンはその強大な力を発揮して猟兵達を攻め立ててくるのである。

(※第3章は10~15名様の参加、or 12日朝までの受付を想定しています。第3章のみのご参加も歓迎です。執筆開始タイミングはマイページやツイッターで告知いたします)
アリス・フェアリィハート
アドリブや連携も歓迎です

レディ・オーシャンさん…
凄まじいお力をお持ちなのは
戦争の時にも感じました…

『レディ・オーシャンさん…どうやって貴女は…サムライエンパイアに来る事ができたんですか…?』

自身の剣
『ヴォーパルソード』に
【破魔】を込めての
【属性攻撃】や【なぎ払い】等の剣戟や
剣から放つ
光焔の【衝撃波】や【誘導弾】
等の遠距離攻撃を
【2回攻撃】での時間差攻撃や
多角攻撃とも組み合わせ攻撃
敵のUC対抗時などは
UCを使用
海水も蒸発させる熱量の
炎熱の竜巻を
巻き起こし攻撃

敵の攻撃は
【第六感】【見切り】【残像】
【オーラ防御】等で
防御・回避

『信長さんの隠したかけらを
使って何を企んでいようとも…
私達が阻止します!』


火土金水・明
「相手は『ジェネシス・エイト』の一人、こちらも本気を出して戦わないと危ないですね。」「ただ、先制攻撃をしてこないのが気になりますね。」
【WIZ】で攻撃です。
攻撃は、【先制攻撃】で【高速詠唱】し【破魔】を付けた【属性攻撃】の【全力魔法】の【サンダーボルト】を【範囲攻撃】にして、『レディ・オーシャン』が何処に移動しても巻き込めるようにして【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【見切り】【残像】【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。
「残念ながら、探し物をあなたに渡すわけにはいきません。」「さあ、オブリビオンは『骸の海』へ帰りなさい。」
アドリブや他の方との絡み等は、お任せします。


月舘・夜彦
貴女が此処を海にした元凶……
何度か聞いている『かけら』について何か分かりませんが
彼女の手に渡ってしまうのだけは阻止しなくては
そんな気がしてなりません
――御覚悟を

ジャンプとダッシュにて接近
先制攻撃と早業にて抜刀術『風斬』
基本は攻撃力重視、2回攻撃を併せて攻撃

海水の奔流は視力、戦闘知識により水の流れを確認
何を重視した攻撃か判断して対処する
攻撃力・攻撃回数重視には残像・見切りにて躱し、カウンター
命中率重視には衝撃波となぎ払いで水の流れを弾く
負傷は激痛耐性で耐える

先程のように凍る事は無くとも、水の勢いは動きを鈍らせる
だからこそ普段以上の力が必要とされる
ですが……それでも私は負けるわけにはいかないのです


露木・鬼燈
ちょっと?あれでちょっとです?
やっぱり強いよね。
正面から挑むの得策ではないっぽい。
とは言え、慣れない水中ではね。
下手な小細工よりは慣れた戦い方に近づけるほういいかな?
<隠忍の見えざる手>を展開。
四肢に纏うことで簡易パワードスーツへ。
さらに属性への干渉能力で水に干渉。
動きを妨げないようにするくらいならイケルイケル!
更に残った念動手を足場として利用する。
これなら地上に近い感じで動けるはず。
怪魚を最小限の動きで斬り払いながら接近。
後は水の流れを感じ取り、海水攻撃を最小限に抑える。
その上で根性(耐性とオーラ)で耐える。
そして剣の間合いまで近づいたらやることはひとつ。
竜殺しの剣技を全力で叩き込むっぽい!


シノギ・リンダリンダリンダ
あぁ、やっと会えましたねレディ・オーシャン
海の名を持つオブリビオン。貴女がなにを探しているのか知りませんが、
海賊らしく、代わりに奪ってさしあげます
ついでに、グリードオーシャンについて知ってる事を吐きなさい?キリキリと
そうすれば、まぁこの場で殺すくらいで許してあげますよ?

出していたガレオン船から飛び降り、『水泳』で突き進み『見切り』で攻撃を避けていく
『死魂略奪の外套』を広げ、相手に目くらましをさせながら『E.B.T.G』で攻撃。チェーンソーの刃で『傷口をえぐって』いく
そして自分が着水すると同時に【飽和埋葬】で海中に放っていた死霊で動きの妨害、攻撃、傷口をえぐるなどでサポートさせる


テラ・ウィンディア
此奴のクローンとは戦った事があるけど本物は初だな

忙しそうで何よりだ

だが…まぁ
そいつはやらせないよ

【属性攻撃】で土属性継続中

グランディア継続中

【戦闘知識】で敵の動きと癖と目的
何を為そうとしているかの把握も行い

その猛攻は【第六感・見切り・残像】での回避を試み

【空中戦】の応用で海水内を舞い

槍で【串刺し】による猛攻
突き刺したまま【早業】で剣と太刀に切り替えて切り刻み

【踏み付け】で槍の石突を蹴り更にダメージを高めるぞ

大体…何でヒーローズアーズの奴がこんな所に居て訳の分からないものを探しているんだ!

あの世界はもうどうでもいいのかよ!(感情的に色々ぶつけつつ反応を冷徹に分析する構え

戦闘後
何を探していたか探索


ユーフィ・バウム
※アドリブ・連携歓迎

何故この世界に現れたかは不明ですが、
目的は阻みますっ!

外部からの攻撃を遮断海水は厄介ですが、
先手を打たれないならば!
鍛え上げた肉体に《水泳》を駆使し
水中を《ダッシュ》するようレディに接近します。
背後に《衝撃波》を送って推進力とすれば尚早いでしょうか

接近したなら《力溜め》た《怪力》でしがみつきます
ここまで寄れば、防壁も意味がないですよね?

そしてこの距離は――私の間合いです!
【戦士の手】とともに!
至近距離での殴り合いでダメージを与えますよ!
酷いことしているのに笑って…何がおかしいんですか!
ちょっと羨ましい胸とか怪魚とかも殴り飛ばしますよ!

他、《野生の勘》で閃くことあれば従い行動




 オーシャンボールによって海中へと沈んだ町。
 そこで、オブリビオンとなった雪ん子達を討伐した猟兵達はさらに海中を進み、中央にいる討伐対象の元へと向かう。
「あぁ、やっと会えましたね。レディ・オーシャン」
 先程の戦闘で、海上に呼び寄せたガレオン船に乗っていたシノギ・リンダリンダリンダ(強欲の溟海・f03214)。
 海賊として活動を行う機械人形の彼女は海へと飛び込み、発見した敵を目指して【泳いで】いく。
 他のメンバー達も続々と、その女オブリビオン……『海を統べる者』レディ・オーシャンへと接敵していく。
「貴女が此処を海にした元凶……」
 藍色の髪のヤドリガミ、月舘・夜彦(宵待ノ簪・f01521)が相手の姿を緑色の瞳で確認する。
 海で入手できる素材を利用した衣服を纏うレディ・オーシャン。
 夜彦はそうでもないが、彼女は男性によっては虜にされてしまいそうな容姿をしていた。
 それでいて、猟兵達に囲まれてなお儀式を続けて何かを探しているレディ・オーシャンはかなりのマイペースさを感じさせる。
「あら~、猟兵さん。今、忙しいんですけれどね~☆」
「忙しそうで何よりだ」
 黒髪ポニーテールのエルフ少女、テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)が声をかける。
 これまで、レディ・オーシャンのクローンと交戦経験があるテラだが、本物と対面するのは初めて。
 レディ・オーシャンの捜索物が何かを知りたいところではあるが……。
「だが……まぁ、そいつはやらせないよ」
 それよりも彼女を止めることが先決と考えて、テラは全身を【超重力フィールド】で覆う。
 臨戦態勢に入る猟兵達に、レディ・オーシャンはしぶしぶといった態度で儀式の手を止めて。
「もう、仕方ないですね~☆」
 やれやれと両手を上げる彼女だが、応戦するにも片手間と言った態度である。
「レディ・オーシャンさん……。凄まじいお力をお持ちなのは、戦争の時にも感じました……」
 水色のドレスに水色のリボンで金髪を飾る少女、アリス・フェアリィハート(不思議の国の天司姫アリス・f01939)は相手に疑問を抱いていて。
「レディ・オーシャンさん……どうやって貴女は……サムライエンパイアに来る事ができたんですか……?」
「ん~、それは企業秘密といいますか~☆」
 色々とツッコミどころ満載なコメントだが、間違いないのは教える気がないということだろう。
「何故この世界に現れたかは不明ですが、目的は阻みますっ!」
 密林に住む部族出身の銀髪少女、ユーフィ・バウム(セイヴァー・f14574)も徒手空拳で身構える。
「忙しいですから、ちょっとだけですよ~☆」
 彼女は牽制のつもりか、渦巻く海水を放つ。
 巻き起こるその奔流は、何もかもを洗い流してしまいそうな威力だ。
「ちょっと? あれでちょっとです? やっぱり強いよね」
 こちらもマイペースさを感じさせる羅刹の青年、露木・鬼燈(竜喰・f01316)がその力を目の当たりにし、素直な感想を口にしていた。
「相手は『ジェネシス・エイト』の1人、こちらも本気を出して戦わないと危ないですね」
 長い黒髪をポニーテールとし、長身で見事なスタイルを持つ火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)は一通り、レディ・オーシャンの様子を見ていて。
(「ただ、先制攻撃をしてこないのが気になりますね」)
 やってきた猟兵以上に、探し物……『かけら』の方が重要ということだろうか。
「海の名を持つオブリビオン。貴女がなにを探しているのか知りませんが」
 シノギが海面から泳いで近づいてくるのに合わせ、夜彦は自らの刀に手をかけて。
 何度か聞いている『かけら』だが、それが彼女の手に渡る事だけは阻止せねばならない。
「――御覚悟を」
「海賊らしく、代わりに奪ってさしあげます」
 自らの予感に従い、夜彦が相手を制止しようとすると、シノギも不敵に笑って仕掛けようとする。
「じゃ、いきましょうか~☆」
 そんな猟兵達に、レディ・オーシャンは小さく嘆息しながら応戦するのである。


 仲間達がレディ・オーシャンへと会話しつつ気を引く間に、アリス、明が攻撃準備を整えて仕掛ける。
 明は【先制攻撃】とばかりに【高速詠唱】し、敵を指さす。
「残念ながら、探し物をあなたに渡すわけにはいきません」
 【破魔】の【属性】をつけた【サンダーボルト】。
 レディ・オーシャンがどこに移動しても巻きこめるように、明は天から降り注ぐ雷光を【全力】で、【広範囲】に降らしていく。
 アリスは手にする『ヴォーパルソード』に【破魔】の【属性攻撃】として、降り注ぐ雷光に紛れて切りかかっていく。
 単なる斬撃だけでなく、アリスはレディ・オーシャンが逃げられないように【なぎ払い】も駆使して剣戟を見舞う。
 明はアリスの攻撃の切れ目で【2回攻撃】として再び雷光を降らせようとしたが、レディ・オーシャンは自らの周囲へと多数の水槍を展開していて。
「ちょっと危ないですね~☆」
 海属性を持つその水槍は、触れたものを海水へと変化させてしまう。
 それは攻撃に使えるだけでなく、先程の明の雷光すらも海水へと変化させ、防いでしまっていたようだった。
 もちろん、近距離から斬撃を繰り出すアリスにも、それらの水槍が突きつけられる。
 飛んでくるそれらを受けると、自らも海水とされかねない。
「不思議の国の精霊さん達……その力の片鱗を……世界に……!」
 そこで、アリスは敵の攻撃を【直感】で【見切って】みせ、炎熱の竜巻を巻き起こし、その熱量を使って海水を蒸発させようとする。
 また、撃ち漏らした分は【残像】で避け、最悪【オーラ防御】を展開して、直撃を防ぐ。
 明も同様に、飛んでくる水槍を【見切って】いたが、アリスがかなりの数をユーベルコードで減らしていた為、【残像】で躱す程度で済んでいたようだ。
「邪魔が入らないようにしちゃいますね~☆」
 その間に、レディ・オーシャンは海水による防壁を形成して自らを包み、再び『かけら』捜索の為の儀式を再開しようとしていた。

 そこで、シノギ、ユーフィが動く。
「奪ってさしあげるついでに、グリードオーシャンについて、知ってる事を吐きなさい?」
 頭上から突き進むように泳いできていたシノギは『死魂略奪の外套』を広げ、相手を目を眩ませようとする。
 そして、シノギは直接サメみたいな刀身をしたチェーンソー『E.B.T.G』で切りかかり、その刃で【傷口を抉っていく】。
「外部からの攻撃を遮断海水は厄介ですが、先手を打たれないならば!」
 同じく、鍛え上げた肉体で【泳ぐ】ユーフィは、さながら水中を【ダッシュ】するかのごとく。
 背後に【衝撃波】を送って推進力とし、レディ・オーシャンへと接近して。
「ここまで寄れば、防壁も意味がないですよね?」
 ユーフィは【力を溜め】、【怪力】で敵にしがみつく。
「そして、この距離は――私の間合いです!」
 【戦士の手】によって自らの【グラップル】の技術を極限にまで高め、ユーフィは力の限り殴りつけていく。
「さすがですねん☆」
 それでも、彼女は余裕の笑みを崩さず、自らの身体を取り巻く怪魚に応戦させようとする。
「酷いことしているのに笑って……何がおかしいんですか!」
 防壁内部へと入り込むユーフィだ。レディ・オーシャンのちょっと羨ましい胸ごと、怪魚を殴りつけていく。
 シノギも着水と同時に召喚し、海中に放った死霊従者達に、動きを止めさせた上で自らのチェーンソーによる攻撃の援護をさせ、攻撃に加えて【傷口をえぐらせて】いった。
「もう、ちょっとだけって言いましたのに~☆」
 そのとき、【野生の勘】によって背筋に寒気を感じ、ユーフィが飛び退く。
 直後、ユーフィがそれまでいた場所に、激しく渦巻く冷たい海水の奔流が通り過ぎていった。
 同じく、シノギもその場から離れる。そこに居続けていたら、体を引き裂かれていたことだろう。
 仲間達が敵の気を引いている間、テラは【モード・グランディア】を展開し続けており、【土属性】によって強化しながらも相手の猛攻を【直感】を【見切り】によって避けていく。
 さらに、テラは【戦闘知識】を活かしてレディ・オーシャンの動き、癖と合わせ、何をしているのかと把握しようとしていた。
「動きはともかく……、何してるのかはさっぱりだな」
「正面から挑むの、得策ではないっぽい」
 鬼燈も相手の動きを見てそう考えるが、慣れない水中。まして、相手の得意とする場所である。
 そんな中、夜彦は【ジャンプ】、【ダッシュ】を活かして水中を移動し、レディ・オーシャンへと接近していく。
 相手が仕掛けてくる前にと【先制攻撃】、かつ【早業】にて愛刀『夜禱』を抜きながら居合で敵へと切りかかる。
 攻撃力を重視した【抜刀術『風斬』】で、夜彦は【連撃】を浴びせかけていく。
「痛いですね~☆」
 傷が増えていくレディ・オーシャンも反撃はしっかりと撃ち込んでくる。
 巨大な渦を発してくる彼女の一撃は、水中を満足に動けぬ猟兵にとっては脅威だ。
 自らの【視力】、【戦闘知識】で水の流れを確認する夜彦は、敵のユーベルコードを察して回避に努める。
 出来る限り【見切ろう】とはするが、至近からでは完全に避けるのは難しい。
 とりわけ、攻撃回数を重視されてはたまらず、夜彦も【激痛耐性】で堪えて反撃する好機を待つ。
「下手な小細工よりは、慣れた戦い方に近づけるほういいかな?」
 仲間が気を引く間に、鬼燈は化身鎧装を四肢へと纏わせて簡易パワードスーツとする。
 それを鬼燈は【水属性】へと干渉し、残った念動手として利用して。
「これなら、地上に近い感じで動けるはず」
 あとは敵が放つ怪魚を最小限の動きで斬り払いつつ、鬼燈は敵へと接近する。
 その間もレディ・オーシャンが水の奔流を、鬼燈達に向けて放ってくる。
 鬼燈はそれを最小限のダメージに抑えるように、持ち前の【耐性】と【オーラ】で……気合と根性で耐えようとしていた。
 同じく、テラも勝手は同じとはいかないが、【空中戦】を応用してなんとか海中を舞って接敵する。
「大体……何でヒーローズアーズの奴がこんな所に居て、訳の分からないものを探しているんだ!」
 紅龍槍『廣利王』でレディ・オーシャンへと素早くその切っ先を突いて、テラは【串刺し】を狙う。
「わたしはグリードオーシャンに帰りたいだけなんですよねん☆」
「あの世界はもうどうでもいいのかよ!」
 感情と共に、テラは槍を突き出し、レディ・オーシャンの腕と腰を貫いた。
 僅かに引きつる彼女の顔。猟兵達は一気に仕留めにかかっていく。


 何を考えているのか、外見では全く分からないレディ・オーシャン。
 彼女を倒す好機と判断した猟兵達は、相手に反撃の暇を与えぬように攻め立てる。
 相手の体を槍で貫いたテラは【早業】で星刃剣『グランディア』と『錆鞘之太刀』に装備を切り替え、相手の全身を切り刻もうとする。
 その間に、テラは貫いた槍の石突を【踏みつけ】、より傷を深めようとする。
 そこで、鬼燈もまた敵を間合いに捉えて。
「全力でいくっぽい!」
 レディ・オーシャン目がけ、鬼燈は竜殺しの剣技を全力で叩き込んでいく。
「先程のように凍る事は無くとも、水の勢いは動きを鈍らせる。だからこそ、普段以上の力が必要とされる……」
 自らの傷を顧みず、夜彦も再び刃を鞘に納めて。
「ですが……、それでも、私は負けるわけにはいかないのです」
 応戦するレディ・オーシャンは水の奔流を発射するが、攻撃力重視のその一撃を【残像】でぎりぎり避けた夜彦は【カウンター】として素早く連撃を浴びせかけていく。
 シノギやユーフィも近距離戦に加わって斬撃や殴打を叩き込む中、レディ・オーシャンも水のオーラを展開しつつ、ダメージの軽減を図る。
 そして、【ウォータージャベリン】で再度水槍を展開すると、近場に迫ってきていたメンバーが一斉に距離を取った。
 その絶好のタイミングを、明とアリスが逃さない。
「さあ、オブリビオンは『骸の海』へ帰りなさい」
 明は再び天からの雷光をレディ・オーシャンへと浴びせかけていくと、アリスは正面から『ヴォーパルソード』から光焔の【衝撃波】と【誘導弾】を【連続して放つ】。
「信長さんの隠した『かけら』を使って何を企んでいようとも……、私達が阻止します!」
 そこで、レディ・オーシャンは力無く両腕を垂らして。
「仕方ないですね。ここは諦めましょうか~☆」
 彼女は諦観するように首を振り、この場から消え去っていった。

 レディ・オーシャンが消えるのと同時にオーシャンボールも姿を消し、町を覆っていた海水も消えてしまう。
「水が……」
「良かった、……本当にどうなることかと」
 高台にいた人々は大いにそれを喜び、町へと帰っていったのは良いものの。
 海水が引いたことでレディ・オーシャンの儀式の跡なども全て消え去ってしまい、結局彼女が探していた物は全く見当もつかずじまいなのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年12月13日


挿絵イラスト